(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-30
(45)【発行日】2023-06-07
(54)【発明の名称】電力配分方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 52/30 20090101AFI20230531BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20230531BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20230531BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20230531BHJP
【FI】
H04W52/30
H04L27/26 100
H04L27/26 110
H04L27/26 420
H04W72/0453
H04W72/0457 110
(21)【出願番号】P 2019569776
(86)(22)【出願日】2018-06-15
(86)【国際出願番号】 CN2018091655
(87)【国際公開番号】W WO2018228564
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2020-05-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-19
(31)【優先権主張番号】201710459676.0
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スー,ハンチン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,ヤジュン
(72)【発明者】
【氏名】リ,シンカイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,リン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジュアン
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】石田 紀之
【審判官】齋藤 哲
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/114889(WO,A1)
【文献】LG Electronics,Discussion on power sharing for LTE-NR DC,3GPP TSG RAN WG1 Meeting#89 R1-1707683,[online],2017年05月06日アップロード,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1707683.zip>
【文献】NTT DOCOMO,Power-control mechanisms for dual connectivity,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #77 R1-142264,[online],2014年05月10日アップロード,インターネット<URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_77/Docs/R1-142264.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24- 7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信方法であって、
デュアルコネクティビティをサポートするユーザ機器(UE)により、マスタセルグループ及び第2のセルグループで通信するデュアルコネクティビティにおいて動作するUEの全体の送信電力を決定するステップであって、前記全体の送信電力は、前記マスタセルグループのための第1の搬送波における第1の送信電力と、前記第2のセルグループのための第2の搬送波における第2の送信電力を含
み、前記UEは、
前記第1の搬送波のトラフィックのための第1の搬送波最大送信電力と、前記第2の搬送波のトラフィックのための第2の搬送波最大送信電力とを含み、前記第2の搬送波最大送信電力は、前記第1の搬送波最大送信電力とは独立しており、前記第1の送信電力は、前記第1の搬送波最大送信電力以下であるステップと、
前記UEにより、前記第1の搬送波における前記第1の送信電力に従って、第1のサブフレームを使用して前記第1の搬送波により第1のアップリンクトラフィックを送信し、 第2の送信電力に従って、第1のスロットを使用して、第2のセルグループのための第2の搬送波により第2のアップリンクトラフィックを送信するステップと
を備え、
前記第2の搬送波における第2の送信電力は、前記第1の送信電力と第1の値の合計が前記UEのための最大送信電力値を超えるか否かによって設定されるスケーリングファクタに従って、前記第1の値から選択的に減少し、
前記第1の値は、前記第2の搬送波最大送信電力の値以下である、無線通信方法。
【請求項2】
前記第1のサブフレームを使用して前記第1のアップリンクトラフィックを送信し、
前記第1のスロットを使用して第2のアップリンクトラフィックを同時に送信する
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の搬送波が第1の無線アクセス技術(RAT)の搬送波であり、
前記第2の搬送波が第2のRATの搬送波である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のアップリンクトラフィックが、ロングタームエボリューション(LTE)アップリンクトラフィックを含み、
前記第2のアップリンクトラフィックが、新たな無線(NR)アップリンクトラフィックを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のサブフレームは、前記第1の搬送波上でアップリンクトラフィックのみを送信するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記UEは、無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージを通じたサブフレームタイプにより構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
デュアルコネクティビティ(DC)をサポートする無線通信装置であって、
プロセッサと、
プロセッサで実行可能な命令を記憶するメモリと
を備え、
前記プロセッサによる実行時における、前記プロセッサで実行可能な命令は、前記プロセッサに、マスタセルグループ及び第2のセルグループで通信するデュアルコネクティビティにおいて動作するUEの全体の送信電力を決定させるステップであって、前記全体の送信電力は、前記マスタセルグループのための第1の搬送波における第1の送信電力と、前記第2のセルグループのための第2の搬送波における第2の送信電力を含
み、前記UEは、
前記第1の搬送波のトラフィックのための第1の搬送波最大送信電力と、前記第2の搬送波のトラフィックのための第2の搬送波最大送信電力とを含み、前記第2の搬送波最大送信電力は、前記第1の搬送波最大送信電力とは独立しており、前記第1の送信電力は、前記第1の搬送波最大送信電力以下であるステップを含み、
前記第1の送信電力に従って第1のサブフレームを使用して前記第1の搬送波上で第1のアップリンクトラフィックを送信させ、第2の送信電力に従って第1のスロットを使用して前記第2のセルグループのための前記第2の搬送波上で第2のアップリンクトラフィックを送信させるよう構成され、
前記第2の搬送波上の第2の送信電力は、
前記第1の送信電力と第1の値の合計が前記UEの最大送信値を超えない場合の前記第2の搬送波最大送信電力の値に基づく第1の値、又は
前記第1の送信電力と前記第1の値の合計が前記UEの最大送信電力の値を超える場合に、設定されたスケーリングファクタに従って前記第1の値を減らすことに基づいて決定される第2の値
のうちの1つである、無線通信装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、同時に、前記第1のサブフレームを使用して第1のアップリンクトラフィックを送信すると共に、前記第1のスロットを使用して前記第2のアップリンクトラフィックを送信する、請求項7に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記第1の搬送波は第1のRATの搬送波であり、前記第2の搬送波は第2のRATの搬送波である、請求項7に記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記第1のアップリンクトラフィックはロングタームエボリューション(LTE)アップリンクトラフィックを含み、前記第2のアップリンクトラフィックは、新たな無線(NR)アップリンクトラフィックを含む、請求項7に記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記第1のサブフレームは、前記第1の搬送波上でアップリンクトラフィックのみを送信するために使用される、請求項7に記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記装置は、無線リソース制御(RRC)シグナリングメッセージを通じたサブフレームタイプで構成される、請求項7に記載の無線通信装置。
【請求項13】
コンピュータによって読み取り可能なコードを格納し、前記コードは、プロセッサによって実行されたときに、プロセッサに請求項1~6のいずれかの方法を実行させる、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、例えば、電力配分方法及び装置など、通信技術の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
過去20年から30年の間に、モバイル通信は、音声トラフィックから高速ブロードバンドデータトラフィックへの急速な進歩を経験してきた。モバイルインターネット及びモノのインターネットなど新たなトラフィックのさらなる展開と共に、モバイルネットワークに対する新たな要求がさらに増大するであろう。ある様態では、モバイルネットワークのデータ量は、将来、爆発的に増加することが予想される。別の様態では、大量のデバイス接続と種々のトラフィック及びアプリケーションが将来のワイヤレス通信システムの鍵となる特徴の一つであり、人間中心の通信とマシン中心の通信とが、発展のために共存することになるだろう。将来におけるモバイル通信の種々のトラフィック及びアプリケーションに関する要件に基づき、ワイヤレス通信システムは、スループット、遅延、信頼性、リンク密度、コスト、電力消費、複雑性及びカバレッジの観点における要件を含め、種々の要件を満たさなければならない。第五世代の新しい無線アクセス(NR)技術の新世代モバイル通信システムが、生まれている。
【0003】
関連技術においては、第五世代NRノンスタンドアローン配置のシナリオのために、例えば、NRとロングタームエボリューション(LTE)とが、デュアルコネクティビティ(DC)の態様で配置されるのであるが、その場合、LTEが、マスタ基地局(第四世代モバイル通信技術におけるマスタ基地局(MeNB)又はマスタセルグループ(MCG))であり、NRが、セカンダリ基地局(第五世代モバイル通信技術におけるセカンダリ基地局(SgNB)又はセカンダリセルグループ(SCG))である。あるいは、NRがマスタ基地局であり、LTEがセカンダリ基地局である。ユーザ機器(UE)のアップリンク通信が最大送信電力(Pcmax)によって制限されるために、LTEとNRとのアップリンク電力をどのように割り当てるのか、という問題が存在する。
【0004】
第五世代NRスタンドアローン配置のシナリオのためには、NRとNRとのDC、NRとNRとの衝突回避(CA)なども、アップリンク電力をどのように割り当てるのか、という問題に直面する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の実施形態は、関連する技術では、一つのUEが複数の搬送波上に配置されるときには電力を割り当てることが不可能である、という問題を少なくとも解決するために、電力配分方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願のある実施形態によると、電力配分方法が提供され、この方法は、第1の搬送波上のユーザ機器(UE)の送信電力と、第2の搬送波上のUEの送信電力とを決定するステップと、第1の搬送波上の送信電力に従い、第1の搬送波上でUEによって送信された第1のアップリンクトラフィックを受信し、第2の搬送波上の送信電力に従い、第2の搬送波上でUEによって送信された第2のアップリンクトラフィックを受信するステップとを含む。
【0007】
本出願の別の実施形態によると、電力配分方法がさらに提供され、この方法は、基地局によって決定される、第1の搬送波上の送信電力と第2の搬送波上の送信電力とを受信するステップと、第1の搬送波上の送信電力に従い、第1の搬送波上で第1のアップリンクトラフィックを送信し、第2の搬送波上の送信電力に従い、第2の搬送波上で第2のアップリンクトラフィックを送信するステップとを含む。
【0008】
本出願の別の実施形態によると、電力配分装置が提供され、この装置は、第1の搬送波上のユーザ機器(UE)の送信電力と第2の搬送波上の送信電力とを決定するように構成された決定モジュールと、第1の搬送波上の送信電力に従い第1の搬送波上でUEによって送信されたアップリンクトラフィックを受信し、第2の搬送波上の送信電力に従い第2の搬送波上でUEによって送信されたアップリンクトラフィックを受信するように構成された受信モジュールとを備える。
【0009】
本出願の別の実施形態によると、電力配分装置が、さらに提供され、この装置は、電力受信モジュールと、送信モジュールとを備える。
【0010】
電力受信モジュールは、基地局によって決定される第1の搬送波上の送信電力と第2の搬送波上の送信電力とを受信するように構成される。
【0011】
送信モジュールは、第1の搬送波上の送信電力に従い、第1の搬送波上で第1のアップリンクトラフィックを送信し、第2の搬送波上の送信電力に従い、第2の搬送波上で第2のアップリンクトラフィックを送信するように構成される。
【0012】
本出願の別の実施形態によると、さらに、記憶媒体が提供される。この記憶媒体は、上述された実施形態の方法を実行するためのプログラムコードを記憶するように、構成されている。
【0013】
本出願の別の実施形態によると、さらに、プロセッサが提供される。このプロセッサは、動作されると上述された実施形態の方法を実行するプログラムを動作させるように、構成されている。
【0014】
UEが複数の搬送波上に配置されているときに電力を割り当てることができない、という問題は解決され、複数の搬送波を用いることによってUEがアップリンクトラフィックを送信するという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本出願のある実施形態による電力配分方法のフローチャートである。
【
図2】本出願のある実施形態による電力配分装置の構造ブロック図である。
【
図3】本出願のある実施形態によるNRアップリンク及びダウンリンク送信搬送波の周波数の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本出願が、図面を参照しながら、実施形態を通じて、詳細に説明される。矛盾が生じない限り、本明細書で説明される実施形態とその特徴とは、相互に組み合わせることができる。
【0017】
ある実施形態では、本出願の明細書及び特許請求の範囲における「第1の」や「第2の」などの用語は、類似の対象物の間での区別をするために用いられるのであって、必ずしも、特定の順序又はシーケンスを記述するのに用いられるのではない。
【0018】
実施形態1
この実施形態は、電力配分方法を提供する。
図1は、本発明のある実施形態による電力配分方法のフローチャートである。
図1に示されているように、この方法は、以下で説明されるステップを含む。
【0019】
ステップS102では、第1の搬送波上でのUEの送信電力と第2の搬送波上でのUEの送信電力とが、決定される。
【0020】
S104では、第1の搬送波上での送信電力に従い第1の搬送波上でUEによって送信された第1のアップリンクトラフィックが受信され、第2の搬送波上での送信電力に従い第2の搬送波上でUEによって送信された第2のアップリンクトラフィックが受信される。
【0021】
上記のステップを通じ、第1の搬送波上でのUEの送信電力と第2の搬送波上での送信電力とが決定され、第1の搬送波の送信電力に従い第1の搬送波上でUEによって送信された第1のアップリンクトラフィックが受信され、第2の搬送波の送信電力に従い第2の搬送波上でUEによって送信された第2のアップリンクトラフィックが受信される。UEが複数の搬送波上に配置されるときには電力を割り当てることができないという問題は解決され、複数の搬送波を用いることによってUEがアップリンクトラフィックを送信するという効果が達成される。
【0022】
ある実施形態では、上述のステップの実行主体は、アクセスネットワーク基地局などの基地局であり得るが、それには限られない。UEは、NRのUEであり得るが、NR通信方式をサポートする別のUEでもよい。
【0023】
ある実施形態では、その実施形態における第1の搬送波と第2の搬送波とを、異なるシナリオに適用する場合があり、異なるネットワーク環境において異なる役割を果たすことがあり得るのであって、そのようなことは、限定されることはないが、次の役割のような場合である。
【0024】
第1の搬送波は専用搬送波であり、第2の搬送波は補助的アップリンク周波数(SUL)である。専用搬送波とは、ペアになったダウンリンク搬送波(paired downlink carrier)を有するアップリンク搬送波を指す。周波数分割複信(FDD)搬送波の場合には、アップリンク搬送波の周波数とダウンリンクの搬送波の周波数とは異なっているが、類似しており、周波数特性も類似している。時分割複信(TDD)搬送波の場合には、アップリンク搬送波の周波数とダウンリンクの搬送波の周波数とは同じであり、すなわち、アップリンク搬送波とダウンリンク搬送波とは同じ搬送波である。
【0025】
例えば、専用搬送波は、NRの専用搬送波であり、補助的アップリンク周波数(SUL)は、その搬送波上に存在するアップリンクトラフィックだけを指す。実際の送信の間には、SULと同じ周波数を有する搬送波、又は、SULに近接する周波数をダウンリンク送信のために有するダウンリンク搬送波は、存在しない。例えば、LTEのアップリンクに配分された搬送波は、NR送信のために用いられ、LTEのアップリンクに配分された搬送波のペアになったダウンリンク搬送波は、NR送信のためには用いられない。NRの場合には、LTEのアップリンクに配分された搬送波は、SULである。
【0026】
第1の搬送波は専用搬送波であり、第2の搬送波は配分された搬送波である。
【0027】
第1の搬送波は、第1の無線アクセス技術(RAT)の搬送波であり、第2の搬送波は、第2のRATの搬送波である。
【0028】
第1の搬送波は、第1のトラフィックタイプを搬送する搬送波であり、第2の搬送波は、第2のトラフィックタイプを搬送する搬送波である。ある実施形態では、第1のサービスタイプを搬送する搬送波は、強化されたモバイルブロードバンドトラフィックの搬送波であり、第2のサービスタイプを搬送する搬送波は、超信頼性低遅延通信(URLLC)の搬送波である。これら二つの搬送波は、同じ搬送波であって、異なるタイプのトラフィックを送信することがあり得る。また、これら二つの搬送波が、二つの異なる搬送波であって、異なるタイプのトラフィックを送信することもあり得る。あるいは、第1のトラフィックタイプを搬送する搬送波が、第1のパラメータを採用することによってトラフィックを送信し、例えば、副搬送波間の間隔が15kHzであり、第2のトラフィックタイプを搬送する搬送波が、第2のパラメータを採用することによってトラフィックを送信し、例えば、副搬送波間の間隔が30kHzである。
【0029】
ある実施形態では、第1の搬送波は、マスタ基地局の搬送波、すなわち、DCシナリオにおけるMCGの搬送波であり、第2の搬送波は、セカンダリ基地局の搬送波、すなわち、DCシナリオにおけるSCGである。
【0030】
ある実施形態では、第1の搬送波は、セカンダリ基地局の搬送波、すなわち、DCシナリオにおけるSCGであり、第2の搬送波は、マスタ基地局の搬送波、すなわち、DCシナリオにおけるMCGの搬送波である。
【0031】
ある実施形態では、第1の搬送波上の送信電力に従い第1の搬送波上でUEによって送信された第1のアップリンクトラフィックを受信し、第2の搬送波上の送信電力に従い第2の搬送波上でUEによって送信された第2のアップリンクトラフィックを受信するステップが、それに限定されることはないが、次のステップであり得る。
【0032】
第1の時間に第1の搬送波上でUEによって送信された第1のアップリンクトラフィックが受信され、第2の時間に第2の搬送波上でUEによって送信された第2のアップリンクトラフィックが受信されるが、この場合、第1のアップリンクトラフィックは、第2のアップリンクトラフィックと同じである。
【0033】
第1の時間に第1の搬送波上でUEによって送信された第1のアップリンクトラフィックが受信され、第2の時間に第2の搬送波上でUEによって送信された第2のアップリンクトラフィックが受信されるが、この場合、第1のアップリンクトラフィックは、第2のアップリンクトラフィックと異なる。
【0034】
第1の搬送波と第2の搬送波との上でUEによって同時にそれぞれ送信される第1のアップリンクトラフィックと第2のアップリンクトラフィックとが受信され、この場合、第1のアップリンクトラフィックと第2のアップリンクトラフィックとは、同じ又は異なる。
【0035】
ある実施形態では、アップリンクトラフィックは、NRアップリンクトラフィック又はLTEアップリンクトラフィックとの少なくとも一方を含む。複数の異なるネットワーク環境に従って、アップリンクトラフィックもまた、2G又は3Gアップリンクトラフィックであり得る。
【0036】
ある実施形態では、第1の搬送波と第2の搬送波との上でUEによって同時にそれぞれ送信される第1のアップリンクトラフィックと第2のアップリンクトラフィックとを受信するステップは、以下のステップのうちの一つを含む。
【0037】
NRの専用搬送波とLTEの配分された搬送波との上でUEによって同時にそれぞれ送信されるNRアップリンクトラフィックとLTEアップリンクトラフィックとが、受信される。
【0038】
NRの専用搬送波の上でUEによって同時に送信されるNRアップリンクトラフィックと、LTEの配分された搬送波の上で送信されるLTEアップリンクトラフィック及びNRアップリンクトラフィックとが、受信される。
【0039】
ある実施形態では、以下のうちの一つが、含まれる。
【0040】
一つは、第1のタイプのサブフレーム若しくはスロット又は第2のタイプのサブフレーム若しくはスロットを半静的に構成する場合であり、この場合、第1のタイプのサブフレーム又はスロットは、異なる搬送波のトラフィック若しくは異なるRATのトラフィックのうちの一方を、UEが、同じサブフレーム又はスロットにおいて同時に送信するのに用いられ、第2のタイプのサブフレーム又はスロットは、単一の搬送波のトラフィック若しくは単一のRATのトラフィックのうちの一方を、UEが、同じサブフレーム又はスロットにおいて送信するのに用いられる。
【0041】
もう一つは、第3のタイプのサブフレーム若しくはスロット又は第4のタイプのサブフレーム若しくはスロットを半静的に構成する場合であり、この場合、第3のタイプのサブフレーム又はスロットは、第1の搬送波のトラフィックを、UEが、第3のタイプのサブフレーム又はスロットにおいて送信するのに用いられ、第4のタイプのサブフレーム又はスロットは、第2の搬送波のトラフィックを、UEが、第4のタイプのサブフレーム又はスロットにおいて送信するのに用いられる。
【0042】
もう一つは、第5のタイプのサブフレーム又はスロットを半静的に構成する場合であり、この場合、第5のタイプのサブフレーム又はスロットは、第1の搬送波のトラフィック又は第2の搬送波のトラフィックを、UEが、固定的に送信するのに用いられる。
【0043】
ある実施形態では、半静的に構成することは、上位レイヤ無線リソース制御(RRC)シグナリングを通じた構成又はシステム情報を通じた構成を含む。
【0044】
ある実施形態では、第1の搬送波上のUEの送信電力と第2の搬送波上のUEの送信電力とを決定するステップは、以下のステップを含む。
【0045】
S11では、UEの最大送信電力が決定される。
【0046】
S12では、全体の送信電力が、第1の搬送波と第2の搬送波とに割り当てられるが、その場合に、全体の送信電力の値は、最大送信電力の値以下である。
【0047】
ある実施形態では、全体の送信電力を、第1の搬送波と第2の搬送波とに割り当てるステップは、以下のステップを含む。
【0048】
S21では、第1の搬送波と第2の搬送波との伝播品質が比較される。
【0049】
S22では、全体の送信電力が、伝播品質に従って、第1の搬送波と第2の搬送波とに割り当てられるが、第1の搬送波に割り当てられた送信電力は、第1の搬送波の伝播品質と負の相関を有し、第2の搬送波に割り当てられた送信電力は、第2の搬送波の伝播品質と負の相関を有する。
【0050】
ある実施形態では、全体の送信電力を、第1の搬送波と第2の搬送波とに割り当てるステップは、以下のステップを含む。
【0051】
S31では、第1の搬送波上でアップリンクトラフィックを送信するUEの優先順位と、第2の搬送波上でアップリンクトラフィックを送信するUEの優先順位とが、決定される。
【0052】
S32では、全体の送信電力が、これらの優先順位に従って、第1の搬送波と第2の搬送波とに割り当てられる。
【0053】
ある実施形態では、第1の搬送波に割り当てられた送信電力は、第1の搬送波上の送信トラフィックの優先順位と正の相関を有し、第2の搬送波に割り当てられた送信電力は、第2の搬送波上の送信トラフィックの優先順位と正の相関を有する。
【0054】
ある実施形態では、全体の送信電力を、第1の搬送波と第2の搬送波とに割り当てるステップは、以下のステップを含む。
【0055】
S41では、第1の搬送波に対応する第1の最小の保証された電力が、第1の搬送波に割り当てられ、第2の搬送波に対応する第2の最小の保証された電力が、第2の搬送波に割り当てられる。
【0056】
S42では、全体の送信電力の残存電力は、送信トラフィックの優先順位又は搬送波の伝播品質に従って、割り当てられる。
【0057】
ある実施形態では、第1の搬送波上のUEの送信電力と第2の搬送波上のUEの送信電力とを決定するステップは、以下のステップのうちの少なくとも一つを含む。
【0058】
第1の搬送波上の送信電力と第2の搬送波上の送信電力とは、UEが基地局にアクセスするときに、決定される。
【0059】
第1の搬送波上の送信電力と第2の搬送波上の送信電力とは、UEが接続された状態のときに、決定される。
【0060】
ある実施形態では、第1の搬送波上のUEの送信電力と第2の搬送波上の送信電力とを決定する前に、この方法は、UEのダウンリンク搬送波の経路損失計算に従って、UEのアップリンク送信電力を取得するステップを、さらに含む。
【0061】
ある実施形態では、第1の搬送波上のUEの送信電力と第2の搬送波上の送信電力とを決定する前に、この方法は、以下のステップを、さらに含む。
【0062】
UEは、以下の様態のうちの一つとして、構成される。
【0063】
UEの最大送信電力は、第1の搬送波上のUEの送信電力と第2の搬送波上のUEの送信電力との和が、最大送信電力以下であるように、構成される。
【0064】
第1の搬送波上のUEの最大送信電力と、第2の搬送波上のUEの最大送信電力とが、構成される。
【0065】
第1の搬送波上のUEの第1の最小の保証された電力と、第2の搬送波上のUEの第2の最小の保証された電力とが、構成される。
【0066】
ある実施形態では、第1の搬送波上のUEの送信電力と第2の搬送波上の送信電力とを決定する前に、この方法は、以下のステップのうちの一つを、さらに含む。
【0067】
ペアになった搬送波をダウンリンクに有するアップリンク搬送波又はダウンリンク搬送波として同じ周波数を有するアップリンク搬送波の上を送信される物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)は、限定されている。
【0068】
第2の搬送波上で構成されたプリアンブル初期ターゲット受信電力(preamble initial target received power)すなわちDELTA_PREAMBLEは、システム情報を通じてUEに送信される、又は、第2の搬送波上で構成されたプリアンブル初期ターゲット受信電力すなわちDELTA_PREAMBLEは、RRCシグナリングを通じてUEに送信される。
【0069】
第2の搬送波の周波数情報が、第1の搬送波と第2の搬送波との間の経路損失オフセット(PL_offset)をUEが第2の搬送波の周波数情報に従って決定するように、UEに送信されるか、又は、第1の搬送波と第2の搬送波との組合せシリアル番号が、第1の搬送波と第2の搬送波との間のPL_offsetをUEが第1の搬送波と第2の搬送波との組合せシリアル番号に従って決定するように、UEに送信される。
【0070】
第2の搬送波の公称電力P0又は経路損失補償計数αのうちの少なくとも一方が、システム情報又はRRCシグナリングを通じて、UEに告知される。上述された実施形態に関する説明から、上述された実施形態における方法は、ソフトウェアに汎用ハードウェアプラットフォームを加えることによって実装され得る、又は、もちろん、ハードウェアによって実装され得る、ということが、当業者には明らかであろう。しかし、多くの場合には、前者が好適な実装モードである。そのような理解に基づくと、本出願の技術的ソリューションは、ソフトウェア製品という形態で、本質的に実施され得る。コンピュータソフトウェア製品は、(リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどの)記憶媒体に記憶され、記憶媒体は、端末デバイス(携帯電話、コンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイスなどであり得る)が、説明された方法を本出願のそれぞれの実施形態に従って実行することを可能にするための複数の命令を含む。
【0071】
実施形態2
この実施形態では、電力配分装置も提供されるのであるが、この装置は、上述した実施形態において説明された方法を実装するのに用いられ、既に説明されたことが、繰り返されることはない。以下で用いられる「モジュール」という用語は、事前に定義された機能を実装することができるソフトウェア、ハードウェア又はそれらの組合せであり得る。以下の実施形態において説明される装置は好ましくはソフトウェアによって実装されるが、ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアとの組合せによる実装も、可能であり、想定されている。
【0072】
図2は、本出願のある実施形態による電力配分装置の構造ブロック図である。
図2に示されているように、この装置は、決定モジュール20と、受信モジュール22とを含む。
【0073】
決定モジュール20は、第1の搬送波上のUEの送信電力と第2の搬送波上のUEの送信電力とを決定するように構成されている。
【0074】
受信モジュール22は、第1の搬送波上の送信電力に従いUEによって第1の搬送波上で送信されたアップリンクトラフィックを受信し、第2の搬送波上の送信電力に従いUEによって第2の搬送波上で送信されたアップリンクトラフィックを受信するように構成されている。
【0075】
ある実施形態では、上述された様々なモジュールは、ソフトウェア又はハードウェアによって実装され得る。ハードウェアによる実装は、必ずしもそうではないのであるが、以下の、すなわち、上述したモジュールがすべて同じプロセッサに配置されるか、又は、上述した一つ以上のモジュールがそれぞれいずれかの組合せ形式として複数の異なるプロセッサに配置される、という様態で実行され得る。
【0076】
実施形態3
この実施形態は、LTEとNRとが共存するシナリオにおける電力配分問題のためのものである。例えば、NRは、3.5GHzのTDD周波数帯域において展開され、NRアップリンク(UL)もまた、LTEのFDDのULの低周波数帯域の配分された搬送波上を送信され得る。そして、NRのUEに関しては、いくつかの場合のアップリンク送信が存在し得る。
【0077】
a.NRのUEは、NRチャネル又は信号を、NRのTDD周波数帯域上でのみ送信する。
【0078】
b.NRのUEは、NRチャネル又は信号を、LTEのFDDのUL配分された搬送波上でのみ送信する。
【0079】
c.NRのUEは、NRチャネル又は信号を、電力の割り当てを示すために、NRのTDD周波数帯域上とLTEのFDDのUL配分された搬送波上とに、同時に送信する。
【0080】
d.NRのUEは、また、LTE送信をサポートする能力を有しており、また、LTEチャネル又は信号を、LTEのFDDのUL搬送波上でも送信する。ここでは、UEが、NRのULとLTEのULとの電力をどのようにして割り当てるのかが、この実施形態において解決されるべき問題である。
【0081】
この実施形態は、NRとNRとの間で及びNRとLTEとの間で電力を配分するという問題を解決し、それらの有効な送信を保証し、同時に比吸収率(SAR)に関する要件を満たすための電力配分方法及び装置を提供する。
【0082】
異なる実装ステップ又はシナリオに従って、この実施形態は、複数の異なる場合を含む。
【0083】
例1
NRは、LTEの周波数帯域を、送信のためのLTEと配分し得る、すなわち、NRに関しては、NRのトラフィックもまた、LTEの周波数帯域上を送信され得る。NRとLTEとがLTEのUL搬送波を配分するシナリオにおいては、例えば、LTEのUL搬送波の周波数はF1(例えば、約700MHz)であり、ダウンリンク(DL)搬送波の周波数はF2(F1とペアであるFDD搬送波であり、やはり700MHz)であり、NRの専用搬送波の周波数はF3(例えば、3.5GHzのTDD搬送波)である。しかし、NRの専用搬送波の周波数F3の周波数帯域は、配分された搬送波の周波数F1の周波数帯域とは大きく異なり、例えば、以下の特徴的な差異が存在する。
【0084】
経路損失、透過損失、及び陰影フェージングなどを含むワイヤレスチャネルが、大きく異なる。
【0085】
アンテナの個数、アンテナ利得などを含む送信(TX)アンテナ構成/受信(RX)アンテナ構成が、大きく異なる。
【0086】
ビーム形成技術が、異なる。NRのUEのダウンリンク経路損失測定は、NRの専用搬送波の周波数F3で送信された信号に基づいて実行され、ULの開ループ電力制御は、推定されたダウンリンク経路損失に依存する。アルゴリズムは、アップリンク周波数とダウンリンク周波数とが同じであるか又は著しく異ならず(例えば、両方とも700MHz)、経路損失が著しく異ならない、という仮定に基づく。残りの差異は、閉ループ電力制御によって訂正され得る。従って、NRの専用搬送波の周波数F3でのUL開ループ電力制御に関しては、何の問題も存在しない。しかし、高周波数帯域と低周波数帯域との間の特徴的な差異のため、F3での測定結果は、アップリンクの配分された搬送波F1に直接に適用することができず、NRのUEは、配分されたF1での経路損失を知ることが不可能であり、よって、正確なUL電力制御は、実行不可能である。従って、配分された搬送波における経路損失の推定とアップリンク電力制御という問題を解決することが必要である。
【0087】
経路損失の推定とUL電力制御という問題は、送信が高周波数と低周波数とにおいて実行されるときに、NRなど、同じRATにおいて存在する。例えば、
図3に示されているように、
図3は、本出願のある実施形態によるNRアップリンク及びダウンリンク送信搬送波の周波数の概略図である。NRの高周波数帯域は、NRの専用搬送波の周波数であり、NRの低周波数帯域は、NR又は別のNR搬送波低周波数によって用いられるLTEの配分された搬送波の周波数である。異なるシナリオにおける問題は類似しており、低周波数帯域における経路損失の推定とアップリンク電力制御という問題が、解決されるべきである。
【0088】
特定のソリューションは、以下の通りである。第1の場合は、最初のアクセスの物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)の送信について、すなわち、低周波数帯域において(例えば、LTEの配分された搬送波の周波数F1における)プリアンブルのUL送信電力をいかにして決定するかについて、である。
【0089】
方法1では、最初のアクセスは、ペアになったダウンリンク搬送波を有するアップリンク搬送波上だけでの、又は、ダウンリンク搬送波と同じ周波数を有するアップリンク搬送波上だけでの実行に限定される。アップリンク搬送波におけるプリアンブルの送信電力は、ダウンリンク搬送波における推定された経路損失に基づく。すなわち、アップリンク搬送波とダウンリンク搬送波とにおける経路損失は、近接している又は同じであると考えられ得る。
【0090】
ペアになったダウンリンク搬送波を有するアップリンク搬送波は、アップリンク搬送波とダウンリンク搬送波とが小さな周波数間隔を有すること、周波数特性の差が大きくないこと、そして、アップリンク搬送波とダウンリンク搬送波との両方がNR送信に用いられ得ることを参照する。アップリンク搬送波のための経路損失又はUL電力制御は、ダウンリンク搬送波に基づいて、得ることができる。例えば、アップリンク搬送波とダウンリンク搬送波との両方が、700MHz又は1700MHzである。
【0091】
例えば、LTEの700MHzのUL搬送波とDL搬送波との両方が、NRと配分される。次に、プリアンブルがNRにおける700MHzのUL搬送波上で送信されると、経路損失は、DL搬送波に基づいて、計算され得る。
【0092】
もう一つの例として、LTEの700MHzのUL搬送波だけが、NRと配分される(LTEの700MHzのDL搬送波は、DL搬送波の重い負荷のために、NRと配分されない)。この場合に、プリアンブルは、NRの専用搬送波(3.5GHz)上だけを、送信され得る。プリアンブル送信のためのUL電力は、NRの専用搬送波上の推定されたダウンリンク経路損失に基づく。
【0093】
方法2では、高周波数帯域と低周波数帯域との間のPL_offsetが、高周波数帯域と低周波数帯域との間の周波数の差異、アンテナ構成及びその他のパラメータに従って、推定される。低周波数帯域のプリアンブル初期受信ターゲット電力すなわちDELTA_PREAMBLEは、システム情報を通じて、UEに送信される。低周波数帯域のプリアンブル初期受信ターゲット電力は、高周波数帯域のプリアンブル初期受信ターゲット電力からPL_offsetを減算した値である。低周波数帯域のDELTA_PREAMBLEは、高周波数帯域のプリアンブル初期受信ターゲット電力からPL_offsetを減算した値である。
【0094】
プリアンブル初期受信ターゲット電力は、基地局が受信することを予想するプリアンブルの最初の電力であり、DELTA_PREAMBLEは、プリアンブルのフォーマットと関係する。
【0095】
例えば、高周波数帯域の経路損失は、110dBであり、低周波数帯域の経路損失は、100dBである。PL_offsetは、10dBである。従って、低周波数帯域のプリアンブル初期受信ターゲット電力は、高周波数帯域のプリアンブル初期受信ターゲット電力から10dBを減算した値に等しい。DELTA_PREAMBLEは、それに類似である。
【0096】
UEは、プリアンブルを最初に送信するためのアップリンク電力を、高周波数帯域に関する計算を通じて得られたダウンリンク経路損失と、低周波数帯域のプリアンブル初期受信ターゲット電力と、DELTA_PREAMBLEとに従って、決定することができ、送信がその後で失敗する場合には、電力のランプアップが実行され得る。
【0097】
方法3では、高周波数帯域と低周波数帯域との間のPL_offsetが、高周波数帯域と低周波数帯域との間の周波数の差異と、アンテナ構成と、その他のパラメータとに従って、推定される。低周波数帯域の周波数情報(配分された搬送波の周波数情報)又は低周波数帯域と高周波数帯域(配分された搬送波の周波数帯域と専用の搬送波の周波数帯域)との組合せシリアル番号が、システム情報を通じて、UEに送信される。UEは、高周波数帯域と低周波数帯域との間のPL_offsetを、低周波数帯域の周波数情報(配分された搬送波の周波数情報)又は低周波数帯域と高周波数帯域(配分された搬送波の周波数帯域と専用の搬送波の周波数帯域)との組合せシリアル番号に従って、決定する。
【0098】
UEは、高周波数帯域に関する計算とPL_offsetとを通じて得られたダウンリンク経路損失に従って、低周波数帯域のダウンリンク経路損失を取得し、プリアンブルを低周波数帯域上で送信するためのアップリンク電力を計算する。
【0099】
例えば、表1に示されているように、NRの専用搬送波の周波数は、3.3GHzから4.2GHz(DL及びUL)であり、LTEの配分されたUL搬送波の使用可能な周波数のためには、4つの場合が存在する。PL_offsetは、専用の搬送波と配分された搬送波との間の周波数の差異などのパラメータから、前もって推定される。配分された搬送波の周波数帯域と専用の搬送波の周波数帯域との組合せシリアル番号が、システム情報ブロック2(SIB2)を通じて、UEに告知され、UEは、そのシリアル番号に従って、高周波数帯域と低周波数帯域との間のPL_offsetを知ることができ、低周波数帯域の正確なダウンリンク経路損失を取得する。
【0100】
【0101】
第2の場合は、接続された状態のアップリンク送信について、低周波数帯域における(例えば、LTEの配分された搬送波の周波数F1における)トラフィック送信のための経路損失又はUL送信電力をどのように決定するか、についてである。
【0102】
方法1においては、方法1は、最初のアクセスの方法3と同じである。
【0103】
方法2においては、高周波数帯域に対する低周波数帯域のPL_offsetが、公称電力P0、フラクショナル電力制御(FPC)経路損失補償係数α、又は閉ループfのうちの少なくとも一つを調整することによって、訂正される。
【0104】
高周波数経路損失と低周波数経路損失との間の差の調整をサポートするため、公称電力P0、補償係数α、若しくは閉ループfのうちの少なくとも一つの可能な値又は値の範囲が、拡張される。例えば、αは、8つの可能な値に限定されない。例えば、16個の可能な値をサポートするのに、4ビットが用いられ、高周波数帯域に対する低周波数帯域のPL_offsetは、よりよく訂正される。
【0105】
ある実施形態では、第1の搬送波と第2の搬送波との間の経路損失差の調整をサポートするために、公称電力P0の値の範囲又はプリアンブル初期ターゲット受信電力の値の範囲が、拡張される。
【0106】
例えば、シミュレーション結果を参照すると、ビーム形成を用いた3.5GHzとビーム形成を用いた2GHzとの経路損失差は、約5dBである。
【0107】
ビーム形成を用いた3.5GHzと700MHzとの経路損失差は、約10dBである。
【0108】
高周波数帯域(3.5GHz)の経路損失は110dBであると推測される。
【0109】
FPC経路損失補償係数αの値の集合は、{0, 0.4, 0.5, 0.6, 0.7, 0.8, 0.9, 1}である。
【0110】
高周波数帯域の補償係数αが1となるように構成され、低周波数帯域の補償係数αが0.9になるように構成されている場合には、補償は、11dBに到達することができる。UE送信側では、高周波数帯域のためのアップリンク送信電力の経路損失補償は、実際には、α*PL=1*110dB=110dBである。低周波数帯域のためのアップリンク送信電力の経路損失補償は、実際には、α*PL=0.9*110dB=99dBである。PLは、計算された高周波数ダウンリンクの経路損失である。この値は、実際の700MHzの経路損失に近接しており、残りの差異は、閉ループ電力制御を通じて、訂正され得る。
【0111】
補償係数αがより多くの値を取ることが可能なときには、補償の精度は、より正確である。例えば、αは、0.95、0.85、0.75、0.65などと等しくなり得る。
【0112】
公称電力P0は、さらに、セル公称電力とUEに特有の公称電力という二つの部分に分割される。無線基地局B(eNodeB)は、セルにおけるすべてのUEに対して、物理アップリンク配分チャネル公称電力(P0_PUSCH)と、物理アップリンク制御チャネル公称電力(P0_PUCCH)とを半静的に設定し、それらの値が、SIB2システムメッセージを通じてブロードキャストされるが、その場合に、P0_PUSCHの値の範囲は、-126デシベルミリワット(dBm)から+24dBmである(すべて、それぞれのリソースブロック(RB)の観点から)。P0_PUCCHの値の範囲は、-126dBmから-96dBmである。
【0113】
さらに、それぞれのUEは、また、UEに特有の公称電力オフセットを有し得るのであって、これが、専用のRRCシグナリングを通じて、UEに送信される。P0_UE_PUSCHは、システム公称電力P0_PUSCHに対する異なるUEのオフセットであり、P0_UE_PUCCHは、システム公称電力P0_PUCCHに対する異なるUEのオフセットである。単位はdBであり、値は、-8と+7との間にある。
【0114】
P0の範囲は実際には3.5GHzと700/800/900/1.7GHzとの間の経路損失差をカバーするのに充分なほど大きいということを、上述のパラメータから理解することが可能である。調整は、当初のフェーズにおいて及び後の閉ループfを通じて、P0又はαのうちの少なくとも一方を通じて、達成され得る。高周波数経路損失と低周波数経路損失との差の調整をサポートするために、公称電力P0の可能な値又は値の範囲が、拡張される。例えば、UEに特有な場合の公称電力オフセットは拡張され、その値は、-16と+15との間である。
【0115】
あるいは、公称電力P0は、さらに、セル公称電力とUE特有公称電力とに加えて、高周波数と低周波数とに関係するPL_offset調整電力を含む。すなわち、公称電力P0は、これらの三つの部分の和である。
【0116】
低周波数帯域におけるUEのP0又は係数αの少なくとも一つが、低周波数帯域周波数情報(配分された搬送波の周波数情報)又は低周波数帯域と高周波数帯域との組合せ情報(配分された搬送波の周波数帯域と専用搬送波の周波数帯域)に従って、決定され、二つのパラメータP0と係数αとが、システム情報又はRRCシグナリングを通じて、UEに告知される。低周波数帯域と高周波数帯域との間のPL_offsetは、高周波数帯域における係数αに対する低周波数帯域における係数に対して考えられ、この係数は、p0又は係数αのうちの少なくとも一方を含む。
【0117】
例えば、高周波数と低周波数との経路損失の差は10dBであり、ある基地局によってあるUEのために構成された高周波数帯域におけるP0は-100dBmであり、その基地局によってそのUEのために構成された低周波数帯域におけるP0は-110dBmである。別の例としては、その基地局によってそのUEのために構成された高周波数帯域におけるαは1であり、その基地局によってそのUEのために構成された低周波数帯域におけるαは0.9である。
【0118】
あるいは、基地局は、高周波数帯域に対する低周波数帯域のPL_offsetを、閉ループfを通じて訂正する。例えば、その基地局によってそのUEのために構成された高周波数帯域におけるf(絶対値又は累積値)は10dBであり、その基地局によってそのUEのために構成された低周波数帯域におけるf(絶対値又は累積値)は0dBである。
【0119】
方法3では、アップリンク低搬送波がNRのUL送信のために用いられ、アップリンク低搬送波又はアップリンク低搬送波とペアであるダウンリンク搬送波と同じ周波数を有するDL搬送波がNRダウンリンクトラフィック送信のために用いられない場合には、アップリンク低搬送波又はアップリンク低搬送波とペアであるダウンリンク搬送波と同じ周波数を有するDL搬送波は、低周波数帯域においてNRのダウンリンク経路損失推定のために用いられることに限定される。
【0120】
例えば、LTEのULのF1搬送波は、NRのUL送信のために用いられ得るのであって、LTEのULのF1搬送波とペアである(F1と同じ周波数帯域における)DLのF2搬送波は、NRとは配分されない。しかし、F1の経路損失計算とタイミングとをサポートするために、F2は、特定のNRダウンリンク信号の送信に用いられることに制限されるが、NRデータ(例えば、物理アップリンク配分チャネル(PUSCH))の送信には用いられない。F2上を送信される特定のNRダウンリンク信号は、F2上のLTE信号/チャネルの送信に影響すべきではなく、特定のNRダウンリンク信号は、LTE信号/チャネルとの周波数分割多重化(FDM)又は時分割多重化(TDM)という粗な態様で送信される。
【0121】
例2
以下は、送信が同時には実行されないシナリオである。
【0122】
シナリオ1では、NRは、LTEのUL搬送波を配分する。NRのUEは、NRのULを、NRの専用搬送波とLTEの配分された搬送波との上で送信する。ある与えられた瞬間において、NRのUEは、NRのULを上述の搬送波のいずれかの上で送信するのみであって、NRのULを上述の両方の搬送波上で同時に送信することはない。
【0123】
シナリオ2では、NRは、LTEのUL搬送波を配分する。NRのUEは、NR及びLTEの能力をサポートしており、NRの専用搬送波上でNRのULを送信することができ、NRのUL又はLTEのULをLTEの配分された搬送波の上で送信することができる。ある与えられた瞬間において、NRのUEは、上述の搬送波のいずれかの上で一つのタイプのトラフィックを送信するだけであり、一つのタイプのトラフィックを上述の両方の搬送波上で、同時に、送信することはない。
【0124】
シナリオ3では、LTEとNRとは、DCシナリオにある。LTEは、第四世代モバイル通信技術のマスタ基地局(MeNB)/第五世代モバイル通信技術のマスタ基地局(MgNB)/第四世代モバイル通信技術のマスタ基地局又は第五世代モバイル通信技術のマスタセルグループ(MCG)であり、NRは、第四世代モバイル通信技術のセカンダリ基地局(SeNB)/第五世代モバイル通信技術のセカンダリ基地局(SgNB)/第四世代モバイル通信技術のセカンダリ基地局又は第五世代モバイル通信技術のセカンダリセルグループ(SCG)である。あるいは、マスタ基地局とセカンダリ基地局とは、対向する態様で、構成されている。ある与えられた瞬間において、UEは、例えば、LTEのUL信号をMCGに送信するだけ、又は、NRのUL信号をSCGに送信するだけなど、一つのタイプのトラフィックを送信するだけである。
【0125】
以下は、送信が同時に実行されるシナリオである。
【0126】
シナリオ4では、NRが、LTEのUL搬送波を配分する。NRのUEは、NRの専用搬送波とLTEの配分された搬送波との上で、NRのULを送信する。ある与えられた瞬間に、NRのUEが、上述の両方の搬送波の上で、同時に、NRのULを送信し得る。
【0127】
シナリオ5では、NRが、LTEのUL搬送波を配分する。NRのUEは、NRのLTE能力をサポートしており、NRの専用搬送波上でNRのULを送信することができ、NRのUL又はLTEのULをLTEの配分された搬送波の上で送信することができる。ある与えられた瞬間において、NRのUEは、上述の両方の搬送波の上で、同時に、複数のタイプのRATトラフィックを送信することができる。
【0128】
サブシナリオ5.1では、NRの専用の搬送波の上のNRのULの送信と、LTEの配分された搬送波の上のLTEのULの送信とが、同時に、実行される。
【0129】
サブシナリオ5.2では、NRの専用の搬送波の上のNRのULの送信と、LTEの配分された搬送波の上のLTEのULとNRのULとの送信とが、同時に、実行される。
【0130】
サブシナリオ5.3では、LTEの配分された搬送波の上のLTEのULとNRのULとの送信が、同時に、実行される。
【0131】
シナリオ6では、LTEとNRとが、DCシナリオにある。LTEは、MeNB/MgNB/MCGであり、NRは、SeNB/SgNB/SCGである。あるいは、マスタ基地局とセカンダリ基地局とが、対向する態様で構成される。ある与えられた瞬間において、UEは、LTEのULをMCG(LTEのeNB)に、NRのULをSCG(NRのgNB)に、同時に、送信し得る。
【0132】
上述のシナリオ、又は、NRに独立な若しくは非独立な展開のシナリオにおけるアップリンク電力制御問題に関しては、ソリューションは以下の通りである。
【0133】
方法1では、第1のタイプのサブフレーム/スロットと第2のタイプのサブフレーム/スロットが、半静的に構成されており、この場合、第1のタイプのサブフレーム/スロットは、異なる搬送波のトラフィックを、同じサブフレーム/スロットにおいて同時に送信するのに用いられるか、又は、異なるRATのトラフィックを同じサブフレーム/スロットにおいて同時に送信するのに用いられ、第2のタイプのサブフレーム/スロットは、単一の搬送波のトラフィックを、同じサブフレーム/スロットにおいて送信するのに用いられるか、又は、単一のRATのトラフィックを同じサブフレーム/スロットにおいて送信するのに用いられる。
【0134】
例えば、NRがLTEのUL搬送波を配分するシナリオでは、第1のタイプのサブフレーム/スロットにおいて、UEが、NRのULを、NRの専用の搬送波と配分された搬送波との上で同時に送信し得る。
【0135】
別の例では、NRとLTEとがDCシナリオにあり、第1のタイプのサブフレーム/スロットにおいて、UEは、LTEのULとNRのULとを、MCGとSCGとの上に、同時に送信するだけである。
【0136】
例えば、NRがLTEのUL搬送波を配分するシナリオでは、第2のタイプのサブフレーム/スロットにおいて、UEは、NRのULを、NRの専用の搬送波と配分された搬送波とのどちらかの上で送信するだけであり、NRのULを、NRの専用の搬送波と配分された搬送波との上で同時に送信することはない。
【0137】
別の例では、NRとLTEとがDCシナリオにあり、第2のタイプのサブフレーム/スロットにおいて、UEは、LTEのUL又はNRのULを、MCGとSCGとのいずれかの上に送信するだけであり、同時的な送信は、実行されない。
【0138】
半静的な構成は、上位のレイヤが、RRCシグナリング又はシステム情報を通じて二つのタイプのサブフレーム/スロットを構成し、どちらのサブフレーム/スロットが第1のタイプのサブフレーム/スロットに属し、どちらのタイプのサブフレーム/スロットが第2のタイプのサブフレーム/スロットに属するのかをUEに告知する、ということを含み得る。
【0139】
第1のタイプのサブフレーム/スロットについては、電力の比吸収率(SAP)の要件のために、異なる搬送波のトラフィック又は異なるRATのトラフィックを同じサブフレーム/スロットにおいて同時に送信する送信電力は、UEの最大送信電力(Pcmax)を超えることができない。従って、同じUEの異なる搬送波又は異なるRATの間の電力は、適切に割り当てられる必要がある。
【0140】
第2のタイプのサブフレーム/スロットでは、一つの搬送波のトラフィック又は一つのRATのトラフィックだけが、同じサブフレーム/スロットにおいて、送信されることが可能である。従って、どの搬送波上であっても、通常のUL電力制御アルゴリズムが、実行される。それぞれの搬送波は、搬送波最大送信電力(Pcmax,c)に対応する。この搬送波の(Pcmax,c)は、例えば23dBmなど、UEのPcmaxと同じであり得る。二つの周波数レイヤの最大送信電力の間に、制約条件は存在しない。すなわち、二つの搬送波のために、独立の電力制御が実行されることが可能である。
【0141】
従って、複数の異なる電力制御パラメータが、二つのタイプのサブフレーム/スロットのために、構成され得る。例えば、第2のタイプのサブフレーム/スロットには、一つのタイプのトラフィックだけが同時に存在するので、通常のアップリンク電力制御アルゴリズムが、用いられる。第1のタイプのサブフレーム/スロットには、二つのタイプのトラフィックが同時に存在するので、二つのタイプのトラフィックのための電力が割り当てられることが必要であり、例えば、それぞれの最小電力若しくは最高電力又は優先順位は、限定される。しかし、そのような制約条件は、第2のタイプのサブフレーム/スロットには存在しない。
【0142】
ある実施形態では、基地局が、UEに、二つのタイプのサブフレーム/スロットに対応する2組の電力制御パラメータを告知する。この告知は、RRCシグナリング、システム情報又はダウンリンク制御情報(DCI)シグナリングを通じて、実行され得る。
【0143】
ある実施形態では、UEは、アップリンクスケジューリングを通じた非明示的若しくは明示的告知から、又は、グループ共通DCI/物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)などのDCIシグナリングを通じたサブフレーム/スロットのタイプの告知から、いずれかのサブフレーム/スロットのタイプを決定することができる。
【0144】
方法2では、第3のタイプのサブフレーム/スロットと第4のタイプのサブフレーム/スロットとが、半静的に構成され、第1の搬送波(NRの専用搬送波など)のトラフィック又は第1のRAT(NRなど)のトラフィックだけが、第3のタイプのサブフレーム/スロットにおいて送信され、第2の搬送波(配分された搬送波など)のトラフィック又は第2のRAT(LTEなど)のトラフィックだけが、第4のタイプのサブフレーム/スロットにおいて送信される。
【0145】
半静的な構成は、上位のレイヤが、RRCシグナリング又はシステム情報を通じて二つのタイプのサブフレーム/スロットを構成し、どちらのサブフレーム/スロットが第3のタイプのサブフレーム/スロットに属し、どちらのタイプのサブフレーム/スロットが第4のタイプのサブフレーム/スロットに属するのかをUEに告知する、ということを含み得る。
【0146】
方法3では、基地局が、搬送波又はRATタイプのトラフィックを送信するために固定され用いられる第5のタイプのサブフレーム/スロットを、半静的に構成する。
【0147】
半静的な構成は、上位のレイヤが、どのサブフレーム/スロットが第5のタイプのサブフレーム/スロットに属するのかを、RRCシグナリング又はシステム情報を通じて構成し、その構成を、UEに告知する、ということを含み得る。
【0148】
例3
このシナリオでは、NRが、LTEのUL搬送波を配分する。NRのUEが、NRの専用搬送波とLTEの配分された搬送波との上で、NRのULを送信する。
【0149】
ソリューションは、以下の通りである。
【0150】
UEの送信電力が、二つのUL搬送波の周波数の間で配分され得る。それぞれのUEのそれぞれの搬送波が、搬送波の周波数特性(Pcmax,c)を用いて構成され得るが、ここで、cは、配分される搬送波又はNRの専用搬送波を示す。
【0151】
考察1:配分されるUL搬送波の周波数F1は、チャネル伝播特性の点で、NRの専用搬送波の周波数F3よりも優れている。従って、全体の送信電力がUEの最大送信電力に到達する場合には、より多くの電力が、NRの専用搬送波の周波数F3に割り当てられ得る。
【0152】
考察2:配分されるF1が、PUCCHなどの必要な信号を送信するのに用いられ、エッジUEが信号を送信するのに用いられると考えると、より多くの送信電力が、配分されるF1に割り当てられ得る。
【0153】
ソリューション1:二つの(Pcmax,c)の和が、23dBmなど、Pcmaxに等しいことが必要である。
【0154】
二つの最大電力を半静的に割り当てることは、半分に分割すること、優先順位に従って分割することを含み、ここで、最高の優先順位を有する最大送信電力の方が、40%と60%など、大きい方になる。例えば、MCGが高い優先順位を有する場合、MCGの(Pcmax,c)は、60%である。
【0155】
ソリューション2:二つの(Pcmax,c)の和が、23dBmなど、Pcmaxより大きいことがある。(ここでは、二つの(Pcmax,c)が構成されていない場合があり得る)異なる又は同じ倍率が、構成される。全体の電力がUEの最大電力を超えるときには、電力のスケーリングが実行される。
【0156】
それぞれの搬送波は、優先順位に従って、異なる倍率を用いて構成され、例えば、200mWの最大送信電力(23dBm)に到達し、配分された搬送波の倍率は0.4であり、NRの専用搬送波の倍率は0.6である。
【0157】
ソリューション3:電力の割り当ては、最初に、高い優先順位又はよい方のチャネル条件を有する搬送波上の送信を満足させた。残存電力が存在する場合には、他の搬送波上の送信が実行される。あるいは、電力の割り当ては、最初に、高い優先順位又は悪い方のチャネル条件を有する搬送波上の送信を満足させた。残存電力が存在する場合には、他の搬送波上の送信が実行される。
【0158】
例えば、配分された搬送波はより高い優先順位を有し、23dBmが、最初に配分された搬送波を満たし、何らかの残存電力が存在する場合には、その残存電力は、専用搬送波のために用いられる。
【0159】
あるいは、配分された搬送波のチャネル条件の方がよい場合には、そのときには、UEは、専用搬送波の劣った高周波数カバレッジを有する領域にある。電力が専用搬送波のために用いられ、その電力は大きいことが要求され、パフォーマンスが依然として劣っている場合には、電力は、配分された搬送波のために用いられる方がよい。
【0160】
あるいは、配分された搬送波のチャネル条件の方が優れていると、専用搬送波のチャネル条件が、相対的に劣っている。例えば、3.5GHzというカバレッジ範囲では、より多くの電力が専用搬送波に割り当てられると、両方の搬送波上でのULのパフォーマンスが保証されることが可能になる。
【0161】
例4
LTEとNRとは、DCシナリオにある。LTEはMeNB/MgNB/MCGであり、NRはSeNB/SgNB/SCGである。又は、マスタ基地局とセカンダリ基地局とは、対向する態様に構成されている。
【0162】
方法1では、UEの最大アップリンク電力がUEの最大送信電力(Pcmax)を超えられないということだけが構成される。すなわち、UEのULのLTE及びNRの全体の送信電力は、Pcmaxを超えられない。UEは、二つの電力ヘッドルーム(PHR)を、二つのgNB又はセルグループ(CG)に報告する。
【0163】
方法2では、UEのLTEのULがLTEの最大送信電力(Pcmax_lte)を超えられず、UEのNRのULがNRの最大送信電力(Pcmax_nr)を超えられないということが構成される。Pcmax_lteとPcmax_nrとの和は、UEの最大送信電力Pcmaxよりも小さいことが必要である。UEは、二つのPHRを、二つのgNB又はCGに報告する。
【0164】
方法3では、LTEのMCGとNRのSCGとのそれぞれのCGに対応する最小の保証された電力が、構成される。残存電力は、送信信号/チャネルの優先順位又はCGの間のタイミングに従って、割り当てられる。
【0165】
例5
異なるヌメロロジー(numerology)(例えば、15kHzの副搬送波間隔がある場合に用いられ、60kHzの副搬送波間隔が別の場合には用いられること)の多重化又は異なるトラフィックタイプの多重化のために、UEの最大送信電力を超えないという要件を満たすことが考慮される。
【0166】
例えば、強化されたモバイルブロードバンド(eMBB)(例えば、15kHzの副搬送波間隔を用いる)と超信頼性低遅延通信(URLLC)(例えば、60kHzの副搬送波間隔を用いる)との多重化のためには、ある場合には、URLLCが送信されると、eMBBは送信されず、URLLCは、通常のUL電力制御に一致する。他方の場合には、URLLCとeMBBとが、周波数分割多重化(FDM)モードを採用する。eMBBの電力とURLLCの電力との和は、UEの最大送信電力を超える可能性が高く、SAPの要件が満たされない。
【0167】
方法1では、基地局が、eMBBとURLLCとのそれぞれのための最大送信電力を構成し、この最大送信電力の和は、UEの最大送信電力を超えない。
【0168】
方法2では、基地局が、eMBBとURLLCとのそれぞれのための最小の保証された送信電力を構成し、この最小の保証された送信電力の和は、UEの最大送信電力を超えない。残存電力は、URLLCのために用いられるのが好ましいか、又は、残存電力が、優先順位の高い送信信号タイプ(制御チャネルなど)のために用いられるのが好ましいか、若しくは、送信タイミングがより早いトラフィックタイプのために用いられるのが好ましいか、である。
【0169】
方法3では、UEが、URLLCを送信するために、電力を用いるのが好ましい。残存電力が存在する場合には、残存電力は、eMBBを送信するために、用いられる。残存電力が存在しない場合には、eMBBは送信されない。
【0170】
方法4では、UEは、URLLCの送信のための電力状況又は電力ヘッドルーム(PH)を、基地局に報告する。
【0171】
例6
LTEとNRとが、DCシナリオにある。LTEはMeNB/MgNB/MCGであり、NRはSeNB/SgNB/SCGである。あるいは、マスタ基地局とセカンダリ基地局とが、対向する態様に構成される。
【0172】
PHは、DCシナリオにおける電力利用率の向上のために、動的に報告される。
【0173】
UEが新たなデータを送信するためのアップリンクリソースを有するとき(LTEスケジューリング、NRスケジューリング、又はその両方)には、UEは、電力ヘッドルーム(PH)を計算する。PHは、LTE搬送波の若しくはNR搬送波のPHか、又は、UEの最大送信電力に対するPHであり得る。
【0174】
PHを報告するかどうかは、異なるPHの予め設定された閾値に従って、決定される。PHは、PUCCH又はMAC CEを通じて、MCG及び/又はSCGに報告され得る。
【0175】
上述の6つの例に加えて、この実施形態では、LTEのDCは、二つのアップリンク電力割り当てモードを有する。電力制御モード1(PCM1)は、一般に、同期DCのために用いられ、UEが、最小の保証された電力を、それぞれのCGに割り当てる。残存電力は、送信情報のタイプに従い、MCGとSCGとによって、配分される。電力制御モード2(PCM2)は、一般に、非同期DCのために用いられ、UEは、また、最小の保証された電力を、それぞれのCGに割り当て、残存電力は、その送信タイミングが早いCGによって用いられる。
【0176】
NRが同じヌメロロジー(例えば、副搬送波間隔、循環プレフィクスなど)を用いる供給側のeMBBのUEのためだけに用いられる場合には、LTEのPCM1又はPCM2が、再度用いられ得る。しかし、NRはより多くのシナリオと問題とを有しており、従って、NRのキャリアアグリゲーション(CA)/デュアルコネクティビティ(DC)電力制御機構を最適化することが必要である。
【0177】
本出願における例は、説明されたシナリオには限定されず、類似のシナリオ又は類似のシステムに適用され得る。以下の例は、個別的に又は組合せとして、実装され得る。
【0178】
例7:異なるトラフィックの多重化
UEに関しては、ULのeMBBデータが送信されつつあり、ULのURLLCデータがこの時点で到着する場合には、URLLCデータは、URLLCのレイテンシ要件を満たすために、直ちに送信される必要がある。
【0179】
eMBBとURLLCとがFDMを用いる場合には、URLLCは、より高い優先順位を有するべきであり、充分な電力を割り当てられるべきである。すなわち、URLLCの電力要件が満たされるべきである。eMBBの電力はP_embbであり、URLLCの電力はP_urllcであると仮定される。
【0180】
P_urllc>Pcmax-P_embbである場合には、URLLCによって要求される電力は、UEの残存電力よりも大きい。よって、eMBBとURLLCとが同時に送信される直交周波数分割多重化(OFDM)のシンボルに基づいて、P_embbが縮小されるべきである。縮小された電力は、URLLCの送信のために用いられる。この動作が実行され、一つのサブフレーム又はスロットにおける送信電力は、もはや一定に保たれない。上述の電力割り当てを達成するためには、二つの場合が考察されることが必要である。
【0181】
場合1:スケジューリング付与に基づくULのURLLC
スケジューリングに基づくULのURLLCのためには、gNBが、URLLCが送信される前に、eMBBの電力を再度割り当てるために、明示的な優先順位の指示を、UEに送信し得る。eMBBの電力は、URLLCのシンボルが送信されるため、再度割り当てられることが必要になり得る。すなわち、二段階の電力制御が使用される場合がある。
【0182】
明示的な優先順位の指示は、DCIを通じて、送信され得る。
【0183】
場合2:スケジューリング付与の免除に基づくULのURLLC
非明示的な方法が、付与免除されたULのURLLCに基づいて、考察され得る。gNBは、UEによって送信されたULのURLLC信号を検出する。gNBは、事前に定義された原理に基づいてUEがeMBBの電力を再度割り当てることを想定する。この事前に定義された原理は、URLLCのために好ましく電力を保証するという上述の原理である。
【0184】
例8:異なるデュープレクスモード
NRのCA/DC上の異なる複数の搬送波は、異なるデュープレクスモードで動作し得る。
【0185】
上述のアップリンク送信のための最小の保証された電力を保存することにより、CGのスロット又はサブフレームがULからDL/アイドル/保存に変更された場合には、CGに割り当てられた保証されている電力は、このスロットにおけるULトラフィック送信を有するCGに与えられる又は再度割り当てられることがあり得る。
【0186】
すなわち、それぞれのCGの保証されている電力(一般に、最小の保証された電力)は、固定されているか、又は、用いられていないときには他の当事者に貸与され得る。この時点で、自身の最小の保証された電力は現実には0であり、他の当事者の最小の保証された電力は、他の当事者自身の先の最小の保証された電力と、借りた最小の保証された電力との和である。
【0187】
この方法を用いると、電力の使用効率が改善され、これは、特にULの電力が限定されているシナリオの場合に、システムのスループットを改善しカバレッジを強化するために有益である。柔軟なデュープレクス又は動的なTDDなどのデュープレクス機構のためには、スロット又はサブフレームの送信方向が、動的に変化する。保証されている電力を再度割り当てる上述の方法を実行するためには、gNBが、UEに、スロット/サブフレームのリンク方向情報又はリンク方向変更の情報を、告知することができる。この告知は、DCIを通じて、実行され得る。
【0188】
例9:強化されたカバレッジ
DCは、主に、可動性及びカバレッジの強化のために、用いられる。保証されている電力(又は最小の保証された電力)がそれぞれのCGのために構成されている場合には、それぞれのCG又はそれぞれのgNBの電力は、最大送信電力(Pcmax)以下であり、電力の制限がアップリンクカバレッジの問題を生じさせる可能性がある。電力制限問題を解決するためには、保存されている保証された電力をどのように用いるかを考えることが必要である。
【0189】
NRとNRとの間のDCに関しては、複数のCGの間のスケジューリング及びハイブリッド自動反復リクエスト(HARQ)機構は、相互に独立であるが、その理由は、MgNBとSgNBとの間の接続が非理想的なバックホール接続であり、MgNBとSgNBとがスケジューリング情報に関して動的に対話することが不可能であるからである。しかし、UEの観点からは、UEは、MgNB及びSgNBからのすべての情報を有しており、情報の二つの部分は、UEの内部的な実装において、配分され得る。よって、UEの観点からは、DCは、より多くの動的電力割り当て又は電力配分を用いることができる。
【0190】
例えば、方法1では、より多くの動的電力ヘッドルーム(PHR)状態又は他の情報が、アップリンク制御情報(UCI)を通じて報告される。
【0191】
方法2では、いくつかのスロット/サブフレームが、あるgNB又はCGのために半静的に保存されており、これらのスロット/サブフレームは、そのgNB又はCGのULの送信のために用いられ得るし、他のgNB又はCGは、これらのスロット/サブフレームにおけるULの送信を停止させる必要がある。
【0192】
LTEとNRとの間のDCのためには、二つのタイプのスロット/サブフレームが定義され、第1のタイプのスロット/サブフレームはLTEのために用いられ、第2のタイプのスロット/サブフレームはNRのために用いられる。あるいは、これらの二つのタイプのスロット/サブフレームのために優先順位が定義され、第1のタイプのスロット/サブフレームはNRのために用いられることは不可能であり、LTEのために用いられないときにだけ、NRのために用いられることが可能である。第2のタイプのスロット/サブフレームは、LTEのために用いられることは不可能であり、NRのために用いられないときにだけ、LTEのために用いられることが可能である。
【0193】
上述の方法は、LTEのDCのPCM1/PCM2(電力スケーリング又は最小の保証された電力)など、他の電力制御ソリューションと共に、用いられ得る。
【0194】
方法1及び方法2におけるUCI情報は、(1)ULからDLに切り替えられつつある又はスロット/サブフレーム/シンボルにおいてアイドル状態にある、CGにおけるi番目の成分搬送波CCi、(2)スロット/サブフレーム/シンボルのシリアル番号若しくは開始位置、又は、終了位置、又は、継続時間のうちの少なくとも一つ、(3)電力オフセット値、のうちの少なくとも一つを含む。
【0195】
例10:より広い帯域幅
より広い帯域幅は、帯域幅を構成する複数の部分を含むか、又は、それらに分割され、帯域幅のこれらの部分間の関係は、帯域内のCAと類似している。NRのCAのほとんどの電力制御ソリューションは、帯域幅のこれらの部分の集合のために用いられ得る。帯域幅の部分と周波数帯域の中の搬送波の集合との間の主な差異と、対応するソリューションとは、以下のステップを含む。
【0196】
(1)帯域幅の複数の部分、すなわち、同じタイミングアライメントグループ(TAG)に属する、より幅の広い帯域幅の内部にある帯域幅の複数の部分の間には、同期的なシナリオだけが想定され得る。(2)より幅の広い帯域幅の内部にある帯域幅の複数の部分は、一つの共通の経路損失値又は基準信号受信電力(RSRP)を用いる。経路損失値又はRSRPは、ULの電力制御を実行するために、帯域幅のそれらの部分のために、用いられる。共通の経路損失値又はRSRPは、限定されている又は基準となる帯域幅の一部分の測定に基づいて、取得され得る。チャネル状態情報-基準信号(CSI-RS)/同期信号(SS)は、RSRP測定など無線リソース管理(RRM)測定の帯域幅の一部の上を送信される。
【0197】
あるいは、CSI-RS又はSSは、RRM測定のためのより広い帯域幅の内部の帯域幅のすべて又は複数の部分にわたって、別個に送信される。すなわち、RRM測定は、帯域幅のすべての又は複数の部分とは独立に実行され、アップリンク電力制御は、それ自体の測定されたRSRP又は経路損失値を用いることによって実行される。
【0198】
(3)帯域幅の複数の部分によって用いられる異なるヌメロロジー(例えば、副搬送波間隔)によって生じる干渉を減少させ、帯域幅のガードインターバルを縮小させるために、より小さな電力が、帯域幅の部分のエッジにおけるリソースブロック(RB)に、割り当てられる。
【0199】
例11:低周波数(LF)の周波数帯域と高周波数(HF)の周波数帯域との組合せ
二つの組合せ搬送波(それぞれが、低周波数と高周波数とに属する)の同時送信が不可能であるという問題を解決するため、これらの二つの搬送波は、CA/DC動作が実行されるときに、TDM態様を用いる。類似の方法のために、強化されたカバレッジなど、他の例が、基準とされる場合もある。
【0200】
例12:補助的アップリンク周波数(SUL)
主な問題は、SUL周波数と専用搬送波の周波数との間の特性の差異が大きい、ということである。ある方法では、SUL搬送波又はSULとペアになったダウンリンク搬送波に位置しているダウンリンクのスロット/サブフレームが構成される。CSI-RS/SSは、UEがRSRP又は経路損失測定を実行するために、そのようなダウンリンクのスロット/サブフレーム上で送信される。測定信号は、周期的に又は非周期的に送信され得る。オーバヘッドを縮小させるため、周期は、長い周期として構成され得るか、又は、長い周期の間に一度、送信及び測定がトリガされる。
【0201】
例13:二つのステップ(2-ステップ)による電力制御
スケジューリングの付与とULの送信との間には時間的間隔が存在するため、UEは、LTEとNRとの両方のリンクのために、送信電力を計算して割り当てる時間を有する。2-ステップの電力制御が、電力を動的に再度割り当てるために用いられることが可能であり、この特定の方法は、以下のステップを含む。
【0202】
ステップ1では、電力割り当てが、既存のUL電力制御アルゴリズムに従って、実行される。例えば、当初の電力制御コマンドとスケジューリングの付与とが、一緒に、UEに送信される。
【0203】
ステップ2では、必要であれば、電力が再度割り当てられる。
【0204】
例えば、URLLC送信が存在するときには、電力は、送信の前に再度割り当てられ、UEは、DCIを用いることによって、指示される。eMBB送信電力は、UEのURLLC送信のために、又は、近傍におけるURLLCトラフィックにおける干渉減少のために、ゼロにまで動的に縮小されることがある。
【0205】
ステップ2におけるDCIは、(1)ULからDLに切り替えられつつある又はスロット/サブフレーム/シンボルにおいてアイドル状態にある、CGにおけるi番目の成分搬送波CCi、(2)スロット/サブフレーム/シンボルのシリアル番号若しくは開始位置、又は、終了位置、又は、継続時間のうちの少なくとも一つ、(3)電力オフセット値、という情報のうちの少なくとも一つを含む。
【0206】
DCIを経由する明示的な指示に加えて、非明示的な方法が考察されることもあり得る。gNBは、UEによって送信されたULのURLLC信号を検出する。gNBは、事前に定義された原理に基づいてUEがeMBBの電力を再度割り当てる、と想定する。この事前に定義された原理は、好ましくは、URLLCのために、電力又は電力スケーリングレベルを保証している。
【0207】
例14:NR及びLTEのDC
NR及びLTEのDCは、複数のNRの間のDCの特別なシナリオであり、すなわち、複数の異なる無線アクセス技術(RAT)の間の協調が含まれる。LTEとNRとが相互に独立であるということを考慮して、LTEとNRとのDCの間の電力配分が、半静的に、構成され得る。例えば、最大送信電力は、(LTEのCG又はNRのCGのうちの少なくとも一方を含む)それぞれのCGに対して、別々に、構成される。トラフィックタイプとチャネルタイプとの優先順位に従って、電力配分が、それぞれのCGの内部の成分搬送波の間で実行され得る。複数の異なるCGの最大電力は、固定され得る、又は、動的に変更され得る。低い優先順位のCGの最大電力は、複数の他のCGの最大電力を加算した後のヘッドルームである。
【0208】
例15:二つのタイプの変調及びコーディング方式(MCS)の電力補償
アップリンク電力制御アルゴリズムでは、MCSフォーマットのための電力補償が考慮され、これが、Delta_MCS(プロトコルTS36.213のバージョンリリース14.0.0を参照)において、具体化されている。送信時間間隔(TTI)における送信の間に、何らかのリソース及び電力が、URLLC送信など、他のトラフィックに与えられる。受信パフォーマンスを向上させるためには、URLLCによって占められていない他のリソースに対して電力補償を実行することが必要である。
【0209】
従って、二つのタイプのMCS電力補償が設定される。
【0210】
第1のタイプ(Delta_MCS1)は、次の通り、すなわち、電力の再割り当ては実行されない。例えば、通常の送信が、当初の電力制御に従って、実行される。
【0211】
第2のタイプ(Delta_MCS2)は、次の通り、すなわち、電力の再割り当てが実行される。例えば、eMBBのリソースの一部が使用のためにURLLCに与えられるときには、電力の再割り当てが実行され、URLLCによって用いられないリソースについては、Delta_MCS2の値が増加される。
【0212】
実施形態4
本出願のある実施形態は、さらに、記憶媒体を提供する。この実施形態では、記憶媒体が、以下で述べるステップを実行するためのプログラムコードを記憶するように構成され得る。
【0213】
S1では、第1の搬送波上のユーザ機器(UE)の送信電力と第2の搬送波上のUEの送信電力とが、決定される。
【0214】
S2では、第1の搬送波上の送信電力に従い、第1の搬送波上のUEによって送信された第1のアップリンクトラフィックが受信され、第2の搬送波上の送信電力に従い、第2の搬送波上のUEによって送信された第2のアップリンクトラフィックが受信される。
【0215】
この実施形態では、上述の記憶媒体は、これらに限定されることはないが、USBフラッシュディスク、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、モバイルハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、又はプログラムコードを記憶することができるそれ以外の媒体を含み得る。
【0216】
この実施形態では、プロセッサは、記憶媒体における記憶されたプログラムコードに従い、第1の搬送波上のUEの送信電力と、第2の搬送波上のUEの送信電力とを決定するステップを実行する。
【0217】
この実施形態では、プロセッサは、記憶媒体における記憶されたプログラムコードに従い、第1の搬送波上の送信電力に従い第1の搬送波上でUEによって送信された第1のアップリンクトラフィックと、第2の搬送波上の送信電力に従い第2の搬送波上でUEによって送信された第2のアップリンクトラフィックとを受信するステップを実行する。例えば、この実施形態では、上述の実施形態及び最適な実施形態において説明された例が参照されるが、これらの例は、この実施形態では、反復されない。
【0218】
本出願の上述されたモジュール又はステップのそれぞれは、汎用計算機によって実装され得るということ、これらのモジュール又はステップを単一の計算機上に集中させ得る又は複数の計算機によって構成されるネットワーク上に分散させ得ることは、当業者によって理解されるはずである。ある実施形態では、本出願のモジュール又はステップのそれぞれは、計算機によって実行可能なプログラムコードによって実装され得るのであって、これらのモジュール又はステップは、記憶装置に記憶され、計算機によって実行され得る。いくつかの状況では、図解され又は説明されたステップは、本明細書で上述された場合とは異なるシーケンスとして実行される、又は、実装のために、これらのモジュール若しくはステップが様々な集積回路モジュールの中に別々に内蔵される、若しくは、本明細書の複数のモジュール若しくはステップが、単一の集積回路モジュールの中に内蔵されることがあり得る。このように、本出願は、ハードウェアとソフトウェアとのいかなる特定の組合せにも限定されない。