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特許7289321半固体電極および電池製造の連続的および半連続的方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】半固体電極および電池製造の連続的および半連続的方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/04 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
H01M4/04 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020564419
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 US2019041061
(87)【国際公開番号】W WO2020014268
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】62/695,483
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511242269
【氏名又は名称】24エム・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】24M Technologies, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ザガーズ,レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】太田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】タイラー,マシュー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ホルマン,リチャード ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ドゥジアック,マーク
(72)【発明者】
【氏名】バッツァレッラ,リカルド
【審査官】式部 玲
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-533548(JP,A)
【文献】特開2002-313328(JP,A)
【文献】特開2005-190787(JP,A)
【文献】特開平09-274908(JP,A)
【文献】特開平10-144303(JP,A)
【文献】特開2010-277798(JP,A)
【文献】国際公開第2017/045846(WO,A1)
【文献】特開2017-228429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半固体電極スラリーを集電体上に連続的に分配することと、
前記半固体電極スラリーを別個の部分に分離することと、
前記集電体を切断して完成電極を形成することと、を備える、方法。
【請求項2】
さらに、
前記完成電極を、セパレータによって介在される第2の完成電極と隣接させて、完成した電気化学セルを形成することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半固体電極スラリーが結合剤なしである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記半固体電極スラリーが、固定分配機構を介して分配される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記集電体が、毎分約1メートルを超える速度で前記固定分配機構を通過して移動する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記固定分配機構が、前記集電体が前記固定分配機構を通過するときに、所定の速度で前記集電体の複数の領域に前記半固体電極スラリーを分配するように構成されたノズルを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記半固体電極スラリーが、調整可能な分配機構を介して分配される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記調整可能な分配機構が、z軸に沿って移動するように構成されたノズルである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ノズルが鋳造ギャップを1μm未満の精度に制御する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
半固体電極を製造する方法であって、
第1のプレートと第2のプレートとの間に集電体材料の一部を介在させて分配面を形成することと、
半固体電極スラリーを前記分配面に連続的に分配することと、
前記2つのプレートの間から前記集電体材料の一部を除去して、前記半固体電極スラリーを別個の部分に分離することと、
前記集電体を切断して前記半固体電極を形成することと、を備える、方法。
【請求項11】
前記半固体電極スラリーが結合剤なしである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記集電体材料の一部を前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に介在させることが、押し込み装置によって行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のプレートが第1の固定エッジを有し、前記第2のプレートが第2の固定エッジを有し、前記第1の固定エッジが、前記第2の固定エッジに当接して前記集電体の部分と摩擦係合する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
さらに、
前記完成電極をセパレータによって介在された第2の完成電極と隣接させて、完成した電気化学セルを形成することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
さらに、
ビデオカメラおよびコンピュータプロセッサを介して前記完成電極を検査することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
半固体電極を製造する方法であって、
マスク材料を集電体材料上に連続的に配置することと、
半固体電極スラリーを前記集電体材料上に連続的に分配することと、
前記マスク材料を除去して、前記集電体上の半固体電極スラリーの別個の部分を少なくとも部分的に画定することと、
前記集電体を切断して前記半固体電極を形成することと、を備える、方法。
【請求項17】
前記半固体電極スラリーが結合剤なしである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに、
前記半固体電極スラリーをブレードによって広げることを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
さらに、
前記ブレードの振動が、前記半固体電極スラリーの拡散中である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
さらに、
前記半固体電極をセパレータによって介在された第2の電極と隣接させて、完成した電気化学セルを形成することを備える、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月9日に出願された「半固体電極および電池製造の連続的および半連続的方法」と題された米国仮特許出願第62/695,483号の優先権および利益を主張し、その開示は、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、一般に、半固体電極および半固体電極を組み込んだ電池を連続的および/または半連続的に製造するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電池の製造方法は、通常、導電性基材(すなわち、集電体)を、活物質、導電性添加剤、および溶媒に溶解または分散された結合剤を含むスラリーでコーティングすることを含む。スラリーが金属基材上にコーティングされた後、スラリーは、乾燥され(例えば、溶媒を蒸発させることによって)、指定された厚さに艶出し加工される。電池電極の製造はまた、一般に、構築されている電池アーキテクチャに応じて、材料の混合、鋳造、艶出し、乾燥、スリット、および加工(曲げ、圧延など)を含むことができる。電極は、組み立て中に操作されるため、および導電性ネットワークが所定の位置にあることを確認するために、全てのコンポーネントは、例えば結合剤を使用して、密集アセンブリに圧縮される。しかしながら、結合剤自体がスペースを占有し、処理が複雑になる可能性があり、イオン伝導性および電子伝導性を妨げる可能性がある。したがって、同じエネルギー貯蔵能力を維持しながら、電気化学セルのコンポーネントを排除する、および/または電気化学セルのパッケージを減らすなど、電気化学セル(例えば、電池)および電気化学セルの製造を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載の実施形態は、一般に、半固体電極および半固体電極を組み込んだ電池を連続的および/または半連続的に製造するためのシステムおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、半固体電極を製造するプロセスは、半固体電極スラリーを集電体に連続的に分配することと、半固体電極スラリーを別個の部分に分離することと、集電体を切断して完成電極を形成することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、実施形態にかかる、電極および必要に応じて電気化学セルを製造するためのプロセスのステップを示している。
図2図2は、実施形態にかかる、分配機構を示している。
図3図3は、実施形態にかかる、分配機構を示している。
図4図4は、実施形態にかかる、分配機構を示している。
図5図5は、実施形態にかかる、電極を製造するためのプロセスを示している。
図6A図6Aは、実施形態にかかる、集電体の一部が2つのプレートの間に押し込まれている移動集電体上に堆積された半固体電極スラリーの写真である。
図6B図6Bは、実施形態にかかる、集電体の押し込まれた部分を明らかにするために2つのプレートを離して移動させた後の図3Aの集電体の写真である。
図7図7は、実施形態にかかる、半固体電極の半連続または連続製造のためのシステムの概略図である。
図8図8は、実施形態にかかる、半固体電極の半連続または連続製造のためのシステムの概略図である。
図9図9は、実施形態にかかる、半固体電極の半連続または連続製造のためのシステムの概略図である。
図10図10は、実施形態にかかる、半固体電極の半連続または連続製造のためのシステムの概略図である。
図11図11は、実施形態にかかる、半固体電極の半連続または連続製造のためのシステムの概略図である。
図12A図12Aは、実施形態にかかる、電気化学セルを製造するためのプロセスのステップを示している。
図12B図12Bは、実施形態にかかる、電気化学セルを製造するためのプロセスのステップを示している。
図12C図12Cは、実施形態にかかる、電気化学セルを製造するためのプロセスのステップを示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に記載の実施形態は、一般に、半固体電極および半固体電極を組み込んだ電池を連続的および/または半連続的に製造するためのシステムおよび方法に関する。本明細書に記載の実施形態は、一般に、半固体電極材料を集電体上に配置することを含む、半固体電極を製造するための方法に関する。いくつかの実施形態では、本方法は、半固体電極スラリーを集電体上に連続的に分配することと、半固体電極スラリーを別個の部分に分離することと、集電体を切断して完成電極を形成することと、を含むことができる。
【0007】
従来の電極および従来の電気化学セルは、通常、金属箔基材の別個の部分を薄い(例えば、約10μmから約200μm)湿ったスラリーでコーティングすることによって調製され、その後、乾燥されて所望の厚さに艶出し加工される。この方法のスラリー成分は、通常、活物質、導電性添加剤、結合剤、および溶媒(例えば、一般的にはN-メチルピロリドン(NMP))である。溶媒が蒸発すると(搬送ラインを覆う乾燥オーブン内で)、結合剤は、基材に結合したマトリックス内に全ての固体粒子を一体に保持する「粘着剤」に変換される。電極は、基材の両面に同じ材料でコーティングされるのが一般的である。
【0008】
(1)捲回および(2)積層の2つの一般的な電池設計アプローチがある。捲回式電池の設計では、電極シートが目標の寸法に切断された後、その間にセパレータが配置され、らせん状またはゼリーロールに捲回されてから、電解液によって浸透され、(通常は、円筒形または矩形の金属缶に)適切にパッケージ化され、封じ込めおよび電気的接続を提供することができる。積層式電池の設計では、電極シートが目標の寸法に切断されることもできるが、その後にセパレータがその間に配置されて積層される。したがって、積層セルは、捲回式セルの場合、連続電極(すなわち、アノード/カソード対で)ではなく物理的に離散した電極シートから構成される。そして、積層されたアセンブリが電解質によって浸透され、一般にはポーチ/バッグ、プラスチック箱、または金属缶のいずれかにパッケージ化されることができ、これらは、それぞれ、本明細書に記載されるようにセルまたは電池ケーシングとも呼ばれる。
【0009】
従来のポーチパッケージでは、ポーチは、いくつかの機能を行うことができる。そのような機能の1つは、環境からの電池材料の密閉隔離を提供することである。したがって、ポーチは、電解質溶媒および/または腐食性塩などの危険物質の周囲環境への漏出を回避するのに役立つことができ、水および/または酸素のセルへの浸透を防ぐことができる。ポーチの他の機能は、例えば、内層の圧縮パッケージ、安全性および取り扱いのための電圧絶縁、ならびに電池アセンブリの機械的保護を含むことができる。
【0010】
典型的なポーチ材料は、例えば、2つまたは3つの固体フィルム状層に形成され、接着剤によって一体に結合されたラミネート(例えば、多層シート)を含むことができる。本明細書で使用される「ラミネート」という語はまた、互いに化学的に接着されていない材料の層を指すこともできる。例えば、層は、互いに面接触し、例えば、ヒートシールなどの他の結合方法を使用して結合されることができる。内層は、例えば、無延伸ポリプロピレン(CPP)などのプラスチック層とすることができる。次の層または第2の層は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属箔層とすることができる。一部のポーチ構成では、追加層が存在することができる。追加層は、例えば、ナイロンなどのプラスチックによって形成された保護コーティングとすることができる。金属箔は、気密性の機能を提供することができ、プラスチックよりも特定の化合物、特に水に対する透過性がはるかに低い。内側プラスチック層は、それ自体に熱的に結合することができ、これは、ポーチの閉鎖と電気的パススルーの受け入れに関する規則である。ポーチ閉鎖では、2枚のポーチラミネートの内層(例えば、CPP)が物理的に接触して熱が加えられると、層が溶けて融合し、処理条件(例えば、電力、温度、期間)が適切に選択された場合に堅牢な密封を形成する。例えば、密封が閉ループで行われる場合、周囲または外部環境から隔離された内部容積が形成されることができる。
【0011】
いくつかの公知の電気化学セル(例えば、電池)は、様々な形状および/またはサイズを含むことができ、多種多様な実現材料および内部アーキテクチャに基づくことができ、受動的または能動的に制御されることができ、再充電可能または再充電不能とすることができ、および/または、化学エネルギーを電気エネルギーに変換することを可能にすることができる特定の共通機能を共有することができる。いくつかの公知の電池は、高い電気化学ポテンシャルを有する第1の電極と、第1の電極と比較してより低い電気化学ポテンシャルを有する第2の電極とを含むことができる。各電極は、スイッチが閉じられたときに電流の流れをもたらすことができる材料状態の好ましい熱力学的変化のおかげで、放電中に化学反応および/または物理化学的変換に関与する活物質を含むことができる。場合によっては、電荷移動が発生するために、2つの異なる導電性ネットワークは、アノードおよびカソードが電気的に接続されることを可能にすることができる。セパレータを使用して、イオンのみが通過することができ且つ短絡を防ぐことができるようにアノードとカソードの分離を提供することができる。
【0012】
電池電極の製造は、複雑で資本集約的なプロセスとすることができ、一般に、構築されている電池アーキテクチャに応じて、材料の混合、鋳造、艶出し、乾燥、スリット、および加工(曲げ、圧延など)を含むことができる。電極は、組み立て中に操作されるため、および導電性ネットワークが所定の位置にあることを確認するために、全てのコンポーネントは、例えば結合剤を使用して、密集アセンブリに圧縮される。しかしながら、結合剤自体がスペースを占有し、処理が複雑になる可能性があり、イオン伝導性および電子伝導性を妨げる可能性がある。
【0013】
本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他の場合を明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「部材」という用語は、単一の部材または部材の組み合わせを意味することを意図し、「材料」は、1つ以上の材料またはそれらの組み合わせを意味することを意図している。
【0014】
「円筒形」、「線形」、および/または他の幾何学的関係に関連して使用される場合の「実質的に」という用語は、そのように定義された構造が名目上円筒形、線形などであることを伝えることを意図している。一例として、「実質的に線形」であると説明される支持部材の部分は、部分の線形性が望ましいが、「実質的に線形」部分においていくらかの非線形性が生じることができることを伝えることを意図している。そのような非線形性は、製造公差、またはその他の実際的な考慮事項(例えば、支持部材に加えられる圧力または力など)に起因することができる。したがって、「実質的に」という用語によって修飾された幾何学的構造は、記載された幾何学的構造のプラスマイナス5%の許容範囲内のそのような幾何学的特性を含む。例えば、「実質的に線形」部分は、線形であることのプラスマイナス5%以内にある軸または中心線を定義する部分である。
【0015】
本明細書で使用される場合、「セット」および「複数」という用語は、複数の特徴または複数の部分を有する単一の特徴を指すことができる。例えば、電極のセットを指す場合、電極のセットは、複数の部分を有する1つの電極と見なすことができ、または電極のセットは、複数の別個の電極と見なすことができる。さらに、例えば、複数の電気化学セルを指す場合、複数の電気化学セルは、複数の別個の電気化学セル、または複数の部分を有する1つの電気化学セルと見なすことができる。したがって、部分のセットまたは複数の部分は、互いに連続的または不連続的のいずれかである、複数の部分を含むことができる。複数の粒子または複数の材料はまた、別々に製造されて(例えば、混合、接着剤、または任意の適切な方法を介して)後で一体に結合される複数の物品から製造されることができる。
【0016】
本明細書で使用される場合、「z方向」という用語は、一般に、長手方向および横方向が第1および第2の方向である第3の方向を意味する。換言すれば、z方向は、長さや幅ではなく、特徴の深さまたは厚さを指す。
【0017】
本明細書で使用される場合、「約」および「ほぼ」という用語は、一般に、記載された値のプラスマイナス10%を意味し、例えば、約250μmは、225μmから275μmを含み、約1,000μmは、900μmから1,100μmを含む。
【0018】
本明細書で使用される場合、「半固体」という用語は、例えば、粒子懸濁液、コロイド懸濁液、乳濁液、ゲル、またはミセルなどの液相と固相の混合物である材料を指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、「活性炭ネットワーク」および「ネットワーク化炭素」という用語は、電極の一般的な定性的状態に関連する。例えば、活性炭ネットワーク(またはネットワーク化炭素)を備えた電極は、電極内の炭素粒子が、粒子間の電気的接触および電気伝導性を促進する個々の粒子形態および相互の配置を仮定するようなものである。逆に、「非活性炭ネットワーク」および「非ネットワーク化炭素」という用語は、炭素粒子が、電極を介して適切な電気伝導を提供するために十分に接続されていない可能性がある個々の粒子島または複数粒子凝集島として存在する電極に関連する。
【0020】
図1は、半固体電極を連続的または半連続的に製造する方法10の概略図を示している。いくつかの実施形態では、方法10は、半固体電極スラリーが搬送システムを通過するときに、半固体電極スラリーを集電体11上に連続的に分配することを含む。いくつかの実施形態では、搬送システムは、固定された分配機構を通過して集電体を連続的または半連続的に搬送するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、分配機構は、調整可能とすることができ、および/または集電体に対して移動することができる。いくつかの実施形態では、固定分配機構は、半固体電極スラリーが固定分配機構を通過するときに、半固体電極スラリーを集電体の特定の領域に所定の正確な速度で分配するように構成されたノズルとすることができる。
【0021】
半固体スラリーを分配すると、搬送システムにかなりの力を発生させることができる。半固体スラリーを分配することによって発生される力は、半固体スラリーの負荷に比例する(すなわち、より高い粘度の半固体スラリーの負荷は、搬送システムにより大きな力を発生させる)。いくつかの実施形態では、搬送システムに作用する力は、2,000lbfを超える、2,500lbfを超える、3,000lbfを超える、または3,500lbfを超えることができる。この力は、システムがたわみを制限するようにいかに徹底的に設計されているかに関係なく、搬送システムに機械的なたわみを引き起こす可能性がある。これらのたわみは、分配機構と集電体との間の鋳造ギャップに影響を与える可能性があり、これは、電極の厚さに影響を与える。いくつかの実施形態では、たわみは、搬送システムを通る集電体の僅か10mmの動きの過程で100μmに到達することができる。いくつかの実施形態では、調整可能な分配機構は、これらのたわみを打ち消すように移動することができる。換言すれば、調整可能な分配機構は、分配されたスラリーの力によって引き起こされるたわみを補償するために上下に(すなわち、z軸に沿って)移動することができる。いくつかの実施形態では、分配機構は、電極の全幅に沿って上下に(すなわち、z方向に)移動することができる。いくつかの実施形態では、分配機構は、電極の右側よりも電極の左側で分配機構が低くなるように、電極の左側で傾斜して上下に移動することができる。いくつかの実施形態では、分配機構は、電極の左側よりも電極の右側で分配機構が低くなるように、電極の右側で傾斜して上下に移動することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、分配機構は、分配機構と集電体との間の鋳造ギャップを、10μm未満、9μm未満、8μm未満、7μm未満、6μm未満、5μm未満、4μm未満、3μm未満、2μm未満、または1μm未満の精度に制御するように移動することができる。いくつかの実施形態では、分配機構は、電極の厚さの精度を確保するために、約1μmを超える、約5μmを超える、約10μmを超える、約20μmを超える、約30μmを超える、約40μmを超える、約50μmを超える、約60μmを超える、約70μmを超える、約80μmを超える、約90μmを超える、または約100μmを超える距離をz軸に沿って移動することができる。分配機構は、搬送システムの移動のタイミングに合わせるために非常に迅速に調整されることができる。いくつかの実施形態では、分配機構の反作用運動は、0.5秒未満、0.4秒未満、0.3秒未満、0.2秒未満、0.1秒未満、0.09秒未満、0.08秒未満、0.07秒未満、0.06秒未満、0.05秒未満、0.04秒未満、0.03秒未満、0.02秒未満、または0.01秒未満以下で起こることができる。例えば、鋳造ギャップは、0.1秒で150μmから200μmに変更することができ、200μmのギャップは、1μmの精度で実現されることができる。そして、鋳造ギャップは、0.1秒で200μmから175μmに変更することができ、175μmのギャップは、1μmの精度で実現されることができる。いくつかの実施形態では、サーボ制御された動きは、分配機構の動きを制御して鋳造ギャップを所望のレベルの精度に制御することができる。いくつかの実施形態では、最近製造された電極のベータゲージの読み取り値を使用して、分配機構の移動スケジュールを決定することができる。いくつかの実施形態では、分配機構は、分配機構と鋳造ノズル内の集電体との間の鋳造ギャップを制御することができる。いくつかの実施形態では、鋳造ノズル内のブレードは、上下に移動して、分配機構と集電体との間の鋳造ギャップを制御することができる。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、集電体に分配されると、所定の領域に留まるように構成されることができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の半固体電極スラリーを含む電極は、活性成分に対する不活性成分の体積、質量、およびコストの寄与を低減し、それによって半固体電極によって作製された電池の商業的魅力を高めることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の半固体電極は、結合剤なしであり、および/または従来の電池製造で使用される結合剤を使用しない。代わりに、従来の電極の結合剤が通常占める電極の体積は、1)ねじれを減らし且つイオン拡散に利用可能な総塩を増やす効果を有し、それにより、高速で使用される場合の厚い従来の電極に典型的な塩枯渇効果に対抗する電解質、2)電池の充電容量を増加させる効果を有する活物質、または3)電極の電子伝導性を増加させる効果を有し、それにより、厚い従来の電極の高い内部インピーダンスに対抗する導電性添加剤によって占められることができる。特定の理論に拘束されることを望まないが、本明細書に記載の半固体電極の低減したねじれおよびより高い電子伝導率は、半固体電極から形成される電気化学セルの優れた速度能力および電荷容量をもたらす。
【0024】
いくつかの実施形態では、集電体は、別個の集電体にまだ配分されていない導電性材料のストリップである。集電体は、長手軸を画定する長さ、および長手軸に垂直な寸法として画定される幅を有する。集電体は、その長手方向軸に沿って搬送システム(すなわち、進行方向)を通って移送されるように構成されている。いくつかの実施形態では、集電体の幅は、完成半固体電極で使用される集電体の所望の幅または高さに実質的に同様とすることができる。いくつかの実施形態では、集電体の幅は、完成半固体電極で使用される集電体の所望の幅または高さの約101%、105%、110%、120%、130%、140%、150%、175%、200%、300%、400%、または500%を超えることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、集電体は、約0.01μmから約100μm、約100nmから約100μm、約1μmから約95μm、約1μmから約90μm、約1μmから約85μm、または約1μmから約80μmの厚さを有し、それらの間の全ての値および範囲を含む。いくつかの実施形態では、集電体は、約500μm未満、約400μm未満、約300μm未満、約200μm未満、約100μm未満、約90μm未満、約80μm、約70μm未満、約60μm未満、約50μm未満、約45μm未満、約40μm未満、約35μm未満、約30μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約19μm未満、約18μm未満、約17μm未満、約16μm未満、約15μm未満、約14μm未満、約13μm未満、約12μm未満、約11μm未満、約10μm未満、約9μm未満、約8μm未満、約7μm未満、約6μm未満、約5μm未満、約4μm未満、約3μm未満、約2μm未満、約1μm未満、約900nm未満、約750nm未満、約500nm未満、または約100nm未満の厚さを有し、それらの間の全ての値および範囲を含む。
【0026】
集電体は、電子伝導性であり、セルの動作条件下で電気化学的に不活性とすることができる。いくつかの実施形態では、集電体材料は、負の集電体用に銅、アルミニウム、および/またはチタン、および正の集電体用にアルミニウムを含むことができる。いくつかの実施形態では、アルミニウムが正極の集電体として使用される。いくつかの実施形態では、銅が負極の集電体として使用される。他の実施形態では、アルミニウムが負極の集電体として使用される。
【0027】
半固体電極スラリーは、アノードおよび/またはカソードで使用されるように電気化学的に構成されることができる。半固体電極スラリーは、液体電解質中に活物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、有機または無機とすることができる活物質は、これらに限定されるものではないが、リチウム金属、ナトリウム金属、リチウム金属合金、溶解リチウムを含むまたは含まないガリウムおよびインジウム合金、溶融遷移金属塩化物、チオニルクロリドなど、または電池の動作条件下で液体であるレドックスポリマーおよび有機物を含むことができる。電極配合物は、例えば、(1)活物質(すなわち、イオンおよび電子のソースおよびシンク)、(2)炭素(または炭素の混合物)または必ずしも排他的ではないが電子伝導の主要機能を有する他の材料、および(3)必ずしも排他的ではないがイオン伝導の主要機能を有する電解質(例えば、溶媒または溶媒混合物および塩)を含むことができる。電極配合物は、特定の意図された化学的、機械的、電気的、および/または熱的機能を有する他の添加剤を必要に応じて含むことができる。電極配合物は、例えば、「Semi-Solid Electrodes Having High Rate Capability」と題された米国特許第8,993,159号明細書、および「Asymmetric Battery Having a Semi-Solid Cathode and High Energy Density Anode」と題された米国特許第9,437,864号明細書に記載された活物質、組成物、および/または半固体懸濁液を含むことができ、それらの開示全体は、それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0028】
いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、導電性添加剤、安定化添加剤、および/またはゲル化剤を含むことができる。半固体電極スラリーの例は、米国特許第8,993,159号明細書、第9,178,200号明細書、第9,184,464号明細書、第9,203,092号明細書、および第9,484,569号明細書に見出すことができ、それらの開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0029】
いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーで直接製造された電極および電気化学セルは、従来の結合剤および従来の電極鋳造ステップの使用を完全に回避する。半固体電極スラリーを使用することはまた、半固体電極スラリーが既に電解質を含んでいるため、電極材料に電解質を注入する必要もなくなる。このアプローチのいくつかの利点は、例えば、(i)より少ない機器による簡素化された製造プロセス(すなわち、より少ない資本集約的)、(ii)異なる厚さおよび形状の電極を製造する能力(例えば、押出ダイスロット寸法または他のプロセス条件を変更することによる)、(iii)より厚い(>100μm)およびより高い面積電荷容量(mAh/cm2)電極の処理、それにより、活物質に対する不活性成分の体積、質量、およびコストの寄与を低減すること、ならびに(iv)結合剤の除去、それにより、電極のねじれを低減してイオン伝導性を増加させることを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、集電体は、毎分約1メートルを超える、毎分約5メートルを超える、毎分約10メートルを超える、毎分約15メートルを超える、毎分約20メートルを超える、毎分約25メートルを超える、毎分約30メートルを超える、毎分約35メートルを超える、毎分約40メートルを超える、毎分約45メートルを超える、毎分約50メートル、毎分約55メートルを超える、毎分約60メートルを超える、毎分約65メートルを超える、毎分約70メートルを超える、毎分約75メートルを超える、毎分約80メートルを超える、毎分約85メートルを超える、または毎分約100メートルを超える速度で分配機構を通過することができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。いくつかの実施形態では、集電体が固定分配点を通過する速度は、毎分約1メートルから毎分約100メートルの間、毎分約5メートルから毎分約80メートルの間、毎分約10メートルから毎分約70メートルの間、毎分約20メートルから毎分約60メートルの間、毎分約30メートルから毎分約50メートルの間とすることができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、集電体は、伝達ベルト、真空パレット、真空コンベア、ベルトコンベア、ローラー、移動パン、空気コンベア、油圧コンベア、振動コンベア、垂直コンベア、らせんコンベアを使用して、低摩擦係数を有する表面を横切って集電体を引っ張るまたは押すことによって、任意の他の適切な機器またはアプローチによって、またはそれらの組み合わせによって、分配機構を通過して移送されることができる。いくつかの実施形態では、集電体は、薄くて非常に変形しやすくすることができるため、搬送中に集電体をしわにしたり、折り畳んだり、裂いたり、曲げたり、へこませたり、さもなければ誤った取り扱いをしたりしないように注意する必要がある。いくつかの実施形態では、集電体をそのような損傷から保護するのに役立つために、半固体電極スラリーが集電体上に配置される前に、集電体がポーチ材料上に配置されることができる(例えば、ステップ11)。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーが集電体上に配置される前に集電体がポーチ材料上に配置されることはまた、分配機構を通過して集電体を移送するのに役立つことができる。
【0032】
方法10は、さらに、半固体電極スラリーを集電体12上の別個の部分に分離することを含む。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、連続的に堆積された半固体電極スラリーの一部を除去することによって集電体12上の別個の部分に分離されることができる。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、集電体の一部を一時的に利用できなくして、そこに堆積した半固体電極スラリーを受け入れることによって、集電体12上の別個の部分に分離されることができる。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、連続的に堆積された半固体電極スラリーの長さに対して集電体の長さを変えることによって集電体12上の別個の部分に分離されることができる。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、半固体電極スラリーが堆積された後、以前に配置された閉塞性材料を集電体から除去することによって、集電体12上の別個の部分に分離されることができる。いくつかの実施形態では、別個の部分は、最初にマスク材料を集電体の少なくとも一部に配置し、半固体電極スラリーをマスクされた集電体上に配置することによって形成された別個の電極とすることができ、そして、マスク材料は、完成した1つまたは複数の電極を画定するように除去されることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、超音波処理、レーザーアブレーション、ドクターブレード、照射、高精度切断、またはそれらの組み合わせのいずれかによって、集電体12上で別個の部分に分離されることができる。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、分配機構を通過するある距離で集電体を加速することによって集電体12の別個の部分に分離されることができ、集電体のコーティングされていない部分を半固体電極スラリーの各別個の部分の間に形成させる。
【0034】
いくつかの実施形態では、上述したように、集電体の幅(搬送システムを通る集電体の移動方向に垂直な寸法)は、完成電極で使用される集電体の幅とほぼ等しいか、またはそれよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、集電体の幅は、配置された半固体電極スラリーを幅方向に複数の電極部分に分離することに対応することができる。換言すれば、いくつかの実施形態では、集電体12上の別個の部分への半固体電極スラリーの分離は、2つの方向(集電体の移動方向に平行であり、また集電体の移動方向に垂直)における半固体電極スラリーの分離を含むことができる。
【0035】
方法10は、さらに、半固体電極スラリーの別個の部分の間で集電体を切断して、完成電極13を形成することを含む。いくつかの実施形態では、集電体は、事前に穿孔された範囲線に沿って集電体の輪郭セクションを分離することによって切断されることができる。いくつかの実施形態では、集電体は、レーザー(例えば、CO2ガスレーザー、高出力ダイオードレーザー、光ファイバーレーザーなど)、穿孔、プラズマ切断、往復ブレードの使用、パンチまたはプレスの使用、空気圧切断、油圧切断、当業者に公知の他の方法の使用、またはそれらの組み合わせを使用して切断されることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーの別個の部分がその上に配置された各個別化された集電体は、完成電極と見なすことができる。いくつかの実施形態では、完成電極は、集電体が絶縁材料に直接当接するように電気絶縁材料(例えば、ラミネートポーチ材料)上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、接着剤を使用して、完成電極を絶縁材料上に保持することができる。いくつかの実施形態では、上述したように、集電体は、集電体材料の個別化が完成電極を形成するために絶縁材料を切断することも含むように、絶縁材料(例えば、ポーチ材料)に事前に配置されることができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、完成電極は、集電体に電気的に接続され且つ電極に電子を出し入れするように構成された電極タブを含むことができる。いくつかの実施形態では、電極タブは、集電体および/または絶縁材料を超えて延在することができる。いくつかの実施形態では、電極タブは、半固体電極スラリーが集電体上に配置される前に集電体に電気的に結合されることができる。いくつかの実施形態では、セルは、(i)別個のタブコンポーネント(例えば、電気リード)、(ii)専用タブを集電体に接続すること、および(iii)専用タブ密封動作の必要性を取り除くことができる統合電気タブを含むことができる。代わりに、いくつかの実施形態では、電気タブまたはリードは、集電体に一体の集電体の延長として設けられることができる。いくつかの実施形態では、タブまたはリードは、集電体材料のより広い領域から材料を除去することによって画定されることができ、それによって、集電体およびタブまたはリードを画定する。
【0038】
方法10は、必要に応じて、完成電極(例えば、カソード)を、セパレータによって介在される第2の完成電極(例えば、アノード)と接合して、完成した電気化学セル14を形成することを含む。換言すれば、完成電極が個別化されると(例えば、ステップ13にしたがって)、それは、反対のレドックス反応を示す第2の完成電極を備えた完成した電気化学セルに組み立てられることができる。換言すれば、カソードおよびアノードは、間に配置されたセパレータと一体に接合されることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、セパレータは、アノードとカソードとの間に配置されることができる。いくつかの実施形態では、セパレータは、接着剤によってアノードおよびカソードの少なくとも1つに接合されることができる。いくつかの実施形態では、1つのアノード、1つのカソード、および1つのセパレータが一体に積層されて、ユニットセルアセンブリを形成することができる。各ユニットセルアセンブリはまた、電極を外部回路に結合するための導電性タブ(リードとも呼ばれる)を含むこともできる。次に、複数のユニットセルアセンブリが一体に積層されるかまたは配列され、電池セルを形成する。いくつかの実施形態では、電池セル内のユニットセルアセンブリの数は、例えば、得られる電池セルの所望の容量および/または厚さに応じて変化することができる。これらの積層されたユニットセルアセンブリは、電気的に並列であり、各ユニットセルアセンブリにおけるそれぞれのタブは、通常、とりわけ、抵抗溶接、レーザー溶接、および超音波溶接、シーム溶接、電気ビーム溶接などの溶接プロセスを介して一体に溶接される。
【0040】
いくつかの実施形態では、調製された電気化学セルは、環境からの電気化学セル材料の気密隔離を提供することができるプリズムポーチ内で真空密封されることができる。したがって、ポーチは、電解質溶媒および/または腐食性塩などの危険物質の周囲環境への漏出を回避するのに役立つことができ、水および/または酸素のセルへの浸透を防ぐことができる。ポーチの他の機能は、例えば、内層の圧縮パッケージ、安全性および取り扱いのための電圧絶縁、ならびに電気化学セルアセンブリの機械的保護を含むことができる。いくつかの実施形態では、真空ポーチ密封中に、電解質は、積層されたユニットセルアセンブリに注入されることができ、次に、ユニットセルアセンブリおよび電解質は、ポーチに密封されることができる。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーが既に所望の総量の電解質を含むことができる場合、ポーチ密封ステップ中に電解質は添加されない。
【0041】
いくつかの実施形態では、密封された電池セルは、その後、形成プロセスに供されることができ、そこでは、初期充電動作が実行されて、電極-電解質界面を不動態化するだけでなく副反応を防止することができる安定な固体電解質中間相(SEI)を形成することができる。いくつかの実施形態では、充電および放電のいくつかのサイクルが実行されて、電池の容量が必要な仕様を満たすことを保証することができる。いくつかの実施形態では、脱気ステップが実行されて、初期充電段階中に、または電池形成ステップにおける電気化学反応中に導入または生成されたガスを放出することができる。電極内に閉じ込められたガスが存在すると、一般に、電極の導電率および密度が低下し、電池セルに配置されることができる活性電気化学材料の量が制限され、リチウム電池の電池性能を損なう可能性がある樹状突起の成長を引き起こすことがある。いくつかの実施形態では、樹状突起形成は、サイクル寿命の短縮および全体的な安全性能の低下につながることがある。いくつかの実施形態では、閉じ込められたガスが放出された後、電池セルを再び密封するために再密封ステップをとることができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、従来の電気化学セル製造方法と比較して、本明細書に記載の方法を使用して、より短い期間で半固体電極および電気化学セルを製造することができる。いくつかの実施形態では、より短い期間は、電解質の蒸発および/または劣化を最小限に抑え、製造コストを削減し、電気化学ポテンシャルの同じ出力に必要な工場フットプリントを削減することができる。
【0043】
図2は、実施形態にかかる、電極の鋳造ギャップTの長さを制御することができる分配機構100を示している。いくつかの実施形態では、ノズル110は、搬送システム140上に配置された集電体130上に電極スラリー120を分配することができ、鋳造ギャップTは、ノズルブレード150の動きによって制御されることができる。いくつかの実施形態では、鋳造ギャップTは、ノズル110、集電体130、および搬送システム140に対して、z方向へのノズルブレード150の独立した動きによって制御されることができる。いくつかの実施形態では、鋳造ギャップTは、集電体130および搬送システム140に対してz方向にノズル110およびノズルブレード150の双方を動かすことによって制御されることができる。
【0044】
図3は、実施形態にかかる、ノズル210と搬送システム240上の集電体230との間の鋳造ギャップTの長さを制御することができる分配機構200を示している。いくつかの実施形態では、z方向へのノズルブレード250の動きは、一組のローラー255によって制御されることができる。ローラー255は、ノズルブレード250をノズルブレード250の左側、右側、または全幅にわたって下方に押すことができるサーボシステム(図示せず)によっていずれかの側から押し込まれることができる。いくつかの実施形態では、ノズルブレード250の左側がノズルブレード250の右側よりも低くなるように、左側のみでノズルブレード250を下げるように左ローラー255aのみが係合されることができる。いくつかの実施形態では、ノズルブレード250の右側がノズルブレード250の左側よりも低くなるように、右側のみでノズルブレード250を下げるように右ローラー255bのみが係合されることができる。いくつかの実施形態では、ノズルブレード250をその全幅に沿って下げるように、左ローラー255aおよび右ローラー255bの双方が係合されることができる。いくつかの実施形態では、一組のばね259は、下降した後、ノズルブレード250をその元の位置に戻す力を提供することができる。
【0045】
図4は、実施形態にかかる、ノズル310と搬送システム340上の集電体330との間の鋳造ギャップTの長さを制御することができる分配機構300を示している。いくつかの実施形態では、z方向へのノズルブレード350の動きは、一組のカム357によって制御されることができる。カム357は、回転してノズルブレード350をノズルブレード350の左側、右側、または全幅にわたって下方に押すことができる一組のカムシャフト(図示せず)によって制御されることができる。いくつかの実施形態では、ノズルブレード350の左側がノズルブレード350の右側よりも低くなるように、左側のみでノズルブレード350を下げるように左側のカム357aのみが係合されることができる。いくつかの実施形態では、ノズルブレード350の右側がノズルブレード350の左側よりも低くなるように、右側のみでノズルブレード350を下げるように右側のカム357bのみが係合されることができる。いくつかの実施形態では、ノズルブレード350をその全幅に沿って下げるように、左カム357aおよび右カム357bの双方が係合されることができる。いくつかの実施形態では、一組のばね359は、下降した後、ノズルブレードをその元の位置に戻す力を提供することができる。
【0046】
押し込み方法
図5図8は、連続的または半連続的な方法で半固体電極を製造する方法を示している。いくつかの実施形態では、集電体材料は、集電体供給装置からコンベア上に連続的に移動され、分配機構を通過することができる。いくつかの実施形態では、集電体材料は、コンベアシステムを介して連続的に移動されることができる。いくつかの実施形態では、コンベアシステムは、コンベアの移動方向に対して平行および/または垂直に移動されるように構成された一連のプレートを含むことができる。本明細書で使用される場合、プレートは、コンベアシステムの移動方向に対して移動されるように構成された複数の平面構造を指し、パレット、シート、カバー、フィルム、または他の適切な構造とすることもできる。いくつかの実施形態では、コンベアシステムは、シャトルコンベア、ワイヤベルトコンベア、ベルトコンベア、穿孔コンベア、拡散コンベア、ローラーコンベア、チェーンコンベア、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、真空ベルトコンベアを使用して、製造システムを介して集電体材料を搬送することができる。真空ベルトコンベアは、通常、穿孔ベルトと、密封されたコンベアフレームを備えたスライダベッドとを含む。このようにして、フレームの孔から空気が引き込まれ、部分的な真空を作り出すことができる。真空ベルトコンベアは、材料がコンベアベルトに対して保持されるように、軽いおよび/または平らな材料を搬送するために使用されることができる。真空ベルトコンベアは、軽いおよび/または平らな材料をより高速に搬送するために使用されることができ、これは、製造速度を上げることができる。いくつかの実施形態では、真空ベルトコンベアを使用して、軽いおよび/または平らな材料を非水平方向に、例えば垂直に搬送することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、図6Aおよび図6Bに示されるように、連続集電体の一部は、連続集電体上への電極スラリー材料の堆積から挿入、押し込み、プリーツ付け、折り畳み、ギャザー付け、折り目付け、折り曲げ、グループ化、寄せ集め、隠蔽、および/または除外されることができる。換言すれば、いくつかの実施形態では、連続集電体の別個の部分または複数の別個の部分が隔離されて、電極スラリー材料を受け入れることから除外されることができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、連続集電体の一部は、連続集電体の移動方向に垂直な方向に移動されることができる。いくつかの実施形態では、集電体の一部を移動面から離して(例えば、下向きに)移動させた後、集電体の介在部分の2つのエッジを一体に動かして、集電体の介在部分を完全に隔離することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、連続集電体は、連続または半連続製造中に開閉するように構成された一連の当接プレートを横切って移動されることができる。いくつかの実施形態では、プレートは、半固体電極スラリー材料の浪費を最小限にするために、完成した電気化学セルとほぼ同じサイズになるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、プレートは、プレートの向きに関係なく材料が表面上に保持されることができるように、プレートの表面全体に真空を引き込むことができるように穿孔されるかまたは他の方法で構成されることができる。いくつかの実施形態では、プレートは、プレートがコンベアラインの一端に集電体を収容し、電極材料の集電体上への堆積中に集電体を搬送し、次いで、コンベアラインの始まりに向けて戻すことができるように、回転システムに取り付けられることができる。いくつかの実施形態では、プレートは、コンベアラインの終わりとコンベアラインの始まりとの間で再利用するために洗浄または他の方法で調整されることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、半固体電極を連続的または半連続的に製造する方法は、連続集電体がプレート上に配置されるときにプレートを最初に開くことができる第1のステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、図7および図8に示されるように、連続集電体(すなわち、箔)は、リールフィーダから、1つ以上のローラーを横切って、コンベア上に供給されることができる。いくつかの実施形態では、連続集電体は、図1に関して、上述した連続集電体と実質的に同様とすることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、第2のステップにおいて、連続集電体の一部は、これらに限定されるものではないが、伸長ロッド、エアナイフ、押し込みワイヤ、または他の適切な方法を含む任意の適切な方法によって、2つの開いたプレートの間に配置(例えば、挿入または押し込み)されることができる。いくつかの実施形態では、2つの開いたプレート間の連続集電体の部分の配置を容易にするために、減速、一時停止、または停止されることができる。いくつかの実施形態では、連続集電体は、ノンストップで移動されることができ、2つの開いたプレート間の連続集電体の部分の配置は、オンザフライで行われることができる。いくつかの実施形態では、フライング押し込み装置を使用することができ、これは、プレート間に連続集電体の部分の介在を引き起こしながら、連続集電体と実質的に同じ速度で移動するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、連続集電体が固定押し込み装置を通過するときにプレート間に連続集電体の部分を押し込むように構成された固定押し込み装置を使用することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータビジョンシステムは、押し込みステップを監視し、押し込み装置、プレートの動き、ならびに押し込みおよび押し込み解除のタイミングを正確に制御するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、コンピュータビジョンシステムは、自動化された製造システムに処理フィードバックを提供するように構成されたビデオカメラ、プロセッサ、メモリ、電源、およびコンピュータ可読媒体を含む閉ループコンピュータビジョンシステムとすることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、第3のステップにおいて、2つの開いたプレートは、2つのプレートが実質的に互いに当接し、連続集電体の介在部分が2つのプレートの間に保持される閉じた構成に移動されることができる。いくつかの実施形態では、プレートの閉鎖は、プレート間の連続集電体の介在部分を保持することができる。いくつかの実施形態では、プレートは、一方のプレートの固定エッジが隣接するプレートの固定エッジに直接当接して集電体と摩擦係合することができるように、固定エッジを有することができる。いくつかの実施形態では、固定エッジは、プレートが閉じるときにある程度変形する材料を含むことができ、これにより、連続集電体の部分が第3および第4のステップにおいてプレート間にどれだけ確実に保持されるかを高めることができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、第4のステップにおいて、半固体電極スラリーは、分配機構によって連続集電体上に配置されることができる。図6Aに示されるように、配置された半固体電極スラリーは、連続集電体の介在部分に配置されることなく、連続集電体上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、変形可能な固定エッジは、2つのプレートの間に介在された連続集電体の部分への半固体電極スラリーの損失を低減または排除するのに役立つことができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、分配機構は、半固体電極スラリーが分配機構を通過するときに、集電体の特定の領域に所定の正確な速度で分配するように構成されたノズルとすることができる。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、集電体に分配されると、所定の領域に留まるように構成されることができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、図7に示されるように、半固体電極スラリーは、平行スラリーカートリッジを含む平行垂直テープ鋳造/ハイブリッドテープ鋳造(VTC/HTC)ステーションを使用して、集電体上に連続的または半連続的に配置されることができる。いくつかの実施形態では、図8に示されるように、半固体電極スラリーは、鋳造ステーションを使用して、集電体上に連続的または半連続的に配置されることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、図8に示されるように、連続集電体が切断されて、完成電極における所望の集電体の寸法を有する集電体を得ることができる。いくつかの実施形態では、個々の集電体は、ウェブリールからピックアップされ、図5に関して上述したコンベアシステム上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、個々の集電体は、プレート上に直接配置されることができ、プレートは、開閉して排除した後に、各集電体の間に距離を形成するように構成される。いくつかの実施形態では、個別の集電体は、ウェブリールからピックアップされ、ポーチ材料上に配置されることができ、ポーチ材料は、完成した電気化学セルの絶縁された外側コーティングの少なくとも一部になるように構成される。いくつかの実施形態では、ポーチ材料は、連続ポーチ材料とすることができ、ローラーからプレート上に供給されることができる。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、それらが個別に取り扱われるよりもポーチ材料に配置される(例えば、結合される)ときに、薄い集電体を移動および取り扱うことをより容易にすることができる。いくつかの実施形態では、個別の集電体がその表面に配置されたポーチ材料は、プレートを含むコンベア上に供給されることができ、プレートは開いた構成にある。いくつかの実施形態では、プレートは、ポーチ材料(集電体材料なし)のみがプレートの範囲を超えて延びるように配置および構成されることができる。いくつかの実施形態では、押し込み装置(例えば、本明細書に記載のフライングタッカー)を使用して、ポーチ材料の一部を2つのプレートの間に配置することができ、プレートは、ポーチ材料の一部をそれらの間に固定するために閉じた構成に移動されるように構成される。いくつかの実施形態では、ポーチ材料の一部が2つのプレートの間に配置され、プレートを閉じることによって隔離される場合、プレート上に残るポーチ材料の唯一の表面は、集電体がポーチ材料に結合されたポーチ材料である。換言すれば、個別の集電体は、集電体材料の一部を間に挟んでポーチ材料に結合され、集電体の一部は、プレートの間に介在され、残りの表面は、集電体の連続面である。いくつかの実施形態では、次に、半固体電極スラリーが、連続的または半連続的に集電体上に配置されることができ、プレートを開いて、個々の完成電極を分離することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、任意の第5のステップにおいて、分配された半固体電極スラリーは、例えば、ドクターブレード、ローラー、艶出しプロセス、移動プレス、またはそれらの組み合わせを使用して、連続集電体全体にわたって特定の厚さに広げられることができる。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、集電体のサブセット上に(例えば、連続集電体の中央に)堆積させることができる。いくつかの実施形態では、任意の第5のステップは、高温で実施されることができる。いくつかの実施形態では、プラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)は、半固体電極スラリーが艶出しローラーまたは他の艶出し装置に付着するのではなく集電体上に実質的に配置されたままであるように、艶出しステップの前に半固体電極スラリー上に配置されることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、第6のステップにおいて、プレートを開いて、連続集電体の介在部分を露出させ、連続集電体上の半固体電極スラリーの別個の部分を分離することができる。いくつかの実施形態では、プレートを手動で強制的に開くことによって、および/または連続集電体を高速化することによって、プレートを開くことができる。いくつかの実施形態では、図6Bに示されるように、半固体電極スラリーの別個の部分は、半固体電極スラリーの別個の部分の2つ以上の側に十分に構造化された(すなわち、きれいなまたは直線の)線を有するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、集電体上の半固体電極スラリーの各別個の部分は、電気化学セルの電極と見なすことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、プレートを開いて半固体電極スラリーの別個の部分を露出させる前に、スコアリング装置を使用して、半固体電極スラリーをスコアリングすることができる。いくつかの実施形態では、スコアリング装置を使用して、プレートが開いたときに半固体電極スラリーをきれいに分離するのを助けるために、プレート間の界面に概ね対応する位置において半固体電極スラリーをスコアリングすることができる。いくつかの実施形態では、スコアリング機構は、張力をかけられたワイヤを含むことができる。いくつかの実施形態では、張力をかけられたワイヤは、半固体電極スラリーのスコアリングを助けるために加熱または振動させることができる。いくつかの実施形態では、スコアリング機構は、可動ブレードを含むことができる。いくつかの実施形態では、スコアリング機構は、方向付けられた流体または空気ジェットを含むことができる。いくつかの実施形態では、スコアリング装置は、半固体電極スラリーを別個の部分に分離するように構成された超音波ナイフを含むことができる。いくつかの実施形態では、プレートを開く動作は、スコアリング装置を必要とせずに、半固体電極スラリーの別個の部分を分離することができる。いくつかの実施形態では、プレートの一方を他方から遠ざけることによってプレートを開放構成に移動させることができ、他方のプレートは、固定された相対位置に留まる。いくつかの実施形態では、プレートは、双方のプレートを他方から同時に移動させることによって、開放構成に移動されることができる。いくつかの実施形態では、プレートは、プレートの最初の1つの界面コーナーを反対側のプレートの対応するコーナーから遠ざけ、次にプレートの他の界面コーナーを反対側のプレートの第2の対応するコーナーから遠ざけることによって、開放構成に移動されることができる。換言すれば、プレートを回転させて隣接するプレートから離すことができ、そうする場合に、半固体電極スラリーのきれいな破壊を形成するのに有用である。
【0061】
いくつかの実施形態では、第7のステップにおいて、集電体は、半固体電極スラリーの各別個の部分の間の集電体の移動方向に対して垂直に切断されて、個々の電極を形成することができる。いくつかの実施形態では、集電体は、レーザー(例えば、CO2ガスレーザー、高出力ダイオードレーザー、光ファイバーレーザーなど)、穿孔、プラズマ切断、往復ブレードの使用、パンチまたはプレスの使用、空気圧切断、油圧切断、当業者に公知の他の方法の使用、またはそれらの組み合わせを使用して切断されることができる。いくつかの実施形態では、図8に示されるように、個別の電極は、コンベアから(例えば、ロボットアームを使用して)ピックアップされ、異なるコンベア上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、完成電極がポーチ材料にまだ結合されていない場合、個別の電極は、このステップにおいてポーチ材料に結合されることができる。いくつかの実施形態では、個別の電極を必要に応じて艶出し加工して、集電体上の半固体電極スラリーの厚さを減らす、および/または欠陥を減らすことができる。いくつかの実施形態では、移動ウェブの厚さおよび/または重量測定システムなどのベータゲージを使用して、集電体上の半固体電極スラリーの適切且つ一貫したz方向の厚さを保証することができる。いくつかの実施形態では、ビデオカメラおよびコンピュータプロセッサを使用して、完成電極を視覚的に検査し、例えばコンピュータビジョンプログラムを使用して、任意の欠陥のある電極を廃棄することができる。
【0062】
この設計は、電気化学セルが様々なフォームファクタを採用することを提供し、これは、特定の用途向けに電気化学セルが特殊な形状およびサイズに構築されることを可能にする。いくつかの実施形態では、カソードおよびアノードの形状および設計は、結果として生じる電池の形状および設計を決定することができる。いくつかの実施形態では、様々な電極材料、例えば、半固体構成要素、セパレータ、およびコンパートメント容積の使用が、電池の電力およびエネルギー能力を決定する。
【0063】
いくつかの実施形態では、任意の第8のステップにおいて、個別化された電極(例えば、カソード)が、セパレータおよび第2の個別化された電極(例えば、アノード)と対にされて、電気化学セルを形成することができる。いくつかの実施形態では、形成された電気化学セルは、ポーチ材料内の少なくとも1つのエッジで密封されることができる。いくつかの実施形態では、形成された電気化学セルは、ポーチ材料内の少なくとも2つのエッジで密封されることができる。いくつかの実施形態では、形成された電気化学セルは、ポーチ材料内の少なくとも3つのエッジで密封されることができる。いくつかの実施形態では、形成された電気化学セルは、ポーチ材料内の少なくとも4つのエッジで密封されることができる。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、最終的に形成されたときに完成電極が含む電解質の量よりも少ない電解質を含むことができる。いくつかの実施形態では、電解質の少なくとも一部は、第8のステップの間または後に加えられることができる。いくつかの実施形態では、電気化学セルをポーチ材料に密封した後、電気化学セルを1つ以上の充電/放電サイクルに循環させることができる。いくつかの実施形態では、電気化学セルの最初のサイクルの後、ポーチ材料は、最初のサイクル中に形成されたガスを放出するために穿刺されることができる。いくつかの実施形態では、密封された電気化学セルポーチを脱気した後、ヒートシーラーを使用して、ポーチを第4のエッジに沿って再密封することができる。
【0064】
材料の押し込みおよびマスク
いくつかの実施形態では、半固体電極を製造するための連続的または半連続的方法は、図5図8に関して上述した方法のうちの1つの組み合わせと、2つのプレートの間に集電体の一部を物理的に配置して完成電極の少なくとも1つのエッジを画定する追加のステップとを含むことができる。いくつかの実施形態では、そのようなハイブリッド方法は、連続集電体がプレート上に配置されるときにプレートを最初に開くことができる第1のステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、連続集電体は、リールフィーダから、1つ以上のローラーを横切って、コンベア上に供給されることができる。いくつかの実施形態では、連続集電体は、図1に関して、上述した連続集電体と実質的に同様とすることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1のステップにおいて、連続集電体の一部は、例えばエアナイフを使用して、2つの開いたプレートの間に配置(例えば、介在または押し込み)されることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、第2のステップにおいて、2つの開いたプレートを、2つのプレートが実質的に互いに当接し、連続集電体の介在部分が2つのプレートの間に保持される閉じた構成に移動することができる。いくつかの実施形態では、プレートの閉鎖は、プレート間の連続集電体の介在部分を保持することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、第3のステップにおいて、マスキング材料を連続集電体の露出部分に配置して、集電体の少なくとも一部を半固体電極スラリーのコーティングを受け入れることから保護し、少なくとも集電体の1つのエッジを画定することができる。いくつかの実施形態では、集電体のエッジは、半固体電極スラリーをコーティングすることができる範囲を制限することによって画定されることができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料は、最初は圧延状態で保管されることができ、マスク材料分配システムによって集電体上に供給されることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、マスキング材料は、連続集電体の移動方向に平行な方向に適用されることができる。いくつかの実施形態では、集電体の一部が2つのプレートの間に介在される前に、マスキング材料が適用されることができる。換言すれば、マスキング材料は、集電体に適用されることができ、次いで、集電体およびマスキング材料の双方の一部が2つのプレートの間に介在されることができる。既にマスクされた集電体の介在は、マスキング材料の損傷またはミスアライメントを引き起こす可能性があるが、マスクされた介在集電体上への半固体電極スラリーの堆積中にマスキング材料を固定することもできる。
【0069】
いくつかの実施形態では、マスキング材料は、連続集電体がフィードリールまたは同様の装置から巻き戻された後、半固体電極スラリーが集電体上に配置される前に、連続集電体に適用されることができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料は、それがフィードリールまたは同様の装置に巻き取られる前に、連続集電体に適用されることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、第4のステップにおいて、半固体電極スラリーは、分配機構によって、マスクされ、部分的に介在された連続集電体上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、配置された半固体電極スラリーは、連続集電体の介在部分に配置されることなく、連続集電体上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、集電体上に配置された半固体電極スラリー材料のいくつかはまた、マスキング材料上にも配置されることができる。いくつかの実施形態では、プレートの当接は、2つのプレートの間に介在された連続集電体の部分への半固体電極スラリーの損失を低減または排除するのに役立つことができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、第5のステップにおいて、2つのプレートを開いた構成に移動する前に、マスキング材料を集電体表面から除去することができる。除去されたマスキング材料は、マスク材料回収システムに接続されることができる。いくつかの実施形態では、マスク材料回収システムは、いかなる蓄積された半固体電極スラリーもマスキング材料から洗浄するためのサブシステムを含むことができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料は、2つのプレートを開いた構成に移動した後、集電体表面から除去されることができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料は、マスキング材料が使用および洗浄された後、同じ製造プロセスで再使用されることができるように、閉ループシステムとすることができる。換言すれば、マスキング材料は、洗浄され、電極製造プロセスの最初に戻されて、集電体に適用されることができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料の寿命がその使用を費用効果的にするために、より耐久性のあるマスキング材料を使用することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、第6のステップにおいて、プレートを開いて、連続集電体の介在部分を露出させることができる。いくつかの実施形態では、プレートを開くことにより、連続集電体上の半固体電極スラリーの別個の部分を分離することもできる。いくつかの実施形態では、プレートは、プレートに対する機械的作用によって開くことができる。いくつかの実施形態では、プレートは、連続集電体の搬送速度を加速することによって、少なくとも部分的に開くことができる。いくつかの実施形態では、図6Bに示されるように、半固体電極スラリーの別個の部分は、半固体電極スラリーの別個の部分の2つ以上の側に十分に構造化された(すなわち、きれいなまたは直線の)線を有するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、集電体上の半固体電極スラリーの各別個の部分は、電気化学セルの電極と見なすことができる。
【0073】
連続的な方法
図9図11は、連続集電体の一部を半固体電極スラリーによってコーティングされることから覆うか、さもなければ保護することによって、連続的に半固体電極を製造する方法を示している。いくつかの実施形態では、連続集電体は、マスキング材料の事前の適用によって保護されることができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料は、集電体をコンベア、例えばリールフィーダに供給するように構成された集電体供給装置に装填される前に、連続集電体上に適用されることができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、マスキング材料は、集電体に恒久的に配置されるように集電体上に印刷されることができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料は、集電体の製造中に集電体上に印刷されることができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、マスキング材料は、集電体供給装置から巻き戻された後、半固体電極スラリーがマスクされた集電体に配置される前に、連続集電体に適用されることができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、マスキング材料は、製造中に経験される温度および条件の範囲で集電体に取り外し可能に付着するように構成された任意の適切な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料は、ポリマー、架橋剤、熱可塑性ポリマー、ポリイミド、不織布合成材料、押し出し熱成形材料、紙、金属、天然繊維、またはそれらの組み合わせから作製されることができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料は、ゴムベースの接着剤、アクリルベースの接着剤、またはシリコーンベースの接着剤などの接着剤を含むことができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、マスキング材料は、連続集電体の移動方向に平行および/または垂直な方向に適用されることができる。いくつかの実施形態では、垂直方向に適用されるマスキング材料は、平行方向に適用されるマスキング材料とは別に適用されることができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料は、平行方向および垂直方向の双方のマスキング材料が1つの材料に含まれて同時に適用されるようなウェブ構造を含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に、プレートが開構成と閉構成との間で移動される必要がないため、この製造プロセスは、実質的に完全に連続的とすることができる。いくつかの実施形態では、コンベアシステムを使用して、マスクされた集電体を分配機構、例えば、スラリー鋳造ステーションに通過させることができる。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、集電体は、少なくとも部分的にマスクされるため、スラリー鋳造速度は、精度の低い崩れかけた電極エッジのトレードオフなしに、少なくともある程度まで実質的に増加させることができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、スラリーを集電体上に正確に配分するように構成された設計ノズルを使用して、マスクされた集電体に適用されることができる。いくつかの実施形態では、ここでの半固体電極スラリーの堆積は、図1に関して上述した方法と実質的に同様とすることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーがマスクされた集電体上に配置されると、製造プロセスは、任意のスラリー拡散ステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、スラリー拡散は、ローラーまたは一連のローラーを使用して実施されることができる。いくつかの実施形態では、ドクターブレードまたは他の同様の装置を使用して、マスクされた集電体から過剰なスラリー材料を除去することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、スラリーが集電体上で実質的に均一に広げられると、コンベアに沿った集電体の表面速度を増加させて、形成された電極間に僅かなギャップを形成することができる。いくつかの実施形態では、形成された電極間に形成されるギャップは、約100μmから約15mmの間、約250μmから約10mmの間、約500μmから約9mmの間、約750μmから約8mmの間、約1mmから約7mmの間、約2mmから約6mmの間、または約3mmから約5mmの間とすることができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。いくつかの実施形態では、形成された電極間に形成されるギャップは、約100μm、250μm、500μm、750μm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、または15mmよりも大きくすることができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、形成された電極は、2つ以上のローラーの間に形成された電極を通過させて、形成された電極を圧縮し、必要に応じて加熱することによって艶出し加工されることができる。いくつかの実施形態では、形成された電極は、例えば、約1g/cm3、1.5g/cm3、1.75g/cm3、2g/cm3、2.25g/cm3、2.5g/cm3、2.75g/cm3、3g/cm3、3.25g/cm3、3.5g/cm3、3.75g/cm3、または約4g/cm3よりも大きい特定の密度に艶出し加工されることができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、他の結果の中でも、電極の艶出し加工は、所望の多孔度の減少(エネルギー密度の増加)、z方向の厚さの均質化、および/または集電体-電極界面における接触抵抗の減少をもたらすことができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、艶出し加工プロセスは、艶出し加工されていない半固体電極の多孔度の約99%未満、約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、または約50%未満の多孔度を有する半固体電極をもたらすことができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。いくつかの実施形態では、多孔度が艶出し加工されていない半固体電極の約60%未満に減少すると、半固体電極および/または集電体に裂け目または他の欠陥をもたらすことがある。
【0084】
いくつかの実施形態では、艶出し加工プロセスは、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、または約5%未満の生の多孔度を有する半固体電極をもたらすことができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、艶出し加工後、集電体および半固体電極スラリーを含む完成電極は、約2000μm未満、約1,500μm未満、約1,000μm未満、約750μm、約500μm未満、約250μm未満、約200μm未満、約150μm未満、約100μm未満、約75μm未満、約50μm未満、または約25μm未満のz方向の厚さを有することができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。いくつかの実施形態では、集電体および半固体電極スラリーを含む完成電極は、約25μmから約2000μm、約25μmから約1,500μm、約50μmから約1,000μm、約75μmから約750μm、または約100μmから約500μmの間のz方向の厚さを有することができ、それらの間の全ての値および範囲を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、形成された電極が必要に応じて艶出し加工された後、マスク材料を連続集電体から除去することができる。いくつかの実施形態では、マスク材料は、マスク材料回収システムに接続されることができ、マスク材料回収システムは、連続集電体からのマスキング材料の除去を強制するように構成される。いくつかの実施形態では、連続集電体からのマスキング材料の除去は、マスキング材料が形成された電極から半固体電極スラリーを除去しないように、制御された方法で実施されることができる。いくつかの実施形態では、マスク材料回収システムは、いかなる蓄積された半固体電極スラリーもマスキング材料から洗浄するためのサブシステムを含むことができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、マスキング材料の除去は、形成された各電極間にギャップを形成することができる。いくつかの実施形態では、形成された各電極間に形成されたギャップは、連続集電体上の各別個の形成された電極のきれいな分離を可能にするのに十分とすることができる。いくつかの実施形態では、形成された各電極間に形成されたギャップは、連続集電体を切断して個別の電極を形成することを可能にするのに十分とすることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、集電体は、半固体電極スラリーの各別個の部分の間の集電体の移動方向に対して垂直に切断されて、個別の電極を形成することができる。いくつかの実施形態では、集電体は、レーザー(例えば、CO2ガスレーザー、高出力ダイオードレーザー、光ファイバーレーザーなど)、穿孔、プラズマ切断、往復ブレードの使用、パンチまたはプレスの使用、空気圧切断、油圧切断、当業者に公知の他の方法の使用、またはそれらの組み合わせを使用して切断されることができる。いくつかの実施形態では、図8に示されるように、個別の電極は、コンベアから(例えば、ロボットアームを使用して)ピックアップされ、異なるコンベア上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、連続集電体を切断した後に各形成電極間に形成されたギャップが不十分である場合、隣接して形成された電極間にさらにスペースを形成するために、コンベアの速度が特定の点を超えて増加されることができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、完成電極がポーチ材料にまだ結合されていない場合、個別の電極は、このステップにおいてポーチ材料に結合されることができる。いくつかの実施形態では、ポーチ材料の少なくとも一部を加熱してポーチ材料を集電体に融合させることによって、個別の電極がポーチ材料に結合されることができる。いくつかの実施形態では、接着剤を使用して、ポーチ材料を集電体に接着することができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、個別の電極は、必要に応じて艶出し加工され、集電体上の半固体電極スラリーの厚さを減らす、および/または欠陥を減らすことができる。いくつかの実施形態では、移動ウェブの厚さおよび/または重量測定システムなどのベータゲージを使用して、集電体上の半固体電極スラリーの適切且つ一貫したz方向の厚さを保証することができる。いくつかの実施形態では、ビデオカメラおよびコンピュータプロセッサを使用して、完成電極を視覚的に検査し、例えばコンピュータビジョンプログラムを使用して、任意の欠陥のある電極を廃棄することができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、例えば、図11に示されるように、半固体電極スラリーは、ロール鋳造システムにおける集電体上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、ロール鋳造システムは、製造システムを介して集電体を搬送するように構成された真空パレットまたは真空コンベアシステムを含むことができる。いくつかの実施形態では、アノードは、アノードコンベアシステムにおいて製造されることができ、カソードは、カソードコンベアシステムにおいて製造されることができる。いくつかの実施形態では、コンベアが完成したカソードの近くに完成したアノードを送達して電気化学セルの組み立てを容易にするように、アノードコンベアシステムおよびコンベアシステムを互いに反対側に配置することができる。いくつかの実施形態では、セパレータロールフィーダは、各アノードと対応するカソードとの間にセパレータ材料の一定または断続的な供給を送達することができる。いくつかの実施形態では、セパレータは、マスク材料が除去された後、および集電体を切断することによって完成電極が形成される前または後に、カソードとアノードとの間に介在されることができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、マスク材料が除去されると、コンベアシステムは、ベータゲージを超えて集電体を搬送して、集電体上の半固体電極スラリーの厚さを決定するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、完成電極が所望よりも厚い場合、電極を艶出し加工して(マスク材料を除去する前または後に)、厚さを減らし、および/または半固体電極材料を緻密化し、および/または電解質を除去することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、ロール鋳造システムは、連続的にカソードを形成し、連続的に電極を形成し、それらの間にセパレータを連続的に介在するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、ロール鋳造システムは、ポーチ材料の部分の間で半固体電極材料の別個の部分を密封し、ポーチ材料を切断して個々のポーチセルを形成することによって、完成電極を連続的に形成することができる。
【0094】
エンドフレーム
いくつかの実施形態では、半固体電極を製造する連続的または半連続的プロセスは、エンドフレーム構造の使用を含むことができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料の代わりに、またはマスキング材料に加えて、上述したように、半固体電極スラリーを集電体上に配置する前にエンドフレーム構造を集電体上に配置することができる。いくつかの実施形態では、エンドフレームは、集電体を所定の位置に保持することができる。いくつかの実施形態では、エンドフレームは、エンドフレームが、集電体の表面上に半固体電極スラリーを配置および保持することができる空洞を少なくとも部分的に画定するように、少なくともいくつかのz方向の厚さを有することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、エンドフレームは、完成電極の表面積を少なくとも部分的に画定することができる(例えば、エンドフレームの内部範囲として)。いくつかの実施形態では、エンドフレームは、エンドフレームのz方向の高さに基づいて、集電体上の半固体電極スラリーの厚さを少なくとも部分的に画定することができる。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーは、集電体の露出部分の表面に沿って平滑化または広げることができる。いくつかの実施形態では、ブレード(本明細書では「ドクターブレード」とも呼ばれる)または他の直線エッジ機器を使用して、半固体電極スラリーを広げることができる。いくつかの実施形態では、ブレードおよび/またはエンドフレームは、振動源に動作可能に結合されて、半固体電極スラリーの堆積または平滑化中にブレードまたはエンドフレームを振動させることができる。振動は、スラリー堆積ステップ中または後の半固体電極スラリー材料の分散を容易にすることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、例えば、広げられた半固体電極スラリーの表面形態を検査し、必要に応じて表面均一性(例えば、厚さ)を測定するための光学またはレーザー干渉法、楕円偏光法または光学もしくはレーザー走査プローブを含む非接触測定技術のいずれかを使用する光学または任意の分析ツールなどの機器である。いくつかの実施形態では、非接触機器は、ブレードが半固体電極スラリーを広げるときにその場で展開されることができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーが広げられた後、エンドフレームを取り外して、集電体の露出部分に広げられた半固体電極スラリーの部分のみを残すことができる。あるいは、いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーが広げられた後、エンドフレームは、所定の位置に留まることができ、セパレータ、集電体、およびエンドフレームがそれぞれ部分的に電気活性ゾーンを画定して電気活性ゾーン内に半固体電極スラリーを含むように、セパレータは、完成電極上に配置されることができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、集電体のコーティングされていない部分および/またはポーチ材料の露出部分の汚染を防ぐために、エンドフレームに加えてマスキング材料を使用することができる。いくつかの実施形態では、エンドフレームは、最初に集電体上に配置されることができ、続いてマスキング材料を適用して、完成電極のエッジの1、2、3、または4つを保護および/または画定することができる。いくつかの実施形態では、マスキングは、集電体材料のエッジまで、またはエッジを越えて延びることができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料およびエンドフレームは、最初は単一の配置された材料の一体部分とすることができ、単一の配置された材料は、エンドフレームが集電体上に配置されたままでマスキングを除去することができるように構成される。いくつかの実施形態では、エンドフレームおよびマスキング材料を含む単一の配置された材料は、半固体電極スラリーが集電体上に配置された後、集電体から実質的に完全に除去されることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、エンドフレームは、半固体電極スラリーをより迅速に、そしてより慎重に連続集電体上に配置することができるように、集電体材料のエッジまで延在することができる。同様に、いくつかの実施形態では、各エンドフレームは、半固体電極スラリーが2つ以上のエンドフレーム間に連続集電体またはポーチ材料を配置することができないように、少なくとも1つの他のエンドフレームに直接且つ確実に当接するように配置および構成されることができる。いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーが集電体に配置された後、振動または他の適切な方法を使用して、エンドフレーム構造の上に蓄積した任意の半固体電極スラリーを除去することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、エンドフレームおよび/またはマスキング材料は、化学、電気化学、物理的構造、または他の特性に基づいて、エンドフレームおよび/またはマスキング材料が半固体電極スラリーをある程度は自然に反発するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、エンドフレームおよび/またはマスキング材料は、半固体電極スラリーに対して小さな接触角を形成する材料から作製されることができる。いくつかの実施形態では、アノードを製造するときに使用されるエンドフレームおよび/またはマスキング材料は、アノード半固体電極スラリーとカソード半固体電極スラリーとの間の化学的差異のために、カソードを製造するときに使用されるエンドフレームおよび/またはマスキング材料とは異なることができる。
【0101】
ドクターブレードによる連続
図12A図12Cは、半固体電極スラリーを含むアノードおよびカソードのうちの少なくとも1つを有する電気化学セルを製造するプロセスにおける様々なステップを示している。図12Aに示されるように、ステップ1において、マスキング材料は、電気化学セルの集電体として使用されることができる導電性材料の一部の上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、マスキング材料は、マスキングを通して見える導電性材料の露出部分のみが半固体電極スラリーの堆積に利用可能であるように、導電性材料に配置されることができる。いくつかの実施形態では、導電性材料は、電源接続タブとすることができる導電性材料の突出片を含むことができる。
【0102】
図12Bに示されるように、ステップ2において、半固体電極スラリーは、導電性材料の露出部分上に配置されることができる。ステップ3および4において、電極は、第2の層の露出部分の表面に沿って平滑化または広げられることができる。例えば、ブレードまたは直線エッジ機器を使用して電極を広げることができる。ステップ5において、マスキングを除去して、導電性材料の露出部分に広げられた電極の部分のみを残すことができる。図12Cに示されるように、ステップ6において、セパレータは、セパレータが電極を覆うように、集電体の一部に配置されることができる。ステップ7において、ステップ6の完成した半固体電極およびセパレータを別の電極と接合することができる。例えば、ステップ6の電極は、カソード電極とすることができ、他の電極は、アノード電極を含むことができる。ステップ8において、真空およびヒートシールプロセスを実行して、2つのラミネートシートを一体に密封して、ステップ9に示されるように完成したセルを形成することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、半固体電極スラリーを堆積した後、完成したカソードおよびアノードは、セパレータが介在されて積層されることができる。いくつかの実施形態では、セパレータは、最初にポーチ材料に配置され、カソードは、セパレータ上に積層されることができ、次に、セパレータは、カソード上に折り畳まれることができ、アノードは、セパレータ上に積層さえることができ、セパレータは、アノードを横切って折り返されることができる。いくつかの実施形態では、セパレータを前後に折り畳み、且つアノードおよびカソードを交互に積層するこのプロセスは、適切な数のアノードおよびカソードがそれに応じて組み立てられるまで実施されることができる。いくつかの実施形態では、カソードおよびアノードは、横方向または長手方向の平面にしたがって配置され、本明細書に記載のヒートシール方法のいずれかによって形成に密封されることができる。いくつかの実施形態では、得られたアセンブリは、セパレータによってジグザグパターンに折り畳まれて、完成した電気化学セルを形成することができる。マスキング材料を使用する連続製造処理に関して、積層またはジグザグ折り畳みのいずれかの使用が説明されてきたが、完成電極を取り扱う方法、または任意の他の適切な方法のいずれかが、本明細書に記載の方法およびシステムのいずれかによって使用されることができる。
【0104】
様々な実施形態が上述されたが、それらは、限定ではなく、例としてのみ提示されたことが理解されるべきである。上述した概略図および/または実施形態が特定の配向または位置に配置された特定の構成要素を示す場合、構成要素の配置は、変更されることができる。実施形態が特に示されて記載されてきたが、形態および詳細の様々な変更が行われ得ることが理解されるであろう。様々な実施形態が特定の機構および/または構成要素の組み合わせを有するものとして説明されたが、本明細書に記載された実施形態のいずれかからの任意の機構および/または構成要素の組み合わせを有する他の実施形態が可能である。
【0105】
様々な構成要素の特定の構成も、変更することができる。例えば、様々な構成要素のサイズおよび特定の形状は、本明細書に記載された機能を依然として提供しながら、示される実施形態とは異なることができる。より具体的には、様々な構成要素のサイズおよび形状は、所望の、または意図された使用のために特に選択されることができる。したがって、実施形態および/またはその構成要素のサイズ、形状、および/または配置は、文脈が他の場合を明確に述べていない限り、所与の用途に適合させることができることを理解されたい。
【0106】
上述した方法および/またはイベントが特定のイベントおよび/または手順が特定の順序で発生することを示す場合、特定のイベントおよび/または手順の順序は、変更されることができる。さらに、特定のイベントおよび/または手順は、可能な場合は並行プロセスで同時に実行されることができ、上述したように順次実行されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C