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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-29
(45)【発行日】2023-06-06
(54)【発明の名称】空調照明制御装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/70 20180101AFI20230530BHJP
   F24F 11/80 20180101ALI20230530BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20230530BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230530BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20230530BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20230530BHJP
   F24F 11/46 20180101ALN20230530BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230530BHJP
【FI】
F24F11/70
F24F11/80
F21V33/00 330
F21V23/00 140
H05B45/20
H05B47/165
F24F11/46
F21Y115:10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022005574
(22)【出願日】2022-01-18
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000244958
【氏名又は名称】木村工機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】後藤 和也
【審査官】五十嵐 公輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-187688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機(4)の冷房運転時又は暖房運転時の出力を増減させて室内温度を設定温度に調整する空調制御部(1)と、室内照明(5)の色温度を居室者が暖かさを感じる低色温度と前記居室者が冷たさを感じる高色温度とに変化させる照明制御部(2)と、前記居室者の温冷感情報と前記室内照明(5)の高低色温度情報とに応じて前記空調制御部(1)と前記照明制御部(2)を連動させて前記居室者が適温に感じるように調整する連動制御部(3)と、を備え、
前記連動制御部(3)が、
前記冷房運転時において
前記居室者の温感情報と前記室内照明(5)の低色温度情報に応じて前記空調機(4)の前記冷房運転時の前記出力を維持しつつ前記室内照明(5)を前記低色温度から前記高色温度にする第1冷房時降温ステップと
前記居室者の前記温感情報と前記室内照明(5)の高色温度情報に応じて前記空調機(4)の前記冷房運転時の前記出力を上げて前記室内温度を前記設定温度に下げつつ前記室内照明(5)を前記高色温度から前記低色温度にする第2冷房時降温ステップと
のうちのいずれかの前記ステップを実行する冷房降温制御部(6)と、
前記冷房運転時において
前記居室者の冷感情報と前記室内照明(5)の前記低色温度情報に応じて前記空調機(4)の前記冷房運転時の前記出力を下げて前記室内温度を前記設定温度に上げつつ前記室内照明(5)を前記低色温度から前記高色温度にする第1冷房時昇温ステップと
前記居室者の前記冷感情報と前記室内照明(5)の前記高色温度情報に応じて前記空調機(4)の前記冷房運転時の前記出力を下げて前記室内温度を前記設定温度に上げつつ前記室内照明(5)を前記高色温度に維持する第2冷房時昇温ステップと
のうちのいずれかの前記ステップを実行する冷房昇温制御部(7)と、
前記暖房運転時において
前記居室者の前記冷感情報と前記室内照明(5)の前記高色温度情報に応じて前記空調機(4)の前記暖房運転時の前記出力を維持しつつ前記室内照明(5)を前記高色温度から前記低色温度にする第1暖房時昇温ステップと
前記居室者の前記冷感情報と前記室内照明(5)の前記低色温度情報に応じて前記空調機(4)の前記暖房運転時の前記出力を上げて前記室内温度を前記設定温度に上げつつ前記室内照明(5)を前記低色温度から前記高色温度にする第2暖房時昇温ステップと
のうちのいずれかの前記ステップを実行する暖房昇温制御部(8)と、
前記暖房運転時において
前記居室者の前記温感情報と前記室内照明(5)の前記高色温度情報に応じて前記空調機(4)の前記暖房運転時の前記出力を下げて前記室内温度を前記設定温度に下げつつ前記室内照明(5)を前記高色温度から前記低色温度にする第1暖房時降温ステップと
前記居室者の前記温感情報と前記室内照明(5)の前記低色温度情報に応じて前記空調機(4)の前記暖房運転時の前記出力を下げて前記室内温度を前記設定温度に下げつつ前記室内照明(5)を前記低色温度に維持する第2暖房時降温ステップと
のうちのいずれかの前記ステップを実行する暖房降温制御部(9)と、
を備えたことを特徴とする空調照明制御装置。
【請求項2】
前記連動制御部(3)が、前記冷房降温制御部(6)の前記第1冷房時降温ステップと前記暖房昇温制御部(8)の前記第1暖房時昇温ステップとにおいて前記室内照明(5)の前記色温度を急速に変化させる急変制御部(10)を、備えた請求項1記載の空調照明制御装置。
【請求項3】
前記連動制御部(3)が、前記冷房降温制御部(6)の前記第2冷房時降温ステップと前記暖房昇温制御部(8)の前記第2暖房時昇温ステップとにおいて前記室内照明(5)の前記色温度をゆっくり変化させる緩変制御部(11)を、備えた請求項1又は2に記載の空調照明制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空調照明制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のように、室内照明の色温度を切換え、空調機の冷暖房出力を体感温度差分抑えて省エネを図る空調システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-87373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような空調システムは省エネに有効であるが、近年さらなる省エネ性向上の要求が高まってきている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、空調機の冷房運転時又は暖房運転時の出力を増減させて室内温度を設定温度に調整する空調制御部と、室内照明の色温度を居室者が暖かさを感じる低色温度と前記居室者が冷たさを感じる高色温度とに変化させる照明制御部と、前記居室者の温冷感情報と前記室内照明の高低色温度情報とに応じて前記空調制御部と前記照明制御部を連動させて前記居室者が適温に感じるように制御する連動制御部と、を備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
室内照明の色温度が居室者に与える暖かさや寒さを利用して、空調機の出力を抑えながら居室者に適温感を与えることができ、省エネを図れる。
急変制御部にて室内照明の色温度を急速に変化させることで、居室者の体感温度の変化を感じ易くでき、冷温感不足による不快感をなくせる。
緩変制御部にて室内照明の色温度を時間をかけて徐々に変化させて温度順応させることで、居室者の体感温度の変化を感じ難くでき、室内照明の色温度を冷房時はゆっくり低色温度に、暖房時はゆっくり高色温度に、することで、室内照明の色温度による体感温度変化を繰返し利用可能となり、省エネを図れる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一例を示す構成図である。
図2】冷房運転時の制御フロー図である。
図3】暖房運転時の制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
図1は建物の室内等に設けられる本発明の空調照明制御装置の一実施例を示し、この空調照明制御装置は、空調制御部1、照明制御部2及び連動制御部3を備えており、図示省略のマイクロプロセッサ、各種センサー、その他の制御機器にて構成される。
【0009】
空調制御部1は、空調機4の冷房運転時又は暖房運転時の出力(冷却又は加熱のエネルギー)を増減させて室内温度を設定温度に調整する。空調機4は公知の空冷式エアコンや冷温水式ファンコイルユニットなどで、図示省略の熱交換器の冷媒又は冷温水で空気を冷却又は加熱して室内に供給する。この空調機4の冷房運転時の出力を上げると室内温度が下がってエネルギー消費が増え、出力を下げると室内温度が上がってエネルギー消費が減る。暖房運転時の出力を上げると室内温度が上がってエネルギー消費が増え、出力を下げると室内温度が下がってエネルギー消費が減る。
【0010】
照明制御部2は、室内照明5の色温度(ケルビン)を変化させて居室者が暖かさを感じる低色温度(3000~3200K)と、居室者が冷たさを感じる高色温度(5000~5500K)と、に変化させて居室者の体感温度を調整する。この低色温度と高色温度のケルビン(K)の値は一例であって限定されるものではない。室内照明5は、色温度や照度等を変更できる公知のLED照明等とする。
【0011】
連動制御部3は、居室者の現状の温冷感情報と室内照明5の現状の高低色温度情報とに応じて空調制御部1と照明制御部2を連動させて居室者が適温に感じるように調整する。連動制御部3は、冷房降温制御部6、冷房昇温制御部7、暖房昇温制御部8、暖房降温制御部9、急変制御部10、緩変制御部11及び待機制御部12を備えている。居室者の冷感情報(寒いと感じる)と温感情報(暑いと感じる)は、図示省略の手動スイッチなどにて連動制御部3に入力(指令)する。
【0012】
図2に示すように、冷房降温制御部6は、冷房運転時において
居室者の温感情報と室内照明5の低色温度情報に応じて空調機4の冷房運転時の出力を維持しつつ室内照明5を低色温度から高色温度にする第1冷房時降温ステップと
居室者の温感情報と室内照明5の高色温度情報に応じて空調機4の冷房運転時の出力を上げて室内温度を設定温度に下げつつ室内照明5を高色温度から低色温度にする第2冷房時降温ステップと
のうちのいずれかのステップを実行する。
【0013】
冷房昇温制御部7は、冷房運転時において
居室者の冷感情報と室内照明5の低色温度情報に応じて空調機4の冷房運転時の出力を下げて室内温度を設定温度に上げつつ室内照明5を低色温度から高色温度にする第1冷房時昇温ステップと
居室者の冷感情報と室内照明5の高色温度情報に応じて空調機4の冷房運転時の出力を上げて室内温度を設定温度に下げつつ室内照明5を高色温度に維持する第2冷房時昇温ステップと
のうちのいずれかのステップを実行する。
【0014】
図3に示すように、暖房昇温制御部8は、暖房運転時において
居室者の冷感情報と室内照明5の高色温度情報に応じて空調機4の暖房運転時の出力を維持しつつ室内照明5を高色温度から低色温度にする第1暖房時昇温ステップと
居室者の冷感情報と室内照明5の低色温度情報に応じて空調機4の暖房運転時の出力を上げて室内温度を設定温度に上げつつ室内照明5を低色温度から高色温度にする第2暖房時昇温ステップと
のうちのいずれかのステップを実行する。
【0015】
暖房降温制御部9は、暖房運転時において
居室者の温感情報と室内照明5の高色温度情報に応じて空調機4の暖房運転時の出力を下げて室内温度を設定温度に下げつつ室内照明5を高色温度から低色温度にする第1暖房時降温ステップと
居室者の温感情報と室内照明5の低色温度情報に応じて空調機4の暖房運転時の出力を下げて室内温度を設定温度に下げつつ室内照明5を低色温度に維持する第2暖房時降温ステップと
のうちのいずれかのステップを実行する。
【0016】
上記各ステップにおいて、空調機4の出力増減による室内温度の上げ下げは0.5℃刻みとするが、これに限定されるものではない。
【0017】
急変制御部10は、冷房降温制御部6の第1冷房時降温ステップと暖房昇温制御部8の第1暖房時昇温ステップとにおいて、室内照明5の色温度を急速に(10~30秒、好ましくは20秒程度)変化させる。この急速の色温度変化時間は一例であって限定されるものではない。
【0018】
緩変制御部11は、冷房降温制御部6の第2冷房時降温ステップと冷房昇温制御部7の第1冷房時昇温ステップと暖房昇温制御部8の第2暖房時昇温ステップと暖房降温制御部9の第1暖房時降温ステップとにおいて、室内照明5の色温度をゆっくり(3~7分、好ましくは5分程度)変化させる。このようにすれば、色温度が変わっても体感温度の変化が抑えられるので、空調機4の出力を上げずに、室内照明5の色温度を変化させるだけで、さらに体感温度を変化させることができる。このゆっくりの色温度変化時間は一例であって限定されるものではない。
【0019】
待機制御部12は、連動制御部3への居室者の冷温感情報の入力が連続しても一定時間(5分程度)は、後の入力を受け付けないようにする。
【符号の説明】
【0020】
1 空調制御部
2 照明制御部
3 連動制御部
4 空調機
5 室内照明
6 冷房降温制御部
7 冷房昇温制御部
8 暖房昇温制御部
9 暖房降温制御部
10 急変制御部
11 緩変制御部
【要約】
【課題】 空調エネルギーの削減を図れる空調照明制御装置を得る。
【解決手段】 空調機(4)の冷房運転時又は暖房運転時の出力を増減させて目標室内温度に調整する空調制御部(1)と、室内照明(5)の色温度を前記居室者が暖かさを感じる低色温度と居室者が冷たさを感じる高色温度とに変化させる照明制御部(2)と、居室者の温冷感情報と室内照明(5)の高低色温度情報とに応じて空調制御部(1)と照明制御部(2)を連動させて居室者が適温に感じるように調整する連動制御部(3)と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3