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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-30
(45)【発行日】2023-06-07
(54)【発明の名称】連結装置
(51)【国際特許分類】
   F16G 15/06 20060101AFI20230531BHJP
   F16B 45/04 20060101ALI20230531BHJP
【FI】
F16G15/06 A
F16B45/04 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021553419
(86)(22)【出願日】2020-10-19
(86)【国際出願番号】 JP2020039234
(87)【国際公開番号】W WO2021085209
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2019197090
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】513055274
【氏名又は名称】株式会社IHIポールワース
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 智之
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6282879(US,B1)
【文献】特開2001-208033(JP,A)
【文献】実開昭58-119646(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0111556(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 15/06
F16B 45/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲部および前記湾曲部の両端のそれぞれから延在する一対の延在部を有するシャックル本体と、
前記湾曲部および前記延在部で囲まれた内側の空間を貫通する方向を厚さ方向とし、前記湾曲部における前記厚さ方向側において、前記シャックル本体に交差するガイド面を形成する2個のガイドプレートと、
を備え、
2個の前記ガイドプレートの各々の前記ガイド面は、互いに離隔されて対向配置される連結装置。
【請求項3】
一対の前記延在部同士を連結可能な棒状のシャックルピンをさらに備え、
前記ガイドプレートは、前記シャックルピンに連結される請求項1に記載の連結装置。
【請求項7】
前記ガイドプレートは、前記湾曲部に掛けられる窪み部が形成され、前記シャックル本体に対して着脱可能である請求項1に記載の連結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フックを連結可能な連結装置に関する。本出願は、2019年10月30日に提出された日本特許出願第2019-197090号に基づく優先権の利益を主張するものであり、その内容は本出願に援用される。
【背景技術】
【0002】
フックが連結されたチェーンやワイヤーロープを用いて対象物を吊り上げる場合、シャックルなどの連結装置がフックと対象物との間に連結されることがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-90284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シャックルは、一般的に、U字状に形成されたシャックル本体と、シャックル本体の端部同士を連結するシャックルピンとを備える。フックは、シャックル本体に連結され、吊り上げ対象物は、シャックルピンに連結される。フックがシャックル本体に連結された状態で対象物を吊り上げていない場合、チェーンまたはワイヤーロープ(以下、チェーン等という)が撓むことで、フックがシャックル本体に沿ってシャックルピン側に移動することがある。フックがシャックルピン側に移動した状態でチェーン等が巻き上げられると、フックが引っ張られてシャックルピンとは反対側に戻る際にチェーン等が捩じれるおそれがある。チェーン等が捩じれた状態で引っ張られると、チェーン等が破断するおそれがある。
【0005】
本開示は、フックに連結されるチェーン等の破断を防止可能な連結装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る連結装置は、湾曲部および湾曲部の両端のそれぞれから延在する一対の延在部を有するシャックル本体と、湾曲部および延在部で囲まれた内側の空間を貫通する方向を厚さ方向とし、湾曲部における厚さ方向側において、シャックル本体に交差するガイド面を形成するガイドプレートと、を備える。
【0007】
また、連結装置は、ガイドプレートを2個備え、2個のガイドプレートの各々のガイド面は、互いに離隔されて対向配置されてもよい。
【0008】
また、連結装置は、一対の延在部同士を連結可能な棒状のシャックルピンをさらに備え、ガイドプレートは、シャックルピンに連結されてもよい。
【0009】
また、ガイドプレートは、シャックルピンとの連結部から湾曲部における厚さ方向側の両側に延びていてもよい。
【0010】
また、連結装置は、シャックルピンにおける延在部とガイドプレートとの間に連結されるワッシャをさらに備えてもよい。
【0011】
また、ガイドプレートは、シャックルピンとの連結部側に対して湾曲部側をシャックルピンの軸方向に変位させる段差部が形成されてもよい。
【0012】
また、ガイドプレートは、湾曲部に掛けられる窪み部が形成され、シャックル本体に対して着脱可能であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、フックに連結されるチェーン等の破断を防止可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、コークス炉の概略を示す部分破断図である。
図2図2は、空気インレットボックス付近の部分拡大図である。
図3図3は、第1空気インレットボックスの側面図である。図3Aは、第1蓋部が閉じている状態を示している。図3Bは、第1蓋部が開いている状態を示している。
図4図4は、第1連結装置の構成を示す図である。図4Aは、第1連結装置の平面図である。図4Bは、第1連結装置の側面図である。
図5図5は、ガイドプレートの構成を示す図である。図5Aは、ガイドプレートの平面図である。図5Bは、ガイドプレートの側面図である。
図6図6は、第2連結装置の構成を示す図である。図6Aは、第2連結装置の平面図である。図6Bは、第2連結装置の側面図である。
図7図7は、ガイドプレートの構成を示す図である。図7Aは、ガイドプレートの平面図である。図7Bは、ガイドプレートの側面図である。
図8図8は、湾曲部の一方の側面にのみ延びるガイドプレートを備える第1連結装置を示す側面図である。
図9図9は、着脱可能なガイドプレートを備える第1連結装置を示す図である。図9Aは、第1連結装置の平面図である。図9Bは、第1連結装置の側面図である。
図10図10は、ガイドプレートが一体的に接続された第1連結装置を示す正面図である。
図11図11は、連結装置の他の適用例を示す図である。図11Aは、円筒状部材の吊り上げに適用される例を示す。図11Bは、柱状部材の吊り上げに適用される例を示す。図11Cは、デッキ部材の吊り上げに適用される例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の一実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
本実施形態による連結装置は、例えば、コークスを製造するコークス炉1に適用される。図1は、コークス炉1の概略を示す部分破断図である。図1では、X方向、Y方向およびZ方向を図示のように定義している。X方向はコークス炉1の幅方向であり、Y方向はコークス炉1の奥行方向であり、Z方向はコークス炉1の高さ方向である。
【0017】
コークス炉1は、炭化室10、燃焼室12、蓄熱室14、空気インレットボックス16およびMガス接続管18を含む。炭化室10、燃焼室12および蓄熱室14は、例えば、耐火煉瓦などで形成される空間である。
【0018】
炭化室10は、幅方向に垂直な断面が長方形となるように形成される。炭化室10は、奥行方向の長さが短く、幅方向および高さ方向の長さが長い。炭化室10は、奥行方向に積層されるように複数形成される。炭化室10には、コークスの原料となる石炭が装入される。
【0019】
燃焼室12は、炭化室10を間に挟んだ奥行方向両側に形成される。燃焼室12は、高さ方向に延び、鉛直上端が互いに連通する1対の管状に形成される。燃焼室12は、炭化室10の側方において、幅方向に複数並べられる。炭化室10によって区切られ、幅方向に並べられた燃焼室12は、1のグループで機能する。以後、炭化室10によって区切られた範囲内の燃焼室12を、燃焼グループと呼ぶ場合がある。
【0020】
蓄熱室14は、燃焼室12および炭化室10の鉛直下方に形成される。蓄熱室14は、幹部20および枝部22を含む。幹部20は、燃焼グループ毎に設けられ、幅方向に延びている。枝部22は、燃焼室12毎に設けられる。枝部22の鉛直下部は、幹部20に連通しており、枝部22の鉛直上部は、燃焼室12の鉛直下端に連通している。
【0021】
空気インレットボックス16は、燃焼グループ毎に設けられる。空気インレットボックス16は、蓄熱室14の幹部20に連通する。空気インレットボックス16は、後述するが、コークス炉1外から蓄熱室14に空気を導入可能となっている。蓄熱室14に導入された空気は、燃焼室12に送られる。
【0022】
Mガス接続管18は、空気インレットボックス16に連通している。Mガス接続管18は、燃焼用ガスであるミックスガスを、空気インレットボックス16を通じて蓄熱室14に導入可能となっている。蓄熱室14に導入されたミックスガスは、燃焼室12に送られる。
【0023】
燃焼室12では、ミックスガスを空気とともに燃焼させることで熱が発生する。燃焼室12で発生した熱は、炭化室10内の石炭を加熱して化学反応させる。これにより、炭化室10内においてコークスが生成される。また、蓄熱室14は、燃焼室12で発生した熱を蓄え、炭化室10におけるコークスの生成を維持させる。
【0024】
図2は、空気インレットボックス16付近の部分拡大図である。空気インレットボックス16は、例えば、4種類を1組として、複数組設けられる。図2では、1組の空気インレットボックス16を示しており、右から順に、第1空気インレットボックス16a、第2空気インレットボックス16b、第3空気インレットボックス16c、第4空気インレットボックス16dとする。空気インレットボックス16は、蓄熱室14に連通する中空のボックス本体部30を備える。
【0025】
第1空気インレットボックス16aのボックス本体部30には、ボックス本体部30の内外を連通する第1開口部が形成される。このボックス本体部30には、第1開口部を開閉可能な第1蓋部32aが連結される。具体的には、第1蓋部32aの鉛直上側に位置する一辺には、水平方向に延びる回転軸が連結される。第1蓋部32aは、この回転軸を介してボックス本体部30に回転可能に支持される。また、第1蓋部32aには、ボックス本体部30の内外を連通する第2開口部が形成される。第1蓋部32aには、第2開口部を開閉可能な第2蓋部32bが連結される。具体的には、第2蓋部32bの鉛直上側に位置する一辺には、水平方向に延びる回転軸が連結される。第2蓋部32bは、この回転軸を介して第1蓋部32aに回転可能に支持される。第2蓋部32bの面積は、第1蓋部32aの面積よりも小さい。
【0026】
第2空気インレットボックス16bのボックス本体部30には、ボックス本体部30の内外を連通する第3開口部が形成される。このボックス本体部30には、第3開口部を開閉可能な第3蓋部32cが連結される。具体的には、第3蓋部32cの鉛直上側に位置する一辺には、水平方向に延びる回転軸が連結される。第3蓋部32cは、この回転軸を介してボックス本体部30に回転可能に支持される。第3蓋部32cの面積は、第2蓋部32bの面積と大凡等しい。また、第2空気インレットボックス16bのボックス本体部30には、Mガス接続管18が連通している。
【0027】
第3空気インレットボックス16cのボックス本体部30には、ボックス本体部30の内外を連通する第4開口部が形成される。このボックス本体部30には、第4開口部を開閉可能な第4蓋部32dが連結される。具体的には第4蓋部32dの鉛直上側に位置する一辺には、水平方向に延びる回転軸が連結される。第4蓋部32dは、この回転軸を介してボックス本体部30に回転可能に支持される。第4蓋部32dの面積は、第1蓋部32aの面積と大凡等しい。また、第4蓋部32dには、ボックス本体部30の内外を連通する第5開口部が形成される。第4蓋部32dには、第5開口部を開閉可能な第5蓋部32eが連結される。具体的には、第5蓋部32eの鉛直上側に位置する一辺には、水平方向に延びる回転軸が連結される。第5蓋部32eは、この回転軸を介して第4蓋部32dに回転可能に支持される。第5蓋部32eの面積は、第4蓋部32dの面積よりも小さく、第2蓋部32bおよび第3蓋部32cの面積よりも大きい。
【0028】
第4空気インレットボックス16dのボックス本体部30には、ボックス本体部30の内外を連通する第6開口部が形成される。このボックス本体部30には、第6開口部を開閉可能な第6蓋部32fが連結される。具体的には、第6蓋部32fの鉛直上側に位置する一辺には、水平方向に延びる回転軸が連結される。第6蓋部32fは、この回転軸を介してボックス本体部30に回転可能に支持される。第6蓋部32fの面積は、第5蓋部32eの面積と大凡等しい。また、第4空気インレットボックス16dのボックス本体部30には、Mガス接続管18が連通している。
【0029】
空気インレットボックス16の鉛直上方には、第1シャフト40a、第2シャフト40b、第3シャフト40c、第4シャフト40d、第1巻き上げ部42a、第2巻き上げ部42b、第3巻き上げ部42cおよび第4巻き上げ部42dが設けられる。以後、第1シャフト40a、第2シャフト40b、第3シャフト40cおよび第4シャフト40dを総称して、シャフトと呼ぶ場合がある。
【0030】
各シャフトは、空気インレットボックス16の並列方向に延びている。各シャフトの一端には、モータ等の駆動装置44が各々接続される。駆動装置44は、シャフト40を軸周りに回転させる。
【0031】
第1巻き上げ部42aは、第1空気インレットボックス16aの鉛直上方において、第1シャフト40aに連結される。第1巻き上げ部42aには、一端側が鉛直下方に懸垂している第1チェーン50aが巻回される。第1巻き上げ部42aは、第1シャフト40aの回転に従って第1チェーン50aの巻き上げおよび送り出しを行う。
【0032】
第2巻き上げ部42bは、第1空気インレットボックス16aと第2空気インレットボックス16bとの間の鉛直上方において、第2シャフト40bに連結される。第2巻き上げ部42bには、一端側が鉛直下方に懸垂している第2チェーン50bが巻回される。第2巻き上げ部42bは、第2シャフト40bの回転に従って第2チェーン50bの巻き上げおよび送り出しを行う。
【0033】
第3巻き上げ部42cは、第3空気インレットボックス16cの鉛直上方において、第3シャフト40cに連結される。第3巻き上げ部42cには、一端側が鉛直下方に懸垂している第3チェーン50cが巻回される。第3巻き上げ部42cは、第3シャフト40cの回転に従って第3チェーン50cの巻き上げおよび送り出しを行う。
【0034】
第4巻き上げ部42dは、第3空気インレットボックス16cと第4空気インレットボックス16dとの間の鉛直上方において、第4シャフト40dに連結される。第4巻き上げ部42dには、一端側が鉛直下方に懸垂している第4チェーン50dが巻回される。第4巻き上げ部42dは、第4シャフト40dの回転に従って第4チェーン50dの巻き上げおよび送り出しを行う。
【0035】
以後、第1チェーン50a、第2チェーン50b、第3チェーン50cおよび第4チェーン50dを総称して、チェーンと呼ぶ場合がある。チェーンにおける懸垂している先端側は、二股に分岐されている。チェーンにおける分岐された先端の各々には、フック52が連結されている。なお、チェーンに代えてワイヤーロープがフック52に連結されてもよい。また、チェーンまたはワイヤーロープを総称して、チェーン等と呼ぶ場合がある。
【0036】
第1蓋部32aには、アイプレート54が2箇所設けられる。アイプレート54は、例えば、三角形の平板状に形成される。アイプレート54は、第1蓋部32aに垂直に起立するように接続される。アイプレート54には、アイプレート54を貫通する連結孔が形成される。
【0037】
第1蓋部32aのアイプレート54の各々は、連結孔を介して第1連結装置56aが各々連結される。第1チェーン50aの一方のフック52は、第1連結装置56aを介して第1蓋部32aの一方のアイプレート54に連結される。第1チェーン50aの他方のフック52は、第1連結装置56aを介して第1蓋部32aの他方のアイプレート54に連結される。第1連結装置56aについては、後に詳述する。
【0038】
第1巻き上げ部42aが第1チェーン50aを巻き上げると、フック52を通じて第1連結装置56aおよびアイプレート54が吊り上げられる。そうすると、第1蓋部32aは、アイプレート54側が鉛直上方に移動することで、鉛直上側に位置する回転軸周りに回転する。これにより第1蓋部32aが開く。また、第1巻き上げ部42aが第1チェーン50aを送り出すと、アイプレート54は、第1蓋部32aの自重によって鉛直下方に移動する。これにより、第1蓋部32aが閉じられる。
【0039】
第2蓋部32bには、第2空気インレットボックス16b側に張り出す第1アーム部58aが設けられる。第1アーム部58aには、第1アーム部58aに垂直に起立するようにアイプレート54が接続される。また、第3蓋部32cには、第1空気インレットボックス16a側に張り出す第2アーム部58bが設けられる。第2アーム部58bには、第2アーム部58bに垂直に起立するようにアイプレート54が接続される。
【0040】
第1アーム部58aのアイプレート54は、連結孔を介して第2連結装置56bに連結される。また、第2アーム部58bのアイプレート54は、連結孔を介して第2連結装置56bに連結される。第2チェーン50bの一方のフック52は、第2連結装置56bを介して第1アーム部58aのアイプレート54に連結される。第2チェーン50bの他方のフック52は、第2連結装置56bを介して第2アーム部58bのアイプレート54に連結される。第2連結装置56bについては、後に詳述する。
【0041】
第2巻き上げ部42bが第2チェーン50bを巻き上げると、フック52を通じて第2連結装置56b、アイプレート54、第1アーム部58aおよび第2アーム部58bが吊り上げられる。そうすると、第2蓋部32bおよび第3蓋部32cは、各々、アイプレート54側が鉛直上方に移動することで、鉛直上側に位置する回転軸周りに回転する。これにより、第2蓋部32bおよび第3蓋部32cが開く。また、第2巻き上げ部42bが第2チェーン50bを送り出すと、第1アーム部58aのアイプレート54は、第2蓋部32bの自重によって鉛直下方に移動し、第2アーム部58bのアイプレート54は、第3蓋部32cの自重によって鉛直下方に移動する。これにより、第2蓋部32bおよび第3蓋部32cが閉じられる。
【0042】
第4蓋部32dには、アイプレート54が2箇所設けられる。アイプレート54は、第4蓋部に垂直に起立するように接続される。第4蓋部32dのアイプレート54の各々は、第1連結装置56aが各々連結される。第3チェーン50cの一方のフック52は、第1連結装置56aを介して第4蓋部32dの一方のアイプレート54に連結される。第3チェーン50cの他方のフック52は、第1連結装置56aを介して第4蓋部32dの他方のアイプレート54に連結される。
【0043】
第3巻き上げ部42cが第3チェーン50cを巻き上げると、フック52を通じて第1連結装置56aおよびアイプレート54が吊り上げられる。そうすると、第4蓋部32dは、アイプレート54側が鉛直上方に移動することで、鉛直上側に位置する回転軸周りに回転する。これにより、第4蓋部32dが開く。また、第3巻き上げ部42cが第3チェーン50cを送り出すと、アイプレート54は、第4蓋部32dの自重によって鉛直下方に移動する。これにより、第4蓋部32dが閉じられる。
【0044】
第5蓋部32eには、第4空気インレットボックス16d側に張り出す第3アーム部58cが設けられる。第3アーム部58cには、第3アーム部58cに垂直に起立するようにアイプレート54が接続される。また、第6蓋部32fには、第3空気インレットボックス16c側に張り出す第4アーム部58dが設けられる。第4アーム部58dには、第4アーム部58dに垂直に起立するようにアイプレート54が接続される。
【0045】
第3アーム部58cのアイプレート54は、連結孔を介して第2連結装置56bに連結される。第4アーム部58dのアイプレート54は、連結孔を介して第2連結装置56bに連結される。第4チェーン50dの一方のフック52は、第2連結装置56bを介して第3アーム部58cのアイプレート54に連結される。第4チェーン50dの他方のフック52は、第2連結装置56bを介して第4アーム部58dのアイプレート54に連結される。
【0046】
第4巻き上げ部42dが第4チェーン50dを巻き上げると、フック52を通じて第2連結装置56b、アイプレート54、第3アーム部58cおよび第4アーム部58dが吊り上げられる。そうすると、第5蓋部32eおよび第6蓋部32fは、各々、アイプレート54側が鉛直上方に移動することで、鉛直上側に位置する回転軸周りに回転する。これにより、第5蓋部32eおよび第6蓋部32fが開く。また、第4巻き上げ部42dが第4チェーン50dを送り出すと、第3アーム部58cのアイプレート54は、第5蓋部32eの自重によって鉛直下方に移動し、第4アーム部58dのアイプレート54は、第6蓋部32fの自重によって鉛直下方に移動する。これにより、第5蓋部32eおよび第6蓋部32fが閉じられる。
【0047】
図3は、第1空気インレットボックス16aの側面図である。図3Aは、第1蓋部32aが閉じている状態を示している。図3Bは、第1蓋部32aが開いている状態を示している。図3Aおよび図3Bでは、ボックス本体部30および炉壁60を断面で示している。
【0048】
図3Aに示すように、第1蓋部32aおよび第2蓋部32bがともに閉じているとする。この場合、第1空気インレットボックス16aの外部から第1空気インレットボックス16a内には、空気が導入されない。
【0049】
また、図3Aの場合、第1チェーン50aのフック52が第1連結装置56aに連結された状態で第1チェーン50aが撓み、第2チェーン50bのフック52が第2連結装置56bに連結された状態で第2チェーン50bが撓む。
【0050】
図3Bに示すように、第2蓋部32bが閉じた状態で第1蓋部32aが開いているとする。この場合、第1開口部を通じて第1空気インレットボックス16aの外部から第1空気インレットボックス16a内に空気が導入される。導入された空気は、蓄熱室14に送られ、その後、燃焼室12に送られる。
【0051】
また、図3Bの場合、第1チェーン50aには張力が掛かる。また、図3Bの場合、第2チェーン50bの撓みが図3Aの場合よりも大きくなる。
【0052】
また、図示は省略するが、第1蓋部32aを閉じた状態で第2蓋部32bを開くことも可能である。この場合、第2開口部を通じて第1空気インレットボックス16a内に空気が導入される。また、この場合、第1チェーン50aは撓んだ状態で維持されるが、第2チェーン50bには張力が掛かる。
【0053】
コークス炉1では、燃焼させるガスの種類や燃焼量に従って、空気インレットボックス16における開閉させる蓋部を切り替える。これにより、コークス炉1では、燃焼室12に送られる空気量を制御可能である。つまり、第1蓋部32aを開けば、燃焼室12に導入する空気量を多くすることができ、第1蓋部32aを閉じて第2蓋部32bを開ければ、燃焼室12に導入する空気量を少なくすることができる。
【0054】
第1連結装置56aおよび第2連結装置56bは、本実施形態による連結装置である。以後、第1連結装置56aおよび第2連結装置56bを総称して、単に連結装置と呼ぶ場合がある。
【0055】
図4は、第1連結装置56aの構成を示す図である。図4Aは、第1連結装置56aの平面図である。図4Bは、第1連結装置56aの側面図である。
【0056】
第1連結装置56aは、シャックル本体100、シャックルピン102、ナット104、ガイドプレート106およびワッシャ108を含む。
【0057】
シャックル本体100は、湾曲部110および延在部112を有する。湾曲部110は、円柱のような棒状部材が湾曲してなる部分である。湾曲部110は、例えば、半円環状に湾曲している。延在部112は、湾曲部110の両端のそれぞれから直線的に延在する部分である。延在部112は、湾曲部110の一端側と他端側とで一対を成す。つまり、シャックル本体100は、U字状に形成される。シャックル本体100は、例えば、金属材料で形成される。シャックル本体100の延在部112の各々には、同軸で貫通する貫通孔114が形成される。
【0058】
シャックルピン102は、円柱のような棒状に形成され、軸方向に直線的に延びている。シャックルピン102は、例えば、金属材料で形成される。シャックルピン102の一端には、径方向に張り出す頭部116が設けられる。頭部116の外径は、貫通孔114の孔径よりも大きい。シャックルピン102の他端の外周面には、ネジ溝が形成される。
【0059】
シャックルピン102は、両方の延在部112の貫通孔114に共通に挿通可能である。シャックルピン102は、両方の貫通孔114に挿通された際に、頭部116とは反対側の先端がシャックル本体100の外側に突出する。ナット104は、シャックル本体100の外側に突出されたシャックルピン102の先端のネジ溝に螺合される。つまり、シャックルピン102は、シャックル本体100の一対の延在部112同士を連結可能である。
【0060】
また、シャックルピン102は、アイプレート54の連結孔に挿通可能である。シャックルピン102は、シャックル本体100の貫通孔114に挿通される際に、アイプレート54の連結孔にも挿通される。つまり、アイプレート54は、シャックル本体100とシャックルピン102とが連結される際に、シャックルピン102に連結される。
【0061】
また、シャックル本体100がU字状に形成されているため、湾曲部110および1対の延在部112で囲まれた内側には、空間が形成される。以後、この空間をクリア部118と呼ぶ場合がある。また、湾曲部110および1対の延在部112で囲まれた内側の空間(すなわち、クリア部118)を貫通する方向を、湾曲部110(換言すると、シャックル本体100)の厚さ方向と呼ぶ場合がある。クリア部118を貫通する方向は、図4Aにおける紙面を貫く方向であるとともに、図4Bにおける略左右方向である。なお、シャックル本体100とシャックルピン102とが連結された場合、クリア部118は、湾曲部110、延在部112およびシャックルピン102で囲まれた内側の空間である。
【0062】
フック52は、フック本体120およびラッチ部122を含む。フック本体120は、鉤状に形成される。ラッチ部122は、フック本体120の基端部に連結され、フック本体120の先端部に向かって延びる。ラッチ部122は、フック本体120の基端部と先端部との間を開閉可能である。また、チェーンは、フック本体120の基端部に連結される。フック52のフック本体120は、シャックル本体100の湾曲部110に連結される。フック本体120がシャックル本体100に連結された状態では、フック本体120の基端部と先端部との間がラッチ部122によって閉じられる。
【0063】
図5は、ガイドプレート106の構成を示す図である。図5Aは、ガイドプレート106の平面図である。図5Bは、ガイドプレート106の側面図である。
【0064】
ガイドプレート106は、略長方形の平板状に形成される。ガイドプレート106は、例えば、金属材料などで形成される。ガイドプレート106の基端側に位置する連結部130には、ガイドプレート106を貫通する貫通孔132が形成される。貫通孔132の内径は、シャックル本体100の貫通孔114の内径と大凡等しい。貫通孔132には、シャックルピン102が挿通される。つまり、ガイドプレート106は、シャックルピン102が貫通孔132に挿通されることでシャックルピン102に連結される。
【0065】
ガイドプレート106における連結部130とは反対側には、窪み部134および突出部136が形成される。窪み部134は、ガイドプレート106の幅方向(すなわち、図5Aの上下方向)中央に位置し、突出部136と比べて相対的に連結部130側に窪んでいる。突出部136は、ガイドプレート106の幅方向の両縁側に位置し、窪み部134と比べて相対的に連結部130とは反対側に延びている。突出部136間の離隔距離(すなわち、窪み部134の幅)は、湾曲部110の厚さより少し長い。
【0066】
突出部136におけるガイドプレート106の厚さ方向(すなわち、図5Bの上下方向)に位置する面は、ガイド面138として機能する。ガイド面138については、後述する。
【0067】
図4に戻って、ガイドプレート106は、クリア部118に配置される。また、ガイドプレート106は、連結部130側が延在部112側に配置され、突出部136側が湾曲部110側に配置される。
【0068】
ガイドプレート106がシャックルピン102に連結された状態で、ガイドプレート106の窪み部134は、湾曲部110よりも内側に位置する。また、この状態で、ガイドプレート106の突出部136は、湾曲部110を回避して、湾曲部110における厚さ方向側の両側に延びている。そして、ガイドプレート106の突出部136は、湾曲部110の外側の円弧よりも外側に延びている。
【0069】
また、ガイドプレート106がシャックルピン102に連結された状態で、突出部136のガイド面138は、湾曲部110における厚さ方向側において、シャックル本体100に垂直に交差する。なお、ガイド面138は、シャックル本体100に垂直に交差する態様に限らず、湾曲部110における厚さ方向側において、シャックル本体100に斜めに交差してもよい。
【0070】
また、シャックルピン102には、ガイドプレート106が2個連結される。2個のガイドプレート106は、アイプレート54を間に挟んで対称に配置される。換言すると、2個のガイドプレート106は、各々のガイド面138が互いに離隔されて対向配置される。ガイド面138間の離隔距離は、フック本体120の厚さ以上とされる。
【0071】
ワッシャ108は、円環の平板状に形成される。ワッシャ108の内径は、ガイドプレート106の貫通孔132の内径と大凡等しい。ワッシャ108は、シャックルピン102における延在部112とガイドプレート106との間に連結される。ワッシャ108は、ガイドプレート106におけるシャックルピン102の軸方向の移動を規制する。
【0072】
第1連結装置56aでは、まず、シャックル本体100、シャックルピン102、ガイドプレート106、ワッシャ108およびアイプレート54が各々連結される。その後、フック52が、シャックル本体100の湾曲部110に連結される。この際、フック52は、湾曲部110における2個のガイドプレート106の間に連結される。
【0073】
ここで、比較例として、ガイドプレート106およびワッシャ108がない連結装置(所謂、通常のシャックル)にフック52が連結されたとする。この比較例では、フック52がシャックル本体100に連結された状態でチェーンが撓むと、フック52がシャックル本体100の長手に沿ってシャックルピン102側に移動するおそれがある。フック52がシャックルピン102側に移動した状態でチェーンが巻き上げられると、フック52が引っ張られてシャックルピン102とは反対側に戻る際にチェーンが捩れるおそれがある。チェーンが捩じれた状態で引っ張られると、チェーンが破断するおそれがある。
【0074】
これに対し、本実施形態の第1連結装置56aでは、ガイドプレート106が設けられており、ガイドプレート106間にフック52が位置する。このことから、連結されたフック52は、シャックル本体100の長手に沿った移動が、ガイドプレート106の突出部136のガイド面138によって規制される。つまり、第1連結装置56aは、フック52がシャックル本体100に連結された状態でチェーンが撓んだとしても、フック52のシャックル本体100の長手に沿った移動を防止することができる。
【0075】
第1連結装置56aでは、チェーンが巻き上げられてフック52が引っ張られたとしても、連結されたフック52が常に湾曲部110に位置するため、チェーンの捩れを抑制することができる。その結果、第1連結装置56aでは、チェーンの破断を防止できる。
【0076】
図6は、第2連結装置56bの構成を示す図である。図6Aは、第2連結装置56bの平面図である。図6Bは、第2連結装置56bの側面図である。
【0077】
第2連結装置56bは、シャックル本体200、シャックルピン202、ナット204、ガイドプレート206およびワッシャ208を含む。
【0078】
シャックル本体200は、第1連結装置56aのシャックル本体100のサイズを全体的に小さくしたものである。したがって、シャックル本体200の形状は、シャックル本体100と同様である。なお、シャックル本体200は、シャックル本体100と同様に、湾曲部210および延在部212を有し、延在部212には、貫通孔214が形成される。
【0079】
シャックルピン202は、第1連結装置56aのシャックルピン102のサイズを全体的に小さくしたものである。シャックルピン202は、シャックルピン102と同様に、一端に頭部216が形成され、他端の外周面にネジ溝が形成される。シャックルピン202は、シャックル本体200の貫通孔214に挿通され、ナット204が螺合される。
【0080】
シャックルピン202は、シャックル本体200の貫通孔214に挿通される際に、アイプレート54の連結孔にも挿通される。
【0081】
また、湾曲部210および1対の延在部212で囲まれた内側には、空間(すなわち、クリア部218)が形成される。また、クリア部218を貫通する方向を、湾曲部210(換言すると、シャックル本体200)の厚さ方向と呼ぶ場合がある。フック52は、湾曲部210に連結される。
【0082】
図7は、ガイドプレート206の構成を示す図である。図7Aは、ガイドプレート206の平面図である。図7Bは、ガイドプレート206の側面図である。
【0083】
ガイドプレート206は、略長方形の平板状に形成される。ガイドプレート206は、例えば、金属材料などで形成される。ガイドプレート206の基端側に位置する連結部230には、ガイドプレート206を貫通する貫通孔232が形成される。貫通孔232の内径は、貫通孔214の内径と大凡等しい。貫通孔232には、シャックルピン202が挿通される。つまり、ガイドプレート206は、シャックルピン202が貫通孔232に挿通されることでシャックルピン202に連結される。
【0084】
ガイドプレート206における連結部230とは反対側には、窪み部234および突出部236が形成される。窪み部234は、ガイドプレート206の幅方向(図7Aの上下方向)中央に位置し、突出部236と比べて相対的に連結部230側に窪んでいる。突出部236は、ガイドプレート206の幅方向の両縁側に位置し、窪み部234と比べて相対的に連結部230とは反対側に延びている。突出部236間の離隔距離(すなわち、窪み部234の幅)は、湾曲部210の厚さより少し長い。
【0085】
突出部236におけるガイドプレート206の厚さ方向(すなわち、図7Bの上下方向)に位置する面は、ガイド面238として機能する。ガイド面238については、後述する。
【0086】
ガイドプレート206には、突出部236において、段差部240が形成されている。段差部240は、ガイドプレート206における突出部236の先端側を、連結部230側に対してガイドプレート206の厚さ方向(図7Bの上下方向)に変位させる。段差部240における変位量は、例えば、ガイドプレート206の厚さ以上とする。
【0087】
図6に戻って、ガイドプレート206は、クリア部218に配置される。また、ガイドプレート206は、連結部230側が延在部212側に配置され、突出部236側が湾曲部210側に配置される。
【0088】
また、ガイドプレート206は、突出部236の先端側が連結部230側に対して相対的にシャックル本体200の幅方向(すなわち、図6Aの左右方向)外側に位置するように配置される。つまり、段差部240は、ガイドプレート206における連結部230側に対して湾曲部210側(換言すると、突出部236の先端側)を、シャックルピン202の軸方向に変位させる。
【0089】
ガイドプレート206がシャックルピン202に連結された状態で、ガイドプレート206の窪み部234および段差部240は、湾曲部210よりも内側に位置する。また、この状態で、ガイドプレート206の突出部236は、湾曲部210を回避して、湾曲部210における厚さ方向側の両側に延びている。そして、ガイドプレート206の突出部236は、湾曲部210の外側の円弧よりも外側に延びている。
【0090】
また、ガイドプレート206がシャックルピン202に連結された状態で、突出部236のガイド面238は、湾曲部210における厚さ方向側において、シャックル本体200に垂直に交差する。なお、ガイド面238は、湾曲部210における厚さ方向側において、シャックル本体200に斜めに交差してもよい。
【0091】
シャックルピン202には、ガイドプレート206が2個連結される。2個のガイドプレート206は、アイプレート54を間に挟んで対称に配置される。換言すると、2個のガイドプレート206は、各々のガイド面238が互いに離隔されて対向配置される。段差部240よりも突出部236の先端側に位置するガイド面238間の離隔距離は、フック本体120の厚さ以上とされる。
【0092】
ワッシャ208は、シャックルピン202におけるシャックル本体200とガイドプレート206との間に連結される。ワッシャ208は、ガイドプレート206におけるシャックルピン202の軸方向の移動を規制する。
【0093】
フック52は、湾曲部210における2個のガイドプレート206の間に連結される。第2連結装置56bでは、ガイドプレート206に段差部240を形成することでガイド面238間の離隔距離をフック本体120の厚さ以上としている。このため、第2連結装置56bでは、シャックル本体200のサイズが小さくとも、ガイドプレート206間にフック52を連結可能である。
【0094】
連結されたフック52は、シャックル本体200の長手に沿った移動が、ガイドプレート206の突出部236のガイド面238によって規制される。つまり、第2連結装置56bは、第1連結装置56aと同様に、フック52がシャックル本体200に連結された状態でチェーンが撓んだとしても、フック52のシャックル本体200の長手に沿った移動を防止することができる。
【0095】
このため、第2連結装置56bは、第1連結装置56aと同様に、チェーンが巻き上げられてフック52が引っ張られたとしても、連結されたフック52が常に湾曲部210に位置するため、チェーンの捩れを抑制することができる。その結果、第2連結装置56bでは、チェーンの破断を防止できる。
【0096】
以上のように、本実施形態の連結装置(具体的には、第1連結装置56aおよび第2連結装置56b)は、シャックル本体100、200の湾曲部110、210における厚さ方向側において、シャックル本体100、200に交差するガイド面138、238を形成するガイドプレート106、206を備える。このため、本実施形態の連結装置は、シャックル本体100、200に連結されるフック52が、シャックル本体100、200の長手に沿って移動されることを抑制できる。これにより、本実施形態の連結装置は、フック52に連結されるチェーン等の捩じれを抑制することができる。
【0097】
したがって、本実施形態の連結装置によれば、フック52に連結されるチェーン等の破断を防止することが可能となる。
【0098】
また、本実施形態の連結装置では、フック52におけるシャックル本体100、200の長手に沿った移動が規制されるため、作業員によるフック52の連結状態の監視および修正を行わなくてもよい。このため、本実施形態の連結装置は、フック52の連結状態の監視および修正を行う作業員を省略することができる。
【0099】
また、本実施形態の連結装置では、2個のガイドプレート106、206の各々のガイド面138、238が、互いに離隔されて対向配置される。これにより、本実施形態の連結装置は、フック52におけるシャックル本体100、200の長手に沿った両方向の移動を規制することができる。このため、本実施形態の連結装置は、より確実にチェーンの破断を防止できる。
【0100】
なお、連結装置のガイドプレート106、206は、2個に限らず、1個でもよい。この態様では、フック52における少なくともシャックル本体100、200の長手に沿った一方向の移動を規制することができる。
【0101】
また、本実施形態の連結装置では、ガイドプレート106、206がシャックルピン102、202に連結される。これにより、本実施形態の連結装置では、シャックル本体100、200およびシャックルピン102、202について、既成品を用いることができ、簡易に連結装置を構成することができる。
【0102】
なお、連結装置を大量生産する場合などでは、ガイドプレート106、206をシャックル本体100、200と一体成形して、湾曲部110、210における厚さ方向側においてシャックル本体100、200に交差するガイド面138、238を形成してもよい。
【0103】
また、本実施形態の連結装置のガイドプレート106、206は、シャックルピン102、202との連結部130、230から湾曲部110、210における厚さ方向側の両側に延びている。このため、本実施形態の連結装置は、フック52におけるシャックル本体100、200の長手に沿った移動を確実に規制することができる。
【0104】
なお、ガイドプレート106、206は、湾曲部110、210における厚さ方向側の両側に延びる態様に限らない。例えば、ガイドプレート106、206は、湾曲部110、210における厚さ方向側の一方側にのみ延びていてもよい。
【0105】
図8は、湾曲部110における厚さ方向側の一方側にのみ延びるガイドプレート306を備える第1連結装置356aを示す側面図である。図8に示すように、ガイドプレート306の突出部336は、ガイドプレート306の幅方向の一方の縁側にのみ形成されている。また、突出部336は、フック本体120の先端とは反対側に位置する。
【0106】
図8に示す変形例においても、湾曲部110における厚さ方向側においてシャックル本体100に交差するガイド面338が形成される。このため、この変形例においても、フック52におけるシャックル本体100の長手に沿った移動を規制することができる。
【0107】
また、本実施形態の連結装置では、シャックルピン102、202における延在部112、212とガイドプレート106、206との間にワッシャ108、208が設けられている。これにより、本実施形態の連結装置では、シャックル本体100、200とガイドプレート106、206との隙間がワッシャ108、208によって埋められる。このため、本実施形態の連結装置は、ガイドプレート106、206の移動を規制し、ガイド面138、238の位置を固定することができる。
【0108】
また、本実施形態の第2連結装置56bのガイドプレート206は、シャックルピン202との連結部230側に対して湾曲部210側(突出部236の先端側)をシャックルピン202の軸方向に変位させる段差部240が形成されている。これにより、本実施形態の第2連結装置56bは、シャックル本体200のサイズが小さくても、ガイド面238間の距離をフック52の厚さより長くすることができる。このため、本実施形態の第2連結装置56bは、シャックル本体200のサイズが小さくても、フック52におけるシャックル本体200の長手に沿った移動を、確実に規制することができる。
【0109】
なお、アイプレート54の厚さがフック本体120の厚さより厚い場合、サイズが大きなシャックル本体200を用いてもよい。この場合、ガイドプレート206には、アイプレート54側に対してフック52側をシャックル本体200の幅方向中央側に変位させる段差部240が形成されてもよい。
【0110】
以上、添付図面を参照しながら一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0111】
例えば、上記実施形態および変形例では、ガイドプレート106、206、306がシャックルピン102、202に連結される例を示していた。しかし、ガイドプレート106、206、306は、シャックル本体100、200に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0112】
図9は、着脱可能なガイドプレート406を備える第1連結装置456aを示す図である。図9Aは、第1連結装置456aの平面図である。図9Bは、第1連結装置456aの側面図である。
【0113】
図9Aおよび図9Bに示すように、ガイドプレート406は、略長方形の平板状に形成される。ガイドプレート406には、その幅方向の一方側から他方側に窪む窪み部434が形成される。ガイドプレート406は、窪み部434の周囲がガイド面438として機能する。窪み部434は、湾曲部110に掛けることが可能な幅および深さを有する。
【0114】
ガイドプレート406は、図9Bの白抜き矢印で示すように、シャックル本体100の厚さ方向に挿入されて湾曲部110に取り付けられる。また、ガイドプレート406は、フック52の両側の各々に取り付けられる。
【0115】
なお、ガイドプレート406は、窪み部434よりもシャックルピン102側の厚さを部分的に厚くすることで、アイプレート54と延在部112との隙間を埋めてもよい。
【0116】
この変形例の第1連結装置456aは、シャックル本体100およびシャックルピン102がアイプレート54に連結された状態でも、ガイドプレート406を簡易に設けることができる。
【0117】
また、ガイドプレート406を着脱可能とする場合、フック52の両側のガイドプレート406を一体的に接続してもよい。
【0118】
図10は、ガイドプレート406が一体的に接続された第1連結装置556aを示す正面図である。図10に示すように、2個のガイドプレート406は、接続部550によって接続されている。接続部550は、ガイドプレート406における窪み部434が形成される側とは反対側に設けられる。また、接続部550は、アーチ状に形成されており、連結されたフック52に接触しない。
【0119】
図10の白抜き矢印で示すように、2個のガイドプレート406は、まとめて着脱可能に取り付けられる。このため、この変形例では、ガイドプレート406の着脱作業を簡易に行うことができる。
【0120】
また、上記実施形態および変形例の連結装置は、コークス炉1に適用される例を挙げていた。しかし、連結装置は、コークス炉に適用される例に限らず、例えば、建設現場や製造現場などにおける対象物の吊り上げ作業等に適用されてもよい。
【0121】
図11は、連結装置の他の適用例を示す図である。図11Aは、円筒状部材610の吊り上げに適用される例を示す。図11Bは、柱状部材620の吊り上げに適用される例を示す。図11Cは、デッキ部材630の吊り上げに適用される例を示す。
【0122】
図11Aで示すように、円筒状部材610の上端には、円周に沿って吊りピース640が設けられる。また、図11Bで示すように、柱状部材620の外周には、吊りピース640が設けられる。また、図11Cで示すように、デッキ部材630の縁には、吊りピース640が設けられる。図11A図11Cにおいて、吊りピース640には、連結装置(例えば、第1連結装置56a)が連結される。連結装置には、フック52が連結される。連結装置は、不図示のガイドプレート106によってフック52の移動を規制することができる。このため、図11A図11Cで例示するような一般的な重量物の吊り上げにおいても、フック52に連結されるチェーン等の捩じれを抑制でき、チェーン等の破断を防止することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本開示は、フックを連結可能な連結装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0124】
52:フック 56a:第1連結装置 56b:第2連結装置 100、200:シャックル本体 102、202:シャックルピン 106、206:ガイドプレート 108、208:ワッシャ 110、210:湾曲部 112、212:延在部 138、238:ガイド面 240:段差部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11