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特許7288094加工物表面のOCT走査領域を表示するための、及び/又は表面特徴を測定するための方法並びに関連するOCTシステム
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  • 特許-加工物表面のOCT走査領域を表示するための、及び/又は表面特徴を測定するための方法並びに関連するOCTシステム 図1
  • 特許-加工物表面のOCT走査領域を表示するための、及び/又は表面特徴を測定するための方法並びに関連するOCTシステム 図2
  • 特許-加工物表面のOCT走査領域を表示するための、及び/又は表面特徴を測定するための方法並びに関連するOCTシステム 図3
  • 特許-加工物表面のOCT走査領域を表示するための、及び/又は表面特徴を測定するための方法並びに関連するOCTシステム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】加工物表面のOCT走査領域を表示するための、及び/又は表面特徴を測定するための方法並びに関連するOCTシステム
(51)【国際特許分類】
   G01B 9/02091 20220101AFI20230530BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20230530BHJP
【FI】
G01B9/02091
G01B11/24 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021574872
(86)(22)【出願日】2019-08-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2019071011
(87)【国際公開番号】W WO2021023368
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】504035571
【氏名又は名称】トルンプフ レーザー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF Laser GmbH
【住所又は居所原語表記】Aichhalder Strasse 39, D-78713 Schramberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クレメンス シュミット
(72)【発明者】
【氏名】マーティン シュタンブケ
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0043003(US,A1)
【文献】特開2017-143201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 9/00- 9/10
G01B 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工物表面(2)の光学走査領域を表示するための方法であって、以下のステップ:
- 前記加工物表面(2)の画像(23)を記録するステップと、
- 光コヒーレンス断層撮影機(5)によって前記加工物表面(2)を光学的に走査することにより、前記加工物表面(2)の高さプロファイル(28)を記録するステップと、
- 前記加工物表面(2)の前記記録された画像(23)及び前記記録された高さプロファイル(28)を一緒に、とりわけ重ね合わされた方式で表示するステップと、を有し、
画像抜粋(26)は、前記加工物表面(2)の前記表示画像(23)内で選択され、前記光コヒーレンス断層撮影機(5)によって後に走査される前記加工物表面(2)の前記領域は、前記画像抜粋に限定される、方法。
【請求項2】
前記画像抜粋(26)は、前記表示画像(23)上においてグラフィカルに、とりわけマウスによって、ピンチズーム機能によって又は位置入力によって直接選択される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記画像(23)は、前記光コヒーレンス断層撮影機(5)の測定アーム(14)に対して同軸上で記録される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
加工物表面(2)の表面特徴を測定するための方法であって、以下のステップ:
- 前記加工物表面(2)の画像(23)を記録するステップと、
- 前記記録された画像(23)に基づいて、測定される少なくとも1つの表面特徴を決定するステップと、
- 前記決定された少なくとも1つの表面特徴を測定するために、前記決定された少なくとも1つの表面特徴の位置において、光コヒーレンス断層撮影機(5)によって前記加工物表面(2)を光学的に走査することにより、前記加工物表面(2)の高さプロファイル(28)を記録するステップと、を有し、
前記測定される少なくとも1つの表面特徴は、前記表示画像(23)に基づいて手動で決定され、
前記測定される表面特徴を有する画像抜粋(26)は、前記加工物表面(2)の前記表示画像(23)内で選択され、前記光コヒーレンス断層撮影機(5)によって後に走査される前記加工物表面(2)の領域は、前記画像抜粋に限定される、方法。
【請求項5】
前記測定される少なくとも1つの表面特徴は、前記記録された画像(23)に基づいて、自動化された方式で決定される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記画像抜粋(26)は、前記表示画像(23)上においてグラフィカルに、とりわけマウスによって、ピンチズーム機能によって又は位置入力によって直接選択される、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
加工物表面(2)を光学的に走査することにより、前記加工物表面(2)の高さプロファイル(28)を記録するための、光コヒーレンス断層撮影機(5)を含むOCTシステム(1)であって、
- 前記加工物表面(2)の画像(23)を記録するためのカメラ(4)、
- 前記加工物表面(2)の前記記録された画像(23)及び前記記録された高さプロファイル(28)を一緒に、とりわけ重ね合わされた方式で表示するためのディスプレイ(24)及び/又は前記記録された画像(23)に基づいて、測定される少なくとも1つの表面特徴を決定するための画像処理設備と、を備え、
前記表示画像(23)内又は外で画像抜粋(26)を選択するための選択装置(25)と、前記光コヒーレンス断層撮影機(5)によって走査される前記加工物表面(2)の領域を、前記選択された画像抜粋(26)に限定するコントローラ(27)とを備える、OCTシステム。
【請求項8】
前記選択装置(25)は、前記表示画像(23)内又は外で画像抜粋(26)をグラフィカルに選択するための入力手段を有する、請求項に記載のOCTシステム。
【請求項9】
前記選択装置(25)は、入力手段として、前記ディスプレイ(24)のタッチ式画面であって、前記画面上で前記画像抜粋(26)が選択される、タッチ式画面又は手動での位置入力のための入力パネルを有する、請求項に記載のOCTシステム。
【請求項10】
前記カメラ(4)は、前記光コヒーレンス断層撮影機(5)の測定アーム(14)に対して同軸上で前記加工物表面(2)に向けられる、請求項7~9の何れか一項に記載のOCTシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工物表面の光学走査領域を表示するための、及び/又は表面特徴を測定するための方法並びにまたこの方法を実行するのに適したOCTシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
光コヒーレンス断層撮影法(OCT)を用いた撮像方法が従来技術で知られている。加工物の三次元プロファイル画像は、特に狭視野スキャナを使用してOCTによって記録され得る。OCT走査と呼ばれるこの画像記録は、加工物の表面に沿って様々な幾何学的形状で、とりわけ線状に(線走査)行われる。有用な分解能及び視野でかかるプロファイル画像を生成するために、数百ミリ秒の高時間消費を伴う比較的多数のOCT走査を行う必要がある。線走査は、広い面積にわたって構成する必要がある。更に、加工物表面の面内の加工物に対する、OCT走査を行うための光コヒーレンス断層撮影機の正しい位置決めは、走査プロセスの開始時に未知であることが多い。位置決めを決定することは、同様に高時間消費を伴う多数のOCT走査を必要とする。OCT走査によって生成されるプロファイル画像は、多くの場合に困難を伴ってのみ加工物の領域に割り当てることができる。
【0003】
本出願人によって公開された論文(非特許文献1)は、低コヒーレンス干渉法に基づく3D撮像技法形式のOCT走査を記載している。処理レーザビームと同軸上でOCT測定ビームが処理光学ユニット内に結合され、検査される表面の高さ情報をもたらす。処理光学ユニットに固定された狭視野スキャナによってOCT測定ビームが偏向される場合に追加情報が得られる。この論文は、例えば、溶接プロセス中の溶接の深さを観察すること、遠隔レーザ溶接中の高精度のシームガイダンス及びリアルタイムのプロセスの視覚化並びに三次元内で接触ピン(ヘアピン)を位置特定して、処理レーザビームをそれに応じて位置決めすること等、OCTプロセス制御のための様々な応用を更に記載している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】“Controlling laser processing via optical coherence tomography”by F.Dorsch,W.Dubitzky,J.-P.Hermani,A.Hromadka,T.Hesse,T.Notheis,and M.Stambke.Proc.SPIE 10911,High-Power Laser Materials Processing:Applications,Diagnostics,and Systems VIII,109110G(27 February 2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、より少数のOCT走査、より少ない時間消費及びOCT走査の位置決めのより高速な決定と共に実行することができる、加工物表面のOCT走査領域を表示するための、及び/又は表面特徴を測定するための方法を明記することである。本発明の更なる目的は、その方法を実行するのに適したOCTシステムを明記することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、加工物表面の光学走査領域を表示するための方法であって、以下の方法ステップ:
- 加工物表面の画像を記録するステップと、
- 光コヒーレンス断層撮影機によって加工物表面を光学的に走査することにより、加工物表面の高さプロファイルを記録するステップと、
- 加工物表面の記録された画像及び記録された高さプロファイルを一緒に、とりわけ重ね合わされた方式で表示するステップと
を含む方法により、本発明に従って実現される。
【0007】
とりわけ光領域内で動作するカメラによって記録される二次元画像上において、加工物表面の特徴を従来の画像処理プログラムによって測定することができる。加工物表面の領域のOCT走査に加えて、反射光画像処理が行われる。加工物表面のOCT走査は、選択された画像抜粋と一緒に、具体的には互いに重ね合わされた方式で表示される。記録された画像とOCT走査との重ね合わせによって生成される三次元プロファイル画像は、比較的簡単に解釈することができる。OCT走査は、特に加工物表面から測定したときの高さ方向の加工物表面の特徴の位置及び/又は向きを把握することを可能にする。記録された画像内に高さプロファイルを直接挿入することは、加工物の表面構造のより優れた理解を可能にする。OCTは、光領域のために設計されるカメラと異なる波長を使用し、これは、画像記録から得られる情報及びOCT走査から得られる情報を割り当てることを可能にする。本発明によるOCT走査方法により、レーザ溶接プロセス中にとりわけ加工物の表面においてピン電極の対を正確に位置特定し、その高さ及び距離を決定することができる。
【0008】
特に好ましくは、画像抜粋は、加工物表面の表示画像内で選択され、光コヒーレンス断層撮影機によって後に走査される加工物表面の領域は、前記画像抜粋に限定される。加工物表面の領域の反射光画像処理がOCT走査前に行われる。画像記録に基づき、ユーザは、加工物表面の特徴に対してOCT走査を実行するべきであるかどうかを決めることができる。従って、必要なOCT走査の回数を減らすことができる。OCT走査のオフセット点を把握し、且つ走査領域を画定するために画像処理プログラムを使用することができる。加工物に対する光コヒーレンス断層撮影機の正確な位置決めであって、特に画像処理のためのプログラムによって計算される位置決めをOCT走査前に行うことができる。カメラの視野外にOCTビームを位置決めするが、それでもカメラ画像からその位置を把握することも想定され得る。
【0009】
好ましくは、画像抜粋は、表示画像上においてグラフィカルに、とりわけマウスによって又はピンチズーム機能によって直接選択される。このグラフィカルサポートは、OCT高さ測定を行うことを目的とする領域の迅速且つ正確な指示を可能にする。
【0010】
更に優先して、画像は、光コヒーレンス断層撮影機の測定アームに対して同軸上で記録される。この測定は、画像記録からのデータと、OCT走査からのデータとを比較的簡単に組み合わせることを可能にする。
【0011】
更なる態様では、本発明は、加工物表面の表面特徴を測定するための方法であって、以下の方法ステップ:
- 加工物表面の画像を記録するステップと、
- 記録された画像に基づいて、測定される少なくとも1つの表面特徴を決定するステップと、
- 決定された少なくとも1つの表面特徴を測定するために、決定された少なくとも1つの表面特徴の位置において、光コヒーレンス断層撮影機によって加工物表面を光学的に走査することにより、加工物表面の高さプロファイルを記録するステップと
を含む方法にも関する。
【0012】
本発明によれば、測定される1つ又は複数の表面特徴は、加工物表面の画像に基づいて決定され、高さに関して表面特徴を測定するために、決定された表面特徴の位置においてOCT走査が後に行われる。この場合、測定される少なくとも1つの表面特徴を、記録された画像に基づいて、画像処理設備によって自動化された方式において、又は表示画像に基づいて、上記のように手動で決定することができる。
【0013】
更なる態様では、本発明は、加工物表面を光学的に走査することにより、加工物表面の高さプロファイルを記録するための、光コヒーレンス断層撮影機を含むOCTシステムであって、加工物表面の画像を記録するためのカメラを含み、及び加工物表面の記録された画像及び記録された高さプロファイルを一緒に、とりわけ重ね合わされた方式で表示するためのディスプレイを含み、且つ/又は記録された画像に基づいて、測定される少なくとも1つの表面特徴を決定するための画像処理設備を含むOCTシステムにも関する。OCTシステムは、好ましくは、レーザ処理光学ユニット上、とりわけ処理レーザビームのレーザスキャナ上に搭載される。
【0014】
好ましくは、撮像システムは、表示画像内で画像抜粋を選択するための選択装置と、光コヒーレンス断層撮影機によって走査される加工物表面の領域を、選択された画像抜粋に限定するコントローラとを含む。
【0015】
処理光学ユニットのビーム経路内にカメラが装備され、そのカメラ画像に基づいて、画像処理によってオフセット点及びOCT走査の領域を画定することができる。ユーザは、その後、前記ユーザにとってのOCT高さ測定に関する関心領域を表示カメラ画像内でグラフィカルに正確に画定することができる。かかる撮像システムは、加工物表面の三次元プロファイル画像を作成するのに必要なOCT走査の回数を減らすことを可能にする。とりわけ、カメラは、光コヒーレンス断層撮影機の測定アームに対して同軸上で加工物表面に向けられる。
【0016】
好ましくは、選択装置は、表示画像内の画像抜粋をグラフィカルに選択するための入力手段を有し、それにより画像抜粋の迅速且つ正確な入力が可能になる。選択装置は、入力手段として、マウス又は好ましくはディスプレイのタッチ式のタッチ画面を有することができ、このタッチ式画面上で所望の画像抜粋が選択される。位置を正確に入力するために、インクリメントありの/なしの数値パネルによってマウス/タッチ入力をより正確にすることもできる。
【0017】
本発明の内容の更なる利点及び有利な構成を説明、図面及び特許請求の範囲から推論することができる。同様に、上述の及び更に説明する特徴は、各事例においてそれ自体で又は所望の任意の組み合わせにおける複数のものとして使用することができる。図示及び説明する実施形態は、網羅的な列挙として理解すべきではなく、むしろ本発明を概説するための例示的特徴のものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明によるOCTシステムの概略図を示す。
図2】選択された画像抜粋を有するOCTシステムのディスプレイの概略図を示す。
図3】本発明によるOCTシステムの改変形態を示す。
図4】本発明によるOCTシステムの改変形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に概略的に示すOCTシステム1は、加工物3の表面2の領域を光学的に走査する役割を果たし、加工物表面2の画像を記録するためのカメラ4及び加工物表面2を光学的に走査するための光コヒーレンス断層撮影機5を含む。レーザ源6が処理レーザビーム7を発生させ、処理レーザビーム7は、処理レーザビーム7を、加工物表面2上において、二次元で又はレーザスキャナ8がZ軸を有する場合には代わりに三次元で偏向させるために、レーザスキャナ8によって加工物3上に導かれる。
【0020】
光コヒーレンス断層撮影機5は、OCTビーム10を発生させるためのOCT光源(例えば、超放射発光ダイオード)9、OCTビーム10を測定ビーム12及び参照ビーム13に分割するためのビームスプリッタ11を公知の方式で有する。測定ビーム12が測定アーム14に送られ、加工物表面2上に当たり、加工物表面2において測定ビーム12が少なくとも部分的に反射され、この方向に非透過的又は部分的に透過的であるビームスプリッタ11に再び導かれる。参照ビーム13が参照アーム15に送られ、参照アーム15の終端のミラー16によって反射される。反射された参照ビームも同様にビームスプリッタ11に再び導かれる。加工物表面2に関する高さ情報及び/又は加工物3内への処理レーザビーム7の現在の侵入深さを把握するために、参照アーム15の長さを考慮に入れ、反射される2つのビームの重ね合わせが最後に空間分解検出器(OCTセンサ)17によって適切に検出される。この方法は、光波の干渉の基本原理に基づき、測定ビーム軸に沿ったマイクロメートル範囲内の高差を検出できるようにする。加工物表面2上で測定ビーム12を二次元に偏向させ、それにより例えば平行線スキャナを用いて加工物表面2の領域を走査するために、測定アーム14に隣接してOCT(狭視野)スキャナ18が続く。加工物3上に測定ビーム12を導くために、測定ビーム12は、処理レーザビーム7のビーム経路内に配置されるミラー19によってレーザスキャナ8内に結合される。
【0021】
カメラ4は、好ましくは、測定ビーム12に対して又は非偏向測定ビーム12の零点位置に対して同軸上に向けられ、従って光コヒーレンス断層撮影機5及び処理レーザビーム7と同軸上で加工物3を見る。加工物表面2から到来する光は、測定ビーム12のビーム経路内に配置されるミラー20によってカメラ4に供給され、前記ミラーは、この方向に透過的である。加工物3の反射光照射のために、光軸に対して同軸上、又は零点位置の軸に対して同軸上、又は光軸若しくは零点位置の軸に関して横方向の照明設備22に対して同軸上のリング照明設備21は、ここでは専ら例としてレーザスキャナ8に配置される。
【0022】
反射光を用いてカメラ4によって記録されるカメラ画像23は、画面形式のディスプレイ24上に表示される。選択装置25により、図2に示すように、ユーザは、加工物表面2の高さ測定に関して関心のある画像抜粋26を表示カメラ画像23内でグラフィカルに選択し、そのためにカメラ画像23内の所望の画像抜粋26に印付けすることができる。タッチ式画面の場合、ピンチズーム機能によって表示画像23上で画像抜粋26をグラフィカルに直接選択するために、選択装置25は、例えば、マウス又はタッチ式画面として実装することができる。位置を正確に入力するために、インクリメントありの/なしの数値パネルによってマウス/タッチ入力をより正確にすることもできる(加工物3に対するX、Yの位置及び角度)。
【0023】
選択された画像抜粋26は、ディスプレイ24上でグラフィカルに拡大するか、縮小するか又は移動させることができる。次いで、コントローラ27は、光コヒーレンス断層撮影機5によって走査される加工物表面2の領域を、その選択された画像抜粋26に限定する。より正確には、選択された画像抜粋26に基づく(反射光)画像処理により、コントローラ27は、OCTスキャナ18のオフセット値、即ち測定ビーム12の非偏向零点位置からの測定ビーム12の変位を把握する。従って、カメラ画像23は、OCT走査のより正確な位置決めを可能にし、そのジオメトリ(1つの線、複数の線又は代わりに他のジオメトリ)は、選択された画像抜粋26に基づいてコントローラ27によってプログラムされる。加工物表面2を時間ノンクリティカルOCT走査によって高さ方向(z方向)に測定することができるように、画像処理がOCTスキャナ18を位置決めする。コントローラ27の画像処理にOCTセンサ17を組み込むことは、画像処理の利点をOCTセンサ17の利点と組み合わせることを可能にする。
【0024】
ディスプレイ24上において、加工物表面2の選択領域26の高さプロファイル28であって、OCTセンサ17によって得られる高さプロファイル28を、カメラ画像23の選択された画像抜粋26内に直接挿入するか、又は選択された画像抜粋26上に直接重ね合わせることができ、それによりユーザによる加工物表面2の光学的評価が改善される。
【0025】
選択された画像抜粋26のみに対する上記の手順の代わりに、代替的に、高さプロファイル28は、カメラ4によって記録される加工物表面2の全領域内で記録し、重ね合わされた方式でディスプレイ24上に表示することができる。カメラ4の視野外にOCTビーム12を位置決めするが、それでもカメラ画像23からその位置を把握することも想定され得る。
【0026】
図3に示すOCTシステム1は、ここで、単に処理レーザビーム7のビーム経路内にレーザスキャナが配置されていない、即ち処理光学ユニットが固定光学ユニットとして実装される点で図1と異なる。
【0027】
図4に示すOCTシステム1は、ここで、単に測定ビーム12のビーム経路内にOCT(狭視野)スキャナが配置されていない点で図1と異なり、レーザスキャナ8は、高さプロファイル28を作成するために加工物表面2上の測定ビーム12の移動を行う。
【0028】
加工物表面2の関心のある表面特徴を測定するために以下の手順を採用する:まず、加工物表面2の画像をカメラ4によって記録し、測定される1つ又は複数の表面特徴を、記録されたカメラ画像23に基づいて後に決定する。この決定は、記録されたカメラ画像23に基づいて、画像処理設備によって自動化された方式において、又は表示画像23に基づいて、上記のように手動で行うことができる。その後、決定された表面特徴を高さに関して測定するために、決定された表面特徴の位置において、光コヒーレンス断層撮影機5によって加工物表面2を光学的に走査することにより、加工物表面2の高さプロファイル28を記録する。
【0029】
本発明によるOCT走査方法の1つの応用は、例えば、個々の部品を互いにレーザ溶接する前に3D位置特定することである。
【0030】
電動機内の固定子を形成するために、絶縁材料から形成される固定子ケージを設けることが知られており、導電性材料、好ましくは銅で構成されるいわゆるヘアピン(ピン電極)が前記固定子ケージ内に導入される。ヘアピンは、例えば、クリップ形状の様式で又は線形に実装することができ、固定子ケージ内に導入された後、互いに並列に且つ固定子又は固定子ケージ内の電動機のほぼ軸方向に存在する。固定子ケージの周縁部の周りにおいて、複数のかかるヘアピンが固定子ケージ内に導入され、前記ヘアピンは、搭載中又は製造中、最初に互いに機械的及び電気的に接続されていない。固定子ケージ内に導入された後且つ可能な整形及び/又は短縮並びに可能な前処理、例えば任意の被膜の除去後、例えば溶接によって完全な固定子巻線を形成するように、ヘアピンの個々の自由端は、好ましくは、対で結合される。この結合プロセスは、ヘアピンの個々の対の自由端間で機械的接続及び導電性接続の両方をもたらし、それにより、導入後、最初に個別に存在していたヘアピンがここで接続される。ヘアピンを結合することは、機械的及び電気的に相互接続された連続固定子巻線を形成できるようにする。
【0031】
本発明によるOCT走査方法により、レーザ溶接プロセス中に溶接されるヘアピンの対を正確に位置特定することができ、レーザビームをそれに応じて方向付けるためにヘアピンの高さ及び距離を決定することができる。例えば、溶接されるヘアピン間の隙間又は傾き等、関心のある他の幾何学的特性も事前に測定し、その後、適切な場合にはレーザ溶接中に付随して考慮に入れることができる。溶接後、品質保証のために、例えばレーザ溶接されたヘアピンの対の溶着ビードを決定するために撮像システムを使用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 OCTシステム
2 加工物表面
3 加工物
4 カメラ
5 光コヒーレンス断層撮影機
6 レーザ源
7 処理レーザビーム
8 レーザスキャナ
9 OCT光源
10 OCTビーム
11 ビームスプリッタ
12 測定ビーム
13 参照ビーム
14 測定アーム
15 参照アーム
16 ミラー
17 空間分解検出器
18 OCTスキャナ
19 ミラー
20 ミラー
21 リング照明設備
22 照明設備
23 カメラ画像
24 ディスプレイ
25 選択装置
26 画像抜粋
27 コントローラ
28 高さプロファイル
図1
図2
図3
図4