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特許7289322荷電粒子検出器をテストまたは調整するための方法、および関連する検出システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】荷電粒子検出器をテストまたは調整するための方法、および関連する検出システム
(51)【国際特許分類】
   H01J 49/02 20060101AFI20230602BHJP
   H01J 49/00 20060101ALI20230602BHJP
   H01J 49/40 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
H01J49/02 500
H01J49/00 360
H01J49/00 310
H01J49/40
H01J49/00 090
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020564798
(86)(22)【出願日】2019-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-27
(86)【国際出願番号】 US2019017437
(87)【国際公開番号】W WO2019160789
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】62/629,840
(32)【優先日】2018-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502073946
【氏名又は名称】ビオメリュー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンゴードン, ジェームス アーサー
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0020817(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0162178(US,A1)
【文献】特開2009-289600(JP,A)
【文献】特開平11-283556(JP,A)
【文献】特表2014-501430(JP,A)
【文献】特表2012-528433(JP,A)
【文献】特表2002-508505(JP,A)
【文献】特開2001-351509(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0268212(US,A1)
【文献】米国特許第07005646(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 49/00-49/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量分析計の荷電粒子検出器のための診断および/または調整方法であって、
光子源から前記荷電粒子検出器に入射する光子を提供することと、
前記質量分析計におけるいかなるイオン化イベントもなしで、入射する光子に対する前記荷電粒子検出器による応答を検出することと
を含む診断および/または調整方法。
【請求項2】
前記荷電粒子検出器は、イオン検出器を備え、
前記光子源は発光ダイオード(LED)を備え、
前記検出することは、前記イオン検出器が前記LEDからの光に応じて出力信号を提供するかどうかを判定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
光子を前記提供することは、前記LEDからの前記光をパルス化することによって実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記イオン検出器の前記出力信号に応じて、前記イオン検出器の信号ゲインを所定の値と比較する、または別のイオン検出器の測定された信号ゲインと比較することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記イオン検出器の前記信号ゲインが前記所定の値と一致しない、および/または前記別のイオン検出器の前記測定された信号ゲインと一致しないという判定に応じて、前記イオン検出器の前記信号ゲインを調整することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記光を生成する前記LEDの電流を変えることと、
前記イオン検出器の信号ゲインを調整することと
をさらに含む、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記LEDは、紫外線(UV)LEDを備え、
光子を前記提供することは、前記UV LEDの第1の電流をより大きいまたはより小さい前記UV LEDの第2の電流に変えることを含み、
前記方法は、前記イオン検出器の第1の出力信号から前記イオン検出器の第2の出力信号への変化が、前記UV LEDの前記第1の電流の、前記UV LEDの前記第2の電流への前記変化に比例しているという判定に応じて、前記イオン検出器が適切に機能していると判定することをさらに含む、請求項2から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
光子を前記提供することは、前記光子源に電流を印加して、前記荷電粒子検出器のマイクロチャネルプレート(MCP)に入射する前記光子を提供することを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
イオンが前記荷電粒子検出器に到達しているかどうかを判定することをさらに含み、光子を前記提供することは、前記イオンが前記荷電粒子検出器に到達していることの判定に応じて、前記荷電粒子検出器にイオンを提供せずに行われる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記イオンが前記荷電粒子検出器に到達していることの前記判定の前に、前記イオンが光源からの光によって生成されているかどうかを判定することと、
前記質量分析計によって信号が生成されないことを判定することと
をさらに含み、前記イオンが前記光源からの前記光によって生成されているかどうかを前記判定することは、前記質量分析計によって信号が生成されていないことの前記判定に応じて行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記光子源の光学パワーを変えることをさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記LEDに印加される電流を変えることと、
前記LEDの前記電流を前記変えることによって生成される光子出力の範囲に対する前記イオン検出器による応答を測定することと
によって前記イオン検出器の動的範囲をテストすることをさらに含む、請求項2から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記荷電粒子検出器と連通するフライト管を含む前記質量分析計の筐体からイオン光学系の1つまたは複数の部分を取り外すことをさらに含み、前記提供すること、および前記検出することは、前記イオン光学系の前記1つまたは複数の部分が取り外される間に行われる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記LEDと異なる光源からの光によって前記質量分析計の内部でイオンが生成されているかどうかを判定することと、
前記イオンが前記イオン検出器に到達しているかどうかを判定することと
をさらに含み、
前記提供すること、および前記検出することは、前記イオンが前記イオン検出器に到達していることの前記判定に応じて行われる、請求項2から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
分析流路を取り囲む筐体と、
荷電粒子検出器と、
前記筐体の内部に光を提供することで前記荷電粒子検出器に入射するイオンを生成するように構成された光源と、
前記荷電粒子検出器に入射する光子を生成するように構成された光子源と
を備える質量分析計。
【請求項16】
前記筐体内にあり、前記分析流路のフリードリフト部分を画定するフライト管をさらに含み、前記荷電粒子検出器は、前記フライト管と連通しており、マイクロチャネルプレート(MCP)を備える、請求項15に記載の質量分析計。
【請求項17】
前記光子源は、前記フライト管のベース部分にある、または前記フライト管のベース部分に隣接する、請求項16に記載の質量分析計。
【請求項18】
前記フライト管は、第1のシリンダと第2のシリンダとを含み、
前記光子源は、前記第1のシリンダと前記第2のシリンダとの間にある、請求項16または17に記載の質量分析計。
【請求項19】
前記光子源は、前記第1のシリンダおよび前記第2のシリンダの一方の穿孔された部分に隣接する、請求項18に記載の質量分析計。
【請求項20】
前記光源はレーザーを備える、請求項15から19のいずれか一項に記載の質量分析計。
【請求項21】
前記光子源は、LED光を生成して前記荷電粒子検出器に入射する前記光子を提供するように構成された発光ダイオード(LED)を備える、請求項15から20のいずれか一項に記載の質量分析計。
【請求項22】
前記LEDは、3オームから19,500オームの間である抵抗値を有する抵抗器と直列である、請求項21に記載の質量分析計。
【請求項23】
前記LEDは、前記筐体内に解放可能に取り付け可能な紫外線(UV)LEDを備える、請求項21または22に記載の質量分析計。
【請求項24】
前記イオンがその中を通って前記荷電粒子検出器に向かって進むように構成されたイオン光学系をさらに備える、請求項15から23のいずれか一項に記載の質量分析計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年2月13日に提出された、米国仮出願第62/629,840号の利益およびその優先権を主張し、その内容は、あたかも本明細書に完全に列挙されるかのように、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、質量分析計、および荷電粒子を検出する他の計器に関する。
【背景技術】
【0003】
質量分析計は、試料をイオン化し、その後、形成されたイオンの収集物の質量電荷比を求める装置である。よく知られる質量分析計は、飛行時間型質量分析計(TOFMS)であり、この場合、イオンの質量電荷比は、イオン源から検出器まで電界の影響下でそのイオンを伝達するのに必要とされる時間の量によって求められる。TOFMSにおけるスペクトル品質は、フィールドフリードリフト領域に入るように加速する前のイオンビームの最初の状態を反映する。具体的には、同じ質量のイオンが異なる運動エネルギーを有する、および/または空間内の異なる地点から加速される結果となるいかなる要因も、スペクトル分解能の低下を招く可能性があり、またこれにより質量の精度の損失を招く可能性もある。
【0004】
マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)は、質量分光分析のために気相生体分子イオンを生成するのによく知られた方法である。MALDI-TOFのための遅延抽出(DE)の開発は、MALDIベースの計器に関する高解像度の分析ルーチンを作成した。DE-MALDIでは、レーザーによってトリガされるイオン化イベントと、TOF源領域への加速パルスの印加との間に短い遅延が加えられる。高速(すなわち高エネルギー)イオンは、低速イオンより遠くに移動することになり、これにより、イオン化におけるエネルギー分布を加速時の空間的分布(抽出パルスの印加より前のイオン化領域における)に変換する。
【0005】
米国特許第5,625,184号、第5,627,369号、第5,760,393号および第9,536,726号を参照されたい。またWileyら、Time-of-flight mass spectrometer with improved resolution、Review of Scientific Instruments vol.26、no.12、pp.1150-1157(2004)、M.L.Vestal、Modern MALDI time-of-flight mass spectrometry、Journal of Mass Spectrometry、vol.44、NO.3、pp.303-317(2009)、Vestalら、Resolution and mass accuracy in matrix-assisted laser desorption ionization-time-of-flight、Journal of the American Society for Mass Spectrometry、vol.9、NO.9、pp.892-911(1998)、およびVestalら、High Performance MALDI-TOF mass spectrometry for proteomics、International Journal of Mass Spectrometry、vol.268、NO.2、pp.83-92(2007)も参照されたい。これらの文献の内容は、あたかも本明細書に完全に列挙されるかのように、参照により本明細書に組み込まれている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、イオン検出器または他の荷電粒子検出器をテストまたは調整する(例えば較正/チューニングする)ための方法を対象としている。計器の荷電粒子検出器のための診断および/または調整方法は、一部の実施形態によると、光子源から荷電粒子検出器に入射する光子を提供することを含む。さらに、方法は、入射する光子に対する荷電粒子検出器による応答を検出することを含んでもよい。
【0007】
一部の実施形態において、荷電粒子検出器は、イオン検出器を含んでよく、光子源は、発光ダイオード(LED)を含んでよく、検出することは、イオン検出器がLEDからの光に応じて出力信号を提供するかどうかを判定することを含んでよい。光子を提供することは、一部の実施形態において、LEDからの光をパルス化することによって実行されてよい。一部の実施形態において、方法は、イオン検出器の出力信号に応じて、イオン検出器の信号ゲインを所定の値と比較する、または別のイオン検出器の測定された信号ゲインと比較することを含んでもよい。さらに方法は、イオン検出器の信号ゲインが所定の値と一致しない、および/または別のイオン検出器の測定された信号ゲインと一致しないという判定に応じて、イオン検出器の信号ゲインを調整することを含んでもよい。
【0008】
追加として、または代替として、方法は、光を生成するLEDの電流を変えること、およびイオン検出器の信号ゲインを調整することを含んでもよい。さらに、一部の実施形態において、LEDは、紫外線(UV)LEDであってよく、光子を提供することは、UV LEDの第1の電流をUV LEDの第2のより大きい、またはより小さい電流に変えることを含んでもよく、また方法は、イオン検出器の第1の出力信号からイオン検出器の第2の出力信号への変化が、UV LEDの第1の電流の、UV LEDの第2の電流への変化に比例しているという判定に応じて、イオン検出器が適切に機能していると判定することを含んでもよい。
【0009】
一部の実施形態において、方法は、荷電粒子検出器と連通するフライト管を含む計器の筐体から、イオン光学系の1つまたは複数の部分を取り外すことを含んでもよく、光子を提供することは、イオン光学系の1つまたは複数の部分が取り外される間に行われてもよい。一部の実施形態において、光子を提供することは、光子源に電流を印加して、荷電粒子検出器のマイクロチャネルプレート(MCP)に入射する光子を提供することを含んでもよい。
【0010】
追加として、または代替として、方法は、イオンが、荷電粒子検出器に到達しているかどうかを判定することを含んでもよく、光子を提供することは、イオンが荷電粒子検出器に到達していることの判定に応じて、荷電粒子検出器にイオンを提供せずに行われてよい。さらに、方法は、イオンが荷電粒子検出器に到達していることの判定の前に、イオンが、光源からの光によって生成されているかどうかを判定することを含んでもよい。方法はまた、荷電粒子検出器を含めた質量分析計によって信号が生成されないことを判定することを含んでもよく、またイオンが光源からの光によって生成されているか判定することは、質量分析計によって信号が生成されていないことの判定に応じて行われてもよい。
【0011】
一部の実施形態において、方法は、光子源の光学パワーを変えることを含んでもよい。
【0012】
質量分析計のイオン検出器を評価および/または調整するための方法は、一部の実施形態によると、イオン検出器と連通する発光ダイオード(LED)に電流を印加することを含んでよい。方法はまた、質量分析計におけるいかなるイオン化イベントもなしで、LEDに電流を印加することによって生成される光子出力に対するイオン検出器による応答を検出することを含んでもよい。
【0013】
一部の実施形態において、方法は、LEDの電流を変えることと、LEDの電流を変えることによって生成される光子出力の範囲に対するイオン検出器による応答を測定することとによってイオン検出器の動的範囲をテストすることを含んでもよい。追加として、または代替として、方法は、イオン検出器と連通するフライト管を含む質量分析計の筐体からイオン光学系の1つまたは複数の部分を取り外すことを含んでもよく、印加すること、および検出することは、イオン光学系の1つまたは複数の部分が取り外される間に行われてよい。さらに方法は、イオン光学系の1つまたは複数の部分が取り外された後、印加すること、および検出することの前に、筐体の内部にLEDを設置することを含んでよい。
【0014】
一部の実施形態において、方法は、LEDと異なる光源からの光によって質量分析計の内部でイオンが生成されているかどうかを判定することを含んでよい。方法はまた、イオンがイオン検出器に到達しているかどうかを判定することを含んでもよく、印加すること、および検出することは、イオンがイオン検出器に到達していることの判定に応じて行われてよい。追加として、または代替として、LEDは紫外線(UV)LEDであってもよい。
【0015】
一部の実施形態による検出システムは、分析流路を取り囲む筐体を含んでよい。検出システムは、荷電粒子検出器を含んでもよい。検出システムは、筐体の内部に光を提供することで荷電粒子検出器に入射するイオンを生成するように構成された光源を含んでよい。さらに、検出システムは、荷電粒子検出器に入射する光子を生成するように構成された光子源を含んでもよい。
【0016】
一部の実施形態において、検出システムは、筐体内にあり、分析流路のフリードリフト部分を画定するフライト管を含んでよい。荷電粒子検出器は、フライト管と連通してよく、マイクロチャネルプレート(MCP)を含んでもよい。一部の実施形態において、光子源は、フライト管のベース部分にあってよい、またはそれに隣接してもよい。
【0017】
一部の実施形態において、フライト管は、第1のシリンダと第2のシリンダとを含んでよく、光子源は、第1のシリンダと第2のシリンダとの間にあってよい。例えば光子源は、第1のシリンダおよび第2のシリンダの一方の穿孔された部分に隣接してもよい。
【0018】
追加として、または代替として、検出システムは、筐体、荷電粒子検出器、光源および光子源を含む質量分析計を含んでよい。一部の実施形態において、光源はレーザーであってもよい。
【0019】
一部の実施形態において、光子源は、LED光を生成して荷電粒子検出器に入射する光子を提供するように構成された発光ダイオード(LED)であってよい。LEDは、3オームから19,500オームの間である抵抗値を含む抵抗器と直列であってよい。追加として、または代替として、LEDは、筐体内に解放可能に取り付け可能な紫外線(UV)LEDであってもよい。
【0020】
一部の実施形態において、検出システムは、イオンがその中を通って荷電粒子検出器に向かって進むように構成されたイオン光学系を含んでよい。イオン光学系は、取り外し可能なイオン光学系であってもよい。追加として、または代替として、光子源は、イオン光学系内、またはイオン光学系に隣接して筐体内に恒久的に装着されてもよい。
【0021】
本発明の別の特徴、利点および詳細は、以下に続く図面および一例の実施形態の詳細な説明を読むことで当業者によって理解されると思われ、そのような説明は、本発明の単なる例示である。
【0022】
一実施形態に関して説明される本発明の態様は、異なる実施形態に組み込まれる場合もあるが、それに対しては具体的に説明されていないことに留意されたい。すなわち、すべての実施形態および/または任意の実施形態の特徴は、何らかの方法で組み合わせることができる、および/または何らかの組合せであり得る。出願人は、最初に提出されたクレームを変更する、またはそれに応じて何らかの新たなクレームを提出する権利を保有しており、そこには、そのような方法で最初はクレーム請求していないが、何らかの他のクレームの任意の特徴に従属する、および/またはそのような特徴を組み込むようにいずれの最初に提出したクレームを補正することができる権利も含まれている。本発明のこのような、および他の目的および/または態様は、以下に記載される明細書に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A】本発明の実施形態による、計器の斜視図である。
図1B】本発明の実施形態による、計器と、光源との斜視図である。
図2A】本発明の実施形態による、計器と、光源との概略図である。
図2B】本発明の実施形態による、図2Aの計器のプロセッサ制御システムのブロック図である。
図2C】本発明の実施形態に従って使用され得る一例のプロセッサと、メモリとのブロック図である。
図3A-3E】本発明の実施形態による、発光ダイオード(LED)または他の光子源の図である。特に、図3Aおよび図3Bは、光子源を備えた計器の内部の部分的に透けている側部斜視図である。図3Cは、光子源と、フライト管との部分的な分解組立図である。図3Dは、光子源と、検出器とを含む計器のサブ組立体の図である。図3Eは、LEDと、検出器との概略図である。
図4A-4E】本発明の実施形態による、イオン検出器または他の荷電粒子検出器をテストまたは調整するための一例の方法のフローチャートである。
図5A-5B】本発明の実施形態による、紫外線(UV)LEDを通る入力電流に基づいて、イオン検出器からの信号強度の違いを例示するオシロスコープトレースのグラフである。
図6A】本発明の実施形態による、計器の内部回路の図である。
図6B】本発明の実施形態による、計器の内部の部分的に透けている側部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は次に、添付の図面を参照して、以下でより完全に説明され、図面では、本発明の例示の実施形態が示されている。同様の数字は、同様の要素を指しており、同様の要素の異なる実施形態は、上付き文字の指標となるアポストロフィの異なる数字(例えば10、10’、10’’、10’’’)を使用して示すことができる。
【0025】
質量分析計器/システムの組立中(および/または動作中)、質量スペクトルによって計器/システムの通常の動作の範囲外の検出器の動作、例えば検出器による出力信号の生成などを確認するために診断機能を有することが有利であり得る。本発明の実施形態によると、そのような診断機能は、例えばMALDIプロセスによるイオン生成、および検出器へのイオンの到達とは関係なく(すなわちそれらを必要とせずに)、検出器をin situテストまたは調整するための機構を介して提供されてよい。例えば、質量スペクトルが生成されていないとき、光子源を使用して検出器をテストする、または調整してもよい。さらに、光子源は、非集束型光子源であってもよく、これは、生成される光子の一部が、検出器の方向に反射され得る、および/または散乱され得ることから、光子源のわずかな位置合わせ不良も許容することができる。
【0026】
図1Aおよび図1Bは、質量分析計10Mなどの一例の計器10を例示する。図1Aに示されるように、計器10は、ユーザインターフェースを備えたディスプレイ10dを有する前面壁10fを備えた筐体10hを含む。筐体10hはまた、スライドを受け入れるようにサイズが決められ、そのように構成され得る少なくとも1つの試料標本の入り口10pも有する。1つまたは複数の出入り口10pが使用されてよい。各出入り口10pは、分析のための標本スライド(例えば図2Aの試料プレート230)の入り口のみとして、出口のみとして、または入り口と出口の両方として構成される場合がある。
【0027】
図1Bに示されるように、計器10は、本発明の実施形態によって、少なくとも1つの光源20を使用してよい。一部の実施形態において、計器10は、質量分析計10Mであってよく、その筐体10hは、質量分析計10Mのためのスライドを受け入れるように構成された少なくとも1つの試料標本入り口10pを含んでよい。例えば質量分析計10Mは、テーブル30によって示されるように、卓上型の質量分析計であってもよい。さらに計器10の1つまたは複数の部分は、真空ポンプ60を介して所望の圧力になるように空気が注入される/空気が汲み出されてもよい。真空ポンプ60および/または光源20は、筐体10hに(例えばその内部に)搭載されてよい、または計器10に対する外部の差し込み式の構成要素として設けられる場合もある。
【0028】
少なくとも1つの光源20は、計器10の内部でイオンを生成するために光を提供することができる。例えば、光源20は、計器10にレーザー光を供給するレーザー20LSを備えてよい。一例として、レーザー20LSは、320ナノメートル(nm)を超える波長を有するUVレーザーなどの固体レーザーであってもよい。一部の実施形態において、固体レーザー20LSは、およそ347nmからおよそ360nmの波長でレーザービームを生成することができる。固体レーザー20LSは、代替として、赤外線レーザーまたは可視光レーザーである場合もある。
【0029】
さらに、用語「光源」および「レーザー」が本明細書の実施例を考察するために使用されるが、光源20は、計器10の内部の標的/装置に光/エネルギーを供給することによって、計器10の内部に荷電粒子を生成する任意のタイプの供給源を備えてもよい。例えば光源20は、計器10内で試料プレート230(図2A)に種々のタイプの光/エネルギーのパルスの1つを提供して荷電粒子のパルスを生成するように構成されてよい。一部の実施形態において、光源20および試料プレート230は、光源20からの光が試料プレート230に向けられてイオンを生成し得るとき、まとめて(またはさらには個別でも)「イオン源」と呼ばれる場合もある。
【0030】
図2Aは、計器10と、光源20との概略図を示す。計器10は、チャンバ210を含んでおり、これは、「取得チャンバ」、「プロセスチャンバ」、「真空チャンバ」、「減圧下のチャンバ」または「真空のチャンバ」であってよい。チャンバ210の内部には、試料プレート230(または他の標的230T)と、イオン光学系220とがあり、これは、本明細書では、「イオン光学装置」または「イオン光学組立体」と呼ばれる場合もある。
【0031】
イオン光学系220は、光源20から光/エネルギー20Lを受け取り、光/エネルギー20Lを試料プレート230に誘導するように構成されてよい。光/エネルギー20Lは、試料プレート230にイオン電流230Cを生成させることができ、このイオン電流は、イオン光学系220を通過し、フライト管240を通り、イオン検出器250Iなどの検出器250へと進む。イオン電流230Cは、チャンバ210の内部の第1の部分230C-1と、フライト管240の内部のおよび/または検出器250に入射する第2の部分230C-2とを有してよい。第2の部分230C-2の大きさ(例えばアンペア)は、第1の部分230C-1の大きさを基にしてよい、またはさらにはそれと同じであってもよい。イオン電流230C(例えばその第2の部分230C-2)は、計器10内のイオン化を確認するために診断方法/方式の一部として測定されてよい。したがって、明細書で使用される際、用語「診断」は、患者に対してではなく、計器10に対する診断を指す。
【0032】
イオン電流230Cに加えて、計器10は、一部の実施形態において、UV LED260Lなどの光子源260から検出器250に光子(または「光子エネルギー」)260Pを提供する。光子源260は、図2Aに示されるようにフライト管240の第1の(または底部)部分240Bなど計器10の内部の様々な場所の1つまたは複数にあってよい。第1の(または底部)部分240Bは、フライト管240の第2の(または頂部)部分240Tからフライト管240の反対の端部にある。詳細には、第1の(または底部)部分240Bはイオン光学系220に隣接しているのに対して、第2の(または頂部)部分240Tは、検出器250に隣接している。さらに光子源260は、フライト管240の内部にあるように示されているが、光子源260は代替として、他の場所の中でもとりわけ、第1の(または底部)部分240Bに隣接するチャンバ210の一部分の内部にあってもよい。図2Aにさらに示されるように、試料プレート230は、取得チャンバ210の第1の端部210Eに隣接してよい。取得チャンバ210の第1の端部210Eおよび検出器250の第2の端部250Eは、計器10の反対の位置にある端部/部分であってよい。
【0033】
本明細書の一部の例は、試料プレート230上の試料を記載しているが、光20Lは一部の実施形態において、試料プレート230の代わりにテストプレートまたは他の標的230Tに誘導される場合もある。追加として、または代替として、光源20、光子源260および検出器250の組合せ/結合は、一部の実施形態において、診断システムなどの「システム」と呼ばれる場合もある。さらに光源20と、光子源260とは、それぞれ光子源と、光源とである場合もあり、いずれの用語(「光源」または「光子源」)も、いずれの供給源20、260を指すのに使用されてもよい。例えば供給源20が、「第1の光/光子源」と呼ばれる場合もあり、供給源260が、「第2の光/光子源」と呼ばれる場合もある。
【0034】
図2Bは、プロセッサ制御システム270Cのブロック図を示す。プロセッサ制御システム270Cは、1つまたは複数のプロセッサ270を含んでよく、これらは、光源20、検出器250および/または光子源260と通信するように構成されてよい。例えば光源20および/または光子源260の動作は、プロセッサ(複数可)270の制御の下で行われてよい。さらに、イオンおよび/または光子260Pを受け取ったことに応じて検出器250によって生成されるデータは、処理のためにプロセッサ(複数可)270に提供されてよい。プロセッサ(複数可)270は、計器10の内部および/または外部にあってよい。
【0035】
図2Cは、本発明の種々の実施形態に従って使用され得る一例のプロセッサ270と、メモリとのブロック図を示す。プロセッサ270は、アドレス/データバス290を介してメモリ280と通信する。プロセッサ270は、例えば市販のプロセッサ、またはカスタムマイクロプロセッサであってよい。さらにプロセッサ270は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ280は、本明細書に記載されるような種々の機能を果たすのに使用させるソフトウェアおよびデータを含むメモリデバイスの総体的な階層を表している。メモリ280は、限定するものではないが、以下のタイプのデバイス、すなわちキャッシュ、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュ、スタティックRAM(SRAM)およびダイナミックRAM(DRAM)を含んでもよい。
【0036】
図2Cを参照すると、メモリ280は、オペレーティングシステム283などのソフトウェアおよびデータの様々なカテゴリを保持してよい。オペレーティングシステム283は、計器10の動作を制御することができる。詳細には、オペレーティングシステム283は、計器10のリソースを管理してもよく、プロセッサ270によって種々のプログラムの実施を調整してもよい。
【0037】
図3Aから図3Eは、計器10の筐体10hの内部の様々な場所の1つまたは複数に設けることができるUV LED260L(図3E)などの光子源260の図を示している。例えば図3Aは、光子源260がイオン光学装置220を保持/支持する誘電性スタンドオフ310を有する領域内に取り付けられる場合があることを示している。さらに、一部の実施形態において、イオン光学装置220の1つまたは複数の部分(例えばイオン光学装置220の1つまたは複数のそらせ板)が取り外される場合があるため、光子源260を筐体10hの内部に設置させる/配置させることもできる。イオン光学装置220のそのような取り外しに関する部分/領域の一例は、取り外し可能な部分/領域320である。
【0038】
イオン光学装置220の取り外される部分(複数可)/構成要素(複数可)は、チャンバ210内の露出したワイヤの一部を電気的に短絡するリスクを低下させるために、チャンバ210から完全に取り外されてよい。しかしながら、一部の実施形態において、このような部分(複数可)/構成要素(複数可)は、光学系に短絡がないことを保証するために十分に注意を払うならば、チャンバ210の内部に残される場合もある。
【0039】
図3Bを参照すると、光子源260によって生成される光子260P(図2A)に関して光子路260PPが示されている。光子路260PPは、イオン光学装置220を通って検出器250(図2A)に向かって進むイオンビーム路230CPの少なくとも一部と平行して延びてよい。
【0040】
さらに、光子源260は、十分な光子260Pが検出器250のマイクロチャネルプレート(MCP)260(図3E)に入射する限り、計器10の筐体10hの内部の様々な場所のうちの1つにあってよい。例えば、光子源260は、真空チャンバ210内のイオン光学装置220の内部に、またはイオン光学装置220に隣接して恒久的に取り付けられてもよい。光子源260がイオン光学装置220内に取り付けられる場合ですら、光子路260PPが、イオンビーム路230CPを妨害する可能性はない。一例として、イオンビーム路230CPは、光子路260PPとの干渉を回避する/阻止するような方法で、イオン光学装置220を介して誘導/偏向されてもよい。一部の実施形態において、恒久的に取り付けられるのではなく、光子源260は、筐体10hに解放可能に取り付けられる/取り付け可能であってもよい。光子源260の解放可能な取り付け260Mは、多くの形式をとる場合がある。例えば、テープ(例えばKAPTON(登録商標)テープ)を使用して、光子源260を所定の場所に一時的に保持してもよい。追加として、または代替として、それが使用される際は光子源260を保持し、かつ光子源260を取り外すこともできるように、ソケットまたはクリップが使用される場合もある。
【0041】
光子源260は、他の組立体(例えばイオン光学装置220の1つまたは複数の部分)を取り外した後、フライト管240の底部240Bに、または底部240Bに隣接して一時的に/取り外し可能に設置されるように、本明細書には記載され得るが、光子源260は、そのような場所に限定されたり、一時的/取り外し可能な設置にも限定されたりしない。さらに光子源260は、抵抗器265に結合(直列に)されてよい。
【0042】
図3Cを参照すると、フライト管240(図2A)は、内側管240Iと、外側管240Oとを含んでよく、光子源260の別の可能な場所は、内側管240Iと外側管240Oとの間である。内側管240Iは、外側管240Oによって提供される第2のシリンダ内に配置させることができる第1のシリンダを備えてよい。さらに、フライト管240は、検出器250を介する測定に十分である光子260Pの伝達を可能にする穿孔(例えば穿孔された部分/領域)240Pを有してよい。
【0043】
図3Dを参照すると、光子源260の別の可能な場所は検出器250上である。例えば光子源260は、MCP261(図3E)によって提供されるアクティブエリアからずれた検出器250の一部に取り付けることができる。光子源260は、抵抗器365に直列に接続されてよく、抵抗器365はMCP261の両端にかかるバイアス電圧を提供することができる。
【0044】
抵抗器365は、抵抗性の分圧器に基づいてMCP261の両端にかかる電圧を設定するように選択された抵抗値を有してよい。例えば抵抗器365は、およそ100キロオーム(kΩ)からおよそ25メガオーム(MΩ)の抵抗値を有してよく、診断目的で使用されてよい。一例として、抵抗値はおよそ10MΩであってよい。所望されるMCP261電圧は典型的には500~1,000ボルトである。例えばおよそ900ボルトのMCP261電圧が使用されてよい。抵抗器365の抵抗値の上限は、MCP261の内部抵抗によって設定されてよく、内部抵抗は、およそ250MΩであってよい。結果として、抵抗器365の最大並列抵抗値は、電圧を再現可能に設定するためにおよそ25MΩであってよい。抵抗値の下限は、MCP261の電圧、シンチレータに衝突する電子エネルギー、抵抗器出力定格および高圧電力供給定格などの様々な要因によって設定されてよい。
【0045】
抵抗器365は、抵抗器265とは異なる場合もあり、抵抗器265は、図3Bに例示されており、光子源260が図3A図3Cに例示される場所のいずれかにある場合、光子源260と直列に結合されてよい。抵抗器265の抵抗は、抵抗器365のものより低くてもよい。例えば抵抗器265の抵抗は、4.5ボルトから24ボルト(この場合24ボルトは、計器の内部の一般的なDC電圧バスである)の範囲内で変更されて印加される電圧パルスに関しておよそ3Ωからおよそ19,500Ωまでの範囲であってよい。特有の抵抗は、抵抗器265または光子源/光源260に対する損傷を阻止する/防ぐために電圧に依存している。
【0046】
図3Eを参照すると、検出器250は、MCP261、シンチレータ262および光電子増倍管(PMT)263を含んでよい。MCP261は、電子261Eを出力することができ、シンチレータ262は、PMT263に光子260P’を出力することができる。図3Eはまた、光子源260(図2A)が、UV LEDなどのLED260Lを備え、LED260Lは、MCP261に入射する光子260Pを出力し、その後MCPが電子261Eを出力することも示している。図3Eにさらに示されるように、UV LED260Lは、真空チャンバ210の内部にあってもよい。あるいはUV LED260Lは、フライト管240の内部、または検出器250上にある場合もある。
【0047】
一部の実施形態において、検出器250に入射する光子260Pの波長は250nmより大きくてよい。例えば、波長は、およそ378nmであってよい。いずれのUV波長も、異なる検出効率を有する可能性はあるが、検出器250において応答をトリガするのに十分であるため、いずれのUV波長(10nmから400nm)が使用されてもよい。さらに、一部の実施形態において、UVスペクトル以外の波長が使用される場合もある。
【0048】
本明細書に記載される方法(複数可)は、質量分析計10Mの検出器250を調整する、または診断するために使用されてよい。しかしながら、検出器250の入力段として、または唯一の段としてMCP261を使用するいずれの検出システムも、この方法(複数可)を使用する可能性がある。 そのようなシステムは、中でもとりわけ電子分光計、電子ディスプレイおよび暗視ゴーグルを含んでよい。さらに、用語「イオン」は、様々な例で本明細書で説明されるが、計器10(例えば検出器250を含む)は、イオンの使用に限定されず、むしろイオンと異なる荷電粒子を使用する場合もある。したがって検出器250に入射する電流230C(図2A)は、いかなるタイプの荷電粒子電流であってもよい。
【0049】
図4Aから図4Eは、イオン検出器250I、または計器10内の他の荷電粒子検出器250をテストまたは調整するための方法のフローチャートを例示している。荷電粒子検出器250の調整は、荷電粒子検出器250を較正すること、および/またはチューニングすることを含んでよい。一部の実施形態において、図2Cのメモリ280は、プロセッサ270によって実行される際、プロセッサ270に、図4A図4Eのいずれかの方法(複数可)を実行させる、コンピュータ可読プログラムコードを中に含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であってよい。
【0050】
図4Aを参照すると、方法は、イオン光学系220を提供する/再構成する(ブロック411)ことで、計器10のチャンバ210の内部のイオン電流230Cを測定することができること(例えば真空チャンバ210の外の抵抗器を介して測定される)を含んでよい。図4Aに示される方法は、その後イオン電流230Cが測定可能であるかどうかを判定すること(ブロック412)を含んでよい。したがって計器10におけるイオン化は、ブロック411および412の動作に基づいて確認されてよい。
【0051】
さらに、イオン電流230Cが測定可能である場合(ブロック412)、方法は、イオンが検出器250に到達しているかどうかを判定する(ブロック420)ことを含んでよい。一方でイオン電流230Cが測定不能な場合(ブロック412)、イオン化機構(複数可)のトラブルシューティングが行われてよい(ブロック413)。
【0052】
イオンが検出器250に到達している場合(ブロック420)、方法は、検出器250が適切に動作しているかどうかを判定すること(ブロック430)を含んでよい。一方でイオンが検出器250に到達していない場合、またはその到着が不確実である場合(ブロック420)、イオンの経路230CPに沿った地点でイオン電流230Cを繰り返し測定するために、イオン光学系220が提供される/再構成されてよい(ブロック421)。
【0053】
方法はその後、それが検出器250に到達すべき測定可能なイオン電流230Cを検出するかどうかを判定すること(ブロック422)を含んでよい。そうであるならば、方法は、検出器250が適切に動作しているかどうかを判定すること(ブロック430)を含んでよい。一方で、方法が、検出器250に到達すべき測定可能なイオン電流230Cを検出しない場合(ブロック422)、電圧、機械組立体、および/またはイオン光学系220の設置のトラブルシューティングが行われる(ブロック423)べきである。さらに、一部の実施形態において、検出器250の動作は、イオン光学系220を設置する前に評価されてもよい。
【0054】
検出器250が適切に動作している場合(ブロック430)、またイオンが検出器250に到達している場合(ブロック420)、イオンの経路230CPが適切であると判定されてよい(ブロック440)。さらに、一部の実施形態において、電子機器のトラブルシューティングおよび/または真空のトラブルシューティングを含めた、システム/計器10の他のエリアのトラブルシューティングが行われる場合もある。一方で検出器250が適切に動作していない、または動作が適切であることが不確実である場合(ブロック430)、方法は、UV LED260L(または他の光子源260)をパルス式動作でオンにすることを含んでよい(ブロック433)。UV LED260Lをオンにする(ブロック433)前に、方法は、UV LED260Lが設置されているかどうかを判定すること(ブロック431)を含んでよい。設置されていない場合、UV LED260Lが設置されてよい(ブロック432)。
【0055】
UV LED 260Lをオンにした(ブロック433)後、方法は、UV LED 260Lがパルスを出す間、検出器250の出力信号がパルス状であるかどうかを判定する(ブロック434)ことを含んでよい。そうであるならば、方法は、例えば信号ゲインを所定の/閾値信号ゲイン値(または別の検出器250の測定された信号ゲイン値)と比較することによるなどして、検出器250の信号ゲインが予想通りであるかどうかを判定する(ブロック436)を含んでよい。一方で、UV LED 260Lがパルスを出す間、検出器250の出力信号がパルス状ではない場合(ブロック434)、検出器250のトラブルシューティングが行われてよい(ブロック435)。
【0056】
所定の/閾値信号ゲイン値を下回ることによるなど、検出器250の信号ゲインが予測通りでない場合(ブロック436)、方法は、検出器250のゲインを調整すること(ブロック437)を含んでよい。例えば、方法は、(例えばダイオード電流を変えることによって)UV LED260Lの出力(光学)パワーを変えることを含んでよく、その後、測定された応答に基づいて検出器250のゲインを調整してもよい。一方で、検出器250の信号ゲインが予想通りである場合(ブロック436)、動作は、ブロック440に進んでよく、これは本明細書で上記で説明している。
【0057】
ブロック437における検出器250のゲインの調整は、検出器ゲインを既知の入力信号に合わせる「較正」の一例である。検出器250に関して、ゲインは、PMT263電圧を変えることによって調整されてよい。しかしながらゲインは、MCP261電圧を修正することによってより少ない度合いに調整されてもよい。
【0058】
検出器250が、質量スペクトルに関してゲインの既知の好適な値を有する場合、検出器250の応答は、光子源260への既知の入力(例えば電流/電圧)、および/または光子源260から既知の入力(例えば波長/エネルギー)について測定されてよい。光子源260への、および/または光子源260から既知の入力と、検出器250の測定された応答とが与えられたと仮定すると、ゲインの好適な値を達成するために1つまたは複数の他の検出器250(例えば他のシステム/計器10における)を一致させてもよい。
【0059】
再びブロック411を参照すると、イオン光学系220の提供/再構成は、イオンが生成されていないこと、またはその生成が不確実であることの判定(ブロック410)に応じて行われてよい。一方で、イオンが生成されていることが判定された場合(ブロック410)、方法は、イオンが検出器250に到達しているかどうかの判定(ブロック420)に直接進んでよく、ブロック411および412の動作は省略されてもよい。さらに、一部の実施形態において、計器10は、質量分析計10Mであってよく、ブロック410、411および/または412の動作(複数可)は、質量分析計10Mによって信号が生成されていないことの判定(ブロック405)に応じて行われてもよい。
【0060】
図4Bを参照すると、本明細書で記載される方法(複数可)は、イオン検出器250Iをテストする(または調整する)ためにUV LED260Lのパルス式の動作を使用するように限定されるわけではない。 例えば、図4Aのブロック433および434の動作は、種々のタイプの光子源260および荷電粒子検出器250に対して行われる場合がある。詳細には、図4Bでは、ブロック433’および434’が図4Aのブロック433および434をそれぞれ一部修正しており、UV LED260Lまたは他の光子源260に電流を印加すること(ブロック433’)を含む方法を例示している。しかしながらブロック433’の動作(複数可)は、光子源260から、光子260Pを検出器250に提供するいずれの動作(複数可)を含んでもよい。例えば光子260Pは、検出器250のMCP261に入射するように提供されてもよい。
【0061】
図4Bの方法は、光子源260によって出力される光子260Pに対する検出器250による応答を測定すること(ブロック434’)をさらに含む。具体的には、応答は、計器10の内部で質量スペクトルが生成されていない間(すなわちいかなるイオン化イベントも生じていない状態で)測定することができる。応答はよって、計器10の内部のイオンイベントとは無関係であり得る。例えば、応答は、検出器250に入射するイオン電流230Cの提供をやめている間、測定することができる。さらに、一部の実施形態において、ブロック433’および434’の動作は、図4Aのブロック410~423の1つまたは複数のイオン化の確認動作によって先行される(またはさらにはそれによってトリガされる)場合もあり、検出器250におけるいかなる測定可能なイオン電流230Cもブロック433’および434’の動作を行う前に中断されてもよい。
【0062】
測定(ブロック434’)動作(複数可)は、検出器250が、検出器250に入射する光子源260の光子260Pに応じて出力信号を提供するかどうかを判定することを含んでよい。例えば、これは、光子源260の光子260Pがパルスを出す間、検出器250の出力信号がパルス状であるかどうかを判定することを含んでもよい。
【0063】
図4Cを参照すると、ブロック433Vおよび434Vは、図4Bのブロック433’および434’をそれぞれ一部修正している。詳細には、電流を印加する動作(複数可)(ブロック433’)は、光子源260の電流を変える(ブロック433V)ことを含んでよい。例えばUV LED260Lを通る電流は、特定の範囲の光子260P出力を生成するように変更されてよい。一例として、UV LED260Lは、変更された範囲の出力パワーを有する光を生成することができる。このような出力の範囲に対する検出器250による応答をその後測定することができる(ブロック434V)。ブロック433Vおよび434Vの動作は、検出器250の動的範囲をテストするために行われてよい。
【0064】
一部の実施形態において、検出器250の信号ゲインを調整する動作(複数可)(ブロック437)は、UV LED260Lまたは計器10の内部の別の光子源260からのそのような変更された出力パワーの光の検出に応じて行われてよい。さらに、電流を変える動作(複数可)(ブロック433V)は、UV LED260Lの第1の電流を、UV LED260Lの異なる(より大きい、またはより小さい)第2の電流に変更することを含んでもよく、方法は、検出器250の第1の出力信号から検出器250の異なる第2の出力信号への変化が、第1の電流から第2の電流への変化に比例していることの判定に応じて、検出器250が適切に機能していることを判定することをさらに含んでもよい。例えば、方法は、UV LED260Lを通る電流の増加または低下は、検出器250の出力信号の大きさがそれぞれ対応して増加または低下する結果となるかどうかを確認することを含んでもよい。
【0065】
図4Dを参照すると、UV LED260Lが計器10の筐体10hの内部に設置される(ブロック432)前、計器10のイオン光学系220の1つまたは複数の部分が取り外されてよい(ブロック411’/421’)。したがって、電流を印加する動作(複数可)(図4Bのブロック433’)、またはそうでなければ検出器250に光子260Pを提供する動作(複数可)は、イオン光学系220の1つまたは複数の部分がない/取り外されている間(ブロック411’/421’)に行われてよい。
【0066】
図4Eを参照すると、本発明の方法は、計器10の内部のLED260Lから光子260Pを生成すること(ブロック433”)を含んでよい。ブロック433”の動作(複数可)は、LED260Lから検出器250に光子260Pを提供する任意のやり方を含んでよい。例えばこれは、限定されるものではないが、電流を印加する動作(複数可)(図4Bのブロック433’)によって行われてもよい。LED260Lから光子260Pを生成した後、および/または光子260Pを生成している間(ブロック433”)、方法は、計器10におけるイオン化なしに(例えばイオン化をやめている間)、光子260Pに対する検出器250による応答を検出すること(ブロック434”)を含んでよい。ブロック434”の動作(複数可)は、検出器250による応答を識別する(例えばその発生を確認する)、および/または評価する(例えばその値を測定する)任意の方法を含んでよい。
【0067】
図5Aおよび図5Bは、UV LED260Lを通る入力電流に基づいてイオン検出器250Iからの信号強度の違い(例えばボルトまたはミリボルトで)を例示するオシロスコープトレースのグラフを図示する。イオン検出器250Iの動的範囲は、UV LED260Lからの光子260P出力パワーを、そのダイオード電流を介して変更し、イオン検出器250Iの応答を測定することによってテストすることができる。検出器250Iの応答における比例式の低下の測定が、UV LED260Lのダイオード電流の変化について、図5Aに関連して、図5Bに示されている。図5Aおよび図5Bでは、第1のチャネルは、イオン検出器250Iの出力信号(例えば電圧)Vdetectorを表しており、第2のチャネルは、抵抗器265(例えば1ワット、680オームの抵抗器)とUV LED260Lとの直列の組合せに印加される電圧を表している。例えば、第2のチャネルによって表される電圧は、信号生成器の電圧供給によって提供されてよい。
【0068】
一部の実施形態において、試料プレート230上の試料(複数可)は、患者からの生体試料を含んでよく、患者の医学的評価のために、既定されたタンパク質または微生物、例えばバクテリアなどが試料中にあるかどうかを識別するために計器10によって試料の分析を実施することができる。例えば、計器10は、質量分析計10Mであってよく、分析は、取得したスペクトルに基づいて、およそ150(またはそれ以上の)の異なる既定されたバクテリアの種のいずれかが試料中にあるかどうかを識別することができる。さらに、試料プレート230から検出器250までの経路230CPは、計器10の筐体10hによって囲まれた「分析流路」と本明細書において呼ばれる場合もある。分析流路の自由なドリフト部分は、フライト管240によって既定される/提供されてもよい。標的質量範囲は、およそ2,000から20,000ダルトンの間であり得る。
【0069】
本発明は有利には、MALDIの動作とは関係なく、計器10の検出器250をテストまたは調整することができる。以下は、本明細書に記載される方法/診断の1つの非制限的な例である。この例では、LED(例えばUV LED)260Lが、検出器250をテストするために使用されてよい。計器10のイオン光学系220の1つまたは複数のそらせ板(または他の部分(複数可)/構成要素(複数可))が取り外されてもよい。計器10のフライト管240の電圧を維持するために、計器10の内部回路が、フライト管240に直接ワイヤで接続(例えば短絡)されてよい。例えば、計器10の内部の抵抗分周回路610(図6A)は、フライト管240で使用される機械的取り付けハードウェアを介してフライト管240の底部240Bに直接ワイヤで接続されてもよい。一例として、抵抗分周回路610は、図3Cにおける光子源/光源260の反対側の保持リング付近でワイヤで接続されてもよい。
【0070】
このようなテストの目的のために、イオン光学装置220の区域(図6Bの点線の楕円の中の部分/構成要素)が取り外されてもよい。それらが取り外された場合、抵抗分周回路610からの接続地点c(図6A)はもはや、イオン光学装置220上の接続地点cにワイヤで接続することはできない。結果として、抵抗分周回路610上の接続地点cは代わりに、フライト管240で使用される機械的取り付けハードウェアを介してフライト管240の底部240Bに直接ワイヤで接続されてよい。
【0071】
抵抗分周回路610は、複数の抵抗器611(例えば、611-1から611-9)を含んでよい。抵抗分周回路610は、高圧(HV)ネットワークと呼ばれる場合もあり(図6B)、これはコンデンサ612を含んでもよく、ワイヤ613(これは「レッドワイヤ」と呼ばれる場合もある)に接続されてよい。さらに、チャンバ210内での地点a1(図6B)における入力電圧は、0から100VDCまで可変であってよく、地点a2における入力電圧は、-4kVから0V(10マイクロ秒(μs)の固定されたパルス幅と、およそ50ナノ秒(ns)の立ち上がり時間とを有する)の規模で可変であり得る。さらに、図6Bは、計器10がx-y段620および負荷ロックシール630、ならびに複数のコネクタ(例えばコネクタ/接続地点a1、a2、b、c、d1、d2、e1、e2)を含む場合があることを例示している。
【0072】
LED260Lは、680オーム、1ワットの抵抗器などの抵抗器265を介して、計器10のSafe High Voltage(SHV)フィードスルーにワイヤで接続されてよい。LED260Lをオンにするために、0~10ボルトの方形波が関数発生器を介して加えられてもよく、LED260Lは、20ミリアンペアの順電流のために378nmで7ミリワットの光学パワーを発することができる。高圧が計器10のためにオンにされてよく、これは、LED260Lに対する検出器250による応答を促進するのを助けることができる。
【0073】
図5Aおよび図5Bに示されるように、検出器250は、LED260Lからの信号(例えば光子260P)に対する明白な応答を出力することができる。したがってLED260Lを使用して、検出器250の好適な動作を確認すること、および/または検出器250を較正することができる。さらに、電流を段階的にLED260Lに通すことで、検出器250の動的範囲をテストすることもできる。
【0074】
一部の実施形態において、検出器250による応答は、1つまたは複数の他の検出器250による応答と比較されてもよい。例えば1グループの検出器250のゲインが同じであるかどうかを確認することが望ましい場合がある。
【0075】
本発明の、計器10の内部での光子260Pの使用によって、イオンイベントとは関係なく検出器250の応答をテストする(または調整する)ことが可能になる。一部の実施形態において、このような応答は、光子源260を反復式に/パルス式にオンおよびオフにすることによるものである。LEDを通る電流を変えることは比較的容易であるため、光子源260としてLED260Lを使用することは有利であり得る。
【0076】
LED260Lを使用して、LED260Lの既知の出力に基づいて検出器250のゲインを修正すること、または設定することができる。例えばこれは、検出器250を較正するために行われることができるか、または検出器250が適切に動作しているかどうかの2元確認(はい、またはいいえ)として行われることができる。LED260Lの使用とは対照的に、従来の質量分析計は、試料を使用し、その後、試料によって生成された信号に基づいて検出器のゲインを調整してよい。本発明の実施形態による、既知の波長でのLED260Lの使用は、異なる試料間における固有の変動性により、試料を使用する従来の技術よりもさらに反復可能であると考えられている。一例として、本発明は有利には、既知の出力波長を有するLED260Lを通るように既知の/一定の電流を印加し、これにより検出器250の応答を測定するために相対的に反復可能な技術を提供することができる。
【0077】
図面では、特定の層、構成要素または機構が明確にするために誇張される場合があり、点線は、そうでないことが具体的に述べられない限り、オプションの/取り外し可能な機構または動作を例示している。用語「図(FIG.)」および「図(Fig.)」は、出願および/または図面における用語「図(Figure)」と相互に入れ替え可能に使用される。しかしながら本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるように解釈されるべきではなく、むしろ、このような実施形態は、本開示が完全かつ完璧であり、本発明の範囲を当業者により完全に伝えるために提供されている。
【0078】
用語「第1の」、「第2の」などは、様々な要素、構成要素、領域、層および/または区域を記述するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層および/または区域は、このような用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。このような用語は、1つの要素、構成要素、領域、層および/または区域を別の要素、構成要素、領域、層または区域から区別するのに単に使用されている。よって、以下で考察される「第1の」要素、構成要素、領域、層または区域は、本発明の教示から逸脱することなく、「第2の」要素、構成要素、領域、層または区域と称される場合もある。
【0079】
「真下」、「下」、「底部」、「下部」、「上」、「上部」などの空間に関する用語は、図面に例示されるように、1つの要素または機構の別の要素(複数可)または機構(複数可)に対する関係性を記述するために、記述を容易にするために本明細書で使用されてよい。空間に関する用語は、図面に描かれる配向に加えて、使用中の装置の様々な配向、または動作を包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、図面中で装置がひっくり返された場合、他の要素または機構の「下」または「真下」として記述される要素は、他の要素または機構の「上に」配向されることになる。こうして、一例の用語「下の」は、上、下および後ろの配向を包含することができる。装置はそれ以外の方法で(90°回転された、または他の配向で)配向される場合もあり、本明細書で使用される空間に関する記述語はこれに従って解釈されてよい。
【0080】
用語「およそ」は、指摘される値の±20%の範囲内の数字を指している。
【0081】
本明細書で使用される際、単数形の「a」、「an」および「the」は、そうでないことが明白に述べられていなければ、複数形も同様に含むように意図されている。用語「含む(includes)」、「備える(comprises)」、「含んでいる(including)」および/または「備えている(comprising)」は、本明細書で使用される場合、述べられた機構、ステップ、動作、要素および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の機構、ステップ、動作、要素および/または構成要素および/またはその集合の存在または追加を除外するものではないこともさらに理解されたい。1つの要素が別の要素に「接続されている」、または「結合されている」と称される場合、それは、他の要素に直接接続させる、もしくは結合させることができる、または介在要素が存在する場合もあることを理解されたい。本明細書で使用される際、用語「および/または」は、関連する列記された項目のうちの1つまたは複数のいずれかの組合せ、およびそのすべての組合せを含む。さらに、符号「/」は、用語「および/または」と同じ意味を持つ。
【0082】
そうでないことが規定されなければ、本明細書で使用されるすべての用語(技術的および科学的用語を含めた)は、本発明が属する当業者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。共通して使用される辞書で定義されるものなどの用語は、本明細書の文脈および関連する分野におけるそれぞれ意味と一致する意味を有するように解釈すべきであり、本明細書で明らかにそのように定義されていなければ、理想化された、または過度に形式的な意味に解釈されないことをさらに理解されたい。
【0083】
一部の実施形態において、質量分析計10Mは、およそ2,000からおよそ20,000ダルトンの質量範囲である試料からイオン信号を取得するように構成される。
【0084】
用語「試料」は、分析を受ける物質を指しており、広い範囲の分子量の中の任意の媒体であり得る。一部の実施形態において、試料は、バクテリアまたは真菌などの微生物の存在に対して評価される。しかしながら試料は、毒素または他の化学物質を含めた他の成分の存在に対して評価される場合もある。
【0085】
用語「卓上用」は、標準的なテーブル面またはカウンタートップに適合することができる、または例えばおよそ1フィート掛ける6フィートの幅と長さの寸法を有し、典型的には1~4フィートの間の高さ寸法を有するテーブル面などのテーブル面に等しい占有面積を占めることができる比較的コンパクトなユニットを指す。一部の実施形態において、計器/システムは、28インチ~14インチ(W)x28インチ~14インチ(D)x38インチ~28インチ(H)のエンクロージャまたは筐体内にある。フライト管240は、およそ0.8メートル(m)の長さを有してよい。一部の実施形態において、これより長い、またはこれより短い長さが使用されてもよい。例えば、フライト管240は、およそ0.4mからおよそ1mの間の長さを有してよい。フライト管240は、荷電粒子検出器250「と連通する」ように称される場合がある。本明細書で使用される際、フレーズ「と連通する」は、物理的に、光学的に、電気的に、有線での、および/または無線での接続(複数可)を指す場合がある。
【0086】
上述は、本発明の例示であり、その限定として解釈されるべきではない。本発明のいくつかの一例の実施形態が記載されているが、本発明の新規の教示および利点から著しく逸脱することなく、一例の実施形態において多くの変更形態が可能であることを当業者は容易に理解するであろう。したがって、すべてのそのような変更形態は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。したがって上述は、本発明の例示であり、開示される特有の実施形態に限定されるように解釈されるべきではなく、開示される実施形態ならびに他の実施形態に対する変更形態も本発明の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6A
図6B