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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】読取装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20230602BHJP
   H04N 1/10 20060101ALI20230602BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20230602BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20230602BHJP
   G03B 27/54 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
H04N1/04 101
H04N1/10
H04N23/56
H04N5/222 300
G03B27/54 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020511682
(86)(22)【出願日】2019-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2019010914
(87)【国際公開番号】W WO2019193955
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2018071155
(32)【優先日】2018-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】飯山 智子
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-304583(JP,A)
【文献】特開2017-091332(JP,A)
【文献】特開2010-200187(JP,A)
【文献】特開2009-284455(JP,A)
【文献】特開昭60-118829(JP,A)
【文献】特開2007-163948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04 - 1/207
H04N 5/222- 5/257
23/00
23/40 -23/76
23/90 -23/959
G03B 27/52 -27/56
27/66 -27/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面に開口を有し、前記開口に透明な読取窓部材を配置した筐体と、
前記筐体の内部の前記第1面と対向する第2面側に配置され、前記第1面側に赤外光を照射する第1照射部と、
軸が前記読取窓部材を向くように前記第2面側に配置された撮像装置と、
前記第1照射部よりも前記第1面側に配置され、前記筐体の内部において前記第1面と前記第2面とを接続する第1側壁に配置され、前記赤外光を拡散する第1拡散部と、
を備え、
前記第1拡散部は、
前記第1側壁に対して交差する方向に延びる第1拡散面を有し、前記第1照射部が照射した赤外光が前記第1拡散面を透過する光透過型の第1拡散板と、
前記第1拡散板よりも前記第1面側に配置され、前記第1側壁及び前記第1拡散面に対して交差する方向に延びる第2拡散面を有し、前記第1拡散面を透過した赤外光が前記第2拡散面を透過する光透過型の第2拡散板とで構成される、
読取装置。
【請求項2】
前記第1照射部は、前記第1拡散板と、第2面との間に配置される、請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記第1側壁に光拡散型の反射板が取り付けられた、
請求項1または2に記載の読取装置。
【請求項4】
可視光を照射する第2照射部が、前記第1拡散部と、第2面との間に配置され、前記第1拡散部が、前記可視光を拡散する、請求項1~3のいずれか1項に記載の読取装置。
【請求項5】
紫外光を照射する第3照射部が、前記第1面と前記第1拡散部との間に配置される、請求項1~4のいずれか1項に記載の読取装置。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記読取窓部材全体が画角の範囲内になる前記読取窓部材との距離で配置される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の読取装置。
【請求項7】
前記第1拡散板は、前記第1照射部に対向して配置される、請求項1~6のいずれか1項に記載の読取装置。
【請求項8】
前記第2照射部の位置から前記読取窓部材の位置への照射方向において、前記第1拡散板は、前記第2照射部と前記読取窓部材の間に配置される、
請求項4に記載の読取装置。
【請求項9】
前記筐体の内部において前記第1側壁と対向する第2側壁に配置され、前記赤外光を拡散する第2拡散部をさらに備え、
前記第2拡散部は、
前記第2側壁の前記第2面側に対して交差する方向に延びる第3拡散面を有し、前記第1照射部が照射した赤外光が前記第3拡散面を透過する光透過型の第3拡散板と、
前記第3拡散板よりも前記第1面側に配置され、前記第2側壁の前記第1面側及び前記第3拡散面に対して交差する方向に延びる第4拡散面を有し、前記第3拡散面を透過した赤外光が前記第4拡散面を透過する光透過型の第4拡散板とで構成される、
請求項1~8のいずれか1項に記載の読取装置。
【請求項10】
前記第1面は前記筐体の上部である、
請求項1~9のいずれか1項に記載の読取装置。
【請求項11】
前記第1拡散板は、前記撮像装置の視角よりも前記第1側壁側に配置され
前記第2拡散板は、前記撮像装置の視角よりも前記第1側壁側に配置され、前記第1側壁に対して前記第2面側に傾斜して配置される、
請求項1~10のいずれか1項に記載の読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取対象物を撮像して読取る読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、パスポートなどの読取対象物の被読取面が載置される載置面と、被読取面を照明する赤外光源または可視光源を備える照明光源と、被読取面を撮像する撮像部と、被読取面からの光路を変更して撮像部に集光させるミラーとを備える読取装置を開示している。照明光源を局所的に載置面に近接して配置することによって、読取装置は、照明ムラの少ない画像を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4473933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、照明ムラを低減して、読取精度を向上した読取装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の読取装置は、筐体と、第1照射部と、撮像装置と、第1拡散部とを備える。筐体は、その上部に、透明な読取窓部材を配置した開口を有する。第1照射部は、赤外光を照射する。撮像装置は、筐体の内部の上部と対向する底部に光軸が読取窓部材を向くように配置される。第1拡散部は、筐体の内部において上部と底部とを接続する左側壁に配置される。第1拡散部は、第1照射部からの赤外光を拡散する。第1拡散部は、光透過型の第1拡散板と、光透過型の第1拡散板とで構成される。第1拡散板は、左側壁の底面側に上部の方向に傾斜して配置される。第2拡散板は、左側壁の上面側に底部の方向に傾斜して配置される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、照明ムラを低減して、読取精度を向上した読取装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施の形態1に係る読取装置の外観を示す斜視図
図2】読取対象物の被読取面の一例を示す図
図3】読取装置の構成を示す断面図
図4】読取装置の内部で可視光が拡散する様子を示す図
図5】読取装置の内部で赤外光が拡散する様子を示す図
図6A】読取装置の別の実施の形態を示す断面図
図6B】読取装置の別の実施の形態を示す断面図
図7A】読取装置の別の実施の形態を示す断面図
図7B】読取装置の別の実施の形態を示す断面図
図8】読取装置の別の実施の形態を示す断面図
図9】読取装置の別の実施の形態を説明するための図
図10】読取装置の別の実施の形態を説明するための図
図11】読取装置の別の実施の形態を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0009】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0010】
(実施の形態1)
1.構成
図1は、実施の形態1に係る読取装置20の外観を示す斜視図である。読取装置20は、上部(第1面)に開口を有する筐体21と、当該開口に嵌め込まれた読取窓部材22とを備える。
【0011】
筐体21は、後述する種々の部材を収納する。読取窓部材22の上面には、読取対象物10の被読取面が載置される。読取窓部材22は、光透過性の、ガラス、または有機ガラスなどの樹脂によって構成される。読取窓部材22の表面には、反射防止シート、反射防止膜、飛散防止シートなどが貼り合わされてもよい。読取装置20は内部に撮像装置を備え、撮像装置は読取窓部材22越しに被読取面を撮像する。
【0012】
図2は、読取対象物10の被読取面の一例を示す図である。読取対象物10は、例えば、パスポートである。被読取面には、顔写真11、旅券データ12、および偽造防止のための図形13などが配置されている。偽造防止のための図形13は、紫外線に反応して蛍光する塗料を用いて印刷されている。読取装置20は、読取対象物10の被読取面から、顔写真11、旅券データ12、および図形13等の情報を光学的に読み取る。
【0013】
図3は、図1のA-A’断面に対応する読取装置20の構成を示す断面図である。上述したように、読取装置20は、筐体21および読取窓部材22を備える。読取装置20は、赤外光を照射する第1照射部27a,27bおよび可視光を照射する第2照射部28a,28bを備える。読取装置20は、撮像装置26、および紫外光を照射する第3照射部29を備える。読取装置20は、第1拡散部および第2拡散部を備える。第1拡散部は、光透過型の第1拡散板24aおよび光透過型の第2拡散板25aにより構成される。第2拡散部は、光透過型の第3拡散板24bおよび光透過型の第4拡散板25bにより構成される。読取装置20は、光拡散型の反射板23a,23bを備える。
【0014】
第1拡散部および第2拡散部は、入射した光を透過して拡散する。ここで、「透過して拡散する」とは、物体を透過した光が、当該物体の細かい凹凸によって様々な角度で広がり散ることをいう。第1拡散部および第2拡散部は、ガラス、またはアクリルなどの有機ガラスで構成される。
【0015】
光拡散型の反射板23a,23bは、入射した光を拡散反射する。ここで、「拡散反射」とは、物体に入射した光が、当該物体の細かい凹凸によって様々な角度で反射することをいう。本実施の形態の反射板23a,23bは、高い拡散性を有する白色の材料を含む白色板で構成されるが、これに限定されない。反射板23a,23bは、例えば、アルミニウムなどで構成される反射板に、拡散反射性の高い白塗装を施したものや、反射シート、拡散反射性の高い白いガラスや樹脂の板材などで構成されてもよい。本実施の形態の反射板23a,23bは筐体21の内部の側壁に配置されるが、筐体21と一体成形されていてもよい。あるいは、筐体21の側壁全体が反射板で構成されてもよい。
【0016】
第1照射部27a,27bは、基板と、基板上に実装された複数の赤外光源とを含む。赤外光源は、赤外光を照射する。基板上には、赤外光源を駆動する回路が配置される。第1照射部27a,27bは、例えば、0.7~2.5μmの波長を有する近赤外光線を照射する。第1照射部27a,27bはそれぞれ、赤外光源として6個の赤外光LEDを備える。6個の赤外光LEDは、図3において奥行き方向(左右方向および上下方向の双方と直交する方向)に一列に整列して配置される。また、第1照射部27a,27bは、表面実装型の赤外光LEDを備えるが、砲弾型など他の形状の赤外光LEDを備えてもよい。第1照射部27a,27bは、例えば、図2の被読取面の旅券データ12の各文字を明瞭に撮像するために使用される。本実施の形態で使用する赤外光LEDは、50°程度の半減角を有する。ここで、「半減角」とは、正面方向への光度に対して、光度が半分になる角度のことをいう。
【0017】
第2照射部28a,28bは、基板と、基板上に実装された複数の可視光源とを含む。可視光源は、可視光を照射する。基板上には、可視光源を駆動するための回路が配置される。第2照射部28a,28bはそれぞれ、可視光源として4個の白色光LEDを備える。4個の白色光LEDは、図3において奥行き方向(左右方向および上下方向の双方と直交する方向)に一列に整列して配置される。第2照射部28a,28bは、表面実装型の白色光LEDを備えるが、砲弾型など他の形状の白色光LEDを備えてもよい。本実施の形態で使用する白色光LEDは、120°程度の半減角を有する。
【0018】
撮像装置26は、読取窓部材22を介して、読取窓部材22の上面に載置された、読取対象物10の被読取面を撮像する。撮像装置26は、撮像センサ、広角レンズ、撮像センサを駆動する回路などで構成される。撮像装置26が広角レンズを備えることにより、読取窓部材22と撮像装置26との間の距離を大きくすることなく、被読取面全体を画角に収めるように撮像装置26を配置することができる。したがって、読取装置20は、被読取面からの光路を曲げて撮像装置に集光させるミラーを備える必要がない。それ故、読取装置20は、可視光源による照明ムラが少ない画像を取得することができる。
【0019】
第3照射部29は、基板と、基板上に実装された複数の紫外光源とを含む。紫外光源は紫外光を照射する。基板上には、複数の紫外光源を駆動するための回路が配置される。紫外光源は、約10~400nmの波長を有する紫外光を照射する。第3照射部29は、紫外光源として8個の紫外光LEDを備える。第3照射部29は、砲弾型の紫外光LEDを備えるが、表面実装型など他の形状の紫外光LEDを備えてもよい。本実施の形態で使用する紫外光LEDは、15°程度の半減角を有する。第3照射部29は、例えば、図2の偽造防止のための図形13を蛍光させるために使用される。
【0020】
図3において、読取窓部材22は、筐体21の上部の開口に嵌め込まれて配置される。撮像装置26は、筐体21の内部の底部(第1面と対向する第2面側)において、読取窓部材22の下方に読取窓部材22全体が画角に収まるように配置される。
【0021】
反射板23aは、読取窓部材22の下側において筐体21内部の第1面と第2面とを接続する左側壁(第1側壁)に配置される。第1拡散板24aは、筐体21内部の左側壁に上向きに傾斜して配置される。第2拡散板25aは、光透過型の第1拡散板24aの上方に筐体21内部の左側壁に対して下向きに傾斜して配置される。第1拡散板24aは、筐体21内部の左側壁の法線に対してθの角度で傾斜して配置される。第2拡散板25aは、筐体21内部の左側壁の法線に対してθの角度で傾斜して配置される。例えば、θは30°であり、θは50°である。
【0022】
第2照射部28aは、反射板23aの下側において、筐体21内部の左側壁に配置される。第1照射部27aは、筐体21の底部に第1拡散板24aと対向して配置される。
【0023】
反射板23bは、反射板23aに対して、撮像装置26の光軸を中心として左右対称に、筐体21内部の第1面と第2面とを接続する右側壁(第2側壁)に配置される。第3拡散板24bは、筐体21内部の右側壁に上向きに傾斜して配置される。第4拡散板25bは、第3拡散板24bの上方に筐体21内部の右側壁に対して下向きに傾斜して配置される。第3拡散板24bは、筐体21内部の右側壁の法線に対してθの角度で、上向きに傾斜して配置される。第4拡散板25bは、筐体21内部の右側壁の法線に対してθの角度で、下向きに傾斜して配置される。例えば、θは30°であり、θは50°である。
【0024】
第2照射部28bは、第2照射部28aに対して、撮像装置26の光軸を中心として左右対称に、筐体21内部の右側壁に配置される。第1照射部27bは、第1照射部27aに対して、撮像装置26の光軸を中心として左右対称に、筐体21の底部に第3拡散板24bと対向して配置される。
【0025】
第3照射部29は、第1拡散部および第2拡散部の上側(第1面側)において、筐体21内部の奥側壁に配置される。
【0026】
2.動作
以上の構成を有する読取装置20の動作を説明する。読取窓部材22の上面に、読取対象物10の被読取面が載置される。読取装置20は、赤外光、可視光、および紫外光により読取対象物10の被読取面を照射し、被読取面を撮像して画像を取得する。読取装置20は、通信部(図示せず)をさらに備えており、当該通信部を介して接続された外部装置に、撮像した画像を送信する。外部装置は、撮像した画像を受信すると、当該画像を種々の解析に使用する。
【0027】
具体的には、第1照射部27a,27bは赤外光を照射する。第2照射部28a,28bは可視光を照射する。第1照射部27a,27bからの赤外光、および第2照射部28a,28bからの可視光は、第1拡散部、第2拡散部、および反射板23a,23bによって拡散される。読取対象物10の被読取面は、拡散された赤外光または可視光によって照明される。撮像装置26は読取対象物10の被読取面を撮像して画像を取得する。通信部は、取得した画像を外部装置に送信する。
【0028】
第3照射部29は紫外光を照射する。読取対象物10の被読取面は、第1拡散部、第2拡散部、および反射板23a,23bによって拡散されることなく、読取対象物10の被読取面を直接照射する。読取対象物10の被読取面に配置される偽造防止のための図形13は、直接照射された紫外光によって蛍光させる。撮像装置26は読取対象物10の被読取面を撮像して画像を取得する。通信部は、取得した画像を外部装置に送信する。
【0029】
3.光の拡散について
図4は、読取装置20の内部で、第2照射部28aからの可視光が拡散する様子を示す図である。第2照射部28aからの可視光の一部は、第1拡散板24aに入射する。第1拡散板24aは、第2照射部28aから入射した可視光を透過して拡散する。
【0030】
第1拡散板24aで拡散した可視光の一部は、反射板23aに入射する。反射板23aは、第1拡散板24aから入射した可視光を拡散反射する。反射板23aから拡散反射した可視光の一部は、第2拡散板25aに入射する。第2拡散板25aは、反射板23aから入射した可視光を透過して拡散する。第2拡散板25aから透過して拡散した可視光の一部は、読取窓部材22を透過する。読取窓部材22に載置された読取対象物10の被読取面は、読取窓部材22を透過した可視光によって照明される。
【0031】
第1拡散板24aから拡散した可視光の別の一部は、第2拡散板25aに入射する。第2拡散板25aは、第1拡散板24aからの入射した可視光を透過して拡散する。第2拡散板25aから透過して拡散した可視光の一部は、読取窓部材22を透過する。読取窓部材22に載置された読取対象物10の被読取面は、読取窓部材22を透過した可視光によって照明される。
【0032】
第2照射部28aからの拡散した可視光のさらに別の一部は、第3拡散板24bに入射する。第3拡散板24bは、第2照射部28aから入射した可視光を透過して拡散する。
【0033】
第3拡散板24bから拡散した可視光の一部は、反射板23bに入射する。反射板23bは、第3拡散板24bからの入射した可視光を拡散反射する。反射板23bからの拡散反射した可視光の一部は、第4拡散板25bに入射する。第4拡散板25bは、反射板23bから入射した可視光を透過して拡散する。第4拡散板25bから透過して拡散した可視光の一部は、読取窓部材22を透過する。読取窓部材22に載置された読取対象物10の被読取面は、読取窓部材22を透過した可視光によって照明される。
【0034】
第3拡散板24bから拡散した可視光の別の一部は、第4拡散板25bに入射する。第4拡散板25bは、第3拡散板24bから入射した可視光を透過して拡散する。第4拡散板25bから透過して拡散した可視光の一部は、読取窓部材22を透過する。読取窓部材22に載置された読取対象物10の被読取面は、読取窓部材22を透過した可視光によって照明される。
【0035】
第2照射部28bからの可視光は、上述した第2照射部28aからの可視光に対して、撮像装置26の光軸を中心として左右対称な方向に拡散して被読取面を照明する。
【0036】
本実施の形態において、可視光源として使用する白色光LEDの半減角は、120°程度である。第1拡散板24aおよび第3拡散板24bは、可視光源からの可視光を、白色光LEDの半減角の角度範囲にわたって、被読取面に到達させないように配置される。したがって、被読取面は、高い光度を有する可視光により直接照明されることはない。それ故、本実施の形態の読取装置20は、可視光源による照明ムラが少ない画像を取得することができる。
【0037】
また、本実施の形態において、読取装置20は、撮像装置26と第1拡散板24aの上辺との間、および、撮像装置26と第3拡散板24bの上辺との間に間隙を有する。第2照射部28a,28bからの可視光の一部が当該間隙を通過するので、読取装置20は、可視光源による照明ムラが少ない画像を取得することができる。また、第1拡散板24aおよび第3拡散板24bは、撮像装置26の視角に入らない大きさで、第2拡散板25aおよび第4拡散板25bは、撮像装置26の視角に入らないように傾斜して配置される。
【0038】
図5は、読取装置の内部で、第1照射部27aからの赤外光が拡散する様子を示す図である。第1照射部27aからの赤外光の一部は、第1拡散板24aに入射する。第1拡散板24aは、第1照射部27aからの入射した赤外光を透過して拡散する。
【0039】
第1拡散板24aからの拡散した赤外光の一部は、反射板23aに入射する。反射板23aは、第1拡散板24aから入射した赤外光を拡散反射する。反射板23aから拡散した赤外光の一部は、第2拡散板25aに入射する。第2拡散板25aは、反射板23aから入射した赤外光を透過して拡散する。第2拡散板25aから拡散した赤外光の一部は、読取窓部材22を透過する。読取窓部材22に載置された読取対象物10の被読取面は、読取窓部材22を透過した赤外光によって照明される。
【0040】
第1拡散板24aからの拡散した赤外光の別の一部は、第2拡散板25aに入射する。第2拡散板25aは、第1拡散板24aから入射した赤外光を透過して拡散する。第2拡散板25aからの拡散した赤外光の一部は、読取窓部材22を透過する。読取窓部材22に載置された読取対象物10の被読取面は、読取窓部材22を透過した赤外光によって照明される。
【0041】
第1照射部27bからの赤外光は、上述した第1照射部27aからの赤外光に対して、撮像装置26の光軸を中心として左右対称な方向に拡散して被読取面を照明する。
【0042】
本実施の形態において、赤外光源として使用する赤外光LEDの半減角は、50°程度である。第1拡散板24aおよび第3拡散板24bは、赤外光源からの赤外光を、赤外光LEDの半減角の角度範囲にわたって、被読取面に到達させないように配置される。したがって、被読取面は、高い光度を有する赤外光により照明されることはない。それ故、本実施の形態の読取装置20は、赤外光源による照明ムラが少ない画像を取得することができる。
【0043】
第3照射部29からの紫外光は、第1拡散部、第2拡散部、および反射板23a,23bを介さずに、読取窓部材22を透過する。読取窓部材22を透過した紫外光は、例えば、図2の偽造防止のための図形13を蛍光させる。
【0044】
本実施の形態の読取装置20は、第1拡散部、第2拡散部、および反射板23a,23bを介さずに、第3照射部29からの紫外光を、被読取面に到達させる。このことにより、第1拡散部、第2拡散部、および反射板23a,23bとして、紫外線によって劣化することがある樹脂材料や紫外線を吸収する樹脂材料を使用することができる。
【0045】
4.まとめ
以上説明したように、読取装置20は、筐体21と、第1照射部27aと、撮像装置26と、第1拡散部とを備える。筐体21は、その上部(第1面)に、透明な読取窓部材22を配置した開口を有する。第1照射部27aは、赤外光を照射する。撮像装置26は、筐体の内部の上部と対向する底部(第2面)に光軸が読取窓部材22を向くように配置される。第1拡散部は、筐体21の内部において上部と底部とを接続する左側壁(第1側壁)に配置される。第1拡散部は、第1照射部27aからの赤外光を拡散する。第1拡散部は、光透過型の第1拡散板24aと、光透過型の第2拡散板25aとで構成される。第1拡散板24aは、左側壁の底部側に上部の方向に傾斜して配置される。第2拡散板25aは、左側壁の上部側に底部の方向に傾斜して配置される。
【0046】
第1照射部27aは、第1拡散板24aと、筐体21の底部との間に配置される。
【0047】
このことにより、第1照射部27aからの赤外光は、第1拡散部を介して拡散されて、読取窓部材22を照射するので、読取装置20は、第1照射部27aによる照明ムラが少ない画像を取得することができる。
【0048】
読取装置20は、光拡散型の反射板23aをさらに備える。反射板23aは、筐体21の左側壁に取り付けられる。
【0049】
このことにより、反射板23aは、第1拡散部からの光を拡散反射するので、読取装置20は、光を効率よく用いることができる。
【0050】
読取装置20は、可視光を照射する第2照射部28aをさらに備える。第2照射部28aは、第1拡散板24aと、筐体21の底部との間に配置される。第2照射部28aからの可視光は、第1拡散部によって拡散される。
【0051】
このことにより、第2照射部28aからの可視光は、第1拡散部を介して拡散されて、読取窓部材22を照射するので、読取装置20は、第2照射部28aによる照明ムラが少ない画像を取得することができる。
【0052】
読取装置20は、紫外光を照射する第3照射部29をさらに備える。第3照射部29は、筐体21の上部と第1拡散部との間に配置される。
【0053】
このことにより、第3照射部29からの紫外光は、第1拡散部および反射板23aを介さずに被読取面に到達する。したがって、第1拡散部、第2拡散部、および反射板23a,23bの材料として、紫外線によって劣化することがある樹脂材料や紫外線を吸収する樹脂材料を使用することができる。
【0054】
撮像装置26は、読取窓部材22全体が画角の範囲内に含まれるように配置される。このとき、撮像装置26は広角レンズを備えてもよい。
【0055】
このことにより、読取窓部材22と撮像装置26との間の距離を大きくすることなく、被読取面全体を画角に収めるように撮像装置26を配置することができるので、読取装置20は、従来の読取装置のように、被読取面からの光路を曲げて撮像装置に集光させるミラーを備える必要がない。したがって、本開示は、小型な読取装置を提供することができる。
【0056】
読取装置20は、第1拡散板24aの上辺と撮像装置26との間に、間隙を有する。
【0057】
このことにより、第2照射部28a,28bからの可視光の一部が当該間隙を通過するので、読取装置20は、可視光源による照明ムラが少ない画像を取得することができる。
【0058】
第1拡散板24aは、第1照射部27aからの赤外光を、第1照射部の半減角の角度範囲にわたって、直接読取窓部材22に到達させないように配置される。
【0059】
このことにより、被読取面は、高い光度を有する赤外光により直接照明されることはない。それ故、読取装置20は、赤外光源による照明ムラが少ない画像を取得することができる。
【0060】
第1拡散板24aは、第2照射部28aからの可視光を、第2照射部の半減角の角度範囲にわたって、直接読取窓部材22に到達させないように配置される。
【0061】
このことにより、被読取面は、高い光度を有する可視光により直接照明されることはない。それ故、読取装置20は、可視光源による照明ムラが少ない画像を取得することができる。
【0062】
読取装置20は、第2拡散部をさらに備える。第2拡散部は、筐体21の内部において左側壁と対向する右側壁(第2側壁)に配置される。第2拡散部は、第1照射部27bからの赤外光を拡散する。第2拡散部は、光透過型の第3拡散板24bと、光透過型の第4拡散板25bとで構成される。第3拡散板24bは、右側壁の底部側に上部の方向に傾斜して配置される。第4拡散板25bは、右側壁の上部側に底部の方向に傾斜して配置される。
【0063】
読取装置20は、光拡散型の反射板23bをさらに備える。反射板23bは、筐体21の右側壁に取り付けられる。
【0064】
このことにより、反射板23bは、第2拡散部からの光を拡散反射するので、読取装置20は、光を効率よく用いることができる。
【0065】
第1照射部27bは、第1拡散板24aと、筐体21の底部との間に配置される。
【0066】
このことにより、第1照射部27bからの赤外光は、第1拡散部を介して拡散されて、読取窓部材22を照射するので、読取装置20は、第1照射部27bによる照明ムラが少ない画像を取得することができる。
【0067】
読取装置20は、可視光を照射する第2照射部28bをさらに備える。第2照射部28bは、第1拡散板24aと、筐体21の底部との間に配置される。
【0068】
このことにより、第2照射部28bからの可視光は、第2拡散部を介して拡散されて、読取窓部材22を照射するので、読取装置20は、第2照射部28bによる照明ムラが少ない画像を取得することができる。
【0069】
第1拡散板24aは、撮像装置26の視角に入らない大きさで、第2拡散板25aは、撮像装置26の視角に入らないように傾斜して配置される。
【0070】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1と異なる構成を有する読取装置の構成をいくつか説明する。図6A図6B図7A図7B、および図8は、読取装置の別の実施の形態を示す断面図である。
【0071】
図6Aの読取装置20Aは、可視光を照射する第2照射部28a,28bの配置が図3の実施の形態1と異なる。実施の形態1の読取装置20において、図3に示すように、第2照射部28aは、光拡散型の反射板23aの下方において、筐体21内部の左側壁に配置されていた。これに対して、図6Aの読取装置20Aの第2照射部28aは、第2照射部28aの光軸が筐体21内部の左側壁と直交するように撮像装置26の左側面に配置される。同様に、読取装置20Aの第2照射部28bは、第2照射部28aと左右対称に、第2照射部28bの光軸が筐体21内部の右側壁と直交するように撮像装置26の右側面に配置される。
【0072】
図6Bの読取装置20Bは、光透過型の第1拡散板24aの配置が図3の実施の形態1と異なる。実施の形態1の読取装置20において、図3に示すように、第1拡散板24aは、筐体21内部の左側壁に上向きに傾斜して配置されていた。これに対して、図6Bの第1拡散板24aは、筐体21内部の左側壁に対して直交して配置される。また、第3拡散板24bは、第1拡散板24aと左右対称に、筐体21内部の右側壁に対して直交して配置される。
【0073】
図7Aの読取装置20Cは、実施の形態1(図3)の構成において、第1照射部27aおよび第2照射部28aに代えて、第4照射部30aを備える。さらに、読取装置20Cは、図3の構成において、第1照射部27bおよび第2照射部28bに代えて、第4照射部30bを備える。
【0074】
第4照射部30a,30bはそれぞれ、基板と、基板上に実装された複数の赤外光源および可視光源とを含む。第4照射部30aは、可視光源として4個の白色光LED30a1と、赤外光源として6個の赤外光LED30a2を備える。第4照射部30bは、可視光源として4個の白色光LED30b1と、赤外光源として6個の赤外光LED30b2を備える。
【0075】
第4照射部30aにおいて、6個の赤外光LED30a2は、基板上に一列に配置される。4個の白色光LED30a1は、赤外光LED30a2の列に隣接して、基板上に一列に配置される。第4照射部30bは、第4照射部30aと同様の構成を有する。
【0076】
読取装置20Cにおいて、第4照射部30aは、その光軸が第1拡散板24aの主面と直交するように、筐体21の底面に傾けて配置される。同様に、第4照射部30bも、その光軸が第3拡散板24bの主面と直交するように、筐体21の底面に傾けて配置される。
【0077】
図7Bにおいて、第1拡散板24aは、筐体21内部の左側壁に対して直交して配置される。さらに、第3拡散板24bは、筐体21内部の右側壁に対して直交して配置される。
【0078】
また、第1照射部27aは、第1拡散板24aの下方において、筐体21の底部に配置され、その光軸が第1拡散板24aの主面と直交するように配置される。同様に、第1照射部27bも、第3拡散板24bの下方において、筐体21の底部に配置され、その光軸が第3拡散板24bの主面と直交するように配置される。
【0079】
図8の読取装置20Eは、各照射部および各拡散部の構成が実施の形態1(図3)と異なる。図3の読取装置20は、筐体21内部の奥側壁に紫外光を照射する第3照射部29を備える。一方で、読取装置20Eは、筐体21内部の左右側壁および手前側壁にも第3照射部29を備える。また、図3の読取装置20は、筐体21内部の左右側壁に紫外光を照射する第3照射部29を備える。一方で、読取装置20Eは、筐体21内部の左右側壁および手前側壁にも第3照射部29を備える。
【0080】
図9および図10は、図8の読取装置20Eを説明するための図である。図9は、図8の読取窓部材22および第3照射部29を除去した読取装置20Eの上面図である。読取装置20Eは、実施の形態1(図3)の構成において、第2拡散板25aおよび第4拡散板25bに代えて、図9のように4枚の透過型の拡散板25c~25fを備える。また、読取装置20Eは、図9および図10のように、筐体21の底部に立設して、撮像装置26の側部を包囲するように配置される4枚のリブ33a~33dをさらに備える。拡散板25c~25fはそれぞれ、リブ33a~33dおよび筐体21内部の壁によって支持されて配置される。
【0081】
さらに、読取装置20Eは、図3の構成において、第1拡散板24aおよび第3拡散板24bに代えて、透過型の拡散板24cを備える。図8のように、拡散板24cは、リブ33a~33dと筐体21内部の壁との間に配置される。
【0082】
図11は、図8および図9において、拡散板25c~25f、および拡散板24cを除去した読取装置20Eの上面図である。実施の形態1(図3)の読取装置20は、筐体21内部の左右側壁に、光拡散型の反射板23a,23bを備える。一方、読取装置20Eは、筐体21内部の奥側および手前側の壁にも光拡散型の反射板23c,23dを備える。
【0083】
さらに、読取装置20Eは、実施の形態1(図3)の構成において、第1照射部27a,27bおよび第2照射部28a,28bに代えて、図11の照射部31a,31b,32a,32bを備える。照射部31a,31b,32a,32bはそれぞれ、基板と、基板上に実装された可視光源および赤外光源とを含む。
【0084】
照射部31a,32bは、筐体21内部の奥側壁に近接して配置される。照射部31aは、可視光源として1個の白色光LED31a1と、赤外光源として1個の赤外光LED31a2を備える。照射部31aの基板上において、白色光LED31a1は、撮像装置26に最も近い隅に配置され、赤外光LED31a2は、撮像装置26から最も遠い隅に配置される。
【0085】
照射部32bは、赤外光源として2個の赤外光LED32b1,32b3と、可視光源として1個の白色光LED32b2を備える。照射部32bの基板上において、赤外光LED32b1は、筐体21内部の奥側壁の左右方向の中央に近接して配置され、白色光LED32b2および赤外光LED32b3はそれぞれ、照射部31aの白色光LED31a1および赤外光LED31a2と左右対称であるように配置される。
【0086】
照射部31b,32aは、筐体21内部の手前側壁に近接して配置される。照射部31bは、可視光源として1個の白色光LED31b1と、赤外光源として1個の赤外光LED31b2を備える。照射部31bは、撮像装置26の光軸に対して、照射部31aと対称であるように配置される。照射部32aは、赤外光源として2個の赤外光LED32a1,32a3と、可視光源として1個の白色光LED32a2を備える。照射部32aは、撮像装置26の光軸に対して、照射部32bと対称であるように配置される。
【0087】
以上の構成において、読取装置20Eは、拡散板25c~25fを4方向から対照的に備えることができるため、照射部31a,31b,32a,32bによる照明ムラが少ない画像を取得することができる。
【0088】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0089】
実施の形態1において、読取装置20は、可視光源、赤外光源、および紫外光源として点光源を備えたが、必ずしもこれに限定されない。例えば、有機EL材料で構成される線光源や面光源を用いてもよい。
【0090】
実施の形態1において、第1照射部27a,27bは、赤外光源として6個の赤外光LEDを備えたが、異なる数の赤外光LEDを備えてもよい。
【0091】
実施の形態1において、第2照射部28a,28bは、可視光源として4個の白色光LEDを備えたが、異なる数の白色光LEDを備えてもよい。
【0092】
実施の形態1において、読取装置20は、可視光源として白色光LEDを用いたが、白色光以外のLEDを用いてもよい。
【0093】
実施の形態1において、読取装置20は可視光源および紫外光源を備えたが、読取装置20は可視光源および/または紫外光源を備えなくてもよい。
【0094】
実施の形態1において、第2照射部28a,28bはそれぞれ、筐体21内部の側壁に配置されたが、必ずしもこれに限定されない。第2照射部28a,28bは、第1拡散板24aおよび第3拡散板24bが、当該第2照射部28a,28bからの可視光を、当該第2照射部28a,28bの半減角の角度範囲にわたって、読取窓に到達させないように、別の位置に配置されてもよい。
【0095】
実施の形態1において、第1照射部27a,27bはそれぞれ、第1拡散板24aおよび第3拡散板24bと対向して配置されたが、必ずしもこれに限定されない。第1照射部27a,27bは、第1拡散板24aおよび第3拡散板24bが、当該第1照射部27a,27bからの赤外光を、当該第1照射部27a,27bの半減角の角度範囲にわたって、読取窓に到達させないように、別の位置に配置されてもよい。
【0096】
実施の形態1において、第1照射部27a,27b、第2照射部28a,28b、第1拡散部(第1拡散板24a、第2拡散板25a)と第2拡散部(第3拡散板24b、第4拡散板25b)、反射板23a,23bを、撮像装置26の光軸を中心として左右対称な一対の構成としたが、必ずしもこれに限定されない。第1照射部27a、第2照射部28a、第1拡散部(第1拡散板24a、第2拡散板25a)、反射板23aのように片側のみの構成とてもよい。
【0097】
実施の形態1において、撮像装置26の光軸を垂直方向としたが、必ずしもこれに限定されない。撮像装置26の光軸を水平方向や、斜め上方向としてもよい。撮像装置26は、筐体21内部の底部において、読取窓部材22の真下に、光軸が読取窓部材22を向くように配置される。例えば、筐体21が側面(第1面)に開口を有し、開口に読取窓部材22を配置している。そして、撮像装置26が筐体の内部の側面(第1面)と対向する側面(第2面)側に光軸が読取窓部材22を向くように配置されていてもよい。
【0098】
実施の形態1において、第1照射部27a,27bは、基板と、基板上に実装された複数の赤外光源とを含み、第2照射部28a,28bは、基板と、基板上に実装された複数の可視光源とを含み、第3照射部29は、基板と、基板上に実装された複数の紫外光源とを含むとしたが、必ずしもこれに限定されない。第1照射部は、複数の赤外光源とのみで、第2照射部は、複数の可視光源のみで、第3照射部は、複数の紫外光源のみとしてもよい。この場合、各光源を制御する基板(回路)は筐体21の内部に配置されていればよい。
【0099】
図7Aの読取装置20Cにおいて、第4照射部30aは、赤外光源として6個の赤外光LED30a2を備えたが、異なる数の赤外光LED30a2を備えてもよい。また、第4照射部30bは、赤外光源として6個の赤外光LED30b2を備えたが、異なる数の赤外光LED30b2を備えてもよい。
【0100】
図7Aの読取装置20Cにおいて、第4照射部30aは、白色光源として4個の白色光LED30a1を備えたが、異なる数の白色光LED30a1を備えてもよい。また、第4照射部30bは、赤外光源として4個の赤外光LED30b1を備えたが、異なる数の赤外光LED30b1を備えてもよい。
【0101】
実施の形態1において、第3照射部29は、筐体21の上部と第1拡散部との間に配置されたが、異なる位置に配置されてもよい。例えば、第3照射部29は、第1拡散部と底部との間に配置されてもよい。
【0102】
本開示の実施の形態において、読取対象物10の一例としてパスポートを示したが、これに限定されない。読取対象物10は、免許証、文書、写真、又は帳票等の、撮像装置26で読取ることが可能なものであればよい。
【0103】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0104】
従って、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0105】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【符号の説明】
【0106】
20 読取装置
21 筐体
22 読取窓部材
23a,23b 反射板
24a,24b,25a,25b 拡散板
26 撮像装置
27a,27b 第1照射部
28a,28b 第2照射部
29 第3照射部
30a,30b 第4照射部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11