IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

特許7289104予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム
<>
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図1
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図2
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図3
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図4
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図5
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図6
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図7
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図8
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図9
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図10
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図11
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図12
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図13
  • 特許-予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】予約管理システム、予約管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20230602BHJP
【FI】
G06Q10/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019555276
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(86)【国際出願番号】 JP2018042138
(87)【国際公開番号】W WO2019102916
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】P 2017223286
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018108994
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】今井 富一
(72)【発明者】
【氏名】塚本 直哉
(72)【発明者】
【氏名】大川 貴之
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3191580(JP,U)
【文献】特開平05-067115(JP,A)
【文献】特開2009-174136(JP,A)
【文献】特開平04-076688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1位置と第2位置との間で移動可能な操作部を有し、前記操作部が移動された場合に、前記操作部の移動情報と、ID情報とを含む無線信号を送信する入力装置と、
前記入力装置が送信した前記無線信号に基づいて、予約管理を行う予約管理部と、を備え、
前記操作部は、
予約の実行が開始される場合、前記第1位置から前記第2位置に移動され、
予約の実行が終了される場合、前記第2位置から前記第1位置に移動され、
前記予約管理部は、
時刻を計時する計時部と、
予約開始時刻を含む予約情報、及び前記ID情報を対応付けて記憶する記憶部と、
現在の時刻と前記予約開始時刻と前記移動情報とに基づいて、予約の実行状況を判断する判断部と、を有し、
前記判断部は、予約がない時間帯に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動された場合、現在の時刻を前記予約開始時刻とする前記予約情報を前記記憶部に記憶する、
予約管理システム。
【請求項2】
前記判断部は、前記操作部が前記第2位置から前記第1位置に移動されてから、所定時間後に予約の実行が終了したと判断する、
請求項1に記載の予約管理システム。
【請求項3】
前記判断部は、
前記予約開始時刻に前記操作部が前記第2位置にある場合、予約の実行が開始されたと判断し、
前記予約開始時刻から所定時間までに前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動されなかった場合、予約をキャンセルする、
請求項1又は2に記載の予約管理システム。
【請求項4】
前記判断部は、予約がない時間帯に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動された場合、前記記憶部に、現在の時刻から所定時間後、又は次の予約の前記予約開始時刻を予約終了時刻とする前記予約情報を前記記憶部に記憶する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の予約管理システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記入力装置における前記操作部の現在の位置と前記ID情報とを対応付けて記憶する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の予約管理システム。
【請求項6】
予約の実行が開始される場合に第1位置から第2位置に移動され、予約の実行が終了される場合に前記第2位置から前記第1位置に移動される操作部を有し、前記操作部が移動された場合に、前記操作部の移動情報と、ID情報とを含む無線信号を送信する入力装置が送信した前記無線信号に基づいて、予約管理を行う予約管理方法であって、
予約開始時刻を含む予約情報、及び前記ID情報を対応付けて記憶部に記憶し、
現在の時刻と前記予約開始時刻と前記移動情報とに基づいて、予約の実行状況を判断し、
予約がない時間帯に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動された場合、現在の時刻を前記予約開始時刻とする前記予約情報を前記記憶部に記憶する、
予約管理方法。
【請求項7】
コンピュータシステムに、請求項6に記載の予約管理方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に予約管理システム、予約管理方法、及びプログラムに関し、より詳細には予約を管理する予約管理システム、予約管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議室や打ち合せコーナーなどの利用状況を遠隔的に確認可能とする利用状況管理システム(予約管理システム)がある(例えば、特許文献1参照)。従来の利用状況管理システムは、表示プレート装置と、中継器と、処理装置と、を含んでいる。
【0003】
表示プレートは、プレート支持部材と、通信部と、を備えている。プレート支持部材は、表示プレートを着脱自在に保持し、スライド操作により表示窓に表示プレートの第1状態情報を位置させる第1位置と、表示窓に表示プレートの第2状態情報を位置させる第2位置と、の間で移動自在に設けられている。通信部は、プレート支持部材の移動に応じた信号を送信する。
【0004】
中継器は、表示プレート装置からの信号を受信し、通信プロトコルを変換して送信する。
【0005】
処理装置は、中継器から受信した信号に基づき、表示プレート装置で選択表示している第1状態情報又は第2状態情報に対応した状態を画面に表示する。
【0006】
しかしながら、従来の予約管理システムでは、施設の利用状況が画面に表示されるに過ぎず、予約情報と利用状況との連携ができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】登録実用新案第3191580号公報
【発明の概要】
【0008】
本開示は、この問題を解決したもので、予約情報と予約の実行状況との連携が可能な予約管理システム、予約管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【0009】
本開示の一態様に係る予約管理システムは、入力装置と、予約管理部と、を備える。前記入力装置は、第1位置と第2位置との間で移動可能な操作部を有し、前記操作部が移動された場合に、前記操作部の移動情報と、ID情報とを含む無線信号を送信する。前記予約管理部は、前記入力装置が送信した前記無線信号に基づいて、予約管理を行う。前記操作部は、予約の実行が開始される場合、前記第1位置から前記第2位置に移動され、予約の実行が終了される場合、前記第2位置から前記第1位置に移動される。前記予約管理部は、計時部と、記憶部と、判断部と、を有する。前記計時部は、時刻を計時する。前記記憶部は、予約開始時刻を含む予約情報、及び前記ID情報を対応付けて記憶する。前記判断部は、現在の時刻と前記予約開始時刻と前記移動情報とに基づいて、予約の実行状況を判断する。前記判断部は、予約がない時間帯に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動された場合、現在の時刻を前記予約開始時刻とする前記予約情報を前記記憶部に記憶する。
【0011】
本開示の一態様に係る予約管理方法は、入力装置が送信した無線信号に基づいて、予約管理を行う。前記入力装置は、操作部を有する。前記操作部は、予約の実行が開始される場合に第1位置から第2位置に移動され、予約の実行が終了される場合に前記第2位置から前記第1位置に移動される。前記入力装置は、前記操作部が移動された場合に、前記操作部の移動情報と、ID情報とを含む無線信号を送信する。前記予約管理方法は、予約開始時刻を含む予約情報、及び前記ID情報を対応付けて記憶部に記憶し、現在の時刻と前記予約開始時刻と前記移動情報とに基づいて、予約の実行状況を判断する。前記予約管理方法は、予約がない時間帯に前記操作部が前記第1位置から前記第2位置に移動された場合、現在の時刻を前記予約開始時刻とする前記予約情報を前記記憶部に記憶する。
【0012】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに前記予約管理方法を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る予約管理システムのブロック図である。
図2図2Aは、同上の予約管理システムの入力装置の概略図である。図2Bは、同上の入力装置の平面図である。
図3図3は、同上の予約管理システムの基本動作のフローチャートである。
図4図4は、同上の予約管理システムの第1動作例のフローチャートである。
図5図5は、同上の予約管理システムの第2動作例のフローチャートである。
図6図6は、同上の予約管理システムの第3動作例のフローチャートである。
図7図7は、同上の予約管理システムの第4動作例のフローチャートである。
図8図8は、同上の予約管理システムの動作説明図である。
図9図9は、同上の予約管理システムの動作説明図である。
図10図10Aは、一実施形態に係る予約管理システムの第1変形例の入力装置の概略図である。図10Bは、同上の入力装置の平面図である。
図11図11Aは、同上の入力装置が扉に設置された状態の正面図である。図11Bは、同上の入力装置が扉に設置された状態の平面図である。
図12図12は、同上の入力装置が壁に設置された状態の平面図である。
図13図13は、同上の入力装置の変形例の概略図である。
図14図14Aは、同上の入力装置の別の変形例の第1状態の平面図である。図14Bは、同上の入力装置の別の変形例の第2状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0015】
(実施形態1)
(1)概要
以下、本実施形態における予約管理システムについて説明する前に、一般的な予約管理システムについて説明する。一般的な予約管理システムは、例えば会議室の入退室を管理する入退室管理装置を有している。入退室管理装置は、たとえば人感センサあるいはICカードリーダなどの人を検知するための検知装置、あるいはドアの開閉を検知するセンサなどと、パーソナルコンピュータ(以下単にコンピュータという)あるいはタブレット端末などと、を含んでいる。検知装置の出力は、コンピュータへと入力されている。そして、管理装置は、管理対象の会議室へ設置されており、会議室に配線された電源線を介した電力の供給を受けて動作する。
【0016】
ところが、たとえば展示会の会場に設営された臨時の会議室や打合せスペースなどでは、これらの施設全てに電源線を配線することや、検知装置を準備することは、長い作業時間や費用を要する。また、展示会の場合、催しによって会議室や打合せスペースなどの配置や場所などが異なる場合がある。さらに、これらの場合を含め、入室セキュリティが低く、不特定多数の人間が出入りでき、監視も不十分な施設に、高価なコンピュータやタブレット端末を設置することは防犯上の面からも好ましくない。
【0017】
そこで、本実施形態に係る予約管理システムは、電源線、LANケーブル(LAN: Local Area Network)などが配線されていない場所、さらには不特定多数の人が利用するようなセキュリティの低い場所などにおいても、安価にかつ簡単に設置できる予約管理システムの実現を目指している。
【0018】
本実施形態に係る予約管理システム11の概念図を図1に示す。本実施形態に係る予約管理システム11は、予約対象の予約、及び予約の実行状況などを管理するシステムである。
【0019】
本実施形態では、予約対象は、例えば会社内の会議室12a、打合せスペース12bなど(以下、これらを総称して施設12という)の利用である。つまり、本実施形態では、予約管理システム11は、施設12の利用予約、施設12の利用状況などを管理する。ここで、打合せスペース12bとは、隣とのスペースとの間が壁などで区切られておらず、打合せのための机や椅子などが複数設置された空間である。
【0020】
予約管理システム11は、入力装置21と、予約管理部としての予約管理装置41と、入力端末51と、を有している。
【0021】
入力装置21は、施設12の利用状況を周囲に知らせ、かつ、その利用状況を無線信号を介して予約管理装置41に出力する装置である。入力装置21は、施設12あるいは施設12の近くに設置される。入力装置21は、ユーザ(利用者)の操作によって移動する操作部211(図2A図2B参照)を有している。操作部211の移動によって、表示部2111の2つの表記(例えば、「入室」及び「空室」)のうち、一方の表記が選択的に露出され、他方の表記が選択的に被覆される。この結果、表示部2111の表示状態(「入室」、「空室」)で、施設12の利用状況が周囲に知らせられる。表示部2111の表示状態とは、2つの表記(「入室」、「空室」)のうち、露出している表記を示している。また、入力装置21は、操作部211が移動されると、その移動情報とID情報とを含む状態信号を無線信号で送信する。移動情報とは、操作部211の移動方向を示す情報である。
【0022】
予約管理装置41は、例えばサーバであって、入力装置21及び入力端末51と通信可能に構成されている。予約管理装置41は、施設12の予約管理を行う。具体的には、予約管理装置41は、施設12の利用予約の受け付け、施設12の予約状況、施設12の利用状況などを管理する。
【0023】
予約管理装置41は、回線61に接続されている。回線61は、ネットワーク回線であって、インターネット回線あるいは、社内イントラネット回線などを含んでも良い。回線61には、中継器31がさらに接続されている。中継器31は、入力装置21との間で無線通信が可能に構成されている。つまり、本実施形態では、入力装置21から送信された無線信号は、中継器31で受信され、回線61を介して無線信号に含まれる移動情報及びID情報が予約管理装置41に送信される。これにより、予約管理システム11は、施設12にLANケーブルなどが配線されていなくても、施設12の利用状況を管理することができる。
【0024】
入力端末51は、施設12を利用したい人(以下、利用者)が操作する端末である。利用者は、入力端末51を用いて、施設12の利用予約の入力(申請)、施設12の予約状況、利用状況の確認等を行うことができる。
【0025】
本実施形態の予約管理システム11では、施設12の利用するユーザ(利用者)が、施設12の利用を開始する際に、入力装置21の操作部211を操作して表示部2111の表示状態を「空室」から「入室」に変更する入室操作を行う。この入室操作をトリガとして、入力装置21から状態信号が送信される。また、利用者が、施設12の利用を終了する際に、入力装置21の操作部211を操作して表示部2111の表示状態を「入室」から「空室」に変更する退室操作を行う。この退室操作をトリガとして、入力装置21から状態信号が送信される。予約管理装置41は、入力装置21から送信された状態信号に含まれる移動情報と、施設12の予約状況と、現在の時刻と、に基づいて、施設12の予約の実行状況(利用状況)を判断する。
【0026】
これにより、予約管理システム11では、簡易な構成で施設12の予約情報と利用状況(予約の実行状況)との連携が可能になる。
【0027】
(2)予約管理システムの構成
以下に、予約管理システム11の構成について説明する。
【0028】
(2.1)入力装置
まず、入力装置21の構成について、図2A図2Bを参照して説明する。
【0029】
図2Aは、入力装置21の概念図である。図2Bは、入力装置21の正面図である。
【0030】
入力装置21は、操作部211と、移動検知部212と、電源部213と、通信部214と、ケース215と、を有している。操作部211と、移動検知部212と、電源部213と、通信部214とは、ケース215内に収納(保持)されている。
【0031】
図1に示すように、施設12が会議室12aである場合、入力装置21(ケース215)は、たとえば会議室12aの出入口の扉、出入口付近の壁などの構造物に設置される。また、施設12が打合せスペース12bのようなオープンスペースである場合、入力装置21(ケース215)は、たとえば机の上に設置される。
【0032】
ケース215は、一方向(図2A図2Bでは左右方向)に長い直方体状に形成されている。ケース215は、固定部によって出入口の扉、机、壁などの構造物に固定される。固定部は、例えば、ケース215の外面に設けられた両面テープである。固定部は、ケース215に形成された固定孔を介して構造物に結合されるねじであってもよい。また、固定部は、扉、壁等の構造物が磁性体である場合、磁石であってもよい。
【0033】
また、ケース215の正面には、一方向に長い矩形状の開口2151が形成されている。
【0034】
操作部211は、ケース215内におけるケース215の正面側に配置されており、一方向に沿った往復移動が可能に構成されている。図2A図2B中の矢印は、操作部211の移動方向を示しており、実態を伴うものではない。操作部211は、表示部2111と、つまみ2112と、一対の突出部2113と、を有している。表示部2111は、一方向に長い矩形板状に形成されている。つまみ2112は、表示部2111の一面(開口2151側の面)における一方向の中央部から突出しており、ケース215の開口2151を貫通している。利用者は、ケース215から突出したつまみ2112に指をかけて、操作部211を一方向にスライド移動させることができる。つまり、操作部211は、第1位置と第2位置との間を一方向に移動可能である。第1位置とは、ケース215の開口2151における一方向(開口2151の長手方向)の一端側につまみ2112がある状態の位置であり、第2位置とは、ケース215の開口2151における一方向の他端側につまみ2112がある状態の位置である。
【0035】
表示部2111の一面には、予約の実行状況(施設12の利用状況)を示す2つの表記(「入室(又は使用中)」、「空室」)が設けられている。一方の表記は、つまみ2112に対して一方側に設けられ、他方の表記は、つまみに対して他方側に設けられている。言い換えれば、予約の実行状況を示す2つの表記は、ケース215の開口2151から突出するつまみ2112を挟んだ位置に設けられている。これにより、操作部211が第1位置にある場合、一方の表記が開口2151から露出し、他方の表記がケース215で覆われる。また、操作部211が第2位置にある場合、他方の表記が開口2151から露出し、一方の表記がケース215で覆われる。つまり、操作部211が第1位置にある場合と第2位置にある場合とで、2つの表記のうち開口2151から露出する表記が選択的に切り替わる。本実施形態では、操作部211が第1位置にある場合、「空室」という表記が開口2151から露出し、操作部211が第2位置にある場合、「入室」という表記が開口2151から露出する。なお、2つの表記は、文字で表されていてもよいし、色、記号、図形などで表されていてもよい。また、入力装置21は、操作部211の位置に応じて表示内容が変化する液晶ディスプレイ、LEDなどを表示部として備えていてもよい。この場合、表示部は、操作部211とは別体に設けられていてもよい。
【0036】
一対の突出部2113は、表示部2111の他面(開口2151と反対側の面)から突出している。一対の突出部2113は、一方向において離れて形成されており、2つの表記(「入室」、「空室」)の裏側部分に設けられている。
【0037】
移動検知部212は、操作部211の移動を検知するように構成されている。具体的には、移動検知部212は、操作部211が第1位置から第2位置へ移動したか、操作部211が第2位置から第1位置へ移動したか、を検知するように構成されている。移動検知部212は、2つスイッチ2121を備えている。2つのスイッチ2121は、例えばプッシュスイッチで構成されている。2つのスイッチ2121は、操作部211の位置に応じて、一方のスイッチ2121のみが突出部2113によって押されてオンするように配置されている。つまり、操作部211が第1位置にある場合、一方のスイッチ2121がオンして他方のスイッチ2121がオフし、操作部211が第2位置にある場合、一方のスイッチ2121がオフして他方のスイッチ2121がオンする。これにより、移動検知部212は、2つのスイッチ2121のオン/オフ状態によって、操作部211が第1位置から第2位置へ移動したか、操作部211が第2位置から第1位置へ移動したか、を検知することができる。
【0038】
電源部213は、たとえば一次電池であり、通信部214及び移動検知部212に電力を供給する。なお、電源部213は、一次電池に限られず、二次電池や、商用電源であってもよい。また、電源部213は、操作部211の移動によって電力を生成する発電装置であってもよい。この場合、電源部213は、コイルを備え、操作部211の移動に伴って移動する磁石による電磁誘導によって電力を発生する。電源部213は、操作部211の移動によって電力を発生するので、電源部213が移動検知部212を兼ねることができる。電源部213が発電装置である場合、電池交換が不要となり、利便性が向上する。
【0039】
通信部214は、無線信号を送信可能な無線通信モジュールである。通信部214は、移動検知部212が操作部211の移動を検知すると、状態信号を送信する。状態信号は、無線信号であって、ID情報と移動情報とを含んでいる。
【0040】
ID情報とは、入力装置21の固有情報である。ID情報は、入力装置21の識別だけでなく、入力装置21が設けられている施設12の識別に用いることができる。例えば、ID情報と施設12の管理IDとを対応付けておくことによって、予約管理装置41は、複数の施設12のうち、どの施設12に設けられた入力装置21からの状態信号であるかを識別することができる。ID情報は、入力装置21に設けられたメモリに記憶されている。
【0041】
移動情報とは、操作部211の移動方向を示す情報であって、操作部211が第1位置から第2位置へ移動したか、操作部211が第2位置から第1位置へ移動したか、を示している。言い換えれば、移動情報は、移動後の操作部211が第1位置であるか第2位置であるかを示している。
【0042】
通信部214は、移動検知部212が操作部211の移動を検知すると、ID情報と移動情報とを含む状態信号を送信する。本実施形態では、移動情報が第1位置から第2位置へ移動したことを示す状態信号を第1信号ともいい、移動情報が第2位置から第1位置へ移動したことを示す状態信号を第2信号ともいう。つまり、利用者が施設12の利用を開始する際に、操作部211を「空室」という表記が露出した第1位置から「入室」という表記が露出した第2位置へ移動すると、通信部214は、第1信号を送信する。また、利用者が施設12の利用を終了する際に、操作部211を「入室」という表記が露出した第2位置から「空室」という表記が露出した第1位置へ移動すると、通信部214は、第2信号を送信する。
【0043】
通信部214から送信された状態信号は、中継器31、回線61を介して予約管理装置41に送信される。
【0044】
(2.2)入力端末
入力端末51(図1参照)は、施設12の利用者が操作する端末である。入力端末51は、例えば、パソコン、スマートフォン、タブレット端末等であり、回線61を介して予約管理装置41と通信可能に構成されている。なお、パソコンは、利用者個人が業務で使用しているパソコンであってもよいし、部署で共用に使用しているパソコンであってもよい。また、スマートフォン、タブレット端末は、利用者個人が所有しているスマートフォン、タブレット端末であってもよいし、共用(社用)のスマートフォン、タブレット端末であってもよい。
【0045】
利用者は、入力端末51を用いて、施設12の利用予約の入力(申請)、施設12の予約状況の確認、施設12の利用状況の確認などを行うことができる。
【0046】
(2.3)予約管理装置
予約管理装置41(図1参照)は、サーバであって、回線61を介して、入力装置21、入力端末51と通信可能に構成されている。
【0047】
予約管理装置41は、制御部410と、記憶部44と、計時部45と、を有している。
【0048】
制御部410は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが予約処理部42、及び判断部43として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0049】
予約処理部42は、施設12の予約情報に関する予約処理を行う。予約処理部42は、入力端末51から入力(申請)された施設12の利用予約に基づいた予約情報を記憶部44に記憶する。この予約情報には、施設12に対応付けられた管理ID、予約開始時刻、予約終了時刻、利用者の識別情報(例えば利用者名)等が含まれている。本実施形態では、施設12の管理IDは、この施設12に設けられている入力装置21のID情報と同じである。なお、施設12の管理IDと、入力装置21のID情報とは、対応付けられていればよく、互いに異なるデータであってもよい。
【0050】
記憶部44は、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶デバイスである。記憶部44には、施設12の管理ID(入力装置21のID情報)と、施設12の予約情報を格納している。つまり、記憶部44は、施設12の管理IDに対応付けた施設12の予約情報を記憶している。言い換えれば、記憶部44は、施設12の管理IDと予約情報とのテーブルを記憶している。記憶部44は、施設12の利用予約の予約開始時刻と予約終了時刻とを記憶している。
【0051】
また、記憶部44には、予約管理装置41が受信した状態信号に基づいて、各入力装置21における操作部211の現在の位置情報が記憶されている。つまり、記憶部44は、入力装置21における操作部211の位置とID情報とを対応付けて記憶している。これにより、制御部410は、予約管理装置41と入力装置21とが通信することなく操作部211の現在の位置を把握することができる。
【0052】
また、予約管理装置41は、入力端末51において、施設12の予約確認のための操作が行われると、記憶部44に記憶されている各施設12の予約情報を入力端末51に送信する。これにより、入力端末51の表示画面には、各施設12の予約情報が表示される。利用者は、入力端末51を操作して、施設12の予約が入っていない時間帯に利用予約を申請することができる。また、利用者は、入力端末51を操作して、自身(利用者)が以前に申請した利用予約の変更(時間の変更、予約の削除など)を行うことができる。予約処理部42は、入力端末51からの施設12の利用予約の変更申請を受け付けると、この変更申請に基づいて記憶部44に記憶されている予約情報を変更する。
【0053】
計時部45は、時間を計時する。例えば、計時部45は、リアルタイムクロックであり、現在の時刻を計時するように構成されている。計時部45が計時している時刻情報は、制御部410(予約処理部42、及び判断部43)へと出力される。
【0054】
判断部43は、施設12の入力装置21からの入力を監視し、各施設12の利用状況を判断する。判断部43は、現在の時刻と、記憶部44に記憶されている予約開始時刻と、入力装置21の操作部211の移動情報と、に基づいて、施設12の利用状況(予約の実行状況)を判断する。判断部43は、判断結果である施設12の利用状況を記憶部44に記憶する。つまり、記憶部44には、施設12の予約情報、及び予約の実行状況の実績(実行履歴)が記憶される。この実績には、施設12の利用が開始された時刻、及び施設12の利用が終了した時刻の情報が含まれている。施設12の利用の開始及び終了の判断は、判断部43によって行われる。これにより、予約管理装置41は、各施設12の利用履歴などを管理することができる。
【0055】
後述の「(3)動作例」の欄で具体的に説明するが、判断部43は、入力装置21の操作部211の移動情報に基づいて、施設12の利用状況を判断する。以下に、判断部43による判断例を列挙する。
【0056】
判断部43は、入室操作の受付時間内における、入力装置21の操作部211の移動情報に基づいて、施設12の利用状況を判断する。入室操作とは、施設12の利用者が、入力装置21の操作部211を第1位置から第2位置へ移動させる操作である。受付時間とは、予約開始時刻に基づいた時間である。受付時間の開始時間は、予約開始時刻と同じ時刻、あるいは予約開始時刻の所定時間前(例えば15分前)である。受付時間の開始時間は、予約管理装置41の設定で適宜変更可能である。受付時間の終了時間は、予約開始時刻の所定時間後(例えば15分後)である。
【0057】
判断部43は、入室操作の受付時間内に、入力装置21からの第1信号(移動情報が第1位置から第2位置へ移動したことを示す状態信号)を受信すると、施設12の利用予約を行った利用者が、施設12の利用を開始(チェックイン)した(予約の実行を開始した)と判断する。
【0058】
ここで、利用者が、例えば予約開始時刻から施設12で会議を開始したいような場合、予約開始時刻よりも前に施設12に入室して会議の準備を行うようなシチュエーションが想定される。このような場合、入室操作の受付時間の開始時間が、予約開始時刻よりも前に設定されていれば、予約開始時間よりも前に入室操作が行われても、予約がキャンセルされない。この場合、判断部43は、受付時間内における予約開始時刻よりも前に第1信号を受信した場合、第1信号を予約時間内の初回受信として扱い、施設12の利用が前倒しされたとみなす。したがって、判断部43は、利用者が予約開始時刻以降に入室操作を行わなくても予約をキャンセルしない。
【0059】
また、判断部43は、入力装置21からの第2信号(移動情報が第2位置から第1位置へ移動したことを示す状態信号)を受信すると、利用者による施設12の利用が終了(チェックアウト)した(予約の実行が終了した)と判断する。つまり、判断部43は、入力装置21からの第2信号を受信すると、退室操作が行われたと判断する。退室操作とは、施設12の利用者が、入力装置21の操作部211を第2位置から第1位置へ移動させる操作である。予約終了時刻よりも前に退室操作が行われた場合、予約終了時刻までの残り時間がキャンセルされる。したがって、例えば、施設12を利用したい別の利用者は、キャンセルされた時間帯の予約を行うことができる。これにより、施設12の効率的な利用が促進できる。また、判断部43は、予約終了時刻までに退室操作が行われなかった場合、施設12の利用が延長されていると判断する。そして、判断部43は、予約終了時刻よりも後に退室操作が行われた場合、延長された施設12の利用が終了(チェックアウト)したと判断する。
【0060】
また、判断部43は、入室操作の受付時間内に、入力装置21からの第1信号を受信せず、入力装置21の操作部211が第1位置(空室表示)のままである場合、施設12の利用が開始されていないと判断する。この場合、判断部43は、この施設12の予約をキャンセルし、記憶部44に記憶されている予約情報を削除する。例えば、施設12を予約した利用者が、施設12を利用する予定がなくなったが予約のキャンセルを失念している場合、自動的に予約がキャンセルされる。したがって、例えば、施設12を利用したい別の利用者は、キャンセルされた時間帯の予約を行うことができる。これにより、施設12の効率的な利用が促進できる。
【0061】
なお、判断部43が記憶部44に記憶されている予約情報を変更(削除)する構成に限らない。例えば、判断部43は、記憶部44に記憶されている予約情報を変更(削除)する旨の指示を行う構成でもよい。例えば、予約処理部42が、判断部43からの指示に応じて記憶部44に記憶されている予約情報の変更(削除)を行う。
【0062】
また、判断部43は、入室操作の受付時間の開始時に、入力装置21の操作部211が既に第2位置(入室表示)である場合、施設12の利用予約を行った利用者が、施設12の利用を開始した(予約の実行を開始した)と判断する。つまり、判断部43は、前の予約の利用者の入室継続を、次の予約の利用者の入室とみなす(継続利用:可)。例えば、予約の時間帯が連続している場合、前の予約の利用者が施設12の利用終了時に退室操作を行わず、入力装置21が入室表示のままであっても、次の予約の予約開始時刻になると判断部43は、利用が開始されたと判断する。これにより、利用者は、退室操作と入室操作とを連続して行う必要がない。
【0063】
なお、予約管理装置41の設定により、判断部43は、受付時間の開始時に、操作部211が既に第2位置であっても、施設12の利用が開始されていないと判断してもよい(継続利用:不可)。この場合、前の予約の利用者が退室操作を行わず、入力装置21が入室表示のまま次の予約が予約開始時刻となった場合、判断部43は、所定時間後に予約をキャンセルする。そのため、利用者は、施設12の利用開始時に入力装置21が入室表示である場合、一旦、退室操作を行った後に、入室操作を行う必要がある。これにより、判断部43は、次の予約における施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断し、予約がキャンセルされない。
【0064】
また、判断部43は、受付時間外であり、かつ予約がない時間帯に、入力装置21からの第1信号を受信した場合、臨時の利用予約(臨時予約)が行われ、ゲストによる施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断する。この場合、判断部43は、第1信号を受信した時刻を予約開始時刻とする予約情報を記憶部44に記憶する。臨時予約の予約終了時刻は、予約開始時刻から所定時間後(例えば、15分後、30分後)、あるいは次の利用予約の予約開始時刻を、予約終了時刻とする。したがって、入力端末51に表示される予約状況の確認画面には、臨時予約という情報が反映される。なお、予約管理装置41の設定により、判断部43は、受付時間外であり、かつ予約がない時間帯に、入力装置21からの第1信号を受信した場合でも、臨時予約の予約情報を記憶部44に記憶しなくてもよい(臨時予約:不可)。この場合、記憶部44には、ゲストによる施設12の臨時利用が行われた実績(実行履歴)が記憶される。
【0065】
ここで、臨時利用の場合、利用者は、施設12にいるので、入力端末51を携帯していなければ、臨時予約が正常に完了しているか否かの確認がすぐにできない。そこで、予約管理装置41は、臨時予約が正常に完了した場合、予約完了信号を中継器31を介して入力装置21へ送信してもよい。この場合、入力装置21は、臨時予約が正常に完了していることを表示するために、液晶表示器あるいはLED(Light Emitting Diode)等の予約表示部を有していることが好ましい。入力装置21は、予約完了信号を受信すると、予約表示部を用いて臨時予約が正常に完了したことを表示する。また、予約表示部が液晶表示器である場合、液晶表示器に予約された時間又は予約終了時間等を表示してもよい。また、予約表示部がLEDである場合、LEDの点灯数によって予約された時間を示すこともできる。
【0066】
また、判断部43は、操作部211が第2位置(入室表示)から第1位置(空室表示)に移動されてから、所定時間後に施設12の利用が終了(予約の実行が終了)したと判断する。つまり、判断部43は、操作部211が第2位置から第1位置に移動されてから、所定時間内に操作部211が再び第2位置に移動された場合、施設12の利用が継続していると判断する。例えば、判断部43は、第2信号を受信すると、タイマのカウントアップを開始し、所定時間内に第1信号を受信した場合、施設12の利用が継続していると判断する。言い換えれば、判断部43は、第2信号を受信してから所定時間内に第1信号を受信しなかった場合、施設12の利用が終了(チェックアウト)したと判断する。これにより、利用者が入力装置21に誤って退室操作を行った場合でも、所定時間内に入室操作を行うと、退室操作が無効とされる。したがって、誤って利用予約が終了されることが抑制される。ただし、上記判断は、既に利用が開始(チェックイン)されていると判断された予約が対象であって、一度もチェックインが確認されていない場合、上記判断は行われない。
【0067】
また、判断部43は、予約時間内に入室操作が既に行われている場合、2回目以降の入室操作(複数回目入室操作)を無効と判断してもよい。2回目以降の入室操作とは、利用者が一旦、退室操作を行い、再度行う入室操作である。すなわち、判断部43は、予約時間内に第1信号を2回以上受信した場合、2回目以降の第1信号を無視し、チェックインと判定せず、施設12の利用が継続されている(チェックイン継続)と判定する。これにより、施設12の利用開始(チェックイン)の判断が重複することが抑制される。また、施設12の利用が終了(チェックアウト)したと誤判断することが抑制される。
【0068】
上述した予約管理装置41の設定により、判断部43の判断処理の実行パターンは、表1及び表2に示す8つのパターンA~Hに分類される。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
なお、予約処理部42と判断部43とは、同一の装置(サーバ)に設けられた構成に限らず、異なる装置(サーバ)に設けられていてもよい。さらにこの場合、記憶部44は、双方の装置(サーバ)のメモリで構成されていてもよいし、他の装置(サーバ)に設けられていてもよい。また、予約処理部42は、汎用の予約プログラムによって構成されていてもよい。
【0072】
(3)動作例
次に、本実施形態の予約管理システム11の動作例について説明する。
【0073】
まず、予約管理システム11の基本動作について、図3を参照して説明する。
【0074】
判断部43は、記憶部44に記憶されている予約情報、及び計時部45が計時している現在の時刻情報を取得する(データ取得ステップS1)。そして、判断部43は、予約開始時刻に基づいた受付時間の開始時刻と、現在時刻とを比較し、予約の有無を判定する(予約判定ステップS2)。なお、予約処理部42が、判断部43の代わりに予約の有無を判定してもよい。
【0075】
判断部43は、施設12の利用予約がある場合、受付時間の開始時刻になると、記憶部44を参照して、この施設12に対応する入力装置21の操作部211の位置を確認する(状態検知ステップS3)。
【0076】
判断部43は、操作部211が第1位置(空室が表示)である場合、受付時間中に入力装置21からの状態信号(第1信号)を受信することによって、操作部211の入室操作を検知する(操作検知ステップS4)。また、判断部43は、入力装置21からの状態信号(第2信号)を受信することによって、操作部211の退室操作を検知する。
【0077】
判断部43は、入力装置21からの状態信号に基づいて、施設12の利用状況を判断(推定)する(利用状況判断ステップS5)。例えば、判断部43は、受付時間中に受信した入力装置21からの状態信号(ID情報、移動情報)に基づいて、その時点の施設12の利用状況(空室または入室)を判断する。すなわち、判断部43は、第1信号(空室表示から入室表示)を受信することによって、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断する。また、判断部43は、第2信号(入室表示から空室表示)を受信することによって、施設12の利用が終了(チェックアウト)したと判断する。
【0078】
これにより、予約管理装置41は、施設12の利用状況を監視することができる。
【0079】
判断部43は、判断結果に応じて、記憶部44に記憶されている予約情報、利用状況などを変更する(データ変更ステップS6)。例えば、受付時間を経過しても「入室」にならないような場合、判断部43は、予約をキャンセルする。また、判断部43は、予約終了時刻前に施設12の利用が終了して第2信号を受信した場合、予約終了時刻までの予約をキャンセルする。したがって、他の利用者は、キャンセルされた時間帯の予約を行うことができる。その結果、施設12が予約状態でありながら空室で使用されない状態の時間を短くできるので、施設12の効率的な利用を促進できる。
【0080】
また、判断部43は、受付時間外に第1信号を受信した場合であっても、施設12が利用中(入室)の状態へ変化したことを検知できる。したがって、予約管理システム11(予約管理装置41)は、施設12が実際に使用された実績を管理することができる。
【0081】
以上のように、予約管理装置41は、利用者による入力装置21への手動操作によって入力装置21から送信される状態信号(第1信号、第2信号)から、施設12の利用状況を管理することができる。したがって、入力装置21の操作情報のみでも、施設12の利用状況を簡単な構成によって予約管理することができる。
【0082】
(3.1)第1動作例
以下に、予約管理システム11の第1動作例について図4を参照して説明する。
【0083】
第1動作例は、入力装置21への操作を起点とした動作例である。また、第1動作例では、判断部43の判断処理の実行パターンがパターンA、B、E、F(表1、表2参照)のいずれかとなるように予約管理装置41が設定されている。つまり、第1動作例では、受付時間外に入室操作が行われた場合に、臨時予約を行うように設定されている。
【0084】
まず、判断部43は、入力装置21からの状態信号を受信する(S101)。
【0085】
次に、判断部43は、入力装置21からの状態信号に基づいて、操作部211の操作方向を判定する(S102)。操作部211の操作方向が第1位置(空室表示)から第2位置(入室表示)である場合(S102:入室)、判断部43は、現在の時刻が、入室操作の受付時間内であるか否かを確認する(S103)。判断部43は、現在時刻が、入室操作の受付時間内である場合(S103:Yes)、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断する(S104)。
【0086】
判断部43は、現在時刻が、入室操作の受付時間外である場合(S103:No)、予約時間中における1回以上の入室操作の有無を確認する(S105)。つまり、判断部43は、他の利用者が、受付時間内に既に入室操作を行っており、施設12の予約が実行中であるか否かを確認する。判断部43は、予約時間中に1回以上の入室操作がある場合(S105:有)、施設12の利用予約が実行中であるので、施設12の利用が継続していると判断する(S104)。
【0087】
また、判断部43は、予約時間中に1回以上の入室操作がなかった場合(S105:無)、予約を行っていない利用者(ゲスト)の臨時利用と判断する。この場合、判断部43は、次の予約の予約開始時刻までの時間を求める(S106)。判断部43は、次の予約の予約開始時刻までの時間が、規定時間以上である場合、(S106:規定時間以上)、ゲストによる施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断する(S107)。この場合、入室操作が行われた時点から、所定時間(規定時間以下)後を予約終了時刻とする臨時予約(第1臨時予約)が行われる(S108)。
【0088】
また、次の予約開始時刻までの時間が、規定時間未満である場合(S106:規定時間未満)、ゲストによる施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断する(S109)。この場合、次の予約の予約開始時刻を予約終了時刻とする臨時予約(第2臨時予約)が行われる(S110)。
【0089】
また、判断部43は、操作部211の操作方向が第2位置(入室表示)から第1位置(空室表示)である場合(S102:退室)、予約時間中に1回以上の入室操作の有無を確認する(S111)。つまり、判断部43は、施設12が利用中であるか否かを確認する。判断部43は、予約時間中に1回以上の入室操作がなかった場合(S111:無)、延長又は退室操作を失念していた前の予約が終了(チェックアウト)したと判断する(S112)。
【0090】
判断部43は、予約時間中に1回以上の入室操作がある場合(S111:Yes)、規定時間待機する(S113)。判断部43は、規定時間中、再入室操作が行われたか否かを確認する(S114)。判断部43は、規定時間中、再入室操作が行われた場合(S114:有)、施設12の利用(チェックイン)が継続していると判断する(S115)。つまり、判断部43は、退室操作が行われてから短時間の間に入室操作が行われたので、退室操作を無効とする。また、判断部43は、規定時間中、再入室操作が行われなかった場合(S114:無)、施設12の利用が終了(チェックアウト)したと判断する(S116)。この場合、判断部43がチェックアウトと判断してから、予約終了時刻までの時間帯の予約をキャンセルする(S117)。したがって、他の利用者が、キャンセルされた時間帯の予約を行い、施設12を利用することができる。
【0091】
(3.2)第2動作例
次に、予約管理システム11の第2動作例について図5を参照して説明する。
【0092】
第2動作例は、予約管理装置41への施設12の利用予約の申請(入力)を起点とした動作例である。また、第2動作例では、判断部43の判断処理の実行パターンがパターンA(表1参照)となるように予約管理装置41が設定されている。つまり、第2動作例では、前の予約の利用者の入室状態の継続を、次の予約の利用者の入室とみなす(継続利用:可)、と設定されている。また、第2動作例では、受付時間外に入室操作が行われた場合に、臨時予約を行うように設定されている。また、第2動作例では、入室操作の受付時間の開始時刻が、予約開始時刻に設定されている。
【0093】
まず、判断部43は、入力端末51から施設12の利用予約の申請又は変更が行われると、その予約情報を取得する(S201)。
【0094】
判断部43は、予約開始時刻(受付時間の開始時刻)と現在時刻とを比較する(S202)。現在時刻が予約開始時刻前である場合(S202:予約開始時刻前)、予約開始時刻まで待機する(S203)。判断部43は、現在時刻が予約開始時刻に到達した場合(S202:予約開始時刻到達)、入力装置21の操作部211の位置(第1位置、第2位置)を確認する(S204)。
【0095】
現在時刻における操作部211の位置が第1位置(空室表示)である場合(S204:空室)、入室操作の受け付けを開始する(S205)。判断部43は、受付時間中における入室操作の有無を確認する(S206)。判断部43は、受付時間中に入室操作が行われた場合(S206:有)、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断する(S207)。
【0096】
また、判断部43は、受付時間中に入室操作が行われなかった場合(S206:無)、施設12が利用されなかった予約(いわゆる空予約)であると判断する(S208)。この場合、判断部43は、予約をキャンセルする(S209)。これにより、他の利用者が、キャンセルされた時間帯の予約を取ることができる。また、空予約を行った利用者を把握できるので、施設12の管理者は、空予約に対する注意喚起を行うことができる。
【0097】
現在時刻における操作部211の位置が第2位置(入室表示)である場合(S204:入室)、判断部43は、次の予約が受付時間内に終了するか否かを確認する(S210)。判断部43は、次の予約が受付時間内に終了する場合(S210:Yes)、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断する(S211)。つまり、判断部43は、前の利用者の入室継続を、次の利用者の入室(チェックイン)とみなす。
【0098】
また、判断部43は、次の予約が受付時間内に終了しない場合(S210:No)、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと仮判定する(S212)。この場合、判断部43は、所定時間の間、判定の確定待ちを行う(S213)。判断部43は、待ち時間中における退室操作の有無を確認する(S214)。判断部43は、待ち時間の間に退室操作が行われなかった場合(S214:無)、施設12の利用が開始(チェックイン)されたという判定を確定する(S211)。また、判断部43は、待ち時間の間に退室操作が行われた場合(S214:有)、前の予約における施設12の利用が終了(チェックアウト)したと判断する(S215)。
【0099】
(3.3)第3動作例
次に、予約管理システム11の第3動作例について図6を参照して説明する。
【0100】
第3動作例は、予約管理装置41への施設12の利用予約の申請(入力)を起点した動作例である。また、第3動作例では、判断部43の判断処理の実行パターンがパターンB(表1参照)となるように予約管理装置41が設定されている。つまり、第3動作例では、前の予約の利用者の入室状態の継続を、次の予約の利用者の入室とみなす(継続利用:可)、と設定されている。また、第3動作例では、入室操作の受付時間の開始時間は、予約開始時刻の所定時間前に設定されている。
【0101】
まず、判断部43は、入力端末51から施設12の利用予約の申請又は変更が行われると、その予約情報を取得する(S301)。
【0102】
判断部43は、受付時間の開始時刻(予約開始時刻の所定時間前)と現在時刻とを比較する(S302)。現在時刻が受付時間の開始時刻前である場合(S302:受付時間前)、受付時間の開始時刻まで待機する(S303)。判断部43は、現在時刻が受付時間の開始時刻に到達した場合(S302:受付時間に到達)、入室操作の受け付けを開始する(S304)。判断部43は、受付時間になると、入力装置21の操作部211の位置(第1位置、第2位置)を確認する(S305)。
【0103】
判断部43は、現在時刻における操作部211の位置が第1位置(空室表示)である場合(S305:空室)、受付時間中における入室操作の有無を確認する(S306)。ステップS306、及び以降のステップS307~S309は、上述した第2動作例(図5参照)のステップS206~S209と同じであるので、説明を省略する。
【0104】
現在時刻における操作部211の位置が第2位置(入室表示)である場合(S305:入室)、予約時間中における1回以上の入室操作の有無を確認する(S310)。
【0105】
判断部43は、予約時間中に1回以上の入室操作がある場合(S310:有)、予約開始時刻までにおける退室操作の有無を確認する(S311)。予約開始時刻までに退室操作が行われた場合(S311:有)、予約管理装置41は、上述した第1動作例(図4参照)で説明した入力装置21への操作を起点とした動作を行う(S312)。
【0106】
予約時間中における1回以上の入室操作がない場合(S310:無)、及び予約開始時刻までに退室操作が行われなかった場合(S311:無)、次の予約が受付時間内に終了するか否かを確認する(S313)。ステップS313、及び以降のステップS314~S318は、上述した第2動作例のステップS210~S215と同じであるので、説明を省略する。
【0107】
(3.4)第4動作例
次に、予約管理システム11の第4動作例について図7を参照して説明する。
【0108】
第4動作例は、予約管理装置41への施設12の利用予約の申請(入力)を起点した動作例である。また、第4動作例では、判断部43の判断処理の実行パターンがパターンE(表2参照)となるように予約管理装置41が設定されている。つまり、第4動作例では、前の予約の利用者の入室状態の継続を、次の予約の利用者の入室とみなさない(継続利用:不可)、と設定されている。また、第4動作例では、入室操作の受付時間の開始時間は、予約開始時刻に設定されている。
【0109】
まず、判断部43は、入力端末51から施設12の利用予約の申請又は変更が行われると、その予約情報を取得する(S401)。
【0110】
判断部43は、予約開始時刻(受付時間の開始時刻)と現在時刻とを比較する(S402)。現在時刻が予約開始時刻前である場合(S402:予約開始時刻前)、予約開始時刻まで待機する(S403)。判断部43は、現在時刻が予約開始時刻に到達した場合(S402:予約開始時刻到達)、入室操作の受け付けを開始する(S404)。ステップS404、及び以降のステップS405~S408は、上述した第2動作例(図5参照)のステップS205~S209と同じであるので、説明を省略する。
【0111】
本動作例では、前の予約の利用者の入室状態の継続を、次の予約の利用者の入室とみなさない(継続利用:不可)、と設定されている。したがって、現在時刻が予約開始時刻になった場合に、入力装置21の操作部211の位置の確認(第2動作例、図5のステップS04参照)が行われない。したがって、利用者は、予約が連続している場合であっても、退室操作、入室操作を行う必要がある。
【0112】
(3.5)動作例のまとめ
次に、予約管理システム11の動作例のまとめについて図8、及び図9を参照して説明する。ここでは、前の予約の利用者の入室状態の継続を、次の予約の利用者の入室とみなす(継続利用:可)、と設定されているとする。
【0113】
予約管理システム11の利用シチュエーションとして、前の予約の利用者が退室時に退室操作を行う(S5001)場合(図8参照)と、前の予約の利用者が退室時に退室操作を行わずに退室する(S6001)場合(図9参照)と、がある。
【0114】
まず、前の予約の利用者が退室時に退室操作を行っている場合について、図8を参照して説明する。
【0115】
前の予約の利用者が退室時に退室操作を実行したとする(S5001)。したがって、次の予約の利用者の入室時において、入力装置21の操作部211の位置が第1位置(空室表示)である。
【0116】
その後のシチュエーションとして、以下の4つの例がある。
【0117】
1つ目のシチュエーションとして、受付時間内に最初に入室する利用者(一人目の利用者)が入室操作を実行する(S5101)、というシチュエーションがある。
【0118】
最初の利用者が行った入室操作(S5102)を、判断部43は、1回目の入室操作(初回入室操作)であると判定する(S5103)。したがって、判断部43は、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断する(S5104)。
【0119】
また、利用者が複数名であり、二人目以降の利用者が、再び入室操作を行う場合がある(S5105)。例えば、二人目の利用者が、入力装置21の操作部211を第2位置(入室表示)から第1位置(退室表示)に移動させた後、所定時間内に再び第1位置(入室表示)へ移動させる場合がある。この場合、判断部43は、二回目以降の入室操作(複数回目入室操作)と判定し、二人目の利用者が行った退室操作を無効とする(S5106)。したがって、判断部43は、施設12の利用が継続(チェックイン維持)されていると判断する(S5107)。
【0120】
また、利用者が施設12の利用を終了し、退室操作を行ったとする(S5108)。この場合、判断部43は、退室操作が行われてから所定時間経過すると、退室操作の判定を確定する(S5109)。したがって、判断部43は、施設12の利用が終了(チェックアウト)したと判断する(S5110)。
【0121】
次に、2つ目のシチュエーションとして、最初に入室する利用者が入室操作を失念し、二人目以降の利用者が受付時間内に入室操作を実行する(S5201)、というシチュエーションがある。ここでは、二人目の利用者が入室操作を実行したとする。
【0122】
二人目の利用者が行った入室操作(S5202)を、判断部43は、1回目の入室操作(初回入室操作)であると判定する(S5203)。したがって、判断部43は、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断する(S5204)。
【0123】
また、三人目以降の利用者が、再び入室操作を行う場合がある(S5205)。例えば、三人目の利用者が、入力装置21の操作部211を第2位置(入室表示)から第1位置(退室表示)に移動させた後、所定時間内に再び第1位置(入室表示)へ移動させる場合がある。この場合、判断部43は、二回目以降の入室操作(複数回目入室操作)と判定し、三人目の利用者が行った退室操作を無効とする(S5206)。したがって、判断部43は、施設12の利用が継続(チェックイン維持)されていると判断する(S5207)。
【0124】
また、利用者が施設12の利用を終了し、退室操作を行ったとする(S5208)。この場合、判断部43は、退室操作が行われてから所定時間経過すると、退室操作の判定を確定する(S5209)。したがって、判断部43は、施設12の利用が終了(チェックアウト)したと判断する(S5210)。
【0125】
3つ目のシチュエーションとして、予約開始時刻から所定時間以上経過しても入室操作が実行されない(S5301)、というシチュエーションがある。この場合、判断部43は、施設12の利用がされない予約(いわゆる空予約)であると判定し、予約をキャンセル(自動キャンセル)する(S5302)。
【0126】
4つ目のシチュエーションとして、受付時間外に利用者が入室操作を実行する(S5401)、というシチュエーションがある。
【0127】
現在時刻から規定時間内に次の予約がある場合(S5402)、判断部43は、1回目の入室操作(初回入室操作)であると判定する(S5403)。したがって、判断部43は、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断し、さらに次の予約開始時刻までの臨時予約(第2臨時予約)を行う(S5404)。
【0128】
現在時刻から規定時間内に次の予約がない場合(S5405)、判断部43は、1回目の入室操作(初回入室操作)であると判定する(S5406)。したがって、判断部43は、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断し、さらに所定時間の臨時予約(第1臨時予約)を行う(S5407)。
【0129】
また、利用者が施設12の利用を終了し、退室操作を行ったとする(S5408)。この場合、判断部43は、退室操作が行われてから所定時間経過すると、退室操作の判定を確定する(S5409)。したがって、判断部43は、施設12の利用が終了(チェックアウト)したと判断する(S5410)。
【0130】
次に、前の予約の利用者が退室時に退室操作を行わずに退室した場合について、図9を参照して説明する。
【0131】
前の予約の利用者が退室時に退室操作を行わずに退室したとする(S6001)。したがって、次の予約の利用者の入室時において、入力装置21の操作部211の位置が第2位置(入室表示)である。
【0132】
その後のシチュエーションとして、以下の3つの例がある。
【0133】
1つ目のシチュエーションとして、次の予約の利用者が入室操作を実行しないで入室する(S6101)、というシチュエーションがある。この場合、判断部43は、1回目の入室操作(初回入室操作)を受け付けたとみなし(S6102)、施設12の利用が継続されている(チェックイン維持)と判断する(S6103)。また、前の予約の利用者が次の予約の受付時間の開始時間(予約開始時刻)以降も延長利用している場合もある。この場合も上記同様に、判断部43は、1回目の入室操作(初回入室操作)を受け付けたとみなし、施設12の利用が継続されている(チェックイン維持)と判断する。
【0134】
2つ目のシチュエーションとして、次の予約の利用者が入室操作を実行する(S6201)、というシチュエーションがある。例えば、次の予約の利用者が、入力装置21の操作部211を第2位置(入室表示)から第1位置(退室表示)に移動させた後、再び第2位置(入室表示)へ移動させる。
【0135】
入室操作が前の予約の予約時間中に行われた場合(S6202)、判断部43は、二回目以降の入室操作(複数回目入室操作)と判定する(S6203)。したがって、判断部43は、施設12の利用が継続されている(チェックイン維持)と判断する(S6204)。
【0136】
また、入室操作が予約時間内に行われる場合がある(S6205)。ここでいう予約時間内とは、前の予約よりも後の予約の時間である。ここでは、利用者が予約した時間内において、入室操作が行われたとする。
【0137】
入室操作を行った利用者が一人目である場合(S6206)、判断部43は、1回目の入室操作(初回入室操作)であると判定する(S6207)。したがって、判断部43は、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断する(S6208)。また、利用者が複数名であり、二人目以降の利用者が、再び入室操作を行った場合(S6209)、判断部43は、二回目以降の入室操作(複数回目入室操作)であると判定し、二人目以降の利用者が行った退室操作を無効とする(S6210)。したがって、判断部43は、施設12の利用が継続されていると判断する(S6211)。
【0138】
また、入室操作が予約のない時間に行われる場合がある(S6212)。予約のない時間とは、例えば、前の予約の予約終了時刻から、次の予約の予約開始時刻までの時間である。
【0139】
現在時刻から規定時間内に次の予約がある場合(S6213)、判断部43は、最初の利用者が行った入室操作(S6214)を、1回目の入室操作(初回入室操作)であると判定する(S6215)。したがって、判断部43は、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断し、さらに次の予約開始時刻までの臨時予約(第2臨時予約)を行う(S6216)。
【0140】
現在時刻から規定時間内に次の予約がない場合(S6217)、判断部43は、最初の利用者が行った入室操作(S6218)を、1回目の入室操作(初回入室操作)であると判定する(S6219)。したがって、判断部43は、施設12の利用が開始(チェックイン)されたと判断し、さらに所定時間の臨時予約(第1臨時予約)を行う(S6220)。
【0141】
また、利用者が施設12の利用を終了し、退室操作を行ったとする(S301)。この場合、判断部43は、退室操作が行われてから所定時間経過すると、退室操作の判定を確定する(S6302)。したがって、判断部43は、施設12の利用が終了(チェックアウト)したと判断する(S6303)。
【0142】
(4)変形例
次に、予約管理システム11の変形例について説明する。
【0143】
(4.1)第1変形例
本変形例に係る予約管理システム11が備える入力装置21について、図10A図10Bを参照して説明する。
【0144】
本変形例の入力装置21では、ケース215の側面に開口2152が形成されている。また、操作部211における表示部2111は、上述した実施形態の操作部211の表示部2111(図2A図2B参照)と比べて、操作部211の移動方向に沿った方向の寸法が大きく形成されている。表示部2111は、開口2152を介して、操作部211の移動方向に沿った方向の端部が、ケース215の外側に突出可能である。本変形例の入力装置21では、操作部211が第1位置(空室表示)にある場合、表示部2111の全体がケース内に収納されている。操作部211が第1位置(空室表示)から第2位置(入室表示)に移動すると、表示部2111の端部が開口2152を介してケース215の外側に突出する。表示部2111におけるケース215の外側に突出する部分に、入室状態であることを示す表記があってもよい。
【0145】
本変形例の入力装置21では、操作部211が第1位置にある場合、表示部2111全体がケース215内に収納され、操作部211が第2位置にある場合、表示部2111の一部がケース215の外側に突出するように構成されている。これにより、利用者は、操作部211の位置を認識しやすくなる。
【0146】
図11A図11Bに示すように、本変形例の入力装置21は、例えば会議室12aの出入口121に設けられた扉122に取り付けられる。図11A図11Bに示した例では、扉122は外開き戸であって、利用者は、入室時に扉122を引くことによって扉122を開ける。入力装置21は、扉122における蝶番123と反対側の端部に取り付けられている。入力装置21は、操作部211が第2位置(入室表示)である場合、表示部2111の一部が、扉122における蝶番123と反対側の端部よりも突出するように扉122に取り付けられる。これにより、操作部211が第2位置(入室表示)である場合、表示部2111の一部が扉122から突出するので、会議室12aから退室する利用者が、入力装置21が入室表示になっていること気付きやすくなる。したがって、利用者が退室時に、退室操作を失念することが抑制される。
【0147】
また、図12に示すように、扉122が内開き戸である場合、入力装置21は、出入口121を挟んだ蝶番123と反対側の壁124の端部に設けられることが好ましい。この場合、入力装置21は、操作部211が第2位置(入室表示)である場合、表示部2111の一部が出入口121側に向かって壁124から突出するように取り付けられる。これにより、会議室12aから退室する利用者が、入力装置21が入室表示になっていること気付きやすくなる。したがって、利用者が退室時に、退室操作を失念することが抑制される。
【0148】
また、表示部2111における入室、及び空室の表示は、文字ではなく色で表されていてもよい。例えば、入室表示が赤色であり、空室表示が緑色で表される。これにより、入力装置21の上下を反転することによって、外開き戸と内開き戸との両方に対応することができる。
【0149】
なお、入力装置21は、操作部211が第1位置(空室表示)である場合に、表示部2111の一部がケース215の外側に突出するように構成されていてもよい。
【0150】
また、図13に示すように、入力装置21は、操作部211が第1位置、第2位置それぞれの位置の場合に、表示部2111の一部がケース215の外側に突出するように構成されていてもよい。ケース215には、表示部2111を突出させるための2つの開口2152が形成されている。操作部211が第1位置にある場合、一方の開口2152から表示部2111の一端部がケース215の外側に突出し、操作部211が第2位置にある場合、他方の開口2152から表示部2111の他端部がケース215の外側に突出する。これにより、利用者は、操作部211が第1位置にあるか第2位置にあるかをより認識しやすくなる。
【0151】
また、上述した例では、入力装置21は、利用者が入室操作及び退室操作を行う際に、操作部211を一方向にスライドするように構成されていたが、これに限らない。図14A図14Bに示すように、入力装置21は、利用者が入室操作及び退室操作を行う際に、操作部211を回転するように構成されていてもよい。図14A図14Bに示す入力装置21では、一部が切り欠かれた円筒状のケース215の略中央部に、操作部211のつまみ2112が設けられている。つまみ2112を回転させることにより、操作部211が第1位置と第2位置との間で回転移動する。操作部211が第1位置にある場合、表示部2111がケース215に収納され、操作部211が第2位置にある場合、表示部2111がケース215の外側に突出する。表示部2111におけるケース215から突出する部分には、入室状態を示す表記が設けられていてもよい。
【0152】
(4.2)その他の変形例
上述した制御部410は、コンピュータシステムにより実現されている。つまり、制御部410は、コンピュータシステムがプログラムを実行することにより実現されている。このプログラムは、コンピュータシステムに以下の予約管理方法を実行させるためのプログラムである。予約管理方法は、入力装置21が送信した無線信号に基づいて、予約管理を行う。入力装置21は、操作部211を有する。操作部211は、予約の実行が開始される場合に第1位置から第2位置に移動され、予約の実行が終了される場合に第2位置から第1位置に移動される。入力装置21は、操作部211が移動された場合に、操作部211の移動情報と、ID情報とを含む無線信号を送信する。予約管理方法は、予約開始時刻を含む予約情報、及びID情報を対応付けて記憶部44に記憶し、現在の時刻と予約開始時刻と移動情報とに基づいて、予約の実行状況を判断する。このような、予約管理方法及びプログラムによれば、予約の実行状況の管理が可能になる。
【0153】
また、上述した例では、予約管理装置41は、入力装置21が送信した無線信号を中継器31を介して間接的に受信するように構成されているが、これに限らず、入力装置21が送信した無線信号を直接的に受信するように構成されていてもよい。
【0154】
また、予約管理システム11の適用は、施設12の予約管理に限らない。例えば、予約管理システム11は、例えば自転車、車等のレンタル予約の管理に適用されてもよい。また、予約管理システム11は、例えば従業員の出勤管理に用いられてもよい。この場合、出勤が予約の実行開始に相当し、退勤が予約の実行終了に相当する。従業員は、出勤時及び退勤時に入力装置21の操作部211を移動させる。
【0155】
また、上述した例では、予約管理部の機能は、1つの装置(予約管理装置41)に集約されているが、複数の装置に分散されていてもよい。また、予約管理部の機能の少なくとも一部が、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されていてもよい。
【0156】
以上述べた予約管理部(予約管理装置41)の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における予約管理部の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FGPA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0157】
(まとめ)
第1態様に係る予約管理システム(11)は、入力装置(21)と、予約管理部(予約管理装置41)と、を備える。入力装置(21)は、第1位置と第2位置との間で移動可能な操作部(211)を有し、操作部(211)が移動された場合に、操作部(211)の移動情報と、ID情報とを含む無線信号を送信する。予約管理部(41)は、入力装置(21)が送信した無線信号に基づいて、予約管理を行う。操作部(211)は、予約の実行が開始される場合、第1位置から第2位置に移動され、予約の実行が終了される場合、第2位置から第1位置に移動される。予約管理部(41)は、計時部(45)と、記憶部(44)と、判断部(43)と、を有する。計時部(45)は、時刻を計時する。記憶部(44)は、開始予定時刻を含む予約情報、及びID情報を対応付けて記憶する。判断部(43)は、現在の時刻と予約開始時刻と移動情報とに基づいて、予約の実行状況を判断する。
【0158】
この態様によれば、記憶部(44)に予約情報及びID情報が記憶され、判断部(43)が予約の実行状況を判断するので、予約情報と利用状況(予約の実行状況)との連携が可能になる。
【0159】
第2態様に係る予約管理システム(11)では、第1態様において、判断部(43)は、操作部(211)が第2位置から第1位置に移動されてから、所定時間後に予約の実行が終了したと判断する。
【0160】
この態様によれば、利用者が誤って操作部(211)を第2位置から第1位置に移動させたとしても、操作部(211)を第2位置に戻した場合、予約の実行が終了したと誤判断することが抑制される。
【0161】
第3態様に係る予約管理システム(11)では、第1又は第2態様において、判断部(43)は、開始予定時刻に操作部(211)が第2位置にある場合、予約の実行が開始されたと判断する。判断部(43)は、予約開始時刻から所定時間までに操作部(211)が第1位置から第2位置に移動されなかった場合、予約をキャンセルする。
【0162】
この態様によれば、実行を伴わない予約(空予約)をキャンセルすることが可能になる。
【0163】
第4態様に係る予約管理システム(11)では、第1~第3態様のいずれかにおいて、判断部(43)は、予約がない時間帯に操作部(211)が第1位置から第2位置に移動された場合、記憶部(44)に、予約情報を記憶せず、実行履歴を記憶する。
【0164】
この態様によれば、予約なしで実行された場合の履歴を管理することが可能となる。
【0165】
第5態様に係る予約管理システム(11)では、第1~第3態様のいずれかにおいて、判断部(43)は、予約がない時間帯に操作部(211)が第1位置から第2位置に移動された場合、記憶部(44)に、現在の時刻を予約開始時刻とする予約情報を記憶部(44)に記憶する。
【0166】
この態様によれば、入力装置(21)を操作することにより臨時に予約を申請することが可能になる。
【0167】
第6態様に係る予約管理システム(11)では、第5態様において、判断部(43)は、予約がない時間帯に操作部(211)が第1位置から第2位置に移動された場合、記憶部(44)に、現在の時刻から所定時間後、又は次の予約の予約開始時刻を予約終了時刻とする予約情報を記憶部(44)に記憶する。
【0168】
この態様によれば、臨時に申請された予約が、他の予約と時間重複することが抑制される。
【0169】
第7態様に係る予約管理システム(11)では、第1~第6態様において、記憶部(44)は、入力装置(21)における操作部(211)の現在の位置とID情報とを対応付けて記憶する。
【0170】
この態様によれば、予約管理部(41)は、入力装置(21)の現在の操作部(211)の位置を通信を行うことなく把握することが可能になる。
【0171】
第8態様に係る入力装置(21)は、予約管理システム(11)に用いられ、操作部(211)と、表示部(2111)と、ケース(215)と、を備える。表示部(2111)は、予約の実行状況を表示する。ケース(215)は、操作部(211)及び表示部(2111)を保持する。表示部(2111)は、操作部(211)の移動に応じて移動するように構成され、操作部(211)が第1位置と第2位置との少なくとも一方の位置にある場合、ケース(215)から突出する。
【0172】
この態様によれば、利用者が、操作部(211)の位置を認識しやすくなる。
【0173】
第9態様に係る予約管理方法は、入力装置(21)が送信した無線信号に基づいて、予約管理を行う。入力装置(21)は、操作部(211)を有する。操作部(211)は、予約の実行が開始される場合に第1位置から第2位置に移動され、予約の実行が終了される場合に第2位置から第1位置に移動される。入力装置(21)は、操作部(211)が移動された場合に、操作部(211)の移動情報と、ID情報とを含む無線信号を送信する。予約管理方法は、予約開始時刻を含む予約情報、及びID情報を対応付けて記憶部(44)に記憶し、現在の時刻と予約開始時刻と移動情報とに基づいて、予約の実行状況を判断する。
【0174】
この態様によれば、予約情報と利用状況(予約の実行状況)との連携が可能になる。
【0175】
第10態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに予約管理方法を実行させる。
【0176】
この態様よれば、予約情報と利用状況(予約の実行状況)との連携が可能になる。
【符号の説明】
【0177】
11 予約管理システム
21 入力装置
211 操作部
2111 表示部
215 ケース
41 予約管理装置(予約管理部)
43 判断部
44 記憶部
45 計時部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14