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特許7289009橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-31
(45)【発行日】2023-06-08
(54)【発明の名称】橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置
(51)【国際特許分類】
   E01D 1/00 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
E01D1/00 K
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022171439
(22)【出願日】2022-10-26
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】202210921813.9
(32)【優先日】2022-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522420144
【氏名又は名称】福建省交通規劃設計院有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】518015619
【氏名又は名称】厦門理工学院
(74)【代理人】
【識別番号】100182084
【弁理士】
【氏名又は名称】中道 佳博
(74)【代理人】
【識別番号】100150326
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 知久
(72)【発明者】
【氏名】秦 志清
(72)【発明者】
【氏名】林 立
(72)【発明者】
【氏名】袁 志群
(72)【発明者】
【氏名】鄭 清松
(72)【発明者】
【氏名】林 暁波
(72)【発明者】
【氏名】王 淮峰
(72)【発明者】
【氏名】廈 丹丹
(72)【発明者】
【氏名】胡 永柱
(72)【発明者】
【氏名】劉 志新
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-293631(JP,A)
【文献】特開昭51-024032(JP,A)
【文献】特開昭61-038005(JP,A)
【文献】特開2017-019298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置であって、モータを含み、前記モータの主軸に2段直列式渦羽根車が接続され、前記渦羽根車の外部に外ダクトが設置され、前記外ダクトの末端に主エアダクトが密封して連通しており、前記主エアダクトの側壁はダクトを介して橋の両側に固定して設置された気流カーテンバリアダクトに連通し、前記気流カーテンバリアダクトは、自身の中心軸の周りに回転でき、かつ前記気流カーテンバリアダクトの側壁には幅が調整可能なエア溝が開設され、前記モータは一次コンピュータに電気的に接続され、前記橋に非常電源が設置されることを特徴とする橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置。
【請求項2】
前記気流カーテンバリアダクトはブラケットを介して前記橋の両側に水平に設置された内スリーブを含み、前記内スリーブの外に外スリーブが嵌設され、前記内スリーブと外スリーブとの間にグリースが充填され、前記内スリーブと外スリーブは同じ位置に前記エア溝が開設され、前記内スリーブと外スリーブは相対的に回転できることを特徴とする請求項1に記載の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置。
【請求項3】
前記外スリーブの片端に外スリーブギアが固定して接続され、前記外スリーブギアに外スリーブ駆動モータが伝動接続され、前記内スリーブが前記外スリーブギアから離れた一端に内スリーブギアが固定して接続され、前記内スリーブギアに内スリーブ駆動モータが伝動接続されることを特徴とする請求項2に記載の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置。
【請求項4】
前記内スリーブの両端はそれぞれ吸気ダクトを介して前記外ダクトの末端の主エアダクトに連通し、前記気流カーテンバリアダクトの両端にリップシールリングが固定して取り付けられ、前記リップシールリングは前記内スリーブと外スリーブとの間に位置することを特徴とする請求項2に記載の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置。
【請求項5】
測定制御システム及びモータ制御システムを含む制御システムをさらに備え、前記モータ、外スリーブ駆動モータ、内スリーブ駆動モータはそれぞれ前記モータ制御システムに電気的に接続され、前記風測定制御システムは、前記橋の縦断面に設置されたグリッド分布の風速センサ、橋内に配置された一次コンピュータの風力監視・自動補償制御ソフトウェア及び関連する出力インタフェースを含むことを特徴とする請求項3に記載の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置。
【請求項6】
前記橋の両側に温度センサ、湿度センサ及び空気汚染物質モニタが固定して設置され、前記温度センサ、湿度センサ及び空気汚染物質モニタは前記風測定制御システムに接続されることを特徴とする請求項5に記載の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置。
【請求項7】
前記橋の両側に設置された霧カーテン発生システム及び景観システムをさらに含み、前記霧カーテン発生システムは前記エア溝の上方の片側に設置された複数のノズルを含み、前記ノズルに給水管を介して増圧システムが接続され、前記増圧システムの外に給水システムが接続され、前記ノズルと前記増圧システムとの間の前記給水管には制御システムに電気的に接続された電磁調整弁が取り付けられ、電磁弁のスイッチは一次コンピュータによって制御され、前記景観システムは橋の両端及び中間橋脚に架設された投影システムであり、前記風測定制御システム、温度センサ、湿度センサ、空気汚染物質モニタ、景観システムはそれぞれネットワークを介して橋制御センターの二次コンピュータにリアルタイムで接続され、2段監視を実現できることを特徴とする請求項6に記載の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置。
【請求項8】
前記増圧システムは前記給水管に連通する増圧ポンプを含み、前記増圧ポンプは蓄圧タンクを介して前記給水システムに接続され、前記増圧ポンプの片端に増圧モータが伝動接続されることを特徴とする請求項7に記載の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置。
【請求項9】
前記モータは高速磁気浮上モータであり、前記高速磁気浮上モータ及び渦羽根車は前記外ダクト内に設置され、前記外ダクトの頂部はサスペンションシステムを介して前記橋の両側に設置されることを特徴とする請求項7に記載の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置。
【請求項10】
前記高速磁気浮上モータはモータ固定子を含み、前記モータ固定子内にモータ回転子が設置され、前記モータ回転子はモータ主軸を含み、前記モータ主軸上に第1永久磁石が固定して嵌設され、前記高速磁気浮上モータのモータ主軸の両端は磁気浮上軸受を介して前記外ダクト内の軸受取り付けフレームに設置され、前記モータ主軸に前記渦羽根車が固定して取り付けられ、前記磁気浮上軸受は前記モータ主軸の外に嵌設された軸受内筒を含み、前記軸受内筒の外壁に複数の第2永久磁石が均等に設置され、前記第2永久磁石の外に前記外ダクトの軸受取り付けフレームに接続された軸受スリーブが嵌設され、前記軸受スリーブの内壁に固定巻線が設置され、磁気浮上軸受内に浮上プロセッサ及び状態センサが設けられ、一次コンピュータにネットワーク接続されることを特徴とする請求項9に記載の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置。
【請求項11】
前記投影システムは橋の両端及び中間橋脚に架設された複数のレーザー投影ステーションを含み、前記レーザー投影ステーションはケーブル、5gネットワークを介して橋制御センターとネットワーク構成でき、設定された写真及びビデオを霧カーテンに投影し、複数のレーザー投影は1枚の橋全体のカラー投影をつなぎ合わせることができることを特徴とする請求項7に記載の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋の風抵抗の技術分野に関し、特に、橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車が強風地域の谷、河川、湾を跨ぐ橋を走行する時、常に強い横風に遭遇し、車両の乗り心地及び安全性に深刻な影響を与え、さらに風による横転などの事故を引き起こす。現在、通常は固定フェンス式遮風壁を使用して横風を阻止し、走行過程への影響を低減するが、それ自体の定荷重及び遮風面積が大きいなどの要因により、橋にかかる定荷重、及び風荷重の負荷制限は、応用上で多くの制約を受ける。既存の橋又は新しく建設された橋に取り付けられるかどうかにかかわらず、構造耐荷能力に対する新たに加えられた荷重の新しい要求を考慮する必要があり、橋の建造費が必然的に増加し、フェンス式遮風壁はまた橋の空力形状を変え、橋の風による構造振動の制御により大きな課題をもたらし、同時に、極端な強風天候では、それ自体の風荷重により橋の構造の安全性を直接脅かし、深刻な風による二次災害を引き起こす。日常の使用では、固定式遮風壁は運転者の両側の視野を妨げ、走行空間の美観性を低下させ、景観橋や都市ランドマーク橋の景観機能に影響を与える。したがって、固定式構造を弱め、様々な強風気候に適応でき、知能感応、自動誘導機能を有する橋自動化遮風構造及び制御システムを開発することは、重要な適用意義を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するために、エア溝から噴出する高圧気流カーテンバリアにより、橋面の横風を積極的に妨害して弱め、様々な気候状態下で橋面上の一定高さ内の風場の安定性を実現する、橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は以下の解決手段を提供する。
【0005】
本発明は、橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置を提供し、モータを含み、前記モータの主軸に2段直列式渦羽根車が接続され、前記渦羽根車の外部に外ダクトが設置され、前記外ダクトの末端に主エアダクトが密封して連通しており、前記主エアダクトの側壁はダクトを介して橋の両側に固定して設置された気流カーテンバリアダクトに連通し、前記気流カーテンバリアダクトの方向は回転でき、気流カーテンバリアダクトの側壁には幅が調整可能なエア溝が開設され、前記モータに制御システムが電気的に接続され、制御システムはモータの回転速度及び電力を調整し、モータ主軸上の2段直列式渦羽根車が回転し、吸入された空気を駆動して外ダクトを通して高圧高速気流を形成し、高圧高速気流は気流カーテンバリアダクトに入力されてエア溝から噴出され、帯状構造のエア溝から噴出する高圧ガスは橋の両側に高圧気流カーテンバリアを形成し、横風の風向と風速を誘導・変化させ、電力が遮断されるときに磁気浮上モータを安全に停止できるように、橋に非常電源を設置する必要がある。
【0006】
任意選択的に、前記気流カーテンバリアダクトはブラケットを介して前記橋の両側に水平に設置された内スリーブを含み、前記内スリーブの外に外スリーブが嵌設され、前記内スリーブと外スリーブとの間にグリースが充填され、前記内スリーブと外スリーブは同じ位置に前記エア溝が開設され、前記内スリーブと外スリーブは相対的に回転できる。
【0007】
任意選択的に、前記外スリーブの片端に外スリーブギアが固定して接続され、前記外スリーブギアに外スリーブ駆動モータが伝動接続され、前記内スリーブが前記外スリーブギアから離れた一端に内スリーブギアが固定して接続され、前記内スリーブギアに内スリーブ駆動モータが伝動接続される。
【0008】
任意選択的に、前記内スリーブの両端はそれぞれ吸気ダクトを介して前記外ダクトの末端の主エアダクトに連通し、前記気流カーテンバリアダクトの両端にリップシールリングが固定して取り付けられ、前記リップシールリングは前記内スリーブと外スリーブとの間に位置する。
【0009】
任意選択的に、前記制御システムは風測定制御システム及びモータ制御システムを含み、前記モータ、外スリーブ駆動モータ、内スリーブ駆動モータはそれぞれ前記モータ制御システムに電気的に接続され、前記風測定制御システムは前記橋の縦断面に設置されたグリッド分布の風速センサ、橋内に配置された一次コンピュータの風力監視・自動補償制御ソフトウェア及び関連する出力インタフェースを含み、風速センサは橋内に設置された一次コンピュータに接続され、予め設定されたプログラムに従って、自動的に橋全体にわたってセクションで各気流カーテンバリアの方向と強度を個別に調整し、橋全体の風場の自然過渡を実現し、安定した遮風効果を確保する。監視制御システムの故障による破壊を防止するために、上記の風測定制御システム、関連するモータフィードバックセンサ、橋架環境監視センサ、景観システムなどはネットワークを介して橋制御センターの二次コンピュータにリアルタイムで接続され、2段監視を実現する。
【0010】
任意選択的に、前記橋の両側に温度センサ、湿度センサ及び空気汚染物質モニタが固定して設置され、現在の温度、湿度及び空気の状態を測定し、前記センサはそれぞれ前記制御システムに接続される。
【0011】
任意選択的に、前記橋の両側に設置された霧カーテン発生システム及び景観システムをさらに含み、前記霧カーテン発生システムは前記エア溝の上方の片側に設置された複数のノズルを含み、前記ノズルに給水管を介して増圧システムが接続され、前記増圧システムの外に給水システムが接続され、前記ノズルと前記増圧システムとの間の前記給水管に制御システムに電気的に接続された電磁調整弁が取り付けられ、電磁弁のスイッチは一次コンピュータによって制御される。景観システムは橋の両端及び中間橋脚に架設された投影システムである。必要に応じて、霧カーテン発生システムをオンにすると、噴出した細い水の流れは高圧高速気流に遭遇し、微細な霧滴に破砕され、空気中の粉塵と結合して急速に沈降し、防砂・降塵の効果を果たすことができるだけでなく、夜には投影ランプと組み合わせて、霧カーテンに様々なカラフルな画面を形成することもできる。監視制御システムの故障による破壊を防止するために、上記の風測定制御システム、関連するモータフィードバックセンサ、即ち温度センサ、湿度センサ、空気汚染物質モニタ、景観システムなどはそれぞれネットワークを介して橋制御センターのコンピュータにリアルタイムで接続され、2段監視を実現できる。
【0012】
任意選択的に、前記増圧システムは前記給水管に連通する増圧ポンプを含み、前記増圧ポンプは蓄圧タンクを介して前記給水システムに接続され、前記増圧ポンプの片端に増圧システムモータが伝動接続される。
【0013】
任意選択的に、前記モータは高速磁気浮上モータであり、前記高速磁気浮上モータ及び特別に設計された渦羽根車は前記外ダクト内に設置され、前記外ダクトの頂部はサスペンションシステムを介して前記橋の両側に設置される。
【0014】
任意選択的に、前記磁気浮上モータはモータ固定子を含み、前記モータ固定子内にモータ回転子が設置され、前記モータ回転子はモータ主軸を含み、前記モータ主軸上に第1永久磁石が固定して嵌設され、前記磁気浮上モータのモータ主軸の両端は磁気浮上軸受を介して前記外ダクト内の軸受取り付けフレームに設置され、前記モータ主軸に前記渦羽根車が固定して取り付けられ、前記磁気浮上軸受は前記モータ主軸の外に嵌設された軸受内筒を含み、前記軸受内筒の外壁に複数の第2永久磁石が均等に設置され、前記第2永久磁石の外に前記外ダクトの軸受取り付けフレームに接続された軸受スリーブが嵌設され、前記軸受スリーブの内壁に固定巻線が設置される。
【0015】
任意選択的に、前記景観システムは橋の両端及び中間橋脚に架設された投影システムであり、投影システムは橋の両端及び中間橋脚に架設された複数のレーザー投影ステーションを含む。レーザー投影ステーションはケーブル、5gネットワークを介して周辺橋制御センターのコンピュータとネットワーク構成でき、設定された写真及びビデオを霧カーテンに投影し、複数のレーザー投影は1枚の橋全体のカラー投影につなぎ合わせることができ、また、手すり、橋の輪郭にレーザーフェンスを設置でき、警告効果を実現できるだけでなく、橋の景観の視認性を向上させることもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、従来技術に対して以下の技術的効果を取得する。
本発明は、エア溝から噴出する高圧気流カーテンバリアを利用し、橋の全長にわたってセクションで橋面の横風を積極的に妨害して弱め、様々な気候状態の下で橋面上の一定高さ内の安定した風場を高効率に実現し、車輌の安定した通行を最大限に実現し、気候の影響による交通事故の発生を減少させる。同時に、本発明のシステムは霧カーテン発生システム及び景観システムを備え、高圧気流カーテンバリアと組み合わせて水カーテンを形成でき、砂塵を防止し、走行道路及び空間の清潔さを保持し、微細な粉塵による橋面の車道の粗さの低下を減少させ、横風の共同作用下で引き起こし得るタイヤの空回りによる乗りの困難さを減少させ、乗り安全性を向上させる効果を有するだけでなく、投影カーテンとして、橋の景観美化の目的を達成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例に必要な図面を簡単に説明し、以下に説明する図面は本発明の一部の実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面に想到し得る。
【0018】
図1】本発明の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置の取り付け後の構造概略図である。
図2】本発明の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置の構造概略図である。
図3】本発明の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置の概略側面図である。
図4】本発明の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置の作業状態の概略図である。
図5】本発明の磁気浮上軸受の構造概略図である。
図6】本発明の磁気浮上モータ、渦羽根車及び外ダクトの構造概略図である。
図7】本発明の気流カーテンバリアダクトの両端の部分構造の概略図である。
図8】本発明のエア溝の部分概略図である。
図9】本発明の霧カーテン発生システムの概略図である。
図10】本発明のレーザー投影ステーションが投影する時の霧カーテン状態の概略図である。
図11】本発明の橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置、橋制御センターの二次コンピュータ及び遠隔データ監視制御システムの配置状態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、説明された実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要さずに想到し得る他の実施例は、いずれも本発明の技術的範囲に属する。
【0020】
本発明は、上記従来技術の問題を解決するために、エア溝から噴出する高圧気流カーテンバリアにより、橋面の横風を妨害して弱め、様々な気候状態下で橋面上の一定高さ内の風場の安定性を実現する、橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置を提供することを目的とする。
【0021】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより分かりやすくするために、以下、図面及び具体的な実施形態を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
【0022】
図1図2図3図4図7及び図8に示すように、本発明は、橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置100を提供し、モータを含み、遮風プラットフォームの作業面が大きく、風圧及び風速が高く、作業環境が悪いことを考慮する。電力損失を低減させ、発熱と振動を減らし、プラットフォームの体積を小さくし、機械的寿命を延ばし、メンテナンス費用を削減するために、本発明は、通常の大電力モータと変速機の組み合わせを使用する代わりに、最大電力150~300kw、回転速度約20000r/minの高速大電力モータの直接接続方法を使用する。モータ主軸は軸受を介して外ダクト1の軸受取り付けフレームに設置され、モータ主軸2に直列式の1段渦羽根車3及び2段渦羽根車4が接続され、渦羽根車の外部に導流溝を有する外ダクト1が設置され、外ダクト1の末端に主エアダクト5が連通しており、主エアダクト5の側壁は鋼線で覆われた可撓性高圧吸気ダクト6を介して橋の両側に固定して設置された複数の気流カーテンバリアダクト7に連通し、気流カーテンバリアダクト7の側壁には幅が調整可能なエア溝8が開設され、モータに制御システムが電気的に接続され、制御システムは風測定制御システム及びモータ制御システムを含み、モータはモータ制御システムに電気的に接続される。風測定制御システムは橋の縦断面に設置されたグリッド分布の風速センサアレイを含み、風速センサは橋内に設置された一次コンピュータに接続され、橋の両側に温度センサ、湿度センサ、空気汚染物質モニタが固定して設置され、現在の温度及び大気状況を測定するために用いられ、上記センサもそれぞれ一次コンピュータ制御システムに接続され、制御システムは現在の風力状態に基づき、高速モータの回転速度と電力、気流カーテンバリアダクトの偏向角度及びエア溝の開口部をプリセットに従って調整し、モータ主軸に接続された2段直列式の1段渦羽根車3、2段渦羽根車4は吸入された空気が外ダクト1の導流溝内に高圧高速気流を形成するように駆動し、高圧高速気流は橋の両側の鋼製気流カーテンバリアダクト7に輸送され、気流カーテンバリアダクト7上のエア溝8から一定の角度で噴出され、作用範囲内に高圧の気流カーテンバリア33が形成され、気流カーテンバリア33は気流バリアの略称であり、横風は気流カーテンバリア33の妨害及び遮断により、風向を変え、風速を低減させ、橋面上の一定の高さ範囲に弱風地域が形成される。コンピュータは予め設定されたプログラムに従って、橋全体の縦方向にセクションで各気流カーテンバリアの方向と強度を自動的に調整し、橋全体の風場の自然過渡を実現し、安定した遮風効果を確保する。
【0023】
具体的には、気流カーテンバリアダクト7はブラケット31を介して橋の両側に水平に設置された内スリーブ9を含み、内スリーブ9の外に外スリーブ10が嵌設され、内スリーブ9と外スリーブ10は共に継目なし高圧鋼管であり、内スリーブ9と外スリーブ10との間にグリースが充填され、気流カーテンバリアダクト7の両端にリップシールリングが固定して取り付けられ、リップシールリングは内スリーブ9と外スリーブ10との間に位置し、一定の密封性を果たし、内スリーブ9の両端はそれぞれ吸気ダクト6を介して外ダクト1の末端の主エアダクト5の側壁に連通し、気流カーテンバリアダクト7はこのセクション内に風圧が一致するようにする。内スリーブ9と外スリーブ10は同じ位置に帯状構造のエア溝8が開設され、外スリーブ10の片端に外スリーブギア11が固定して接続され、外スリーブギア11に外スリーブ駆動モータ12が伝動接続され、内スリーブ9が外スリーブギア11から離れた一端に内スリーブギア13が固定して接続され、内スリーブギア13に内スリーブ駆動モータ14が伝動接続され、外スリーブ駆動モータ12、内スリーブ駆動モータ14はそれぞれモータ制御システムに電気的に接続され、それにより、内スリーブ9と外スリーブ10は相対的に回転でき、内層と外層との間の異なる角度差を設定して、エア溝8の開口部の幅と角度を変え、風量と風向を制御することができる。風の拡散性を考慮して、単層の気流カーテンバリアダクトの遮風高さは1.5~2mとし、より高い遮風高さが必要である場合、気流カーテンバリアダクト7を図4のように遮風面が重なるように高さを重ねて配置することができる。異なる層の気流カーテンバリアダクト7が必要とする風圧と風量は異なり、高層になるほど風圧と風量が大きくなり、具体的な数値は計算及び実際の測定によって得る必要がある。上記システムは、橋の全長にわたって直列に分布でき、橋の縦断面上の遮風効果を保証する。
【0024】
さらに好ましくは、図9に示すように、橋の両側に設置された霧カーテン発生システムをさらに含む。霧カーテン発生システムはエア溝8の上方の片側に設置された複数のノズル15を含み、ノズル15に給水管16を介して増圧システムが接続され、増圧システムの外に給水システムが接続され、ノズル15と増圧システムとの間の給水管16には制御システムに電気的に接続された電磁調整弁17が取り付けられる。増圧システムは給水管16に連通する増圧ポンプ18を含み、増圧ポンプ18は蓄圧タンク19を介して給水システムに接続され、給水システムは市営水道網20を使用してもよく、増圧ポンプ18の片端に増圧モータ21が伝動接続され、増圧モータ21と電磁調整弁17はそれぞれ制御システムに電気的に接続される。天候の原因又は景観の要求により、霧カーテンをオンにする必要がある場合、制御システムの主制御コンピュータは電磁調整弁17及び増圧モータ21をオンにし、市水は給水管から増圧システムに入り、給水管16を通って扁平状構造のノズル15に至り、気流カーテンバリアダクト7上のエア溝8から噴出した高速気流と混合し、微細な霧滴を形成し、さらに一定濃度のアーチ状の霧カーテンを形成し、主制御システムのリアルタイム調整の下で、霧カーテンは橋面の通行地域に入らず、走行に影響を与えず、美観効果を高めるために、霧カーテン発生システムの外側にレーザー投影ステーション32を設置でき、レーザー投影ステーション32はケーブル、5gネットワークを介して周辺橋制御センターのコンピュータとネットワーク構成でき、設定された写真及びビデオを霧カーテンに投影し、複数のレーザー投影は1枚の橋全体のカラー投影につなぎ合わせることができ、図10に示すように、図10の霧カーテンでのストリップ状のボックス領域は設定された写真及びビデオの投影領域である。また、手すり、橋の輪郭にレーザーフェンスを設置でき、警告効果を実現できるだけでなく、橋の景観の視認性を向上させることもできる。
【実施例
【0025】
実施例1
【0026】
図5及び図6に示すように、本実施例では、モータは磁気浮上モータ22を使用し、磁気浮上モータ22は同性磁場反発を原理とし、磁気浮上軸受23を主軸軸受とし、制御システムによる軸位置の監視により、最適化アルゴリズムで電磁場を迅速に切り替え、制御し、主軸浮上の効果に達する。磁気浮上モータ22及び渦羽根車は外ダクト1内に設置され、磁気浮上モータ22はモータ固定子24を含み、モータ固定子24内にモータ回転子25が設置され、モータ回転子25はモータ主軸2を含み、モータ主軸2に第1永久磁石26が固定して嵌設される。磁気浮上モータ22のモータ主軸2の両端は磁気浮上軸受23を介して外ダクト1内の軸受取り付けフレームに設置され、モータ主軸2に渦羽根車が固定して取り付けられる。磁気浮上軸受23はモータ主軸2の外に嵌設された軸受内筒を含み、軸受内筒の外壁に複数の第2永久磁石27が均等に設置され、第2永久磁石27の外には外ダクト1の軸受取り付けフレームに接続された軸受スリーブ28が嵌設され、軸受スリーブ28の内壁に固定巻線29が設置される。磁気浮上モータ22は完全に摩擦がなく、速度が高く、電力が大きく、風圧が安定で、同じ電力の通常のモータに比べて、変速機を必要とせず、効率が高く、電気を節約し、性能が安定で信頼でき、メンテナンス費用を節約し、ファンの耐用年数が数十年に達することができ、モータ主軸2に接続された2段直列式渦羽根車及び導流溝付きの外ダクト1と組み合わせて、100kpa以上の圧力、300m/minの風量を提供できる。気流カーテンバリアダクト上のエア溝は、1つの全体的な帯状構造の溝を使用する以外に、水平かつ均等に順次設置された複数の長方形の溝を使用でき、隣接する2つの溝の間には小さな間隔があり、全体的な帯状構造のエア溝に比べて、風圧がより高く、排気効果がより優れる。
【0027】
磁気浮上モータ22は停電及び故障時に、回転速度が極めて高いため、本体の焼損及び破壊を引き起こしやすく、安全を確保するために、本実施例は以下の安全制御装置を有する。
【0028】
1、モータ状態監視及び制御システムであって、高精度の変位センサを使用して磁気浮上モータの回転速度を制御し、先進的な制御システムを使用して設備運転状態をリアルタイムで監視し、モータ状態が正常であることを確保する。
2、バックアップ電源であって、本実施例の橋システムは、突然停電する時、磁気浮上軸受がすぐに電力を失うことがなく、高速モータが安全かつ適時に減速して停止できることを確保するために、非常電源及び高速切り替え電子スイッチを配備する必要がある。
3、エア溝の風速が極めて高く、一定の破壊力があり、本実施例はエア溝にメッシュ保護装置及び警告標識を取り付け、人、鳥、獣が誤って入って被害を受けないことを保証する。
4、高速磁気浮上モータ及び渦羽根車から構成されたファンシステムであって、一定の振動を有し、橋の構造への破壊を防止するために、本実施例の高速磁気浮上モータ及び渦羽根車から構成されたファンシステムは、頂部に設置されたサスペンションシステム30を使用して、可撓性サスペンションの方式で橋の対応する位置に配置される。
【0029】
上記の部材の正常な操作を確保するために、本実施例における制御システムハードウェアは、風力、温度、湿度、汚染物測定機器を備えたデータ測定モジュールと、データ伝送モジュール、すなわちシリアルデータリンクシステムと、橋36の内部に設置された一次コンピュータ、モータ制御システム、磁気浮上軸受制御システム、気流カーテンバリア制御システムを備えたローカルデータ処理モジュールと、カメラヘッド、震動計、電力監視、セキュリティを備えた監視制御モジュールとを含む。図11に示すように、周辺橋制御センターの二次コンピュータ34は、遠隔データ監視制御システム35及びローカルデータ処理モジュールを介して橋36に設置された多点風測定センサ、ファン及び安全保護装置に対してデータ収集処理及び開閉制御を行うことにより、システム全体が自動的に橋上の風力状況に応じて随時に調整できることを確保する。図11の破線枠は、本発明の装置配置モジュール、コンピュータモジュール及びデータ監視モジュールを区別して指すために用いられ、それらの間の接続方式は概略図のように接続され、実際の構造配置の形態を表すものではない。同時に、遠隔データ監視制御システム及びローカルデータ処理モジュールは共同で霧カーテン発生システムの起動を制御し、霧滴を散布し、必要に応じて内スリーブと外スリーブとの間の相対回転を制御し、エア溝の幅と角度の調整を実現する。前記制御システムの各モジュールの具体的な設計は従来技術を用いて、あまり説明しない。
【0030】
本発明の説明において、なお、用語「中心」、「頂」、「底」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などが指示している方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本発明を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されると指示又は暗示するものではないため、本発明に対する限定と理解されるものではない。また、用語「第1」、「第2」は、説明の便宜上使うものに過ぎず、相対的な重要度を指示する又は暗示すると理解されるものではない。
【0031】
本発明では、具体的な例を用いて本発明の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想を理解するのを助けるためのものに過ぎない。また、当業者であれば、本発明の趣旨に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲のいずれも変化できる。要約すると、本明細書の内容は本発明に対する限定と理解されるものではない。
【符号の説明】
【0032】
100 橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置
1 外ダクト
2 モータ主軸
3 1段渦羽根車
4 2段渦羽根車
5 主エアダクト
6 吸気ダクト
7 気流カーテンバリアダクト
8 エア溝
9 内スリーブ
10 外スリーブ
11 外スリーブギア
12 外スリーブ駆動モータ
13 内スリーブギア
14 内スリーブ駆動モータ
15 ノズル
16 給水管
17 電磁調整弁
18 増圧ポンプ
19 蓄圧タンク
20 市営水道網
21 増圧モータ
22 磁気浮上モータ
23 磁気浮上軸受
24 モータ固定子
25 モータ回転子
26 第1永久磁石
27 第2永久磁石
28 軸受スリーブ
29 固定巻線
30 サスペンションシステム
31 ブラケット
32 投影ステーション
33 気流カーテンバリア
34 橋制御センターの二次コンピュータ
35 遠隔データ監視制御システム
36 橋
【要約】
【課題】橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置を提供する。
【解決手段】本発明は、橋の横風を自動的に誘導して弱める気流カーテンバリア装置を開示し、橋の風抵抗の技術分野に関し、モータを含み、モータの主軸に2段直列式渦羽根車が接続され、渦羽根車の外部に外ダクトが設置され、外ダクトの末端に主エアダクトが密封して連通しており、主エアダクトの側壁はダクトを介して橋の両側に固定して設置された気流カーテンバリアダクトに連通し、気流カーテンバリアダクトの方向は回転でき、かつ気流カーテンバリアダクトの側壁には幅が調整可能なエア溝が開設され、モータに制御システムが接続され、橋に非常電源が設置される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11