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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】照明装置及び部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020040864
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021144979
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 勇真
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-138129(JP,A)
【文献】特開2005-303208(JP,A)
【文献】特開2011-077206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装される部品を吸着するノズルが複数本配列されたヘッドと、
前記ノズルに吸着された前記部品を側方から撮像するための側方カメラと、
前記ノズルに吸着された前記部品を下方から撮像するための下方カメラと、を備えた部品実装装置において、
前記ヘッドに取り付けられる照明装置であって、
前記側方カメラ側の前記ノズルに対して前記側方カメラの反対側に配され、前記側方カメラによる撮像のために前記ノズルの外側の前記側方カメラに向けて光を出射する出射部と、
前記出射部の下端に連続して設けられた底面部と、
前記出射部の上端に連続して設けられた天面部と、を備え、
前記底面部及び前記天面部の少なくとも下面は、反射防止面となっており、
前記出射部の前記上端と前記下端を除く部分は中間部とされており、
前記出射部の前記上端及び前記中間部における前記側方カメラ側の縁部は、前記底面部の前記側方カメラ側の縁部より前記側方カメラから離れており、
前記出射部の前記下端における前記側方カメラ側の縁部は、前記底面部の前記側方カメラ側の縁部と一致するか、前記底面部の前記側方カメラ側の縁部より前記側方カメラから離れている、照明装置。
【請求項2】
前記ヘッドは、前記ヘッドの軸線回りに回転するロータリーユニットを有し、
複数本の前記ノズルは、前記ロータリーユニットに円形に配列され、
前記側方カメラは、前記ヘッドの軸線に対して前記ロータリーユニットの外側に配され、
前記出射部は、複数本の前記ノズルに包囲されるように配されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記出射部は、前記ヘッドの軸線を中心とする円柱の形状をなし、
前記底面部は、前記ヘッドの軸線に対して前記出射部の側面より外側に突出している、請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記出射部は、前記ヘッドの軸線を中心とする円錐台の形状をなし、前記上端から前記下端に向かうにつれて前記ヘッドの軸線に対して外側に突出している、請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記天面部は、前記ヘッドの軸線を中心とする円柱の形状をなす延設部を介して、前記出射部とつながっている、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の照明装置を備える、部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、照明装置及び部品実装装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に電子部品を実装する部品実装装置では、電子部品の実装精度を高めるために、各工程で撮影が行われる。例えば、特許6486501号公報(下記特許文献1)には、ロータリーヘッドを下方から撮像する第1撮像部と、ノズルに吸着された部品を側方から撮像する第2撮像部と、筒状をなし、第2撮像部による撮像のために光源部から出射された光を拡散して側面から出射する拡散部材と、を備える部品実装装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6486501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような部品実装装置の課題について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、第1撮像部Cが下方から反射光による撮像を行う場合、第1撮像部Cの撮像画像に拡散部材Dが写り込んで、部品認識を阻害するおそれがある。これを防ぐためには、拡散部材Dの下面に反射防止塗料を塗装し、反射防止面DSを設けることが考えられる。しかしながら、このような反射防止面DSが設けられていても、拡散部材Dが傾いてヘッドHに取り付けられた場合、図2に示すように、第1撮像部Cの撮像画像に拡散部材Dの側面が明部BSとして写り込むことがある。特に大型の部品Pを実装する際には、この明部BSが部品Pの電極などの明部に重なって部品認識しにくくなることが問題となっていた。
【0005】
本明細書に記載された技術は、上記のような事情に基づいて完成されたものであって、下方からの撮像画像に明部を生じにくい照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の照明装置は、基板に実装される部品を吸着するノズルが複数本配列されたヘッドと、前記ノズルに吸着された前記部品を側方から撮像するための側方カメラと、前記ノズルに吸着された前記部品を下方から撮像するための下方カメラと、を備えた部品実装装置において、前記ヘッドに取り付けられる照明装置であって、前記側方カメラ側の前記ノズルに対して前記側方カメラの反対側に配され、前記側方カメラによる撮像のために前記ノズルの外側の前記側方カメラに向けて光を出射する出射部と、前記出射部の下端に連続して設けられた底面部と、前記出射部の上端に連続して設けられた天面部と、を備え、前記底面部及び前記天面部の少なくとも下面は、反射防止面となっており、前記出射部の前記上端と前記下端を除く部分は中間部とされており、前記出射部の前記上端及び前記中間部における前記側方カメラ側の縁部は、前記底面部の前記側方カメラ側の縁部より前記側方カメラから離れており、前記出射部の前記下端における前記側方カメラ側の縁部は、前記底面部の前記側方カメラ側の縁部と一致するか、前記底面部の前記側方カメラ側の縁部より前記側方カメラから離れている、照明装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、下方からの撮像画像に明部を生じにくい照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来の部品実装装置において照明装置がヘッドに対して傾いて取り付けられた状態を示す側面図
図2図1の状態のヘッドを下方から撮像した画像を示す図
図3】実施形態1にかかる部品実装装置の全体構成を示す平面図
図4】実施形態1にかかるヘッドの断面図
図5】実施形態1にかかるヘッド本体部及び側方カメラの断面図
図6】実施形態1にかかるロータリーユニットの断面図
図7】実施形態1にかかる部品実装装置の電気的構成を示したブロック図
図8】実施形態1にかかる照明装置の斜視図
図9】実施形態1にかかる照明装置の側面図
図10】実施形態1にかかる照明装置を取り付けたヘッドの底面図
図11】実施形態1にかかる照明基板の表面を示す図
図12】実施形態1にかかる照明基板の裏面を示す図
図13】実施形態1にかかる照明装置を取り付けたヘッドの側面図
図14】実施形態2にかかる照明装置の側面図
図15】実施形態2にかかる照明装置を取り付けたヘッドの底面図
図16】実施形態3にかかる照明装置の側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
(1)本開示の照明装置は、基板に実装される部品を吸着するノズルが複数本配列されたヘッドと、前記ノズルに吸着された前記部品を側方から撮像するための側方カメラと、前記ノズルに吸着された前記部品を下方から撮像するための下方カメラと、を備えた部品実装装置において、前記ヘッドに取り付けられる照明装置であって、前記側方カメラ側の前記ノズルに対して前記側方カメラの反対側に配され、前記側方カメラによる撮像のために前記ノズルの外側の前記側方カメラに向けて光を出射する出射部と、前記出射部の下端に連続して設けられた底面部と、前記出射部の上端に連続して設けられた天面部と、を備え、前記底面部及び前記天面部の少なくとも下面は、反射防止面となっており、前記出射部の前記上端と前記下端を除く部分は中間部とされており、前記出射部の前記上端及び前記中間部における前記側方カメラ側の縁部は、前記底面部の前記側方カメラ側の縁部より前記側方カメラから離れており、前記出射部の前記下端における前記側方カメラ側の縁部は、前記底面部の前記側方カメラ側の縁部と一致するか、前記底面部の前記側方カメラ側の縁部より前記側方カメラから離れている、照明装置である。
【0010】
上記の構成によれば、照明装置がヘッドに対して傾いて取り付けられた場合でも、出射部は底面部に遮られて下方カメラの撮像画像に写り込みにくく、明部を生じにくい。これにより、下方カメラによる部品認識が容易となる。
【0011】
(2)前記ヘッドは、前記ヘッドの軸線回りに回転するロータリーユニットを有し、複数本の前記ノズルは、前記ロータリーユニットに円形に配列され、前記側方カメラは、前記ヘッドの軸線に対して前記ロータリーユニットの外側に配され、前記出射部は、複数本の前記ノズルに包囲されるように配されていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、ロータリーユニットを有するヘッドを備えた部品実装装置において、下方カメラによる部品認識が容易になる。
【0013】
(3)前記出射部は、前記ヘッドの軸線を中心とする円柱の形状をなし、前記底面部は、前記ヘッドの軸線に対して前記出射部の側面より外側に突出していてもよい。
【0014】
上記の構成は、底面部を出射部とは別体に構成した場合、例えば底面部を出射部の下端に貼り付けることで構成可能である。
【0015】
(4)前記出射部は、前記ヘッドの軸線を中心とする円錐台の形状をなし、前記上端から前記下端に向かうにつれて前記ヘッドの軸線に対して外側に突出していてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、出射部が円錐台形状であるため、底面部を別体に設けなくてもよく、出射部と一体に形成することができる。
【0017】
(5)前記天面部は、前記ヘッドの軸線を中心とする円柱の形状をなす延設部を介して、前記出射部とつながっていてもよい。
【0018】
出射部は、照明装置の外面全体を反射防止塗料で塗装した後、必要な箇所の塗装を残しつつそれ以外の塗装を剥がすことで最適に形成される。上記の構成によれば、延設部が設けられたことにより、出射部の塗装を剥がす際に天面部の塗装が剥がれることを防ぐことができる。したがって、天面部の塗装を剥がさずに出射部を形成することが容易になる。
【0019】
(6)本開示の部品実装装置は、上記のいずれか1つの照明装置を備える、部品実装装置である。
【0020】
上記の構成によれば、下方カメラによる部品認識が容易な部品実装装置を提供することができる。
【0021】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態を説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0022】
<実施形態1>
本開示の実施形態1を図3から図12を参照しつつ説明する。なお、複数の同一部材については、一部の部材のみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0023】
[部品実装装置]
部品実装装置10は、電子部品などの部品Eをプリント基板などの基板Bに実装する装置である。部品実装装置10は、図3に示すように、基台11、搬送装置12、部品供給装置14、ヘッド17、ノズルシャフト28A(図示の都合上、一部のみ示す)、側方カメラ33、下方カメラ22、制御部110(図7参照)などを備えている。
【0024】
[基台]
基台11は、図3に示すように、図示左右方向に横長な直方体の形状をなす。基台11上には、図示左右方向(X軸方向)に延びる搬送装置12、ヘッド搬送部16、下方カメラ22などが配置されている。図3の二点鎖線で囲まれる位置は、基板Bに部品Eを実装するときの作業位置を示している。
【0025】
[搬送装置]
搬送装置12は、一対のコンベアベルト13を有している。搬送装置12は、基板Bを搬送方向(X軸方向、図3の図示左右方向)に沿って搬送する。基板Bは搬送方向の一方側(図3の図示右側)からコンベアベルト13に沿って基台11上の作業位置に搬入され、作業位置で停止して部品Eが実装された後、コンベアベルト13に沿って他方側(図3の図示左側)に搬出される。
【0026】
[部品供給装置]
図3に示すように、基台11の図示上下方向(Y軸方向)の両側の端部には、部品供給装置14が設けられている。部品供給装置14には、複数のフィーダ15が配置されている。フィーダ15は、複数の部品Eを所定の間隔を隔てて保持したテープが巻回されたリールを保持している。フィーダ15は、リールを回転させてテープを送り出すことにより、部品Eを1つずつ供給するように構成されている。
【0027】
[ヘッド搬送部]
ヘッド搬送部16は、ヘッド17を所定の可動範囲内でX軸方向及びY軸方向に搬送するものである。ヘッド搬送部16は、図3に示すように、X軸ビーム18、Y軸フレーム19、X軸サーボモータ20、Y軸サーボモータ21などを備えている。ヘッド17は、X軸ビーム18に支持され、X軸サーボモータ20によりX軸方向に往復移動可能となっている。X軸ビーム18は、Y軸フレーム19に支持され、Y軸サーボモータ21によりY軸方向に往復移動可能となっている。
【0028】
[下方カメラ]
基台11上における作業位置の近傍には、図3に示すように、ヘッド17によって部品供給装置14から吸着された部品Eの画像を下方(図3の紙面奥から手前に向かう方向)から撮像する下方カメラ22が固定されている。下方カメラ22による撮像の際、下方カメラ22の光軸はヘッドの軸線(回転軸心)と平行であり、下方カメラ22の画像はヘッド17下面に対して正対している。
【0029】
[ヘッド]
ヘッド17は、図4に示すように、ヘッド本体部23と、ロータリーユニット27と、側方カメラ33と、を備える。
【0030】
[ヘッド本体部]
図5に示すように、ヘッド本体部23には、中央にシャフト24が設けられている。シャフト24は、ヘッドモータ25によりヘッド17の軸線回りに回転可能に構成されている。シャフト24の内部には、電気配線Lが収容されている。電気配線Lの端末は、シャフト24の下端で受け基板26に接続されている。電気配線Lのもう一方の端末は、外部の電源(図示せず)に接続されている。
【0031】
[ロータリーユニット]
ロータリーユニット27には、図6に示すように、複数本(本実施形態では18本)のノズルシャフト28Aが円形に配置されている。ノズルシャフト28Aの下端部には、ノズル28Bが着脱可能に取り付けられている。ノズル28Bには、ノズルシャフト28Aを介して、エア供給装置51(図示せず)から負圧が供給されるようになっている。ノズル28Bは負圧により部品Eを吸着保持することができ、また負圧を開放することで、部品Eの保持を解くことができる。各ノズルシャフト28Aは、Z軸サーボモータ29(図7参照)によりノズルシャフト28A毎に昇降可能に構成されている。また、各ノズルシャフト28Aは、R軸サーボモータ30(図7参照)によりノズルシャフト28A毎に中心軸回りに回転可能に構成されている。
【0032】
ロータリーユニット27は、図4及び図6に示すように、ボルトB1によりシャフト24の下部に取り付けられ、シャフト24とともにヘッド17の軸線回りに回転可能となっている。ロータリーユニット27の下部には、図6に示すように、ヘッド17の軸線を中心として円柱状に突出した突出部31が設けられている。突出部31の下端には、ヘッド17の軸線を示すマーク32が施されており、位置校正に用いられる。
【0033】
[側方カメラ]
側方カメラ33は、図4及び図5に示すように、ヘッド本体部23の下部側面に設けられ、ヘッド17の軸線に対してロータリーユニット27のノズル28Bより外側に配されている。側方カメラ33は、ノズル28Bに保持された部品Eを側方から撮影する。
【0034】
[部品実装装置の電気的構成]
部品実装装置10は、図7に示すように、制御部110によって全体が制御統括されており、制御部110は、CPU(Central Processing Unit)などにより構成される演算処理部111を備えている。演算処理部111には、モータ制御部112、記憶部113、画像処理部114、外部入出力部115、部品供給装置通信部116、管理装置通信部117、操作部118などが接続されている。
【0035】
モータ制御部112は、演算処理部111の指令により、記憶部113に記憶されている搭載プログラムに基づいて、ヘッドモータ25、Y軸サーボモータ21、X軸サーボモータ20、Z軸サーボモータ29、R軸サーボモータ30、搬送装置12などを制御し、部品Eを搭載する。
【0036】
記憶部113には、基板Bに部品Eを連続的に搭載するための連続搭載シーケンスなどの各種搭載プログラム、各種データなどが記憶されている。各種データには、生産が予定されている基板Bの生産枚数や品種に関する基板情報、ヘッド17に装着されているノズル28Bの識別情報などが含まれている。
【0037】
画像処理部114は、側方カメラ33や下方カメラ22から出力される画像信号が取り込まれるようになっており、取り込んだ画像信号に基づいて画像を生成する。
【0038】
外部入出力部115は、いわゆるインターフェースであって、演算処理部111は、外部入出力部115を通じてセンサ50(負圧を計測する圧力センサなど)からの検出信号の取り込み、エア供給装置51との制御信号の受け渡しを行う。センサ50は、外部入出力部115に有線で接続されてもよいし、無線で接続されてもよい。
【0039】
部品供給装置通信部116は、部品供給装置14に接続されており、部品供給装置14を統括して制御する。
【0040】
操作部118は、液晶モニタなどの図示しない表示装置、キーボードやマウスなどの図示しない入力装置などを備えており、作業者からの入力の受付や作業者への出力を行う。
【0041】
管理装置通信部117は、例えば、パーソナルコンピュータなどの管理装置60と通信可能に接続されている。管理装置60は、例えば、最適化プログラムによって生産予定の基板Bにおける部品Eの搭載順序を事前に決定したりする。
【0042】
[照明装置]
照明装置34は、図8に示すように、照明基板35と、出射部38と、底面部39と、天面部40と、を備えている。図4に示すように、照明装置34は、ヘッド17に装着されるようになっている。
【0043】
[出射部、天面部、底面部]
出射部38は、図8及び図9に示すように、後述するLED(発光ダイオード)36が発光した光を導光しつつ拡散可能なアクリル樹脂からなり、円柱の形状をなしている。樹脂の内部に拡散剤を混ぜ内部で透過する光を乱反射させ全体的に乳白色を呈するようにしているが、透明な樹脂を使用して表面のみに光を拡散させる梨地加工を施しても良い。出射部38の上端38T及び下端38Bを除いた部分は、中間部38Mとされている。底面部39は、出射部38と別体に設けられ、出射部38の下端38Bに連続するように貼り付けられたものである。底面部39は、出射部38と中心を同一とする円板の形状をなし、出射部38の側面より外側に突出している。天面部40は、出射部38の上端38Tに連続して一体に形成されている。天面部40は、出射部38と中心を同一とする円柱の形状をなし、出射部38の側面より外側に突出している。すなわち、図10において側方カメラ33が図示右側にあると考えると、出射部38(すなわち上端38T、中間部38M、及び下端38B)の側方カメラ33側の縁部(すなわち38TE,38ME,38BE)は、底面部39及び天面部40の側方カメラ33側の縁部39E,40Eより側方カメラ33から離れている。なお、本実施形態においては、ヘッド17が回転するため、結果として出射部38の側方カメラ33側の縁部は出射部38の側面全周となるが、ヘッドが回転せず、かつ側方カメラが1個のみ設けられている場合には、出射部の側方カメラ側の縁部は1つの側面となる。底面部39及び天面部40の下面及び側面は、反射防止塗料で塗装され、反射防止面39S,40Sとなっている。出射部38は、照明装置34の外面全体(別体に設けられた底面部39を除く)を反射防止塗料で塗装した後、天面部40の反射防止面40Sを残して、塗装を剥がすことで最適に形成される。反射防止塗料は黒であることが多い。また、出射部38から十分な光を出射するために、反射防止塗料の下に光をよく反射する塗料、例えば、白色の塗料を塗装してもよい。白色塗料を先に塗装してある場合、出射部38を露出させるためにはこの白色塗料も剥がす必要がある。
【0044】
[照明基板、スプリングピンコネクタ]
照明基板35は、板状をなし、図11に示すように、表面には円形に6個のLED36が配置されている。照明基板35の裏面には、図12に示すように、LED36に電力を供給するための2極のスプリングピンコネクタ37が2つ配されている。LED36のコネクタにスプリングピンコネクタ37を採用することで、照明装置34におけるLED36の配線空間を小さくすることができる。なお、LED36の点灯に必要な電力は、スプリングピンコネクタ37が1個あれば賄えるが、もう1個のスプリングピンコネクタ37は予備として設けてある。これにより、使用していた1個のスプリングピンコネクタ37に接触不良などの問題が起きた際、もう1個のスプリングピンコネクタ37を使用することができる。照明基板35は、図8に示すように、LED36が配された表面が下向きとなるように天面部40の内部に収容される。
【0045】
照明装置34の中心には、図8及び図9に示すように、貫通孔41が設けられている。貫通孔41は、図4に示すように、突出部31を受け入れるようになっている。照明装置34は、ボルトB2によりロータリーユニット27に取り付けられ、シャフト24及びロータリーユニット27とともにヘッド17の軸線回りに回転可能となっている。ボルトB2の下面は、反射防止のために黒色塗装されている。照明装置34をロータリーユニット27に取り付ける際、スプリングピンコネクタ37は、シャフト24の受け基板26に接続されるようになっている。このように、LED36のコネクタとしてスプリングピンコネクタ37を採用することで、照明装置34のヘッド17への着脱作業性が向上する。
【0046】
[側方カメラによる撮像]
照明装置34を用いて部品Eを側方カメラ33で撮像するには、部品Eの大きさに応じて、ノズル28Bの長さや上昇する高さ、出射部38の照明範囲などを調整する必要がある。図13に示すように、部品Eが照明装置34と側方カメラ33の間に収まり、側方カメラ33により撮像することができる大きさの場合には、ノズル28BはZ軸サーボモータ29により下降してフィーダ15から部品Eを取り出した後、上昇端まで上昇する。なお、ヘッド17に取り付けてある各ノズルシャフト28Aの上昇端の高さは同じものとする。すなわち、ノズル28Bの長さが同じであれば、上昇端におけるノズル28Bの下端の高さは各ノズル28Bともに同一の高さとなる。この上昇端にて、部品Eは出射部38からの照明光を背景にして側方カメラ33により撮像される。このとき、部品Eの上端(すなわちノズル28Bの下端)から下端までが出射部38を背景にして撮像画像に映し出されるように出射部38の高さ方向の範囲が確保されている。このためには、側方カメラ33の光軸は略水平で、画像は垂直方向に広がる場合、図13の一点鎖線で示すように、上昇端にあるノズル28Bの下端の高さから部品Eの厚み分下方の高さまで出射部38が確保されるようにすればよい。
【0047】
また、部品Eが大きく、フィーダ15から取り出された後に上昇したときに照明装置34または側方カメラ33と干渉するような場合には、図1のように干渉しない高さで上昇を停止するようにする。このためには、Z軸サーボモータ29の上昇ストロークを小さな部品に比べて小さくして停止させるか、ノズル28B自体を長くしてノズル28Bの上昇端まで上昇しても干渉しないようにすればよい。なお、照明装置34がある程度傾いて装着されても部品の背景が明るく映るよう、出射部38の照明範囲は余裕をもって広く確保される。また、部品の種類により厚さ(すなわち上下方向の長さ)は種々あるが、通常使用する大多数の部品に対応できるような上下方向の範囲が確保されていればよい。
【0048】
上記のような好適な照明装置34と部品Eの位置関係において、LED36の光は出射部38からノズル28Bに吸着された部品Eに向かって出射され、その部品Eの周りを透過した光が側方カメラ33により撮像される。したがって、側方カメラ33の撮像画像において、ノズル28Bに吸着された部品Eは、暗部として写り、部品Eの厚みや吸着姿勢などの認識が可能となる。
【0049】
[下方カメラによる撮像]
照明装置34は側方カメラ33により部品Eの側方画像を撮像するときに点灯されるが、下方カメラ22にて撮像が行われる場合には消灯している。下方カメラ22で部品Eの撮像をする場合には、下方に別途配された照明から部品Eに対して光が照射され、反射光が撮像される。底面部39及び天面部40の反射防止面39S,40Sは、下方からの光を吸収し、下方カメラ22の撮像画像において、暗部として写る(図10参照)。ここで、下方カメラ22の撮像のための照明からの光が出射部38に照射されると、内部で拡散され、すなわち乱反射されるが、この乱反射による光は、反射防止面39S,40Sにより遮られ、下方に漏れることはない。また、照明装置34が点灯していたとしても、同様に下方に光が漏れることはない。一方、下方カメラ22の撮像画像において、部品Eの電極などの金属部分は明部として写る。したがって、下方カメラ22による部品Eの位置や吸着姿勢などの認識が可能となる。
【0050】
ここで、照明装置34がヘッド17に対して傾いて取り付けられた場合、出射部38は下方カメラ22の撮像画像に写り込むと明部を生じる(図2参照)ことが考えられる。しかし、本実施形態では、図10に示すように、出射部38の上端38T、中間部38M、及び下端38Bにおける側方カメラ33側の縁部38TE,38ME,38BEは、底面部39及び天面部40の側方カメラ33側の縁部39E,40Eより側方カメラ33から離れている。よって、照明装置34がヘッド17に対して傾いて取り付けられた場合でも、出射部38は底面部39に遮られて、下方カメラ22の撮像画像に写り込みにくく、明部を生じにくい。したがって、本構成によれば、下方カメラ22による撮像のために、照明装置34のヘッド17の軸線に対する取付角度を精密に調整しなくてもよく、照明装置34の取付作業をより容易にしつつ下方カメラ22による部品Eの認識が可能となる。上記の側方カメラ33及び下方カメラ22による部品Eの撮像については、後述する実施形態2及び実施形態3においても、同様である。
【0051】
<実施形態2>
次に、実施形態2を図14及び図15を参照しながら説明する。実施形態2の部品実装装置210は、照明装置234を備え、その他の構成については実施形態1の部品実装装置10と同じである。実施形態1の部品実装装置10と同じ構成については実施形態1と同一の符号を用い、詳細な説明を省略する。
【0052】
照明装置234は、照明基板35と、出射部238と、底面部239と、天面部240と、を備える。
【0053】
出射部238は、図14に示すように、ヘッド17の軸線を中心とする円錐台の形状をなし、上端238Tから下端238Bに向かうにつれてヘッド17の軸線に対して外側に突出している。底面部239の下面、天面部240の下面及び側面は、反射防止塗料で塗装され、反射防止面239S,240Sとなっている。底面部239は円錐台の底面であり、円錐台の側面である出射部238は底面部239よりも上方にあるので、その外縁はヘッド17の軸線に対して底面部239よりも内側である。出射部238の下端238Bが底面部239と同じ高さ位置であるとするならば、少なくとも軸線に対して出射部238の下端238Bでは、その外縁は底面部239の外縁と一致する。また、出射部238のヘッド17の軸線方向に上側(すなわち上端238T及び中間部238M)の外縁は、底面部239の外縁よりヘッド17の軸線に近い。換言するならば、出射部238の上端238T及び中間部238Mにおける外縁より、底面部239の外縁は、ヘッド17の軸線から離れている。
【0054】
上記の構成において、実施形態1と同様に、出射部238の側面全周が出射部238の側方カメラ側33の縁部となっているので、図15に示すように、出射部238の上端238T及び中間部238Mにおける側方カメラ33側の縁部238TE,238MEは、底面部239及び天面部240の側方カメラ33側の縁部239E,240Eより側方カメラ33から離れている。また、出射部238の下端238Bにおける側方カメラ33側の縁部238BEは、底面部239の側方カメラ33側の縁部239Eと一致し、天面部240の側方カメラ33側の縁部240Eより側方カメラ33から離れている。したがって、照明装置234がヘッド17に対して傾いて取り付けられた場合でも、出射部238は底面部239に遮られて下方カメラ22の撮像画像に写り込みにくく、明部を生じにくい。これにより、下方カメラ22による部品Eの認識が容易となる。また、出射部238が円錐台形状であるため、底面部239を別体に設けなくてもよく、出射部238と一体に形成することができる。
【0055】
<実施形態3>
次に、実施形態3を図16を参照しながら説明する。実施形態3の部品実装装置310は、照明装置334を備え、その他の構成については実施形態1の部品実装装置10と同じである。実施形態1の部品実装装置10と同じ構成については実施形態1と同一の符号を用い、詳細な説明を省略する。
【0056】
照明装置334は、照明基板35と、出射部338と、底面部339と、天面部340と、延設部42と、を備える。
【0057】
出射部338は、ヘッド17の軸線を中心とする円錐台の形状をなし、上端338Tから下端338Bに向かうにつれてヘッド17の軸線に対して外側に突出している。天面部340は、ヘッド17の軸線を中心とする円柱の形状をなす延設部42を介して、出射部338とつながっている。底面部339の下面、天面部340の下面及び側面、延設部42の側面は、反射防止塗料で塗装され、反射防止面339S,340S,42Sとなっている。
【0058】
上記の構成によれば、照明装置334がヘッド17に対して傾いて取り付けられた場合でも、出射部338は底面部339に遮られて下方カメラ22の撮像画像に写り込みにくく、明部を生じにくい(図15と同様の底面図となる)。これにより、下方カメラ22による部品Eの認識が容易となる。
【0059】
出射部338は、照明装置334の外面全体を反射防止塗料で塗装した後、塗装を剥がすことで最適に形成される。上記の構成によれば、図16に示すように、延設部42が設けられたことにより、塗装を剥がすための切削工具の逃げを確保でき、天面部340の反射防止面340Sを剥がさずに出射部338を形成することが容易になる。なお、延設部42の反射防止面42Sは、出射部338の形成時に一部が剥がれたとしても底面部339に遮られる位置にあるため、下方カメラ22の撮像画像に剥がれた部分が写り込むことはない。
【0060】
<他の実施形態>
(1)実施形態1から実施形態3では、ロータリーユニット27を有するヘッド17を備えた構成としたが、ノズルシャフトが直線状に並んだインライン型のヘッドを用いてもよい。
【0061】
(2)実施形態1から実施形態3では、照明装置34の光源としてLED36を使用したが、他の発光方式を適用してもよい。例えば、出射部の側面に蛍光塗料を塗装し、外部から出射部に紫外線を照射することで、蛍光発光を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0062】
10,210,310…部品実装装置
11…基台
12…搬送装置
13…コンベアベルト
14…部品供給装置
15…フィーダ
16…ヘッド搬送部
17,H…ヘッド
18…X軸ビーム
19…Y軸フレーム
20…X軸サーボモータ
21…Y軸サーボモータ
22…下方カメラ
23…ヘッド本体部
24…シャフト
25…ヘッドモータ
26…受け基板
27…ロータリーユニット
28A…ノズルシャフト
28B…ノズル
29…Z軸サーボモータ
30…R軸サーボモータ
31…突出部
32…マーク
33…側方カメラ
34,234,334…照明装置
35…照明基板
36…LED
37…スプリングピンコネクタ
38,238,338…出射部
38T,238T,338T…上端
38B,238B,338B…下端
38M,238M,338M…中間部
39,239,339…底面部
40,240,340…天面部
39S,40S,42S,239S,240S,339S,340S,DS…反射防止面
38TE,38BE,38ME,39E,40E,239TE,238BE,238ME,239E,240E…縁部
41…貫通孔
42…延設部
50…センサ
51…エア供給装置
60…管理装置
110…制御部
111…演算処理部
112…モータ制御部
113…記憶部
114…画像処理部
115…外部入出力部
116…部品供給装置通信部
117…管理装置通信部
118…操作部
B…基板
B1,B2…ボルト
BS…明部
C…第1撮像部
D…拡散部材
E,P…部品
L…電気配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
図11
図12
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図15
図16