(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-30
(45)【発行日】2023-06-07
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置、無線通信システム、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/20 20230101AFI20230531BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20230531BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20230531BHJP
【FI】
H04W72/20
H04W72/0446
H04W16/14
(21)【出願番号】P 2022079385
(22)【出願日】2022-05-13
(62)【分割の表示】P 2020535382の分割
【原出願日】2018-08-07
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】下村 剛史
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/025484(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
免許が不要な第1の周波数帯を用いて、送信装置と無線通信が可能な受信装置において、
スロット内で第1の制御信号が送信される可能性のあるシンボルに関する情報をそれぞれ含む第1の情報要素と第2の情報要素を含むメッセージを受信する受信部と、
前記第1の情報要素に従って前記第1の制御信号の検出動作を行い、
前記第1の制御信号を検出した場合、前記第1の情報要素に従って前記第1の制御信号の検出動作を行うことを停止し、前記第2の情報要素に従って前記第1の制御信号の検出動作を行う処理部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記第1の制御信号はDCI(Downlink Control Information)を載せるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)である
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記処理部は、
前記第1の情報要素に従って、前記第1の制御信号を検出したスロットの次のスロット以降に、前記第2の情報要素に従って、前記第1の制御信号の検出動作を行うことを開始する
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置、無線通信システム、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のネットワークは、モバイル端末(スマートフォンやフューチャーホン)のトラフィックがネットワークのリソースの大半を占めている。また、モバイル端末が使うトラフィックは、今後も拡大していく傾向にある。
【0003】
一方で、IoT(Internet of things)サービス(例えば、交通システム、スマートメータ、装置等の監視システム)の展開にあわせて、多様な要求条件を持つサービスに対応することが求められている。そのため、第5世代移動体通信(5Gまたは、NR(New Radio))の通信規格では、4G(第4世代移動体通信)の標準技術(例えば、非特許文献1~11)に加えて、さらなる高データレート化、大容量化、低遅延化を実現する技術が求められている。
【0004】
なお、第5世代通信規格については、3GPP(登録商標)(Third Generation Partnership Project)の作業部会(例えば、TSG-RAN WG1、TSG-RAN WG2等)で技術検討が進められている(非特許文献12~39)。
【0005】
上記で述べたように、多種多様なサービスに対応するために、5Gでは、eMBB(Enhanced Mobile Broad Band)、Massive MTC(Machine Type Communications)、およびURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication)に分類される多くのユースケースのサポートを想定している。
【0006】
一方、4Gでは、低周波帯(5GHz帯)であるUnlicensed spectrum(又はUnlicensed band)での通信を行なうための機能が導入されている。そのような機能としては、例えば、LTE-LAA(Long Term Evolution-Licensed Assisted Access)がある。LTE-LAAは、例えば、Unlicensed spectrumの周波数帯域とLicensed spectrumの周波数帯域とを束ねて同時に使用する技術である。LTE-LAAにより、例えば、高速大容量化を実現することが可能となる。
【0007】
LTE-LAAでは、低周波帯(5GHz帯)のUnlicensed spectrumでの通信を行なうために、Listen-Before-Talk(LBT)方式が採用される。LBT方式では、例えば、送信側は、信号送信開始前にcarrier sensing(又はキャリアセンス)を行い、無線チャネルが“Idle”状態(他の通信が行なわれていない)であることを確認してからデータ送信を開始する。LBT方式により、例えば、WifiとLTEなど、異なるネットワーク間において公平な共存が実現可能である。
【0008】
ただし、LTEでは、サブフレーム(subframe)タイミングに基づく送受信が基本である。LBT方式をサブフレームタイミングで用いると、サブフレームタイミングで送信機会が与えられるため、送信機会が限定される場合がある。
【0009】
そこで、LTE-LAAでは、サブフレームの先頭タイミング(又は先頭シンボル)と、サブフレームの半分のタイミング(又は先頭シンボルから8番目のシンボル)とで送信可能な方式も仕様化されている。
図30(A)と
図30(B)はその例を表している。これにより、例えば、送信側で送信機会を増やし、送信側と受信側の双方で送受信処理の複雑度を極端に増大しないようにすることが可能となる。
【0010】
なお、
図30(B)に示すように、サブフレームの半分のタイミングの場合、TB(Transport Block)#0に含まれるデータは、
図30(A)に示すサブフレームの先頭シンボルのタイミングから送信される場合と比較して、半分になる。そのため、送信側は、TB#0に含まれる符号化前のデータを半分にして、送信することも、3GPPでは仕様化されている。
【0011】
他方、5Gでは、4Gと同様に、基地局は、無線リソースの割り当てや誤り訂正符号化の符号化率、変調方式などを決定(又はスケジューリング)し、そのスケジューリング結果を、端末へ送信する。この場合、基地局は、スケジューリング結果を含むDCI(Downlink Control Information)を、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)を利用して、端末へ送信する。端末は、DCIに含まれるスケジューリング結果に従って、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)を利用して、受信した信号から自局宛てのデータを抽出したり、PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)を利用して、データを基地局へ送信したりすることが可能となる。
【0012】
図31(A)と
図31(B)は、5Gにおいて仕様化されたDCIによる時間方向のリソース割り当てを表す図である。
図31(A)はPDSCH、
図31(B)はPUSCHにおける、時間方向のリソース割り当てをそれぞれ表している。
図31(A)と
図31(B)において、例えば、“S”はスロットの開始シンボル、“L”は開始シンボルSからカウントした連続したシンボル数(又は長さ)をそれぞれ表す。
【0013】
図31(C)は、時間方向におけるリソースの割り当て(又はマッピング。以下では、割り当てとマッピングとを区別しないで用いる場合がある。)例を表す。例えば、S=2、L=4の場合、1スロット内において、開始シンボルは、先頭シンボル(S=0)から3番目のシンボル、その長さは、S=2から連続して4シンボルであることを表す。このような時間方向のリソース割り当てが行われた場合、端末は、PDSCHの場合、S=2から始まる4つのシンボルを利用して、自局宛てのデータを抽出する。
【0014】
なお、
図31(C)に示すように、4Gでは、1サブフレーム=14シンボル(=1ms)であったが、5Gでは、1スロット=14シンボルとなる。また、5Gでは、複数のサブキャリア間隔を利用可能で、サブキャリア間隔が15kHzの場合、1スロット=1msで、サブキャリア間隔が30kHzの場合、1スロット=0.5msなど、サブキャリア間隔に応じてスロット長が変化する。
【0015】
5Gでは、
図31(A)と
図31(B)に示すように、シンボル単位で時間方向の無線リソースの割り当てが可能となっており、柔軟な無線リソースの割り当てが可能となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【文献】3GPP TS 36.211 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 36.212 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 36.213 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 36.300 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 36.321 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 36.322 V15.0.1(2018-04)
【文献】3GPP TS 36.323 V14.5.0(2017-12)
【文献】3GPP TS 36.331 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 36.413 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 36.423 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 36.425 V14.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 37.340 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38.201 V15.0.0(2017-12)
【文献】3GPP TS 38.202 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38.211 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38.212 V15.1.1(2018-04)
【文献】3GPP TS 38.213 V15.1.0(2018-0312)
【文献】3GPP TS 38.214 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38. 215 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38.300 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38.321 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38.322 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38.323 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38.331 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38.401 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38.410 V0.9.0(2018-04)
【文献】3GPP TS 38.413 V0.8.0(2018-04)
【文献】3GPP TS 38.420 V0.8.0(2018-04)
【文献】3GPP TS 38.423 V0.8.0(2018-04)
【文献】3GPP TS 38.470 V15.1.0(2018-03)
【文献】3GPP TS 38.473 V15.1.1(2018-04)
【文献】3GPP TR 38.801 V14.0.0(2017-04)
【文献】3GPP TR 38.802 V14.2.0(2017-09)
【文献】3GPP TR 38.803 V14.2.0(2017-09)
【文献】3GPP TR 38.804 V14.0.0(2017-03)
【文献】3GPP TR 38.900 V14.3.1(2017-07)
【文献】3GPP TR 38.912 V14.1.0(2017-06)
【文献】3GPP TR 38.913 V14.3.0(2017-06)
【文献】”Enriched feedback for adaptive HARQ”, Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell, R1-1701020, 3GPP TSG RAN WG1 NR Ad-Hoc Metting, Spokane, 16-20 January, 2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかし、上述したように、Unlicensed bandに関し、LTE-LAAでは、送信機会は、1サブフレーム(=1ms)あたり最大2回である。1サブフレームあたり最大2回の送信機会では、スループットが低下する場合がある。
【0018】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、スループットを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
1つの側面では、免許が不要な第1の周波数帯を用いて、受信装置と無線通信が可能な送信装置において、前記第1の周波数帯が他の送信装置により使用されていないことを確認し、第1の通信方向における第1の制御チャネルと第1の共有チャネルとを含む第1のシンボル、又は、前記第1の通信方向と異なる第2の通信方向における第2の共有チャネルとを含む第2のシンボルを、時間方向にシフトさせる制御部と、前記第1のシンボルに割り当てられた第1の制御信号と第1のデータとを前記第1の制御チャネルと前記第1の共有チャネルとを夫々用いて、又は前記第2のシンボルに割り当てられた第2のデータを前記第2の共有チャネルを用いて、前記受信装置へ送信する送信部とを備える。
【発明の効果】
【0020】
スループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は無線通信システムの構成例を表す図である。
【
図2】
図2(A)は1スロットの構成例、
図2(B)と
図2(C)は、TBの送信例を表す図である。
【
図3】
図3はプロトコルスタックの例を表す図である。
【
図4】
図4(A)と
図4(B)はPDCCCHとPDSCHの送信例を表す図である。
【
図5】
図5(A)はRRCメッセージの交換シーケンス例、
図5(B)はRRCConfigurationメッセージの構成例を夫々表す図である。
【
図6】
図6はPDSCH-Config又はPUSCH-Configに含まれるIEの例を表す図である。
【
図7】
図7(A)と
図7(B)はPUSCHの送信例を表す図である。
【
図8】
図8(A)と
図8(B)はPDCCHとPDSCHの送信例を表す図である。
【
図9】
図9は、PDCCHに含まれる情報の例を表す図である。
【
図13】
図13はPDSCH-Configに含まれるIEの例を表す図である。
【
図14】
図14はPDCCHに含まれる情報の例を表す図である。
【
図16】
図16(A)は基地局の構成例、
図16(B)はベースバンド信号処理部の構成例を夫々表す図である。
【
図17】
図17(A)は端末の構成例、
図17(B)はベースバンド信号処理部の構成例を夫々表す図である。
【
図18】
図18は基地局の動作例を表すフローチャートである。
【
図21】
図21は基地局の動作例を表すフローチャートである。
【
図22】
図22は基地局の動作例を表すフローチャートである。
【
図25】
図25はmonitoringSymbolsWithinSlotの設定例を表す図である。
【
図26】
図26はPDSCH-Config又はPUSCH-Configに含まれるIEの例を表す図である。
【
図28】
図28(A)は基地局、
図29(B)は端末のハードウェア構成例を夫々表す図である。
【
図31】
図31(A)と
図31(B)は開始シンボルと長さの仕様、
図31(C)は開始シンボルと長さの設定例を夫々表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書における課題及び実施例は一例であり、本願の権利範囲を限定するものではない。特に、記載の表現が異なっていたとしても技術的に同等であれば、異なる表現であっても本願の技術を適用可能であり、権利範囲を限定するものではない。そして、各実施の形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0023】
また、本明細書で使用している用語や記載した技術的内容は、3GPPなど通信に関する規格として仕様書や寄書に記載された用語や技術的内容が適宜用いられてもよい。このような仕様書としては、例えば、3GPP TS 38.211 V15.1.0(2018-03)などがある。
【0024】
なお、3GPPの仕様書は、随時、更新される。従って、上述した仕様書は、本願出願時における最新の仕様書が用いられてよい。そして、最新の仕様書に記載された用語や技術的内容が、本明細書において適語用いられてよい。
【0025】
以下に、本願の開示する基地局、端末、無線通信システム、及び通信方法の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、開示の技術を限定するものではない。
【0026】
[第1の実施の形態]
<1.無線通信システムの構成例>
図1は、第1の実施の形態における無線通信システム10の構成例を表す図である。
【0027】
無線通信システム10は、基地局装置(以下、「基地局」と称する場合がある。)100と複数の端末装置(以下、「端末」と称する場合がある。)200-1,200-2を備える。
【0028】
基地局100は、自局のサービス提供可能範囲(又はセル範囲)に在圏する端末200-1,200-2に対して無線通信を行い、通話サービスやWeb閲覧サービスなど、種々のサービスを提供する無線通信装置である。
【0029】
また、基地局100は、上述したようにスケジューリングを行い、各端末200-1,200-2に対して、無線リソースの割り当てや、符号化率、変調方式などを決定する。そして、基地局100は、そのスケジューリング結果を制御信号に含めて、PDCCHを利用して、端末200-1,200-2へ送信する。各端末200-1,200-2は、制御信号に含まれるスケジューリング結果に従って、PDSCHを利用して受信した信号から自局宛てのデータを抽出したり、PUSCHを利用してデータを基地局100へ送信したりすることができる。
【0030】
基地局100から端末200-1,200-2への通信方向を、下り方向、端末200-1,200-2から基地局100への通信方向を、上り方向とそれぞれ称する場合がある。
【0031】
例えば、下り方向においては、基地局100が送信装置、端末200-1,200-2が受信装置となり、上り方向においては、端末200-1,200-2が送信装置、基地局100が受信装置となり得る。
【0032】
なお、端末200-1,200-2は、上り方向においても、制御信号を送信することが可能であり、この場合、PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)を用いて、上り制御信号を送信する。上り制御信号の例として、例えば、データを正常に受信したか否かを示すACK(Acknowledgement:肯定応答)信号又はNACK(Negative Acknowledgement)信号(以下では、「ACK」又は「NACK」と称する場合がある。)がある。
【0033】
端末200-1,200-2は、例えば、フィーチャーフォン、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、ゲーム装置など、無線通信が可能な無線通信装置である。各端末200-1,200-2は、基地局100を介して、上述した種々のサービスの提供を受けることが可能である。
【0034】
図1の例では、基地局100は、2つの端末200-1,200-2と無線通信を行っている例を表している。例えば、無線通信システム10においては、基地局100は、1台の端末200-1と無線通信を行ってもよいし、3台以上の端末と無線通信を行ってもよい。端末200-1,200-2の台数は、1台でもよいし、複数台でもよい。
【0035】
本第1の実施の形態では、基地局100と端末200-1,200-2は、Unlicensed bandを用いて無線通信が可能である。
【0036】
無線通信で使用する周波数は、ITU-R(International Telecommunication Radio communications Sector)が策定した周波数の割り当てと各国の事情などを考慮して、各国が特定のオペレータに対して使用免許を与えて割り当てている。オペレータは、免許が与えられた周波数を占有して移動通信事業(又は無線通信事業)を行うことが可能である。オペレータに免許が与えられて割り当てられた周波数帯を、例えば、Licensed bandと称する場合がある。他方、Unlicensed bandは、例えば、複数のオペレータなどが免許なしに使用可能な周波数帯のことである。Unlicensed bandは、例えば、免許が不要な周波数帯であり、Licensed bandは、例えば、免許が必要な周波数帯でもある。Unlicensed bandとしては、例えば、ISM帯(Industry Science Medical band)や5GHz帯などがある。
【0037】
そして、基地局100と端末200-1,200-2は、Unlicensed bandを用いて無線通信を行う際に、LBT方式を利用して、その周波数帯域が利用可能であるか否かを確認する。例えば、基地局100と端末200-1,200-2は、以下の処理を行う。
【0038】
すなわち、基地局100と端末200-1,200-2は、アンライセンスバンドの利用可能な周波数帯域において、キャリアセンスを行う。基地局100と端末200-1,200-2は、その周波数帯域が“Idle”状態のとき、その周波数帯域を利用して、無線通信を行う。“Idle”状態とは、例えば、受信信号の信号強度が閾値より小さい場合の状態である。この場合は、基地局100と端末200-1,200-2は、その周波数帯域が他の基地局や端末で利用されていないことを確認することになり、その周波数帯域の利用が可能となる。一方、基地局100と端末200-1,200-2は、その周波数帯域が“Busy”状態のとき、その周波数帯域を利用しないようにする。“Busy”状態とは、例えば、受信信号の信号強度が閾値以上のときの状態である。この場合、基地局100と端末200-1,200-2は、“Busy”状態を確認後、所定時間経過すると、再び、その周波数帯域についてキャリアセンスを行う。
【0039】
キャリアセンスの詳細動作は、例えば、3GPP TS 37.213 V15.0.0(2018-06)に記載されている方式に従う。送信する信号の内容などにより、1回のキャリアセンスで“Idle”状態であれば送信できる場合と、規定された回数だけ“Idle”状態が経過して初めて送信できる場合とが定義されている。いずれの場合についても、信号を送信する直前の1回のキャリアセンスの結果は、“Idle”状態でなければならない。
【0040】
基地局100と端末200-1,200-2は、Unlicensed bandだけではなく、Licensed bandを用いて無線通信が可能である。
【0041】
なお、以下では、Unlicensed bandを、例えば、アンライセンスバンド、Licensed bandを、例えば、ラインセスバンドと表記する場合がある。
【0042】
また、端末200-1,200-2を、端末200と表記する場合がある。
【0043】
さらに、下り方向の制御信号を、例えば、PDCCHと称する場合がある。従って、下り方向の制御信号を送信することを、例えば、PDCCHを送信する、と称する場合がある。また、下り方向のデータを、例えば、PDSCHと称する場合がある。さらに、例えば、上り方向の制御信号をPUCCH、上り方向のデータをPUSCHとそれぞれ称する場合がある。
【0044】
さらに、以下においては、制御信号とDCIとを区別しないで用いる場合がある。
【0045】
さらに、以下においては、LBTとキャリアセンスとを区別しないで用いる場合がある。
【0046】
<2.時間方向の無線リソースについて>
図2(A)は、5Gで規定される1スロットの構成例を表す図である。上述したように、LTEでは、14シンボルで1サブフレームである。しかし、5Gでは、
図2(A)に示すように、14シンボルで1スロットとなっている。
図2(A)は、例えば、アンライセンスバンドのある周波数帯域における1スロットを表している。
【0047】
図2(B)は、アンライセンスバンドのある周波数帯域において、時間方向におけるTBの送信例を表す図である。
【0048】
例えば、基地局100は、この周波数帯域に対して、キャリアセンスを行い、“Idle”状態であることを確認したため、先頭スロットから全シンボルを利用して、TB#aに含まれるデータを送信している。そして、例えば、基地局100は、次のスロットに割り当てられたTB#bのデータも次のスロットの全シンボルを利用して送信している。
図2(B)に示す例では、各スロットに割り当てられた通りに、各TBに含まれるデータが送信される例を表している。
【0049】
なお、以下では、TBに含まれるデータを送信すること、例えば、TBを送信する、と称する場合がある。
【0050】
図2(B)においては、TTIも示されている。TTIとは、例えば、TBセットの到着時間間隔であり、PDCCHを利用して送信される1つの制御信号により割り当てられたスケジューリング期間(又は周期)の最小期間を表す。従って、TTIは、例えば、1つのPDCCHにより複数のTTIを含むことも許容される。詳細は後述するが、
図7(A)の例では、1つのPDCCHにより2つのTTIがスケジューリングされている例を表している。
【0051】
例えば、
図2(B)の例では、1つのPDCCHにより、先頭スロットにTB#aが割り当てられ、他のPDCCHにより、先頭スロットの次のスロットにTB#bが割り当てられている。従って、先頭スロットが1つのTTIとなり、次のスロットが他の1つのTTIとなる。例えば、1つのスロット内に、2つのPDCCHが別々のシンボルに割り当てられたとき、1つのスロット内に、2つのTTIが存在することになる。
【0052】
図2(C)も、
図2(B)と同様に、時間方向におけるTBの送信例を表す図である。ただし、
図2(C)の例は、
図2(B)の例に対して、キャリアセンスにより、送信開始タイミングがシフトする例を表している。
【0053】
図2(C)の例では、キャリアセンスの結果、先頭スロットの1シンボル目において、“Busy”状態となっている。また、その後、キャリアセンスを行い、3シンボル目においても、“Busy”状態となっている。さらに、その後、キャリアセンスを行い、“Idle”状態となったため、5シンボル目から信号の送信が開始される。
図2(C)の例では、先頭スロットの5シンボル目(シンボル0が先頭シンボルとすると、シンボル4)がデータ送信開始タイミングとなっている。
【0054】
なお、
図2(B)と
図2(C)が下り方向の送信例を表す場合、送信開始タイミングにある先頭シンボル(
図2(B)の例では1番目のシンボル、
図2(C)の例では5番目のシンボル)を利用して、PDCCHとPDSCHとが送信される。5Gでは、4Gとは異なり、1つのシンボルにPDCCHとPDSCHとが割り当て可能となっている。この場合、
図2(B)と
図2(C)に示す送信は、例えば、基地局100により行われる。
【0055】
また、
図2(B)と
図2(C)が上り方向の送信例を表す場合、送信開始タイミングにある先頭シンボルを利用して、PUCCHとPUSCHとが送信される。この場合、
図2(B)と
図2(C)に示す送信は、例えば、端末200により行われる。
【0056】
一方、
図2(B)に示すように、TB#aには、1スロットの全14シンボルが割り当てられている。
図2(C)に示す例では、5シンボル目から送信が開始されるため、先頭スロットにおいては、TB#aに含まれる10シンボル分のデータが送信可能であるものの、残りの4シンボル分のデータは送信できない。この場合、
図2(C)の例では、先頭スロットで送信できなかった、TB#aに含まれる残り4シンボル分のデータは、次のスロットの先頭の4シンボルを利用して、送信される。
【0057】
従って、TB#aに含まれる14シンボル分のデータは、先頭スロットの10シンボルと、次のスロットの先頭の4シンボルを利用して送信される。この場合、先頭スロットと、次のスロットとは、例えば、異なるPDCCHにより割り当てられた時間方向のリソースとなっている。この場合、TB#aのデータは、異なるPDCCHによって割り当てられた2つのスロットを跨いで、時間方向のリソースの割り当てが行われている。例えば、1つのPDCCHにより割り当てられたスケジューリング期間が1つのTTIであるため、TB#aのデータは、2つのTTIを跨いで同一の端末200へ送信される。
【0058】
キャリアセンスにより、先頭スロット(又は先頭TTI)でデータの全てを送信しきれなかった場合、送信できなかったデータ部分を、次のTTIで送信することを、例えば、「Cross TTI」(又はクロスTTI)と称する場合がある。或いは、クロスTTIとは、例えば、同一のデータが、複数のTTIを跨いで送信されることである。例えば、
図2(C)では、TB#aは、先頭のTTIで送信しきれなかったため、次のTTIで送信されており、クロスTTIで送信されている。
【0059】
なお、クロスTTIは、例えば、RRC(Radio Resource Control)メッセージやPDCCHにより設定可能である。詳細は後述する。
【0060】
このように、本第1の実施の形態では、例えば、
図2(C)に示すように、PDCCHとPDSCHを含むシンボル、或いは、PUCCHとPUSCHとを含むシンボルを時間方向にシフトさせることができる。従って、LTE-LAAのように、スロット内の先頭シンボル(1番目のシンボル)とその中間シンボル(先頭シンボルから8番目のシンボル)だけではなく、
図2(C)に示すように、それ以外のシンボルからでもデータ送信が可能となっている。そのため、本第1の実施の形態では、スロット内の先頭シンボルとその中間シンボルからデータを送信する場合と比較して、送信機会が増加するため、スループットを向上させることが可能となる。
【0061】
また、本第1の実施の形態では、クロスTTIにより同一の端末200宛てのデータを送信する。この場合、
図2(C)の例に示すように、送信側は、ACKやNACKを待つことなく、先頭のTTI(又はスロット)の次のTTI(又は次のスロット)において、先頭のTTIで送信できなかったTB#aの残りのデータを送信している。従って、送信装置は、ACKやNACKを待つことなくデータ送信が可能となっているため、ACKやNACKを待ってから送信する場合と比較して、スループットを向上させることが可能となる。
【0062】
さらに、本第1の実施の形態では、送信側は、キャリアセンスにより、先頭スロットで送信できなかった信号を、そのまま、次のスロットで送信する。その信号に対してある処理を施す場合と比較して、本第1の実施の形態では、そのまま送信するため、送信側の送信処理や受信側の受信処理の複雑度を低減させることも可能となる。
【0063】
以下では、本第1の実施の形態について、場合を分けて説明する。最初に、RRCメッセージとPDCCHとの関係について説明する。次に、具体的な例として、1)PDCCHとPDSCHとがシフトする場合において、RRCメッセージによりクロスTTIを設定する場合、を説明する。次に、2)PUSCHがシフトする場合において、RRCメッセージよりクロスTTIを設定する場合、を説明する。そして、次に、3)PDCCHとPDSCHとがシフトする場合において、PDCCHによりクロスTTIを設定する場合、を説明する。
【0064】
なお、
図2(B)に示すように、TB#bに対しては、先頭スロットの次のスロットにおいて、スロット内の全シンボルが割り当てられている。この場合、
図2(C)に示すように、TB#aのクロスTTIにより、先頭スロットの次スロットにおいて、TB#bの4シンボル分のデータを送信装置は送信することができない。この場合、送信装置は、送信できなかった4シンボル分のデータを、更に、次のスロット(先頭スロットの次の次のスロット)を用いて送信することも可能である。送信装置は、TB#bも、クロスTTIで送信することが可能である。
【0065】
また、
図2(C)に示す例では、2シンボル毎に、キャリアセンスが行われる例について説明しているが、1シンボル毎でもよいし、3シンボル毎以上でもよい。
【0066】
<3.RRCメッセージとPDCCHとの関係>
図3は、5Gにおける、基地局100と端末200と間のプロトコルスタックの例を表す図である。
図3に示すように、PDCCHは、最下層の物理レイヤ(PHY)に含まれ、RRCメッセージは、物理レイヤよりも上位のRRCレイヤに含まれる。
【0067】
PDCCHは、例えば、TTI毎に送信される。そのため、PDCCHは、RRCメッセージと比較して、オーバーヘッドが大きい反面、リアルタイムに制御を変更することができ、柔軟性がある。
【0068】
一方、RRCメッセージは、例えば、数百ms毎に送信される。そのため、RRCメッセージは、PDCCHと比較して、オーバーヘッドが少ない反面、リアルタイムに制御を変更することが難しく、柔軟性に乏しい。
【0069】
PDCCHとRRCメッセージは、例えば、オーバーベッドや柔軟性に関して、トレードオフの関係にある、と言える。
【0070】
<4.1 PDCCHとPDSCHとがシフトする場合において、RRCメッセージによりクロスTTIを設定する場合>
図4(A)と
図4(B)は、PDCCHとPDSCHの送信例を表す図である。
【0071】
なお、
図4(A)の例では、基地局100は、スケジューリングにより、下り方向の先頭スロットの全シンボルに対してTB#aに含まれるデータを割り当て、先頭スロットの次のスロットの全シンボルに対してTB#bのデータを割り当てている。また、
図4(A)の例では、先頭の1番目と2番目のシンボルにPDCCHが割り当てられている例となっている。5Gでは、PDCCHについては、1シンボル長から3シンボル長まで許容される。そのため、PDCCHは、1番目のシンボルだけに含まれてもよいし、1~3番目のシンボルに含まれてもよい。
【0072】
図4(A)の例では、基地局100は、アンライセンスバンドにおいてキャリアセンスを行い、先頭スロットの1番目のシンボルの時点で、“Idle”状態であることを確認したため、1番目のシンボルから順番に、各シンボルに割り当てたPDCCH#aとPDSCH(TB#a)とを送信している。そして、基地局100は、先頭スロットの次のスロットにおいても、1番目のシンボルから順番に、各シンボルに割り当てたPDCCH#bとPDSCH(TB#b)とを送信している。
【0073】
一方、
図4(B)の例では、基地局100は、アンライセンスバンドにおいてキャリアセンスを行い、先頭スロットの1番目のシンボルの時点で、“Busy”状態であることを確認している。そのため、基地局100は、PDCCH#aとPDSCH(TB#a)、さらに、その後に続く、PDCCH#bとPDSCH(TB#b)も、このタイミングでは送信しない。
【0074】
基地局100は、最初のキャリアセンスを行ってから所定時間経過後(
図4(A)の例では2シンボル時間経過後)、再度、キャリアセンスを行い、先頭スロットの3番目のシンボルの時点で、“Busy”状態であることを確認している。そのため、基地局100は、この時点でも、送信を行わない。
【0075】
そして、基地局100は、2番目のキャリアセンスを行ってから所定時間経過後、再度、キャリアセンスを行い、先頭スロットの5番目のシンボルの時点で、“Idle”状態を確認する。そのため、基地局100は、5番目のシンボルの時点が送信開始タイミングとなって、PDCCH#aとPDSCH(TB#a)とを送信する。この場合、基地局100は、TB#aについて、先頭スロットの5番目のシンボルから14番目のシンボルまでの10シンボル分に割り当てたデータを送信する。従って、先頭スロットの全シンボルに割り当てたTB#aのうち、11番目のシンボルから14番目のシンボル目に割り当てた、残りの4シンボル分のTB#aは、先頭スロットでは送信されないことになる。
【0076】
そして、基地局100は、クロスTTIを利用して、残りの4シンボル分のTB#aを送信する。すなわち、基地局100は、
図4(B)の例では、次のスロットの最後の4シンボル(11番目から14番目のシンボル)を利用して、送信されなかった残り4シンボル分のTB#aを送信する。この場合、基地局100は、端末200からACKやNACKを受信することなく、残りの4シンボル分のデータを、次のスロットの最後の4シンボルを利用して送信する。
【0077】
なお、PDCCHを利用して送信されるDCIには、PDSCHの時間方向のリソース割り当てとして、開始シンボルSと、開始シンボルからの連続した長さ(以下、「長さ」と称する場合がある。)Lとが含まれる。
図4(A)の例では、S=0,L=14を含むDCIがPDCCHを利用して送信されることになる。
【0078】
本第1の実施の形態では、基地局100は、キャリアセンスにより複数の送信機会がある場合でも、DCIに含まれる開始シンボルSと長さLとはその内容を同じにする。従って、基地局100は、
図4(A)に示すように、1番目のシンボルから送信するPDCCH#aと、
図4(B)に示すように、5番目のシンボルから送信するPDCCH#aとにおいて、開始シンボルSと長さLは、ともに、S=0,L=14を含むDCIを送信する。
【0079】
この場合、
図4(A)の例では、端末200は、S=0,L=14のPDCCHとPDSCHの全てを受信することができる。しかし、
図4(B)の例では、端末200は、S=0の時点で、PDDCHとPDSCHとを受信していない。また、端末200は、1スロット時間が終了するとき、L=14の長さ分のPDSCHを受信していない。すなわち、端末200は、開始シンボルSと長さLとを利用して、不足分のPDSCHがあることを把握することが可能となる。この場合、端末200は、不足分のPDSCHを「未送信」と解釈する。詳細は動作例で説明する。
【0080】
なお、本第1の実施の形態においては、開始シンボルSは、例えば、送信バーストを実際に送信開始できたシンボル、と定義する。例えば、
図4(A)の例では、1スロット内の1番目のシンボル(シンボル0)から送信バーストの送信が開始され、
図4(B)の例では、5番目のシンボル(シンボル4)から送信バーストの送信が開始されている。この場合、いずれも、開始シンボルSは、S=0となる。
【0081】
次に、RRCメッセージにより、クロスTTIを設定する例について説明する。
【0082】
図5(A)は、RRCメッセージの交換例を表す図である。
図5(A)において、例えば、UE(User Equipment)は端末200に対応し、Networkは基地局100に対応する。
【0083】
基地局100は、RRCReconfigurationメッセージを端末200へ送信する(S10)。一方、端末200は、RRCReconfigurationメッセージを受信すると、RRCReconfigurationCompleteメッセージを基地局100へ送信する(S11)。
【0084】
図5(B)は、RRCReconfigurationメッセージの構成例を表す図である。RRCReconfigurationメッセージには、種々の内容が階層構造で含まれており、その一部に、PDSCH-ConfigとPUSCH-Configが含まれる。
【0085】
PDSCH-Configは、例えば、UE個別のPDSCHパラメータを設定するために用いられる。また、PUSCH-Configは、例えば、UE個別のPUSCHパラメータを設定するために用いられる。PDSCH-ConfigとPUSCH-Configにそれぞれ含まれる情報要素(IE:Information Element)の詳細は、3GPP TS 38.331 V15.1.0(2018-03)に記載されている。
【0086】
本第1の実施の形態では、基地局100は、PDSCH-Configに、クロスTTIを実現するためのIEを更に含めて送信するようにしている。
【0087】
図6は、PDSCH―Configに含まれるIEの例を表す図である。IEとして、(1)クロスTTIを行うか否か、(2)未送信部分を送信するスロット番号、(3)送信を開始するシンボル番号、(4)先頭スロットの次のスロットの終了シンボルは、更に、次のスロットでシフトさせるか否か、が含まれる。
【0088】
(1)の「クロスTTIを行うか否か」は、例えば、TTIを跨いで(又は複数のTTIを用いて)データの送信を行うか否かを表し、1ビットで表現可能である。
【0089】
(2)の「未送信部分を送信するスロット番号」は、例えば、クロスTTIにより未送信部分のPDSCHを送信する場合、その送信に利用するスロットのスロット番号を表す。
図4(B)の例では、TB#aの未送信部分(残りの4シンボル分のデータ)は、先頭スロットの次のスロットで送信するため、先頭スロットのスロット番号を「0」とすると、「未送信部分を送信するスロット番号」は「1」となる。
【0090】
(3)の「送信を開始するシンボル番号」は、例えば、(2)の未送信部分を送信するスロット番号のスロット内において、送信を開始するシンボルのシンボル番号を表している。例えば、
図4(B)の例では、11番目のシンボルから送信を開始するため、送信を開始するシンボル番号は「10」となる。
【0091】
なお、(3)の送信を開始するシンボル番号は、
図6に示すように場合分けされている。これは、例えば、基地局100は、キャリアセンスを行うと、送信開始できるタイミングは、実際に行わないとわからない場合があるためである。端末200では、上述したように、開始シンボルSと長さL、及び実際に受信したデータなどから、未送信部分のPDSCHについて「未送信」と解釈することができ、さらに、何シンボル分のデータが不足しているかを把握することが可能である。そして、端末200は、PDSCH-Configに含まれる、(2)の「未送信部分を送信するスロット番号」と、(3)の「送信を開始するシンボル番号」とに従って、そのスロット内におけるそのシンボルから未送信部分のデータを受信することが可能となる。
【0092】
(4)の「先頭スロットの次のスロットの終了シンボルは、更に次のスロットへシフトさせるか否か」は、例えば、以下を表す。すなわち、基地局100は、クロスTTIにより先頭の次のスロット(又はTTI)において、未送信部分を送信することになる。しかし、これにより、先頭の次のスロットにおいて、送信されるべきデータを割り当てたシンボルが少なくなり、基地局100は、このデータを送信することができなくなる。
図4(B)の例では、先頭スロットの次のスロットの全シンボルに割り当てたTB#bのデータが、TB#aのクロスTTIにより、送信できない部分が発生する。そのため、(4)によって、更に、次のスロットにシフトさせるか否かを表すIEを、PDSCH-Configに付加している。なお、
図4(B)の例では、TB#bの未送信部分の終了シンボルは、更に、次のスロット(先頭から3番目のスロット)へシフトさせていない例を表している。この場合、「先頭スロットの次のスロットの終了シンボルは、更に次のスロットへシフトさせるか否か」は「0」(=シフトさせない)となる。シフトさせる場合は、例えば、このIEは「1」となる。
【0093】
なお、
図6に示す(3)の「送信を開始するシンボル番号」の場合分けの例は一例である。場合分けとしては、例えば、1シンボル不足した場合は、「送信を開始するシンボル番号」は「1」、2シンボル不足した場合は、「2」、などとしてもよい。
【0094】
<4.2 PUSCHがシフトする場合において、RRCメッセージによりクロスTTIを設定する場合>
図7(A)と
図7(B)は、PUSCHの送信例を表す図である。
【0095】
なお、
図7(A)に示すように、基地局100は、スケジューリングにより、上り方向における先頭スロットの全シンボルにTB#aを割り当て、その次のスロットの全シンボルにTB#bを割り当て、その割り当て結果を送信している。
【0096】
図7(A)の例では、端末200は、アンライセンスバンドにおいてキャリアセンスを行い、先頭スロットの1番目のシンボルの時点で、“Idle”状態を確認したため、1番目のシンボルから順番に、PDCCHに従って、PUSCH(TB#a)を送信する。そして、端末200は、次のスロットにおいても、1番目のシンボルから順番に、PUSCH(TB#b)を送信する。
【0097】
一方、
図7(B)の例では、端末200は、アンライセンスバンドにおいてキャリアセンスを行い、先頭スロットの1番目のシンボルの時点で、“Busy”状態であることを確認する。そのため、端末200は、所定期間経過後、再度、アンライセンスバンドにおいてキャリアセンスを行い、3番目のシンボルの時点でも、“Busy”状態であることを確認する。さらに、端末200は、所定期間経過後、再度、アンライセンスバンドにおいてキャリアセンスを行い、今度は、“Idle”状態を確認する。端末200は、5番目のシンボルの開始時点が送信開始タイミングとなって、PUSCH(TB#a)とを送信する。端末200は、TB#aの送信開始タイミングをシフトして送信する。
【0098】
この場合、端末200は、TB#aについては、先頭スロットの5番目のシンボルから14番目のシンボルまでの10シンボルに割り当てたデータを、先頭スロットにおいて送信する。従って、端末200は、先頭スロットの全シンボルに割り当てられたTB#aのうち、11番目のシンボルから14番目のシンボルに割り当てられた、残り4シンボル分のTB#aを、先頭スロットでは送信できない。
【0099】
そこで、端末200は、クロスTTIを利用して、残り4シンボル分のTB#aを送信する。すなわち、端末200は、
図7(B)の例では、次のスロットの先頭の4シンボル(1番目から4番目のシンボル)を利用して、送信されなかった残り4シンボル分のTB#aを送信する。
【0100】
そして、基地局100は、下り方向における端末200と同様に、開始シンボルSと長さLに基づいて、不足分のPUSCHがあることを把握することが可能である。例えば、
図7(B)の例では、基地局100は、PUCCHにより、S=0,L=14を送信したにも拘わらず、端末200から受信したデータ量が、10シンボル分のデータしか受信しないことを検出すると、不足分のPUSCHがあることを把握できる。この場合、基地局100は、不足分のPUSCHは「未送信」と解釈する。
【0101】
次に、RRCメッセージにより、クロスTTIを設定する例について説明する。
【0102】
図6は、RRCReconfigurationメッセージに含まれるPUSCH-ConfigのIEの例を表す。PUSCH-Configも、PDSCH-Configと同様に、3GPP TS 38.3GPP TS 38.331 V15.1.0(2018-03)に各IEが仕様化されている。本第1の実施の形態では、クロスTTIを設定するために、更に、
図6に示すIEをPUSCH-Configに含めている。
【0103】
図6に示すように、IEは、PDSCH-ConfigのIEと同一であり、その内容も同一である。
【0104】
例えば、
図7(B)の例では、(1)の「クロスTTIを行うか否か」は「1」(=クロスTTIを行う)、(2)の「未送信部分の送信スロット番号」は「1」(先頭スロットを「0」とするとその次のスロット)となる。また、(3)の「送信を開始するシンボル番号」は「0」、(4)の「次のスロットへシフトさせるか」は「1」(=シフトさせる)となる。
【0105】
端末200は、
図5(A)に示すように、RRCReconfigurationメッセージを基地局100から受信する(S10,S11)。そして、RRCReconfigurationメッセージには、
図6に示すように、クロスTTIに関するIEが含まれる。端末200は、このIEに従って、
図7(B)に示すように、TB#aの残り4シンボル分のデータを、先頭スロットの次のスロットの1番目から4番目のシンボルを利用して送信する。この場合、TB#bのデータについて、11番目のシンボルから14番目のシンボルに割り当てたデータが「未送信」となる。端末200は、
図6に示すIEの(4)に従って、次のスロット(先頭スロットの次の次のスロット)に「未送信」部分のデータをシフトさせ、クロスTTIにより送信する。
【0106】
なお、
図29(A)と
図29(B)は、PUCCHとPUSCHとを送信する場合の例を表している。
図29(A)と
図29(B)は、
図7(A)と
図7(B)の例に対して、PUCCHが付加されている例を夫々表している。PUCCHは、例えば、DCIにより、PUSCHに付加されたり、PUSCHに付加されてなかったりする。
【0107】
図29(A)と
図29(B)の送信例は、例えば、
図7(A)と
図7(B)の場合と同様に夫々実施可能である。この場合、
図29(B)に示すように、端末200は、5シンボル目を送信開始タイミングとして、
図29(A)の場合と比較して、PUCCHとPUSCHとを時間方向にシフトして送信することになる。
【0108】
<4.3 PDCCHとPDSCHとがシフトする場合において、PDCCHによりクロスTTIを設定する場合>
図8(A)と
図8(B)は、PDCCHとPDSCHの送信例を表す図である。
【0109】
図8(A)の例は、基地局100は、1スロットの1番目のシンボル時点において、アンライセンスバンドが“Idle”状態であったため、先頭シンボルの全シンボルに割り当てたTB#aを順番に送信する。また、基地局100は、先頭スロットの次のスロットにおいても全シンボルに割り当てたTB#bを順番に送信する。
【0110】
一方、
図8(B)の例では、先頭スロットの1番目のシンボルと3番目のシンボルの時点で、“Busy”状態であったため、基地局100は、Tb#aの送信を見合わせている。基地局100は、5番目のシンボル時点で“Idle”状態となったため、TB#aの送信を開始する。この場合、基地局100は、先頭スロットで送信されるTB#aのうち、最後の4シンボルが先頭スロットで送信することができなかった。そのため、基地局100は、クロスTTIにより、次のスロット(又はTTI)で、5番目のシンボルから8番目のシンボルを利用して、「未送信」であるTB#aの残りの4シンボル分のデータを送信している。
【0111】
本例では、PDCCHによりクロスTTIを設定する。
【0112】
図9は、PDCCHを利用して送信されるDCIに含まれる領域(フィールド)の例を表す図である。
【0113】
図9に示すように、DCIは、TDRA(Time Domain Resource Assignment)、NDI(New Data Indicator)、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)プロセス番号(HARQ Process number)を含む。また、新しいPDCCHは、RV(Redundancy Version)、MCS(Modulation and Coding Scheme)、FDRA(Frequency Domain Resource Assignment)を含む。
【0114】
TDRAは、例えば、時間方向のリソース指定を表し、スロット内における開始シンボルSと長さLを含む。開始シンボルSは、上記<4.1>と同様に、例えば、送信バーストを実際に送信開始できたシンボル、と定義する。また、複数の送信機会がある場合、基地局100は、開始シンボルSと長さLは同じ値に設定する。
【0115】
図10(A)は、
図8(A)と
図8(B)の例における、PDCCH#mに含まれるDCIの例を表す図である。
図10(A)に示すように、
図8(A)のPDCCH#mに含まれる開始シンボルSと長さLと、
図8(B)のPDCCH#mに含まれる開始シンボルSと長さLとは、ともに、S=0、L=14となる。
【0116】
図9に戻り、NDIは、例えば、今回のNDIと同一の再送プロセス(HARQ)において、前回のNDIとの比較により、再送データか新規データかを識別するために用いられる。
【0117】
【0118】
TB#aに着目すると、基地局100は、最初はNDIとして、“0”を送信し、端末200からNACKが返送されたため、TB#aを再送する。この場合、基地局100は、NDIとして表された“0”を、Toggle(又はビット反転)しないで、再び、NDIとして“0”を送信する。端末200は、NDIのビットがToggleしていないため、受信したTB#aが再送データであると認識することができる。
【0119】
そして、端末200が、TB#aを正常に受信したことでACKを返送すると、基地局100は、TB#aとは異なるTB#a’を新規データとして送信する。この場合、基地局100は、NDIのビット“0”をToggleし、 “1”を送信する。端末200は、NDIとして“1”を受信したため、TB#a’が新規データであることを認識できる。
【0120】
図9に戻り、HARQプロセス番号は、例えば、TBを記憶するTB毎のバッファの識別番号を表す。例えば、同一の再送プロセスにおいて、HARQプロセス番号が同一の場合、同一のTBを表し、異なる場合、異なるTBを表す。
【0121】
RVは、例えば、符号化データのバージョンを表す。再送毎に符号化データのバージョンを変えることで、受信側の符号化利得を向上させることができる。基地局100は、同一再送プロセスにおいて再送データを送信するときは、前回送信したRVとは異なるRVを送信することで、端末200においては、再送データに対する符号化利得を向上させることが可能である。
【0122】
本第1の実施の形態では、クロスTTIの設定用に新しいPDCCH(
図8(B)の例ではPDCCH#n)を用い、NDI、HARQプロセス番号、及びRVにより、PDSCHの「未送信」部分を送信することを表すようにしている。
【0123】
図10(B)は、
図8(B)の例で、新しいPDCCHであるPDCCH#nに含まれるDCIの例を表す図である。なお、
図8(B)の例では、残りの4シンボル分のTB#aを、先頭スロットの次のスロットにおける4番目のシンボルを送信開始シンボルとし、その長さを4シンボルとしているため、
図10(B)に示すPDCCH#nのTDRAは、S=4,L=4となっている。
【0124】
図10(B)に示すように、PDCCH#nに含まれるNDIと、
図10(A)に示すPDCCH#mに含まれるNDIは同じ“0”となっている。また、PDCCH#nに含まれるHARQプロセス番号と、PDCCH#mに含まれるHARQプロセス番号は、同じ“5”となっている。
【0125】
図10(A)と
図10(B)に示すように、PDCCH#nとPDCCH#mのHARQプロセス番号が同じであるため、同一再送プロセスにおいては、同一のTB(TB#a)を送信していることを表している。また、PDCCH#nとPDCCH#mのNDIが同じであるものの、PDCCH#nとPDCCH#mのRVがともに同一であるため、例えば、再送ではないことを表している。
【0126】
すなわち、PDCCN#nとPDCCH#mのNDI、HARQプロセス番号、及びRVを同じにすることで、同一のPDSCHの「未送信」部分の送信を表することが可能である。
【0127】
本第1の実施の形態では、このように、NDI、HARQプロセス番号、及びRVの定義を変更することなく、利用の仕方を変えることで、DCIにより、「未送信」部分の送信を表すことが可能となっている。
【0128】
なお、
図8(A)と
図8(B)の例で、TB#bの送信を指示するPDCCH#m1のDCIは、例えば、
図10(C)で表される。
図10(C)に示すように、HARQプロセス番号は、先頭スロットで送信されるPDCCH#m(
図10(A))と比較して、異なっている。そのため、先頭スロットで送信されるTB(
図8(A)ではTB#a)とは異なるTB(
図8(A)ではTB#b)を基地局100が送信していることを表している。
【0129】
以上、3つの送信例について説明した。
【0130】
<5.その他>
次に、その他の例について説明する。
【0131】
<5.1 Ending Symbolを通知する例>
次に、Ending Symbolを通知する例について説明する。
【0132】
図12(A)は、PDCCHとPDSCHの送信例を表す図である。
【0133】
図12(A)は、先頭スロットの先頭シンボルにおいて、“Idle”状態であったため、TB#aを先頭から4シンボル利用して送信し、5シンボル目以降を利用してTB#bを送信する例を表している。
図12(A)は、5Gで仕様化されたミニスロットの例を表している。
【0134】
PDCCH#nのTDRAは、例えば、開始シンボルS=0、長さL=7、PDCCH#m1のTDRAは、例えば、開始シンボルS=0、長さ=14となっている。
【0135】
図12(B)は、先頭スロットの1番目のシンボルと3番目のシンボルの時点では、アンライセンスバンドは“Busy”状態であったため、送信を見合わせ、5番目のシンボルの時点では、“Idle”状態となった例を表している。そのため、基地局100は、5番目のシンボルを送信開始位置として、PDCCH#nとPDCCH#n1、及びTB#aを送信する。
【0136】
この場合、先頭スロットの1番目のシンボルから7番目のシンボルに割り当てられたTB#aは、その一部である3シンボル分のデータが先頭スロットで送信される。そのため、TB#aの4番目のシンボルから7番目のシンボルに割り当てられたTB#aの4シンボル分のデータが、先頭スロットの5番目から7番目のシンボルを利用して送信できないことになる。
【0137】
このような場合、先頭スロットの8番目のシンボルから11番目のシンボルは、「未送信」部分であるTB#aの4シンボル分のデータの送信に利用されるのか、或いは、PDCCH#m1により指示された通り、TB#bの送信に利用されるのか、把握することができない。しかも、PDCCH#nでは、開始シンボルS=0、長さL=7、PDCCH#m1では、開始シンボルS=0、長さL=14となっており、基地局100と端末200では、開始シンボルSと長さLだけでは、このような場合どのように処理するのか把握することができない。
【0138】
そこで、本第1の実施の形態では、Ending Symbolを新たに規定する。Ending Symbolは、例えば、スロット内における終了シンボルを表す。ただし、Ending Symbolの数え方は、例えば、スロットの先頭のシンボルを“0”として、先頭から順番に数える。
【0139】
例えば、Ending Symbol=6のとき、スロットの先頭の1番目のシンボルから数えて7シンボル目までに、そのPDSCHの送信を終了させることを表す。
図12(B)の例で、TB#aに対して、Ending Sybol=6のとき、TB#aのデータは、先頭スロットの7番目のシンボルまでに送信が終了することになる。そのため、
図12(B)の例では、8番目から14番目のシンボルは、TB#bの送信に利用される。一方、
図12(B)の例で、Ending Symbol=13のとき、TB#aの「未送信」のデータは、先頭スロットの8番目から14番目のシンボルまでに送信を終了させることを表している。そのため、
図12(B)の例では、TB#aの未送信のデータは、先頭スロットの8番目から14番目のシンボルを利用して送信されることを表している。
図12(B)の例では、8番目から11番目のシンボルを利用して、TB#aの未送信のデータが送信される。
【0140】
Ending Symbolは、例えば、S<6のときは「6」、それ以外では「13」などとすることで、「未送信」部分のデータを、他のTTIへシフトさせて送信するか否かを表している、と言える。
【0141】
このEnding Symbolも、RRCReconfigurationメッセージにより設定してもよいし、PDCCHにより設定してもよい。
【0142】
図13は、RRCメッセージにより、Ending Symbolを設定する例を表している。
【0143】
図13に示すように、RRCReconfigurationメッセージに含まれるPDCH-Configに、「Ending Symbol」のIEが新たに含まれる。基地局100は、このIEに、終了シンボルを挿入して、端末200へ送信する(例えば
図5(A))。
【0144】
図13に示す例では、開始シンボルS<6のとき、Ending Symbol=6、それ以外のとき、Ending Symbol=13と設定する例を表している。すなわち、開始シンボルSが、キャリアセンスにより、1番目から7番目のシンボルとなったとき、7番目のシンボルまでに、これらのシンボルに割り当てたTB#aの送信を終了させることを表す。また、開始シンボルSが、キャリアセンスにより、8番目から14番目のシンボルとなったとき、14番目のシンボルまでに、TB#aの送信を終了させることを表している。
【0145】
図14は、PDCCHにより、Ending Symbolを設定する例を表している。
【0146】
図14に示すように、「Ending Symbol」の領域が新たに含まれ、基地局100は、この領域に終了シンボルを挿入してPDCCHを送信する。この場合、TDRAに含まれる長さLについては、L=E-S+1と計算可能であるため、TDRAに長さLを含めなくてよい。また、「Ending Symbol」の情報をTDRAの領域の中に含めてもよい。
【0147】
なお、
図12(C)に示すように、先頭スロットの8番目から10番目のシンボルにPDCCHが割り当てられてもよい。この場合、基地局100は、このPDCCHにより、TB#aの「未送信」の4シンボル分のデータを、8番目から14番目のシンボルで受信するか否か(又はシフトを許容するか否か)を決定する情報を含むDCIを送信してもよい。或いは、基地局100は、PDSDH-Config内に、このような情報を挿入して、RRCメッセージで設定するようにしてもよい。
【0148】
なお、Ending Symbolは、PUCCHとPUSCHの送信においても利用可能である。この場合、基地局100は、例えば、
図13に示すPUSCH-Configを利用して、Ending Symbolの設定が可能である。
【0149】
<5.2 PDCCHのマッピング領域にPDSCHがマッピングできない場合の例>
5Gでは、例えば、あるシンボルを利用してPDCCHを送信し、そのシンボルを利用してPDSCHを送信することが可能である。或いは、例えば、PDCCHがマッピングされたシンボルに対して、PDSCHをマッピングして送信することが可能である。
【0150】
図15(A)と
図15(B)はPDCCHとPDSCHの送信例を表す。
【0151】
図15(A)は、基地局100が、先頭スロットでPDCCH#mとTB#aを送信し、次のスロットで、PDCCH#m1とTB#bとを送信する例を表している。
【0152】
一方、
図15(B)では、先頭スロットでは、5番目のシンボルから送信開始となり、TB#aが、クロスTTIにより、先頭スロット(又は先頭TTI)と次のスロット(又は次のTTI)を利用して送信される例を表している。この場合、基地局100は、先頭スロットの次のスロットの1番目と2番目のシンボルに、2つのPDCCH#m1とPDCCH#nを割り当て、さらに、この2つのシンボルにPDSCHを割り当てている。
【0153】
この場合、この2つのシンボルの領域においては、PDSCHが割り当てられた無線リソースの領域に、PDCCH(PDCCH#m1及びPDCCH#n)が割り当てられた無線リソースの領域が含まれる場合がある。
【0154】
本第1の実施の形態では、基地局100は、PDCCHの領域を含むPDSCHにおいて、PDCCHの領域にマッピングする予定であった符号化ビットをパンクチャする。すなわち、基地局100は、PDSCHの領域内にPDCCHが含まれるとき、PDSCHよりもPDCCHを優先して送信する。さらに、基地局100は、PDCCHとPDSCHとが重複した無線リソースの領域では、符号化ビットを送信しないようにする(又はパンクチャする)。これにより、例えば、受信側の端末200では、データと制御信号とを同一の周波数を利用して同一のタイミングで受信することを回避することができ、データや制御信号を正常に受信することが可能となる。
【0155】
<6.基地局と端末の構成例>
図16(A)は基地局100の構成例を表す図である。基地局100は、伝送路インタフェース110と、ベースバンド信号処理部120、RF(Radio Frequency)送受信部(又は送信部、或いは受信部)130、及びアンテナ140を備える。基地局100は、例えば、5Gで規定されたgNB(Next generation Node B)であってもよい。
【0156】
伝送路インタフェース110は、上位局や他の基地局から送信されたパケットデータを受信し、受信したパケットデータからデータなどを抽出する。伝送路インタフェース110は、抽出したデータをベースバンド信号処理部120へ出力する。また、伝送路インタフェース110は、ベースバンド信号処理部120から出力されたデータなどを入力し、入力したデータなどを含むパケットデータを生成し、生成したパケットデータを上位局や他の基地局へ送信する。
【0157】
ベースバンド信号処理部120は、例えば、ベースバンド帯域のデータに対する処理を行う。
【0158】
図16(B)はベースバンド信号処理部120の構成例を表す図である。ベースバンド信号処理部120は、受信信号処理部121、制御部122、PDCCH生成部123、PDSCH生成部124、及びマッピング部125を備える。
【0159】
受信信号処理部121は、例えば、制御部122から出力された、上り方向のスケジューリング結果に従って、RF送受信部130から出力されたベースバンド信号から、ある端末200から送信されたデータ(PUSCH)や制御信号(PUCCH)などを抽出する。受信信号処理部121は、抽出したデータや制御信号などを制御部122へ出力する。
【0160】
制御部122は、例えば、端末200と無線通信を行う際のスケジューリングを行い、スケジューリング結果を、PDCCH生成部123へ出力する。この場合、PDCCH生成部123へ出力するスケジューリング結果には、下り方向と上り方向の各スケジューリング結果が含まれる。制御部122は、下り方向のスケジューリング結果をマッピング部125へ、上り方向のスケジューリング結果を受信信号処理部121へそれぞれ出力する。
【0161】
また、制御部122は、伝送路インタフェース110から出力されたデータをPDSCH生成部124へ出力する。
【0162】
さらに、制御部122は、RRCメッセージを生成し、生成したRRCメッセージをPDSCH生成部124へ出力する。RRCメッセージは、例えば、RRCReconfigurationメッセージが含まれ、
図6や
図13などに示すPDSCH-ConfigやPUSCH-Configも含まれる。
【0163】
PDCCH生成部123は、制御部122から出力されたスケジューリング結果に対し、このスケジューリング結果を含むDCIを生成する。PDCCH生成部123は、例えば、
図9や
図14に示すDCIを生成する。ただし、DCIの各IEに含まれる情報は、例えば、制御部122において生成されてもよく、この場合、PDCCH生成部123は、各情報をまとめて、
図9や
図14に示す1つのDCIの形式となるように、DCIを生成してもよい。PDCCH生成部123は、生成したDCIをマッピング部125へ出力する。
【0164】
PDSCH生成部124は、制御部122から出力されたデータを、マッピング部125へ出力する。この場合、PDSCH生成部124は、例えば、このデータをPDSCHとして出力してもよい。また、PDSCH生成部124は、制御部122から出力されたRRCメッセージを、マッピング部125へ出力する。
【0165】
マッピング部125は、制御部122から出力された下り方向のスケジューリング結果に従って、PDCCH生成部123から出力された制御信号と、PDSCH生成部124から出力されたデータを、無線リソース上の所定の領域にマッピングする。マッピング部125は、マッピングした制御信号とデータとをRF送受信部130へ出力する。
【0166】
また、マッピング部125は、例えば、PDSCH生成部124から出力されたRRCメッセージを、無線リソース上の所定の領域にマッピングし、マッピングしたRRCメッセージをRF送受信部130へ出力する。
【0167】
図16(A)に戻り、RF送受信部130は、ベースバンド信号処理部120から出力された制御信号とデータ、及びRRCメッセージとを、無線帯域の無線信号へ周波数変換を行い、周波数変換後の無線信号をアンテナ140へ出力する。
【0168】
また、RF送受信部130は、アンテナ140から出力された無線信号を、ベースバンド帯域のベースバンド信号へ周波数変換を行い、周波数変換後のベースバンド信号を、ベースバンド信号処理部120へ出力する。
【0169】
アンテナ140は、RF送受信部130から出力された無線信号を、端末200へ送信する。また、アンテナ140は、端末200から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号をRF送受信部130へ出力する。
【0170】
【0171】
端末200は、アンテナ210、RF送受信部(又は送信部、或いは受信部)220、ベースバンド信号処理部230、アプリケーション部240を備える。
【0172】
アンテナ210は、基地局100から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号をRF送受信部220へ出力する。また、アンテナ210は、RF送受信部220から出力された無線信号を、基地局100へ送信する。
【0173】
RF送受信部220は、アンテナ210から出力された無線信号に対して周波数変換を行って、ベースバンド帯域の信号に変換し、変換後のベースバンド信号をベースバンド信号処理部230へ出力する。また、RF送受信部220は、ベースバンド信号処理部230から出力されたベースバンド信号を、無線帯域の無線信号へ周波数変換を行い、変換後の無線信号をアンテナ210へ出力する。
【0174】
ベースバンド信号処理部230は、例えば、ベースバンド信号に対する処理を行う。
【0175】
図17(B)はベースバンド信号処理部230の構成例を表す図である。
【0176】
ベースバンド信号処理部230は、PDCCH受信処理部231、PDSCH受信処理部232、制御部234、PUSCH生成部235、PUCCH生成部236、及びマッピング部237を備える。
【0177】
PDCCH受信処理部231は、RF送受信部220から出力されたベースバンド信号から制御信号を抽出する。PDCCH受信処理部231は、抽出した制御信号のうち、下り方向のスケジューリング結果をPDSCH受信処理部232へ出力し、上り方向のスケジューリング結果を制御部234へ出力する。
【0178】
PDSCH受信処理部232は、PDCCH受信処理部231から出力された下り方向のスケジューリング結果に従って、RF送受信部220から出力されたベースバンド信号から、自局に割り当てられたデータやRRCメッセージを抽出する。
【0179】
この際、PDSCH受信処理部232は、例えば、DCIに含まれる開始シンボルSと長さL、或いは長さLに代えてEnding Symbolに従って、データを受け取っているか否かを確認する。また、PDSCH受信処理部232は、例えば、DCIに含まれるNDIとHARQプロセス番号、及びRV(例えば
図9)に基づいて、クロスTTIがPDCCHにより設定されているか否かを確認する。この場合、PDSCH受信処理部232は、PDCCHによりクロスTTIが設定されているときは、開始シンボルS、長さL又はEnding Symbol、NDI、HARQプロセス番号、RVなどに基づいて、クロスTTIが設定されたデータを、ベースバンド信号から抽出する。PDCCHにより設定されたクロスTTIに対する処理は、制御部234ではなく、PDSCH受信処理部232で行われてもよい。
【0180】
また、PDSCH受信処理部232は、例えば、RRCメッセージによりクロスTTIが設定されているときは、抽出したRRCメッセージに含まれるPDSCH-Config(例えば
図6)に従って、PDSCHの続きの部分を、ベースバンド信号から抽出する。
【0181】
PDSCH受信処理部232は、抽出したデータやRRCメッセージを制御部234へ出力する。
【0182】
制御部234は、例えば、PDSCH受信処理部232から出力されたRRCメッセージに従って、受信処理や送信処理を行う。
【0183】
また、制御部234は、PDSCH受信処理部232から出力されたデータを、アプリケーション部240へ出力する。
【0184】
さらに、制御部234は、PDCCH受信処理部231から出力された上り方向のスケジューリング結果を、マッピング部237へ出力する。
【0185】
さらに、制御部234は、アプリケーション部240から出力されたデータを、PUSCH生成部235へ出力する。さらに、制御部234は、上り方向の制御信号を生成し、生成した制御信号をPUCCH生成部236へ出力する。
【0186】
PUSCH生成部235は、制御部234から出力されたデータを、マッピング部237へ出力する。
【0187】
PUCCH生成部236は、制御部234から出力された制御信号をマッピング部237へ出力する。
【0188】
マッピング部237は、制御部234から出力された上り方向のスケジューリング結果に従って、データと制御信号を無線リソースにマッピングする。マッピング部237は、マッピングしたデータと制御信号とを、ベースバンド信号としてRF送受信部220へ出力する。
【0189】
図17(A)に戻り、アプリケーション部240は、例えば、ベースバンド信号処理部230から出力されたデータに対してアプリケーションに関する処理を行う。また、アプリケーション部240は、例えば、アプリケーションに関する処理を行ってデータを生成し、生成したデータを制御部234へ出力する。
【0190】
<7.動作例>
次に、動作例を説明する。動作例は、上述した<4.1>の動作例を最初に説明する。次に、上述した<4.2>の動作例を説明する。最後に、<4.3>の動作例について説明する。
【0191】
<7.1 PDCCHとPDSCHとをシフトする場合において、RRCメッセージによりクロスTTIを設定する場合の動作例>
図18は、PDCCHとPDSCHとをシフトする場合において、RRCメッセージによりクロスTTIを設定する場合の基地局100における動作例を表すフローチャートである。
【0192】
なお、基地局100と端末200は、例えば、
図5(A)に示すシーケンスにより、RRCメッセージの交換を終了し、
図6に示すPDSCH-Configを、基地局100と端末200で保持しているものとする。例えば、制御部122は、
図6に示すPDSCH-Configを生成し、生成したPDSCH-Configを、PDSCH生成部124を経由して、端末200へ送信する。
【0193】
図18に示すように、基地局100は、処理を開始すると(S20)、LBTを実行する(S21)。例えば、基地局100は、以下の処理を行う。
【0194】
すなわち、受信信号処理部121は、アンライセンス周波数帯の所定周波数帯域における受信信号の強度を測定して、その結果を制御部122へ出力する。制御部122は、その結果が閾値より小さいとき、“Idle”状態、その結果が閾値以上のとき、“Busy”状態と判定する。
【0195】
次に、基地局100は、アンライセンス周波数帯の所定周波数帯域が“Idle”状態か否かを判定する(S22)。基地局100は、 “Busy”状態のとき(S22でNo)、所定期間経過すると、再び、LBTを実行し(S21)、所定周波数帯域が“Idle”状態となるまで繰り返し実行する(S22でNoのループ)。
【0196】
基地局100は、所定周波数帯域が “Idle状態”となったとき(S22でYes)、その所定周波数帯域を利用して、PDCCHとPDSCHを送信する(S23)。例えば、基地局100は、以下の処理を行う。
【0197】
すなわち、制御部122は、“Idle”状態であることを判定すると、先頭スロット(又は先頭TTI)の信号の出力をマッピング部125に指示する。制御部122は、送信すべきデータがあることを検出してLBTを開始する前に先頭スロットの信号の生成を指示する。まず、伝送路インタフェース110から受け取ったデータをPDSCH生成部124へ出力する。その際、制御部122は、スケジューリングを行い、その結果を、PDCCH生成部123へ出力する。PDCCH生成部123は、DCIをマッピング部125へ出力し、PDSCH生成部124は、データをマッピング部125へ出力し、マッピング部125は、下りスケジューリング結果に従って、DCIとデータとを無線リソース上にマッピングする。マッピング部125は、マッピングしたDCIとデータとを、RF送受信部130を介して端末200へ送信する。
【0198】
ただし、基地局100は、例えば、
図4(B)に示すように、“Busy”状態後、 “Idle”状態となったとき、“Idle”状態となるまで、PDCCHとPDSCUを含むシンボルをシフトさせる。また、基地局100は、先頭スロット(又は先頭TTI)で送信できなかったPDSCHの部分を、クロスTTIを利用して、次のスロット(又は次のTTI)で送信する。例えば、基地局100は、以下の処理を行う。
【0199】
すなわち、制御部122は、所定周波数帯域の信号強度が閾値以上のとき、PDCCHとPDSCHの送信をしないように、マッピング部125に指示し、マッピング部125は、マッピングしたPDCCHとPDSCHの送信を停止する。その間、マッピング部125は、内部メモリにPDCCHとPDSCHとを記憶してもよい。制御部122は、その後、信号強度が閾値より小さくなったとき、アンライセス周波数帯が他の装置により使用されていないことを確認する。そして、この場合、制御部122は、下り方向におけるPDCCHとPDSCHとを含むシンボルを、“Idle”状態となる送信開始タイミングまで、時間方向にシフトさせる。制御部122は、以降に続く、PDCCHとPDSCHについても時間方向にシフトさせる。
図4(B)の例では、制御部122は、4シンボル分シフトさせる。制御部122は、シフトした結果を、マッピング部125へ出力する。マッピング部125は、シフト結果に従って、マッピングしたPDCCHとPDSCHとを内部メモリから読み出して、RF送受信部130へ出力する。マッピング部125又はRF送受信部130は、シフト後、制御信号とデータとをPDCCHとPDSCHとを夫々用いて、端末200へ送信する。そして、制御部122は、PDSCH-Config(例えば
図5(A)、
図6)に従ってクロスTTIを行う場合は、未送信部分を送信するスロット番号や送信を開始するシンボル番号などを、マッピング部125へ出力する。マッピング部125は、その指示に従って、内部メモリなどに記憶した未送信部分のTB#aを読み出して、指示されたスロットの指示されたシンボルにおいて送信する。これにより、例えば、クロスTTIを実現することが可能となる。
【0200】
なお、制御部122は、例えば、PDCCHとPDSCHとを時間方向にシフトする場合、PDCCHに含まれる開始シンボルSと長さLを、スロット内の先頭シンボルから送信する場合のPDCCHに含まれる開始シンボルSと長さLとそれぞれ同じに設定する。
【0201】
図18に戻り、基地局100は、PDCCHとPDSCHの送信を終了すると、本処理を終了する(S24)。
【0202】
図19は、本動作例における端末200側の処理の例を表すフローチャートである。
【0203】
端末200は、処理を開始すると(S30)、PDCCHと、PDCCHを含むスロット内のPDSCH部分とを受信する。例えば、PDCCH受信処理部231がPDCCHを受信し、PDSCH受信処理部232は、PDCCH受信処理部231からDCIを受け取り、DCIに従って、PDSCH部分を受信する。
【0204】
次に、端末200は、実際に受信したPDSCHの長さは、DCIで指示されたPDSCHの長さより短いか否かを判定する(S32)。DCIには、上述したように、開始シンボルSと長さLとが含まれる。例えば、端末200は、以下の処理を行う。
【0205】
すなわち、制御部234は、PDSCH受信処理部232から出力されたデータを受け取り、そのデータのデータ量をカウントし、カウントしたデータに基づいて、PDSCHの長さを計算する。そして、制御部234は、計算した長さがDCIで指示された長さLより短いか否かを判定する。制御部234では、DCIと実際に受信したPDSCHの長さとに基づいて、基地局100において、先頭シンボルに含まれるPDCCHとPDSCH以降がシフトして送信したか否かを確認するようにしている。
【0206】
端末200は、実際に受信したPDSCHの長さが、DCIで指示されたPDSCHの長さより短いとき(S32でYes)、RRCメッセージにおいて、クロスTTI設定が設定されているか否かを判定する(S33)。例えば、制御部234は、計算した長さが、DCIで指示された長さLより短いと判定すると、PDSCH受信処理部232から受け取ったRRCメッセージにおいて、クロスTTIの設定の有無(例えば、
図6の(1))を確認することで判定する。
【0207】
端末200は、クロスTTIの設定があるとき(S33でYes)、RRC設定に従い、PDSCHの続き部分を受信する(S34)。例えば、制御部234は、クロスTTIの設定を確認すると、PDSCH-Config(例えば
図6)に含まれるIEに従って、PDSCHの続き部分を、次のTTIなどのタイミングで受信する。
【0208】
次に、端末200は、受信結果に応じて、ACK又はNACKをフィードバックする(S35)。例えば、制御部234は、クロスTTIにより、PDSCHの続き部分を含むPDSCHを正常に受信できたときは、ACKを生成し、PUSCH生成部235又はPUCCH生成部236を介して、ACKをフィードバックする。一方、制御部234は、例えば、クロスTTIにより、PDSCH続き部分を含むPDSCHを正常に受信できなかったとき、NACKを生成し、PUSCH生成部235又はPUCCH生成部236を介して、NACKをフィードバックする。
【0209】
そして、端末200は一連の処理を終了する(S36)。
【0210】
一方、RRC設定として、クロスTTIが設定されていないとき(S33でNo)、端末200は、クロスTTIの処理を行うことなく、S35へ移行する。この場合、端末200は、クロスTTIを行うことなく、受信したPDSCHに対して、ACK又はNACKをフィードバックする。
【0211】
一方、端末200は、実際に受信したPDSCHの長さが、DCIで指示されたPDSCHの長さと同じとき(S32でNo)、S35へ移行する。この場合、端末200は、DCIで指示された長さLのPDSCHを受信したことになり、例えば、
図4(A)と同じ状況となるため、クロスTTIの処理を行うことなく、受信したPDSCHに対して、ACK又はNACKをフィードバックする。
【0212】
<7.2 PUSCHがシフトする場合において、RRCメッセージによりクロスTTIを設定する場合の動作例>
図20は、PUSCHがシフトする場合において、RRCメッセージによりクロスTTIを設定する場合の端末200側の動作例を表すフローチャートである。この場合も、上記<7.1>と同様に、基地局100と端末200は、RRCメッセージの交換を終了し(例えば、
図5(A))、PUSCH-Config(例えば
図6)を互いに保持しているものとする。例えば、制御部122が、
図6に示すPUSCH-Configを生成し、PDSCH生成部124などを介して端末200へ送信する。
【0213】
端末200は、処理を開始すると(S40)、LBTを実行する(S41)。例えば、端末200は、以下の処理を行う。
【0214】
すなわち、PDCCH受信処理部231又はPDSCH受信処理部232は、アンライセンス周波数帯の所定周波数帯域において、受信した信号の信号強度を測定し、その結果を制御部234へ出力する。制御部234は、基地局100の制御部122と同様に、その結果に基づいて、“Idle”状態又は“Busy”状態を判定する。
【0215】
端末200は、所定周波数帯域が“Busy”状態のとき(S42でNo)、所定時間経過後、再び、LBTを実行し(S41)、“Idle”状態となるまで繰り返す(S42でNoのループ)。
【0216】
端末200は、所定周波数帯域が“Idle”状態となったとき(S42でYes)、その所定周波数帯域を利用して、PUCCHとPUSCHとを、基地局100へ送信する(S43)。端末200は、例えば、以下の処理を行う。
【0217】
すなわち、制御部234は、“Idle”状態であることを判定すると、アプリケーション部240から受け取ったデータを、PUSCH生成部235を介してマッピング部237へ出力する。制御部234は、PDSCH受信処理部232から受け取った上り方向のスケジューリング結果を、マッピング部237へ出力し、また、制御信号を生成し、PUCCH生成部236を介して、マッピング部237へ出力する。マッピング部237は、上り方向のスケジューリング結果に従って、制御信号とデータとを無線リソース上にマッピングする。マッピング部237は、マッピングした制御信号(PUCCH)とデータ(PUSCH)とをRF送受信部220を介して基地局100へ送信する。
【0218】
ただし、端末200は、例えば、
図7(B)に示すように、“Busy”状態後、“Idle”状態となったとき、“Idle”状態となるまでPUCCHとPUSCHとを含むシンボルをシフトさせる。また、端末200は、先頭スロット(又は先頭TTI)で送信できかったPUSCHの部分を、クロスTTIを利用して、次のスロット(又は次のTTI)で送信する。例えば、端末200は、以下の処理を行う。
【0219】
すなわち、制御部234は、所定周波数帯域の信号強度が閾値以上のとき、PUCCHとPUSCHを送信しないように、マッピング部237に指示し、マッピング部237は、マッピングしたPUCCHとPUSCHの送信を停止する。この場合、マッピング部237は、内部メモリにPUCCHとPUSCHとを記憶してもよい。制御部234は、その後、信号強度が閾値より小さくなったとき、アンライセンス周波数帯が他の装置に使用されていないことを確認する。そして、制御部234は、上り方向におけるPUCCHとPUSCHとを含むシンボルを、“Idle”状態となる送信開始タイミングまで、時間方向にシフトさせる。制御部234は、以降に続く、PUCCHとPUSCHについても時間方向にシフトさせる。
図7(B)の例では、4シンボル分シフトさせる。制御部234は、シフトした結果を、マッピング部237へ出力する。マッピング部237は、シフト結果に従って、PUCCHとPUSCHとを内部メモリから読み出して、RF送受信部220へ出力する。マッピング部237又はRF送受信部220は、シフト後のシンボルに割り当てられた制御信号とデータをPUCCHとPUSCHと夫々用いて、基地局100へ送信する。そして、制御部234は、PUSCH-Config(例えば、
図5(A)、
図6)に従って、クロスTTIを行う場合は、未送信部分を送信するスロット番号や送信開始シンボルの番号などを、マッピング部237へ出力する。マッピング部237は、その指示に従って、内部メモリなどに記憶した未送信部分(例えば、
図7(A)のTB#a)を読み出して、指示されたスロットの指示されたシンボルを利用して送信する。これにより、例えば、上り方向において、クロスTTIを実現することが可能となる。
【0220】
図20に戻り、端末200は、PUCCHとPUSCHの送信が終了すると、本処理を終了する(S44)。
【0221】
なお、端末200は、PUCCHを送信しない場合(例えば
図7(B))、S43の処理は、PUCCHを送信しないでPUSCHを送信する処理となる。
【0222】
図21は、本動作例における基地局100側の処理の例を表すフローチャートである。
【0223】
基地局100は、処理を開始すると(S50)、PUCCHと、PUCCHを含むスロット内のPUSCH部分とを受信する(S51)。例えば、受信信号処理部121は、制御部122から出力された上り方向のスケジューリング結果に従って、ベースバンド信号から、端末200から送信されたPUCCHとPUSCHとを抽出し、抽出したPUCCHとPUSCHとを制御部122へ出力する。
【0224】
次に、基地局100は、実際に受信したPUSCHの長さは、DCIで指示したPUSCHの長さより短いか否かを判定する(S52)。例えば、基地局100は以下の処理を行う。
【0225】
すなわち、制御部122は、受信信号処理部121から受け取ったデータのデータ量をカウントし、カウントしたデータ量に基づいて、PUSCHの長さを計算する。制御部122は、DCIに含まれる開始シンボルSと長さLとに基づいて、開始シンボルSからPUSCHが開始されたか否か、計算した長さが長さLより短いか否かを確認する。制御部122も、端末200の制御部122と同様に、DCIと実際に受信したPUSCHの長さとに基づいて、端末200において、先頭シンボルに含まれるPUCCHとPDSCH以降がシフトして送信したか否かを確認するようにしている。
【0226】
基地局100は、実際に受信したPUSCHの長さが、DCIで指示したPUSCHの長さより短いとき(S52でYes)、RRCメッセージにおいて、クロスTTIが設定されているか否かを判定する(S53)。例えば、制御部122は、自身で生成したRRCメッセージにおいて、クロスTTI設定の有無(例えば、
図6の1))を確認することで判定する。
【0227】
基地局100は、クロスTTIの設定があるとき(S53でYes)、RRC設定に従い、PUSCHの続き部分を受信する(S54)。例えば、制御部122は、クロスTTIの設定を確認すると、PUSCH-Config(例えば
図6)に含まれるIEに従って、PUSCHの続き部分を次のTTIなどで受信する。
【0228】
次に、基地局100は、受信結果に応じて、PDCCHにより、再送あるいは新規データの送信を指示する(S55)。例えば、制御部122は、クロスTTIにより、PUSCHの続き部分を含むPUSCHを正常に受信できたときは、PDCCH生成部123を介して、新規データの送信を指示するPDCCHを端末200へ送信する。一方、制御部122は、例えば、クロスTTIにより、PUSCH続き部分を含むPUSCHを正常に受信できなかったとき、PDCCH生成部123を介して、再送を指示するPDCCHを端末200へ送信する。
【0229】
そして、基地局100は、一連の処理を終了する(S56)。
【0230】
一方、RRC設定として、クロスTTIが設定されていないとき(S53でNo)、基地局100は、クロスTTIの処理を行うことなく、S55へ移行する。この場合、端末200は、クロスTTIを行うことなく、受信したPUSCUに対して、ACK又はNACKをフィードバックする。
【0231】
一方、基地局100は、実際に受信したPUSCHの長さが、DCIで指示したPUSCHの長さと同じとき(S52でNo)、S55へ移行する。この場合、基地局100は、DCIで指示した長さLのPUSCHを受信したことになり、例えば、
図7(A)と同じ状況となるため、クロスTTIの処理を行うことなく、受信したPUSCHに対して、ACK又はNACKをフィードバックする。
【0232】
なお、
図21において、端末200がPUCCHを送信しない場合、S51の処理では、基地局100は、PUCCHを受信することなく、PUSCHを受信することになる。
【0233】
<7.3 PDCCHとPDSCHとがシフトする場合において、PDCCHによりクロスTTIを設定する場合の動作例>
図22は、PDCCHとPDSCHとがシフトする場合においてPDCCHによりクロスTTIを設定する場合の基地局100側の動作例を表すフローチャートである。
【0234】
また、本動作例を行うに際して、基地局100と端末200は、RRCメッセージの交換を終了し(例えば、
図5(A))、PDSCH-Configを互いにメモリなどに保持しているものとする。ただし、PDSCH-Configには
図6の(1)が設定され、(2)から(4)は設定されていないものとする。すなわち、基地局100と端末200は、RRCメッセージの交換により、クロスTTIを行うか否かについて、共有しているものとし、クロスTTIの詳細は、PDCCHにより設定される。
【0235】
図22に示す処理において、S60からS62は、上述した<7.1>の
図18に示すS20からS22と同様である。
【0236】
基地局100は、アンライセンス周波数帯が“Idle”状態となったとき(S62でYes)、PDCCHとPDSCHとを送信する(S23)。上述した<7.1>の場合と同様に、先頭スロットにおいて、PDCCHとPDSCHのシフトが行われた場合、基地局100は、例えば、以下の処理を行う。
【0237】
すなわち、制御部122は、先頭スロットのスケジューリングを行う際に、
図9に示すTDRA、NDI、HARQプロセス番号、RV、MCSなどを決定し、決定したこれらの情報をPDCCH生成部123へ出力する。PDCCH生成部123は、これらの情報をまとめて、例えば、
図10(A)に示すPDCCH#mを生成する。PDCCH生成部123は、生成したPDCCH#mを、マッピング部125を介して、端末200へ送信する。また、制御部122は、先頭スロットでPDCCH(
図10(A)の例ではPDCCH#m)とPDSCHとを含むシンボルがシフトしたことで、先頭スロットで送信できなかったPDSCHに対するクロスTTIを設定するために、新たなPDCCH(
図10(A)の例では、PDCCH#n)を生成する。制御部122は、先頭スロットのPDCCH(PDCCH#m)に含まれるNDI、HARQプロセス番号、及びRVと同じNDI、HARQプロセス番号、及びRVを、生成する。PDCCH生成部123は、これらの情報を含むクロスTTI設定用のPDCCH(PDCCH#n)を生成し、マッピング部125などを介して端末200へ送信する。なお、PDCCH#m1は、PDCCH#mを生成するときに生成するようにしてもよい。また、クロスTTIによるPDSCHの送信については、上述した<7.1>と同様である。
【0238】
図23は、PDCCHとPDSCHとがシフトする場合においてPDCCHによりクロスTTIを設定する場合の端末200側の動作例を表すフローチャートである。
【0239】
図23において、S70からS72は、上述した<7.1>で説明した
図19のS30からS32とそれぞれ同じである。ただし、S72では、実際に受信したPDSCHの長さは、DCIで指示されたPDSCHの長さより短いか否かを判定する際に用いられるDCIは、例えば、先頭スロットのPDCCHに含まれるDCIであり、
図8(B)の例では、PDCCH#mに含まれるDCIに相当する。
【0240】
端末200は、実際に受信したPDSCHの長さが、DCIで指示されたPDSCHの長さより短いとき(S72でYes)、RRC設定においてクロスTTIの設定がされているか否かを判定する(S73)。例えば、端末200は、以下の処理を行う。
【0241】
すなわち、制御部234は、PDSCH受信処理部232から出力されたデータのデータ量からデータの長さを計算し、その長さがDCIで指示された長さLより短いと判定する。そして、制御部234は、PDSCH受信処理部232から出力されたRRCメッセージに含まれるPDSCH-Configにおいて、クロスTTI設定(
図6の(1))を確認することで、クロスTTIの設定の有無を判定する。
【0242】
端末200は、クロスTTIが設定されているとき(S73でYes)、新しいPDCCHを受信し、リソースの割り当て内容に従って、PDSCHの続き部分を受信する(S74)。例えば、端末200は、以下の処理を行う。
【0243】
すなわち、PDSCH受信処理部232は、PDCCH受信処理部231から新しいPDCCHを受け取り、
図9に示す各フィールドを参照する。そして、PDSCH受信処理部232は、各フィールドに示された情報に従って、自局宛ての、「未送信」部分のPDSCHを確認し、前TTIのPDCCHにより割り当てられたPDSCHに続く、PDSCHの部分を受信する。
【0244】
次に、端末200は、受信結果に応じて、ACK又はNACKをフィードバックする(S75)。例えば、制御部234は、PDSCH受信処理部232から受け取ったデータが正常か否かを判定し、その判定結果に従って、ACK又はNACKを生成し、PUSCH生成部235又はPUCCH生成部236を介して、基地局100へフィードバックする。
【0245】
そして、端末200は、一連の処理を終了する(S76)。
【0246】
一方、端末200は、実際に受信したPDSCHの長さがDCIで指示されたPDSCHの長さと同じとき(S72でNo)、又は、RRC設定でクロスTTIを行わないことが設定されているとき(S73でNo)、S75へ移行して、上述した処理を行う。
【0247】
<8.Search Spaceについて>
本第1の実施の形態における補足説明をする。
【0248】
5Gには、RRCメッセージとして、ControlResourceSet(CORESET)がある。CORESETは、例えば、DCIを探索するために、時間と周波数の制御リソースを設定するために用いられる。CORESETに含まれるIEとして、frequecyDomainResourcesがある。frequecyDomainResourcesは、例えば、DCI探索のための周波数リソースを表す。
【0249】
また、5Gには、RRCメッセージとして、SearchSpace(サーチスペース)がある。SearchSpaceは、例えば、PDCCH候補をどのように探索するか、或いはどこからPDCCH候補を探索するかを表す。CORESETもSearchSpaceも、例えば、RRCReconfigurationメッセージに含まれる情報要素又はメッセージである。
【0250】
図24(A)は、例えば、サーチスペースを含むPDCCHとPDSCHの送信例を表す図である。サーチスペース内に、1又は複数のPDCCHが含まれる。例えば、端末200は、RRCメッセージであるSearchSpaceに従って、無線リソース上でPDCCHが割り当てられた領域を探索する。PDCCHには、個々の端末200に通知するものに加えて、システム共通或いは複数端末に通知するものもある。例えば、送信バーストの長さや次のスロットの長さなどフォーマットに関する情報、または上り送信区間に関する情報、送信バーストの中における当該PDCCHが位置するスロットのスロット番号(例えば、先頭スロットを0番として番号をカウントする)などシステム共通の情報を送信するPDCCHについても端末200はサーチを行う。
【0251】
SearchSpaceには、monitoringSlotPeriodicityAndOffsetと、monitoringSymbolsWithinSlot、及びdurationの各IEが含まれる。
【0252】
monitoringSlotPeriodicityAndOffsetは、例えば、サーチスペースが何スロットに1回あるかを表すIEである。例えば、monitoringSlotPeriodicityAndOffsetが「全スロット」のとき、全スロットにサーチスペースが含まれる。
【0253】
monitoringSymbolsWithinSlotは、例えば、スロット内でPDCCHが送信される可能性がある(又はPDCCHの送信が可能な)シンボルを表すIEである。monitoringSymbolsWithinSlotは、例えば、スロット内の絶対位置で定義される。例えば、monitoringSymbolsWithinSlotが「10000001000000」のとき、
図24(A)に示すように、PDCCHはスロット内の1番目のシンボルと8番目のシンボルに割り当てられることを表している。
【0254】
durationは、例えば、時間方向における長さを表すIEである。例えば、durationが「2」のとき、
図24(A)に示すように、PDCCHは「2」シンボルの長さを有していることを表している。
【0255】
サーチスペースの領域については、例えば、monitoringSlotPeriodicityAndOffsetと、monitoringSymbolsWithinSlot、及びdurationの各IEにより、PDCCHの時間方向でのリソース指定が可能となる。そして、このようなRRCメッセージを受信した端末200は、これらの各IEに従って、無線リソース上の領域をモニタリングして、PDCCCHを受信することが可能となる。
【0256】
本第1の実施の形態では、例えば、
図24(B)に示すように、PDCCHとPDSCHを含むシンボルを、キャリアセンスの結果により、時間方向にシフトさせることが可能で、これにより、複数の送信機会が存在することになる。この場合、サーチスペースの時間方向のリソースをどのように定義するかが問題となる。とくに、monitoringSymbolsWithinSlotは、例えば、スロット内の絶対的な位置でシンボルを定義しているため、どのように取り扱うかが問題となる。
【0257】
ここで、
図24(B)の先頭スロット以外の後続スロットに着目すると、サーチスペースの位置は、ライセンス周波数帯におけるサーチスペースの位置と同じである。従って、アンライセンス周波数帯の後続スロットにおけるサーチスペースと、ライセンス周波数帯のサーチスペースとは、モニタリングを共通にさせることが可能である。一方、先頭スロットのサーチスペースに対するモニタリング方法は、ライセンス周波数帯におけるサーチスペースに対するモニタリング方法とは異なる方法で行われる。
【0258】
そこで、本第1の実施の形態では、2つのオプションにより、サーチスペースのモニタリング方法を定義する。1つ目のオプション(Option1)は、後続スロットと先頭スロットとで、2つのmonitoringSymbolsWithinSlotを定義する。2つ目のオプション(Option2)は、後続スロットと先頭スロットで、monitoringSymbolsWithinSlotを同一の定義とし、端末200において解釈と処理を変更する方法である。
【0259】
図25は、2つのオプション(Option1とOption2)の定義例を表す図である。
図25において、例えば、「送信バーストの2slot以降のSlot」が後続スロット(例えば、先頭スロットから次のスロット以降のスロット)、「左記以外のslot」が先頭スロットを夫々表す。なお、「左記以外のslot」には、例えば、先頭スロット前の、データの未送信区間におけるスロットも含まれる。
【0260】
図25に示す例において、Option1では、monitoringSymbolsWithinSlotは、後続スロットでは「1000000000000」、先頭スロットでは「10101010101010」とそれぞれ異なる方法で定義している。すなわち、Option1では、例えば、monitoringSymbolsWithinSlotに含まれる内容を、「送信バーストの2slot以降のSlot」と「左記以外のslot」とで異なる内容としている。
【0261】
この例では、後続スロットでは、先頭のシンボル(1番目のシンボル)でサーチスペースがあることを示す。従って、端末200は、後続スロットについては、スロット内の先頭スロットを探索すればよい。
【0262】
また、先頭スロットでは、先頭から1番目のシンボル(Symbol#0)、3番目のシンボル(Symbol#2)、5番目のシンボル(Symbol#4)など、1シンボルおきに7回モニタすることを示す。従って、端末200は、先頭スロットについては、指定されたシンボルで7回のモニタリングを行えばよい。
【0263】
なお、Option1の場合、RRCメッセージ内では、例えば、monitoringSymbolsWithinSlotについて、
図25に示すような2つの定義が含まれ、端末200は、RRCメッセージを受信することで、このような処理が可能となる。
【0264】
一方、
図25に示す例において、Option2では、monitoringSymbolsWithinSlotが後続スロットも先頭スロットもいずれも「10000000000000」となる。この場合、端末200は、各送信機会の実際の送信開始シンボルからの相対位置として、monitoringSymbolsWithinSlotにより示されたパラメータを解釈する。例えば、
図24(B)の例では、先頭スロットでは、5番目のシンボルから実際に送信が開始されるため、端末200は、5番目のシンボルが、「10000000000000」における最初の「1」番目のシンボルとして解釈する。
【0265】
図25のOption2も、Option1の場合と同様に、monitoringSymbolsWithinSlotがRRCメッセージに含まれるため、端末200はRRCメッセージを受信することで、このような処理が可能となる。
【0266】
なお、Option2では、RRCメッセージにより、送信開始パターンとして、「Symbol#0,#2,#4,#6,#8,#10,#12」を設定してもよい。
【0267】
図26は、送信開始パターンを含むRRCメッセージの例を表す図である。
図26に示す例は、PDSCH-Configにおいて、「PDCCH送信可能タイミング」のIEが含まれる例である。「PDCCH送信可能タイミング」に設定するパラメータとして、例えば、「10101010101010」とすることで、先頭スロットの「Symbol#0,#2,#4,#6,#8,#10,#12」が送信機会となり、端末200はこのタイミングでPDCCHをモニタリングすればよい。
【0268】
なお、「PDCCH送信可能タイミング」は、PDCCH-Configに含まれてもよいし、他のConfigなどに含まれてもよい。「PDCCH送信可能タイミング」は、例えば、RRCReconfigurationメッセージに含まれるものであればよい。
【0269】
Option1とOption2については、例えば、基地局100の制御部122において、monitoringSymbolsWithinSlotを含むRRCメッセージを生成し、PDSCH生成部124経由で、端末200へ送信すればよい。
【0270】
図27(A)と
図27(B)は、
図25に示すOption1とOption2とが設定された場合において、端末200のモニタリング例を表す図である。
【0271】
図27(A)に示すように、端末200は、未送信区間では、Option1では、monitoringSymbolsWithinSlot、Option2では、RRCメッセージにより、スロット内の先頭シンボルから1シンボルおきにモニタリングを夫々行っている。
【0272】
そして、端末200は、送信バーストの先頭スロットの先頭シンボルでモニタリングして、PDCCHを受信し、その後、PDSCHも受信する。
【0273】
Option1の場合、端末200は、monitoringSymbolsWithinSlot(=「10101010101010」)により、先頭スロットをモニタリングすることでPDCCHを受信できる。
【0274】
Option2の場合、端末200は、RRCメッセージの「送信開始タイミング」により、先頭シンボルをモニタリングすることで、PDCCHを受信できる。この場合、端末200は、先頭シンボルが送信開始シンボルとして、monitoringSymbolsWithinSlotにおける「10000000000000」の「1」を解釈する。
【0275】
なお、送信バーストの2スロット目以降は、後続スロットとして、Option1もOption2も、端末200は、スロット内の先頭スロットをモニタリングすればよい。
【0276】
一方、
図27(B)の例では、送信バーストの先頭スロットでは、5番目のシンボルからPDCCHとPDSCHを受信し始める。Option1では、端末200は、monitoringSymbolsWithinSlotにより、先頭シンボルから1シンボルおきにモニタリングすることで、5番目のシンボルからPDCCHを受信する。Option2では、端末200は、RRCメッセージの「送信開始タイミング」により、先頭シンボルから1シンボルおきにモニタリングして、5番目のシンボルからPDCCHを受信する。この際、端末200は、5番目のシンボル(シンボル4)を、monitoringSymbolsWithinSlotの「10000000000000」の「1」と解釈する。
【0277】
[他の実施の形態]
図28(A)は基地局100のハードウェア構成例を表す図である。
【0278】
基地局100は、プロセッサ160、主記憶装置161、ネットワークインタフェース162、補助記憶装置163、無線機164、及びアンテナ140を備える。
【0279】
プロセッサ160は、主記憶装置161に記憶されたプログラムを読み出して補助記憶装置163にロードし、ロードしたプログラムを実行することで、ベースバンド信号処理部120の機能を実現する。プロセッサ160は、例えば、第1の実施の形態におけるベースバンド信号処理部120に対応する。
【0280】
また、ネットワークインタフェース162は、例えば、第1の実施の形態における伝送路インタフェース110に対応する。さらに、無線機164は、例えば、第1の実施の形態におけるRF送受信部130に対応する。
【0281】
図28(B)は端末200のハードウェア構成例を表す図である。
【0282】
端末200は、プロセッサ260、主記憶装置261、画面表示装置262、補助記憶装置263、無線機264、及びアンテナ210を備える。
【0283】
プロセッサ260は、主記憶装置261に記憶されたプログラムを読み出して、補助記憶装置263にロードし、ロードしたプログラムを実行することで、ベースバンド信号処理部230とアプリケーション部240の機能を実現する、プロセッサ260は、例えば、第1の実施の形態におけるベースバンド信号処理部230とアプリケーション部240に対応する。
【0284】
また、無線機264は、例えば、第1の実施の形態におけるRF送受信部220に対応する。
【0285】
画面表示装置262は、例えば、プロセッサ260の制御により、アプリケーションを実行することで画像を表示する。
【0286】
なお、プロセッサ160,260は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、DSP(Digital Processing Unit)などであってもよい。
【0287】
また、第1の実施の形態では、基地局100や端末200は、例えば、2シンボル単位でキャリアセンスを行い、1スロット内において全部で7回の送信機会がある例について説明した。例えば、基地局100や端末200は、1シンボル単位でキャリアセンスを行う場合、送信機会は、1つのスロット内において14回存在することになる。そして、基地局100や端末200は、例えば、シンボル期間単位でシフトする例について説明した。例えば、基地局100や端末200は、シンボル期間よりも短い期間単位(又は時間単位)で、先頭シンボルをシフトさせるようにしてもよい。あるいは、シフトする単位がシンボルの整数倍で、送信開始タイミングがシンボル期間の途中であってもよい。この場合、基地局100の制御部122や端末200の制御部234は、例えば、先頭シンボルに含まれるデータや信号をコピーし、先頭シンボルをシフトさせる際、コピーしたデータや信号を、先頭シンボルに対して時間的に前方向に付加することで、シンボル期間の途中からの送信が可能となる。なお、基地局100からの下り送信でサーチスペースがスロットの先頭シンボルにない設定の場合、あるいは端末200からの上り送信の場合、送信開始タイミングに合わせて先頭シンボルの途中から送信し始めてもよい。
【0288】
また、第1の実施の形態では、データ、DCI、RRCメッセージ、HARQ-ACKを全てアンライセンス周波数帯の所定周波数帯域を使って送信する例について説明した。無線システム10として、ライセンス周波数帯とアンライセンス周波数帯の両方を使って通信し、アンライセンス周波数帯におけるデータ伝送に関するDCI、RRCメッセージ、HARQ-ACKの一部又は全部を、ライセンス周波数帯を使って送信してもよい。
【符号の説明】
【0289】
10:無線通信システム 100:基地局装置(基地局)
110:伝送路インタフェース 120:ベースバンド信号処理部
121:受信信号処理部 122:制御部
123:PDCCH生成部 124:PDSCH生成部
125:マッピング部 130:RF送受信部
140:アンテナ 160:プロセッサ
200(200-1,200-2):端末装置(端末)
210:アンテナ 220:RF送受信部
230:ベースバンド信号処理部 231:PDCCH受信処理部
232:PDSCH受信処理部 234:制御部
235:PUSCH生成部 236:PUCCH生成部
237:マッピング部 240:アプリケーション部
260:プロセッサ