(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-30
(45)【発行日】2023-06-07
(54)【発明の名称】情報処理システム及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20230531BHJP
【FI】
G06Q30/0241
(21)【出願番号】P 2022094611
(22)【出願日】2022-06-10
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】P 2022043752
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 幸寿
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-223130(JP,A)
【文献】特開2020-004212(JP,A)
【文献】再公表特許第2018/230704(JP,A1)
【文献】特開2003-122266(JP,A)
【文献】米国特許第08984147(US,B1)
【文献】再公表特許第2013/057811(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体で用いられる情報処理装置と、サーバとを有する情報処理システムであって、
前記サーバは、
前記情報処理装置の位置を特定するための位置情報を取得するサーバ取得部と、
広告ページにアクセスするためのアクセス情報であってエリアに応じて設定された複数のアクセス情報のうち、前記位置情報によって特定される前記情報処理装置の位置を含む前記エリアに対応する前記アクセス情報を送信するサーバ送信部と、
前記広告ページにアクセスされた回数及び前記広告ページにアクセスされた日時のうちの少なくともいずれかを特定するための情報を記憶部に登録する登録部と、
前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記移動体に走行させる経路を設定する設定部と、
を有し、
前記情報処理装置は、前記アクセス情報に基づく表示情報を、前記移動体の外部に設置された表示部又は前記情報処理装置の表示部に表示させる表示制御部を有し、
前記サーバ送信部は、前記設定部が設定した前記経路を前記情報処理装置に送信する、
情報処理システム。
【請求項2】
移動体で用いられる情報処理装置と、サーバとを有する情報処理システムであって、
前記サーバは、
前記情報処理装置の位置を特定するための位置情報を取得するサーバ取得部と、
広告ページのアドレスとエリアを特定するためのパラメータとを含むアクセス情報であって
前記エリアに応じて設定された複数のアクセス情報のうち、前記位置情報によって特定される前記情報処理装置の位置を含む前記エリアに対応する前記アクセス情報を送信するサーバ送信部を有し、
前記情報処理装置は、前記アクセス情報に基づく表示情報を、前記移動体の外部に設置された表示部又は前記情報処理装置の表示部に表示させる表示制御部を有し、
前記サーバ送信部は、前記位置情報によって特定される前記情報処理装置の位置が第1エリアに含まれる場合、前記アドレスと前記第1エリアを特定するための第1パラメータとを含む前記アクセス情報である第1アクセス情報を送信し、前記位置情報によって特定される前記情報処理装置の位置が前記第1エリアとは異なる第2エリアに含まれる場合、前記第1アクセス情報に含まれる前記アドレスと同じ前記アドレスと前記第2エリアを特定するための第2パラメータとを含む前記アクセス情報である第2アクセス情報を送信する、
情報処理システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記記憶部に記憶されている情報を参照し、前記広告ページにアクセスされた回数及び前記広告ページにアクセスされた日時のうちの少なくともいずれかに基づいて、前記広告ページの広告主に対する課金額を決定する決定部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記決定部は、さらに前記移動体が走行したエリアに基づいて、前記広告主に対する課金額を決定する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記サーバ送信部は、前記表示情報とともに表示させる広告画像であって、当該表示情報に基づく前記アクセス情報に対応する前記広告ページに関連する前記広告画像を前記情報処理装置にさらに送信し、
前記サーバは、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、複数の前記広告画像の中から表示させる前記広告画像を選択する選択部をさらに有し、
前記サーバ送信部は、前記選択部が選択した前記広告画像を前記情報処理装置に送信する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記アクセス情報は、端末で読み取り可能なコード画像であり、
前記表示制御部は、前記コード画像を、前記表示情報として表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記アクセス情報は、前記広告ページにアクセスするためのURLであり、
前記情報処理装置は、前記URLに基づいて、端末で読み取り可能なコード画像を生成する生成部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記生成部が生成した前記コード画像を、前記表示情報として表示させる、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記移動体の移動速度に応じて、前記表示情報を表示させるか否かを制御する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記位置情報は、前記情報処理装置が存在する位置を示す座標であり、
前記サーバ送信部は、エリアに応じて設定された複数の前記アクセス情報のうち、前記座標を含む前記エリアに対応する前記アクセス情報を送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記位置情報は、複数のエリアのうち、前記情報処理装置が存在するエリアを識別するためのエリア識別情報であり、
前記サーバ送信部は、エリアに応じて設定された複数の前記アクセス情報のうち、前記エリア識別情報によって特定される前記エリアに対応する前記アクセス情報を送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項11】
移動体で用いられる情報処理装置の位置を特定するための位置情報を取得するサーバ取得部と、
広告ページにアクセスするためのアクセス情報であってエリアに応じて設定された複数のアクセス情報のうち、前記位置情報によって特定される前記情報処理装置の位置を含む前記エリアに対応する前記アクセス情報を送信するサーバ送信部と、
前記広告ページにアクセスされた回数及び前記広告ページにアクセスされた日時のうちの少なくともいずれかを特定するための情報を記憶部に登録する登録部と、
前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記移動体に走行させる経路を設定する設定部と、
を有し、
前記サーバ送信部は、前記設定部が設定した前記経路を前記情報処理装置に送信する、
サーバ。
【請求項12】
移動体で用いられる情報処理装置の位置を特定するための位置情報を取得するサーバ取得部と、
広告ページのアドレスとエリアを特定するためのパラメータとを含むアクセス情報であって
前記エリアに応じて設定された複数のアクセス情報のうち、前記位置情報によって特定される前記情報処理装置の位置を含む前記エリアに対応する前記アクセス情報を送信するサーバ送信部と、
を有し、
前記サーバ送信部は、前記位置情報によって特定される前記情報処理装置の位置が第1エリアに含まれる場合、前記アドレスと前記第1エリアを特定するための第1パラメータとを含む前記アクセス情報である第1アクセス情報を送信し、前記位置情報によって特定される前記情報処理装置の位置が前記第1エリアとは異なる第2エリアに含まれる場合、前記第1アクセス情報に含まれる前記アドレスと同じ前記アドレスと前記第2エリアを特定するための第2パラメータとを含む前記アクセス情報である第2アクセス情報を送信する、
サーバ。
【請求項13】
前記アクセス情報は、端末で読み取り可能なコード画像又は前記広告ページにアクセスするためのURLである、
請求項11又は12に記載のサーバ。
【請求項14】
前記位置情報は、前記情報処理装置が存在する位置を示す座標であり、
前記サーバ送信部は、エリアに応じて設定された複数の前記アクセス情報のうち、前記座標を含む前記エリアに対応する前記アクセス情報を送信する、
請求項11又は12に記載のサーバ。
【請求項15】
前記位置情報は、複数のエリアのうち、前記情報処理装置が存在するエリアを識別するためのエリア識別情報であり、
前記サーバ送信部は、エリアに応じて設定された複数の前記アクセス情報のうち、前記エリア識別情報によって特定される前記エリアに対応する前記アクセス情報を送信する、
請求項11又は12に記載のサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端末がQRコード(登録商標)を読み取ることに応じて情報が提示されるシステムが知られている。特許文献1には、QRコードを読み取った端末の緯度・経度に対応するデータを端末に送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、上記技術を用いて、端末の位置に応じて広告ページを提示する場合、端末から当該端末の位置を示す位置情報を取得することにより、端末の位置に応じた広告ページを提示することができる。しかしながら、端末が位置情報を外部に送信するためには、端末側で位置情報の送信を許可するための設定を行う必要があり、設定を行う操作が端末を使用する使用者にとって手間であった。また、広告ページを提供する提供者にとっても、使用者に位置情報を取得する承諾を得なければ使用者に合った適切な情報を提供することができなかった。
【0005】
本発明は、ユーザが使用する端末から、移動体で用いられる情報処理装置の位置に応じた広告ページに容易にアクセスできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理システムは、移動体で用いられる情報処理装置と、サーバとを有する情報処理システムであって、前記サーバは、前記情報処理装置の位置を特定するための位置情報を取得するサーバ取得部と、広告ページにアクセスするためのアクセス情報であってエリアに応じて設定された複数のアクセス情報のうち、前記位置情報によって特定される前記情報処理装置の位置を含む前記エリアに対応する前記アクセス情報を送信するサーバ送信部を有し、前記情報処理装置は、前記アクセス情報に基づく表示情報を、前記移動体の外部に設置された表示部又は前記情報処理装置の表示部に表示させる表示制御部を有する。
【0007】
前記アクセス情報は、端末で読み取り可能なコード画像であってもよいし、前記表示制御部は、前記コード画像を、前記表示情報として表示させてもよい。
【0008】
前記アクセス情報は、前記広告ページにアクセスするためのURLであってもよいし、前記情報処理装置は、前記URLに基づいて、端末で読み取り可能なコード画像を生成する生成部をさらに有してもよいし、前記表示制御部は、前記生成部が生成した前記コード画像を、前記表示情報として表示させてもよい。
【0009】
前記表示制御部は、前記移動体の移動速度に応じて、前記表示情報を表示させるか否かを制御してもよい。
前記位置情報は、前記情報処理装置が存在する位置を示す座標であってもよいし、前記サーバ送信部は、前記複数のアクセス情報のうち、前記座標を含む前記エリアに対応する前記アクセス情報を送信してもよい。
【0010】
前記位置情報は、前記複数のエリアのうち、前記情報処理装置が存在するエリアを識別するためのエリア識別情報であってもよいし、前記サーバ送信部は、前記複数のアクセス情報のうち、前記エリア識別情報によって特定される前記エリアに対応する前記アクセス情報を送信してもよい。
【0011】
前記サーバは、前記広告ページにアクセスされた回数及び前記広告ページにアクセスされた日時のうちの少なくともいずれかを特定するための情報を記憶部に登録する登録部をさらに有してもよい。
【0012】
前記サーバは、前記記憶部に記憶されている情報を参照し、前記広告ページにアクセスされた回数及び前記広告ページにアクセスされた日時のうちの少なくともいずれかに基づいて、前記広告ページの広告主に対する課金額を決定する決定部をさらに有してもよい。
【0013】
前記決定部は、さらに前記移動体が走行したエリアに基づいて、前記広告主に対する課金額を決定してもよい。
前記サーバは、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記移動体に走行させる経路を設定する設定部をさらに有してもよいし、前記サーバ送信部は、前記設定部が設定した前記経路を前記情報処理装置に送信する。
【0014】
前記サーバ送信部は、前記表示情報とともに表示させる広告画像であって、当該表示情報に基づく前記アクセス情報に対応する前記広告ページに関連する前記広告画像を前記情報処理装置にさらに送信してもよいし、前記サーバは、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、複数の前記広告画像の中から表示させる前記広告画像を選択する選択部をさらに有してもよいし、前記サーバ送信部は、前記選択部が選択した前記広告画像を前記情報処理装置に送信してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様に係る情報処理装置は、移動体で用いられる情報処理装置であって、広告ページにアクセスするためのアクセス情報であってエリアに応じて設定された複数のアクセス情報のうち、前記情報処理装置の位置を含む前記エリアに対応する前記アクセス情報を取得する取得部と、前記取得部により取得した前記アクセス情報に基づく表示情報を、前記移動体の外部に設置された表示部又は前記情報処理装置の表示部に表示させる表示制御部と、を有する。
【0016】
前記アクセス情報は、端末で読み取り可能なコード画像であってもよいし、前記表示制御部は、前記コード画像を、前記表示情報として表示させてもよい。
【0017】
前記アクセス情報は、前記広告ページにアクセスするためのURLであってもよいし、前記情報処理装置は、前記URLに基づいて、端末で読み取り可能なコード画像を生成する生成部をさらに有してもよいし、前記表示制御部は、前記生成部が生成した前記コード画像を、前記表示情報として表示させてもよい。
【0018】
前記表示制御部は、前記移動体の移動速度に応じて、前記表示情報を表示させるか否かを制御してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザが使用する端末から、移動体で用いられる情報処理装置の位置に応じた広告ページに容易にアクセスすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】提示エリアに応じて表示される表示情報を模式的に表した図である。
【
図5】記憶部に記憶されているデータベースの構成の一例を示す図である。
【
図6】情報処理装置が最初のアクセス情報を取得する取得処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図7】情報処理装置が他のアクセス情報を取得する取得処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図8】情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、端末Mの位置に応じた広告ページを、端末Mを使用する使用者に提示するために用いられるシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1と、中継サーバ2と、広告管理サーバ3とを有する。
【0022】
情報処理装置1は、移動体Vで用いられる装置である。移動体Vは、例えば、トラックをはじめとする車両である。移動体Vには、外部の人が視認可能な位置(例えば、バンボディの側面)に表示部Dが設置されている。情報処理装置1は、予め移動体Vに取り付けられた装置であってもよいし、スマートフォン等のように持ち運び可能な装置であってもよい。情報処理装置1には、当該情報処理装置1を識別するための装置識別情報(以下、「装置ID(identifier)」という。)が関連付けられている。
【0023】
中継サーバ2は、情報処理装置1と広告管理サーバ3との間において送受信される情報を中継するサーバである。中継サーバ2は、例えば、第5世代移動通信システムのネットワークを管理するサーバである。
【0024】
広告管理サーバ3は、広告主から依頼された広告を提示する広告サービスを管理するサーバである。広告サービスでは、例えば、契約時に広告を提示する提示エリアが定められる。広告管理サーバ3は、広告ごとに、当該広告が表示されたWebページである広告ページを提示する提示エリアを特定するためのエリア情報と、広告ページにアクセスするためのアクセス情報とを関連付けて管理している。アクセス情報は、広告ページにアクセスするためのURI(Uniform Resource Identifier)(例えば、URL(Uniform Resource Locator)、URN(Uniform Resource Name)等)であってもよいし、QRコード等のようにURLを含むコードが表示されたコード画像であってもよい。
【0025】
本明細書においては、中継サーバ2と広告管理サーバ3とが異なるサーバである例を説明するが、これに限らず、中継サーバ2と広告管理サーバ3とは同一のサーバであってもよい。以下において、情報処理システムSが端末Mの位置に応じた広告ページを端末Mの使用者に提示する処理について説明する。
【0026】
まず、移動体Vのドライバーが情報処理装置1において起動させる操作を行うと、情報処理装置1は、中継サーバ2を介して、情報処理装置1の位置を特定するための位置情報を、広告管理サーバ3に送信する(
図1における(1))。広告管理サーバ3は、中継サーバ2を介して、複数のアクセス情報のうち、位置情報によって特定される情報処理装置1の位置を含む提示エリアに対応するアクセス情報を情報処理装置1に送信する(
図1における(2))。
【0027】
そして、情報処理装置1は、取得したアクセス情報に基づく表示情報を、表示部Dに表示させる(
図1における(3))。表示情報は、コード画像Cを含む情報である。移動体Vは、表示部Dに表示情報が表示された状態で所定のルートを走行する。情報処理システムSは、移動体Vが異なる提示エリアに移動すると、
図1における(1)から(3)までの処理を実行することにより、当該提示エリアに対応するアクセス情報に基づく表示情報を表示部Dに表示させる。
【0028】
図2は、提示エリアに応じて表示される表示情報を模式的に表した図である。
図2に示す例において、移動体Vは、第1の提示エリアを走行しており、表示部Dには、第1の提示エリアに対応するアクセス情報に基づく表示情報として第1のコード画像Cが表示されている。この場合において、移動体Vが、第1の提示エリアから第2の提示エリアに移動すると、情報処理システムSは、
図1における(1)から(3)までの処理を実行し、第2の提示エリアに対応するアクセス情報に基づく表示情報として第2のコード画像C´を表示部Dに表示させる。このようにして、情報処理システムSは、提示エリアに応じた表示情報を表示部Dに表示させる。
【0029】
図1に戻り、コード画像Cが表示部Dに表示された後に、外部の人(端末Mの使用者)が、端末Mにおいて表示部Dに表示されたコード画像Cを読み取る操作を行うと、端末Mは、コード画像Cに含まれるURLに基づいて広告ページにアクセスし、広告ページを表示する(
図1における(4))。このようにすることで、情報処理システムSは、端末Mが広告ページにアクセスするために用いたアクセス情報に基づいて、端末Mが存在する提示エリアを特定することができる。これにより、情報処理システムSは、端末Mが広告ページにアクセスするときに端末Mから位置情報を取得することを省くことができる。その結果、情報処理システムSは、端末Mが広告ページにアクセスする際の使用者の手間を軽減することができる。
【0030】
上記において、移動体Vが車両である例を説明したが、これに限らない。例えば、移動体Vは、人であってもよい。移動体Vである人は、例えば、収納物が外部から視認可能な収納場所に表示部Dとして機能させるタブレットを収納した専用のバッグを身に着けており、タブレットに広告を表示させた状態で徒歩又は自転車等で移動することによって広告を提供する。この場合において、情報処理システムSは、移動体Vである人の移動に応じて
図1における(1)から(3)までの処理を実行することにより、表示情報をタブレットに表示させる。また、この場合、上記タブレット自体が情報処理装置1となるため、情報処理装置1の位置に応じたアクセス情報に基づく表示情報が、情報処理装置1の表示部に表示されることとなる。
以下、情報処理装置1及び広告管理サーバ3の構成について説明する。
【0031】
[情報処理装置1の構成]
図3は、情報処理装置1の構成を示す図である。情報処理装置1は、第1通信部11と、第2通信部12と、GPS(Global Positioning System)受信部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。制御部15は、装置取得部151と、装置送信部152と、表示制御部153と、生成部154とを有する。
【0032】
第1通信部11は、ネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えば通信コントローラを含んで構成されている。第2通信部12は、移動体Vの表示部Dに情報を送信するためのインターフェイスである。
【0033】
GPS受信部13は、複数のGPS衛星からの信号を受信する。記憶部14は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶している。
【0034】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、装置取得部151、装置送信部152、表示制御部153及び生成部154として機能する。
【0035】
装置取得部151は、広告ページにアクセスするためのアクセス情報であって提示エリアに応じて設定された複数のアクセス情報のうち、情報処理装置1の位置を含む提示エリアに対応するアクセス情報を取得する。詳細については後述するが、位置情報は、情報処理装置1が存在する提示エリアを示す情報であり、装置取得部151は、中継サーバ2を介して、情報処理装置1の位置を含む提示エリアに対応するアクセス情報を広告管理サーバ3から取得する。
【0036】
装置取得部151は、中継サーバ2を介さずに、位置情報を広告管理サーバ3に送信してもよい。具体的には、まず、装置送信部152は、GPS受信部13が受信した信号によって特定される座標を位置情報として広告管理サーバ3に送信する。そして、装置取得部151は、特定された座標を含む提示エリアに対応するアクセス情報を広告管理サーバ3から取得する。
【0037】
表示制御部153は、装置取得部151により取得したアクセス情報に基づく表示情報を表示部Dに表示させる。アクセス情報は、例えば、端末Mで読み取り可能なコード画像Cである。この場合、表示制御部153は、装置取得部151が取得したコード画像Cを、表示情報として表示部Dに表示させる。
【0038】
アクセス情報は、広告ページにアクセスするためのURLであってもよい。この場合、表示制御部153は、装置取得部151が取得したURLに基づくコード画像Cを表示させる。具体的には、まず、生成部154は、装置取得部151が取得したURLに基づいて、端末Mで読み取り可能なコード画像Cを生成する。そして、表示制御部153は、生成部154が生成したコード画像Cを、表示情報として表示部Dに表示させる。このようにすることで、情報処理装置1は、コード画像Cを表示部Dに表示させることができる。
【0039】
表示制御部153は、表示情報とともに広告画像を表示部Dに表示させてもよい。具体的には、まず、装置取得部151は、アクセス情報と、表示情報とともに表示させる広告画像であって、アクセス情報に対応する広告ページに関連する広告画像とを取得する。そして、表示制御部153は、アクセス情報に基づく表示情報と、広告画像とを表示部Dに表示させる。
【0040】
ところで、端末Mが表示部Dに表示されたコード画像Cを読み取るためには、使用者が端末Mをバッグ等から取り出し、端末Mにおいてコード画像Cを読み取るためのアプリケーションプログラムを起動し、コード画像Cを読み取る操作を行うため、一定の時間を要する。この場合において、移動体Vが停車していたり遅い速度で走行していたりする場合、使用者は端末Mでコード画像Cを読み取る操作を行うことができるが、移動体Vが速い速度で走行している場合、使用者は端末Mでコード画像Cを読み取る操作を行うことができ得ない。そこで、表示制御部153は、移動体Vの移動速度に応じて、表示情報を表示部Dに表示させるか否かを制御してもよい。
【0041】
具体的には、まず、装置取得部151は、移動体Vの移動速度を特定するための速度情報を取得する。速度情報は、GPS受信部13が所定の間隔で取得した信号によって特定される位置情報であってもよいし、移動体Vのスピードメータによって示される情報であってもよい。そして、表示制御部153は、装置取得部151が取得した速度情報によって特定される移動体Vの移動速度に基づいて、表示部Dによる表示情報の表示を制御する。
【0042】
表示制御部153は、例えば、移動体Vの移動速度が所定の閾値を超えない場合、表示部Dに表示情報を表示させる。一方、表示制御部153は、移動体Vの移動速度が所定の閾値を超える場合、表示部Dによる表示情報の表示を終了(または禁止)する。表示制御部153は、例えば、移動体Vの移動速度が所定の閾値を超える場合、広告画像を、表示部Dにおいて表示情報を表示する領域まで拡大させて表示させることで、表示情報の表示を行わないようにする。このようにすることで、情報処理装置1は、端末Mがコード画像Cを読み取り得る場合に表示情報を表示させることができる。
【0043】
[広告管理サーバ3の構成]
図4は、広告管理サーバ3の構成を示す図である。広告管理サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。制御部33は、サーバ取得部331と、選択部332と、サーバ送信部333と、ページ提示部334と、登録部335と、決定部336と、設定部337とを有する。
【0044】
通信部31は、ネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えば通信コントローラを含んで構成されている。記憶部32は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶している。
【0045】
記憶部32は、アクセス情報を管理する情報管理データベースと、広告ページにアクセスされた履歴を管理する履歴管理データベースとを記憶している。
図5は、記憶部32に記憶されているデータベースの構成の一例を示す図である。
【0046】
図5(a)に示すデータベースは、情報管理データベースである。
図5(a)に示すように、情報管理データベースは、エリア情報と、アクセス情報とを関連付けて記憶している。エリア情報は、提示エリアを特定するための情報であり、例えば、提示エリアを識別するためのエリア識別情報(以下、「エリアID」という。)である。エリア情報は、緯度経度の範囲であってもよい。
【0047】
情報管理データベースに記憶されているアクセス情報は、エリア情報ごと、すなわち提示エリアごとに異なるが、アクセス情報のアクセス先(広告ページ)は、提示エリアごとに異なっていなくてもよい。例えば、アクセス情報のURLには、広告ページのアドレスと、提示エリアを特定するためのパラメータとが含まれる。パラメータは、エリアIDであってもよいし、提示エリアを識別可能な他の文字列であってもよい。例えば、エリア情報「A0001」のアクセス情報「α」のURLには、ある広告ページのアドレスと、エリア情報「A0001」を特定するためのパラメータとが含まれる。また、エリア情報「A0002」のアクセス情報「β」のURLには、エリア情報「A0001」と同じ広告ページのアドレスと、エリア情報「A0002」を特定するためのパラメータであって、エリア情報「A0001」とは異なるパラメータとが含まれる。
【0048】
情報管理データベースは、
図5(a)に示す例に限らず、広告IDと、一以上の広告画像と、提示期間と、提示天気とをさらに関連付けて記憶してもよい。広告IDは、広告ページの広告を識別するための情報である。提示期間は、アクセス情報に基づく表示情報を提示する期間である。提示期間は、時間帯であってもよい。提示天気は、アクセス情報に基づく表示情報を提示する天気である。このように、広告管理サーバ3は、提示エリアのみに応じてアクセス情報に基づく表示情報を提示してもよいし、提示エリアに加えて、提示期間、提示天気等に応じてアクセス情報に基づく表示情報を提示してもよい。
【0049】
図5(b)に示すデータベースは、履歴管理データベースである。
図5(b)に示すように、履歴管理データベースは、アクセス日時と、広告IDとを関連付けて記憶している。アクセス日時は、広告ページにアクセスされた日時である。履歴管理データベースは、
図5(b)に示す例に限らず、アクセスエリアをさらに関連付けて記憶してもよい。アクセスエリアは、広告ページにアクセスした端末Mが存在する提示エリアを示す情報(例えば、提示エリアのエリアID)である。アクセスエリアは、例えば、端末Mが広告ページにアクセスするために用いたURLに含まれるパラメータである。
【0050】
図4に戻り、制御部33は、例えばCPUである。制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、サーバ取得部331、選択部332、サーバ送信部333、ページ提示部334、登録部335、決定部336及び設定部337として機能する。
【0051】
サーバ取得部331は、情報処理装置1の位置を特定するための位置情報を取得する。詳細については後述するが、サーバ取得部331は、中継サーバ2から、情報処理装置1が存在する提示エリアに対応するエリアIDを位置情報として取得する。サーバ取得部331は、情報処理装置1から、情報処理装置1が存在する位置を示す座標を位置情報として取得してもよい。
【0052】
サーバ送信部333は、広告ページにアクセスするためのアクセス情報であって提示エリアに応じて設定された複数のアクセス情報のうち、位置情報によって特定される情報処理装置1の位置を含む提示エリアに対応するアクセス情報を送信する。具体的には、まず、選択部332は、複数のアクセス情報の中から、サーバ取得部331が取得した位置情報によって特定される情報処理装置1の位置を含む提示エリアに対応するアクセス情報を選択する。そして、サーバ送信部333は、選択部332が選択したアクセス情報を情報処理装置1に送信する。
【0053】
位置情報は、例えば、エリアIDである。この場合、サーバ送信部333は、複数のアクセス情報のうち、エリアIDによって特定される提示エリアに対応するアクセス情報を送信する。具体的には、まず、選択部332は、情報管理データベースに記憶されている複数のアクセス情報の中から、サーバ取得部331が取得したエリアID(エリア情報)に関連付けられているアクセス情報を選択する。そして、サーバ送信部333は、中継サーバ2を介して、選択部332が選択したアクセス情報を情報処理装置1に送信する。
【0054】
位置情報は、情報処理装置1が存在する位置を示す座標であってもよい。この場合、サーバ送信部333は、複数のアクセス情報のうち、位置情報が示す座標を含む提示エリアに対応するアクセス情報を送信する。具体的には、まず、選択部332は、複数のアクセス情報の中から、サーバ取得部331が取得した座標を含むエリア情報(緯度経度の範囲)に関連付けて情報管理データベースに記憶されているアクセス情報を選択する。そして、サーバ送信部333は、選択部332が選択したアクセス情報を情報処理装置1に送信する。
【0055】
サーバ送信部333は、広告画像を情報処理装置1にさらに送信してもよい。具体的には、サーバ送信部333は、アクセス情報と、表示情報とともに表示させる広告画像であって、当該表示情報に基づくアクセス情報に対応する広告ページに関連する広告画像とを情報処理装置1に送信する。
【0056】
例えば、情報管理データベースには、広告画像がさらに関連付けて記憶されており、サーバ送信部333は、サーバ取得部331が取得した位置情報に対応するエリア情報に関連付けて情報管理データベースに記憶されているアクセス情報及び広告画像を情報処理装置1に送信する。情報管理データベースには、エリアIDと複数の広告画像が関連付けて記憶されていてもよく、この場合、サーバ送信部333は、サーバ取得部331が取得したエリアIDに関連付けて情報管理データベースに記憶されているアクセス情報と、複数の広告画像のうちのいずれかを情報処理装置1に送信する。
【0057】
また、情報管理データベースには、提示期間がさらに関連付けて記憶されており、サーバ送信部333は、サーバ取得部331が取得した位置情報に対応するエリア情報と、現在時刻が含まれる提示期間とに関連付けて情報管理データベースに記憶されているアクセス情報及び広告画像を情報処理装置1に送信してもよい。また、情報管理データベースには、提示天気がさらに関連付けて記憶されており、サーバ送信部333は、サーバ取得部331が取得した位置情報に対応するエリア情報と、情報処理装置1が存在する場所の現在の天気と一致する提示天気とに関連付けて情報管理データベースに記憶されているアクセス情報及び広告画像を情報処理装置1に送信してもよい。
【0058】
サーバ送信部333は、移動体Vの表示部Dに表示させた情報、すなわち、情報処理装置1に送信した情報を送信履歴として記憶部32に記憶させてもよい。サーバ送信部333は、例えば、情報処理装置1にアクセス情報を送信すると、送信したアクセス情報と、アクセス情報を送信した送信日時とを関連付けて記憶部32に記憶させる。サーバ送信部333は、さらに広告画像を情報処理装置1に送信した場合、広告画像を識別するための情報をさらに関連付けて記憶部32に記憶させてもよい。
【0059】
ページ提示部334は、広告ページを表示するための情報を端末Mに提示する。具体的には、まず、端末Mは、コード画像Cを読み取ると、コード画像Cに含まれるURLにアクセスする。ページ提示部334は、端末MがアクセスしたURLに対応する広告ページを表示するための情報を端末Mに送信する。そして、端末Mは、広告ページを表示するための情報に基づいて、広告ページを表示する。
【0060】
広告管理サーバ3は、端末Mによる広告ページのアクセスに基づく情報を記録してもよい。具体的には、登録部335は、広告ページにアクセスされた回数及び広告ページにアクセスされた日時のうちの少なくともいずれか特定するための情報を記憶部32に登録する。
【0061】
登録部335は、例えば、端末Mが広告ページにアクセスした日時と、端末Mがアクセスした広告ページに対応する広告IDとを関連付けて履歴管理データベースに記憶させる。このようにすることで、情報処理装置1は、広告ページにアクセスされた実績を管理することができる。
【0062】
広告管理サーバ3は、端末Mによる広告ページのアクセス履歴に応じて、広告ページの広告主に対する課金額、すなわち、広告主から徴収する広告料を決定してもよい。具体的には、決定部336は、履歴管理データベースを参照し、広告ページにアクセスされたアクセス回数及び広告ページにアクセスされたアクセス日時のうちの少なくともいずれかに基づいて、広告主に対する課金額を決定する。
【0063】
例えば、決定部336は、履歴管理データベースを参照し、ある広告主から依頼された広告の広告IDに基づいて、広告ページのアクセス回数を集計する。そして、決定部336は、集計したアクセス回数が多いほど、広告主に対する課金額を高くする。例えば、1回のアクセスに対する単価が定められており、決定部336は、集計したアクセス回数と単価とを乗算することにより、広告主に対する課金額を決定する。
【0064】
また、例えば、予め定められた時間帯(例えば、人が多い時間帯、人が少ない時間帯等)ごとに1回のアクセスに対する単価が定められている。この場合において、決定部336は、各時間帯のアクセス回数を集計し、各時間帯におけるアクセス回数及び単価を乗算した金額を合計することにより、広告主に対する課金額を決定する。このようにすることで、広告管理サーバ3は、端末Mによる広告ページのアクセスに応じた広告料を広告主に支払わせることができる。
【0065】
なお、広告管理サーバ3は、広告ページのアクセス履歴に基づいて、移動体Vのドライバー、移動体Vが車両である場合における当該車両を提供する事業者、又は移動体Vが人である場合における当該人に広告主等が支払う報酬額を決定してもよい。具体的には、決定部336は、集計したアクセス回数が多いほど報酬額を高くし、集計したアクセス回数が少ないほど報酬額を低くする。また、上記の通りアクセスされた時間帯を考慮した上で報酬額を決定してもよい。広告管理サーバ3は、例えば、報酬額を決定すると、当該報酬額を広告主に通知する。
【0066】
決定部336は、さらに移動体Vが走行した提示エリアに基づいて、広告主に対する課金額を決定してもよい。例えば、提示エリアごとに単価が定められている。ある広告主から依頼された広告を複数の提示エリアで提示する場合において、決定部336は、各提示エリアのアクセス回数を集計し、各提示エリアのアクセス回数と単価とを乗算した金額を合計することにより、広告主に対する課金額を決定する。
【0067】
決定部336は、移動体Vが走行した提示エリアに存在する人の混雑の度合いに基づいて、広告主に支払わせる金額を決定してもよい。決定部336は、例えば、移動体Vが走行したときの提示エリアに含まれる基地局に接続している端末Mの数を示す情報を中継サーバ2から取得し、各提示エリアのアクセス回数と、各提示エリアの端末Mの数に応じて定められている係数に基づいて重み付けした単価とを乗算した金額を合計することにより、広告主に対する課金額を決定する。このようにすることで、広告管理サーバ3は、提示エリアにおける人の混雑の度合いに応じた広告料を広告主に請求することができる。
【0068】
広告管理サーバ3は、端末Mによる広告ページのアクセス履歴に応じて設定した経路を移動体Vに走行させてもよい。具体的には、まず、設定部337は、履歴管理データベースに記憶されている情報に基づいて、移動体Vに走行させる経路を設定する。例えば、ある広告主から依頼された広告を複数の提示エリアで提示する場合において、設定部337は、複数の提示エリアのうち、アクセス回数が相対的に多い提示エリア(例えば、アクセス回数が最も多い提示エリア)を含む経路を設定する。設定部337は、提示エリアの複数の時間帯のうち、アクセス回数が相対的に多い時間帯に走行させる経路をさらに設定してもよい。サーバ送信部333は、設定部337が設定した経路を情報処理装置1に送信する。そして、情報処理装置1は、取得した経路を表示する。アクセス回数が相対的に多い時間帯に走行させる経路が設定された場合、情報処理装置1は、設定された経路と、当該経路を走行する時間帯を示す情報とを取得し、時間帯と経路とを表示させる。
【0069】
その後、移動体Vのドライバーは、情報処理装置1に表示された経路をもとに、移動体Vを走行させる。このようにすることで、広告管理サーバ3は、広告ページにアクセスされる回数が多くなり得る経路を走行させることができる。
【0070】
広告管理サーバ3は、情報管理データベースにおいて、1つのアクセス情報に基づく表示情報とともに表示させる複数の広告画像が記憶されている場合、端末Mによる広告ページのアクセス履歴に応じて選択した広告画像を情報処理装置1に送信してもよい。例えば、選択部332は、履歴管理データベースに記憶されている情報に基づいて、複数の広告画像の中から表示部Dに表示させる広告画像を選択する。選択部332は、例えば、履歴管理データベースと、記憶部32に記憶されている送信履歴とを参照し、情報処理装置1に送信された広告画像ごとに、アクセス回数を集計し、複数の広告画像のうち、集計したアクセス回数が相対的に多い(例えばアクセス回数が最も多い)広告画像を選択する。そして、サーバ送信部333は、選択部332が選択した広告画像を情報処理装置1に送信する。このようにすることで、広告管理サーバ3は、広告ページにアクセスされる蓋然性が高い広告画像を表示部Dに表示させることができる。
【0071】
広告管理サーバ3は、端末Mがコード画像Cに含まれるURLに基づいて広告ページにアクセスすることによって発生した端末Mのデータ通信料を広告主に負担させてもよい。例えば、通信事業者と、広告管理サーバ3を管理する管理者との間において、端末Mがコード画像Cに含まれるURLに基づいて広告ページにアクセスすることによって発生するデータ通信料を広告主が負担することが予め取り決められており、広告管理サーバ3は、発生した端末Mのデータ通信料を集計し、集計した合計額を広告主に通知する。例えば、1回のアクセスにおけるデータ通信料が予め設定されており、広告管理サーバ3は、端末Mがコード画像Cに含まれるURLに基づいて広告ページにアクセスした回数を集計し、集計したアクセス回数と予め定められているデータ通信料とを乗算することにより、合計額を算出する。
【0072】
[アクセス情報を取得する処理]
続いて、情報処理装置1が中継サーバ2を介してアクセス情報を広告管理サーバ3から取得する取得処理について説明する。
図6は、情報処理装置1が最初のアクセス情報を取得する取得処理の流れを示すシーケンス図である。
【0073】
広告管理サーバ3の記憶部32には、提示エリアと、トラッキングエリア(以下、「TA(Tracking Are)」という。)の一覧(以下、「TAリスト」という。)とが関連付けて記憶されている。TAは、例えば、第5世代移動通信システムにおいて定められたエリアである。1つのTAには、複数の基地局が含まれる。中継サーバ2には、TAと、当該TAに含まれる基地局の一覧とが関連付けて記憶されている。本実施形態において、TAは情報処理装置1が存在するエリアを識別するために用いられる。
【0074】
本処理は、例えば、情報処理装置1が起動したことを契機として開始する。情報処理装置1の装置送信部152は、第1通信部11が接続している基地局にRR(Registration Request)メッセージを送信する(S1)。基地局は、情報処理装置1からRRメッセージを受信すると、受信したRRメッセージを中継サーバ2に送信する(S2)。
【0075】
中継サーバ2は、RRメッセージを受信すると、RRメッセージの送信元である基地局を含むTAを特定する(S3)。中継サーバ2は、特定したTAを示す情報(例えば、TAC(Tracking Are Code))を広告管理サーバ3に送信する(S4)。
【0076】
広告管理サーバ3において、サーバ取得部331がTACを取得すると、選択部332は、複数の提示エリアの中から、TACによって示されるTAに関連付けられている提示エリアを特定し、情報管理データベースに記憶されている複数のアクセス情報の中から、特定した提示エリアのエリアIDに関連付けられているアクセス情報を選択する(S5)。サーバ送信部333は、中継サーバ2を介して、選択部332が選択したアクセス情報を情報処理装置1に送信する(S6)。サーバ送信部333は、情報処理装置1の装置IDと、特定した提示エリアのエリアIDとを関連付けて記憶部32に記憶させる。なお、不図示であるが、中継サーバ2は、RRメッセージの応答として、情報処理装置1に対応するTAリストを含めたRA(Registration Accept)メッセージを、基地局を介して情報処理装置1に送信する。これにより、後述するように情報処理装置1は、TAリスト外に出たかを判定可能となる。なお、中継サーバ2は、広告管理サーバ3から受信したアクセス情報を含むRAメッセージを送信しても良い。
【0077】
情報処理装置1において、装置取得部151が情報処理装置1の位置を含む提示エリアに対応するアクセス情報を取得すると、表示制御部153は、装置取得部151により取得したアクセス情報に基づく表示情報を表示部Dに表示させる(S7)。
【0078】
続いて、情報処理装置1が、アクセス情報を取得した後に、他のアクセス情報を取得する取得処理について説明する。
図7は、情報処理装置1が他のアクセス情報を取得する取得処理の流れを示すシーケンス図である。本処理は、情報処理装置1の装置送信部152が、所定のタイミングで、第1通信部11が接続している基地局にRRメッセージを送信する(S11)。所定のタイミングは、例えば、第1通信部11がTAリストに含まれない基地局と接続したとき、予め定められた期間を経過したとき(すなわち、所定時間ごと)等である。なお、基地局は一定時間ごとに報知信号を送信しており、情報処理装置1は、受信した報知信号に含まれるTACと、予め中継サーバ2から受信したTAリストとを比較することで、自身がTAリストの外に出たかを判定することができる。
【0079】
基地局は、情報処理装置1からRRメッセージを受信すると、受信したRRメッセージを中継サーバ2に送信する(S12)。中継サーバ2は、RRメッセージを受信すると、RRメッセージの送信元である基地局を含むTAを特定する(S13)。中継サーバ2は、特定したTAのTACを広告管理サーバ3に送信する(S14)。
【0080】
広告管理サーバ3において、サーバ取得部331がTACを取得すると、選択部332は、情報処理装置1が他の提示エリアに移動したか否かを判定する(S15)。具体的には、選択部332は、サーバ取得部331が取得したTACによって示されるTAに関連付けられている提示エリア(以下、「特定エリア」という。)と、情報処理装置1の装置IDに関連付けて記憶しているエリアIDの提示エリア(以下、「記憶エリア」という。)とが同一であるか否かを判定する。
【0081】
選択部332は、情報処理装置1が他の提示エリアに移動していないと判定した場合、すなわち、特定エリアと記憶エリアとが同一であると判定した場合(S15においてNOの場合)、処理を終了させる。一方、選択部332は、情報処理装置1が他の提示エリアに移動したと判定した場合、すなわち、特定エリアと記憶エリアとが同一ではないと判定した場合(S15においてYESの場合)、情報管理データベースに記憶されている複数のアクセス情報の中から、特定エリアのエリアIDに関連付けられているアクセス情報を選択する(S16)。
【0082】
サーバ送信部333は、中継サーバ2を介して、選択部332が選択したアクセス情報を情報処理装置1に送信する(S17)。また、中継サーバ2は、情報処理装置1の装置IDに関連付けて記憶しているエリアIDを、特定エリアのエリアIDに更新する。
【0083】
このように、S15で情報処理装置1が他の提示エリアに移動したと判定した場合のみアクセス情報を送信することで、アクセス情報を更新する必要がないときにまでアクセス情報を送信することによる通信データ量を削減できる。なお、S15の処理は省略し、広告管理サーバ3は中継サーバ2からTACを取得すると、対応するアクセス情報を情報処理装置1に送信するようにしてもよい。その場合、広告管理サーバ3側で情報処理装置1の装置IDと、提示エリアのエリアIDとを関連付けて記憶しておく必要がなく、システム全体として処理を簡素化することができる。
【0084】
情報処理装置1において、装置取得部151が情報処理装置1の位置を含む提示エリアに対応するアクセス情報を取得すると、表示制御部153は、表示部Dに表示させる表示情報を、装置取得部151から新たに取得したアクセス情報に基づく表示情報に変更させる(S18)。
【0085】
[アクセス情報を取得する処理の変形例]
続いて、情報処理装置1がアクセス情報を広告管理サーバ3から取得する処理の別の方法ついて説明する。
図8は、情報処理システムSの処理の流れを示すシーケンス図である。上述した
図6、7では、情報処理装置1からのRRメッセージの送信を契機に、中継サーバ2が情報処理装置1の存在するTAを示すTACを広告管理サーバ3に送信していたが、本実施形態では、情報処理装置1が自身の存在する位置を示す座標を広告管理サーバ3に送信する。本処理は、情報処理装置1の装置送信部152が、GPS受信部13が受信した信号によって特定される座標を位置情報として広告管理サーバ3に送信したことを契機として開始する(S21)。
【0086】
広告管理サーバ3において、サーバ取得部331が位置情報を取得すると、選択部332は、情報管理データベースに記憶されている複数のアクセス情報の中から、サーバ取得部331が取得した位置情報によって示される座標を含むエリア情報(緯度経度の範囲)に関連付けられているアクセス情報を選択する(S22)。
【0087】
サーバ送信部333は、選択部332が選択したアクセス情報を情報処理装置1に送信する(S23)。そして、情報処理装置1において、装置取得部151がアクセス情報を取得すると、表示制御部153は、アクセス情報に基づく表示情報を表示部Dに表示させる(S24)。
【0088】
なお、情報処理装置1による座標情報の送信は、一定周期で行うものとする。これにより、情報処理装置1は随時最新の位置情報に基づくアクセス情報を取得することができる。ただし、情報処理装置1がほとんど移動していない場合には座標情報の送信を行わないようにしてもよい。例えば、GPS受信部13が受信した信号に基づいて新たに特定した座標と前回特定した座標とを比較し、その差分が所定値以上であれば座標情報を送信し、所定値未満であれば座標情報を送信しないようにしてもよい。これにより、アクセス情報に変更がない場合にまでデータの送受信が行われることによる通信データ量を削減することができる。
【0089】
また、
図6、7の場合と同様に、S23でアクセス情報を送信する際に、広告管理サーバ3側で情報処理装置1に送信したアクセス情報に対応するエリア情報と情報処理装置1の装置IDとを関連付けて記憶しておいてもよい。そして、情報処理装置1から新たに座標を受信した際に、当該座標を含むエリア情報が、記憶されているエリア情報と異なるか否かを判定し、異なる場合に当該エリア情報に関連付けられているアクセス情報を送信するようにしてもよい。
【0090】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理システムSは、情報処理装置1の位置を含む提示エリアに対応するアクセス情報に基づく表示情報を、移動体Vの表示部D又は情報処理装置1の表示部Dに表示させる。このようにすることで、情報処理システムSは、端末Mが広告ページにアクセスするために用いたアクセス情報に基づいて、端末Mが存在する提示エリアを特定することができる。これにより、情報処理システムSは、端末Mが広告ページにアクセスするときに端末Mから位置情報を取得することを省くことができる。その結果、情報処理システムSは、端末Mが広告ページにアクセスする際の使用者の手間を軽減することができる。また、広告ページを提供する提供者としても、使用者から位置情報取得の承諾を得なくても適切な情報を提供することが可能となる。また、端末Mの使用者は位置情報と端末情報の紐づけをアクセス先の事業者に知られずに済むため、プライバシーを保護することが可能となる。
【0091】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0092】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0093】
1 情報処理装置
11 第1通信部
12 第2通信部
13 GPS受信部
14 記憶部
15 制御部
151 装置取得部
152 装置送信部
153 表示制御部
154 生成部
2 中継サーバ
3 広告管理サーバ
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 サーバ取得部
332 選択部
333 サーバ送信部
334 ページ提示部
335 登録部
336 決定部
337 設定部
D 表示部
M 端末
V 移動体
S 情報処理システム
【要約】
【課題】広告ページにアクセスする際の手間を軽減する。
【解決手段】情報処理システムSは、移動体Vで用いられる情報処理装置1と、広告管理サーバ3とを有する情報処理システムSであって、広告管理サーバ3は、情報処理装置1の位置を特定するための位置情報を取得するサーバ取得部と、広告ページにアクセスするためのアクセス情報であってエリアに応じて設定された複数のアクセス情報のうち、位置情報によって特定される情報処理装置1の位置を含むエリアに対応するアクセス情報を送信するサーバ送信部を有し、情報処理装置1は、アクセス情報に基づく表示情報を、移動体Vの外部に設置された表示部D又は情報処理装置1の表示部に表示させる表示制御部を有する。
【選択図】
図1