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特許7289101読取システム及びそれを備える買物支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】読取システム及びそれを備える買物支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20230602BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
G06K7/10 128
G06K7/10 240
G07G1/00 311D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019147817
(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公開番号】P2021028788
(43)【公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相田 和俊
(72)【発明者】
【氏名】熊川 正啓
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 達也
(72)【発明者】
【氏名】浦田 雄紀
【審査官】赤穂 州一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-121251(JP,A)
【文献】特開平10-242893(JP,A)
【文献】特開2004-206512(JP,A)
【文献】特開2019-106168(JP,A)
【文献】国際公開第2019/150733(WO,A1)
【文献】特開2018-120367(JP,A)
【文献】特開2016-162177(JP,A)
【文献】特開2009-146400(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0158772(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00- 7/14
G07G 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品が載せ置かれる載置部を有する本体部と、
前記載置部に前記商品が載せ置かれた際に、前記載置部の上方の読取空間内に位置する前記商品に付された電子タグと電波を媒体とする無線通信を行うことにより、前記商品に関する商品情報を読み取る読取装置と、を備え、
前記本体部は、前記読取空間の左右方向の両側に位置し、電波遮蔽性を有する一対の側壁部を更に有し、
前記読取空間の少なくとも前後方向の両側には一対の開口部が位置し、前記一対の開口部のいずれもが前記読取空間からの前記商品の取出口として利用可能であ
前記読取装置は、前記一対の側壁部の少なくとも一方に設けられて前記電波を受信するアンテナを有し、
前記アンテナは、
前記一対の側壁部の両方に設けられた一対の側方アンテナ素子と、
前記載置部の下方に設けられた下方アンテナ素子と、を含み、
前記一対の側方アンテナ素子は、前記左右方向の一方から見て、互いにオーバーラップする領域を残しつつ、互いの中心同士が離間するように配置されており、
前記下方アンテナ素子は、複数のアンテナ素子を含み、
前記下方アンテナ素子の前記複数のアンテナ素子は、前記左右方向に並んで配置されている、
読取システム。
【請求項2】
前記本体部は、前記載置部と前記下方アンテナ素子との間に位置し、電波透過性を有する離間部を更に有する、
請求項に記載の読取システム。
【請求項3】
前記一対の側壁部は、少なくとも前記読取空間側からの前記電波を反射する、
請求項1又は2に記載の読取システム。
【請求項4】
前記商品情報に基づく出力情報の顧客への提示と、前記顧客の操作の受付けとの少なくとも一方を行うインタフェースと、
前記本体部と前記インタフェースとを連結する連結部と、を更に備える、
請求項1~のいずれか1項に記載の読取システム。
【請求項5】
前記連結部は、前記一対の側壁部のうちの一方の側壁部と一体化されている、又は、前記一方の側壁部に固定されている
請求項に記載の読取システム。
【請求項6】
前記一対の開口部のうちの一方の開口部を塞ぐように、前記本体部に取り外し可能に取り付けられる補助壁を更に備える、
請求項1~のいずれか1項に記載の読取システム。
【請求項7】
前記載置部は、第1領域と、傾斜面、凹凸面又は曲面を有する第2領域と、を含む、
請求項1~のいずれか1項に記載の読取システム。
【請求項8】
前記本体部は、前記読取空間から見て、前記載置部とは反対側が開放されている、
請求項1~のいずれか1項に記載の読取システム。
【請求項9】
前記本体部は、前記本体部と前記左右方向に並べて設置される拡張モジュールを接続する接続部を更に有する、
請求項1~のいずれか1項に記載の読取システム。
【請求項10】
請求項1~のいずれか1項に記載の読取システムと、
前記商品情報に基づいて精算処理を行う精算システムと、を備える、
買物支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に読取システム及びそれを備える買物支援システムに関し、より詳細には、電子タグと無線通信を行うことにより商品に関する情報を読み取る読取システム及びそれを備える買物支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、少なくとも顧客が購入しようとする商品の精算(決済)処理を行うためのPOS(Point Of Sales)装置において、RF(Radio Frequency)タグ(電子タグ)の読取装置を用いることが記載されている。電子タグは、商品に付されており、電子タグが付された商品の価格情報又は識別情報を記憶している。
【0003】
特許文献1において、読取装置は、筐体の6面で構成されている箱型形状の収容室に商品が収容された状態で、電子タグから情報を読み取る。筐体には、収容室内へとつながる開口部が形成されている。開口部は、蓋体によって開閉される。つまり、蓋体が開いている状態で、顧客は、開口部から収容室内へ商品を入れることができる。収容室の外部の電子タグから読取装置が情報を読み取らないよう、筐体及び蓋体は、電波を反射する材料又は電波を吸収する材料で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-162177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の構成では、顧客は、商品を収容室に収容して蓋体を閉じ、商品に関する情報の読み取り完了後に、蓋体を開けて収容室から商品を取り出す必要がある。そのため、例えば、不慣れな顧客等が上記読取装置を使用する場合には、1人の顧客が読取装置を使用する時間が長くなり、待ち行列の発生時において、商品の購入のための顧客の待ち時間が長くなる可能性がある。
【0006】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、商品の購入のための顧客の待ち時間の短縮を図ることができる読取システム及びそれを備える買物支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る読取システムは、本体部と、読取装置と、を備える。前記本体部は、商品が載せ置かれる載置部を有する。前記読取装置は、前記載置部に前記商品が載せ置かれた際に、前記載置部の上方の読取空間内に位置する前記商品に付された電子タグと電波を媒体とする無線通信を行うことにより、前記商品に関する商品情報を読み取る。前記本体部は、前記読取空間の左右方向の両側に位置する一対の側壁部を更に有する。前記一対の側壁部は電波遮蔽性を有する。前記読取空間の少なくとも前後方向の両側には一対の開口部が位置する。前記一対の開口部のいずれもが前記読取空間からの前記商品の取出口として利用可能である。前記読取装置は、前記一対の側壁部の少なくとも一方に設けられて前記電波を受信するアンテナを有する。前記アンテナは、前記一対の側壁部の両方に設けられた一対の側方アンテナ素子と、前記載置部の下方に設けられた下方アンテナ素子と、を含む。前記一対の側方アンテナ素子は、前記左右方向の一方から見て、互いにオーバーラップする領域を残しつつ、互いの中心同士が離間するように配置されている。前記下方アンテナ素子は、複数のアンテナ素子を含む。前記下方アンテナ素子の前記複数のアンテナ素子は、前記左右方向に並んで配置されている。
【0008】
本開示の一態様に係る買物支援システムは、前記読取システムと、精算システムと、を備える。前記精算システムは、前記商品情報に基づいて精算処理を行う。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、商品の購入のための顧客の待ち時間の短縮を図ることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1に係る買物支援システムの使用例を示す概略図である。
図2図2は、同上の買物支援システムの外観を示す斜視図である。
図3図3は、同上の買物支援システムの構成を示すブロック図である。
図4図4Aは、同上の買物支援システムの平面図である。図4Bは、同上の買物支援システムの正面図である。図4Cは、同上の買物支援システムの右側面図である。
図5図5は、同上の買物支援システムにおける読取システムの一部破断した斜視図である。
図6図6Aは、同上の読取システムの要部の平面図である。図6Bは、図6AのA1-A1線断面図である。図6Cは、図6BのB1-B1線断面図である。
図7図7Aは、比較例に係る読取システムにおいて、平面視における読取空間の感度分布を模式的に表す説明図である。図7Bは、実施形態1に係る読取システムにおいて、平面視における読取空間の感度分布を模式的に表す説明図である。
図8図8は、同上の買物支援システムの使用例を示す概略図である。
図9図9A図9Cは、同上の買物支援システムの使用例を示す左側面である。
図10図10は、同上の買物支援システムの使用例を示す平面図である。
図11図11は、実施形態1の第1変形例に係る買物支援システムの外観を示す斜視図である。
図12図12A図12Cは、実施形態1の第2変形例に係る買物支援システムの外観の一例を示す斜視図である。
図13図13A図13Cは、実施形態1の第2変形例に係る買物支援システムの外観の他の例を示す斜視図である。
図14図14は、実施形態2に係る買物支援システムの外観を示す斜視図である。
図15図15Aは、同上の買物支援システムの読取システムの斜視図である。図15Bは、同上の読取りシステムの平面図である。図15Cは、同上の読取りシステムの正面図である。図15Dは、同上の読取りシステムの左側面図である。
図16図16は、同上の読取システムと拡張モジュールとが組み合わされる様子を概念的に表す説明図である。
図17図17は、実施形態2の変形例に係る買物支援システムの外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係る買物支援システムは、例えば、衣料品店、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、ドラッグストア、家電量販店又はホームセンター等の小売店の店舗に導入され、顧客による商品の購入(つまり「買物」)を支援するシステムである。
【0012】
買物支援システム100は、図1図3に示すように、読取システム1と、精算システム3と、を備えている。読取システム1は、商品91に付された電子タグ93と無線通信を行うことにより、商品91に関する商品情報を読み取る。精算システム3は、読取システム1で読み取られた商品情報に基づいて精算処理を行う。
【0013】
本実施形態に係る読取システム1は、本体部10と、読取装置2と、を備える。本体部10は、商品91が載せ置かれる載置部11を有する。読取装置2は、載置部11に商品91が載せ置かれた際に、載置部11の上方の読取空間Sp1内に位置する商品91に付された電子タグ93と電波を媒体とする無線通信を行う。このように、電子タグ93と無線通信を行うことにより、読取装置2は、商品91に関する商品情報を読み取る。本体部10は、読取空間Sp1の左右方向の両側に位置し、電波遮蔽性を有する一対の側壁部12を更に有する。ここで、読取空間Sp1の少なくとも前後方向の両側には一対の開口部13が位置し、一対の開口部13のいずれもが読取空間Sp1からの商品91の取出口として利用可能である。
【0014】
本開示でいう「商品情報」は、商品91を識別するための情報であって、例えば、日本国で用いられているJAN(Japanese Article Number)コード等の商品識別コードである。この種の商品識別コードには、JANコードの他、EPC(Electronic Product Code)、欧州等で用いられているEAN(European Article Number)コード、及び米国等で用いられているUPC(Universal Product Code)等がある。また、商品情報は、商品91の品種(種類)を識別する情報に限らず、同一品種の商品91を個別に識別するシリアル情報等の情報を含んでいてもよい。これにより、同一品種の商品91が複数ある場合にも、これら同一品種の複数の商品91の各々を商品情報にて特定可能である。読取装置2で読み取られた商品情報は、例えば、精算システム3での精算処理に使用される。
【0015】
電子タグ93は、RF(Radio Frequency)タグであって、読取装置2は、商品91から直接的に商品情報を読み取るのではなく、商品91に付された電子タグ93から非接触で商品情報を読み取ることになる。これにより、読取システム1は、読取空間Sp1にある商品91から、間接的に、商品情報を取得することができる。商品情報の間接的な取得は、商品91に付された電子タグ93から、読取システム1が商品情報を読み取ることによって実現される。
【0016】
買物支援システム100によれば、例えば、店舗8(図1参照)に設置された読取装置2にて、購入対象の商品91について、非接触で商品情報の読み取りが行われることにより、商品91の精算が可能な状態になる。そのため、例えば、複数の商品91について商品情報を一括して読取可能であり、また、容器92(図1参照)に商品91が収容されたままの状態でも商品情報の読み取りが可能である。したがって、バーコード等を用いて商品情報の読み取りが行われる場合に比較して、顧客90の買物に掛かる店員及び顧客90の手間を軽減することができる。
【0017】
本実施形態に係る読取システム1では、上述のように、本体部10は、商品91が載せ置かれる載置部11を有し、この載置部11に商品91が載せ置かれた際に、読取装置2が、読取空間Sp1内の商品91に関する商品情報を読み取る。ここで、読取空間Sp1は、載置部11の上方の空間であるので、商品91が載置部11に載せ置かれていれば、この商品91に関する商品情報は読取装置2にて読取可能となる。しかも、読取空間Sp1の左右方向の両側には、電波遮蔽性を有する一対の側壁部12が設けられるのに対し、読取空間Sp1の少なくとも前後方向の両側には一対の開口部13が位置する。そして、一対の開口部13のいずれもが読取空間Sp1からの商品91の取出口として利用可能である。したがって、読取システム1によれば、読取空間Sp1から見て、左右方向の両側への電波の漏洩は一対の側壁部12にて低減しながらも、前後方向の両側の一対の開口部13からは、読取空間Sp1に対する商品91の出し入れが可能である。そのため、顧客90は、商品情報の読取りに際して、少なくとも商品91を収容室に収容して蓋体を閉じ、商品情報の読み取り完了後に、蓋体を開けて収容室から商品91を取り出す、といった作業が不要となる。結果的に、本実施形態に係る読取システム1によれば、商品91の購入のための顧客90の待ち時間の短縮を図ることができる。
【0018】
そして、買物支援システム100では、読取システム1で読み取られた商品情報に従って精算システム3での精算処理が行われ、精算処理が完了すれば、顧客90が商品91を持ち帰ることで顧客90による買物が完了する。結果的に、本実施形態に係る買物支援システム100によれば、商品91の購入のための顧客90の待ち時間の短縮を図ることができる。
【0019】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る読取システム1及びそれを備える買物支援システム100の詳細について、図1図10を参照して説明する。
【0020】
(2.1)前提
本開示でいう「購入」とは、売主(店舗)から買主(顧客)に商品91の所有権を移転し、これに対する対価(代金)を買主が売主に支払う行為(売買)における買主(顧客)側の行為を意味する。つまり、購入対象の商品91については、基本的に、精算処理が完了することで売主(店舗)から買主(顧客)へ所有権が移転し、顧客90が持ち帰ることになる。
【0021】
本開示でいう「載置部」は、商品91が載せ置かれる部位を意味し、商品91が直接的に載せ置かれてもよいし、図1に示すように、容器92に収容された状態の商品91が、容器92ごと、つまり間接的に載せ置かれてもよい。載置部11に商品91が載せ置かれた状態では、商品91は、載置部11の上方の読取空間Sp1内に位置することになる。言い換えれば、載置部11の上方であって、載置部11に載せ置かれた商品91が収まる空間が「読取空間」となる。
【0022】
本開示において、読取装置2は、載置部11に商品91が載せ置かれた際に、電子タグ93と無線通信を行う。すなわち、読取装置2は、少なくとも顧客90が商品91又は商品91を収容した容器92を手放し、載置部11に商品91を載せ置いた状態で、商品情報の読取りを行う。このとき、商品91は顧客90に所持されておらず、かつ商品91自体の移動もないため、商品91の姿勢が安定しやすく、読取装置2での商品情報の読取りが行いやすくなる。
【0023】
本開示でいう「容器」は、商品91が入る大きさで、かつ商品91を出し入れするための開口を有する入れ物であればよく、例えば、かご、袋、箱又はバッグ(エコバッグ等を含む)等である。ここで、かご、袋、箱又はバッグの材質は特に限定されず、例えば、袋であれば、ポリエチレン製又はポリプロピレン製等の「ビニール袋」、及び紙製の「紙袋」等を含む。本実施形態では一例として、容器92は、顧客90が店舗8内で使用する買物かごであると仮定する。そのため、顧客90は、例えば、入店時に容器92を受け取り、購入対象の商品91をピックアップする度に容器92に収容する。そして、図1等に示すように、読取システム1は容器92に収容された状態の商品91について商品情報の読み取りを実行する。
【0024】
本開示でいう「開口部」は、読取空間Sp1からの商品91の取出口として利用可能な部位を意味し、読取空間Sp1の内側と外側との間に位置し商品91を通過させることが可能な形状及び大きさの開口からなる。ただし、開口部13は、商品91の取出口として利用可能であればよいので、実際に商品91の取出口として利用されることは開口部13にとって必須の構成ではない。そして、商品91の取出口として利用されない開口部13については、例えば、後述する補助壁17(図11参照)等で塞がれてもよい。
【0025】
また、本実施形態では、買物支援システム100が導入される店舗8として衣料品店を例に説明する。つまり、買物支援システム100に含まれる読取システム1についても、衣料品店に導入されることになる。衣料品店からなる店舗8では、複数の商品91(衣料品)が店内に陳列された状態で、複数の商品91の販売が行われている。そのため、顧客90は、店内に陳列されている複数の商品91の中から所望の商品91をピックアップし、ピックアップした商品91について精算を行うことで、所望の商品91を購入する。本実施形態では、店内に少なくとも1人は店員が存在する有人の店舗8を想定する。ただし、この例に限らず、例えば、店舗8に店員が居ない無人店舗のような状況においても、買物支援システム100は採用可能である。
【0026】
また、本実施形態では、読取システム1が店舗8に設置された状態での、水平面に対して垂直な(直交する)方向を「上下方向」とし、読取システム1を正面から見て下方を「下方」として説明する。また、読取システム1を正面から見て、上下方向と直交する方向を「左右方向」とし、コンセント装置1を正面から見て、右方を「右方」、左方を「左方」として説明する。さらに、上下方向と左右方向との両方に直交する方向を「前後方向」とし、読取システム1の正面側(手前側)を「前方」として説明する。ただし、これらの方向は読取システム1の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0027】
また、本開示でいう「直交」は、二者間の角度が厳密に90度である状態だけでなく、二者がある程度の誤差の範囲内で略直交する状態も含む意味である。つまり、直交する二者間の角度は、90度に対してある程度の誤差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。本開示でいう「平行」についても同様に、厳密に二者間の角度が0度である状態だけでなく、二者がある程度の誤差の範囲内で略平行する状態も含む意味である。つまり、平行する二者間の角度は、0度に対してある程度の誤差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。
【0028】
(2.2)買物支援システム
ここではまず、本実施形態に係る買物支援システム100の全体構成について、図1図3を参照して説明する。
【0029】
買物支援システム100は、図1に示すように、読取システム1と、精算システム3と、を備えている。言い換えれば、本実施形態に係る読取システム1は、精算システム3と共に、買物支援システム100を構成する。精算システム3は、読取システム1で読み取った商品情報に基づいて精算処理を行う。
【0030】
読取システム1が買物支援システム100に用いられる場合においては、読取システム1で読み取られた商品情報は、精算システム3での精算処理に使用される。すなわち、精算システム3は、読取システム1で商品情報が読み取られた商品91について、商品情報を用いて精算処理を行う。よって、買物支援システム100によれば、店舗8に設置された読取システム1にて商品情報の読取りが行われることにより、商品91の精算処理が可能な状態になる。
【0031】
また、本実施形態では、買物支援システム100は、図3に示すように、読取システム1及び精算システム3に加えて、顧客検知装置51、トリガ検知装置52及びゲート装置53を更に備えている。本実施形態においては、顧客検知装置51及びトリガ検知装置52は、読取システム1と一体に設けられている。
【0032】
読取システム1は、読取空間Sp1にある商品91から、直接的に又は間接的に、商品情報を読み取る。そのため、顧客90は、店舗8に陳列されている複数の商品91の中から、購入対象の商品91を、店内でピックアップし、読取空間Sp1に配置することで、読取システム1に商品情報の読取りを実施させればよい。そして、読取システム1で取得された商品情報を用いて精算システム3での精算処理が完了することで、売主(店舗)から買主(顧客)へ所有権が移転し、顧客90による商品91の購入が成立する。顧客90は、購入した商品91、つまり精算処理が終了した商品91を持ち帰ることになる。読取システム1について詳しくは、「(2.3)読取システム」の欄で説明する。
【0033】
精算システム3は、読取システム1と通信可能に構成されている。本開示において「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。すなわち、読取システム1と精算システム3とは、互いに情報を授受することができる。精算システム3と情報取得システムとの間の通信方式としては、無線通信又は有線通信の適宜の通信方式が採用される。さらに、精算システム3は、例えば、POS(Point Of Sales)端末からなる店舗端末と、直接的に又は中継器等を介して間接的に、通信可能に構成されている。本実施形態では、精算システム3は、読取システム1と一体化されている。
【0034】
精算システム3は、後述する読取システム1のインタフェース4を用いることにより、表示又は音声によって各種の情報を顧客90に提示したり、顧客90の操作(音声入力を含む)を受け付けたりすることができる。ただし、精算システム3による情報の提示は、表示と音声との少なくとも一方で実現されればよく、表示と音声とのいずれか一方で実現されてもよいし、表示と音声との組み合わせで実現されてもよい。
【0035】
一例として、精算システム3は、来客検知時及び精算処理の完了時に、「いらっしゃいませ。」、「ありがとうございました。」等のメッセージを顧客90に提示することができる。これにより、顧客90に対して、店員が接客するのに近い親近感を与えることができる。また、顧客90は、例えば、インタフェース4に表示される購入対象の商品91の一覧、及び精算金額等を確認し、確認後にインタフェース4を操作して承諾の意思表示を行うことにより、精算システム3での精算処理を行う。
【0036】
精算処理は、例えば、携帯情報端末(スマートフォン又はウェアラブル端末等)、又はIC(Integrated Circuit)カード等と精算システム3との間の近距離無線通信により、実現されてもよい。この場合、顧客90は、携帯情報端末又はICカード等を、例えば、インタフェース4付近のリーダ31(図2参照)に近づける操作により、精算システム3に精算処理を行わせる。ここで、精算システム3は、プリンタを有していてもよく、その場合、精算処理が完了すれば、プリンタにてレシート(receipt)等を発行(印刷)可能である。ただし、精算処理において顧客90の操作を受け付けること、及びレシートを発行することは、買物支援システム100において必須の構成ではない。
【0037】
また、購入対象の商品91の一覧、及び精算金額等の情報は、精算システム3から、顧客90が所有する携帯情報端末(スマートフォン又はタブレット端末等)、又は店舗端末等に送信されてもよい。これにより、顧客90が所有する携帯情報端末、又は精算システム3とは別の情報端末にて、購入情報の閲覧又はレシートの発行等が可能になる。さらに、店舗端末等からサーバに購入情報が送信されることで、退店後においても、顧客90は、顧客90が所有する携帯情報端末にて購入情報を閲覧したり、携帯情報端末にレシートを発行させたりすることが可能になる。
【0038】
本実施形態では、精算システム3は、ハードウェアとしての1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを主構成とするコンピュータシステムである。このコンピュータシステムでは、メモリに記録されたプログラムを1以上のプロセッサで実行することによって、精算システム3の機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリにあらかじめ記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能な光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0039】
顧客検知装置51、トリガ検知装置52及びゲート装置53は、精算システム3と共に、後述する読取システム1の制御部40に接続されている。
【0040】
顧客検知装置51は、顧客90の動きを検知する。顧客検知装置51の検知結果は、読取システム1(制御部40)に送信され、読取システム1での商品情報の読み取りの処理に利用される。つまり、詳しくは後述するが、読取システム1では、顧客検知装置51の検知結果に応じて商品情報の読み取りを実行する。顧客検知装置51は、例えば、読取システム1への人の接近を検知する人感センサ(一例として、焦電型センサ又はイメージセンサ等)で実現される。
【0041】
トリガ検知装置52は、商品91が載置部11に載せ置かれたことを検知する。詳しくは後述するが、トリガ検知装置52にて商品91が載置部11に載せ置かれたことが「トリガ」として検知された場合、読取システム1の制御部40は、読取装置2での商品情報の読取りを開始する。トリガ検知装置52は、例えば、載置部11における物体(商品91)の存在の有無を検知する対物センサ(一例として、重量センサ、光学式センサ、超音波式センサ又はイメージセンサ等)で実現される。また、トリガ検知装置52は、例えば、載置部11上の読取空間Sp1への物体(商品91)の進入を検知する、ライトカーテン又はエリアセンサ等の非接触式センサにて実現されてもよい。顧客検知装置51のセンサが、トリガ検知装置52として兼用されてもよい。
【0042】
ゲート装置53は、読取システム1と同様に、商品91に付された電子タグ93と、電波を媒体とする無線通信を行うことにより商品情報を読み取るように構成されている。ゲート装置53は、例えば、店舗8の出口に設置されている。ゲート装置53は、電波を媒体とする無線通信により、制御部40との間で双方向の通信が可能である。ゲート装置53は、顧客90が出口を通って店舗8から出る(退店する)際に、顧客90が持つ商品91に付された電子タグ93と、非接触で通信を行う。このとき、ゲート装置53が電子タグ93から読み取った商品情報について、精算処理が実行されているか否かを判断する。本実施形態では、商品91についての精算処理が完了しているか否かは、例えば、制御部40のメモリに商品情報に対応付けて記憶される精算済みフラグの値によって判断される。例えば、商品91についての精算処理が完了している場合には、この商品91についての精算済みフラグの値が「1」になる。そのため、ゲート装置53が電子タグ93から読み取った商品情報に対応する精算済みフラグが「0」であれば精算処理が未完了、商品情報に対応する精算済みフラグが「1」であれば精算処理が完了している、と判断される。
【0043】
ゲート装置53で読み取られた商品情報について精算処理が実行されていない場合には、ゲート装置53、買物支援システム100又は店舗端末等にて報知処理を実行する。すなわち、ゲート装置53によれば、店舗8から持ち出される商品91について、精算処理が正常に完了していることを確認することができる。
【0044】
以上説明したような買物支援システム100は、例えば、1つの店舗8に対して複数設置されていてもよい。また、本実施形態における買物支援システム100の各部の位置関係及び形状等は、一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0045】
(2.3)読取システム
次に、本実施形態に係る読取システム1のより詳細な構成について、図2図4Cを参照して説明する。
【0046】
読取システム1は、上述したように、本体部10と、読取装置2と、を備えている。また、本実施形態では、読取システム1は、本体部10及び読取装置2に加えて、インタフェース4(図3参照)、制御部40(図3参照)及び連結部41(図4B参照)を更に備えている。本実施形態においては、本体部10、読取装置2、インタフェース4、制御部40及び連結部41は、全て一体に設けられている。
【0047】
読取装置2は、商品91に付された電子タグ93と電波を媒体とする無線通信を行うことにより、この商品91に関する商品情報を読み取る装置である。すなわち、読取装置2は、商品91に付された電子タグ93との間で無線通信を行うことにより、電子タグ93に記憶されている商品情報を取得する。読取装置2は、アンテナ21及び通信部20を有しており、RFID(Radio Frequency Identification)システムを構成するリーダである。読取装置2は、基本的には、載置部11に載せ置かれた状態の商品91、つまり読取空間Sp1内に存在する商品91に付された電子タグ93と無線通信を行う。
【0048】
電子タグ93は、例えば、パッシブ型のRFタグであって、少なくとも商品情報を記憶するメモリを有している。ここにおいて、複数の商品91には複数の電子タグ93が一対一で対応付けられている。電子タグ93には、対応する商品91についての商品情報が記憶されており、電子タグ93は、対応する商品91に付されている。
【0049】
電子タグ93は、商品91と一体に取り扱い可能な状態で商品91に付されていればよく、電子タグ93が商品91に付される具体的な態様としては、様々な態様がある。本実施形態では一例として、電子タグ93はシール状であって商品91に貼り付けられている。その他、電子タグ93は、例えば、紐等で商品91に繋がっていてもよいし、商品91の梱包材に一体化されていてもよいし、商品91に埋め込まれていてもよいし、商品91に組み込まれていてもよい。さらに、例えば、塗布型半導体等の技術を用いることにより、電子タグ93は、商品91自体、又は商品91の梱包材等の表面に、印刷にて直接的に形成されていてもよい。
【0050】
アンテナ21は、電子タグ93との間で、通信媒体となる電波を送受信し、無線通信を行う。すなわち、本実施形態では、アンテナ21は、電子タグ93が付された商品91が配置される読取空間Sp1に対して電波を送信し、電子タグ93から送信される電波を受信する。つまり、読取装置2が商品情報を読み取る際には、アンテナ21は、少なくとも電子タグ93からの電波を受信する。アンテナ21は、円偏波及び直線偏波のいずれであってもよいが、本実施形態では一例として、円偏波のアンテナにて構成される。本実施形態では一例として、アンテナ21は、プリント配線基板上に導電路が形成されたマイクロストリップアンテナ(パッチアンテナ)である。アンテナ21の構成について詳しくは「(2.4)アンテナの構成」の欄で説明する。
【0051】
通信部20は、アンテナ21から電子タグ93に電波を送信し、この電波によって起動された電子タグ93からの商品情報をアンテナ21にて受信する。通信部20は、少なくとも商品情報の受信時に、無線信号(電波)の受信信号強度を計測する。通信部20は、電子タグ93から商品情報を受信すると、商品情報に加えて、受信信号強度を制御部40に送信する。
【0052】
本体部10は、図2及び図4A図4Cに示すように、上下方向に長さを有するタワー型の形状を有している。読取システム1は、本体部10が店舗8の所定位置に設置される、定置型の設備である。本体部10は、上述したように、載置部11と、一対の側壁部12と、を有している。本実施形態では、本体部10は、載置部11及び一対の側壁部12に加えて、筐体部14及び複数の脚部15を更に有している。
【0053】
筐体部14は、平面視において、左右方向よりも前後方向に長い直方体状に形成されている。筐体部14は、一例として、金属製のフレームと、樹脂製の部材と、を組み合わせて構成されている。筐体部14には、読取装置2の少なくとも一部(通信部20等)、制御部40等が収容される。
【0054】
複数(ここでは4つ)の脚部15は、筐体部14から下方に突出するように、筐体部14の下面に固定されている。つまり、筐体部14は、複数の脚部15にて支持された状態で、店舗8の所定位置に設置される。複数の脚部15の各々は、その長さを調整可能であって、これにより、店舗8の床面からの筐体部14の高さ、及び筐体部14の傾きを調整することが可能である。一例としては、後述するケース42の上端の地面(店舗8の床面)からの高さが、略140mm程度になるように、筐体部14の高さが調整される。
【0055】
載置部11は、商品91が載せ置かれる部位である。本実施形態では、筐体部14の上面が載置部11として機能する。つまり、載置部11は、上方に向けられた矩形状の面(平面)であって、商品91が載せ置かれた状態で商品91を支えるだけの強度を有している。本実施形態では、容器92に収容された状態の商品91が、容器92ごと、載置部11に載せ置かれることを想定している(図1参照)。そのため、載置部11は、少なくとも容器92としての買物かごを載せ置くことができるような形状及び大きさを有している。これにより、筐体部14の上方、つまり載置部11の上方には読取空間Sp1が形成されることになる。
【0056】
ここで、載置部11は、第1領域111と、第2領域112と、を含んでいる。第2領域112は、第1領域111に比べて商品91を載せ置きにくい形状である。つまり、本実施形態では、載置部11は、その全域において商品91を載せ置きやすいのではなく、その一部においては商品91が載せ置きにくい形状を採用している。具体的には、本実施形態では、図4Aに示すように、載置部11は、前後方向において第1領域111と第2領域112とに二分されている。第2領域112は、第1領域111の前方(手前側)に位置する。つまり、筐体部14の上面のうちの前端部が第2領域112となり、その他の領域は第1領域となる。そして、第1領域111は水平面に沿った平面からなり、第2領域112は水平面に対して傾斜した傾斜面からなる。すなわち、筐体部14は、その上面の前端部が、前端側ほど低くなるように傾斜した傾斜面であって、この傾斜面が載置部11の第2領域112を構成する。
【0057】
このような形状(傾斜面)からなる第2領域112が設けられることにより、顧客90に対して、載置部11に商品91を載せ置く際に、第2領域112ではなく第1領域111に商品91を載せ置くように誘導することができる。要するに、顧客90にとっては、商品91を載せ置きやすい第1領域111に商品91を載せ置くことが自然と促されることになる。その結果、載置部11のうちの商品91が載せ置かれる領域を、コントロールしやすくなる。ここで、載置部11のうち、商品91が載せ置かれることを想定した第1領域111においては、その表面に、例えば、アクリルプレート又はガラスプレート等のように、比較的硬度の高い保護プレートが配置されていることが好ましい。
【0058】
一対の側壁部12は、読取空間Sp1の左右方向の両側に位置する。一対の側壁部12は、筐体部14の上面(載置部11)の左右方向の両端部から、上方に突出する。本実施形態では、一対の側壁部12の各々は、厚みを有する板状の部材であって、筐体部14の前後方向の全長にわたって設けられている。これにより、載置部11と一対の側壁部12とで囲まれる位置に読取空間Sp1が形成されることになる。本実施形態では一例として、載置部11の直上であって、かつ一対の側壁部12の高さの範囲内にある直方体状の空間を読取空間Sp1とする。ただし、実際には、載置部11の直上よりも広範囲であって、かつ一対の側壁部12の高さよりも上方に至るまでの空間が読取空間Sp1として機能する。
【0059】
一対の側壁部12の各々は、電波遮蔽性を有する。具体的には、一対の側壁部12の各々は、その厚み方向に対向する内壁121(図6B参照)及び外壁122(図6B参照)を含む、中空板状に形成されている。詳しくは「(2.4)アンテナの構成」の欄で説明するが、アンテナ21は、一対の側壁部12の少なくとも一方に設けられる。すなわち、読取装置2は、一対の側壁部12の少なくとも一方に設けられて電波を受信するアンテナ21を有する。本実施形態では、各側壁部12における内壁121及び外壁122の間に、アンテナ21に含まれるアンテナ素子213,214が配置される。このように、本実施形態では、アンテナ21は一対の側壁部12の両方に、内蔵される形で設けられている。
【0060】
そして、各側壁部12のうち、読取空間Sp1とは反対側の外壁122は、比較的高い電波遮蔽性を有する金属製である。これに対して、各側壁部12のうち、読取空間Sp1側の内壁121は、比較的高い電波透過性を有する樹脂製である。つまり、各側壁部12は、読取空間Sp1とは反対側の外壁122において、読取空間Sp1側の内壁121よりも高い電波遮蔽性を有し、読取空間Sp1側の内壁121において、読取空間Sp1とは反対側の外壁122よりも高い電波透過性を有する。これにより、一対の側壁部12の各々は、少なくともその内壁121に電波透過性を有し、アンテナ21から読取空間Sp1に出力される電波、及び読取空間Sp1からアンテナ21が受信する電波を阻害しにくい。一方で、一対の側壁部12の各々は、少なくともその外壁122に電波遮蔽性を有し、アンテナ21から読取空間Sp1に出力される電波は、各側壁部12を透過しにくい。したがって、アンテナ21から読取空間Sp1内に出力される電波の出力強度を比較的高く設定した場合でも、一対の側壁部12の外側への電波の漏れを抑制することが可能である。
【0061】
特に、本実施形態では、各側壁部12が金属製の外壁122を有することで、一対の側壁部12は、少なくとも読取空間Sp1側からの電波を反射する。すなわち、金属製の外壁122は、樹脂製の内壁121に比べて、電波を反射しやすい性質(電波反射性)を持つ。その結果、一対の側壁部12では、電波の反射が生じることになり、読取空間Sp1から各側壁部12の外壁122に到達した電波の少なくとも一部を、読取空間Sp1側に戻すことができる。その結果、読取空間Sp1内の電子タグ93から商品情報を読み取るためにアンテナ21から読取空間Sp1に出力される電波を、有効に利用することができる。
【0062】
ここにおいて、本実施形態では、読取空間Sp1の少なくとも前後方向の両側には一対の開口部13が位置する。つまり、図2に示すように、一対の側壁部12の間の読取空間Sp1は、前後方向の両側に開放されており、それぞれの開口が開口部13となる。そして、これら前後方向に開放された一対の開口部13のいずれもが、読取空間Sp1からの商品91の取出口として利用可能である。つまり、各開口部13は、読取空間Sp1の内側と外側との間に位置し、商品91を通過させることが可能な形状及び大きさの開口からなる。
【0063】
また、本実施形態では、前後方向に開放された一対の開口部13に加えて、読取空間Sp1の上方も開放されている。すなわち、本体部10は、読取空間Sp1から見て、載置部11とは反対側が開放されている。これにより、本体部10は、読取空間Sp1の前面、後面及び上面の計3面が開放された状態となる。言い換えれば、本体部10は、載置部11及び一対の側壁部12にて、読取空間Sp1の下面、左側面及び右側面の3面のみを覆っており、それ以外の3面を開口面とする。これにより、読取空間Sp1に対しては、読取空間Sp1の前面、後面及び上面の計3面からアクセス可能となり、読取空間Sp1に対する商品91の出し入れが格段に容易になる。
【0064】
ところで、インタフェース4は、商品情報に基づく出力情報の顧客90への提示と、顧客90の操作の受付けとの少なくとも一方を行う。そして、連結部41は、本体部10とインタフェース4とを連結する。
【0065】
つまり、インタフェース4は、顧客90に向けて各種の情報の提示、及び/又は顧客90の操作の受付けを行う装置である。インタフェース4は、例えば、タッチ入力又はジェスチャ検出等により、顧客90の操作を受け付ける。本実施形態では一例として、インタフェース4はタッチパネルディスプレイを含んでいる。また、インタフェース4の近傍にはリーダ31が設けられている。インタフェース4は、例えば、近距離無線通信により、IC(Integrated Circuit)カード若しくは携帯情報端末(スマートフォン又はウェアラブル端末等)をリーダ31に近づける操作を受け付けてもよい。あるいは、携帯情報端末等に表示される二次元コードをリーダ31にかざすことによりリーダ31に二次元コードを光学的に読み取らせる操作を、インタフェース4が受け付けてもよい。さらに、インタフェース4は、マイクロホンを含み、マイクロホンに入力された音声信号に対して音声認識及び意味解析の処理を施す機能を有している。そのため、顧客90においては音声による操作(音声入力)も可能である。インタフェース4は、スピーカを含み、音声によって顧客90に向けて各種の情報を提示することも可能である。
【0066】
本実施形態では、連結部41は、本体部10の左右方向の両側面に取り付けられるサイドパネルからなる。つまり、読取システム1は、一対の連結部41を有しており、これら一対の連結部41にて、本体部10とインタフェース4とを連結する。具体的には、一対の連結部41は、本体部10の左右方向の両側面に取り付けられ、その上部に挟み込むようにしてケース42を保持する。ここで、ケース42は、一対の側壁部12の上端から、上下方向に所定の間隔を空けて配置される。これにより、読取空間Sp1の上方には、読取空間Sp1に対する商品91の出し入れに十分なスペースが確保される。
【0067】
ケース42は、インタフェース4を保持するための部材である。本実施形態では、ケース42には精算システム3も収容されている。ここで、ケース42は、三角柱状に形成されており、インタフェース4が正面を向くように取り付けられている。つまり、インタフェース4は、読取システム1の正面に存在する顧客90への情報の提示(表示)、及び操作の受付けを想定して、読取システム1の正面に向けて配置されている。
【0068】
また、本実施形態では、連結部41は、本体部10の筐体部14に収容されている制御部40と、インタフェース4とを電気的に接続するための配線を兼ねている。つまり、連結部41は、本体部10とインタフェース4とを機械的に連結するだけでなく、電気的にも接続することになる。ただし、連結部41は、少なくとも本体部10とインタフェース4とを機械的に連結すればよく、本体部10とインタフェース4との電気的な接続は、連結部41以外で行ってもよい。
【0069】
制御部40は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを主構成とする。すなわち、マイクロコントローラのメモリに記録されたプログラムを、マイクロコントローラのプロセッサが実行することにより、制御部40の機能が実現される。プログラムはメモリにあらかじめ記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0070】
制御部40は、図3に示すように、読取装置2、インタフェース4、顧客検知装置51、トリガ検知装置52、ゲート装置53及び精算システム3に接続されている。制御部40は、少なくとも読取装置2における電子タグ93との無線通信の開始及び終了の指示を出す。具体的には、制御部40は、読取装置2と電子タグ93との無線通信を開始させる際には、読取装置2から無線通信用の電波の出力を開始させるように読取装置2を制御する。制御部40は、読取装置2と電子タグ93との無線通信を終了させる際には、読取装置2から無線通信用の電波の出力を停止させるように、読取装置2を制御する。
【0071】
本実施形態では、制御部40は、顧客検知装置51及びトリガ検知装置52の検知結果に応じて、読取装置2に商品情報の読取りを開始させる。ここで、制御部40は、読取空間Sp1に商品91を置く動作に関連する事象が発生したときに、読取装置2に商品情報の読取りを開始させる。つまり、読取装置2は、常に商品情報の読取りを行っているのではなく、読取空間Sp1に商品91を置く動作に関連する事象が発生すると、読取装置2による商品情報の読取りが開始する。読取装置2は、顧客検知装置51及びトリガ検知装置52の検知結果に基づいて商品情報の読取りを開始すればよく、検知結果を受信した時点から所定の待機時間が経過した時点で商品情報の読取りを開始してもよい。
【0072】
さらに、制御部40は、顧客検知装置51及びトリガ検知装置52の検知結果に応じて、読取装置2に商品情報の読取りを終了させる。つまり、読取装置2は、例えば、読取空間Sp1から商品91が取り出されたことをトリガ検知装置52が検知すると、商品情報の読取りを終了する。読取装置2は、顧客検知装置51及びトリガ検知装置52の検知結果に基づいて商品情報の読取りを終了すればよく、検知結果を受信した時点から所定の待機時間が経過した時点で商品情報の読取りを終了してもよい。
【0073】
上記より、読取装置2では、必要な期間、つまり読取空間Sp1への商品91の投入が行われた期間にのみ、電子タグ93との無線通信が行われることになり、不要な期間にまで電波が出力されることを抑制でき、読取装置2の電力消費を抑えることができる。さらに、必要な期間にのみ電子タグ93との無線通信が行われることで、読取装置2は、無線通信に用いる電波の出力強度(送信強度)を高めたとしても、例えば、読取空間Sp1外にある電子タグ93からの商品情報の誤検出を抑制できる。ひいては、読取装置2は、無線通信に用いる電波の出力強度(送信強度)を高めることが可能である。
【0074】
(2.4)アンテナの構成
次に、本実施形態に係る読取システム1のアンテナ21のより詳細な構成について、図5図7Bを参照して説明する。図5図6Cでは、一対の連結部41を外した状態の本体部10を示している。図6Bは、図6AのA1-A1線断面図であって、図6Cは、図6BのB1-B1線断面図である。図5では、固定具143の図示を省略している。
【0075】
本実施形態では、アンテナ21は、図5に示すように、第1のアンテナ素子211、第2のアンテナ素子212、第3のアンテナ素子213及び第4のアンテナ素子214からなる複数(ここでは4つ)のアンテナ素子211~214を含んでいる。これら複数のアンテナ素子211~214の各々は、矩形板状のマイクロストリップアンテナ(パッチアンテナ)からなる。パッチアンテナからなる各アンテナ素子211~214によれば、厚み方向の片面側にのみ、効率的に電波を放射することが可能である。このような複数のアンテナ素子211~214は、いずれも本体部10に設けられている。
【0076】
具体的には、これら複数のアンテナ素子211~214のうち、第1及び第2のアンテナ素子211,212は、筐体部14に収容されている。つまり、アンテナ素子211,212は、載置部11の下方に配置されている。よって、本実施形態では、アンテナ21は、載置部11の下方に設けられた下方アンテナ素子(アンテナ素子211,212)を含んでいる。アンテナ素子211,212は、それぞれ下方アンテナ素子に相当する。このように、本実施形態では、下方アンテナ素子は、複数のアンテナ素子(アンテナ素子211,212)を含んでいる。
【0077】
これらアンテナ素子211,212は、いずれも電波の放射方向を読取空間Sp1に向けるように、厚み方向の片面を読取空間Sp1に向けて配置されている。つまり、載置部11の下方に位置するアンテナ素子211,212は、いずれも電波の放射面となる厚み方向の片面を、上面とするような向きで筐体部14に収容されている。
【0078】
ここにおいて、本体部10は、載置部11と下方アンテナ素子(アンテナ素子211,212)との間に位置する離間部16(図6B及び図6C参照)を更に有している。離間部16は、電波透過性を有する。本実施形態では一例として、アンテナ素子211,212は、筐体部14内の適当な高さに位置するように固定具143にて筐体部14内に支持されている。この固定具143により、アンテナ素子211,212と載置部11(後述する上壁141)との間に空間が確保され、この空間が離間部16を構成する。つまり、離間部16は、空間からなる。ただし、離間部16は、空間に限らず、例えば、樹脂材等であってもよい。このような離間部16によって、筐体部14の上面である載置部11と、下方アンテナ素子であるアンテナ素子211,212との間には、図6B及び図6Cに示すように、間隔D1が確保される。これにより、アンテナ素子211,212が放射状に広がる電波の放射特性を有する場合でも、載置部11の上方の読取空間Sp1内の隅々まで、アンテナ素子211,212からの電波が届きやすくなる。
【0079】
また、下方アンテナ素子としての2つのアンテナ素子211,212は、左右方向に隙間なく並べて配置されている。このように2つのアンテナ素子211,212が横並びで配置されることで、1つのアンテナ素子211に比べて、アンテナ素子211,212からの電波の放射範囲を左右方向に広げることができる。すなわち、下方アンテナ素子が1つのアンテナ素子211であれば、放射状に広がる電波の放射特性によって、読取空間Sp1の隅部等に電波の届かない死角が生じやすい。下方アンテナ素子が1つのアンテナ素子211であっても、載置部11から十分にアンテナ素子211を離すことで、読取空間Sp1の隅部等にも電波が届きやすくすることは可能である。ただし、この場合、載置部11とアンテナ素子211との間隔を大きくとる必要があるため、筐体部14のサイズ(上下方向の寸法)の拡大につながる。一方、本実施形態のように、2つのアンテナ素子211,212が横並びで配置されることで、読取空間Sp1に死角が生じにくく、かつ筐体部14のサイズも比較的小さく抑えることができる。
【0080】
より詳細には、筐体部14は、その上下方向に対向する上壁141及び下壁142を含む、中空状に形成されている。本実施形態では、筐体部14における上壁141及び下壁142の間に、アンテナ21に含まれるアンテナ素子211,212が配置される。
【0081】
そして、筐体部14のうち、読取空間Sp1とは反対側の下壁142は、比較的高い電波遮蔽性を有する金属製である。これに対して、筐体部14のうち、読取空間Sp1側の上壁141は、比較的高い電波透過性を有する樹脂製である。つまり、筐体部14は、読取空間Sp1とは反対側の下壁142において、読取空間Sp1側の上壁141よりも高い電波遮蔽性を有し、読取空間Sp1側の上壁141において、読取空間Sp1とは反対側の下壁142よりも高い電波透過性を有する。これにより、筐体部14は、少なくともその上壁141に電波透過性を有し、アンテナ21から読取空間Sp1に出力される電波、及び読取空間Sp1からアンテナ21が受信する電波を阻害しにくい。一方で、筐体部14は、少なくとも下壁142に電波遮蔽性を有し、アンテナ21から読取空間Sp1に出力される電波は、筐体部14を透過しにくい。したがって、アンテナ21から読取空間Sp1内に出力される電波の出力強度を比較的高く設定した場合でも、筐体部14の外側への電波の漏れを抑制することが可能である。
【0082】
一方、複数のアンテナ素子211~214のうち、第3及び第4のアンテナ素子213,214は、それぞれ一対の側壁部12に設けられている。つまり、アンテナ素子213,214は、上述したように、それぞれ各側壁部12における内壁121及び外壁122の間に配置されるアンテナ素子である。言い換えれば、アンテナ21は、一対の側壁部12の両方に設けられた一対の側方アンテナ素子(アンテナ素子213,214)を含んでいる。アンテナ素子213,214は、それぞれ側方アンテナ素子に相当する。このように、本実施形態では、側方アンテナ素子についても、複数のアンテナ素子(アンテナ素子213,214)を含んでいる。
【0083】
これらアンテナ素子213,214は、いずれも電波の放射方向を読取空間Sp1に向けるように、厚み方向の片面を読取空間Sp1に向けて配置されている。つまり、各側壁部12に内蔵されたアンテナ素子213,214は、いずれも電波の放射面となる厚み方向の片面を、内側(内壁121側)とするような向きで側壁部12に収容されている。言い換えれば、アンテナ素子213,214は、電波の放射面となる厚み方向の片面を互いに対向させるように配置されている。
【0084】
ここにおいて、図6Cに示すように、一対の側方アンテナ素子(アンテナ素子213,214)は、左右方向の一方から見て、互いの中心P3,P4同士が離間するように配置されている。図6Cの例では、アンテナ素子213の中心P3(重心)と、アンテナ素子214の中心P4(重心)とは、前後方向において間隔D2だけ離間している。つまり、一対の側壁部12に設けられたアンテナ素子213とアンテナ素子214とは、対向方向(左右方向)に直交する平面内で互いにずれた位置に配置されている。本実施形態では、アンテナ素子213及びアンテナ素子214は、左右方向の一方から見て、互いにオーバーラップする領域を残しつつ、互いの中心P3,P4同士が離間するように、そのずれ幅(D2)が設定されている。
【0085】
このように一対の側方アンテナ素子(アンテナ素子213,214)がずれて配置されることの効果について、図7A及び図7Bを参照して説明する。図7A及び図7Bは、平面視における、読取空間Sp1、アンテナ素子213,214及び感度分布を模式的に表す説明図である。ここでいう「感度分布」は、アンテナ素子213及び/又はアンテナ素子214における電波の受信感度の読取空間Sp1での分布であって、図7A及び図7Bでは、閾値以上の受信感度を持つ領域について網掛け(ハッチング)を付している。また、図7A及び図7Bでは、アンテナ素子213のみの感度分布を「I」、アンテナ素子214のみの感度分布を「II」、アンテナ素子213及びアンテナ素子214の感度分布の合成結果を「III」で示している。
【0086】
ここで、前提として、本実施形態では、アンテナ21は、円偏波のアンテナにて構成される。一方で、電子タグ93は、図3に示すように、扁平な長方形状であって、長さ方向D1、幅方向D2及び厚み方向D3が規定されることを想定する。このような組み合わせにおいては、アンテナ素子213,214に対する電子タグ93の向きによって、アンテナ素子213,214にて電子タグ93からの電波の受信が不安定になることがある。例えば、アンテナ素子213(又は214)における電波の放射面が、電子タグ93の長さ方向D1に直交する場合、読取空間Sp1内に、アンテナ素子213(又は214)での電子タグ93からの電波の受信が不安定になる点が生じやすい。読取空間Sp1において、このように電波の受信が不安定になる点を「ヌル点」と呼ぶ。このようなヌル点に、電子タグ93が位置していると、この電子タグ93からの商品情報の読取りが困難になることがある。
【0087】
図7Aは、アンテナ素子213及びアンテナ素子214が、左右方向の一方から見て、互いの中心P3,P4同士が離間しない配置となる比較例を示す。ここで、上述したようなヌル点は、アンテナ素子213についてはアンテナ素子213の放射面の中心を通る法線L1付近に生じ、アンテナ素子214についてはアンテナ素子214の放射面の中心を通る法線L2付近に生じやすい。つまり、図7Aに示す領域R1,R2がそれぞれヌル点を示している。この比較例では、アンテナ素子213の放射面の中心を通る法線L1と、アンテナ素子214の放射面の中心を通る法線L2とは、同一直線上に位置する。そうすると、図7Aに「III」で示す、アンテナ素子213及びアンテナ素子214の感度分布の合成結果においても、ヌル点としての領域R1,R2は重複することになり、読取空間Sp1にヌル点が生じることがある。
【0088】
これに対して、図7Bは、アンテナ素子213及びアンテナ素子214が、左右方向の一方から見て、互いの中心P3,P4同士が離間した配置となる本実施形態の構成を示す。ここで、上述したようなヌル点は、アンテナ素子213についてはアンテナ素子213の放射面の中心を通る法線L1付近に生じ、アンテナ素子214についてはアンテナ素子214の放射面の中心を通る法線L2付近に生じやすい。つまり、図7Bに示す領域R1,R2がそれぞれヌル点を示している。本実施形態では、アンテナ素子213の放射面の中心を通る法線L1と、アンテナ素子214の放射面の中心を通る法線L2とは、前後方向にずれている。そのため、図7Bに「III」で示す、アンテナ素子213及びアンテナ素子214の感度分布の合成結果においては、ヌル点としての領域R1,R2が重複せず、読取空間Sp1にヌル点が生じることを回避しやすい。
【0089】
要するに、本実施形態では、アンテナ素子213及びアンテナ素子214がずれて配置されることで、アンテナ素子213のヌル点としての領域R1はアンテナ素子214でカバーでき、アンテナ素子214のヌル点としての領域R2はアンテナ素子213でカバーできる。このように、アンテナ素子213及びアンテナ素子214は、各々の中心を通る法線L1,L2付近に生じるヌル点を補完し合えるように、そのずれ幅(D2)が設定されることが好ましい。
【0090】
(2.5)買物支援システムの使用例
次に、本実施形態に係る買物支援システム100の使用例について、図1及び図8図10を参照して説明する。
【0091】
ここでは一例として、図1に示すように、顧客90が、店舗8に陳列されている複数の商品の中から購入対象の商品91をピックアップし、容器92(買物かご)に入れて、買物支援システム100にて精算処理を行う場合を想定する。すなわち、買物支援システム100は、読取システム1にて商品情報の読取りを行い、この商品情報に基づいて精算システムにて精算処理を実行する。
【0092】
まず、図8図9Cに示すように、1人の顧客90が商品91を購入する場合の買物支援システム100の使用例について説明する。図8及び図9Aでは、1つの図面中に顧客90が複数描かれているが、これは1人の顧客90について移動前と移動後とを示しているのであって、複数人の顧客90を表すのではない。図8及び図9Aにおいて、商品91を収容した容器92が複数描かれているが、これも同様に、1つの容器92について移動前と移動後とを示しているのであって、複数の容器92を表すのではない。
【0093】
顧客90は、基本的には、購入対象の(ここでは複数の)商品91を収容した容器92を持った買物支援システム100(本体部10)の前方から、動線M1に沿って買物支援システム100(本体部10)に接近する。そして、買物支援システム100の正面に到達した顧客90は、図9Aに示すように、買物支援システム100の正面側から、読取システム1における本体部10の載置部11上に、商品91を容器92ごと載せ置く。このとき、載置部11上の読取空間Sp1に対して、前方の開口部13を通して商品91が進入することになる。
【0094】
ここで、本実施形態では、上述したように、制御部40が、顧客検知装置51及びトリガ検知装置52の検知結果に応じて、読取装置2に商品情報の読取りを開始させる。そのため、商品91が載置部11上に載せ置かれると、読取装置2は、この商品91に付された電子タグ93から商品情報の読取りを実行する。
【0095】
読取装置2は、商品情報の読取りを実行するに際して、アンテナ21に含まれる複数のアンテナ素子211~214を同時に使用するのではなく、アンテナ素子211~214を1つずつ順に使用することが好ましい。一例として、読取装置2は、複数のアンテナ素子211~214を、アンテナ素子211、アンテナ素子212、アンテナ素子213、アンテナ素子214の順で使用して、電子タグ93との無線通信を行う。
【0096】
ここにおいて、容器92に複数の商品91が収納されている場合には、読取装置2は、これら複数の商品91に付された複数の電子タグ93から、複数の商品91の商品情報をまとめて読み取ることが可能である。読取装置2は、複数の電子タグ93から、複数の商品情報を一括で読み取ってもよいし、商品情報を1つずつ読み取ってもよい。ただし、複数の商品91が容器92に収納されていることは必須ではなく、容器92に収納されていない状態の複数の商品91に付された複数の電子タグ93から、読取装置2が、複数の商品91の商品情報をまとめて読み取ってもよい。
【0097】
要するに、本実施形態に係る読取システム1では、読取装置2は、商品91を複数収容した1つの容器92が読取空間Sp1に配置された状態で、容器92内の複数の商品91の商品情報を読み取る。これにより、顧客90は、一旦、複数の商品91を容器92に収納すれば、その後、精算処理が完了するまで、これら複数の商品91をばらすことなく一まとめにして扱うことができる。
【0098】
読取システム1は、購入対象の商品91の商品情報を読み取ると、この商品情報に基づく出力情報をインタフェース4に表示することで顧客90に提示する。具体的には、読み取った商品情報に係る商品91についての情報の一覧である購入リストを含む確認画面を表示する。顧客90は、購入リストを確認し、問題なければ、確認画面の「購入ボタン」を操作する。読取システム1は、インタフェース4にて「購入ボタン」が操作されると、購入対象の商品91の商品情報を、精算システム3に送信する。
【0099】
精算システム3は、読取システム1から購入対象の商品91の商品情報を受信すると、この商品情報に基づいて精算処理を実行する。精算処理は、上述したように、例えば、携帯情報端末、又はICカード等と精算システム3との間の近距離無線通信により、実現される。この場合、顧客90は、携帯情報端末若しくはICカード等を、インタフェース4付近のリーダ31に近づける操作、又は二次元コードをリーダ31にかざす操作により、精算システム3に精算処理を行わせる。精算処理が正常に行われると、精算処理は完了し、精算処理の完了がインタフェース4にて顧客90に提示される。
【0100】
顧客90は、載置部11上に商品91を載せ置いてから、精算処理が完了するまでは、買物支援システム100(本体部10)の正面にとどまっている。一方、精算処理が完了すれば、顧客90は、図8に示すように、買物支援システム100の側方(図8の例では左側方)を通って、動線M2に沿って買物支援システム100の背後に回り込む。そして、買物支援システム100の背後に到達した顧客90は、図9Bに示すように、買物支援システム100の背面側から、載置部11上にある商品91を、容器92ごと取り出す。このとき、載置部11上の読取空間Sp1からは、後方の開口部13を通して商品91が取り出されることになる。
【0101】
精算処理の完了した商品91を容器92ごと受け取った顧客90は、図8及び図9Cに示すように、動線M2に沿って買物支援システム100(本体部10)から後方に離脱する。その後、顧客90は、例えば、店舗8に設置されている荷詰め台81(図10参照)等で、容器92内の商品91の袋詰め等を行った上で、商品91を持ち帰る。つまり、買物を終えた顧客90は、商品91を持って店舗8から出る。
【0102】
本実施形態に係る買物支援システム100によれば、以上説明したような一連の動作によって、商品情報の読取りから精算処理までを実行することができ、顧客90は商品91の購入をスムーズに行うことができる。特に、買物支援システム100(本体部10)に対する顧客90の接近及び離脱の方向を、買物支援システム100(本体部10)から見て別方向とすることで、顧客90にとって商品91の購入のための待ち時間の短縮を図りやすくなる。すなわち、本実施形態に係る買物支援システム100によれば、読取空間Sp1の少なくとも前後方向の両側には一対の開口部13が位置し、これら一対の開口部13のいずれもが読取空間Sp1からの商品91の取出口として利用可能である。したがって、買物支援システム100によれば、本体部10の前後に設けた一対の開口部13から、読取空間Sp1に対する商品91の出し入れが可能であって、本体部10の前方から商品91を載せ置き、本体部10の後方から商品91を取り出すことができる。これにより、本体部10に接近するときの顧客90の動線M1と、本体部10から離脱するときの顧客90の動線M2とを、後方に向かう一方通行の動線とすることができる。
【0103】
これに対して、読取空間Sp1に対する商品91の出し入れが、本体部10の前方に設けた1つの開口部13からのみ可能な場合には、顧客90は、商品91を載せ置くときと、商品91を取り出すときと、のいずれも本体部10の前方から行うことになる。この場合、買物支援システム100(本体部10)に対する顧客90の接近及び離脱の方向が、本体部10から見て同一方向となる。これにより、本体部10に接近するときの顧客90の動線と、本体部10から離脱するときの顧客90の動線とを、互いに逆向きの動線となり、顧客90にとって商品91の購入のための待ち時間が長くなりやすい。
【0104】
要するに、本実施形態のように動線を一方通行とすることで、一人の顧客90にとっては、スムーズな顧客90の流れを実現しやすく、結果的に、商品91の購入のための待ち時間の短縮を図りやすくなる。一例として、店舗8の売り場から出口に向かう動線上に買物支援システム100(本体部10)が設置されていれば、顧客90は、売り場から出口に移動する途中で、買物支援システム100を利用すること商品91を購入できる。このように、本実施形態に係る買物支援システム100では、顧客90の無駄な動線を省いて効率的な買物を実現することができる。
【0105】
また、図1及び図10に示すように、買物支援システム100を使用中の顧客90の後に、待ち行列を構成する複数人の顧客90が存在する場合には、複数人の顧客90にとっても、商品91の購入のための待ち時間の短縮を図りやすくなる。すなわち、本体部10の前方から商品91を載せ置き、本体部10の後方から商品91を取り出すことができるので、精算処理が完了すれば、顧客90は、動線M1にて速やかに買物支援システム100(本体部10)の正面を空けることができる。これにより、図1及び図10に示すように、待ち行列の先頭の顧客90は、動線M1にて速やかに買物支援システム100を利用することができる。したがって、待ち行列を構成する複数人の顧客90の待ち時間の短縮を図ることが可能である。
【0106】
さらに、図10に示すように、買物支援システム100(本体部10)の後方に、例えば、荷詰め台81を設置することで、このような一方通行の動線に沿った顧客90の移動を促進することもできる。荷詰め台81には、買物袋82が準備されており、精算処理を終えた顧客90は、荷詰め台81にて容器92から買物袋82へ商品91の移し替えを行う。このように、本実施形態に係る買物支援システム100によれば、店舗8における顧客90の動線設計、及び荷詰め台81等のレイアウトの自由度が高くなる。
【0107】
(3)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、本開示で参照する図面は、いずれも模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、買物支援システム100と同様の機能は、買物支援方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0108】
(3.1)第1変形例
第1変形例に係る読取システム1は、図11に示すように、補助壁17を更に備えている。補助壁17は、一対の開口部13(図5参照)のうち、商品91を購入する顧客90の動線方向において読取空間Sp1(図5参照)の奥側となる開口部13を塞ぐように、本体部10に取り外し可能に取り付けられる。
【0109】
すなわち、補助壁17は、読取空間Sp1の前後方向の両側に位置する一対の開口部13のうち、後方の開口部13を塞ぐように本体部10に取り付けられる。補助壁17は、矩形板状の部材であって、金属製等の電波遮蔽性を有する構成であることが好ましい。補助壁17は、一対の側壁部12の後端部同士を連結するように、本体部10に対して固定される。これにより、載置部11上の読取空間Sp1は、その下面、左側面、右側面及び後面が、載置部11、一対の側壁部12及び補助壁17にて覆われることになる。結果的に、読取空間Sp1は、前面及び上面の計2面のみが開放された状態となる。
【0110】
店舗8のレイアウトによっては、例えば、本体部10を壁際に設置する等、本体部10の後方に人が入るスペースが確保されない場合がある。このようなレイアウトであれば、読取空間Sp1の後方の開口部13から商品91の出し入れが行われることはないので、本変形例のように補助壁17にて後方の開口部13を塞ぐことが好ましい。これにより、読取空間Sp1から後方への電波の漏洩、及び商品91の落下等を、補助壁17にて抑制することが可能である。
【0111】
(3.2)第2変形例
第2変形例に係る読取システム1は、図12A図13Cに例示するように、外観形状が実施形態1に係る読取システム1と相違する。
【0112】
図12Aに示す読取システム1では、インタフェース4が左右方向の一方の連結部41でのみ本体部10に連結される、片持ち形状を採用している。特に、図12Aの例では、連結部41は、一対の側壁部12のうちの右側の側壁部12の上端から上方に突出するように、側壁部12と一体化されている。この場合において、顧客90の動線M2は、図8及び図10に例示したように、精算処理を終えた顧客90は、本体部10の左側方を通って、動線M2に沿って本体部10の後方に移動することが好ましい。すなわち、片持ち形状の連結部41は、読取空間Sp1から見て、商品91を購入する顧客90の動線M2とは反対側に位置することが好ましい。読取空間Sp1と顧客90の動線M2との間に連結部41が存在しないことで、顧客90が読取空間Sp1に対する商品91の出し入れを行うに際して、連結部41が邪魔になりにくい。
【0113】
図12Bに示す読取システム1では、図12Aの例と比較して、インタフェース4及びケース42の向きが異なる。すなわち、図12Bでは、インタフェース4が顧客90の動線M2側を向くように、左方に向けて配置されている。この構成によれば、動線M2に沿って移動する顧客90にとって、インタフェース4を使用しやすくなる。
【0114】
図12Cに示す読取システム1では、図12Bの例と比較して、連結部41及びケース42の前後方向の寸法が小さく抑えられている。この構成によれば、顧客90が読取空間Sp1に対する商品91の出し入れを行うに際して、連結部41及びケース42が邪魔になりにくい。
【0115】
図13Aに示す読取システム1では、本体部10に取り付けられたモニタアームを連結部41として、インタフェース4と本体部10とが連結されている。この連結部41は、一対の側壁部12のうちの右側の側壁部12に固定されている。インタフェース4は、連結部41により、本体部10の正面に向けて固定されている。
【0116】
図13Bに示す読取システム1では、図13Aの例と比較して、インタフェース4の向きが異なる。すなわち、図13Bでは、インタフェース4が顧客90の動線M2側を向くように、左方に向けて配置されている。この構成によれば、動線M2に沿って移動する顧客90にとって、インタフェース4を使用しやすくなる。図13Bに示す構成は、図13Aに示す構成において、連結部41としてのモニタアームの角度を調整することで、実現可能である。
【0117】
図13Cに示す読取システム1では、インタフェース4が本体部10の一部に設けられている。図13Cの例では、本体部10の載置部11の一部にインタフェース4及びリーダ31が配置されている。インタフェース4は、載置部11の中でも特に、商品91が載せ置かれない第2領域112となる部位に配置されることが好ましい。この構成では、連結部41が不要であって、買物支援システム100の小型化を図りやすい。
【0118】
図12A図13Cに示す外観形状は一例に過ぎず、読取システム1は更に別の外観形状を採用してもよい。例えば、図12A図13Bのような、片持ち形状の連結部41は、読取空間Sp1の右側に限らず、読取空間Sp1の左側に配置されていてもよい。この場合、顧客90の動線は、読取空間Sp1から見て連結部41とは反対側、つまり右側に設定されることが好ましい。
【0119】
(3.3)その他の変形例
以下、第1及び第2変形例以外の実施形態1の変形例を列挙する。
【0120】
本開示における読取システム1及び買物支援システム100は、例えば、制御部40等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における読取システム1及び買物支援システム100としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0121】
また、買物支援システム100における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは買物支援システム100に必須の構成ではなく、買物支援システム100の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、買物支援システム100の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ装置及びクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている買物支援システム100の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0122】
また、買物支援システム100の用途は衣料品店に限らず、衣料品店以外の店舗に買物支援システム100が設置されていてもよい。
【0123】
また、電子タグ93は、パッシブ型のRFタグに限らず、アクティブ型のRFタグであってもよい。
【0124】
また、商品91を収容する容器92は、買物かごに限らず、例えば、袋(レジ袋)、バッグ又は箱等であってもよい。
【0125】
また、顧客90が商品91のピックアップと商品91を容器92に収容する作業と、を同時に行うことは、買物支援システム100に必須の事項でない。例えば、顧客90は、商品91のピックアップ後、精算処理の開始までの間に、商品91を容器92に収容してもよいし、精算処理後に、商品91を容器92に収容してもよい。この場合、商品91を容器92に収納する作業は、顧客90が行わなくてもよく、例えば、商品91が容器92に収納された状態で店舗8に陳列されていてもよいし、袋詰装置等を用いて自動的に行われてもよい。
【0126】
また、アンテナ21が複数のアンテナ素子211~214を有することは読取システム1に必須の構成ではなく、アンテナ21は複数のアンテナ素子を1つのみ有していてもよい。さらに、アンテナ21が複数のアンテナ素子211~214を有する場合でも、アンテナ素子211~214の数は4つに限らず、2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。また、アンテナ素子211~214の配置についても、実施形態1で示した構成に限らず、例えば、一対の側壁部12の各々に、アンテナ素子が2つ以上ずつ配置されていてもよい。一対の側壁部12の一方にのみ、アンテナ素子が配置されていてもよい。
【0127】
また、読取装置2は、商品91が容器92に収容された状態で、商品91に付された電子タグ93から商品情報を読み取る構成に限らず、容器92に収容されていない状態の商品91の電子タグ93から商品情報を読み取ってもよい。この場合、読取装置2で商品情報が読み取られた後、商品91は容器92に収容されてもよいし、容器92に収容されなくてもよい。
【0128】
さらに、容器92は、顧客90が店舗8内で使用する買物かご等の入れ物に限らず、顧客90が購入した商品91を持ち帰るために使用するマイかご、袋又はエコバッグ等の入れ物であってもよい。この場合、商品情報の読み取り後に、商品91を容器92に収容する作業(いわゆる袋詰めの作業)を行う必要がなく、容器92に収容された状態の商品91を、そのまま容器92ごと持ち帰ることができる。その結果、顧客90の買物の更なる効率化を図ることができる。
【0129】
また、制御部40が精算システム3と通信可能であることは、買物支援システム100に必須の構成ではなく、制御部40が精算システム3と通信可能でなくてもよい。例えば、制御部40自体に、商品情報に基づいて商品91についての精算処理を行う機能があってもよい。
【0130】
また、買物支援システム100は、商品91に付された電子タグ93に対して書込情報の書き込みを行う書込装置を更に備えていてもよい。具体的には、電子タグ93を対象にしてデータ(情報)の読み取り及び書き込みが可能なリーダライタからなる読取装置2が、書込装置に兼用されてもよい。書込装置は、一例として、電子タグ93が付された商品91について精算処理が完了していることを表す清算済み情報を電子タグ93に書き込む。この場合に、ゲート装置53にて精算済み情報が電子タグ93に書き込まれているか否かを判断し、精算済み情報が書き込まれていなければ報知処理を行うことが可能である。すなわち、書込装置にて、いわゆる「キルタグ」の機能を実現する場合には、制御部40にて精算済みフラグの値を「1」にする処理を実行しなくても、店舗から持ち出される商品91について、精算処理が正常に完了していることを確認可能である。
【0131】
また、顧客検知装置51、トリガ検知装置52及びゲート装置53は、買物支援システム100に必須の構成ではなく、顧客検知装置51、トリガ検知装置52及びゲート装置53のうちの少なくとも1つは適宜省略されていてもよい。例えば、トリガ検知装置52は適宜省略可能であって、この場合、制御部40は、例えば、インタフェース4が顧客90の特定の操作を受け付けたことをトリガにして、商品情報の読取りを開始してもよい。つまり、商品情報の読取り開始タイミングは、対物センサ等によって自動で決定される構成に限らず、顧客90の操作にて決定されてもよい。
【0132】
また、インタフェース4、制御部40及び連結部41は、読取システム1に必須の構成ではなく、インタフェース4、制御部40及び連結部41のうちの少なくとも1つは適宜省略されていてもよい。
【0133】
また、アンテナ21は、マイクロストリップアンテナ(パッチアンテナ)に限らず、例えば、モノポールアンテナ、逆F形アンテナ又はスロットアンテナ等であってもよい。アンテナ21は、円偏波に限らず、例えば、楕円偏波又は直線偏波等のアンテナであってもよい。
【0134】
また、一対の側壁部12が読取空間Sp1側からの電波を反射することは必須でなく、一対の側壁部12は、電波吸収特性を有することで電波遮蔽性を有していてもよい。この場合、各側壁部12は、一例として、電波を吸収し反射波を減らす、電波吸収体又は電波吸収材料(RAM:Radar absorbent material)で形成される。これにより、電波の多重反射に起因した電波の干渉が抑制される。すなわち、各側壁部12は、電波の反射と吸収との少なくとも一方を行うことにより、電波遮蔽性を実現すればよい。また、電波遮蔽性は、一例として、一対の側壁部12に対する金属蒸着又は金属シートの貼り付け等で実現されてもよい。
【0135】
また、載置部11が第1領域111と第2領域112とを含むことは必須でなく、第2領域112は省略されてもよい。すなわち、載置部11は、その全域が商品91を載せ置きやすい形状(例えば、水平面に沿った平面)であってもよい。また、第2領域112は、実施形態1のような傾斜面に限らず、例えば、前端側ほど高くなるように傾斜した傾斜面であってもよいし、凹凸面又はR面(曲面)等であってもよい。
【0136】
また、連結部41は、少なくとも本体部10とインタフェース4とを機械的に連結すればよく、本体部10に対してインタフェース4の向きが可変となるように、本体部10とインタフェース4とを連結していてもよい。
【0137】
また、一対の側方アンテナ素子(アンテナ素子213,214)は、左右方向の一方から見て、互いの中心P3,P4同士が離間すればよく、これら中心P3,P4同士の離間する方向は前後方向に限らない。すなわち、一対の側壁部12に設けられたアンテナ素子213とアンテナ素子214とは、対向方向(左右方向)に直交する平面内で互いにずれて配置されていればよい。例えば、アンテナ素子213とアンテナ素子214とは、上下方向にずれて配置されていてもよいし、上下方向かつ前後方向にずれて配置されていてもよい。さらに、アンテナ素子213及びアンテナ素子214は、左右方向の一方から見て、互いにオーバーラップする領域を残すことは必須でなく、左右方向の一方から見て、互いにオーバーラップしない程度にずれて配置されていてもよい。
【0138】
また、アンテナ21は、本体部10の内部に収容される構成に限らず、例えば、本体部10の表面から露出するように設けられていてもよい。例えば、アンテナ21のうちの一対の側方アンテナ素子(アンテナ素子213,214)は、一対の側壁部12の対向面にそれぞれ貼り付けられていてもよい。
【0139】
(実施形態2)
本実施形態に係る買物支援システム100Aは、図14に示すように、読取システム1Aの本体部10が拡張モジュール61を接続可能に構成されている点で、実施形態1に係る買物支援システム100と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0140】
すなわち、本実施形態では、読取システム1Aの本体部10に対して、種々の拡張モジュール61を接続して使用することが可能である。図14の例では、本体部10の左方に、拡張モジュール61が配置されている。つまり、本体部10と拡張モジュール61とは、左右方向に並べて設置され、いずれも店舗8の床面上に設置される。この拡張モジュール61は、左右方向の一方から見て、本体部10と同一形状になるような直方体状に形成されている。ここでは、本体部10と拡張モジュール61とは、互いに接するように、隙間なく並べられている。
【0141】
図14に例示する拡張モジュール61は、インタフェース4及び精算システム3(リーダ31を含む)を有している。そのため、読取システム1Aは、拡張モジュール61と共に買物支援システム100Aを構成する。また、拡張モジュール61は、その上面に平坦な荷物置き部611を有している。これにより、顧客90は、拡張モジュール61の荷物置き部611を荷詰め台として利用したり、精算処理の際に拡張モジュール61の荷物置き部611に手荷物を置いたりすることができる。
【0142】
ところで、本実施形態に係る読取システム1Aは、図15A図15Dに示すように、拡張モジュール61を接続するための構成として接続部18を本体部10に有している。すなわち、本実施形態では、本体部10は、本体部10と左右方向に並べて設置される拡張モジュール61を接続する接続部18を更に有している。ここでいう「接続」とは、電気的な接続と、機械的な接続(結合)との少なくとも一方を意味する。本実施形態では、接続部18は、本体部10と拡張モジュール61との間における、電気的な接続及び機械的な接続の両方に用いられる。電気的な接続は、コネクタ接続にて実現されてもよいし、ケーブル接続にて実現されてもよく、ケーブル接続の場合には接続部18はケーブルを通すための通線孔となる。ここでは、接続部18に加えて、本体部10と拡張モジュール61とは、その底面同士が結合金具にて機械的に接続されている。
【0143】
本実施形態に係る読取システム1Aの基本的な構成及び形状は、図15A図15Dに示すように、実施形態1に係る読取システム1と同様である。そして、読取システム1Aは、インタフェース4を本体部10に連結するための連結部41に代えて、拡張モジュール61を接続するための接続部18を本体部10に有している。本実施形態では、接続部18は、本体部10の左右方向の少なくとも一方の側面に設けられている。そのため、本体部10と拡張モジュール61とが互いに接するように隙間なく並べて設置される場合、接続部18は拡張モジュール61にて覆われ、接続部18が露出することを防止できる。
【0144】
さらに、本実施形態では、接続部18は、本体部10の左右方向の両側面に設けられている。つまり、本体部10は、一対の接続部18を有している。これにより、拡張モジュール61は、本体部10の左側又は右側のいずれにも設置可能である。また、接続部18は、不使用時、つまり拡張モジュール61を接続しない場合には、キャップにて覆われていることが好ましい。
【0145】
ところで、本実施形態では、図16に示すように、読取システム1Aと組み合わせる拡張モジュールは、複数種類の拡張モジュール61,62の中から選択可能である。すなわち、読取システム1Aの接続部18には、拡張モジュール61だけでなく、他の種類の拡張モジュール62も接続可能である。例えば、店舗8のレイアウト又は業務形態等によって、読取システム1Aに付加される拡張機能として、様々な拡張機能が要求される場合がある。このような拡張機能に応じて、本体部10と組み合わされる拡張モジュールを選択することで、本体部10を様々な状況で使用することができる。
【0146】
図16は、読取システム1Aと拡張モジュールとが組み合わされる様子を概念的に表す説明図である。すなわち、複数種類の拡張モジュール61,62のうち拡張モジュール61が読取システム1Aに組み合わされることで、図16における矢印A1の先に示すような、買物支援システム100Aが構成される。一方、複数種類の拡張モジュール61,62のうち拡張モジュール62が読取システム1Aに組み合わされることで、図16における矢印A2の先に示すような、買物支援システム100Aが構成される。拡張モジュール62は、インタフェース4及び精算システム3を有し、リーダ31に代えて、精算処理に際して現金による支払いを実現するための現金ユニット621を有している。すなわち、読取システム1Aに拡張モジュール62が組み合わされることで、現金による支払いへの対応機能が本体部10に付加される。
【0147】
図16で示す拡張モジュール61,62は一例に過ぎず、機能、形状又はサイズが異なる複数種類の拡張モジュールの中から、読取システム1Aと組み合わせる拡張モジュールが適宜選択されてもよい。さらに、複数台の拡張モジュールが本体部10に接続されてもよい。
【0148】
本実施形態に係る読取システム1Aによれば、組み合わせる拡張モジュールによって、様々な拡張機能を本体部10に付加することが可能である。したがって、本体部10は共通としながら、要求に応じた拡張性の高い読取システム1Aの提供が可能となる。
【0149】
実施形態2の変形例に係る読取システム1Aは、図17に示すように、補助壁17を更に備えている。補助壁17は、一対の開口部13(図5参照)のうち、商品91を購入する顧客90の動線方向において読取空間Sp1(図5参照)の奥側となる開口部13を塞ぐように、本体部10に取り外し可能に取り付けられる。すなわち、補助壁17は、読取空間Sp1の前後方向の両側に位置する一対の開口部13のうち、後方の開口部13を塞ぐように本体部10に取り付けられる。これにより、実施形態1の第1変形例と同様に、読取空間Sp1から後方への電波の漏洩、及び商品91の落下等を、補助壁17にて抑制することが可能である。
【0150】
また、実施形態2の他の変形例として、接続部18は、拡張モジュール61,62との間で、電気的な接続と、機械的な接続とのいずれか一方のみを実現してもよい。一例として、荷詰め台のように、電気的な機能の無い拡張モジュールであれば、接続部18は、機械的な接続(結合)のみを行う。
【0151】
実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて適用可能である。
【0152】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る読取システム(1,1A)は、本体部(10)と、読取装置(2)と、を備える。本体部(10)は、商品(91)が載せ置かれる載置部(11)を有する。読取装置(2)は、載置部(11)に商品(91)が載せ置かれた際に、載置部(11)の上方の読取空間(Sp1)内に位置する商品(91)に付された電子タグ(93)と電波を媒体とする無線通信を行うことにより、商品(91)に関する商品情報を読み取る。本体部(10)は、読取空間(Sp1)の左右方向の両側に位置する一対の側壁部(12)を更に有する。一対の側壁部(12)は電波遮蔽性を有する。読取空間(Sp1)の少なくとも前後方向の両側には一対の開口部(13)が位置する。一対の開口部(13)のいずれもが読取空間(Sp1)からの商品(91)の取出口として利用可能である。
【0153】
この態様によれば、載置部(11)に商品(91)が載せ置かれた際に、読取装置(2)が、読取空間(Sp1)内の商品(91)に関する商品情報を読み取る。ここで、読取空間(Sp1)は、載置部(11)の上方の空間であるので、商品(91)が載置部(11)に載せ置かれていれば、この商品(91)に関する商品情報は読取装置(2)にて読取可能となる。しかも、読取空間(Sp1)の左右方向の両側には、電波遮蔽性を有する一対の側壁部(12)が設けられるのに対し、読取空間(Sp1)の少なくとも前後方向の両側には一対の開口部(13)が位置する。そして、一対の開口部(13)のいずれもが読取空間(Sp1)からの商品(91)の取出口として利用可能である。したがって、読取システム(1,1A)によれば、読取空間(Sp1)の左右方向の両側への電波の漏洩は一対の側壁部(12)にて低減しながらも、一対の開口部(13)からは、読取空間(Sp1)に対する商品(91)の出し入れが可能である。そのため、商品(91)の購入のための顧客(90)の待ち時間の短縮を図ることができる。
【0154】
第2の態様に係る読取システム(1,1A)では、第1の態様において、読取装置(2)は、一対の側壁部(12)の少なくとも一方に設けられて電波を受信するアンテナ(21)を有する。
【0155】
この態様によれば、読取空間(Sp1)に近い位置に設けられたアンテナ(21)にて電波を受信することで、比較的安定した無線通信を実現しやすい。
【0156】
第3の態様に係る読取システム(1,1A)では、第2の態様において、アンテナ(21)は、一対の側壁部(12)の両方に設けられた一対の側方アンテナ素子(213,214)を含む。一対の側方アンテナ素子(213,214)は、左右方向の一方から見て、互いの中心(P3,P4)同士が離間するように配置されている。
【0157】
この態様によれば、一対の側方アンテナ素子(213,214)の中心(P3,P4)同士が離間しているので、一対の側方アンテナ素子(213,214)が互いのヌル点を補完し合うことで、比較的安定した無線通信を実現しやすい。
【0158】
第4の態様に係る読取システム(1,1A)では、第2又は3の態様において、アンテナ(21)は、載置部(11)の下方に設けられた下方アンテナ素子(211,212)を含む。
【0159】
この態様によれば、読取空間(Sp1)に近い位置に設けられたアンテナ(21)にて電波を受信することで、比較的安定した無線通信を実現しやすい。
【0160】
第5の態様に係る読取システム(1,1A)では、第4の態様において、本体部(10)は、離間部(16)を更に有する。離間部(16)は、載置部(11)と下方アンテナ素子(211,212)との間に位置し、電波透過性を有する。
【0161】
この態様によれば、下方アンテナ素子(211,212)が放射状に広がる電波の放射特性を有する場合でも、載置部(11)の上方の読取空間(Sp1)内の隅々まで、電波が届きやすくなる。
【0162】
第6の態様に係る読取システム(1,1A)では、第4又は5の態様において、下方アンテナ素子(211,212)は、複数のアンテナ素子(211,212)を含む。
【0163】
この態様によれば、1つのアンテナ素子に比べて、アンテナ素子(211,212)からの電波の放射範囲を広げることができる。
【0164】
第7の態様に係る読取システム(1,1A)では、第1~6のいずれかの態様において、一対の側壁部(12)は、少なくとも読取空間(Sp1)側からの電波を反射する。
【0165】
この態様によれば、読取空間(Sp1)からの電波の少なくとも一部を、一対の側壁部(12)にて読取空間(Sp1)側に戻すことができる。その結果、読取空間(Sp1)内の電子タグ(93)から商品情報を読み取るために読取空間(Sp1)に放射される電波を、有効に利用することができる。
【0166】
第8の態様に係る読取システム(1,1A)は、第1~7のいずれかの態様において、インタフェース(4)と、連結部(41)と、を更に備える。インタフェース(4)は、商品情報に基づく出力情報の顧客(90)への提示と、顧客(90)の操作の受付けとの少なくとも一方を行う。連結部(41)は、本体部(10)とインタフェース(4)とを連結する。
【0167】
この態様によれば、インタフェース(4)にて、商品情報に基づく出力情報の顧客(90)への提示と、顧客(90)の操作の受付けとの少なくとも一方を実現できる。
【0168】
第9の態様に係る読取システム(1,1A)では、第8の態様において、連結部(41)は、読取空間(Sp1)から見て、商品(91)を購入する顧客(90)の動線(M2)とは反対側に位置する。
【0169】
この態様によれば、動線(M2)に沿って移動する顧客(90)にとって、連結部(41)が邪魔になりにくい。
【0170】
第10の態様に係る読取システム(1,1A)は、第1~9のいずれかの態様において、補助壁(17)を更に備える。補助壁(17)は、一対の開口部(13)のうち、商品(91)を購入する顧客(90)の動線方向において読取空間(Sp1)の奥側となる開口部(13)を塞ぐように、本体部(10)に取り外し可能に取り付けられる。
【0171】
この態様によれば、一対の開口部(13)のうち商品(91)の取出口として用いない側の開口部(13)を塞ぐことで、例えば、読取空間(Sp1)からの商品(91)の落下等を抑制することが可能である。
【0172】
第11の態様に係る読取システム(1,1A)では、第1~10のいずれかの態様において、載置部(11)は、第1領域(111)と、第2領域(112)と、を含む。第2領域(112)は、第1領域(111)に比べて商品(91)を載せ置きにくい形状の領域である。
【0173】
この態様によれば、顧客(90)にとっては、商品(91)を載せ置きやすい第1領域(111)に商品(91)を載せ置くことが自然と促され、載置部(11)のうちの商品(91)が載せ置かれる領域を、コントロールしやすくなる。
【0174】
第12の態様に係る読取システム(1,1A)では、第1~11のいずれかの態様において、本体部(10)は、読取空間(Sp1)から見て、載置部(11)とは反対側が開放されている。
【0175】
この態様によれば、読取空間(Sp1)に対しては、読取空間(Sp1)の3方向からアクセス可能となり、読取空間(Sp1)に対する商品(91)の出し入れが格段に容易になる。
【0176】
第13の態様に係る読取システム(1,1A)では、第1~12のいずれかの態様において、本体部(10)は、拡張モジュール(61,62)を接続する接続部(18)を更に有する。拡張モジュール(61,62)は、本体部(10)と左右方向に並べて設置される。
【0177】
この態様によれば、組み合わせる拡張モジュール(61,62)によって、様々な拡張機能を本体部(10)に付加することが可能である。したがって、本体部(10)は共通としながら、要求に応じた拡張性の高い読取システム(1,1A)の提供が可能となる。
【0178】
第14の態様に係る買物支援システム(100,100A)は、第1~13のいずれかの態様に係る読取システム(1,1A)と、精算システム(3)と、を備える。精算システム(3)は、商品情報に基づいて精算処理を行う。
【0179】
この態様によれば、商品(91)の購入のための顧客(90)の待ち時間の短縮を図ることができる。
【0180】
第13の態様については、それ単独でも実施し得る態様であって、第1~12のいずれかの態様を前提とすることは必須ではない。すなわち、第13の態様に係る読取システム(1,1A)では、例えば、本体部(10)における一対の側壁部(12)が省略されてもよいし、一対の開口部(13)が省略されてもよい。この場合、第13の態様に係る読取システム(1,1A)は、本体部(10)と、読取装置(2)と、を備える。本体部(10)は、商品(91)が載せ置かれる載置部(11)を有する。読取装置(2)は、載置部(11)に商品(91)が載せ置かれた際に、載置部(11)の上方の読取空間(Sp1)内に位置する商品(91)に付された電子タグ(93)と電波を媒体とする無線通信を行うことにより、商品(91)に関する商品情報を読み取る。ここで、本体部(10)は、拡張モジュール(61,62)を接続する接続部(18)を更に有する。拡張モジュール(61,62)は、本体部(10)と左右方向に並べて設置される。
【0181】
このように、第13の態様については、それ単独で実現される場合でも、第13の態様に係る読取システム(1,1A)は、精算システム(3)と共に、買物支援システム(100,100A)を構成可能である。
【0182】
第2~13の態様に係る構成については、読取システム(1,1A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0183】
1,1A 読取システム
2 読取装置
3 精算システム
4 インタフェース
10 本体部
11 載置部
12 側壁部
13 開口部
16 離間部
17 補助壁
18 接続部
21 アンテナ
41 連結部
61,62 拡張モジュール
90 顧客
91 商品
93 電子タグ
100,100A 買物支援システム
111 第1領域
112 第2領域
211,212 下方アンテナ素子
213,214 側方アンテナ素子
M1,M2 動線
P3,P4 (アンテナ素子の)中心
Sp1 読取空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17