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特許7288716セメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-31
(45)【発行日】2023-06-08
(54)【発明の名称】セメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 7/44 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
C04B7/44
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022104507
(22)【出願日】2022-06-29
(65)【公開番号】P2023020926
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2022-06-29
(31)【優先権主張番号】202110858750.2
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522248881
【氏名又は名称】ハンヂョウ ターニング エネルギー テクノロジー デベロップメント カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Turning Energy Technology Development Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 913, building 1, Wuzhou international business center, Xihu District, Hangzhou, Zhejiang China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ティン
(72)【発明者】
【氏名】ホー センリン
(72)【発明者】
【氏名】リー ホンマン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ハンピン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヂォンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヂュ ハン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ユンフォン
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-083735(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111521003(CN,A)
【文献】特開2022-044130(JP,A)
【文献】国際公開第2022/130730(WO,A1)
【文献】特開2016-128369(JP,A)
【文献】特開2016-132588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 7/00-7/60
F27B 7/00-7/42
F27D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法であって、前記燃焼方法に必要なシステムは、専用圧力酸素ガス製造装置、圧力酸素ガスバッファタンク、常圧酸素ガス製造装置、常圧酸素ガスバッファタンク、第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、循環煙道ガスファン、炭素系空気ファン及び循環煙道ガス回収装置を含み、
前記専用圧力酸素ガス製造装置はフィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、電気ヒータ、主熱交換器、精留塔I、主凝縮蒸発器I、精留塔II、主凝縮蒸発器II、精留塔III、主凝縮蒸発器III、過冷却器、膨張機、及び液体窒素ポンプを含み、前記タービン空気圧縮機はセメント窯炉に本来セットされている空気圧縮機システムであり、
フィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、及び電気ヒータはコールドボックスの外に配置され、主熱交換器、精留塔I、主凝縮蒸発器I、精留塔II、主凝縮蒸発器II、精留塔III、主凝縮蒸発器III、過冷却器、膨張機、及び液体窒素ポンプはコールドボックス内に配置され、主凝縮蒸発器Iは精留塔Iの上に配置され、主凝縮蒸発器IIは精留塔IIの上に配置され、主凝縮蒸発器IIIは精留塔IIIの底部に配置され、
フィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、主熱交換器は順次接続され、主熱交換器は精留塔Iの底部の原料空気入口に接続され、
精留塔Iの底部の液体空気出口は過冷却器に接続され、過冷却器は主凝縮蒸発器Iに接続され、過冷却器と主凝縮蒸発器Iとの接続管路に絞り弁が設けられ、主凝縮蒸発器Iの酸素富化空気出口は精留塔IIの底部に接続され、主凝縮蒸発器Iの液体空気出口は主凝縮蒸発器IIに接続され、
精留塔Iの頂部の圧力窒素ガス出口は主凝縮蒸発器I、主凝縮蒸発器III、主熱交換器にそれぞれ接続され、主凝縮蒸発器Iの液体窒素出口は精留塔Iの頂部に接続され、主熱交換器は圧力窒素ガス製品の供給配管に接続され、
精留塔IIの底部の酸素富化液体空気出口は主凝縮蒸発器II、精留塔IIIの頂部にそれぞれ接続され、精留塔IIの底部の酸素富化液体空気出口と主凝縮蒸発器II、精留塔IIIの頂部との接続管路のいずれにも絞り弁が設けられ、主凝縮蒸発器IIの汚染窒素ガス出口は過冷却器に接続され、過冷却器は主熱交換器の汚染窒素ガス入口に接続され、主熱交換器の汚染窒素ガス出口は外部ブローダウン配管、電気ヒータにそれぞれ接続され、電気ヒータは交替使用の分子ふるい吸着器に接続され、
精留塔IIの頂部の低圧窒素ガス出口は主凝縮蒸発器IIに接続され、主凝縮蒸発器IIの液体窒素出口は精留塔IIの頂部、液体窒素ポンプの入口にそれぞれ接続され、液体窒素ポンプの出口は精留塔Iの頂部に接続され、
主凝縮蒸発器IIIは精留塔IIIの底部に位置し、精留塔IIIの酸素ガス出口は主熱交換器に接続され、主熱交換器は圧力酸素ガス製品の供給配管に接続され、主凝縮蒸発器IIIの液体窒素出口は精留塔Iの頂部に接続され、精留塔IIIの液体酸素出口は液体酸素製品の供給配管に接続され、
精留塔IIIの頂部の加圧汚染窒素ガスは過冷却器に接続され、過冷却器は主熱交換器に接続され、主熱交換器の部分的復熱出口は膨張機に接続され、膨張機はさらに主熱交換器の汚染窒素ガス入口に接続され、
前記専用圧力酸素ガス製造装置により圧力酸素ガス製品を製造するとき、
原料空気をフィルタにより濾過して塵埃と機械的不純物を除去した後、タービン空気圧縮機に入れて空気を設定圧力まで圧縮し、その後、空気予冷ユニットにより予冷した後に交替使用の分子ふるい吸着器に入れて精製する工程一と、
精製された原料空気の一部を計器用空気として用い、残りの部分を主熱交換器に入れて飽和温度まで冷却して一定の水分を帯びさせた後に精留塔Iの底部に入れて精留に関連させる工程二と、
空気を精留塔Iにより精留して液体空気と圧力窒素ガスに分離し、液体空気を過冷却器により過冷却し、絞り弁により絞った後に主凝縮蒸発器Iに入れてヒートシンクとして圧力窒素ガスと熱交換させ、液体空気を酸素富化空気に気化させ、酸素富化空気を精留塔IIの底部に導入して精留に関連させ、同時に主凝縮蒸発器Iから一部の液体空気を導出し、主凝縮蒸発器IIに入れてヒートシンクとし、一部の圧力窒素ガスを主凝縮蒸発器Iに導入して熱源として液体空気と熱交換させ、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させ、液体窒素を精留塔Iの頂部に導入して還流液とし、一部の圧力窒素ガスを主凝縮蒸発器IIIに導入して熱源とし、残りの圧力窒素ガスを主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出して圧力窒素ガス製品とする工程三と、
液体窒素及び酸素富化空気を精留塔IIにより精留した後に精留塔IIの底部から酸素富化液体空気を取得し、精留塔IIの頂部から低圧窒素ガスを取得し、一部の酸素富化液体空気を導出して絞り弁により絞った後に主凝縮蒸発器IIに入れてヒートシンクとして低圧窒素ガスと熱交換させ、酸素富化液体空気を汚染窒素ガスに気化させ、汚染窒素ガスを過冷却器、主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出し、一部の汚染窒素ガスを交替使用の分子ふるい吸着器の再生ガスとして用い、残りをブローダウンし、残りの酸素富化液体空気を絞り弁により絞った後に精留塔IIIの頂部に導入して精留に関連させ、低圧窒素ガスを主凝縮蒸発器IIに導入して熱源として酸素富化液体空気と熱交換させ、低圧窒素ガスを液体窒素に液化させ、一部の液体窒素を精留塔IIの頂部に導入して精留に関連させ、残りの液体窒素を液体窒素ポンプにより加圧した後に精留塔Iの頂部に導入して還流液とする工程四と、
酸素富化液体空気を精留塔IIIにより精留して液体酸素と加圧汚染窒素ガスに分離し、液体酸素を主凝縮蒸発器IIIのヒートシンクとし、精留塔Iから導入された圧力窒素ガスと熱交換させ、液体酸素を酸素ガスに気化させ、一部の酸素ガスを導出して主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出して圧力酸素ガス製品とし、残りの酸素ガスを精留塔IIIの上昇ガスとし、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させ、液体窒素を精留塔Iの頂部に導入して還流液とし、同時に精留塔IIIの底部から一部の液体酸素を導出して液体酸素製品とし、加圧汚染窒素ガスを過冷却器により復熱し、主熱交換器により部分的に復熱した後に膨張機に入れて膨張させ、その後、主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出し、一部を交替使用の分子ふるい吸着器の再生ガスとして用い、残りをブローダウンする工程五と、を含み、
専用圧力酸素ガス製造装置により製造された圧力窒素ガス製品は、純度が3ppmO未満であり、圧力が0.68~0.95MpaGであり、製造された圧力酸素ガス製品は、純度が90~99.6%であり、圧力が0.1~0.3MpaGであり、
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器及び第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器は、酸素ガス通路、酸素ガス通路調節弁、循環煙道ガス通路、酸素ガス分配器、混合器、炭素系酸素富化通路、及び酸素ガス濃度分析装置を含み、酸素ガス分配器は中空円筒であり、中空円筒の周壁に複数の小孔が均一に設けられ、混合器は中空円筒であり、酸素ガス通路調節弁は酸素ガス通路に設けられ、酸素ガス通路の出口は酸素ガス分配器の端部に連通し、酸素ガス分配器と一部の酸素ガス通路とは混合器の側壁から混合器内に挿入され、循環煙道ガス通路の出口は混合器の一端に連通し、炭素系酸素富化通路の入口は混合器の他端に連通し、酸素ガス濃度分析装置は炭素系酸素富化通路に配置され、
専用圧力酸素ガス製造装置の圧力酸素ガス製品出口は圧力酸素ガスバッファタンクに接続され、圧力酸素ガスバッファタンクの第一出口は第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、圧力酸素ガスバッファタンクの第二出口は第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、専用圧力酸素ガス製造装置の圧力窒素ガス製品出口はセメント窯炉の除塵機に接続され、
常圧酸素ガス製造装置の常圧酸素ガス製品出口は常圧酸素ガスバッファタンクに接続され、常圧酸素ガスバッファタンクの出口は第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、
循環煙道ガス回収装置の入口はセメント窯炉の予熱器の循環煙道ガス出口に接続され、循環煙道ガス回収装置の出口から二つの経路に分けられ、一つは循環煙道ガスファンに接続され、循環煙道ガスファンの出口は第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口にそれぞれ接続され、もう一つは第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口に接続され、
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口には回転窯と分解炉の石炭供給風に用いられる中圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口は3つの経路に分けられ、一つには回転窯燃焼器の旋回流風に用いられる低圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、一つには回転窯燃焼器の内軸流風に用いられる高圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、もう一つには回転窯燃焼器の外軸流風に用いられる高圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口は炭素系空気ファンに接続され、炭素系空気ファンの出口はグレート冷却機に接続され、グレート冷却機はさらに回転窯、分解炉にそれぞれ接続され、
前記燃焼方法は、
専用圧力酸素ガス製造装置により圧力窒素ガスを製造してセメント窯炉の集塵装置に送り込み、除塵風とし、専用圧力酸素ガス製造装置により圧力酸素ガスを製造して圧力酸素ガスバッファタンクに送り込み、圧力酸素ガスバッファタンクから一つの経路で圧力酸素ガスを導出して第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込み、もう一つの経路で圧力酸素ガスを導出して第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込む工程と、
常圧酸素ガス製造装置により常圧酸素ガスを製造して常圧酸素ガスバッファタンクに送り込み、常圧酸素ガスバッファタンクから常圧酸素ガスを導出して第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込む工程と、
循環煙道ガスをセメント窯炉の予熱器から出し、循環煙道ガス回収装置により熱回収、除塵及び脱硫した後、二つの経路に分け、一つの経路における循環煙道ガスを循環煙道ガスファンにより加圧した後に第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器と第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器にそれぞれ導入し、もう一つの経路における循環煙道ガスを第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に導入する工程と、
圧力酸素ガスと循環煙道ガスを第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、絞った後に25~50%のOを含むとともに圧力が50~70Kpaである中圧炭素系酸素富化製品を提供して回転窯と分解炉の石炭供給風として用いる工程と、
圧力酸素ガスと循環煙道ガスを第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、異なる程度の絞りを行った後に、回転窯燃焼器の旋回流風に用いられる、25~50%のOを含むとともに圧力が20~40Kpaである低圧炭素系酸素富化製品、及び、回転窯燃焼器の外軸流風と内軸流風にそれぞれ用いられる、25~50%のOを含むとともに圧力が80~100Kpaである高圧炭素系酸素富化製品をそれぞれ提供する工程と、
常圧酸素ガスと循環煙道ガスを第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、さらに炭素系空気ファンにより加圧して酸素含有量が空気に近いとともに圧力が3~10Kpaである炭素系空気製品を提供し、グレート冷却機に送り込んでクリンカを降温し、その後に二つの経路に分け、回転窯、分解炉にそれぞれ送り込む工程と、
を含むことを特徴とするセメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法。
【請求項2】
セメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法であって、前記燃焼方法に必要なシステムは、専用圧力酸素ガス製造装置、圧力酸素ガスバッファタンク、常圧酸素ガス製造装置、常圧酸素ガスバッファタンク、第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、循環煙道ガスファン、炭素系空気ファン、循環煙道ガス回収装置、正確測温分析システム、焼成専門最適化システム及びスマート制御システムを含み、
前記専用圧力酸素ガス製造装置はフィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、電気ヒータ、主熱交換器、精留塔I、主凝縮蒸発器I、精留塔II、主凝縮蒸発器II、精留塔III、主凝縮蒸発器III、過冷却器、膨張機、及び液体窒素ポンプを含み、前記タービン空気圧縮機はセメント窯炉に本来セットされている空気圧縮機システムであり、
フィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、及び電気ヒータはコールドボックスの外に配置され、主熱交換器、精留塔I、主凝縮蒸発器I、精留塔II、主凝縮蒸発器II、精留塔III、主凝縮蒸発器III、過冷却器、膨張機、及び液体窒素ポンプはコールドボックス内に配置され、主凝縮蒸発器Iは精留塔Iの上に配置され、主凝縮蒸発器IIは精留塔IIの上に配置され、主凝縮蒸発器IIIは精留塔IIIの底部に配置され、
フィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、主熱交換器は順次接続され、主熱交換器は精留塔Iの底部の原料空気入口に接続され、
精留塔Iの底部の液体空気出口は過冷却器に接続され、過冷却器は主凝縮蒸発器Iに接続され、過冷却器と主凝縮蒸発器Iとの接続管路に絞り弁が設けられ、主凝縮蒸発器Iの酸素富化空気出口は精留塔IIの底部に接続され、主凝縮蒸発器Iの液体空気出口は主凝縮蒸発器IIに接続され、
精留塔Iの頂部の圧力窒素ガス出口は主凝縮蒸発器I、主凝縮蒸発器III、主熱交換器にそれぞれ接続され、主凝縮蒸発器Iの液体窒素出口は精留塔Iの頂部に接続され、主熱交換器は圧力窒素ガス製品の供給配管に接続され、
精留塔IIの底部の酸素富化液体空気出口は主凝縮蒸発器II、精留塔IIIの頂部にそれぞれ接続され、精留塔IIの底部の酸素富化液体空気出口と主凝縮蒸発器II、精留塔IIIの頂部との接続管路のいずれにも絞り弁が設けられ、主凝縮蒸発器IIの汚染窒素ガス出口は過冷却器に接続され、過冷却器は主熱交換器の汚染窒素ガス入口に接続され、主熱交換器の汚染窒素ガス出口は外部ブローダウン配管、電気ヒータにそれぞれ接続され、電気ヒータは交替使用の分子ふるい吸着器に接続され、
精留塔IIの頂部の低圧窒素ガス出口は主凝縮蒸発器IIに接続され、主凝縮蒸発器IIの液体窒素出口は精留塔IIの頂部、液体窒素ポンプの入口にそれぞれ接続され、液体窒素ポンプの出口は精留塔Iの頂部に接続され、
主凝縮蒸発器IIIは精留塔IIIの底部に位置し、精留塔IIIの酸素ガス出口は主熱交換器に接続され、主熱交換器は圧力酸素ガス製品の供給配管に接続され、主凝縮蒸発器IIIの液体窒素出口は精留塔Iの頂部に接続され、精留塔IIIの液体酸素出口は液体酸素製品の供給配管に接続され、
精留塔IIIの頂部の加圧汚染窒素ガスは過冷却器に接続され、過冷却器は主熱交換器に接続され、主熱交換器の部分的復熱出口は膨張機に接続され、膨張機はさらに主熱交換器の汚染窒素ガス入口に接続され、
前記専用圧力酸素ガス製造装置により圧力酸素ガス製品を製造するとき、
原料空気をフィルタにより濾過して塵埃と機械的不純物を除去した後、タービン空気圧縮機に入れて空気を設定圧力まで圧縮し、その後、空気予冷ユニットにより予冷した後に交替使用の分子ふるい吸着器に入れて精製する工程一と、
精製された原料空気の一部を計器用空気として用い、残りの部分を主熱交換器に入れて飽和温度まで冷却して一定の水分を帯びさせた後に精留塔Iの底部に入れて精留に関連させる工程二と、
空気を精留塔Iにより精留して液体空気と圧力窒素ガスに分離し、液体空気を過冷却器により過冷却し、絞り弁により絞った後に主凝縮蒸発器Iに入れてヒートシンクとして圧力窒素ガスと熱交換させ、液体空気を酸素富化空気に気化させ、酸素富化空気を精留塔IIの底部に導入して精留に関連させ、同時に主凝縮蒸発器Iから一部の液体空気を導出し、主凝縮蒸発器IIに入れてヒートシンクとし、一部の圧力窒素ガスを主凝縮蒸発器Iに導入して熱源として液体空気と熱交換させ、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させ、液体窒素を精留塔Iの頂部に導入して還流液とし、一部の圧力窒素ガスを主凝縮蒸発器IIIに導入して熱源とし、残りの圧力窒素ガスを主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出して圧力窒素ガス製品とする工程三と、
液体窒素及び酸素富化空気を精留塔IIにより精留した後に精留塔IIの底部から酸素富化液体空気を取得し、精留塔IIの頂部から低圧窒素ガスを取得し、一部の酸素富化液体空気を導出して絞り弁により絞った後に主凝縮蒸発器IIに入れてヒートシンクとして低圧窒素ガスと熱交換させ、酸素富化液体空気を汚染窒素ガスに気化させ、汚染窒素ガスを過冷却器、主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出し、一部の汚染窒素ガスを交替使用の分子ふるい吸着器の再生ガスとして用い、残りをブローダウンし、残りの酸素富化液体空気を絞り弁により絞った後に精留塔IIIの頂部に導入して精留に関連させ、低圧窒素ガスを主凝縮蒸発器IIに導入して熱源として酸素富化液体空気と熱交換させ、低圧窒素ガスを液体窒素に液化させ、一部の液体窒素を精留塔IIの頂部に導入して精留に関連させ、残りの液体窒素を液体窒素ポンプにより加圧した後に精留塔Iの頂部に導入して還流液とする工程四と、
酸素富化液体空気を精留塔IIIにより精留して液体酸素と加圧汚染窒素ガスに分離し、液体酸素を主凝縮蒸発器IIIのヒートシンクとし、精留塔Iから導入された圧力窒素ガスと熱交換させ、液体酸素を酸素ガスに気化させ、一部の酸素ガスを導出して主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出して圧力酸素ガス製品とし、残りの酸素ガスを精留塔IIIの上昇ガスとし、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させ、液体窒素を精留塔Iの頂部に導入して還流液とし、同時に精留塔IIIの底部から一部の液体酸素を導出して液体酸素製品とし、加圧汚染窒素ガスを過冷却器により復熱し、主熱交換器により部分的に復熱した後に膨張機に入れて膨張させ、その後、主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出し、一部を交替使用の分子ふるい吸着器の再生ガスとして用い、残りをブローダウンする工程五と、を含み、
専用圧力酸素ガス製造装置により製造された圧力窒素ガス製品は、純度が3ppmO未満であり、圧力が0.68~0.95MpaGであり、製造された圧力酸素ガス製品は、純度が90~99.6%であり、圧力が0.1~0.3MpaGであり、
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器及び第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器は、酸素ガス通路、酸素ガス通路調節弁、循環煙道ガス通路、酸素ガス分配器、混合器、炭素系酸素富化通路、及び酸素ガス濃度分析装置を含み、酸素ガス分配器は中空円筒であり、中空円筒の周壁に複数の小孔が均一に設けられ、混合器は中空円筒であり、酸素ガス通路調節弁は酸素ガス通路に設けられ、酸素ガス通路の出口は酸素ガス分配器の端部に連通し、酸素ガス分配器と一部の酸素ガス通路とは混合器の側壁から混合器内に挿入され、循環煙道ガス通路の出口は混合器の一端に連通し、炭素系酸素富化通路の入口は混合器の他端に連通し、酸素ガス濃度分析装置は炭素系酸素富化通路に配置され、
専用圧力酸素ガス製造装置の圧力酸素ガス製品出口は圧力酸素ガスバッファタンクに接続され、圧力酸素ガスバッファタンクの第一出口は第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、圧力酸素ガスバッファタンクの第二出口は第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、専用圧力酸素ガス製造装置の圧力窒素ガス製品出口はセメント窯炉の除塵機に接続され、
常圧酸素ガス製造装置の常圧酸素ガス製品出口は常圧酸素ガスバッファタンクに接続され、常圧酸素ガスバッファタンクの出口は第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、
循環煙道ガス回収装置の入口はセメント窯炉の予熱器の循環煙道ガス出口に接続され、循環煙道ガス回収装置の出口から二つの経路に分けられ、一つは循環煙道ガスファンに接続され、循環煙道ガスファンの出口は第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口にそれぞれ接続され、もう一つは第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口に接続され、
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口には回転窯と分解炉の石炭供給風に用いられる中圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口は3つの経路に分けられ、一つには回転窯燃焼器の旋回流風に用いられる低圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、一つには回転窯燃焼器の内軸流風に用いられる高圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、もう一つには回転窯燃焼器の外軸流風に用いられる高圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口は炭素系空気ファンに接続され、炭素系空気ファンの出口はグレート冷却機に接続され、グレート冷却機はさらに回転窯、分解炉にそれぞれ接続され、
正確測温分析システムは、回転窯内の異なる位置の火炎温度をリアルタイムに収集し、処理した後に回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを得て、且つ焼成専門最適化システムにリアルタイムに送信するために用いられ、
焼成専門最適化システムは、正確測温分析システムから送信された回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを受信し、セメント窯炉の現場実測データと結合し、セメントの最適化焼成状態を評価し、予測し、各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を生成し且つスマート制御システムに送信し、
スマート制御システムは、焼成専門最適化システムの各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を受信し、且つ各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度を調整制御し、事前調整方式によりセメント窯炉の炭素系酸素富化燃焼システムの関連パラメータに対する自動調整及びマッチングを実現し、
前記燃焼方法は、
専用圧力酸素ガス製造装置により圧力窒素ガスを製造してセメント窯炉の集塵装置に送り込み、除塵風とし、専用圧力酸素ガス製造装置により圧力酸素ガスを製造して圧力酸素ガスバッファタンクに送り込み、圧力酸素ガスバッファタンクから一つの経路で圧力酸素ガスを導出して第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込み、もう一つの経路で圧力酸素ガスを導出して第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込む工程と、
常圧酸素ガス製造装置により常圧酸素ガスを製造して常圧酸素ガスバッファタンクに送り込み、常圧酸素ガスバッファタンクから常圧酸素ガスを導出して第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込む工程と、
循環煙道ガスをセメント窯炉の予熱器から出し、循環煙道ガス回収装置により熱回収、除塵及び脱硫した後、二つの経路に分け、一つの経路における循環煙道ガスを循環煙道ガスファンにより加圧した後に第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器と第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器にそれぞれ導入し、もう一つの経路における循環煙道ガスを第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に導入する工程と、
圧力酸素ガスと循環煙道ガスを第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、絞った後に25~50%のOを含むとともに圧力が50~70Kpaである中圧炭素系酸素富化製品を提供して回転窯と分解炉の石炭供給風として用いる工程と、
圧力酸素ガスと循環煙道ガスを第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、異なる程度の絞りを行った後に、回転窯燃焼器の旋回流風に用いられる、25~50%のOを含むとともに圧力が20~40Kpaである低圧炭素系酸素富化製品、及び、回転窯燃焼器の外軸流風と内軸流風にそれぞれ用いられる、25~50%のOを含むとともに圧力が80~100Kpaである高圧炭素系酸素富化製品をそれぞれ提供する工程と、
常圧酸素ガスと循環煙道ガスを第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、さらに炭素系空気ファンにより加圧して酸素含有量が空気に近いとともに圧力が3~10Kpaである炭素系空気製品を提供し、グレート冷却機に送り込んでクリンカを降温し、その後に二つの経路に分け、回転窯、分解炉にそれぞれ送り込む工程と、
正確測温分析システムにより回転窯内の異なる位置の火炎温度をリアルタイムに収集し、処理した後に回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを得て、且つ焼成専門最適化システムにリアルタイムに送信する工程と、
焼成専門最適化システムにより正確測温分析システムから送信された回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを受信し、セメント窯炉の現場実測データと結合し、セメントの最適化焼成状態を評価し、予測し、各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を生成し且つスマート制御システムに送信する工程と、
スマート制御システムにより焼成専門最適化システムの各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を受信し、且つ各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度を調整制御し、事前調整方式によりセメント窯炉の炭素系酸素富化燃焼システムの関連パラメータに対する自動調整及びマッチングを実現する工程と、
を含むことを特徴とするセメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法。
【請求項3】
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器及び第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器における酸素ガス分配器において隣接する三つの小孔はいずれも同じ正三角形に基づいて設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法。
【請求項4】
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器及び第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器における酸素ガス分配器は混合器内において循環煙道ガス通路に連通する側に近接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法。
【請求項5】
正確測温分析システムは温度収集モジュール、データ処理及び制御モジュール、並びに表示モジュールを含み、
温度収集モジュールは赤外線高温温度計であり、回転窯内の異なる位置の火炎温度データをリアルタイムに収集し、且つ収集されたデータをデータ処理及び制御モジュールに送信し、
データ処理及び制御モジュールは、温度収集モジュールから送信されたデータを受信し、処理した後に回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを得て、且つ焼成専門最適化システム及び表示モジュールに送信し、
表示モジュールは、回転窯内の火炎温度分布及び形状をリアルタイムに表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載のセメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法。
【請求項6】
焼成専門最適化システムはセメント窯炉現場の各実測データの統計、分析及び原理的計算により、200~230本のセメント窯炉の熱状態校正データの分析、総括、照合を合わせて、回転窯内の火炎形状及び温度分布を監視することで、セメントの最適化焼成状態を評価し、予測し、各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を生成し且つスマート制御システムに送信することを実現することを特徴とする請求項2に記載のセメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は酸素富化燃焼の技術分野に関し、具体的にセメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化が生態安全、水資源安全、食糧安全等の各方面に触れるにつれ、極端な気候災害発生のリスクを高め、人類の生存環境を深刻に脅かしている。温室効果ガスの排出は地球温暖化を引き起こす最も主要な要素であり、二酸化炭素による温室効果はすべてのガスが発生する温室効果の70%以上を占めているため、二酸化炭素の排出削減は早急に解決すべき問題であり、温室効果を抑制し、地球温暖化を緩和するために極めて重要である。セメント業界は二酸化炭素排出量の多い業界であり、カーボンニュートラルの目標の下、セメント業界にとって二酸化炭素排出削減は特に切実である。
【0003】
現在、セメント業界は空気の代わりに酸素富化ガスをセメント窯炉に導入し、セメント窯炉の助燃ガスにおける酸素含有量を高め、燃料の燃焼効果を効果的に増強し、顕著な省エネルギー効果を達成している。現在酸素富化ガスは酸素と空気で混合されることが多い。ガス放射の特徴に基づき、多原子ガス(三原子ガスを含む)のみが放射能力を有し、二原子はほとんど放射能力がなく、空気における窒素ガスの存在によってセメント窯炉内の放射強度が低下し、省エネルギーと消費低減に不利であり、且つ窒素ガスは高温で酸素ガスと反応してNOを生成し、NOは人体の健康に深刻な危害をもたらし、生態環境を破壊する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、従来技術の不足を解決するために、セメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法を提供することである。
【0005】
本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
【0006】
セメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法であって、前記燃焼方法に必要なシステムは、専用圧力酸素ガス製造装置、圧力酸素ガスバッファタンク、常圧酸素ガス製造装置、常圧酸素ガスバッファタンク、第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、循環煙道ガスファン、炭素系空気ファン及び循環煙道ガス回収装置を含み、
前記専用圧力酸素ガス製造装置はフィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、電気ヒータ、主熱交換器、精留塔I、主凝縮蒸発器I、精留塔II、主凝縮蒸発器II、精留塔III、主凝縮蒸発器III、過冷却器、膨張機、及び液体窒素ポンプを含み、前記タービン空気圧縮機はセメント窯炉に本来セットされている空気圧縮機システムであり、
フィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、及び電気ヒータはコールドボックスの外に配置され、主熱交換器、精留塔I、主凝縮蒸発器I、精留塔II、主凝縮蒸発器II、精留塔III、主凝縮蒸発器III、過冷却器、膨張機、及び液体窒素ポンプはコールドボックス内に配置され、主凝縮蒸発器Iは精留塔Iの上に配置され、主凝縮蒸発器IIは精留塔IIの上に配置され、主凝縮蒸発器IIIは精留塔IIIの底部に配置され、
フィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、主熱交換器は順次接続され、主熱交換器は精留塔Iの底部の原料空気入口に接続され、
精留塔Iの底部の液体空気(liquid air)出口は過冷却器に接続され、過冷却器は主凝縮蒸発器Iに接続され、過冷却器と主凝縮蒸発器Iとの接続管路に絞り弁が設けられ、主凝縮蒸発器Iの酸素富化空気出口は精留塔IIの底部に接続され、主凝縮蒸発器Iの液体空気出口は主凝縮蒸発器IIに接続され、
精留塔Iの頂部の圧力窒素ガス出口は主凝縮蒸発器I、主凝縮蒸発器III、主熱交換器にそれぞれ接続され、主凝縮蒸発器Iの液体窒素出口は精留塔Iの頂部に接続され、主熱交換器は圧力窒素ガス製品の供給配管に接続され、
精留塔IIの底部の酸素富化液体空気出口は主凝縮蒸発器II、精留塔IIIの頂部にそれぞれ接続され、精留塔IIの底部の酸素富化液体空気出口と主凝縮蒸発器II、精留塔IIIの頂部との接続管路のいずれにも絞り弁が設けられ、主凝縮蒸発器IIの汚染窒素ガス出口は過冷却器に接続され、過冷却器は主熱交換器の汚染窒素ガス入口に接続され、主熱交換器の汚染窒素ガス出口は外部ブローダウン配管(blow-down pipe)、電気ヒータにそれぞれ接続され、電気ヒータは交替使用の分子ふるい吸着器に接続され、
精留塔IIの頂部の低圧窒素ガス出口は主凝縮蒸発器IIに接続され、主凝縮蒸発器IIの液体窒素出口は精留塔IIの頂部、液体窒素ポンプの入口にそれぞれ接続され、液体窒素ポンプの出口は精留塔Iの頂部に接続され、
主凝縮蒸発器IIIは精留塔IIIの底部に位置し、精留塔IIIの酸素ガス出口は主熱交換器に接続され、主熱交換器は圧力酸素ガス製品の供給配管に接続され、主凝縮蒸発器IIIの液体窒素出口は精留塔Iの頂部に接続され、精留塔IIIの液体酸素出口は液体酸素製品の供給配管に接続され、
精留塔IIIの頂部の加圧汚染窒素ガスは過冷却器に接続され、過冷却器は主熱交換器に接続され、主熱交換器の部分的復熱出口は膨張機に接続され、膨張機はさらに主熱交換器の汚染窒素ガス入口に接続され、
前記専用圧力酸素ガス製造装置により圧力酸素ガス製品を製造するとき、
原料空気をフィルタにより濾過して塵埃と機械的不純物を除去した後、タービン空気圧縮機に入れて空気を設定圧力まで圧縮し、その後、空気予冷ユニットにより予冷した後に交替使用の分子ふるい吸着器に入れて精製する工程一と、
精製された原料空気の一部を計器用空気として用い、残りの部分を主熱交換器に入れて飽和温度まで冷却して一定の水分を帯びさせた後に精留塔Iの底部に入れて精留に関連させる工程二と、
空気を精留塔Iにより精留して液体空気と圧力窒素ガスに分離し、液体空気を過冷却器により過冷却し、絞り弁により絞った後に主凝縮蒸発器Iに入れてヒートシンクとして圧力窒素ガスと熱交換させ、液体空気を酸素富化空気に気化させ、酸素富化空気を精留塔IIの底部に導入して精留に関連させ、同時に主凝縮蒸発器Iから一部の液体空気を導出し、主凝縮蒸発器IIに入れてヒートシンクとし、一部の圧力窒素ガスを主凝縮蒸発器Iに導入して熱源として液体空気と熱交換させ、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させ、液体窒素を精留塔Iの頂部に導入して還流液とし、一部の圧力窒素ガスを主凝縮蒸発器IIIに導入して熱源とし、残りの圧力窒素ガスを主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出して圧力窒素ガス製品とする工程三と、
液体窒素及び酸素富化空気を精留塔IIにより精留した後に精留塔IIの底部から酸素富化液体空気を取得し、精留塔IIの頂部から低圧窒素ガスを取得し、一部の酸素富化液体空気を導出して絞り弁により絞った後に主凝縮蒸発器IIに入れてヒートシンクとして低圧窒素ガスと熱交換させ、酸素富化液体空気を汚染窒素ガスに気化させ、汚染窒素ガスを過冷却器、主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出し、一部の汚染窒素ガスを交替使用の分子ふるい吸着器の再生ガスとして用い、残りをブローダウンし、残りの酸素富化液体空気を絞り弁により絞った後に精留塔IIIの頂部に導入して精留に関連させ、低圧窒素ガスを主凝縮蒸発器IIに導入して熱源として酸素富化液体空気と熱交換させ、低圧窒素ガスを液体窒素に液化させ、一部の液体窒素を精留塔IIの頂部に導入して精留に関連させ、残りの液体窒素を液体窒素ポンプにより加圧した後に精留塔Iの頂部に導入して還流液とする工程四と、
酸素富化液体空気を精留塔IIIにより精留して液体酸素と加圧汚染窒素ガスに分離し、液体酸素を主凝縮蒸発器IIIのヒートシンクとし、精留塔Iから導入された圧力窒素ガスと熱交換させ、液体酸素を酸素ガスに気化させ、一部の酸素ガスを導出して主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出して圧力酸素ガス製品とし、残りの酸素ガスを精留塔IIIの上昇ガスとし、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させ、液体窒素を精留塔Iの頂部に導入して還流液とし、同時に精留塔IIIの底部から一部の液体酸素を導出して液体酸素製品とし、加圧汚染窒素ガスを過冷却器により復熱し、主熱交換器により部分的に復熱した後に膨張機に入れて膨張させ、その後、主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出し、一部を交替使用の分子ふるい吸着器の再生ガスとして用い、残りをブローダウンする工程五と、を含み、
専用圧力酸素ガス製造装置により製造された圧力窒素ガス製品は、純度が3ppmO未満であり、圧力が0.68~0.95MpaGであり、製造された圧力酸素ガス製品は、純度が90~99.6%であり、圧力が0.1~0.3MpaGであり、
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器及び第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器は、酸素ガス通路、酸素ガス通路調節弁、循環煙道ガス通路、酸素ガス分配器、混合器、炭素系酸素富化通路、及び酸素ガス濃度分析装置を含み、酸素ガス分配器は中空円筒であり、中空円筒の周壁に複数の小孔が均一に設けられ、混合器は中空円筒であり、酸素ガス通路調節弁は酸素ガス通路に設けられ、酸素ガス通路の出口は酸素ガス分配器の端部に連通し、酸素ガス分配器と一部の酸素ガス通路とは混合器の側壁から混合器内に挿入され、循環煙道ガス通路の出口は混合器の一端に連通し、炭素系酸素富化通路の入口は混合器の他端に連通し、酸素ガス濃度分析装置は炭素系酸素富化通路に配置され、
専用圧力酸素ガス製造装置の圧力酸素ガス製品出口は圧力酸素ガスバッファタンクに接続され、圧力酸素ガスバッファタンクの第一出口は第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、圧力酸素ガスバッファタンクの第二出口は第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、専用圧力酸素ガス製造装置の圧力窒素ガス製品出口はセメント窯炉の除塵機に接続され、
常圧酸素ガス製造装置の常圧酸素ガス製品出口は常圧酸素ガスバッファタンクに接続され、常圧酸素ガスバッファタンクの出口は第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、
循環煙道ガス回収装置の入口はセメント窯炉の予熱器の循環煙道ガス出口に接続され、循環煙道ガス回収装置の出口から二つの経路に分けられ、一つは循環煙道ガスファンに接続され、循環煙道ガスファンの出口は第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口にそれぞれ接続され、もう一つは第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口に接続され、
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口には回転窯と分解炉の石炭供給風に用いられる中圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口は3つの経路に分けられ、一つには回転窯燃焼器の旋回流風に用いられる低圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、一つには回転窯燃焼器の内軸流風に用いられる高圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、もう一つには回転窯燃焼器の外軸流風に用いられる高圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口は炭素系空気ファンに接続され、炭素系空気ファンの出口はグレート冷却機に接続され、グレート冷却機はさらに回転窯、分解炉にそれぞれ接続され、
前記燃焼方法は、
専用圧力酸素ガス製造装置により圧力窒素ガスを製造してセメント窯炉の集塵装置に送り込み、除塵風とし、専用圧力酸素ガス製造装置により圧力酸素ガスを製造して圧力酸素ガスバッファタンクに送り込み、圧力酸素ガスバッファタンクから一つの経路で圧力酸素ガスを導出して第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込み、もう一つの経路で圧力酸素ガスを導出して第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込む工程と、
常圧酸素ガス製造装置により常圧酸素ガスを製造して常圧酸素ガスバッファタンクに送り込み、常圧酸素ガスバッファタンクから常圧酸素ガスを導出して第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込む工程と、
循環煙道ガスをセメント窯炉の予熱器から出し、循環煙道ガス回収装置により熱回収、除塵及び脱硫した後、二つの経路に分け、一つの経路における循環煙道ガスを循環煙道ガスファンにより加圧した後に第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器と第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器にそれぞれ導入し、もう一つの経路における循環煙道ガスを第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に導入する工程と、
圧力酸素ガスと循環煙道ガスを第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、絞った後に25~50%のOを含むとともに圧力が50~70Kpaである中圧炭素系酸素富化製品を提供して回転窯と分解炉の石炭供給風として用いる工程と、
圧力酸素ガスと循環煙道ガスを第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、異なる程度の絞りを行った後に、回転窯燃焼器の旋回流風に用いられる、25~50%のOを含むとともに圧力が20~40Kpaである低圧炭素系酸素富化製品、及び、回転窯燃焼器の外軸流風と内軸流風にそれぞれ用いられる、25~50%のOを含むとともに圧力が80~100Kpaである高圧炭素系酸素富化製品をそれぞれ提供する工程と、
常圧酸素ガスと循環煙道ガスを第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、さらに炭素系空気ファンにより加圧して酸素含有量が空気に近いとともに圧力が3~10Kpaである炭素系空気製品を提供し、グレート冷却機に送り込んでクリンカを降温し、その後に二つの経路に分け、回転窯、分解炉にそれぞれ送り込む工程と、を含む。
【0007】
セメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法であって、前記燃焼方法に必要なシステムは、専用圧力酸素ガス製造装置、圧力酸素ガスバッファタンク、常圧酸素ガス製造装置、常圧酸素ガスバッファタンク、第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、循環煙道ガスファン、炭素系空気ファン、循環煙道ガス回収装置、正確測温分析システム、焼成専門最適化システム及びスマート制御システムを含み、
前記専用圧力酸素ガス製造装置はフィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、電気ヒータ、主熱交換器、精留塔I、主凝縮蒸発器I、精留塔II、主凝縮蒸発器II、精留塔III、主凝縮蒸発器III、過冷却器、膨張機、及び液体窒素ポンプを含み、前記タービン空気圧縮機はセメント窯炉に本来セットされている空気圧縮機システムであり、
フィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、及び電気ヒータはコールドボックスの外に配置され、主熱交換器、精留塔I、主凝縮蒸発器I、精留塔II、主凝縮蒸発器II、精留塔III、主凝縮蒸発器III、過冷却器、膨張機、及び液体窒素ポンプはコールドボックス内に配置され、主凝縮蒸発器Iは精留塔Iの上に配置され、主凝縮蒸発器IIは精留塔IIの上に配置され、主凝縮蒸発器IIIは精留塔IIIの底部に配置され、
フィルタ、タービン空気圧縮機、空気予冷ユニット、交替使用の分子ふるい吸着器、主熱交換器は順次接続され、主熱交換器は精留塔Iの底部の原料空気入口に接続され、
精留塔Iの底部の液体空気出口は過冷却器に接続され、過冷却器は主凝縮蒸発器Iに接続され、過冷却器と主凝縮蒸発器Iとの接続管路に絞り弁が設けられ、主凝縮蒸発器Iの酸素富化空気出口は精留塔IIの底部に接続され、主凝縮蒸発器Iの液体空気出口は主凝縮蒸発器IIに接続され、
精留塔Iの頂部の圧力窒素ガス出口は主凝縮蒸発器I、主凝縮蒸発器III、主熱交換器にそれぞれ接続され、主凝縮蒸発器Iの液体窒素出口は精留塔Iの頂部に接続され、主熱交換器は圧力窒素ガス製品の供給配管に接続され、
精留塔IIの底部の酸素富化液体空気出口は主凝縮蒸発器II、精留塔IIIの頂部にそれぞれ接続され、精留塔IIの底部の酸素富化液体空気出口と主凝縮蒸発器II、精留塔IIIの頂部との接続管路のいずれにも絞り弁が設けられ、主凝縮蒸発器IIの汚染窒素ガス出口は過冷却器に接続され、過冷却器は主熱交換器の汚染窒素ガス入口に接続され、主熱交換器の汚染窒素ガス出口は外部ブローダウン配管、電気ヒータにそれぞれ接続され、電気ヒータは交替使用の分子ふるい吸着器に接続され、
精留塔IIの頂部の低圧窒素ガス出口は主凝縮蒸発器IIに接続され、主凝縮蒸発器IIの液体窒素出口は精留塔IIの頂部、液体窒素ポンプの入口にそれぞれ接続され、液体窒素ポンプの出口は精留塔Iの頂部に接続され、
主凝縮蒸発器IIIは精留塔IIIの底部に位置し、精留塔IIIの酸素ガス出口は主熱交換器に接続され、主熱交換器は圧力酸素ガス製品の供給配管に接続され、主凝縮蒸発器IIIの液体窒素出口は精留塔Iの頂部に接続され、精留塔IIIの液体酸素出口は液体酸素製品の供給配管に接続され、
精留塔IIIの頂部の加圧汚染窒素ガスは過冷却器に接続され、過冷却器は主熱交換器に接続され、主熱交換器の部分的復熱出口は膨張機に接続され、膨張機はさらに主熱交換器の汚染窒素ガス入口に接続され、
前記専用圧力酸素ガス製造装置により圧力酸素ガス製品を製造するとき、
原料空気をフィルタにより濾過して塵埃と機械的不純物を除去した後、タービン空気圧縮機に入れて空気を設定圧力まで圧縮し、その後、空気予冷ユニットにより予冷した後に交替使用の分子ふるい吸着器に入れて精製する工程一と、
精製された原料空気の一部を計器用空気として用い、残りの部分を主熱交換器に入れて飽和温度まで冷却して一定の水分を帯びさせた後に精留塔Iの底部に入れて精留に関連させる工程二と、
空気を精留塔Iにより精留して液体空気と圧力窒素ガスに分離し、液体空気を過冷却器により過冷却し、絞り弁により絞った後に主凝縮蒸発器Iに入れてヒートシンクとして圧力窒素ガスと熱交換させ、液体空気を酸素富化空気に気化させ、酸素富化空気を精留塔IIの底部に導入して精留に関連させ、同時に主凝縮蒸発器Iから一部の液体空気を導出し、主凝縮蒸発器IIに入れてヒートシンクとし、一部の圧力窒素ガスを主凝縮蒸発器Iに導入して熱源として液体空気と熱交換させ、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させ、液体窒素を精留塔Iの頂部に導入して還流液とし、一部の圧力窒素ガスを主凝縮蒸発器IIIに導入して熱源とし、残りの圧力窒素ガスを主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出して圧力窒素ガス製品とする工程三と、
液体窒素及び酸素富化空気を精留塔IIにより精留した後に精留塔IIの底部から酸素富化液体空気を取得し、精留塔IIの頂部から低圧窒素ガスを取得し、一部の酸素富化液体空気を導出して絞り弁により絞った後に主凝縮蒸発器IIに入れてヒートシンクとして低圧窒素ガスと熱交換させ、酸素富化液体空気を汚染窒素ガスに気化させ、汚染窒素ガスを過冷却器、主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出し、一部の汚染窒素ガスを交替使用の分子ふるい吸着器の再生ガスとして用い、残りをブローダウンし、残りの酸素富化液体空気を絞り弁により絞った後に精留塔IIIの頂部に導入して精留に関連させ、低圧窒素ガスを主凝縮蒸発器IIに導入して熱源として酸素富化液体空気と熱交換させ、低圧窒素ガスを液体窒素に液化させ、一部の液体窒素を精留塔IIの頂部に導入して精留に関連させ、残りの液体窒素を液体窒素ポンプにより加圧した後に精留塔Iの頂部に導入して還流液とする工程四と、
酸素富化液体空気を精留塔IIIにより精留して液体酸素と加圧汚染窒素ガスに分離し、液体酸素を主凝縮蒸発器IIIのヒートシンクとし、精留塔Iから導入された圧力窒素ガスと熱交換させ、液体酸素を酸素ガスに気化させ、一部の酸素ガスを導出して主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出して圧力酸素ガス製品とし、残りの酸素ガスを精留塔IIIの上昇ガスとし、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させ、液体窒素を精留塔Iの頂部に導入して還流液とし、同時に精留塔IIIの底部から一部の液体酸素を導出して液体酸素製品とし、加圧汚染窒素ガスを過冷却器により復熱し、主熱交換器により部分的に復熱した後に膨張機に入れて膨張させ、その後、主熱交換器により復熱した後にコールドボックスから出し、一部を交替使用の分子ふるい吸着器の再生ガスとして用い、残りをブローダウンする工程五と、を含み、
専用圧力酸素ガス製造装置により製造された圧力窒素ガス製品は、純度が3ppmO未満であり、圧力が0.68~0.95MpaGであり、製造された圧力酸素ガス製品は、純度が90~99.6%であり、圧力が0.1~0.3MpaGであり、
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器及び第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器は、酸素ガス通路、酸素ガス通路調節弁、循環煙道ガス通路、酸素ガス分配器、混合器、炭素系酸素富化通路、及び酸素ガス濃度分析装置を含み、酸素ガス分配器は中空円筒であり、中空円筒の周壁に複数の小孔が均一に設けられ、混合器は中空円筒であり、酸素ガス通路調節弁は酸素ガス通路に設けられ、酸素ガス通路の出口は酸素ガス分配器の端部に連通し、酸素ガス分配器と一部の酸素ガス通路とは混合器の側壁から混合器内に挿入され、循環煙道ガス通路の出口は混合器の一端に連通し、炭素系酸素富化通路の入口は混合器の他端に連通し、酸素ガス濃度分析装置は炭素系酸素富化通路に配置され、
専用圧力酸素ガス製造装置の圧力酸素ガス製品出口は圧力酸素ガスバッファタンクに接続され、圧力酸素ガスバッファタンクの第一出口は第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、圧力酸素ガスバッファタンクの第二出口は第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、専用圧力酸素ガス製造装置の圧力窒素ガス製品出口はセメント窯炉の除塵機に接続され、
常圧酸素ガス製造装置の常圧酸素ガス製品出口は常圧酸素ガスバッファタンクに接続され、常圧酸素ガスバッファタンクの出口は第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、
循環煙道ガス回収装置の入口はセメント窯炉の予熱器の循環煙道ガス出口に接続され、循環煙道ガス回収装置の出口から二つの経路に分けられ、一つは循環煙道ガスファンに接続され、循環煙道ガスファンの出口は第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口にそれぞれ接続され、もう一つは第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口に接続され、
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口には回転窯と分解炉の石炭供給風に用いられる中圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口は3つの経路に分けられ、一つには回転窯燃焼器の旋回流風に用いられる低圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、一つには回転窯燃焼器の内軸流風に用いられる高圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、もう一つには回転窯燃焼器の外軸流風に用いられる高圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口は炭素系空気ファンに接続され、炭素系空気ファンの出口はグレート冷却機に接続され、グレート冷却機はさらに回転窯、分解炉にそれぞれ接続され、
正確測温分析システムは、回転窯内の異なる位置の火炎温度をリアルタイムに収集し、処理した後に回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを得て、且つ焼成専門最適化システムにリアルタイムに送信するために用いられ、
焼成専門最適化システムは、正確測温分析システムから送信された回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを受信し、セメント窯炉の現場実測データと結合し、セメントの最適化焼成状態を評価し、予測し、各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を生成し且つスマート制御システムに送信し、
スマート制御システムは、焼成専門最適化システムの各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を受信し、且つ各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度を調整制御し、事前調整方式によりセメント窯炉の炭素系酸素富化燃焼システムの関連パラメータに対する自動調整及びマッチングを実現し、
前記燃焼方法は、
専用圧力酸素ガス製造装置により圧力窒素ガスを製造してセメント窯炉の集塵装置に送り込み、除塵風とし、専用圧力酸素ガス製造装置により圧力酸素ガスを製造して圧力酸素ガスバッファタンクに送り込み、圧力酸素ガスバッファタンクから一つの経路で圧力酸素ガスを導出して第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込み、もう一つの経路で圧力酸素ガスを導出して第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込む工程と、
常圧酸素ガス製造装置により常圧酸素ガスを製造して常圧酸素ガスバッファタンクに送り込み、常圧酸素ガスバッファタンクから常圧酸素ガスを導出して第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込む工程と、
循環煙道ガスをセメント窯炉の予熱器から出し、循環煙道ガス回収装置により熱回収、除塵及び脱硫した後、二つの経路に分け、一つの経路における循環煙道ガスを循環煙道ガスファンにより加圧した後に第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器と第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器にそれぞれ導入し、もう一つの経路における循環煙道ガスを第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に導入する工程と、
圧力酸素ガスと循環煙道ガスを第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、絞った後に25~50%のOを含むとともに圧力が50~70Kpaである中圧炭素系酸素富化製品を提供して回転窯と分解炉の石炭供給風として用いる工程と、
圧力酸素ガスと循環煙道ガスを第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、異なる程度の絞りを行った後に、回転窯燃焼器の旋回流風に用いられる、25~50%のOを含むとともに圧力が20~40Kpaである低圧炭素系酸素富化製品、及び、回転窯燃焼器の外軸流風と内軸流風にそれぞれ用いられる、25~50%のOを含むとともに圧力が80~100Kpaである高圧炭素系酸素富化製品をそれぞれ提供する工程と、
常圧酸素ガスと循環煙道ガスを第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、さらに炭素系空気ファンにより加圧して酸素含有量が空気に近いとともに圧力が3~10Kpaである炭素系空気製品を提供し、グレート冷却機に送り込んでクリンカを降温し、その後に二つの経路に分け、回転窯、分解炉にそれぞれ送り込む工程と、
正確測温分析システムにより回転窯内の異なる位置の火炎温度をリアルタイムに収集し、処理した後に回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを得て、且つ焼成専門最適化システムにリアルタイムに送信する工程と、
焼成専門最適化システムにより正確測温分析システムから送信された回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを受信し、セメント窯炉の現場実測データと結合し、セメントの最適化焼成状態を評価し、予測し、各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を生成し且つスマート制御システムに送信する工程と、
スマート制御システムにより焼成専門最適化システムの各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を受信し、且つ各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度を調整制御し、事前調整方式によりセメント窯炉の炭素系酸素富化燃焼システムの関連パラメータに対する自動調整及びマッチングを実現する工程と、を含む。
【0008】
さらに、第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器及び第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器における酸素ガス分配器において隣接する三つの小孔はいずれも同じ正三角形に基づいて設けられている。
【0009】
さらに、第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器及び第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器における酸素ガス分配器は混合器内において循環煙道ガス通路に連通する側に近接する。
【0010】
さらに、正確測温分析システムは温度収集モジュール、データ処理及び制御モジュール、並びに表示モジュールを含み、
温度収集モジュールは赤外線高温温度計であり、回転窯内の異なる位置の火炎温度データをリアルタイムに収集し、且つ収集されたデータをデータ処理及び制御モジュールに送信し、
データ処理及び制御モジュールは、温度収集モジュールから送信されたデータを受信し、処理した後に回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを得て、且つ焼成専門最適化システム及び表示モジュールに送信し、
表示モジュールは、回転窯内の火炎温度分布及び形状をリアルタイムに表示する。
【0011】
さらに、焼成専門最適化システムはセメント窯炉現場の各実測データの統計、分析及び原理的計算により、200本程度(200~230本)のセメント窯炉の熱状態校正(Thermal condition calibration)データの分析、総括、照合を合わせて、回転窯内の火炎形状及び温度分布を監視することで、セメントの最適化焼成状態を評価し、予測し、各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を生成し且つスマート制御システムに送信することを実現する。
【発明の効果】
【0012】
1 本発明はセメント窯炉において発生した煙道ガスをある程度循環させ、セメント窯炉の煙道ガスにおける二酸化炭素を濃縮富化させ、二酸化炭素に富むセメント窯炉の循環煙道ガスと圧力酸素ガスを混合して炭素系酸素富化ガスとし、循環煙道ガスと常圧酸素ガスを混合して炭素系空気とし、セメント窯炉の助燃ガスとして、セメント窯炉内の放射強度を大幅に向上させることができ、顕著な省エネルギー効果を達成し、且つNOの生成と排出を大幅に低減させ、同時に煙道ガスの排出量を低減させることができる。また、煙道ガスを循環させることにより、二酸化炭素の濃度を向上させ、二酸化炭素の捕集をより容易にし、低コストCCUS(炭素捕捉、炭素利用、炭素貯蔵)に有利な条件を作る。従来技術の空気助燃の燃焼メカニズムはC+O+N→CO+HO+NOであるが、本発明の炭素系酸素富化/炭素系空気(CO+O)助燃の燃焼メカニズムはC+O+CO→CO+HOである。
【0013】
2 本発明は三種類の異なる炭素系酸素富化製品を提供することができ、循環煙道ガスと圧力酸素ガスを混合した後に絞り弁により異なる程度で絞ることで、回転窯と分解炉の石炭供給風に用いられる中圧炭素系酸素富化製品を提供し、回転窯燃焼器の旋回流風に用いられる低圧炭素系酸素富化製品を提供し、回転窯燃焼器の軸流風(外軸流風と内軸流風)に用いられる高圧炭素系酸素富化製品を提供し、軸流風、旋回流風、石炭供給風に用いられる炭素系酸素富化製品の酸素成分含有量が高く、これは微粉炭の高効率燃焼を効果的に促進する。本発明はさらに炭素系空気製品を提供し、循環煙道ガスと常圧酸素ガスを混合して炭素系空気製品とし、グレート冷却機の冷却風に用い、続いて回転窯、分解炉に送り込み、二次風と三次風とする。
【0014】
3 本発明の専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器における酸素ガス分配器は中空円筒であり、中空円筒の周壁に複数の小孔が均一に設けられ、先端と底端に小孔が設けられない。酸素ガス通路の出口は酸素ガス分配器の端部に連通し、酸素ガス分配器と一部の酸素ガス通路とは混合器の側壁から混合器内に挿入され、酸素ガスは酸素ガス通路により酸素ガス分配器に入り、酸素ガス分配器を経て混合器内に均一に分配され、二酸化炭素に富むセメント窯炉の循環煙道ガスと迅速に均一に混合されて炭素系酸素富化/炭素系空気とされることを実現する。
【0015】
4 現在、セメント業界は一般的に空気圧縮機で製造された圧縮空気をセメント窯炉集塵器の除塵風として利用し、圧縮仕事が浪費される一方、圧縮空気を利用し集塵器を除塵すると圧縮空気に含まれる水分、不純物等が集塵器に不利な影響を与えることにもなる。本発明の専用圧力酸素ガス製造装置は既存のセメント窯炉にセットされた空気圧縮機システムを利用して原料圧縮空気を提供し、三塔精留を採用し、圧力窒素ガス製品(3ppmO未満、0.68~0.95MpaG)と圧力酸素ガス製品(90~99.6%、0.1~0.3MpaG)を同時に製造する。圧力酸素ガス製品は二酸化炭素に富むセメント窯炉の循環煙道ガスと混合するために用いられ、セメント窯炉の石炭供給風、軸流風、旋回流風等とすることができ、圧力窒素ガス製品はユーザ(セメント窯炉)に戻って集塵器の除塵に用いられる。
【0016】
5 本発明の専用圧力酸素ガス製造装置は精留塔IIの底部から一部の酸素富化液体空気を導出して精留塔IIIに入れて精留する。精留塔IIの底部の酸素富化液体空気の酸素含有量が高いため、精留塔IIIの分離仕事(separation work)を低減でき、精留塔の段数を減らし、精留塔IIIの抽出効率を向上させ、酸素ガスの生産量を増加することができる。
【0017】
6 本発明の専用圧力酸素ガス製造装置により製造された圧力窒素ガス製品の抽出率は高く、製造された圧力窒素ガス製品を用いて集塵器を除塵し、従来の圧縮空気を用いて除塵する時に圧縮空気が水分、不純物等を有することによって集塵器に悪影響を与えることを回避する。
【0018】
7 本発明の専用圧力酸素ガス製造装置は加圧汚染窒素ガスの還流膨張を採用し、低圧システムの圧力エネルギーを十分に利用し、装置の冷却損失を満たす場合、一部の液体酸素を生成することができる。
【0019】
8 本発明の専用圧力酸素ガス製造装置は精留塔IIと主凝縮蒸発器IIの最低熱交換温度を満たす場合、主凝縮蒸発器Iに入る液体空気の酸素含有量が精留塔IIの酸素富化液体空気の酸素含有量より低いため、精留塔Iに入る空気の圧力を低減することができ、さらに空気圧縮機の排気圧力を低減し、装置全体のエネルギー消費量を低減する。
【0020】
9 本発明の正確測温分析システムは24時間途切れずに回転窯内の微粉炭の燃焼状態をリアルタイムに監視し、火炎温度分布及び形状を記録し、且つデータを焼成専門最適化システムに伝送することができ、さらに火炎温度分布及び形状等を図形形式でディスプレイに表示することができ、プロセス操作者が作業状況に応じて生産状況を随時把握できる。
【0021】
10 本発明の焼成専門最適化システムはセメント窯炉現場の各実測データの統計、分析及び原理的計算により、200本程度(200~230本)のセメント窯炉の熱状態校正データの分析、総括、照合を合わせて、回転窯内の火炎形状及び温度分布を監視することで、セメントの最適化焼成状態を評価し、予測し、各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を生成し且つスマート制御システムに送信することを実現する。事前調整方式によりセメント窯炉の炭素系酸素富化燃焼システムの関連パラメータに対する自動調整及びマッチングを実現し、微粉炭の燃焼火炎形状、長さ及び火力強度を柔軟に調整し、セメント窯炉の焼成システムに最適な運転状態を保持させる。燃焼器による微粉炭の高効率的かつ安定的な燃焼を実現し、微粉炭の使用量を低減させ、焼成材料の品質を向上させ、且つNOの生成と排出を効果的に低減させ、同時に作業員の調整経験とレベル差による窯炉システムの変動を低減させ、セメント窯炉システムの正常な安定的運転を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明のセメント窯炉の炭素系酸素富化燃焼システムの概略図である。
図2】本発明の専用圧力酸素ガス製造装置の構造概略図である。
図3】本発明の専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の構造概略図である。
図4】本発明の専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器における酸素ガス分配器上の小孔の配置概略図である。
図5】本発明の専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器のワークフロー概略図である。
図6】本発明の正確測温分析システムの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施例及び図面を参照して本発明をさらに説明する。以下の実施例は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。
【0024】
セメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼方法であって、その必要なシステムは図1に示すように、専用圧力酸素ガス製造装置、圧力酸素ガスバッファタンク、常圧酸素ガス製造装置、常圧酸素ガスバッファタンク、第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、循環煙道ガスファン、炭素系空気ファン及び循環煙道ガス回収装置を含む。好ましくは、さらに正確測温分析システム、焼成専門最適化システム及びスマート制御システムを含む。
【0025】
専用圧力酸素ガス製造装置は図2に示すように、フィルタ1、タービン空気圧縮機2、空気予冷ユニット3、交替使用の分子ふるい吸着器4、電気ヒータ5、主熱交換器6、精留塔I9、主凝縮蒸発器I10、精留塔II12、主凝縮蒸発器II13、精留塔III14、主凝縮蒸発器III15、過冷却器11、膨張機8、及び液体窒素ポンプ7を含む。そのうち、前記タービン空気圧縮機2はセメント窯炉に本来セットされている空気圧縮機システムである。
【0026】
フィルタ1、タービン空気圧縮機2、空気予冷ユニット3、交替使用の分子ふるい吸着器4、及び電気ヒータ5はコールドボックスの外に配置され、主熱交換器6、精留塔I9、主凝縮蒸発器I10、精留塔II12、主凝縮蒸発器II13、精留塔III14、主凝縮蒸発器III15、過冷却器11、膨張機8、及び液体窒素ポンプ7はコールドボックス内に配置され、主凝縮蒸発器I10は精留塔I9の上に配置され、主凝縮蒸発器II13は精留塔II12の上に配置され、主凝縮蒸発器III15は精留塔III14の底部に配置されている。
【0027】
フィルタ1、タービン空気圧縮機2、空気予冷ユニット3、交替使用の分子ふるい吸着器4、主熱交換器6は順次接続され、主熱交換器6は精留塔I9の底部の原料空気入口に接続されている。
【0028】
精留塔I9の底部の液体空気出口は過冷却器11に接続され、過冷却器11は主凝縮蒸発器I10に接続され、過冷却器11と主凝縮蒸発器I10との接続管路に絞り弁が設けられ、主凝縮蒸発器I10の酸素富化空気出口は精留塔II12の底部に接続され、主凝縮蒸発器I10の液体空気出口は主凝縮蒸発器II13に接続されている。
【0029】
精留塔I9の頂部の圧力窒素ガス出口は主凝縮蒸発器I10、主凝縮蒸発器III15、主熱交換器6にそれぞれ接続され、主凝縮蒸発器I10の液体窒素出口は精留塔I9の頂部に接続されている。主熱交換器6は圧力窒素ガス製品の供給配管に接続されている。
【0030】
精留塔II2の底部の酸素富化液体空気出口は主凝縮蒸発器II13、精留塔III14の頂部にそれぞれ接続され、精留塔II12の底部の酸素富化液体空気出口と主凝縮蒸発器II13、精留塔III14の頂部との接続管路のいずれにも絞り弁が設けられている。主凝縮蒸発器II13の汚染窒素ガス出口は過冷却器11に接続され、過冷却器11は主熱交換器6の汚染窒素ガス入口に接続され、主熱交換器6の汚染窒素ガス出口は外部ブローダウン配管、電気ヒータ5にそれぞれ接続され、電気ヒータ5は交替使用の分子ふるい吸着器4に接続されている。
【0031】
精留塔II12の頂部の低圧窒素ガス出口は主凝縮蒸発器II13に接続され、主凝縮蒸発器II13の液体窒素出口は精留塔II12の頂部、液体窒素ポンプ7の入口にそれぞれ接続され、液体窒素ポンプ7の出口は精留塔I9の頂部に接続されている。
【0032】
主凝縮蒸発器III15は精留塔III14の底部に位置し、精留塔III14の酸素ガス出口は主熱交換器6に接続され、主熱交換器6は圧力酸素ガス製品の供給配管に接続され、主凝縮蒸発器III15の液体窒素出口は精留塔I9の頂部に接続され、精留塔III14の液体酸素出口は液体酸素製品の供給配管に接続されている。
【0033】
精留塔III14の頂部の加圧汚染窒素ガスは過冷却器11に接続され、過冷却器11は主熱交換器6に接続され、主熱交換器6の部分的復熱出口は膨張機8に接続され、膨張機8はさらに主熱交換器6の汚染窒素ガス入口に接続されている。
【0034】
上記各部材の機能は以下のとおりである。
【0035】
フィルタ1は、原料空気中の塵埃と機械的不純物を濾過するために用いられる。
【0036】
タービン空気圧縮機2は、濾過された原料空気を設定圧力まで圧縮するために用いられる。
【0037】
空気予冷ユニット3は、濾過・圧縮された原料空気を予冷するために用いられる。
【0038】
交替使用の分子ふるい吸着器4は、濾過・圧縮・予冷後の原料空気を精製し、水分、CO、C等の物質を除去するために用いられる。
【0039】
電気ヒータ5は、汚染窒素ガスを加熱して交替使用の分子ふるい吸着器4を再生するために用いられる。
【0040】
主熱交換器6は、精製された原料空気を冷却するために用いられ、加圧汚染窒素ガスを部分的に復熱するために用いられ、汚染窒素ガス、圧力窒素ガス、酸素ガス、及び加圧汚染窒素ガスが膨張した汚染窒素ガスを復熱するために用いられる。
【0041】
精留塔I9は、原料空気を精留して液体空気と圧力窒素ガスに分離するために用いられる。
【0042】
主凝縮蒸発器I10は、液体空気と圧力窒素ガスを熱交換させ、液体空気を酸素富化空気に気化させ、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させるために用いられる。
【0043】
精留塔II12は、液体窒素と酸素富化空気を精留して低圧窒素ガスと酸素富化液体空気に分離するために用いられる。
【0044】
主凝縮蒸発器II13は、酸素富化液体空気と低圧窒素ガスを熱交換させ、酸素富化液体空気を汚染窒素ガスに気化させ、低圧窒素ガスを液体窒素に液化させるために用いられる。
【0045】
精留塔III14は、酸素富化液体空気を精留して液体酸素と加圧汚染窒素ガスに分離するために用いられる。
【0046】
主凝縮蒸発器III15は、液体酸素と圧力窒素ガスを熱交換させ、液体酸素を酸素ガスに気化させ、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させるために用いられる。
【0047】
過冷却器11は、液体空気を過冷却するために用いられ、汚染窒素ガス、加圧汚染窒素ガスを過熱するために用いられる。
【0048】
膨張機8は、主熱交換器6により部分的に復熱した後の加圧汚染窒素ガスを膨張させ、冷熱エネルギー(cold energy)を製造するために用いられる。
【0049】
液体窒素ポンプ7は、主凝縮蒸発器II13の液体窒素を加圧するために用いられる。
【0050】
圧力酸素ガス製品を製造する時、以下の工程を含む。
【0051】
工程一、原料空気をフィルタ1により濾過して塵埃と機械的不純物を除去した後、タービン空気圧縮機2に入れて空気を設定圧力0.75~1.0MPaまで圧縮し、その後、空気予冷ユニット3により5~8℃まで予冷した後に交替使用の分子ふるい吸着器4に入れて精製し、水分、CO、C等を除去する。
【0052】
工程二、精製された原料空気の一部を計器用空気として用い(図2では図示せず)、残りの部分を主熱交換器6に入れて飽和温度まで冷却して一定の水分を帯びさせた後に精留塔I9の底部に入れて精留に関連させる。
【0053】
工程三、空気を精留塔I9により精留して液体空気と圧力窒素ガス(圧力は0.68~0.95MpaG)に分離し、液体空気を過冷却器11により過冷却し、絞り弁により絞った後に主凝縮蒸発器I10に入れてヒートシンクとして圧力窒素ガスと熱交換させ、液体空気を酸素富化空気に気化させ、酸素富化空気を精留塔II12の底部に導入して精留に関連させ、同時に主凝縮蒸発器I10から一部の液体空気を導出し、主凝縮蒸発器II13に入れてヒートシンクとし、一部の圧力窒素ガスを主凝縮蒸発器I10に導入して熱源として液体空気と熱交換させ、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させ、液体窒素を精留塔I9の頂部に導入して還流液とし、一部の圧力窒素ガスを主凝縮蒸発器III15に導入して熱源とし、残りの圧力窒素ガスを主熱交換器6により復熱した後にコールドボックスから出して圧力窒素ガス製品(純度は3ppmO未満、圧力は0.68~0.95MpaG)とする。
【0054】
工程四、液体窒素及び酸素富化空気を精留塔II12により精留した後に精留塔II12の底部から酸素富化液体空気を取得し、精留塔II12の頂部から低圧窒素ガス(圧力は0.3~0.5MpaG)を取得し、一部の酸素富化液体空気を導出して絞り弁により絞った後に主凝縮蒸発器II13に入れてヒートシンクとして低圧窒素ガスと熱交換させ、酸素富化液体空気を汚染窒素ガスに気化させ、汚染窒素ガスを過冷却器11、主熱交換器6により復熱した後にコールドボックスから出し、一部の汚染窒素ガスを交替使用の分子ふるい吸着器4の再生ガスに用い、残りをブローダウンし、残りの酸素富化液体空気を絞り弁により絞った後に精留塔III14の頂部に導入して精留に関連させ、低圧窒素ガスを主凝縮蒸発器II13に導入して熱源として酸素富化液体空気と熱交換させ、低圧窒素ガスを液体窒素に液化させ、一部の液体窒素を精留塔II12の頂部に導入して精留に関連させ、残りの液体窒素を液体窒素ポンプ7により加圧した後に精留塔I9の頂部に導入して還流液とする。
【0055】
工程五、酸素富化液体空気を精留塔III14により精留して液体酸素と加圧汚染窒素ガス(圧力は0.25~0.35MpaG)に分離し、液体酸素を主凝縮蒸発器III15のヒートシンクとし、精留塔I9から導入された圧力窒素ガスと熱交換させ、液体酸素を酸素ガスに気化させ、一部の酸素ガスを導出して主熱交換器6により復熱した後にコールドボックスから出して圧力酸素ガス製品(純度は90~99.6%、圧力は0.1~0.3MpaG)とし、残りの酸素ガスを精留塔III14の上昇ガスとし、圧力窒素ガスを液体窒素に液化させ、液体窒素を精留塔I9の頂部に導入して還流液とし、同時に精留塔III14の底部から一部の液体酸素を導出して液体酸素製品とし、加圧汚染窒素ガスを過冷却器11により復熱し、主熱交換器6により部分的に復熱した後に膨張機8に入れて膨張させ、その後、主熱交換器6により復熱した後にコールドボックスから出し、一部を交替使用の分子ふるい吸着器4の再生ガスに用い、残りをブローダウンする。
【0056】
常圧酸素ガス製造装置は空気分離領域の従来の深冷分離法を採用して酸素を製造し、まず空気を濾過し、圧縮し、冷却し、精製し、且つ空気を液化させ、酸素、窒素成分の沸点の違いを利用して精留塔の板に気体と液体を接触させ、質交換と熱交換を行う。高沸点の酸素成分は絶えず蒸気から液体に凝縮し、低沸点の窒素成分は絶えず蒸気に移行し、上昇する蒸気における窒素含有量を絶えず向上させ、下流の液体における酸素含有量がますます高くなり、それにより酸素、窒素を分離して純度が99.6%以上の常圧酸素ガスが得られる。
【0057】
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器及び第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器は、図3図5に示すように、酸素ガス通路01、酸素ガス通路調節弁02、循環煙道ガス通路03、酸素ガス分配器04、混合器05、炭素系酸素富化通路06、及び酸素ガス濃度分析装置07を含む。酸素ガス分配器04は中空円筒であり、中空円筒の周壁に複数の小孔041が均一に設けられ、好ましくは、酸素ガス分配器04において隣接する三つの小孔041はいずれも同じ正三角形に基づいて設けられ、酸素ガスが小孔041を通過した後に循環煙道ガスと迅速かつ均一に混合するのに更に有利である。小孔041の孔径は5~10mmであってもよく、隣接する小孔041の間隔は5~10mmであってもよいが、この寸法に限定されるものではない。混合器05は中空円筒であり、酸素ガス通路調節弁02は酸素ガス通路01に設けられ、酸素ガス通路01の出口は酸素ガス分配器04の端部に連通し、酸素ガス分配器04と一部の酸素ガス通路01とは混合器05の側壁から混合器05内に挿入される。好ましくは、酸素ガス分配器04は混合器05内において循環煙道ガス通路03に連通する側に近接し、酸素ガスと循環煙道ガスとの迅速かつ均一な混合に更に有利である。循環煙道ガス通路03の出口は混合器05の一端に連通し、炭素系酸素富化通路06の入口は混合器05の他端に連通し、炭素系酸素富化通路06の出口はフランジ061を配置することにより固定接続に用いられる。酸素ガス濃度分析装置07は炭素系酸素富化通路06に配置されている。酸素ガス濃度分析装置07はスマート制御システムにより酸素ガス通路調節弁02に接続され、これにより、酸素ガス濃度分析装置07のデータに応じて酸素ガス通路調節弁02の弁開度の調節が実現される。酸素ガス通路01、酸素ガス分配器04の材質はステンレス鋼材質であり、循環煙道ガス通路03、混合器05、炭素系酸素富化通路06の材質はステンレス鋼又は炭素鋼材質であってもよい。
【0058】
炭素系酸素富化/炭素系空気の混合時の輸送過程は以下のとおりである。循環煙道ガスは循環煙道ガス通路03から混合器05に入り、酸素ガスは酸素ガス通路01から酸素ガス分配器04に入り、酸素ガス分配器04により混合器05内に均一に分布して循環煙道ガスと迅速かつ均一に混合した後に炭素系酸素富化通路06からセメント窯炉に送られる。炭素系酸素富化通路06に酸素ガス濃度分析装置07が設けられ、酸素ガス濃度分析装置07のデータに基づいて酸素ガス通路調節弁02の弁開度を制御し、それにより混合器05に入る酸素ガスの含有量をさらに調節する。酸素ガスの含有量が要求を満たす場合、混合が平衡に達する。酸素ガスを調節するときに、酸素ガス通路調節弁02の弁開度を小から大へ調節し始め、酸素ガス濃度が要求を満たすときに、酸素ガス通路調整弁02の弁開度を固定する。
【0059】
専用圧力酸素ガス製造装置の圧力酸素ガス製品出口は圧力酸素ガスバッファタンクに接続され、圧力酸素ガスバッファタンクの第一出口は第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、圧力酸素ガスバッファタンクの第二出口は第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続され、専用圧力酸素ガス製造装置の圧力窒素ガス製品出口はセメント窯炉の除塵機に接続される。
【0060】
常圧酸素ガス製造装置の常圧酸素ガス製品出口は常圧酸素ガスバッファタンクに接続され、常圧酸素ガスバッファタンクの出口は第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の酸素ガス通路の入口に接続される。
【0061】
循環煙道ガス回収装置の入口はセメント窯炉の予熱器の循環煙道ガス出口に接続され、循環煙道ガス回収装置の出口から二つの経路に分けられ、一つは循環煙道ガスファンに接続され、循環煙道ガスファンの出口は第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口にそれぞれ接続され、もう一つは第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の循環煙道ガス通路の入口に接続される。
【0062】
第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口には回転窯と分解炉の石炭供給風に用いられる中圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口は3つの経路に分けられ、一つには回転窯燃焼器の旋回流風に用いられる低圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、一つには回転窯燃焼器の内軸流風に用いられる高圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、もう一つには回転窯燃焼器の外軸流風に用いられる高圧炭素系酸素富化製品を提供するための絞り弁が設けられ、第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器の炭素系酸素富化通路の出口は炭素系空気ファンに接続され、炭素系空気ファンの出口はグレート冷却機に接続され、グレート冷却機はさらに回転窯、分解炉にそれぞれ接続される。
【0063】
正確測温分析システムは、回転窯内の異なる位置の火炎温度をリアルタイムに収集し、処理した後に回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを得て、且つ焼成専門最適化システムにリアルタイムに送信するために用いられる。
【0064】
正確測温分析システムは、図6に示すとおり、温度収集モジュール、データ処理及び制御モジュール、並びに表示モジュールを含む。温度収集モジュールは赤外線高温温度計であり、回転窯内の異なる位置の火炎温度データをリアルタイムに収集し、且つ収集されたデータをデータ処理及び制御モジュールに送信する。データ処理及び制御モジュールは、温度収集モジュールから送信されたデータを受信し、処理した後に回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを得て、且つ焼成専門最適化システム及び表示モジュールに送信する。表示モジュールは、回転窯内の火炎温度分布及び形状をリアルタイムに表示する。
【0065】
正確測温分析システムは24時間途切れずに回転窯内の微粉炭の燃焼状態をリアルタイムに監視し、火炎温度分布及び形状を記録し、且つデータを焼成専門最適化システムに伝送することができ、さらに火炎温度分布及び形状等を図形形式でディスプレイに表示することができ、プロセス操作者が作業状況に応じて生産状況を随時把握できる。
【0066】
焼成専門最適化システムは、正確測温分析システムから送信された回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを受信し、セメント窯炉の現場実測データと結合し、セメントの最適化焼成状態を評価し、予測し、各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を生成し且つスマート制御システムに送信する。
【0067】
具体的に、焼成専門最適化システムはセメント窯炉現場の各実測データの統計、分析及び原理的計算により、200本程度(200~230本)のセメント窯炉の熱状態校正データの分析、総括、照合を合わせて、回転窯内の火炎形状及び温度分布を監視することで、セメントの最適化焼成状態を評価し、予測し、各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を生成し且つスマート制御システムに送信することを実現する。
【0068】
スマート制御システムは、焼成専門最適化システムの各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を受信し、且つ各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度を調整制御し、事前調整方式によりセメント窯炉の炭素系酸素富化燃焼システムの関連パラメータに対する自動調整及びマッチングを実現する。微粉炭の燃焼火炎形状、長さ及び火力強度を柔軟に調整し、セメント窯炉の焼成システムに最適な運転状態を保持させる。
【0069】
上記システムを利用してセメント窯炉における煙道ガス循環用の炭素系酸素富化燃焼を行う方法は、以下の工程を含む。
【0070】
専用圧力酸素ガス製造装置により圧力窒素ガス製品を製造し、圧力窒素ガス製品の純度が3ppmO未満であり、圧力が0.68~0.95MpaGであり、圧力窒素ガス製品をセメント窯炉の集塵装置に送り込み、除塵風とする。専用圧力酸素ガス製造装置により圧力酸素ガス製品を製造し、圧力酸素ガス製品の純度が90~99.6%であり、圧力が0.1~0.3MpaGであり、圧力酸素ガス製品を圧力酸素ガスバッファタンクに送り込み、圧力酸素ガスバッファタンクから一つの経路で圧力酸素ガスを導出して第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込み、もう一つの経路で圧力酸素ガスを導出して第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込む。
【0071】
常圧酸素ガス製造装置により常圧酸素ガスを製造し、常圧酸素ガスの純度が99.6%以上であり、常圧酸素ガスを常圧酸素ガスバッファタンクに送り込み、常圧酸素ガスバッファタンクから常圧酸素ガスを導出して第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に送り込む。
【0072】
循環煙道ガスをセメント窯炉の予熱器から出し、循環煙道ガス回収装置により熱回収、除塵及び脱硫した後、二つの経路に分け、一つの経路における循環煙道ガスを循環煙道ガスファンにより0.1~0.3MpaGまで加圧した後に第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器と第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器にそれぞれ導入し、もう一つの経路における循環煙道ガスを第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器に導入する。
【0073】
圧力酸素ガスと循環煙道ガスを第一専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、絞った後に25~50%のOを含むとともに圧力が50~70Kpaである中圧炭素系酸素富化製品を提供して回転窯と分解炉の石炭供給風として用いる。
【0074】
圧力酸素ガスと循環煙道ガスを第二専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、異なる程度の絞りを行った後に、回転窯燃焼器の旋回流風に用いられる、25~50%のOを含むとともに圧力が20~40Kpaである低圧炭素系酸素富化製品を提供し、回転窯燃焼器の外軸流風と内軸流風にそれぞれ用いられる、25~50%のOを含むとともに圧力が80~100Kpaである高圧炭素系酸素富化製品を提供する。
【0075】
常圧酸素ガスと循環煙道ガスを第三専用高効率酸素ガス/循環煙道ガス混合器で混合し、さらに炭素系空気ファンにより3~10Kpaまで加圧した後、グレート冷却機に送り込んでクリンカを降温し、その後に二つの経路に分け、回転窯、分解炉にそれぞれに送り込み、二次風と三次風とする。
【0076】
好ましくは、以下の工程をさらに含む。
【0077】
正確測温分析システムにより回転窯内の異なる位置の火炎温度をリアルタイムに収集し、処理した後に回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを得て、且つ焼成専門最適化システムにリアルタイムに送信する。
【0078】
焼成専門最適化システムにより正確測温分析システムから送信された回転窯内の火炎温度分布及び形状のデータを受信し、セメント窯炉の現場実測データと結合し、セメントの最適化焼成状態を評価し、予測し、各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を生成し且つスマート制御システムに送信する。
【0079】
スマート制御システムにより焼成専門最適化システムの各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度に対する調整制御命令を受信し、且つ各炭素系酸素富化製品、炭素系空気製品の流量、圧力及び純度を調整制御し、事前調整方式によりセメント窯炉の炭素系酸素富化燃焼システムの関連パラメータに対する自動調整及びマッチングを実現する。微粉炭の燃焼火炎形状、長さ及び火力強度を柔軟に調整し、セメント窯炉の焼成システムに最適な運転状態を保持させる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6