IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社小松製作所の特許一覧

<>
  • 特許-作業機械および作業機械の制御システム 図1
  • 特許-作業機械および作業機械の制御システム 図2
  • 特許-作業機械および作業機械の制御システム 図3
  • 特許-作業機械および作業機械の制御システム 図4
  • 特許-作業機械および作業機械の制御システム 図5
  • 特許-作業機械および作業機械の制御システム 図6
  • 特許-作業機械および作業機械の制御システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】作業機械および作業機械の制御システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20230602BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20230602BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
E02F9/20 N
E02F9/26 A
H04N7/18 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019130543
(22)【出願日】2019-07-12
(65)【公開番号】P2021014736
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牛島 治宣
(72)【発明者】
【氏名】井手 悟
(72)【発明者】
【氏名】山下 博史
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/155567(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/105527(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/181874(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
E02F 9/26
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械であって、
前記作業機械を動作させるために操作される操作装置と、
前記操作装置の操作に対応して前記作業機械を駆動するためのアクチュエータと、
前記作業機械の周囲に設定された第一境界線の内側の検知領域内に認識すべき対象が存在しているか否かを検出するための周囲監視装置と、
前記作業機械を制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記検知領域内に前記対象が存在していることが検出された場合に、注意報を発報し、
前記コントローラは、前記第一境界線よりも前記作業機械に近い第二境界線の内側の停止制御領域内に前記対象が存在していることが検出された場合に、警報を発報し、
前記コントローラは、前記停止制御領域内に前記対象が存在することが検出されているときに、前記操作装置が操作された場合に、前記操作装置の操作に対応する前記アクチュエータの動作を制限する、作業機械。
【請求項2】
前記操作装置は、前記操作装置の操作に応じた操作信号を出力し、
前記コントローラは、前記操作信号を検出することにより、前記操作装置が操作されたと判定する、請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記作業機械は、前記作業機械を走行させる走行装置を含み、
前記操作装置は、前記作業機械を走行させるために操作される走行操作装置を含み、
前記アクチュエータは、前記走行装置を駆動するための走行アクチュエータを含み、
前記コントローラは、前記停止制御領域内に前記対象が存在することが検出されているときに、前記走行操作装置が操作された場合に、前記走行アクチュエータの動作を制限する、請求項1または2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記作業機械は、地面に対して旋回可能な旋回体を含み、
前記操作装置は、前記旋回体を旋回させるために操作される旋回操作装置を含み、
前記アクチュエータは、前記旋回体を旋回駆動するための旋回アクチュエータを含み、
前記コントローラは、前記停止制御領域内に前記対象が存在することが検出されているときに、前記旋回操作装置が操作された場合に、前記旋回アクチュエータの動作を制限する、請求項1または2に記載の作業機械。
【請求項5】
作業機械の制御システムであって、
前記作業機械を動作させるために操作される操作装置と、
前記操作装置の操作に対応して前記作業機械を駆動するためのアクチュエータと、
前記作業機械の周囲に設定された第一境界線の内側の検知領域内に認識すべき対象が存在しているか否かを検出するための周囲監視装置とを備え、
前記検知領域内に前記対象が存在していることが検出された場合に、注意報を発報し、
前記第一境界線よりも前記作業機械に近い第二境界線の内側の停止制御領域内に前記対象が存在していることが検出された場合に、警報を発報し、
前記停止制御領域内に前記対象が存在することが検出されているときに、前記操作装置が操作された場合に、前記操作装置の操作に対応する前記アクチュエータの動作を制限する、作業機械の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械および作業機械の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、以下のような装置が提案されている。油圧ショベルは、旋回体にフロント作業機が設けられており、旋回体は旋回可能となっている。作業者を含む人が、旋回する旋回体、または旋回体の旋回時に移動するフロント作業機と衝突する可能性のある領域を、危険領域として設定する。認識すべき対象が危険領域内に存在していると判定された場合には、所定の安全措置が取られるようになっている。この安全措置は、ブザーによる警報の発生と、油圧ショベルの作動ロック手段とのいずれか一方の安全手段を備える(たとえば、特開2004-343297号公報(特許文献1)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-343297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
認識すべき対象が危険領域内に存在しているという判定結果のみに基づいて作動ロックする上記文献では、オペレータの意思にかかわらず、作業機械の動作が作動ロックされてしまう。そのため、オペレータの意思で、必要なときにのみ作業機械を動作させないようにすることが求められている。
【0005】
本開示では、操作性を向上できる作業機械と、作業機械の操作性を向上できる制御システムとが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従うと、操作装置と、アクチュエータと、周囲監視装置と、コントローラとを備える、作業機械が提供される。操作装置は、作業機械を動作させるために操作される。アクチュエータは、操作装置の操作に対応して、作業機械を駆動する。周囲監視装置は、作業機械の周囲に設定された設定領域内に認識すべき対象が存在しているか否かを検出するための装置である。コントローラは、作業機械を制御する。コントローラは、設定領域内に対象が存在することが検出されているときに、所定の操作装置が操作された場合に、その操作装置の操作に対応するアクチュエータの動作を制限する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に従えば、作業機械の操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に基づく油圧ショベルの外観を説明する図である。
図2】油圧ショベルのシステム構成を表したブロック図である。
図3】油圧ショベルの周辺に設定された各領域を説明するための模式図である。
図4】対象検知機能において実行される処理を示す概略図である。
図5】第二実施形態の油圧ショベルのシステム構成を表したブロック図である。
図6】第三実施形態の油圧ショベルのシステム構成を表したブロック図である。
図7】油圧ショベルの制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
[第一実施形態]
まず、作業機械の一例として、油圧ショベル100の構成について説明する。図1は、実施形態に基づく油圧ショベル100の外観を説明する図である。
【0011】
図1に示されるように、油圧ショベル100は、本体1と、油圧により作動する作業機2とを有している。本体1は、旋回体3と、走行装置5とを有している。走行装置5は、左右1対の履帯5Crと、走行モータ5Mとを有している。油圧ショベル100は、履帯5Crの回転により走行可能である。走行モータ5Mは、走行装置5を駆動するための走行アクチュエータの一例である。走行モータ5Mが駆動することにより、履帯5Crが回転し、油圧ショベル100が走行する。走行モータ5Mは、油圧により作動する油圧モータである。なお、走行装置5が車輪(タイヤ)を有していてもよい。
【0012】
油圧ショベル100の動作時には、走行装置5、より具体的には履帯5Crが、基準面、たとえば地面に設置される。
【0013】
旋回体3は、走行装置5の上に配置され、かつ走行装置5により支持されている。旋回体3は、走行装置5の上部の旋回機構を介して、旋回可能に走行装置5に装着されている。旋回体3は、旋回軸RXを中心として走行装置5に対して旋回可能に、走行装置5に搭載されている。走行装置5は地面に設置されているので、旋回体3は地面に対して旋回可能とされている。
【0014】
旋回体3は、キャブ4を有している。油圧ショベル100の乗員(オペレータ)は、このキャブ4に搭乗して、油圧ショベル100を操縦する。キャブ4には、オペレータが着座する運転席が設けられている。オペレータは、キャブ4内において油圧ショベル100を操作可能である。オペレータは、キャブ4内において、作業機2の操作が可能であり、走行装置5に対する旋回体3の旋回操作が可能であり、また走行装置5による油圧ショベル100の走行操作が可能である。
【0015】
旋回体3は、エンジンが収容されるエンジンルームと、旋回体3の後部に設けられるカウンタウェイトとを有している。
【0016】
作業機2は、旋回体3に支持されている。作業機2は、旋回体3において、上下方向に作動可能に軸支されており、土砂の掘削などの作業を行う。作業機2は、ブーム6と、アーム7と、バケット8とを有している。ブーム6の基端部は、旋回体3に回転可能に連結されている。アーム7は、ブーム6の先端部に回転可能に連結されている。バケット8は、アーム7の先端部に回転可能に連結されている。
【0017】
作業機2は、ブームシリンダ10と、アームシリンダ11と、バケットシリンダ12とを有している。ブームシリンダ10は、ブーム6を駆動する。アームシリンダ11は、アーム7を駆動する。バケットシリンダ12は、バケット8を駆動する。ブームシリンダ10、アームシリンダ11、およびバケットシリンダ12のそれぞれは、油圧ポンプ(図2参照)から供給される作動油によって駆動される油圧シリンダである。ブーム6、アーム7およびバケット8の各々が油圧シリンダによって駆動されることにより、作業機2の動作が可能である。
【0018】
油圧ショベル100は、カメラ20を備えている。カメラ20は、油圧ショベル100の周辺を撮像して、油圧ショベル100の周辺の画像を取得するための撮像装置である。カメラ20は、油圧ショベル100の周辺の現況地形を取得可能であり、また油圧ショベル100の周辺の障害物の存在を認識可能なように、構成されている。
【0019】
カメラ20は、右前方カメラ21と、右側方カメラ22と、後方カメラ23と、左側方カメラ24とを含んでいる。右前方カメラ21と右側方カメラ22とは、旋回体3の上面の右側縁部に配置されている。右前方カメラ21は、右側方カメラ22よりも前方に配置されている。右前方カメラ21と右側方カメラ22とは、前後方向における旋回体3の中央部付近に、前後に並んで配置されている。
【0020】
後方カメラ23は、前後方向において旋回体3の後端部に配置されており、左右方向において旋回体3の中央部に配置されている。旋回体3の後端部には、採掘時などにおいて車体のバランスをとるためのカウンタウェイトが設置されている。後方カメラ23は、カウンタウェイトの上面に配置されている。左側方カメラ24は、旋回体3の上面の左側縁部に配置されている。左側方カメラ24は、前後方向における旋回体3の中央部付近に配置されている。
【0021】
なお本実施形態においては、作業機2を基準として、油圧ショベル100の各部の位置関係について説明する。
【0022】
作業機2のブーム6は、旋回体3に対して、ブーム6の基端部に設けられたブームピンを中心に回動する。旋回体3に対して回動するブーム6の特定の部分、たとえばブーム6の先端部が移動する軌跡は円弧状であり、その円弧を含む平面が特定される。油圧ショベル100を平面視した場合に、当該平面は直線として表される。この直線の延びる方向が、油圧ショベル100の本体1の前後方向、または旋回体3の前後方向であり、以下では単に前後方向ともいう。油圧ショベル100の本体1の左右方向(車幅方向)、または旋回体3の左右方向とは、平面視において前後方向と直交する方向であり、以下では単に左右方向ともいう。
【0023】
前後方向において、油圧ショベル100の本体1から作業機2が突き出している側が前方向であり、前方向と反対方向が後方向である。前方向を視て左右方向の右側、左側がそれぞれ右方向、左方向である。
【0024】
前後方向とは、キャブ4内の運転席に着座したオペレータの前後方向である。運転席に着座したオペレータに正対する方向が前方向であり、運転席に着座したオペレータの背後方向が後方向である。左右方向とは、運転席に着座したオペレータの左右方向である。運転席に着座したオペレータが正面に正対したときの右側、左側がそれぞれ右方向、左方向である。
【0025】
油圧ショベル100には、メインコントローラ40が搭載されている。メインコントローラ40は、油圧ショベル100の動作を制御する。メインコントローラ40による油圧ショベル100の制御については後述する。
【0026】
図2は、油圧ショベル100のシステム構成を表したブロック図である。図2に示されるように、油圧ショベル100は、周辺監視コントローラ30と、メインコントローラ40と、油圧ポンプ51から油圧アクチュエータ80に至る油圧回路とを主に備えている。図2中の実線は油圧回路を示す。図2中の破線は電気回路を示す。なお図2には、実施形態の油圧ショベル100を構成する電気回路の一部のみを図示している。
【0027】
図1に示されるカメラ20で取得した油圧ショベル100の周辺の画像は、周辺監視コントローラ30に入力される。図1に示されるカメラ20のうち、右前方カメラ21および右側方カメラ22が代表的に図2に示されているが、後方カメラ23および左側方カメラ24で取得した画像も周辺監視コントローラ30に入力されるのは勿論である。周辺監視コントローラ30は、カメラ20によって撮像された画像から、油圧ショベル100の周辺画像を生成して、モニタ31に表示する。
【0028】
油圧ショベル100の周辺画像は、右前方カメラ21、右側方カメラ22、後方カメラ23または左側方カメラ24のいずれか1つのカメラによって撮像された画像から生成された、単画像を含む。また油圧ショベル100の周辺画像は、右前方カメラ21、右側方カメラ22、後方カメラ23または左側方カメラ24の各々によって撮像された複数の画像を合成して生成された、俯瞰画像を含む。
【0029】
メインコントローラ40は、油圧ショベル100全体の動作を制御するコントローラであり、CPU(Central Processing Unit)、不揮発性メモリ、タイマなどにより構成されている。メインコントローラ40は、油圧ショベル100の車体情報をモニタ31に表示する。油圧ショベル100の車体情報は、たとえば、油圧ショベル100の作業モード、燃料計により示される燃料残量、温度計により示される冷却水の温度または作動油の温度、エアコンの稼働状況などを含む。
【0030】
図2に示されるシステムは、油圧ポンプ51が図示しないエンジンによって駆動され、油圧ポンプ51から吐出された作動油がメインバルブ70を介して各種の油圧アクチュエータ80に供給されるように、構成されている。油圧アクチュエータ80への油圧の供給および排出が制御されることにより、作業機2の動作、旋回体3の旋回、および走行装置5の走行動作が制御される。油圧アクチュエータ80は、図1に示される走行モータ5Mと、旋回モータ3Mとを含んでいる。油圧アクチュエータ80は、図1に示されるブームシリンダ10、アームシリンダ11、およびバケットシリンダ12を含んでいる。
【0031】
旋回モータ3Mは、旋回体3を旋回駆動するための旋回アクチュエータの一例である。旋回モータ3Mが駆動することにより、旋回体3が旋回動作する。旋回モータ3Mは、油圧により作動する油圧モータである。
【0032】
油圧ポンプ51は、走行装置5の走行および旋回体3の旋回に用いる作動油を供給する。油圧ポンプ51は、エンジンの駆動軸に連結されている。エンジンの回転駆動力が油圧ポンプ51に伝達されることにより、油圧ポンプ51が駆動されて、油圧ポンプ51は圧油を吐出する。油圧ポンプ51は、たとえば、斜板を有し、斜板の傾転角が変更されることにより吐出容量を変化させる可変容量型の油圧ポンプである。
【0033】
タンク53は、油圧ポンプ51が利用する油を蓄えるタンクである。タンク53内に貯留された油が、油圧ポンプ51の駆動によってタンク53から吸い出され、作動油供給油路55を経由してメインバルブ70に供給される。
【0034】
メインバルブ70は、ロッド状のスプールを動かして作動油が流れる方向を切り換えるスプール方式の弁である。スプールが軸方向に移動することにより、油圧アクチュエータ80、すなわち走行モータ5Mおよび旋回モータ3Mと、ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12とに対する作動油の供給量が調整される。作動油は、油圧アクチュエータ80を作動するために、油圧アクチュエータ80に供給される油である。
【0035】
メインバルブ70から排出される作動油は、作動油排出油路56を経由して、タンク53へと戻される。
【0036】
油圧ポンプ51から送出された油の一部は、作動油供給油路55から分岐してパイロット油路57へ流入する。油圧ポンプ51から送出された油の一部が自己圧減圧弁で減圧され、その減圧された油がパイロット油として使用される。パイロット油は、メインバルブ70のスプールを作動するために、メインバルブ70に供給される油である。メインバルブ70は、一対のパイロットポート72を有している。所定の油圧(パイロット圧)を有しているパイロット油が各パイロットポート72へ供給されることにより、パイロット圧に従ってスプールが移動して、メインバルブ70が制御される。
【0037】
パイロット油路57には、操作装置61が設けられている。操作装置61は、油圧ショベル100を動作させるために操作される。メインバルブ70に印加されるパイロット圧は、操作装置61が操作されることによって制御される。操作装置61は、操作レバーを有している。操作レバーの操作量に応じた圧力のパイロット油が操作装置61から出力され、メインバルブ70の各パイロットポート72へ供給される。
【0038】
操作装置61は、旋回操作装置を含んでいる。旋回操作装置は、旋回体3を旋回移動させるために、オペレータによって操作される。旋回体3の旋回移動によって、旋回体3の位置が変わる。旋回操作装置は、たとえば、キャブ4内の運転席の側方に配置されている。旋回操作装置は、たとえば、運転席の左側に配置されている。旋回操作装置は、たとえば、旋回操作レバーを含んでいる。
【0039】
操作装置61は、走行操作装置を含んでいる。走行操作装置は、油圧ショベル100を走行させるために、より特定的には走行装置5を駆動させることにより油圧ショベル100を移動させるために、オペレータによって操作される。油圧ショベル100の走行によって、油圧ショベル100の位置が変わる。走行操作装置は、たとえば、キャブ4内の運転席の前方に配置されている。走行操作装置は、たとえば、左右の各履帯5Cr用の一対の走行操作レバーまたはペダルを含んでいる。
【0040】
パイロット油路57には、電磁弁63が設けられている。電磁弁63は、パイロット油の流れ方向における操作装置61よりも上流において、パイロット油路57に接続されている。電磁弁63は、メインコントローラ40からの制御信号を受けて、開状態と閉状態とに切り替えられる。電磁弁63は、メインコントローラ40からの制御信号に基づいて、パイロット圧を調整する。電磁弁63は、メインコントローラ40からの制御信号に基づいて、パイロット油路57の開閉制御を行う。
【0041】
電磁弁63が開状態であると、電磁弁63を通過して操作装置61にパイロット油が供給される。操作装置61の操作が有効になることで、操作装置61の操作に対応して、油圧ポンプ51からメインバルブ70を経由して油圧アクチュエータ80へ供給される作動油の流れ方向および流量が調整される。電磁弁63が閉状態であると、パイロット油路57が遮断されて、操作装置61へのパイロット油の供給が遮断される。閉状態の電磁弁63がパイロット圧を遮断することにより、操作装置61を操作しても油圧ポンプ51から油圧アクチュエータ80へ作動油が供給されなくなり、油圧アクチュエータ80の動作が制限される。
【0042】
このように、操作装置61の操作に対応して油圧アクチュエータ80への作動油の供給が制御されることにより、油圧アクチュエータ80の出力が制御され、したがって走行装置5の走行動作および旋回体3の旋回動作が制御される。
【0043】
パイロット油路57の、パイロット油の流れ方向における操作装置61よりも下流に、分岐管が接続されている。この分岐管に、圧力計65が設けられている。圧力計65は、操作装置61を通過した後のパイロット油の圧力(パイロット圧)を検出する。圧力計65が検出したパイロット圧を示す検出信号は、メインコントローラ40に入力される。圧力計65が検出したパイロット圧を示す検出信号は、操作装置61の操作に応じた操作信号の一例である。
【0044】
圧力計65は、パイロット圧力に比例した電気信号を出力する圧力センサであってもよい。メインコントローラ40は、圧力センサで検出されたパイロット圧が所定の閾値以上、たとえば5kg/cm以上であるときに、操作装置61が操作されたと判定してもよい。
【0045】
圧力計65は、パイロット圧が設定した圧力になったときにオンとオフとが切り替わる圧力スイッチであってもよい。圧力スイッチの閾値がたとえば5kg/cmと設定されてもよく、この場合メインコントローラ40は、圧力スイッチがオフからオンに切り替わったときに、パイロット油路57に圧力が発生したことを検出して、操作装置61が操作されたと判定してもよい。
【0046】
図3は、油圧ショベル100の周辺に設定された各領域を説明するための模式図である。図3には、平面視した油圧ショベル100の概略が図示されている。図3に示される油圧ショベル100は、図1に示される姿勢から旋回体3が走行装置5に対して90°相対回転している。図3においては、旋回体3の前後方向は図中の上下方向である。図3に示される履帯5Crは、旋回体3の左右方向に延びている。
【0047】
図3に示されるように、油圧ショベル100の周辺には、第一境界線B1と第二境界線B2が設定されている。第一境界線B1は第二境界線B2よりも油圧ショベル100から離れる位置に設定されている。第一境界線B1と第二境界線B2とは、油圧ショベル100を取り囲み、略平行に並んで延びるように設定されている。
【0048】
第一境界線B1は、第一境界線B1の内側、すなわち第一境界線B1よりも油圧ショベル100の近くに、認識すべき対象としての障害物、たとえば人が存在していることを検出する境界線をなしている。第二境界線B2は、第二境界線B2の内側、すなわち第二境界線B2よりも油圧ショベル100の近くに、認識すべき対象が存在している場合には油圧ショベル100の動作を制限する境界線をなしている。第二境界線B2の内側の領域を、停止制御領域A2と称する。第一境界線B1と第二境界線B2との間の領域を、検知領域A1と称する。
【0049】
図3中にハッチングを付して示す可視領域A3は、キャブ4に搭乗するオペレータが前方を向いたときに目視できる領域を示す。可視領域A3は、旋回体3の前方に設定されている。可視領域A3は、カメラ20の死角となる領域であり、右前方カメラ21、右側方カメラ22、後方カメラ23および左側方カメラ24の撮像する画像には、可視領域A3は含まれない。検知領域A1、停止制御領域A2および可視領域A3は、いずれも油圧ショベル100の周辺に設定された領域である。停止制御領域A2は、実施形態の「設定領域」に相当する。
【0050】
カメラ20は、可視領域A3を除く、油圧ショベル100の周辺の画像を取得する。カメラ20は、検知領域A1内の画像を取得可能であり、停止制御領域A2内の画像もまた取得可能である。カメラ20が取得した画像に、認識すべき対象としての障害物、たとえば人が写り込んでいるか否かを周辺監視コントローラ30が判断することにより、油圧ショベル100の周辺に認識すべき対象が存在しているか否かが検出される。メインコントローラ40は、油圧ショベル100の周辺に認識すべき対象が存在しているか否かの検出結果を示す電気信号を、周辺監視コントローラ30から受信する。
【0051】
カメラ20と周辺監視コントローラ30とは、実施形態の周辺監視装置を構成する。カメラ20が取得した検知領域A1内の画像から、周辺監視コントローラ30は、人などの認識すべき対象が検知領域A1内に存在しているか否かを検出する。カメラ20が取得した設定領域としての停止制御領域A2内の画像から、周辺監視コントローラ30は、人などの認識すべき対象が停止制御領域A2内に存在しているか否かを検出する。
【0052】
メインコントローラ40は、対象検知機能を実行する。本実施形態における対象検知機能とは、停止制御領域A2内に人などの認識すべき対象が存在することが検出されたときに、油圧ショベル100の動作を制限する機能である。図4は、対象検知機能において実行される各処理を示す概略図である。
【0053】
図4に示される待機状態とは、検知領域A1内および停止制御領域A2内に、人などの認識すべき対象が存在していない状態を示す。待機状態では、油圧ショベル100の動作が制限されない。待機状態では、警報および注意報が発報されることはない。
【0054】
待機状態にあるときに、検知領域A1内に人などの対象が存在することが検知された場合に、注意報が発報される。注意報は、モニタ31に注意報を示すアイコンが表示されることで、オペレータに視覚的に注意を喚起するものであってもよい。注意報は、ブザーなどの、オペレータに聴覚的に注意を喚起するものであってもよい。
【0055】
注意報の発報中に、検知領域A1内から人が存在しなくなったことが検知され、その検知が所定時間、たとえば5秒間継続すると、注意報の発報が停止し、待機状態に戻る。
【0056】
注意報の発報中に、停止制御領域A2内に人などの対象が存在することが検知された場合に、警報が発報される。警報は、モニタ31に警報を示すアイコンが表示されることで、オペレータに視覚的に注意を喚起するものであってもよい。警報は、ブザーなどの、オペレータに聴覚的に注意を喚起するものであってもよい。注意報を発報するブザーと警報を発報するブザーとは同じ機器であってもよい。たとえば、ブザーの断続音の間隔を短くしたり、ブザー音の音量を変更したりすることで、オペレータに警報の発報を認識させてもよい。
【0057】
警報の発報中に、停止制御領域A2内から人が存在しなくなったことが検知され、その検知が所定時間、たとえば5秒間継続すると、警報の発報から注意報の発報に変更される。
【0058】
警報の発報中、すなわち停止制御領域A2内に認識すべき対象が存在することが検出されているときに、操作装置61が操作された場合に、メインコントローラ40は、操作装置61の操作に対応する油圧アクチュエータ80の動作を制限する。
【0059】
この場合の操作装置61が操作されたことの判定は、操作信号を検出することにより行われる。図2に示されるシステム構成では、圧力計65がパイロット圧の変動を検出し、その検出信号がメインコントローラ40に入力されることにより、メインコントローラ40は操作信号を検出する。操作信号を検出したメインコントローラ40は直ちに、電磁弁63が閉状態になるように、電磁弁63に制御信号を出力する。閉状態の電磁弁63がパイロット油路57を遮断することにより、メインバルブ70のパイロットポート72に供給されるパイロット圧が変動しなくなり、メインバルブ70のスプールが停止する。これにより、操作装置61を操作しても油圧ポンプ51から油圧アクチュエータ80へ作動油が供給されなくなり、油圧アクチュエータ80の動作が制限される。
【0060】
操作装置61が油圧ショベル100を走行させるために操作される走行操作装置であり、警報の発報中に走行操作装置が操作されたことが検出された場合には、メインコントローラ40は、走行モータ5Mの動作を制限する。走行モータ5Mは、走行操作装置の操作に対応する油圧アクチュエータ80の一例である。メインコントローラ40は、走行モータ5Mを駆動させないようにし、走行モータ5Mが動作中であれば停止させて、油圧ショベル100が移動しないように制御する。
【0061】
操作装置61が旋回体3を旋回動作させるために操作される旋回操作装置であり、警報の発報中に旋回操作装置が操作されたことが検出された場合には、メインコントローラ40は、旋回モータ3Mの動作を制限する。旋回モータ3Mは、旋回操作装置の操作に対応する油圧アクチュエータ80の一例である。メインコントローラ40は、旋回モータ3Mを駆動させないようにし、旋回モータ3Mが動作中であれば停止させて、旋回体3が旋回移動しないように制御する。
【0062】
他方、警報の発報中に、作業機2を動作させるために操作装置61が操作された場合には、メインコントローラ40は、ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12の動作を制限しない。上記の通り油圧ショベル100の走行および旋回は制限されるものの、警報の発報中においても作業機2の動作は制限されないように、油圧ショベル100が制御される。
【0063】
対象の油圧アクチュエータ80を停止させて油圧ショベル100の動作を制限する処理が実行された後、検知領域A1内から人が存在しなくなったことが検知されても、図4に示される待機状態には戻らない。待機状態に戻すには、たとえばロックレバーを一旦ロックしてさらにロックを解除するなどの、待機状態に戻すことを意図したオペレータによる手動の操作を必要とするように、構成されてもよい。
【0064】
以上説明したように、実施形態の油圧ショベル100においては、図4に示されるように、停止制御領域A2内に人などの認識すべき対象が存在していることが検出されているときに、操作装置61が操作された場合に、操作装置61の操作に対応する油圧アクチュエータ80の動作を制限する。
【0065】
停止制御領域A2内における対象の検知の有無に加えて、操作装置61の操作を判定条件として、メインバルブ70へのパイロット圧の供給を遮断することで、油圧ショベル100の機械的な動きが停止するように構成されている。停止制御領域A2内の人の存在が検知されたときに、油圧アクチュエータ80を一律に停止するのではなく、操作装置61が操作されたときにその操作の内容に対応して油圧アクチュエータ80を停止させるか否かを任意に変更できる。オペレータの意思で、必要なときにのみ油圧ショベル100の動作を制限するように構成されている。これにより、油圧ショベル100の操作性を向上することができる。
【0066】
図2に示されるように、操作装置61は、操作装置61の操作に応じた操作信号を出力する。メインコントローラ40は、この操作信号を検出することにより、操作装置61が操作されたと判定する。操作装置61は、操作装置61を通過した後のパイロット圧を変動させ、このパイロット圧を圧力計65で検出し、圧力計65が検出結果をメインコントローラ40に出力する。メインコントローラ40は、圧力計65から入力されたパイロット圧の検出結果に基づいて、操作装置61が操作されたと判定する。これによりメインコントローラ40は、操作装置61が操作されたか否かを精度よく判定することができる。
【0067】
図2に示されるように、油圧アクチュエータ80は油圧ショベル100を走行させる走行装置5を駆動するための走行モータ5Mを含み、メインコントローラ40は、油圧ショベル100を走行させるために操作される走行操作装置が操作された場合に、走行モータ5Mの動作を制限してもよい。このように油圧ショベル100を走行させないように制御することで、停止制御領域A2内に存在している障害物に、走行した油圧ショベル100が接触することを確実に回避することができる。オペレータは、走行している油圧ショベル100を障害物に接触させないための特段の操作をしなくてもよく、係る観点からも油圧ショベル100の操作性が向上されている。
【0068】
図2に示されるように、油圧アクチュエータ80は旋回体3を旋回駆動するための旋回モータ3Mを含み、メインコントローラ40は、旋回体3を旋回させるために操作される旋回操作装置が操作された場合に、旋回モータ3Mの動作を制限してもよい。このように旋回体3を旋回させないように制御することで、停止制御領域A2内に存在している障害物に、旋回した旋回体3が接触することを確実に回避することができる。オペレータは、旋回している旋回体3を障害物に接触させないための特段の操作をしなくてもよく、係る観点からも油圧ショベル100の操作性が向上されている。
【0069】
油圧ショベル100と障害物との接触が発生する可能性があるのは、旋回体3の旋回時、または油圧ショベル100の走行時である。オペレータが旋回操作装置または走行操作装置を操作するときには、作業機2および車体の目視確認が難しいため、油圧ショベル100と障害物との接触が発生する可能性がある。そのためメインコントローラ40は、旋回操作装置が操作された場合に、旋回モータ3Mの動作を制限して、旋回体3を旋回させないようにする。メインコントローラ40は、走行操作装置が操作された場合に、走行モータ5Mの動作を制限して、油圧ショベル100を走行させないようにする。メインコントローラ40は、オペレータの操作の内容に応じて、障害物との接触が想定される油圧ショベル100の動作を止めるように制御する。これにより、走行または旋回する油圧ショベル100が障害物に接触することを、確実に回避することができる。
【0070】
メインコントローラ40は、停止制御領域A2内に人が存在していることが検出されているときに、作業機2を動作させるために操作される作業機操作装置が操作された場合には、作業機2の動作を制限しない。キャブ4内に搭乗しているオペレータは、作業機2を動作させるとき、作業機2を自身の目で見ながら動作させるのが通常である。停止制御領域A2内に人が存在していても、作業機2の動作に影響する位置には人は存在していないことをオペレータが目視確認できれば、作業機2の動作が許容され、オペレータは作業機2を自在に動かすことが可能とされる。これにより、油圧ショベル100の操作性を向上することができる。
【0071】
[第二実施形態]
図5は、第二実施形態の油圧ショベル100のシステム構成を表したブロック図である。図2に示される第一実施形態のシステム構成と比較して、第二実施形態のシステム構成は、操作装置61に替えて電気式の操作装置161を有するとともに、電磁弁63に替えて比例電磁弁163を有している。
【0072】
操作装置161は、操作レバーを有している。操作装置161は、操作レバーの操作方向および操作量を示す検出信号を、メインコントローラ40に出力する。第二実施形態においては、この操作装置161の出力する検出信号が、操作装置161の操作に応じた操作信号に相当する。
【0073】
メインコントローラ40は、操作装置161の操作内容に従って比例電磁弁163に制御信号を出力し、比例電磁弁163の開度を制御する。メインコントローラ40は、比例電磁弁163の開度を調節することにより、パイロット油路57を流れるパイロット油の圧力を変化させ、メインバルブ70の一対のパイロットポート72に供給されるパイロット圧を制御する。圧力計65は、比例電磁弁163によって調節されたパイロット圧を検出する。
【0074】
停止制御領域A2内に人が存在することが検出されているときに操作装置161が操作され、操作装置161から操作信号がメインコントローラ40に入力されることにより、メインコントローラ40は操作信号を検出する。操作信号を検出したメインコントローラ40は直ちに、比例電磁弁163が全閉状態になるように、比例電磁弁163に制御信号を出力する。全閉状態の比例電磁弁163がパイロット圧を遮断することにより、メインバルブ70のスプールが停止する。これにより、操作装置61を操作しても油圧ポンプ51から油圧アクチュエータ80へ作動油が供給されなくなり、操作装置61の操作に対応する油圧アクチュエータ80の動作が制限される。
【0075】
第二実施形態のシステム構成によっても、第一実施形態と同様に、操作装置161の操作の内容に対応して油圧アクチュエータ80を停止させるか否かを任意に変更できるので、油圧ショベル100の操作性を向上することができる。
【0076】
[第三実施形態]
図6は、第三実施形態の油圧ショベル100のシステム構成を表したブロック図である。第三実施形態のシステム構成は、第二実施形態と同様に、電気式の操作装置161を有している。図5に示される第二実施形態のシステム構成と比較して、第三実施形態のシステム構成は、パイロット油路57を有していない。第三実施形態においては、メインバルブ170は、ソレノイド駆動式のスプール172を有しており、パイロットポートを有していない。
【0077】
メインコントローラ40は、操作装置161の操作内容に従ってスプール172に制御信号を出力し、スプール172の位置を制御する。
【0078】
停止制御領域A2内に人が存在することが検出されているときに操作装置161が操作され、操作装置161から操作信号がメインコントローラ40に入力されることにより、メインコントローラ40は操作信号を検出する。操作信号を検出したメインコントローラ40は直ちに、スプール172を停止させるように、スプール172に制御信号を出力する。これにより、操作装置61を操作しても油圧ポンプ51から油圧アクチュエータ80へ作動油が供給されなくなり、操作装置61の操作に対応する油圧アクチュエータ80の動作が制限される。
【0079】
第三実施形態のシステム構成によっても、第一実施形態と同様に、操作装置161の操作の内容に対応して油圧アクチュエータ80を停止させるか否かを任意に変更できるので、油圧ショベル100の操作性を向上することができる。
【0080】
これまでの実施形態の説明では、油圧ショベル100がメインコントローラ40を備えており、油圧ショベル100に搭載されているメインコントローラ40が油圧ショベル100の動作を制御する例について説明した。油圧ショベル100の動作を制御するコントローラは、必ずしも油圧ショベル100に搭載されていなくてもよい。
【0081】
図7は、油圧ショベル100の制御システムの概略図である。油圧ショベル100に搭載されたメインコントローラ40とは別に設けられた外部のコントローラ240が、油圧ショベル100の制御システムを構成してもよい。コントローラ240は、油圧ショベル100の作業現場に配置されてもよく、油圧ショベル100の作業現場から離れた遠隔地に配置されてもよい。
【0082】
上記においては、作業機械の一例として油圧ショベル100について説明したが、本開示の思想を適用可能な作業機械は、ホイールローダ、モータグレーダ、クレーンなどであってもよい。
【0083】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0084】
1 本体、2 作業機、3 旋回体、3M 旋回モータ、5 走行装置、5Cr 履帯、5M 走行モータ、6 ブーム、7 アーム、8 バケット、10 ブームシリンダ、11 アームシリンダ、12 バケットシリンダ、20 カメラ、21 右前方カメラ、22 右側方カメラ、23 後方カメラ、24 左側方カメラ、30 周辺監視コントローラ、31 モニタ、40 メインコントローラ、51 油圧ポンプ、53 タンク、55 作動油供給油路、56 作動油排出油路、57 パイロット油路、61,161 操作装置、63 電磁弁、65 圧力計、70,170 メインバルブ、72 パイロットポート、80 油圧アクチュエータ、100 油圧ショベル、163 比例電磁弁、172 スプール、240 コントローラ、A1 検知領域、A2 停止制御領域、A3 可視領域、B1 第一境界線、B2 第二境界線、RX 旋回軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7