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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-31
(45)【発行日】2023-06-08
(54)【発明の名称】釣用のルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/01 20060101AFI20230601BHJP
   A01K 85/16 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
A01K85/01 Z
A01K85/16
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020038754
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021136954
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】八木 啓之
(72)【発明者】
【氏名】若林 健一
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-187246(JP,A)
【文献】特開2021-061795(JP,A)
【文献】特開2002-330668(JP,A)
【文献】特開2010-154762(JP,A)
【文献】特開平11-018629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/01 - 85/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣用のルアーであって、
内部に空洞を備える本体部と、
端部が該本体部に支持される支持部材と、
該支持部材に支持され、揺動する揺動部材と、を備え、
該揺動部材は、前記本体部の外部から視認可能であり、該揺動部材の延伸方向に垂直な断面でみて少なくともその一部が、円形、多角形、波状、星状に形成され、
該揺動部材は、ボールベアリングを介して前記支持部材に支持されていることを特徴とするルアー。
【請求項2】
前記揺動部材は、外部からの光を反射する、請求項1に記載のルアー。
【請求項3】
前記揺動部材の少なくとも一部は、円柱、波形、多角体、多面体、球体に形成される、請求項1又は2に記載のルアー。
【請求項4】
前記支持部材は、前記揺動部材の延伸方向に垂直な断面でみて、該揺動部材の中心位置若しくは該中心位置から偏心された位置で該揺動部材を支持する、請求項1又は2に記載のルアー。
【請求項5】
前記支持部材は、円柱状に形成される、請求項1からまでのいずれか1項に記載のルアー。
【請求項6】
前記支持部材は、1又は複数のアイである、請求項1からまでのいずれか1項に記載のルアー。
【請求項7】
前記揺動部材は、1又は複数の揺動部分を備える、請求項1からまでのいずれか1項に記載のルアー。
【請求項8】
前記揺動部材に錘が設けられる、請求項1からまでのいずれか1項に記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣用のルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ルアーフィッシングでは、フィッシュイーターを捕獲するため、小魚等のベイトに疑似された疑似餌(ルアー)が用いられている。このようなルアーとして、餌木、スプーン、プラグ、スピナー、ジグ、プラスチックルアー等様々な種類のものが知られている。
【0003】
このようなルアーの1つとして、特許文献1には、フィッシングに用いる疑似餌等の魚誘引具に係り、特に本体内に光線を反射する物体を液体と共に封入して反射体の移動により複雑な反射光を発現し、釣果を上げることが出来るようにした魚誘引具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-75628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような漁誘引具では、光を反射する小片を液体と共に封入するための大きな空間が必要となるものの、ルアーのサイズよってはそのような空間を設けること自体が難しい場合もあった。また、同文献1のような漁誘引具では、光の反射をもたらし得るものの、小片に当たる外部からの光の角度によっては、反射光がフィッシュイーターに届かないために、魚の誘引効果が必ずしも高くならないという問題もあった。
【0006】
本発明の実施形態は、より小さい空間でより確実にフィッシュイーターを誘引することが可能な誘引機構を備えたルアーを提供することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーは、内部に空洞を備える本体部と、端部が該本体部に支持される支持部材と、該支持部材に支持され、揺動する揺動部材と、を備え、該揺動部材は、前記本体部の外部から視認可能であり、該揺動部材の延伸方向に垂直な断面でみて少なくともその一部が、円形、多角形、波状、星状に形成される。
【0008】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該揺動部材は、外部からの光を反射するよう構成される。
【0009】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該揺動部材の少なくとも一部は、円柱、波形、多角体、多面体、球体に形成される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該支持部材は、該揺動部材の延伸方向に垂直な断面でみて、該揺動部材の中心位置若しくは該中心位置から偏心された位置で該揺動部材を支持するよう構成される。
【0011】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該揺動部材は、ボールベアリングを介して該支持部材に支持されている。
【0012】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該揺動部材は、バネ部材を介して該支持部材に支持されている。
【0013】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該支持部材は、円柱状に形成される。
【0014】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該支持部材は、1又は複数のアイである。
【0015】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該揺動部材は、1又は複数の揺動部分を備えるよう構成される。
【0016】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該揺動部材に錘が設けられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の様々な実施形態によって、より小さい空間でより確実にフィッシュイーターを誘引することが可能な誘引機構を備えたルアーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)‐(d)は、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の揺動部材の断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の概略図である。
図3】本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の揺動部材の支持構造を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の揺動部材の支持構造を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の揺動部材の支持構造を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の揺動部材の支持構造を示す図である。
図7】(a)‐(g)は、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の揺動部材の斜視図である。
図8】(a)‐(c)は、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の揺動部材の斜視図である。
図9】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の揺動部材の支持構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の様々な実施形態を適宜図面を参照して説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0020】
図1、2を参照して、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1について説明する。図1、2に示すように、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1は、内部に空洞11を備える本体部2と、端部13が該本体部2に支持される支持部材3と、該支持部材3に支持され、揺動する揺動部材4と、を備え、該揺動部材4は、該本体部2の外部から視認可能であり、該揺動部材4の延伸方向Xに垂直な断面でみて少なくともその一部が、円形(図1a)、多角形(図1b)、波状(図1c)、星状(図1d)に形成される。本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該揺動部材は、外部からの光を反射するよう構成される。また、図2の例では、該揺動部材4に錘14が設けられており、このようにすることで、揺動部材4の揺動をより長く持続させることができる。なお、支持部材3は、揺動部材4と一体に成形されるようにしてもよい。この場合、例えば、支持部材3は揺動部材4と共に樹脂成型品であってもよい。
【0021】
また、揺動部材4は、樹脂や金属等の材料を用いることができる(これらに限られない)が、ルアー全体の重量を考慮して、適宜中間層や内側層に発泡体を用いてもよい。また、ルアー全体の重量を考慮して、適宜揺動部材4の不要な部分を肉抜きや中空とするようにしてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1により、より小さい空間でより確実にフィッシュイーターを誘引することが可能な誘引機構を備えたルアーを提供することができる。より具体的には、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1により、揺動部材4が支持部材3回りに回転させることができ、本体部内部への衝突を回避しながら、揺動部材4の移動範囲を抑制することで空洞のスペースを最小限なものとすることができる。また、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1により、揺動部材4が外部から受光する光を様々な方向に反射させることが可能となることで、反射光がフィッシュイーターにも確実に届くため、誘引効果を大幅に高めることが可能となる。
【0023】
図2、3、4を参照して、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1についてさらに説明する。当該揺動部材4は支持部材3に支持されており、図示の例では、該支持部材3は、本体部2に設けられた支持受部5により支持されている。また、図示のように、支持部材3の紙面の横方向端部A、B及び紙面の縦方向端部C、Dは共に先端に向かうにつれ尖るよう(凸状)に形成することができる。このようにすることで、ルアーの僅かな動きに反応して、揺動部材4を揺動させることができると共に、揺動時間を長くすることが可能となる。
【0024】
また、図2、3に示すように、本体部2に設けられた支持受部5の先端も尖るように形成することができる。このようにすることで、ルアーの僅かな動きに反応して、支持受部5が支持部材3を介して、揺動部材4をより揺動させることができると共に、揺動時間をさらに長くすることが可能となる。
【0025】
ここで、図2、3、4に示す支持部材3及び支持受部5の形状を例示であり、これら以外にも様々な態様(例えば、円柱状など)が考えられるが、特定の態様に限定されるものではないことを付言する。
【0026】
図5に支持受部5のその他の例を示す。図示の例では、本体部2とは別に設けられた支持受部5はリング状部材として形成され、その内側面が凸状に形成されている。この場合、支持部材3(図示の例では、断面が三角形状であるがこれに限られない)は、支持受部5を貫通するようにして支持受部5の内側面で支持される。当該支持受部5は、金属若しくは樹脂により形成することができる。このようにすることで、ルアーの僅かな動きに反応して、揺動部材4を揺動させることができると共に、揺動時間を長くすることが可能となる。
【0027】
図6に支持受部5のその他の例を示す。図示の例では、本体部2にボールベアリング15を設け、支持部材3を回転可能に支持するようにしている。このようにすることで、ルアーの僅かな動きに反応して、揺動部材4を揺動させることができると共に、揺動時間を長くすることが可能となる。
【0028】
次に、図7を参照して、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の揺動部材4について説明する。本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1において、該揺動部材4(若しくは該揺動部材4の少なくとも一部でもよい)は、円柱(図7a)、波形(図7b、c)、多角体(複数の多角体で構成されている態様も含む)(図7d、e)、多面体(プロペラ型の態様も含む)(図7f)、球体(図7g)に形成することができる。このようにすることで、より小さい空間で多方向に光を反射できより確実にフィッシュイーターを誘引することが可能な誘引機構を備えたルアーを提供することができる。
【0029】
より具体的には、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1により、揺動部材4が支持部材3回りに回転させることができ、本体部内部への衝突を回避しながら、揺動部材4の移動範囲を抑制することで空洞のスペースを最小限なものとすることができる。また、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1により、揺動部材4が外部から受光する光を様々な方向に反射させることが可能となることで、反射光がフィッシュイーターにも確実に届くため、誘引効果を大幅に高めることが可能となる。
【0030】
次に、図8を参照して、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1について説明する。本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1において、該支持部材3は、該揺動部材4の延伸方向Xに垂直な断面でみて、該揺動部材4の中心位置(図7の各態様)若しくは該中心位置から偏心された位置(図8の各態様)で該揺動部材4を支持するよう構成される。
【0031】
図8aに示すように、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1において、支持部材3に支持された揺動部材4が略ラグビーボールの形状のように形成されており、全体として多角体に形成されている。このように、支持部材3の支持位置を揺動部材4の中心位置から偏心させることで、揺動部材4をより確実に揺動させながら、本体部内部への衝突も極力低減することができる。また、揺動部材4を多角体に形成することで、揺動部材4が外部から受光する光を様々な方向に反射させることが可能となることで、反射光がフィッシュイーターにも確実に届くため、誘引効果を大幅に高めることが可能となる。
【0032】
次に、図8bに示すように、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1において、支持部材3に支持された揺動部材4が略ラグビーボールの形状のように形成されており、表面にホログラムが貼付されている。図8aの場合と同様に、支持部材3の支持位置を揺動部材4の中心位置から偏心させることで、揺動部材4をより確実に揺動させながら、本体部内部への衝突も極力低減することができる。また、揺動部材4にホログラムを貼付することで、図8aの多角体の場合と同様に、揺動部材4が外部から受光する光を様々な方向に反射させることが可能となることで、反射光がフィッシュイーターにも確実に届くため、誘引効果を大幅に高めることが可能となる。
【0033】
次に、図8cに示すように、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1において、支持部材3に支持された揺動部材4が波形状のように形成されている。図8a、bの場合と同様に、支持部材3の支持位置を揺動部材4の中心位置から偏心させることで、揺動部材4をより確実に揺動させながら、本体部内部への衝突も極力低減することができる。また、揺動部材4を波形状とすることで、図8a、bの場合と同様に、揺動部材4が外部から受光する光を様々な方向に反射させることが可能となることで、反射光がフィッシュイーターにも確実に届くため、誘引効果を大幅に高めることが可能となる。
【0034】
次に、図9を参照して、本発明の一実施形態に係る釣用のルアー1の揺動部材4の支持構造について説明する。図9aに示すように、本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該支持部材3は、1又は複数のアイ16により本体部に接続されている。このようにして、アイ16を揺動部材4の支持のためにも効果的に用いることが可能となる。
【0035】
また、図9bに示すように、本発明の一実施形態に係る釣用のルアーにおいて、該支持部材3は、バネ部材17により本体部2に接続されている。このようにして、バネ部材17により揺動部材4を支持することで、揺動部材4をより確実に揺動させることができる。
【0036】
図9のいずれの場合も、アイ16の接触部分は、ナイフエッジ状(鋭利な形状)に形成されると揺動をより滑らかなものとすることができる。
【0037】
なお、上記説明した各態様において、揺動部材4は、複数の揺動部分を備えるよう構成してもよい。この場合、1又は複数の支持部材3により、揺動部材4を支持するように構成することができる。このようにして、揺動部材4の複数の揺動部分が外部から受光する光を様々な方向に反射させることが可能となることで、反射光がフィッシュイーターにも確実に届くため、誘引効果を大幅に高めることが可能となる。
【0038】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0039】
1 ルアー
2 本体部
3 支持部材
4 揺動部材
5 支持受部
11 空洞
13 端部
14 錘
15 ボールベアリング
16 アイ
17 バネ部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9