(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】最適化された位置情報支援型ビームフォーミング
(51)【国際特許分類】
G01S 19/22 20100101AFI20230602BHJP
G01S 19/35 20100101ALI20230602BHJP
【FI】
G01S19/22
G01S19/35
(21)【出願番号】P 2020544747
(86)(22)【出願日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 US2019018934
(87)【国際公開番号】W WO2019165057
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-09
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516071365
【氏名又は名称】スマートスカイ ネットワークス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SMARTSKY NETWORKS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ハイエス,ジェラード ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】タカミザワ,コウイチロウ
(72)【発明者】
【氏名】ハイスロップ,ダグラス
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-093134(JP,A)
【文献】特開2005-321364(JP,A)
【文献】特表2014-509497(JP,A)
【文献】特表2018-509111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 19/00-19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グローバルポジショニングシステム(GPS)レシーバであって、
GPS衛星からGPS信号を受信するように構成されたアンテナと、
前記アンテナによって受信された信号を予備処理するように構成された無線周波数(RF)フロントエンドと、
前記RFフロントエンドから受信した出力信号の復調とアナログ-デジタル変換を実行するように構成された復調器/コンバータと、
一貫したクロック信号を提供するように構成されたクロックと、
前記クロック信号を受信し、前記アンテナによって受信された信号に基づいて、GPSレシーバの位置特定に関連する時間及びコード測定を行うように構成されたデジタル信号プロセッサと、を備え、
前記GPSレシーバは、
航空機上に配置されて、時間及びコード測定から反射又は間接信号を除外するように構成されており、
前記アンテナは、前記反射又は間接信号の方向に中立点を形成するように構成されている指向性アンテナであり、
前記指向性アンテナは機体の底部又は前記航空機の翼に形成され、
前記指向性アンテナは、任意の方向における水平線付近から由来する信号を受信し、前記天底付近に由来する信号を拒絶するように構成されている、
GPSレシーバ。
【請求項2】
前記中立点は前記航空機に対して天底に形成されている、請求項1に記載のGPSレシーバ。
【請求項3】
更に、前記デジタル信号プロセッサと通信する最適化モジュールを備え、
前記最適化モジュールが、前記アンテナの構成又は前記デジタル信号プロセッサのオペレーションを変更して、前記反射又は間接信号の排除を引き起こすことによって前記GPSレシーバのロケーション特定の最適化を提供するように構成されている、請求項1に記載のGPSレシーバ。
【請求項4】
前記最適化モジュールは、少なくとも1つの衛星を、前記反射又は間接信号の源として特定し、前記アンテナの構成に、中立点を前記源の方にステアリングするよう指令するように構成されている、請求項3に記載のGPSレシーバ。
【請求項5】
前記最適化モジュールは、少なくとも1つの衛星を、前記反射又は間接信号の源として特定し、前記デジタル信号プロセッサによって処理されている信号のセットから、前記源由来の反射又は間接信号を除外するように構成されている、請求項3に記載のGPSレシーバ。
【請求項6】
前記最適化モジュールは、前記衛星各々から受信したGPS信号の定性的評価を確定するように構成されている、請求項3に記載のGPSレシーバ。
【請求項7】
前記最適化モジュールは、前記定性的評価に基づいて、少なくとも1つの衛星を、反射又は間接信号の源として識別するように構成されている、請求項6に記載のGPSレシーバ。
【請求項8】
前記最適化モジュールは、前記ロケーションを所与の時点での少なくとも1つの衛星のGPS信号品質と相関するGPS最適化マップを生成するように構成されている、請求項3に記載のGPSレシーバ。
【請求項9】
前記最適化モジュールは、前記ロケーションを所与の時点でのGPS位置固定品質と相関するGPS最適化マップを生成するように構成されている、請求項3に記載のGPSレシーバ。
【請求項10】
前記最適化モジュールは、前記ロケーションを、所与の時点での信号又は位置固定品質と相関して、前記反射又は間接信号の源である可能性がある1つ以上の衛星を特定するGPS最適化マップを参照するように構成されている、請求項3に記載のGPSレシーバ。
【請求項11】
前記最適化モジュールは、少なくとも1つの衛星からのGPS信号が反射又は間接信号である少なくとも1つのエリアをグラフィック表示するGPS最適化マップを生成するように構成されている、請求項3に記載のGPSレシーバ。
【請求項12】
前記少なくとも1つのエリアは、前記少なくとも1つの衛星からのGPS信号が現在時点で前記反射又は間接信号であるエリアを表し、前記GPS最適化マップは更に、前記GPS信号が将来の時点でGPSレシーバによって受信された場合に反射又は間接され得ることが予測される少なくとも1つの付加的なエリアをグラフィック表示する、請求項11に記載のGPSレシーバ。
【請求項13】
前記GPSレシーバは、前記航空機に対して水平線の方に配置された衛星からのGPS信号のみを受信するように構成されることによって反射又は間接信号を排除するように構成されている、請求項1に記載のGPSレシーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年2月26日に出願された米国特許出願第62/634,964号の優先権を主張するものであり、この特許出願は全体の参照により内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
例示的実施形態は一般に無線通信に関し、より詳細には、最適化されたグローバルポジショニングシステム(GPS)位置情報の使用を可能にして、ステアラブルアンテナビームの方向をガイドして空対地(ATG)通信ネットワークにおける無線通信を促進することに関する。
【背景技術】
【0003】
高速データ通信及びそのような通信を可能にするデバイスが現代社会では至る所に存在するようになっている。これらのデバイスによって、多くのユーザはインターネット及び他の通信ネットワークに殆ど常に接続し続けることが可能となる。これらの高速データ接続は電話回線、ケーブルモデム、又は物理的な有線接続を有する他のデバイスを介して利用可能であるが、無線接続は、移動性を犠牲にすることなく接続状態を維持する我々の能力に革命をもたらした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、人々は、地上にいる間ネットワークへの常時接続が維持されることに慣れている一方で、一旦航空機に乗り込むと、容易及び/又は安価な接続性が停止する傾向にあることを一般に理解している。航空機プラットフォームは依然として、少なくとも乗客にとっては、容易かつ安価に通信ネットワークへ接続できるようにはなっていない。空中で接続し続ける為の試みは通常高コストであり、帯域幅制限又は高レイテンシの問題がある。更に、航空機の通信能力に関する出費や問題に対処する意思のある乗客が、航空機に設けられた融通の利かない通信アーキテクチャによってサポートされる非常に特殊な通信モードに制限されていることが多い。
【0005】
従来型地上通信システムが、過去20年間にわたり開発され成熟してきた。地上通信に関して進化が進み続け、航空機プラットフォームとの通信にもこれらの進化が適用可能であるとの期待もありながら、従来型地上通信が二次元カバレッジパラダイムを包含するという事実、及び空対地(ATG)通信は三次元の問題であるという事実は、この2つの環境間に直接の相関がないということを意味する。代わりに、多くの付加的な要因を、地上通信に関して考慮したコンテキストに相対したATGのコンテキストで考慮しなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、幾つかの例示的実施形態は、通信ノードの能力を増強して、困難な環境における通信ノードの位置を特定する為に提供され得る。位置特定の能力改良は次に、例えば、ビームフォーミング技術を用いてより効率的且つ確実に通信することに貢献し得る。
【0007】
一例示的実施形態では、ビームフォーミング制御モジュールが提供される。ビームフォーミング制御モジュールは、基地局の固定地理的位置を示す固定位置情報を受信し、航空機上のモバイル通信局の三次元位置を示す動的位置情報を受信するように構成された処理回路構成を含み得る。動的位置情報は、航空機上に配置されたGPSレシーバから受信され得る。処理回路構成は更に、航空機への、又は航空機からの、アンテナアレイ由来のビームの形成を、動的位置情報に基づいて指令する為の命令を提供するように構成され得る。動的位置情報は、GPSレシーバがGPSレシーバ計算から反射又は間接信号を除外したことに応答して生成され得る。
【0008】
別の例示的実施形態では、GPSレシーバが提供される。GPSレシーバは、GPS衛星からGPS信号を受信するように構成されたアンテナと、アンテナによって受信された信号を予備処理するように構成された無線周波数(RF)フロントエンドと、RFフロントエンドから受信した出力信号の復調とアナログ-デジタル変換を実行するように構成された復調器/コンバータと、一貫したクロック信号を提供するように構成されたクロックと、クロック信号を受信し、アンテナによって受信された信号に基づいて、GPSレシーバの位置特定に関連する時間及びコード測定を行うように構成されたデジタル信号プロセッサを含み得る。GPSレシーバは、時間及びコード測定から反射又は間接信号を除外するように構成され得る。
【0009】
別の例示的実施形態では、GPS位置特定を改善する方法が提供される。方法は、GPS信号を受信するように構成されたアンテナのアンテナパターンを特定し、アンテナを含むGPSレシーバの現在位置を特定し、現在位置に基づいて信号選択を実行し、信号選択に基づいてアンテナパターンを調整して選択された信号のセットを受信し、選択された信号のセットに基づいてGPS位置特定を実行することを含み得る。
【0010】
このように本発明を大まかに説明した後で、以下、添付図面に言及するが、図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一例示的実施形態に係る、GPS衛星からの信号を受信しながら異なる基地局のカバレッジエリア間で移動する航空機の図である。
【
図2】一例示的実施形態に係るGPSレシーバのブロック図である。
【
図3】一例示的実施形態に係る、航空機の下の天底位置での中立点の形成を示す航空機の斜視図である。
【
図4】別の例示的実施形態に係るGPSレシーバのブロック図である。
【
図5】一例示的実施形態に係る最適化モジュールのブロック図である。
【
図6】一例示的実施形態に係るGPS最適化マップの図である。
【
図7】一例示的実施形態に係る、ビームフォーミングを補助する為の改良された品質の位置情報を使用する為に用いられ得る制御回路構成のブロック図である。
【
図8】一例示的実施形態に係る位置情報の品質を改良する為の方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では幾つかの例示的実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明するが、添付図面では、例示的実施形態の全てではないが幾つかを示す。実際、本明細書に記載及び図示される実施例は、本開示の範囲、適用可能性、又は構成に関して限定的であると解釈されるべきではない。寧ろ、これらの例示的実施形態は、本開示が該当法的要件を満たすように提供される。全体を通して、類似の参照符号は類似の要素を指す。更に、本明細書で使用している「又は」という語は、そのオペランドのうちの1つ以上が真であれば必ず真となる論理演算子として解釈されるべきである。本明細書で使用している用語「データ」、「コンテンツ」、「情報」及び類似用語は、例示的実施形態に従って送信受信及び/又は記憶されることが可能なデータを指して互換的に使用され得る。本明細書で使用している「ステアラブルビーム」は、一旦形成されると、所望の方向に偏向又はステアリングされ得る1つのビーム、又は、方向は比較的固定されていて、それらの各固定された方向に逐次形成されて航空機の移動を追跡することができ、その結果、航空機が、実際には逐次形成された固定ビーム間の一連のビームハンドオーバによって生成された「ステアド」ビームによって効果的に追跡される、一連のビームとして理解されるべきである。これらのタイプのステアラブルビームの何れかの形成は一般に、「ビームフォーミング」によって達成される。従って、そのようないずれの用語の使用も、例示的実施形態の趣旨と範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0013】
典型的な無線通信システムはエンドユーザ・デバイスを含み、エンドユーザ・デバイスは、特定のロケーション又はモバイルセッティングで、及びインターネット及び/又は公衆交換電話網(PSTN)への相互接続へのアクセスを備えた固定装置セットで使用され得る。エンドユーザ・デバイスは、基地局と呼ばれる固定装置と無線通信する。
【0014】
幾つかの実施形態では、ビームフォーミングを用いる基地局はアンテナアレイを用いてターゲットデバイスの方向にビームを生成し、デバイスのロケーションを基地局が把握している場合にカバレッジレンジを増強してもよい。このパラダイムは、航空機が地上の基地局から比較的大きな距離にあり得る空対地(ATG)ネットワークで特に有用であり得る。しかしながら、高度に指向性でロングレンジのビームが適切な方向に正確に形成又はステアリングされて、所望のターゲットに達し追跡する為には、ATGコンテキストでのビームフォーミングの使用は本質的に、航空機のロケーションを基地局が把握している場合(及び基地局のロケーションを航空機が把握している場合)にのみ実際的となる。
ターゲットデバイスのロケーションが未知である場合、ビームはターゲットの方向に効果的に形成され得ない。ビームフォーミングが存在しないこの場合において、基地局までのカバレッジレンジは減少する。無線システムは、最小公分母を提供するように設計されなければならない。初めてシステムにアクセスするデバイスが、より好ましくないカバレッジレンジを有する場合、基地局をより接近させて配置することで、未知のデバイスがシステムへのアクセスを得ることを確実にしなければならない。基地局を互いにより接近させて配置することはネットワークコストを増加させる。従って、ターゲットのロケーションを正確に把握することは、効果的且つ効率的なATGネットワークを提供する非常に重要な側面であることが理解されよう。
【0015】
無線デバイスが未だ基地局にコンタクトしていない場合、当該デバイスは、ビームフォーミング利得が存在しない為、基地局と通信するには不十分なカバレッジマージンで終始し得る。従って、無線デバイスの、基地局との初期同期化は、ビームフォーミングを用いた無線システムの潜在的問題である。この潜在的問題に対処する為に、受信局及び基地局の位置情報を利用して、成立させるべき無線通信リンクの一方又は両方のエンドでのビームフォーミングを促進することが可能であり得る。
【0016】
ATG通信システムにおいて、エンドユーザ装置(又は受信局)が飛行機又は他の空中プラットフォームにインストールされるか、又は別途存在し得る。従って、上述のように、位置情報の利用は、単に緯度及び経度、相対位置等の知識を包含する訳ではないことがある。代わりに、高度を含む三次元(3D)位置情報の知識が必要となり得る。更に、幾つかの場合には、現時点での航空機の位置の知識ばかりでなく、将来時間での航空機の位置の知識も、ビームフォーミングを補助する為に有用であり得る。航空機又はエンドユーザ装置にGPSデバイス又は他のロケーション、速度及び高度追跡手段がインストールされている場合、このロケーション特有情報を無線システムが用いて、ビームフォーミングを増強することによって初期同期化カバレッジレンジを増強し得る。例えば、航空機上の無線デバイスは、三次元空域における自身のロケーションを把握している、及び/又は他のデバイスに、3D空域における自身のロケーションを把握させてよい。その情報から、種々のデバイスは、飛行機の方位と対気速度の知識を導出することを可能にして、航空機の方向にビームを正確にステアリング又は形成するばかりでなく、将来の航空機のロケーションを予想して、ビームを予測的に形成してハンドオフ等を促進する。
【0017】
GPSアンテナは、航空機が可能な限り多くのGPS衛星を直接視野に入れてGPS情報の精度を改良する為に、典型的には航空機の頂部に配設される。しかしながら、ATG通信システムに使用されるアンテナは、航空機機体又は翼がATG信号を遮断しないように、航空機の底部に配置されていることが望ましくあり得る。効率を最大化して複雑さを低減する為に、航空機側部に、GPSアンテナと共にATGアンテナを併置することが望ましくあり得る。しかしながら、この併置は、GPSアンテナの、GPS衛星の直接視野を得る能力に対して望ましくない副作用を生じさせる位置にGPSアンテナを配置することになる。特に、航空機の真上にGPS衛星がある場合、そのGPSアンテナ(そうでない場合には最強の信号を提供し得る)は、実際に受信不能となり得るか、又は、間接経路経由(即ち、地面に当たってバウンド又は反射した後)でのみ受信され得る。GPSの基本オペレーションを前提とすると、間接経路は明らかに非常に問題があり得る。例示的実施形態は、このコンテキスト内での、又はGPS信号が反射信号からの予測可能な様式での干渉によって影響される他のコンテキストでの、GPSロケーション情報の最適化を可能にし得る。
【0018】
ATGネットワーク内のGPSロケーションをどのように最適化するかを理解する前に、ATGネットワーク内でGPSロケーション情報がどのように使用されるかを理解することが有用であり得る。幾つかの場合には、無線ネットワーク基地局構成を、再構成可能なメモリ(例えば、データベース)に記憶することが望ましくあり得る。航空機上にあり、ネットワークアセットを用いて通信することを希望するデバイスと、ネットワークアセット自体は、航空機のロケーションと機首方位の知識をもって、このデータベースからベストサービング基地局にアクセスして、その予期されるベストサービング基地局の方に初期アクセス要求を指令する。これで、ビームフォーミングが、初期システムアクセス/同期化を受けて順方向リンク(地上から航空機へ)と逆方向リンク(航空機から地上へ)の何れか又は両方に使用されることが可能となり得る。幾つかの実施形態では、無線システムは、アセットを用いて全てのデバイス(例えば、3D空域内の全航空機又は航空機上の他の受信デバイス)を能動的に追跡してもよい。例として、空港から離陸する飛行機(又は機上のデバイス)は、空港付近の基地局にアクセスして同期化してよい。無線システムに一旦認知されると、航空機(又は機上のデバイスのうち1つ以上)はサービング基地局に位置情報(例えば、座標、高度及び速度)を周期的に送信してよい。サービング基地局は、位置情報を集中型サーバ又はコアネットワーク内の他のデバイスと、又はコアネットワークに接続されたデバイスの分散型ネットワークと共有してもよい。集中型サーバ(又は分散型デバイスを含む他の処理デバイス)は次に、各航空機を追跡し、航空機ロケーション(複数可)をシステム内の基地局のデータベースと比較し、情報を、基地局及び/又は航空機上のデバイスに提供して、指向性ビームが形成されるかステアリングされて無線通信を促進することを可能にしてもよい。集中型サーバ(又は他の処理デバイス)は、特定の航空機が何時異なる基地局のカバレッジエリアの方に移動するか、又は何時異なる基地局のカバレッジエリアに入るかを特定してもよい。航空機ロケーションは新たな基地局と共有されてよく、次に新たな基地局は、指向性又はステアラブルビームを無線デバイスの方に形成して同期化情報を共有してハンドオーバを促進し、航空機(又は機上のデバイス)向けの継続した接続を促進してもよい。
【0019】
従って例示的実施形態は、固定基地局の位置(例えば、2D又は3Dの)の知識を、移動受信局又は航空機位置(例えば、時間も考慮する場合は3D又は4Dの、又は、将来の時間も考慮する場合は5Dの)の知識と組み合わせて、航空機上のデバイスが隣接する基地局を取得していない場合に、飛行機(又は機上のデバイス)と基地局のうち何れか又は両方からビームフォーミングを提供してもよい。従って、完全ビームフォーミングカバレッジの恩恵がATGシステム内で維持されることができ、ネットワークカバレッジのコストを低減してハンドオフ確実性を改良する。指向性ビームを使用することによる改良された利得は、航空機が地上の潜在的に離れた基地局との通信に従事することを可能にし得る。従って、ATGネットワークは潜在的に、地上波ネットワーク内の基地局間の典型的距離よりも格段に離れた基地局で構築され得、ネットワークのコストは、パフォーマンスを犠牲にせずに低減され得る。
【0020】
図1は、一例示的実施形態を示す為に、ATGネットワークの異なる基地局のカバレッジゾーンを通って移動する航空機100の概念図を示す。
図1は縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。
図1から分かるように、航空機100は、時間t
0に、第1の無線通信リンク120を介して第1の基地局(BS)110と通信状態にあり得る。第1の無線通信リンク120は、上記の順方向リンクと逆方向リンク両方を含む。少なくとも順方向リンクはビームフォーミングを使用してよく、場合によっては逆方向リンクもビームフォーミングを使用してよい。航空機100は、航空機100(又は機上のデバイス)が第1のBS110と通信することを可能にするオンボード無線装置又はデバイスを含んでよく、第1のBS110も、航空機100(又は機上のデバイス)との通信を可能にする無線通信装置を含み得る。以下に更に詳細に論じるように、各エンドの無線通信装置は、夫々の無線機と通信する、夫々のデバイスに配設された対応するアンテナアレイで受信された無線信号を処理する為の無線ハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。更に、例示的実施形態の無線通信装置は、アンテナアレイを用いた指向性集束、ステアリング、及び/又はビームの形成を利用するビームフォーミング技術を用いるように構成され得る。従って、この議論の目的では、航空機100と第1のBS110との間の無線通信リンク120はビームフォーミングを介して成立した少なくとも1つのリンクを用いて形成され得るということを想定すべきである。言い換えると、第1のBS110又は航空機100のうち何れか、又は両方は、無線通信リンク120の成立の為にビームフォーミング技術を利用することが可能な無線制御回路構成を含み得る。
【0021】
第1のBS110は地理的に固定された位置を有し、従って、第1のBS110のロケーションに関する位置情報は既知である。場合によっては、第1のBS110が無線接続性を航空機に提供できる領域を画定するカバレッジエリアの推定も、既知又は推定可能である(例えば、航空機100及び/又は第1のBS110或いは集中型ノード又はサーバで)。その一方で、3D空間内の航空機100の位置も、所与の時間で既知又は推定可能であり得る(例えば、航空機100及び/又は第1のBS110で)。更に、第1のBS110のカバレッジエリアは、場合によっては高度依存性である可能性があり得ることを理解されたい。これに関して、例えば、第1のBS110に関して地表上に投影された緯度方向と経度方向カバレッジエリアは、異なる高度では異なるサイズであり得る。従って、例えば、第1のBS110の既知の位置とカバレッジ特性、及び時間t0における航空機100の位置情報に基づいて、航空機100が時間t0において第1のBS110のカバレッジエリアの辺縁に接近しつつあるか又は第1のBS110のカバレッジエリアの辺縁にあるということが特定可能である。
【0022】
第1のBS110と類似した性能を有し得、類似した物理的及び/又は機能特性を有する第2のBS130が配置されてよく、航空機100の現在の軌道に関して、第2のBS130が、時間t0における航空機100とATG無線通信ネットワークの地上基地局との間の連続した途切れない通信リンクを維持する為の航空機100のハンドオーバの候補となるように、地理的に配置され得る。上記のように、第2のBS130がビームフォーミング技術を使用してビームを航空機100の方に指向させ得るように、第2のBS130が航空機100の接近を把握していれば役立ち得る。付加的に又は代替的に、航空機100上の無線通信装置がビームフォーミング技術を使用してビームを第2のBS130の方に指向させ得るように、航空機100が第2のBS130の存在とロケーションを把握していれば役立ち得る。従って、第2のBS130又は航空機100上の無線通信装置のうち少なくとも1つが、位置情報の知識によって支援されるビームフォーミング技術を使用して、航空機100上の無線通信装置と第2のBS130の間の第2の無線通信リンク140の成立を助長してよい。第2の無線通信リンク140は実質的に時間t0に又は時間t0後に成立してよく、上述のように順方向リンクと逆方向リンクを含み得る。
【0023】
一例示的実施形態によれば、ビームフォーミング制御モジュールは、第1のBS110、第2のBS130、第1のBS110及び第2のBS130と通信可能なネットワークロケーション及び/又は航空機100に配設され得る。ビームフォーミング制御モジュールは、例えば、固定基地局ロケーションの2D知識及び/又は航空機100上の受信局に関する位置情報(現在又は将来時間何れかでの)の3D知識を用いて、固定基地局ロケーションと航空機の間の相対位置を特定し、特定した相対位置に基づいてビームフォーミング技術の適用を支援してもよい。しかしながら、上記のように、位置情報の精度は、航空機100上の正確なGPSロケーション情報を特定する能力に依存し得る。
【0024】
航空機100は、ATGネットワーク内で通信するように構成された、又は構成可能な1つ又は複数のアンテナを含むアンテナアセンブリ150の1つ以上のインスタンスを含み得る。ATGネットワーク内の通信向けに、上記のように、アンテナアセンブリ150は、ATGネットワークの第1のBS110及び第2のBS130(及び、レンジ内にあるATGネットワークの任意の他のBS)がアンテナアセンブリ150と通信可能となるように、航空機100の機体の底部に配置されて見渡す限りの地面からの視界を促進するように配置され得る。従って、アンテナアセンブリ150は、航空機100が如何なる姿勢と高度であってもATGネットワークの潜在的BSを比較的妨げられずに視野に入れることが可能である。
【0025】
図1に示すように、航空機100は、航空機100が視認できるGPS衛星との通信を介してそのロケーションを特定できてもよい。アンテナアセンブリ150の一部として、アンテナアセンブリ150に併置して又はアンテナアセンブリ150付近に配置されて、航空機100は、GPS衛星との相互作用に基づいて航空機100の位置を特定することが可能なGPSレシーバ152も含み得る。GPSレシーバ152を備えたGPS衛星の、GPSレシーバ152の正確な位置を特定するオペレーションは一般に良く知られている。これに関して、GPS衛星は、地球を周回する衛星(例えば、24~32衛星)のコンステレーションに形成される。衛星は各々、厳密な軌道データを含む信号をブロードキャストし、衛星の軌道も緻密に観察され監視される。送信される軌道データは天体暦データを含み得、衛星の位置と、信号が送信された正確な時間とを計算する為に使用され得る。軌道データ(天体暦データを含む)は、タイミング基準として機能するコードに重畳されたメッセージで送信され得る。3以上の信号のブロードキャスト(対応する3又は4衛星からの)に関連するタイミングを次に用いて各衛星への飛行時間を測定できる。次に、GPSレシーバ152のロケーションを特定する為に、連続固定生成アルゴリズムが、適応版三辺測量を衛星に使用するべく実行され得る。
【0026】
図1の例において、幾つかのGPS衛星160、162、164、166及び168が航空機100に視認され得る。しかしながら、これらの同じ衛星160、162、164、166及び168の全てがアンテナアセンブリ150に(よって、GPSレシーバ152にも)視認されるわけではない。これに関して、衛星164は、航空機100の直上(又はほぼ直上)に配置され得、航空機100の機体及び/又は翼が、衛星164に由来する送信信号170を遮蔽して、GPSレシーバ152に到達しないように遮蔽する。しかしながら、送信信号170は地表に当たって跳ね返って、GPSレシーバ152が間接信号172を受信するようになる。送信信号170と間接信号172の両方が夫々GPSレシーバ152で受信される限り、送信信号170は有意に減衰し、従って、間接信号172に相対して格段に低い信号強度を有する。
【0027】
その一方で、遮られない送信信号174は、GPSレシーバ152で、衛星160、162、166及び168から夫々個々に直接受信されてよく、これら衛星160、162、166及び168からの任意の間接信号176は、遮られない送信信号174よりも弱いことが確実に期待され得る。従って、GPSレシーバ152が、少なくとも衛星164からの送信信号及び間接信号172に関して、任意の位置特定計算に関して各衛星からの最強の信号を選択するように構成されている限り、より強い信号はGPSレシーバ152までに辿った経路がより長い信号となり、従って正しくないタイミングを有する信号となるため、正確な位置特定の為の収束計算には用いられ得ない。
【0028】
衛星160、162、166及び/又は168は、3D空間におけるGPSレシーバ152(従って航空機100も)のロケーションを示す位置特定計算を行う為にGPSレシーバ152によって使用され得る。しかしながら、幾つかの場合には、第1のBS110及び第2のBS130並びにATGネットワークの任意の他のBSは、ATGベースのディファレンシャルGPS又は支援型GPSシステム内の基準局として働き得る固定地上局として働き得る。地上波ネットワークを使用するディファレンシャルGPSと同様に、基準局は、それら自身の各ロケーション及び時間に関するディファレンシャル補正を計算してよく、その補正は、衛星天体暦誤差及び対流圏歪みによって導入された誤差の補償を提供し得る。補正は航空機100に(従って、各航空機100又は航空機100上のデバイス上のGPSレシーバ152にも)通信されて、そこで計算されたGPS位置の精度を改善する。
【0029】
典型的なコンテキストでは、GPSレシーバの上の天頂にあるGPS衛星は、GPSレシーバに最も接近している可能性があるため、最も強いGPS信号を有すると予測され得る。しかしながら、ATGネットワークコンテキストでは、GPSレシーバ152に対して天頂にある衛星(例えば、衛星164)は実際には、信号が、航空機100によって提供される遮蔽に基づいて間接経路を介して受信される可能性が高い為、使用するには最低の信号に終始し得る。この独自の問題に関連する複雑さを如何に処理するかは、正確なビームフォーミングを可能にし、そのようなビームフォーミングが要するアセットロケーション特定を可能にする為の重要な側面となる。
【0030】
上記の議論から理解され得るように、幾つかの場合には、GPSレシーバ152は、衛星からの信号を信号強度に基づいて使用するように構成され得、衛星164からの間接信号172は、他の衛星160、162、166及び168からの遮られない送信信号174のうち1つ以上(全てではないにせよ)よりも実際に強くあり得る。従って、そのようなコンテキストでは、GPSレシーバ152は、位置特定の為に間接信号172の使用を試みるようにプログラムされ得る。幾つかの場合には、GPSレシーバ152は、間接信号172が位置特定への収束を妨げる問題であることを最終的に理解し、間接信号172を除外してもよい。しかしながら、間接信号172を用いたロケーション特定の繰り返される試み及び結果としての非収束解決策によって引き起こされる、収束到達(又は、収束が起こらないとの決定)の遅延は、位置特定を遅延させる、又は、位置特定を行う際のGPSレシーバ152の精度に悪影響を与える可能性がある。従って、特定の航空機が特定の衛星に対して天底にある可能性がある場合、又は、特定の航空機が別途、衛星と航空機100の相対位置により、収束と正確な位置特定に遅延又は問題を引き起こす可能性がある、特定の衛星に相対したロケーションにある場合、衛星からの信号の使用を回避できることが有用であり得る。言い換えると、GPS衛星からの間接信号(172及び176)の使用を回避する予防策を取ることが望ましくあり得る。
【0031】
GPS衛星からの間接信号の使用を回避することは、純粋にハードウェア解決策と、数値又はプログラムされた解決策を含む幾つかの異なる方式で達成され得る。従って、例示的実施形態は、ATGコンテキストにGPS最適化されるように構成されたGPSレシーバを提供し得る。ATGコンテキストにGPS最適化されていることは、反射信号(即ち、間接信号)の使用を回避するアンテナ技術を採用したGPSレシーバを含み得る。これに関して、
図2及び4は、ATGコンテキスト向けにGPS最適化されたレシーバを提供する為の異なる戦略の幾つかの実施例を示す。
【0032】
図2は、間接信号(例えば、間接信号172及び176)であり得る信号のハードウェア構成型拒絶を採用したATGコンテキストで使用する、GPS最適化されたレシーバの機能ブロック図を示す。これに関して、航空機100に対してアンテナアパーチャの天底で受信された信号は、間接信号172のインスタンスである可能性が最も高い。信号が天底から遠ざかる方向に移動するほど、信号が反射又は間接的となる可能性は低くなる。従って、GPSレシーバ200は、指向性アンテナ220によって受信される信号を予備処理するように構成された増幅器及びフィルタを含み得るRFフロントエンド210を含む。RFフロントエンド210の出力は、RFフロントエンド210から受信された出力信号の復調とアナログ-デジタル変換を実行するように構成され得る復調器/コンバータ230で受信され得る。クロック240は、整合したクロック信号をデジタル信号プロセッサ250に提供してもよく、デジタル信号プロセッサ250は、指向性アンテナ220によって受信された信号に関連する時間測定及びコード測定を用いてデータビットアライメント、データパリティ検査、データ復号、レンジ補正等の機能を実行してレシーバ位置及び速度を特定し、GPSレシーバ200によって位置、速度及び時間特定(例えば、位置情報260)が行われることを可能にする任意の他の必要な時間計算を実行するように構成されている。
【0033】
指向性アンテナ220は、天底信号と、ほぼ天底信号に近い信号を無視するように構成され得る。幾つかの場合には、指向性アンテナ220は、
図3の実施例に示すように主に水平線方向を見るように構成されたアンテナであり得る。これに関して、
図3の航空機100は、その底部に配置された指向性アンテナ220を含み、指向性アンテナ220は側視となるように構成される(即ち、上視でも下視でもない)。これに関して、指向性アンテナ220の為の概略アンテナ受容アパーチャ222が
図3に示されている。この実施例の指向性アンテナ220の為の概略アンテナ受容アパーチャ222は、天底から約30度~約90度であり得る。幾つかの実施例では、指向性アンテナ220は、地面の方に(即ち、天底の方に)ステアリングされた中立点224を有するように構成された単極子又は双極子アンテナとして具体化され得る。航空機機体はグラウンド・プレーンとして働き得、天底に配設された中立点の存在は、航空機100周りの全方向において水平線の方にステアリングされるドーナツ型のアンテナアパーチャをもたらし得る。従って、航空機100に対して水平線により近いGPS衛星は、GPS位置特定に優先的に使用されるばかりでなく、受信される唯一の信号となり得る。従って指向性アンテナ220は、反射又は間接信号となる可能性がある何れの信号の受信も構造的に回避する機構として働く。
【0034】
しかしながら、固定構造なしで最適化を可能にし得る、従って、GPS位置特定を包含する計算にどの信号を使用し、どの信号を使用しないかをインテリジェントに決定できる、間接信号を回避する他の方法がある。
図4は、1つのそのような構造の機能ブロック図を示す。これに関して、この例示的実施形態に係るGPSレシーバ300は、
図2のRFフロントエンド210と形態及び/又は機能において類似したRFフロントエンド310を含み得る。RFフロントエンド310は、以下に詳述するように指向性アンテナでなくてもよい(少なくとも固定構成ではない)アンテナ320によって受信される信号を予備処理するように構成され得る。RFフロントエンド310の出力は、
図2の復調器/コンバータ230と形態及び/又は機能において類似していてよい復調器/コンバータ330で受信されて、RFフロントエンド310から受信された出力信号の復調とアナログ-デジタル変換が実行される。クロック340は、整合したクロック信号をデジタル信号プロセッサ350に提供してもよく、デジタル信号プロセッサ350は、最適化モジュール360と相互作用して、アンテナ320によって受信された信号に関連する時間測定及びコード測定を用いてデータビットアライメント、データパリティ検査、データ復号、レンジ補正等の機能を実行して、レシーバ位置及び速度を特定し、GPSレシーバ300によって位置、速度及び時間特定(例えば、位置情報370)が行われることを可能にする任意の他の必要な時間計算を実行するように構成されている。最適化モジュール360は、例えば、間接又は反射信号の使用を回避することによってGPS位置特定の最適化を提供するように構成され得る。
【0035】
一例示的実施形態では、アンテナ320は、最適化モジュール360によって提供された命令に応答してアンテナ320が指向性可動中立点を生成でき得る限りにおいて、構成可能なアンテナであり得る。従って、例えば、最適化モジュール360は、中立点ステアリング命令をアンテナ320に提供するように構成され得て、遮られない送信信号174等の入力信号をアンテナ320が受信することを可能にしながら、中立点を間接信号172の方にステアリングするようにアンテナ320を構成する。中立点ステアリング命令は、中立点を特定のエリア又はセクターの方にステアリングする(例えば、航空機100の下の天底領域の方への中立点ステアリング)為に、又は中立点を特定の信号(又は信号)の方にステアリングする為に生成され得る。例えば、或る信号について(発生元ロケーションに係らず)、位置情報370の正確な特定の収束を達成することが難しいことが判った場合、対応する信号は、各発生元方向にステアリングされた中立点を有し得る。従って最適化モジュール360は、中立点ステアリングを用いて、問題のある(例えば、間接信号である為、又は、他の方式では正確な位置情報370への収束を達成できない信号)を全て効果的に除外し得る。
【0036】
中立点ステアリング、又はアンテナ320の何れかの他の構成を実行する為に、幾つかの例示的実施形態は更に、最適化モジュール360が、アンテナ320の現在の構成又は配向を特定して、例えば、比較話法で言えば、アンテナ320が現在何処で信号を受信するように構成されているかを把握することを提供してよい。従って、アンテナ320のアンテナパターンは、最適化モジュール360によって特定可能であり得る。幾つかの場合には、アンテナパターンの或る種のパラメータは、設置前又は後にアンテナ320に行われた検査により先見的に知られ得る。従って、ベースライン又はデフォルトアンテナパターン情報は既知であり得る。次に、現在のアンテナパターンが任意の所与の時点で特定され得るように、ベースラインアンテナパターン又は構成に行われる調整が追跡されてよい。従って、アンテナパターンは調整可能である(例えば、中立点ステアリング、ビームフォーメーションを介して、又は、アンテナパターンに基づいてGPS最適化を効果的に実行する為に、アンテナ320が信号に関して特定の方向(複数可)を「見る」ことを可能にする他の技術を介して)。
【0037】
中立点ステアリングの代替案として、幾つかの実施形態では、最適化モジュール360は、衛星160、162、164、166及び168に信号を選択的に追加又は除外するように構成され得る。選択的追加又は除外は、多数の可能な組み合わせでの種々の衛星のセットに関する位置情報370の計算に関連する精度及び収束時間のリアルタイムの分析に基づいて、又は、特定の衛星又は特定のロケーションからの、そのロケーションでの他のアセットの経験に基づく信号の有用さ又は精度を示す受信情報(例えば、ネットワークエンティティから、又は他のネットワークアセットから)に基づいて実行され得る。従って、幾つかの場合には、最適化モジュール360は、受信信号に純粋に基づいて、又、最適化モジュール360に記憶された予期される結果に対するそのような信号処理の為のガイドラインに純粋に基づいてGPSレシーバ152で独立して動作し得る。しかしながら、別の例では、最適化モジュール360は、航空機100の一般的ロケーション内で、個々の衛星から、又はGPS全般からの信号での特定的な問題が以前に報告されているということを示唆する、ATGネットワーク内の他のアセット又はエンティティからの情報を付加的に又は代替的に受信してもよい。以前の報告は、現時点でも航空機100に適用可能である原因と関連付けられると決定可能である、又は推定され得る。例えば、既知の衛星移動速度に基づいて、データは、特定の問題のある衛星が、特定の地理的エリアにおいてアセット(例えば、航空機)に対して天頂に配置されている限定された期間(例えば停電期間)にわたり特定の地理的エリア(又はATGセル(複数可))に適用可能であると考えられ得る。停電期間後に、その特定の問題のある衛星は、間接又は反射信号の問題が、対応する特定の地理的エリアにおけるアセット(例えば、航空機)にとって、もはや問題とならないような天頂位置外へと移動し得る。
【0038】
幾つかの場合には、他のアセットによって、地理的記録ベースで報告することは(即ち、衛星パフォーマンスの各報告が、パフォーマンス測定が行われたときにアセットが位置していた領域と関連付けられる)、ATGネットワークが、衛星パフォーマンス(例えば、位置と、間接又は反射信号を生成する可能性に基づいて)と、経時的に更新され得るロケーションの相関を定義することを効果的に可能にし得る。そのため、最適化モジュール360は、特定の位置決め精度の課題に直面しているか、又は所与の時点で直面することが予期されるロケーションのGPS最適化マップ380を効果的に定義するデータを生成又は消費するように作動され得る。そのため、最適化モジュール360は、デジタル信号プロセッサ350を位置情報370の計算に関して命令する使用に関してGPS最適化マップ380を参照してよい。しかしながら、最適化モジュール360は、受信したGPS信号上のデータを取得し、そのようなデータをGPS最適化マップ380の生成に使用する為にも用いられ得る。GPS最適化マップ380は次に、他のATGネットワークアセットと共有されて(例えば、そのようなアセットと直接の、又は、ATGネットワーク内の中央ノード又はマップディストリビュータとの無線通信を介して)、更新版のGPS最適化マップ380は、各GPSレシーバ300による使用の為に各アセットに維持されてよい。しかしながら、幾つかの実施例では、GPS最適化マップ380の単一のインスタンスがATGネットワーク内の中央ノードに維持されてよく、各アセットは中央ノードと通信してGPS最適化マップ380から情報を得るか、又はGPS最適化マップ380に情報を提供してもよい。
【0039】
GPS最適化マップ380は、特定の衛星からの信号が遮断、除外又は無視されるべきであるエリア(及び時間レンジ)を示唆し得る。代替的に又は付加的に、GPS最適化マップ380は、GPSポジショニングに妥協があるか又は不正確であるエリア(及び時間レンジ)を示してもよい。そのような状況では、例えば、ATGベースのディファレンシャルGPS又は支援型GPSを使用するATGネットワークのBSからの支援が指示されて、航空機100が、GPSポジショニングに妥協があるか又は不正確であるロケーションに位置する期間にわたる位置特定精度を改良する。こうして、幾つかの場合には、GPS最適化マップ380は各ロケーションにおいて航空機100が視認できる可能性がある衛星に関する予測信号品質推定(グラフィック表示フォーマットで)を効果的に定義する情報を組み込んでもよい。予測信号品質推定は、実際、所与のロケーション及び/又は所与の期間において回避すべき、又は位置特定に用いるべきでない(可能な場合)衛星のGPS衛星ブラックリストを効果的に定義してよい。そのため、例えば、1つの特定の衛星が、対応する特定の地理的エリアにおいて所与の期間にわたり間接又は反射信号を生成しそうであると判断され得る場合、その特定の衛星は位置特定の為の何れの計算からも除外され得る。
【0040】
図5は、一例示的実施形態に係る最適化モジュール360のアーキテクチャを示す。最適化モジュール360(及び以下に論じるビームフォーミング制御モジュール)のインスタンスは、各航空機に、及び/又はATGネットワークのあらゆるBSに配設され得ることを理解されたい。付加的に又は代替的に、最適化モジュール360(及びビームフォーミング制御モジュール)のインスタンスは、地上の1つ以上のネットワークエンティティで具体化されてもよい。各インスタンスは独立して動作するように、又は他のインスタンスと連続的又は周期的に通信するように作動され得る。従って、GPS最適化マップ380は航空機100上でローカルに生成されてもよく、又は、他所で生成されて航空機100と共有されてもよいことも理解されたい。ATGネットワークの存在は、本明細書に記載のいずれの測定でもほぼリアルタイムの処理及び計算に関するエンティティ間の任意の該当するデータのリアルタイムの通信を可能にする。
【0041】
最適化モジュール360は、アンテナ320向けの命令の生成(例えば、中立点形成に関する)に関して、及び/又は位置情報370の計算に含める信号の選択を指示する為にGPSレシーバ300のデジタル信号プロセッサ350に関して、制御出力を提供するように構成された処理回路構成410を含み得る。処理回路構成410は、データ処理、制御機能実行及び/又は本発明の一例示的実施形態に係る他の処理及び管理サービスを実行するように構成され得る。幾つかの実施形態では、処理回路構成410はチップ又はチップセットとして具体化され得る。言い換えると、処理回路構成410は、構造アセンブリ(例えば、基板)上の材料、構成要素及び/又はワイヤを含む1つ以上の物理的パッケージ(例えば、チップ)を備えてよい。構造アセンブリは、物理的強度、サイズの保全及び/又は、その上に含まれたコンポーネント回路構成の為の電気的相互作用の制限を提供し得る。従って処理回路構成410は、幾つかの場合には、本発明の実施形態を、単一のチップ又は単一の「システムオンチップ」として実装するように構成され得る。そのため、幾つかの場合には、チップ又はチップセットは、本明細書に記載の機能性を提供する為の1つ以上のオペレーションを実行する為の手段を構成してよい。
【0042】
一例示的実施形態では、処理回路構成410は、デバイスインターフェース420及び幾つかの場合にはユーザインターフェース430と通信状態にあり得る、又はそれらを制御するプロセッサ412及びメモリ414の1つ以上のインスタンスを含み得る。そのため、処理回路構成410は、本明細書に記載のオペレーションを実行するように構成された(例えば、ハードウェア、ソフトウェアを備えた、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを備えた)回路チップ(例えば、集積回路チップ)として具体化され得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、処理回路構成410はオンボードコンピュータの一部として具体化され得る。幾つかの実施形態では、処理回路構成410はATGネットワークの種々の構成要素、エンティティ及び/又はセンサと通信してよい。
【0043】
ユーザインターフェース430(実装されている場合)は処理回路構成410と通信してユーザインターフェース430でユーザ入力の表示を受信する、及び/又は、可聴、可視、機械的又は他の出力をユーザに提供してもよい。そのため、ユーザインターフェース430は、例えば、ディスプレイ、1つ以上のレバー、スイッチ、インジケータライト、ボタン又はキー(例えば、ファンクションボタン)、及び/又は他の入/出力機構を含み得る。
【0044】
デバイスインターフェース420は、他のデバイス(例えば、モジュール、エンティティ、センサ及び/又はATGネットワーク又はGPSレシーバ200/300又は航空機100の他の構成要素)との通信を可能にする為の1つ以上のインターフェース機構を含み得る。幾つかの場合には、デバイスインターフェース420は、モジュール、エンティティ、センサ及び/又は処理回路構成410と通信状態にあるATGネットワークの他の構成要素との間で双方向にデータを受信及び/又は送信するように構成されたハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせの何れかとして具体化されたデバイス又は回路構成等の任意の手段であり得る。
【0045】
プロセッサ412は、幾つかの異なる方式で実施されてよい。例えば、プロセッサ412は、様々な処理手段として実施されてよく、例えば、マイクロプロセッサ又は他の処理要素、コプロセッサ、コントローラ、又は他の様々なコンピューティングデバイス又は処理デバイスのうち1つ以上として実施されてよく、これには、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等のような集積回路が含まれる。一例示的実施形態では、プロセッサ412は、メモリ414に記憶されている命令、又は他の方法でプロセッサ412からアクセス可能な命令を実行するように構成されてよい。従って、プロセッサ412は、ハードウェアで、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせで構成されるかに係らず、本発明の実施形態に従って構成されて、本発明の実施形態による動作を実施することが可能なエンティティ(例えば、処理回路構成410の形式で回路として物理的に具体化されるエンティティ)を表すものであってよい。従って、例えば、プロセッサ412がASIC、FPGA等として実施される場合、プロセッサ412は、本明細書に記載の動作を実施することに特化して構成されたハードウェアであってよい。或いは、別の例として、プロセッサ412がソフトウェア命令の実行器として実施される場合、それらの命令は、プロセッサ412を、本明細書に記載のオペレーションを実施することに特化して構成してよい。
【0046】
一例示的実施形態では、プロセッサ412(又は処理回路410)は、アンテナ320からのGPS信号の受信に応答して、処理回路410によって受信された入力に基づいて、最適化モジュール360のオペレーションを含む或いは制御するように実施され得る。そのため、幾つかの実施形態では、プロセッサ412(又は処理回路構成410)は、調整関連で最適化モジュール360に関連して説明した各オペレーションを、中立点生成、信号選択又は拒絶、位置情報370の計算、及び/又はGPS最適化マップ380との相互作用に関するアンテナ320及び/又はGPSレシーバ300のデジタル信号プロセッサ350のオペレーションに引き起こして、それに従ってプロセッサ412(又は処理回路構成410)を構成する命令又はアルゴリズムの実行に応答して衛星160、162、164、166及び168との相互作用に関する対応する機能性を行うとも言える。
【0047】
一例示的実施形態では、メモリ414は、1つ以上の非一時的メモリデバイス、例えば、固定式でも取り外し可能でもよい揮発性及び/又は不揮発性メモリを含んでよい。メモリ414は、本発明の例示的実施形態に従って処理回路構成410が様々な機能を実施することを可能にする為の情報、データ、アプリケーション、命令等を記憶するように構成されてよい。例えば、メモリ414は、入力データを、プロセッサ412による処理に備えてバッファリングするように構成されてよい。付加的に又は代替的に、メモリ414は、命令を、プロセッサ412による実行に備えて記憶するように構成されてよい。更に別の代替として、メモリ414は、GPS信号受信及び/又はGPS最適化マップ380との相互作用に応答して様々なデータセットを記憶してよい1つ以上のデータベースを含んでよい。メモリ414のコンテンツのうち、アプリケーション及び/又は命令は、それぞれのアプリケーション/命令に関連付けられた機能性を実施する為に、プロセッサ412による実行に備えて記憶されてよい。場合によっては、アプリケーションは、本明細書に記載のように最適化モジュール360のオペレーションを制御する為の入力を提供する命令を含み得る。
【0048】
一例示的実施形態では、メモリ314は、GPS最適化マップ380又はその一部を記憶してよい。代替的に又は付加的に、メモリ314は、中立点を生成する、又は、命令に定義された種々のルール又はトリガに基づいて信号を選択する為のアンテナ320のオペレーションに関する命令を記憶してよい。例えば、メモリ314は、所与の衛星のセットを用いて正確な位置固定への収束が達成され得ない(例えば、GPSレシーバ152が視認できる各衛星からの3、4又は5個の信号)場合に、グループ内の衛星のうち1つが不正確である(例えば、間接又は反射信号を提供した為)と考慮されなければならないサイクル数又は期間を定義する命令を記憶してもよい。メモリ314は更に、衛星のうち1つ(又はそれ以上)を含むセットが非収束的となりがちであるか、又は正確な位置情報370を特定不能かどうかを判断する為に、各異なる衛星からの信号の種々の組み合わせを含む付加的なセットを定義する為の命令を記憶してもよい。衛星160、162、164、166及び168のうち1つ(又はそれ以上)が不正確であると判断された場合、そのような情報は、GPS最適化マップ380を生成又は更新する為に使用され得る。対応する信号は次に、GPS最適化マップ380を介して、このGPSレシーバ300及び/又はATGネットワーク内の他のGPSレシーバによって、将来の計算から遮断又は除外されてよい。従ってデータセットは、記憶及び/又は共有されてよく、それは、種々のロケーション(例えば、ATGセル又は更に特定的ロケーション(例えば、緯度/経度/高度))で受信された信号及び位置固定及び/又は信号の定性的評価が、位置情報370の特定と関連付けられるということを示す。例えば、各試みられた位置計算は、位置計算に使用された衛星群に関する時間、ロケーション、信号品質、位置品質等に関連付けられ得る。幾つかの場合には、全てが共通の衛星を有する、低品質の複数の位置計算があるが、その一方で、他の計算では共通衛星を除外し、より高品質であるものが使用されて、共通衛星が間接又は反射信号を生成している可能性があることを示唆する。対応する位置、又はその衛生からの個々の信号はマーキングされるか、又は低品質であると見なされて、少なくとも所定期間にわたり使用から除外され得る。この行われた特定は、他のアセットがこの特定を把握するように、又、それに従って例えばGPS最適化マップ380が更新され得るように報告されてもよい(ATGネットワークを介して)。次にGPS最適化マップ380は、ロケーション、信号/位置品質(衛星ごと、又は、1つの計算に使用される信号のグループに関して合算の意味で)及び、GPSが困難に直面し得るエリア(即ち、所与の衛星のセットを用いて特定されたGPS位置情報が不正確である)をグラフィックに示し得る時間の間の相関を生成するように構成され得る。GPS最適化マップ380は場合によっては更に、又は代替的に自動的に、アンテナ320及び/又はGPSレシーバ300のデジタル信号プロセッサ350に、位置情報370が現在時間、ロケーション及び航空機100の視野内にある衛星の相対位置に関して可能な限り正確であることを確保する方式でGPS信号を処理するように指示する為に参照する為の最適化モジュール360の為の基盤(例えば基準文書)としても働き得る。
【0049】
図6は、一例示的実施形態に係るGPS最適化マップ380の一実施例を示す。
図6は何れの種の縮尺に沿っても描かれていないことに留意されたい。
図6に示すように、航空機100は、軌道500を辿ってよく、従って、ATGネットワークの異なるBS(例えば、第1及び第2のBS110及び130)の幾つかのカバレッジゾーン510を通過し得る。BS及び/又は航空機100は、ビームフォーミング(例えば、ビームフォーミング制御モジュール)を用いて、正確なロケーション情報(BSの既知の位置固定されたロケーションに相対した航空機100の)に基づいて、互いに狭く集束した無線通信リンクを形成してよい。従って、ロケーション情報(航空機100の3Dロケーションを示す動的位置情報である)が正確であることが重要である。
【0050】
航空機100がゾーン520に到達するにつれ、少なくとも1つの衛星が航空機100に対して天頂位置にあり、それによって、少なくとも1つの衛星から受信された何れの信号も反射又は間接信号になることが判断され得る。任意の位置固定の品質(収束が達成され得ても)が良くなかった場合、最適化モジュール360は、少なくともそのエリアと、場合によっては衛星自体さえも特定するように構成され得る。従って、衛星がゾーン520に相対して天頂位置にあり得る期間(この時点でGPSの目的では停電ゾーンとなる)に関して、ゾーン520は、GPSのみに頼るか、又は天頂位置にある衛星を使用するかの何れかの、望ましくないロケーションであり得る。航空機100は、ゾーン520を通過してATGネットワークに(例えば、ネットワークエンティティの最適化モジュール360のインスタンスに)至ることに関連する結果を報告してもよく、又は、航空機100での最適化モジュール360のインスタンスは、その結果を用いてGPS最適化マップ380を生成又は更新してもよい。
【0051】
予期される衛星の移動が既知である場合、衛星からのGPS信号が反射又は間接信号となることが予期される各期間に各々対応する将来のゾーン522及び524を定義することも可能であり得る。従って、そのエリアを通過する他の航空機100は、GPS最適化マップ380のインスタンスを参照して、地上局又は他のアセットからの他の衛星又は支援を何時利用するかを決定して、位置特定業務の精度を増強できる。GPS最適化マップ380は、対応する異なる衛星に対して異なるゾーン530及び540を示すように構成され得る。更に、場合によっては、ゾーン530及び540は、ゾーン530又は540内の信号の劣化レベルを示す特徴(例えば、パターン又は数値)と共にグラフィック表示され得る。こうして、GPS最適化マップ380は、GPS劣化が発生するエリアのグラフィック表示を提供でき、更には、現在及び/又は将来時間に関して、劣化が起こっている度合いまでも提供し得る。従って航空機は、或るエリアを通過するときにGPS最適化マップ380に含めるデータを提示するばかりでなく、GPS最適化マップ380を参照して、GPS劣化が経験されるエリアにおいてであっても、先制的措置を取って可能な限り最高のロケーション情報を取得し得る。従って、例えば、航空機100が、少なくとも1つの衛星へのGPS劣化を経験しているエリア(例えば、ゾーン520、522、524、530又は540)に進入するとき、航空機100は、その衛星からの信号の使用を回避することができる(例えば、劣化した衛星からの信号を遮断又は除外することによって)。劣化を経験しているエリアでなされた位置情報特定の精度を改良する為に、航空機100との通信に関与する任意のネットワークアセットのビームフォーミング制御モジュールは、GPSを補足しても(例えば、ATGベースのディファレンシャルGPS又は支援型GPSシステムを用いて)よく、又は位置情報特定に異なる衛星のセットを使用してもよい。航空機100によってそのエリアが通過されると、通常のGPS使用が回復され得る。
【0052】
上記の論述において、基本的仮定は、GPS劣化が、衛星に対して天底にあるエリアにおける、地面に当たった反射の結果として生起するということであったことに留意されたい。しかしながら、GPS劣化は他のエリア及び他の理由でも経験され得ることも理解されたい。GPS最適化マップ380は、そのような劣化の発生及びそれらが発生する領域/時間を追跡してもよい。例えば、アーバンキャニオン、GPS否認挙動、信号のなりすまし、又は特定の場所及び/又は特定の時間に発生する他の劣化挙動が追跡され、グラフィックに表示され、従って、動的位置情報の精度を最大化しそれによって、航空機100上のデバイスへの無線通信サービスの為の、航空機100への、及び/又は航空機100からの狭ビームをステアリングする能力を改良する為に、航空機及びその上のデバイスによって計画され、先見的に応答される。
【0053】
上述のように、ビームフォーミング制御モジュールは、例示的実施形態では、ネットワーク側又は航空機側の何れか又は両方での無線通信装置上で使用され得る。従って、幾つかの実施形態では、ビームフォーミング制御モジュールは航空機100(例えば、乗客のデバイス又は航空機の通信システムと関連するデバイス)上の受信局で実装され得る。幾つかの実施形態では、ビームフォーミング制御モジュールはネットワークコントローラ又は何らかの他のネットワーク側エンティティ内に実装されて、第1のBS110及び第2のBS130に、ビームフォーメーション/ステアリングに関する命令を提供して航空機100の追跡及び航空機100との通信を可能にしてもよい。
【0054】
図7は、一例示的実施形態に係る制御モジュール600のビームフォーミングのアーキテクチャを示す。ビームフォーミング制御モジュール600の処理回路構成610は、航空機100(即ち、アンテナアレイ150)又は基地局のうち1つの何れかに配置されたアンテナアレイ由来のビームの生成の為の制御出力を、種々の入力情報の処理に基づいて提供するように構成される。処理回路構成610は、デバイスインターフェース620、及び幾つかの場合にはユーザインターフェース630と通信するか、又はそれらインターフェースを制御し得るプロセッサ612及びメモリ614の1つ以上のインスタンスを含み得る。処理回路構成610、プロセッサ612、メモリ614、デバイスインターフェース620及びユーザインターフェース630は、上記の類似した名称の構成要素と能力が類似し、恐らくは形態も類似し得る。従って、そのような構成要素の説明をここで繰り返すことはしない。しかしながら、ビームフォーミング制御モジュール600に配設されたそのような構成要素は、本明細書に記載のものと異なる夫々の機能及びタスク向けに構成されていることを理解されたい。
【0055】
これに関して、例えば、プロセッサ612(又は処理回路構成610)は、ビームフォーミング制御モジュール600のオペレーションを含むか、又は、該オペレーションを、ネットワークの通信要素の種々の相対位置に関連する位置情報370の受信に応答して処理回路構成610によって受信された入力に基づいて制御するように具体化され得る。従って、幾つかの実施形態では、プロセッサ612(又は処理回路構成610)が、プロセッサ612(又は処理回路構成610)をそれに従って構成する命令又はアルゴリズムの実行に応答して、調節に関してビームフォーミング制御モジュール600に関連して説明した各オペレーションによる、アンテナアレイへのそのような対応する機能の実行を、引き起こして、対応するビームフォーミング関連機能性を行うとも言える。特に、命令は、アンテナアレイに、移動受信局と、本明細書に記載の固定送信局のうち1つとの間の通信リンクの成立を助長する方向へのビームの形成させるよう指示する為に、固定送信サイトの2D位置情報と共に、移動受信局(例えば航空機100上の)の3D位置情報を処理する為の命令を含み得る。
【0056】
一例示的実施形態では、メモリ614は、1つ以上の非一時的メモリ又はメモリデバイス、例えば、固定式でも取り外し可能でもよい揮発性及び/又は不揮発性メモリを含んでよい。メモリ614は、本発明の例示的実施形態に従って処理回路構成610が様々な機能を実施することを可能にする為の情報、データ、アプリケーション、命令等を記憶するように構成されてよい。例えば、メモリ614は、入力データを、プロセッサ612による処理に備えてバッファリングするように構成されてよい。付加的に又は代替的に、メモリ614は、命令を、プロセッサ612による実行に備えて記憶するように構成されてよい。更に別の代替として、メモリ614は、入力センサ及び構成要素に応答して様々なデータセットを記憶してよい1つ以上のデータベースを含んでよい。メモリ614のコンテンツのうち、アプリケーション及び/又は命令は、それぞれのアプリケーション/命令に関連付けられた機能性を実施する為に、プロセッサ612による実行に備えて記憶されてよい。場合によっては、アプリケーションは、本明細書に記載のようにビームフォーミング制御モジュール600のオペレーションを制御する為の入力を提供する為の命令を含み得る。
【0057】
一例示的実施形態では、メモリ614は、ATGネットワークの基地局の固定地理的位置を示す固定位置情報を記憶してよい。幾つかの実施形態では、固定位置情報は、ATGネットワークの基地局のうち複数の基地局(又は全てであってもよい)の固定地理的位置を示し得る。他の実施形態では、固定位置情報は、航空機100上に搭載されているか、又はATGネットワークのネットワークコントローラにアクセス可能であるかの何れかである別のメモリデバイスに記憶されてもよい。しかしながら、固定位置情報の記憶ロケーションに係らず、そのような情報はメモリから読み出されて、一例示的実施形態に係る処理の為に処理回路構成610に提供(よって、受信も)されてよい。
【0058】
処理回路構成610は更に、少なくとも1つのモバイル通信局の三次元位置(双方向通信に関連して信号の送受信が可能であると解釈されるべきである)を示す動的位置情報(即ち、位置情報260又は370)を受信するようにも構成され得る。モバイル通信局は航空機100上の乗客デバイスであり得るか、又は、航空機100の無線通信デバイス自体であり得る。航空機100の無線通信デバイスは、乗客デバイスへの、及び乗客デバイスからの(中間記憶装置有りでも無しでも)情報を転送してもよく、又は、他の航空機通信装置への、及び他の航空機通信装置からの(中間記憶装置有りでも無しでも)情報を転送してもよい。
【0059】
一例示的実施形態では、処理回路構成610は、第1のネットワークノード(例えば、基地局又はモバイル通信局のうち他の1つ)の、第2のネットワークノード(例えば、基地局又はモバイル通信局のうち他の1つ)に対する予測される相対位置を、固定位置情報及び動的位置情報に基づいて特定するように構成され得る。言い換えると、処理回路構成610は、2つのデバイス又はネットワークノードのロケーションを示す情報を用いて、それらネットワークノードが相対的に何処にあるかを、ネットワークノードのうち何れか1つ(又は両方)の視野から特定するように構成され得る。動的位置変化を追跡する為に、及び/又は、現在位置と移動速度及び方向に基づいて将来の位置を計算する為に追跡アルゴリズムが使用され得る。予測相対位置が特定された後で、処理回路構成610は、第2のネットワークノードのアンテナアレイ由来のビームの形成を、予測相対位置に基づいて指令する為の命令を提供するように構成され得る。命令は制御デバイスに提供されてよく、制御デバイスは、アンテナアレイ(モバイル通信局又は基地局の何れかの)の特性を調整するように構成されて、予測相対位置の方向にステアリングされた指向性ステアラブルビームを形成するか、又は、航空機が逐次選択ビームを用いて追跡されている場合に、ステアリングされたビームを効果的に(例えば、各調整ビームを選択することによって)もたらす特定の指向性を有する複数の固定ビームのうち1つを形成する。そのような「ステアラブル」ビームは、例えば、5度以下の方位角及び仰角幅を有し得る。更に、幾つかの場合には、そのようなステアラブルビームは、2度以下の方位角及び仰角幅を有し得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、より大きい寸法のステアラブルビームも使用され得る。
【0060】
一例示的実施形態では、第1のネットワークノードは基地局に配置され(又は基地局であり)、第2のネットワークノードはモバイル通信局(例えば、航空機100又は航空機100上の通信装置)に配置され得る。しかしながら、別法として、第1のネットワークノードがモバイル通信局であり、第2のネットワークノードが基地局であってもよい。更に、モバイル通信局と基地局の両方がビームフォーミング制御モジュール600を用い得るように、ビームフォーミング制御モジュール600の複数のインスタンスが配設されてもよい。代替的に又は付加的に、ATGネットワーク内の各デバイス(又は少なくとも複数のデバイス)が、位置情報を使用してデバイスの相対位置を推定することに基づいてネットワーク内の他のデバイスの方にステアラブルビームを指向させて、ビームを予測又は推定相対位置の方に集束させ得るように、ビームフォーミング制御モジュール600の複数のインスタンスが複数の航空機及び/又は複数の基地局に配設されてもよい。
【0061】
幾つかの実施形態では、ビームフォーミング制御モジュール600が何処でインスタンス化されているかに係らず、ビームフォーミング制御モジュール600はGPS最適化マップ380へのアクセスも有し得る。GPS最適化マップ380は、上述のようにビームフォーミング制御モジュール600の基準として働いて、GPS劣化が何時及び何処で経験されるかを判断する。従って、GPS最適化マップ380を参照することによって、ビームフォーミング制御モジュール600は、受信されるGPS位置情報の品質を通知され得る。次にビームフォーミング制御モジュール600は、幾つかの場合には、ビームフォーミングが、可能な限り正確な方式で、現在及び将来両方のビーム方向計算と可能な限り整合して実行され得るように、データの別の源を要求又は利用するようにして、位置情報370の品質を改良する。
【0062】
一例示的実施形態では、動的位置情報は、緯度及び経度座標と高度を含んで、3D空間における位置を提供してもよい。幾つかの場合には、動的位置情報は更に、3D空間における現在位置と、機首方位及び速度(又、恐らくは高度の変化率)に基づいて、何らかの将来時間における航空機100の将来のロケーションを特定する為の計算が行われ得るように、機首方位と速度を含み得る。幾つかの場合には、飛行計画情報は、必要となり得る将来のビームフォーミング動作のアセットを準備するか、又は、ネットワークアセット管理の為の計画を提供するかの何れかの為の予測的目的の為にも使用され得る。
【0063】
そのため、
図2又は4のGPSレシーバ200/300は、
図7のビームフォーミング制御モジュール600が、幾つかの有用な方法が実行され得る機構を提供し得る環境を提供することができる。
図8は、
図2又は4のGPSレシーバ200/300及び
図7のビームフォーミング制御モジュール600に関連し得る1つの方法のブロック図を示す。技術的見地から、上述の最適化モジュール360は、
図8で説明するオペレーションのうち一部又は全部をサポートする為に使用され得る。そのため、
図4で説明したプラットフォームは、相互作用に基づく幾つかのコンピュータプログラム及び/又はネットワーク通信の実装を促進する為に使用され得る。一例として、
図8は、本発明の一例示的実施形態に係る方法及びプログラム製品のフローチャートである。フローチャートの各ブロック、及びフローチャート内のブロックの組み合わせが、1つ以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアの実行に関連するハードウェア、ファームウェア、プロセッサ、回路構成及び/又は他のデバイス等の種々の手段によって実施されてよいことが理解されよう。例えば、上記で説明した手順のうち1つ以上が、コンピュータプログラム命令によって具体化されてよい。これに関して、上記に説明した手順を具体化するコンピュータプログラム命令は、デバイス(例えば、ネットワークコントローラ、基地局、航空機100、航空機100上の乗客又は他の通信デバイス、及び/又は類似物)のメモリデバイスによって記憶され、プロセッサによってデバイス内で実行されてよい。当然のことながら、任意のそのようなコンピュータプログラム命令がコンピュータ又は他のプログラマブル装置(例えばハードウェア)にロードされて機械を形成し、その結果、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャートブロック(複数のブロック)に指定された機能を実施する為の手段を生成する。これらのコンピュータプログラム命令はコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、コンピュータ可読メモリは、コンピュータ可読メモリに記憶された命令が、フローチャートのブロック(複数のブロック)に指定された機能を実施する製品を生成するように、コンピュータ又は他のプログラマブル装置に特定の方式で機能するように指令してもよい。コンピュータプログラム命令はコンピュータ又は他のプログラマブル装置にロードされて、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で一連のオペレーションを実行させて、コンピュータで実施されるプロセスを生成し、その結果、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行する命令が、フローチャートのブロック(複数のブロック)に指定された機能を実施してもよい。
【0064】
従って、フローチャートのブロックは、特定の機能を実行する手段の組み合わせと、特定の機能を実行する為のオペレーションの組み合わせをサポートする。フローチャートの1つ以上のブロック及びフローチャート内のブロックの組み合わせが、特定の機能を実行する特定用途ハードウェアベースのコンピュータシステムによって、又は、特定用途ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実施され得ることも理解されよう。
【0065】
これに関して、本発明の一実施形態によるGPS位置特定を改良する方法は、
図8に示すように、オペレーション700でGPS信号を受信するように構成されたアンテナのアンテナパターンを特定することを含み得る。方法は更に、オペレーション710でアンテナを含むGPSレシーバの現在位置を特定し、オペレーション720で現在位置に基づいて信号選択を実行することを含み得る。方法は更に、オペレーション730で、信号選択に基づいてアンテナパターンを調整して選択された信号のセットを受信し、オペレーション740で、選択された信号のセットに基づいてGPS位置特定を実行することを含み得る。
【0066】
幾つかの実施形態では、方法(及び、方法を実行するように構成された対応するデバイス)は、付加的なオプションのオペレーションを含んでもよく、及び/又は、上記で説明したオペレーションは修正又は増補されてもよい。修正、オプションのオペレーション及び増補の幾つかの例を以下に説明する。当然のことながら、修正、オプションのオペレーション及び増補はそれぞれ単独で追加されても、任意の望ましい組み合わせで累積して追加されてもよい。一例示的実施形態では、信号選択を実行することは、衛星の複数の組み合わせを用いて予備的GPS位置特定を実行し、次に、各組み合わせを品質によってスコア付け又はランク付けすることを含み得る。例えば、品質は、位置固定精度、位置特定の収束までの時間又は他の因子によって特定され得る。その後、衛星の複数の組み合わせの中の各個別の衛星は、スコア付け、ランク付け又は他の方式で品質のランク付けを与えられてよい。幾つかの場合には、高いランク付けを有する組み合わせは、全て高スコア付けの衛星を含み得る。その一方で、低品質評価との組み合わせは、その信号が反射又は間接経路を介してGPSレシーバに到達する少なくとも1つの衛星を有すると予測され得る。従って、低いスコア付けの組み合わせの複数のペア内の衛星又は複数の衛星が識別され、低ランク又はスコアを割り当てられ得る。次に、閾値より下のランク又はスコアのあらゆる衛星からの信号は遮断される。すると、将来のGPS位置情報は、改良された精度を有すると予期され得る。幾つかの場合には、全ての衛星及び/又は組み合わせに関するスコアが、GPS最適化モジュール360(ローカルで、又はリモートでインスタンス化され得る(連結、又は分散アーキテクチャで))で計算され得る。次に、GPS最適化モジュール360は上述のようにGPS最適化マップを生成してよい。特定の衛星及び/又は状況を検査する為にアンテナビームをステアリングして、個々の信号に質問して、それらが反射/間接であるかどうか、又は、直接であるかどうかを決定してもよい。個々の信号はそれに従って分類され得(又はそれに従ってランク付け又はスコア付けされ)、そのような情報は他のアセットと共有されてよい(例えば、GPS最適化マップ380を介して)。
【0067】
前述の記載及び関連の図面に提示された教示の利益を有する、これらの発明が属する技術分野における当業者には、本明細書に記載の本発明の多くの修正及び他の実施形態が想起されるであろう。従って、本発明は本開示の特定の実施形態に限定されないこと、並びに修正形態及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲に含まれることを意図していることを理解すべきである。更に、前述の記載及び関連の図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせとの関連で例示的実施形態を説明しているが、当然のことながら、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、代替実施形態によって、要素及び/又は機能の異なる組み合わせが提供され得る。これに関して、例えば、上で明確に記載されたものとは異なる要素及び/又は機能の組み合わせが、添付の特許請求の範囲のうちの幾つかに記載されてよいとも考えられる。本明細書に、利点、利益、又は課題に対する解決策が記載されている場合、当然のことながら、このような利点、利益及び/又は解決策は幾つかの例示的実施形態に適用可能であり得るが、全ての例示的実施形態に適用可能とは限らない。このように、本明細書に記載の任意の利点、利益又は解決策は、全ての実施形態又は請求項の記載にとって重要な、必要な又は必須のものと考えてはならない。本明細書において具体的な用語を使用したが、それらの用語は単に一般的及び説明的な意味で使用されており、限定的な意図はない。
〔付記1〕
グローバルポジショニングシステム(GPS)レシーバであって、
GPS衛星からGPS信号を受信するように構成されたアンテナと、
前記アンテナによって受信された信号を予備処理するように構成された無線周波数(RF)フロントエンドと、
前記RFフロントエンドから受信した出力信号の復調とアナログ-デジタル変換を実行するように構成された復調器/コンバータと、
一貫したクロック信号を提供するように構成されたクロックと、
前記クロック信号を受信し、前記アンテナによって受信された信号に基づいて、GPSレシーバの位置特定に関連する時間及びコード測定を行うように構成されたデジタル信号プロセッサと、を備え、
前記GPSレシーバは、時間及びコード測定から反射又は間接信号を除外するように構成されている、GPSレシーバ。
〔付記2〕
前記アンテナは、前記反射又は間接信号の方向に中立点を形成するように構成されている指向性アンテナである、付記1に記載のGPSレシーバ。
〔付記3〕
前記GPSレシーバは航空機上に配置され、前記中立点は前記航空機に対して天底に形成されている、付記2に記載のGPSレシーバ。
〔付記4〕
前記指向性アンテナは機体の底部又は前記航空機の翼に形成され、前記指向性アンテナは、任意の方向における水平線付近から由来する信号を受信し、前記天底付近に由来する信号を拒絶するように構成されている、付記3に記載のGPSレシーバ。
〔付記5〕
更に、前記デジタル信号プロセッサと通信する最適化モジュールを備え、
前記最適化モジュールが、前記アンテナの構成又は前記デジタル信号プロセッサのオペレーションを変更して、前記反射又は間接信号の排除を引き起こすことによって前記GPSレシーバのロケーション特定の最適化を提供するように構成されている、付記1に記載のGPSレシーバ。
〔付記6〕
前記最適化モジュールは、少なくとも1つの衛星を、前記反射又は間接信号の源として特定し、前記アンテナの構成に、中立点を前記源の方にステアリングするよう指令するように構成されている、付記5に記載のGPSレシーバ。
〔付記7〕
前記最適化モジュールは、少なくとも1つの衛星を、前記反射又は間接信号の源として特定し、前記デジタル信号プロセッサによって処理されている信号のセットから、前記源由来の反射又は間接信号を除外するように構成されている、付記5に記載のGPSレシーバ。
〔付記8〕
前記最適化モジュールは、前記衛星各々から受信したGPS信号の定性的評価を確定するように構成されている、付記5に記載のGPSレシーバ。
〔付記9〕
前記最適化モジュールは、前記定性的評価に基づいて、少なくとも1つの衛星を、反射又は間接信号の源として識別するように構成されている、付記8に記載のGPSレシーバ。
〔付記10〕
前記最適化モジュールは、前記ロケーションを所与の時点での少なくとも1つの衛星のGPS信号品質と相関するGPS最適化マップを生成するように構成されている、付記5に記載のGPSレシーバ。
〔付記11〕
前記最適化モジュールは、前記ロケーションを所与の時点でのGPS位置固定品質と相関するGPS最適化マップを生成するように構成されている、付記5に記載のGPSレシーバ。
〔付記12〕
前記最適化モジュールは、前記ロケーションを、所与の時点での信号又は位置固定品質と相関して、前記反射又は間接信号の源である可能性がある1つ以上の衛星を特定するGPS最適化マップを参照するように構成されている、付記5に記載のGPSレシーバ。
〔付記13〕
前記最適化モジュールは、少なくとも1つの衛星からのGPS信号が反射又は間接信号である少なくとも1つのエリアをグラフィック表示するGPS最適化マップを生成するように構成されている、付記5に記載のGPSレシーバ。
〔付記14〕
前記少なくとも1つのエリアは、前記少なくとも1つの衛星からのGPS信号が現在時点で前記反射又は間接信号であるエリアを表し、前記GPS最適化マップは更に、前記GPS信号が将来の時点でGPSレシーバによって受信された場合に反射又は間接され得ることが予測される少なくとも1つの付加的なエリアをグラフィック表示する、付記13に記載のGPSレシーバ。
〔付記15〕
前記GPSレシーバは、前記航空機に対する天底に近接した信号を遮断することによって反射又は間接信号を排除するように構成されている、付記1に記載のGPSレシーバ。
〔付記16〕
前記GPSレシーバは、前記航空機に対して水平線の方に配置された衛星からのGPS信号のみを受信するように構成されることによって反射又は間接信号を排除するように構成されている、付記1に記載のGPSレシーバ。
〔付記17〕
基地局の固定地理的位置を示す固定位置情報を受信し、
航空機上のモバイル通信局の三次元位置を示す動的位置情報を受信し、前記動的位置情報は、前記航空機上に配置されたグローバルポジショニングシステム(GPS)レシーバから受信され、
前記航空機への、又は前記航空機からの、アンテナアレイ由来のビームの形成を、前記動的位置情報に基づいて指令する命令を提供し、
前記動的位置情報は、前記GPSレシーバが、GPSレシーバ計算から反射又は間接信号を除外したことに応答して生成される、
ように構成された処理回路構成を備えたビームフォーミング制御モジュール。
〔付記18〕
グローバルポジションシステム(GPS)位置特定を改良する為の方法であって、
前記方法が、
GPS信号を受信するように構成されたアンテナのアンテナパターンを特定し、
前記アンテナを含むGPSレシーバの現在位置を特定し、
前記現在位置に基づいて信号選択を実行し、
前記信号選択に基づいてアンテナパターンを調整して選択された信号のセットを受信し、
選択された信号のセットに基づいてGPS位置特定を実行する、ことを含む方法。
〔付記19〕
前記信号選択を実行することが、
衛星の複数の組み合わせを用いて予備的GPS位置特定を実行し、
各組み合わせを品質によってランク付けし、
複数の組み合わせ内で使用された各衛星をランク付けし、
閾値より下にランク付けされた衛星からの信号を遮断する、ことを含む、付記18に記載の方法。
〔付記20〕
各組み合わせのランク付け及び/又は各衛星のランク付けを利用してGPS最適化マップを生成することを更に含む、付記19に記載の方法。
【符号の説明】
【0068】
100 航空機
110 BS
120 無線通信リンク
150 アンテナアセンブリ
152 GPSレシーバ
210、310 RFフロントエンド
220 指向性アンテナ
230、330 復調器/コンバータ
240、340 クロック
320 アンテナ
360 最適化モジュール
380 GPS最適化マップ
412、612 プロセッサ
414、614 メモリ
420、620 デバイスインターフェース
430、630 ユーザインターフェース