(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】屋外用収納棚
(51)【国際特許分類】
A47B 43/00 20060101AFI20230602BHJP
A47G 29/20 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
A47B43/00 A
A47G29/20
(21)【出願番号】P 2019102528
(22)【出願日】2019-05-31
【審査請求日】2022-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 仁史
(72)【発明者】
【氏名】飯村 慶子
(72)【発明者】
【氏名】角 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】川手 隆
(72)【発明者】
【氏名】山本 政博
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雅純
(72)【発明者】
【氏名】林 伸昭
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-084804(JP,A)
【文献】特開2000-125954(JP,A)
【文献】特開平04-129909(JP,A)
【文献】実開平02-014943(JP,U)
【文献】登録実用新案第3207253(JP,U)
【文献】登録実用新案第3010302(JP,U)
【文献】特開昭52-026745(JP,A)
【文献】実開昭51-057531(JP,U)
【文献】特開2016-176249(JP,A)
【文献】特開2004-316085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 43/00
A47G 29/20
A47B 47/00
E04B 2/74
E04H 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚であって、
複数の直線部を含んで形成される直方体状の枠体と、
前記枠体の上下方向複数位置に配置される複数の棚板と、
前記枠体の互いに反対側の2つの側方を覆う2つの化粧パネルと、を備え、
前記2つの化粧パネルのそれぞれは、前記枠体に着脱可能に取り付けられて
おり、
少なくとも1つの前記化粧パネルは、脱落防止用のロック部材により前記枠体に固定されている、
屋外用収納棚。
【請求項2】
玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚であって、
複数の直線部を含んで形成される直方体状の枠体と、
前記枠体の上下方向複数位置に配置される複数の棚板と、
前記枠体の互いに反対側の2つの側方を覆う2つの化粧パネルと、を備え、
前記2つの化粧パネルのそれぞれは、前記枠体に着脱可能に取り付けられており、
少なくとも1つの前記化粧パネルは、複数の板状部材が、ベース部材に対し角度変更可能に取り付けられており、少なくとも1つの前記板状部材における前記ベース部材に対する取り付け角度を変更することにより、内部の見え方を調整可能である、
屋外用収納棚。
【請求項3】
玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚であって、
複数の直線部を含んで形成される直方体状の枠体と、
前記枠体の上下方向複数位置に配置される複数の棚板と、
前記枠体の互いに反対側の2つの側方を覆う2つの化粧パネルと、を備え、
前記2つの化粧パネルのそれぞれは、前記枠体に着脱可能に取り付けられており、
少なくとも1つの前記化粧パネルが前記枠体に対しスライド可能に取り付けられている、
屋外用収納棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載されているように、住宅の玄関先に設置される収容ボックス付き支柱が記載されている。この支柱は、2つの板状の柱部が直交するように連結され、その上端と下側とに天板及びベース部が連結されている。そして、2つの柱部に挟まれるようにハウジング、郵便ポスト、宅配ボックスが上下に並んで支持されている。支柱は下端部が地中に埋設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された構成では、前側と側方との連続する2方向が開放されており、支柱に支持されたハウジング、郵便ポスト、及び宅配ボックスの前面とともに側面が見えやすい。このため、見栄えが悪く、かつ防犯性を向上する面から改良の余地がある。また、支柱全体が大型であり運搬性が悪いので、設置作業が困難である。
【0005】
本開示の目的は、被収納物が収納された状態で見栄え及び防犯性を向上できるとともに、設置作業の容易化を図れる屋外用収納棚を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の屋外用収納棚は、玄関先の屋外に設置される屋外用収納棚であって、複数の直線部を含んで形成される直方体状の枠体と、枠体の上下方向複数位置に配置される複数の棚板と、枠体の互いに反対側の2つの側方を覆う2つの化粧パネルと、を備え、2つの化粧パネルのそれぞれは、枠体に着脱可能に取り付けられている、屋外用収納棚である。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る屋外用収納棚によれば、複数の棚板に複数の被収納物が置かれるように収納された状態において、側方が開放されないので、被収納物の前面に連続する側面を見えにくくできる。これにより、見栄え及び防犯性を向上できる。さらに、収納棚の設置場所に枠体と各化粧パネルとを別体で運搬し、その場所で枠体に化粧パネルを取り付けることができるので、運搬性を良好にできることにより収納棚の設置作業の容易化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】実施形態の屋外用収納棚を示す斜視図である。
【
図1B】化粧パネルを省略して示している
図1AのA部拡大図である。
【
図1C】化粧パネルを省略して示している
図1AのC部拡大図である。
【
図2】
図1Aから化粧パネルを取り出して示す斜視図である。
【
図3】(a)は化粧パネルを
図2とは反対側から見た斜視図であり、(b)は枠体に固定された枠体レールと、化粧パネルに固定された引っ掛け金具とを係合させる直前状態を示す斜視図である。
【
図4A】枠体レールと引っ掛け金具とを係合させた状態を示す斜視図である。
【
図4B】枠体レールと引っ掛け金具との係合部の別例を示している
図4AのA-A断面に対応する図である。
【
図5A】枠体レールに引っ掛け金具を固定するためのロック部材と枠体レールとを分離して示す斜視図である。
【
図5B】
図5Aのロック部材によって枠体レールに引っ掛け金具が固定された状態を示している
図4Bに対応する図である。
【
図6】(a)は、別例のロック部材によって枠体レールに引っ掛け金具が固定された状態を示している
図4Bに対応する図であり、(b)はロック部材を示す斜視図である。
【
図7】(a)は、別例のロック部材によって枠体レールに引っ掛け金具が固定された状態を示している
図4Bに対応する図であり、(b)はロック部材を示す斜視図である。
【
図8】別例の2例の化粧パネルを示す斜視図である。
【
図9】複数の収納棚を連結する状態の1例において、化粧パネルを省略して示す斜視図である。
【
図10】2つの収納棚を連結して、玄関先の屋外に設置した状態の1例を示す斜視図である。
【
図11】2つの収納棚を連結して、玄関先の屋外に設置した状態の別例を示す斜視図である。
【
図12】2つの収納棚を連結して、玄関先の屋外に設置した状態の別例を示す斜視図である。
【
図13】(a)は別例の化粧パネルを示す斜視図であり、(b)は(a)のD部拡大図である。
【
図14】
図13の化粧パネルにおいて、ベース部材に対する板状部材の取り付け角度を変更した状態を示している
図13(b)に対応する図である。
【
図15】実施形態の別例の屋外用収納棚を示す斜視図である。
【
図16】
図15の収納棚において、枠体に対し引っ掛け金具をスライドさせる構造の1例を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態を説明する。以下で説明する形状、材料及び個数は、説明のための例示であって、屋外用収納棚の仕様に応じて適宜変更することができる。以下ではすべての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。また、本文中の説明においては、必要に応じてそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0010】
図1Aは、実施形態の屋外用収納棚10を示す斜視図である。
図1Bは、化粧パネル40を省略して示している
図1AのA部拡大図であり、
図1Cは、同じく
図1AのC部拡大図である。
図2は、
図1Aから化粧パネル40を取り出して示す斜視図である。
図3(a)は化粧パネル40を
図2とは反対側から見た斜視図であり、
図3(b)は枠体12に固定された枠体レール20と、化粧パネル40に固定された引っ掛け金具46とを係合させる直前状態を示す斜視図である。
図4Aは、枠体レール20と引っ掛け金具46とを係合させた状態を示す斜視図である。
【0011】
屋外用収納棚10は、住宅等の建物100(
図10)の玄関先の屋外に設置される。後述の
図10を参照して、屋外用収納棚10は、玄関先の壁101a,101bに近接して設置したり、玄関の扉102の前側を挟んで壁103と対向するように設置したり(
図11参照)、扉102の前側を塞ぐように扉102に対向して設置することができる(
図12参照)。以下では屋外用収納棚10を収納棚10と記載する場合がある。また、以下では、収納棚10の被収納物の取り出し方向であり開口がある前側をF、その反対側である後側をBで示し、前側Fから見た右側、左側をR,Lで示す場合がある。
【0012】
収納棚10には、例えば被収納物として、郵便ポスト、宅配ボックス104(
図10参照)や、食材宅配コンテナ105(
図15参照)、またはインターフォン、照明器具等が収納される。宅配ボックス104は、略直方体状であり、宅配荷物を無人で受け取り可能である。宅配ボックス104は、宅配業者が内部の荷物室に荷物を入れた状態で扉が施錠される。収納棚10を所有する等の、建物の住人である荷物の受取人は、宅配ボックス104の扉に配置された鍵穴部に鍵を入れて解錠することで、扉を開放し、荷物を取り出すことが可能である。
【0013】
図1Aに示すように、収納棚10は、枠体12と、複数の棚板30と、3つの化粧パネル40とを含んで構成される。枠体12は、複数の直線部を含んで形成される直方体状である。具体的には、枠体12は、四隅に配置された4本の上下方向に延びる柱部14と、4本の柱部14の上下方向の2つの位置を連結し水平方向に延びる複数の連結部18とを有する。柱部14及び連結部18は直線部に相当する。
図1Bに示すように柱部14は、上下方向に長尺な直方体の長手方向に沿う中心軸周りの4つの側面のそれぞれの幅方向中央に、上下方向に延びる溝14a、14b、14c、14dが形成されている。連結部18は、水平方向に長尺な直方体の長手方向に沿う中心軸周りの4つの側面のそれぞれの幅方向中央に、水平方向に延びる溝18a、18b、18cが形成されている。
図1Bでは連結部18の下端の溝の図示を省略している。
【0014】
図1の上側の4本の連結部18は、4本の柱部14の上端部を枠状に連結している。下側の4本の連結部18は、4本の柱部14の下端部を枠状に連結している。これにより、枠体12は直方体の各辺からなるような形状となっている。柱部14及び連結部18は、それぞれ鉄、アルミニウム合金等の金属により形成される。枠体12の軽量化と強度確保を図る面からは枠体12の各部はアルミニウム合金等の軽量な金属により形成することが好ましい。連結部18及び柱部14は、断面形状が同じで全長のみが異なるものを使用してもよい。枠体12の下端の四隅には、脚部90が連結される。
【0015】
枠体12の右側R端、左側L端、後側B端のそれぞれの上下方向2つの位置の外側には、
図1Cに示すように水平方向に延びる枠体レール20が固定される。枠体レール20は、水平方向に長尺な直方体の長手方向に沿う中心軸周りの4つの側面のそれぞれの幅方向中央に、水平方向に延びる溝20a、20b、20c、20dが形成されている。枠体レール20は、枠体12の各連結部18と同じ形状の部材、または全長のみが異なる形状の部材を用いてもよい。これにより、枠体12の上端には上端が開口する溝20aが水平方向に全長にわたって延びるように形成される。枠体レール20は、後述のように化粧パネル40を取り付けるために利用される受け部に相当する。
【0016】
図1Aでは2つの棚板30が枠体12の内側の上下方向に離れた2つの位置に固定するように配置される。棚板30は2つに限定せず3つ以上としてもよい。棚板30には被収納物が設置可能である。棚板30は、鉄、アルミニウム合金等の金属により形成される。
【0017】
3つの化粧パネル40は、収納棚10の互いに反対側の右側R、左側Lの2つの側方と後側Bとの3方向を覆っている。このとき、後側Bを覆う化粧パネルを省略することもできる。
【0018】
3つの化粧パネル40の構成は、同様であるので、一方側の側方である右側Rを覆う化粧パネル40で代表して説明する。
図2、
図3に示すように、化粧パネルは、格子状である。具体的には、化粧パネル40は、上下両端に配置されて横方向に延びる2つの支持部42と、2つの支持部42の外側に連結された複数の格子要素44とを有する。なお、
図3(a)では、上下両端の支持部の図示を省略している。格子要素44は、上下方向に延びる断面矩形の柱状であり、複数の格子要素44は、略等間隔で平行に配置される。
【0019】
2つの支持部42の間の上下に離れた2つの位置には、2つの引っ掛け金具46が複数の格子要素44の内側(
図3(a)の右側)に固定される。2つの引っ掛け金具46は、横方向に延びている。
図3に示すように、引っ掛け金具46は互いに平行で上下方向に延びる2つの板部47,48と、2つの板部47,48の上端を、各板部47,48に対し直交する方向に連結する上端板部49とを有し、全体の断面形状が、U字形の一方の直線部が他方の直線部より短くなった形状である。このため、一方の板部47は他方の板部48より上下方向長さが短い。他方の板部48は、複数の格子要素44の内側面(
図3(a)の右側面)に固定される。引っ掛け金具46は、化粧パネル40に設けられた係止部に相当し、枠体12に固定された枠体レール20の上端部に係合する。
【0020】
具体的には、
図4Aに示すように、引っ掛け金具46の上端板部49が枠体レール20の上面に載り、一方の板部47が枠体レール20の上端の溝20aに嵌合するように挿入されて、引っ掛け金具46が枠体レール20に引っ掛けられる。これにより、化粧パネル40が、枠体12に容易に取り付けられる。引っ掛け金具46は、化粧パネル40の他の部材とともに上側に持ち上げることで、引っ掛け金具46を枠体レール20の溝20aから引き抜くことができる。これにより、枠体12からの化粧パネル40の取り外し作業の容易化を図れる。このため、化粧パネル40は、枠体12に着脱可能に取り付けられる。
【0021】
枠体12の左側L、右側R、後側Bの端に化粧パネル40を取り付けることで
図1Aのように三方が覆われた収納棚10が形成される。
【0022】
上記の収納棚10によれば、複数の棚板30に複数の被収納物が置かれるように収納された状態において、左側L、右側Rの側方が開放されないので、被収納物の前面に連続する側面を見えにくくできる。これにより、見栄え及び防犯性を向上できる。さらに、枠体12に化粧パネル40が着脱可能に取り付けられるので、収納棚10の設置場所に枠体12と各化粧パネル40とを別体で運搬し、その場所で枠体12に化粧パネル40を取り付けることができる。これにより、運搬性を良好にできることにより収納棚10の設置作業の容易化を図れる。
【0023】
さらに、各化粧パネル40が格子状であるので、風が当たっても風の多くを格子要素間の隙間を通じて収納棚を通過させることができる。これにより、風による収納棚の転倒の可能性を低くできる。
【0024】
なお、
図1Bと異なり、上側、下側のそれぞれの連結部18のみで矩形の枠を形成し、柱部14の上端及び下端をそれぞれの枠の下端及び上端に連結することで枠体を形成してもよい。
【0025】
図4Bは、枠体レール20と引っ掛け金具46aとの係合部の別例を示している
図4AのA-A断面に対応する図である。本例の場合には、
図4Aの場合より引っ掛け金具46aの板厚を小さくし、枠体レール20の化粧パネル40側の上端部における角部21に嵌合させ、その状態で一方の板部47を溝20aに挿入している。この状態で引っ掛け金具46の上側から枠体レール20の角部21にネジ24をねじ込むことにより、化粧パネル40が枠体12に固定されている。ネジ24は、化粧パネル40の脱落防止用のロック部材である。ネジ24は、引っ掛け金具46の長手方向複数位置の上側から枠体レール20にねじ込んで結合してもよい。これにより、化粧パネル40が枠体12から脱落することを防止できる。さらに、ネジ24を枠体レール20から取り外すことで枠体12から化粧パネル40を容易に取り外すことができる。
【0026】
図5Aは、枠体レール20に引っ掛け金具46aを固定するためのロック部材50と枠体レール20とを分離して示す斜視図である。
図5Bは、
図5Aのロック部材50によって枠体レール20に引っ掛け金具46aが固定された状態を示している
図4Bに対応する図である。本例の場合には、ロック部材50は、水平方向に長尺な溝カバー51と、2つのファスナー部材55とから形成される。
【0027】
溝カバー51は長尺な天板部52の幅方向両端の下側に2つの脚板部53が連結され、2つの脚板部53は
図5Aの分離状態で下側部分において下端に向かって間隔が広がるように傾斜している。溝カバー51は、枠体レール20の上端の溝20aの長さとほぼ同じ長さか少し短くしてもよい。ファスナー部材55は、断面が、上端で開口したU字形のクリップ状であり、両側の脚部56の板厚が上下方向中間部で大きくなっている。溝カバー51及びファスナー部材55は、樹脂等により形成される。
図5Bのように引っ掛け金具46aを枠体レール20の角部21aに嵌合させた状態で上端の溝20aの長手方向2つの位置にファスナー部材55を挿入し、その上側から溝カバー51を組み付けることにより、化粧パネル40が枠体12(
図1)から脱落することを防止できる。なお、
図5Bのように枠体レール20の4つの角部21a、21b、21c、21dと中心部とには貫通穴22,23を形成し軽量化を図っている。貫通穴22,23は、上記の各例の枠体レール20(
図1C、
図4B)に形成してもよい。本例においてその他の構成及び作用は、
図1~
図4Aまたは
図4Bと同様である。
【0028】
図6(a)は、別例の第1例のロック部材60によって枠体レール20に引っ掛け金具46aが固定された状態を示している
図4Bに対応する図であり、
図6(b)はロック部材60を示す斜視図である。本例の場合、枠体レール20の上端の溝20aの下端部の幅方向(
図6の左右方向)両端には、溝20aの全長にわたって係止溝25が形成される。
図6(b)のようにロック部材60は、上端に頭部61aを有するネジ61と、ネジ61の下側のネジ軸61bの下端部にネジ結合された長方形の板部62とを有する。頭部61aは円板部の下側にそれより小径の円柱部が連結される。
図6(a)のように引っ掛け金具46aを枠体レール20の角部21に嵌合させた状態で、ロック部材60を板部62の長手方向が溝部20aの長手方向に沿うように挿入し、その状態でロック部材60を90度回転させることで板部62の長手方向両端が係止溝25に係止される。この状態でロック部材60の上端の円板部は引っ掛け金具46の上端面に押し付けられることで、引っ掛け金具46が枠体レール20の溝20aから抜け出ることが防止される。これにより、枠体レール20に引っ掛け金具46が固定される。ロック部材60は、溝20aの長手方向複数位置に配置され、それぞれのロック部材60で引っ掛け金具46が枠体レール20に固定されてもよい。
【0029】
図7(a)は、別例の第2例のロック部材65によって枠体レール20に引っ掛け金具46aが固定された状態を示している
図4Bに対応する図であり、
図7(b)はロック部材65を示す斜視図である。本例の場合、
図6の構成と異なり、ロック部材65は、頭部66の下端に軸部67が固定され、その軸部67に直交するように係止棒68が貫通固定された回転体である。頭部66は、円板部の下端にそれより小径の円柱部が一体に結合される。
図7(a)のように引っ掛け金具46aを枠体レール20の角部21に嵌合させた状態で、ロック部材65を係止棒68の長手方向が溝部20aの長手方向に沿うように挿入し、その状態でロック部材65を90度回転させることで係止棒68の長手方向両端が溝20aの係止溝25に係止される。枠体レール20の形状は、
図6と同様である。この状態でロック部材65の上端の円板部は引っ掛け金具46aの上端面に微小隙間を介して対向することで、引っ掛け金具46aが枠体レール20の溝20aから抜け出ることが防止される。ロック部材65の円板部は引っ掛け金具46aの上端面に押し付けてもよい。これにより、枠体レール20に引っ掛け金具46aが固定される。ロック部材65は、溝20aの長手方向複数位置に配置され、それぞれのロック部材65で引っ掛け金具46aが枠体レール20に固定されてもよい。
【0030】
図6、
図7の各構成によれば、ロック部材60,65を90度回転させるだけでロック部材60,65を溝から抜き取ることができるので、枠体レール20が固定された枠体12から化粧パネル40を容易に取り外すことができる。
図6、
図7の各構成において、その他の構成及び作用は、
図1~
図4Aまたは
図4Bと同様である。
【0031】
図8は、別例の2例の化粧パネル70,72を示す斜視図である。
図8(a)の化粧パネル70は、アルミニウム等の金属板の複数位置に全体的に分散して穴71が形成されたパンチングメタルにより形成される。
図8(b)の化粧パネル72は、板状部材の外面に模様が描かれたり、凹凸が形成された外装材により形成される。化粧パネルは外面が無地の平坦な板材から形成されてもよい。上記の
図1~
図7に示した各例の構成では、一部または全部の格子状の化粧パネル40の代わりに、
図8(a)または
図8(b)またはその他の化粧パネル70,72が用いられてもよい。このとき、化粧パネル70,72の上下方向複数位置には、引っ掛け金具46,46aが固定され、それらの引っ掛け金具46,46aが枠体12に設けられた枠体レール20の溝20aに係止されることで、化粧パネル70,72が枠体12に対し着脱可能に取り付けられる。
【0032】
図9は、複数の収納棚を連結する状態の1例において、化粧パネル40(
図1)を省略して示す斜視図である。
図9に示すように、収納棚の枠体12は横方向に複数個を1列に連結することにより、横方向に長い収納棚を形成することができる。このとき、横方向に隣り合う化粧パネルを連結してもよいが、各収納棚の枠体12で前側F端及び後側B端の連結部18の下端に柱部14の上端または下端を連結し、前側F端及び後側B端の連結部18の両端を化粧パネルより側方に突出させ、隣り合う収納棚で対向する連結部18の端部を連結してもよい。このとき、前端及び後端の連結部18の長手方向両端面に凹部または凸部を形成し、対向する連結部18で凹凸嵌合させてもよい。
【0033】
また、照明器具を構成する導光棒75,76を収納棚に固定することもできる。例えば、導光棒75は、2つの平行な直線部と、直線部の一端を連結する直線部とにより略U字形に形成される。導光棒75は、例えば、枠体12の2つの柱部14とその上端付近に配置される連結部18とのそれぞれに形成された溝に挿入することで収納棚に固定してもよい。例えば、
図1Bに示すように連結部18の上端の水平方向の溝18aとその溝18aに連続する柱部14の上下方向の溝14c(または14d)とに、導光棒75の直交する2つの直線部を挿入することができる。
【0034】
また、
図9に示す直線状の導光棒76を連結部18と枠体レール20との一方または両方の溝に挿入することで、収納棚に固定してもよい。例えば、
図1Cに示すように、枠体レール20の側方端または後端の溝20bに導光棒76を挿入することで収納棚に固定してもよい。各導光棒75,76の一端には発光ダイオード等を有する光源(図示せず)を対向させて導光棒75,76を全体的に発光させてもよい。光源は白熱電球等としてもよい。導光棒75,76は、アクリル樹脂等の透光性を有する樹脂材料またはガラス等から形成される。光源を枠体レール20の溝に挿入することで収納棚に固定してもよい。光源には電源回路を有する分電盤等の電源装置(図示せず)から電力が供給される。電源装置には、建物の屋内等から電線を介して商用電源の電力が供給される。このような導光棒75,76により収納棚の一部を明るくすることができる。これにより防犯性が向上する。
【0035】
図10は、2つの収納棚10を連結して、玄関先の屋外に設置した状態の1例を示す斜視図である。2つの収納棚10,10を横方向に連結して横方向に長い収納棚11が形成される。このとき、2つの枠体12が横方向に連結されて横方向に長い連結枠体を形成し、連結枠体の左右方向両端と、連結枠体の後端とに、化粧パネル40を取り付けることにより収納棚11を形成してもよい。収納棚11は、玄関の扉102に向かって右側の壁101に沿うように設置され、収納棚11の前側が扉102側に向いている。2つの収納棚10のそれぞれでは、枠体12に4つの棚板30が配置される。各収納棚10の枠体12には、最上端の棚板の上側空間の開口を塞ぐように、扉80が開閉可能に支持される。各収納棚10の少なくとも一部の棚板30上には傘、容器等の被収納物が配置される。一方の収納棚10では、最下端の棚板上に宅配ボックス104が設置される。収納棚11では、外面の少なくとも一部の化粧パネル40が格子状である。これにより、
図10に示すように複数の収納棚10が連結されて全体の外面の表面積が増加した場合でも、風が当たったときの風圧を効率的に抑制することができる。これにより、全体の外面の表面積の増大に関係なく、風が当たった場合の転倒の可能性を低くできる。
【0036】
図11は、2つの収納棚を連結して、玄関先の屋外に設置した状態の別例を示す斜視図である。収納棚11の構成自体は、
図10に示した構成と同様である。
図11の設置例では、玄関先の屋外において、扉102の前側を挟んで壁103と反対側に収納棚11が配置される。収納棚11の開口は壁103に向いている。扉102の前側に道路106がある。このような設置例では、収納棚11に設置された被収納物が道路106側から見えにくくなる。
【0037】
図12は、2つの収納棚を連結して、玄関先の屋外に設置した状態の別例を示す斜視図である。収納棚11の構成自体は、
図10に示した構成と同様である。
図12の設置例では、玄関先の屋外において、扉102の前側の道路106との間に扉102の前側の一部または全部を道路106側から隠すように収納棚11が配置される。収納棚11の開口は扉102に向いている。このような設置例では、収納棚11に設置された被収納物が道路側から見えにくくなるとともに、扉102を開けた場合に建物の内部が道路106側から大きく見えることを防止できるので、防犯性を向上できる。
【0038】
図13(a)は、別例の化粧パネル82を示す斜視図であり、
図13(b)は
図13(a)のD部拡大図である。本例の化粧パネル82は、上記の各例の一部または全部の化粧パネル40,70,72の代わりに枠体12に取り付けられる。
図14は、
図13の化粧パネル82において、ベース部材83に対する板状部材85の取り付け角度を変更した状態を示している
図13(b)に対応する図である。
【0039】
化粧パネル82は、上下両端に配置された平行な2つの板状のベース部材83と、複数の板状部材85とを含んでいる。板状部材85は上下方向に長尺な平板状であり、上下方向の両端に上下方向に延びる軸86が突出している。各軸86は、ベース部材83において板状部材85側の面に形成された穴に嵌合状態で挿入される。これにより、複数の板状部材85は、上下方向の軸を中心に回転可能であり、ベース部材83に対し角度変更可能に取り付けられている。化粧パネル82は、ユーザが、少なくとも1つの板状部材85におけるベース部材83に対する取り付け角度を変更するように回転させることにより、収納棚の設置位置に関わらず収納棚の見え方を調整可能である。さらに、この取り付け角度の変更によって、化粧パネル82が受ける風圧を調整しやすくなる。例えば、
図13の状態では、各板状部材85が、ベース部材83の長手方向に対し直交する方向である矢印α方向に平行になっている。この状態では板状部材85間の隙間が大きくなっている。これにより、矢印α方向に化粧パネル82に向かって吹き付けた風が化粧パネル82を通過しやすくなるので、化粧パネル82が受ける風圧が小さくなる。また、この状態で矢印α方向に見た場合に内部が見やすくなる。一方、
図14の状態では、各板状部材85が、矢印α方向に直交するように回転して、板状部材85間の隙間が小さくなっている。この場合、矢印α方向に化粧パネル40に向かって吹き付けた風が化粧パネル40を通過しにくくなるので、化粧パネル82が受ける風圧が大きいが、化粧パネル40を通して外側から内側の被収納物が見えにくくなる。これにより防犯性を向上できる。さらに本例の構成では化粧パネル82の軽量化も図れる。
【0040】
図15は、実施形態の別例の収納棚10aを示す斜視図である。
図16は、
図15の収納棚10aにおいて、枠体12に対し引っ掛け金具46をスライドさせる構造の1例を示す拡大斜視図である。本例の場合には、枠体12の右側Rの側方と後側Bとを覆う2つの化粧パネル40が格子状であり、左側Lの側方を覆う化粧パネル72は、
図8(b)に示した化粧パネル72である。
【0041】
さらに2つの格子状の化粧パネル40の一方または両方は、枠体12に対し水平方向にスライド可能に取り付けられている。
図15では、枠体12の右側Rの側方を覆う化粧パネル40が枠体12に対しスライド移動されて外側に引き出されている。
【0042】
図16に示すように、化粧パネル40に固定された引っ掛け金具46において一方の板部47の下端部には、長手方向複数位置に滑車88が回転可能に支持されている。枠体12に固定された枠体レール20の上端の溝20aには滑車88と一方の板部47の下端部とが挿入され、化粧パネル40が、枠体レール20に対し滑車88を転動させながら枠体レール20に対しスムーズにスライド可能となっている。これにより、
図15のように化粧パネル40の一部を枠体12の外側に引き出した状態で枠体12に化粧パネル40を支持した状態とできる。この状態では、化粧パネル40の道路とは反対側(
図15の紙面の裏側)に食材宅配コンテナ105を一時的に隠すことができる。例えば、食材宅配コンテナ105が棚板30上に収容しきれない形状および大きさである場合に、地面上に食材宅配コンテナ105を配置するとともに、道路側とは化粧パネル40で遮断して食材宅配コンテナ105を道路側から一時的に隠すことができる。これにより、本例の構成では、建物の居住者の留守中に食材宅配コンテナ105が気づかれにくくなり、かつ、玄関付近の景観を維持しやすい。また、収納棚10aの設置位置に制約がある場合でも、収納棚10aの外側の隠したい物を、引き出した化粧パネル40で容易に隠すことができる。
【0043】
なお、
図1~
図4Aの構成で、引っ掛け金具46の一方の板部47の下端部を、長手方向に直交する断面が下側に凸となる円弧形の曲面等とすることにより、一方の板部47の下端を枠体レール20の上端の溝20aに対しスライドしやすくする構成としてもよい。この場合には、滑車を設けることなく、化粧パネル40が枠体12に対しスライド可能に取り付けられた構成とすることができる。
【0044】
上記では枠体レール20の中心軸回りの4つの面の全部に溝が形成された場合を説明したが、枠体レール20の上面のみに、引っ掛け金具46を引っ掛けるための溝20aが形成されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10,10a 屋外用収納棚(収納棚)、11 収納棚、12 枠体、14 柱部、14a,14b,14c,14d 溝、18 連結部、18a,18b,18c 溝、20 枠体レール、20a,20b,20c,20d 溝、30 棚板、40 化粧パネル、46,46a 引っ掛け金具、50,60,65 ロック部材、70,72,82 化粧パネル、83 ベース部材、85 板状部材。