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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-30
(45)【発行日】2023-06-07
(54)【発明の名称】外気アセンブリを有する空調機室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20230531BHJP
   F24F 7/08 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
F24F7/06 101Z
F24F7/08 101
F24F7/08 101N
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021525624
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2019107339
(87)【国際公開番号】W WO2020177301
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-05-11
(31)【優先権主張番号】201910161217.3
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372472
【氏名又は名称】青島海尓空調器有限総公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER AIR CONDITIONER GENERAL CORP.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park,No.1 Haier Road,Laoshan District Qingdao,Shandong 266101 China
(73)【特許権者】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】郭 嘉興
(72)【発明者】
【氏名】王 寧
(72)【発明者】
【氏名】▲ヤン▼ 宝升
(72)【発明者】
【氏名】房 啓嶺
(72)【発明者】
【氏名】李 宗強
(72)【発明者】
【氏名】楊 峰
(72)【発明者】
【氏名】王 暁云
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-058603(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106196358(CN,A)
【文献】中国実用新案第207702662(CN,U)
【文献】中国実用新案第208090877(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0017774(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0133851(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
F24F 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機室内機であって、
室内機筐体と、
前記室内機筐体内の底部に配置され、空気口モジュールと空気供給モジュールと空気吹出モジュールとを含む外気アセンブリと、を含み、
前記空気口モジュールは、空気口ハウジングを含み、
前記空気口ハウジングは、その背面板に汚れ空気排気管と連通するための汚れ空気排気口、及び外気取入管と連通するための外気取入口がそれぞれ形成され、その側板に室内と連通するための汚れ空気取入口が設けられ、前記汚れ空気取入口から前記汚れ空気排気口まで汚れ空気ダクトが形成され、前記外気取入口に前記外気アセンブリの外部に通じる外気ダクトが接続され、
前記汚れ空気ダクトは、前記外気ダクトの延伸方向に交差して配置され、
前記空気供給モジュールは、前記空気口モジュールの上方に配置され、空気供給ケース及び外気ファンを含み、前記空気供給ケース内に前記外気ダクトの延伸部が限定され、前記外気ファンは、前記外気ダクトの延伸部内に配置され、前記外気ファンは、上に空気供給するように配置され、
前記空気吹出モジュールは、前記空気供給モジュールの上方に配置され、空気吹出ケースを含み、前記空気吹出ケースの上端には外気排気口が形成され、
さらに前記空気吹出モジュールは、浄化フィルタを含み、前記浄化フィルタは、前記空気吹出ケース内に配置され、それを経由する空気を浄化処理するように配置され、
前記空気吹出ケースは、下固定板及び上固定板を含み、
前記下固定板は、その第一端が前記空気吹出ケースの前面板の内部に配置され、その第二端が前記空気吹出ケース内の気流通路を部分的に遮蔽するように上に傾斜し、
前記上固定板は、その一端が前記空気吹出ケースの前面板の内部に配置され、且つ前記下固定板の第一端の上方に位置し、その他端が下に傾斜し、前記下固定板の第一端と第二端との間に固定され、
前記下固定板及び前記上固定板はともに前記浄化フィルタを固定するために使用される、
空調機室内機。
【請求項2】
前記汚れ空気排気口及び前記外気取入口は、前記背面板の底部に同じ高さで配置され、前記汚れ空気取入口の高さは、前記汚れ空気排気口及び前記外気取入口の高さよりも高く設定される、
請求項1に記載の空調機室内機。
【請求項3】
前記空気口モジュールは、全熱交換コアをさらに含み、
前記全熱交換コアは、前記空気口ハウジング内の前記汚れ空気取入口に対向する位置に配置され、その内部に前記汚れ空気ダクトの一部及び前記外気ダクトの一部が形成され、
前記汚れ空気取入口は、前記外気取入口に近接する前記側板に配置される、
請求項2に記載の空調機室内機。
【請求項4】
前記空気口モジュールは、排気ファンをさらに含み、
前記排気ファンは、前記汚れ空気排気口に配置され、その空気供給方向は、前記汚れ空気排気口の延伸方向に沿って設定される、
請求項3に記載の空調機室内機。
【請求項5】
前記空気吹出ケースの前面板の上部は、前記空気吹出ケースの外側に向かって曲がって延びる、
請求項1に記載の空調機室内機。
【請求項6】
前記室内機筐体の内部には、熱交換器を配置するための熱交換室が限定され、前記外気排気口は前記熱交換室に連通する、
請求項1に記載の空調機室内機。
【請求項7】
前記空調機室内機は、パッケージ型空調機室内機であり、前記空気口ハウジングの背面板は、前記パッケージ型空調機室内機の背面板に対向して配置され、前記空気口ハウジングの側板は、前記パッケージ型空調機室内機の側板に対向して配置される、
請求項1に記載の空調機室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調技術の分野に関し、特に、外気アセンブリを有する空調機室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の発展と人々の生活水準の継続的な向上に伴い、人々は生活の質に対するますます高い要求を持つようになっている。人々の生活の質への関心はますます高まっており、空調機は人々の日常生活に欠かせない電気機器の一つとなっている。
【0003】
しかしながら、既存の空調機の使用中に、ユーザーの呼吸作用で、室内空気の二酸化炭素の濃度がますます高くなり、酸素の濃度がますます低くなる。ユーザーが長時間このような環境にいると、身体に大きな危害を及ぼし得る。ユーザーがドアや窓を開けて空気を交換すると、資源の浪費を引き起こす。
【0004】
現在、室内の汚れた空気と室外の新鮮な空気を交換できる、外気アセンブリを備えた空調機があるが、運転中に室内に取り込んだばかりの新鮮な空気を室外に排気しやすく、空気の交換効率が低くなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題を考慮して、本発明は、上記の問題を克服するか、又は少なくとも部分的に上記の問題を解決する外気アセンブリを備えた空調機室内機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの目的は、ガス交換効率を向上させる外気アセンブリを備えた空調機室内機を提供することである。
【0007】
本発明の更なる目的は、このような空調機室内機による温度体験を向上させることである。
【0008】
本発明は空調機室内機を提供する。この空調機室内機は、室内機筐体と、前記室内機筐体内の底部に配置され、空気口モジュールを含む外気アセンブリとを含む。
【0009】
オプションで、空気口モジュールは空気口ハウジングを含み、空気口ハウジングは、その背面板に汚れ空気排気管と連通するための汚れ空気排気口、及び外気取入管と連通する外気取入口がそれぞれ形成され、その側板に室内と連通するための汚れ空気取入口が設けられ、汚れ空気取入口から前記汚れ空気排気口まで汚れ空気ダクトが形成され、外気取入口に前記外気アセンブリの外部に通じる外気ダクトが接続される。汚れ空気ダクトは、外気ダクトの延伸方向に交差して配置される。
【0010】
オプションで、汚れ空気排気口及び外気取入口は、背面板の底部に同じ高さで配置され、汚れ空気取入口の高さは、汚れ空気排気口及び外気取入口の高さよりも高く設定される。
【0011】
オプションで、空気口モジュールは全熱交換コアをさらに含む。全熱交換コアは、空気口ハウジング内の汚れ空気取入口に対向する位置に配置され、その内部に汚れ空気ダクトの一部及び外気ダクトの一部が形成される。汚れ空気取入口は、外気取入口に近接する側板に配置される。
【0012】
オプションで、空気口モジュールは排気ファンをさらに含む。排気ファンは、汚れ空気排気口に配置され、その空気供給方向は、汚れ空気排気口の延伸方向に沿って設定される。
【0013】
オプションで、外気アセンブリは、空気口モジュールの上方に配置された空気供給モジュールをさらに含む。空気供給モジュールは、空気供給ケース及び外気ファンを含み、空気供給ケース内に外気ダクトの延伸部が限定され、外気ファンは、外気ダクトの延伸部内に配置され、外気ファンは、上に空気供給するように配置される。
【0014】
オプションで、外気アセンブリは、空気供給モジュールの上方に配置された空気吹出モジュールをさらに含む。この空気吹出モジュールは、上端に外気排気口が形成される空気吹出ケースを含む。
【0015】
オプションで、空気吹出モジュールは浄化フィルタをさらに含む。この浄化フィルタは、それを経由する空気を浄化処理するために、空気吹出ケース内に配置される。
【0016】
オプションで、空気吹出ケースは、下固定板及び上固定板を含む。下固定板は、その第一端が空気吹出ケースの前面板の内部に配置され、その第二端が空気吹出ケース内の気流通路を部分的に遮蔽するように上に傾斜する。上固定板は、その一端が空気吹出ケースの前面板の内部に配置され、且つ下固定板の第一端の上方に位置し、その他端が下に傾斜し、且つ下固定板の第一端と第二端との間に固定される。下固定板及び上固定板はともに浄化フィルタを固定するために使用される。
【0017】
オプションで、空気吹出ケースの前面板の上部は、空気吹出ケースの外側に向かって曲がって延びる。
【0018】
オプションで、室内機筐体の内部には、熱交換器を配置するための熱交換室が限定され、外気排気口は熱交換室に連通する。
【0019】
オプションで、空調機室内機は、パッケージ型空調機室内機であり、空気口ハウジングの背面板は、パッケージ型空調機室内機の背面板に対向して配置され、空気口ハウジングの側板は、パッケージ型空調機室内機の側板に対向して配置される。
【0020】
本発明は空調機室内機を提供する。この空調機室内機は、室内機筐体と、室内機筐体内の底部に配置された外気アセンブリとを含む。外気アセンブリを室内機筐体内の底部に配置することで、二酸化炭素が室内で下から上に蓄積するため、二酸化炭素の濃度が高い室内の空気を排出することが容易になり、効率が向上する。外気アセンブリを室内機筐体内に配置することで、空間が節約される。外気アセンブリの空気口モジュールは空気口ハウジングを含み、その背面板に汚れ空気排気管と連通するための汚れ空気排気口、外気取入管と連通するための外気取入口がそれぞれ形成され、その側板に室内と連通するための汚れ空気取入口が設けられ、汚れ空気取入口から汚れ空気排気口まで汚れ空気ダクトが形成される。このような汚れ空気取入口及び汚れ空気排気口の配置方式によって、室内空気の循環経路が増加し、室内環境の温度変化が遅くなり、ユーザーの温度体験が向上する。外気取入口には、外気アセンブリの外部に通じる外気ダクトが接続され、汚れ空気ダクトは、外気ダクトの延伸方向に交差して配置される。このような配置によって、空調機室内機は動作中に室内に取り込んだばかりの新鮮な空気を室外に排出することが回避され、ガス交換の効率が向上する。
【0021】
さらに、空気口モジュールは、空気口ハウジング内の汚れ空気取入口に対向する位置に配置された全熱交換コアをさらに含み、その内部に汚れ空気ダクトの一部及び外気ダクトの一部が形成される。全熱交換コアによって、室内の汚れ空気の熱を室外空気に伝達し、エネルギーの損失を回避し、ユーザーの温度体験を向上させ、空調機室内機のエネルギー効率を高めることができる。また、汚れ空気取入口は、外気取入口に近接する側板に配置される。このような汚れ空気取入口の配置方法により、汚れ空気ダクトの経路を延長し、エネルギーの損失をさらに回避し、熱交換効率を向上させることができる。
【0022】
以下の添付図面と併せた本発明の具体的な実施例の詳細な説明によれば、本発明の上記及びその他の目的、利点、及び特徴が、当業者によってより明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の幾つかの具体的な実施例は、添付図面を参照しながら、例示的かつ非限定的な方式で、後で詳細に説明される。添付図面において、同一の参照番号は、同一又は類似の部品又は部分を示す。これらの添付図面は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことを、当業者は理解すべきである。添付図面では、
図1】本発明の一実施例に係る空調機室内機の側面断面図である。
図2】本発明の一実施例に係る空調機室内機の背面図である。
図3】本発明の一実施例に係る空調機室内機の外気アセンブリの構造を示す概略図である。
図4】本発明の一実施例に係る空調機室内機の外気アセンブリの背面図である。
図5】本発明の一実施例に係る空調機室内機の外気アセンブリの側面図である。
図6】本発明の一実施例に係る空調機室内機の外気アセンブリの空気吹出モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本実施例は、空調機室内機10を提供する。図1は、本発明の一実施例に係る空調機室内10の側面断面図であり、図2は、本発明の一実施例に係る空調機室内機10の背面図である。空調機室内機10は、室内機筐体100及び外気アセンブリ200を含む。外気アセンブリ200は、室内機筐体100内の底部に配置される。外気アセンブリ200を室内機筐体100内の底部に配置することにより、二酸化炭素が室内で下から上に蓄積するため、二酸化炭素の濃度が高い室内の空気を排出することが容易になり、効率が向上する。
【0025】
図3は、本発明の一実施例に係る空調機室内機10の外気アセンブリ200の構造を示す概略図であり、図4は、本発明の一実施例に係る空調機室内機10の外気アセンブリ200の背面図である。外気アセンブリ200は、空気口モジュール210を含む。空気口モジュール210は空気口ハウジング211を含む。
【0026】
空気口ハウジング211の背面板には、汚れ空気排気口212が形成される。汚れ空気排気口212は、室外環境と連結するように汚れ空気排気管と連通する。また、空気口ハウジング211の側板には、室内と連通する汚れ空気取入口214が設けられ、汚れ空気取入口214から汚れ空気排気口212まで汚れ空気ダクトが形成される。このような汚れ空気取入口214及び汚れ空気排気口212の配置方式によって、室内空気の循環経路が増加し、室内環境の温度変化が遅くなり、ユーザーの温度体験が向上する。汚れ空気は、室内環境空気を指し、外気は、室外環境空気を指す。
【0027】
空気口モジュール210は、汚れ空気排気口212に配置された排気ファン216をさらに含む。排気ファン216は、室内空気が汚れ空気取入口214を通って汚れ空気ダクトに入り、次に汚れ空気排気口212から汚れ空気排気管に入る気流を形成することに使用される。図4の実線の矢印で示される方向は、室内空気が汚れ空気取入口214を通って汚れ空気ダクトによって汚れ空気排気口212に入る線路図である。室内空気は、汚れ空気排気口212から汚れ空気排気管に入って室外に排出される。本発明の幾つかの実施例では、排気ファン216の空気供給方向は、汚れ空気排気口212の延伸方向に沿うように設定される。排気ファン216は軸流ファンであり、その軸線は汚れ空気排気口212の中心線に対応する。
【0028】
空気口ハウジング211の背面板には、外気取入口213がさらに形成される。外気取入口213は、室外環境と連結するために外気取入管と連通する。外気取入管の管口にフィルタースクリーンを配置して、室外空気における比較的大きな不純物を濾過することができる。それにより、これらの不純物が室内空気を汚染することを回避するとともに、これらの不純物が外気アセンブリ200内部の各部材を損傷することを効果的に回避する。
【0029】
本発明の幾つかの実施例では、汚れ空気排気口212及び外気取入口213は、空気口ハウジング211の背面板の底部に同じ高さで配置される。このような汚れ空気排気口212及び外気取入口213の配置方法によって、空気口モジュール210の高さを低くして、空気口モジュール210が占める室内機筐体100の空間を節約することができる。汚れ空気取入口214の高さは、汚れ空気排気口212及び外気取入口213の高さよりも高く設定される。汚れ空気取入口214と汚れ空気排気口212の高さが異なるため、温度が適切な室内空気が迅速に排出されず、室内空気の温度が大きく変化せず、ユーザーの温度体験が向上する。
【0030】
また、外気取入口213には、前記外気アセンブリ200の外部に通じる外気ダクトが接続される。図4の点線の矢印で示される方向は、室外空気が外気ダクトを通過する線路図である。本発明の幾つかの実施例では、外気ダクトは、室内と直接連通して、室内に新鮮な空気を直接供給する。
【0031】
本発明の他の実施例では、室内機筐体100の内部には、熱交換器を配置するための熱交換室110が設けられ、外気ダクトが熱交換室110まで連通する。
【0032】
空調機の冷却運転時に、冷媒は、圧縮機で高温高圧の冷媒蒸気に圧縮される。冷媒蒸気は、空調機室外機に入ることによって、冷媒蒸気は空調機室外機で凝縮され放熱して高温高圧の液体になり、そして絞り装置を経由した後、降圧されて低温低圧の気液混合物になって空調機室内機10の熱交換室110に入る。冷媒は、その中に熱を吸収し蒸発した後、再度圧縮機に入ると、冷却循環が完了する。空調機の冷却循環自体は、当業者によく知られているので、ここでは繰り返さない。
【0033】
外気ダクトを熱交換室110に連通させることによって、ユーザーに不良の温度体験に与える室外空気の温度を変化させ、それを人体に適した温度に熱交換してから空気吹出口120から室内に排出して、ユーザーの温度体験を向上させることができる。
【0034】
また、本実施例の汚れ空気ダクトは、外気ダクトの延伸方向に交差して配置される。このような配置方式によって、空調機室内機10は動作中に室内に取り込んだばかりの新鮮な空気を室外に排出することを回避し、ガス交換の効率を向上させることができる。
【0035】
本発明の幾つかの実施例では、空気口モジュール210は、空気口ハウジング211内の汚れ空気取入口214に対向する位置に配置された全熱交換コア215をさらに含み、その内部に汚れ空気ダクトの一部及び外気ダクトの一部が形成される。それにより、全熱交換コア215内の汚れ空気ダクトの一部を通過する室内空気は、室内空気の熱を、全熱交換コア215内の外気ダクトの一部を通過する室外空気に伝達するので、熱の浪費が回避され、空調機室内機10がより省エネルギーで環境に優しい。
【0036】
本発明の幾つかの実施例では、汚れ空気取入口214は、外気取入口213に近接する側板に配置される。この汚れ空気取入口214の配置方式により、汚れ空気ダクトの経路が長くなるので、全熱交換コア215は、全熱交換コア215内の汚れ空気ダクトの一部を通過する室内空気の熱を、全熱交換コア215内の外気ダクトの一部を通過する室外空気に十分に伝達することができ、全熱交換コア215の利用率が向上する。
【0037】
外気アセンブリ200は、空気口モジュール210の上方に配置された空気供給モジュール220をさらに含んでもよい。空気供給モジュール220は、空気供給ケース221及び外気ファン222を含む。空気供給ケース221内に外気ダクトの延伸部が限定される。外気ファン222は、空気供給ケース221内の外気ダクトの延伸部内に配置され、室外空気を外気ダクトに沿って移動させる気流を生成するために使用される。外気ファン222も軸流ファンであり、外気排気口231の位置に合わせるために上に空気供給するように配置される。外気ダクトが熱交換室110に連通する場合、外気ファン222は、熱交換室110内の熱交換ファンと連動して、より大きな空気力で、熱交換された室外の新鮮な空気を室内の隅々まで排出して、室内の温度を均一にする。
【0038】
このような排気ファン216及び外気ファン222の配置方式により、排気ファン216と外気ファン222が異なる高さに位置し、2つのファンの重ね合わせによる悪影響が回避され、空間の合理的な利用が実現される。
【0039】
外気アセンブリ200は、空気供給モジュール220の上方に配置された空気吹出モジュール230をさらに含む。空気吹出ケース240の上端に外気排気口231が形成される。
【0040】
二酸化炭素が室内空間の底部から上に蓄積するため、このような空気口モジュール210、空気供給モジュール220及び空気吹出モジュール230の配置方式は、汚れ空気取入口214が外気アセンブリ200全体の底部に位置し、室内空間の底部の二酸化炭素濃度がより高い空気を排出することを容易にし、ガス交換の効率を向上させる。
【0041】
また、このような空気口モジュール210、空気供給モジュール220及び空気吹出モジュール230の配置方式により、室外空気は、底部に位置する外気取入口213から空気口モジュール210に入り、上向きに空気供給モジュール220及び空気吹出モジュール230の内部を順に通過する。その結果、室外空気の流れ方向が単一になり、空気抵抗が減少し、風量が増加する。
【0042】
図5は、本発明の一実施例に係る空調機室内機10の外気アセンブリ200の側面図であり、図6は、本発明の一実施例に係る空調機室内機10の外気アセンブリ200の空気吹出モジュール230の断面図である。空気吹出モジュール230は、通過する空気を浄化処理するために空気吹出ケース240内に配置された浄化フィルタ232をさらに含む。浄化フィルタ232は、一次フィルタースクリーン、銀イオンフィルタースクリーン、高効率空気フィルタースクリーンなどからなり、室外空気中の吸入可能な粒子などの不純物を濾過して、室内に排出される空気をより清浄にすることができる。
【0043】
空気吹出ケース240は下固定板241及び上固定板242を含む。下固定板241の第一端は、空気吹出ケース240の前面板の内部に配置され、その第二端は、上に傾斜して、空気吹出ケース240内の気流通路を部分的に遮蔽し、さらに空気吹出モジュール230を通過する室外空気の空気抵抗を減少させる。上固定板242の一端は、空気吹出ケース240の前面板の内部に配置され、下固定板241の第一端の上方に位置し、その他端は下に傾斜し、下固定板241の第一端と第二端との間に固定される。下固定板241、上固定板242はともに浄化フィルタ232を固定するために使用される。
【0044】
このような下固定板241及び上固定板242の配置方式により、浄化フィルタ232を傾斜して配置することが可能になり、その結果、室外空気が浄化フィルタ232とより大きく接触し、浄化フィルタ232の浄化効率が向上し、それを通過する室外空気の清浄度がさらに向上する。
【0045】
空気吹出ケース240の前面板の上部は、空気吹出ケース240の外側に向かって曲がって延び、その結果、空気口モジュール210、空気供給モジュール220及び空気吹出モジュール230の位置関係、ならびに下固定板241の配置方式によって、外気ダクトを経過する室外空気の空気抵抗を低減する上で、外気排気口231の空気吹出量を増加させる。
【0046】
本発明の幾つかの実施例では、空調機室内機10は、パッケージ型空調機室内機であってもよく、空気口ハウジング211の背面板がパッケージ型空調機室内機の背面板に対向して配置され、空気口ハウジング211の側板がパッケージ型空調機室内機の側板に対向して配置される。これにより、外気取入口213及び汚れ空気排気口212はパッケージ型空調機室内機の背面部に向いて、パッケージ型空調機の美観が向上し、汚れ空気排気管及び外気取入管の取り付けが容易になり、汚れ空気取入口214はパッケージ型空調機室内機の側部に向く。
【0047】
本発明の他の実施例では、空調機室内機10は、例えば、壁掛け型空調機室内機など、他のタイプの空調機室内機であってもよい。その場合、外気アセンブリ200は、壁掛け型空調機室内機の筐体内の底部に配置されてもよい。壁掛け型空調機室内機の筐体の底板には、外気取入管、汚れ空気排気管が通過するための開口が形成され、側板には汚れ空気取入口214が形成される。外気排気口231は、その熱交換室110に通じることができる。
【0048】
本実施例の空調機室内機10は、室内機筐体100及び外気アセンブリ200を含む。外気アセンブリ200は、室内機筐体100内の底部に配置される。外気アセンブリ200は、空気口モジュール210と、空気口モジュール210の上方に配置された空気供給モジュール220と、空気供給モジュール220の上方に配置された空気吹出モジュール230とを含む。空気口モジュール210の空気口ハウジング211の背面板の底部には、外気取入口213、汚れ空気排気口212が形成される。側板には、汚れ空気取入口214が形成される。空気口ハウジング211内に全熱交換コア215がある。汚れ空気排気口212に排気ファン216がある。空気供給モジュール220の空気供給ケース221内に外気ファン222がある。空気吹出モジュール230内に浄化フィルタ232が傾斜して配置された、その空気吹出ケース240の上方には外気排気口231が形成される。
【0049】
空調機室内機10が外気モードを開始すると、排気ファン216が動作し、室内空気が汚れ空気取入口214から、全熱交換コア215内に形成された汚れ空気ダクトの一部を含む汚れ空気ダクトに入り、汚れ空気排気口212から汚れ空気排気管に入って室外に排出される。同時に、外気ファン222が動作し、室外空気が外気取入管を通過して外気取入口213に入り、外気取入管においてフィルタースクリーンによって比較的大きな不純物を濾過し、全熱交換コア215内に形成された外気ダクトの一部を含む外気ダクトに入り、全熱交換コア215内に形成された汚れ空気ダクトの一部内の室内空気と熱交換し、次に浄化フィルタ232によって吸入可能な粒子などの不純物を濾過し、最後に外気排気口231から排出される。外気排気口231は、室内空間に直接接続されてもよく、空調機室内機10の熱交換室110に連通されてもよい。
【0050】
本実施例の空調機室内機10は、ユーザーの操作指示に従って外気モードに入ることができ、室内空気の二酸化炭素濃度に応じて自動的に外気モードに入ることもできる。
【0051】
本実施例の空調機室内機10は、室内機筐体100と、室内機筐体100内の底部に配置された外気アセンブリ200とを含む。外気アセンブリ200を室内機筐体100内の底部に配置することで、二酸化炭素が室内で下から上に蓄積するため、二酸化炭素の濃度が高い室内の空気を排出することが容易になり、効率が向上する。外気アセンブリ200を室内機筐体100内に配置することで、空間が節約される。外気アセンブリ200の空気口モジュール210は空気口ハウジング211を含み、その背面板に汚れ空気排気管と連通するための汚れ空気排気口212、及び外気取入管と連通するための外気取入口213がそれぞれ形成され、その側板に室内と連通するための汚れ空気取入口214が設けられ、汚れ空気取入口214から汚れ空気排気口212まで汚れ空気ダクトが形成される。このような汚れ空気取入口214及び汚れ空気排気口212の配置方式によって、室内空気の循環経路が増加し、室内環境の温度変化が遅くなり、ユーザーの温度体験が向上する。外気取入口213には、外気アセンブリ200の外部に通じる外気ダクトが接続され、汚れ空気ダクトは、外気ダクトの延伸方向に交差して配置される。このような配置によって、空調機室内機10は、動作中に室内に取り込んだばかりの新鮮な空気を室外に排出することを回避し、ガス交換の効率を向上させることができる。
【0052】
ここで、当業者は、本明細書において本発明の複数の例示的な実施例を詳細に示し説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の開示から、本発明の原理に合う他の多くの変形又は修正を直接確定又は導出することができることを理解するであろう。したがって、本発明の範囲は、これらの他の変形又は修正のすべてをカバーするものとして理解され、認識されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6