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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】二次電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/50 20210101AFI20230530BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/522 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20230530BHJP
【FI】
H01M50/50 101
H01M50/503
H01M50/505
H01M50/51
H01M50/522
H01M50/55 101
H01M50/569
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021545651
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(86)【国際出願番号】 JP2020034643
(87)【国際公開番号】W WO2021049667
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】P 2019166019
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】505083999
【氏名又は名称】ビークルエナジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】入江 晃
(72)【発明者】
【氏名】青木 定之
(72)【発明者】
【氏名】小島 和則
(72)【発明者】
【氏名】久保田 修
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-063888(JP,A)
【文献】特開2010-062096(JP,A)
【文献】特開2015-082406(JP,A)
【文献】特開2010-176997(JP,A)
【文献】国際公開第2013/030869(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/502 - 526
H01M 50/569
H01M 50/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正負の一対の電極端子を有する複数の二次単電池と、
前記複数の二次単電池のうち、電気的に接続される二つの二次単電池の一方の正の電極端子と他方の負の電極端子との間を電気的に接続する第1バスバと、
前記複数の二次単電池のうち、少なくとも二つの二次単電池に配置され、外部端子と電気的に接続する第2バスバと、を有し、
前記第1バスバ及び前記第2バスバは、前記二次単電池の電圧を検出する電圧検出端子と電気的に接続され、
前記第2バスバは、
正又は負の前記電極端子と接続される第1金属部材と、
前記外部端子と接続される第2金属部材と、
前記電圧検出端子と接続される第3金属部材と、
前記第1金属部材と前記第2金属部材とを接続する第1連結部材と、
前記第1金属部材と前記第3金属部材とを接続する第2連結部材と、を有し、
前記第1連結部材と前記第2連結部材とは、前記第1金属部材を介して、接続され、
前記第1連結部材及び前記第2連結部材は、それぞれ、前記第1金属部材の同一辺から別々に延び、
前記第2金属部材には、前記外部端子の回転を抑制し、上方に屈曲して形成される外部端子回転止めを有することを特徴とする二次電池モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の二次電池モジュールであって、
前記第2バスバにおいて、前記第1金属部材、前記第2金属部材、前記第3金属部材、前記第1連結部材、及び、前記第2連結部材は、同一金属で形成されることを特徴とする二次電池モジュール
【請求項3】
請求項1に記載の二次電池モジュールであって、
前記第2金属部材には、前記第2バスバを固定し、下方に屈曲して形成される外部端子バスバ回転止めと、を有することを特徴とする二次電池モジュール。
【請求項4】
請求項1に記載の二次電池モジュールであって、
前記第1金属部材、前記第2金属部材、前記第3金属部材は、異種金属で形成され、
前記第1連結部材と前記第2連結部材とは、平面領域に形成されることを特徴とする二次電池モジュール。
【請求項5】
請求項1又は請求項3に記載の二次電池モジュールであって、
前記第1金属部材から前記第3金属部材に亘る部位の縁に、上方又は下方に垂直に屈曲する部材を有することを特徴とする二次電池モジュール。
【請求項6】
請求項1又は請求項3に記載の二次電池モジュールであって、
前記第1金属部材が配置される配置位置と、前記第2金属部材が配置される配置位置と、前記第3金属部材が配置される配置位置とが、それぞれ相違することを特徴とする二次電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個の二次単電池を接続して構成される二次電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
複数個の二次単電池(以下、単電池)を接続して構成される二次電池モジュールは、その単電池の電極端子同士を、電極部材(以下、セル間バスバ)で電気的に接続して構成される。
【0003】
また、二次電池モジュールは、その両端部に、他の二次電池モジュールや外部(他の接続体)との間で電力を入出力するための、モジュール外部端子バスバ(以下、外部端子バスバ)を有する。
【0004】
そして、二次電池モジュールは、セル間バスバや単電池の電極端子を含む強電部分を絶縁する絶縁部材(以下、インシュレーションカバー)を有する。
【0005】
こうした本技術分野の背景技術として、WO2017-017915(特許文献1)がある。
【0006】
特許文献1には、正負の電極端子を有する複数個の電池セルと、複数個の電池セルの内、互いに隣接して配置される電池セルの対向する電極端子同士を電気的に接続するバスバ(セル間バスバ)と、を有する電源装置が記載されている(要約参照)。
【0007】
また、特許文献1に記載されるバスバは、一方の電極端子に接続される第一接続部と、他方の電極端子に接続される第二接続部と、第一接続部に第一折曲部を介して連結される第一立ち上がり部と、第二接続部に第二折曲部を介して連結され、第一立ち上がり部に対して交差する姿勢で配置される第二立ち上がり部と、第一立ち上がり部に対して、第一折曲部と対向する第三折曲部を介して連結されると共に、第二立ち上がり部に対して、第二折曲部と対向する第四折曲部を介して連結される中間連結部と、を有する(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】WO2017-017915
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように特許文献1には、セル間バスバを有する電源装置(二次電池モジュール)が記載され、このセル間バスバは、電極端子に接続される接続部(単電池接続部)及び電圧検出のための接続部(電圧検出端子接続部)を有する。
【0010】
しかし、特許文献1には、外部端子バスバは、記載されていない。そして、特に、特許文献1には、外部端子バスバの外部端子接続部にモジュール外部端子(以下、外部端子)を接続する際に発生するトルクによって発生する応力が、外部端子バスバの電圧検出端子接続部に伝達することは、記載されていない。
【0011】
つまり、特許文献1には、外部端子接続部に外部端子を接続する際に発生するトルクによって発生する応力の、電圧検出端子接続部への伝達を抑制する二次電池モジュールは、記載されていない。
【0012】
一般的に、自動車などに搭載される二次電池モジュールは、外部端子が、ボルトなどによって、接続される。
【0013】
そして、外部端子バスバは、外部端子接続部、単電池接続部、電圧検出端子接続部を有し、外部端子接続部に、ボルトなどによって、外部端子を接続する。この際に発生するトルクによって、外部端子接続部に応力が発生する。この応力が電圧検出端子接続部へ伝達されることが懸念される。
【0014】
つまり、ボルトなどを大きい力で接続する場合には、外部端子接続部から電圧検出端子接続部へ伝達される応力も大きくなり、電圧検出端子接続部における電圧検出の信頼性が低下する可能性があり、また、ボルトなどを小さい力で接続する場合には、外部端子と外部端子バスバとの締結力が低下する可能性がある。
【0015】
そこで、本発明は、外部端子接続部に外部端子を接続する際に発生するトルクによって発生する応力の、電圧検出端子接続部への伝達を抑制し、外部端子接続部における外部端子の締結力を大きくすることができ、信頼性が向上する二次電池モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、本発明の二次電池モジュールは、正負の一対の電極端子を有する複数の単電池と、複数の単電池のうち、電気的に接続される二つの単電池の一方の正の電極端子と他方の負の電極端子との間を電気的に接続する第1バスバと、複数の単電池のうち、少なくとも二つの単電池に配置され、外部端子と電気的に接続する第2バスバと、を有し、第1バスバ及び第2バスバは、単電池の電圧を検出する電圧検出端子と電気的に接続される。
【0017】
そして、本発明は、第2バスバが、正又は負の電極端子と接続される第1金属部材と、外部端子と接続される第2金属部材と、電圧検出端子と接続される第3金属部材と、第1金属部材と第2金属部材とを接続する第1連結部材と、第1金属部材と第3金属部材とを接続する第2連結部材と、を有し、第1連結部材と第2連結部材とは、第1金属部材を介して、接続され、第1連結部材及び第2連結部材は、それぞれ、第1金属部材の同一辺から別々に延び、第2金属部材には、外部端子の回転を抑制し、上方に屈曲して形成される外部端子回転止めを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、外部端子接続部に外部端子を接続する際に発生するトルクによって発生する応力の、電圧検出端子接続部への伝達を抑制し、外部端子接続部における外部端子の締結力を大きくすることができ、信頼性が向上する二次電池モジュールを提供することができる。
【0019】
なお、上記した以外の課題、構成及び効果については、下記する実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施例1に記載する二次電池モジュール1の外観を説明する斜視図である。
図2】実施例1に記載する二次電池モジュール1の一部を分解した状態を説明する斜視図である。
図3】実施例1に記載する外部端子バスバ10の近傍を拡大した状態を説明する斜視図である。
図4】実施例1に記載する外部端子バスバ10を説明する斜視図である。
図5】実施例2に記載する外部端子バスバ10を説明する斜視図である。
図6】実施例2に記載する外部端子バスバ10及び端ホルダ3を説明する斜視図である。
図7】実施例3に記載する外部端子バスバ10を説明する斜視図である。
図8】実施例3に記載する外部端子バスバ10を説明する側面図である。
図9】実施例4に記載する外部端子バスバ10を説明する斜視図である。
図10】実施例4に記載する外部端子バスバ10を説明する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を、図面を使用して説明する。なお、実質的に同一又は類似の構成には同一の符号を付し、説明が重複する場合には、その説明を省略する場合がある。
【0022】
また、下記する実施例において、「上、下、左、右、前、後」という用語を使用する場合には、これらの方向は、図1の右下及び図2の右下に記載の方向に、対応する。
【実施例1】
【0023】
まず、実施例1に記載する二次電池モジュール1の外観を説明する。
【0024】
図1は、実施例1に記載する二次電池モジュール1の外観を説明する斜視図である。
【0025】
実施例1に記載する二次電池モジュール1は、複数個の単電池2からなる電池群、複数個の単電池2からなる電池群を挟み込み、金属部材からなる一対のエンドプレート5、電池群の上部に配置され、例えば、アルミニウム、銅、鉄などの金属からなる第1バスバ(以下、セル間バスバ)9や電気配線が配置され、例えば、エンジニアリングプラスチックからなるインシュレーションカバー8、一対のサイドプレート6、エンドプレート5とサイドプレート6とを接続するボルト、ねじ、リベットなどからなる固定部材7、インシュレーションカバー8の上部に配置されるモジュールカバー20、を有する。
【0026】
次に、実施例1に記載する二次電池モジュール1の一部を分解した状態を説明する。
【0027】
図2は、実施例1に記載する二次電池モジュール1の一部を分解した状態を説明する斜視図である。
【0028】
実施例1に記載する二次電池モジュール1は、複数個の単電池2からなる電池群、一対のエンドプレート5、セル間バスバ9や電気配線が配置されるインシュレーションカバー8、一対のサイドプレート6、エンドプレート5とサイドプレート6と接続する固定部材7、インシュレーションカバー8の上部に配置されるモジュールカバー20、有する。
【0029】
電池群は、単電池2の間に個々に配置される単電池ホルダ4を有する。エンドプレート5は、単電池2の配列方向の両端部に配置され、電池群を配列方向の両側から挟み込むように配置される。一方、サイドプレート6は、複数個の単電池2の幅方向の両端部(側面部)に沿って配置され、配列方向の一方端部から他方端部に渡って配置され、一対のエンドプレート5に固定される。固定部材7は、例えば、ボルト、ねじ、リベットなどであり、一対のエンドプレート5と一対のサイドプレート6とを固定する。
【0030】
インシュレーションカバー8は、単電池2の高さ方向の上部に、単電池2の電極端子21を囲うように配置される。セル間バスバ9は、単電池2の電極端子21同士を電気的に接続し、インシュレーションカバー8に、その周辺が囲われるように配置される。単電池2とセル間バスバ9とは、例えば、ボルトや溶接などによって、接続される。
【0031】
また、セル間バスバ9は、一つの単電池2の正(負)の電極端子21と隣接する他の単電池2の負(正)の電極端子21と接続する。つまり、セル間バスバ9は、単電池2の正又は負の電極端子21と接続する単電池接続部を有する。そして、セル間バスバ9は、電圧検出端子と接続する電圧検出端子接続部を有する。このように、セル間バスバ9は、単電池接続部と電圧検出端子接続部とを有する。
【0032】
ここで、電圧検出端子とは、セル間バスバ9及び第2バスバ(以下、外部端子バスバ)10と電気的に接続され、単電池2の電圧を検出する端子である。電圧検出端子は、電圧検出回路(図示なし)と接続し、単電池2の電圧を検出する。
【0033】
単電池2は、一対の電極端子(正極端子及び負極端子)21を有し、それぞれの単電池2の間には、単電池ホルダ4が配置される。両端部の単電池2とエンドプレート5との間には、端ホルダ3が配置される。端ホルダ3の上部には、モジュールカバー20が配置され、端ホルダ3には、外部端子バスバ10の第2金属部材(以下、外部端子接続部)15(図3参照)を固定する固定部13が配置される。つまり、外部端子接続部15は、固定部13の上部に配置され、外部端子と共に、固定部13に固定される。
【0034】
インシュレーションカバー8は、モジュールカバー20と電池群との間に配置され、その両端部には、二次電池モジュール1が他の二次電池モジュール1や外部との間で電力を入出力する接続部となる、例えば、アルミニウム、銅、鉄などの金属からなる外部端子バスバ10が配置される。そして、外部端子バスバ10には、外部端子が接続される。
【0035】
ここで、外部端子とは、例えば、二次電池モジュール1が、他の二次電池モジュール1や外部との間で、電力を入出力する端子である。そして、二次電池モジュール1に設置される外部端子バスバ10の外部端子接続部15と外部端子とが接続される。
【0036】
次に、実施例1に記載する外部端子バスバ10の近傍を拡大した状態を説明する。
【0037】
図3は、実施例1に記載する外部端子バスバ10の近傍を拡大した状態を説明する斜視図である。
【0038】
なお、図3は、図1のA部(点線部)を拡大したものであり、モジュールカバー20を取り、外部端子バスバ10を斜めから見たものである。
【0039】
外部端子バスバ10は、単電池2の正又は負の電極端子21と接続する第1金属部材(以下、単電池接続部)14、外部端子と接続する外部端子接続部15、電圧検出端子(例えば、ハーネス)と接続する第3金属部材(以下、電圧検出端子接続部)16、を有する。そして、外部端子接続部15は、固定部13に固定される。
【0040】
なお、単電池接続部14には、両端部のいずれかの単電池2の正又は負の電極端子21が接続される。
【0041】
次に、実施例1に記載する外部端子バスバ10を説明する。
【0042】
図4は、実施例1に記載する外部端子バスバ10を説明する斜視図である。
【0043】
外部端子バスバ10は、単電池2の正又は負の電極端子21と接続する単電池接続部14、外部端子と接続する外部端子接続部15、電圧検出端子と接続する電圧検出端子接続部16、を有する。
【0044】
なお、単電池接続部14には、電極端子21を配置するねじ締結孔141が形成され、外部端子接続部15には、外部端子を配置するねじ締結孔151が形成される。
【0045】
また、単電池接続部14と外部端子接続部15との間に第1連結部材(以下、第1連結部)17が配置(形成)され、単電池接続部14と電圧検出端子接続部16との間に第2連結部材(以下、第2連結部)18が配置(形成)される。
【0046】
なお、単電池2の電極端子21と外部端子バスバ10とは、単電池接続部14で、例えば、ボルトや溶接などによって、接続され、外部端子と外部端子バスバ10とは、外部端子接続部15で、例えば、ボルトなどによって、接続され、電圧検出端子と外部端子バスバ10とは、電圧検出端子接続部16で、例えば、溶接などによって、接続される。
【0047】
第1連結部17は、単電池接続部14と外部端子接続部15とを電気的に接続し、単電池接続部14に対して立ち上がって形成される立上部172を有する。そして、立上部172は、立上部172に対して屈曲し、単電池接続部14に接続する折曲部171、及び、立上部172に対して屈曲し、外部端子接続部15に接続する折曲部173を有する。
【0048】
また、単電池接続部14と外部端子接続部15とは、第1連結部17を介して、段違い(階段状)に配置される。つまり、単電池接続部14と外部端子接続部15とは、その配置高さが相違する。
【0049】
第2連結部18は、単電池接続部14と電圧検出端子接続部16とを電気的に接続し、単電池接続部14と電圧検出端子接続部16とを平面状に接続する。つまり、単電池接続部14と電圧検出端子接続部16とは、その配置高さが同一である。
【0050】
そして、第1連結部17と第2連結部18とは、お互いにそれぞれ独立した構造を有する。つまり、第1連結部17と第2連結部18とは、直接的に接続されず、単電池接続部14を介して、接続される。このように、第1連結部17と第2連結部18とは、それぞれ、独立して、単電池接続部14に接続する。
【0051】
また、第1連結部17及び第2連結部18は、それぞれ、単電池接続部14の一つの辺(同一辺)から別々に(それぞれに)延びて形成される。
【0052】
なお、第1連結部17及び第2連結部18は、単電池接続部14、外部端子接続部15、電圧検出端子接続部16と、同一(同種)金属(例えば、アルミニウムや銅など)によって、形成される。つまり、実施例1に記載する外部端子バスバ10は、単電池接続部14、外部端子接続部15、電圧検出端子接続部16、第1連結部17、第2連結部18が、同一金属で形成される。
【0053】
このように、実施例1に記載する二次電池モジュール1は、正極及び負極の一対の電極端子21を有する複数個の単電池2と、複数個の単電池2のうち、電気的に接続される二つの単電池2の、一方の正の電極端子21と他方の負の電極端子21との間を電気的に接続するセル間バスバ9と、複数個の単電池2のうち、少なくとも二つの単電池2に配置され、外部端子と電気的に接続する外部端子バスバ10と、を有する。
【0054】
セル間バスバ9及び外部端子バスバ10は、単電池2の電圧を検出する電圧検出端子と電気的に接続され、電圧検出端子は電圧検出回路に接続される。
【0055】
そして、外部端子バスバ10は、単電池2の正又は負の電極端子21を接続(固定)する単電池接続部14と、外部端子を接続(固定)する外部端子接続部15と、電圧検出端子を接続(固定)する電圧検出端子接続部16と、単電池接続部14と外部端子接続部15とを接続(締結)する第1連結部17と、単電池接続部14と電圧検出端子接続部16とを接続(締結)する第2連結部18と、を有し、第1連結部17と第2連結部18とは、単電池接続部14を介して、接続される。
【0056】
これにより、実施例1に記載する二次電池モジュール1は、第1連結部17、単電池接続部14、第2連結部18を介して、外部端子接続部15と電圧検出端子接続部16とが接続されることによって、外部端子接続部15に外部端子を接続する際に発生するトルクによって発生する応力を、電圧検出端子接続部16に、直接的に、伝達させることがない。
【0057】
そして、実施例1に記載する二次電池モジュール1は、外部端子接続部15に外部端子を接続する際に発生する応力の、電圧検出端子接続部16への伝達を抑制することができ、外部端子接続部15における外部端子の締結力を大きくすることができ、信頼性が向上する。
【実施例2】
【0058】
次に、実施例2に記載する外部端子バスバ10を説明する。
【0059】
図5は、実施例2に記載する外部端子バスバ10を説明する斜視図である。
【0060】
実施例2に記載する外部端子バスバ10は、実施例1に記載する外部端子バスバ10と比較して、外部端子接続部15に、外部端子の回転を抑制する外部端子回転止め152と外部端子バスバ10の回転を抑制する外部端子バスバ回転止め153とを有する。
【0061】
実施例2では、外部端子回転止め152は、外部端子接続部15に対して、上方に屈曲して形成される。これにより、外部端子が、外部端子回転止め152に接触し、その回転が抑制される。特に、外部端子が四角形の場合には、外部端子の一辺が外部端子回転止め152に接触し、その回転が有効に抑制される。
【0062】
また、実施例2では、外部端子バスバ回転止め153は、外部端子接続部15に対して、下方に屈曲して形成される。そして、下方に屈曲する外部端子バスバ回転止め153が、外部端子バスバ配置部19に形成される嵌合部191に嵌合する。これにより、外部端子バスバ10の回転が抑制され、外部端子バスバ10が固定される。
【0063】
なお、実施例2では、外部端子回転止め152が上方に屈曲し、外部端子バスバ回転止め153が下方に屈曲するが、外部端子回転止め152が下方に屈曲し、外部端子バスバ回転止め153が上方に屈曲してもよい。
【0064】
つまり、外部端子接続部15(外部端子との接続部位)から、固定部13が配置される方向(下方)に延びる部位と、この方向と反対の方向(上方)に延びる部位と、を有する。
【0065】
また、単電池接続部14、外部端子接続部15、電圧検出端子接続部16が、異種金属で形成されてもよい。また、単電池接続部14と外部端子接続部15とを異種金属で形成し、単電池接続部14と電圧検出端子接続部16とを異種金属で形成してもよい。
【0066】
実施例2に記載する外部端子バスバ10では、例えば、単電池接続部14がアルミニウムで、外部端子接続部15が銅で、電圧検出端子接続部16が銅で、形成される。
【0067】
そして、単電池接続部14と外部端子接続部15との間及び単電池接続部14と電圧検出端子接続部16との間には、異種金属を接合する接合部が形成される。この接合部は、異種金属が接合している部材からなり、例えば、クラッド材が使用される。
【0068】
これにより、単電池2の電極端子21との接続抵抗、外部端子との接続抵抗、電圧検出端子との接続抵抗を、それぞれ低減することができ、効率のよい二次電池モジュール1を提供することができる。
【0069】
この接合部は、平面領域に形成されることが好ましい。例えば、単電池接続部14と外部端子接続部15との間の接合部は、第1連結部17の立上部172に形成され、単電池接続部14と電圧検出端子接続部16との間の接合部は、第2連結部18の少なくとも一部の平面部181に形成される。
【0070】
つまり、実施例2に記載する外部端子バスバ10は、単電池接続部14、外部端子接続部15、電圧検出端子接続部16が、異種金属で形成され、異種金属が接合する界面が、第1連結部17の平面領域及び第2連結部18の平面領域に配置される。
【0071】
これにより、単電池接続部14と外部端子接続部15との間、及び、単電池接続部14と電圧検出端子接続部16との間の電気的信頼性が向上する。
【0072】
次に、実施例2に記載する外部端子バスバ10及び端ホルダ3を説明する。
【0073】
図6は、実施例2に記載する外部端子バスバ10及び端ホルダ3を説明する斜視図である。
【0074】
端ホルダ3には、外部端子バスバ10を配置する外部端子バスバ配置部19が形成され、この外部端子バスバ配置部19には、外部端子バスバ回転止め153が嵌合する嵌合部191が形成される。
【0075】
つまり、外部端子接続部15に対して下方に屈曲する外部端子バスバ回転止め153が、外部端子バスバ配置部19に形成される嵌合部191に嵌合する。これにより、外部端子バスバ10の回転が抑制される。
【0076】
これにより、外部端子の回転を抑制し、外部端子バスバ10の回転を抑制することによって、外部端子接続部15に外部端子を接続する際に発生するトルクによって発生する応力を低減することができ、信頼性が向上する二次電池モジュール1を提供することができる。
【実施例3】
【0077】
次に、実施例3に記載する外部端子バスバ10を説明する。
【0078】
図7は、実施例3に記載する外部端子バスバ10を説明する斜視図であり、図8は、実施例3に記載する外部端子バスバ10を説明する側面図(図7の点線矢印方向から見た図)である。
【0079】
実施例3に記載する外部端子バスバ10は、実施例2に記載する外部端子バスバ10と比較して、第2連結部18は、第2連結部18に対して上方又は下方に垂直方向にエッジが屈曲するエッジ屈曲部182(部材)を有する。
【0080】
なお、実施例3に記載する外部端子バスバ10では、単電池接続部14、第2連結部18、電圧検出端子接続部16に亘って、エッジ屈曲部182を形成する。つまり、単電池接続部14から電圧検出端子接続部16に亘る部位の縁(エッジ)に、上方又は下方に垂直方向に屈曲するエッジ屈曲部182を有する。これにより、第2連結部18の強度が向上する。実施例3では、エッジ屈曲部182は、上方に垂直方向に屈曲する。
【実施例4】
【0081】
次に、実施例4に記載する外部端子バスバ10を説明する。
【0082】
図9は、実施例4に記載する外部端子バスバ10を説明する斜視図であり、図10は、実施例4に記載する外部端子バスバ10を説明する正面図(図9の点線矢印方向から見た図)である。
【0083】
実施例4に記載する外部端子バスバ10は、実施例2に記載する外部端子バスバ10と比較して、第2連結部18は、単電池接続部14に対して、上方向又は下方向に垂直に形成される立上部材183を有し、単電池接続部14と電圧検出端子接続部16とは、立上部材183を有する第2連結部18を介して、接続する。
【0084】
なお、実施例3に記載する外部端子バスバ10では、立上部材183は下方向に垂直に形成される。つまり、単電池接続部14、外部端子接続部15、電圧検出端子接続部16は、それぞれ、異なる高さに配置される。単電池接続部14が配置される配置位置と、外部端子接続部15が配置される配置位置と、電圧検出端子接続部16が配置される配置位置とが、それぞれ相違する。これにより、外部端子バスバ10のデザイン性の自由度が向上する。
【0085】
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成の一部に置き換えることができ、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることもできる。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の一部を追加し、他の実施例の構成の一部と置換し、実施例の構成の一部を削除することもできる。
【符号の説明】
【0086】
1…二次電池モジュール、2…単電池、3…端ホルダ、4…単電池ホルダ、5…エンドプレート、6…サイドプレート、7…固定部材、8…インシュレーションカバー、9…セル間バスバ、10…外部端子バスバ、13…固定部、14…単電池接続部、141…ねじ締結孔、15…外部端子接続部、151…ねじ締結孔、152…外部端子回転止め、153…外部端子バスバ回転止め、16…電圧検出端子接続部、17…第1連結部、171…折曲部、172…立上部、173…折曲部、18…第2連結部、181…平面部、182…エッジ屈曲部、183…立上部材、19…外部端子バスバ配置部、191…嵌合部、20…モジュールカバー、21…電極端子。
図1
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図10