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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-01
(45)【発行日】2023-06-09
(54)【発明の名称】ヒータ及び低温ベーク型喫煙具
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20230602BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20230602BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20230602BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20230602BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/51
A24F40/465
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021555051
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-06
(86)【国際出願番号】 CN2020079268
(87)【国際公開番号】W WO2020182215
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】201920329108.3
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517075997
【氏名又は名称】深▲せん▼市合元科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN FIRST UNION TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Bldg C, Tangwei High-Tech Park, Fuyong Str, Baoan Dist, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】趙恒坤
(72)【発明者】
【氏名】徐中立
(72)【発明者】
【氏名】李永海
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/217054(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/190607(WO,A2)
【文献】中国実用新案第207011682(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻きタバコを収容する加熱室を有するホルダと、
発熱部と固定部とを含み、前記発熱部が前記固定部から前記ホルダの長手方向に伸び、前記発熱部が前記加熱室内に露出し、巻きタバコの内部に挿入されてそれを加熱するために用いられる発熱体と、
前記ホルダに接続され、前記発熱体を前記ホルダに固定するように前記固定部に当接される固定ベースとを備え、
前記固定ベースは、第一本体と第一筒体を含む第一固定ベースと、第二凸柱を含む第二固定ベースとを含み、前記第二凸柱が前記第一筒体に挿入され、前記固定部は前記第一本体と前記第二凸柱との間に挟持されることを特徴とするヒータ。
【請求項2】
前記第二凸柱の上面に、前記第二凸柱と前記固定部とが当接する面より前記固定部から離れる方向に収容溝が凹設され、
前記収容溝内に設けられる温度センサをさらに備え、そして、前記温度センサは前記固定部に接触して、前記発熱体のリアルタイムな温度を検出するためのものであることを特徴とする、請求項に記載のヒータ。
【請求項3】
前記固定部は平板状となり、その板面が前記ホルダの長手方向に垂直であることを特徴とする、請求項に記載のヒータ。
【請求項4】
前記ホルダの内部に隔壁が設けられ、前記第一本体は前記隔壁と前記第二凸柱との間に挟持され、前記ホルダの外側に少なくとも一つの係止切欠きが設けられ、前記第二固定ベースは第二本体をさらに含み、前記第二本体の外側には前記係止切欠きと嵌合する少なくとも一つの係止突起が凸設されていることを特徴とする、請求項に記載のヒータ。
【請求項5】
前記第二本体には前記第二凸柱を取り囲む環状収容溝が凹設され、前記第一筒体は前記第一本体から前記第二本体へ伸び、前記第一筒体の下端が前記環状収容溝内に収容されていることを特徴とする、請求項に記載のヒータ。
【請求項6】
前記第二凸柱は前記第一筒体内に収容され、前記第二凸柱の外側には前記ホルダの長手方向に伸びる第二ガイド柱が凸設され、前記第一筒体の内側には前記第二ガイド柱と嵌合する第二ガイド溝が凹設されていることを特徴とする、請求項に記載のヒータ。
【請求項7】
前記第一本体における前記隔壁に当接する端面に環状の封止溝が凹設され、
前記封止溝内に収容されるシールリングをさらに備えることを特徴とする、請求項に記載のヒータ。
【請求項8】
前記ホルダの外側に環状の第一止め部と第二止め部が凸設され、
前記第一止め部と前記第二止め部との間に位置するコイルをさらに備えることを特徴とする、請求項に記載のヒータ。
【請求項9】
ハウジングと、
前記ハウジングに収容されるヒータと、
前記ハウジングに収容され、主に前記ヒータに収容される巻きタバコを加熱しベーキングするように前記ヒータへ電気エネルギを供給するための給電ユニットと、を備え、
前記ヒータが請求項1~請求項のいずれかに記載のヒータであることを特徴とする低温ベーク型喫煙具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願実施例は喫煙具の分野に関し、特にヒータ及び当該ヒータを備える低温ベーク型喫煙具に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコは嗜好品の一つとして多くの人に喜ばれているが、その中のタール、一酸化炭素などの物質は人体の健康に危害を及ぼし、特にタールには十数種類の発がん物質が含まれており、人体の健康に大きな影響を与えている。現在、各国政府は公共の場で喫煙(巻きタバコ)禁止を徐々に規定しているが、タバコ依存症がある喫煙者にとって、喫煙を完全に止めることはできないため、市場にはタバコを模擬する代替品、例えば禁煙用バッカルや電子タバコなどがたくさん現れている。
【0003】
近年、電子タバコには、非燃焼式の低温ベーク型喫煙具が現れ、つまり、巻きタバコを低温でベーキングすることで煙を発生するようにすることによって、有害物質の発生を大きく低減している。従来の低温ベーク型喫煙具は一般にハウジング、給電ユニット及びヒータを備え、給電ユニットからヒータへ電気エネルギを供給することで、ヒータで巻きタバコを加熱して煙を発生するものである。ヒータは一般に中空筒状のホルダ、発熱体及び固定ベースを備え、ホルダの内部には巻きタバコを収容する加熱室があり、巻きタバコはホルダの一端からホルダ内に挿入され、発熱体は固定ベースに固定されながらホルダの他端から加熱室中に伸びることで、巻きタバコの内部に挿入されてそれをベーキングするようになる。
【0004】
図1に示されるように、従来の低温ベーク型喫煙具は、左側固定ベースと右側固定ベースをホルダの長手方向において互いに係合させることで発熱体を挟持し固定するようにするものであり、製造公差が存在しているため、左側固定ベース、右側固定ベース及び発熱体を組み立てた場合には一部の発熱体が中央から偏ることが発生し、それにより、加熱・ベーキングする場合では発熱体による巻きタバコに対する加熱が不均一になり、発煙量に悪影響を与えてしまった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術による発熱体が中央から偏る問題を解決するために、本願は発熱体が偏りにくいヒータ及び当該ヒータを備える低温ベーク型喫煙具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一態様では、本願は、
巻きタバコを収容する加熱室を有するホルダと、
発熱部と固定部とを含み、前記発熱部が前記固定部から前記ホルダの長手方向に伸び、前記発熱部が前記加熱室内に露出し、巻きタバコの内部に挿入されてそれを加熱するために用いられる発熱体と、
前記ホルダに接続され、前記発熱体を前記ホルダに固定するように前記固定部に当接される固定ベースと、
を備えるヒータを提供する。
【0007】
任意的には、前記固定ベースは、第一本体を含む第一固定ベースと、第二凸柱を含む第二固定ベースとを含み、前記固定部は前記第一本体と前記第二凸柱との間に挟持されている。
【0008】
任意的には、前記第二凸柱の上面に、前記第二凸柱と前記固定部とが当接する面より前記固定部から離れる方向に収容溝が凹設され、前記ヒータは前記収容溝内に設けられる温度センサをさらに備え、そして、前記温度センサは前記固定部に接触して、前記発熱体のリアルタイムな温度を検出するためのものである。
【0009】
任意的には、前記固定部は平板状となり、その板面が前記ホルダの長手方向に垂直である。
【0010】
任意的には、前記ホルダの内部に隔壁が設けられ、前記第一本体は前記隔壁と前記第二凸柱との間に挟持され、前記ホルダの外側に少なくとも一つの係止切欠きが設けられ、前記第二固定ベースは第二本体をさらに含み、前記第二本体の外側には前記係止切欠きと嵌合する少なくとも一つの係止突起が凸設されている。
【0011】
任意的には、前記第二本体には前記第二凸柱を取り囲む環状収容溝が凹設され、前記第一固定ベースは前記第一本体から前記第二本体へ伸びる第一筒体をさらに含み、前記第一筒体の下端が前記環状収容溝内に収容されている。
【0012】
任意的には、前記第二凸柱は前記第一筒体内に収容され、前記第二凸柱の外側には前記ホルダの長手方向に伸びる第二ガイド柱が凸設され、前記第一筒体の内側には前記第二ガイド柱と嵌合する第二ガイド溝が凹設されている。
【0013】
任意的には、前記第一本体における前記隔壁に当接する端面に環状の封止溝が凹設され、前記ヒータは前記封止溝内に収容されるシールリングをさらに備える。
【0014】
任意的には、前記ホルダの外側に環状の第一止め部と第二止め部が凸設され、前記ヒータは前記第一止め部と前記第二止め部との間に位置するコイルをさらに備える。
【0015】
第二態様では、本願は、
ハウジングと、
前記ハウジングに収容されるヒータと、
前記ハウジングに収容され、主に前記ヒータに収容される巻きタバコを加熱しベーキングするように前記ヒータへ電気エネルギを供給するための給電ユニットと、を備え、
前記ヒータが上記いずれか一項に記載のヒータである、低温ベーク型喫煙具を提供する。
【発明の効果】
【0016】
従来技術に比べて、固定ベースとホルダを接続し、発熱体の固定部を固定ベースに設けることによって、発熱体が中央から偏る問題は回避され、発熱体による巻きタバコに対するベーキングが均一になり、発煙量は保証されている。
【0017】
従来技術に比べて、固定ベースとホルダを接続し、発熱体をホルダに固定するように固定ベースを発熱体の固定部に当接させることによって、発熱体が中央から偏る問題は回避され、発熱体による巻きタバコに対するベーキングが均一になり、発煙量は保証されている。
【0018】
一つ又は複数の実施例について対応する図面中のイメージにより例示的に説明するが、これらの例示的な説明は実施例を限定せず、図面中の同一の参照符号が付された素子は類似する素子を示し、特に言明していない限り、図面中のイメージはそれらの比例に制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来技術による左側固定ベース、固定ベース及び発熱体の部品模式図である。
図2】本願の一実施形態による低温ベーク型喫煙具の断面図である。
図3】本願の一実施形態によるヒータの平面断面図である。
図4】本願の一実施形態によるヒータのホルダの斜視断面図である。
図5】本願の一実施形態によるヒータのホルダの斜視図である。
図6】本願の一実施形態によるヒータの発熱体の斜視図である。
図7】本願の一実施形態によるヒータの第一固定ベースのある視点での斜視図である。
図8】本願の一実施形態によるヒータの第一固定ベースの別の視点での斜視図である。
図9】本願の一実施形態によるヒータの第二固定ベースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の理解を容易にするために、図面及び具体的な実施形態に合わせて本願を以下でより詳細に説明する。ある素子が別の素子に「固定」されることに言及する場合、別の素子に直接位置してもよく、あるいは、それらの間に一つ又は複数の素子を介在させてもよい。ある素子が別の素子に「接続」されることに言及する場合、別の素子に直接接続されてもよく、あるいは、それらの間に一つ又は複数の素子を介在させてもよいことは了解されたい。本明細書で使用される「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語及び類似する記述は説明のためのものに過ぎない。
【0021】
別途定義していない限り、本明細書で使用される技術と科学用語のすべては当業者が一般に理解しているものと同じ意味を有する。本願の明細書で使用される用語は具体的な実施形態を記述するためにすぎず、本願を制限するためのものではない。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は一つ又は複数の関連項目のあらゆるとすべての組合せを含む。
【0022】
図2に示されるように、本願の一実施形態による低温ベーク型喫煙具であり、当該低温ベーク型喫煙具は主にハウジング100、ヒータ200、給電ユニット300及び制御手段400を備える。
【0023】
ハウジング100はヒータ200、給電ユニット300及び制御手段400を支持して固定しながら保護するためのものである。
【0024】
図2図3に示されるように、ヒータ200は主にホルダ1、発熱体2、固定ベース3、温度センサ4、コイル6、シールリング5、及びタバコ担持具7を備える。
【0025】
図3から図5に示されるように、ホルダ1は略中空円筒状の縦長構造となり、その内部には巻きタバコ500を収容する加熱室10がある。円周方向において環状となる第一止め部11と第二止め部12は間隔をおいてホルダ1の外側に凸設され、第一止め部11はホルダ1の上端、第二止め部12はホルダ1の中心水平面以下に位置し、ホルダ1の外側に二つの係止切欠き13が設けられ、二つの係止切欠き13は対称的にホルダ1に設けられ、第二止め部12の下に位置している。ホルダ1の内側において径方向へ隔壁14が伸びており、隔壁14の上は加熱室10となり、隔壁14の中心には隔壁14の上下両側を貫通した第一貫通孔140が設けられている。ホルダ1の内側の下面と隔壁14との間に第一ガイド柱15が凸設され、この第一ガイド柱15はホルダ1の長手方向に伸びている。
【0026】
ホルダ1は導電性のなくて断熱効果の高い硬質プラスチック材から作製されたものである。ホルダ1はフェノールプラスチック、ポリウレタンプラスチック、エポキシプラスチック、不飽和ポリエステルプラスチック、フランプラスチック、有機ケイ素樹脂、アリル樹脂等及びその改質樹脂を基体とする関連プラスチックのうちの少なくとも一つから作製されたものであってもよい。
【0027】
図3図6に示されるように、発熱体2は固定部21と発熱部22とを含み、固定部21は平板状となり、その板面がホルダ1の長手方向に垂直であり、その上面が第一本体311の下面に当接している。発熱部22は固定部21の中心からホルダ1の長手方向に伸びたものであり、その外周直径が固定部21の外周直径よりも小さい。発熱部22における固定部21から離れる一端が錐状となり、発熱部22を巻きタバコ500の内部に挿入しやすくするものである。本実施形態では、発熱部22は断面が円形である棒状構造となり、その他の実施形態では、発熱部22の横断面が三角形や楕円形又は他の形状であってもよいことは理解可能であろう。
【0028】
発熱体2は強磁性材から作製されたものであり、即ち、鉄及び鉄合金、コバルト及びコバルト合金、あるいは、ニッケル及びニッケル合金から作製されたものである。発熱体2は変化する磁場にて発熱することで、巻きタバコ500を加熱しベーキングする。
【0029】
図3図7及び図8に示されるように、固定ベース3は第一固定ベース31と第二固定ベース32とを含み、第一固定ベース31は第一本体311と第一筒体312とを含み、第一本体311は略平板状となり、その中心には第一本体311の上下両側を貫通した第二貫通孔3110が設けられ、その上面に環状の封止溝3111が凹設され、この封止溝3111が第二貫通孔3110を取り囲み、第一本体311の上面が隔壁14の下面に当接している。
【0030】
第一筒体312は第一本体311の下面から下へ伸びたものである。第一筒体312の外側に第一ガイド溝3120が凹設され、この第一ガイド溝3120が第一筒体の上端から下へホルダ1の長手方向に伸びたものであり、第一ガイド柱15と嵌合している。第一固定ベース31をホルダ1に挿入する場合の案内が図られる一方、第一固定ベース31とホルダ1との間の周方向での固定が図られ、第一固定ベース31とホルダ1との間の相対的回転は回避されている。第一筒体312の内壁に第二ガイド溝3121が凹設され、この第二ガイド溝3121は第一筒体312の下端からホルダ1の長手方向に上へ伸びたものである。第一本体311と第一筒体312の大部分はホルダ1の下端に収容されている。
【0031】
図3図9に示されるように、第二固定ベース32は第二本体321と第二凸柱322とを含む。第二固定ベース32の外側に二つの係止突起3211が凸設され、この二つの係止突起3211は対称的に第二本体321に設けられ、二つの係止切欠き13とそれぞれ嵌合されることで、第二固定ベース32はホルダ1に固定接続されるようになる。第二固定ベース32の上面はホルダ1の下端面に当接し、また、第二固定ベース32の上面には環状収容溝3212が下向きに凹設され、第一筒体312の下端は環状収容溝3212内に収容されている。
【0032】
第二凸柱322は第二固定ベース32の上面の中心がホルダ1の長手方向に上へ伸びたものである。第二凸柱322の上面には収容溝3221が下向きに凹設され、第二凸柱322の上面が固定部21の下面に当接することで、固定部21は第二凸柱322と第一本体311との間に挟持されて固定されるようになる。第二凸柱322の側面に第二ガイド柱3222が凸設され、第二ガイド柱3222は第二凸柱322の上端から下へホルダ1の長手方向に伸びたものであり、第一筒体312における第二ガイド溝3121と嵌合しており、第二凸柱322を第一筒体312に挿入する場合の案内が図られる一方、第二固定ベース32と第一固定ベース31との間の周方向での固定が図られ、第二固定ベース32と第一固定ベース31との間の相対的回転は回避されている。
【0033】
第一固定ベース31と第二固定ベース32は導電性のなくて断熱効果の高い硬質プラスチック材から作製されたものである。第一固定ベース31と第二固定ベース32はフェノールプラスチック、ポリウレタンプラスチック、エポキシプラスチック、不飽和ポリエステルプラスチック、フランプラスチック、有機ケイ素樹脂、アリル樹脂等及びその改質樹脂を基体とする関連プラスチックのうちの少なくとも一つから作製されたものであってもよい。
【0034】
温度センサ4は第二凸柱322の収容溝3221内に位置し、発熱体2の固定部21の下端面に貼り合わせられ、発熱体2のリアルタイムな温度を検出するためのものである。
【0035】
シールリング5は高温に耐えるシリカゲル又はゴム材から作製された円環状のものであり、封止溝3111内に収容され、第一本体311と隔壁14を封止して、加熱室10から生じるタバコのやにが隔壁14と第二本体321との間の隙間から漏れることを回避するためのものである。
【0036】
コイル6は第一止め部11と第二止め部12との間に位置し、複数ターンを有するものであり、複数ターンのコイル6は同一の方向に沿ってホルダ1の外に巻き付けられ、例えば、時計回り又は反時計回りにホルダ1の外に巻き付けられている。ホルダ1の長手方向において、コイル6と発熱体2の発熱部22は大部分が重なり合っている。
【0037】
タバコ担持具7は加熱室10内に収容され、巻きタバコ500を担持するためのものであり、発熱体2の発熱部22が挿入するようにタバコ担持具7の下端に貫通孔が開口されている。
【0038】
図2に示されるように、給電ユニット300は充電可能な電池であり、主にヒータ200へ電気エネルギを供給するために用いられる。
【0039】
制御手段400はそれぞれ温度センサ4、給電ユニット300及びコイル6に電気的に接続されている。喫煙者がスイッチボタン(図示せず)を押した場合、給電ユニット300はコイル6と電気的に導通するようになり、制御手段400は変化する交流電流をコイル6へ流すように制御することで、発熱体2の発熱部22が誘導発熱する。温度センサ4は検出された発熱体2のリアルタイムな温度信号を制御手段400に伝送し、制御手段400はこのリアルタイムな温度信号に基づいてコイル6へ流す電流の大きさや、電流の流れ方向の切替周波数の大きさを制御する。
【0040】
ヒータ200を組み立てる場合、まず発熱体2の発熱部22を第一固定ベース31における第二貫通孔3110に挿通し、次に、温度センサ4を第二固定ベース32の収容溝3221に収容し、次に、第二凸柱322における第二ガイド柱3222を第一筒体312における第二ガイド溝3121に合わせてから、第二凸柱322を第一筒体312に挿入し、次に、発熱部22を隔壁14の第一貫通孔140に挿通し、第二固定ベース32を上へ押圧することで、第二固定ベース32における係止突起3211をホルダ1の係止切欠き13に係合させて固定し、次に、コイル6を第一止め部11と第二止め部12との間に固定し、最後に、タバコ担持具7を上端から加熱室10に置くことで、ヒータ200の組立て・固定を完了する。
【0041】
本実施形態では、固定ベース3とホルダ1を接続し、発熱体2をホルダ1に固定するように固定ベース3を発熱体2の固定部21に当接させることによって、発熱体2が中央から偏る問題は回避され、発熱体2による巻きタバコ500に対するベーキングが均一になり、発煙量は保証されている。
【0042】
本実施形態による第一固定ベース31と第二固定ベース32との連携により発熱体2を固定する構造は、電磁加熱式のヒータ200ばかりか、抵抗加熱式のヒータ200にも適用可能であることは理解可能であろう。
【0043】
本願の明細書及び図面においては本願の好適な実施例が開示されているが、本願は様々な態様で実現されてもよく、本明細書に記載の実施例に限らず、これらの実施例は本願内容に対する追加の限定ではなく、本願の開示に対する理解をより詳細かつ完全にするために提供されるものであることは了解されたい。そして、上記したそれぞれの技術的特徴をさらに組み合わせた、上記に挙げられていない様々な実施例はいずれも本願の明細書に記載の範囲に含まれ、さらには、当業者は上記説明をもとに改良や変更を行うことができ、これらの改良や変更はすべて本願に記述の請求項の保護範囲に含まれるはずである。
【符号の説明】
【0044】
100...ハウジング、200...ヒータ、1...ホルダ、10...加熱室、11...第一止め部、12...第二止め部、13...係止切欠き、14...隔壁、140...第一貫通孔、15...第一ガイド柱、2...発熱体、21...固定部、22...発熱部、3...固定ベース、31...第一固定ベース、311...第一本体、3110...第二貫通孔、3111...封止溝、312...第一筒体、3120...第一ガイド溝、3121...第二ガイド溝、32...第二固定ベース、321...第二本体、3211...係止突起、3212...環状収容溝、322...第二凸柱、3221...収容溝、3222...第二ガイド柱、4...温度センサ、5...シールリング、6...コイル、7...タバコ担持具、300...給電ユニット、400...制御手段、500...巻きタバコ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9