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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】ガスメータ及びガスメータ管理システム
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20230602BHJP
   G01F 15/06 20220101ALI20230602BHJP
【FI】
G01F3/22 D
G01F15/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020015956
(22)【出願日】2020-02-03
(65)【公開番号】P2021124303
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横畑 光男
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-129392(JP,A)
【文献】特開2015-203507(JP,A)
【文献】特開2013-40909(JP,A)
【文献】特開2001-74532(JP,A)
【文献】特開昭63-172100(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102213606(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00- 9/02
G01F15/00-15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの流量を計測する流量計測部と、
ガスの流量に関する適正条件を記憶する適正条件記憶部と、
前記流量計測部で計測された流量に基づき前記適正条件を学習する適正条件学習部と、
前記流量計測部で計測された流量が最新の前記適正条件に合致するかどうかを判定する適合性判定部と、
予め定めた再学習判定条件を満たした場合に前記適正条件の再学習を前記適正条件学習部に指示する再学習指示部と、
外部機器と通信する為の通信部と、
を備え、
前記再学習指示部で、前記適正条件学習部に再学習を指示した場合、前記通信部で前記外部機器に所定の信号を送信し、
前記外部機器は、他のガスメータ、及び、前記他のガスメータを管理し前記所定の信号を受信すると受信した前記所定の信号を前記他のガスメータに送信するセンター装置のいずれかであるガスメータ。
【請求項2】
ガスの流量を計測する流量計測部と、
ガスの流量に関する適正条件を記憶する適正条件記憶部と、
前記流量計測部で計測された流量に基づき前記適正条件を学習する適正条件学習部と、
前記流量計測部で計測された流量が最新の前記適正条件に合致するかどうかを判定する適合性判定部と、
予め定めた再学習判定条件を満たした場合に前記適正条件の再学習を前記適正条件学習部に指示する再学習指示部と、
外部機器と通信する為の通信部と、
を備え、
前記再学習指示部で、前記適正条件学習部に再学習を指示した場合、前記通信部で前記外部機器に所定の信号を送信し、
前記外部機器は、近隣に設置された他のガスメータであり、直接または中継装置を介して前記所定の信号を送信することを特徴とするガスメータ。
【請求項3】
前記流量計測部で計測された流量に基づきガス器具を判別する器具判別部を備え、
前記再学習判定条件は、前記器具判別部で判別されたガス器具に応じて定められたことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスメータ。
【請求項4】
前記流量計測部で計測された流量に基づきガス器具を判別する器具判別部を備え、
前記再学習判定条件は、適合性判定部で合致しないと判定され、且つ、前記器具判別部で特定のガス器具が判別された場合である請求項1又は2に記載のガスメータ。
【請求項5】
ガスメータと、前記ガスメータを管理するセンター装置と、
を備え、
前記ガスメータは、
ガスの流量を計測する流量計測部と、
ガスの流量に関する適正条件を記憶する適正条件記憶部と、
前記流量計測部で計測された流量に基づき前記適正条件を学習する適正条件学習部と、
前記流量計測部で計測された流量が最新の前記適正条件に合致するかどうかを判定する適合性判定部と、
予め定めた再学習判定条件を満たした場合に前記適正条件の再学習を前記適正条件学習部に指示する再学習指示部と、
外部機器である前記センター装置と通信する為の通信部と、を備え、
前記再学習指示部で、前記適正条件学習部に再学習を指示した場合、前記通信部で前記外部機器である前記センター装置に所定の信号を送信し、
前記センター装置は、前記ガスメータから前記所定の信号を受信した場合に、前記ガスメータの設置場所に基づき決定された地域に設置された他のガスメータに前記適正条件の再学習の指示を行うことを特徴とするガスメータ管理システム。
【請求項6】
前記ガスメータは、前記流量計測部で計測された流量に基づきガス器具を判別する器具判別部を備え、
前記再学習判定条件は、前記器具判別部で判別されたガス器具に応じて定められたことを特徴とする請求項5に記載のガスメータ管理システム。
【請求項7】
前記ガスメータは、前記流量計測部で計測された流量に基づきガス器具を判別する器具判別部を備え、
前記再学習判定条件は、適合性判定部で合致しないと判定され、且つ、前記器具判別部で特定のガス器具が判別された場合である請求項5に記載のガスメータ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス供給源から流路を介してガス器具へ供給されるガスの流量を計測し、計測値に基づいてガスの流量の適正を判定するガスメータ、及び、このガスメータを有するガスメータ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のガス供給システムは、液化プロパンガス等の燃料用ガスを、配管を通じて各家庭のガス器具に供給している。このようなガス供給システムでは、各家庭に通じる配管にガスメータが設けられ、ガスの流量が計測される。計測される流量値は、ガス使用量に応じた課金計算のために用いられる他、ガス供給経路上の異常(ガス漏洩等)を検知し、異常を検知した場合にはガスの通流を遮断するためにも用いられる。
【0003】
流量値から異常を検知するためには、流量に対して閾値を設定する必要があるが、ガスの使用量は1年を通じて季節に応じて異なるのが通常である。例えば、夏季に比べて秋季や冬季は一般的に給湯量が増すため、ガスの使用量が大幅に増加する傾向がある。そのため、夏季のガス使用量に応じて閾値を設定すると、秋季や冬季に入って給湯量が増すと異常と判定(誤判定)されてしまう場合がある。
【0004】
そこで特許文献1には、ガスの適正な使用を示す条件(適正使用条件)を、適宜のタイミングで再学習するガス遮断装置が開示されている。これによれば、季節の変わり目などにガスの使用量が急激に変化した場合であっても、誤判定による遮断が生じるのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-203507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、誤遮断防止機能を搭載したガスメータが設置された場所の周囲或いは、地域に設置された誤遮断防止機能を搭載していない他のガスメータにおける誤遮断を回避することが可能なガスメータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るガスメータは、ガスの流量を計測する流量計測部と、ガスの流量に関する適正条件を記憶する適正条件記憶部と、前記流量計測部で計測された流量に基づき前記適正条件を学習する適正条件学習部と、前記流量計測部で計測された流量が最新の前記適正条件に合致するかどうかを判定する適合性判定部と、予め定めた再学習判定条件を満たした場合に前記適正条件の再学習を前記適正条件学習部に指示する再学習指示部と、外部機器と通信する為の通信部と、を備え、前記再学習指示部で、前記適正条件学習部に再学習を指示した場合、前記通信部で前記外部機器に所定の信号を送信し、前記外部機器は、他のガスメータ、及び、前記他のガスメータを管理し前記所定の信号を受信すると受信した前記所定の信号を前記他のガスメータに送信するセンター装置のいずれかであるというもので、このガスメータの周辺に設置された他のガスメータは、再学習の機能を有していなくても再学習を行うことができ誤遮断を防止することができる。
本発明に係るガスメータは、ガスの流量を計測する流量計測部と、ガスの流量に関する適正条件を記憶する適正条件記憶部と、前記流量計測部で計測された流量に基づき前記適正条件を学習する適正条件学習部と、前記流量計測部で計測された流量が最新の前記適正条件に合致するかどうかを判定する適合性判定部と、予め定めた再学習判定条件を満たした場合に前記適正条件の再学習を前記適正条件学習部に指示する再学習指示部と、外部機器と通信する為の通信部と、を備える。前記再学習指示部で、前記適正条件学習部に再学習を指示した場合、前記通信部で前記外部機器に所定の信号を送信し、前記外部機器は、近隣に設置された他のガスメータであり、直接または中継装置を介して前記所定の信号を送信する。
【0008】
また、本発明に係るガスメータ管理システムは、ガスメータと、前記ガスメータを管理するセンター装置と、を備える。前記ガスメータは、ガスの流量を計測する流量計測部と、ガスの流量に関する適正条件を記憶する適正条件記憶部と、前記流量計測部で計測された流量に基づき前記適正条件を学習する適正条件学習部と、前記流量計測部で計測された流量が最新の前記適正条件に合致するかどうかを判定する適合性判定部と、予め定めた再学習判定条件を満たした場合に前記適正条件の再学習を前記適正条件学習部に指示する再学習指示部と、外部機器である前記センター装置と通信する為の通信部と、を備え、前記再学習指示部で、前記適正条件学習部に再学習を指示した場合、前記通信部で前記外部機器である前記センター装置に所定の信号を送信する。前記センター装置は、前記ガスメータから前記所定の信号を受信した場合に、前記ガスメータの設置場所に基づき決定された地域に設置された他のガスメータに前記適正条件の再学習の指示を行うもので、再学習が必要と判断したガスメータからの報知に基づき、センター装置により予め設定された地域に設置されたガスメータに再学習の指示を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、誤遮断防止機能を持たないガスメータでも適正使用条件の再学習が可能となり、誤遮断を回避することが出来、事業者の出動が不要になるとともに、消費者がガスを使用できない状態を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係るガスメータを示す模式図
図2】実施の形態1に係るガスメータ及び他のガスメータの関係を示す図
図3】実施の形態2に係るガスメータを示す模式図
図4】実施の形態3に係るガスメータ管理システム図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の基礎となった知見等)
特許文献1に開示されたガス遮断装置によると、ガスの適正な使用を示す条件(適正使用条件)を、適宜のタイミングで再学習することで、季節の変わり目などにガスの使用量が急激に変化した場合であっても、誤判定による遮断が生じるのを防止することができるが、この機能を搭載していないガスメータでは、誤判定により遮断してしまうという課題がある。
【0012】
また、季節による気温の変化は、年によって異なる為に確実な判断が出来ない可能性もあった。
【0013】
一方、季節の変わり目による急激な気温低下は、地域性があり、1つのガスメータで誤判定による遮断が起きると周辺に設置されたガスメータでも誤判定の可能性が高くなる。そこで、発明者らは、この点に着目し、再学習を行う機能を有するガスメータが再学習が必要と判断した場合に、そのガスメータの周辺に設置されたガスメータの誤判定を防止することが可能であることを見出し、本開示の主題を構成するに至った。
【0014】
そこで、本開示は、再学習の機能を有しないガスメータに対して、再学習を強制的に実施させることが可能なガスメータを提供する。
【0015】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0016】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0017】
(実施の形態1)
以下、図1図2を用いて、本実施の形態1を説明する。
【0018】
[1-1.構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるガスメータの構成を示すもので、ガスメータ10は、上流側配管21と下流側配管22に接続された内部流路11を有し、内部流路11には、ガスの流量を計測する流量計測部12、ガスを遮断する遮断弁13が設けられ
ている。下流側配管22には、ガス給湯器やガスファンヒータなどのガス器具(ガス器具A23、ガス器具B24)が接続されている。通信部18は、外部機器と通信することで、他のガスメータや、ガスメータ10を管理するセンター装置と通信を行う。
【0019】
また、ガスメータ10は、記憶部14、適正条件学習部16、適合性判定部15、再学習指示部17等を備えている。
【0020】
[1-2.動作]
流量計測部12は、内部流路11内を流れるガスの流量を計測するものであり、超音波式あるいは膜式など、公知の何れの計測方式によるものであってもよい。記憶部14は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access
Memory)などを備え、ガスの流量に関する適正条件を記憶する。そして、例えばROMには適正条件の初期値を記憶する初期条件記憶部14aの記憶領域を確保し、RAMには適正条件学習部16で学習された適正条件を記憶する学習条件記憶部14bの記憶領域が確保されている。
【0021】
適合性判定部15は、流量計測部12で計測された流量と記憶部14に記憶された適正条件とを比較し、適正条件を逸脱した場合に異常と判断し、遮断弁13で内部流路11のガスを遮断する、或いは、通信部18により外部に報知する。
【0022】
適正条件学習部16は、ガスメータ10を通じた過去のガスの使用状況に応じて適正条件を学習し、学習後の適正条件を学習条件記憶部14bに記憶する。
【0023】
例えば、ガス流量の急激な増加による異常を判定してガスを遮断する機能の場合、ガスメータの設置から所定期間(例えば、2週間)におけるガスの最大増加流量を計測し、所定期間に計測された最大増加流量に安全率(例えば、2.2)を掛けて、誤判定を起こさない為の新たな適正条件として学習条件記憶部14bに記憶する。なお、初期条件記憶部14aに記憶された増加流量の許容値の初期値以下の場合は、初期値のままとしても良い。
【0024】
或いは、ガスの流量区分毎に設定された使用時間を超えてガスが継続使用された場合に消し忘れと判断し、ガスを遮断する機能の場合、所定期間の間にガスの流量区分毎の使用時間を学習することで、設置された家の使用実態に合わせて最適な使用時間を学習して学習条件記憶部14bに記憶する。
【0025】
再学習指示部17は、季節の変わり目などでガスの使用量が急激に増加する場合に対応する為に、適正条件を再度学習する必要性を判断し、学習が必要と判断した場合には、適正条件学習部16に適正条件の再学習を指示する。
【0026】
例えば、再学習指示部17は、季節を判定する為のタイマーを有しており、秋から冬にかけて気温が低下する時期を判断することで学習が必要と判断する。或いは、カレンダー機能を有し、ガスメータの設置時に設定した日時に達したら適正条件学習部16に適正条件の再学習を指示する。
【0027】
通信部18は、再学習指示部17から適正条件学習部16に適正条件の再学習が指示された場合、適正条件の再学習が必要であることを、所定の電文(以降、再学習電文という)として外部に送信する。
【0028】
従って、ガスメータ10から再学習電文を受信した他のガスメータは、再学習指示部の機能を有していなくても、適正条件の再学習を行うことができる。
【0029】
図2は、本実施の形態のガスメータ10と、その周辺の家に設置されたガスメータ30a~30eを示している。図2において、点線で囲まれているのは、予め設定されたグループGに属するガスメータである。このようにガスメータに付与されているID等によりガスメータの属するグループGを決めておくことで、ガスメータ10と同じグループGに属しているガスメータ30a~30dは、再学習電文を受信すると適正条件の再学習を行い、グループGに属していないガスメータ30eは適正条件の再学習を行わないようにすることもできる。
【0030】
なお、ガスメータ10と他のガスメータ30a~30eの通信方式は特に限定されず、特定小電力を用いた直接通信、或いは、親機を介した間接通信でもよい。
[1-3.効果等]
以上の様に、本実施の形態のガスメータ10は、予め定めた再学習判定条件を満たした場合に適正条件の再学習を適正条件学習部16に指示する再学習指示部17と、外部機器と通信する為の通信部18とを備えて、再学習が必要と判断した場合に、通信部18で再学習電文を送信することで、ガスメータ10の周囲に設置された他のガスメータが再学習機能と有していなくても、適正条件の再学習を行うことができるので、誤遮断を回避することが出来、事業者の出動が不要になるとともに、消費者がガスを使用できない状態を回避できる。
【0031】
(実施の形態2)
以下、図3を用いて、本実施の形態2を説明する。
【0032】
[2-1.構成]
図3は、実施の形態2のガスメータの構成を示すもので、実施の形態1におけるガスメータ10に器具判別部41を追加したものであり、再学習指示部42や適合性判定部43は、器具判別部41により判別されたガス器具の種類に応じた動作を行う。なお、実施の形態1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0033】
[2-2.動作]
器具判別部41は、流量計測部12で計測された流量からガスファンヒータ、給湯器などのガス器具を判別する。ガス器具の判別方法としては、ガス器具の起動開始からの流量パターンや流量と使用時間など既知の方法を取り得る。
【0034】
再学習指示部42は、器具判別部41で判別されたガス器具に応じて再学習が必要かを判断する。
【0035】
例えば、ガス器具がファンヒータであり、所定期間ガスファンヒータの使用が判別されていなかった場合は、ガスファンヒータが使用される季節になったと判断し、再学習の指示を適正条件学習部16に指示する。これにより、ガスファンヒータの属するガス流量区分における連続使用時間を再学習することで、ガスファンヒータに対応した時間使用に適正条件を再学習することができる。
【0036】
また、再学習指示部42は、器具判別部41により判別されたガス器具と適合性判定部43の判定結果に基づいて、再学習が必要かを判定するようにしても良い。
【0037】
例えば、適合性判定部43による判定で使用開始時のガスの増加流量が記憶部14に記憶された適正条件に合致せず、器具判別部41により判別されたガス器具が給湯器であった場合は、季節の変わり目などに急な水温低下で給湯器のガス消費量が急激に増加したと判断し、再学習が必要と判断することができる。なお、この場合は、適合性判定部43に
より適正条件に合致しないと判断された場合でも、ガスの遮断は行わないようにする。
【0038】
そして、実施の形態1と同様に、ガスメータ40の周辺に設置された他のガスメータ、或いは、センター装置を介してガスメータ40が設置された地域に設置された他のガスメータは、適正条件の再学習を行うことができる。
【0039】
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態のガスメータ40は、器具判別部41を有し、再学習判定条件は、器具判別部41で判別されたガス器具に応じて定められたことで、器具に応じた再学習を行うことができるので、ガスメータ40の周辺に設置された他のガスメータ、或いは、センター装置を介してガスメータ40が設置された地域に設置された他のガスメータは、適正条件の再学習を行うことができる。
【0040】
また、再学習判定条件は、適合性判定部で合致しないと判定され、且つ、前記器具判別部で特定のガス器具が判別された場合としても良い。この場合、誤判定の発生時に再学習を判断する為、急激な水温低下が起きた場合など、環境の急変に対応でき、ガスメータ40の周辺に設置された他のガスメータ、或いは、センター装置を介してガスメータ40が設置された地域に設置された他のガスメータは、適正条件の再学習を行うことができる。
【0041】
なお、器具判別部41を有する場合は、適正条件の設定値を器具判別部41を有しないガスメータの学習による設定値よりも低く設定することで、他のガスメータよりも先に再学習の判断を行うことができるので、他のガスメータの誤判定の発生を確実に防ぐことができる。
【0042】
(実施の形態3)
以下、図4を用いて、実施の形態3について説明する。
【0043】
[3-1.構成]
図4は、本実施の形態1のガスメータ10又は実施の形態2のガスメータ40と、他の複数のガスメータと、これらのガスメータを管理するセンター装置Cと、からなるガスメータ管理システムSの構成を示している。
【0044】
図3において、センター装置Cは、地域Raに設置されたガスメータ50a~50e、地域Rbに設置されたガスメータ51a~51e、地域Rcに設置されたガスメータ52a~52eを管理している。また、地域Rbには、ガスメータ10又はガスメータ40が設置されている。以下、ガスメータ10が設置されているとして説明する。
【0045】
また、ガスメータ10とセンター装置Cとの通信方式は特に限定されず、電話回線を用いて直接通信する方式、セルラー通信により基地局(図示せず)を介する方式、ガスメータ10に設置された無線子機(図示せず)と親機(図示せず)間を無線で通信する多段中継とインターネット回線を用いる方式など、ガスメータ10の設置状況に応じて適宜選択できる。
【0046】
[3-2.動作]
センター装置Cは、地域Rbに設置されたガスメータ10より、再学習電文を受信すると、ガスメータ10が設置された地域Rbに設置された他のガスメータ51a~51eに再学習電文を送信する。従って、ガスメータ51a~51eは、再学習指示部を有していなくても適正条件の再学習を行うことができる。
【0047】
なお、センター装置Cは、ガスメータ10の設置場所に応じて再学習が必要と判断され
る地域、或いは、個々のガスメータを指定して再学習電文を送信するようにしても良い。
【0048】
[3-3.効果等]
以上のように、本実施の形態のガスメータ管理システムSは、ガスメータと、前記外部機器として前記ガスメータを管理するセンター装置と、を備え、前記センター装置は、前記ガスメータから前記所定の信号を受信した場合に、前記ガスメータの設置場所に基づき決定された地域に設置された他のガスメータに前記適正条件の再学習の指示を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、ガス供給源から流路を介してガス器具へ供給されるガスの流量を計測し、計測値に基づいてガスの流量の適正を判定するガスメータ、及び、このガスメータを有するガスメータ管理システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
10、40 ガスメータ
12 流量計測部
14 記憶部(適正条件記憶部)
15、43 適合性判定部
16 適正条件学習部
17、42 再学習指示部
18 通信部
30a~30e 他のガスメータ
41 器具判別部
S ガスメータ管理システム
C センター装置
図1
図2
図3
図4