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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-31
(45)【発行日】2023-06-08
(54)【発明の名称】タービン及びターボチャージャ
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20230601BHJP
   F01D 9/02 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
F02B39/00 D
F01D9/02 101
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021569634
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(86)【国際出願番号】 JP2020000185
(87)【国際公開番号】W WO2021140569
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】316015888
【氏名又は名称】三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】谷口 直
(72)【発明者】
【氏名】吉田 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 誠
(72)【発明者】
【氏名】岡 信仁
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0238226(US,A1)
【文献】特開2018-123802(JP,A)
【文献】特開2018-145811(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0321979(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 9/02- 9/04
F02B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線周りに回転するタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、
前記ノズル流路の周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、前記周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンが異なる径方向位置に設けられ
前記複数の小弦節比ノズルベーンは、
複数の第1の小弦節比ノズルベーンと、
前記ハブ側壁面との接続位置において、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の後縁よりも径方向内側に位置する後縁をそれぞれ有する、複数の第2の小弦節比ノズルベーンと、を含み、
前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンと前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンとは、前記周方向に交互に隣接するように配置され、
前記シュラウド側壁面との接続位置において、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の後縁は、前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々の後縁よりも径方向内側に位置する
タービン。
【請求項2】
軸線周りに回転するタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、
前記ノズル流路の周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、前記周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンが異なる径方向位置に設けられ、
前記複数の小弦節比ノズルベーンは、
複数の第1の小弦節比ノズルベーンと、
前記ハブ側壁面との接続位置において、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の後縁よりも径方向内側に位置する後縁をそれぞれ有する、複数の第2の小弦節比ノズルベーンと、を含み、
前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンと前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンとは、前記周方向に交互に隣接するように配置され、
前記ハブ側壁面との接続位置において、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ短いコード長を有する、
タービン。
【請求項3】
前記シュラウド側壁面との接続位置において、前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ短いコード長を有する、
請求項に記載のタービン。
【請求項4】
前記ハブ側壁面との接続位置において、前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有する、
請求項乃至の何れか1項に記載のタービン。
【請求項5】
前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁部直径をD1、
前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁部直径をD2、と定義した場合に、
D2≦3×D1の関係を満たす
請求項に記載のタービン。
【請求項6】
前記ハブ側壁面との接続位置において、前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有し、
前記シュラウド側壁面との接続位置において、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有する、
請求項に記載のタービン。
【請求項7】
前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンよりも大きな前縁メタル角を有する、
請求項乃至の何れか1項に記載のタービン。
【請求項8】
軸線周りに回転するタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、
前記ノズル流路の周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、前記周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンが異なる径方向位置に設けられ、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前縁の翼高さよりも後縁の翼高さの方が大きくなるように構成される、
タービン。
【請求項9】
軸線周りに回転するタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、
前記ノズル流路に周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンとは異なるコード長を有し、
前記複数の小弦節比ノズルベーンは、
複数の第1の小弦節比ノズルベーンと、
前記ハブ側壁面との接続位置において、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも短いコード長をそれぞれ有する、複数の第2の小弦節比ノズルベーンと、を含み、
前記第1の小弦節比ノズルベーンと前記第2の小弦節比ノズルベーンとは、前記周方向に交互に隣接するように配置され、
前記シュラウド側壁面との接続位置において、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、短いコード長をそれぞれ有する、
タービン。
【請求項10】
軸線周りに回転するタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、
前記ノズル流路に周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンとは異なるコード長を有し、
前記複数の小弦節比ノズルベーンは、
複数の第1の小弦節比ノズルベーンと、
前記ハブ側壁面との接続位置において、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも短いコード長をそれぞれ有する、複数の第2の小弦節比ノズルベーンと、を含み、
前記第1の小弦節比ノズルベーンと前記第2の小弦節比ノズルベーンとは、前記周方向に交互に隣接するように配置され、
前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々のコード長をL1、
前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々のコード長をL2、と定義した場合に、
L2≦0.8×L1の関係を満たし、
前記ハブ側壁面との接続位置において、前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有する、
タービン。
【請求項11】
前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁部直径をD1、
前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁部直径をD2、と定義した場合に、
D2≦3×D1の関係を満たす
請求項10に記載のタービン。
【請求項12】
前記ハブ側壁面との接続位置において、前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有し、
前記シュラウド側壁面との接続位置において、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有する、
請求項に記載のタービン。
【請求項13】
前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンよりも大きな前縁メタル角を有する、
請求項乃至12の何れか1項に記載のタービン。
【請求項14】
軸線周りに回転するタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、
前記ノズル流路に周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンとは異なるコード長を有し、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前縁の翼高さよりも後縁の翼高さの方が大きくなるように構成される、
タービン。
【請求項15】
軸線周りに回転するタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、
前記ノズル流路に周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前縁の翼高さよりも後縁の翼高さの方が大きくなるように構成される
タービン。
【請求項16】
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁における翼高さをH1、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々の後縁における翼高さをH2、と定義した場合に、
H1≦0.8×H2の関係を満たす
請求項15に記載のタービン。
【請求項17】
前記複数の小弦節比ノズルベーンは、
複数の第1の小弦節比ノズルベーンと、
前記ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンよりも大きな前縁メタル角をそれぞれ有する、複数の第2の小弦節比ノズルベーンと、を含み、
前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンと前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンとは、前記周方向に交互に隣接するように配置される
請求項15又は16に記載のタービン。
【請求項18】
前記シュラウド側壁面との接続位置において、前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも大きな前縁メタル角をそれぞれ有する、
請求項17に記載のタービン。
【請求項19】
前記ハブ側壁面との接続位置における前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁メタル角は、前記シュラウド側壁面との接続位置における前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁メタル角と等しく、
前記シュラウド側壁面との接続位置における前記複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁メタル角は、前記ハブ側壁面との接続位置における前記複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁メタル角と等しい、
請求項18に記載のタービン。
【請求項20】
軸線周りに回転するタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、
前記ノズル流路の周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、前記周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンが異なる径方向位置に設けられ、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、後縁が外周側に向かって湾曲する後縁湾曲部を有する、
タービン。
【請求項21】
軸線周りに回転するタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、
前記ノズル流路に周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンとは異なるコード長を有し、
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、後縁が外周側に向かって湾曲する後縁湾曲部を有する、
タービン。
【請求項22】
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、後縁が外周側に向かって湾曲する後縁湾曲部を有する、
請求項1乃至19の何れか1項に記載のタービン。
【請求項23】
前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記後縁湾曲部の湾曲角と前縁のノズルメタル角との差が20°以下である
請求項20乃至22の何れか1項に記載のタービン。
【請求項24】
請求項1乃至23の何れか1項に記載のタービンを備えるターボチャージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タービン及びターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
タービン回転数、タービン出力を可変とすることができ、あるいはエンジンの出力変化に対する高い応答性能を確保できるなどの大きな利点を有することから、自動車用エンジンに搭載されるターボチャージャや、発電用エンジンに用いられるエキスパンションタービン、小型ガスタービンなどに、タービンに導入する排気ガスの流量調整機構を備えたラジアルタービンや斜流タービンが多用されている。
【0003】
ラジアルタービンや斜流タービンを備えたターボチャージャは、例えば、エンジンからの排ガスによってタービンを回転駆動させるとともに、タービンと同軸で連結したコンプレッサを回転駆動させて吸気を圧縮し、この圧縮気をエンジンに供給するように構成されている。
【0004】
一方、排気ガスの流量調整機構は、タービンハウジングによってタービンホイールの外周側に画定された環状のノズル流路に、周方向に複数のノズルベーンを並設して構成されている。
【0005】
排気ガスの流量調整機構には、アクチュエータの駆動によって回動し、閉動時に隣り合う一方のノズルベーンの前縁と他方のノズルベーンの後縁とが重なって流路を閉じるように設けられた複数の可変ノズルベーンを備え、各可変ノズルベーンの回動量によって排気ガスの流路の大きさ、すなわち、排気ガスの流量を任意に調整するように構成したものがある。
【0006】
さらに、排気ガスの流量調整機構には、周方向に間隔(流路となる隙間)をあけ、固定して設けられた複数の小弦節比ノズルベーンを備え、排気ガスの圧力の大小などによって、排気ガスの流量を自動的に調整するように構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-123802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方、ターボチャージャは、エンジンの排気脈動下で運転され、タービンの入口における排ガスの圧力が大きく変動する。
このため、タービンは、設計点(設計性能)と大きく異なる作動点で運転されることがあり、このような場合にタービン効率が低下するという問題があった。
【0009】
これに対し、従来のタービン性能低下抑制対策としては、可変ノズルベーンの適用によりタービン流量に応じたスロート面積制御を行う方法や、小弦節比ノズルベーンの適用により圧力変動に対する動翼相対流入角の変化を小さくする方法が提案されている。
【0010】
しかしながら、可変ノズルベーンの適用はターボチャージャ構造が複雑になり、小弦節比ノズルベーンのみの使用では動翼インシデンス特性が大きくは改善されないという問題があった。
【0011】
本開示は、上述する問題点に鑑みなされたもので、エンジンの排気脈動によってタービン入口の圧力が大きく変動する場合に、複雑な構造の可変ノズルベーンを用いず、小弦節比ノズルベーンの使用のみで、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることができるタービン、及びこれを備えるターボチャージャを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様のタービンは、軸線周りに回転するタービンホイールと、前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、前記ノズル流路の周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、前記周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンが異なる径方向位置に設けられる構成とした。
【0013】
また、本開示の一態様のタービンは、軸線周りに回転するタービンホイールと、前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、前記ノズル流路に周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前記ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンが異なるコード長を有する構成とした。
【0014】
また、本開示の一態様のタービンは、軸線周りに回転するタービンホイールと、前記タービンホイールを収容するとともに、前記タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、前記ノズル流路に周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、前記複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前縁の翼高さよりも後縁の翼高さの方が大きくなるように構成した。
【0015】
また、本開示の一態様のターボチャージャは、上記のタービンを備える。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一態様のタービン及びこれを備えたターボチャージャによれば、エンジンの排気脈動によってタービン入口の圧力は大きく変動する場合に、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズルの使用のみで動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、従来よりもタービン効率の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一態様のタービンを示す図である。
図2】一態様のタービンのノズル流路、流量調整機構を示す図である。
図3】第1実施形態のタービンの流量調整機構を示す図であり、複数のノズルベーン(第1のノズルベーン、第2のノズルベーン)の配置を示す図である。
図4】第1実施形態のタービン、タービンの流量調整機構を示す図であり、図1のS部を示す図である。
図5】第2実施形態のタービンの流量調整機構を示す図であり、シュラウド側から見たノズルベーン(第1のノズルベーン、第2のノズルベーン)の配置を示す図である。
図6】第2実施形態のタービンの流量調整機構を示す図であり、シュラウド側から見たノズルベーン(第1のノズルベーン、第2のノズルベーン)の配置を示す図である。
図7】第2実施形態のタービン、タービンの流量調整機構を示す図であり、図1のS部を示す図である。
図8】第3実施形態のタービンの流量調整機構を示す図であり、複数のノズルベーン(第1のノズルベーン、第2のノズルベーン)の形状、配置を示す図である。
図9】第3実施形態のタービン、タービンの流量調整機構の複数のノズルベーン(第1のノズルベーン、第2のノズルベーン)を示す図である。
図10】第4実施形態のタービンの流量調整機構を示す図であり、複数のノズルベーン(第1のノズルベーン、第2のノズルベーン)の形状、配置を示す図である。
図11】第4実施形態のタービン、タービンの流量調整機構を示す図であり、図1のS部を示す図である。
図12】第4実施形態のタービンの流量調整機構の変更例を示す図であり、複数のノズルベーンの形状、配置を示す図である。
図13】第4実施形態のタービン、タービンの流量調整機構の変更例を示す図であり、図1のS部を示す図である。
図14】第5実施形態のタービンの流量調整機構を示す図であり、複数のノズルベーンの形状、配置を示す図である。
図15】第5実施形態のタービン、タービンの流量調整機構を示す図であり、図1のS部を示す図である。
図16】第6実施形態のタービンの流量調整機構のノズルベーンの形状を示す図である。
図17】上記複数の実施形態の複数のノズルベーン(第1のノズルベーン、第2のノズルベーン)の構成を組み合わせた変更例を示す図である。
図18】上記複数の実施形態の複数のノズルベーン(第1のノズルベーン、第2のノズルベーン)の構成を組み合わせた変更例を示す図である。
図19】上記複数の実施形態の複数のノズルベーン(第1のノズルベーン、第2のノズルベーン)の構成を組み合わせた変更例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、図1から図4を参照し、第1実施形態に係るタービン及びターボチャージャについて説明する。
【0019】
(ターボチャージャ)
本実施形態のターボチャージャは、エンジンから排出される排ガスのエネルギを利用してエンジンの出力を向上させるターボ装置であり、エンジンから排出される排ガスによってタービンを回転駆動させ、これにより、タービンと同軸で連結されているコンプレッサを回転駆動させて吸気を圧縮し、この圧縮した吸気をエンジンに供給するものである。
【0020】
具体的に、本実施形態のターボチャージャ1は、図1に示すように、ラジアルタービン2あるいは斜流タービン(以下、タービンという)を備えている。
【0021】
(タービン)
タービン2は、図1図2図3に示すように、ターボチャージャ1の軸線О1周りに回転するタービンホイール3と、タービンホイール3を収容しつつ、タービンホイール3の軸線О1中心の外周側に環状のノズル流路4を形成するタービンハウジング5と、タービンホイール3の径方向外側のノズル流路4内に設けられ、タービンホイール3の周方向に所定の間隔をあけて配された複数のノズルベーン6からなる流量調整機構(排ガスGの流量調整機構)7と、を備えている。
【0022】
タービンホイール3は、ベアリングハウジング8に収容したジャーナル軸受9,10によって回転可能に軸支された回転軸11の一端側に、互いの軸線О1を同軸上に配して一体に設けられた截頭錐状で略円錐台状のタービンハブ12と、タービンハブ12の周面に軸線О1中心の周方向に所定の間隔をあけて設けられた複数のタービン動翼13と、を備えている。
【0023】
回転軸11の他端側には、截頭錐状で略円錐台状のコンプレッサハブ14が一体に設けられ、このコンプレッサハブ14の周面には、周方向に所定の間隔をあけて複数のコンプレッサ動翼15が設けられている。
【0024】
これらコンプレッサハブ14とコンプレッサ動翼15とによってコンプレッサホイール16が構成され、このコンプレッサホイール16は、コンプレッサハウジング17に軸線О1周りに回転可能に収容されている。
【0025】
本実施形態において、タービンハウジング5の内部には、ノズル流路4に連通し、タービンハウジング5の外部から導入された排ガスGをノズル流路4に向けて流通させるスクロール流路18と、ノズル流路4に連通し、タービンホイール3を駆動させた排ガスGを流通させてタービンハウジング5の外部に導出するための排気流路19と、が設けられている。
【0026】
スクロール流路18は、ノズル流路4の外周側に形成された略渦巻き状の流路とされ、排出流路は、軸線О1に沿って延在する管状の流路とされている。
【0027】
スクロール流路18を流れた排ガスGは、ノズル流路4を径方向内側に向けて流通してタービンホイール3に流入し、タービンホイール3を軸線О1周りに回転させる。タービンホイール3を回転させた排ガスGは、排出流路19を流通し、タービンハウジング5の外部に排出される。
【0028】
一方、流量調整機構7の複数のノズルベーン6はそれぞれ、例えば、前縁6cと後縁6dとを結ぶ直線の長さ(ベーン長)をLv、後縁6dを通過する後縁内接円C1の周長をLc、複数のノズルベーンの枚数をNvとしたとき、Lv<Lc/Nvを満たすように構成されている。
【0029】
すなわち、本実施形態の流量調整機構7の複数のノズルベーン6は、小弦節比ノズルベーンであり、周方向に隣り合うノズルベーン6が重ならず、隣り合う一方のノズルベーン6の前縁6cと、他方のノズルベーン6の後縁6dとの間にスロートthが形成されるように配設されている(図2、3参照)。
なお、スロートthとは、隣り合うノズルベーン6間の最小幅寸法となる部分を示す。
【0030】
ここで、本願の発明者らは、スロートthを設け、ノズルオーバーラップをなくすとともに、ノズル幾何流出角θ1(ノズルベーン6の前縁6cと後縁6dを結ぶ中心軸線と、小さな排ガス圧力(低圧)時に卓越するノズルベーン6に沿って流れる排ガスG2の流通方向との間の角度)とノズル最小スロートthで規定される流出角θ2(略ノズルベーン6の前縁6cと後縁6dを結ぶ中心軸線と、大きな排ガス圧力(高圧)時に卓越する直接的にスロートthを通過して流れる排ガスG1の流通方向との間の角度)の差(θ2-θ1)を増大すると、排ガスGの圧力変動に伴うノズル流出角変動を増大することができることを鋭意研究によって見出した。
【0031】
これに基づき、本実施形態の流量調整機構7は、図3図4に示すように、複数のノズルベーン6が、ノズル流路4を画定するハブ側壁面5aおよびシュラウド側壁面5bの内のハブ側壁面5aとの接続位置において、任意のノズルベーン6を周方向に隣り合うノズルベーン6に対して軸線О1中心からの径方向の距離をずらして配置するようにした。
【0032】
このように、ハブ側壁面5aとの接続位置において、周方向に隣接するノズルベーン6(6a、6b)が異なる径方向位置に設けられていることにより、ノズル最小スロートthで規定される流出角θ2を大きくし、排ガスG1を内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。
【0033】
したがって、本実施形態のターボチャージャ1及びタービン2によれば、エンジンの排気脈動によってタービン入口の圧力が大きく変動する場合に、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズル6の使用のみで、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0034】
また、本実施形態において、複数のノズルベーン6の各々は、第1のノズルベーン(第1の小弦節比ノズルベーン)6aと第2のノズルベーン(第2の小弦節比ノズルベーン)6bが周方向に交互に配設され、複数の第1のノズルベーン6a同士、複数の第2のノズルベーン6b同士がそれぞれ同心円上に配設されるとともに、第2のノズルベーン6bが第1のノズルベーン6aに対して所定の寸法、径方向内側に配設されている。
【0035】
言い換えると、本実施形態の流量調整機構7では、ハブ側壁面5aとの接続位置において、隣り合う第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bは、第2のノズルベーン6bの後縁6dが第1のノズルベーン6aの後縁6dよりも径方向内側に位置するように配設されている。
【0036】
このように構成することによって、より好適に、圧力変動に伴う流出角変動を増大することができ、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善し、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0037】
さらに、ハブ側壁面5aとの接続位置において、隣り合う第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bは、第2のノズルベーン6bの後縁6dが第1のノズルベーン6aの後縁6dよりも径方向内側に位置するように配設され、且つ、シュラウド側壁面5bとの接続位置において、複数の第1のノズルベーン6aの各々の後縁6dが、複数の第2のノズルベーン6bの各々の後縁6dよりも径方向内側に位置するように配設されていてもよい。
【0038】
このように構成することによって、ノズル出口において、圧力変動に伴い周方向に流出角分布が生じることを抑止でき、流出角変動を周方向に均一化することが可能になる。よって、より好適に、圧力変動に伴う流出角変動を増大することができ、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善し、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0039】
なお、径方向内側に配置される第2のノズルベーン6bは、隣り合う第1のノズルベーン6aによる流出角θ1の延長線Rより径方向外側に配置されていてもよい。
【0040】
このように構成すれば、第2のノズルベーン6bが第1のノズルベーン6aによる流出角θ1の延長線Rよりも径方向外側に配置されているので、大きな空力性能の低下を抑えることができ、流出角変動の増大効果を得ることが可能になる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、図5から図7図1図2図3)を参照し、第2実施形態に係るターボチャージャ及びタービンについて説明する。ここで、本実施形態のターボチャージャ及びタービンは、第1実施形態のターボチャージャ、タービンに対して流量調整機構のノズルベーンの形状、配置が異なり、他の構成は同様である。よって、本実施形態では、第1実施形態と同様の構成(流量調整機構の構成など)に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0042】
本実施形態のターボチャージャ1、タービン2の流量調整機構7は、第1実施形態と同様、周方向に交互に隣り合う第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bの径方向の位置をずらして構成されている。
【0043】
ここで、第1実施形態のように、複数の第1のノズルベーン6a同士、複数の第2のノズルベーン6b同士がそれぞれ同心円上に配設されるとともに、第2のノズルベーン6bが第1のノズルベーン6aに対して所定の寸法、径方向内側に配設して構成した場合には、図3に示すように、圧力変動に伴い、特に、それぞれのスロートthを流通する排ガスG1の流出角θ2(ノズル出口における流出角θ2)に分布、すなわち大小の差異が生じるおそれがある。
【0044】
これに対し、本実施形態の流量調整機構7では、図5図6図7図1図2参照)に示すように、周方向に交互に隣り合う第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6の径方向の位置をずらす構成に加え、流出角θ2を均一化するように、シュラウド側では第1のノズルベーン6aが第2のノズルベーン6bよりも径方向内側に、ハブ側では、逆に、第2のノズルベーン6bが第1のノズルベーン6aよりも径方向内側に配されるように構成されている。
【0045】
そして、上記のように構成した本実施形態のターボチャージャ1及びタービン2においては、第1実施形態と比較し、ノズル出口において、圧力変動に伴い周方向に流出角分布が生じることを抑止できる。
すなわち、ノズル高さ方向にノズル径方向配置を変化させることにより、ノズル出口における流出角変動を、周方向に均一化することが可能になる。
【0046】
したがって、本実施形態のターボチャージャ1及びタービン2によれば、第1実施形態の作用効果に加え、ノズル出口における流出角変動を周方向に均一化することができ、さらにはタービン入口の圧力変動を小さく抑えることができる。これにより、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズルの使用のみで動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、従来よりもタービン効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
【0047】
ここで、図7に示すように、例えば、第1のノズルベーン6aは、シュラウド側を排ガス流通方向の上流側に、ハブ側を下流側にそれぞれ配設し、第2のノズルベーン6bは、第1のノズルベーン6aと逆に、シュラウド側を排ガス流通方向の下流側に、ハブ側を上流側にそれぞれ配設するなどし、隣り合う第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bとが排ガス流通方向の直交方向から見てX状に配設するように構成してもよい。
この場合には、ノズル出口において、より効果的に、圧力変動に伴い周方向に流出角分布が生じることを抑止でき、ノズル出口における流出角変動を、周方向に均一化することが可能になる。
【0048】
ちなみに、本実施形態では、シュラウド側壁面5bとの接続位置において、複数の第1のノズルベーン6aの各々の後縁6cは、複数の第2のノズルベーン6bの各々の後縁6cよりも径方向内側に配置されている。
【0049】
また、ハブ側壁面5aとの接続位置における複数の第1のノズルベーン6aの各々の後縁6cの径方向位置が、シュラウド側壁面5bとの接続位置における複数の第2のノズルベーン6bの各々の後縁6cの径方向位置と等しくなっている。
【0050】
さらに、シュラウド側壁面5bとの接続位置における複数の第1のノズルベーン6aの各々の後縁6cの径方向位置は、ハブ側壁面5aとの接続位置における複数の第2のノズルベーン6bの各々の後縁6cの径方向位置と等しくなっている。
【0051】
(第3実施形態)
次に、図8及び図9図1図2図3)を参照し、第3実施形態に係るターボチャージャ及びタービンについて説明する。ここで、本実施形態のターボチャージャ及びタービンは、第1実施形態、第2実施形態に対して流量調整機構のノズルベーンの形状が異なり、他の構成は同様である。よって、本実施形態では、第1実施形態、第2実施形態と同様の構成(流量調整機構の構成など)に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0052】
本実施形態のターボチャージャ1及びタービン2においては、流量調整機構7が、第1、第2実施形態と同様、径方向の位置が異なる第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bとを備えて構成されている。
【0053】
一方、図8及び図9に示すように、本実施形態の流量調整機構7は、ハブ側壁面5aとの接続位置において、複数の第2のノズルベーン6bの各々は、複数の第1のノズルベーン6aの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有している。
【0054】
また、本実施形態では、複数の第1のノズルベーン6aの各々の前縁部直径をD1、複数の第2のノズルベーン6bの各々の前縁部直径をD2としたとき、D2≦3×D1の関係を満たすように、すなわち、内径側の第2のノズルベーン6bの前縁部直径D2を、外径側の第1のノズルベーン6aの前縁部直径D1の3倍以下の範囲で大きく設定して、各ノズルベーン6が形成されている。なお、第2のノズルベーン6bの前縁部直径D2は、第1のノズルベーン6aの前縁部直径D1の1.5倍以上であることが好ましい。
【0055】
ここで、第1のノズルベーン6aの前縁部直径D1とは、第1のノズルベーン6aの前縁部における最大厚さ寸法D1を直径とする仮想円の直径として定義される。また、第2のノズルベーン6bの前縁部直径D2とは、第2のノズルベーン6bの前縁部における最大厚さ寸法D2を直径とする仮想円の直径として定義される。
また、本開示における「前縁部」とは、ノズルベーン6の前縁6cを0%位置、ノズルベーン6の後縁6dを100%位置とした場合に、ノズルベーン6のコード長に沿って0~20%の範囲にある部分を指す。
【0056】
上記構成からなる本実施形態のターボチャージャ1及びタービン2においては、外径側に位置する第1のノズルベーン6aの前縁部に対し、内径側に位置する第2のノズルベーン6bの前縁部が大きくなっていることにより、ノズル最小スロートthで規定される流出角θ2がより内径側を向くようにすることができ、これにより、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。
【0057】
また、内径側の第2のノズルベーン6bの前縁部直径D2を、外径側の第1のノズルベーン6aの前縁部直径D1の3倍以下の範囲で大きく設定することにより、大きな空力損失の増加を抑えつつ、効果的に流出角変動を増大することが可能になる。
なお、内径側の第2のノズルベーン6bの前縁部直径D2を、外径側の第1のノズルベーン6aの前縁部直径D1の3倍以下とすることによる上記の効果は鋭意研究によって確認されている。
【0058】
したがって、本実施形態のターボチャージャ1及びタービン2によれば、第1実施形態よりもタービン入口の圧力変動を小さく抑えることができ、これにより、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズル6の使用のみで動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
【0059】
(第4実施形態)
次に、図10及び図11図1図2)を参照し、第4実施形態に係るターボチャージャ及びタービンについて説明する。ここで、本実施形態のターボチャージャ及びタービンは、第1実施形態のターボチャージャ及びタービンに対して流量調整機構のノズルベーンの形状、配置が異なり、他の構成は同様である。よって、本実施形態では、第1実施形態と同様の構成(流量調整機構の構成など)に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】
本実施形態のターボチャージャ1、タービン2の流量調整機構7は、第1実施形態と同様、図10及び図11に示すように、周方向に交互に隣り合う第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bを備えて構成されている。
【0061】
一方、本実施形態の流量調整機構7では、第2のノズルベーン6はそのコード長L2を第1のノズルベーン6aのコード長L1よりも小さくして形成されている。
【0062】
すなわち、ハブ側壁面5aとの接続位置において、複数の第1のノズルベーン6aの各々は、複数の第2の小弦節比ノズルベーン6aの各々よりも、それぞれ短いコード長を有している。
【0063】
そして、本実施形態では、大きさが異なるこれら第1のノズルベーン6a、第2のノズルベーン6bの複数のノズルベーン6が後縁の位置を同心円上に配して設けられている。
【0064】
上記構成からなる本実施形態のターボチャージャ1、タービン2においては、第2のノズルベーン6はそのコード長L2を第1のノズルベーン6aのコード長L1よりも小さいことにより、第1実施形態、第2実施形態の作用効果(コード長L2が小さい第2のノズルベーン6bが第1のノズルベーン6aに隣り合って交互に配設されていることによる作用効果)に加え、ノズル最小スロートthで規定される流出角θ2が内径側を向くようにすることが可能になる。
これにより、ノズル最小スロートthで規定される流出角θ2を大きくし、排ガスG1を内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。
【0065】
したがって、本実施形態のターボチャージャ1及びタービン2によれば、エンジンの排気脈動によってタービン入口の圧力が大きく変動する場合に、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズル6の使用のみで、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0066】
また、本実施形態において、第2のノズルベーン6bのコード長L2は第1のノズルベーン6aのコード長L1の80%以下とされている。
【0067】
これにより、より効果的に、ノズル最小スロートthで規定される流出角θ2が内径側を向くようにすることができ、ノズル最小スロートthで規定される流出角θ2を大きくし、排ガスG1を内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。
【0068】
ここで、例えば、図12図13に示すように、シュラウド側のコード長Lとハブ側のコード長Lを変えてノズルベーン6を形成してもよい。このとき、シュラウド側、ハブ側のコード長Lが交互に大小変化するように複数のノズルベーン6を周方向に並設することが好ましい。
【0069】
このように構成した場合においても、ノズル最小スロートthで規定される流出角θ2が内径側を向くようにすることができ、排ガスG1を内径側に向け、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。
よって、エンジンの排気脈動によってタービン入口の圧力が大きく変動する場合に、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズル6の使用のみで、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0070】
(第5実施形態)
次に、図14及び図15図1図2図3)を参照し、第5実施形態に係るターボチャージャ及びタービンについて説明する。ここで、本実施形態のターボチャージャ及びタービンは、第1実施形態、第4実施形態のターボチャージャ及びタービンに対して流量調整機構のノズルベーンの形状、配置が異なり、他の構成は同様である。よって、本実施形態では、第1実施形態から第4実施形態と同様の構成(流量調整機構の構成など)に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0071】
本実施形態のターボチャージャ1、タービン2の流量調整機構7は、図14及び図15に示すように、周方向に所定の間隔をあけて配設された複数のノズルベーン6を備えて構成されている(図1図2参照)。
【0072】
一方、本実施形態の流量調整機構7では、各ノズルベーン6が前縁の翼嵩さH1を後縁の翼嵩さH2よりも小さくして形成されている。
本実施形態では、ノズルベーン6のシュラウド側の端部(シュラウド側壁面の接続位置)を斜めに切り欠いた形にして前縁6cの翼嵩さH1が小さくなるように形成されている。なお、このようにノズルベーン6を形成することによって、図15に示すように、ノズルベーン6の形状に合わせてノズル流路4を形成することになる。
【0073】
そして、本実施形態では、これらノズルベーン6が後縁6dの位置を同心円上に配して設けられている。
【0074】
上記構成からなる本実施形態のターボチャージャ1、タービン2においては、各ノズルベーン(小弦節比ノズルベーン)6が前縁6cの翼嵩さH1を小にして形成され、ノズル出口に対してノズル入口高さが大となっていることにより、すなわち、ノズル最小面積をノズル入口側に設ける設計とすることにより、ノズル最小スロートthの面積で規定される流出角θ2を内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大できる(図3参照)。
【0075】
したがって、本実施形態のターボチャージャ1及びタービン2によれば、エンジンの排気脈動によってタービン入口の圧力が大きく変動する場合に、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズル6の使用のみで、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0076】
また、前縁6cの翼嵩さH1が後縁6dの翼嵩さH2の80%以下(H1≦0.8×H2)となるようにノズルベーン6が形成されていると、上記の作用効果がより確実で好適に得られることが確認されている。
【0077】
(第6実施形態)
次に、図16図1図2図3)を参照し、第6実施形態に係るターボチャージャ及びタービンについて説明する。ここで、本実施形態のターボチャージャ及びタービンは、第1から第5実施形態のターボチャージャ、タービンに対して流量調整機構のノズルベーンの形状が異なる。よって、本実施形態では、第1から第5実施形態と同様の構成(流量調整機構の構成)に対して同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0078】
本実施形態の流量調整機構7は、図16に示すように、ノズルベーン6がその後縁側を周方向に湾曲して形成されている。また、本実施形態では、ノズルベーン6の後縁側の湾曲部(後縁湾曲部)6eは、ノズルメタル角(前縁メタル角)θ3に対し、最大20°の角度差を備えて形成されている。
【0079】
より詳細に、本実施形態におけるノズルメタル角θ3とは、複数のノズルベーン6の前縁6cを通る同心円R1とノズルベーン6の前縁6cの交点P1における接線M1と、ノズルベーン6の正圧側の表面と負圧側の裏面に接する接円Q1の中心と前記交点P1を結んだ直線(ノズルベーン6の中心軸線)T1との交角θ3である。
ノズルベーン6の後縁6c側の湾曲部6eの湾曲角度θ4は、ノズルベーン6の前記接円Q1の中心と前記交点P1を結んだ直線T1の延長線と、ノズルベーン6の湾曲部6e側の中心軸線T2(あるいは、湾曲部6eを備えていない複数のノズルベーン6’の後縁を通る同心円R2とこのノズルベーン6’の後縁の交点P2と湾曲部6eを備えたノズルベーン6の後縁(湾曲部6eの後縁)とを結んだ直線T2)との交角θ4である。
【0080】
前述の通り、圧力変動に伴うノズル流出角変動を増大するためには、ノズルオーバーラップをなくすとともに、ノズル幾何流出角θ1とノズル最小スロートthで規定される流出角θ2の差を増大する必要がある。
【0081】
これに対し、本実施形態の流量調整機構7においては、上記の通り、後縁6dを周方向に湾曲させてノズルベーン6を形成するようにした。
これにより、ノズルベーン6の周方向に延びる湾曲部6eによって、幾何学的なノズル流出角θ1を小さくすることができ、すなわち、ノズル幾何流出角θ1とノズル最小スロートthで規定される流出角θ2の差を増大することができ、圧力変化に伴う流出角変動を増大することが可能になる。
【0082】
したがって、本実施形態のターボチャージャ1及びタービン2によれば、タービン入口の圧力変動を小さく抑えることができる。これにより、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズルの使用のみで動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、従来よりもタービン効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
【0083】
また、本実施形態では、ノズルベーン6の湾曲部6eの湾曲角度θ4が、ノズルメタル角θ3<θ4≦θ3+20°となるように設定されている。なお、湾曲角度θ4はθ3+10°≦θ4≦θ3+20°であることが好ましい。
【0084】
これにより、ノズルベーン6の後縁の湾曲部6eを、ノズルメタル角θ3に対し最大20°(20°以下)の角度差となるように形成することによって、より効果的に圧力変化に伴う流出角変動を増大することが可能になる。
【0085】
以上、ターボチャージャ及びタービンの第1から第6実施形態について説明したが、上記の第1から第6実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の構成、変更例を組み合わせるなど、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0086】
そして、第1から第6実施形態の構成、変更例を適宜選択的に組み合わせることにより、例えば、相乗的に、動翼インシデンス特性の改善効果、タービン効率の向上効果を得ることが可能になる。
【0087】
例えば、図17に示すように、第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bの径方向の位置を変えるとともにノズルメタル角θ3を変えて構成してもよい。
【0088】
この場合には、第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bの径方向の位置を変えることによる作用効果とともに、ノズルメタル角θ3を変えることで、ノズル最小スロートの角度を小さくし(ノズル最小スロートを寝かせ)、スロート面積部を大きくすることが可能になる。これにより、大きな空力損失の増加を抑えつつ、効果的に流出角変動を増大することができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することができる。よって、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0089】
また、例えば、図18に示すように、第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bのコード長Lを変えるとともにノズルメタル角θ3を変えて構成してもよい。
【0090】
この場合には、第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bのコード長Lを変えることによる作用効果とともに、ノズルメタル角θ3を変えることで、ノズル最小スロートの角度を小さくし、スロート面積部を大きくすることが可能になる。これにより、大きな空力損失の増加を抑えつつ、効果的に流出角変動を増大することができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することができる。よって、やはり、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0091】
さらに、例えば、図19に示すように、第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bの前縁6cの翼嵩さを変えるとともにノズルメタル角θ3を変えて構成してもよい。
【0092】
この場合には、第1のノズルベーン6aと第2のノズルベーン6bの前縁6cの翼嵩さを変えることによる作用効果とともに、ノズルメタル角θ3を変えることで、ノズル最小スロートの角度を小さくし、スロート面積部を大きくすることが可能になる。これにより、大きな空力損失の増加を抑えつつ、効果的に流出角変動を増大することができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することができる。よって、やはり、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0093】
すなわち、第1から第6実施形態の構成、変更例を適宜選択的に組み合わせると、さらなる動翼インシデンス特性の改善、タービン効率の向上を図ることが可能である。
【0094】
より具体的に、上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0095】
(1)一の態様に係るタービン(第1実施形態のタービン2)は、軸線周りに回転するタービンホイール(第1実施形態のタービンホイール14:図1)と、タービンホイールを収容するとともに、タービンホイールの外周側に環状のノズル流路(第1実施形態のノズル流路4:図1)を画定するタービンハウジング(第1実施形態のタービンハウジング5:図1)と、ノズル流路の周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーン(第1、第2、第3実施形態のノズルベーン6、第1のノズルベーン6a、第2のノズルベーン6b)と、を備え、複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、ノズル流路を画定するハブ側壁面(第1実施形態のハブ側壁面5a)およびシュラウド側壁面(第1実施形態のシュラウド側壁面5b)の内のハブ側壁面との接続位置において、周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンが異なる径方向位置に設けられる。
【0096】
本開示のタービンによれば、ハブ側壁面との接続位置において、周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンとは異なる径方向位置に設けられるので、ノズル最小スロートで規定される流出角を大きくし、排ガスを内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。これにより、エンジンの排気脈動によってタービン入口の圧力が大きく変動する場合に、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズルの使用のみで、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0097】
(2)別の態様に係るタービンは、(1)の記載のタービンであって、複数の小弦節比ノズルベーンは、複数の第1の小弦節比ノズルベーンと、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の後縁(第1実施形態の後縁6d)よりも径方向内側に位置する後縁をそれぞれ有する、複数の第2の小弦節比ノズルベーンと、を含み、複数の第1の小弦節比ノズルベーンと複数の第2の小弦節比ノズルベーンとは、周方向に交互に隣接するように配置される。
【0098】
このような構成によれば、複数の第1の小弦節比ノズルベーンと複数の第2の小弦節比ノズルベーンとが周方向に交互に隣接するように配置されているので、好適に、ノズル最小スロートで規定される流出角を大きくし、排ガスを内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。これにより、エンジンの排気脈動によってタービン入口の圧力が大きく変動する場合に対し、より好適に、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズルの使用のみで、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0099】
(3)別の態様に係るタービンは、(2)の記載のタービンであって、シュラウド側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の後縁は、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々の後縁よりも径方向内側に位置する。
【0100】
このような構成によれば、シュラウド側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の後縁が、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々の後縁よりも径方向内側に位置するので、より好適に、ノズル最小スロートで規定される流出角を大きくし、排ガスを内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。これにより、エンジンの排気脈動によってタービン入口の圧力が大きく変動する場合に対し、さらに好適に、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズルの使用のみで、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0101】
(4)別の態様に係るタービンは、(2)又は(3)の記載のタービンであって、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ短いコード長(第4実施形態のコード長L1、L2)を有する。
【0102】
このような構成によれば、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々が、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ短いコード長を有して形成されているので、ノズル最小スロートで規定される流出角が内径側を向くようにすることが可能になる。これにより、さらに好適に、ノズル最小スロートで規定される流出角を大きくし、排ガスを内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、より一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0103】
(5)別の態様に係るタービンは、(3)の記載のタービンであって、シュラウド側壁面との接続位置において、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ短いコード長を有する。
【0104】
このような構成によれば、シュラウド側壁面との接続位置において、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々が、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ短いコード長を有して形成されているので、ノズル最小スロートで規定される流出角が内径側を向くようにすることが可能になる。これにより、さらに好適に、ノズル最小スロートで規定される流出角を大きくし、排ガスを内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、より一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0105】
(6)別の態様に係るタービンは、(2)乃至(5)の何れかに記載のタービンであって、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径(第3実施形態の前縁部直径D1、D2)を有する。
【0106】
このような構成によれば、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々が、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有するので、効果的に流出角変動を増大することが可能になる。これにより、ノズル最小スロートで規定される流出角を大きくし、排ガスを内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、より一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0107】
(7)別の態様に係るタービンは、(6)に記載のタービンであって、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁部直径をD1、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁部直径をD2、と定義した場合に、D2≦3×D1の関係を満たす。
【0108】
このような構成によれば、好適に、大きな空力損失の増加を抑えつつ、効果的に流出角変動を増大することができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0109】
(8)別の態様に係るタービンは、(3)に記載のタービンであって、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有し、シュラウド側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有する。
【0110】
このような構成によれば、より効果的に流出角変動を増大することが可能になる。これにより、ノズル最小スロートで規定される流出角を大きくし、排ガスを内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、より一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0111】
(9)別の態様に係るタービンは、(2)乃至(8)の何れかに記載のタービンであって、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第1の小弦節比ノズルベーンよりも大きな前縁メタル角(第6実施形態のノズルメタル角θ3)を有する。
【0112】
このような構成によれば、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々が複数の第1の小弦節比ノズルベーンよりも大きな前縁メタル角を有するので、ノズル最小スロートの角度を小さくし(ノズル最小スロートを寝かせ)、スロート面積部を大きくすることができる。これにより、大きな空力損失の増加を抑えつつ、効果的に流出角変動を増大することができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0113】
(10)別の態様に係るタービンは、(1)乃至(9)の何れかに記載のタービンであって、複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前縁(第1実施形態の前縁6c)の翼高さ(第5実施形態の翼嵩さH1)よりも後縁の翼高さ(第5実施形態の翼嵩さH2)の方が大きくなるように構成される。
【0114】
このような構成によれば、ノズル出口に対してノズル入口高さが大となり、ノズル最小面積をノズル入口側に設ける設計にすることができる。これにより、ノズル最小スロートの面積で規定される流出角を内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大できる。よって、一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0115】
(11)一態様に係るタービンは、軸線周りに回転するタービンホイールと、タービンホイールを収容するとともに、タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、ノズル流路に周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、周方向に隣接する小弦節比ノズルベーンとは異なるコード長を有する。
【0116】
このような構成によれば、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々が、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ短いコード長を有して形成されているので、ノズル最小スロートで規定される流出角が内径側を向くようにすることが可能になる。これにより、ノズル最小スロートで規定される流出角を大きくし、排ガスを内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0117】
(12)別の態様に係るタービンは、(11)に記載のタービンであって、複数の小弦節比ノズルベーンは、複数の第1の小弦節比ノズルベーンと、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも短いコード長をそれぞれ有する、複数の第2の小弦節比ノズルベーンと、を含み、第1の小弦節比ノズルベーンと第2の小弦節比ノズルベーンとは、周方向に交互に隣接するように配置される。
【0118】
このような構成によれば、(11)の効果に加え、より一層、ノズル最小スロートで規定される流出角を大きくし、排ガスを内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。これにより、エンジンの排気脈動によってタービン入口の圧力が大きく変動する場合に対し、より好適に、複雑な構造の可変ノズルを用いず、小弦節比ノズルの使用のみで、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0119】
(13)別の態様に係るタービンは、(12)に記載のタービンであって、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々のコード長をL1、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々のコード長をL2、と定義した場合に、L2≦0.8×L1の関係を満たす。
【0120】
このような構成によれば、L2≦0.8×L1の関係を満たすことで、効果的に、ノズル最小スロートで規定される流出角が内径側を向くようにすることができる。これにより、より好適に、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0121】
(14)別の態様に係るタービンは、(12)又は(13)に記載のタービンであって、シュラウド側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、短いコード長をそれぞれ有する。
【0122】
このような構成によれば、L2≦0.8×L1の関係を満たすことで、より効果的に、ノズル最小スロートで規定される流出角が内径側を向くようにすることができる。これにより、一層、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0123】
(15)別の態様に係るタービンは、(13)又は(14)に記載のタービンであって、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有する。
【0124】
このような構成によれば、(13)又は(14)の作用効果に加え、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々が、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有するので、より効果的に流出角変動を増大することが可能になる。これにより、ノズル最小スロートで規定される流出角を大きくし、排ガスを内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、より一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0125】
(16)別の態様に係るタービンは、(15)に記載のタービンであって、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁部直径をD1、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁部直径をD2、と定義した場合に、D2≦3×D1の関係を満たす。
【0126】
このような構成によれば、(13)又は(14)の作用効果に加え、より好適に、大きな空力損失の増加を抑えつつ、効果的に流出角変動を増大することができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、さらに一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0127】
(17)別の態様に係るタービンは、(14)に記載のタービンであって、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有し、シュラウド側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも、それぞれ大きい前縁部直径を有する。
【0128】
このような構成によれば、(14)の作用効果に加え、ノズル出口において、圧力変動に伴い周方向に流出角分布が生じることを抑止でき、流出角変動を周方向に均一化することが可能になる。よって、より好適に、圧力変動に伴う流出角変動を増大することができ、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善し、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0129】
(18)別の態様に係るタービンは、(11)乃至(17)に記載のタービンであって、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第1の小弦節比ノズルベーンよりも大きな前縁メタル角を有する。
【0130】
このような構成によれば、(11)乃至(17)の作用効果に加え、ノズル最小スロートの角度を小さくし(ノズル最小スロートを寝かせ)、スロート面積部を大きくすることができる。これにより、大きな空力損失の増加を抑えつつ、効果的に流出角変動を増大することができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。よって、一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0131】
(19)別の態様に係るタービンは、(11)乃至(18)に記載のタービンであって、複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前縁の翼高さよりも後縁の翼高さの方が大きくなるように構成される。
【0132】
このような構成によれば、(11)乃至(18)の作用効果に加え、ノズル出口に対してノズル入口高さが大となり、ノズル最小面積をノズル入口側に設ける設計にすることができる。これにより、ノズル最小スロートの面積で規定される流出角を内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大できる。よって、一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0133】
(20)一態様に係るタービンは、軸線周りに回転するタービンホイールと、タービンホイールを収容するとともに、タービンホイールの外周側に環状のノズル流路を画定するタービンハウジングと、ノズル流路に周方向に間隔をあけて設けられた複数の小弦節比ノズルベーンと、を備え、複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前縁の翼高さよりも後縁の翼高さの方が大きくなるように構成される。
【0134】
このような構成によれば、複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、前縁の翼高さよりも後縁の翼高さの方が大きくなるように構成されるので、ノズル出口に対してノズル入口高さが大となり、ノズル最小面積をノズル入口側に設ける設計にすることができる。これにより、ノズル最小スロートの面積で規定される流出角を内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大できる。よって、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0135】
(21)他の態様に係るタービンは、(20)に記載のタービンであって、複数の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁における翼高さをH1、複数の小弦節比ノズルベーンの各々の後縁における翼高さをH2、と定義した場合に、H1≦0.8×H2の関係を満たす。
【0136】
このような構成によれば、H1≦0.8×H2の関係を満たすので、ノズル出口に対してノズル入口高さが大となり、ノズル最小面積をノズル入口側に設ける設計にすることができる。また、効果的に、ノズル最小スロートの面積で規定される流出角を内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大できる。よって、一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0137】
(22)他の態様に係るタービンは、(20)又は(21)に記載のタービンであって、複数の小弦節比ノズルベーンは、複数の第1の小弦節比ノズルベーンと、ノズル流路を画定するハブ側壁面およびシュラウド側壁面の内のハブ側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンよりも大きな前縁メタル角をそれぞれ有する、複数の第2の小弦節比ノズルベーンと、を含み、複数の第1の小弦節比ノズルベーンと複数の第2の小弦節比ノズルベーンとは、周方向に交互に隣接するように配置される。
【0138】
このような構成によれば、複数の第2の小弦節比ノズルベーンが、ハブ側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンよりも大きな前縁メタル角をそれぞれ有するので、ノズル最小スロートの角度を小さくし、スロート面積部を大きくすることができる。これにより、大きな空力損失の増加を抑えつつ、効果的に流出角変動を増大することができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。
また、複数の第1の小弦節比ノズルベーンと複数の第2の小弦節比ノズルベーンとが周方向に交互に隣接するように配置されているので、好適に、ノズル最小スロートで規定される流出角を大きくし、排ガスを内径側に向けることができ、圧力変動に伴う流出角変動を増大することが可能になる。
よって、さらに一層、動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0139】
(23)他の態様に係るタービンは、(22)に記載のタービンであって、シュラウド側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々は、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも大きな前縁メタル角をそれぞれ有する。
【0140】
このような構成によれば、シュラウド側壁面との接続位置において、複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々が、複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々よりも大きな前縁メタル角をそれぞれ有するので、さらにノズル最小スロートの角度を小さくし、スロート面積部を大きくすることができるとともに、ノズル出口において、圧力変動に伴い周方向に流出角分布が生じることを抑止でき、流出角変動を周方向に均一化することが可能になる。よって、より好適に、圧力変動に伴う流出角変動を増大することができ、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善し、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0141】
(24)他の態様に係るタービンは、(23)に記載のタービンであって、ハブ側壁面との接続位置における複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁メタル角は、シュラウド側壁面との接続位置における複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁メタル角と等しく、シュラウド側壁面との接続位置における複数の第1の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁メタル角は、ハブ側壁面との接続位置における複数の第2の小弦節比ノズルベーンの各々の前縁メタル角と等しい。
【0142】
このような構成によれば、(23)の作用効果に加え、より効果的に、ノズル出口において、圧力変動に伴い周方向に流出角分布が生じることを抑止でき、流出角変動を周方向に均一化することが可能になる。よって、一層、圧力変動に伴う流出角変動を増大することができ、従来よりも動翼インシデンス特性を大きく改善し、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
【0143】
(25)他の態様に係るタービンは、(1)乃至(24)に記載のタービンであって、複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、後縁が外周側に向かって湾曲する後縁湾曲部(第6実施形態の湾曲部6e)を有する。
【0144】
このような構成によれば、(1)乃至(24)の作用効果に加え、複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、後縁が外周側に向かって湾曲する後縁湾曲部を有するので、幾何学的なノズル流出角を小さくすることができ、すなわち、ノズル幾何流出角とノズル最小スロートで規定される流出角の差を増大することができ、圧力変化に伴う流出角変動を増大することが可能になる。これにより、タービン入口の圧力変動を小さく抑えることができ、さらに一層、小弦節比ノズルの使用のみで動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、従来よりもタービン効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
【0145】
(26)他の態様に係るタービンは、(25)に記載のタービンであって、複数の小弦節比ノズルベーンの各々は、後縁湾曲部の湾曲角と前縁のノズルメタル角との差が20°以下である。
【0146】
このような構成によれば、(25)の作用効果に加え、効果的に、ノズル幾何流出角とノズル最小スロートで規定される流出角の差を増大することができ、圧力変化に伴う流出角変動を増大することが可能になる。これにより、タービン入口の圧力変動を小さく抑えることができ、一層、小弦節比ノズルの使用のみで動翼インシデンス特性を大きく改善することができ、タービン効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
【0147】
(27)一態様に係るターボチャージャ(第1実施形態のターボチャージャ1)は、(1)乃至(26)の何れかに記載のタービンを備える。
【0148】
このような構成によれば、(1)乃至(26)の作用効果を奏功するターボチャージャを実現することが可能になる。
【0149】
なお、上記の第1から第6実施形態の構成、変更例を適宜選択的に組み合わせる際には、例えば、第1のノズルベーン6a、第2のノズルベーン6bの径方向の位置を調整するノズル高さ位置調整機構を備え、任意の高さ、ひいては任意のスロートに調整可能に構成してもよい。
【0150】
また、小弦節比ノズル6の使用のみで、従来よりも動翼インシデンス特性を改善することが可能であれば、必ずしも、複数のノズルベーン6を交互に径方向の位置を変えて、言い換えれば、隣り合うノズルベーン6の径方向の位置を変えて構成しなくてもよい。
【符号の説明】
【0151】
1 ターボチャージャ
2 タービン
3 タービンホイール
4 ノズル流路
5 タービンハウジング
5a ハブ側壁面
5b シュラウド側壁面
6 ノズルベーン(小弦節比ノズルベーン)
6a 第1のノズルベーン(第1の小弦節比ノズルベーン)
6b 第2のノズルベーン(第2の小弦節比ノズルベーン)
6c 前縁(前縁部)
6d 後縁(後縁部)
6e 湾曲部(後縁湾曲部)
7 流量調整機構
18 スクロール流路
19 排気流路
G 排ガス
O1 軸線
th スロート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19