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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-30
(45)【発行日】2023-06-07
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20230531BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022153303
(22)【出願日】2022-09-27
【審査請求日】2022-11-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】田中 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】川名 弘志
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-106925(JP,A)
【文献】国際公開第2020/136822(WO,A1)
【文献】特開2021-140443(JP,A)
【文献】国際公開第2022/064736(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/255871(WO,A1)
【文献】特開2019-032661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人移動体が移動する経路を示す移動経路情報と、前記無人移動体が移動する日時を示す移動日時情報と、前記無人移動体が移動する目的を示す移動目的情報と、を含む移動申請情報を受け付ける受付部と、
前記移動日時情報が示す前記日時において前記移動経路情報が示す前記経路を含む領域を移動する1以上の無人移動体の台数が所定の台数以下であるか否かを判定する台数判定処理を行う判定部と、を有し、
前記判定部は、前記移動目的情報が示す前記目的が所定の目的である場合、前記台数判定処理を行わずに前記無人移動体の電波の使用を許可し、前記目的が前記所定の目的ではない場合は、前記台数判定処理を行うことにより前記無人移動体の電波の使用を許可するか否かを判定する
管理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記目的が前記無人移動体を製造、販売または貸与する過程で実施される動作検証である場合に、前記台数判定処理を行わない、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記目的が前記所定の目的である場合、前記無人移動体が前記経路を移動している間、前記台数判定処理を行わない、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記無人移動体を識別するための無人移動体識別情報をさらに含む前記移動申請情報を受け付け、
前記目的が前記所定の目的である場合、前記無人移動体識別情報に対応する前記無人移動体に、前記移動経路情報を送信する送信部をさらに有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記無人移動体が前記目的のために移動している間、前記経路及び日時を示す移動実績情報を、前記移動目的情報に関連付けて、移動履歴として記憶部に記憶させる記憶制御部をさらに有し、
前記記憶制御部は、前記無人移動体が前記目的のための移動を終了した後に、前記記憶部に記憶された前記移動履歴又は前記移動申請情報を前記記憶部に消去させる、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
前記目的が前記所定の目的である場合、前記無人移動体と異なる他の無人移動体の使用者が閲覧する地図における、前記無人移動体が移動している位置に、前記無人移動体が前記所定の目的であることを示す情報を表示させる表示制御部をさらに有する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項7】
前記無人移動体を識別するための無人移動体識別情報と前記移動目的情報とに関連付けて、前記無人移動体が有する機能に関する設定を示す設定情報を記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記無人移動体を対象とした、製造、販売または貸与する過程で実施される動作検証を終了した後に、前記無人移動体及び前記管理装置の少なくともいずれかに前記設定情報を設定する設定部と、をさらに有する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
無人移動体が移動する経路を示す移動経路情報と、前記無人移動体が移動する日時を示す移動日時情報と、前記無人移動体が移動する目的を示す移動目的情報と、を含む移動申請情報を受け付けるステップと、
前記移動日時情報が示す前記日時において前記移動経路情報が示す前記経路を含む領域を移動する1以上の無人移動体の台数が所定の台数以下であるか否かを判定する台数判定処理を行うステップと、を有し、
前記台数判定処理を行うステップにおいて、前記移動目的情報が示す前記目的が所定の目的である場合、前記台数判定処理を行わずに前記無人移動体の電波の使用を許可し、前記目的が前記所定の目的ではない場合は、前記台数判定処理を行うことにより前記無人移動体の電波の使用を許可するか否かを判定する
管理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
無人移動体が移動する経路を示す移動経路情報と、前記無人移動体が移動する日時を示す移動日時情報と、前記無人移動体が移動する目的を示す移動目的情報と、を含む移動申請情報を受け付けるステップと、
前記移動日時情報が示す前記日時において前記移動経路情報が示す前記経路を含む領域を移動する1以上の無人移動体の台数が所定の台数以下であるか否かを判定する台数判定処理を行うステップと、を実行させ、
前記台数判定処理を行うステップにおいて、前記移動目的情報が示す前記目的が所定の目的である場合、前記台数判定処理を行わずに前記無人移動体の電波の使用を許可し、前記目的が前記所定の目的ではない場合は、前記台数判定処理を行うことにより前記無人移動体の電波の使用を許可するか否かを判定する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無人移動体の一例であるドローン等の飛行体が通信をするために電波を使用することを許可するか否かを判定する管理システムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7072125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無人移動体を製造する事業者は、顧客に無人移動体を納入する前に、所定の目的で移動させることがある。例えば、事業者は、顧客への納入前に無人移動体の動作検証を行うために、当該無人移動体を管理システムに接続しながら移動させる。この場合、従来の管理システムにおいては、ユーザが申請した移動時刻にユーザが申請した移動領域を移動する無人移動体の数に上限を設けるため、事業者が申請した移動時刻に動作検証を行うことができない場合があるという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、所定の目的で移動する無人移動体が移動できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る管理装置は、無人移動体が移動する経路を示す移動経路情報と、前記無人移動体が移動する日時を示す移動日時情報と、前記無人移動体が移動する目的を示す移動目的情報と、を含む移動申請情報を受け付ける受付部と、前記移動日時情報が示す前記日時において前記移動経路情報が示す前記経路を含む領域を移動する1以上の無人移動体の台数が所定の台数以下であるか否かを判定する台数判定処理を行う判定部と、を有し、前記判定部は、前記移動目的情報が示す前記目的が所定の目的である場合に、前記台数判定処理を行わない。
【0007】
前記判定部は、前記目的が前記無人移動体を製造、販売または貸与する過程で実施される動作検証である場合に、前記台数判定処理を行わなくてもよい。
【0008】
前記判定部は、前記目的が前記所定の目的である場合、前記無人移動体が前記経路を移動している間、前記台数判定処理を行わなくてもよい。
【0009】
前記受付部は、前記無人移動体を識別するための無人移動体識別情報をさらに含む前記移動申請情報を受け付け、前記目的が前記所定の目的である場合、前記無人移動体識別情報に対応する前記無人移動体に、前記移動経路情報を送信する送信部をさらに有してもよい。
【0010】
前記無人移動体が前記目的のために移動している間、前記経路及び日時を示す移動実績情報を、前記移動目的情報に関連付けて、移動履歴として記憶部に記憶させる記憶制御部をさらに有し、前記記憶制御部は、前記無人移動体が前記目的のための移動を終了した後に、前記記憶部に記憶された前記移動履歴又は前記移動申請情報を前記記憶部に消去させてもよい。
【0011】
前記目的が前記所定の目的である場合、前記無人移動体と異なる他の無人移動体の使用者が閲覧する地図における、前記無人移動体が移動している位置に、前記無人移動体が前記所定の目的であることを示す情報を表示させる表示制御部をさらに有してもよい。
【0012】
前記無人移動体を識別するための無人移動体識別情報と前記移動目的情報とに関連付けて、前記無人移動体が有する機能に関する設定を示す設定情報を記憶部に記憶させる記憶制御部と、前記無人移動体を対象とした、製造、販売または貸与する過程で実施される動作検証を終了した後に、前記無人移動体及び前記管理装置の少なくともいずれかに前記設定情報を設定する設定部と、をさらに有してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に係る管理方法は、コンピュータが実行する、無人移動体が移動する経路を示す移動経路情報と、前記無人移動体が移動する日時を示す移動日時情報と、前記無人移動体が移動する目的を示す移動目的情報と、を含む移動申請情報を受け付けるステップと、前記移動日時情報が示す前記日時において前記移動経路情報が示す前記経路を含む領域を移動する1以上の無人移動体の台数が所定の台数以下であるか否かを判定する台数判定処理を行うステップと、を有し、前記台数判定処理を行うステップにおいて、前記移動目的情報が示す前記目的が所定の目的である場合に、前記台数判定処理を行わない。
【0014】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータに、無人移動体が移動する経路を示す移動経路情報と、前記無人移動体が移動する日時を示す移動日時情報と、前記無人移動体が移動する目的を示す移動目的情報と、を含む移動申請情報を受け付けるステップと、前記移動日時情報が示す前記日時において前記移動経路情報が示す前記経路を含む領域を移動する1以上の無人移動体の台数が所定の台数以下であるか否かを判定する台数判定処理を行うステップと、を実行させ、前記台数判定処理を行うステップにおいて、前記移動目的情報が示す前記目的が所定の目的である場合に、前記台数判定処理を行わない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、所定の目的で移動する無人移動体が移動できるようにするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る管理システム1の概要を説明するための図である。
図2】管理装置20の構成を示す図である。
図3】移動申請情報の一例を示す図である。
図4】台数判定処理の動作を説明するための図である。
図5】記憶部22に記憶された移動履歴の一例を示す図である。
図6】記憶部22に記憶されたステータス情報の一例を示す図である。
図7】記憶部22に記憶された設定情報の一例を示す図である。
図8】移動体Mの移動を許可するか否かを判定する処理シーケンスの例を示す。
図9】移動体Mが移動を開始した後の動作における処理シーケンスの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<管理システム1の概要>
図1は、本実施形態に係る管理システム1の概要を説明するための図である。図1に示す管理システム1は、情報端末10と管理装置20とを備える。管理装置20は、情報端末10及び移動体Mと、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)、無線LAN又は移動体通信網等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。移動体Mは、例えば、ドローン等の無人移動体である。
【0018】
管理システム1は、使用者から移動体Mの移動申請情報を取得し、移動体Mを移動させるための情報を移動体Mに送信するためのシステムである。使用者は、例えば、移動体Mを所有するユーザ、移動体Mを貸与されたユーザ、移動体Mを製造、販売又は貸与する事業者のいずれかである。移動申請情報は、例えば、移動体Mの移動経路、移動日時、及び移動目的に関する情報を含む。移動目的は、例えば、荷物を運ぶことを示す「運搬」、移動体Mが備えるカメラを用いて撮影することを示す「撮影」、農薬等の薬剤を散布することを示す「散布」、移動体Mの動作検証を実施することを示す「検証」である。
【0019】
情報端末10は、移動体Mの使用者が使用する情報処理端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等の装置である。情報端末10は、使用者が情報端末10を操作することにより作成した移動申請情報を管理装置20に送信する(図1における(1))。
【0020】
管理装置20は、例えばコンピュータであり、1若しくは複数の物理的なサーバ、又はクラウドサーバで構成されている。管理装置20は、移動を許可した移動体Mに移動するための情報を送信する装置である。図1に示すように、管理装置20は、情報端末10から取得した移動申請情報に含まれる移動体Mの移動経路を特定する(図1における(2))。管理装置20は、移動申請情報に含まれる移動体Mの移動日時を特定する(図1における(3))。
【0021】
管理装置20は、移動体Mが移動することを許可するか否かを決定する(図1における(4))。管理装置20は、例えば、移動体Mが、特定した移動日時に特定した移動経路を移動する際に所定の電波の使用を許可するか否かを判定する。所定の電波は、移動体Mが通信をするために使用可能な電波である。管理装置20は、所定の電波の使用を許可すると判定したことを条件として移動申請情報が示す移動体Mに移動経路情報(上述した移動するための情報)を送信することにより、移動体Mの移動を許可する(図1における(5))。
【0022】
管理装置20は、移動体Mが移動する際に所定の電波の使用を許可するか否かを、台数判定処理を行うことにより判定する。台数判定処理は、特定した移動時間において、特定した移動経路を含む所定の領域を移動する移動体Mの台数が所定の台数以下であるか否かを判定する処理である。管理装置20は、台数判定処理において、所定の台数以下であると判定した場合は、移動申請情報に対応する移動体Mの所定の電波の使用を許可し、所定の台数を超えると判定した場合は、移動申請情報に対応する移動体Mの所定の電波の使用を許可しない。
【0023】
管理装置20がこのように、台数判定処理により移動体Mの電波の使用を許可するか否かを判定することで、移動体Mが移動する領域において移動体Mが電波を使用することにより通信量が増大し、他の通信機器(例えばモバイル端末)等の通信に影響を与えることを抑制できる。
【0024】
ところで、移動体Mを製造、販売、又は貸与する事業者は、移動体Mをユーザに引き渡す前に、所定の目的で移動体Mを移動させるために、移動申請情報を管理装置20に送信する場合がある。一例として、所定の目的は、移動体Mを製造、販売又は貸与する過程で実施される動作検証である。この場合、管理装置20が台数判定処理において所定の台数を超えると判定したことにより、移動体Mの電波の使用を許可しないと判定すると、管理装置20を運用する事業者は、移動体Mを移動させることができないという問題が生じる。
【0025】
これに対して、管理装置20は、移動申請情報に含まれる移動目的が所定の目的である場合は、台数判定処理を行わないことを決定し、移動申請情報に対応する移動体Mの電波の使用を許可する。管理装置20がこのように動作することで、使用者は、移動目的が所定の目的である場合は、移動体Mを移動させることができる。
以下、管理装置20の構成及び動作を詳細に説明する。
【0026】
<管理装置20の構成>
図2は、管理装置20の構成を示す図である。管理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を有する。
【0027】
通信部21は、ネットワークを介して情報を送受信するための通信デバイスを含む。通信デバイスは、例えば、LANコントローラ又は無線LANコントローラである。
【0028】
記憶部22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶している。記憶部22は、情報端末10から取得した移動申請情報を記憶する。移動申請情報の詳細は、後述する。記憶部22は、移動体Mが移動することにより取得した各種の情報を記憶する。
【0029】
制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphical Processing Unit)である。制御部23は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部231、判定部232、送信部233、取得部234、記憶制御部235、設定部236及び表示制御部237として機能する。
以下、制御部23により実現される各部の構成を説明する。
【0030】
受付部231は、移動体Mが移動する経路を示す移動経路情報と、移動体Mが移動する日時を示す移動日時情報と、移動体Mが移動する目的を示す移動目的情報と、を含む移動申請情報を、移動体Mの使用者の情報端末10から受け付ける。受付部231は、移動体Mを識別するための移動体IDと移動体Mの使用者を識別するための使用者IDとをさらに含む移動申請情報を受け付けてもよい。また、受付部231は、受け付けた移動申請情報を記憶部22に記憶させる。
【0031】
図3は、移動申請情報の一例を示す図である。図3に示す移動申請情報は、移動申請情報を識別するための移動申請ID、使用者ID、移動体ID、移動経路情報、移動日時情報、及び移動体Mの移動目的を示す移動目的情報が関連付けられている。移動経路情報は、移動元の位置と1以上の経由位置と移動先の位置とを含む。移動日時情報は、移動開始時刻と到着予定時刻とを含む。移動目的は、使用者に応じて設定できる種類が異なることとしてもよい。一例として、移動体Mを製造、販売又は貸与する事業者は「検証」を示す移動目的を設定できるが他の使用者は設定できないようにする。他の例として、宅配事業者は、「運搬」を示す移動目的に限り設定できるようにする。
【0032】
判定部232は、移動体Mが移動する際に所定の電波の使用を許可するか否かを判定する。所定の電波は、例えば、移動体Mが通信をするために使用可能な電波であって、管理システム1に関連付けられた通信事業者に割り当てられた周波数範囲の電波である。判定部232は、電波の使用の許可を判定するために、移動日時情報が示す日時において移動経路情報が示す経路を含む領域を移動する1以上の移動体Mの台数が所定の台数以下であるか否かを判定する台数判定処理を行う。
【0033】
図4は、台数判定処理の動作を説明するための図である。図4は、領域Rを上から見た図である。判定部232は、移動日時情報において移動経路情報が示す移動経路の少なくとも一部を含む領域Rを飛行する移動体Mの台数、すなわち移動経路と移動日時情報が示す移動日時とが共通する移動体Mの台数を算出する。領域Rは、3次元の位置を示す地図の縦方向及び横方向を所定の距離ごとに区切って生成した複数のブロック領域の1つである。複数の基地局B及び複数の領域Rを示す領域情報は、記憶部22に予め記憶されている。
【0034】
例えば、判定部232は、移動申請情報に含まれる移動経路情報及び移動日時情報に基づいて、移動体Mが移動する領域Rと移動体Mが領域Rを移動する時間とを特定する。そして、判定部232は、複数の他の移動体Mの移動経路情報及び移動日時情報に基づいて、特定した時間において特定した領域Rを現在移動している他の移動体Mの台数又は将来移動予定の他の移動体Mの台数を算出する。なお、判定部232が算出する他の移動体Mの台数は、移動目的が所定の目的である他の移動体Mの台数を除外した台数(すなわち、移動目的が所定の目的ではない他の移動体Mの台数)である。
【0035】
続いて、判定部232は、算出した台数が所定の台数以下であるか否かを判定する。所定の台数は、複数の領域Rそれぞれに関連付けて記憶部22に記憶されており、複数の領域Rそれぞれにおいて異なる。例えば、通信状態がよい領域Rは、通信状態がよくない領域Rよりも所定の台数が多く設定されている。なお、領域Rの通信状態は、電波シミュレーション又は複数の移動体Mの過去の移動履歴に基づいて判定されるため、電波シミュレーションによる判定結果を過去の移動履歴に基づく判定結果に更新する場合がある。この場合、所定の台数は、更新された判定結果に基づいて改めて定められる。本実施形態においては、所定の台数が2台であるものとして説明する。また、図4に破線で示す矩形Pは、図3に示す「移動経路情報」が示す位置Pに対応している。
【0036】
判定部232は、算出した台数が所定の台数以下である場合は、移動申請をした移動体Mの電波の使用を許可すると判定し、算出した台数が所定の台数を超えた場合は、台数が所定の台数に達した後に移動申請をした移動体Mの電波の使用を許可しないと判定する。
【0037】
具体的には、受付部231が、図3に示す移動申請ID「A1」に対応する移動申請情報A1と移動申請ID「A2」に対応する移動申請情報A2とを受け付ける。判定部232は、移動申請情報A1及び移動申請情報A2が示す経路(図3に示す位置P1、位置P2及び位置P3を結ぶ経路)を含む領域Rを特定する。判定部232は、同じ時間又は時間帯において特定した領域Rを移動する移動体Mの台数が2台(すなわち移動体M1及び移動体M2)であることを特定する。判定部232は、特定した台数が所定の台数(2台)以下であることにより、移動体M1及び移動体M2の電波の使用を許可する。
【0038】
続いて、受付部231は、移動申請情報A3を受け付ける。判定部232は、同じ時間又は時間帯における移動申請情報A3が示す経路を含む領域Rを移動する台数が、3台(移動体M1、移動体M2及び移動体M3)であることを特定する。判定部232は、特定した台数が所定の台数(2台)に達した後に移動申請をした移動体M3の電波の使用を許可しない。
【0039】
判定部232は、移動申請情報に含まれる移動目的情報が示す目的が所定の目的でない場合は、台数判定処理を行い、移動目的情報が示す目的が所定の目的である場合に、台数判定処理を行わない。判定部232は、例えば、目的が移動体Mを製造、販売または貸与する過程で実施される動作検証である場合に、台数判定処理を行わない。
【0040】
具体的には、判定部232が、図3に示す移動申請情報A1及び移動申請情報A2に対応する移動体M1及び移動体M2に電波の使用を許可した後に、受付部231が移動申請情報A4を受け付ける。この場合、判定部232は、図3に示す「移動目的」が「検証」であることを特定したことにより、領域Rを飛行する移動体Mの台数が所定の台数を超える場合であっても、台数判定処理を行わずに移動体M4の電波の使用を許可する。判定部232がこのように動作することで、移動体M4は、移動目的が所定の目的(すなわち、動作検証)であることにより、領域Rを所定の台数以上の移動体Mが移動する場合であっても移動することができる。
【0041】
判定部232は、移動目的情報が示す目的が所定の目的である場合は、台数判定処理を行い、移動目的情報が示す目的が所定の目的でない場合は、台数判定処理を行わなくてもよい。例えば、判定部232は、移動目的情報が示す目的が「運搬」又は「撮影」である場合に台数判定処理を行い、移動目的情報が示す目的が「運搬」及び「撮影」と異なる目的である場合は台数判定処理を行わない。
【0042】
送信部233は、判定部232が移動体Mに所定の電波の使用を許可すると判定したことを条件として、移動体Mの移動申請情報に含まれる移動経路情報を移動体Mに送信する。送信部233は、目的が所定の目的であることを条件として、移動体IDに対応する移動体Mに、移動経路情報を送信してもよい。送信部233は、例えば、移動申請情報を参照することにより、移動目的情報が「検証」を示す移動体Mを特定する。続いて、送信部233は、特定した移動体Mに対して、当該移動体Mを示す移動体IDに関連付けられた「移動開始時刻」よりも前の時刻に、移動申請情報に含まれる移動経路情報を送信する。
【0043】
ところで、事故現場又は災害現場においては、警察又は消防などの公的機関がドローン等の移動体Mを用いて緊急対応として監視や現場の撮影をすることが想定される。そこで、送信部233は、移動申請情報に含まれる使用者IDが予め登録されている所定の使用者IDに該当する場合には、台数判定処理を行わないこととしてもよい。前記所定の使用者IDに該当し、かつ移動目的情報が「緊急」を示す場合に限って、台数判定処理を行わないこととしてもよい。この場合、送信部233は、判定部232が行った台数判定処理の結果を用いずに、移動体Mに移動経路情報を送信することを決定する。
【0044】
例えば、記憶部22は、使用者が「緊急」を示す移動目的情報の使用を許可されているか否かを示す緊急許可フラグと、当該使用者に対応する使用者IDとを関連付けた使用者データベースを記憶している。そして、送信部233は、使用者データベースを参照することにより、移動申請情報に含まれる使用者IDに対応する使用者が「緊急」を示す移動目的情報の使用を許可された使用者であることを特定し、かつ移動目的情報が「緊急」を示す場合、判定部232が行った台数判定処理の結果を用いずに、使用者IDに対応する移動体Mに移動経路情報を送信する。送信部233がこのように動作することで、「緊急」を示す移動目的情報の使用を許可された公的機関等の使用者は、速やかに移動体Mを移動させることができる。
【0045】
さらに、送信部233は、使用者データベースを参照することにより、移動申請情報に含まれる使用者IDに対応する使用者が「緊急」を示す移動目的情報の使用を許可された使用者であることを特定した場合、移動目的情報を参照せずに、移動目的が「緊急」であると判定してもよい。そして、送信部233は、移動目的が「緊急」であると判定したことにより、判定部232が行った台数判定処理の結果を用いずに、使用者IDに対応する移動体Mに移動経路情報を送信してもよい。
【0046】
[移動体Mが移動を開始した後における管理装置20の動作]
取得部234は、移動中の移動体Mから、一定の時刻ごとに、移動中の位置を示す位置情報、移動体Mが備えるセンサが取得したセンサ情報、プロペラ回転数及びバッテリー残量等を示す内部動作情報、移動体Mが備えるカメラが撮像した撮像画像等のデータを取得する。センサ情報は、例えば、衝突センサが取得した、移動体Mが衝突したか否かを示す情報、速度センサが取得した移動体Mの速度情報、感雨センサ及び風速センサが取得した移動体Mの周囲の気象に関する情報等である。
【0047】
取得部234は、複数の時刻において移動体Mから取得した複数の位置情報に基づいて移動体Mの移動経路を特定し、移動体ID、移動体Mからデータを取得した時刻、センサ情報、内部動作情報、及び撮像画像に関連付けて記憶制御部235に通知する。
【0048】
記憶制御部235は、取得部234から取得した移動経路を示す移動経路情報、及び移動経路情報に関連付けられたデータを記憶部22に記憶させる。一例として、記憶制御部235は、移動体Mが、移動目的情報が示す目的のために移動している間、移動した経路及び日時を示す移動実績情報を、移動目的情報に関連付けて、移動履歴として記憶部22に記憶させる。
【0049】
図5は、記憶部22に記憶された移動履歴の一例を示す図である。図5に示す移動履歴は、移動体ID、移動目的情報、移動体Mが移動した日時、及び移動体Mが移動した経路が関連付けられている。記憶制御部235は、例えば、取得部234から取得した、移動体IDに関連付けられた移動経路及び日時と、移動申請情報を参照することにより特定した、移動体IDに関連付けられた移動目的情報と、を関連付けて、移動履歴として記憶部22に記憶させる。記憶制御部235がこのように記憶部22に記憶させることで、例えば、移動体Mを製造、販売又は貸与する事業者は、記憶部22を参照することにより、移動体Mが動作検証において正しく動作したか否かを判定することができる。
【0050】
また、事業者は、動作検証において、移動体Mが移動した領域で通信をするための電波を使用できるか否か(以下、「エリア検証」という)を確認してもよい。例えば、事業者は、移動体Mの移動経路における通信品質が所定レベル以上か否かを判定する。
【0051】
例えば、記憶部22は、電波強度とノイズ比とを関連付けた通信品質レベルのテーブルを記憶している。判定部232は、移動体Mから取得した通信品質情報をもとに、移動体Mが移動経路を移動している間に行った管理装置20との通信に基づいて電波強度とノイズ比とを特定し、記憶部22に記憶されている所定の電波強度とノイズ比を含む通信品質のレベルと比較し、移動経路上において所定の通信品質の電波を使用できたか否を判定する。
【0052】
事業者は、動作検証において、移動体Mが所定の移動経路を正しく移動したか否か(以下、「端末検証」という)を確認してもよい。例えば、移動体Mから取得した各種の情報に基づいて、移動体Mが正常に動作したか否かを判定する。ここで、各種の情報は、移動体Mの内部動作情報、移動体Mに発生したエラーの内容を示すエラー情報、移動体Mが移動した位置を示す位置情報である。
【0053】
例えば、判定部232は、予め移動体Mに送信した設定情報に基づき移動体Mから正常に内部動作情報を取得できたか、エラー情報を取得したか、又は移動体Mから取得した位置情報が示す位置が移動経路を外れていないかなどを、移動体Mから取得した情報に基づき判定する。判定部232がこのように動作することで、事業者は、端末検証の結果を確認することができる。
【0054】
ところで、事業者は、動作検証において記憶部22に記憶させたデータ、又は動作検証のために送信した移動申請情報を、移動体Mを引き渡すユーザに知られたくない場合がある。そこで、記憶制御部235は、移動体Mが、移動目的情報が示す目的のための移動を終了した後に、記憶部22に記憶された移動履歴又は移動申請情報を記憶部22に消去させる。記憶制御部235は、例えば、移動体Mが移動を終了したか否かを示すステータス情報を参照することにより移動体Mが移動を終了したことを特定した場合、当該移動体Mに対応する移動履歴又は移動申請情報を記憶部22に消去させる。
【0055】
図6は、記憶部22に記憶されたステータス情報の一例を示す図である。図6に示すステータス情報は、移動申請ID、移動体ID及びステータスを含む。ステータスは、移動の目的と当該目的のための移動を完了したか否かを示す情報であり、例えば、「運搬」、「撮影」、「散布」、「検証」、「運搬完了」、「撮影完了」、「散布完了」、「検証完了」のいずれかを示す。ステータス情報は、例えば、使用者が情報端末10を操作することにより、ネットワークを介して記憶部22に記憶される。
【0056】
具体的には、記憶制御部235は、図6に示すステータス情報を参照することにより、「検証完了」を示すステータスに対応する移動体M6及び移動体M7を特定する。記憶制御部235は、移動体M6及び移動体M7の移動体IDに関連付けられた移動履歴、又は移動体M6及び移動体M7の移動申請IDに関連付けられた移動申請情報を記憶部22に削除させる。記憶制御部235がこのように動作することで、動作検証を実施した事業者が、移動体Mを引き渡すユーザに、移動履歴又は移動申請情報に含まれる動作検証に関する情報を知られることを防ぐことができる。
【0057】
また、事業者は、動作検証において正常に動作した際の移動体Mの設定をユーザに使用させることが想定される。そこで、記憶制御部235は、例えば、ステータス情報が「検証完了」を示したことを条件として、移動体Mを識別するための移動体IDと移動目的情報とに関連付けて、移動体Mが有する機能に関する設定を示す設定情報を記憶部22に記憶させる。設定情報は、移動体Mを移動させるための操作に関する設定、及び移動体Mが備えるカメラに関する設定、移動体Mが備えるセンサに関する設定等である。設定情報は、例えば、ステータス情報が「検証完了」を示したことにより、取得部234が移動体Mから取得する。
【0058】
図7は、記憶部22に記憶された設定情報の一例を示す図である。図7に示す設定情報においては、移動体ID、移動目的情報、移動体設定、及びカメラ設定が関連付けられている。図7に示す移動体設定は、目標速度、及び移動体Mが自律移動をするか否かを示す操作モードを含む。図7においては、移動体Mが有する機能に関する設定の一例として、カメラ設定を示す。カメラ設定は、例えば、解像度、フレームレート及びチルト角に関する設定を含む。
【0059】
記憶制御部235は、設定情報を使用者ID、移動目的情報、移動体Mの型式のいずれかに関連付けて記憶部22に記憶させてもよい。すなわち、記憶制御部235は、使用者ID、移動目的情報又は移動体Mの型式ごとに異なる設定情報を記憶部22に記憶させてもよい。また、記憶制御部235は、使用者ID、移動目的情報、移動体Mの型式のいずれかに関連付けて複数の設定情報を記憶部22に記憶させてもよい。記憶制御部235がこのように動作することで、事業者は、動作検証において複数の設定を検証できる。
【0060】
設定部236は、移動体Mを対象とした、製造、販売または貸与する過程で実施される動作検証を終了した後に、移動体M及び管理装置20の少なくともいずれかに設定情報を設定する。例えば、設定部236は、図6に示すステータス情報を参照することにより、ステータス「検証完了」に関連付けられた移動体Mを特定する。そして、設定部236は、図7に示す設定情報を参照することにより、移動体Mに対応する設定情報を特定し、移動体Mに設定情報を設定する。さらに、設定部236は、設定情報を移動体Mに対応する移動体IDに関連付けて記憶部22に記憶させる。設定部236がこのように動作することで、事業者は、移動体Mを、動作検証で使用した設定を用いてユーザに使用させることができるため、引き渡した後に移動体Mが正常に動作しないことによりユーザから問い合わせを受ける機会を少なくすることができる。
【0061】
また、設定部236は、移動体IDに関連付けて記憶部22に記憶させた設定情報を、移動体IDに対応する移動体Mと異なる他の移動体Mに設定してもよい。例えば、記憶制御部235は、移動体Mの設定情報を移動体Mの型式又は移動目的に関連付けて記憶部22に記憶させる。そして、設定部236は、記憶部22を参照することにより、他の移動体Mの型式又は移動目的を特定し、当該型式又は移動目的に関連付けられた設定情報を他の移動体Mに設定する。設定部236がこのように動作することで、事業者は、例えば、同じ型式の複数の移動体Mを導入する際に、一の移動体Mの設定情報を他の移動体Mに設定することができるため、設定作業を効率的に実行できる。
【0062】
ところで、移動体Mの運行管理を行う事業者は、複数の使用者が移動体Mを移動させる場合、運行の安全性を管理するために、どの使用者が、どのような目的で移動体Mを移動させているかを把握する必要がある。そこで、表示制御部237は、移動目的情報が示す目的が所定の目的である場合、移動体Mと異なる他の移動体Mの使用者が閲覧する地図における、移動体Mが移動している位置に、移動体Mが所定の目的であることを示す情報を表示させる。
【0063】
例えば、図2に示す情報端末10aの使用者と情報端末10bの使用者とが、それぞれ同じ時間に同じ領域において移動体Mを移動させたとする。そして、情報端末10aに対応する移動体M1の移動目的は動作検証であり、情報端末10bに対応する移動体M2の移動目的は運搬であるとする。
【0064】
この場合、表示制御部237は、移動申請情報に含まれる移動目的を参照することにより、移動体M1の移動目的が動作検証であることを特定する。続いて、表示制御部237は、取得部234が取得した移動体M1の位置情報を移動体M1の移動目的に関連付けて、一定の周期で情報端末10bに通知する。情報端末10bは、情報端末10bの画面に表示された地図において、取得した位置情報が示す位置に、取得した移動目的に対応する「検証中」を示す画像データ又はテキストデータを表示させる。表示制御部237がこのように動作することで、移動体Mの運行管理を行う―事業者は、他の移動体Mが移動する目的と、他の移動体Mの位置とを知ることができる。
【0065】
<管理装置20における処理シーケンス>
管理装置20における処理シーケンスの例を、図8及び図9を用いて説明する。図8は、移動体Mの移動を許可するか否かを判定する処理シーケンスの例を示す。図8に示すように、受付部231は、情報端末10から移動申請情報を受け付ける(S11)。判定部232は、移動申請情報に含まれる移動目的情報を参照することにより、移動体Mが移動する目的を特定する(S12)。判定部232は、特定した目的が、動作検証を示す「検証」である場合(S13のYES)、台数判定処理を行わずに、移動体Mに移動経路情報を送信する(S14)。
【0066】
判定部232は、特定した目的が「検証」ではない場合(S13のNO)、移動体Mが移動する領域を特定する(S15)。判定部232は、移動日時情報が示す日時において、特定した領域を移動する移動体Mの台数を特定する。判定部232が、特定した台数が所定の台数以下であると判定した場合(S16のYES)、送信部233は、移動体Mが所定の電波を使用することを許可し、移動経路情報を送信する(S14)。一方、判定部232が、特定した台数が所定の台数以下ではないと判定した場合(S16のNO)、送信部233は、移動体Mが所定の電波を使用することを許可しないことを示す情報を情報端末10に送信する(S17)。
【0067】
図9は、移動体Mが移動を開始した後の動作における処理シーケンスの例を示す。図9に示すように、取得部234は、移動目的情報が「検証」以外を示す場合(S21のNO)、処理を終了する。取得部234は、移動目的情報が「検証」を示す場合(S21のYES)、移動体Mの位置と移動体Mが移動している時刻とを取得する(S22)。記憶制御部235は、取得部234が取得した時刻と、取得部234が取得した位置に基づいて特定した移動経路と、を示す移動実績情報を移動履歴として記憶部22に記憶させる(S23)。取得部234及び記憶制御部235は、移動体Mの動作検証が完了していない場合(S24のNO)、S22及びS23の動作を繰り返す。
【0068】
記憶制御部235は、移動体Mの動作検証が完了した場合(S24のYES)、移動履歴又は移動申請情報を記憶部22に削除させ(S25)、動作検証において用いた移動体Mの設定を示す設定情報を記憶部22に記憶させる。設定部236は、設定情報を移動体M又は管理装置20に設定する(S26)。
【0069】
<変形例>
以上の説明においては、移動体Mが移動を開始する前に判定部232が台数判定処理を行う動作を例示したが、これに限らない。判定部232は、移動体Mが移動している間に、一定の時間ごとに台数判定処理を行い、移動体Mが所定の電波を継続して使用してよいか否かを判定してもよい。判定部232がこのように動作することで、使用者の誤操作又は移動体Mの故障により、移動体Mが、移動申請情報が示す経路と異なる経路を移動した場合であっても、移動体Mが移動する領域において所定の台数を超えないようにすることができる。
【0070】
判定部232は、例えば、移動目的情報が示す目的が所定の目的である場合、移動体Mが経路を移動している間、台数判定処理を行わない。判定部232がこのように動作することで、動作検証を目的として移動する移動体Mは、継続して所定の電波を使用することができる。すなわち、動作検証を目的として移動する移動体Mは、所定の電波を使用した通信を行いながら移動することができる。
【0071】
<管理装置20による効果>
以上説明したように、管理装置20は、移動経路情報と移動日時情報と移動目的情報とを含む移動申請情報を受け付ける受付部231と、移動日時情報が示す日時において移動経路情報が示す経路を含む領域を移動する1以上の移動体Mの台数が所定の台数以下であるか否かを判定する台数判定処理を行う判定部232と、を有する。そして、判定部232は、移動目的情報が示す目的が所定の目的である場合に、台数判定処理を行わない。
【0072】
管理装置20がこのように構成されることで、管理装置20は、移動目的情報が示す目的が所定の目的である場合には、台数判定処理を行わずに移動体Mの所定の電波の使用を許可することができるので、移動経路情報が示す経路を既に移動する移動体Mの台数に関わらず、所定の目的で移動する移動体Mを移動可能な状態にすることができる。この結果、移動体Mによる所定の目的が速やかに達成される。
【0073】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0075】
1 管理システム
10 情報端末
20 管理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 受付部
232 判定部
233 送信部
234 取得部
235 記憶制御部
236 設定部
237 表示制御部
【要約】
【課題】所定の目的で移動する無人移動体が移動できるようにする。
【解決手段】管理装置20は、無人移動体が移動する経路を示す移動経路情報と、無人移動体が移動する日時を示す移動日時情報と、無人移動体が移動する目的を示す移動目的情報と、を含む移動申請情報を受け付ける受付部231と、移動日時情報が示す日時において移動経路情報が示す経路を含む領域を移動する1以上の無人移動体の台数が所定の台数以下であるか否かを判定する台数判定処理を行う判定部232と、を有し、判定部232は、移動目的情報が示す目的が所定の目的である場合に、台数判定処理を行わない。
【選択図】図2


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9