(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-30
(45)【発行日】2023-06-07
(54)【発明の名称】空袋供給装置
(51)【国際特許分類】
B65B 43/18 20060101AFI20230531BHJP
【FI】
B65B43/18
(21)【出願番号】P 2020176719
(22)【出願日】2020-10-21
【審査請求日】2022-06-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年3月9日 ピジョンマニュファクチャリング兵庫株式会社にて、オリオン機械工業株式会社がピジョンマニュファクチャリング兵庫株式会社に空袋供給装置を販売
(73)【特許権者】
【識別番号】000103932
【氏名又は名称】オリオン機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 久実
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-023270(JP,A)
【文献】特開2020-019485(JP,A)
【文献】特開2009-029446(JP,A)
【文献】特開2006-151406(JP,A)
【文献】特開2004-269007(JP,A)
【文献】特開2014-218281(JP,A)
【文献】特開2010-036913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層される多数の空袋を最上から順次
シール装置に供給するための空袋供給装置であって、
多数の空袋のうち最上に位置する空袋を吸着して搬送する搬送手段と、
該搬送手段により搬送された空袋を受け取る受け台を有し、任意位置を中心に回動自在に構成される回動部材と、
該回動部材の受け台上に保持された空袋を受け取る位置と前記シール装置のシール加圧部と対向する位置との間を往復運動するスライド保持台と、
を備えることを特徴とする空袋供給装置。
【請求項2】
前記搬送手段は、多数の空袋のうち最上に位置する空袋を吸着する位置と、空袋を受け取るためにその受取位置に停止される前記受け台の位置との間を往復運動する、吸着パッドを有する搬送部材を備えており、
前記受け台及び前記スライド保持台には、空袋を吸着して保持する吸着面がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1に記載の空袋供給装置。
【請求項3】
前記スライド保持台は、複数備えられることを特徴とする請求項1または2に記載の空袋供給装置。
【請求項4】
前記空袋は、平面視
矩形状であって、その長手方向端部に密封チャック部を有し、
前記空袋供給装置には、多数の空袋がセットされる支持体が備えられ、
該支持体には、多数の空袋が支持される支持面よりも低い位置に、前記各空袋の密封チャック部を落とし込んで支持する支持溝部が形成されることを特徴とする請求項1~3いずれか1項に記載の空袋供給装置。
【請求項5】
前記スライド保持台の吸着面は、前記回動部材が所定角度回動した後の前記受け台の吸着面と対向するように鉛直面に対して傾斜していることを特徴とする請求項2~4いずれか1項に記載の空袋供給装置。
【請求項6】
前記シール装置のシール加圧部に近接して設けられ、前記スライド保持台の吸着面上の空袋の開口端部を開口させるべく、該開口端部付近を吸着可能であり、前記スライド保持台上の空袋に向かって進退自在に構成される袋開き部材が備えられていることを特徴とする請求項2~5いずれか1項に記載の空袋供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の空袋が積層されてセットされた状態から、最上の空袋を順次吸着して、該空袋内に被包装物を収容してシールするシール装置に供給するための空袋供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した空袋供給装置における従来技術として、特許文献1には、空袋供給機の空袋供給装置が記載されている。当該特許文献1に記載の空袋供給装置は、カセット箱内の空袋の底部側を複数の吸着パットにより吸着しながら引きずり出すとともに、袋詰め装置の供給側となる傾斜面の供給用滑板上に供給できるように構成した空袋供給機において、前記吸着パットから空袋の開口部側に寄る近傍位置には、吸着パットの吸着始め位置と略同じ高さにして吸着パットとともに上下動できる袋押え板を装備し、前記滑板の上端側に軸架した送り出しローラと前記カセット箱との間の上下には、先端側が上下動自在となる短い送り込み補助ベルトと幅広の長い送り出しベルトとを相互に逆転するよう配備して構成したものである。
【0003】
そして、当該空袋供給装置では、カセット箱内の最上空袋の底部側に吸着する吸着パットを上方に移動させながら空袋の底部側を上方へ取り出す際、その吸着パットの近傍となる空袋の開口部側寄り上面を袋押さえ板により押さえることになって、2枚取りや次の空袋がずれることなく整然と有効に取り出すことができることになり、また、取り出した空袋がよじれたり、カセット箱側で位置ずれが生じていても、幅広い送り出しベルト上に安定良く供給することができて、先端側を上下動させることができる送り込み補助ベルトにより空袋がめくれるようなことなくそのまま整然と取り込んで良好に送り出すことができることになり、カセット箱からの取り出しと滑板側への送り出しを性能良く有効に行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の空袋供給装置では、滑板の上端側に軸架した送り出しローラとカセット箱との間の上下に、先端側が上下動自在となる短い送り込み補助ベルトと、幅広の長い送り出しベルトとを相互に逆転するよう配備するなど、その構造が複雑化しており、コストアップの原因となり採用することはできない。また、特許文献1に記載の空袋供給装置では、送り込み補助ベルト及び送り出しベルトを備えているために、空袋供給装置の占有スペースが拡大され、好ましくない。さらに、特許文献1に記載の空袋供給装置では、占有スペースをできるだけ小さく抑えて、生産性向上のために短時間にて、積層される多数の空袋を順次シール装置近傍まで供給する構成が採用されておらず、改善する余地が大いにある。
【0006】
そして、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、占有スペースをできるだけ小さく抑えて、生産性向上のために、短時間にて、積層される多数の空袋を順次シール装置まで供給可能な空袋供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、請求項1の発明は、積層される多数の空袋を最上から順次シール装置に供給するための空袋供給装置であって、多数の空袋のうち最上に位置する空袋を吸着して搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送された空袋を受け取る受け台を有し、任意位置を中心に回動自在に構成される回動部材と、該回動部材の受け台上に保持された空袋を受け取る位置と前記シール装置のシール加圧部と対向する位置との間を往復運動するスライド保持台と、を備えることを特徴とするものである。
請求項1の発明では、まず、搬送手段により、多数の空袋のうち最上に位置する空袋を吸着して、回動部材の受け台上まで搬送される。受け台上の空袋は略水平方向に延在しており、回動部材が任意位置を中心に、例えば上下方向に沿って所定角度回動すると、受け台上の空袋は、スライド保持台上に搬送される。続いて、スライド保持台がシール装置のシール加圧部と対向する位置まで移動することで、空袋をシール装置まで搬送、供給することができる。そして、特に、回動部材により、空袋を、任意位置を中心に、例えば上下方向に沿って所定角度回動させた後、スライド保持台の移動によりシール装置に供給することができるので、上下方向の空間を有効に活用でき、ひいては、空袋供給装置が占有する平面的なスペース(床面スペース)を小さくすることができ、装置本体の小型化にも繋がる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載した発明において、前記搬送手段は、多数の空袋のうち最上に位置する空袋を吸着する位置と、空袋を受け取るためにその受取位置に停止される前記受け台の位置との間を往復運動する、吸着パッドを有する搬送部材を備えており、前記受け台及び前記スライド保持台には、空袋を吸着して保持する吸着面がそれぞれ形成されることを特徴とするものである。
請求項2の発明では、搬送部材の吸着パッドにより最上の空袋を吸着した後、搬送部材が移動して、該空袋を受け台の吸着面に吸着させる。その後、受け台の吸着面に吸着された空袋は、回動部材が回動した後、スライド保持台の吸着面に吸着されて保持される。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した発明において、前記スライド保持台は、複数備えられることを特徴とするものである。
請求項3の発明では、例えば、スライド保持台が2台備えられている場合には、一方のスライド保持台により回動部材の受け台上の空袋を受け取る動作を行い、他方のスライド保持台が空袋を保持した状態でシール装置のシール加圧部と対向する位置に停止されてシール動作を行うことが可能になる。その後、一方のスライド保持台はシール装置のシール加圧部と対向する位置までスライドし、他方のスライド保持台は回動部材の受け台上の空袋を受け取る位置までスライドして、それぞれ作業を行うことができるので、空袋の供給作業を短時間で行うことができ、ひいては、生産性を向上させることができる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1~3いずれか1項に記載した発明において、前記空袋は、平面視矩形状であって、その長手方向端部に密封チャック部を有し、前記空袋供給装置には、多数の空袋がセットされる支持体が備えられ、該支持体には、多数の空袋が支持される支持面よりも低い位置に、前記各空袋の密封チャック部を落とし込んで支持する支持溝部が形成されることを特徴とするものである。
ところで、空袋は長手方向端部に僅かに厚みのある密封チャック部が形成されてあるので、多数の空袋が単に支持面上に積層されてセットされた状態であると、各空袋の密封チャック部の部分が嵩張り、積層状態が空袋の長手方向に沿って若干崩れた様態となる虞がある。このような様態であると、最上の空袋が水平状態を保持できず、搬送手段により最上の空袋を正常に吸着することが困難になる。この事情に鑑みて、請求項4の発明では、多数の空袋の密封チャック部を落とし込む支持溝部が形成されるので、各空袋の密封チャック部側とは反対側の部位が支持面によって略水平状態で支持されるようになる。その結果、搬送手段により最上の空袋を正常に吸着することが可能になる。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2~4いずれか1項に記載した発明において、前記スライド保持台の吸着面は、前記回動部材が所定角度回動した後の前記受け台の吸着面と対向するように鉛直面に対して傾斜していることを特徴とするものである。
請求項5の発明では、回動部材が所定角度回動した後に、回動部材の受け台の吸着面に吸着された空袋を、容易にスライド保持台の吸着面に吸着させることができる。
【0012】
請求項6の発明は、請求項2~5いずれか1項に記載した発明において、前記シール装置のシール加圧部に近接して設けられ、前記スライド保持台の吸着面上の空袋の開口端部を開口させるべく、該開口端部付近を吸着可能であり、前記スライド保持台上の空袋に向かって進退自在に構成される袋開き部材が備えられていることを特徴とするものである。
請求項6の発明では、スライド保持台の吸着面に吸着された状態の空袋に対して、その開口端部付近を袋開き部材により吸着して、該袋開き部材がスライド保持台の吸着面から後退することで、空袋の開口端部を開口させて維持することができる。続いて、空袋内に、被包装物が挿入された後に、シール装置のシール加圧部が袋開き部材と共にスライド保持台の吸着面に向かって前進することで、内部に被包装物が充填された袋の開口端部がシールされる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る空袋供給装置では、占有スペース(床面スペース)をできるだけ小さく抑えて、生産性向上のために、短時間にて、積層される多数の空袋を順次シール装置まで供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る空袋供給装置の構成である支持体及び搬送手段を示す概略側面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る空袋供給装置の構成である支持体及び搬送手段を示す概略背面図である。
【
図3】
図3の(a)は、本実施形態に係る空袋供給装置の構成である支持体を示す側面図であり、(b)は、他の実施形態に係る支持体の側面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る空袋供給装置の構成である回動部材を示す概略側面図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る空袋供給装置の構成である回動部材を示す概略背面図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る空袋供給装置の構成であるスライド保持台を示す概略側面図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る空袋供給装置の構成であるスライド保持台を示す概略平面図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る空袋供給装置の構成である袋開き部材を示す概略側面図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る空袋供給装置によって、
シール装置に供給される空袋の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る空袋供給装置1を
図1~
図9に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る空袋供給装置1に採用される空袋2は、
図9に示すように、若干厚みのある密封チャック部2Aを有する薄手であって、透明の合成樹脂製にて構成される。空袋2は、
平面視矩形状に形成されている。空袋2は、その長手方向一端部が開口され、その長手方向他端部に密封チャック部2Aが設けられている。該空袋2の長手方向一端部の開口端部から被包装物が挿入されて、該開口端部付近がシール装置100にてシールされる。
【0016】
そして、本実施形態に係る空袋供給装置1は、積層される多数の空袋2を順次
シール装置100に供給するためのものである。具体的には、本実施形態に係る空袋供給装置1は、
図4を参照して、多数の空袋2を積層してセットされる支持体5と、該支持体5上の多数の空袋2のうち最上に位置する空袋2を吸着して搬送する搬送手段6と、該搬送手段6により搬送された空袋2を受け取る受け台59を有し、電動モータ65の回転軸66を中心に上下方向に沿って回動自在に構成される回動部材7と、該回動部材7の受け台59上に保持された空袋2を受け取る位置とシール装置100(
図8参照)のシール加圧部101(
図8参照)と対向する位置との間を往復運動するスライド保持台8と、を備えている。
【0017】
図1~
図3に示すように、支持体5は、積層される多数の空袋2を支持部13の上面(支持面14)に支持するものである。支持体5は、平面視略矩形状であって、その上面が多数の空袋2を支持する支持面14として機能する支持部13と、該支持部13の長手方向端部寄り、すなわち、後で詳述する回動部材7が配置される側と反対側の端部寄りに立設される規制壁部15と、支持部13の下端部であって、その短手方向(幅方向)両端からそれぞれ立設されて対向する一対の側壁部16、16と、支持部13の長手方向端部から外方に突設され、支持部13の支持面14より低い位置に形成される支持溝部17A(17B)と、を備えている。
【0018】
一対の側壁部16、16間の距離は、空袋2の短手方向に沿う長さ(幅長)と略同一に設定される。各側壁部16、16には、その略全域に小孔18が間隔を置いて多数形成されている。なお、支持体5の支持部13(支持面14)上には多数の空袋2が支持されるが、空袋2の長手方向が支持体5の長手方向と一致する向きで支持される。規制壁部15は、空袋2の長手方向に沿う長さに対応して、支持部13の長手方向に沿って移動、且つ固定可能に構成される。この規制壁部15を、多数積層される空袋2の長手方向開口端(一端)に接触させるようにして支持部13に対して固定することで、支持部13上の各空袋2の長手方向に沿う位置を規制することができる。
【0019】
図3(a)も参照して、支持体5は、その長手方向端部から支持溝部17Aが外方に向かって突設されている。該支持溝部17Aは、後で詳述する回動部材7が配置される側に位置する。支持溝部17Aは、底壁部19及び対向する一対の側壁部20、20を有する側面視コ字状に形成される。底壁部19の上面は、支持部13の支持面14(上面)よりも低い位置に形成される。一対の側壁部20、20のうち支持部13の長手方向端部からより離れている一方の側壁部20は、その上端が支持部13の支持面14よりも高い位置になるように形成される。
【0020】
本実施形態では、支持溝部17Aの底壁部19の上面は、支持部13の支持面14よりも25~35mmの範囲内の適宜値(本実施形態では30mm)低い位置に設定される。支持溝部17Aの一方の側壁部20の上端は、支持部13の支持面14よりも30~40mmの範囲内の適宜値(本実施形態では35mm)高い位置に設定される。支持溝部17Aの対向する側壁部20、20間の距離は、50~65mmの範囲内の適宜値(本実施形態では53mm)に設定される。そして、支持体5の支持部13の支持面14上に多数の空袋2を整列させてセットする際には、各空袋2の密封チャック部2Aを支持溝部17A内に落とし込むようにしてセットする。これにより、各空袋2の密封チャック部2Aから一端側の部位が、支持部13の支持面14上に略水平状態で支持される。
【0021】
次に、他の実施形態に係る支持溝部17Bを
図3(b)に基づいて説明する。他の実施形態に係る支持溝部17Bは、側面視V字状壁部22と、該V字状壁部22の、支持部13の長手方向端部からより離れている側の端部から上方に延びる延長壁部23と、を備えて構成される。本実施形態では、支持部13から連続するV字状壁部22の一方の壁部22Aは、支持部13の支持面14に対して45°の角度にて下方傾斜しており、V字状壁部22の各壁部22A、22A間の角度は、90°に設定されている。また、V字状壁部22の底部は、支持部13の支持面14よりも25~35mmの範囲内の適宜値(本実施形態では28.5mm)低い位置に設定される。また、延長壁部23の上端は、支持部13の支持面14よりも30~40mmの範囲内の適宜値(本実施形態では35mm)高い位置に設定される。支持溝部17Bを形成する延長壁部23と、支持部13の長手方向端部との間の距離は、50~65mmの範囲内で適宜値(本実施形態では59mm)に設定される。
【0022】
また、
図1及び
図2に示すように、支持体5、5は、その短手方向(幅方向)に隣接して一対備えられている。各支持体5には、連結プレート30を介して上下方向に延びる伸縮ロッド31を含むシリンダ等の駆動源32が連結されている。そして、各支持体5は、駆動源32の作動により、伸縮ロッド31の軸方向に沿って連結プレート30と共に進退自在(昇降自在)に構成される。
【0023】
一対の支持体5、5(駆動源32、32を含む)は、電動モータ等の各駆動源36、36の作動により、その長手方向(空袋2の長手方向と同じ)と一致する方向に沿って移動自在に構成される。一対の支持体5、5は、その長手方向に沿って2セット備えられている。2セット備えられる一対の支持体5、5は、その長手方向に沿って平面視において同じ直線上を移動自在に構成される。一方の一対の支持体5、5と他方の一対の支持体5、5とが移動する際は、一方の一対の支持体5、5は最大限前進(上昇)した位置に配置されると共に、他方の一対の支持体5、5は最大限後退(下降)した位置に配置され、互いに上下方向に沿って重ならない位置に配置される。
【0024】
一方の一対の支持体5、5は、底壁38の上面に沿ってその長手方向に移動自在に構成され、他方の一対の支持体5、5は、対向する側壁39、39の側面に沿ってそれぞれその長手方向に移動自在に構成される。そして、一方の一対の支持体5、5が、後で詳述する一対の搬送手段6、6と上下方向に沿って対向する位置に配置された時点で、一方の一対の支持体5、5の支持部13、13(支持面14、14)上に積層された多数の空袋2が順次搬送手段6、6により吸着されて搬送され、他方の一対の支持体5、5は、一方の一対の支持体5、5から最も離れた位置に配置された状態であり、作業者等が、多数の空袋2を他方の一対の支持体5、5の支持部13、13(支持面14、14)上にセットすることができる。
【0025】
図1及び
図2に示すように、搬送手段6は、支持体5の支持面14上に積層された多数の空袋2のうち最上に位置する空袋2を吸着して搬送するものである。搬送手段6、6は、一対の支持体5、5に対応して一対備えられている。搬送手段6は、支持体5の(支持部13)支持面14上に積層された多数の空袋2のうち最上に位置する空袋2を吸着する位置と、空袋2を受け取るためにその受取位置に停止される後で詳述する回動部材7の受け台59の位置との間を往復運動する搬送部材42を備えている。搬送部材42は、複数の支持板材44と、該各支持板材44の下面に複数間隔を置いて設けられる真空パッド45、45(吸着パッド)と、複数の支持板材44を連結する支持本体46と、を備えている。支持本体46の上面に、上下方向に延びる伸縮ロッド50を含むシリンダ等の駆動源51が連結されている。
【0026】
これにより、搬送部材42は、駆動源51の作動により、昇降自在に構成される。搬送部材42は、上限位置にて、電動モータ等の駆動源52の作動により、空袋2を吸着する位置と、回動部材7の受け台59の位置との間を往復運動するように構成される。言い換えれば、搬送部材42は、上限位置にて、電動モータ等の駆動源52の作動により、一対の支持体5、5の移動方向(空袋2の長手方向)と同じ方向に沿って移動自在となる。
【0027】
図4及び
図5に示すように、回動部材7、7は、一対の搬送手段6、6の搬送部材42、42に対応して一対備えられている。回動部材7は、縦長のシリンダ等の駆動源55と、該駆動源55から伸縮される伸縮ロッド56に連結される受け台59と、を有している。そして、受け台59は、駆動源55の作動によって、伸縮ロッド56の軸方向に沿って進退自在に構成される。受け台59は、平面視略矩形状のブロック状に形成される。一対の回動部材7、7は、その各駆動源55、55を掛け渡すように固定される連結板63を介して、電動モータ65の回転軸66に連結されている。電動モータ65の回転軸66は、一対の回動部材7、7の駆動源55、55に対して直交する方向に延びている。
【0028】
一対の回動部材7、7は、一体的に、電動モータ65の回転軸66を中心に上下方向に沿って所定角度αにて回動自在に構成される。本実施形態では、所定角度αは120°に設定される。一対の回動部材7、7が上下方向に沿って延びた初期状態における受け台59、59は、一対の支持体5、5の長手方向端部からその長手方向に一致する方向に沿って所定距離離れた延長線上に位置する。また、一対の回動部材7、7が上下方向に沿って延びた初期状態において、受け台59、59が最大限前進した際その上面は、一対の支持体5、5の支持部13、13(支持面14、14)に対して若干上方に位置する。
【0029】
受け台59の上面において、その支持体5側の範囲には、エアを吸引する吸引孔68が複数形成される。この受け台59の吸引孔68が形成される面が空袋2を吸着する吸着面69として機能する。なお、受け台59の吸着面69において、支持体5の長手方向と一致する方向の長さは、空袋2の長手方向に沿う長さより短く設定される。また、受け台59の吸着面69において、支持体5の短手方向と一致する方向の長さは、空袋2の短手方向の長さに略一致する。そして、
図4に示すように、受け台59の吸着面69に空袋2が吸着される際には、受け台59の支持体5側の一端に、空袋2の開口端(一端)が一致すると共に、空袋2の密封チャック部2A側が、受け台59の支持体5側とは反対側の他端から下方に垂れ下がった状態で吸着される。
【0030】
図6及び
図7に示すように、スライド保持台8は、保持台71、71が一対の回動部材7、7に対応して一対備えられている。
図4及び
図8に示すように、スライド保持台8は、一対の回動部材7、7の受け台59、59から空袋2、2を一対の保持台71、71にそれぞれ受け取り、空袋2、2の開口端部が一対のシール装置100のシール加圧部101と対向する位置までスライドするものである。すなわち、スライド保持台8は、電動モータ等の駆動源74の作動により、回動部材7の受け台59上に保持された空袋2を保持台71により受け取る位置と、保持台71がシール装置100のシール加圧部101と対向する位置との間を往復運動するように構成される。言い換えれば、スライド保持台8は、電動モータ等の駆動源74の作動により、搬送手段6による空袋2の搬送方向に対して直交する方向(空袋2の短手方向)に沿って移動自在に構成される。
【0031】
図6及び
図7に示すように、保持台71は、平面視略矩形状のブロック状に形成される。保持台71の上面において、その上側の一部範囲に、エアを吸引する吸引孔72が複数形成される。保持台71において、複数の吸引孔72が形成される面が空袋2を吸着する吸着面73として機能する。なお、吸引孔72が複数形成される範囲内において、シール加圧受け部76が、スライド保持台8の移動方向(空袋2の短手方向)と同方向に沿って延びている。スライド保持台8は、その全体として、一対の保持台71、71の吸着面73、73が、一対の回動部材7、7が回動した後の一対の受け台59、59の吸着面69、69と対向するように鉛直面に対して傾斜角度βで傾斜している。本実施形態では、傾斜角度βは60°に設定される。スライド保持台8の一対の保持台71、71には、連結部材78を介して伸縮ロッド79を含むシリンダ等の駆動源80が連結されている。そして、一対の保持台71、71は、駆動源80の作動により、一体的に、吸着面73、73に対して直交する方向に沿ってそれぞれ進退自在に構成される。
【0032】
図7から解るように、スライド保持台8は、複数備えれられている。本実施形態では、スライド保持台8は、2台備えられている。2台のスライド保持台8、8にそれぞれ備えられた一対の保持台71、71は、搬送手段6による空袋2の搬送方向に対して直交する方向(空袋2の短手方向)に沿って平面視において同じ直線上を移動自在に構成される。要するに、一方のスライド保持台8と他方のスライド保持台8とが移動する際は、一方のスライド保持台8の一対の保持台71、71が最大限前進した位置に配置されると共に、他方のスライド保持台8の一対の保持台71、71が最大限後退した位置に配置され、互いに吸着面69(73)に対して直交する方向に沿って重ならない位置に配置される。
【0033】
そして、一方のスライド保持台8の一対の保持台71、71を、一対の回動部材7、7が回動した後その一対の受け台59、59と対向する位置に配置して、他方のスライド保持台8の一対の保持台71、71を、一対のシール装置100、100のシール加圧部101、101と対向する位置に配置することができる。その結果、一方のスライド保持台8の一対の保持台71、71に、一対の回動部材7、7の受け台59、59からの空袋2、2を受け取る作業と、他方のスライド保持台8の一対の保持台71、71上の空袋2、2内に被包装物を挿入してその開口端部付近を一対のシール装置100、100のシール加圧部101、101によりシールする作業を略同じタイミングで実施することができる。
【0034】
また、
図8に示すように、後述の一対のシール装置100、100のシール加圧部101、101に近接する位置には、本実施形態に係る空袋供給装置1の構成である袋開き部材83、83がそれぞれ配置されている。袋開き部材83、83は、スライド保持台8の一対の保持台71、71に対応して一対備えられている。袋開き部材83は、板状に形成される。袋開き部材83は、後述するシール装置100のシール加圧部101の外側に配置される。袋開き部材83の、保持台71(吸着面73)に対向する面には、エアを吸引する吸引孔84が複数形成される。この複数の吸引孔84が形成される面が、空袋2の開口端部を吸着する吸着面85として機能する。袋開き部材83は、シール装置100と同様に、その吸着面85がスライド保持台8の保持台71の吸着面73と対向するように鉛直面に対して傾斜角度βで傾斜している。袋開き部材83は、シール装置100のシール加圧部101と同様に、シリンダ等の駆動源86の作動により、スライド保持台8の保持台71の吸着面73に向かって進退自在に構成される。
【0035】
そして、スライド保持台8の保持台71の吸着面73に空袋2が吸着された状態で、その空袋2の開口端部付近が袋開き部材83と対向すると、袋開き部材83が空袋2の開口端部に向かって前進して、袋開き部材83の吸着面85により空袋2の開口端部付近が吸着される。そして、空袋2の開口端部の一方は保持台71の吸着面73に吸着されつつ、空袋2の開口端部の他方は袋開き部材83の吸着面85に吸着された状態であり、袋開き部材83が駆動源86の作動により後退することで、空袋2の開口端部を大きく開口させることができる。
【0036】
なお、
図8に示すように、シール装置100、100は、スライド保持台8の一対の保持台71、71に対応して一対備えられる。一対のシール装置100、100は、回動部材7、7が配置される位置から搬送手段6による空袋2の搬送方向に対して直交する方向に沿って所定距離離れた位置に配置される。シール装置100には、シール加圧部101が備えられている。シール加圧部101は板状であって、その先端面が溶着面102となる。シール装置100は、全体として、そのシール加圧部101の溶着面102がスライド保持台8の保持台71の吸着面73と対向するように鉛直面に対して傾斜角度βで傾斜している。シール加圧部101は、シリンダ等の駆動源103によって、保持台71の吸着面73に設けたシール加圧受け部76に対して進退自在に構成される。シール加圧部101には、その溶着面102を加熱すべく熱源(図示略)が接続されている。
【0037】
次に、本実施形態に係る空袋供給装置1の作用を、適宜
図1~
図8を参照しながら説明する。
まず、
図1を参照して、一方の一対の支持体5、5が、最大限下降した状態である共に、一対の支持体5、5(駆動源32、32を含む)が最大限後退した位置となる。そして、作業者等により、一方の一対の支持体5、5の支持部13、13(支持面14、14)上に、多数の空袋2を整列してそれぞれセットする。このとき、
図3(a)から解るように、多数の空袋2の密封チャック部2Aを一対の支持体5、5の支持溝部17A内に落とし込み、各空袋2の密封チャック部2Aから一端側の部位を支持部13、13の支持面14、14上に支持させる。その結果、一対の支持部13、13(支持面14、14)上の各空袋2、2は、略水平状態が保持されつつ支持される。また、規制壁部15を、支持部13上の多数積層される空袋2の長手方向開口端(一端)に接触させるようにして支持部13に対して固定することで、支持部13上の各空袋2の長手方向に沿う位置を規制する。
【0038】
続いて、一方の一対の支持体5、5(駆動源32、32含む)が、多数の空袋2を支持した状態で、駆動源36、36の作動により、最大限前進して、一対の支持体5、5が、駆動源32、32の作動により、最大限上昇した状態となる。また、他方の一対の支持体5、5は、一対の支持体5、5の支持部13、13(支持面14、14)上に空袋2が支持されていない状態で、一方の一対の支持体5、5と入れ替わるようにして、駆動源36、36の作動により、最大限後退する共に、一対の支持体5、5が、駆動源32、32の作動により、最大限下降した状態となる。その後、他方の一対の支持体5、5の支持部13、13(支持面14、14)上に、多数の空袋2がそれぞれセットされる。
【0039】
続いて、一対の搬送手段6、6の構成である搬送部材42、42が、一方の一対の支持体5、5上に停止された状態となる。一対の搬送部材42、42が、駆動源51、51の作動により所定位置まで下降して、各真空パッド45、45により、一方の一対の支持体5、5の(支持部13、13)支持面14、14上に積層された多数の空袋2、2のうち最上に位置する空袋2、2を一枚吸着する。続いて、一対の搬送部材42、42は、駆動源51、51の作動により初期位置まで上昇した後、駆動源52、52の作動により、一対の支持体5、5の移動方向(空袋2の長手方向)と一致する方向で、一方の一対の支持体5、5から離れるように移動する。このとき、一対の回動部材7、7は上下方向に沿って延びた初期位置に停止しており、各受け台59、59は、駆動源55、55の作動により、所定位置まで前進されて上方を指向した状態となっている。
【0040】
そして、一対の搬送部材42、42が、各真空パッド45、45により一枚の空袋2、2を吸着した状態で、駆動源52、52の作動により、一対の回動部材7、7の受け台59、59の上方に移動した後、一対の搬送部材42、42が、駆動源51、51の作動により所定位置まで下降して、各空袋2、2を一対の回動部材7、7の受け台59、59の吸着面69、69上に載せる。続いて、一対の搬送部材42、42の真空パック45による吸着を解除すると共に各受け台59、59の吸着面69、69の各吸引孔69、69からの吸引作用により、各空袋2、2が一対の搬送部材42、42から一対の回動部材7、7の受け台59、59の吸着面69、69へ移送される。このようにして、受け台59の吸着面69に空袋2が吸着された際には、受け台59の支持体5側の一端及び幅方向両端に、空袋2の開口端及び幅方向両端が一致すると共に、空袋2の密封チャック部2A側が、受け台59の支持体5側とは反対側の他端から下方に垂れ下がった状態で吸着される。
【0041】
続いて、空袋2、2を一対の回動部材7、7の受け台59、59の吸着面69、69に移送した後、一対の搬送部材42、42は、駆動源51、52の作動により、初期位置に上昇する共に初期位置に後退した後、再び、所定位置まで下降しつつ、一方の一対の支持体5、5の(支持部13、13)支持面14、14上に積層された多数の空袋2、2のうち最上に位置する空袋2、2を吸着して、上述した作業を繰り返す。このように、一方の一対の支持体5、5の(支持部13、13)支持面14、14上に積層された多数の空袋2、2はその最上から、一対の搬送部材42、42(搬送手段6、6)の作動により、順次一対の回動部材7、7の受け台59、59の吸着面69、69上に移送される。
【0042】
続いて、
図4を参照して、一対の回動部材7、7の受け台59、59は、その吸着面69、69に空袋2、2がそれぞれ吸着された状態で、駆動源55、55の作動により最大限後退した後、電動モータ65の駆動により、その回転軸66を中心に所定角度αにて回動される。このとき、一方のスライド保持台8の一対の保持台71、71が、一対の回動部材7、7が回動した後その一対の受け台59、59と対向する位置に配置され、一対の保持台71、71が最大限前進した状態であり、また、他方のスライド保持台8の一対の保持台71、71が、一対のシール装置100、100のシール加圧部101、101と対向する位置に配置された状態となっている。
【0043】
続いて、一対の回動部材7、7がその各受け台59、59の吸着面69、69に空袋2、2がそれぞれ吸着された状態で所定角度αにて回動すると、各受け台59、59の吸着面69、69が、一方のスライド保持台8の一対の保持台71、71の吸着面73、73と対向する。続いて、一対の回動部材7、7の受け台59、59が、駆動源55、55の作動により最大限前進することで、各空袋2、2を一方のスライド保持台8の一対の保持台71、71の吸着面73、73上に載せる。続いて、一対の回動部材7、7の受け台59、59の吸着面69、69(各吸引孔68からの吸引作用)による空袋2、2の吸着を解除すると共に一対の保持台71、71の吸着面73、73の各吸引孔72からの吸引作用により、各空袋2、2が一対の回動部材7、7の受け台59、59の吸着面69、69から一方のスライド保持台8の一対の保持台71、71の吸着面73、73へそれぞれ移送される。
【0044】
このようにして、スライド保持台8の一対の保持台71、71の吸着面73、73に空袋2、2が吸着される際には、保持台71の上端及び幅方向両端に、空袋2の開口端及び幅方向両端が一致すると共に、空袋2の密封チャック部2A側が、保持台71の下端から下方に垂れ下がった状態で吸着される。続いて、各空袋2、2をスライド保持台8の各保持台71、71に移送した後、一対の回動部材7、7は、電動モータ65の作動により、初期位置に回動して、各受け台59、59が一対の搬送部材42、42からの空袋2、2を受け取り、上述した作業を繰り返す。このように、一対の回動部材7、7の受け台59、59の吸着面69、69に吸着された各空袋2、2は、順次スライド保持台8の各保持台71、71の吸着面73、73上に移送される。
【0045】
続いて、
図8を参照して、一方のスライド保持台8は、一対の保持台71、71の吸着面73、73にそれぞれ空袋2、2を吸着した状態で、駆動源74の作動により、搬送手段6による空袋2の搬送方向に対して直交する方向(空袋2の短手方向)に沿って移動して、一対のシール装置100、100のシール加圧部101、101と対向する位置に停止される。詳細には、一方のスライド保持台8は、各保持台71、71の吸着面73、73に設けたシール加圧受け部76、76が、一対のシール装置100、100のシール加圧部101、101と対向して、且つ各保持台71、71に吸着された空袋2、2の開口端部付近が、各袋開き部材83、83の吸着面85、85と対向する位置に停止される。なお、これと略同じタイミンングで、他方のスライド保持台8は、その一対の保持台71、71が、駆動源80の作動により、最大限後退した状態で、一方のスライド保持台8と入れ替わるようにして、駆動源74の作動により、一対の回動部材7、7が所定角度αにて回動した後の各受け台59、59の吸着面69、69と対向する位置まで移動する。
【0046】
続いて、一対の袋開き部材83、83が、駆動源86、86の作動により、一方のスライド保持台8の各保持台71、71上の空袋2、2の開口端部に向かって前進して、各袋開き部材83、83の吸着面85、85により各空袋2、2の開口端部付近が吸着される。続いて、各空袋2、2の開口端部の一方は、各保持台71、71の吸着面73、73に吸着されつつ、各空袋2、2の開口端部の他方は、各袋開き部材83、83の吸着面85、85に吸着された状態であり、各袋開き部材83、83が、駆動源86、86の作動により後退することで、各空袋2、2の開口端部が大きく開口される。
【0047】
続いて、
図8の2点鎖線で示す一対の包装装置110、110からの被包装物が、各空袋2、2の開口された開口端部から内部に滑落するように挿入される。続いて、一対の袋開き部材83、83が、一対のシール装置100、100のシール加圧部101、101と共に一方のスライド保持台8の一対の保持台71、71(吸着面73、73)上の空袋2、2に向かって前進する。続いて、一対のシール装置100、100のシール加圧部101、101(溶着面102、102)により、一方のスライド保持台8の一対の保持台71、71のシール加圧受け部76、76との間に挟持された、内部に被包装物が挿入された袋の開口端部付近がシールされる。
【0048】
これと略同時に、一方のスライド保持台8の一対の保持台71、71の吸着面73、73(各吸引孔72からの吸引作用)による空袋2、2の吸着を解除すると共に一対の袋開き部材83、83の吸着面85、85(各吸引孔84からの吸引作用)による空袋2、2の吸着が解除されて、内部に被包装物が収容され、開口端部付近がシールされたものが、一方のスライド保持台8の一対の保持台71、71の吸着面73、73上を滑落して次の工程にそれぞれ進む。これと略同じタイミングにて、他方のスライド保持台8においては、一対の保持台71、71が最大限前進した状態であり、所定角度αにて回動した一対の回動部材7、7の各受け台59、59の吸着面69、69にそれぞれ吸着された空袋2、2が、他方のスライド保持台8における、一対の保持台71、71の吸着面73、73それぞれに移送されている。
【0049】
続いて、一方のスライド保持台8は、その一対の保持台71、71が、駆動源80の作動により、最大限後退した状態で、回動部材7、7の受け台59、59上に保持された空袋2、2を受け取る位置まで移動すると共に、他方のスライド保持台8が、一対の保持台71、71の吸着面73、73に空袋2、2をそれぞれ吸着した状態で、一方のスライド保持台8と入れ替わるようにして移動し、他方のスライド保持台8の一対の保持台71、71の吸着面73、73が、各袋開き部材83、83の吸着面85、85と対向すると共に一対のシール装置100、100のシール加圧部101、101と対向する位置にて停止される。
【0050】
そして、両方のスライド保持台8、8において、上述した作業がそれぞれ繰り返される。このように、スライド保持台8の一対の保持台71、71の吸着面73、73に吸着された各空袋2、2は、順次一対のシール装置100、100に供給され、その位置にて、一対の包装装置110、110により、被包装物が各空袋2、2の開口端部からその内部に挿入された後、一対のシール装置100、100によりそれぞれシールされて次の工程に進む。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る空袋供給装置1は、少なくとも、多数の空袋2のうち最上に位置する空袋2を吸着して搬送する搬送手段6と、該搬送手段6により搬送された空袋2を受け取る受け台59を有し、電動モータ65の回転軸66を中心に上下方向に沿って回動自在に構成される回動部材7と、受け台59上に保持された空袋2を受け取る位置と、シール装置100のシール加圧部101と対向する位置との間を往復運動するスライド保持台8と、を備えている。そして、特に、回動部材7の回動により空袋2をスライド保持台8に搬送するので、上下方向の空間を有効に活用することができ、空袋供給装置1の平面的な占有スペース(床面スペース)を小さくすることができる。しかも、空袋供給装置1を小型化することも可能になる。
【0052】
また、本実施形態に係る空袋供給装置1に採用された搬送手段6は、多数の空袋2のうち最上に位置する空袋2を吸着する位置と、空袋2を受け取るためにその受取位置に停止される回動部材7の受け台59の位置との間を往復運動する、真空パッド45を有する搬送部材42を備え、受け台59、及びスライド保持台8の保持台71には、空袋2を吸着して保持する吸着面69、73がそれぞれ形成される。これにより、搬送手段6を複雑化することなく、簡素な構造で具現化することができる。また、搬送部材42、受け台59及び保持台71への空袋2の脱着作用を容易にすることができる。
【0053】
さらに、本実施形態に係る空袋供給装置1では、スライド保持台8、8を複数備えているので、空袋2の供給作業を短時間で行うことができ、ひいては、生産性を向上させることができる。
【0054】
さらにまた、本実施形態に係る空袋供給装置1に採用された支持体5には、多数の空袋2が支持される支持面14よりも低い位置に、各空袋2の密封チャック部2Aを落とし込んで支持する支持溝部17A(17B)が形成される。これにより、各空袋2の密封チャック部2A側とは反対側の部位が支持面14によって略水平状態で支持されるようになる。その結果、搬送手段6(搬送部材6)により最上の空袋2を正常に吸着することが可能になる。
【0055】
さらにまた、本実施形態に係る空袋供給装置1では、スライド保持台8の保持台71の吸着面73は、回動部材7が所定角度α回動した後の受け台59の吸着面69と対向するように鉛直面に対して傾斜角度βにて傾斜している。これにより、回動部材7が所定角度α回動した後、空袋2を回動部材7の受け台59の吸着面69から容易にスライド保持台8の保持台71の吸着面73に移送することができる。
【0056】
さらにまた、本実施形態に係る空袋供給装置1は、スライド保持台8の保持台71の吸着面73上の空袋2の開口端部を開口させるべく、該開口端部付近を吸着可能であり、スライド保持台8の保持台71上の空袋2に向かって進退自在に構成される袋開き部材83が備えられている。これにより、スライド保持台8の保持台71の吸着面73上の空袋2の開口端部を容易に大きく開口させることができ、包装装置110からの被包装物を、スムーズに空袋2の開口端部からその内部に挿入することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 空袋供給装置,2 空袋,2A 密封チャック部,5 支持体,6 搬送手段,7 回動部材,8 スライド保持台,13 支持部,14 支持面,17A、17B 支持溝部,42 搬送部材,59 受け台,65 電動モータ,66 回転軸,69 吸着面,71 保持台,73 吸着面,83 袋開き部材,85 吸着面,100 シール装置,101 シール加圧部