(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-30
(45)【発行日】2023-06-07
(54)【発明の名称】電子装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/042 20060101AFI20230531BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
G06F3/042 472
G06F3/041 660
(21)【出願番号】P 2023504514
(86)(22)【出願日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 JP2022019487
【審査請求日】2023-01-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514015019
【氏名又は名称】エレファンテック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】312003595
【氏名又は名称】タカハタプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162341
【氏名又は名称】瀬崎 幸典
(72)【発明者】
【氏名】中島 崇
(72)【発明者】
【氏名】北山 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 稔
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 達也
(72)【発明者】
【氏名】横山 英明
(72)【発明者】
【氏名】老田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】藤巻 清
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-219946(JP,A)
【文献】特表2021-504786(JP,A)
【文献】特開2021-106199(JP,A)
【文献】特開平06-029015(JP,A)
【文献】特開2021-067816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/042
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形可能な基材の一面に配置された第1導電性パターンと電気的に接合され光を出射する発光素子と、折り返された前記基材の一面に配置された第2導電性パターンと電気的に接合されたセンサと、前記第1導電性パターン及び前記第2導電性パターンと電気的に接合され外部に設けられた外部素子と電気的に接続するための外部接続端子と、前記第1導電性パターンが配置された前記基材の一面と前記第2導電性パターンが配置され折り返された前記基材の一面とを互いに離隔させて固定する光透過性の樹脂層と、前記発光素子を四方から離隔して囲い前記光の漏れを規制する壁面を有し、前記発光素子からの前記光を前記センサに向かってガイドする光ガイド体と、を備えた電子装置の製造方法であって、
前記基材を準備する工程と、
前記基材上に前記第1導電性パターン、前記第2導電性パターン及び前記センサを配置する工程と、
前記基材に貫通孔を形成する工程と、
前記第1導電性パターンと前記発光素子とを接合手段で電気的に接合する工程と、
前記貫通孔が形成された前記基材を型に載置して前記基材に折り返し形状への賦形を施す工程と、
前記賦形が施された前記基材を金型に載置して前記樹脂層を成形する工程と、
前記樹脂層に前記光ガイド体を配置する工程と、
を含む、
ことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項2】
前記基材の前記センサが配置された領域は、前記発光素子が配置された領域の一端側を起点として折り返され、一対の前記発光素子と前記センサが対向して向かい合っている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置
の製造方法。
【請求項3】
前記第2導電性パターンは、前記基材が折り返される領域では前記基材が厚み方向に変形した場合に伸び率が小さくなるようにミアンダ形状で形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置
の製造方法。
【請求項4】
前記第2導電性パターンが、Cu、Ni、Ag、Auの中から選択される少なくとも1種の金属よりなる金属めっき層であるか、PEDOT/PSS、CNT、グラフェン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリ硫黄窒化物のうち少なくともいずれか一つを含む有機電極パターンである、
ことを特徴とする請求項
3に記載の電子装置
の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回路パターンおよび接点が形成されたフィルム基板を折り返し、その間に上記接点に対応する部分が打ち抜かれたスペーサーを介してスイッチを形成したフレキシブル回路基板において、上記フィルム基板を難燃性の樹脂フィルムで形成し、このフィルム基板上に導電性の回路パターンと複数の電極および接点を形成し、この回路パターンと電極および接点を導電性の保護被膜で覆うとともに、この電極間に上記保護被膜を形成した導電塗料によって、独立した複数の抵抗体を互いに平行に設け、この各抵抗体にはレーザー光線による抵抗値のトリミングが施されており、トリミングされた抵抗体および上記回路パターンが形成されたフィルム基板の約半分に粘着層を介してフレキシブルフィルムを積層し、上記フィルム基板の残りの半分は粘着層を介して上記フレキシブルフィルムの他方の面に折り返して接着されているフレキシブル回路基板が知られている(特許文献1)。
【0003】
照光表示可能な表示箇所を有して筐体の一部を構成する照光表示パネルであって、表示箇所を除いて存在する第1成形部と、第1成形部の背面側に配置され、第1成形部の存在しない部分に第1成形部と嵌合された凸部を有する第2成形部とを有し、第2成形部が表示箇所に導く光を透過する光透過樹脂からなり、第1成形部が第2成形部よりも光の透過率が低い不透明樹脂からなる樹脂パネルと、樹脂パネルの背面側に配置され、表示箇所に導く光の光源と、光源を実装したフィルム基板とを有する光源実装基板とを備え、光源実装基板の少なくとも光源が、第2成形部で封止されている、照光表示パネルも知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-29015号公報
【文献】特開2021-67816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、センサ領域と発光領域の固定を一回の成形で行うことができる電子装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子装置の製造方法において、
前記基材の前記センサが配置された領域は、前記発光素子が配置された領域の一端側を起点として折り返され、一対の前記発光素子と前記センサが対向して向かい合っている、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の電子装置の製造方法において、
前記第2導電性パターンは、前記基材が折り返される領域では前記基材が厚み方向に変形した場合に伸び率が小さくなるようにミアンダ形状で形成されている、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の電子装置の製造方法において、
前記第2導電性パターンが、Cu、Ni、Ag、Auの中から選択される少なくとも1種の金属よりなる金属めっき層であるか、PEDOT/PSS、CNT、グラフェン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリ硫黄窒化物のうち少なくともいずれか一つを含む有機電極パターンである、
ことを特徴とする。
【0015】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の電子装置の製造方法は、
変形可能な基材の一面に配置された第1導電性パターンと電気的に接合され光を出射する発光素子と、折り返された前記基材の一面に配置された第2導電性パターンと電気的に接合されたセンサと、前記第1導電性パターン及び前記第2導電性パターンと電気的に接合され外部に設けられた外部素子と電気的に接続するための外部接続端子と、前記第1導電性パターンが配置された前記基材の一面と前記第2導電性パターンが配置され折り返された前記基材の一面とを互いに離隔させて固定する光透過性の樹脂層と、前記発光素子を離隔して囲い前記光の漏れを規制する壁面を有し、前記発光素子からの光を前記センサに向かってガイドする光ガイド体と、を備えた電子装置の製造方法であって、
前記基材を準備する工程と、
前記基材上に前記第1導電性パターン、前記第2導電性パターン及び前記センサを配置する工程と、
前記基材に貫通孔を形成する工程と、
前記第1導電性パターンと前記発光素子とを接合手段で電気的に接合する工程と、
前記貫通孔が形成された前記基材を型に載置して前記基材に折り返し形状への賦形を施す工程と、
前記賦形が施された前記基材を金型に載置して前記樹脂層を成形する工程と、
前記樹脂層に前記光ガイド体を配置する工程と、
を含む、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、センサ領域と発光領域の固定を一回の成形で行うことができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、変形可能な基材を折り返すことでセンサ領域と発光領域を一体成形することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、導電性パターンの曲げ変形に伴う断線を抑制することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、導電性パターンの曲げ変形に伴う断線を抑制して3次元形状の電子装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1Aは本実施形態に係る電子装置の一例をセンサ及び表示体を省略して示す平面模式図、
図1Bは本実施形態に係る電子装置の一例を示す断面模式図である。
【
図2】
図2Aは回路が形成された基材を示す平面模式図、
図2Bは回路が形成された基材を示す断面模式図である。
【
図3】、
図3Aは電子装置における光ガイド体を説明する部分平面模式図、
図3Bは電子装置における光ガイド体を説明する部分断面模式図である。
【
図4】
図4Aは電子装置における変形例1に係る光ガイド体を説明する部分平面模式図、
図4Bは電子装置における変形例1に係る光ガイド体を説明する部分断面模式図である。
【
図5】
図5Aは電子装置における変形例2に係る光ガイド体を説明する部分平面模式図、
図5Bは電子装置における変形例2に係る光ガイド体を説明する部分断面模式図である。
【
図6】電子装置の製造方法の概略の手順の一例を示すフローチャート図である。
【
図7】電子装置の製造過程を説明するための部分断面模式図である。
【
図8】電子装置の製造過程における賦形工程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に図面を参照しながら、本発明の実施形態の具体例を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【0028】
(1)電子装置の全体構成
図1Aは本実施形態に係る電子装置1の一例をセンサ5及び表示体9を省略して示す平面模式図、
図1Bは本実施形態に係る電子装置1の一例を示す断面模式図、
図2Aは回路が形成された基材2を示す平面模式図、
図2Bは回路が形成された基材2を示す断面模式図、
図3Aは電子装置1における光ガイド体8を説明する部分平面模式図、
図3Bは電子装置1における光ガイド体8を説明する部分断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る電子装置1の構成について説明する。
【0029】
電子装置1は、
図1に示すように、変形可能な基材2の一面2aに配置された第1導電性パターン3Aと電気的に接合され光を出射する発光素子4と、折り返された基材2の一面2aに配置された第2導電性パターン3Bと電気的に接合されたセンサ5と、外部素子と電気的に接続するための外部接続端子6と、第1導電性パターン3Aが配置された基材2の一面2aと第2導電性パターン3Bが配置され折り返された基材2の一面2aとを互いに離隔させて固定する樹脂層7と、発光素子4からの光をセンサ5に向かってガイドする光ガイド体8と、を備えて構成されている。
【0030】
(基材)
本実施形態において使用する変形可能な基材2は特にフィルム状の基材に限らないが、以下、フィルム状の基材として説明する。ここで、「変形可能な基材」は、第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bを配置後に変形できる、すなわち、熱成形、真空成形または圧空成形によって実質的に平坦な二次元形状から実質的に3次元形状に形成されることができる基材を意味する。
【0031】
このような基材2の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ナイロン6-10、ナイロン46などのポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ABS、PMMA、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。
特にポリエステルがより好ましく、さらにその中でもポリエチレンテレフタレート(PET)が経済性、電気絶縁性、耐薬品性等のバランスが良く最も好ましい。
【0032】
基材2の一面2aには、金属ナノ粒子等の触媒インクを均一に塗布するために、表面処理を施すことが好ましい。表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、溶剤処理、プライマー処理を用いることができる。
【0033】
また、基材2には、厚み方向に貫通する貫通孔2cが形成されている。貫通孔2cは、樹脂層7に後述する光ガイド体8を挿入する空間部71を形成するための孔であり、樹脂層7を形成する際に空間部71を形成する金型ピンが挿通される(
図7E 参照)。貫通孔2cは、形成される光ガイド体8の形状及び大きさに合わせて、その形状、大きさ、数が適宜設定される。
【0034】
このような変形可能な熱可塑性樹脂からなるフィルム状の基材2は、熱成形、真空成形または圧空成形によって180度曲げて折り返した状態で、実質的に平坦な二次元形状から実質的に3次元形状に賦形されるが、発光素子4及びセンサ5が配置される領域は、平面又は可展面となっている。
【0035】
(導電性パターン)
基材2の一面2aに第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bを配置する場合、さきに、金属めっき成長のきっかけとなる金属ナノ粒子等の触媒からなる下地層(不図示)を所定のパターン状に形成する。ここで、所定のパターン状としては、ミアンダ形状を含んでいる。下地層は、基材21上に金属ナノ粒子等の触媒インクを塗布したあと、乾燥および焼成を行うことにより形成する。
【0036】
下地層の厚み(μm)は、0.1~20μmが好ましく、0.2~5μmがさらに好ましく、0.5~2μmが最も好ましい。下地層が薄すぎると、下地層の強度が低下するおそれがある。また、下地層が厚すぎると、金属ナノ粒子は通常の金属よりも高価であるため、製造コストが増大する虞がある。
【0037】
触媒の材料としては、金、銀、銅、パラジウム、ニッケルなどが用いられ、導電性の観点から金、銀、銅が好ましく、金、銀に比べて安価な銅が最も好ましい。
【0038】
触媒の粒子径(nm)は1~500nmが好ましく、10~100nmがより好ましい。粒子径が小さすぎる場合、粒子の反応性が高くなりインクの保存性・安定性に悪影響を与える虞がある。粒子径が大きすぎる場合、薄膜の均一形成が困難になるとともに、インクの粒子の沈殿が起こりやすくなる虞がある。
【0039】
第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bは、下地層の上に電解めっきまたは無電解めっきにより形成される。めっき金属としては、銅、ニッケル、錫、銀、金などを用いることができるが、伸長性、導電性および価格の観点から銅を用いることが最も好ましい。
【0040】
めっき層の厚さ(μm)は、0.03~100μmが好ましく、1~35μmがより好ましく、3~18μmが最も好ましい。めっき層が薄すぎると、機械的強度が不足するとともに、導電性が実用上十分に得られない虞がある。めっき層が厚すぎると、めっきに必要な時間が長くなり、製造コストが増大する虞がある。
【0041】
第2導電性パターン3Bは、特に樹脂層7の厚みが薄く、基材2が折り返される領域では基材2が厚み方向に変形した場合に伸び率が大きくなる場合には、ミアンダ形状で形成してもよい(不図示)。ミアンダ形状の導電性パターンは、直線形状の導電性パターン3Bの延びる方向と交差する方向に蛇行を繰り返すように形成され、配線長が長くなっている。ミアンダ形状の導電性パターンは、直線形状に比べて配線長が長くなることで、基材2が折り返されて厚み方向に変形を受けた場合に、導電性パターンが伸びやすく第2導電性パターン3Bの断線を抑制することができる。
【0042】
また、第2導電性パターン3Bは、後述するコネクタ接続パッド3bを除いて、有機導電性材料をインキ状、ペースト状にしたものをスクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット法等で塗布し、焼成することにより形成してもよい。有機導電性材料としては、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)/PSS、カーボン、ポリアセチレン、ポリチオフェン(PT)、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリ硫黄窒化物等が挙げられる。
【0043】
第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bには、一端に複数のコネクタ接続パッド3a、3bが形成され、
図2に示すように、電子装置1の外部に設けられた外部素子と電気的に接続するための外部接続端子6が電気的に接合されている。
外部接続端子6は、例えば、コネクタ端子となる端子部6aと、アンカー部6bとからなり、アンカー部6bが接合材でコネクタ接続パッド3a、3bに電気的に接合される。端子部6aおよびアンカー部6bは、銅の合金などを用いて四角柱形状に形成され、表面にニッケルメッキを施し、そのニッケルメッキの上に、金、錫などの金属やそれら金属を含む合金などのメッキが施されても良い。外部接続端子6のピッチは、接続先のコネクタの規格に応じている。
【0044】
(発光素子)
発光素子4は、例えば、LED等の半導体発光素子である。
発光素子4はレンズ(不図示)を備えていることが好ましい。そのようなLEDとしては、例えば、日亜化学工業社、クリー(Cree)社、オスラム(Osram)社、豊田合成社等各社の製品などの市販の半導体発光素子を用いることができる。これらの半導体発光素子は、形態、サイズ及び取り付け方法がそれぞれ異なるが、基材2上に形成された第1導電性パターン3Aの一端に接合材により電気的に接合され、第1導電性パターン3Aに電気的に接合された外部接続端子6を介して外部から給電されて発光する。
【0045】
(センサ)
センサ5はタッチセンサであり、第2導電性パターン3Bと電気的に接続された透明電極として形成されている。透明電極は導電性及び透明性を有する材料を含む。ここで、導電性及び透明性を有する材料としては、ITO(酸化インジウム錫、Indium Tin Oxide)、IZO(酸化インジウム亜鉛、Indium Zinc Oxide)、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)/PSS、CNT(カーボン)のうち少なくとも1つからなることが好ましく、特にITO、IZOは、透明電極を構成する材料として広く用いられている。
センサ5は、ITO、IZO、PEDOT/PSS、CNT等のいずれかで構成される導電性パターンであってもよい。導電性パターンの形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、スクエア状、格子状などが挙げられる。
【0046】
また、第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bは、
図1、
図2においては、外部接続端子6と発光素子4及びセンサ5とを電気的に接続する例を示しているが、第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bには、発光素子4及びセンサ5以外に複数の電子部品が取り付けられてもよい。電子部品としては、制御回路、マイクおよびスピーカーなどの発音または受音、メモリチップ、プログラマブルロジックチップおよびCPUなどのデバイス操作部品、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ALSデバイス、PSデバイス、処理デバイス、MEMS等が挙げられる。
【0047】
(樹脂層)
樹脂層7は、
図1Bに示すように、第1導電性パターン3Aが配置された基材2の一面2aと第2導電性パターン3Bが配置され折り返された基材2の一面2aとを互いに離隔させて固定するように接着層ADを介して形成されている。接着層ADは、接着層を形成後に光学的に無色透明であることが好ましい。
樹脂層7には、
図3に示すように、発光素子4が実装された基材2を貫通してセンサ5が配置されて折り返された基材2に向かって延びる空間部71が形成されている。空間部71には、発光素子4からの光をセンサ5に向かってガイドする光ガイド体8が挿入される。
【0048】
樹脂層7は、透光性の熱可塑性樹脂材料からなる熱可塑性樹脂である。具体的には、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド(PA)、アクリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、変性ポリフェニレンオキサイト(m-PPO)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)が挙げられるが、これらに限定されることはなく、導光材料として一般的に使用される材料で形成することができる。
【0049】
(光ガイド体)
光ガイド体8は、
図3に示すように、基材2の発光素子4が実装された一面2aとは反対側の他面2b側から樹脂層7に形成された空間部71に挿入されてセンサ5に向かって突出し、発光素子4から出射する光を外部に向かってガイドするようになっている。具体的には、空間部71に挿入された光ガイド体8は、発光素子4を四方から離隔して囲い、発光素子4から出射する光の漏れを規制する壁面8aがセンサ5に向かって突出するように延びる板状体として形成されている。
【0050】
このように、光ガイド体8は透光性の材料で形成された樹脂層7の空間部71に挿入されて、発光素子4から出射する光の漏れを規制することから、光を不透光にするように遮光性材料で形成されるのが好ましい。具本的には黒色とすることで、光ガイド体8へ伝播した光の漏れを抑制するとともに、発光素子4から出射した光をセンサ5に向かってガイドすることができる。これにより、後述する表示体9の透光部9aを内面から照射して発光領域と消灯領域の区別を明確にすることが可能となる。
【0051】
「変形例1」
図4Aは電子装置1における変形例1に係る光ガイド体8Aを説明する部分平面模式図、
図4Bは電子装置1における変形例1に係る光ガイド体8Aを説明する部分断面模式図である。
変形例に係る光ガイド体8Aは、基材2の発光素子4が実装された一面2aとは反対側の他面2b側から樹脂層7に形成された空間部71を埋める充填体であってもよい。
具体的には、遮光材料としての黒色顔料又は染料を含む硬化性樹脂材料をポッティング(樹脂盛り)して、空間部71を埋める光ガイド体8Aを形成する。
【0052】
ポッティングで形成された未硬化の光ガイド体8Aを硬化させる方法としては、硬化性樹脂材料を硬化させることができれば、特に制限されず、使用する樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。本実施形態においては、硬化性樹脂材料として、硬化のための加熱を必要としない二液硬化性樹脂材料、光硬化性樹脂材料、又は湿気硬化性樹脂材料を用いることで、樹脂層7が溶融したり変形することを抑制することが可能となる。
光ガイド体8Aは光の漏れを抑制するとともに、発光素子4から出射した光をセンサ5に向かってガイドすることができる。これにより、後述する表示体9の透光部9aを内面から照射して発光領域と消灯領域の区別を明確にすることが可能となる。
【0053】
「変形例2」
図5Aは電子装置1における変形例2に係る光ガイド体8Bを説明する部分平面模式図、
図5Bは電子装置1における変形例2に係る光ガイド体8Bを説明する部分断面模式図である。
変形例に係る光ガイド体8Bは、基材2の発光素子4が実装された一面2aとは反対側の他面2b側から樹脂層7に形成された空間部71の壁面71aに印刷または貼り合わせ、または塗布された不透光材である。
具体的には、不透光材料としての黒色顔料又は染料を含む塗料、あるいは、光を透過させずに反射する白色顔料又は染料を含む塗料を壁面71aに塗布して空間部71の壁面71aに光ガイド体8Bを形成する。また、不透光材料で形成された樹脂材を貼り付けてもよい。
【0054】
発光素子4から出射した光の一部は空間部71の壁面71aに形成された光ガイド体8Bにより複数回反射され、反射される度に一部の光が吸収されるので、光の漏れを抑制するとともに発光素子4から出射した光をセンサ5に向かってガイドすることができる。これにより、後述する表示体9の透光部9aを内面から照射して発光領域と消灯領域の区別を明確にすることが可能となる。
【0055】
(表示体)
センサ5の表面には光を透光する透光部9aを有する表示体9が貼り付けられてもよい。表示体9としては、フィルム基材の全体を不透光に着色して外部への光の拡散を抑制するとともに、一部に例えば細孔が形成された透光部9aを設け、光ガイド体8によってガイドされる光の一部を透過させる加飾フィルムが挙げられる。
また、表示体9としては、光を透光する透光部9aを有する樹脂成形体が貼り付けられてもよい。
【0056】
このように、発光素子4が配置された基材2の一面2aとセンサ5が配置され折り返された基材2の一面2a面とを互いに離隔させて固定する光透過性の樹脂層7を形成することで、センサ領域と発光領域の固定を一回の成形で行うことができる。また、樹脂層7内に空間部71を形成し、空間部71内に発光素子4からの光をセンサ5に向かってガイドする光ガイド体8を配置することで発光素子4から出射する光の漏れを抑制して発光領域と消灯領域の区別を明確にすることが可能となる。
【0057】
(2)電子装置の製造方法
図6は電子装置1の製造方法の概略の手順の一例を示すフローチャート図、
図7は電子装置1の製造過程を説明するための部分断面模式図、
図8は電子装置1の製造過程における賦形工程S15を説明する図である。以下、図面を参照しながら、電子装置1の製造方法について説明する。
【0058】
電子装置1は、
図6に示すように、基材2の準備工程S11と、基材2上に第1導電性パターン3A、第2導電性パターン3B及びセンサ5を配置する回路形成工程S12と、基材2に貫通孔2cを形成する貫通孔形成工程S13と、回路に発光素子4と外部接続端子6を電気的に接合する接合工程S14と、回路に発光素子4及び外部接続端子6が電気的に接合され貫通孔2cが形成された基材2を型に載置して基材2に3次元形状への賦形を施す賦形工程S15、基材2を金型Kに位置決めして樹脂層7を形成する樹脂充填工程S16と、樹脂層7に光ガイド体8を配置する光ガイド体配置工程S17と、を経て製造される。
【0059】
(基材の準備工程S11)
基材の準備工程S11においては、まず、所定の形状及び大きさに形成された実質的に平坦なフィルム状の基材2に第1導電性パターン3A、第2導電性パターン3B及びセンサ5の一例としての透明電極を配置するために、基材2上に金属ナノ粒子等の触媒粒子からなる下地層を所定のパターン状に形成する。また、基材2には、金属ナノ粒子等の触媒粒子からなる触媒インクを均一に塗布するために、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、溶剤処理、プライマー処理等の表面処理を施すことが好ましい。
【0060】
基材2上に金属ナノ粒子等の触媒粒子からなる触媒インクを塗布する方法としては、インクジェット印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、フレキソ印刷方式、ローラーコーター方式、刷毛塗り方式、スプレー方式、ナイフジェットコーター方式、パッド印刷方式、グラビアオフセット印刷方式、ダイコーター方式、バーコーター方式、スピンコーター方式、コンマコーター方式、含浸コーター方式、ディスペンサー方式、メタルマスク方式が挙げられるが、本実施形態においてはインクジェット印刷方式を用いている。
【0061】
具体的には、1000cps以下、例えば、2cpsから30cpsの低粘度の触媒インクをインクジェット印刷方式で塗布した後、溶媒を除去し(乾燥)、金属ナノ粒子を焼結させる(焼成)。焼成温度は、100°C~300°Cが好ましく、150°C~200°Cがより好ましい。焼成温度が低すぎると、金属ナノ粒子同士の焼結が不十分となるとともに、金属ナノ粒子以外の成分が残ることで、密着性が得られない虞がある。また、焼成温度が高すぎると、基材2の劣化や歪みが発生する虞がある。
【0062】
(回路形成工程S12)
基材2上に形成された下地層に対し、銅、ニッケル、錫、銀、金などを用いて電解めっきまたは無電解めっきを行うことにより、下地層の表面および内部にめっき金属を析出させ第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bを配置する(
図7A 参照)。めっき方法は公知のめっき液およびめっき処理と同様であり、具体的に無電解銅めっき、電解銅めっきが挙げられる。
また、第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bは、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)/PSS、カーボン、ポリアセチレン、ポリチオフェン(PT)、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリ硫黄窒化物等の有機導電性材料をインキ状、ペースト状にしたものをスクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット法等で塗布し、焼成することにより形成してもよい。
【0063】
基材2上に配置された第2導電性パターン3Bの先端部にセンサ5としての透明電極を形成する。基材2上に透明電極を配置するために、基材2上にコロナ処理、プラズマ処理、溶剤処理、プライマー処理等の表面処理を施すことが好ましい。表面処理を施された基材2上に電極材料となるITOまたはIZOを含む電極材料インクを塗布する。電極材料インクを塗布する方法としては、シルクスクリーン印刷方式、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、フレキソ印刷方式、インクジェット印刷方式、ローラーコーター方式、刷毛塗り方式、スプレー方式、ナイフジェットコーター方式、パッド印刷方式、グラビアオフセット印刷方式、ダイコーター方式、バーコーター方式、スピンコーター方式、コンマコーター方式、含浸コーター方式、ディスペンサー方式、メタルマスク方式が挙げられるが、本実施形態においてはシルクスクリーン印刷方式を用いている。
【0064】
(貫通孔形成工程S13)
貫通孔形成工程S13においては、第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bが配置された基材2に、基材2の厚み方向に貫通する貫通孔2cを形成する(
図7B 参照)。貫通孔2cは、樹脂層7に光ガイド体8を配置する空間部71を形成するための孔であり、発光素子4を四方から離隔して囲むように、配置される光ガイド体8の形状及び大きさに合わせて、その形状、大きさ、数が適宜設定される。本実施形態においては、1つの発光素子4に対して四方から離隔して囲むように発光素子4の近傍に4か所形成される。また、外部接続端子6を固定するように外部接続端子6が実装される領域の近傍に2か所形成される。
【0065】
(接合工程S14)
発光素子4及び外部接続端子6の接合工程S14においては、基材2上に配置された第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3B上に発光素子4及び外部接続端子6をはんだで接合するために、まず、基材2の一面2a側にソルダーレジストを例えばスクリーン印刷によって塗布する。
次に、第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3B、発光素子4の端子部及び外部接続端子6のアンカー部6bにはんだペーストを塗布する。はんだペーストの塗布は、ステンシル印刷装置、スクリーン印刷装置、ディスペンサー装置等の公知の装置を用いて行うことができる。本実施形態においては、ディスペンサー装置を用いてはんだペーストを塗布する。
【0066】
そして、はんだペーストを塗布後、はんだを溶融、固化させて、第1導電性パターン3A上にはんだを介して発光素子4を電気的に接合する(
図7C 参照)。また、第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bの端部に外部接続端子6を電気的に接合する(
図7C 参照)
【0067】
はんだ付けは、レーザーはんだ付けや光焼成はんだ付けを用いてもよい。レーザーはんだ付けは、はんだ付け装置のはんだ付けヘッドからレーザー光を照射し、回路の微細な部位に発光素子4を短時間で実装することができるという利点がある。また、電気的接合を行いたい部分に選択的にレーザー光を照射することができるため、フロー式やリフロー式と比較して、発光素子4全体に熱を加えずに接合を行うことが可能となる。また、はんだ付けに代えて、応力を緩和しやすい導電性フィラーを含有する樹脂からなる導電性接着剤を用いて電気的に接合してもよい。
特に、第1導電性パターン3Aと発光素子4との接合には導電性接着剤を用いて、第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bの端部と外部接続端子6のアンカー部6bとの接合にははんだ付けを用いるように使い分けをしてもよい。
【0068】
【0069】
(賦形工程S15)
賦形工程S15においては、第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bに発光素子4及び外部接続端子6が接合され貫通孔2cが形成された基材2を、熱プレス成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形手段により、第2導電性パターン3B及びセンサ5が配置された領域を180度曲げて折り返し3次元形状に賦形する(
図7D 参照)。
図8に示すように、賦形に用いられる型は、賦形が施された基材2の互いに向かい合う一面2a同士が後述する樹脂充填工程S16における成形に用いられる金型KのキャビティCAの形状に沿うように形成されている。
【0070】
はじめに、
図8Aに示すように、基材2を受け台11と雄型12との間に載置する。このとき、受け台11と雄型12とは基材2を軟化させることができる所定の温度に加熱されている。そして、
図8Bに示すように、基材2の第2導電性パターン3B及びセンサ5が配置された領域を180度曲げて雌型13を所定の圧力で型締めすると、基材2は雄型12のコア部12aと雌型13のキャビティ部13a(不図示)との間に挟まれて賦形される。
【0071】
そして、雌型13を型開きして冷却する。これにより、第2導電性パターン3B及びセンサ5が配置された基材2の一面2aと発光素子4が接合された第1導電性パターン3Aが配置された基材2の一面2aとが互いに離隔して向かい合うように賦形された基材2が得られる。そして、雌型13及び雄型12から基材2を取り出し、不要部分をトリミングすることにより、樹脂層7が形成される前の基材2が得られる。
【0072】
(樹脂充填工程S16)
樹脂充填工程S16では、まず、賦形工程S15で3次元形状に賦形が施された基材2の第1導電性パターン3A及び第2導電性パターン3Bが配置された一面2aにバインダーインクを塗布して接着層ADを形成する。バインダーインクは、接着性樹脂を含み、基材2と成形される樹脂層7との接着性を向上させる。
【0073】
次に、接着層ADが形成された基材2を金型Kに位置決めしてセットした状態(
図7E 参照)で金型Kを閉じて樹脂をキャビティCAに充填する。樹脂の充填は、射出成形でなされるが、基材2に接合された発光素子4及び基材2に形成されたセンサ5に対する樹脂圧力を低減するためにキャビティCAを圧縮しながら溶融樹脂を充填する低圧成形によってもよい。
キャビティCAに充填された樹脂により、第1導電性パターン3Aが配置された基材2の一面2aと第2導電性パターン3Bが配置され折り返された基材2の一面2aとを互いに離隔させて固定する樹脂層7が形成される。また、同時に、樹脂層7には、空間部71が形成される。
【0074】
(光ガイド体配置工程S17)
光ガイド体配置工程S17では、まず、樹脂層7に形成された空間部71に挿入する光ガイド体8を準備する。光ガイド体8は、発光素子4を四方から離隔して囲い、発光素子4から出射する光の漏れを規制する壁面8aがセンサ5に向かって突出するように延びる板状体として不透光材料を含む熱可塑性樹脂材料を用いて射出成形によって形成される。
【0075】
このように形成された光ガイド体8を基材2に形成された貫通孔2cから空間部71内に挿入して接着することで、発光素子4が配置された基材2の一面2aとセンサ5が配置された基材2の一面2aとを互いに離隔させて固定する樹脂層7に、発光素子4からの光をセンサ5に向かってガイドする光ガイド体8が配置される。そして、センサ5が配置された基材2の表面に表示体9を貼付して電子装置1を得る(
図7F 参照)。
【0076】
光ガイド体配置工程S17においては、樹脂層7に形成された空間部71に黒色顔料又は染料を含む硬化性樹脂材料をポッティング(樹脂盛り)して、空間部71を埋める光ガイド体8Aを配置してもよい。
また、黒色顔料又は染料を含む塗料、あるいは、光を透過させずに反射する白色顔料又は染料を含む塗料を空間部71の壁面71aに塗布して空間部71に光ガイド体8Bを配置してもよい。
【0077】
本実施形態に係る電子装置1の製造方法によれば、発光素子4が配置された基材2の一面2aとセンサ5が配置され折り返された基材2の一面2a面とを互いに離隔させて固定する光透過性の樹脂層7を形成することで、センサ領域と発光領域の固定を一回の成形で行い、電子装置1を製造する工程を少なくすることが可能となっている。また、折り返した基材2を互いに離隔させて樹脂層7を形成することで、基材2と樹脂層7の材料としての収縮率に差が有った場合であっても、樹脂層7の両面で一つの繋がった基材2が引っ張り合い、樹脂層7の反り及び変形が抑制される。
【符号の説明】
【0078】
1・・・電子装置
2・・・基材
3A・・・第1導電性パターン、3B・・・第2導電性パターン
4・・・発光素子
5・・・センサ
6・・・外部接続端子
7・・・樹脂層、71・・・空間部、71a・・・壁部
8、8A、8B・・・光ガイド体
9・・・表示体、9a・・・透光部
【要約】
センサ領域と発光領域の固定を一回の成形で行うことができる電子装置及びその製造方法を提供する。
変形可能な基材の一面に配置された第1導電性パターンと電気的に接合され光を出射する発光素子と、折り返された基材の一面に配置された第2導電性パターンと電気的に接合されたセンサと、第1導電性パターン及び第2導電性パターンと電気的に接合され外部に設けられた外部素子と電気的に接続するための外部接続端子と、第1導電性パターンが配置された基材の一面と第2導電性パターンが配置され折り返された基材の一面とを互いに離隔させて固定する光透過性の樹脂層と、発光素子を離隔して囲い光の漏れを規制する壁面を有し、発光素子からの光をセンサに向かってガイドする光ガイド体と、を備えた表示装置。