(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-30
(45)【発行日】2023-06-07
(54)【発明の名称】医療用又は歯科用機器を準備及び/又は手入れするための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61C 19/00 20060101AFI20230531BHJP
【FI】
A61C19/00 J
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021012477
(22)【出願日】2021-01-28
【審査請求日】2021-05-11
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509235534
【氏名又は名称】ヴェー ウント ハー デンタルヴェルク ビュールモース ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179947
【氏名又は名称】坂本 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン ガッルセーデル
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル レイテル
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/073339(WO,A1)
【文献】特表2008-514375(JP,A)
【文献】国際公開第2005/009271(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第110392543(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第02514386(EP,A1)
【文献】米国特許第04544355(US,A)
【文献】独国実用新案第212011100070(DE,U1)
【文献】特開平06-038985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)の準備及び/又は手入れ方法であって、
a)前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)の結合端(51)に、取り外し可能に接続できる接続アダプタ(10)を設けるステップと、
b)前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)を、前記接続アダプタ(10)を介して、医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)のための第1準備及び/又は手入れ装置(1)に接続するステップと、
c)前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)により、前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)を準備及び/又は手入れするステップと、
d)前記接続アダプタ(10)を、該接続アダプタ(10)に取り付けられた前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)と一緒に、前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)から分離するステップと、
e)前記接続アダプタ(10)を、該接続アダプタ(10)に取り付けられた前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)と一緒に、医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)のための第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)に接続するステップと、
f)前記第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)により、前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)を準備及び/又は手入れするステップと、
を含
み、
前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)及び前記第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)が、それぞれ、前記接続アダプタ(10)の結合延長部(13)のプラグイン収容用の結合レセプタクル(5)を備えた結合ピース(4)を備え、前記結合レセプタクル(5)を有する前記結合ピース(4)は、前記結合レセプタクル(5)が形成された本体(6)と、該本体(6)を通して準備及び/又は手入れ媒体を導くと共に、前記結合レセプタクル(5)の表面上の開口(8)で終端する少なくとも1つの媒体ライン(7)と、前記本体(6)に移動可能に配置されると共に、ロック位置及びロック解除位置に選択的に移動可能なロックプレート(9)と、前記ロックプレート(9)に配置されると共に、前記準備及び/又は手入れ媒体を通過させるために、前記媒体ライン(7)の前記開口(8)に流体接続された貫通開口(20)と、前記ロックプレート(9)を付勢するための第1付勢要素(21)と、前記本体(6)の孔(23)内にスライド可能に収容され、前記ロックプレート(9)のロック開口(24)を通るよう延在し、ロックピース(25)及びロック解除ピース(26)を有し、前記ロック開口(24)がロック部(27)及びロック解除部(28)を有するロックピン(22)と、前記ロックピン(22)を付勢することにより、該ロックピン(22)の接触端(35)を前記ロックプレート(9)から突出させるための第2付勢要素(29)とを有し、前記ロックプレート(9)及び前記ロックピン(22)が相互作用する構成になっていることにより、前記ロックピン(22)の前記接触端(35)に力が作用すると、前記ロックピン(22)の前記ロックピース(25)が前記ロック開口(24)の前記ロック部(27)に収容されるまで、前記接触端(35)が前記第2付勢要素(29)の付勢に抗して前記本体(6)の前記孔(23)方向に移動可能であり、これにより前記ロックプレート(9)が前記第1付勢要素(21)の付勢力に起因して前記ロック位置に移動可能であり、前記ロックプレート(9)及び前記ロックピン(22)が相互作用する構成になっていることにより、前記第1付勢要素(21)の付勢力に抗して前記ロックプレート(9)に力が作用すると、前記ロックプレート(9)が前記ロック解除位置に移動し、これにより前記第2付勢要素(29)の付勢力に起因して前記ロックピン(22)の前記接触端(35)が前記本体(6)の前記孔(23)から離れるよう移動可能であり、これにより前記ロックピン(22)の前記ロック解除ピース(26)が前記ロック開口(24)の前記ロック解除部(26)に収容され、前記ロックプレート(9)が前記ロック解除位置に固定されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
請求項
1に記載の準備及び/又は手入れ方法であって、ステップb)が、
b1)前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)を、前記接続アダプタ(10)に接続するサブステップと、
b2)前記接続アダプタ(10)を、該接続アダプタ(10)に取り付けられた前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)と一緒に、前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)に接続するサブステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の準備及び/又は手入れ方法であって、ステップf)の後に、前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)を、前記接続アダプタ(10)から分離することを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1~
3の何れか一項に記載の準備及び/又は手入れ方法であって、前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)が、内側に少なくとも1個の構成要素(53)が配置された中空の外側スリーブ(52)を有し、前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)、及び/又は、前記第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)による前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)の準備及び/又は手入れが、特に準備及び/又は手入れ媒体を前記少なくとも1個の構成要素(53)に向けて導くことによる、前記中空の外側スリーブ(52)の内側に配置された前記少なくとも1個の構成要素(53)の準備及び/又は手入れを含むことを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1~
4の何れか一項に記載の準備及び/又は手入れ方法であって、前記接続アダプタ(10)及び前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)、及び/又は、前記接続アダプタ(10)及び前記第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)を、互いにプラグインコネクタ(3)によって接続することを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項1
~5の何れか一項に記載の準備及び/又は手入れ方法であって、前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)若しくは前記第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)の一方は、前記医療用又は歯科用機器に潤滑剤を送出するように構成された手入れ装置を含んでおり、前記潤滑剤は、植物性物質及び/又は鉱油を含むことを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項
1~
6の何れか一項に記載の準備及び/又は手入れ方法であって、前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)若しくは前記第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)の
一方は、準備又は洗浄媒体を前記医療用又は歯科用機器に送出する準備又は洗浄機器と、消毒媒体を前記医療用又は歯科用機器に送出する消毒機器と、滅菌媒体を前記医療用又は歯科用機器に送出する滅菌器又はオートクレーブとの、いずれか1つを含んでいることを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項1~
7の何れか一項に記載の準備及び/又は手入れ方法であって、前記接続アダプタ(10)は、準備及び/又は手入れ媒体用の少なくとも1つの媒体ライン(11,15)を備え、該少なくとも1つの媒体ライン(11,15)が、前記接続アダプタ(10)を通るよう延在することにより、準備及び/又は手入れ媒体を、前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)又は前記第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)から前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)の内部に導くことを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項1~
8の何れか一項に記載の準備及び/又は手入れ方法であって、ステップc)及びf)にしたがって前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)を準備及び/又は手入れするステップは、前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)が前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)及び前記第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)によって少なくとも1つの異なる準備及び/又は手入れ媒体を供給されることを含んでいることを特徴とする、方法。
【請求項10】
医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)の準備及び/又は手入れシステム(100)であって、医療用又は歯科用機器のための第1準備及び/又は手入れ装置(1)と、医療用又は歯科用機器のための第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)と、接続アダプタ(10)とを備え、前記接続アダプタ(10)は、準備及び/又は手入れされる医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)の結合端(51)に取り外し可能に接続できると共に、
前記医療用又は歯科用機器のための第1準備及び/又は手入れ装置(1)及び
前記医療用又は歯科用機器のための第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)に選択的、かつ取り外し可能に接続できるものであり、前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)及び前記第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)が、前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)に、異なる準備及び/又は手入れプロセスを適用し、
前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)及び前記第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)が、それぞれ、前記接続アダプタ(10)の結合延長部(13)のプラグイン収容用の結合レセプタクル(5)を備えた結合ピース(4)を備え、前記結合レセプタクル(5)を有する前記結合ピース(4)は、前記結合レセプタクル(5)が形成された本体(6)と、該本体(6)を通して準備及び/又は手入れ媒体を導くと共に、前記結合レセプタクル(5)の表面上の開口(8)で終端する少なくとも1つの媒体ライン(7)と、前記本体(6)に移動可能に配置されると共に、ロック位置及びロック解除位置に選択的に移動可能なロックプレート(9)と、前記ロックプレート(9)に配置されると共に、前記準備及び/又は手入れ媒体を通過させるために、前記媒体ライン(7)の前記開口(8)に流体接続された貫通開口(20)と、前記ロックプレート(9)を付勢するための第1付勢要素(21)と、前記本体(6)の孔(23)内にスライド可能に収容され、前記ロックプレート(9)のロック開口(24)を通るよう延在し、ロックピース(25)及びロック解除ピース(26)を有し、前記ロック開口(24)がロック部(27)及びロック解除部(28)を有するロックピン(22)と、前記ロックピン(22)を付勢することにより、該ロックピン(22)の接触端(35)を前記ロックプレート(9)から突出させるための第2付勢要素(29)とを有し、前記ロックプレート(9)及び前記ロックピン(22)が相互作用する構成になっていることにより、前記ロックピン(22)の前記接触端(35)に力が作用すると、前記ロックピン(22)の前記ロックピース(25)が前記ロック開口(24)の前記ロック部(27)に収容されるまで、前記接触端(35)が前記第2付勢要素(29)の付勢に抗して前記本体(6)の前記孔(23)方向に移動可能であり、これにより前記ロックプレート(9)が前記第1付勢要素(21)の付勢力に起因して前記ロック位置に移動可能であり、前記ロックプレート(9)及び前記ロックピン(22)が相互作用する構成になっていることにより、前記第1付勢要素(21)の付勢力に抗して前記ロックプレート(9)に力が作用すると、前記ロックプレート(9)が前記ロック解除位置に移動し、これにより前記第2付勢要素(29)の付勢力に起因して前記ロックピン(22)の前記接触端(35)が前記本体(6)の前記孔(23)から離れるよう移動可能であり、これにより前記ロックピン(22)の前記ロック解除ピース(26)が前記ロック開口(24)の前記ロック解除部(26)に収容され、前記ロックプレート(9)が前記ロック解除位置に固定されることを特徴とする、システム。
【請求項11】
請求項
10に記載の医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)の準備及び/又は手入れシステム(100)であって、
前記接続アダプタ(10)は、前記第1準備及び/又は手入れ装置(1)及び前記第2準備及び/又は手入れ装置(2,14)の前記少なくとも1個の結合ピース(4)に選択的にプラグ接続することができてプラグインコネクタ(3)を形成する結合要素(12)を有し
、前記結合要素(12)に、接触面(32)が設けられ、該接触面(32)が、前記結合延長部(13)が前記結合レセプタクル(5)内に差し込まれたときに、前記ロックピン(22)の前記接触端(35)に力を作用させるよう配置され、従って前記ロックピン(9)の前記ロックピース(25)が前記ロック開口(24)の前記ロック部(27)に収容されるまで、前記接触端(35)が前記第2付勢要素(29)の付勢に抗して前記本体(6)の前記孔(23)方向に移動し、これにより前記ロックプレート(9)が前記第1付勢要素(21)の付勢力に起因して前記ロック位置に移動することを特徴とする、システム。
【請求項12】
医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)を準備及び/又は手入れするための準備及び/又は手入れ装置(1,2,14)を、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)に流体移送可能に接続するよう構成されたアダプタ(10)に接続するための結合装置(30)であって、該結合装置(30)が、プラグインコネクタ(3)として構成され、前記準備及び/又は手入れ装置(1,2,14)に設けられた結合ピース(4)及び前記接続アダプタ(10)に設けられた結合要素(12)を有し
、
前記2個の構成要素の一方、即ち前記結合ピース(4)又は前記結合要素(12)が、結合延長部(13)を有し、前記2個の構成要素の他方、即ち前記結合ピース(4)又は前記結合要素(12)が、プラグイン収容用の結合レセプタクル(5)を有し、該結合レセプタクル(5)を有する前記2個の構成要素の一方、即ち前記結合ピース(4)又は前記結合要素(12)が、前記結合レセプタクル(5)が形成された本体(6)と、該本体(6)を通して準備及び/又は手入れ媒体を導くと共に、前記結合レセプタクル(5)の表面上の開口(8)で終端する少なくとも1つの媒体ライン(7)と、前記本体(6)に移動可能に配置されると共に、ロック位置及びロック解除位置に選択的に移動可能なロックプレート(9)と、前記ロックプレート(9)に配置されると共に、前記準備及び/又は手入れ媒体を通過させるために、前記媒体ライン(7)の前記開口(8)に流体接続された貫通開口(20)と、前記ロックプレート(9)を付勢するための第1付勢要素(21)と、前記本体(6)の孔(23)内にスライド可能に収容され、前記ロックプレート(9)のロック開口(24)を通るよう延在し、ロックピース(25)及びロック解除ピース(26)を有し、前記ロック開口(24)がロック部(27)及びロック解除部(28)を有するロックピン(22)と、前記ロックピン(22)を付勢することにより、該ロックピン(22)の接触端(35)を前記ロックプレート(9)から突出させるための第2付勢要素(29)とを有し、前記ロックプレート(9)及び前記ロックピン(22)が相互作用する構成になっていることにより、前記ロックピン(22)の前記接触端(35)に力が作用すると、前記ロックピン(22)の前記ロックピース(25)が前記ロック開口(24)の前記ロック部(27)に収容されるまで、前記接触端(35)が前記第2付勢要素(29)の付勢に抗して前記本体(6)の前記孔(23)方向に移動可能であり、これにより前記ロックプレート(9)が前記第1付勢要素(21)の付勢力に起因して前記ロック位置に移動可能であり、前記ロックプレート(9)及び前記ロックピン(22)が相互作用する構成になっていることにより、前記第1付勢要素(21)の付勢力に抗して前記ロックプレート(9)に力が作用すると、前記ロックプレート(9)が前記ロック解除位置に移動し、これにより前記第2付勢要素(29)の付勢力に起因して前記ロックピン(22)の前記接触端(35)が前記本体(6)の前記孔(23)から離れるよう移動可能であり、これにより前記ロックピン(22)の前記ロック解除ピース(26)が前記ロック開口(24)の前記ロック解除部(26)に収容され、前記ロックプレート(9)が前記ロック解除位置に固定されることを特徴とする、結合装
置。
【請求項13】
請求項
12に記載の結合装置(30
)であって、前記ロックピン(22)の前記ロックピース(25)における外径が、前記ロックピン(22)の前記ロック解除ピース(26)における外径よりも小さく、前記ロック開口(24)の前記ロック部(27)における内径が、前記ロック開口(24)の前記ロック解除部(28)における内径よりも小さいことを特徴とする、結合装
置。
【請求項14】
請求項
12又は
13に記載の結合装置(30
)であって、前記結合延長部(13)を有する前記他方の構成要素、即ち前記結合ピース(4)又は前記結合要素(12)に、凹部(36)が設けられ、前記結合延長部(13)が前記結合レセプタクル(5)内に差し込まれて前記ロックプレート(9)が前記ロック位置を占めたときに、前記凹部(36)に、前記ロックプレート(9)における前記貫通開口(20)の周辺エッジ(37)が係合し、これにより前記結合ピース(4)及び前記結合要素(12)が互いに固定されることを特徴とする、結合装
置。
【請求項15】
請求項
12~
14の何れか一項に記載の結合装置(30
)であって、
前記接続アダプタ(10)に、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)を接続するための接続要素(34)が設けられ、該接続要素(34)が、前記医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)のねじ山(54)とねじ接続するための雌ねじ(38)が形成されたユニオンナット(33)を有し、該ユニオンナット(33)が、前記接続要素(34)の長手方向軸線(39)に沿って変位可能であることを特徴とする、結合装
置。
【請求項16】
請求項
12~
15の何れか一項に記載の結合装置(30
)であって、前記結合延長部(13)を有する前記他方の構成要素、即ち前記結合ピース(4)又は前記結合要素(12)に、接触面(32)が設けられ、該接触面(32)が、前記結合延長部(13)が前記結合レセプタクル(5)内に差し込まれたときに、前記ロックピン(22)の前記接触端(35)に力を作用させるよう配置され、従って前記ロックピン(9)の前記ロックピース(25)が前記ロック開口(24)の前記ロック部(27)に収容されるまで、前記接触端(35)が前記第2付勢要素(29)の付勢に抗して前記本体(6)の前記孔(23)方向に移動し、これにより前記ロックプレート(9)が前記第1付勢要素(21)の付勢力に起因して前記ロック位置に移動することを特徴とする、結合装
置。
【請求項17】
医療用又は歯科用機器(50,50A,50B)を準備及び/又は手入れするための準備及び/又は手入れ装置(1,2,14)であって、請求項
12~
16の何れか一項に記載の結合装置(30)を備えることを特徴とする、準備及び/又は手入れ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用又は歯科用機器を準備及び/又は手入れするための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の要求によれば、医療用又は歯科用機器の使用後の処理は、例えば、洗浄及び/又は消毒、手入れ、並びに滅菌など、幾つかのステップを含む。これら処理ステップは、異なる準備及び/又は手入れ装置で実施されることが多く、使用者は、各処理ステップ後に対応の装置から医療用又は歯科用機器を取り外し及び/又は分離し、後続の装置に配置及び/又は接続しなければならない。
【0003】
準備及び/又は手入れ装置及び異なる医療用又は歯科用機器は、異なるインターフェースを有することが多いため、準備及び/又は手入れ装置と医療用又は歯科用機器との間で接続を確立するために、接続アダプタを設ける必要がある。このような接続アダプタは、医療用又は歯科用機器の内部又は構成要素を準備及び/又は手入れするために、準備及び/又は手入れ製品が医療用又は歯科用機器の内部に導かれるときに特に必要とされる。従って、使用者は、ある準備及び/又は手入れ装置から他の準備及び/又は手入れ装置に変更する場合、接続アダプタもその度に変えて、医療用又は歯科用機器を後続の準備及び/又は手入れ装置に接続できるようにしなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の課題は、医療用又は歯科用機器を準備及び/又は手入れするための方法を使用者がより容易に実施できるようにすると共に、準備及び/又は手入れプロセス全体に必要な時間を短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴を有する医療用又は歯科用機器の準備及び/又は手入れ方法、請求項6の特徴を有する接続アダプタ、請求項8の特徴を有する医療用又は歯科用機器の準備及び/又は手入れシステム、並びに請求項10の特徴を有する準備及び/又は手入れ装置を接続アダプタに接続するための結合装置によって解決される。特に有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明に係る方法、特に、医療用又は歯科用機器を準備及び/又は手入れするためのマルチステップ方法は、以下のステップを含む。即ち、
a)医療用又は歯科用機器の結合端に、取り外し可能に接続できる接続アダプタを設けるステップと、
b)医療用又は歯科用機器を、接続アダプタを介して、医療用又は歯科用機器のための第1準備及び/又は手入れ装置に接続、特に取り外し可能に接続するステップと、
c)第1準備及び/又は手入れ装置により、医療用又は歯科用機器を準備及び/又は手入れするステップと、
d)接続アダプタを、その接続アダプタに取り付けられた医療用又は歯科用機器と一緒に、第1準備及び/又は手入れ装置から分離するステップ(この場合の分離は、特に第1準備及び/又は手入れ装置による準備及び/又は手入れの完了後に行われる)と、
e)接続アダプタを、その接続アダプタに取り付けられた医療用又は歯科用機器と一緒に、医療用又は歯科用機器のための第2準備及び/又は手入れ装置に接続、特に取り外し可能に接続するステップと、
f)第2準備及び/又は手入れ装置により、医療用又は歯科用機器を準備及び/又は手入れするステップと、
を含む。
【0007】
ステップa)~ステップf)は、順次に実施され、特に上述した順番、即ちステップa)から開始してステップf)で終了するのが好適である。
【0008】
本発明に係る接続アダプタは、医療用又は歯科用機器の準備及び/又は手入れ方法、特に上述した方法において、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器、特にその結合端に取り外し可能に接続できると共に、医療用又は歯科用機器のための第1及び第2準備及び/又は手入れ装置に選択的に及び/又は異なる時点で取り外し可能に接続できることによって規定される。接続アダプタと、機器と、第1又は第2準備及び/又は手入れ装置との間の接続は、特に流体移送可能な接続を含む。
【0009】
医療用又は歯科用機器の準備及び/又は手入れシステムは、医療用又は歯科用機器のための第1準備及び/又は手入れ装置と、医療用又は歯科用機器のための第2準備及び/又は手入れ装置と、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器、特にその結合端、並びに第1準備及び/又は手入れ装置及び第2準備及び/又は手入れ装置に接続可能な接続アダプタとを備え、第1準備及び/又は手入れ装置及び第2準備及び/又は手入れ装置は、医療用又は歯科用機器に、異なる準備及び/又は手入れプロセスを適用する。本発明のシステムは、特に、医療用又は歯科用機器の準備及び/又は手入れ方法、特に上述した方法を実施できるよう構成されており、その方法においては、接続アダプタ及びその接続アダプタに取り付けられた医療用又は歯科用機器を、第1及び第2準備及び/又は手入れ装置に選択的に及び/又は異なる時点で(ユニットとして)一緒に接続可能であり、これにより少なくとも1種の流体又は準備及び/又は媒体を特に好適に移送することができる。
【0010】
医療用又は歯科用機器のための準備及び/又は手入れ方法、接続アダプタ、医療用又は歯科用機器の準備及び/又は手入れシステム、並びに結合装置の利点は、接続アダプタが複数の準備及び/又は手入れ装置に(作動)接続可能であり、これにより接続アダプタ及びその接続アダプタに取り付けられた医療用又は歯科用機器は、準備及び/又は手入れ方法の実施中に、ある準備及び/又は手入れ装置から他の準備及び/又は手入れ装置に変更するときに分離不要であり、従って本発明の方法の実施中に使用される少なくとも2個の準備及び/又は手入れ装置に特に(取り外し可能な)ユニットとして接続することができることである。好適には、接続アダプタ又は接続アダプタ・機器ユニットは、本発明に係る方法の全ての準備及び/又は手入れ装置に接続することができるため、準備及び/又は手入れ方法の全体にわたって、接続アダプタ・機器ユニットの分離が不要である。これにより、使用者にとって準備及び/又は手入れ方法が簡略化され、時間が節約される。更に、有利には、必要な接続アダプタの個数も減少する。
【0011】
例えば上述した方法のステップb)及びステップe)に記載されているように、医療用又は歯科用機器の接続アダプタへの接続、及び/又は、接続アダプタの第1又は第2準備及び/又は手入れ装置への接続は、プラグインコネクタを接合することによって行われる。プラグインコネクタは、以下に詳細に説明するように、特に、接続アダプタ上の結合要素又はプラグイン要素、機器、並びに第1及び第2準備及び/又は手入れ装置によって構成されている。例えば本発明のステップd)に記載されているように、接続アダプタからの医療用又は歯科用機器の分離、及び/又は、第1又は第2準備及び/又は手入れ装置からの接続アダプタの取り外しもプラグインコネクタによって行われる。
【0012】
例えば上述した方法のステップd)に記載されているように、接続アダプタを、その接続アダプタに固定された医療用又は歯科用機器と一緒に、第1準備及び/又は手入れ装置から分離することは、特に、接続アダプタ及び機器が第1準備及び/又は手入れ装置から取り外されるユニットを形成することを意味している。この場合、特に、接続アダプタ及び医療用又は歯科用機器は、互いに取り外されることはない。特に、接続アダプタ及び医療用又は歯科用機器は、第1準備及び/又は手入れ装置からの分離中、例えば上述した方法のステップc)に記載されているように、その分離前に第1準備及び/又は手入れ装置で行われる準備及び/又は手入れ中と同様に互いに接続が維持される。このように、接続アダプタ及び機器は、有利には、本発明に係る方法の実施中に(非分離)ユニットとして一緒に取り扱われる。
【0013】
例えば上述した方法のステップe)に記載されているように、接続アダプタを、その接続アダプタに取り付けられた医療用又は歯科用機器と一緒に、第2準備及び/又は手入れ装置に接続することは、特に、接続アダプタ及び機器が第2準備及び/又は手入れ装置に固定されるユニットを形成することを意味している。この場合、特に、接続アダプタ及び医療用又は歯科用機器は、互いに取り外されることはない。特に、接続アダプタ及び医療用又は歯科用機器は、第2準備及び/又は手入れ装置に接続されるとき、例えば上述した方法のステップc)に記載されているように、その接続前に第1準備及び/又は手入れ装置で行われる準備及び/又は手入れ中と同様に互いに接続が維持され、及び/又は、第1準備及び/又は手入れ装置から分離されるとき、例えば上述した方法のステップd)に記載されているように、その分離中と同様に互いに接続が維持される。このように、接続アダプタ及び機器は、有利には、本発明に係る方法の実施中に(非分離)ユニットとして一緒に取り扱われる。
【0014】
医療用又は歯科用機器を、接続アダプタを介して第1準備及び/又は手入れ装置に接続することは、例えば上述した方法のステップb)に記載されているように、以下のサブステップを含むのが好適である。即ち、
b1)医療用又は歯科用機器、特にその機器の結合端を、接続アダプタに(取り外し可能に)接続するサブステップと、
b2)接続アダプタを、その接続アダプタに固定された医療用又は歯科用機器と一緒に、第1準備及び/又は手入れ装置、特に第1準備及び/又は手入れ装置の結合ピースに(取り外し可能に)接続するサブステップと、
を含む。
【0015】
好適には、ステップb1)を最初に実施し、次いでステップb2)を実施すれば、使用者にとって取り扱いが特に容易になる。代替的に、最初に接続アダプタを第1準備及び/又は手入れ装置、特に第1準備及び/又は手入れ装置の結合ピースに(取り外し可能に)接続し、次いで医療用又は歯科用機器、特にその結合端を接続アダプタに(取り外し可能に)接続することも可能である。
【0016】
例えばステップb1)に記載されているように、接続アダプタ及び機器を接続することにより、接続アダプタ及び機器は、複数の異なる準備及び/又は手入れ装置又は準備及び/又は手入れ方法のステップにおいて、(一時的に)分離されることなく使用されるユニットを形成する。このように、接続アダプタ及び機器は、有利には、方法全体にわたって(非分離)ユニットとして一緒に取り扱われ、この点は特に、例えば上述した方法のステップb2)において第1準備及び/又は手入れ装置に接続するとき、また特に好適には、上述した方法のステップc)及びステップf)における準備及び/又は手入れ中、上述した方法のステップd)において接続アダプタを機器と一緒に第1準備及び/又は手入れ装置から分離するとき、上述した方法のステップe)において接続アダプタを機器と一緒に第2準備及び/又は手入れ装置に接続するときにも当てはまる。特に、接続アダプタ及び医療用又は歯科用機器は、準備及び/又は手入れ方法において、後続する1つ以上のステップの間、及び/又は、異なる準備及び/又は手入れ装置間で変更するときに、準備及び/又は手入れ方法において先行する1つ以上のステップで又は以前に使用された準備及び/又は手入れ装置で互いに接続されていたように、互いに接続が維持されたままである。
【0017】
準備及び/又は手入れ方法の終了時又は終了後、特に医療用又は歯科用機器の最後の準備及び/又は手入れの完了後、例えば上述した方法のステップf)の完了後、医療用又は歯科用機器は、接続アダプタから分離されるのが好適である。
【0018】
接続アダプタ及びその接続アダプタに固定された医療用又は歯科用機器は先ず、最後に使用された装置、例えば上述した方法に従えば第2準備及び/又は手入れ装置から分離されるのが好適である。次いで、医療用又は歯科用機器及び接続アダプタ、特に上述した接続アダプタ及び機器によるユニットが分離される。この順番で分離すれば、使用者にとって特に扱い易い。
【0019】
代替的に、最初に医療用又は歯科用機器を接続アダプタから分離し、接続アダプタを最後に使用した装置、例えば第2準備及び/又は手入れ装置に接続されたままにしておくことも可能である。この場合、接続アダプタは、(機器なしで)第2準備及び/又は手入れ装置から分離される。
【0020】
好適には、医療用又は歯科用機器は、内側に少なくとも1個の構成要素が配置された中空の外側スリーブを有し、第1準備及び/又は手入れ装置、及び/又は、第2準備及び/又は手入れ装置による医療用又は歯科用機器の準備及び/又は手入れは、中空の外側スリーブの内側に配置された少なくとも1個の構成要素の準備及び/又は手入れを含む。特に、外側スリーブの内側におけるその準備及び/又は手入れは、準備及び/又は手入れ媒体を少なくとも1個の構成要素に導くことを含む。外側スリーブの内側における少なくとも1個の構成要素は、空気ライン、水ライン、媒体ライン、流体ライン、ギア、トランスミッション、医療用又は歯科用機器における可動構成要素用の軸受、器具ホルダ、器具解放装置、並びに類似の構成要素の少なくとも1つを含む。
【0021】
医療用又は歯科用機器は、接続アダプタにより、特に第1又は第2準備及び/又は手入れ装置の結合ピースに接続される。結合ピースは、上述したように、特に、接続アダプタに接続するためのプラグイン要素として又はプラグインコネクタの一部として構成されている。好適には、結合ピースは、準備及び/又は手入れ媒体を導くための少なくとも1つの媒体ラインを有し、その少なくとも1つの媒体ラインは、特に、結合ピースの表面上の開口、例えば結合ピースにおける結合レセプタクルの表面上の開口で終端している。
【0022】
第1及び/又は第2準備及び/又は手入れ装置の結合ピースは、上述したように、準備及び/又は手入れ媒体を、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器における中空の外側スリーブの内側、特に中空の外側スリーブにおける少なくとも1個の構成要素内に又は少なくとも1個の構成要素に向けて導くよう構成されているのが好適である。これにより、有利には、機器の内部を洗浄又は準備することが可能になる。好適には、結合ピースは、医療用又は歯科用機器の中空の外側スリーブに収容できるよう形成されている。
【0023】
結合ピースは、例えば、結合ピースが機器に接続されたときに、準備及び/又は手入れ媒体が中空の外側スリーブの内側、特に少なくとも1個の構成要素内に又は少なくとも1個の構成要素に向けて流れるよう配置された孔を有する。特に好適には、この孔は、結合ピースが機器に接続されたときに中空の外側スリーブに収容されるよう配置されている。代替的又は付加的に、結合ピースは、例えば、機器が結合ピースに固定されているときに、準備及び/又は手入れ媒体を媒体ラインに導くために、医療用又は歯科用機器の媒体ラインに接続されている孔を有する。
【0024】
好適には、結合ピースの少なくとも1つの媒体ラインは、準備及び/又は手入れ媒体を供給及び/又は保管する媒体源に接続されている。好適には、結合ピースの少なくとも1つの媒体ラインは、結合ピースから第1又は第2準備及び/又は手入れ装置を通って媒体源まで延在しているか、又は結合ピースの少なくとも1つの媒体ラインは、供給ラインを介して媒体源に接続されている。媒体源は、例えば、準備及び/又は手入れ媒体用の容器、及び/又は、媒体供給部、特に水供給部、蒸発器、又は圧縮機への接続部を含むことができる。
【0025】
接続アダプタを第1及び第2準備及び/又は手入れ装置の結合ピースに接続可能とし、これにより特に上述した準備及び/又は手入れ方法を実施できるようにするために、第1及び第2準備及び/又は手入れ装置の結合ピースは、同一に又は実質的に同一に構成されている。代替的に、第1及び第2準備及び/又は手入れ装置の結合ピースは互いに(僅かに)異なるが、その相違にもかかわらず、接続アダプタは、両方の結合ピースに機能的、特に流体移送可能に接続可能であるため、特に、準備及び/又は手入れ媒体を第1準備及び/又は手入れ装置から接続アダプタの少なくとも1つの媒体ラインを介して医療用又は歯科用機器、特に機器の内部に通過させることができると共に、第2準備及び/又は手入れ装置から医療用又は歯科用機器、特に機器の内部に通過させることができる。例えば、第1及び第2準備及び/又は手入れ装置の結合ピースは、以下の特性の1つ以上、即ち寸法、形状、構成、接続インターフェース、材料、並びに類似の特性に関して互いに異なる。
【0026】
準備及び/又は手入れ媒体は、例えば、以下の媒体の少なくとも1種又はそれらの組み合わせを含む。即ち、準備及び/又は洗浄媒体、特に洗浄液又はすすぎ剤、例えば、洗剤、界面活性剤、又は加圧ガス、消毒媒体、特に消毒液又は消毒ガス、例えば、酸化剤、有機剤、又は金属イオンを含む薬剤、滅菌媒体、特に蒸気などのガス状媒体、手入れ媒体、例えば潤滑剤、特に植物性物質及び/又は鉱油をベースとする潤滑剤、又は例えば機器に吹き込むためのガス状媒体を含む。
【0027】
本発明の方法に従う医療用又は歯科用機器の準備及び/又は手入れは、以下の処理又はそれらの組み合わせの少なくとも2種を含む。即ち、手入れ、特に上述した手入れ媒体を使用する手入れ、準備又は洗浄、特に上述した準備又は洗浄媒体を使用する準備又は洗浄、消毒、特に上述した消毒媒体を使用する消毒、滅菌、特に上述した滅菌媒体を使用する滅菌を含む。これら少なくとも2種の処理は、特に時間をずらせて行われるか又は連続的に行われる。
【0028】
医療用又は歯科用機器の準備及び/又は手入れ方法における少なくとも2種の処理(又は2つの処理ステップ)は、2個の異なる準備及び/又は手入れ装置、例えば、第1準備及び/又は手入れ装置及び/又は第2準備及び/又は手入れ装置によって実施される。この場合、本発明の方法及び/又は少なくとも2種の処理を実施するために、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器を、第1準備及び/又は手入れ装置及び第2準備及び/又は手入れ装置に(時間をずらせて)接続することが必要である。好適には、2個の異なる準備及び/又は手入れ装置は、互いに独立した装置であり及び/又は互いに分離、特に互いに空間的に分離した装置である。ただし、第1及び第2準備及び/又は手入れ装置は、共通のハウジングを備える複合装置を構成することも想定可能である。
【0029】
2個の異なる準備及び/又は手入れ装置は、好適には、作動媒体、及び/又は、準備及び/又は手入れ媒体に関して別々の媒体源及び/又は媒体供給部を備える。2個の異なる準備及び/又は手入れ装置は、特に、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器を収容するための(空間的に)分離されたチャンバを備え、各チャンバには、機器を接続するための少なくとも1個の結合ピースが配置されている。従って、本発明の方法及び/又は少なくとも2種の処理を実施するには、機器を第1準備及び/又は手入れ装置及び第2準備及び/又は手入れ装置のチャンバ内に(時間をずらせて)導入し、特に機器を各チャンバの結合ピースに接続する必要がある。
【0030】
本発明によれば、異なる準備及び/又は手入れ装置は、以下の機器又はそれらの組み合わせの少なくとも2個を含む。即ち、好適には上述したように、特に手入れ媒体を医療用又は歯科用機器に送出するケア機器、好適には上述したように、準備又は洗浄媒体を医療用又は歯科用機器に送出する準備又は洗浄機器、好適には上述したように、特に消毒媒体を医療用又は歯科用機器に送出する消毒機器、好適には上述したように、滅菌媒体を医療用又は歯科用機器に送出する滅菌器又はオートクレーブを含む。
【0031】
本発明の方法によれば、又は本発明の方法の少なくとも2つの異なる処理ステップの間に、特に、第1及び第2準備及び/又は手入れ装置は、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器に少なくとも1種の異なる準備及び/又は手入れ媒体を供給する。特に、第1及び第2準備及び/又は手入れ装置は、特に上述したように、機器に異なる処理を施すため、医療用又は歯科用機器において包括的な準備及び/又は手入れが有利に実現される。
【0032】
医療用又は歯科用機器は、特に中空の機器、例えば、内側に少なくとも1個の構成要素が配置された中空の外側スリーブを有する機器を含む。好適には、医療用又は歯科用機器の内部及び/又は少なくとも1個の構成要素は、第1及び/又は第2準備及び/又は手入れ装置によって準備及び/又は手入れされる。医療用又は歯科用機器は、例えば、真っ直ぐな、湾曲した又は角度付きハンドピースか、又はコントラアングルハンドピースか、又は内視鏡機器を含む。
【0033】
医療用又は歯科用機器は、特に、第1及び第2準備及び/又は手入れ装置に接続するための結合端を有する。結合端は、好適には、結合延長部を収容するための結合レセプタクル、例えば結合チューブとして形成されている。代替的に、結合端は、1個以上の延長部、例えば機器を通るよう延在する媒体ラインの少なくとも一部及び/又は特に結合端から延在する電気接点を有する。代替的に、医療用又は歯科用機器の結合端は、機器に取り外し可能に接続された回転式結合部によって形成されていてもよく、この場合に機器は回転式結合部に対して回転可能である。機器から離れた側における回転式結合部の端部には、好適には、1個以上の延長部、例えば媒体ラインの少なくとも一部及び/又は機器を通るよう延在し、特に回転式結合部の端部から延在する電気接点が設けられている。
【0034】
機器の結合端、例えば結合レセプタクル又は延長部の少なくとも1個は、少なくとも1つの開口を有し、その開口を通して、準備及び/又は手入れ媒体を機器の内部、特に中空の外側スリーブの内側及び/又は外側スリーブ内に配置された構成要素及び/又は医療用又は歯科用機器の媒体ライン内に導くことが可能であり、これにより機器の内部も有利に準備及び/又は手入れすることができる。結合端は、接続アダプタに接続するための例えばねじ、特に雄ねじを有することができる。結合レセプタクルは、上述したように、例えば、接続アダプタに摩擦係合的及び/又は形状係合的に接続するためのプラグインコネクタの一部として又はプラグインレセプタクルとして構成することができる。
【0035】
接続アダプタは、準備及び/又は手入れ媒体、特に準備及び/又は手入れ媒体を通過させるための少なくとも1つの媒体ラインを備える。好適には、少なくとも1つの媒体ラインは、接続アダプタ、特に接続アダプタの長手方向軸線に沿って延在することにより、媒体が確実かつ有利に伝達される。好適には、少なくとも1つの媒体ラインにより、接続アダプタの表面上の第1開口が接続アダプタの表面上の第2開口に接続される。この場合、第1及び第2開口は、互いに離間しており、特に接続アダプタにおいて対向する端部に配置されている。
【0036】
好適には、接続アダプタ、特に少なくとも1つの媒体ラインは、準備及び/又は手入れ媒体を第1準備及び/又は手入れ装置、特にその結合ピースから医療用又は歯科用機器に導くために設けられ、又は第2準備及び/又は手入れ装置、特にその結合ピースから医療用又は歯科用機器に導くために設けられている。特に好適には、接続アダプタ、特に少なくとも1つの媒体ラインは、準備及び/又は手入れ媒体を、第1又は第2準備及び/又は手入れ装置に接続された医療用又は歯科用機器における中空の外側スリーブ内、好適には中空の外側スリーブ内における少なくとも1個の構成要素に導くよう構成され、これにより機器の内部も有利に準備及び/又は手入れ可能である。
【0037】
特に好適には、接続アダプタは、その接続アダプタを医療用又は歯科用機器及び第1又は第2準備及び/又は手入れ装置に結合することにより、第1又は第2準備及び/又は手入れ装置、特にその結合ピースと準備及び/又は手入れすべき機器との間で、準備及び/又は手入れ媒体を導くための流体接続が確立されるよう構成されている。特に好適には、医療用又は歯科用機器及び第1又は第2準備及び/又は手入れ装置への接続アダプタの結合により、接続アダプタの少なくとも1つの媒体ラインと、第1又は第2準備及び/又は手入れ装置、特にその結合ピースと、機器、特にその内部との間で流体接続が確立される。特に好適には、接続アダプタ、第1又は第2準備及び/又は手入れ装置、並びに機器における各媒体ラインの開口は、互いに流体接続されており、これにより媒体移送が確実かつ有利に実現される。
【0038】
好適には、接続アダプタは、長手方向軸線に沿って延在する本体を備える。好適には、少なくとも1つの媒体ラインは、本体に配置され及び/又は本体を通るよう延在するため、媒体が確実かつ有利に伝達される。
【0039】
好適には、接続アダプタは、その接続アダプタにおける本体を通るよう延在する複数の媒体ライン、例えば2つの媒体ラインを備えるため、複数の媒体を有利に移送することができる。好適には、複数の媒体ラインの1つは、手入れ媒体を導くために設けられ、2つの媒体ラインにおける他の媒体ラインは、準備媒体を導くために設けられ、これにより異なる媒体が混合することが有利に回避される。好適には、複数の媒体ラインのうちの1つの開口は、(接続アダプタの長手方向軸線に対して)中央に配置されているため、有利には、接続アダプタの回転位置にかかわらず、媒体が特に容易に移送可能である。好適には、中央に配置されたその開口は、第1又は第2準備及び/又は手入れ装置への接続を目的とした接続アダプタの端部に設けられている。好適には、複数の媒体ラインのうちの1つの開口は、(接続アダプタの長手方向軸線に対して)偏心配置されているか又は半径方向にずらせて配置されている。
【0040】
好適には、接続アダプタの同一端部、例えば第1又は第2準備及び/又は手入れ装置に接続するための接続アダプタの端部、又は医療用又は歯科用機器に接続するための接続アダプタの端部に配置された異なる媒体ラインの開口は、接続アダプタの異なる表面に設けられている。これら異なる表面は、例えば、(接続アダプタの長手方向軸線に関して)軸線方向にずらせて配置されている、及び/又は、(接続アダプタの長手方向軸線に対して)異なる半径を有する環状肩部によって形成されている。これにより、例えば、異なる媒体が互いに接触せずに確実かつ有利に移送される。
【0041】
好適には、接続アダプタには、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器を接続するために接続要素が設けられている。好適には、接続要素は、機器側における接続アダプタの端部に設けられている。好適には、接続要素は、プラグイン要素又はプラグインコネクタの一部を含み、これにより、有利には、機器への接続アダプタの迅速で容易な接続が実現される。好適には、接続要素又はプラグイン要素は、医療用又は歯科用機器のプラグイン要素、例えば機器の結合端から突出するライン部分又は電気接点を収容するための1つ以上の開口又はブラインドホールを有する。
【0042】
好適には、接続アダプタの少なくとも1つの媒体ラインは、接続要素を通るよう延在している。好適には、接続アダプタの少なくとも1つの媒体ラインは接続要素、特にその接続要素の自由端又は表面で終端し及び/又は少なくとも1つの媒体ラインの開口がその自由端又は表面に配置され、これにより、有利には、接続アダプタと機器との間のインターフェースにて、媒体移送が容易かつ安全に確立される。
【0043】
接続要素は、特に、接続アダプタと医療用又は歯科用機器との間のインターフェースにて、プラグインコネクタの一部を構成する円筒管を有する。好適には、少なくとも1つの媒体ラインは、円筒管を通るよう延在している。好適には、接続アダプタの少なくとも1つの媒体ラインは円筒管、特にその円筒管の自由端又は表面で終端し及び/又は少なくとも1つの媒体ラインの開口がその自由端又は表面に配置され、これにより、有利には、接続アダプタと機器との間のインターフェースにて、媒体移送が容易かつ安全に確立される。
【0044】
特に好適には、接続要素は、医療用又は歯科用機器のねじ、特に雄ねじとねじ接続するための雌ねじを有するユニオンナットを含む。好適には、ユニオンナットは、接続アダプタ、特にその機器側の端部、特に好適には円筒管に回転可能に配置されている。好適には、ユニオンナットにより、接続アダプタと医療用又は歯科用機器との間のプラグイン接続が固定されるため、有利には、接続アダプタが機器から意図せずして分離することが回避される。
【0045】
好適には、ユニオンナットは、接続アダプタ及び/又は接続要素及び/又は円筒管の長手方向軸線に沿ってスライド可能であるため、有利には、医療用又は歯科用機器への接続アダプタの接続が容易になる。好適には、円筒管は、少なくとも部分的にユニオンナットに収容されている。好適には、ユニオンナットは、円筒管の少なくとも一部を包囲している。好適には、ユニオンナットは、円筒管にスライド可能かつ回転可能に配置されている。
【0046】
好適には、接続要素、特に円筒管は、医療用又は歯科用機器の凹部に係合するための可動突起、例えばラグを有する。好適には、その突起により、接続アダプタと機器との間のプラグイン接続が固定されるため、有利には、接続アダプタが機器から意図せずして分離することが回避される。好適には、その延長部は、(接続アダプタの長手方向軸線に対して)半径方向に移動可能である。好適には、その延長部は、ばね要素によって付勢されている。好適には、その延長部は、特に延長部を半径方向に移動させる使用者用の操作要素、例えばレバーに接続され、これにより接続アダプタと機器との間の接続が確立及び/又は分離可能である。
【0047】
好適には、接続アダプタを1個以上の準備及び/又は手入れ装置、特に上述した第1及び第2準備及び/又は手入れ装置に接続するために、接続アダプタには結合要素が設けられている。
【0048】
好適には、少なくとも1個の準備及び/又は手入れ装置、特に上述した第1及び第2準備及び/又は手入れ装置には、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器が接続可能な特に上述した接続アダプタに(取り外し可能に)接続するための結合ピースが設けられ、これにより少なくとも準備及び/又は手入れ装置と、接続アダプタと、その接続アダプタに接続された特に医療用又は歯科用機器との間で、流体移送、特に準備及び/又は手入れ媒体移送用の接続を確立することができる。特に、結合ピースは、上述した第1又は第2準備及び/又は手入れ装置の結合ピースを含む。特に、結合ピースは、上述したように、プラグインコネクタの一部であるか又はプラグイン要素として構成されている。
【0049】
接続アダプタの結合要素及び少なくとも1個の準備及び/又は手入れ装置の結合ピースは、上述したように、結合装置、特にプラグイン接続部を構成するのが好適である。2個の構成要素の一方、即ち結合ピース又は結合要素は、結合延長部を有し、2個の構成要素の他方、即ち結合ピース又は結合要素は、プラグイン収容用の結合レセプタクルを有する。
【0050】
結合レセプタクルを有する2個の構成要素(結合ピース又は結合要素)、好適には、少なくとも1個の準備及び/又は手入れ装置の結合ピースは、以下の要素を有する。即ち、
・結合レセプタクルが形成された好適には円筒状の本体と、
・本体を通して準備及び/又は手入れ媒体を導くと共に、結合レセプタクルの表面上の開口で終端する少なくとも1つの媒体ラインと、
・本体に移動可能に配置されると共に、ロック位置及びロック解除位置に選択的に移動可能なロックプレートと、
・ロックプレートに配置されると共に、準備及び/又は手入れ媒体を通過させるために、媒体ラインの開口及び/又は好適には結合レセプタクルに流体接続された貫通開口と、
・ロックプレートを付勢するための第1付勢要素と、
・本体の孔内にスライド可能に収容されると共に、ロックピース及びロック解除ピースを有するロックピンと、
・ロックピンが通るよう延在すると共に、ロック部及びロック解除部を有する、ロックプレートのロック開口と、
・ロックピンを付勢することにより、ロックピンの接触端をロックプレートから突出させるための第2付勢要素と、
を有する。
【0051】
以下においては、構成要素に関して上述した部分と、結合レセプタクル、好適には少なくとも1個の準備及び/又は手入れ装置の結合ピースとの相互作用を、ロックプレートが初期的にロック解除位置にある状態で説明する。これは、専ら作動原理を説明するためのものであり、本発明の対象を限定するものではない。
【0052】
ロックピンの接触端に力を加えると、その接触端が第2付勢要素の付勢に抗して本体の孔方向に移動可能である。力の作用及び/又は移動により、ロックピンが特に孔方向に更に移動又は変位し、好適にはロックピンの少なくとも一部が孔内に変位又は移動する。この移動により、ロックピンのロックピースは、ロック開口のロック部に(自動的に)収容され、これによりロックプレートが第1付勢要素の付勢力に起因して(ロック解除位置から)ロック位置に移動可能であり、ロック位置に固定される。接触端への力の作用は、特に、結合延長部を結合レセプタクル内に差し込むか又は押し込むことにより、特に結合延長部又はその一部が接触端に接触することにより生じる。
【0053】
第1付勢要素の付勢に抗してロックプレートに力を加えると、ロックプレートは、移動又は変位して再びロック解除位置を占め、これに伴い、第2付勢要素の付勢力に起因してロックピンの接触端が本体の孔から離れるよう(自動的に)移動可能であるか又は移動する。このことは、好適には、結合レセプタクル及び結合延長部及び/又は結合ピース及び結合要素が互いに分離され、従って接触端が本体の孔から離れるのに十分なスペースを有するとき、及び/又は、ロック解除位置を占めるのに十分なスペースを有するときに当てはまる。特に、ロックピンは孔から離れるよう移動し、好適にはロックピンの少なくとも一部が孔から移動する。ロックピンのこの移動により、ロックピンのロックピースがロック開口のロック部を離れ、ロックピンのロック解除ピースがロック開口のロック解除部に再び収容される。ロック解除ピースがロック解除部に収容されることにより、ロックプレートがロック解除位置に固定される。
【0054】
好適には、本体には、その本体を通して準備及び/又は手入れ媒体を導くための2つ以上の媒体ラインが設けられている。好適には、各媒体ラインは、結合レセプタクルの表面における(専用の)開口で終端している。好適には、準備及び/又は手入れ媒体を移送するための各開口は、接続アダプタ、特にその結合要素と、少なくとも1個の準備及び/又は手入れ装置、特にその結合ピースとの間に設けられている。この構成により、有利には、媒体を個別に移送することが可能である。
【0055】
好適には、結合レセプタクルの同一端部、好適には少なくとも1個の準備及び/又は手入れ装置における結合ピースの同一端部に配置された異なる媒体ラインの開口は、結合レセプタクルの異なる表面に設けられている。これら異なる表面は、例えば、(結合レセプタクルの長手方向軸線に関して)軸線方向にずらせて配置されている、及び/又は、(結合レセプタクルの長手方向軸線に対して)異なる半径を有する環状肩部によって形成されている。これにより、異なる媒体が互いに接触せずに確実かつ有利に移送される。
【0056】
好適には、複数の媒体ラインにおける少なくとも1つの開口又は複数の開口の1つは、(結合レセプタクルの長手方向軸線に対して)中央に配置されているため、有利には、結合レセプタクルの回転位置にかかわらず、媒体が特に容易に移送可能である。好適には、中央に配置された開口は、(結合延長部及び結合レセプタクルが互いに接続された場合)結合延長部及び/又は接続アダプタの中央に配置された開口に対向するよう配置可能である。
【0057】
好適には、複数の媒体ラインにおける少なくとも1つの開口又は複数の開口の1つは、(結合レセプタクルの長手方向軸線に対して)偏心されているか又は半径方向にずらされている。
【0058】
好適には、ロックプレート及び/又は貫通開口は、本体における少なくとも1つの媒体ライン及び/又は結合レセプタクルの長手方向軸線に対して横方向又は直交方向に移動可能又は変位可能である。好適には、ロックプレートは、細長のプレート及び/又は実質的に長方形のプレートとして形成されている。
【0059】
好適には、本体には溝が設けられ、その溝に、ロックプレート及び/又は貫通開口が移動可能又は変位可能に収容され、特にガイドされている。好適には、ロックプレートのエッジは、溝、特に溝のガイド部に収容されている。好適には、特に結合延長部を差し込むために貫通開口が自由にアクセス可能であるよう、溝が構成され及び/又はロックプレートがその溝に収容されている。好適には、溝は、本体における少なくとも1つの媒体ライン及び/又は結合レセプタクルの長手方向軸線に対して横方向又は直交方向に配置されている。好適には、溝は、結合レセプタクルの端部、特に(結合延長部及び結合レセプタクルが互いに接続された場合)結合延長部側の端部に設けられている。これにより、ロックプレート及び/又は貫通開口の確実な移動及びガイドが保証される。
【0060】
ロックプレート及び/又は特に貫通開口は、ロック位置及びロック解除位置に選択的に移動可能である。ロック位置においては、結合レセプタクル及び結合延長部、及び/又は、結合ピース及び結合要素、及び/又は、接続アダプタ及び準備及び/又は手入れ装置が互いに接続され、特に流体又は準備及び/又は手入れ媒体が移送可能に接続されている。ロック位置においては、結合レセプタクル及び結合延長部が好適には互いに係合し、特に結合延長部が結合レセプタクルに収容されている。
【0061】
ロック解除位置においては、結合レセプタクル及び結合延長部、及び/又は、結合ピース及び結合要素、及び/又は、接続アダプタ及び準備及び/又は手入れ装置が互いに分離されるか又は分離可能である。ロック解除位置においては、結合レセプタクル及び結合延長部が好適には互いに係合せず、特に結合延長部が結合レセプタクルに収容されていない。
【0062】
好適には、ロックプレートに配置された貫通開口は、結合延長部の少なくとも一部が貫通開口内に収容可能に又は貫通開口に突入可能に寸法決めされている。好適には、貫通開口は、周辺エッジによって画定されるか、又はロックプレートにおける周辺エッジを規定する。周辺エッジは、結合延長部が結合レセプタクル内に差し込まれてロックプレートがロック位置を占めたときに、結合延長部上の凹部に係合するよう適合され、これにより結合ピース及び結合要素が互いに固定される。これにより、結合レセプタクルと結合延長部との間の接続が確実に確立される。
【0063】
ロックプレートを付勢するための第1付勢要素及びロックピンを付勢するための第2付勢要素は、ばね要素、例えばコイルばね、圧縮ばね、又は引張りばねとして構成されているのが好適である。
【0064】
ロックピンは、好適には、ロックプレートに対して横方向又は直交方向に移動可能又は変位可能であり、及び/又は、少なくとも1つの媒体ライン又は結合レセプタクルの長手方向軸線に対して実質的に平行であり、これにより、有利には、ロックピンの作動を容易にすることができる。
【0065】
本体の孔内にスライド可能に収容されたロックピン、特に細長ロックピンは、ロックピース、ロック解除ピース、並びに接触端を有する。ロックピースの外径は、特に、ロック解除ピースの外径よりも小さい。接触端は、好適には、ロックピンの(自由)端に配置され及び/又はロックピンの自由端を形成している。特に、接触端は、平坦な接触面を有する。ロックピース、ロック解除ピース、並びに接触端は、好適には、(接触ピンの長手方向軸線に関して)軸線方向に配置されている。特に好適には、ロックピースは、ロック解除ピースと接触端との間に配置されている。ロックピンのこの構成により、結合装置の機能に関して高い信頼性が保証される。
【0066】
ロックプレートには、ロックピンが通るよう延在するロック開口が設けられている。ロックピンの少なくとも接触端、好適には、ロックピースの一部もロックプレートを越えるよう突出しているため、特に接触端が(力を作用させる要素にとって)自由にアクセス可能である。これにより、有利には、上述したように、特に結合延長部による接触によってロックピンを容易に作動させることができる。
【0067】
ロック開口は、好適には、細長形状及び/又はスロット形状を有する。ロック開口は、好適には、貫通開口に隣接配置されている。ロック開口は、好適には、貫通開口と同一平面内に配置されている。ロック開口は、例えば、ロックプレートの部分、特にウェブ状部分により、貫通開口から分離されている。代替的に、ロック開口は、貫通開口に開口し、これによりロック開口が貫通開口の特にスロット状の延長部を形成している。ロック開口のこの構成により、結合装置の機能に関して高い信頼性が保証される。
【0068】
ロック開口は、特にロックピンのロックピースを収容するためのロック部、並びに特にロックピンのロック解除ピースを収容するためのロック解除部を有する。好適には、ロック部の外径は、ロック解除部の外径よりも小さい。好適には、ロック解除部は、貫通開口に対してより近くに位置し、ロック部は、貫通開口からより離れて位置している。ロック開口のこの構成により、ロックピンとの相互作用に関して高い信頼性が保証される。
【0069】
好適には、ロックプレートにはアクチュエータが設けられ、これにより、有利には、ロックプレートの作動、特にロックプレートがロック位置からロック解除位置に移動するときの作動が使用者にとって容易になる。好適には、作動要素は、実質的にロック開口の反対側に配置されている。好適には、作動要素は、ロックプレートの一部、特にロックプレートと一体的な部分である。代替的又は付加的に、作動要素は、好適には、プレート状である。代替的又は付加的に、アクチュエータは、好適には、貫通開口及び/又はロック開口が設けられたロックプレートの部分に対してある角度、特に約90°の角度で配置されている。代替的又は付加的に、アクチュエータは、好適には、結合レセプタクルに対してほぼ平行に配置されている。
【0070】
2個の構成要素の他方(結合ピース又は結合要素)、好適には、接続アダプタの結合要素は、結合レセプタクルに収容すべき結合延長部を有する。結合延長部は、好適には、円筒状に形成されている。結合延長部は、好適には、異なる外径を有する複数の部分を含む。
【0071】
好適には、準備及び/又は手入れ媒体を導くための少なくとも1つの媒体ラインは、結合延長部を通るよう延在している。特に、少なくとも1つの媒体ラインは、接続アダプタの媒体ラインに接続されているか又は接続アダプタの媒体ラインの一部である。好適には、少なくとも1つの媒体ラインは、結合延長部の表面上の開口に接続されている。好適には、開口は、(結合延長部及び/又は接続アダプタの長手方向軸線に対して)中央に配置されているため、特に、結合レセプタクルの中央開口と流体連通し、これにより、有利には、接続アダプタと準備及び/又は手入れ装置との間のインターフェースにて、媒体移送が確実に確立される。
【0072】
好適には、結合延長部に、凹部が設けられ、結合延長部が結合レセプタクル内に差し込まれてロックプレートがロック位置を占めたときに、凹部に、ロックプレートにおける貫通開口の周辺エッジが係合し、これにより結合ピース及び結合要素が互いに確実かつ有利に固定される。凹部は、例えば、溝、環状溝、切り欠き、又は類似の要素を含む。結合レセプタクル及び結合延長部、及び/又は、結合ピース及び結合要素を互いに分離するには、凹部内における周辺エッジの係合を解除する必要があり、これは、上述したように、第1付勢要素のばね力に抗してロックプレートを変位させることによって行うことができる。
【0073】
好適には、結合延長部に、接触面が設けられ、その接触面は、結合延長部が結合レセプタクル内に差し込まれたときに、接触端に接触することでロックピンの接触端に力を作用させるよう配置され、従ってロックピンのロックピースがロック開口のロック部に収容されるまで、接触端が第2付勢要素の付勢に抗して本体の孔方向に移動し、これによりロックプレートが第1付勢要素の付勢に起因してロック位置に移動する。このように、有利には、使用者による付加的な手動動作を必要とすることなく、結合延長部と結合レセプタクルとの間のロックは、結合延長部を結合レセプタクル内に押し込むことにより生じる。接触面は、例えば、環状面、環状肩部、及び/又は、結合要素上の段部を含む。
【0074】
上述した結合装置は、上述した医療用又は歯科用機器の準備及び/又は手入れ方法、又は上述した医療用又は歯科用機器の準備及び/又は手入れシステムに使用することができる。代替的に、結合装置は、独立した発明であって、医療用又は歯科用機器を準備及び/又は手入れする他の任意の方法、医療用又は歯科用機器のための他の任意の準備及び/又は手入れ装置、又は医療用又は歯科用機器のための他の任意の準備及び/又は手入れシステムに適用することができる。
【0075】
好適には、医療用又は歯科用機器を準備及び/又は手入れするための準備及び/又は手入れ装置が提供され、その準備及び/又は手入れ装置は、上述した結合レセプタクルを有する結合ピースを備える。特に好適には、準備及び/又は手入れ装置は、上述した結合装置及び上述した接続アダプタを備える。
【0076】
好適には、準備及び/又は手入れ装置は、以下の機器の少なくとも1個を含む。即ち、好適には上述したように、特に手入れ媒体を医療用又は歯科用機器に送出するケア機器、好適には上述したように、準備又は洗浄媒体を医療用又は歯科用機器に送出する準備又は洗浄機器、好適には上述したように、特に消毒媒体を医療用又は歯科用機器に送出する消毒機器、好適には上述したように、滅菌媒体を医療用又は歯科用機器に送出する滅菌器又はオートクレーブを含む。
【0077】
好適には、準備及び/又は手入れ装置は、作動媒体、及び/又は、準備及び/又は手入れ媒体に関して少なくとも1個の媒体源及び/又は媒体供給部を備える。2個の異なる準備及び/又は手入れ装置は、特に、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器を収容するための(空間的に)分離されたチャンバを備え、各チャンバには、機器を接続するための少なくとも1個の結合ピースが配置されている。従って、本発明の方法及び/又は少なくとも2種の処理を実施するには、機器を第1準備及び/又は手入れ装置及び第2準備及び/又は手入れ装置のチャンバ内に(時間をずらせて)導入し、特に機器を各チャンバの結合ピースに接続する必要がある。
【0078】
更に、準備及び/又は手入れ装置は、上述した特徴の1つ以上を有することが可能である。これら特徴については、繰り返しを回避するために上記を参照されたい。
【0079】
以下、本発明を、添付図面を参照しつつ好適な実施形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図1】
図1A~
図1Fは、3個の異なる準備及び/又は手入れ装置を備える医療用又は歯科用機器のための準備及び/又は手入れシステムと、3個の異なる準備及び/又は手入れ装置を備える医療用又は歯科用機器のための準備及び/又は手入れ方法の段階的手順とを示すと共に、医療用又は歯科用機器及びその機器に取り外し可能に接続された接続アダプタが、3個の異なる準備及び/又は手入れ装置のそれぞれに一緒に、かつ時間的に順次に接続され、これにより医療用又は歯科用機器が3個の準備及び/又は手入れ装置によって準備及び/又は手入れ可能であることを示す説明図である。
【
図2】
図2A~
図2Cは、医療用又は歯科用機器に取り外し可能に接続できると共に、医療用又は歯科用機器を1個以上の準備及び/又は手入れ装置に接続するよう構成され、これにより医療用又は歯科用機器を3個の準備及び/又は手入れ装置によって準備及び/又は手入れ可能とする接続アダプタの説明図を示す。
【
図3】
図3A及び
図3Bは、第1医療用又は歯科用機器及びその第1機器に取り外し可能に接続できるか又は接続された接続アダプタを示す説明図である。
【
図4】
図4A及び
図4Bは、回転式結合部を有する第2医療用又は歯科用機器及びその第2機器に取り外し可能に接続できるか又は接続された接続アダプタを示す説明図である。
【
図5】接続アダプタによってケア機器の結合ピースに取り外し可能に接続された医療用又は歯科用機器が手入れチャンバ内に収容され、これにより手入れ媒体がケア機器から医療用又は歯科用機器に移送可能な状態にある、ケア機器の形態とした準備及び/又は手入れ装置の一実施形態を示す説明図である。
【
図6】特に接続アダプタによって医療用又は歯科用機器に取り外し可能に接続するために設けられた、準備及び/又は手入れ装置における結合ピースの一実施形態を示す説明図である。
【
図8】
図6における結合ピースのロック領域を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0081】
図1A~
図1Fに示す医療用又は歯科用機器50の準備及び/又は手入れシステム100は、異なる準備及び/又は手入れプロセスを機器50に適用する複数、図示の実施形態においては3個の異なる準備及び/又は手入れ装置1,2,14を備える。例えば、準備及び/又は手入れ装置1は、特に機器50を消毒剤及び/又は洗浄剤及び/又は温水で処理するよう構成された洗浄及び/又は消毒機器を含むことができ、例えば、準備及び/又は手入れ装置2は、特に機器50に圧縮ガス(圧縮空気)を吹き込むよう及び/又は潤滑剤を供給するよう構成されたケア機器を含むことができ、例えば、準備及び/又は手入れ装置14は、機器50に滅菌媒体を送出するための滅菌器又はオートクレーブを含むことができる。
【0082】
図1A~
図1Fに示すシステム100及び上述した準備及び/又は手入れ装置1,2,14は、例示的であることに再度留意されたい。特に、複数の準備及び/又は手入れ装置1,2,14の個数は異ならせてもよい。例えば、システム100は、2個の準備及び/又は手入れ装置だけを備えるようにすることも可能であり、この場合、好適には、特に機器50に圧縮ガス(圧縮空気)を吹き込むよう及び/又は潤滑剤を供給するよう構成された手入れ装置2と、機器50に滅菌媒体を送出するための滅菌器又はオートクレーブ14とを備える。システム100を構成する装置は異ならせてもよく、従って、機器50を準備及び/又は手入れするために、上述したのとは異なる準備及び/又は手入れ媒体を使用する装置、又は異なる技術、例えば超音波又はUV放射などの放射波を使用する装置もシステム100の一部を構成することができる。
【0083】
図1A~
図1Fに概略的に示す準備及び/又は手入れ装置1,2,14は、準備及び/又は手入れすべき機器50を接続するための結合レセプタクル5を有する少なくとも1個の結合ピース4を備える。結合ピース4は、プラグコネクタ3の一部として構成されている。結合ピース4又は結合レセプタクル5は、特に、流体を移送するよう構成されているため、少なくとも1種の準備及び/又は手入れ媒体が結合ピース4を介して医療用又は歯科用機器50に移動可能である。特に好適には、結合ピース4は、結合ピース4の表面上の開口で終端する少なくとも1つの流体ラインを有し、これにより流体ライン内で搬送可能な準備及び/又は手入れ媒体を機器50の内部に移送することができる。
【0084】
図1A~
図1Fは、図示の実施形態においては歯科用ハンドピースとして例示的に構成された準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器50を更に示す。機器50の結合端51には、接続アダプタ10が取り外し可能に固定されている。この目的のために、接続アダプタ10は、医療用又は歯科用機器50の結合端51か、又は機器50に取り外し可能に接続された回転式結合部の結合端に接続できる接続要素34を備え、その接続要素34は、特に流体移送可能に接続できるため、準備及び/又は手入れ媒体を機器50の内部に移送することができる。
【0085】
更に、接続アダプタ10には、特に結合延長部13の形態の結合要素12が設けられ、準備及び/又は手入れ装置1,2,14の結合ピース4に取り外し可能に接続することができる。結合要素12及び/又は結合延長部13は、特にプラグコネクタ3の一部を構成し、好適には、結合延長部13は、結合ピース4に差し込み可能である。結合要素12と結合ピース4との間の接続は、好適には、やはり流体移送可能であるため、準備及び/又は手入れ媒体を機器50の内部に移送することができる。
【0086】
準備及び/又は手入れ装置1,2,14の結合ピース4は、接続アダプタ10が各結合ピース4に(機能的又は作動的に)接続できるよう構成され、特に、少なくとも1種の準備及び/又は手入れ媒体が接続アダプタ10を介して準備及び/又は手入れ装置1,2,14から機器50の内部に移送できるよう構成されている。好適には、複数の準備及び/又は手入れ装置1,2,14の結合ピース4は、同一又は実質的に同一とされている。
【0087】
このように、システム100で実施可能な医療用又は歯科用機器50の準備及び/又は手入れ方法は、機器50及びその機器50に接続された接続アダプタ10が一緒になって又はユニットとして、特に準備及び/又は手入れ方法のために一時的に形成されたユニットとして、本発明に係る方法の適用を受けるという事実に規定される。換言すれば、機器50及び接続アダプタ10は、ユニットとして、少なくとも2個の準備及び/又は手入れ装置1,2,14に接続され、機器50は、機器50及び接続アダプタ10が互いに分離されることなく、各準備及び/又は手入れ装置1,2,14によって準備又は手入れされる。
【0088】
図1Aは、接続アダプタ10に接続された機器50を、準備及び/又は手入れ装置1による最初の準備及び/又は手入れの開始前の状態で示す。
図1Bにおいて、機器50及び接続アダプタ10は、第1準備及び/又は手入れ装置1に接続されているため、準備及び/又は手入れ、特に機器50の内部の準備及び/又は手入れも開始可能であるか又は進行中である。準備及び/又は手入れ装置1による準備及び/又は手入れの完了後、機器50及び接続アダプタ10は、準備及び/又は手入れ装置1から(ユニットとして)一緒に取り外され(
図1C参照)、その後に準備及び/又は手入れ装置2に(ユニットとして)一緒に接続される(
図1D及び
図5参照)。次いで、準備及び/又は手入れ装置2による準備及び/又は手入れ、特に機器50の内部の準備及び/又は手入れが行われ、その完了後に、機器50及び接続アダプタ10は、準備及び/又は手入れ装置2から(ユニットとして)一緒に分離される(
図1E参照)。最後に、機器50及び接続アダプタ10は、機器50、特にその内部を準備及び/又は手入れするために、準備及び/又は手入れ装置14に接続される(
図1F参照)。最終的な準備及び/又は手入れの完了後、機器50、接続アダプタ10、並びに準備及び/又は手入れ装置14は、互いに分離される。この場合、最初に機器50及び接続アダプタ10が準備及び/又は手入れ装置14から(ユニットとして)一緒に分離され、その後に接続アダプタ10が機器50から分離されるのが好適である。
【0089】
特に、
図2A~
図8においては、接続アダプタ10と、接続アダプタ10を準備及び/又は手入れ装置1,2,14に接続するための結合装置30との好適な実施形態を示すと共に説明する。
図2A~
図8の接続アダプタ10及び結合装置30は、医療用又は歯科用機器50を準備及び/又は手入れするための上述したシステム100及び方法で使用可能であり、これは接続アダプタ10及び結合装置30の接続及び分離に関する取り扱い易さにより極めて有利である。ただし、原理的には、他の任意の結合装置及び/又は接続アダプタを、準備及び/又は手入れシステム100、特にシステム100を使用した準備及び/又は手入れ方法に使用することも可能である。逆に、接続アダプタ10及び結合装置30を、特に、複数の準備及び/又は手入れ装置を備えるシステム100の一部ではない任意の準備及び/又は手入れ装置に使用可能であり、及び/又は、準備すべき及び/又は手入れすべき機器50が接続アダプタ10と一緒にユニットとして少なくとも2個の準備及び/又は手入れ装置に接続される準備及び/又は手入れ方法に使用されない任意の準備及び/又は手入れ装置に使用可能である。
【0090】
図2A~
図2Cに示す接続アダプタ10は、長手方向軸線39に沿って延在する本体16、特に細長本体を備える。本体16の一端には、準備及び/又は手入れすべき医療用又は歯科用機器50,50A,50Bを取り外し可能に接続するための接続要素34が設けられている。本体16の他端には、準備及び/又は手入れ装置1,2,14の結合ピース4に取り外し可能に接続するための結合要素12が設けられている。
【0091】
機器50,50A,50Bに接続するために、接続要素34は、プラグイン要素として又はプラグインコネクタの一部として構成されている。特に、接続要素34は、機器50,50A,50Bの結合端51における延長部55(
図3A参照)又は回転式結合部56における延長部55(
図3B参照)、例えば機器50,50A,50Bを通る媒体ラインの一部及び/又は電気接点を収容するための少なくとも1つ以上の開口17を有する。
【0092】
円筒管40は、接続要素34上に又は接続要素34の一部として設けられている。少なくとも1つの開口17は、円筒管40の自由端面に配置されている。医療用又は歯科機器用50,50A,50B又は回転式結合部56(
図3B参照)の雄ねじ54(
図3A参照)とねじ接続するために、雌ねじ38を有するユニットナット33が接続要素34上に又は接続要素34の一部として更に設けられている。ユニオンナット33は、接続アダプタ10上、特にその円筒管40上に回転可能に配置されている。接続アダプタ10は、少なくとも1つの開口17及び少なくとも1個の延長部55を介して機器50,50A,50Bに差し込まれた後、この差し込み接続を固定するのに2個のねじ山38,54が締結される。医療用又は歯科用機器と接続アダプタ10との間の接続を容易にするために、ユニオンナット33は、接続アダプタ10の長手方向軸線39に沿って及び/又は円筒管40に沿って変位可能である。好適には、管40の長手方向軸線における長さは、特に少なくとも1つの開口17を有する管40の自由端面がユニオンナット33の内部に全く又は僅かにのみ埋没した(結合要素12に向かう)後退位置(
図2A参照)と、特に少なくとも1つの開口17を有する管40の自由端面がユニオンナット33の内部により深く埋没した(結合要素12からより離れた)前進位置との間でユニオンナット33が移動できるようになっており、これにより2個のねじ38,54のねじ接続が可能である(
図2C参照)。
【0093】
接続アダプタ10の結合要素12は、円筒状の結合延長部13を有する。結合延長部13は、接続アダプタ10の長手方向軸線39に沿って延在している。結合要素12又は結合延長部13には、少なくとも1個のシール、例えば溝に配置されたОリングが設けられている。
【0094】
接続アダプタ10は、少なくとも1種の準備及び/又は手入れ媒体を準備及び/又は手入れ装置1,2,14から機器50,50A,50B及び/又は機器50,50A,50Bの内部に導くための少なくとも1つの媒体ライン11,15、
図2A~
図2Cによれば、2つの媒体ライン11,15を備える。少なくとも1つの媒体ライン11,15は、接続アダプタ10を通るよう延在すると共に、接続アダプタ10の表面、例えば円筒管40の自由端面における第1開口と、接続アダプタ10の表面、例えば結合要素12又は結合延長部13の表面における第2開口とを互いに接続している。このように、接続アダプタ10を介して医療用又は歯科用機器50,50A,50Bを準備及び/又は手入れ装置1,2,14に結合することにより、準備及び/又は手入れ媒体を準備及び/又は手入れ装置1,2,14から準備及び/又は手入れすべき機器50,50A,50Bに導くための流体接続が確立される。
【0095】
特に、
図2Bは、結合要素12又は結合延長部13上に配置された接触面32を示し、その接触面32は、結合延長部13が準備及び/又は手入れ装置1,2,14の結合ピース4又は結合レセプタクル5内に差し込まれたときに、結合延長部13が結合レセプタクル5内に押し込まれることにより、結合ピース4のロックピン22(
図6参照)に接触して、結合延長部13と結合レセプタクル5との間でロックが生じる。接触面32は、例えば、環状面、環状肩部、及び/又は、結合要素12上の段部を含む。
【0096】
図2Bは更に、結合要素12又は結合延長部13上に配置された凹部36を示し、その凹部36には、結合延長部13が結合レセプタクル5内に差し込まれたときに、ロックプレート9の周辺エッジ37(
図8参照)が係合し、これにより準備及び/又は手入れ装置1,2,14の結合ピース4及び結合要素12が互いに確実に固定される。凹部36は、例えば、環状溝又はノッチを含む。結合ピース4及び結合要素12を互いに分離可能とするには、凹部36内における周辺エッジ37の係合を解除しなければならない。
【0097】
図3A~
図4Bは、2個の異なる医療用又は歯科用機器50A,50B、並びに
図2A~
図2Cに示す接続アダプタ10への接続状態を示す。
【0098】
図3A及び
図3Bに示す機器50Aは、空圧で作動するハンドピースを含む。従来技術に既知のハンドピースは、特に、空圧で回転可能なインペラと、そのインペラに接続され、治療器具を取り外し可能に保持し、インペラによって回転可能な器具ホルダと、結合端51から中空の外側スリーブ52を通ってハンドピースのヘッド部57まで又はヘッド部57内に延在する少なくとも1つの媒体ラインと、ハンドピースの結合端51におけるいわゆる固定接続部とを有する。特に、固定接続部は、結合端51から延在する1個以上の延長部55及び雄ねじ54を含む。少なくとも1個の延長部55は、例えば、機器50Aを通るよう延在する媒体ラインの端部及び/又は電気ピン接点を含む。延長部55及び雄ねじ54により、機器50Aは、供給ホース又は接続アダプタ10に(回転不可能に)結合することができる(
図3B参照)。この結合により、機器50,50A,50B及び接続アダプタ10によるユニットが形成され、そのユニットは、(
図1A~
図1Fに記載及び図示された)医療用又は歯科用機器50,50A,50Bの準備及び/又は手入れ方法において、複数の準備及び/又は手入れ装置1,2,14に順次に接続される。機器50A及び接続アダプタ10のこの結合により、特に、上述したように準備及び/又は手入れ装置1,2,14と機器50Aとの間で流体移送可能な接続も確立される。
【0099】
図4A及び
図4Bに示す機器50Bは、ハンドピース58と、そのハンドピース58に接続可能な回転式又は旋回式結合部56とを含み、これらは何れも従来技術に既知である。ハンドピース58は、特に、治療器具を取り外し可能に保持すると共に、ヘッド部に配置された回転可能な器具ホルダと、中空の外側スリーブ52を通ってハンドピース58のヘッド部57まで又はヘッド部57内に延在する少なくとも1つの媒体ラインとを有する。ハンドピース58は更に、外側スリーブ52の内側に配置された(概略的に示す)構成要素53を有する。ハンドピース58は、既知の方法により、旋回式結合部56に取り外し可能かつ回転可能に接続することができる。回転式結合部56には、ハンドピース58に媒体を供給するための少なくとも1つの媒体ラインと、必要に応じて、ハンドピース58に電気を供給するための導電体とが通っている。旋回式結合部56は、結合側59を介して接続アダプタ10に取り外し可能に接続され、その結合側59は、
図3Aに示す機器50Aの結合端51と類似又は同一の構造を有する。特に、結合側59は、その結合側59から突出すると共に、接続アダプタ19の開口に収容可能な少なくとも1個の突起55、並びに雄ねじ54を有する。少なくとも1個の突起55は、例えば、回転式結合部56を通るよう延在する媒体ラインの端部及び/又は導電体の電気ピン接点を含む。延長部55及び雄ねじ54により、回転式結合部56及び機器50Bは、供給ホース又は接続アダプタ10に結合することができる(
図4B参照)。この結合により、機器50,50A,50B及び接続アダプタ10によるユニットが形成され、そのユニットは、(
図1A~
図1Fに記載及び図示された)医療用又は歯科用機器50,50A,50Bの準備及び/又は手入れ方法において、複数の準備及び/又は手入れ装置1,2,14に順次に接続される。機器50B及び接続アダプタ10のこの結合により、特に、上述したように準備及び/又は手入れ装置1,2,14と機器50Bとの間で流体移送可能な接続も確立され、従って好適には、機器50Bの内部に配置された構成要素53の準備及び/又は手入れも可能である。
【0100】
図5は、ケア機器2Aの形態の準備及び/又は手入れ装置2を示し、その機器2Aは、特に、機器50に圧縮ガス(圧縮空気)を吹き込むと共に、潤滑剤を供給するよう構成されている。従来技術に既知のこのケア機器2Aは、特に、準備及び/又は手入れすべき機器50を収容可能なチャンバ61を形成するハウジング60を備える。チャンバ61は、可動リッド62で閉鎖することができる。ケア機器2Aは、1個以上の外部媒体源、例えば、圧縮空気源又は準備及び/又は手入れ媒体源、及び/又は、外部電源への少なくとも1個の接続部63を更に備える。ハウジング60の内部には、例えば、準備及び/又は手入れ媒体用の容器又は容器のためのレセプタクルを設けることができる。更に、ハウジング60の内部には、少なくとも1種の準備及び/又は手入れ媒体用の送出装置が設けられ、その送出装置は、例えば、ポンプ、ライン、バルブ、並びに類似の構成要素及び作動要素を有するため、少なくとも1種の準備及び/又は手入れ媒体をチャンバ61内に配置された結合ピース4に送出することができる。好適には、ケア機器2Aは、そのケア機器2A、特に手入れプロセスを制御するための電気制御装置又はコントローラと、任意的に、制御装置に接続されると共に、使用者用のディスプレイ及び/又は操作パネルとを備える。
【0101】
図5に示すように(例えば
図1Dにも概略的に示すように)、機器50は、接続アダプタ10によって結合ピース4に特に流体移送可能に接続されている。これにより、準備及び/又は手入れ媒体を機器50に又は機器50内に搬送することができる。接続アダプタ10及び機器50への接続は、好適には、
図2A~
図4Bに示す実施形態に対応している。
【0102】
接続アダプタ10の結合要素12又は結合延長部13及びケア機器2Aの結合ピース4により、結合装置30が構成され、その結合装置30は、構造上取り扱いが特に容易であるため、
図1A~
図1Fに係る準備及び/又は手入れ方法において使用するのが特に有利である。接続アダプタ10上に設けられると共に、結合装置30の一部を構成する結合要素12については特に
図2A~
図2Cに関連して上述したため、以下においては、
図6~
図8を参照しつつ、主に結合ピース4の構造、並びに結合要素12及び結合ピース4の相互作用について説明する。
【0103】
結合ピース4は、好適には円筒状の本体6を有し、その本体6に例えば円筒孔として形成された結合レセプタクル5が形成されている。結合レセプタクル5は、本体6内に少なくとも僅かに突入しているため、結合延長部13を結合レセプタクル5内に収容することができる。
【0104】
本体6には、移動可能、特に変位可能なロックプレート9が設けられ、ロック位置及びロック解除位置に選択的に移動可能である。ロックプレート9には、貫通開口20が設けられ、その貫通開口20は、準備及び/又は手入れ媒体を通過させるために、媒体ライン7の開口及び/又は結合レセプタクル5に流体接続されている。貫通開口20は、結合要素12における結合延長部13の少なくとも一部が貫通開口20内に収容可能に寸法決めされている。
【0105】
本体6には溝64が設けられ、その溝64に、貫通開口20を有するロックプレート9が移動可能又は変位可能に収容され、特にガイドされている。この目的のために、ロックプレート9のエッジは、溝64、特に溝64のガイド部に収容されている。
【0106】
アクチュエータ65は、ロックプレート9に又はその一部として設けられ、これによりロックプレート9の作動、特にロックプレート9がロック位置からロック解除位置に移動するときの作動が使用者にとって容易になる。アクチュエータ65は、平面的であると共に、貫通開口20が配置されたロックプレート9の部分に対して角度が付けられている。第1付勢要素21、例えばコイルばねは、ロックプレート9を特にロック位置に付勢する。第1付勢要素21は、本体6、例えば本体6のレセプタクル内とアクチュエータ65との間に配置されるのが好適である。第1付勢要素21は、本体6側におけるアクチュエータ65の下側に設けられている。
【0107】
本体6を通して準備及び/又は手入れ媒体を導くために、結合ピース4には少なくとも1つの媒体ライン7が設けられ、その媒体ライン7は、本体6の少なくとも一部を通って延在している。媒体ライン7は、結合レセプタクル5の表面上の開口8で終端し及び/又は結合レセプタクル5及び貫通開口に流体接続されている。
【0108】
ロックピン22は、ロックプレート9に対して実質的に直角に配置された本体の孔23内にスライド可能に収容されている。ロックピン22は、接触端35、ロックピース25、並びにロック解除ピース26を有する。接触端35は、自由端として本体6を超えて突出し、従って結合要素12又は結合延長部13の一部、特に接触面32によって接触可能である。ロックピン22は、孔23内に配置された第2付勢要素29、例えばコイルばねによって付勢され、特に接触端35がロック位置に比べて本体6からより離れたロック解除位置に付勢されている。ロックピース25の外径は、ロック解除ピース26の外径よりも小さい。
【0109】
ロックプレート9には、ロックピン22が通るよう延在するロック開口24が設けられている。ロック開口24は、細長スロット形状を有すると共に、貫通開口20に開口している。ロック開口24は、ロックピン22のロックピース25を収容するためのロック部27と、ロックピン22のロック解除ピース26を収容するためのロック解除部28とを有する。ロック部27の内径は、特にロックプレート9が延びる平面内において、ロック解除部28の内径よりも小さい。ロック解除部28は、ロック部27よりも貫通開口20に近い位置に配置されている。
【0110】
ロックプレート9及び貫通開口20は、ロック位置及びロック解除位置に選択的に移動可能であると共に、ロックピン22及びロック開口24によって各位置に固定可能である。ロック位置において、結合レセプタクル5及び結合延長部13及び/又は結合ピース4及び結合要素12は互いに特に流体接続されているのに対して、ロック解除位置において、これら各要素4,12;5,13は互いに分離されているか又は分離可能である。
【0111】
図7及び
図8に示すロック位置とロック解除位置との間の変更は、ロックプレート9及びロックピン22に対して力が選択的に加えられ、それに伴ってロックプレート9及びロックピン22が移動することによって生じる。例えば、結合要素4が結合レセプタクル5内に差し込まれたときに、ロックピン22が特に接触面32によって第2付勢要素29の力に抗して孔23内に少し移動すると、ロックピン22のロックピース25が(ロック開口24に位置するロック解除ピース26の代わりに)ロック開口24内に変位するため、ロックピース25の小径及び第1付勢要素21の付勢力に起因して、ロックプレート9が(ロック解除位置から)ロック位置に移動し、ロックピース25がロック開口24のロック部27に収容される。
【0112】
ロックプレート9の貫通開口20は、周辺エッジ37によって画定され、その周辺エッジ37は、ロックプレート9がロック位置に移動することにより、結合要素4に差し込まれた結合延長部13の凹部36に係合し、これにより結合ピース4及び結合要素12が互いに固定される。このように、特にロック位置において、ロックプレート9及び貫通開口20は、周辺エッジ37が結合レセプタクル5内に突出するか又は結合レセプタクル5を越えて突出する位置を占めており、好適には、貫通開口20及び結合レセプタクル5は、互いにずらせて配置されるか又は偏心配置され、これにより周辺エッジ37が凹部36に係合する。これに対して、特にロック解除位置において、ロックプレート9及び貫通開口20は、周辺エッジ37が結合レセプタクル5内に突出しないか又は結合レセプタクル5を越えない位置を占めており、好適には、貫通開口20及び結合レセプタクル5は、少なくともほぼ同心円状に配置され、これにより結合ピース4及び結合要素12が互いに離脱可能である。周辺エッジ37のこの変位は、周辺エッジ37と凹部36との係合又は離脱により、結合装置30又は結合ピース4及び結合要素12の結合及び取り外しを可能にする。
【0113】
第1付勢要素21の付勢に抗してロックプレート9、特にそのアクチュエータ65に力が作用することにより、ロックプレート9は、ロックピン22に対して移動又は変位し、これによりロックピン22がロック開口24のロック解除部28に収容される。この場合、第2付勢要素29の付勢力及びロック解除部28の大径により、ロックピン22は、ロック解除ピース26がロック解除部28に収容されるまで、本体6の孔23から部分的かつ(自動的)に離れるよう移動し、これによりロックプレート9がロック解除位置を占めてそのロック解除位置に固定される。
【0114】
本明細書に記載又は図示した実施形態は、本発明を説明するのに供するものである。従って、一実施形態に開示された特徴は、その実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の1つにおける1つ以上の特徴と個別に又は一緒に組み合わせることができる。