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特許7288063電気化学装置用隔離板、電気化学装置及び電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】電気化学装置用隔離板、電気化学装置及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/112 20210101AFI20230530BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20230530BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALI20230530BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20230530BHJP
   H01M 50/129 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/131 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/117 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/121 20210101ALI20230530BHJP
【FI】
H01M50/112
H01M10/052
H01M10/0566
H01M10/058
H01M50/129
H01M50/131
H01M50/117
H01M50/121
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021541676
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 CN2021083037
(87)【国際公開番号】W WO2022001235
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/099432
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】張 益博
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-513855(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104143652(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0189577(US,A1)
【文献】特表2022-542202(JP,A)
【文献】特表2006-520079(JP,A)
【文献】特開2008-159569(JP,A)
【文献】特開平11-204136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/112
H01M 10/0566
H01M 10/052
H01M 10/058
H01M 50/116 - 136
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン絶縁性を有する電気化学装置用隔離板であって、
中間層とパッケージ層とを含み、
前記パッケージ層は前記中間層の上下の二つの表面に位置し、前記パッケージ層の軟化開始温度は前記中間層の軟化開始温度より少なくとも10℃低く、
前記隔離板の厚さは、5μm~500μmであり、
前記隔離板が筐体に密封して接続し、前記隔離板の両側にそれぞれ密封された独立のキャビティを形成し、各密封された前記キャビティに一つの電極組立体と電解液とを含む、
電気化学装置用隔離板。
【請求項2】
前記中間層の材料は炭素材料、第1高分子材料及び金属材料から選ばれる少なくとも一種を含み、前記パッケージ層の材料は第2高分子材料を含む、請求項1に記載の隔離板。
【請求項3】
前記中間層の面積に占めるパッケージ層の面積は30%~100%である、請求項1に記載の隔離板。
【請求項4】
前記中間層の二つの表面の周囲エッジにパッケージ層を有する、請求項1に記載の隔離板。
【請求項5】
前記中間層の少なくとも一つの表面にパッケージ層を有する、請求項1に記載の隔離板。
【請求項6】
前記中間層は積層されている第1構造層と第2構造層とを含み、前記第1構造層と前記第2構造層における二つの背離する表面の周囲エッジにパッケージ層を有する、請求項1に記載の隔離板。
【請求項7】
前記中間層は第1構造層と前記第1構造層の両側に位置する第2構造層及び第3構造層とを含み、前記第2構造層及び前記第3構造層の少なくとも一つの表面にパッケージ層を有する、請求項1に記載の隔離板。
【請求項8】
前記炭素材料は、カーボンフェルト、カーボンフィルム、カーボンブラック、アセチレンブラック、フラーレン、導電性グラファイトフィルム及びグラフェンフィルムから選ばれる少なくとも一種を含み、
前記第1高分子材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレングリコールナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレングリコール、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチレンナフタレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンカーボネート、ポリ(フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(フッ化ビニリデン-co-クロロトリフルオロエチレン)、シリコン、ビニロン、ポリプロピレン、酸無水物変性ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン及びその共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエーテルニトリル、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリスルホン、非晶性ポリアルファオレフィン、及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種を含み、
前記金属材料は、Ni、Ti、Ag、Au、Pt、Fe、Co、Cr、W、Mo、Pb、In、Zn、Al、Cu及びステンレス鋼から選ばれる少なくとも一種を含み、
前記第2高分子材料は、ポリプロピレン、酸無水物変性ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン及びその共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエーテルニトリル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、非晶性ポリアルファオレフィン、及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項2に記載の隔離板。
【請求項9】
前記隔離板は
(a)前記中間層材料の軟化開始温度が130℃を超えること;
(b)前記パッケージ層材料の軟化開始温度が120℃~240℃であること、
から選ばれる少なくとも一つの特徴を備える、請求項1に記載の隔離板。
【請求項10】
前記隔離板は、
(a)前記隔離板の厚さが5μm~50μmであること;
(b)前記中間層材料の軟化開始温度が150℃を超えること;
(c)前記パッケージ層材料の軟化開始温度が130℃~170℃であること、
から選ばれる少なくとも一つの特徴を備える、請求項1に記載の隔離板。
【請求項11】
少なくとも一つの請求項1~10のいずれか1項に記載の隔離板、少なくとも二つの電極組立体、電解液及び筐体を含む電気化学装置であって、
前記電極組立体は密封された独立のキャビティ内にある、電気化学装置。
【請求項12】
前記電極組立体の最外層にセパレータが含まれ、前記セパレータは前記隔離板に隣接する、請求項11に記載の電気化学装置。
【請求項13】
少なくとも一つの前記電極組立体の最外層にセパレータが含まれ、前記セパレータは前記隔離板に隣接し、少なくとも一つの前記電極組立体の最外層に集電体が含まれ、前記集電体は前記隔離板の他側に隣接する、請求項11に記載の電気化学装置。
【請求項14】
前記電極組立体の最外層に集電体が含まれ、前記集電体は前記隔離板に隣接して、前記隔離板の両側にある電極組立体の集電体は反対の極性を有し、前記隔離板はNi、Ti、Ag、Au、Pt、Fe、Co、Cr、W、Mo、Pb、In、Zn及びステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項11に記載の電気化学装置。
【請求項15】
前記隔離板は電子絶縁性を有し、前記電極組立体の最外層に集電体が含まれ、前記集電体は前記隔離板に隣接する、請求項13に記載の電気化学装置。
【請求項16】
請求項11~15のいずれか1項に記載の電気化学装置を含む、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2020年6月30日に世界知的所有権機関へ出願された、出願番号PCT/CN2020/099432、発明の名称「電気化学装置用隔離板、電気化学装置及び電子装置」の国際出願の優先権を主張するものであり、その全内容を引用により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、電気化学技術分野に関し、具体的には、電気化学装置用隔離板、電気化学装置及び電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン電池は、体積や質量エネルギー密度が高く、サイクル寿命が長く、公称電圧が高く、自己放電率が低く、小型、軽量などの多くの利点を備えるため、コンシューマエレクトロニクス分野で広く適用されている。近年、電気自動車及び可動式電子機器の急速な発展に伴い、電池のエネルギー密度、安全性、サイクル特性などに対する需要がますます高まっており、総合性能が全般的に向上した新型リチウムイオン電池の登場が期待されている。
【0004】
しかし、リチウムイオン電池は、その固有の電気化学システムによって制限され、通常、単電池の動作電圧は、5Vを超えることが困難である。一方、リチウムイオン電池の実際の使用では、例えばEV(Electric Vehicle,電気自動車)、ESS(Energy Storage System,エネルギー貯蔵システム)などの高電圧での使用場面の需要が多いである。リチウムイオン電池の出力電圧を向上させるために、先行技術には、通常、複数の電極組立体を直列接続して組み立てる。従来の液体電解液系電極組立体は、液体条件下で異なる電位を持つ正極と負極が内部短絡することを回避するために、その直列接続構造において直列接続されたキャビティの間のイオン絶縁機能を実現する必要があると共に、従来の液体電解液の高電圧での分解による故障を回避する必要がある。また、隔離板は、構造の一部をパッケージするので、その機械的強度、厚さ、熱安定性、電気化学的安定性などのパラメータには一定の要求がある。これに基づいて、従来の単一の基材は、直列接続された電極組立体の隔離板としての需要を満たすことが困難であるため、直列接続された単電池の間の隔離を実現するために、新たな隔離板を開発する必要がある。現在、一般的に使用されている隔離板の調製方法は、次の2つの方法である。第一は、耐高温の緻密な隔離材料の表面にパッケージ用シール材からなる層を形成することである。第二は、耐高温の緻密な隔離材料の表面に対して、隔離材料を筐体と直接密着することができるように改質処理を行い、シールを実現することである。
【0005】
しかし、現在の技術について、上記第一の方法で調製された隔離板は、一般に同種の高分子材料の多重積層体であり、全体の厚さが比較的に厚く、高温パッケージ条件で材料自体に構造的な損傷が生じやすく、イオン隔離性能が悪い。上記第二の方法で調製された隔離板では、隔離板と筐体との間を確実にパッケージすることが困難であり、具体的に適用することが難しい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、リチウムイオン電池のパッケージ信頼性(package reliability)及びイオンバリア効果を向上させることができる、電気化学装置用隔離板、電気化学装置及び電子装置を提供することである。
【0007】
本発明の第一の態様では、イオン絶縁性を有する電気化学装置用隔離板であって、中間層とパッケージ層とを含み、前記パッケージ層は前記中間層の上下の二つの表面に位置し、前記パッケージ層の軟化開始温度は前記中間層の軟化開始温度より少なくとも10℃低い、電気化学装置用隔離板を提供する。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、電気化学装置用隔離板は、イオン絶縁性を有し、中間層とパッケージ層とを含み、前記パッケージ層は前記中間層の上下の二つの表面に位置する。前記中間層の材料は炭素材料、第1高分子材料、及び金属材料から選ばれる少なくとも一種を含む。前記パッケージ層の材料は第2高分子材料を含む。前記パッケージ層の軟化開始温度は前記中間層の軟化開始温度より少なくとも10℃低い。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、前記中間層の二つの表面の周囲エッジにパッケージ層を有する。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、中間層の面積に占める、前記パッケージ層の面積は30%~100%である。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、前記中間層的少なくとも一つの表面上にパッケージ層を有する。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、前記炭素材料は、カーボンフェルト、カーボンフィルム、カーボンブラック、アセチレンブラック、フラーレン、導電性グラファイトフィルム、及びグラフェンフィルムから選ばれる少なくとも一種を含む。
【0013】
本発明の1つの実施形態において、前記第1高分子材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレングリコールナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレングリコール、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチレンナフタレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンカーボネート、ポリ(フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(フッ化ビニリデン-co-クロロトリフルオロエチレン)、シリコン、ビニロン、ポリプロピレン、酸無水物変性ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン及びその共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエーテルニトリル、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリスルホン、非晶性ポリアルファオレフィン、及び前記物質の誘導体から選ばれる少なくとも一種を含む。
【0014】
本発明の1つの実施形態において、前記金属材料は、Ni、Ti、Ag、Au、Pt、Fe、Co、Cr、W、Mo、Pb、In、Zn、Al、Cu、及びステンレス鋼から選ばれる少なくとも一種を含む。
【0015】
本発明の1つの実施形態において、前記ステンレス鋼は、ステンレス鋼302、ステンレス鋼304、及びステンレス鋼316から選ばれる少なくとも一種を含む。
【0016】
本発明の1つの実施形態において、前記第2高分子材料は、ポリプロピレン、酸無水物変性ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン及びその共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエーテルニトリル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、非晶性ポリアルファオレフィン、及び前記物質の誘導体から選ばれる少なくとも一種を含む。
【0017】
本発明の第2の態様では、少なくとも一つの前記の隔離板、少なくとも二つの電極組立体、電解液、及び筐体を含む電気化学装置であって、前記電極組立体が密封された独立のキャビティ内にある、電気化学装置を提供する。
【0018】
本発明の1つの実施形態において、前記電極組立体の最外層にはセパレータが含まれ、前記セパレータは前記隔離板に隣接する。
【0019】
本発明の1つの実施形態において、少なくとも一つの前記電極組立体の最外層にはセパレータが含まれ、前記セパレータは前記隔離板に隣接し、少なくとも一つの前記電極組立体の最外層には集電体が含まれ、前記集電体は前記隔離板の他側に隣接する。
【0020】
本発明の1つの実施形態において、前記電極組立体の最外層には集電体が含まれ、前記集電体は前記隔離板に隣接し、且つ前記隔離板の両側にある電極組立体の集電体は反対の極性を持ち、前記隔離板は、Ni、Ti、Ag、Au、Pt、Fe、Co、Cr、W、Mo、Pb、In、Zn、及びステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも一種である。
【0021】
本発明の1つの実施形態において、前記隔離板は電子絶縁性を有し、前記電極組立体の最外層には集電体が含まれ、前記集電体は前記隔離板に隣接する。
【0022】
本発明の第3の態様では、第2の態様に記載の電気化学装置を含む電子装置を提供する。
【0023】
本発明は、電気化学装置用隔離板、電気化学装置及び電子装置を提供する。電気化学装置用隔離板は、イオン絶縁性を有し、中間層とパッケージ層とを含む。パッケージ層は中間層の上下の二つの表面に位置し、中間層の材料は炭素材料、第1高分子材料、及び金属材料から選ばれる少なくとも一種を含み、パッケージ層の材料は第2高分子材料を含み、パッケージ層の軟化開始温度は中間層の軟化開始温度より少なくとも10℃低い。本発明の隔離板によれば、イオン絶縁及びパッケージの信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下では、本発明の実施例及び先行技術の技術案をより明確に説明するために、実施例及び先行技術に関する必要な図面を概略に説明する。以下に説明されている図面は、本発明の実施例の一部にすぎないことは自明である。
図1図1は、本発明の1つの実施形態における隔離板の断面模式図である。
図2図2は、本発明の他の実施形態における隔離板の断面模式図である。
図3図3は、本発明の1つの実施形態における隔離板の平面模式図である。
図4図4は、本発明のもう1つの実施形態における隔離板断面模式図である。
図5図5は、本発明の第4種の実施形態における隔離板断面模式図である。
図6図6は、本発明の1つの実施形態におけるパッケージされた電極組立体の断面模式図である。
図7図7は、本発明の比較例2の電気化学装置の模式図である。
図8図8は、本発明の比較例3の電気化学装置の模式図である。
図9図9は、本発明の比較例4の電気化学装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、図面を参照しながら実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。説明されている実施例は、本発明の実施例の一部にすぎず、全ての実施例ではないことは自明である。当業者が本発明に基づいて得られた他のすべての実施例は、本発明の保護範囲内にある。
【0026】
なお、本発明の具体的な実施形態において、リチウムイオン電池を電気化学装置の例として、本発明を説明するが、本発明の電気化学装置は、リチウムイオン電池に制限されるものではない。図1に示すように、本発明は、イオン絶縁性を有する電気化学装置用隔離板であって、中間層2とパッケージ層1とを含み、前記パッケージ層1は前記中間層2の上下の二つの表面に位置し、前記中間層2の材料は、炭素材料、第1高分子材料、及び金属材料から選ばれる少なくとも一種を含み、前記パッケージ層1の材料は第2高分子材料を含み、前記パッケージ層1の軟化開始温度(融点または軟化点)は前記中間層の軟化開始温度より少なくとも10℃低い、電気化学装置用隔離板を提供する。
【0027】
電気化学装置用隔離板については、中間層が構造層であり、構造層が高い機械的強度、高い融点又は高い軟化点を備え、両側がパッケージ層であり、パッケージ層が低い融点又は低い軟化点を備える。中間層とパッケージ層とも良好なイオン絶縁能力、ある程度の熱安定性、薄い厚さという利点を備える。パッケージ層の軟化開始温度は中間層の軟化開始温度より少なくとも10℃低いため、パッケージの信頼性及びイオン絶縁の有効性を確保することができる。この隔離板は、少なくとも3つの異なる薄膜をホットプレスしてラミネートすることにより作成されてもよく、中間層の両側にパッケージ層を塗布する方法により作成されてもよい。
【0028】
図2に示すように、本発明の1つの実施形態において、前記中間層2の二つの表面の周囲エッジはパッケージ層1に被覆される。即ち、中間層2の本体表面部分はパッケージ層に被覆されない。図3は、この実施形態の平面模式図である。中間層の面積に占める、前記パッケージ層の面積は30%~100%であり、前記パッケージ層の絶対的な幅が2mmを超えるため、パッケージの強度を効率的に向上させることができる。
【0029】
中間層の二つの表面の周囲エッジにパッケージ層を有し、例示的に、中間層的二つの表面の周囲エッジはパッケージ層に被覆され、できるだけパッケージ層材料の塗布量及び割合を低減し、非有効物質の割合を低減するため、リチウムイオン電池のエネルギー密度を向上させることができる。本発明の1つの実施形態において、中間層の少なくとも一つの表面にパッケージ層を有し、例示的に、前記中間層の少なくとも一つの表面の全体はパッケージ層に被覆される。
【0030】
図4に示すように、本発明の1つの実施形態において、中間層2は積層されている第1構造層21と第2構造層22とを含み、第1構造層と第2構造層との二つの背離する表面の周囲エッジにパッケージ層を有し、例示的に、第1構造層21と第2構造層22の二つの背離する表面の周囲エッジはパッケージ層1に被覆されてもよく、四層の層状構造が形成される。上記構造は、隔離板の強度をさらに向上させることに役立つ。その中、中間層の面積に占める、パッケージ層の面積は、30%~100%である。
【0031】
図5に示すように、本発明の1つの実施形態において、中間層2は第1構造層21と第1構造層21の両側に位置する第2構造層22及び第3構造層23とを含み、第2構造層と第3構造層との少なくとも一つの表面にパッケージ層を有し、例示的に、第2構造層22及び第3構造層23の少なくとも一つの表面の全体がパッケージ層1に被覆されてもよい。例示的に、第2構造層22の表面の全体はパッケージ層1に被覆され、または、第3構造層23の表面の全体はパッケージ層1に被覆され、もしくは、第2構造層22と第3構造層23との表面の全体はパッケージ層1に被覆される。上記構造は、隔離板の強度をさらに向上させることに役立て、リチウムイオン電池の性能を向上させる。
【0032】
本発明に記載されている複合構造である中間層は、同一または異なる材料の複数のシートをプレスしてなることができ、例えば、アルミニウム箔と銅箔とをプレスしてなり、または、PIシート、Cu箔及びPIシートをこの順に積層してからプレスしてなり、もしくは、ステンレス箔、Al箔及びステンレス箔をこの順に積層してからプレスしてなる。本発明の複合構造である中間層を形成する各シートの厚さは、特に制限は無く、中間層の厚さが本発明の隔離板の要求を満たせればよい。本発明の複合構造である中間層を形成する各シートの数は、特に制限は無く、中間層の厚さが本発明の隔離板の要求を満たせればよい。
【0033】
本発明の1つの実施形態において、前記炭素材料は、カーボンフェルト、カーボンフィルム、カーボンブラック、アセチレンブラック、フラーレン、導電性グラファイトフィルム及びグラフェンフィルムから選ばれる少なくとも一種を含む。本発明の1つの実施形態において、前記第1高分子材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレングリコールナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレングリコール、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチレンナフタレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンカーボネート、ポリ(フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(フッ化ビニリデン-co-クロロトリフルオロエチレン)、シリコン、ビニロン、ポリプロピレン、酸無水物変性ポリプロピレン、ポリエチレン、他のエチレン及びその共重合体(例えば、EVA、EEA、EAA、EVAL)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、他のポリオレフィン系、ポリエーテルニトリル、ポリウレタン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリスルホン、非晶性ポリアルファオレフィン及び前記物質の誘導体から選ばれる少なくとも一種を含む。
【0034】
中間層は高分子材料を用いると、高分子材料の密度が一般的に使用される金属系集電体材料の密度より小さいため、非活物質の重量を低減して、電極組立体の質量エネルギー密度を向上させることができる。中間層は高分子材料を用いると、これから調製された隔離板は金属系集電体に比べて、機械を濫用する場合(釘の貫通、衝撃、押し出しなど)に、導電性の破片を生成する確率が低く、且つ機械的に破壊された表面に対する包む効果が優れているため、上記した機械を濫用する場合の安全境界を改善して、安全性試験の合格率を向上させることができる。
【0035】
本発明の1つの実施形態において、前記金属材料は、Ni、Ti、Ag、Au、Pt、Fe、Co、Cr、W、Mo、Pb、In、Zn、Al、Cu、及びステンレス鋼から選ばれる少なくとも一種を含む。本発明のステンレス鋼の種類は、特に制限は無く、本発明の要求を満たせればよく、例えば、ステンレス鋼302、ステンレス鋼304、ステンレス鋼305、ステンレス鋼316、及びステンレス鋼317から選ばれる少なくとも一種を含むが、これらに限定されない。本発明のステンレス鋼は、別に断らない限り、ステンレス鋼302を指す。本発明の1つの実施形態において、前記第2高分子材料は、ポリプロピレン、酸無水物変性ポリプロピレン、ポリエチレン、他のエチレン及びその共重合体(例えば、EVA、EEA、EAA、EVAL)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、他のポリオレフィン系、ポリエーテルニトリル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、非晶性ポリアルファオレフィン、及び前記物質の誘導体から選ばれる少なくとも一種を含む。
【0036】
本発明の1つの実施形態において、前記隔離板の厚さは、2μm~500μmであり、好ましくは5μm~50μmであり、より好ましくは5μm~20μmである。本発明の1つの実施形態において、前記中間層材料の軟化開始温度は、130℃を超え、好ましくは150℃を超える。本発明の1つの実施形態において、前記パッケージ層材料の軟化開始温度は、120℃~240℃であり、好ましくは130℃~170℃である。なお、中間層として第1高分子材料を選ぶと、本発明により調製された隔離板の中間層及びパッケージ層の材料が同一でも異なっていてもよく、同一の材料、例えば、何れもPP(ポリプロピレン)を用いる場合、中間層が加熱された後にパッケージ層より早く融けることによるパッケージの故障を回避するために、中間層及びパッケージ層の軟化開始温度の差が20℃以上であることを確保する必要がある。
【0037】
本発明の1つの実施形態において、パッケージ層と中間層との間の界面接着力は、10N/cmを超え、好ましくは20N/cmを超える。本発明の1つの実施形態において、パッケージ層と筐体との間の界面接着力は、10N/cmを超え、好ましくは15N/cmを超える。本発明の1つの実施形態において、内側パッケージされない接着剤溢れ領域内のパッケージ層の断面積とパッケージ領域内のパッケージ層の断面積との比率Aは、0~20であり、好ましくは0.5~5であり、より好ましくは0.5~2である。
【0038】
内側パッケージされない接着剤溢れ領域内のパッケージ層の断面積とパッケージ領域内のパッケージ層の断面積との比率Aの決定方法は以下のとおりである。リチウムイオン電池の二つのタブの中央をカットし、その断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で測定し、SEM画像における接着剤溢れ領域の面積及びパッケージ領域の面積を計算する。上記の方法に従って複数のリチウムイオン電池の同じ位置での接着剤溢れ領域の面積及びパッケージ領域の面積を測定し、複数の接着剤溢れ領域の面積及びパッケージ領域の面積を得て、それぞれ、接着剤溢れ領域の面積の平均値及びパッケージ領域の面積の平均値を計算し、両者の平均値の比を比率Aとする。図6は、パッケージ領域の断面模式図であり、上下のアルミプラスチックフィルム3の中央はパッケージ層であり、左側はパッケージ領域5であり、パッケージ領域5の接着剤が上下のアルミプラスチックフィルム3によってホットプレスされ、パッケージされない領域に押し出されて接着剤溢れ領域4が形成される。接着剤溢れ領域の接着剤が多すぎると、接着剤溢れ領域の隆起が多すぎて、パッケージされた後の電池が破損しやすい。接着剤溢れ領域の接着剤が少なすぎると、ヒートシール効果が悪くなって、パッケージされた後の電池が破損しやすい。そのため、比率Aの値が大きすぎても小さすぎてもいけなく、本発明の範囲内に収めるのが適切である。
【0039】
本発明は、更に、少なくとも一つの本発明の隔離板、少なくとも二つの電極組立体、電解液及び筐体を含む電気化学装置を提供し、前記電極組立体が密封された独立のキャビティにある。本発明の1つの実施形態において、前記電気化学装置は、少なくとも一つの本発明の隔離板を含み、前記隔離板は電気化学装置の筐体に密封して接続し、前記隔離板の両側に二つの密封された独立のキャビティを形成し、各密封されたキャビティに一つの電極組立体と電解液とを有し、独立の電気化学セルを形成する。ここで、前記隔離板は導電性を有し、前記隔離板の両側にそれぞれ反対の極性を持つ電極活物質を塗布しても良い。隣接する電気化学セル同士は、本発明の隔離板を含む電極で内部直列接続して、双極性リチウムイオン電池を形成し、より高い作動電圧を備える。前記隔離板は、Ni、Ti、Ag、Au、Pt、Fe、Co、Cr、W、Mo、Pb、In、Zn、及びステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも一種であってもよい。
【0040】
本発明の1つの実施形態において、前記隔離板は、導電性を有し、隣接する二つの電極組立体がそれぞれ一つのタブを引き出してもよく、これらの二つの電極組立体のタブの極性が反対である。例えば、隔離板は、電極組立体Aに隣接する側に正極活物質を塗布し、電極組立体Bに隣接する側に負極活物質を塗布する場合、電極組立体Aが負極タブを引き出し、電極組立体Bが正極タブを引き出す。この時、二つのタブの間の出力電圧は二つの電気化学セルの出力電圧の和である。前記隔離板は、Ni、Ti、Ag、Au、Pt、Fe、Co、Cr、W、Mo、Pb、In、Zn、及びステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも一種であってもよい。
【0041】
本発明の1つの実施形態において、前記隔離板は、電子絶縁性を有し、隣接する二つの電極組立体がそれぞれ二つのタブを引き出してもよく、電極組立体Aの正極タブと電極組立体Bの負極タブとが直列接続され、電極組立体Aの負極タブと電極組立体Bの正極タブとが出力タブであり、出力電圧が二つの電気化学セルの出力電圧の和である。本発明の1つの実施形態において、前記隔離板は、導電性を有し、隔離板が一つのタブを引き出し、リチウムイオン電池の作動状態の監視に用いられてもよい。本発明の1つの実施形態において、前記電極組立体の最外層にセパレータを含み、前記セパレータが前記隔離板に隣接する。
【0042】
本発明において、電極組立体の最外層は、巻き取りまたは他の方式によって仕上げられ、セパレータ及び集電体から選ばれる少なくとも一種を含んでもよく、例えば、セパレータのみを含み、集電体のみを含み、もしくは一部にセパレータを含み、他の部に集電体を含む。ここで、集電体は、この最外層に活物質を塗布しない状態、活物質を部分的に塗布する状態、及び表面全体に活物質を塗布する状態から選ばれる少なくとも一種であってもよい。
【0043】
本発明の1つの実施形態において、本発明の電気化学装置は、少なくとも一つの隔離板を含み、前記隔離板は電子絶縁性を有してもよく、導電性を有してもよく、前記隔離板が筐体に密封して接続し、隔離板の両側にそれぞれ密封された独立のキャビティを形成し、各密封されたキャビティに一つの電極組立体と電解液とを含み、一つの電気化学セルを形成し、前記隔離板の両側が隣接する電極組立体のセパレータに直接的に接して電気絶縁となる。この時、二つの電極組立体は、それぞれ二つのタブを引き出し、二つの電極組立体の間にタブで直列接続する。
【0044】
本発明の1つの実施形態において、少なくとも一つの前記電極組立体の最外層にはセパレータが含まれ、前記セパレータは前記隔離板に隣接し、少なくとも一つの前記電極組立体の最外層には集電体が含まれ、前記集電体は前記隔離板の他側に隣接する。
【0045】
本発明の1つの実施形態において、本発明の電気化学装置は、少なくとも一つの隔離板を含み、前記隔離板が筐体に密封して接続し、隔離板の両側にそれぞれ密封された独立のキャビティを形成し、各密封されたキャビティに一つの電極組立体と電解液とを含み、一つの電気化学セルを形成し、前記隔離板は、導電性を有し、前記隔離板の一側に電極活物質を塗布し、他側が電極組立体のセパレータに接して電気絶縁となってもよい。例えば、隔離板は、電極組立体Aに近い側に正極活物質を塗布し、電極組立体Bに近い側が電極組立体Bのセパレータに接して電極組立体Bとの電気絶縁となる。この時、二つの電極組立体は、それぞれ二つのタブを引き出し、隔離板は、一つのタブを引き出し、このタブは、電極組立体Aの正極タブに並列接続して、電極組立体Bの負極タブに直列接続する。
【0046】
本発明の1つの実施形態において、本発明的電気化学装置は、少なくとも一つの隔離板を含み、前記隔離板が筐体に密封して接続し、隔離板の両側にそれぞれ密封された独立のキャビティを形成し、各密封されたキャビティに一つの電極組立体と電解液とを含み、一つの電気化学セルを形成し、前記隔離板は、電子絶縁性を備え、前記隔離板の一側が電極組立体のセパレータに接して電気絶縁となり、前記隔離板の他側が電極組立体の集電体に直接的に接する。この時、二つの電極組立体は、それぞれ二つのタブを引き出し、二つの電極組立体の間にタブで直列接続する。
【0047】
本発明の1つの実施形態において、前記電極組立体の最外層には集電体が含まれ、前記集電体は前記隔離板に隣接して、且つ前記隔離板の両側の電極組立体の集電体が反対の極性を有する。前記隔離板は、Ni、Ti、Ag、Au、Pt、Fe、Co、Cr、W、Mo、Pb、In、Zn及びステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも一種である。
【0048】
本発明の1つの実施形態において、本発明の電気化学装置は、少なくとも一つの隔離板を含み、前記隔離板は導電性を有し、前記隔離板は筐体に密封して接続し、隔離板の両側にそれぞれ密封された独立のキャビティを形成し、各密封されたキャビティに一つの電極組立体と電解液とを含み、一つの電気化学セルを形成し、前記隔離板の一側に電極活物質を塗布し、他側が電極組立体の集電体に直接的に接して電気接続となる。例えば、隔離板は、電極組立体Aに近い側に正極活物質を塗布し、電極組立体Bに近い側が電極組立体Bの負極集電体に直接的に接して電気接続となる。この時、電極組立体Aは一つの負極タブを引き出してもよく、電極組立体Bが一つの正極タブを引き出してもよく、二つの電気化学セルの間に隔離板で内部直列接続し、もしくは電極組立体A及びBがそれぞれ二つのタブを引き出し、電極組立体Aの正極タブが電極組立体Bの負極タブに直列接続し、この時、二つの電気化学セルの間に隔離板で内部直列接続してタブで外部直列接続する。また、隔離板が一つのタブを引き出し、リチウムイオン電池の作動状態の監視に用いられてもよい。前記隔離板は、Ni、Ti、Ag、Au、Pt、Fe、Co、Cr、W、Mo、Pb、In、Zn、及びステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも一種であってもよい。
【0049】
本発明の1つの実施形態において、前記隔離板は電子絶縁性を有し、前記電極組立体の最外層に集電体が含まれ、前記集電体が前記隔離板に隣接する。本発明の1つの実施形態において、本発明の電気化学装置は、少なくとも一つの隔離板を含み、前記隔離板が筐体に密封して接続し、隔離板の両側にそれぞれ密封された独立のキャビティを形成し、各密封されたキャビティに一つの電極組立体と電解液とを含み、一つの電気化学セルを形成し、前記隔離板が電子絶縁体であり、前記隔離板の両側が隣接する電極組立体の最外層の集電体に直接的に接続して電気絶縁となる。この時、二つの電極組立体は、それぞれ二つのタブを引き出し、二つの電極組立体の間にタブで直列接続する。
【0050】
本発明の1つの実施形態において、前記隔離板は導電性を有し、隔離板と電極活物質との間にアンダーコート層を含んでもよく、アンダーコート層は、隔離板と活物質との間の接着性能を改善して、隔離板と活物質と間の電子伝導能力を向上させることができる。前記アンダーコート層は、通常、導電性カーボンブラック、スチレンブタジエンゴム及び脱イオン水を混合して形成したスラリーを隔離板に塗布して乾燥させることにより得られ、また、隔離板の両面のアンダーコート層が同一でも異なっていてもよい。前記隔離板は、Ni、Ti、Ag、Au、Pt、Fe、Co、Cr、W、Mo、Pb、In、Zn、及びステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも一種であってもよい。
【0051】
本発明は、前記いずれかの電気化学装置を含む電子装置をさらに提供する。本発明の電極組立体は、特に制限は無く、本発明の目的を達成できれば、従来技術の任意の電極組立体を用いてもよく、例えば、積層型電極組立体または巻取型電極組立体を用いてもよい。電極組立体は、通常、正極片、負極片及びセパレータを含む。
【0052】
本発明における負極片は、特に制限は無く、本発明の目的を達成できればよい。例えば、負極片は、通常、負極集電体及び負極活物質層を含む。その中、負極集電体は、特に制限は無く、本分野で公知の任意の負極集電体、例えば、銅箔、アルミ箔、アルミ合金箔及び複合集電体などを用いてもよい。負極活物質層は、負極活物質を含み、負極活物質は特に制限は無く、本分野で公知の任意の負極活物質を用いてもよい。例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、ソフトカーボン、ハードカーボン、シリコン、シリコンカーバイド、チタン酸リチウムなどから選ばれる少なくとも一種を含んでもよい。
【0053】
本発明における正極片は、特に制限は無く、本発明の目的を達成できればよい。例えば、前記正極片は、通常、正極集電体及び正極活物質を含む。その中、前記正極集電体は、特に制限は無く、本分野で公知の任意の正極集電体、例えば、アルミ箔、アルミ合金箔及び複合集電体などであってもよい。前記正極活物質は、特に制限は無く、従来技術の任意の正極活物質であってもい、前記活物質は、NCM811、NCM622、NCM523、NCM111、NCA、リン酸鉄リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄マンガンリチウムまたはチタン酸リチウムから選ばれる少なくとも一種を含む。
【0054】
本発明における電解液は、特に制限は無く、本分野で公知の任意の電解液を用いてもよく、例えば、ゲル、固体、液体のいずれか一つの状態であってもよく、例えば、液体電解液は、リチウム塩と非水溶媒とを含んでも良い。リチウム塩は、特に制限は無く、本発明の目的を達成できれば、本分野で公知の任意のリチウム塩を用いてもよい。例えば、リチウム塩は、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLiN(CFSO(LiTFSI)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドLi(N(SOF))(LiFSI)、リチウムビス(オキサラト)ホウ酸LiB(C(LiBOB)、及びジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウムLiBF(C)(LiDFOB)から選ばれる少なくとも一種を含んでもよい。例えば、リチウム塩は、LiPFを用いてもよい。非水溶媒は、特に制限は無く、本発明の目的を達成できればよい。例えば、非水溶媒は、炭酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、エーテル化合物、ニトリル化合物及び他の有機溶媒から選ばれる少なくとも一種を含んでもよい。例えば、炭酸エステル化合物は、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、エチルメチルカーボネート(MEC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、1,2-ジフルオロエチレンカーボネート、1,1-ジフルオロエチレンカーボネート、1,1,2-トリフルオロエチレンカーボネート、1,1,2,2-テトラフルオロエチレンカーボネート、1-フルオロ-2-メチルエチレンカーボネート、1-フルオロ-1-メチルエチレンカーボネート、1,2-ジフルオロ-1-メチルエチレンカーボネート、1,1,2-トリフルオロ-2-メチルエチレンカーボネート、及びトリフルオロメチルエチレンカーボネートから選ばれる少なくとも一種を含んでもよい。
【0055】
本発明におけるセパレータは、特に制限は無く、例えば、セパレータは、本発明の電解液に対して安定である材料からなる重合体または無機物などを含む。セパレータは、通常、イオン伝導性および電子絶縁性を有する。例えば、セパレータは、基材層及び表面処理層を含んでもよい。基材層は、多孔質構造を有する不織布、膜又は複合膜であってもよく、基材層の材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートおよびポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である。任意的に、ポリプロピレン多孔質膜、ポリエチレン多孔質膜、ポリプロピレン不織布、ポリエチレン不織布又はポリプロピレン-ポリエチレン-ポリプロピレン多孔質複合膜を使用してもよい。任意的に、基材層の少なくとも一つの表面上に表面処理層が設けられており、表面処理層は、重合体層又は無機物層であってもよく、重合体と無機物とを混合してなる層であってもよい。例えば、無機物層は、無機粒子とバインダーとを含み、前記無機粒子は、特に制限は無く、例えば、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、酸化チタン、二酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化セリウム、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、炭化ケイ素、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、及び硫酸バリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。前記バインダーは、特に制限は無く、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン及びポリヘキサフルオロプロピレンからなる群より選ばれる一種または複数種の組み合わせであってもよい。重合体層は、重合体を含み、重合体の材料は、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、アクリル酸エステルの重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン及びポリ(フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン)から選ばれる少なくとも一種を含む。
【0056】
本発明は、前記パッケージ層が中間層の全体を被覆する隔離板を調製するための隔離板の調製方法を更に提供する。前記調製方法は、以下の手順を含む。(1)パッケージ層材料を分散剤に均一に分散させて、パッケージ層懸濁液を調製し、(2)流延機器で中間層の両側にそれぞれ得られた懸濁液を流延して、パッケージ層を調製し、(3)パッケージ層懸濁液における分散剤を乾燥して、隔離板の調製を完了する。
【0057】
本発明は、前記パッケージ層が中間層の全体を被覆する隔離板を調製するための隔離板の調製方法を更に提供する。前記調製方法は、以下の手順を含む。(1)パッケージ層材料を分散剤に均一に分散して、パッケージ層懸濁液を調製し、(2)中間層材料を分散剤に均一に分散して、中間層懸濁液を調製し、(3)流延機器で中間層懸濁液及び両側のパッケージ層懸濁液を同期的に流延して調製し、(4)パッケージ層懸濁液及び中間層懸濁液における分散剤を乾燥して、隔離板の調製を完了する。
【0058】
本発明は、前記パッケージ層が中間層の周囲を被覆する隔離板を調製するための隔離板の調製方法を更に提供する。前記調製方法は、以下の手順を含む。(1)パッケージ層材料を分散剤に均一に分散して、パッケージ層懸濁液を調製し、(2)接着剤塗布機で中間層の両側にそれぞれパッケージ層を調製し、(3)パッケージ層懸濁液における分散剤を乾燥して、隔離板の調製を完了する。
【0059】
本発明は、前記パッケージ層が中間層の周囲を被覆する隔離板を調製するための隔離板の調製方法を更に提供する。前記調製方法は、以下の手順を含む。(1)パッケージ層材料を分散剤に均一に分散して、パッケージ層懸濁液を調製し、(2)3Dプリンターで中間層の両側にそれぞれパッケージ層を調製し、(3)パッケージ層懸濁液における分散剤を乾燥して、隔離板の調製を完了する。
【0060】
本発明は、前記パッケージ層が中間層の周囲を被覆する隔離板を調製するための隔離板の調製方法を更に提供し、当該中間層が2層複合構造を有し、金属/金属複合構造、金属/高分子材料複合構造を含む。前記調製方法は、以下の手順を含む。(1)パッケージ層材料を分散剤に均一に分散して、パッケージ層懸濁液を調製し、(2)接着剤塗布機で2層複合構造を有する中間層の両側にそれぞれパッケージ層を調製し、(3)パッケージ層懸濁液における分散剤を乾燥して、隔離板の調製を完了する。
【0061】
本発明は、前記パッケージ層が中間層の周囲を被覆する隔離板を調製するための隔離板の調製方法を更に提供し、当該中間層が3層複合構造を有し、金属/金属/金属複合構造、高分子材料/金属/高分子材料複合構造を含む。前記調製方法は、以下の手順を含む。(1)パッケージ層材料を分散剤に均一に分散して、パッケージ層懸濁液を調製し、(2)3Dプリンターで3層複合構造を有する中間層の両側にそれぞれパッケージ層を調製し、(3)パッケージ層懸濁液における分散剤を乾燥して、隔離板の調製を完了する。
【0062】
本発明の前記分散剤は、特に制限は無く、本分野でよく使う極性有機溶媒であってもよく、例えば、NMP(N-メチルピロリドン)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、THF(テトラヒドロフラン)などであってもよい。
【0063】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明の実施形態を更に具体的に説明する。各種の試験及び評価は下記の方法に従って行う。なお、「部」、「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。
【実施例
【0064】
調製例1:負極片の調製:負極活物質である、黒鉛、導電性カーボンブラック、スチレンブタジエンゴムを質量比96:1.5:2.5で混合し、溶媒として脱イオン水を加え、固形分含有量が70%であるスラリーを調製し、均一に撹拌した。スラリーを厚さが10μmである銅箔の一つの表面に均一に塗布し、110℃で乾燥して、コート層の厚さが150μmである負極片であって、片面に負極活物質層を塗布した負極片が得られ、その後、当該負極片の他の表面に以上の塗布ステップを繰り返した。塗布が完了した後、極片を41mm×61mmのサイズに切り出し、タブを溶接して、さらなる工程に供した。
【0065】
調製例2:正極片の調製:正極活物質である、LiCoO、導電性カーボンブラック、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を質量比97.5:1.0:1.5で混合し、溶媒としてNMPを加え、固形分含有量が75%であるスラリーを調製し、均一に撹拌した。スラリーを厚さが12μmであるアルミ箔の一つの表面に均一に塗布し、90℃で乾燥して、コート層の厚さが100μmである正極片であって、片面に正極活物質層を塗布した正極片が得られ、その後、当該正極片の他の表面に以上の塗布ステップを繰り返した。塗布が完了した後、極片を38mm×58mmのサイズに切り出し、タブを溶接して、さらなる工程に供した。
【0066】
調製例3:電解液の調製:乾燥アルゴンガス雰囲気で、まず、有機溶媒であるEC(エチレンカーボネート)、EMC(エチルメチルカーボネート)及びDEC(ジエチルカーボネート)を質量比EC:EMC:DEC=30:50:20で混合し、続いて、有機溶媒にLiPF(ヘキサフルオロリン酸リチウム)を加え、溶解して均一に混合し、リチウム塩の濃度が1.15M(mol/L)である電解液が得られた。
【0067】
調製例4:電極組立体の調製:セパレータとして、厚さが15μmであるPE(ポリエチレン)フィルムを選択して使用し、調製例1で得られた負極片の両面にそれぞれ一枚の調製例2で得られた正極片を設け、正極片と負極片との間に一層のセパレータを設け、積層片を形成して、積層片構造全体の四隅をしっかりと固定し、正極タブ及び負極タブを引き出し、電極組立体Aが得られた。セパレータとして、厚さが15μmであるPEフィルムを選択して使用し、正極片の両面にそれぞれ一枚の負極片を設け、正極片と負極片との間に一層のセパレータを設け、積層片を形成して、積層片構造全体の四隅をしっかりと固定し、正極タブ及び負極タブを引き出し、電極組立体Bが得られた。
【0068】
実施例1
隔離板の調製:(1)パッケージ層におけるパッケージ用物質PPを分散剤であるNMP(N-メチルピロリドン)に均一に分散して、濃度が45wt%であるパッケージ層懸濁液を得た。(2)接着剤塗布機で、厚さが20μmである中間層PET(ポリエチレンテレフタレート)薄膜の二つの表面の周囲エッジに厚さが40μmであるパッケージ層PPを調製し、パッケージ層PPの幅が5mmであり、中間層PETの軟化開始温度が270℃であり、パッケージ層PPの軟化開始温度が150℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が70%であった。(3)130℃でパッケージ層懸濁液における分散剤であるNMPを乾燥して、隔離板の調製を完了した。パッケージ時間、パッケージ圧力、パッケージ温度などのパラメータを調節して各実施例のパッケージ層の厚さの圧縮率を調節し、具体的に、表1を参照する。
電極組立体の組み立て:パンチング成形(Scouring-pit forming)された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具に置き、ピットの凹面を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Aをピット内に置き、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aのセパレータに接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、調製例4で得られた電極組立体Bを隔離板の上に置き、隔離板の他側が電極組立体Bのセパレータに接し、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムは、凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、ホットプレスで二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立てられた電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。
電極組立体の注液とパッケージ:調製例3で得られた電解液をそれぞれ上記した組み立てられた電極組立体の二つのキャビティに注入した後、パッケージして、二つの電極組立体のタブを筐体に引き出し、電極組立体Aの正極タブと電極組立体Bの負極タブとを溶接し、二つの電極組立体を直列接続して、電気伝導を実現した。
【0069】
実施例2 隔離板の調製過程において、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であること以外は、実施例1と同じである。
【0070】
実施例3 隔離板の調製過程において、パッケージ層の厚さの圧縮率が20%であること以外は、実施例1と同じである。
【0071】
実施例4 隔離板の調製過程において、パッケージ層材料としてPPを使用し、中間層材料としてPPを使用し、パッケージ層の軟化開始温度が130℃であり、中間層の軟化開始温度が150℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であること以外は、実施例1と同じである。
【0072】
実施例5 隔離板の調製過程において、中間層材料としてPI(ポリイミド)を使用し、中間層の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であること以外は、実施例1と同じである。
【0073】
実施例6 隔離板の調製過程において、パッケージ層材料としてPS(ポリスチレン)を使用し、中間層材料としてステンレス鋼を使用し、パッケージ層の軟化開始温度が240℃であり、中間層の軟化開始温度が1440℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であること以外は、実施例1と同じである。
【0074】
実施例7 隔離板の調製過程において、中間層材料としてPIを使用し、中間層の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり、パッケージ層と中間層との界面接着力が28N/mであり、パッケージ層と筐体との界面接着力が17.3N/mであること以外は、実施例1と同じである。
【0075】
実施例8 隔離板の調製過程において、パッケージ層材料としてPSを使用し、中間層材料がPIを使用し、パッケージ層の軟化開始温度が240℃であり、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であること以外は、実施例1と同じである。
【0076】
実施例9 隔離板の調製過程において、中間層材料としてPIを使用し、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、比率Aが0であること以外は、実施例1と同じである。
【0077】
実施例10 隔離板の調製過程において、中間層材料としてPIを使用し、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、比率Aが0.1であること以外は、実施例1と同じである。
【0078】
実施例11 隔離板の調製過程において、中間層材料としてPIを使用し、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり、比率Aが1.5であること以外は、実施例1と同じである。
【0079】
実施例12 隔離板の調製過程において、中間層材料としてPIを使用し、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が20%であり、比率Aが20であること以外は、実施例1と同じである。実施例9~12において、パッケージ接着剤塗布領域の接着剤塗布幅を調節することにより比率Aの大きさを調節し、接着剤塗布幅が小さいほど、A値が小さくなった。
【0080】
実施例13 隔離板の調製過程において、中間層材料としてAlを使用し、パッケージ層材料の軟化開始温度が130℃であり、中間層材料の軟化開始温度が660℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であること以外は、実施例1と同じである。
【0081】
実施例14 隔離板の調製過程において、中間層材料としてカーボンフィルムを使用し、中間層の軟化開始温度が3500℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であること以外は、実施例1と同じである。
【0082】
実施例15 隔離板の調製過程において、中間層材料としてPIを使用し、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり、中間層の厚さが400μmであること以外は、実施例1と同じである。
【0083】
実施例16 隔離板の調製過程において、中間層材料としてPIを使用し、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり、中間層の厚さが10μmであること以外は、実施例1と同じである。
【0084】
実施例17 隔離板の調製:中間層材料としてPIを使用し、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり、中間層の厚さが2μmであること以外は、実施例1と同じである。
【0085】
実施例18 隔離板の調製:中間層材料としてPIを使用し、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり;電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具に置き、ピットの凹面を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Aをピット内に置き、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aのセパレータに接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、調製例4で得られた電極組立体Bを隔離板の上に置き、隔離板の他側が電極組立体Bの集電体に接し、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムは、凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立てられた電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。前記のこと以外は、実施例1と同じである。
【0086】
実施例19 隔離板の調製過程において、中間層の材料がステンレス鋼であり、中間層の融点が1440℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり;電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具内に置き、の凹面を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Aをピット内に置き、電極組立体Aの正極片を上に向けて、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aの正極集電体に接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を組立治具内に置き、隔離板を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Bの負極を下に向けて隔離板の上に置き、隔離板の他側が電極組立体Bの負極集電体に接し、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムを凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立てられた電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。電極組立体の注液とパッケージ:調製例3で得られた電解液をそれぞれ組み立てられた電極組立体の二つのキャビティに注入した後、パッケージし、電極組立体A及びBのタブを筐体に引き出し、二つの電気化学セルの間に隔離板で内部直列接続して、リチウムイオン電池を得た。前記のこと以外は、実施例1と同じである。
【0087】
実施例20 隔離板の調製:中間層の材料がPIであり、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり;電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具内に置き、ピットの凹面を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Aをピット内に置き、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aの集電体に接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、調製例4で得られた電極組立体Bを隔離板の上に置き、隔離板の他側が電極組立体Bの集電体に接し、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムは、凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立て電極組立体を得た。当該組み立て電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。前記のこと以外は、実施例1と同じである。
【0088】
実施例21 隔離板の調製:中間層の材料がPIであり、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり、中間層の両側、即ち二つの表面の全体にPPを塗布した。隔離板の調製ステップは以下の通りである。(1)パッケージ層におけるパッケージ用物質PPを分散剤であるNMP(N-メチルピロリドン)に均一に分散して、濃度が45wt%であるパッケージ層懸濁液を調製し、(2)接着剤塗布机で厚さが20μmであり中間層PI(ポリイミド)薄膜の両側に厚さが30μmであるパッケージ層PPを均一に調製し、中間層PIの軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層PPの軟化開始温度が150℃であり、(3)130℃でパッケージ層懸濁液における分散剤であるNMPを乾燥して、隔離板の調製を完了した。前記のこと以外は、実施例1と同じである。
【0089】
実施例22 隔離板の調製:中間層の材料がPIであり、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり、中間層の両側の全体にPPを塗布した。隔離板の調製ステップは以下の通りである。(1)パッケージ層におけるパッケージ用物質PPを分散剤であるNMP(N-メチルピロリドン)に均一に分散して、濃度が45wt%であるパッケージ層懸濁液を調製し、(2)接着剤塗布機で厚さが20μmである中間層PI(ポリイミド)薄膜の両側に厚さが30μmであるパッケージ層PPを均一に調製し、中間層PIの軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層PPの軟化開始温度が150℃であり、(3)130℃でパッケージ層懸濁液における分散剤NMPを乾燥して、隔離板の調製を完了した。電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具内に置き、の凹面を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Aをピット内に置き、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aのセパレータに接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、調製例4の電極組立体Bを隔離板の上に置き、隔離板の他側が電極組立体Bの集電体に接し、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムは、凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立てられた電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。前記のこと以外は、実施例1と同じである。
【0090】
実施例23 隔離板の調製:中間層の材料がPIであり、中間層材料の軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり、中間層の両側の全体にPPを塗布した。隔離板の調製ステップは以下の通りである。(1)パッケージ層におけるパッケージ用物質PPを分散剤であるNMP(N-メチルピロリドン)に均一に分散して、濃度が45wt%であるパッケージ層懸濁液を調製し、(2)接着剤塗布機で厚さが20μmである中間層PI(ポリイミド)薄膜の両側に厚さが30μmであるパッケージ層PPを均一に調製し、中間層PIの軟化開始温度が334℃であり、パッケージ層PPの軟化開始温度が150℃であり、(3)130℃でパッケージ層懸濁液における分散剤であるNMPを乾燥して、隔離板の調製を完了した。電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具内に置き、ピットの凹面を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Aをピット内に置き、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aの集電体に接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、調製例4で得られた電極組立体Bを隔離板の上に置き、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムは、凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、隔離板の他側が電極組立体Bの集電体に接し、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立てられた電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。前記のこと以外は、実施例1と同じである。
【0091】
実施例24 隔離板の調製:中間層がステンレス鋼であり、融点が1440℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%である。電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具内に置き、ピットの凹面を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Aをピット内に置き、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aのセパレータに接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、調製例4で得られた電極組立体Bを隔離板の上に置き、隔離板の他側が電極組立体Bの正極集電体に接し、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムは凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立てられた電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。電極組立体注液とパッケージ:調製例3の電解液をそれぞれ組み立てられた電極組立体の二つのキャビティに注入した後パッケージし、二つの電極組立体のタブを筐体に引き出し、電極組立体Aの正極タブと電極組立体Bの負極タブとを溶接し、二つの電極組立体を直列接続して、電気伝導を実現した。前記のこと以外は、実施例1と同じである。
【0092】
実施例25 隔離板の調製:パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり;電極組立体の調製:両面に塗布した負極片、第1セパレータ、両面に塗布した正極片、第2セパレータをこの順に積層して積層片になり、その後、積層片全体を巻き取り、正極タブ及び負極タブを引き出し、第1セパレータを最外側に置いた。その中、セパレータとして厚さが15μmであるポリエチレン(PE)フィルムを選択して使用し、負極片が調製例1により調製され、正極片が調製例2により調製された。電極組立体Aを調製した。両面に塗布した負極片、第1セパレータ、両面に塗布した正極片、第2セパレータこの順に積層して積層片になり、その後、積層片全体を巻き取り、正極タブ及び負極タブを引き出し、第2セパレータを最外側に置き、負極片が調製例1により調製され、正極片が調製例2により調製された。その中、セパレータとして厚さが15μmであるポリエチレン(PE)フィルムを選択して使用した。電極組立体Bを調製した。前記のこと以外は、実施例1と同じである。
【0093】
実施例26 隔離板の調製:中間層の材料がステンレス鋼であり、融点が1440℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり;電極組立体の調製:両面に塗布した負極片、第1セパレータ、両面に塗布した正極片、第2セパレータをこの順に積層して積層片になり、その後、積層片全体を巻き取り、正極タブ及び負極タブを引き出し、第1セパレータが最外側に置いた。その中、セパレータとして厚さが15μmであるポリエチレン(PE)フィルムを選択して使用し、負極片が調製例1により調製され、正極片が調製例2により調製された。電極組立体Aを調製した。両面に塗布した負極片、第1セパレータ、両面に塗布した正極片、第2セパレータをこの順に積層して積層片になり、その後、積層片全体を巻き取り、正極タブ及び負極タブを引き出し、正極片の正極集電体が最外側に置いた。その中、セパレータとして厚さが15μmであるポリエチレン(PE)フィルムを選択して使用し、負極片が調製例1により調製され、正極片が調製例2により調製された。電極組立体Bを調製した。電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具内に置き、ピットの凹面を上に向けて、そして、前記電極組立体Aをピット内に置き、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aの第1セパレータに接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、上記した電極組立体Bを隔離板の上に置き、隔離板の他側が電極組立体Bの正極集電体に接し、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムは凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立てられた電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。電極組立体の注液とパッケージ:調製例3で得られた電解液をそれぞれ組み立てられた電極組立体の二つのキャビティに注入した後パッケージし、二つの電極組立体のタブを筐体に引き出し、電極組立体Aの正極タブと電極組立体Bの負極タブとを溶接し、二つの電極組立体を直列接続して電気伝導を実現した。前記のこと以外は、実施例1と同じである。
【0094】
実施例27 隔離板の調製:中間層の材料がステンレス鋼であり、融点が1440℃であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であり;電極組立体の調製:両面に塗布した負極片、セパレータ、両面に塗布した正極片をこの順に積層して積層片になり、その後、積層片全体を巻き取り、正極タブ及び負極タブを引き出し、負極片の負極集電体が最外側に置いた。その中、セパレータとして厚さが15μmであるポリエチレン(PE)フィルムを選択して使用し、負極片が調製例1により調製され、正極片が調製例2により調製された。電極組立体Aを調製した。両面に塗布した負極片、セパレータ、両面に塗布した正極片をこの順に積層して積層片になり、その後、積層片全体を巻き取り、正極タブ及び負極タブを引き出し、正極片の正極集電体を最外側に置いた。その中、セパレータとして厚さが15μmであるポリエチレン(PE)フィルムを選択して使用し、負極片が調製例1により調製され、正極片が調製例2により調製された。電極組立体Bを調製した。電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具内に置き、ピットの凹面を上に向けて、上述した電極組立体Aをピット内に置き、電極組立体Aの正極片を上に向けて、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aの負極集電体に接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、隔離板を上に向けて、上記した電極組立体Bの負極を下に向けて隔離板の上に置き、隔離板の他側が電極組立体Bの正極集電体に接し、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムは、凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立てられた電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。電極組立体の注液とパッケージ:調製例3の電解液をそれぞれ組み立てられた電極組立体の二つのキャビティに注入した後パッケージし、電極組立体A及びBのタブを筐体に引き出し、二つの電気化学セルの間に隔離板で内部直列接続して、リチウムイオン電池を得た。前記のこと以外は、実施例1と同じである。
【0095】
実施例28 隔離板の調製過程において、中間層材料としてステンレス鋼302を使用し、中間層の厚さが6μmであり、単層のパッケージ層の厚さが7μmであり、隔離板の厚さは20μmであり、中間層の軟化開始温度が1440℃であること以外は、実施例1と同じである。
【0096】
実施例29 隔離板の調製過程において、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であること以外は、実施例28と同じである。
【0097】
実施例30 隔離板の調製過程において、パッケージ層の厚さの圧縮率が20%であること以外は、実施例28と同じである。
【0098】
実施例31 隔離板の調製過程において、パッケージ層材料の軟化開始温度が140℃であること以外は、実施例29と同じである。
【0099】
実施例32 隔離板の調製過程において、比率Aが0であること以外は、実施例28と同じである。
【0100】
実施例33 隔離板の調製過程において、比率Aが0.1であること以外は、実施例28と同じである。
【0101】
実施例34 隔離板の調製過程において、比率Aが1.5であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が40%であること以外は、実施例28と同じである。
【0102】
実施例35 隔離板の調製過程において、比率Aが20であり、パッケージ層の厚さの圧縮率が20%であること以外は、実施例28と同じである。実施例30~33において、パッケージ接着剤塗布領域の接着剤塗布幅を調節することにより比率Aの大きさを調節し、接着剤塗布幅が小さいほど、A値が小さくなった。
【0103】
実施例36 隔離板の調製過程において、中間層材料としてステンレス鋼304を使用し、中間層の軟化開始温度が1410℃であること以外は、実施例29と同じである。
【0104】
実施例37 隔離板の調製過程において、中間層材料としてステンレス鋼316を使用し、中間層の軟化開始温度が1420℃であること以外は、実施例29と同じである。
【0105】
実施例38 隔離板の調製過程において、中間層材料としてPETを使用し、中間層の軟化開始温度が270℃であること以外は、実施例29と同じである。
【0106】
実施例39 隔離板の調製過程において、中間層材料としてCuを使用し、中間層の軟化開始温度が1080℃であり、パッケージ層の軟化開始温度が130℃であること以外は、実施例29と同じである。
【0107】
実施例40 隔離板の調製過程において、中間層材料としてAlを使用し、中間層の厚さが100μmであり、単層のパッケージ層の厚さが200μmであり、隔離板の厚さが500μmであり、中間層材料の軟化開始温度が660℃であること以外は、実施例29と同じである。
【0108】
実施例41 隔離板の調製過程において、中間層の厚さが4μmであり、単層のパッケージ層の厚さが3μmであり、隔離板の厚さが10μmであること以外は、実施例40と同じである。
【0109】
実施例42 隔離板の調製過程において、中間層の厚さが1μmであり、パッケージ層の単層厚さが0.5μmであり、隔離板の厚さが2μmであること以外は、実施例40と同じである。
【0110】
実施例43 隔離板の調製過程において、中間層の材料がAlであり、中間層の二つの表面の全体にPPを塗布し、パッケージ層の軟化開始温度が130℃であること以外は、実施例29と同じである。隔離板の調製ステップは以下の通りである。(1)パッケージ層におけるパッケージ用物質PPを分散剤であるNMP(N-メチルピロリドン)に均一に分散して、濃度が45wt%であるパッケージ層懸濁液を調製し、(2)流延機器で厚さが20μmであるAl中間層の両側にそれぞれ得られた懸濁液を流延して、厚さが30μmであるパッケージ層PPを調製し、(3)130℃でパッケージ層懸濁液における分散剤であるNMPを乾燥して、隔離板の調製を完了した。
【0111】
実施例44 隔離板の調製過程において、中間層の材料がステンレス鋼302であり、パッケージ層の軟化開始温度が150℃であること以外は、実施例43と同じである。
【0112】
実施例45 隔離板の調製過程において、中間層の材料がAlであり、電極組立体の組み立てが異なること以外は、実施例43と同じである。電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具内に置き、ピットの凹面を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Aをピット内に置き、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aのセパレータに接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、調製例4で得られた電極組立体Bを隔離板の上に置き、隔離板の他側が電極組立体Bの集電体に接し、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムは凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立てられた電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。
【0113】
実施例46 隔離板の調製過程において、中間層の材料がステンレス鋼302であり、パッケージ層の軟化開始温度が150℃であること以外は、実施例45と同じである。
【0114】
実施例47 中間層の材料がAlであり、電極組立体の組み立てが異なること以外は、実施例43と同じである。電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具内に置き、ピットの凹面を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Aをピット内に置き、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aの集電体に接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、調製例4で得られた電極組立体Bを隔離板の上に置き、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムを凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、隔離板の他側が電極組立体Bの集電体に接し、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立て電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。
【0115】
実施例48 隔離板の調製過程において、中間層の材料がステンレス鋼302であり、パッケージ層の軟化開始温度が150℃であること以外は、実施例47と同じである。
【0116】
実施例49 隔離板の調製過程において、中間層がAl/Cu複合構造であること以外は、実施例43と同じである。
【0117】
実施例50 隔離板の調製過程において、中間層がステンレス鋼302/PI複合構造であり、電極組立体の組み立てが異なるであること以外は、実施例29と同じである。電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具内に置き、ピットの凹面を上に向けて、調製例4の電極組立体Aをピット内に置き、隔離板を電極組立体Aの上に置き、隔離板の一側が電極組立体Aの集電体に接し、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、調製例4で得られた電極組立体Bを隔離板の上に置き、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムは、凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、隔離板の他側が電極組立体Bの集電体に接し、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムを隔離板と一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体Bとを隔離板で隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立てられた電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。
【0118】
実施例51 隔離板の調製過程において、中間層の材料がPI/Cu/PI複合構造であり、パッケージ層の軟化開始温度が150℃であること以外は、実施例43と同じである。
【0119】
実施例52 隔離板の調製過程において、中間層がPET/Al/PET複合構造であり、電極組立体の組み立てが異なること以外は、実施例50と同じである。
【0120】
実施例53 隔離板の調製過程において、中間層がステンレス鋼302/Al/ステンレス鋼302複合構造であり、隔離板の調製が異なること以外は、実施例50と同じである。隔離板の調製ステップは以下の通りである。(1)パッケージ層におけるパッケージ用物質PPを分散剤であるNMP(N-メチルピロリドン)に均一に分散して、濃度が45wt%であるパッケージ層懸濁液を調製し、(2)3Dプリンターで複合構造を有する中間層の両側にそれぞれパッケージ層を調製し、(3)パッケージ層懸濁液における分散剤を乾燥して、隔離板の調製を完了した。
【0121】
実施例54 隔離板の調製過程において、ステンレス鋼302中間層の厚さが40μmであり、単層のパッケージ層の厚さが30μmであり、隔離板の厚さを100μmとすること以外は、実施例29と同じである。
【0122】
実施例55 隔離板の調製過程において、ステンレス鋼302中間層の厚さが25μmであり、単層のパッケージ層の厚さが11μmであり、隔離板の厚さを47μmとする以外は、実施例29と同じである。
【0123】
実施例56 隔離板の調製過程において、ステンレス鋼302中間層の厚さが10μmであり、単層のパッケージ層の厚さが10μmであり、隔離板の厚さを30μmとすること以外は、実施例29と同じである。
【0124】
実施例57 隔離板の調製過程において、ステンレス鋼302中間層の厚さが4μmであり、単層のパッケージ層の厚さが8μmであり、隔離板の厚さを20μmとすること以外は、実施例29と同じである。
【0125】
実施例58 隔離板の調製過程において、ステンレス鋼302中間層の厚さが2μmであり、単層のパッケージ層の厚さが2μmであり、隔離板の厚さを6μmとすること以外は、実施例29と同じである。
【0126】
実施例59 隔離板の調製過程において、Al中間層の厚さが40μmであり、単層のパッケージ層の厚さが30μmであり、隔離板の厚さを100μmとすること以外は、実施例40と同じである。
【0127】
実施例60 隔離板の調製過程において、Al中間層の厚さが30μmであり、単層のパッケージ層の厚さが10μmであり、隔離板の厚さを50μmとすること以外は、実施例40と同じである。
【0128】
実施例61 隔離板の調製過程において、Al中間層の厚さが8μmであり、単層のパッケージ層の厚さが10μmであり、隔離板の厚さを28μmとすること以外は、実施例40と同じである。
【0129】
実施例62 隔離板の調製過程において、Al中間層の厚さが6μmであり、単層のパッケージ層の厚さが7μmであり、隔離板の厚さを20μmとすること以外は、実施例40と同じである。
【0130】
実施例63 隔離板の調製過程において、Cu中間層の厚さが40μmであり、単層のパッケージ層の厚さが30μmであり、隔離板の厚さを100μmとすること以外は、実施例39と同じである。
【0131】
実施例64 隔離板の調製過程において、Cu中間層の厚さが25μmであり、単層のパッケージ層の厚さが10μmであり、隔離板の厚さを45μmとすること以外は、実施例39と同じである。
【0132】
実施例65 隔離板の調製過程において、Cu中間層の厚さが5μmであり、単層のパッケージ層の厚さが8μmであり、隔離板の厚さを21μmとすること以外は、実施例39と同じである。
【0133】
実施例66 隔離板の調製過程において、Cu中間層の厚さが4μmであり、単層のパッケージ層の厚さが8μmであり、隔離板の厚さを20μmとすること以外は、実施例39と同じである。
【0134】
実施例67 隔離板の調製過程において、Cu中間層の厚さが2μmであり、単層のパッケージ層の厚さが3μmであり、隔離板の厚さを8μmとすること以外は、実施例39と同じである。
【0135】
実施例68 隔離板の調製過程において、中間層がPET/ステンレス鋼302/Al/ステンレス鋼302/PETという五層複合構造であること以外は、実施例52と同じである。
【0136】
比較例1 単極電極のリチウムイオン電池:調製例2で得られた正極片と調製例1で得られた負極片とを積層し、正極片と負極片との間に厚さが15μmであるPEセパレータを配置し、アルミ箔で包装し、パッケージを行って、調製例3で得られた電解液を注入し、正負極片のタブをそれぞれ筐体に引き出した。リチウムイオン電池を得た。
【0137】
比較例2 図7に示すように、二つの独立した電極組立体が外部直列接続された。電極組立体の注液とパッケージ:調製例4で得られた電極組立体A、Bの四隅をそれぞれ固定し、アルミプラスチックフィルムで包装して、包装の周囲をシールし、それぞれアルミプラスチックフィルムに調製例3で得られた電解液を注入し、電極組立体A及びBの全てのタブをアルミプラスチックフィルム外に引き出した。電極組立体Aの正極タブと電極組立体Bの負極タブをレーザー溶接で溶接し、電極組立体AとBを直列接続して電気伝導を実現し、電池の組み立てを完了した。
【0138】
比較例3 図8に示すように、二つの独立した電極組立体が初端から末端までに直列接続された。電極組立体の組み立て、注液及びパッケージ:調製例4で得られた電極組立体の正極タブにシール材を塗布し、電極組立体Aの負極と電極組立体Bの正極タブとを溶接し、電極組立体Aと電極組立体Bとの電極を直列接続して、直列接続された電極組立体を成形されたアルミプラスチックフィルムで密封した。パッケージする時、外輪郭の上側を密封すること以外、各電極組立体の間で正極シール材に沿って、電極組立体の幅方向に密封パッケージを行い、各電極組立体のキャビティの間の隔離を実現し、調製例3で得られた電解液をそれぞれ二つの電極組立体を収容するキャビティに注入した。パッケージした後、電極組立体の長手方向の一側に正極タブを引き出し、他側に負極タブを引き出し、他の全ての直列接続されたタブが電極組立体の筐体内にある。
【0139】
比較例4 図9に示すように、二つの独立した電極組立体が並んで直列接続された。電極組立体の組み立て:調製例4で得られた電極組立体Aを成形されたアルミプラスチックフィルムの一側に入れ、上層アルミプラスチックフィルムを覆い、電極組立体Aを有する一側を押し固め、電極組立体Aを収容したアルミプラスチックフィルムのエッジ位置に接着剤を塗布して上下層のアルミプラスチックフィルムを押し固め、電極組立体の長手方向に沿って電極組立体の底部から頂部パッケージ領域まで塗布し、凝固して成形した。上記した半製品において、電極組立体Aの側面の空き領域に調製例4で得られた電極組立体Bを入れ、アルミプラスチックフィルム全体に頂部パッケージを行った。頂部パッケージ領域と接着剤塗布領域とが垂直に交差し、接して密封し、電極組立体AおよびBをそれぞれ密封された独立のキャビティ内にある。電極組立体の注液とパッケージ:それぞれ二つの電極組立体を収容するキャビティに調製例3で得られた電解液を注入して、アルミプラスチックフィルムを密封し、二つの電極組立体のタブを筐体に引き出し、電極組立体Aの正極タブと電極組立体Bの負極タブとを溶接した。二つの電極組立体が二つの密封された独立のキャビティ内にあることを確保し、電解液の交換が不可能である。
【0140】
比較例5 単包装袋、厚さの積み重ね、隔離板なし:電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルムであるアルミプラスチックフィルムを組立治具内に置き、ピットの凹面を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Aをピット内に置き、調製例4で得られた電極組立体Bを電極組立体Aの上に置き、電極組立体Aと電極組立体Bとの間にセパレータで隔離し、押し固めた。その後、別の包装フィルムはピットの凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、周辺をヒートシールした。電極組立体の注液とパッケージ:二つの電極組立体を収容するキャビティに調製例3で得られた電解液を注入し、注液した後、周辺パッケージを行い、電極組立体の正負タブを筐体に引き出し、各タブがずれて分布し、タブの厚さ方向の積み重ねによるシールの破損を防止した。電極組立体Aの正極タブと電極組立体Bの負極タブを溶接し、二つの電極組立体を直列接続して、電気伝導を実現した。
【0141】
比較例6 隔離板として、一般的な単層PPセパレータを使用して、前記隔離板の厚さが20μmであり、軟化開始温度が165℃であった。電極組立体の組み立て:パンチング成形された厚さが90μmである包装フィルム(アルミプラスチックフィルム)を組立治具内に置き、ピットの凹面を上に向けて、調製例4で得られた電極組立体Aをピット内に置き、その後、PPセパレータを電極組立体Aの上に置き、外力を印加して押し固めた。上記のように組み立てられた半製品を別の組立治具内に置き、調製例4で得られた電極組立体BをPPセパレータの上に置き、その後、パンチング成形された別の厚さが90μmであるアルミプラスチックフィルムはピットの凹面を下に向けて電極組立体Bの上に覆い、ホットプレスの方式で二つのアルミプラスチックフィルムをPPセパレータと一緒にヒートシールし、電極組立体Aと電極組立体BとをPPセパレータで隔離させて、組み立てられた電極組立体を得た。当該組み立てられた電極組立体は、二つの独立したキャビティを有し、電極組立体Aが第1キャビティに対応し、電極組立体Bが第2キャビティに対応した。電極組立体の注液とパッケージ:二つの電極組立体収容するキャビティに調製例3で得られた電解液を注入し、注液した後、周辺パッケージを行い、電極組立体の正負タブを筐体に引き出し、電極組立体Aの正極タブと電極組立体Bの負極タブを溶接し、二つの電極組立体を直列接続して、電気伝導を実現した。
【0142】
比較例7 隔離板として単層PPを使用し、隔離板の厚さが20μmであり、軟化開始温度が165℃であること以外は、比較例6と同じである。
【0143】
比較例8 隔離板として単層PIを使用し、隔離板の厚さが20μmであり、軟化開始温度が334℃であること以外は、比較例6と同じである。
【0144】
比較例9 隔離板として単層ステンレス鋼を使用し、隔離板の厚さが20μmであり、融点が1440℃である以外は、比較例6と同じである。
【0145】
<性能測定>下記した方法で各実施例及び各比較例により調製した電気化学装置用隔離板、双極性リチウムイオン電池を測定した。
【0146】
パッケージ層と中間層との界面接着力Fの測定:1)サンプル1をとして、電極組立体(リチウムイオン電池)からパッケージ領域部分を外した。2)サンプル1を液体窒素で冷却し、パッケージ層の一側の筐体を磨り落として、パッケージ層と中間層との界面を露出させた。3)サンプル1を幅8mm、長さ6cmの試験ストリップに切り出し、この領域にパッケージ層が中間層を完全に覆うことを確保して、サンプル2を得た。4)サンプル2のパッケージ層の表面に高粘度・高強度の粘着紙(規格が特に制限は無く、粘着紙がパッケージ層の表面に強固に接着すればよい。)を貼り付けた。5)高鐵社の引張試験機を用いて90°で高粘度・高強度の粘着紙をサンプル2の表面から徐々にはがして、パッケージ層と中間層との界面を分離させた。6)上記した界面が分離した時の安定な引張力を記録し、これに基づいてパッケージ層と中間層との界面接着力を算出した。
【0147】
パッケージ層と筐体との界面接着力Fの測定:1)サンプル1をとして、電極組立体(リチウムイオン電池)からパッケージ領域部分をはずした。2)サンプル1を液体窒素で冷却し、パッケージ層の一側の中間層を磨り落として、パッケージ層と筐体との界面を露出させた。3)サンプル1を幅8mm、長さ6cmの試験ストリップに切り出し、この領域にパッケージ層が筐体を完全に覆うことを確保して、サンプル2を得た。4)サンプル2の接着剤塗布層の表面に高粘度・高強度の粘着紙(規格が特に制限は無く、粘着紙が接着剤塗布層の表面に強固に接着すればよい。)を貼り付けた。5)高鐵社の引張試験機を用いて90°で高粘度・高強度の粘着紙をサンプル2の表面から徐々にはがして、パッケージ層と筐体との界面を分離させた。6)上記した界面が分離した時の安定な引張力を記録し、これに基づいてパッケージ層と筐体との界面接着力を算出した。
【0148】
パッケージ強度の測定:1)サンプル1をとして、電極組立体(リチウムイオン電池)からパッケージ領域部分をはずした。2)サンプル1を幅8mmの試験ストリップに切り出し、この試験ストリップが全てのパッケージ領域を保留することを確保し、また、パッケージ区の両側の筐体も無傷であり、サンプル2を得た。3)高鐵社の引張試験機を用いて180°で両側の筐体をはがして、パッケージ領域内の2層の筐体を分離させた。4)上記した2層の筐体が分離した時の安定な引張力を記録して、これに基づいてパッケージ強度を算出した。
【0149】
1.5メートル落下測定のパッケージにおける破損状況の測定:1)リチウムイオン電池のサンプルを高さが1.5メートルである位置から滑らかな大理石の表面に自由落下し、20組のサンプルを測定し、落下測定後の電極組立体(リチウムイオン電池)のサンプルを分解して、パッケージ領域を単独ではずして置いた。2)パッケージ領域に赤チンを滴下し、空間次元で赤チンを上方にし、パッケージ領域を下方にして、12h静置した。3)その後、パッケージ強度の測定に記載の方法でパッケージ領域を破壊し、赤チンがパッケージ領域に滲入する状況を観察した。4)赤チンがパッケージ領域に滲入する深みがパッケージ領域の幅の1/2を超えれば、パッケージにおいて破損が発生したと判断し、これに反してパッケージにおいて破損が発生しないと判断した。
【0150】
放電エネルギー密度EDの測定:リチウムイオン電池を常温で30分間静置し、0.05Cの充電レートで電圧が4.45V(比較例1の定格電圧)または8.90V(他の比較例及びすべての実施例の定格電圧)になるまで定電流充電して、そして、0.05Cの放電レートで電気化学装置を3.00V(比較例1の定格電圧)または6.00V(他の比較例及び全ての実施例)まで放電し、上記した充/放電ステップを3サイクル繰り返して測定する前の電気化学装置(リチウムイオン電池)の化成(formation)を完了した。電気化学装置(リチウムイオン電池)の化成を完了した後、0.1Cの充電レートで電圧が4.45V(比較例1の定格電圧)または8.90V(他の比較例及び全ての実施例)になるまで定電流充電して、0.1Cの放電レートで電気化学装置を3.00V(比較例1の定格電圧)または6.00V(他の比較例及び全ての実施例)まで放電し、その放電容量を記録し、以下の式で0.1C放電のエネルギー密度を算出した:エネルギー密度(Wh/L)=放電容量(Wh)/リチウムイオン電池の体積サイズ(L)。
【0151】
50サイクル後の放電容量/初期放電容量Q50/Q(%)の測定:測定温度は25℃であり、リチウムイオン電池を0.5Cで4.45V(比較例1の定格電圧)または8.90V(他の比較例及び全ての実施例)まで定電流充電し、0.025Cまで定電圧充電し、5分静置した後、0.5Cで3.00V(比較例1の定格電圧)または6.00V(その他の比較例及び全ての実施例)まで放電し、このステップにより得られた容量が初期容量となり、さらに0.5C充電/0.5C放電で測定を50サイクルを行った後、リチウムイオン電池の容量と初期容量との比を計算した。
【0152】
3C充電の温度上昇の測定:測定温度は25℃であり、リチウムイオン電池を3Cで4.45V(比較例1の定格電圧)または8.90V(他の比較例及び全ての実施例)まで定電流充電し、0.025Cまで定電圧充電した。過程中、コア(リチウムイオン電池)の真上の中心に熱電対を設け、充電中の温度変化をリアルタイムで測定し、上記した温度の最高値を記録して測定温度25℃を差し引いて3Cの温度上昇となった。
【0153】
釘の貫通率測定:測定する前のリチウムイオン電池を0.05Cのレートで電圧が4.45V(比較例1の定格電圧)または8.90V(他の比較例及び全ての実施例)になるまで定電流充電して、電流が0.025C(カットオフ電流)になるまで定電圧充電し、電池を満充電状態にして、測定前の電池外観を記録した。25±3℃の環境で電池に釘の貫通測定を行い、鋼釘の直径が4mmであり、貫通速度が30mm/sであり、釘を貫通する位置がそれぞれAlタブ電極組立体の縁から15mm及びNiタブ電極組立体の縁から15mmに位置し、3.5min行った後または電極組立体の表面温度が50℃に下げた後、測定が終了し、10つの電極組立体を1組とし、測定中の電池状態を観察し、電池が燃焼しないことや爆発しないことを判断標準とし、10回の釘の貫通測定で9回以上が合格する場合、釘の貫通測定が合格すると判断した。
【0154】
【表1(1)】
【表1(2)】
【0155】
【表2(1)】
【表2(2)】
【0156】
表1に示すように、比較例2~4と比べて、実施例15以外の本発明の実施例のリチウムイオン電池は、エネルギー密度が増大する。これから分かるように、本発明の実施例の隔離板を持つ直列接続構造のリチウムイオン電池は、従来の、二つの独立した電極組立体が外部直列接続する構造のリチウムイオン電池、二つの独立した電極組立体が初端から末端までに直列接続する構造のリチウムイオン電池、二つの独立した電極組立体が並んで直列接続する構造のリチウムイオン電池と比べて、より高いエネルギー密度(NGが測定できないことを示す)を備える。
【0157】
比較例1~9と比べて、本発明の実施例1~5、7、11~27のリチウムイオン電池は、パッケージの強度が増加すると共に、本発明の実施例1~5、7~12、15~16、18、20、25のリチウムイオン電池の釘の貫通の割合が比較例1~4及び9より高い。比較例1~2と比べて、本発明の実施例1~10、12~14、16~17、19、24~27の落下による破損の割合が増加するが、比較例1の単極電極組立体のリチウムイオン電池の放電電圧が低く、比較例2の二つの独立した電極組立体が外部直列接続する構造のリチウムイオン電池については、二つの電極組立体の放電電圧が近いことが必要であり、そうでなければ短絡が発生しやすく、また、本発明の実施例11、15、18、20は、依然として比較例1~2と同じ落下の破損の割合を有する。比較例3~4と比べて、本発明の実施例1~5、7、11~12、15~18、20~23、25の落下の破損の割合が低減するため、従来の二つの独立した電極組立体が初端から末端までに直列接続する構造のリチウムイオン電池、二つの独立した電極組立体が並んで直列接続する構造のリチウムイオン電池と比べて、より低い落下の破損の割合を有することを証明している。比較例8~9と比べて、本発明のリチウムイオン電池は、落下の破損の割合が著しく低減するため、本発明で調製された隔離板をリチウムイオン電池に適用することにより落下の破損を防止できることを証明している。
【0158】
本発明のリチウムイオン電池は、比較例1の単極電極リチウムイオン電池と比べて、3C充電の温度上昇が低減すること以外、比較例2~4及び7~9と比べて、本発明のリチウムイオン電池の充電の温度上昇がほぼ変化しない。
【0159】
比較例1~4、比較例7~9と比べて、本発明のリチウムイオン電池は、50サイクル後の放電容量と初期放電容量との比がほぼ変化しなく、良好なサイクル特性を備える。
【0160】
表2に示すように、実施例28~39、41~68及び比較例2~4から分かるように、本発明のリチウムイオン電池は、エネルギー密度が増大する。これから分かるように、本発明の実施例の隔離板を持つ直列接続構造のリチウムイオン電池は、従来の二つの独立した電極組立体が外部直列接続する構造のリチウムイオン電池、二つの独立した電極組立体が初端から末端までに直列接続する構造のリチウムイオン電池、二つの独立した電極組立体が並んで直列接続する構造のリチウムイオン電池と比べて、より高いエネルギー密度(NGが測定できないことを示す)を備える。
【0161】
実施例28~31、34~38、40~63、実施例68及び比較例1~9から分かるように、本発明のリチウムイオン電池のパッケージの強度は増加する。
【0162】
実施例28~68及び比較例8~9から分かるように、本発明のリチウムイオン電池は、落下の破損の割合が著しく低減するため、本発明で調製された隔離板をリチウムイオン電池に適用することにより落下の破損を防止できることを証明している。
【0163】
実施例28~68及び比較例1から分かるように、本発明のリチウムイオン電池は、3C充電の温度上昇が比較例1より低く、他の比較例と比べて、ほぼ変化しない。
【0164】
実施例28~68及び比較例1~4、比較例7~9からさらに分かるように、本発明のリチウムイオン電池は、50サイクル後の放電容量と初期放電容量との比がほぼ変化しなく、良好なサイクル特性を備える。
【0165】
上記から分かるように、本発明で調製された隔離板をリチウムイオン電池に適用することによりリチウムイオン電池のパッケージの信頼性を向上させることができ、良い技術効果を達成した。
【0166】
以上、本発明の好適な実施例のみについて説明したが、本発明が上記に限定されるものでなく、その趣旨及び原理を逸脱しない範囲で、任意の補正、均等交換、改良などが本発明の特許請求の範囲に含まれることは勿論である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9