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特許7288935制御装置、美容支援システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-31
(45)【発行日】2023-06-08
(54)【発明の名称】制御装置、美容支援システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230601BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021142401
(22)【出願日】2021-09-01
(62)【分割の表示】P 2017025093の分割
【原出願日】2017-02-14
(65)【公開番号】P2021192268
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2021-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000114628
【氏名又は名称】ヤーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 岩男
【審査官】阿部 陽
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-027618(JP,A)
【文献】特開2004-054511(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0182571(US,A1)
【文献】特開2004-141259(JP,A)
【文献】特開2014-033950(JP,A)
【文献】特開2007-310652(JP,A)
【文献】特開2016-030018(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0193108(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの肌の状態を示す肌状態データをデータベースに登録する第1の登録手段と、
前記ユーザによる美容器の使用実績を示す使用実績データおよび前記ユーザによって入力されたアンケート内容を示すアンケート結果データをデータベースに登録する第2の登録手段と、
前記肌状態データおよび前記使用実績データに基づいて、前記使用実績データにより特定された前記美容器の過去の使用態様が、前記肌状態データが示す肌状態に対応する使用態様として適切かについて判定し、判定の結果および前記アンケート結果データに基づいて、前記美容器についての推奨される使用態様を特定する特定手段と、
前記特定された使用態様を前記ユーザのユーザ端末に送信する出力手段と
を有し、
前記使用実績データは、前記美容器において使用された機能および当該機能の使用態様を示すデータを含み、
前記アンケート結果データは、前記機能が利用された際に使用された美容液を示し、
前記特定手段は、蓄積された、前記機能の使用態様と前記美容液との組み合わせに基づいて、効果が高いと推定される、機能と美容液との組み合わせを決定し、
前記出力手段は、該決定された組み合わせを示す情報を前記ユーザ端末に送信する、
制御装置。
【請求項2】
制御装置と美容器とユーザ端末とを有し、
前記制御装置は、
ユーザの肌の状態を示す肌状態データをデータベースに登録する第1の登録手段と、
前記美容器から出力された情報に基づいて生成された前記ユーザによる該美容器の使用実績を示す使用実績データおよび前記ユーザによって入力されたアンケート内容を示すアンケート結果データをデータベースに登録する第2の登録手段と、
前記肌状態データおよび前記使用実績データに基づいて、前記使用実績データにより特定された前記美容器の過去の使用態様が、前記肌状態データが示す肌状態に対応する使用態様として適切かについて判定し、判定の結果および前記アンケート結果データに基づいて、前記美容器についての推奨される使用態様を特定する特定手段と、
前記特定された使用態様を前記ユーザ端末に送信する第1の出力手段と
を備え、
前記使用実績データは、前記美容器において使用された機能および当該機能の使用態様を示すデータを含み、
前記アンケート結果データは、前記機能が利用された際に使用された美容液を示し、
前記特定手段は、蓄積された、前記機能の使用態様と前記美容液との組み合わせに基づいて、効果が高いと推定される、機能と美容液との組み合わせを決定し、
前記出力手段は、該決定された組み合わせを示す情報を前記ユーザ端末に送信する、
前記美容器は、
肌に対するトリートメント処理を実行する実行手段と、
自装置の動作状況を検知し、検知結果を示す情報を出力する第2の出力手段と
を備え、
前記ユーザ端末は、
前記制御装置から受信した前記特定された使用態様を、前記ユーザに通知する通知手段を備える
美容支援システム。
【請求項3】
1以上のコンピュータに、
ユーザの肌の状態を示す肌状態データをデータベースに登録するステップと、
前記ユーザによる美容器の使用実績を示す使用実績データおよび前記ユーザによって入力されたアンケート内容を示すアンケート結果データをデータベースに登録するステップと、
前記肌状態データおよび前記使用実績データに基づいて、前記使用実績データにより特定された前記美容器の過去の使用態様が、前記肌状態データが示す肌状態に対応する使用態様として適切かについて判定し、判定の結果および前記アンケート結果データに基づいて、前記美容器についての推奨される使用態様を決定するステップと、
前記特定された使用態様を前記ユーザのユーザ端末に送信するステップと
を実行させるためのプログラムであって、
前記使用実績データは、前記美容器において使用された機能および当該機能の使用態様を示すデータを含み、
前記アンケート結果データは、前記機能が利用された際に使用された美容液を示し、
前記使用態様を決定するステップにおいて、蓄積された、前記機能の使用態様と前記美容液との組み合わせに基づいて、効果が高いと推定される、機能と美容液との組み合わせが決定され、
該決定された組み合わせを示す情報が前記ユーザ端末に送信される、
プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、美容器、美容支援システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの肌の状態を測定し、測定結果に応じたアドバイスやカウンセリングを行うシステムが提案されている。また、測定結果に応じて美顔器などを制御するシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、肌センサにより利用者の肌の状態を測定し、測定された肌情報に基づき、事前に設定された制御プログラム(作動時間、スチーム温度、振動数、保湿や美白、シワなどの用途の化粧液噴霧時間のバランス調整)をWebサイト側から端末PCに送信して自動制御とメニュー案内をPC画面に表示し、自宅にて携帯美顔器と端末PCを自動制御するシステムが記載されている。また、特許文献1には、各種の化粧液をスチーム化して顔肌に噴霧するスチーム式美顔装置とPC端末とWebサイトとをネットワークで連動させることにより、肌診断センサによって測定された肌情報に基づき、事前に設定された制御プログラムによって化粧液の種類や使用量を自動制御することが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、ユーザが手元に肌の測定器をもち、遠隔的にその測定データを収集してアドバイスを与える美容支援システムにおいて、ユーザに対してセンサを用いて継続して測定を行うように促す内容のメッセージを送信するシステムが記載されている。
【0004】
また、特許文献3には、スマートホンにスキンケア装置を装着し、スキンケア装置の起動開始の日時や駆動時間を記録するシステムが記載されている。また、特許文献4には、肌状態測定装置により測定された肌の状態のレベルが高い場合(肌の状態が良い場合)にスキンケア装置の作動時間を短くする一方、レベルが低い場合(肌の状態が悪い場合)に作動時間を長くする制御が行われることが記載されている。
【0005】
また、特許文献5には、肌測定装置により測定された測定データを時系列に登録し、そのユーザとは異なる二次利用者にこれらの測定データが提供されるシステムが開示されている。また、特許文献6には、ユーザの肌の状態を診断し、診断結果に対して適切なトリートメントの種類や時間などを選択することによって、ユーザに無駄のない効率的なトリートメントを施すことのできる電子トリートメント装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-310652号公報
【文献】特許第3789890号公報
【文献】特開2014-14516号公報
【文献】特開2016-128052号公報
【文献】特許第5871963号公報
【文献】特許第4139667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、美顔器などの美容器は、肌の悩みや肌の状態に応じて使用されるべき機能や頻度が異なる場合があり、使用される機能や頻度が適切でないと十分な効果が得られない場合がある。また、このような美容器は継続的な使用によりより高い効果が得られるものが多く、適切な頻度で継続利用されることが望ましい。しかしながら、専門的な知識を有しないユーザや、機器に不慣れなユーザは、どの機能をどういったタイミングで使用すべきであるかを判断することが困難な場合が多い。特許文献1に記載の技術では、ユーザの肌の状態の測定結果に応じて作動時間やスチーム温度を制御するものの、次に使用されるべき機能や使用されるべきタイミングをユーザが把握することはできない。特許文献1乃至6に記載の技術でも同様である。
本発明は、美容器を使用するユーザが、専門的な知識を有しない場合や機器に不慣れな場合であっても、適切な使用を継続することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ユーザの肌の状態を示す肌状態データをデータベースに登録する第1の登録手段と、前記ユーザによる美容器の使用実績を示す使用実績データをデータベースに登録する第2の登録手段と、前記肌状態データおよび前記使用実績データに基づいて、前記ユーザに対して推奨される前記美容器の使用態様を特定する特定手段と、前記特定された使用態様に関する情報を出力する出力手段とを有する制御装置を提供する。
【0009】
前記使用実績データは、前記美容器から出力される情報に基づいて生成されたデータであってもよい。
また、前記肌状態データは、肌の状態を検知する検知手段から出力されたデータに応じて生成されたデータであってもよい。
【0010】
前記特定手段は、前記使用実績データにより特定される使用態様が前記肌状態データの示す肌状態に対応する使用態様として適切かを予め定められたアルゴリズムに従って判定し、判定結果を示す情報を前記使用態様に関する情報に含めてもよい。
【0011】
前記使用実績データは、前記美容器において使用された機能の組み合わせおよび使用された機能毎の使用態様を示すデータを含み、前記特定手段は、前記機能の組み合わせおよび前記機能毎の使用態様について前記判定を行ってもよい。
【0012】
前記特定手段は、前記肌状態データおよび前記使用実績データに基づいて、前記美容器の使用が推奨されるスケジュールを示す情報を前記使用態様に関する情報に含めてもよい。
【0013】
前記特定手段は、前記肌状態データおよび前記使用実績データに基づいて、前記美容器の使用が推奨される機能の組み合わせおよびスケジュールを示す情報を前記使用態様に関する情報に含めてもよい。
【0014】
また、本発明において、前記美容器から出力された情報を取得する端末から、前記使用実績データとユーザを識別する識別情報とを受信する受信手段を更に有し、前記第1の登録手段は、前記肌状態データを取得し、取得した肌状態データを、ユーザを識別する識別情報に対応付けてデータベースに登録し、前記第2の登録手段は、前記受信された使用実績データを前記受信された識別情報に対応付けてデータベースに登録し、前記特定手段は、前記肌状態データおよび該肌状態データに対応する使用実績データに基づいて、推奨される前記美容器の使用態様を特定し、前記出力手段は、前記特定された使用態様に関する情報を前記端末に送信してもよい。
【0015】
また、本発明は、制御装置と、美容器とを有し、前記制御装置は、ユーザの肌の状態を示す肌状態データをデータベースに登録する第1の登録手段と、前記美容器から出力された情報に基づいて生成された前記ユーザによる該美容器の使用実績を示す使用実績データをデータベースに登録する第2の登録手段と、前記肌状態データおよび前記使用実績データに基づいて、前記ユーザに対して推奨される前記美容器の使用態様を特定する特定手段と、前記特定された使用態様に関する情報を出力する出力手段とを備え、前記美容器は、肌に対するトリートメント処理を実行する実行手段と、自装置の動作状況を検知し、検知結果を示す情報を出力する出力手段とを備える美容支援システムを提供する。
【0016】
また、本発明は、肌に対するトリートメント処理を実行する実行手段と、自装置の動作状況を検知し、検知結果を示す情報を出力する出力手段と、前記出力された情報に基づいて制御装置により特定された自装置の使用態様に関する情報を取得し、取得した情報に従ったトリートメント処理の実行を前記実行手段に指示する指示手段とを有する美容器を提供する。
【0017】
前記出力手段は、前記美容器の電流発生部における電流、該美容器の操作子に対する操作の有無および該美容器の予め定められた部位に対する接触の有無の少なくともいずれかを検知する検知手段による検知結果を示す情報を出力してもよい。
【0018】
また、本発明は、コンピュータに、美容器から出力された情報を取得する第1のステップと、前記取得された情報に基づいて、前記美容器の使用実績を示す使用実績データとユーザを識別する識別情報とを、肌の状態を示す肌状態データおよび該使用実績データに基づいて該美容器の使用態様に関する情報を生成するサーバへ送信する第2のステップと、前記サーバから、前記使用態様に関する情報を受信する第3のステップと、前記受信された使用態様に関する情報に従ってユーザに報知する第4のステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【0019】
前記第4のステップにおいては、前記受信された使用態様に関する情報に従ったトリートメント処理の実行を前記美容器に指示してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、美容器を使用するユーザが、専門的な知識を有しない場合や機器に不慣れな場合であっても、適切な使用を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】美容支援システムの全体構成を示す図
図2】美容支援システムの機能構成を示す図
図3】美容器のハードウェア構成を示す図
図4】ユーザ端末のハードウェア構成を示す図
図5】サーバのハードウェア構成を示す図
図6】美容支援システムの処理の流れを示すシーケンス図
図7】データベースの内容の一例を示す図
図8】美容支援システムの処理の流れを示すシーケンス図
図9】診断項目とトリートメント種別との対応関係を示す図
図10】診断結果とトリートメント時間および使用頻度との対応関係を示す図
図11】診断結果とトリートメント時間および使用頻度との対応関係を示す図
図12】ユーザ端末のディスプレイに表示される画面の一例を示す図
図13】美容支援システムの処理の流れを示すシーケンス図
図14】ユーザ端末のディスプレイに表示される画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0022】
[1]構成
図1は、本実施形態に係る美容支援システム1の構成を示すブロック図である。美容支援システム1は、美容器10とユーザ端末20とサーバ30とを備える。美容器10はユーザの美容を支援する機能を備えた装置である。美容器10は、例えば、RF機能、レーザー機能、イオン導入機能、EMS機能、および冷却機能のうち少なくとも1つを備える。なお、ユーザの種々の悩みに対応するため、美容器10は異なる複数のトリートメント機能を備えることが好ましい。RF機能は、熱を与えるための高周波を発生させる機能である。この高周波により体温が上昇し、リンパの流れや血流が促され、シミやくすみ、むくみへの効果が期待される。レーザー機能は、レーザーを照射する機能である。レーザーの熱で細胞の新陳代謝が促進され、シミやクスミの原因となる角質層などの老廃物が除去される等の効果が期待される。イオン導入機能は、微弱な電流を流す機能である。イオン導入機能により、化粧水や美容液に含まれている水溶性の有効成分がイオン化し、肌に浸透する等の効果が期待される。EMS(Electrical Muscle Stimulation)機能は、パルス電流を生体に流して筋肉を電気的に刺激することによって筋肉を収縮させるものであり、筋力アップ、シェイプアップ、筋肉の痩せ劣りによるしわの解消等が期待される。冷却機能は、肌を冷却する機能である。なお、美容器10はこれらの機能以外の機能を備えていてもよい。また、美容器10は自装置の動作状態を検知し、検知結果をWi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)規格に従って出力する機能を備えている。
【0023】
ユーザ端末20は、スマートホン、パーソナルコンピュータおよびタブレット端末などの端末である。ユーザ端末20と美容器10とは無線LANにより通信する。また、ユーザ端末20は通信回線2によりサーバ30と通信を行う。通信回線2は、例えばインターネットや移動体通信網、電話回線、LANなどのうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
サーバ30(制御装置の一例)は各種のサービスを提供する。例えば、サーバ30は、ユーザの肌の状態を示すデータや、美容器10の使用状況を示すデータを蓄積するストレージサービスを提供する。また、サーバ30は、これらのデータに基づいてユーザに対して推奨される美容器10の使用態様をユーザにアドバイスするためのデータを出力するサービスを提供する。
【0025】
図2は美容支援システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。美容器10は、実行手段11と、出力手段12(第2の出力手段)と、指示手段13とを有する。実行手段11は、ユーザの肌の美容のための処理(以下「トリートメント処理」という)を実行する。出力手段12は、自装置の動作状況を検知し、検知結果を示す情報を出力する。指示手段13は、出力手段12により出力された情報に基づいてサーバ30により特定された自装置の使用態様に関する情報を取得し、取得した情報に従ったトリートメント処理の実行を実行手段11に指示する。
【0026】
この実施形態において、使用態様は、ユーザによる美容器10の使用の程度や内容を示す。使用態様は、例えば、ユーザが使用した美容器10のトリートメント機能の種別、機能毎の使用時間、全体の使用時間、および/または機能毎の使用頻度(例えば、週1回、など)を含む。また、この実施形態において、使用態様に関する情報は、ユーザによる美容器10のこれまでの使用履歴が適切か否かの判定結果を示す情報、今後推奨される使用スケジュールを示す情報、今度推奨されるトリートメント機能の組み合わせを示す情報、および/または推奨される機能毎の使用頻度を含む。
【0027】
ユーザ端末20は、取得手段21と、送信手段22と、受信手段23と、報知手段24とを有する。取得手段21は、美容器10から出力された情報を取得する。送信手段22は、取得手段21により取得された情報に基づいて、美容器10の使用実績を示す使用実績データとユーザを識別する識別情報とをサーバ30へ送信する。受信手段23は、サーバ30から、美容器10の使用態様に関する情報を受信する。報知手段24は、受信手段23により受信された使用態様に関する情報に従ってユーザに報知する処理を実行する。
この実施形態では、報知手段24は、ユーザ端末20のディスプレイに文字や画像を表示したり、音声メッセージやブザー音を出力したり、自装置を振動させたりすることにより報知を行う。
【0028】
サーバ30は、第1の登録手段31と、第2の登録手段32と、特定手段33と、出力手段34(第1の出力手段)と、受信手段35とを有する。第1の登録手段31は、ユーザの肌の状態を示す肌状態データをデータベースに登録する。第2の登録手段32は、ユーザによる美容器10の使用実績を示す使用実績データをデータベースに登録する。特定手段33は、データベースに登録された肌状態データおよび使用実績データに基づいて、ユーザに対して推奨される美容器10の使用態様を特定する。出力手段34は、特定手段33により特定された使用態様に関する情報を出力する。受信手段35は、美容器10から出力された情報を取得するユーザ端末20から、使用実績データとユーザを識別する識別情報とを受信する。
【0029】
図3は美容器10のハードウェア構成を例示する図である。図において、メモリ151は各種データを記憶する。プロセッサ152はメモリ151に記憶されているプログラムに従いデータ処理を行う。通信IF153は外部の装置と有線または無線によりデータ通信を行うインターフェイスである。
【0030】
トリートメント実行ユニット154は、トリートメント処理を実行する実行手段11の例であり、例えば、高周波を発生させる高周波発生部、レーザーを照射するレーザー照射部、パルス電流発生部、微弱な電流を発生させる微弱電流発生部、および冷却部を含む。
美容器10においてRF機能が用いられる場合、高周波発生部が駆動されることにより高周波が発生する。レーザー機能が用いられる場合、レーザー照射部が駆動されることによりレーザー光が照射される。イオン導入機能が用いられる場合、微弱電流発生部により微弱な電流が流される。EMS機能が用いられる場合、パルス電流発生部によりパルス電流が流される。冷却機能が用いられる場合、冷却部により冷却が行われる。なお、トリートメント実行ユニット154に含まれるパートはこれらに限られない。例えば、スチームを発生させるスチーム発生部が含まれていてもよい。また、この実施形態では、EMSのトリートメントのモードとして「引き締めモード」と「きめ・しわモード」とが用意されている。これらのモードは用いられる周波数が異なる。
【0031】
美容器10は、ユーザの肌に接触する部位であるヘッド面(図示略)を備えており、このヘッド面をユーザが自身の肌に接触させて各トリートメント機能を利用する。例えば、イオン導入機能が利用される場合、このヘッド面にユーザの肌を接触させた状態でユーザの肌に対して微弱な電流が流される。また、EMS機能が利用される場合、このヘッド面にユーザの肌を接触させた状態でユーザの肌にパルス電流が流される。
【0032】
UI部155は、電源のオン/オフや動作モードの切替に用いられるボタンや、電池の残量や動作モード等の情報を表示するディスプレイを備える。ディスプレイは例えばLED(light emitting diode)ディスプレイが用いられる。この例で、UI部155は、美容器10をユーザが把持した際にユーザの指が当たる位置に設けられた操作子(以下「手元電極」という)を含む。
【0033】
動作状態検知部156は、美容器10の動作状況を検知する1または複数のセンサ(検知手段の一例)を備える。この例で、動作状態検知部156は、例えば、美容器10のヘッド面に設けられた、肌の接触の有無を検知するセンサ、微弱電流発生部またはパルス電流発生部が流す電流を検知するセンサ、および/または美容器10の操作子に対する操作の有無(例えば、UI部155の手元電極のオン/オフ)を検知するセンサを含む。なお、動作状態検知部156が備えるセンサはこれらに限定されるものではなく、他の方法により美容器10の動作状況が検知されてもよい。
【0034】
この例で、メモリ151に記憶されているプログラムをプロセッサ152が実行することにより、図2に示される美容器10の機能が実装される。プログラムを実行しているプロセッサ152は指示手段13の例である。プログラムを実行しているプロセッサ152および動作状態検知部156は出力手段12の例である。トリートメント実行ユニット154は実行手段11の一例である。
【0035】
図4はユーザ端末20のハードウェア構成を例示する図である。図において、メモリ251は各種データを記憶する。プロセッサ252はメモリ251に記憶されているプログラムに従いデータ処理を行う。通信IF253は外部の装置と有線または無線によりデータ通信を行うインターフェイスである。UI部254は例えばタッチスクリーンとキーとを備える。計時部255は計時を行う。
【0036】
肌状態検知部256は、ユーザの肌の状態を検知する。肌状態検知部256は、例えば、ユーザの肌を撮影するカメラである。この実施形態では、ユーザ端末20に内蔵されたカメラのレンズの表面にズームレンズが装着されて用いられる。なお、肌状態検知部256として、ユーザ端末20に肌の水分量や油分量を検知するセンサが外付けされて用いられてもよい。
【0037】
この例で、メモリ251に記憶されているプログラムをプロセッサ252が実行することにより、図2に示されるユーザ端末20の機能が実行される。プログラムを実行しているプロセッサ252は、取得手段21、送信手段22、受信手段23および報知手段24の一例である。
【0038】
図5はサーバ30のハードウェア構成を例示する図である。図において、メモリ351は各種データを記憶する。プロセッサ352はメモリ351に記憶されているプログラムに従いデータ処理を行う。通信IF353は外部の装置とネットワークを介したデータ通信を行うインターフェイスである。
【0039】
この例で、メモリ351に記憶されているプログラムをプロセッサ352が実行することにより、図2に示されるサーバ30の機能が実装される。プログラムを実行しているプロセッサ352は、第1の登録手段31、第2の登録手段32、特定手段33、出力手段34および受信手段35の一例である。
【0040】
[2]動作
[2-1]インストール動作
まず、ユーザは、自身が所有するユーザ端末20を用いて、美容支援システム1を利用するための美容支援アプリケーションをサーバ30からダウンロードするための操作を行う。ユーザ端末20は、ユーザによって操作された内容に応じてサーバ30へアプリケーションプログラムのダウンロード要求を送信する。サーバ30は、ユーザ端末20からの要求に応じてアプリケーションプログラムを要求元のユーザ端末20へ送信する。このとき、サーバ30は、ユーザを識別するユーザIDを発行し、アプリケーションプログラムとあわせてユーザ端末20へ送信する。ユーザ端末20は、ダウンロードされたアプリケーションプログラムをインストールし、美容支援アプリケーションを起動する。
【0041】
[2-2]肌状態の測定動作
図6は、美容支援システム1の肌状態の測定動作の流れを示すシーケンス図である。ステップS104において、ユーザ端末20は、ユーザに肌状態の計測を促す情報を出力する。例えば、ユーザ端末20は、ディスプレイに「肌状態を計測してください」といったメッセージを表示してもよい。
【0042】
ユーザは、ユーザ端末20を用いて自身の肌の状態を計測する。この実施形態では、ユーザは、ユーザ端末20に内蔵されたカメラの表面にズームレンズを装着し、ズームレンズが装着されたカメラで自身の肌を撮影する。ズームレンズが装着されたカメラによりユーザの肌が高倍率で撮影され、撮影された肌を表す画像データが生成される。ステップS105において、ユーザ端末20は、撮影された肌を表す画像データとユーザIDとをサーバ30へ送信する。
【0043】
ステップS106において、サーバ30は、画像データとユーザIDとを受信し、受信された画像データを解析してユーザの肌の状態を示す肌状態データを生成する。この実施形態では、サーバ30は、画像データを解析することにより、肌のきめの細かさ、肌のしわの程度、毛穴数、色素の沈着面積、および/または肌の明るさ、などの複数の診断項目について肌を診断し、診断結果を示すデータを肌状態データとして生成する。具体的な診断方法としては、例えば特許第4139667号公報に記載された方法が用いられる。この実施形態では、「きめ」、「シミ」、等の複数の診断項目についての診断結果が3段階のランク(NG/NORMAL/GOOD)で示されるデータが肌状態データとして生成される。この肌状態データには、計測された日時を示すタイムスタンプが付される。
【0044】
ステップS107において、サーバ30は、肌状態データを受信されたユーザIDに対応付けてデータベースに登録する。このデータベースは、サーバ30に設けられていてもよく、また、他の装置に設けられていてもよい。
【0045】
図7は、データベースの内容の一例を示す図である。このデータベースには、「ユーザID」、「肌状態データ」および「使用実績データ」の各項目が互いに関連付けられて記憶される。「ユーザID」の項目には、ユーザを識別する識別情報が格納される。「肌状態データ」の項目には、ユーザ端末20から受信される肌状態データが時系列に格納される。この実施形態では、「きめ」、「シミ」、等の複数の診断項目についての診断結果が3段階のランク(NG/NORMAL/GOOD)で示されるデータが肌状態データとして格納される。
【0046】
「使用実績データ」の項目には、ユーザによる美容器10の使用実績を示すデータが時系列に格納される。この実施形態では、使用実績データは、美容器10において使用された機能の組み合わせおよび使用された機能毎の使用態様を示すデータを含む。図7の例では、美容器10の複数のトリートメント機能のそれぞれについて、使用された日時や使用された時間を示すデータが機能毎に時系列に格納される。これらの使用実績データは、美容器10から出力される情報が収集されて生成されるデータであり、サーバ30がユーザに対して推奨される美容器10の使用態様を特定する処理を行う際に参照される。なお、データベースが有する項目は図7で例示されるものに限られない。例えば、美容器10の機種名や機種を識別する識別番号の項目が含まれていてもよい。また、この実施形態では、図7に示すひとつのデータベースが用いられるが、複数のデータベースが組み合わされて用いられてもよい。例えば、肌状態データとユーザIDとが対応付けて時系列に記憶される第1のデータベースと、使用実績データとユーザIDとが対応付けて時系列に記憶される第2のデータベースとが用いられてもよい。
【0047】
[2-3]美容器10の使用態様の特定動作
図8は、美容器10の使用態様の特定動作の流れを示すシーケンス図である。ステップS108において、サーバ30は、データベースに登録された肌状態データおよび使用実績データに基づいて、ユーザに対して推奨される美容器10の使用態様を特定する。なお、ユーザが美容器10を初めて使用する場合は、データベースに使用実績データは登録されていない。その場合、サーバ30は肌状態データを用いて美容器10の使用態様を特定する。
【0048】
この実施形態では、サーバ30は、図9乃至図11に例示される対応関係に従って、これまでの使用履歴が適切か否かを判定するとともに、今後推奨されるトリートメント機能の組み合わせと使用スケジュールを使用態様として特定する。
【0049】
図9は診断項目とその診断項目を改善するために推奨されるトリートメント種別との対応関係を示す図である。図9の例では、きめ・しわの解消にはEMSのきめ・しわモードが有効であり、張りの改善にはEMSの引き締めモードが有効であるとされている。また、シミやクスミの解消にはレーザーとイオン導入が有効であるとされている。
【0050】
図10および図11は、トリートメント機能毎の診断結果と、推奨されるトリートメント時間および使用頻度との対応関係の例を示す図である。図10はEMS(しわ・きめモード)における診断結果と推奨されるトリートメント時間および使用頻度との対応関係を示す図である。図11はEMS(引き締めモード)における診断結果と推奨されるトリートメント時間および使用頻度との対応関係を示す図である。
【0051】
まず、サーバ30は、図9乃至図11に示される対応関係に従って、データベースに登録された使用実績データにより特定される使用態様が、データベースに登録された肌状態に対応する使用態様として適切かを、予め定められたアルゴリズムに従って判定する。この実施形態では、サーバ30は、使用された機能の組み合わせおよび機能毎の使用態様について上記判定を行う。適切か否かの判定は、例えば、以下のようにして行われる。まず、サーバ30は、診断結果を示すランクが予め定められた閾値以下である診断項目に対応するトリートメント機能を選択する。例えば、「きめ」の診断項目が「NG」である場合、図9の対応関係により「EMS(しわ・きめモード)」が選択される。次いで、サーバ30は、選択されたトリートメント機能と診断結果に対応する推奨される使用頻度を図10乃至図11の対応関係に従って特定し、推奨される使用頻度と実際の使用実績とを比較し、両者の差分に応じて、過去の使用態様が適切だったかを判定する。例えば、選択されたトリートメント機能について推奨される使用頻度が「3回/週」である場合であって、実際の使用頻度が週1回であった場合、使用頻度が少なすぎると判定される。
【0052】
また、サーバ30による使用スケジュールの特定は、例えば、以下のようにして行われる。まず、サーバ30は、肌の診断結果に応じて使用が推奨されるトリートメント機能を1または複数選択する。選択する方法としては、例えば、診断結果を示すランクが予め定められた閾値以下である診断項目に対応するトリートメント機能が選択される。この実施形態では、選択されたトリートメント機能を実行するステップを含むトリートメントコースが設定されユーザに提示される。ユーザに提示されるトリートメントコースは、少なくとも3つのステップを含む。第1のステップはRF機能のステップであり、第3のステップは冷却ステップである。第1のステップと第3のステップとの間に、選択された1または複数のトリートメント機能のステップが設定される。
【0053】
次いで、サーバ30は、選択したトリートメント機能のそれぞれについて、例えば図10図11に示される対応関係および使用実績データに従って、推奨される日程と使用時間を特定する。例えば、今後1週間における美容器10の使用が推奨される曜日と、曜日毎のトリートメントコース(例えば、RF機能、レーザー機能、冷却、など)が特定される。具体的には、例えば、「しわ」の診断結果が「NG」であり、過去3日間においてEMS(しわ・きめモード)の機能が使用されていない場合、サーバ30は、この機能のその当日の利用を推奨するとともに、その機能が1週間以内に3回使用されるような使用スケジュールを設定する。
【0054】
また、他の例として、例えば、EMS(しわ・きめモード)の機能が肌状態データに対応する推奨される使用頻度よりも高い使用頻度で使用されている場合に、サーバ30は、EMS(しわ・きめモード)の機能の使用頻度を低くするとともに、他のトリートメント機能の使用頻度を高く設定した使用スケジュールを設定してもよい。また、他の例として、例えば、レーザー・イオン導入機能が定期的に使用されているものの、シミの診断結果(レベル)が改善されない場合、サーバ30は、レーザー機能および/またはイオン導入機能の使用頻度(または使用時間)を増加させる使用スケジュールを設定してもよい。なお、使用スケジュールの設定方法はこれに限定されるものではなく、使用実績データの示す使用実績に応じて特定されるものであればよく、そのアルゴリズムは種々のものが採用され得る。
【0055】
図8の説明に戻る。ステップS109において、サーバ30は、特定された使用態様に関する情報(以下「スケジュール情報」という)を、ユーザ端末20へ送信する。
【0056】
ユーザ端末20は、ステップS110において、サーバ30からスケジュール情報を受信し、受信したスケジュール情報を表す画面をスクリーンに表示させる。
【0057】
図12はユーザ端末20のスクリーンに表示される画面の一例を示す図である。図12の例では、その日から1週間のトリートメントのスケジュールが表示される。図12の例では、1月3日に美容器10が使用された場合であって、1月4日、5日、7日および8日が推奨される使用日であり、1月6日、9日が休止日である旨が示されている。この画面において、図12に例示されるように、使用が推奨される日のそれぞれの具体的なトリートメントコースがスクリーンに表示されてもよい。また、図12の画面において、過去の使用態様が適切だったかの判定結果を示すメッセージ(例えば、「EMS(しわ・きめモード)の使用回数が少ないです」といったメッセージ)をスクリーンに表示させてもよい。
【0058】
ユーザはスクリーンに表示される画面により、次回はどのタイミングでどの機能を使用すればよいかを把握する。また、ユーザ端末20は、図12の表示に加えて、使用が推奨された日にその旨を示すメッセージをスクリーンに表示したり、通知音を出力したりしてもよい。
【0059】
[2-4]美容器10の使用実績の集計動作
図13は、美容器10の使用実績の集計動作の流れを示すシーケンス図である。ステップS200において、ユーザにより美容器10のUI部155が操作されると、美容器10はユーザの操作に応じたトリートメント処理を実行する。ユーザにより美容器10が使用されると、動作状態検知部156により美容器10の動作状況が検知され、検知結果を示す情報が出力される。この実施形態では、動作状態検知部156は、肌の接触の有無、通電の発生の有無、および手元電極のオン/オフのうち少なくとも1つを検知する。検知結果を示す情報は、図13のステップS201において、通信IF153によりユーザ端末20へ送信される。この情報は、手元電極がオンである期間に渡って、予め定められた単位時間毎に送信されてもよく、また、例えば、検知信号に変化があった場合(例えば、通電が停止した場合)などの予め定められたタイミングで送信されてもよい。
【0060】
ステップS202において、ユーザ端末20は、美容器10から出力された情報を受信する。ステップS203において、ユーザ端末20は、受信された情報と計時部255の計時結果に基づいて、美容器10の使用実績を示す使用実績データを生成する。使用実績データの生成方法としては、例えば、ユーザ端末20は、美容器10から出力された情報に基づいて、手元電極がオンであって、かつ、微弱電流が検知されていた時間を算出し、算出された時間だけイオン導入機能が用いられた旨を示すデータを使用実績データとして生成する。使用実績データには、美容器10が使用された日時を示すタイムスタンプが付される。
【0061】
このとき、ユーザ端末20は、サーバ30から受信されたスケジュール情報と美容器10の使用実績とを比較し、スケジュール情報によって示される機能毎の使用時間だけ美容器10が使用されたと判定された場合、その旨を示す画面をスクリーンに表示してもよい。
【0062】
図14はスクリーンに表示される画面の一例を示す図である。図14の例では、「トリートメント時間 3分 達成」といったメッセージが表示される。これによりユーザは推奨される時間だけトリートメント機能を使用したことを把握することができる。このとき、ユーザ端末20は、メッセージを表示するとともに、通知音を出力したり自装置を振動させたりしてもよい。
【0063】
図13の説明に戻る。ステップS204において、ユーザ端末20は、予め定められたタイミング(例えば、予め定められた単位時間毎、美容器10の手元電極がオフになったタイミング、等)において、生成した使用実績データをサーバ30へ送信する。
【0064】
ステップS205において、サーバ30は、使用実績データをユーザ端末20から受信し、受信した使用実績データをデータベース(図7参照)に登録する。データベースに登録された使用実績データは、サーバ30が前述した使用態様の特定処理(図8のステップS108の処理)を行う際に参照される。
【0065】
この実施形態では、美容器10が使用される毎に、その都度美容器10において使用状況が検知され、検知結果を示す情報がユーザ端末20に出力される。ユーザ端末20は、予め定められたタイミング(美容器10から情報を受信したタイミング、予め定められた単位時間毎、など)で使用実績データをサーバ30へ送信する。これにより、サーバ30のデータベースには、ユーザ毎の使用実績を示す使用実績データが時系列に蓄積される。
【0066】
また、ユーザは、美容器10を使用する際に(またはその他のタイミングで)ユーザ端末20を用いて自身の肌状態を計測する。計測された肌状態を示す肌状態データは予め定められたタイミング(計測処理が完了したタイミング、予め定められた単位時間毎、など)でサーバ30へ送信される。これにより、サーバ30のデータベースには、ユーザ毎の肌状態を示す肌状態データが時系列に蓄積される。
【0067】
また、サーバ30は、予め定められたタイミング(ユーザ端末20から肌測定データを受信した場合、ユーザ端末20から使用実績データを受信した場合、および/または予め定められた単位時間毎、等)で、データベースに記憶された肌状態データおよび使用実績データを用いて、美容器10の使用態様の特定処理(図8のステップS108の処理)および/またはスケジュール情報の送信処理(図8のステップS109の処理)を行う。
【0068】
ところで、従来の美容器では、専門的な知識を有しないユーザや機器に不慣れなユーザは、どの機能をどのような頻度で使用すればよいかを判断することが困難であった。好適な使用頻度や使用時間は肌の状態などによってそれぞれ異なるため、画一的な使用方法では効果が十分に得られない場合もある。また、次回の使用タイミングが分からず使用が継続されない場合もある。
【0069】
それに対しこの実施形態では、ユーザの肌の状態とユーザによる美容器10の使用実績とに応じて特定された使用態様がユーザに報知される。これにより、ユーザは美容器10のどの機能をどのような頻度で使用すればよいかを把握し易い。例えば、EMS(しわ・きめモード)の機能がユーザの肌の状態に対して推奨される使用頻度よりも高い使用頻度で使用されている場合に、その機能の使用頻度を抑えて他の機能の使用頻度を高くするように促すなど、実際の使用実績と肌の状態を反映した推奨が行われる。また、例えば、レーザー・イオン導入機能が定期的に使用されているものの、シミの診断結果(レベル)が改善されない場合、レーザー機能および/またはイオン導入機能の使用頻度(または使用時間)の増加を促すなど、実際の使用実績と肌状態とを反映した推奨が行われる。また、例えば、定期的に使用されることにより、しみの診断結果(レベル)が予め定められた閾値以上となった場合に、レーザー・イオン導入機能の使用頻度(または使用時間)を軽減させて他の機能の使用頻度(または使用時間)を高くするように促すことにより、より効果的な使用態様をユーザに提案することができる。
【0070】
[3]変形例
上述した実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、上述した実施形態および以下に示す各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
【0071】
(1)上述の実施形態では、美容器10とユーザ端末20がWi-Fiにより接続されたが、例えばブルートゥース(登録商標)などの他の方式により無線接続されてもよく、また、USBなどにより有線接続されてもよい。
【0072】
(2)美容器10が備える機能は上述した実施形態で示したものに限られない。美容器10は、例えば、スチームを発生させる機能を備えていてもよい。また、上述の実施形態では、美容器10としてRF機能やイオン導入機能を備えた美顔器を例示したが、美容器10は上述したものに限られない。例えば、美容器10は、電気デバイスが搭載されていない美容器具(例えば、ローラーを回転させて肌に物理的な刺激を与える美容ローラー)であってもよい。
【0073】
また、上述の実施形態では、ユーザ端末20が美容器10から取得された情報に従って使用実績データを生成し、ユーザ端末20で生成された使用実績データをサーバ30が受信した。サーバ30が取得する使用実績データは上述したものに限られない。例えば、ユーザがユーザ端末20のUI部254を操作して美容器10の使用実績を入力し、入力された内容を示す使用実績データをユーザ端末20が生成してもよい。
【0074】
(3)上述の実施形態では、ユーザ端末20に内蔵されているカメラが、ユーザの肌の状態を検知するセンサとして用いられた。ユーザの肌の状態を検知するセンサは、ユーザ端末20および/または美容器10に外付けされる構成であってもよい。外付けされるセンサは、例えば、肌の水分量を検知するセンサや、肌の油分量を検知するセンサであってもよい。また、肌の水分量や油分量を検知するセンサが、ユーザ端末20および/または美容器10に内蔵されていてもよい。また、ユーザ端末20に外付けされるセンサと、ユーザ端末20に内蔵されているセンサとが併用されてもよい。
【0075】
ユーザの肌の状態を示す肌状態データは上述した実施形態で示したものに限られない。例えば、肌状態データは、肌の水分量を示すデータや、肌の油分量を示すデータを含んでいてもよい。
【0076】
(4)上述の実施形態では、ユーザ端末20は、専用のアプリケーションをインストールすることにより、美容器10およびサーバ30とデータの遣り取りを行った。これに限らず、ユーザ端末20は、Webブラウザ等の汎用のアプリケーションにより美容器10およびサーバ30とデータの遣り取りを行ってもよい。
【0077】
(5)上述の実施形態では、サーバ30は、過去の使用実績が適切かの判定結果を示す情報や、美容器10の使用が推奨される機能の組み合わせおよびスケジュールを示す情報を、使用態様に関する情報として生成したが、生成される情報は上述した実施形態で示したものに限られない。例えば、サーバ30は、使用が推奨される機能の種別は特定せずに、美容器10の使用頻度を示す情報を生成してもよい。
【0078】
(6)上述の実施形態では、ユーザ端末20のスクリーンにスケジュール情報を示す画面が表示されたが、ユーザに対するスケジュール情報の報知の方法はこれに限られない。例えば、ユーザ端末20は、サーバ30から受信されたスケジュール情報に従って、LCD、LED、ブザー音、振動などによりスケジュール情報の示すスケジュールに従ってユーザに報知してもよい。
【0079】
(7)上述の実施形態において、ユーザ端末20が、サーバ30から受信された使用態様に関する情報に従ったトリートメント処理の実行を、美容器10に指示してもよい。この場合、ユーザ端末20は、トリートメント処理の実行を指示する制御情報を、美容器10に送信する(図8のステップS111)。美容器10は、ユーザ端末20から制御信号を受信すると、受信した制御情報に従ったトリートメント処理の実行をトリートメント実行ユニット154に指示する(図8のステップS112)。このとき、例えば、ユーザ端末20は、美容器10に3分間のイオン導入を指示する際に、「イオン導入を3分間行ってください」といったメッセージをスクリーンに表示させたり、メッセージ音声を出力したりしてもよい。また、処理が開始されてから指定された時間が経過した場合に、その旨を示すメッセージをスクリーンに表示させたり、メッセージ音声やブザー音を出力したりしてもよい。
【0080】
(8)上述の実施形態では、ユーザに提案されるトリートメントコースは少なくとも3つのステップから構成され、第1のステップとしてRF機能のステップ、最後のステップとして冷却機能のステップを含み、これらのステップの間に、サーバ30により特定された推奨されるトリートメント機能のステップが含まれていた。ユーザに提案されるトリートメントコースは上述したものに限られない。例えば、サーバ30により特定された推奨されるトリートメント機能のステップが含まれ、冷却ステップが含まれていないトリートメントコースが提案されてもよい。
【0081】
(9)上述の実施形態では、ユーザ端末20でユーザの肌の状態が計測され、ユーザ端末20で生成された肌状態データをサーバ30が受信した。サーバ30が取得する肌状態データは上述した実施形態で示したものに限られない。例えば、ユーザがユーザ端末20のUI部254を操作して自身の肌の状態、肌の悩み、改善したい項目、などを入力し、入力された内容を示す肌状態データをユーザ端末20が生成してもよい。また、例えば、ユーザ端末20とは異なる他の端末でユーザの肌の状態が計測されて肌状態データが生成されてもよい。
【0082】
(10)上述の実施形態において、サーバ30からユーザ端末20へ送信される使用態様に関する情報に、ユーザに対するアンケートの入力を促す情報が含まれていてもよい。この場合、ユーザがユーザ端末20のUI部254を用いてアンケートに関する内容を入力し、入力された内容を示すデータがサーバ30へ送信されて集計される。サーバ30が、肌状態データと使用実績データとを用いて美容器10の推奨される使用態様を特定する際に、この集計結果が用いられてもよい。例えば、サーバ30が、トリートメント機能の種別とそのトリートメント機能を利用した際にユーザが使用した美容液の種別との組み合わせを集計し、集計結果に応じて効果が高いと推定される組み合わせを示すデータをユーザ端末20に送信してもよい。
【0083】
(11)上述の実施形態では、美容器10、ユーザ端末20およびサーバ30が図2に示す機能を実装した。美容支援システム1における複数の装置間の機能分担は、図2に示したものに限られない。例えば、美容器10の機能とユーザ端末20の機能とを備えた機器が、美容器10とユーザ端末20とに代えて用いられてもよい。また、上述の実施形態では、ユーザ端末20が、美容器10から出力された情報に従って使用実績データを生成したが、サーバ30に使用実績データを生成する機能を設けてもよい。この場合、ユーザ端末20は、美容器10から受信された情報をそのまま(または一部を加工して)サーバ30へ送信し、サーバ30はユーザ端末20から受信された情報に従って使用実績データを生成してもよい。また、美容器10が出力された情報が(ユーザ端末20を介することなく)サーバ30へ送信されてもよい。
【0084】
また、上述の実施形態に係る美容器10、ユーザ端末20およびサーバ30が一体となって構成された美容器(制御装置の一例)が用いられてもよい。この場合、この美容器は、上述の実施形態で図2に示した美容器10の機能、ユーザ端末20の機能およびサーバ30の機能を備える。
【0085】
(12)上述した実施形態において、美容器10のプロセッサ152、ユーザ端末20のプロセッサ252、および/またはサーバ30のプロセッサ352により実行されるプログラムは、インターネットなどの通信回線を介してダウンロードされてもよい。また、これらのプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…美容支援システム、2…通信回線、10…美容器、11…実行手段、12…出力手段、13…指示手段、20…ユーザ端末、21…取得手段、22…送信手段、23…受信手段、24…報知手段、30…サーバ、31…第1の登録手段、32…第2の登録手段、33…特定手段、34…出力手段、35…受信手段、151,251,351…メモリ、152,252,352…プロセッサ、153,253,353…通信IF、154…トリートメント実行ユニット、155,254…UI部、156…動作状態検知部、255…計時部、256…肌状態検知部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14