(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-31
(45)【発行日】2023-06-08
(54)【発明の名称】イヤホン及びヘッドホン
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
H04R1/10 103
H04R1/10 104Z
(21)【出願番号】P 2020154043
(22)【出願日】2020-09-14
【審査請求日】2020-09-14
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】517394315
【氏名又は名称】東莞寶トク電子有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】506195295
【氏名又は名称】寶トク科技股フン有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】盧 賀隆
【審査官】佐久 聖子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-088722(JP,U)
【文献】米国特許第04138598(US,A)
【文献】実開昭59-022593(JP,U)
【文献】実開昭59-022594(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドバンド要素(99)と、
一対のインナーイヤー型イヤホン要素(88L、88R)と、を具備し、
前記インナーイヤー型イヤホン要素のそれぞれは、ベース(103)、スピーカー(101)及び結合部(102)を含み、
前記スピーカー(101)は前記ベース(103)の一方側に固定され、前記結合部(102)は前記ベース(103)と前記スピーカー(101)との間に形成され、前記結合部(102)は挿通孔(1031)を有し、前記ヘッドバンド要素(99)の両端部はそれぞれ、インナーイヤー型イヤホン要素の前記挿通孔(1031)を挿通して設置されることによって、前記ヘッドバンド要素(99)は取外し可能に前記結合部(102)に接続され
、
前記ヘッドバンド要素(99)は可撓式ヘッドバンド要素であり、
前記結合部(102)はスプリング(1035)及びライニングシート(1033)を含み、前記ライニングシート(1033)は挿入窪み(1033S)及びガイド斜面(1033i)を含み、前記ライニングシート(1033)は前記挿通孔(1031)の一方側に設置され、前記スプリング(1035)は前記ライニングシート(1033)の前記挿入窪み(1033S)と前記ベース(103)の星状突起(103S)との間に設置される、ことを特徴とするヘッドホン(10)。
【請求項2】
前記ヘッドバンド要素(99)の一端は、前記スピーカー(101)寄り側の第一の表面に少なくとも一つの凸型滑止め点(991)を有し、前記ベース(103)寄り側の第二の表面に少なくとも一つの凸型滑止め点(991’)を有する、請求項1に記載のヘッドホン(10)。
【請求項3】
前記結合部(102)は、挿入窪み、及びフック構造のうち少なくとも一つを含み、それによって前記可撓式ヘッドバンド要素は前記挿通孔(1031)と係合する、請求項
1に記載のヘッドホン(10)。
【請求項4】
前記ヘッドバンド要素(99)の前記第一の表面における前記少なくとも一つの凸型滑止め点(991)は前記挿通孔(1031)の一端と係合する、
請求項2に記載のヘッドホン(10)。
【請求項5】
前記ライニングシート(1033)の前記挿入窪み(1033S)と相対する側に、前記ヘッドバンド要素(99)の前記ベース(103)寄り側の第二の表面における前記少なくとも一つの凸型滑止め点(991’)と係合する窪み(1033SS)がさらに含まれる、
請求項2に記載のヘッドホン(10)。
【請求項6】
前記ライニングシート(1033)と前記スピーカー(101)とが接続する方向への前記スプリング(1035)の弾力によって、前記ヘッドバンド要素(99)の前記スピーカー(101)寄り側の第一の表面は前記挿通孔(1031)の前記第一の表面と対向する側において前記ライニングシート(1033)の前記ガイド斜面(1033i)と係合する、請求項
1に記載のヘッドホン(10)。
【請求項7】
可撓式ヘッドバンド要素と組み合わせて使用されるためのイヤホン(40)であって、
前記イヤホン(40)は、一対のインナーイヤー型イヤホン要素(88L、88R)を具備し、前記インナーイヤー型イヤホン要素のそれぞれは、ベース(103)、スピーカー(101)及び結合部(102)を含み、
前記スピーカー(101)は前記ベース(103)の一方側に固定され、前記結合部(102)は前記ベース(103)と前記スピーカー(101)との間に形成され、前記結合部(102)は挿通孔(1031)を有し、前記可撓式ヘッドバンド要素の一端は一方の前記インナーイヤー型イヤホン要素の前記挿通孔(1031)を通過して設置され、前記可撓式ヘッドバンド要素の他端は他方の前記インナーイヤー型イヤホン要素の前記挿通孔(1031)を通過して設置され、それによって前記可撓式ヘッドバンド要素は取外し可能に前記結合部(102)に接続され
、
前記結合部(102)はスプリング(1035)及びライニングシート(1033)を含み、前記ライニングシート(1033)は挿入窪み(1033S)及びガイド斜面(1033i)を含み、前記ライニングシート(1033)は前記挿通孔(1031)の一方側に設置され、前記スプリング(1035)は前記ライニングシート(1033)の前記挿入窪み(1033S)と前記ベース(103)の星状突起(103S)との間に設置される、ことを特徴とするイヤホン(40)。
【請求項8】
前記可撓式ヘッドバンド要素の一端の表面
に少なくとも一つの凸型滑止め点(991)が設けられる、請求項7に記載のイヤホン(40)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイヤホンに関し、特に、本発明はヘッドバンド要素と組み合わせて使用するように構成される載頭型インナーイヤー型イヤホンに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘルメット、スキーゴーグル、耳カバーが使用を阻害する可能性があるため、オーバーイヤーヘッドホンはアウトドアに向かない。一方、一般のインナーイヤー型イヤホンは、着用において、全ての使用者の耳の形に合わせられないため、長時間着用できず、外れやすいなどの欠点がある。特に、運動する場合はイヤホンが外れやすい。
【0003】
特許文献1では、インナーイヤー型イヤホンをイヤーフックに取付け、イヤーフック部分は各種の方式によってイヤホンに取付けることができる。特許文献1はインナーイヤー型イヤホンとイヤーフックとの接続に重点を置くが、インナーイヤー型イヤホンの構造によって様々な耳の形にフィットしようとしても得られないという問題を解決していない。
【0004】
特許文献2では、オンイヤーヘッドホンはイヤーカップと頭部支持・固定装置とに分解され、イヤーカップは他の支持・固定方式によって頭部に支持・固定できる。それによって、異なる場合に使用できる。しかし、特許文献2のオンイヤーヘッドホンは体積が大きく、イヤーカップと頭部支持・固定装置(
図2に示される素子2及び17、18)との間の磁力では安定したインナーイヤー型イヤホンを構成できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2013/0058517号明細書
【文献】国際公開第2013/062454号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、先行技術の不足を補うため、イヤホン及びヘッドホンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるヘッドホンは、ヘッドバンド要素と、一対のインナーイヤー型イヤホン要素と、を含む。インナーイヤー型イヤホン要素のそれぞれは、ベース、スピーカー及び結合部を含む。なかでも、スピーカーはベースの一方側に固定され、結合部はベースとスピーカーとの間に形成され、結合部は挿通孔を有し、ヘッドバンド要素の両端部のそれぞれが、インナーイヤー型イヤホン要素の挿通孔を挿通して設置されることにより、ヘッドバンド要素は取外し可能に結合部に接続される。
【0008】
本発明にかかるイヤホンは、ヘッドバンド要素と組合わせて使用するように構成される。前記イヤホンは一対のインナーイヤー型イヤホン要素を含む。インナーイヤー型イヤホン要素のそれぞれは、ベース、スピーカー及び結合部を含む。なかでも、スピーカーはベースの一方側に固定され、結合部はベースとスピーカーとの間に形成され、結合部は挿通孔を有し、ヘッドバンド要素の一端は一方のインナーイヤー型イヤホン要素の挿通孔を通過して設置され、ヘッドバンド要素の他端は他方のインナーイヤー型イヤホン要素の挿通孔を通過して設置され、それによってヘッドバンド要素は取外し可能に結合部に接続される。
【発明の効果】
【0009】
本発明はインナーイヤー型イヤホンをヘッドバンド要素に取付け、載頭型インナーイヤー型イヤホンを構成する。この載頭型インナーイヤー型イヤホンはインナーイヤー型イヤホンに分解され、インナーイヤー型イヤホンのみで使用できる。インナーイヤー型イヤホン要素をヘッドバンド要素と組み合わせる本発明の着用方式によれば、運動する場合に使用でき、イヤホンの外れを防止するとともに、外観を良くする効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態を示す載頭型インナーイヤー型イヤホンの模式図である。
【
図2A】本発明の一実施形態を示す片方のインナーイヤー型イヤホンがヘッドバンド要素と分離した状態の模式図である。
【
図2B】本発明の一実施形態を示す片方のインナーイヤー型イヤホンがヘッドバンド要素と係合した状態の模式図である。
【
図2C】本発明の一実施形態を示す他方のインナーイヤー型イヤホンがヘッドバンド要素と分離した状態の模式図である。
【
図3A】耳の内側に向けた方向から見た、本発明の一実施形態を示すインナーイヤー型イヤホンをヘッドバンド要素に取付ける一部の細節の模式図である。
【
図3B】耳の外側に向けた方向から見た、本発明の一実施形態を示すインナーイヤー型イヤホンをヘッドバンド要素に取付ける一部の細節の模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態を示す載頭型インナーイヤー型イヤホンの模式図である。
【
図5】本発明の一実施形態を示す片方のインナーイヤー型イヤホンの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の特徴及び技術内容をより一層理解できるように、本発明に係る詳細な説明と図面を参照してもよいが、提供される図面は、参照と説明のためのものに過ぎず、本発明を制限することはない。
【0012】
以下、所定の具体的な実施形態によって本発明が開示した「ヘッドホン」に係る実施形態を説明し、当業者は、本明細書に開示された内容に基づいて本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施形態によって実行又は適用でき、本明細書における各細部についても、異なる観点と用途に基づいて、本発明の構想から逸脱しない限り、各種の修正と変更を行うことができる。また、事前に説明するように、本発明の添付図面は、簡単な模式的説明であり、実際の寸法に基づいて描かれたものではない。以下の実施形態に基づいて本発明に係る技術内容を更に詳細に説明するが、開示される内容によって本発明の保護範囲を制限することはない。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態を示す載頭型インナーイヤー型イヤホンの模式図である。図示したように、ヘッドホン10はヘッドバンド要素99と一対のインナーイヤー型イヤホン要素88とを含む。インナーイヤー型イヤホン要素88L及びインナーイヤー型イヤホン要素88Rはベース、スピーカー及び結合部を含む。
【0014】
一実施形態において、イヤホン10は使用者の耳の中(未図示)に置かれ、スピーカー101は少なくとも一つの固定ユニット(未図示)によってベース103に接続され、結合部102の挿通孔1031はヘッドバンド要素99を収容する。スピーカー101から部分ケーブル104Aが延出する。部分ケーブル104Aの端部と、もう一つのスピーカーであるスピーカー101’から延出した、もう一つの部分ケーブルである部分ケーブル104Bの端部とは互いに連接される。
【0015】
図2A、
図2B、
図2C及び
図1を参照されたい。
図2Aは本発明の一実施形態を示す片方のインナーイヤー型イヤホンがヘッドバンド要素に取付けられる前の模式図である。本実施形態では、インナーイヤー型イヤホンがヘッドバンド要素と分離する。図示したように、ヘッドホン10はヘッドバンド要素99と一対のインナーイヤー型イヤホン要素88とを含む。インナーイヤー型イヤホンとヘッドバンド要素との接続構造の一部を明確に示すために、
図2A、
図2B及び
図2Cに示すヘッドバンド要素は
図1に示す全部のヘッドバンド要素の一端を示したものに過ぎない。即ち、
図2A、
図2B及び
図2Cに示すヘッドバンド要素99は全部の構造を模式的に示したものに過ぎない。
【0016】
図2Aに示すインナーイヤー型イヤホン要素88Lはベース103、スピーカー101及び結合部102を含む。
図2Aは片方のインナーイヤー型イヤホン要素であるインナーイヤー型イヤホン要素88Lを示すが、他方のインナーイヤー型イヤホン要素であるインナーイヤー型イヤホン要素88Rもベース、スピーカー及び結合部などの素子を具備する。
【0017】
一実施形態において、スピーカー101はベース103の一方側に固定され、結合部102はベース103とスピーカー101との間に形成され、結合部102は挿通孔1031を有し、ヘッドバンド要素99の両端部がそれぞれ、インナーイヤー型イヤホン要素88L、88Rの挿通孔1031を挿通して設置されることにより、ヘッドバンド要素99は取外し可能に結合部102に接続される。
【0018】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99は可撓式ヘッドバンド要素であるが、本発明はこれに制限されない。ヘッドバンド要素99は硬質材料、又はプラスチック材料で構成されてもよい。
【0019】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99の一端は、スピーカー101寄り側の第一の表面に少なくとも一つの凸型滑止め点991を有し、ベース103寄り側の第二の表面に少なくとも一つの凸型滑止め点991’を有する。
【0020】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99の一端はスピーカー101寄り側の第一の表面に複数の凸型滑止め点を有してもよく、なかでも、複数の凸型滑止め点はヘッドバンド要素99の一端における異なる位置に配置されてもよい。挿通孔1031がヘッドバンド要素99と係合する相対的位置を変更することによって、ヘッドバンド要素99は使用者の異なる頭の形に合わせることができる。しかし、本発明はこれに制限されない。
【0021】
他の実施形態において、ヘッドバンド要素99の一端は、第一の表面及び第二の表面のうち少なくとも一つの表面に少なくとも一つの凸型滑止め点を有するが、本発明はこれに制限されない。
【0022】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99の第一の表面における少なくとも一つの凸型滑止め点991は挿通孔1031の一端と係合する。
【0023】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99が、所定の閾値以下の挿通孔1031への引張る力を受けると、挿通孔1031ヘッドバンド要素99と互いに係合する。前記引っ張る力の大きさを変更することによって、挿通孔1031がヘッドバンド99と係合する相対的位置を変更することができ、ヘッドバンド要素99の長さは変わらない。引っ張る力が前記閾値を上回ると、挿通孔1031は少なくとも一つの凸型滑止め点991と分離する。
【0024】
図2Bは本発明の一実施形態を示す片方のインナーイヤー型イヤホンがヘッドバンド要素に取り付けられけた後の模式図である。本実施形態において、インナーイヤー型イヤホン要素88Lはヘッドバンド要素99と係合する。
【0025】
図示したように、ヘッドホン10はヘッドバンド要素99と一対のインナーイヤー型イヤホン要素88とを含む。インナーイヤー型イヤホン要素88Lはベース103、スピーカー101及び結合部102を含む。
【0026】
特に、インナーイヤー型イヤホン要素88Lは使用者の耳の中(未図示)に置かれ、スピーカー101はベース103に接続され、挿通孔1031はヘッドバンド要素99を収容し、ヘッドバンド要素99は結合部102によって挿通孔1031と係合してもよい。
【0027】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99が、所定の閾値以下の挿通孔1031に向けた引張る力を受けると、挿通孔1031とヘッドバンド要素99とが係合する。前記引張る力を変更することによって、挿通孔1031とヘッドバンド要素99とが係合する相対的位置を変更することができ、ヘッドバンド要素99の長さは変わらない。
【0028】
一実施形態において、所定の閾値を上回った、挿通孔1031への方向と相反した方向への引張る力をヘッドバンド要素99が受けると、挿通孔1031は少なくとも一つの凸型滑止め点991と分離し、ヘッドバンド要素99は挿通孔1031と係合しなくなる。
【0029】
図2Cは本発明の実施形態を示す他方のインナーイヤー型イヤホンがヘッドバンド要素に取付けられる前の模式図である、本実施形態において、インナーイヤー型イヤホンはヘッドバンド要素と分離する。
図2Aは一方のインナーイヤー型イヤホンであるインナーイヤー型イヤホン要素88Lを示すが、
図2Cは他方のインナーイヤー型イヤホン10であるインナーイヤー型イヤホン要素88Rを示す。挿通孔1031’がヘッドバンド要素99と係合する相対的位置を変更することによって、ヘッドバンド要素99は異なる使用者の頭の形に合わせることができる。
【0030】
図2A、
図2B、
図2C及び
図3Aを参照されたい。
図3Aは耳の内側に向けた方向から見た、本発明の一実施形態を示すインナーイヤー型イヤホンをヘッドバンド要素に取付ける一部の細節の模式図である。
【0031】
イヤホン30は使用者の耳の中(未図示)に置かれる。ヘッドホン30はヘッドバンド要素99と一対のインナーイヤー型イヤホン要素とを含む。インナーイヤー型イヤホン要素のそれぞれはベース103、結合部102及びスピーカー101を含む。
【0032】
イヤホン30のベース103は結合部102とハウジング105との間に位置する。
【0033】
ハウジング105はベース103の幾何構造に対応するように形成され、ベース103の一端と係合する。他の実施形態において、ハウジング105は接合剤、リベット、スナップボタン又はそれらに類似した他の手段によってベース103に取付けられてもよいが、本発明はこれに制限されない。
【0034】
ハウジング105はおおよそ円形であるが、他の例において、ハウジング105は他の幾何構造、例えば卵形、正方形、又はハート形であってもよいが、本発明はこれに制限されない。
【0035】
ベース103は固定ユニット102A及び102Bによって結合部102及びスピーカー101に接続される。ベース103は方型部1039を有し、また、方型部1039は、スプリング1035とライニングシート1033とともに緊密な構造を構成するための星状突起103Sを有する。
【0036】
結合部102はベース103とスピーカー101との間に位置する。結合部102は第一の側面1021、第二の側面1022及び第三の側面1023を有し、第一の側面1021は結合部102の上部に位置し、第二の側面1022は結合部102の下部に位置し、第三の側面1023は結合部102のベース103寄り側に位置する。
【0037】
結合部102の第一の側面1021、第二の側面1022及び第三の側面1023に穴が開けられ、挿通孔1031が形成される。
【0038】
結合部102内部をいくつかの中空構造にすることにより、結合部102にスプリング、挿入窪み及びフック構造のうち少なくとも一つが設けられる。それによって、ヘッドバンド要素99は挿通孔1031と係合し得る。
【0039】
挿通孔1031はヘッドバンド要素99を収容する。ヘッドバンド要素99はライニングシート及びスプリングを通して挿通孔1031と係合してもよい。一実施形態において、結合部102はスプリング1035及びライニングシート1033を含んでもよい。
【0040】
ライニングシート1033は一方側に挿入窪み1033Sを含み、他方側にガイド斜面1033iを含む。挿入窪み1033Sはライニングシート1033のベース103寄り側において、ライニングシート1033の中央部付近に設けられる。ガイド斜面1033iはライニングシート1033の結合部102側において、ライニングシート1033の上部付近に設けられる。
【0041】
ライニングシート1033は挿通孔1031の一方側に設置される。
図3Aに示す実施形態において、ライニングシート1033は結合部102の第三側面1023に開けられた挿通孔に設置される。
【0042】
スプリング1035の両端はライニングシート1033の一方側における挿入窪み1033Sと、ベース103の方型部1039における星状突起103Sとの間に設置される。即ち、スプリング1035の耳の内側寄りの端はライニングシート1033の一方側における挿入窪み1033Sに設置され、スプリング1035の耳の外側寄りの端はベース103の方型部1039における星状突起103Sに設置される。それによってスプリング1035とライニングシート1033とがさらに緊密な構造に構成される。
【0043】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99が挿通孔1031に挿入される前、ヘッドバンド要素99と挿通孔1031とが分離する。スプリング1035及びライニングシート1033は、ライニングシート1033とスピーカー101とが接続する方向へのスプリング1035の弾力により、結合部102の第三側面1023に開けられた挿通孔に設置される。
【0044】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99が挿通孔1031へ挿入されると、ライニングシート1033とスピーカー101とが接続する方向へのスプリング1035の弾力により、ヘッドバンド要素99におけるスピーカー101寄り側の第一の表面99Sが挿通孔1031の同側において、ライニングシート1033のガイド斜面1033iと係合する。ヘッドバンド要素99の第一の表面99Sとライニングシート1033の一方側とが係合面を形成する。
【0045】
一実施形態では、ヘッドバンド要素99が挿通孔1031へ挿入されると、ライニングシート1033とスピーカー101とが接続する方向へのスプリング1035の弾力により、ヘッドバンド要素99における第一の表面99Sが挿通孔1031の同側において、ライニングシート1033のガイド斜面1033iと係合する。ヘッドバンド要素99の第一の表面99Sとライニングシート1033の一方側とが係合面を形成する。
【0046】
上部が狭く、下部が広い楔状構造をガイド斜面1033iがなすため、ヘッドバンド要素99は第一の側面1021へ挿入されると、その一端はガイド斜面1033iの楔状構造によってライニングシート1033の一方側に順調に入込む。それによって、ライニングシート1033の一方側とヘッドバンド要素99の第一の表面99Sとが係合面を形成する。
【0047】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99が所定の閾値以下の挿通孔1031への引張る力を受けると、挿通孔1031はヘッドバンド要素99と係合する。前記引張る力の大きさを変更することによって、挿通孔1031がヘッドバンド要素99と係合する相対的位置を変更でき、ヘッドバンド要素99の長さは変わらない。一例において、引張る力が前記閾値を上回ると、挿通孔1031は少なくとも一つの凸型滑止め点991と分離する。
【0048】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99が挿通孔1031と係合した状態で、ヘッドバンド要素99が挿通孔1031から引っ張られる力を受けると、ライニングシート1033とスピーカー101とが接続する方向へのスプリング1035の弾力により、係合面に対する摩擦力は発生する。当該摩擦力が引っ張る力よりも小さくなると、ヘッドバンド要素99の第一の表面99Sは、挿通孔1031の同側において、ライニングシート1033のガイド斜面1033iと係合しなくなる。
【0049】
図3Bは、耳の外側に向けた方向から見た、本発明の一実施形態を示すインナーイヤー型イヤホンをヘッドバンド要素に取付ける一部の細節の模式図である。
【0050】
ベース103の方型部1039は、スプリング1035及びライニングシート1033とともにスナップボタンを構成できる星状突起103Sを有し、それによって、スプリング1035とライニングシート1033とが緊密な構造に構成される。
【0051】
スプリング1035の両端はライニングシート1033の一方側における挿入窪み1033Sと、ベース103の方型部1039における星状突起103Sとの間に設置される。
【0052】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99が挿通孔1031へ挿入される前、ヘッドバンド要素99は挿通孔1031と分離し、スプリング1035及びライニングシート1033はベース103の方型部1039の中に設置される。スプリング1035及びライニングシート1033は、ライニングシート1033とスピーカー101とが接続する方向へのスプリング1035の弾力により、結合部102の第三側面1023に開けられた挿通孔に設置される。
【0053】
一実施形態において、上からヘッドバンド要素99が挿通孔1031へ挿入されると、ライニングシート1033とスピーカー101とが接続する方向へのスプリング1035の弾力により、ヘッドバンド要素99の第一の表面99Sは挿通孔1031の一方側において、ライニングシート1033のガイド斜面1033iと係合する。
【0054】
一実施形態において、ライニングシート1033の挿入窪み1033Sと相対した側に、ヘッドバンド要素99の第二の表面における少なくとも一つの凸型滑止め点991’と係合する窪み1033SSが設けられる。
【0055】
ライニングシート1033とスピーカー101とが接続する方向へのスプリング1035の弾力によって発生する係合面に対する摩擦力、及び、少なくとも一つの凸型滑止め点991’が窪み1033SSと係合する力によって、ヘッドバンド要素99と挿通孔1031とがさらに緊密に係合し、それによってイヤホンの外れを防止できる。
【0056】
図1、
図3A及び
図4を参照されたい。
図4は本発明の一実施形態を示すインナーイヤー型イヤホン要素の模式図である。図示したように、イヤホンは可撓式ヘッドバンド要素と組合わせて使用できるように構成される。イヤホン40は一対のインナーイヤー型イヤホン要素88を含む。それぞれのインナーイヤー型イヤホン要素(88L、88R)はベース、スピーカー及び結合部を含む。
【0057】
一実施形態において、インナーイヤー型イヤホン要素88Lはベース103、スピーカー101及び結合部102を含む。
【0058】
スピーカー101から部分ケーブル104Aが延出する。部分ケーブル104Aの端部と、もう一つのスピーカーであるスピーカー101’から延出したもう一つの部分ケーブルである部分ケーブル104Bの端部とは連なる。
【0059】
特に、スピーカー101はベース103の一方側に固定され、結合部102はベース103とスピーカー101との間に形成され、結合部102は挿通孔1031を有し、可撓式ヘッドバンド要素99の一端はインナーイヤー型イヤホン要素88Lの挿通孔に通過して設置され、可撓式ヘッドバンド要素99の他端はインナーイヤー型イヤホン要素88Rの挿通孔に通過して設置され、それによって、可撓式ヘッドバンド要素99は取外し可能にそれぞれの結合部に接続される。
【0060】
一実施形態において、上述結合部102は、挿入窪み及びフック構造のうち少なくとも一つを含み、それによってヘッドバンド要素99は挿通孔1031と係合する。
【0061】
一実施形態において、可撓式ヘッドバンド要素の一端の表面に少なくとも一つの凸型滑止め点が設けられる。
【0062】
図5は本発明の一実施形態を示す片方のインナーイヤー型イヤホンの模式図である。イヤホン50は使用者の耳の中(未図示)に置かれる。
【0063】
図示したように、インナーイヤー型イヤホン要素88は、ヘッドバンド要素99に組合わせて使用できるように構成される。スピーカー101は少なくとも一つの固定ユニット(未図示)によってベース103に接続されてもよく、挿通孔1031はヘッドバンド要素99を収容し、ヘッドバンド要素99は結合部によって挿通孔1031と係合してもよい。
【0064】
一実施形態において、ヘッドバンド要素99は凸型滑止め点991及び991’を有する。
【0065】
一般的に、部分ケーブルには従来のオーディオプラグのオス端子を採用してもよい。オス端子の寸法は特に制限されず、1/8インチ又は1/4インチであってもよい。部分ケーブルは、CTIA接続ポート又はOMTP接続ポートに連接し得る。
【0066】
代わりの実施形態において、オス端子は、他の電気コネクタ(例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、アイリンク(i-Link)又は他のオスコネクタ)を含んでもよい。
【0067】
イヤホン50は端子(例えば、Type-Cポート)を介して他の電子装置に接続されてもよい。Type-Cポート(即ち、USB Type-C又はUSB-C)は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)のハードウェアインターフェース様式の一種であり、その外観上最大の特徴は上側と下側が対称し、表裏面を区分しないことである。アンドロイドモバイル装置、ノートパソコン、デスクトップパソコン、さらにゲーム機などの3C(コンピューター、通信、コンシューマーエレクトロニクス)装置の多くはこのType-Cポートを備える。また、Type-Cポートのオスコネクタが正確にメスコネクタに挿入されると、音が発せられる。USB Power Delivery技術によって、Type-Cポートは3C製品の充電に使用できる。
【0068】
図5に示すように、スピーカー101は部分ケーブル104Aに操作可能に接続されてもよい。部分ケーブル104Aは、さらにモバイル装置のUSB Type-Cポートに接続するためのメスコネクタ104Oを含んでもよい。なかでも、スピーカー101は、メスコネクタ104O及びUSB Type-Cポートのオスコネクタを介して(未図示)受電できる。
〔実施形態による有利な効果〕
【0069】
以上から、本発明はインナーイヤー型イヤホン要素をヘッドバンド要素に取付け、載頭型インナーイヤー型イヤホンを構成する。この載頭型インナーイヤー型イヤホンはインナーイヤー型イヤホンに分解され、インナーイヤー型イヤホンのみで使用できる。インナーイヤー型イヤホンとヘッドバンド要素との接続方式として挿入窪み又はフックなどの機構設計を使用できる。インナーイヤー型イヤホン要素をヘッドバンド要素と組合わせる本発明の着用方式によれば、運動する場合に使用でき、それによってイヤホンの外れを防止するとともに、外観を良くする効果を発揮する。
【0070】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限することはない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された同等の技術的変形は、何れも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
10、30、40、50:インナーイヤー型イヤホン
88、88L、88R:インナーイヤー型イヤホン要素
101、101’:スピーカー
102:結合部
1021、1022、1023:結合部の側面
103:ベース
103S:星状突起
1031、1031’:挿通孔
1039:方型部
99:ヘッドバンド要素
99S:ヘッドバンド要素の第一の表面
991、991’:凸型滑止め点
102A、102B:固定ユニット
1033:ライニングシート
1033i:ガイド斜面
1033S:挿入窪み
1033SS:窪み
1035:スプリング
104A、104B:部分ケーブル
105:ハウジング
104O:メスコネクタ