(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-31
(45)【発行日】2023-06-08
(54)【発明の名称】光センサ
(51)【国際特許分類】
G01J 1/44 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
G01J1/44 A
(21)【出願番号】P 2019195139
(22)【出願日】2019-10-28
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 文靖
(72)【発明者】
【氏名】道関 隆国
(72)【発明者】
【氏名】田中 亜実
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-197243(JP,A)
【文献】国際公開第2009/081961(WO,A1)
【文献】特開2008-166690(JP,A)
【文献】特開2001-326416(JP,A)
【文献】特開2019-102748(JP,A)
【文献】特開2014-99688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00-G01J 1/60
G01J 11/00
G01J 3/00-G01J 4/04
G01J 7/00-G01J 9/04
H10K 30/60-H10K 30/65
H10K 39/30
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトダイオードを含み、第1の波長感度特性を有する第1光検出部と、
一端が前記第1光検出部のフォトダイオードのカソードに接続され、他端が接地点に接続された第1抵抗と、
アノードが前記第1光検出部のフォトダイオードのアノードに接続されるフォトダイオードを含み、前記第1の波長感度特性とは異なる第2の波長感度特性を有する第2光検出部と、
一端が前記第2光検出部のフォトダイオードのカソードに接続され、他端が前記接地点に接続された第2抵抗と、
前記第1光検出部のフォトダイオードのカソードに接続される第1入力端子と、前記第2光検出部のフォトダイオードのカソードに接続される第2入力端子と、前記第1入力端子の電位と前記第2入力端子の電位との差に基づく電位を出力する出力端子とを備え、前記第1光検出部のフォトダイオード及び前記第2光検出部のフォトダイオードの起電力によって生じる電力
のみを動作電源とする増幅回路と、
前記起電力によって生じる電力を昇圧した電力を前記増幅回路の電源端子に供給する昇圧部と、
を備える光センサ。
【請求項2】
フォトダイオードを含み、第1の波長感度特性を有する第1光検出部と、
一端が前記第1光検出部のフォトダイオードのカソードに接続され、他端が接地点に接続された第1抵抗と、
アノードが前記第1光検出部のフォトダイオードのアノードに接続されるフォトダイオードを含み、前記第1の波長感度特性とは異なる第2の波長感度特性を有する第2光検出部と、
一端が前記第2光検出部のフォトダイオードのカソードに接続され、他端が前記接地点に接続された第2抵抗と、
前記第1光検出部のフォトダイオードのカソードに接続される第1入力端子と、前記第2光検出部のフォトダイオードのカソードに接続される第2入力端子と、前記第1入力端子の電位と前記第2入力端子の電位との差に基づく電位を出力する出力端子とを備え、前記第1光検出部のフォトダイオード及び前記第2光検出部のフォトダイオードの起電力によって生じる電力のみを動作電源とする増幅回路と、
を備え、
前記第1光検出部は、縦続接続された複数のフォトダイオードを含み、
前記第2光検出部は、縦続接続された複数のフォトダイオードを含む、
光センサ。
【請求項3】
nチャネル型のトランジスタと、
光検出電流出力端子と、
をさらに備え、
前記トランジスタのゲートは、前記増幅回路の前記出力端子に接続され、
前記トランジスタのソースは、前記増幅回路の前記第1入力端子に接続され、
前記トランジスタのドレインは、前記光検出電流出力端子に接続される
請求項1
又は請求項2に記載の光センサ。
【請求項4】
第1の入力段トランジスタと、
第2の入力段トランジスタと、
をさらに備え、
前記増幅回路の前記第1入力端子には前記第1の入力段トランジスタのゲートが接続され、
前記増幅回路の前記第2入力端子には前記第2の入力段トランジスタのゲートが接続され、
前記第1の入力段トランジスタと、前記第2の入力段トランジスタは、いずれもデプレッション型のnチャネル型のトランジスタである
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の光センサ。
【請求項5】
第3の入力段トランジスタと、
第4の入力段トランジスタと、
をさらに備え、
前記増幅回路の前記第1入力端子には前記第3の入力段トランジスタのソースが抵抗を介して接続され、
前記増幅回路の前記第2入力端子には前記第2の入力段トランジスタのソースが抵抗を介して接続され、
前記第3の入力段トランジスタと、前記第4の入力段トランジスタは、いずれもデプレッション型のnチャネル型のトランジスタである
請求項
4に記載の光センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォトダイオードが受光する光に応じた信号を出力回路から出力する光センサに関する技術が知られている。(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような従来の光センサでは、出力回路を駆動するための電源を光センサの外部から供給している。すなわち、従来手法によると、光センサを駆動するための外部電源を用意しなければならないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、外部電源を要しない光センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る光センサは、フォトダイオードを含み、第1の波長感度特性を有する第1光検出部と、一端が前記第1光検出部のフォトダイオードのカソードに接続され、他端が接地点に接続された第1抵抗と、アノードが前記第1光検出部のフォトダイオードのアノードに接続されるフォトダイオードを含み、前記第1の波長感度特性とは異なる第2の波長感度特性を有する第2光検出部と、一端が前記第2光検出部のフォトダイオードのカソードに接続され、他端が前記接地点に接続された第2抵抗と、前記第1光検出部のフォトダイオードのカソードに接続される第1入力端子と、前記第2光検出部のフォトダイオードのカソードに接続される第2入力端子と、前記第1入力端子の電位と前記第2入力端子の電位との差に基づく電位を出力する出力端子とを備え、前記第1光検出部のフォトダイオード及び前記第2光検出部のフォトダイオードの起電力によって生じる電力のみを動作電源とする増幅回路と、前記起電力によって生じる電力を昇圧した電力を前記増幅回路の電源端子に供給する昇圧部と、を備える。
また、本発明の一態様に係る光センサは、フォトダイオードを含み、第1の波長感度特性を有する第1光検出部と、一端が前記第1光検出部のフォトダイオードのカソードに接続され、他端が接地点に接続された第1抵抗と、アノードが前記第1光検出部のフォトダイオードのアノードに接続されるフォトダイオードを含み、前記第1の波長感度特性とは異なる第2の波長感度特性を有する第2光検出部と、一端が前記第2光検出部のフォトダイオードのカソードに接続され、他端が前記接地点に接続された第2抵抗と、前記第1光検出部のフォトダイオードのカソードに接続される第1入力端子と、前記第2光検出部のフォトダイオードのカソードに接続される第2入力端子と、前記第1入力端子の電位と前記第2入力端子の電位との差に基づく電位を出力する出力端子とを備え、前記第1光検出部のフォトダイオード及び前記第2光検出部のフォトダイオードの起電力によって生じる電力のみを動作電源とする増幅回路と、を備え、前記第1光検出部は、縦続接続された複数のフォトダイオードを含み、前記第2光検出部は、縦続接続された複数のフォトダイオードを含む。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、外部電源を要しない光センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態における光センサの構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態における増幅回路の構成の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態における増幅回路の構成の変形例を示す図である。
【
図4】第2の実施形態における光センサの構成の一例を示す図である。
【
図5】第3の実施形態における光センサの構成の一例を示す図である。
【
図6】第3の実施形態における増幅回路の構成の一例を示す図である。
【
図7】第3の実施形態における増幅回路の構成の変形例を示す図である。
【
図8】第3の実施形態における増幅回路の構成の第2の変形例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態における増幅回路の構成の第2の変形例を示す図である。
【
図10】第1の実施形態における増幅回路の構成の第3の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態による光センサ50の構成の一例を示す図である。光センサ50は、第1光検出部10と、第2光検出部20と、第1抵抗103と、第2抵抗104と、昇圧回路105と、増幅回路406と、出力ピン408とを備える。
なお、以下の説明において、光とは、光センサ50が検出可能な波長の電磁波のことを指し、可視光のほか、赤外光、紫外光などを広く含む。
【0010】
第1光検出部10は、第1フォトダイオード101を備える。
第2光検出部20は、第2フォトダイオード102を備える。
第1フォトダイオード101のアノードと、第2フォトダイオード102のアノードとは、接続点P4において互いに接続されている。つまり、第2光検出部20は、アノードが第1光検出部10の第1フォトダイオード101のアノードに接続される第2フォトダイオード102を含む。
【0011】
なお、本実施形態において、第1光検出部10及び第2光検出部20は、入射された光で発電する素子であればよい。一例として、第1光検出部10及び第2光検出部20が備えるフォトダイオードは、p型半導体とn型半導体とがpn接合され光起電力効果により光電流を生じる素子である。例えば、フォトダイオードは、太陽電池のようにpn接合による素子である。
【0012】
第1抵抗103は、一端が接続点P2において第1光検出部10の第1フォトダイオード101のカソードに接続され、他端が接続点P1において接地されている。
第2抵抗104は、一端が接続点P3において第2光検出部20の第2フォトダイオード102のカソードに接続され、他端が接続点P1において接地されている。
これら、第1抵抗103及び第2抵抗104は、抵抗値及び温度特性等の特性が互いに揃えられている。例えば、第1抵抗103の抵抗値と、第2抵抗104の抵抗値は、30kΩ(キロオーム)である。
【0013】
昇圧回路105は、入力端子108と、出力端子109とを備える。入力端子108は、第1フォトダイオード101のアノード及び第2フォトダイオード102のアノードと、接続点P4において接続されている。昇圧回路105は、入力端子108に供給される電圧を昇圧して出力端子109に出力する。
【0014】
この実施形態において昇圧回路105は、不図示のクロック生成回路を備えるチャージポンプ型の昇圧DC-DCコンバータ回路である。この一例の場合、昇圧回路105は、外部電源を要せずに昇圧動作を行う。
【0015】
増幅回路406は、電源端子TPと、電源端子TGと、第1入力端子TIと、第2入力端子TNと、出力端子TOとを備える。電源端子TPは、昇圧回路105の出力端子109に接続される。電源端子TGは、接地される。増幅回路406は、昇圧回路105から出力される電力を電源として動作する。
第1入力端子TIは、接続点P2において、第1光検出部10の第1フォトダイオード101のカソードに接続されている。第2入力端子TNは、接続点P3において、第2光検出部20の第2フォトダイオード102のカソードに接続されている。出力端子TOは、出力ピン408に接続されており、第1入力端子の電位と第2入力端子の電位とに基づく電位を出力する。
この一例では、増幅回路406とは、差動増幅回路である。第1入力端子TIとは増幅回路406の反転入力端子である。第2入力端子TNとは増幅回路406の非反転入力端子である。出力端子TOは、第1入力端子TIの電位と第2入力端子TNの電位とに基づく電圧又は電流を出力する。一例として、出力端子TOは、第1入力端子TIの電位と第2入力端子TNの電位との差分の電位を出力する。
【0016】
[光センサ50の動作例]
第1フォトダイオード101及び第2フォトダイオード102は、いずれも、光が入射すると光起電力効果によって起電力を生じる。第1フォトダイオード101は、起電力によって、第1フォトダイオード101のカソードからアノードに流れる光電流I1を生じさせる。第2フォトダイオード102は、起電力によって、第2フォトダイオード102のカソードからアノードに流れる光電流I2を生じさせる。
【0017】
第1光検出部10と、第2光検出部20とは、互いに異なる波長感度特性を有する。波長感度特性とは、入射する光の波長に対する光検出部の受光感度である。
第1光検出部10は、第1の波長感度特性を有する。第1光検出部10は、第1フォトダイオード101に入射する光の強度と第1の波長感度特性とに応じた光電流I1を出力する。すなわち、第1光検出部10は、第1フォトダイオード101を含み、第1の波長感度特性を有する。
【0018】
第2光検出部20は、第1光検出部10に対して、特定の波長範囲の発電特性を低下させる構造又はフィルタが装着された構造となっている。
この一例において、第2光検出部20は、不図示の波長フィルタを備えている。第2光検出部20は、波長フィルタを透過して第2フォトダイオード102に入射する光を検出する。波長フィルタは、上述した第1の波長感度特性に対し、特定の波長範囲の感度を低下させた波長特性を有する。すなわち、第2光検出部20は、第2フォトダイオード102を含み、第1の波長感度特性とは異なる第2の波長感度特性を有する。
第2の波長感度特性は、第1の波長感度特性の感度を有する波長範囲のうち、特定の波長範囲の感度が低くされている。
【0019】
なお、本実施形態において、第2光検出部20は不図示の波長フィルタを備えることにより、第1の波長感度特性とは異なる第2の波長感度特性を有するものとして説明したが、第2光検出部20は第1の波長感度特性とは異なる第2の波長感度特性を有していればよく、この実施形態に限定されない。例えば、第2光検出部20に含まれる第2フォトダイオード102の波長感度特性を、第1フォトダイオード101の波長感度特性とは異なるものにするように構成してもよい。
【0020】
特定の波長範囲が含まれる光が第1光検出部10と第2光検出部20に入射すると、第1光検出部10よりも第2光検出部20の方が、特定の波長範囲の光強度に比例して発電量が低下する。以下の説明において、第2光検出部20の発電量が低下する波長範囲を、「特定の波長範囲」と記載する。
【0021】
第1抵抗103と、第2抵抗104とは、同等の抵抗値を有する。第1抵抗103には、接続点P1から光電流I1が流れる。第2抵抗104には、接続点P1から光電流I2が流れる。このため、本実施形態において、接続点P2の電位及び接続点P3の電位は、接続点P1の電位よりも低下する。
第1光検出部10及び第2光検出部20が特定の波長範囲の光を検出した場合、第2光検出部20は、特定の波長範囲の発電特性が低いため、光電流I2は小さくなる。光電流I2が小さくなると、接続点P3の電位は高くなる。したがって、接続点P3の電位は、特定の波長範囲の光強度に比例して、接続点P2の電位よりも高くなる。
【0022】
この一例において、光が、第1光検出部10及び第2光検出部20に入射することにより、第1光検出部10及び第2光検出部20に起電力が発生し、発生した起電力が所定値(例えば0.4V)を超えると、第1光検出部10には光電流I1が流れ、第2光検出部20には光電流I2が流れる。光電流I1又は光電流I2が流れると、昇圧回路105に電流が流入する。昇圧回路105の入力端子108には、第1光検出部10から接続点P4を介して光電流I1が、第2光検出部20から接続点P4を介して光電流I2が、それぞれ流入する。
昇圧回路105は、第1光検出部10と第2光検出部20とが発電する発電電力を、より高い電圧の昇圧電力に変換し、出力端子109を介して増幅回路406に供給する。
つまり、昇圧回路105(昇圧部)は、第1光検出部10と第2光検出部20の起電力によって生じる電力を昇圧した電力を増幅回路406の電源端子に供給する。
【0023】
増幅回路406は、第1光検出部10の第1フォトダイオード101及び第2光検出部20の第2フォトダイオード102の起電力によって生じる電力を動作電源とする。
増幅回路406は、接続点P2の電位と接続点P3の電位との差分に基づく電圧ないし電流を、出力端子TOを介して出力ピン408に出力する。
従って、本実施形態における光センサ50は、特定の波長範囲の光の強度に応じた電圧ないし電流が出力ピン408から出力される。
【0024】
[増幅回路406の構成例]
図2は、第1の実施形態における増幅回路406の構成の一例を示す図である。
増幅回路406は、トランジスタ403と、トランジスタ404と、トランジスタ409と、トランジスタ410と、トランジスタ401と、トランジスタ402と、抵抗413と、抵抗411と、定電流源405と、定電流源407とを備える。
トランジスタ403と、トランジスタ404と、トランジスタ409と、トランジスタ410は、いずれもpチャネル型のトランジスタである。トランジスタ401と、トランジスタ402は、いずれもデプレッション型のnチャネル型のトランジスタである。なお、以下の説明においてデプレッション型と明記しないトランジスタは、エンハンスメント型であってよい。
定電流源405及び定電流源407は、互いに同じ電流値の電流を流す。定電流源405に流れる電流を電流I
47とし、定電流源407に流れる電流を電流I
48とする。電流I
47と、電流I
48とは、同じ電流値である。
【0025】
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ401は、ゲートが第1入力端子TIに接続され、ソースが定電流源405を介して電源端子TGに接続され、ドレインがトランジスタ403のドレインに接続されている。デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ402は、ゲートが第2入力端子TNに接続され、ソースが定電流源407を介して電源端子TGに接続され、ドレインがトランジスタ404のドレインに接続されている。デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ401のソースと、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ402のソースとは、抵抗413を介して互いに接続されている。
トランジスタ403は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートが自身のドレイン及びトランジスタ404のゲートに接続され、ドレインがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ401のドレインに接続されている。トランジスタ404は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートがトランジスタ403のゲート及びトランジスタ403のドレインに接続され、ドレインがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ402のドレインに接続されている。
トランジスタ409は、ゲート及びドレインがトランジスタ404のドレインに接続され、ソースが電源端子TPに接続されている。トランジスタ410は、ゲートがトランジスタ404のドレインに接続され、ソースが電源端子TPに接続され、ドレインが出力端子TOに接続され、かつ抵抗411を介して電源端子TGに接続されている。
【0026】
この一例において、差動対トランジスタを構成するトランジスタ401と、トランジスタ402とは、いずれもデプレッション型のnチャネル型のトランジスタである。したがって、電源端子TGよりも低い入力電圧に対応することができる。
ここで、第1光検出部10及び第2光検出部20が特定の波長範囲の光を検出した場合、第2入力端子TNの電位は、特定の波長範囲の光強度に比例して、第1入力端子TIの電位よりも高くなる。第1入力端子TIと第2入力端子TNとの電位差は、ほぼ抵抗413にかかる電位差となり、その電位差に応じた電流I44が抵抗413に流れる。
トランジスタ403に流れる電流は、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ401のドレイン-ソース間を介し、定電流源405に流れる。したがって、トランジスタ403のソース-ドレイン間に流れる電流I46は、定電流源405に流れる電流I47から、抵抗413に流れる電流I44を引いた値となる。
【0027】
トランジスタ404と、トランジスタ403とは、カレントミラー回路を構成するため、トランジスタ404のソース-ドレイン間には、トランジスタ403のソース-ドレイン間と同等の電流が流れる。つまり、トランジスタ404のソース-ドレイン間に流れる電流I41は、電流I46と同等である。また、電流I41は、電流I46と同等であるので、電流I47から電流I44を引いた値と同等である。
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ402のドレイン-ソース間に流れる電流は、抵抗413と、定電流源407とに流れる。したがって、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ402のドレイン-ソース間に流れる電流I43は、抵抗413に流れる電流I44と、定電流源407に流れる電流I48とを足した電流となる。
【0028】
ここで、トランジスタ409のソース-ドレイン間に流れる電流I42は、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ402のドレイン-ソース間に流れる電流I43から、トランジスタ404のソース-ドレイン間に流れる電流I41を引いた値となる。電流I43は、電流I48と電流I44とを足した電流であり、電流I41は、電流I47から電流I44とを引いた電流であることから、電流I42は、電流I44の2倍の値となる。
【0029】
トランジスタ410と、トランジスタ409とは、カレントミラー回路を構成するため、トランジスタ410のソース-ドレイン間には、トランジスタ409のソース-ドレイン間と同等の電流が流れる。つまり、トランジスタ410のソース-ドレイン間に流れる電流I45は、電流I42と同等である。つまり、電流I45は、電流I44の2倍の値となる。
電流I45は抵抗411に流れるため、出力端子TOの電位は、抵抗411の抵抗値に、電流I45の電流値を乗じた値となる。
したがって、第2入力端子TNと第1入力端子TIとの電位差は、抵抗413に対する抵抗411の抵抗比の2倍に増幅され、出力端子TOに出力される。
【0030】
[増幅回路406の変形例]
図3は、第1の実施形態における増幅回路406の構成の変形例である増幅回路406Aを示す図である。
増幅回路406Aは、トランジスタ703と、トランジスタ704と、トランジスタ701と、トランジスタ702と、トランジスタ709と、トランジスタ710と、抵抗713と、抵抗711と、抵抗715と、抵抗717と、定電流源705と、定電流源707と、定電流源714と、定電流源716とを備える。
トランジスタ703と、トランジスタ704と、トランジスタ709と、トランジスタ710とは、いずれもpチャネル型のトランジスタである。トランジスタ701と、トランジスタ702とは、いずれもnチャネル型のトランジスタである。
【0031】
トランジスタ701は、ゲートが抵抗715を介して第1入力端子TIに、定電流源714を介して電源端子TPにそれぞれ接続され、ソースが定電流源705を介して電源端子TGに接続され、ドレインがトランジスタ703のドレインに接続されている。トランジスタ702は、ゲートが抵抗717を介して第2入力端子TNに、定電流源716を介して電源端子TPにそれぞれ接続され、ソースが定電流源707を介して電源端子TGに接続され、ドレインがトランジスタ704のドレインに接続されている。トランジスタ701のソースと、トランジスタ702のソースとは、抵抗713を介して互いに接続されている。
トランジスタ703は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートが自身のドレイン及びトランジスタ704のゲートに接続され、ドレインがトランジスタ701のドレインに接続されている。トランジスタ704は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートがトランジスタ703のゲート及びトランジスタ703のドレインに接続され、ドレインがトランジスタ702のドレインに接続されている。
トランジスタ709は、ゲート及びドレインがトランジスタ704のドレインに接続され、ソースが電源端子TPに接続されている。トランジスタ710は、ゲートがトランジスタ704のドレインに接続され、ソースが電源端子TPに接続され、ドレインが出力端子TOに接続され、かつ抵抗711を介して電源端子TGに接続されている。
【0032】
上述した増幅回路406では、第1入力端子TI及び第2入力端子TNは、それぞれトランジスタ401のゲート及びトランジスタ402のゲートに接続され、トランジスタ401及びトランジスタ402はいずれもデプレッション型のnチャネル型のトランジスタである。増幅回路406において、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタを用いるのは、増幅回路406の第1入力端子TI及び第2入力端子TNが、負の電位になるためである。
一方、本変形例における増幅回路406Aでは、第1入力端子TIは、抵抗715及び定電流源714を介して電源に接続される。定電流源714及び抵抗715の接続点P71は、定電流源714の電流値及び抵抗715の抵抗値により、正の電位に設定することができる。トランジスタ701のゲートは、定電流源714及び抵抗715の接続点P71に接続されるため、正の電位に設定することができる。したがって、増幅回路406Aの実施形態において、トランジスタ701は、デプレッション型のトランジスタを用いなくともよい。
同様に、第2入力端子TNは、抵抗717及び定電流源716を介して電源に接続される。定電流源716及び抵抗717の接続点P72は、定電流源716の電流値及び抵抗717の抵抗値により、正の電位にすることができる。トランジスタ702のゲートは、定電流源716及び抵抗717の接続点P72に接続されるため、正の電位とすることができる。したがって、増幅回路406Aの実施形態において、トランジスタ702は、デプレッション型のトランジスタを用いなくともよい。
【0033】
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態における光センサ51の構成の一例を示す図である。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態において、光検出部が複数個のフォトダイオードを含んでおり、昇圧回路105を備えていない点において、上述した第1の実施形態と異なる。
【0034】
光センサ51は、第1光検出部11と、第2光検出部21とを備える。
第1光検出部11は、フォトダイオード1011と、フォトダイオード1012と、…、フォトダイオード101n(nは2以上の自然数)とを備える。第1光検出部11が備えるそれぞれのフォトダイオードは、縦続接続されている。つまり、第1光検出部11は、縦続接続された複数のフォトダイオードを含む。
第2光検出部21は、フォトダイオード1021と、フォトダイオード1022と、…、フォトダイオード102n(nは2以上の自然数)とを備える。第2光検出部21が備えるそれぞれのフォトダイオードは、縦続接続されている。つまり、第2光検出部21は、縦続接続された複数のフォトダイオードを含む。
【0035】
第1の実施形態において説明した光センサ50は、昇圧回路105を備えることにより、接続点P4の電圧を昇圧し、昇圧した電圧を増幅回路406の電源としている。
一方、第2の実施形態においては、第1光検出部11及び第2光検出部21が複数のフォトダイオードが縦続接続されている。第1光検出部11及び第2光検出部21の光起電力効果により生じる電力を、増幅回路406の電源として使用する。第1光検出部11及び第2光検出部21は、複数のフォトダイオードが縦続接続されていることから、少ない光量でも電源として使用可能な程度に十分高い電圧を得ることができる。
したがって、第2の実施形態においては、縦続接続された複数のフォトダイオードを備えることにより、上述したような昇圧回路を要しない。
なお、第2の実施形態における増幅回路406の構成は、第1の実施形態における増幅回路406の構成(増幅回路406の変形例である増幅回路406Aを含む)と同様である。
【0036】
[第3の実施形態]
図5は、第3の実施形態による光センサ52の構成の一例を示す図である。なお、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
光センサ52は、第1光検出部10と、第1抵抗103と、第2光検出部20と、第2抵抗104と、増幅回路106と、昇圧回路105と、トランジスタ107と、光検出電流出力端子110とを備える。
増幅回路106は電源端子TPと、電源端子TGと、第1入力端子TIと、第2入力端子TNと、出力端子TOとを備える。
本実施形態において、光センサ52は、第1光検出部10が検出する光の波長に応じて生じる光電流I1の電流値と、第2光検出部20が検出する光の波長に応じて生じる光電流I2の電流値との差異を、光検出電流出力端子110から引き込む電流量として出力する。したがって、光検出電流出力端子110に電流検出回路(不図示)を備えることにより、光センサ52は、第1光検出部10が検出する光の波長に応じて生じる光電流I1の電流値と、第2光検出部20が検出する光の波長に応じて生じる光電流I2の電流値との差異を検出することができる。
【0037】
トランジスタ107は、nチャネル型のトランジスタである。トランジスタ107のゲートは、増幅回路106の出力端子TOに接続されている。トランジスタ107のソースは、増幅回路106の第1入力端子に接続されている。トランジスタ107のドレインは、光検出電流出力端子110に接続されている。
【0038】
特定の波長範囲の光を含まない波長範囲の光が入射されると、第2光検出部20の光起電力効果により発生する光電流の大きさは、第1光検出部10の光起電力効果により発生する光電流の大きさと同様である。第3の実施形態において、特定の波長範囲以外の波長範囲では、増幅回路106の第1入力端子TIの電位と、増幅回路106の第2入力端子TNの電位とは、同電位である。この場合、増幅回路106の出力端子TOに出力される電位は、第1入力端子TI及び第2入力端子TNと同電位となる。
したがって、増幅回路106は、トランジスタ107のドレイン-ソース間に電流が流れないようにトランジスタ107のゲート電圧を制御する。つまり、光検出電流出力端子110に電流は流れない。
【0039】
一方、特定の波長範囲の光を含む波長範囲の光が入射されると、第2光検出部20の光起電力効果により発生する光電流は、第1光検出部10の光起電力効果により発生する光電流に比べて小さい。したがって、増幅回路106の第2入力端子TNの電位は、増幅回路106の第1入力端子TIの電位に比べて大きくなる。
増幅回路106は、第2入力端子TNの電位が第1入力端子TIの電位に比べて大きいため、出力端子TOの電位が大きくなり、トランジスタ107のゲート電位が大きくなる。その結果、トランジスタ107のドレイン-ソース間に電流が流れる。トランジスタ107ドレインーソース間に電流が流れると、増幅回路106の第1入力端子TIの電位は、増幅回路106の第2入力端子TNの電位と同じになるまで上昇し、安定状態となる。
【0040】
ここで、接続点P1から接続点P2に流れる電流を電流I3とし、接続点P1から接続点P3に流れる電流を電流I4とする。
第1抵抗103及び第2抵抗104は同一の抵抗値を有するので、接続点P2及び接続点P3の電位が同一であれば、第1抵抗103に流れる電流I3の大きさと、第2抵抗104に流れる電流I4の大きさは同様である。つまり、光電流I1と光電流I2の電流差は、電流I3と電流I4が等しくなるので、全て、トランジスタ107から接続点P2に流れ込む。
したがって、トランジスタ107のドレイン-ソース間には光電流I1と光電流I2との差分が流れる。つまり本実施形態において、光センサ52は、光検出電流出力端子110より、第1光検出部10が検出する光と、第2光検出部20が検出する光との差異を、検出することができる。
【0041】
第3の実施形態における昇圧回路105の構成は、第1の実施形態において説明した昇圧回路105の構成と同様である。
また、第3の実施形態においても、第2の実施形態で説明したように、光検出部が複数個のフォトダイオードを含み、昇圧回路105を備えない構成であってもよい。
【0042】
なお、本実施形態においては、光検出電流出力端子110に接続される回路を限定しない。例えば、光検出電流出力端子110には、繰り返し充電可能な電池が接続されてもよい。
その場合、電池に所定の電圧が蓄積された場合に、所定の動作を行う回路を構成することが可能である。例えば、電池に所定の電圧が蓄積された場合、無線通信が作動するように構成してもよい。
【0043】
[増幅回路106の実施形態]
図6は、第3の実施形態における増幅回路106の構成の一例を示す図である。
増幅回路106は、トランジスタ201と、トランジスタ202と、トランジスタ203と、トランジスタ204と、トランジスタ205と、定電流源206と、定電流源207とを備える。
トランジスタ203、トランジスタ204及びトランジスタ205はいずれもpチャネル型のトランジスタである。
トランジスタ201を、第1の入力段トランジスタとも記載する。トランジスタ202を、第2の入力段トランジスタとも記載する。第1の入力段トランジスタと、前記第2の入力段トランジスタは、いずれもデプレッション型のnチャネル型のトランジスタである。
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ201のゲートは、増幅回路106の第1入力端子TIに接続されている。デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202のゲートは、増幅回路106の第2入力端子TNに接続されている。
【0044】
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ201は、ゲートが第1入力端子TIに接続され、ソースがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202のソースに接続され、かつ定電流源206を介して電源端子TGに接続され、ドレインがトランジスタ203のドレインに接続され、かつトランジスタ203のゲートとトランジスタ204のゲートとの接続点に接続されている。デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202は、ゲートが第2入力端子TNに接続され、ソースがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ201のソースに接続され、かつ定電流源206を介して電源端子TGに接続され、ドレインがトランジスタ204のドレインに接続され、かつトランジスタ205のゲートに接続されている。
トランジスタ203は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートが自身のドレイン及びトランジスタ204のゲートに接続され、ドレインがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ201のドレインに接続されている。トランジスタ204は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートがトランジスタ203のゲート及びトランジスタ203のドレインに接続され、ドレインがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202のドレインに接続されている。
トランジスタ205は、ゲートがトランジスタ204のドレインに接続され、ソースが電源端子TPに接続され、ドレインが定電流源207を介して電源端子TGに接続され、かつ出力端子TOに接続されている。
【0045】
トランジスタ203及びトランジスタ204は、カレントミラー回路を構成する。トランジスタ204のソース-ドレイン間には、トランジスタ203のソース-ドレイン間に流れる電流に対応する電流が流れる。
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ201のゲート電位と、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202のゲート電位とが同一である場合、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ201のドレイン-ソース間及びデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202のドレイン-ソース間には同様の電流が流れる。トランジスタ205のソース-ドレイン間には、トランジスタ205のゲート-ソース間の電位差に対応した電流が流れる。
【0046】
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202のゲート電位が上昇した場合、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202のドレイン-ソース間に流れる電流は大きくなる。デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202のドレイン-ソース間に流れる電流は、定電流源206を介して電源端子TGに流れる。このとき、定電流源206により電流が制限される。したがって、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202のゲート電位が上昇した場合、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202のドレインの電位は低下する。
トランジスタ205のゲート-ソース間の電位差が大きくなると、トランジスタ205のソース-ドレイン間に流れる電流は大きくなる。トランジスタ205のソース-ドレイン間に流れる電流は定電流源207を介して電源端子TGに流れる。このとき、定電流源207により電流が制限される。したがって、出力端子TOの出力電位は上昇する。
したがって、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ202のゲート電位が上昇した場合、出力端子TOの出力電位は上昇する。
図5に戻って、増幅回路106の出力電位が上昇すると、光検出電流出力端子110には、光電流I1と光電流I2との差分の電流が生じる。
【0047】
[増幅回路106の変形例]
図7は、第3の実施形態における増幅回路106の構成の変形例である増幅回路106Aを示す図である。増幅回路106Aは、増幅回路106の一態様である。なお、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
増幅回路106Aは、トランジスタ601と、トランジスタ602と、トランジスタ603と、トランジスタ604と、トランジスタ605と、定電流源606と、定電流源607と、定電流源609と、抵抗610と、定電流源611と、抵抗612とを備える。
トランジスタ601と、トランジスタ602は、いずれもnチャネル型のトランジスタである。
トランジスタ603と、トランジスタ604と、トランジスタ605は、いずれもpチャネル型のトランジスタである。
【0048】
トランジスタ601は、ゲートが抵抗610を通して第1入力端子TIに、定電流源609を介して電源端子TPに接続され、ソースが定電流源606を介して電源端子TGに接続され、ドレインがトランジスタ603のドレインに接続されている。トランジスタ602は、ゲートが抵抗612を介して第2入力端子TNに、定電流源611を介して電源端子TPに接続され、ソースが定電流源606を介して電源端子TGに接続され、ドレインがトランジスタ604のドレイン及びトランジスタ605のゲートに接続されている。
トランジスタ603は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートが自身のドレイン及びトランジスタ604のゲートに接続され、ドレインがトランジスタ601のドレインに接続されている。トランジスタ604は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートがトランジスタ603のゲート及びトランジスタ603のドレインに接続され、ドレインがトランジスタ602のドレインに接続されている。
トランジスタ605は、ゲートがトランジスタ604のドレイン及びトランジスタ602のドレインに接続され、ソースが電源端子TPに接続され、ドレインが出力端子TOに接続され、かつ定電流源607を介して電源端子TGに接続されている。
【0049】
上述した増幅回路106の実施形態では、第1入力端子TI及び第2入力端子TNは、それぞれトランジスタ201のゲート及びトランジスタ202のゲートに接続され、トランジスタ201及びトランジスタ202はいずれもデプレッション型のnチャネル型のトランジスタである。増幅回路106の実施形態において、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタを用いるのは、増幅回路106の第1入力端子TI及び第2入力端子TNが、負の電位になるためである。
一方、本実施形態における増幅回路106Aでは、第1入力端子TIは、抵抗610及び定電流源609を介して電源に接続されている。定電流源609及び抵抗610の接続点は、定電流源609の電流値及び抵抗610の抵抗値により、正の電位に設定することができる。トランジスタ601のゲートは、定電流源609及び抵抗610の接続点に接続されているため、正の電位に設定することができる。したがって、増幅回路106Aの実施形態において、トランジスタ601は、デプレッション型のトランジスタを用いなくともよい。
同様に、第2入力端子TNは、抵抗612及び定電流源611を介して電源に接続されている。定電流源611及び抵抗612の接続点は、定電流源611の電流値及び抵抗612の抵抗値により、正の電位に設定することができる。トランジスタ602のゲートは、定電流源611及び抵抗612の接続点に接続されているため、正の電位に設定することができる。したがって、増幅回路106Aの実施形態において、トランジスタ602は、デプレッション型のトランジスタを用いなくともよい。
【0050】
[増幅回路106の第2の変形例]
図8は、第3の実施形態における増幅回路106の構成の第2の変形例である増幅回路106Bを示す図である。なお、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
増幅回路106Bは、トランジスタ801と、トランジスタ802と、トランジスタ803と、トランジスタ804と、抵抗805と、抵抗806とを備える。
トランジスタ803と、トランジスタ804は、いずれもpチャネル型のトランジスタである。トランジスタ801を、第3の入力段トランジスタとも記載する。また、トランジスタ802を第4の入力段トランジスタとも記載する。トランジスタ801と、トランジスタ802は、いずれもデプレッション型のnチャネル型のトランジスタである。
抵抗805の抵抗値と、抵抗806の抵抗値は、同等である。
【0051】
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ801は、ゲートが電源端子TGに接続され、ソースが抵抗805を介して第1入力端子TIに接続され、ドレインがトランジスタ803のドレインに接続され、かつトランジスタ803のゲートとトランジスタ804のゲートとの接続点に接続されている。つまり、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ801のソースには、増幅回路106Bの第1入力端子TIが抵抗805を介して接続されている。
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ802は、ゲートが電源端子TGに接続され、ソースが抵抗806を介して第2入力端子TNに接続され、ドレインがトランジスタ804のドレインに接続され、かつ出力端子TOに接続されている。つまり、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ802のソースには、増幅回路106Bの第2入力端子TNが抵抗806を介して接続されている。
【0052】
トランジスタ803は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートが自身のドレイン及びトランジスタ804のゲートに接続され、ドレインがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ801のドレインに接続されている。トランジスタ804は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートがトランジスタ803のゲート及びトランジスタ803のドレインに接続され、ドレインがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ802のドレインに接続され、かつ出力端子TOに接続されている。
【0053】
トランジスタ803及びトランジスタ804は、カレントミラー回路を構成する。トランジスタ804のソース-ドレイン間には、トランジスタ803のソース-ドレイン間に流れる電流に対応する電流が流れる。
ここで、増幅回路106Bにより構成される光センサ52において、増幅回路106Bの第1入力端子TIは、接続点P2に接続されている。第1光検出部10が光を検出した場合、光電流I1は、接地電位である接続点P1から第1抵抗103を介して第1光検出部10に流れる。したがって接続点P2の電位は、接地電位よりも低い値となる。例えば、接地電位を0V(ボルト)とした場合、接続点P2の電位は負の電位となる。
【0054】
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ801のゲートは接地点に接続されているため、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ801のゲート-ソース間には電位差が生じ、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ801のドレイン-ソース間には、トランジスタ803のソース-ドレイン間と同様の電流が流れる。つまり本実施形態においては、第1入力端子TIは、電流を出力する。
第2入力端子TNは、接続点P3に接続されている。第2光検出部20が光を検出した場合、光電流I2は、接地電位である接続点P1から第2抵抗104を介して第2光検出部20に流れる。したがって接続点P3の電位は、接地電位よりも低い値となる。例えば、接地電位を0V(ボルト)とした場合、接続点P3の電位は負の電位となる。
【0055】
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ802のゲートは接地点に接続されているため、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ802のゲート-ソース間には電位差が生じ、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ802のドレイン-ソース間には、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ802のドレイン-ソース間と同様の電流が流れる。つまり本実施形態においては、出力端子TOは、電流を出力する。
【0056】
出力端子TOの電位は、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ802のソース電位が、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ801のソース電位と同等になるよう、制御される。抵抗805と、抵抗806とは、同等であるので、第1入力端子TIと、第2入力端子TNとは、同等の電位になる。
【0057】
第1光検出部10及び第2光検出部20が特定の波長範囲の光を検出した場合、接続点P3の電位は、光強度に比例して、接続点P2の電位よりも高くなる。出力端子TOの出力電位は、第1入力端子TIの電位と第2入力端子TNの電位とが、同等になるよう制御される。
【0058】
図5に戻って、増幅回路106の出力端子TOの電位が上昇すると、光検出電流出力端子110からトランジスタ107のドレイン-ソース間を介して電流が流れる。トランジスタ107のドレイン-ソース間を流れる電流は、第1フォトダイオード101に流れる。
したがって、トランジスタ107のドレイン-ソース間には光電流I1と光電流I2との差分が流れる。つまり本実施形態において、光センサ52は、光検出電流出力端子110より、第1光検出部10が検出する光と、第2光検出部20が検出する光との差異を、検出することができる。
【0059】
[増幅回路406の変形例2]
図9は、第1の実施形態における増幅回路406の構成の第2の変形例を示す図である。増幅回路406Bは、増幅回路406の第2の変形例である。なお、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
増幅回路406Bは、トランジスタ111と、トランジスタ112と、トランジスタ113と、トランジスタ114とトランジスタ117と、抵抗115と、抵抗116と、抵抗118とを備える。
トランジスタ113と、トランジスタ114と、トランジスタ117とは、いずれもpチャネル型のトランジスタである。トランジスタ111と、トランジスタ112は、いずれもデプレッション型のnチャネル型のトランジスタである。
抵抗115の抵抗値と、抵抗116の抵抗値は、同等である。
【0060】
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ111は、ゲートが電源端子TGに接続され、ソースが抵抗115を介して第1入力端子TIに接続され、ドレインがトランジスタ113のドレインに接続され、かつトランジスタ113のゲートとトランジスタ114のゲートとの接続点に接続されている。
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ112は、ゲートがトランジスタ117と抵抗118との接続点に接続され、ソースが抵抗116を介して第2入力端子TNに接続され、ドレインがトランジスタ114のドレインに接続され、かつトランジスタ117のゲートに接続されている。
【0061】
トランジスタ113は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートが自身のドレイン及びトランジスタ114のゲートに接続され、ドレインがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ111のドレインに接続されている。トランジスタ114は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートがトランジスタ113のゲート及びトランジスタ113のドレインに接続され、ドレインがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ112のドレインに接続され、かつトランジスタ117のゲートに接続されている。
トランジスタ117は、ドレインが出力端子TOに接続され、ゲートがトランジスタ114のドレインとデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ112の接続点に接続され、ソースがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ112のゲートと抵抗118との接続点に接続されている。
【0062】
上述した増幅回路106Bの実施形態では、第1入力端子TIの電位と第2入力端子TNの電位とが、同等になるよう出力端子TOの出力電位が制御される。つまり、第1光検出部10が検出する光と、第2光検出部20が検出する光との差異により、出力端子TOの出力電位が制御される。
一方、本実施形態においては、第1入力端子TIに流れる電流と第2入力端子TNに流れる電流とが、同等になるよう出力端子TOから流入する電流が制御される。つまり、第1光検出部10が検出する光と、第2光検出部20が検出する光との差異により、出力端子TOに流入する電流が制御される。
【0063】
本実施形態において、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ112のゲートは、トランジスタ117のソースと、抵抗118との接続点に接続されている。そのため、トランジスタ117のソース電圧は、抵抗115に流れる電流の電流値と、抵抗116に流れる電流の電流値とが、同等になるよう制御される。
具体的には、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ112のソース電圧が、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ111のソース電圧よりも、第1入力端子TIと第2入力端子TNの電位差分、高くなる。デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ111のゲートは、電源端子TGに接続されているため、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ112のゲート電圧は、電源端子TGの電位より、第1入力端子TIと第2入力端子TNの電位差分、高くなる。
抵抗118には、第1入力端子TIと第2入力端子TNの電位差と同等の電位がかかり、出力端子TOからは、第1入力端子TIと第2入力端子TNの電位差を抵抗118の抵抗値で割った値の電流が流れる。つまり、入力端子の電位差に比例した電流が出力端子TOから流入する。
したがって、増幅回路406Bは、出力端子TOに流入する電流の値により、第1光検出部10が検出する光と、第2光検出部20が検出する光との差異を、検出することができる。
【0064】
[増幅回路406の変形例3]
図10は、第1の実施形態における増幅回路の構成の第3の変形例を示す図である。増幅回路406Cは、増幅回路406の第3の変形例である。なお、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
増幅回路406Cは、トランジスタ121と、トランジスタ122と、トランジスタ123と、トランジスタ124とトランジスタ127と、トランジスタ128と、トランジスタ130と、抵抗125と、抵抗126と、抵抗129と、抵抗131とを備える。
トランジスタ123と、トランジスタ124と、トランジスタ127と、トランジスタ128と、トランジスタ130とは、いずれもpチャネル型のトランジスタである。トランジスタ121と、トランジスタ122は、いずれもデプレッション型のnチャネル型のトランジスタである。
抵抗125の抵抗値と、抵抗126の抵抗値は、同等である。
【0065】
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ121は、ゲートが電源端子TGに接続され、ソースが抵抗125を介して第1入力端子TIに接続され、ドレインがトランジスタ123のドレインに接続され、かつトランジスタ123のゲートとトランジスタ124のゲートとの接続点に接続されている。
デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ122は、ゲートがトランジスタ128のソースと抵抗129との接続点に接続され、ソースが抵抗126を介して第2入力端子TNに接続され、ドレインがトランジスタ124のドレインとトランジスタ128のゲートとの接続点に接続されている。
【0066】
トランジスタ123は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートが自身のドレイン及びトランジスタ124のゲートに接続され、ドレインがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ121のドレインに接続されている。トランジスタ124は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートがトランジスタ123のゲート及びトランジスタ123のドレインに接続され、ドレインがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ122のドレインに接続され、かつトランジスタ127のゲートに接続されている。
トランジスタ127は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートがトランジスタ130のゲートと自身のソースとの接続点に接続され、ドレインがトランジスタ128のドレインと自身のゲートとの接続点に接続されている。
トランジスタ128は、ドレインがトランジスタ127のドレインとトランジスタ127のゲートとの接続点に接続され、ゲートがトランジスタ124のドレインとデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ122のドレインとの接続点に接続され、ソースがデプレッション型のnチャネル型のトランジスタ122のゲートと抵抗129との接続点に接続されている。
トランジスタ130は、ソースが電源端子TPに接続され、ゲートがトランジスタ127のゲートとトランジスタ127のドレインとの接続点に接続され、ドレインが出力端子TOと抵抗131との接続点に接続されている。
【0067】
上述した増幅回路406Bの実施形態では、第1入力端子TIに流れる電流と第2入力端子TNに流れる電流とが、同等になるよう出力端子TOから流入する電流が制御される。つまり、第1光検出部10が検出する光と、第2光検出部20が検出する光との差異により、出力端子TOに流入する電流が制御される。
一方、本実施形態においては、上述した増幅回路406Bの出力端子TOに流れていた電流が、トランジスタ127及びトランジスタ130により構成されるカレントミラー回路により、コピーされる。コピーされた電流は、抵抗131の抵抗値に応じた電圧を出力する。つまり、出力端子TOには、抵抗129に対する抵抗131の抵抗比に基づいた電圧が、出力される。
【0068】
本実施形態において、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ122のゲートは、トランジスタ128のソースと、抵抗129との接続点に接続されている。そのため、トランジスタ128のソース電圧は、抵抗125に流れる電流の電流値と、抵抗126に流れる電流の電流値とが、同等になるよう制御される。
具体的には、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ122のソース電圧が、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ121のソース電圧よりも、第1入力端子TIと第2入力端子TNの電位差分、高くなる。デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ121のゲートは、電源端子TGに接続されているため、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタ122のゲート電圧は、電源端子TGの電位より、第1入力端子TIと第2入力端子TNの電位差分、高くなる。
抵抗129には、第1入力端子TIと第2入力端子TNの電位差と同等の電位がかかり、第1入力端子TIと第2入力端子TNの電位差を抵抗129の抵抗値で割った値の電流が流れる。
ここで、トランジスタ127とトランジスタ130とは、カレントミラー回路を構成する。抵抗129に流れる電流は、トランジスタ127を流れる電流と同等であるため、トランジスタ130には、抵抗129に流れる電流と同等の電流が流れる。つまり、トランジスタ130には、第1入力端子TIと第2入力端子TNの電位差を抵抗129の抵抗値で割った値の電流が流れる。
つまり、出力端子TOからは、第1入力端子TIと第2入力端子TNの電位差を、抵抗129に対する抵抗131の抵抗比倍した電圧が出力端子から出力される。
したがって、特定の波長範囲の強度に応じた電圧が、出力端子TOから出力される。
【0069】
[実施形態の効果のまとめ]
以上説明した実施形態によれば、光センサ50は、第1光検出部10と、第2光検出部20とを備える。第1光検出部10は、広い波長の範囲の光に対して発電する特性である第1の波長感度特性を有し、第2光検出部20は、第1光検出部10の第1の波長感度特性に対して、特定の波長範囲の光に対してのみ感度を低下させた第2の波長感度特性を有する。
光センサ50は、第1光検出部10の光起電力効果により生じる電流と、第2光検出部20の光起電力効果により生じる電流とを比較することにより、特定の波長範囲の光を検知することができる。
【0070】
さらに光センサ50は、第1光検出部10と、第2光検出部20により生じる電力を、増幅回路106の電源として使用とする。
従来は駆動回路に外部電源が必要であったのに対し、以上説明した実施形態によれば、外部電源を用意することが不要である。
つまり、本実施形態による光センサ50は外部電源を要しない。
【0071】
また、上述した実施形態によれば、光センサ50は、昇圧回路105を備える。昇圧回路105は、第1光検出部10及び第2光検出部20によって生じる電力を昇圧する。昇圧回路105は、昇圧した電力を増幅回路106の電源端子に供給する。
ここで、増幅回路106の駆動電圧は、第1光検出部10及び第2光検出部20によって生じる電圧よりも大きい場合がある。その場合、昇圧回路105は、増幅回路106の駆動電圧以上の電圧に昇圧する。
したがって、光センサ50は、昇圧回路105を備えることにより、第1光検出部10及び第2光検出部20によって生じる電圧が、増幅回路106の動作電圧よりも低い場合であっても、増幅回路106を駆動することが可能になる。
【0072】
また、上述した実施形態によれば、第1光検出部10は縦続接続された複数のフォトダイオードを含み、第2光検出部20は縦続接続された複数のフォトダイオードを含む。
従来技術による昇圧回路は、クロック生成回路や、チャージポンプ回路等を要していた。しかしながら、上述した実施形態による複数のフォトダイオードを縦続接続する構成をとることで、第1光検出部10及び第2光検出部20は、増幅回路106の駆動に十分な電圧を得ることができる。
したがって、光センサ50は、昇圧回路に用いるクロック生成回路や、チャージポンプ回路等の回路が不要になる。
したがって、光センサ50は、従来のクロック生成回路や、チャージポンプ回路等を備える回路構成と比較して、回路構成が簡素化される。その結果、回路配置等の回路設計作業が容易になる。
【0073】
また、上述した実施形態によれば、光センサ50は、nチャネル型のトランジスタ107と、光検出電流出力端子110とを備える。
光センサ50は、nチャネル型のトランジスタ107と、光検出電流出力端子110とを備えることにより、増幅回路106の構成を簡素化することができる。
したがって、光センサ50は、回路の構成が簡素化する事による低コスト化が可能になる。また、増幅回路106の構成を簡素化することで、光センサ50は、回路構成が簡素化され、回路配置等の回路設計作業が容易になる。
【0074】
また、上述した実施形態によれば、増幅回路106の入力端子には、デプレッション型のnチャネル型のトランジスタを用いる。この構成により、増幅回路106は、トランジスタのゲートを正の電位とするための素子を追加することなく、負の電位を検出することができる。
したがって、光センサ50の回路構成は簡素化される。光センサ50の回路構成が簡素化されるので、回路配置等の回路設計作業が容易になる。
【0075】
また、上述した実施形態によれば、増幅回路106の入力端子は、抵抗を介してデプレッション型のnチャネル型のトランジスタのソースに接続される。この構成により、増幅回路106は、消費電力を抑えることができる。
【0076】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0077】
10、11…第1光検出部
20、21…第2光検出部
50、51、52…光センサ
101…第1フォトダイオード
102…第2フォトダイオード
103…第1抵抗
104…第2抵抗
105…昇圧回路
108…入力端子
109…出力端子
106、106A、106B、406、406A、406B、406C…増幅回路
107、201、202、203、204、205、401、402、403、404、409、410、601、602、603、604、605、701、702、703、704、709、710、801、802、803、804、111、112、113、114、117、123、124、121、122、127、128、130…トランジスタ
206、207、405、407、606、607、609、611、705、707、714、716…定電流源
411、413、610、612、805、806、713、715、717、711、115、116、118、125、126、129、131…抵抗
408…出力ピン
110…光検出電流出力端子
TP…電源端子
TG…電源端子
TI…第1入力端子
TN…第2入力端子
TO…出力端子