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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-31
(45)【発行日】2023-06-08
(54)【発明の名称】基板処理方法および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230601BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
H01L21/304 643A
H01L21/306 R
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019039966
(22)【出願日】2019-03-05
(65)【公開番号】P2020145289
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】奥谷 学
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 勤
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-111668(JP,A)
【文献】特開2018-056200(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090505(WO,A1)
【文献】特開2001-210615(JP,A)
【文献】特開2016-152354(JP,A)
【文献】特開2015-191952(JP,A)
【文献】特開平11-111673(JP,A)
【文献】特開2003-115474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と対向配置された面状ヒータにより前記基板が加熱されつつ、前記基板の主面に処理液による処理および前記主面を乾燥させる乾燥処理を行う基板処理方法であって、
a)前記面状ヒータを加熱状態とする工程と、
b)前記加熱状態とされた前記面状ヒータに未処理の基板を対向配置する工程と、
c)前記b)工程の後、前記基板を水平状態で回転しつつ薬液成分を含む第1処理液を前記基板の一の主面の中央部に供給し、所定時間経過後に停止する工程と、
d)前記c)工程の少なくとも一部と並行して、前記主面上の前記第1処理液における前記薬液成分の濃度を低下させる第2処理液、前記主面上の前記第1処理液よりも温度が低い第2処理液、または、前記主面よりも温度が低い第2処理液を前記基板の周辺部に供給する工程と、
e)前記c)およびd)工程の後、前記面状ヒータの加熱により前記基板を乾燥させる工程と、
を備え
前記d)工程における前記第2処理液の前記基板の前記周辺部への供給が、前記c)工程における前記第1処理液の前記基板の前記中央部への供給よりも先に開始され、前記第1処理液の前記基板の前記中央部への供給停止よりも先に停止されることを特徴とする基板処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理方法であって、
前記基板の前記主面が上面であり、
前記第2処理液を吐出するノズルが、上下方向において前記基板と重ならない位置に配置され、
前記ノズルにおける前記第2処理液の吐出流量を変更することにより、前記上面において前記ノズルから吐出された前記第2処理液が衝突する位置が変更可能であることを特徴とする基板処理方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理方法であって、
前記基板の前記主面が上面であり、
前記e)工程が、
e1)前記基板の前記上面に有機溶剤である第3処理液を供給して、前記上面全体を覆う前記第3処理液の液膜を形成する工程と、
e2)前記面状ヒータを用いて前記基板を加熱して、前記基板の前記上面と前記液膜との間に前記第3処理液の蒸気層を形成する工程と、
e3)前記蒸気層上の前記液膜の中央部に向けてガスを噴射することにより、前記液膜の前記中央部に穴を形成する工程と、
e4)前記穴に向けてガスを噴射することにより、前記穴を径方向外方へと広げて前記液膜を前記基板上から除去する工程と、
を備えることを特徴とする基板処理方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、
前記b)ないしd)工程において、前記面状ヒータが前記基板から離間しており、前記e)工程において、前記面状ヒータが前記基板に接触する、または、近接することを特徴とする基板処理方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、
前記b)工程と前記c)工程との間であり、かつ前記d)工程よりも前に、前記基板の前記主面に一定温度の第4処理液を供給する第4処理液供給工程をさらに備え
前記第4処理液供給工程において、前記第4処理液の供給により、前記面状ヒータによって加熱された前記基板の前記主面が冷却されることを特徴とする基板処理方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、
前記基板において、前記主面とは反対側の主面が前記面状ヒータと対向する対向面であり、
前記c)工程において、回転する前記基板の前記対向面に一定温度の第5処理液が供給され、前記対向面の全体が前記第5処理液により覆われることを特徴とする基板処理方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、
前記第1処理液が前記薬液成分を含む水溶液であり、
前記第2処理液が純水であることを特徴とする基板処理方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、
f)前記e)工程の後、前記面状ヒータに対向する位置から前記基板を取り出す工程と、
g)前記f)工程の後、未処理の他の基板に対して前記b)ないしe)工程を繰り返す工程と、
を備えることを特徴とする基板処理方法。
【請求項9】
基板処理装置であって、
水平状態で基板を保持する保持部と、
前記基板に対向する面状ヒータと、
前記基板を前記保持部と共に回転する基板回転機構と、
前記基板に処理液を供給する処理液供給部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部が、
a)前記面状ヒータを加熱状態とする工程と、
b)前記保持部により未処理の基板を保持することにより、前記加熱状態とされた前記面状ヒータに前記基板を対向配置する工程と、
c)前記b)工程の後、前記基板回転機構により前記基板を回転しつつ、前記処理液供給部により薬液成分を含む第1処理液を前記基板の一の主面の中央部に供給し、所定時間経過後に停止する工程と、
d)前記c)工程の少なくとも一部と並行して、前記主面上の前記第1処理液における前記薬液成分の濃度を低下させる第2処理液、前記主面上の前記第1処理液よりも温度が低い第2処理液、または、前記主面よりも温度が低い第2処理液を、前記処理液供給部により前記基板の周辺部に供給する工程と、
e)前記c)およびd)工程の後、前記面状ヒータの加熱により前記基板を乾燥させる工程と、
を実行し、
前記d)工程における前記第2処理液の前記基板の前記周辺部への供給が、前記c)工程における前記第1処理液の前記基板の前記中央部への供給よりも先に開始され、前記第1処理液の前記基板の前記中央部への供給停止よりも先に停止されることを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体デバイスの製造では、半導体基板(以下、単に「基板」という。)に対して様々な種類の処理液を供給して処理を行う基板処理装置が用いられている。例えば、表面上にレジストのパターンが形成された基板にエッチング液を供給することにより、基板の表面に対してエッチングが行われる。エッチング後の基板にはリンス液が供給され、基板上のエッチング液が除去される。そして、基板を高速に回転することにより、基板の乾燥が行われる。
【0003】
また、特許文献1および2では、基板上のパターンの倒壊を抑制しつつ基板を乾燥させる乾燥処理が開示されている。当該乾燥処理では、基板上のリンス液を有機溶剤に置換し、その後、ホットプレートを利用して基板の下面を加熱することにより、基板の上面と有機溶剤の液膜との間に有機溶剤の蒸気層が形成される。そして、窒素ガスを噴射して液膜に穴を形成し、さらに穴を広げることにより、有機溶剤の液膜が除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-136599号公報
【文献】特開2016-162847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1および2のように、基板の下面に面状ヒータが対向する装置では、当該面状ヒータの予熱により、基板の温度が意図せずに上昇することがある。この場合、基板を回転しつつ薬液成分を含む処理液を基板の中央部に供給する薬液処理では、基板上の処理液の温度が、外周縁に向かうに従って上昇する。その結果、基板の周辺部(特に、外周縁近傍)において処理液による処理の程度(例えば、エッチング量)が過度に大きくなってしまう。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、面状ヒータの熱による基板の昇温により、薬液成分を含む処理液による処理の程度が、基板の周辺部において過度に大きくなることを抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、基板と対向配置された面状ヒータにより前記基板が加熱されつつ、前記基板の主面に処理液による処理および前記主面を乾燥させる乾燥処理を行う基板処理方法であって、a)前記面状ヒータを加熱状態とする工程と、b)前記加熱状態とされた前記面状ヒータに未処理の基板を対向配置する工程と、c)前記b)工程の後、前記基板を水平状態で回転しつつ薬液成分を含む第1処理液を前記基板の一の主面の中央部に供給し、所定時間経過後に停止する工程と、d)前記c)工程の少なくとも一部と並行して、前記主面上の前記第1処理液における前記薬液成分の濃度を低下させる第2処理液、前記主面上の前記第1処理液よりも温度が低い第2処理液、または、前記主面よりも温度が低い第2処理液を前記基板の周辺部に供給する工程と、e)前記c)およびd)工程の後、前記面状ヒータの加熱により前記基板を乾燥させる工程とを備え、前記d)工程における前記第2処理液の前記基板の前記周辺部への供給が、前記c)工程における前記第1処理液の前記基板の前記中央部への供給よりも先に開始され、前記第1処理液の前記基板の前記中央部への供給停止よりも先に停止される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理方法であって、前記基板の前記主面が上面であり、前記第2処理液を吐出するノズルが、上下方向において前記基板と重ならない位置に配置され、前記ノズルにおける前記第2処理液の吐出流量を変更することにより、前記上面において前記ノズルから吐出された前記第2処理液が衝突する位置が変更可能である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の基板処理方法であって、前記基板の前記主面が上面であり、前記e)工程が、e1)前記基板の前記上面に有機溶剤である第3処理液を供給して、前記上面全体を覆う前記第3処理液の液膜を形成する工程と、e2)前記面状ヒータを用いて前記基板を加熱して、前記基板の前記上面と前記液膜との間に前記第3処理液の蒸気層を形成する工程と、e3)前記蒸気層上の前記液膜の中央部に向けてガスを噴射することにより、前記液膜の前記中央部に穴を形成する工程と、e4)前記穴に向けてガスを噴射することにより、前記穴を径方向外方へと広げて前記液膜を前記基板上から除去する工程とを備える。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、前記b)ないしd)工程において、前記面状ヒータが前記基板から離間しており、前記e)工程において、前記面状ヒータが前記基板に接触する、または、近接する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、前記b)工程と前記c)工程との間であり、かつ前記d)工程よりも前に、前記基板の前記主面に一定温度の第4処理液を供給する第4処理液供給工程をさらに備え、前記第4処理液供給工程において、前記第4処理液の供給により、前記面状ヒータによって加熱された前記基板の前記主面が冷却される。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、前記基板において、前記主面とは反対側の主面が前記面状ヒータと対向する対向面であり、前記c)工程において、回転する前記基板の前記対向面に一定温度の第5処理液が供給され、前記対向面の全体が前記第5処理液により覆われる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、前記第1処理液が前記薬液成分を含む水溶液であり、前記第2処理液が純水である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の基板処理方法であって、f)前記e)工程の後、前記面状ヒータに対向する位置から前記基板を取り出す工程と、g)前記f)工程の後、未処理の他の基板に対して前記b)ないしe)工程を繰り返す工程とを備える。
【0015】
請求項9に記載の発明は、基板処理装置であって、水平状態で基板を保持する保持部と、前記基板に対向する面状ヒータと、前記基板を前記保持部と共に回転する基板回転機構と、前記基板に処理液を供給する処理液供給部と、制御部とを備え、前記制御部が、a)前記面状ヒータを加熱状態とする工程と、b)前記保持部により未処理の基板を保持することにより、前記加熱状態とされた前記面状ヒータに前記基板を対向配置する工程と、c)前記b)工程の後、前記基板回転機構により前記基板を回転しつつ、前記処理液供給部により薬液成分を含む第1処理液を前記基板の一の主面の中央部に供給し、所定時間経過後に停止する工程と、d)前記c)工程の少なくとも一部と並行して、前記主面上の前記第1処理液における前記薬液成分の濃度を低下させる第2処理液、前記主面上の前記第1処理液よりも温度が低い第2処理液、または、前記主面よりも温度が低い第2処理液を、前記処理液供給部により前記基板の周辺部に供給する工程と、e)前記c)およびd)工程の後、前記面状ヒータの加熱により前記基板を乾燥させる工程とを実行し、前記d)工程における前記第2処理液の前記基板の前記周辺部への供給が、前記c)工程における前記第1処理液の前記基板の前記中央部への供給よりも先に開始され、前記第1処理液の前記基板の前記中央部への供給停止よりも先に停止される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、面状ヒータの熱による基板の昇温により、薬液成分を含む処理液による処理の程度が、基板の周辺部において過度に大きくなることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】基板処理装置の構成を示す図である。
図2A】基板を処理する流れを示す図である。
図2B】基板を処理する流れを示す図である。
図3A】基板処理装置の動作を説明するための図である。
図3B】基板処理装置の動作を説明するための図である。
図3C】基板処理装置の動作を説明するための図である。
図3D】基板処理装置の動作を説明するための図である。
図3E】基板処理装置の動作を説明するための図である。
図4A】基板処理装置の動作を説明するための図である。
図4B】基板処理装置の動作を説明するための図である。
図5】処理中の基板の上面を模式的に示す図である。
図6A】基板処理装置の動作を説明するための図である。
図6B】基板処理装置の動作を説明するための図である。
図6C】基板処理装置の動作を説明するための図である。
図7A】比較例の処理による基板のエッチング量の分布を示す図である。
図7B】基板処理装置における基板処理による基板のエッチング量の分布を示す図である。
図8】基板処理装置の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る基板処理装置1の構成を示す図である。基板処理装置1は、円板状の基板9を1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、基板保持回転部21と、気液供給部3と、加熱部4と、カップ部6と、制御部11とを備える。制御部11は、例えばCPU等を備えたコンピュータであり、基板処理装置1の全体制御を担う。
【0019】
基板保持回転部21は、上下方向を向く中心軸J1を中心とする円板状のベース部211を備える。ベース部211の上面には、複数の(例えば、3以上の)チャックピン212が設けられる。複数のチャックピン212は、中心軸J1を中心とする円周上において、周方向に等間隔に配置される。各チャックピン212は、モータおよび伝達機構を有するピン駆動機構(図示省略)により中心軸J1に平行な軸を中心として回動可能である。チャックピン212の先端には支持部213が設けられる。複数のチャックピン212における複数の支持部213は、ベース部211の上方において基板9の外周縁部を下方から支持する。ベース部211の上面は、基板9の下方を向く主面92(以下、「下面92」という。)と平行であり、両者は隙間を空けて互いに対向する。
【0020】
各支持部213上には上方に突出する把持部が設けられる。ピン駆動機構が、各チャックピン212を一の方向に回動することにより、複数の支持部213上の把持部が、基板9の外周端面に押し付けられる。これにより、複数の把持部により基板9が水平状態で把持(保持)された状態(以下、「基板把持状態」という。)となる。基板把持状態では、基板9の中心は、中心軸J1上に位置する。基板把持状態において、ピン駆動機構が、各チャックピン212を上記方向とは反対方向に回動することにより、複数の把持部が基板9の外周端面から離間した状態(以下、「把持解除状態」という。)となる。把持解除状態では、基板9の外周縁部が複数の支持部213により下方から支持される。後述するように、加熱部4により基板9が保持される場合を除き、ベース部211および複数のチャックピン212が、基板9を水平状態で保持する保持部となる。
【0021】
基板保持回転部21は、シャフト部221と、基板回転機構22と、ケーシング23とをさらに備える。シャフト部221は、中心軸J1を中心とする棒状であり、シャフト部221の上端がベース部211の下面の中央に固定される。基板回転機構22はモータを有する。基板回転機構22がシャフト部221の下端部を回転することにより、ベース部211が基板9と共に中心軸J1を中心として回転する。ケーシング23は、略円筒状であり、シャフト部221および基板回転機構22の周囲を囲む。
【0022】
加熱部4は、面状ヒータ41と、ヒータ昇降機構42とを備える。面状ヒータ41は、中心軸J1を中心とする円板状であり、複数のチャックピン212に支持された基板9とベース部211との間に配置される。面状ヒータ41は、基板9の下面92側に位置する。面状ヒータ41は、例えば、ニクロム線等の抵抗発熱体を有するホットプレートである。一例では、基板処理装置1の稼働中、面状ヒータ41が常時通電されており、一定温度で加熱(予熱)される。面状ヒータ41は、抵抗発熱体以外の熱源を利用するものであってもよく、基板処理装置1の稼働中において、面状ヒータ41のON/OFFが切り換えられてもよい。面状ヒータ41の上面は、基板9の下面92のほぼ全体に亘って広がり、下面92に直接的に対向する。面状ヒータ41の上面は、基板9の下面92とほぼ平行である。
【0023】
面状ヒータ41の下面の中央には、中心軸J1を中心とする昇降軸421の上端が固定される。ベース部211およびシャフト部221には、上下方向に延びる中空部が中心軸J1上に設けられており、当該中空部内に昇降軸421が配置される。昇降軸421は、シャフト部221の下端よりも下方まで延びる。シャフト部221の下方において、昇降軸421の下端部がヒータ昇降機構42に接続される。
【0024】
ヒータ昇降機構42は、昇降軸421を介して面状ヒータ41を支持する。ヒータ昇降機構42は、例えば、モータおよびボールねじを備え、モータの駆動により昇降軸421を上下方向に移動する。本処理例では、面状ヒータ41の上面が複数の支持部213よりも上方に位置する上位置と、面状ヒータ41の下面がベース部211に近接する下位置とに、面状ヒータ41が選択的に配置される。下位置に配置された面状ヒータ41の上面は、複数の支持部213よりも下方に位置する。ヒータ昇降機構42は、上位置と下位置との間における任意の位置に面状ヒータ41を配置可能であってよい。
【0025】
把持解除状態において、面状ヒータ41が下位置から上位置に移動することにより、複数の支持部213から面状ヒータ41の上面に基板9が受け渡される(後述の図6A参照)。これにより、面状ヒータ41が基板9の下面92に接触し、基板9が面状ヒータ41により支持されつつ下面92がほぼ均一に加熱される。この状態では、面状ヒータ41が、基板9を水平状態で保持する保持部となる。また、面状ヒータ41が上位置から下位置に移動することにより、面状ヒータ41の上面から複数の支持部213に基板9が受け渡される。すなわち、面状ヒータ41が基板9の下面92から離間し、基板9が複数の支持部213により支持される。下位置に配置された面状ヒータ41の上面は、基板9の下面92から所定距離(例えば、15mm以下)だけ離間する。この状態においても、面状ヒータ41からの放射熱により基板9の下面92が僅かに加熱される。
【0026】
なお、面状ヒータ41の上面に複数の微小突起が設けられ、面状ヒータ41が上位置に配置された状態で、基板9が複数の微小突起により支持されてもよい。この場合も、基板9が面状ヒータ41により支持されていると捉えることができる。また、複数の把持部により基板9が把持されたままで(すなわち、基板把持状態において)、上位置に配置された面状ヒータ41が基板9の下面92に接触または近接してもよい。上位置に配置された面状ヒータ41が基板9の下面92に接触または近接することにより、基板9が面状ヒータ41により積極的に加熱される。
【0027】
面状ヒータ41および昇降軸421には、上下方向に延びる中空部が中心軸J1上に設けられる。当該中空部内には、気液供給部3の下部ノズル36が配置される。下部ノズル36は、上下方向に延びており、下部ノズル36の上端面は、当該中空部内において面状ヒータ41の上面近傍に配置される。下部ノズル36は、面状ヒータ41の中央部に位置し、基板9の下面92の中央部(すなわち、中心近傍)に直接的に対向する。既述のように、面状ヒータ41の上面に微小突起が設けられる場合には、下部ノズル36の上端面が面状ヒータ41の上面から僅かに突出してもよい。
【0028】
カップ部6は、内側ガード部61と、外側ガード部62と、ガード昇降機構66とを備える。内側ガード部61および外側ガード部62は、中心軸J1を中心とする略円筒状であり、ベース部211の周囲を囲む。中心軸J1を中心とする径方向において、内側ガード部61の外方に、外側ガード部62が設けられる。ガード昇降機構66は、例えば、モータおよびボールねじを備え、内側ガード部61および外側ガード部62のそれぞれを上下方向に移動する。例えば、内側ガード部61は、所定の上位置と下位置との間の任意の位置に配置可能であり、外側ガード部62も、所定の上位置と下位置との間の任意の位置に配置可能である。基板処理装置1に対する基板9の搬入搬出時には、図1に示すように、内側ガード部61が下位置に配置され、外側ガード部62も下位置に配置される。これにより、内側ガード部61の上端、および、外側ガード部62の上端が、複数の支持部213および基板9よりも下方に配置され、外部の搬送機構と干渉することが防止される。
【0029】
外側ガード部62の上端を基板9より上方に配置し、内側ガード部61の上端を基板9より下方に配置した状態では、外側ガード部62が基板9に対して径方向に直接的に対向する。この状態では、基板9から飛散する液体は、外側ガード部62の内周面で受けられ、回収される。外側ガード部62の上端を基板9より上方に配置し、内側ガード部61の上端も基板9より上方に配置した状態では、内側ガード部61が基板9に対して径方向に直接的に対向する。この状態では、基板9から飛散する液体は、内側ガード部61の内周面で受けられ、回収される。
【0030】
気液供給部3は、第1処理液ノズル31と、リンス液ノズル32と、気液ノズル33と、第2処理液ノズル35と、既述の下部ノズル36とを備える。後述するように、気液供給部3は、第1処理液ノズル31、リンス液ノズル32、気液ノズル33および第2処理液ノズル35を介して基板9の上方を向く主面91(以下、「上面91」という。)に処理液を供給し、下部ノズル36を介して基板9の下面92に処理液を供給する処理液供給部である。また、気液供給部3は、気液ノズル33を介して基板9の上面91に向けてガスを噴射するガス噴射部でもある。
【0031】
第1処理液ノズル31は、開閉弁312を介して第1処理液供給源311に接続される。第1処理液ノズル31は、モータおよびアームを有するノズル移動機構(図示省略)により、基板9の上面91の中央部(すなわち、中心近傍)に対向する対向位置と、基板9に対して径方向外方に離れた待機位置とに選択的に配置される。第1処理液供給源311が薬液成分を含む第1処理液を第1処理液ノズル31に供給することにより、第1処理液ノズル31から下方に向かって第1処理液が吐出される。一例では、フッ化水素の水溶液であるフッ酸が第1処理液として用いられる。当該第1処理液は、例えば、基板9の上面91に設けられた酸化膜をエッチングするエッチング液であり、ここでは、常温である。第1処理液に含まれる薬液成分は、フッ化水素以外であってもよく、第1処理液は、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液)、SC2(塩酸過酸化水素水混合液)、バッファードフッ酸(フッ酸とフッ化アンモニウムとの混合液)等の他の水溶液であってもよい。また、第1処理液は、水溶液以外であってもよく、第1処理液の温度が調整されていてもよい。
【0032】
リンス液ノズル32は、開閉弁322を介してリンス液供給源321に接続される。リンス液ノズル32は、例えば、第1処理液ノズル31と同じアームに支持されており、上記ノズル移動機構により、基板9の上面91の中央部に対向する対向位置と、基板9に対して径方向外方に離れた待機位置とに選択的に配置される。リンス液供給源321が処理液であるリンス液をリンス液ノズル32に供給することにより、リンス液ノズル32から下方に向かってリンス液が吐出される。リンス液は、例えば常温の純水(DeIonized Water)である。この場合に、後述の純水供給源361がリンス液供給源321を兼ねてもよい。また、純水以外のリンス液が用いられてもよい。第1処理液ノズル31およびリンス液ノズル32の移動が、個別のノズル移動機構により行われてもよい。
【0033】
気液ノズル33は、開閉弁332を介して有機溶剤供給源331に接続される。気液ノズル33は、モータおよびアームを有する他のノズル移動機構(図示省略)により、基板9の上面91の中央部に対向する対向位置と、基板9に対して径方向外方に離れた待機位置とに選択的に配置される。有機溶剤供給源331が処理液である有機溶剤を気液ノズル33に供給することにより、気液ノズル33から下方に向かって有機溶剤が吐出される。好ましい有機溶剤は、リンス液よりも表面張力が低く、例えばIPA(イソプロピルアルコール)である。IPA以外の有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、アセトン、ハイドロフルオロエーテル等)が用いられてもよい。
【0034】
気液ノズル33には、さらに、開閉弁342および流量調整弁343を介して不活性ガス供給源341が接続される。気液ノズル33では、例えば、処理液(有機溶剤)の吐出口の周囲に、ガス噴射口が設けられる。不活性ガス供給源341が気液ノズル33に不活性ガスを供給することにより、気液ノズル33から下方に向かって不活性ガスが噴射される。気液ノズル33では、流量調整弁343により不活性ガスの噴射流量が高精度に調整可能である。不活性ガスは、例えば窒素ガスである。窒素ガス以外の不活性ガスが用いられてもよい。また、基板9上に形成された膜やパターンの種類等によっては、不活性ガス以外の種類のガス(例えば、乾燥空気)が用いられてもよい。気液ノズル33では、径方向外方に向かってガスを噴射するガス噴射口が追加されてもよい。
【0035】
第2処理液ノズル35は、上下方向において基板9と重ならない位置に配置される固定ノズルである。図1の例では、第2処理液ノズル35は、外側ガード部62の上方に配置され、図示省略の支持部材により、基板回転機構22等に対してその位置が固定された状態で支持される。第2処理液ノズル35は、開閉弁352および流量調整弁353を介して第2処理液供給源351に接続される。第2処理液ノズル35の吐出口の中心線L1(図1中の一点鎖線L1)は、基板9の上面91の中央部において当該上面91と交わる。第2処理液供給源351が第2処理液を第2処理液ノズル35に供給することにより、第2処理液ノズル35から基板9の上面91に向かって第2処理液が吐出される。本実施の形態における第2処理液は、常温の純水(DeIonized Water)である。後述するように、純水以外の第2処理液が用いられてもよい。
【0036】
流量調整弁353により、第2処理液ノズル35から第2処理液が第1吐出流量以上で吐出される場合には、第2処理液は、中心線L1に沿って直線状に基板9へと向かい、上面91の中央部に衝突(着弾)する。一方、第2処理液ノズル35から第2処理液が第1吐出流量よりも小さい吐出流量で吐出される場合には、上面91において中央部よりも手前の位置(第2処理液ノズル35側の位置)、すなわち、径方向において中央部よりも外側の周辺部に第2処理液が衝突する。実際には、流量調整弁353が第2処理液ノズル35における第2処理液の吐出流量を変更することにより、上面91において、第2処理液ノズル35から吐出された第2処理液が衝突する位置(径方向の位置)が変更可能である。なお、第2処理液が常温の純水である場合、リンス液供給源321と同様に、純水供給源361が第2処理液供給源351を兼ねてもよい。
【0037】
既述のように、下部ノズル36は、面状ヒータ41および昇降軸421の中空部内に設けられ、下部ノズル36の上端面は、基板9の下面92の中央部に直接的に対向する。下部ノズル36は、開閉弁362を介して純水供給源361に接続される。純水供給源361が下部ノズル36に常温の純水(DeIonized Water)を供給することにより、下部ノズル36から上方に向かって、すなわち、基板9の下面92の中央部に向かって純水が吐出される。純水以外の処理液が下部ノズル36から吐出されてもよい。
【0038】
図2Aおよび図2Bは、基板処理装置1が基板9を処理する流れを示す図である。以下の説明における基板処理装置1の動作は、原則として制御部11の制御により行われる。まず、面状ヒータ41を通電することにより、面状ヒータ41が加熱状態(ON状態)とされる(ステップS10)。既述のように、基板処理装置1の稼働中、面状ヒータ41が常時、加熱状態とされてもよい。
【0039】
基板処理装置1では、内側ガード部61が下位置に配置され、外側ガード部62も下位置に配置された状態で、外部の搬送機構により未処理の基板9が搬入され、複数の支持部213上に載置される(ステップS11)。このとき、面状ヒータ41は下位置に配置されており、当該基板9が、加熱状態とされた面状ヒータ41と直接的に対向する、すなわち、面状ヒータ41に対向配置される。続いて、各チャックピン212が回転し、支持部213上の把持部が基板9の外周端面に押し付けられる。これにより、複数の把持部により基板9が把持された基板把持状態が形成される。その後、基板回転機構22により所定の回転速度での基板9の回転が開始される。
【0040】
カップ部6では、ガード昇降機構66により、内側ガード部61および外側ガード部62が上方に移動し、内側ガード部61が基板9に対して径方向に直接的に対向する。外側ガード部62が基板9に対して径方向に直接的に対向してもよい。以下の処理では、基板9に供給される処理液の種類に応じて、基板9に対向するガード部61,62が適宜切り換えられてよい。
【0041】
続いて、開閉弁362を開いて、純水供給源361が下部ノズル36に純水を供給することにより、図3Aに示すように、下部ノズル36から基板9の下面92への純水の供給が開始される(ステップS12)。純水は、下面92の中央部近傍に連続的に供給される。下面92では、基板9の回転による遠心力により純水が基板9の外周縁に向かって広がり、下面92の全体に純水が供給される。換言すると、下面92において純水の層が形成される。図3Aでは、基板9に平行斜線を付すとともに、矢印A1により基板9が回転していることを示している(他の図において同様)。基板9の外周縁から飛散する純水は、カップ部6により受けられ、回収される。
【0042】
また、ノズル移動機構により、第1処理液ノズル31およびリンス液ノズル32が、基板9の上面91の中央部に対向する対向位置に配置される。既述のように、基板処理装置1では、第1処理液ノズル31およびリンス液ノズル32が同一のアームに支持されており、両者は互いに近接する。開閉弁322を開いて、リンス液供給源321がリンス液ノズル32にリンス液を供給することにより、リンス液ノズル32から上面91の中央部近傍にリンス液が供給される(ステップS13)。上面91では、基板9の回転によりリンス液が基板9の外周縁に向かって広がり、上面91の全体にリンス液が供給される。基板9の外周縁から飛散するリンス液は、カップ部6により受けられ、回収される。なお、リンス液ノズル32からのリンス液の吐出は、連続的であっても、断続的であってもよい。後述する第2処理液ノズル35からの第2処理液の吐出、第1処理液ノズル31からの第1処理液の吐出、気液ノズル33からの有機溶剤の吐出、および、気液ノズル33からの不活性ガスの噴出において同様である。
【0043】
既述のように、基板処理装置1では、面状ヒータ41を下位置に配置した状態においても、基板9の下面92が加熱される。したがって、基板9は、複数の支持部213上に載置された後、その温度が次第に上昇する。本実施の形態では、リンス液は常温の純水であり、リンス液ノズル32からのリンス液の供給により、基板9の上面91が冷却(除熱)される。また、下部ノズル36からの常温の純水の供給により、基板9の下面92が冷却される。さらに、下面92に形成される純水の層により、面状ヒータ41による基板9の加熱が抑制される。なお、上面91へのリンス液の供給、および、下面92への純水の供給を行う場合でも、面状ヒータ41により基板9は僅かに加熱され、後述の薬液処理の際には、基板9の温度が、常温よりも例えば1℃以上3℃以下高くなる。
【0044】
基板処理装置1では、さらに、開閉弁352を開いて、第2処理液供給源351が第2処理液ノズル35に第2処理液を供給することにより、第2処理液ノズル35から基板9の上面91への第2処理液の吐出が開始される(ステップS14)。第2処理液ノズル35からの第2処理液の吐出は、上面91へのリンス液の供給に並行して行われる。このとき、流量調整弁353により、第2処理液が第1吐出流量よりも小さい第2吐出流量で第2処理液ノズル35から吐出されるため、第2処理液は、基板9の中心から離れた周辺部に衝突する。以下の説明では、上面91において第2処理液ノズル35から吐出された第2処理液が衝突する位置を「衝突位置」という。衝突位置は、第2処理液の着弾位置である。ここでの衝突位置は、基板9の外周縁よりも内側(中心側)であり、上面91の中央部よりも外側である。上面91に供給された第2処理液は、基板9の回転により外周縁に向かって広がり、外周縁から飛散する。
【0045】
上面91へのリンス液の供給が所定時間継続されると、リンス液の供給が停止される。続いて、開閉弁312を開いて、第1処理液供給源311が第1処理液ノズル31に第1処理液を供給することにより、図3Bに示すように、第1処理液ノズル31から上面91の中央部への第1処理液の供給が開始される(ステップS15)。すなわち、薬液成分を含む第1処理液による薬液処理が、基板9の上面91に対して開始される。上面91では、第1処理液ノズル31から供給される第1処理液が、基板9の回転により外周縁に向かって広がり、上面91の全体に第1処理液が供給される。基板9の外周縁から飛散する第1処理液は、カップ部6により受けられ、回収される。
【0046】
このとき、上面91の中央部に供給された第1処理液は、面状ヒータ41の熱により昇温した基板9の上面91から熱を受けつつ外周縁に向かって広がる。また、第2処理液ノズル35から上面91の周辺部への第2処理液の供給も継続されている。したがって、上面91において、第2処理液の衝突位置から径方向外側の領域では、純水である第2処理液により、第1処理液における薬液成分の濃度が低下する、すなわち、第1処理液が希釈される。図3Bでは、薬液成分の濃度が低い部分を白く描いている。薬液成分による上面91に対するエッチングレート(単位時間当たりのエッチング量)は、薬液成分の濃度に依存するため、上面91において第2処理液の衝突位置から径方向外側の領域、特に、外周縁近傍では、エッチングレートが、後述する第2処理液の非吐出時よりも小さくなる。エッチングレートは、第1処理液の温度にも依存する。第2処理液の衝突位置から径方向外側の領域では、常温の第2処理液の混合により第1処理液の温度が低下することによっても、エッチングレートが、第2処理液の非吐出時よりも小さくなる。
【0047】
第1処理液の供給開始から所定時間が経過すると、図3Cに示すように、第2処理液ノズル35からの第2処理液の吐出が停止される(ステップS16)。このとき、第1処理液ノズル31からの第1処理液の供給は継続されており、上面91の中央部に供給された第1処理液は、基板9の外周縁に向かうに従って、その温度が上昇する。また、上面91の周辺部への第2処理液の供給を停止した状態では、第2処理液による第1処理液の希釈、および、温度低下が生じることもない。その結果、上面91において周辺部に対するエッチングレート、特に、外周縁近傍に対するエッチングレートが、第2処理液の吐出時よりも大きくなる。
【0048】
第1処理液ノズル31から上面91への第1処理液の供給は、第2処理液の吐出を停止した後も所定時間継続され、その後、停止される(ステップS17)。続いて、リンス液供給源321がリンス液ノズル32にリンス液を供給することにより、図3Dに示すように、リンス液ノズル32から上面91の中央部近傍にリンス液が供給される(ステップS18)。上面91では、基板9の回転によりリンス液が基板9の外周縁に向かって広がり、上面91の全体にリンス液が供給される。リンス液の供給により、上面91に付着する第1処理液が除去される。リンス液の供給は所定時間継続され、その後、停止される。
【0049】
リンス液の供給が停止されると、第1処理液ノズル31およびリンス液ノズル32が、基板9に対して径方向外方に離れた待機位置に移動するとともに、気液ノズル33が基板9の上面91の中央部に対向する対向位置に配置される。基板処理装置1では、リンス液ノズル32からのリンス液の供給停止後、上面91が乾燥することを避けるため、第2処理液ノズル35から、純水である第2処理液が上面91に供給されてもよい。この場合、第2処理液ノズル35から第2処理液が第1吐出流量以上で吐出され、図3Eに示すように、第2処理液は、上面91の中央部に衝突する。例えば、上面91の中央部への第2処理液の供給は、後述する、気液ノズル33からの有機溶剤の吐出開始まで継続される。
【0050】
気液ノズル33が対向位置に配置されると、下部ノズル36から基板9の下面92への純水の供給が停止される(ステップS19)。気液ノズル33を対向位置に配置する前に、または、後述する有機溶剤の供給を開始した後に、下部ノズル36から下面92への純水の供給が停止されてもよい。続いて、開閉弁332を開いて、有機溶剤供給源331が気液ノズル33に有機溶剤を供給することにより、図4Aに示すように、気液ノズル33から上面91の中央部に有機溶剤が供給される。このとき、基板9は第1回転速度で回転する。上面91では、基板9の回転により有機溶剤が基板9の外周縁に向かって広がり、上面91の全体に有機溶剤が供給される。すなわち、上面91に付着する純水(またはリンス液)が有機溶剤に置換される。
【0051】
有機溶剤の供給開始から所定時間が経過すると、基板回転機構22により基板9の回転速度が段階的に低減される。本処理例では、基板9の回転速度が、第1回転速度よりも小さい第2回転速度に低減され、第2回転速度での基板9の回転が所定時間継続された後、基板9の回転が停止される。基板9の回転停止後、気液ノズル33からの有機溶剤の吐出が停止される。これにより、水平状態で保持された基板9の上面91上に、図4Bに示すように有機溶剤の液膜81(有機溶剤のパドル)が形成される(ステップS20)。有機溶剤の液膜81は、基板9の上面91を全体に亘って覆う、すなわち、上面91の全体に亘る液膜81が形成される。有機溶剤の液膜81は、基板9の回転が停止した状態で上面91に残留する有機溶剤の塊である。
【0052】
図5は、基板9の上面91を模式的に示す図である。図5の最も左側に示すように、基板9の上面91には、所定のパターンが形成されており、当該パターンは、例えば直立する多数のパターン要素93を含む。有機溶剤の液膜81の厚さは、パターン要素93の高さよりも十分に大きく、パターン要素93の全体が有機溶剤の液膜81に含まれる(覆われる)。
【0053】
続いて、各チャックピン212が回転し、複数の把持部が基板9の外周端面から離間した把持解除状態が形成される。把持解除状態では、複数の支持部213により基板9が下方から支持される。そして、ヒータ昇降機構42により、面状ヒータ41が下位置から上位置に移動することにより、図6Aに示すように、複数の支持部213から面状ヒータ41の上面に基板9が受け渡される。これにより、面状ヒータ41が基板9の下面92に接触し、基板9が面状ヒータ41により水平状態で支持されつつ、下面92がほぼ均一に、かつ、急激に加熱される。
【0054】
基板9は、面状ヒータ41により有機溶剤の沸点以上の温度(例えば、180~220℃)に加熱される。有機溶剤の液膜81は、基板9の上面91から熱を受けることにより、上面91との界面において液膜81の一部(すなわち、上面91に接する部分)が気化する。このように、基板9を下面92側から加熱することにより、図5の左から2番目に示すように、上面91と有機溶剤の液膜81との間に有機溶剤の蒸気層82が形成される(ステップS21)。蒸気層82の存在により、上面91の全体に亘って液膜81が上面91から浮遊する。例えば、蒸気層82の厚さは、パターン要素93の高さよりも大きく、パターン要素93のほぼ全体が蒸気層82に含まれる。蒸気層82を形成する際には、複数のチャックピン212により基板9を保持しつつ、面状ヒータ41が、下位置に配置された状態よりも基板9の下面92に近接することにより、基板9が加熱されてもよい。
【0055】
基板処理装置1では、上面91の全体に亘って蒸気層82を形成するのに要する加熱時間が予め得られている。当該加熱時間が経過すると、開閉弁342を開いて、不活性ガス供給源341が気液ノズル33に不活性ガスを供給することにより、図6Bに示すように、気液ノズル33から液膜81の中央部(上面91の中央部)に向かって不活性ガスが、第1流量で噴射される。これにより、液膜81の中央部において液膜81を貫通する穴83が形成される(図5の左から3番目参照)(ステップS22)。
【0056】
このとき、面状ヒータ41による基板9の加熱も継続されており、図5の最も右側に示すように、穴83が径方向外方へと広がる、すなわち、穴83の直径が次第に大きくなる。また、流量調整弁343では、不活性ガスの流量が漸次(ここでは、段階的に)増大される。すなわち、気液ノズル33では、第1流量よりも大きい第2流量で穴83に向けて不活性ガスが噴射され、その後、第2流量よりも大きい第3流量で穴83に向けて不活性ガスが噴射される。これにより、図6Cに示すように、液膜81に形成された穴83が径方向外方へとさらに広がる。換言すると、環状に連続した液膜81の内径が漸次大きくなる。なお、不活性ガスの流量の増大に伴って、ノズル移動機構により、気液ノズル33の上下方向の位置が変更されてもよい(例えば、基板9の上面91に近づけられる。)。
【0057】
気液ノズル33からの不活性ガスの噴射が継続されることにより、液膜81の穴83が基板9の外周縁まで広がり、液膜81が上面91から除去される(ステップS23)。すなわち、上面91の乾燥が完了する。上記ステップS20~S23は、基板9の上面91を乾燥させる乾燥処理である。その後、面状ヒータ41が上位置から下位置に移動することにより、面状ヒータ41の上面から複数の支持部213に基板9が受け渡される。複数の支持部213では、把持部が基板9の外周端面に押し付けられ、基板把持状態が形成される。そして、基板回転機構22が基板9およびベース部211を回転することにより、ベース部211および複数のチャックピン212に付着した有機溶剤等が除去される、すなわち、ベース部211等が乾燥される(ステップS24)。このとき、基板9の上面91に対する不活性ガスの噴射が、ステップS22から継続されることにより、ベース部211等から飛散した有機溶剤等が、カップ部6で跳ね返って基板9の上面91に付着することが防止または抑制される。
【0058】
基板9およびベース部211の回転は所定時間継続された後、停止される。気液ノズル33からの不活性ガスの噴射も停止され、気液ノズル33が待機位置へと移動する。また、内側ガード部61が下位置に配置され、外側ガード部62も下位置に配置される。そして、複数の把持部が基板9の外周端面から離間した後(把持解除状態)、外部の搬送機構により基板9が基板処理装置1の外部に搬出される(ステップS25)。換言すると、面状ヒータ41に対向する位置から基板9が取り出される。制御部11では、次の処理対象である未処理の他の基板9の有無が確認される。次の処理対象の基板9が存在する場合には(ステップS26)、上記ステップS25の直後に(処理済みの基板9の搬出に続けて)、外部の搬送機構により次の処理対象の基板9が搬入され、複数の支持部213上に載置される(ステップS11)。その後、当該基板9に対して、ステップS12~S25の処理が行われる。以上のように、基板処理装置1では、複数の未処理の基板9に対して図2Aおよび図2Bの上記ステップS11~S25の処理が順次行われる(繰り返される)。次の処理対象の基板9が存在しない場合には、基板処理装置1における処理が完了する(ステップS26)。なお、次の処理対象の基板9が存在しない場合に、面状ヒータ41への通電を停止して、面状ヒータ41が非加熱状態(OFF状態)とされてもよい。
【0059】
ここで、図2Aおよび図2BにおけるステップS14,S16を省略した比較例の処理について説明する。比較例の処理では、基板9の上面91に対する薬液処理において、第2処理液ノズル35から上面91の周辺部への第2処理液の供給が行われない。その結果、薬液処理の全期間において、面状ヒータ41の予熱による基板9の昇温により、基板9の外周縁に向かうに従って第1処理液の温度が上昇する。
【0060】
図7Aは、比較例の処理による基板9の上面91のエッチング量の分布を示す図であり、図7Aでは、濃度が高い(黒い)ほど、エッチング量が大きいことを示している(後述の図7Bにおいて同様)。エッチング量の分布は、薬液処理の全期間における平均的なエッチングレートの分布と捉えることも可能である。図7Aに示すように、比較例の処理では、基板9の上面91において、外周縁に向かうに従ってエッチング量が大きくなり、周辺部、特に、外周縁近傍においてエッチング量が過度に大きくなる。なお、第1処理液ノズル31からの第1処理液が衝突する中央部においても、エッチング量が僅かに大きくなる。
【0061】
一方、図1の基板処理装置1における基板処理では、薬液処理(ステップS15,S17)の一部に並行して、基板9の周辺部に第2処理液が供給される(ステップS14,S16)。これにより、第2処理液を吐出している間、基板9の周辺部において、第1処理液の温度が低下するとともに、第1処理液における薬液成分の濃度が低下する。その結果、図7Bに示すように、第2処理液の衝突位置から径方向外側(図7B中の白い破線の円C1の外側)の領域においてエッチング量を小さくすることが可能となる。すなわち、基板9の周辺部、特に、外周縁近傍において、第1処理液によるエッチング量(すなわち、第1処理液による処理の程度)が過度に大きくなることを抑制することが可能となる。実際には、第2処理液の衝突位置および吐出期間を調整することにより、エッチング量の均一性を向上することが可能となる。
【0062】
なお、仮に、基板9に対向する位置に面状ヒータ41を設けない場合には、基板9の昇温は生じないため、図7Bと同様に、第1処理液が衝突する基板9の中央部においてエッチング量が大きくなり、外周縁に向かうに従ってエッチング量が小さくなる(すなわち、山型の分布となる。)。したがって、第2処理液を基板9の周辺部に供給する基板処理装置1では、基板9に対向する位置に面状ヒータ41を設けつつ、面状ヒータ41を設けない場合における薬液処理と近似した、エッチング量の分布を実現することが可能となる。
【0063】
上記基板処理では、第1処理液が薬液成分を含む水溶液であり、第2処理液が純水である。これにより、第1処理液と第2処理液との混合により不要物が発生することを防止しつつ、第1処理液の希釈により基板9の周辺部におけるエッチング量を小さくすることができる。また、上下方向において基板9と重ならない位置に配置された固定ノズルが、第2処理液ノズル35として利用される。このような固定ノズルは、従来の基板処理装置においても設けられている場合が多いため、大きな設計変更または改造を行うことなく、第2処理液ノズル35を利用した上記基板処理を実現することが可能となる。
【0064】
ところで、上記基板処理では、薬液処理後に、面状ヒータ41の加熱により基板9を乾燥させる乾燥処理(ステップS20~S23)が行われる。面状ヒータ41の温度を上昇させるにはある程度の時間を要するため、乾燥処理の前に面状ヒータ41を予熱する必要があり、薬液処理から乾燥処理までの間、面状ヒータ41が加熱状態とされる。また、基板9の搬入後、薬液処理が完了するまで、面状ヒータ41が基板9から離間し、乾燥処理において、面状ヒータ41が基板9に接触する、または、(薬液処理時によりも)近接する。既述のように、基板処理装置1では、薬液処理において、面状ヒータ41を基板9から離間させる場合でも、面状ヒータ41の熱による基板9の昇温が生じてしまう。このように、面状ヒータ41の予熱による不可避な基板9の昇温が生じる場合でも、薬液処理の一部に並行して、第2処理液を基板9の周辺部に供給する上記基板処理では、基板9の周辺部においてエッチング量が過度に大きくなることを抑制することが可能である。
【0065】
乾燥処理では、有機溶剤(第3処理液)の液膜81が形成され(ステップS20)、基板9の加熱により、上面91と液膜81との間に蒸気層82が形成される(ステップS21)。そして、不活性ガスの噴射により、液膜81の中央部に穴83が形成され(ステップS22)、不活性ガスの更なる噴射により、穴83が径方向外方へと広げられて液膜81が除去される(ステップS23)。これにより、乾燥処理において有機溶剤の表面張力の影響によりパターン要素93が倒壊することを防止または抑制することができる。なお、パターン要素93の倒壊等が問題とならない場合には、基板処理装置1において、面状ヒータ41の加熱により基板9を乾燥させる他の乾燥処理(例えば、加熱のみによる有機溶剤の除去等)が採用されてもよい。
【0066】
上記基板処理では、基板9の搬入後、薬液処理の直前に、基板9の上面91に一定温度の液(第4処理液)が供給される。これにより、複数の基板9に対する基板処理において、薬液処理の開始時における当該複数の基板9の温度をほぼ一定にすることができ、薬液処理を同じ条件で安定して行うことができる。なお、上記第4処理液が、リンス液ノズル32とは異なるノズルから供給されてもよい。第4処理液としては、純水、または、後述する機能水が好適である。
【0067】
また、上面91とは反対側の主面(下面92)が面状ヒータ41と対向する対向面であり、薬液処理において、回転する基板9の対向面に一定温度の液(第5処理液)が供給され、対向面の全体が当該液により覆われる。これにより、薬液処理において、面状ヒータ41の熱の影響を低減することができる。第5処理液としては、純水、または、後述する機能水が好適である。
【0068】
上記基板処理装置1および基板処理方法では様々な変形が可能である。
【0069】
上記実施の形態では、薬液処理の開始時を含む期間において、基板9の周辺部に第2処理液が供給されるが、薬液処理の終了時を含む期間において、第2処理液が供給されてもよい。また、薬液処理の開始後、かつ、終了前の期間において、第2処理液が周辺部に供給されてもよい。さらに、薬液処理の全期間において、第2処理液が供給されてもよい。以上のように、基板9の周辺部への第2処理液の供給は、薬液処理の少なくとも一部に並行して行われていればよい。これにより、基板9の周辺部において第1処理液によるエッチング量が過度に大きくなることを抑制することが可能となる。また、第2処理液は、純水に限定されず機能水であってもよい。機能水は、例えば炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水および希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
【0070】
既述のように、基板処理装置1では、第2処理液ノズル35における第2処理液の吐出流量を変更することにより、上面91における第2処理液の衝突位置を変更することが可能である。また、薬液処理に並行して行われる第2処理液の吐出期間も変更可能である。したがって、第2処理液の衝突位置および吐出期間を調整することにより、径方向におけるエッチング量のプロファイルを、ある程度自在に変更することが可能となる。この場合に、基板9に対する要求等によっては、エッチング量の均一性が低下してもよい。
【0071】
また、第2処理液ノズル35は、固定ノズル以外であってもよく、例えば、図8に示すように、ノズル移動機構により基板9の上面91沿って移動可能な第2処理液ノズル35aが利用されてもよい。エッチングの際には、第2処理液ノズル35aは、基板9の周辺部の上方に配置され、周辺部に向けて第2処理液を吐出する。図8の例では、中央部と周辺部との間における第1処理液の温度差等に応じて、基板9における第2処理液の衝突位置を精度よく調整することが可能であるとともに、衝突位置に依存することなく、第2処理液の吐出流量を変更することが可能となる。その結果、径方向におけるエッチング量のプロファイルを、容易に変更することが実現される。第2処理液ノズルが基板9の側方に配置され、第2処理液が、基板9の側方から上面91の周辺部に供給されてもよい。
【0072】
基板9の周辺部に向けて吐出される第2処理液は、僅かに加熱された純水であってもよい。この場合、当該第2処理液は、基板9上の第1処理液の温度を低下させないが、第1処理液を希釈することにより、基板9の周辺部においてエッチングレートが小さくなる。また、第2処理液が、薬液成分を含む低温の処理液であってもよい。この場合、当該第2処理液は、基板9上の第1処理液を希釈しないが、基板9上の第1処理液の温度を低下させることにより、基板9の周辺部においてエッチングレートが小さくなる。さらに、第2処理液が、上面91の周辺部における温度を低下させるものであってもよい。例えば、上面91の中央部への第1処理液の供給開始から短時間の期間において、上面91よりも温度が低い第2処理液が上面91の周辺部に供給され、その後、第2処理液により除熱された当該周辺部に第1処理液が到達する。この場合も、基板9の周辺部においてエッチングレートが小さくなる。
【0073】
第1処理液を希釈する、第1処理液の温度を低下させる、または、上面91の周辺部の温度を低下させるという観点では、他の種類の液が、第2処理液として用いられてもよい。このように、基板処理装置1では、基板9上の第1処理液における薬液成分の濃度を低下させる、または、基板9上の第1処理液、もしくは、上面91よりも温度が低い様々な液(第1処理液における薬液成分の濃度を低下させ、かつ、第1処理液の温度を低下させる液を含む。)を、第2処理液として利用することが可能である。また、基板処理装置1の設計によっては、第1処理液が基板9の下面92の中央部に供給され、第2処理液が下面92の周辺部に供給されてもよい。
【0074】
基板処理装置1では、基板9を面状ヒータ41により積極的に加熱しつつ(例えば、面状ヒータ41を基板9の下面92に接触または近接させた状態で)、薬液処理が行われてもよい。この場合も、薬液処理の少なくとも一部に並行して、基板9の周辺部に第2処理液を供給することにより、基板9の周辺部においてエッチング量が過度に大きくなることを抑制することが可能となる。
【0075】
上記実施の形態では、第1処理液が、エッチング液である場合について述べたが、第1処理液は、エッチング液以外に、基板9の上面を改質させる薬液成分を含む液等であってもよい。この場合でも、薬液処理の少なくとも一部に並行して、基板9の周辺部に第2処理液を供給することにより、基板9の周辺部において第1処理液による改質の程度が過度に大きくなることが抑制される。以上のように、基板処理装置1における上記基板処理では、面状ヒータ41の熱による基板9の昇温により、薬液成分を含む処理液による処理の程度が、基板9の周辺部において過度に大きくなることを抑制することが可能である。
【0076】
面状ヒータ41は、対向配置されるのであるならば、必ずしも基板9の真下に配置される必要はなく、例えば、基板9の上方または側方に配置されてもよい。基板処理装置1では、基板保持回転部21、気液供給部3の各ノズル、加熱部4等を含む構成を処理部(チャンバ)として、複数の処理部が設けられてよい。また、図2Aおよび図2Bに示す処理が、複数の処理部において互いに並行して、かつ、各処理部において複数の基板9に対して連続して行われてもよい。
【0077】
基板処理装置1において処理が行われる基板は半導体基板には限定されず、ガラス基板や他の基板であってもよい。また、基板の形状は、円板状以外であってもよい。
【0078】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0079】
1 基板処理装置
3 気液供給部
9 基板
11 制御部
22 基板回転機構
35,35a 第2処理液ノズル
41 面状ヒータ
81 液膜
82 蒸気層
83 (液膜の)穴
91 (基板の)上面
92 (基板の)下面
211 ベース部
212 チャックピン
S10~S26 ステップ
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8