(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】サービス提供サーバおよびサービス提供方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230605BHJP
【FI】
G16H10/00
(21)【出願番号】P 2023016189
(22)【出願日】2023-02-06
【審査請求日】2023-02-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523080930
【氏名又は名称】株式会社100
(74)【代理人】
【識別番号】100160185
【氏名又は名称】垣内 茂晴
(72)【発明者】
【氏名】河村 博子
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-170510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーに対してがんのスクリーニング検査を実施するがん検査センターで使用されるセンター端末、前記ユーザーががんである場合にがんの確定診断を出す医療機関で使用される医療機関端末、および前記ユーザーに使用されるユーザー端末とネットワークを介して通信可能に接続され、前記ユーザーに対してがん検査サービスを提供するサービス提供サーバであって、
前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用して前記スクリーニング検査を予約すると、前記センター端末から前記ユーザーの前記スクリーニング検査の検査日を含む予約情報を受信し、前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用して前記医療機関を予約すると、前記医療機関端末から前記ユーザーの前記医療機関の受診日を含む予約情報を受信する受信部と、
前記がん検査サービスの利用プランごとに見舞金の額を示す情報を対応付けて管理する利用プラン管理テーブル
、前記ユーザーごとに前記利用プランを対応付けて管理するユーザー管理テーブル
、前記受信部により受信された前記スクリーニング検査の検査日を含む検査情報を前記ユーザーと紐づけて管理する検査管理テーブル、および、前記受信部により受信された前記医療機関の受診日を含む医療情報を前記ユーザーと紐づけて管理する医療管理テーブルを記憶する記憶部と、
前記センター端末から前記ユーザーのスクリーニング検査の結果を受信すると、前記ユーザーのスクリーニング検査の結果に基づいて前記ユーザーのがんのリスクを評価するリスク評価部と、
前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用してログインすると、前記リスク評価部により評価された前記ユーザーのがんのリスク評価の結果に基づいて前記ユーザーのがんのリスクが所定の基準値よりも高いかどうかを判定し、前記ユーザーのがんのリスクが前記所定の基準値よりも高いと判定した場合、
前記ログインしたユーザーに使用されるユーザー端
末に前記医療機関の予約を行う画面を表示させる制御部と、
前記医療機関端末から前記ユーザーががんであることを示すがんの確定診断の結果を受信した場合、
前記検査管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーの前記スクリーニング検査の検査日を取得し、
前記医療管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーの前記医療機関の受診日を取得し、前記スクリーニング検査の検査日から前記医療機関の受診日までが所定の制約期間内であるかどうかを判定し、前記スクリーニング検査の検査日から前記医療機関の受診日までが前記所定の制約期間内であると判定したとき、前記ユーザー管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーに対応付けて記憶されている前記利用プランを特定し、前記利用プラン管理テーブルを参照することにより、特定した前記利用プランに対応付けて記憶されている前記見舞金の額を示す情報を特定し、特定した前記見舞金の額を示す情報に基づいて前記見舞金の額を決定し、決定した額の見舞金を前記ユーザーに支払う見舞金処理部と
を備えるサービス提供サーバ。
【請求項2】
前記利用プランごとに前記見舞金の額を示す情報を対応付けて前記利用プラン管理テーブルに設定する設定部を備える請求項
1に記載のサービス提供サーバ。
【請求項3】
前記制御部は、前記ユーザーのがんのリスクが前記所定の基準値よりも高いと判定した場合、そのユーザーに使用されるユーザー端末に前記制約期間と前記見舞金の額を表示させたうえで、前記医療機関の予約を行う画面を表示させる請求項
1に記載のサービス提供サーバ。
【請求項4】
前記制御部は、前記ユーザーのがんのリスクが前記所定の基準値よりも高いと判定した場合、そのユーザーに使用されるユーザー端末に前記がんの治療およびフォロー体制に関する情報を表示させたうえで、前記医療機関の予約を行う画面を表示させる請求項
1に記載のサービス提供サーバ。
【請求項5】
前記制御部は、前記スクリーニング検査の検査日から前記医療機関の受診日までが前記所定の制約期間内であると判定したとき、そのユーザーに使用されるユーザー端末から前記医療機関の受診日および医療機関名を記入させるとともに、前記確定診断の結果をアップロードさせる請求項
1に記載のサービス提供サーバ。
【請求項6】
前記制御部は、前記がんのリスクが前記所定の基準値よりも高いと判定したユーザーが前記医療機関の予約を行っていない場合、そのユーザーに使用されるユーザー端末に前記医療機関への受診アラートを出す請求項
1に記載のサービス提供サーバ。
【請求項7】
前記記憶部は、前記スクリーニング検査の結果を前記ユーザーと紐づけて管理する検査管理テーブルを記憶し、
前記医療機関端末から前記ユーザーの
前記医療機関の受診日を含む予約情報を受信すると、前記検査管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーのスクリーニング検査の結果を前記医療機関端末に送信する送信部を備える請求項
1に記載のサービス提供サーバ。
【請求項8】
ユーザーに対してがんのスクリーニング検査を実施するがん検査センターで使用されるセンター端末、前記ユーザーががんである場合にがんの確定診断を出す医療機関で使用される医療機関端末、および前記ユーザーに使用されるユーザー端末とネットワークを介して通信可能に接続されたサービス提供サーバが、前記ユーザーに対してがん検査サービスを提供するサービス提供方法であって、
コンピュータが、
前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用して前記スクリーニング検査を予約すると、前記センター端末から前記ユーザーの前記スクリーニング検査の検査日を含む予約情報を受信し、前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用して前記医療機関を予約すると、前記医療機関端末から前記ユーザーの前記医療機関の受診日を含む予約情報を受信する受信ステップと、
前記がん検査サービスの利用プランごとに見舞金の額を示す情報を対応付けて管理する利用プラン管理テーブル
、前記ユーザーごとに前記利用プランを対応付けて管理するユーザー管理テーブル
、前記受信ステップで受信された前記スクリーニング検査の検査日を含む検査情報を前記ユーザーと紐づけて管理する検査管理テーブル、および、前記受信ステップで前記医療機関の受診日を含む医療情報を前記ユーザーと紐づけて管理する医療管理テーブルを記憶する記憶ステップと、
前記センター端末から前記ユーザーのスクリーニング検査の結果を受信すると、前記ユーザーのスクリーニング検査の結果に基づいて前記ユーザーのがんのリスクを評価するリスク評価ステップと、
前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用してログインすると、前記リスク評価ステップで評価された前記ユーザーのがんのリスク評価の結果に基づいて前記ユーザーのがんのリスクが所定の基準値よりも高いかどうかを判定し、前記ユーザーのがんのリスクが前記所定の基準値よりも高いと判定した場合、
前記ログインしたユーザーに使用されるユーザー端
末に前記医療機関の予約を行う画面を表示させる制御ステップと、
前記医療機関端末から前記ユーザーががんであることを示すがんの確定診断の結果を受信した場合、
前記検査管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーの前記スクリーニング検査の検査日を取得し、
前記医療管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーの前記医療機関の受診日を取得し、前記スクリーニング検査の検査日から前記医療機関の受診日までが所定の制約期間内であるかどうかを判定し、前記スクリーニング検査の検査日から前記医療機関の受診日までが前記所定の制約期間内であると判定したとき、前記ユーザー管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーに対応付けて記憶されている前記利用プランを特定し、前記利用プラン管理テーブルを参照することにより、特定した前記利用プランに対応付けて記憶されている前記見舞金の額を示す情報を特定し、特定した前記見舞金の額を示す情報に基づいて前記見舞金の額を決定し、決定した額の見舞金を前記ユーザーに支払う見舞金処理ステップと
を実行するサービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、がん検査サービスを提供するサービス提供サーバ、サービス提供方法、およびプログラムに関し、特に、乳がんを検査対象とするがん検査サービスに関する。
【背景技術】
【0002】
日本国内における乳がん検査は、ガイドラインで推奨されているマンモグラフィが主流となっている。しかし、このマンモグラフィには、検査自体に痛みが生じる、ユーザーのプライバシーの配慮が乏しい、被爆をするために2年に一度の頻度以上は推奨できない、豊胸手術をしていると受診ができない、日本人に多い高濃度乳腺の場合はがんの発見が難しいなど、さまざまな課題がある。そこで、近年では、各社がユーザー目線で検査機器を開発し、検査の手法の選択肢が広がっている(例えば、非特許文献1~5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-259557号公報
【文献】特開2014-170510号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】株式会社Lily MedTech、「COCOLY」、令和4年12月28日検索、インターネット<URL:https://www.lilymedtech.com/product/cocoly-2/>
【文献】スマートスキャン株式会社、「スマート脳ドック」、令和4年12月28日検索、インターネット<URL:https://smartdock.jp/>
【文献】株式会社レナテック、「メタロバランス検査」、令和4年12月28日検索、インターネット<URL:https://metallo-balance.net/>
【文献】株式会社サリバテック、「サリバチェッカー」、令和4年12月28日検索、インターネット<URL:https://salivatech.co.jp/>
【文献】マイクロソニック株式会社、「マンモエコー」、令和5年1月6日検索、インターネット<URL:https://www.healthcareweek.jp/exh2023/exhibitor_list/detail.cgi?reg_num=B231665752589_4371>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、日本の乳がん検査受診率は、直近(2019年)で47.4%といまだに50%未満である。これは、OECD加盟国30か国の中でも最下位である。また、乳がんによる死者は年間1.5万人にも上り、交通事故死の5.6倍にもなっている。本来、乳がんは、早期発見であれば5年生存率が90%以上と非常に治療が進歩しており、余命も長いことが特徴になっている。それにもかかわらず、がん検査の受診率が低いため、がんの進行した状態で発見され、命を落とす方が後を絶たない状態になっている。
【0006】
本発明は、がん検査の受診率を向上させることが可能なサービス提供サーバ、サービス提供方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ユーザーに対してがんのスクリーニング検査を実施するがん検査センターで使用されるセンター端末、前記ユーザーががんである場合にがんの確定診断を出す医療機関で使用される医療機関端末、および前記ユーザーに使用されるユーザー端末とネットワークを介して通信可能に接続され、前記ユーザーに対してがん検査サービスを提供するサービス提供サーバであって、前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用して前記スクリーニング検査を予約すると、前記センター端末から前記ユーザーの前記スクリーニング検査の検査日を含む予約情報を受信し、前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用して前記医療機関を予約すると、前記医療機関端末から前記ユーザーの前記医療機関の受診日を含む予約情報を受信する受信部と、前記がん検査サービスの利用プランごとに見舞金の額を示す情報を対応付けて管理する利用プラン管理テーブル、前記ユーザーごとに前記利用プランを対応付けて管理するユーザー管理テーブル、前記受信部により受信された前記スクリーニング検査の検査日を含む検査情報を前記ユーザーと紐づけて管理する検査管理テーブル、および、前記受信部により受信された前記医療機関の受診日を含む医療情報を前記ユーザーと紐づけて管理する医療管理テーブルを記憶する記憶部と、前記センター端末から前記ユーザーのスクリーニング検査の結果を受信すると、前記ユーザーのスクリーニング検査の結果に基づいて前記ユーザーのがんのリスクを評価するリスク評価部と、前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用してログインすると、前記リスク評価部により評価された前記ユーザーのがんのリスク評価の結果に基づいて前記ユーザーのがんのリスクが所定の基準値よりも高いかどうかを判定し、前記ユーザーのがんのリスクが前記所定の基準値よりも高いと判定した場合、前記ログインしたユーザーに使用されるユーザー端末に前記医療機関の予約を行う画面を表示させる制御部と、前記医療機関端末から前記ユーザーががんであることを示すがんの確定診断の結果を受信した場合、前記検査管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーの前記スクリーニング検査の検査日を取得し、前記医療管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーの前記医療機関の受診日を取得し、前記スクリーニング検査の検査日から前記医療機関の受診日までが所定の制約期間内であるかどうかを判定し、前記スクリーニング検査の検査日から前記医療機関の受診日までが前記所定の制約期間内であると判定したとき、前記ユーザー管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーに対応付けて記憶されている前記利用プランを特定し、前記利用プラン管理テーブルを参照することにより、特定した前記利用プランに対応付けて記憶されている前記見舞金の額を示す情報を特定し、特定した前記見舞金の額を示す情報に基づいて前記見舞金の額を決定し、決定した額の見舞金を前記ユーザーに支払う見舞金処理部とを備える。
【0008】
また、本発明の他の一態様は、ユーザーに対してがんのスクリーニング検査を実施するがん検査センターで使用されるセンター端末、前記ユーザーががんである場合にがんの確定診断を出す医療機関で使用される医療機関端末、および前記ユーザーに使用されるユーザー端末とネットワークを介して通信可能に接続されたサービス提供サーバが、前記ユーザーに対してがん検査サービスを提供するサービス提供方法であって、コンピュータが、前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用して前記スクリーニング検査を予約すると、前記センター端末から前記ユーザーの前記スクリーニング検査の検査日を含む予約情報を受信し、前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用して前記医療機関を予約すると、前記医療機関端末から前記ユーザーの前記医療機関の受診日を含む予約情報を受信する受信ステップと、前記がん検査サービスの利用プランごとに見舞金の額を示す情報を対応付けて管理する利用プラン管理テーブル、前記ユーザーごとに前記利用プランを対応付けて管理するユーザー管理テーブル、前記受信ステップで受信された前記スクリーニング検査の検査日を含む検査情報を前記ユーザーと紐づけて管理する検査管理テーブル、および、前記受信ステップで前記医療機関の受診日を含む医療情報を前記ユーザーと紐づけて管理する医療管理テーブルを記憶する記憶ステップと、前記センター端末から前記ユーザーのスクリーニング検査の結果を受信すると、前記ユーザーのスクリーニング検査の結果に基づいて前記ユーザーのがんのリスクを評価するリスク評価ステップと、前記ユーザーが前記ユーザー端末を使用してログインすると、前記リスク評価ステップで評価された前記ユーザーのがんのリスク評価の結果に基づいて前記ユーザーのがんのリスクが所定の基準値よりも高いかどうかを判定し、前記ユーザーのがんのリスクが前記所定の基準値よりも高いと判定した場合、前記ログインしたユーザーに使用されるユーザー端末に前記医療機関の予約を行う画面を表示させる制御ステップと、前記医療機関端末から前記ユーザーががんであることを示すがんの確定診断の結果を受信した場合、前記検査管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーの前記スクリーニング検査の検査日を取得し、前記医療管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーの前記医療機関の受診日を取得し、前記スクリーニング検査の検査日から前記医療機関の受診日までが所定の制約期間内であるかどうかを判定し、前記スクリーニング検査の検査日から前記医療機関の受診日までが前記所定の制約期間内であると判定したとき、前記ユーザー管理テーブルを参照することにより、前記ユーザーに対応付けて記憶されている前記利用プランを特定し、前記利用プラン管理テーブルを参照することにより、特定した前記利用プランに対応付けて記憶されている前記見舞金の額を示す情報を特定し、特定した前記見舞金の額を示す情報に基づいて前記見舞金の額を決定し、決定した額の見舞金を前記ユーザーに支払う見舞金処理ステップとを実行する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、がん検査の受診率を向上させることが可能なサービス提供サーバ、サービス提供方法、およびプログラムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施の形態におけるがん検査サービスの概要を示す概念図である。
【
図2】本実施の形態におけるがん検査システムのネットワーク構成図である。
【
図3】本実施の形態におけるサービス提供サーバの機能ブロック図である。
【
図4】本実施の形態における利用プラン管理テーブルの概念図である。
【
図5】本実施の形態におけるがん検査システムの基本動作を示すシーケンス図である。
【
図6】本実施の形態におけるがん検査システムの動作を示すフローチャートである。
【
図7】本実施の形態におけるがん検査システムの動作を示すフローチャートである。
【
図8】本実施の形態におけるがん検査システムの動作を示すフローチャートである。
【
図9】本実施の形態におけるがん検査システムの動作を示すフローチャートである。
【
図10】本実施の形態におけるユーザー端末の画面例を示す模式図である。
【
図11】本実施の形態におけるがん検査サービスで収益を得る仕組みを示す模式図である。
【
図12】本実施の形態におけるサービス提供サーバのハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施の形態は、あくまでも例示である。すなわち、以下に説明する実施の形態は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
【0013】
《見舞金付きのがん検査サービス》
図1は、本発明の実施の形態におけるがん検査サービス(以下、本サービス)の概要を示す概念図である。ここでは、乳がんを検査する場合を例示して説明するが、がんの種類は特に限定されるものではない。
【0014】
図1に示すように、これまでの患者フローとしては、医療機関でマンモグラフィを受け、医療機関で診断を受けるという流れが一般的である(1次ステップ)。しかし、このマンモグラフィには、検査自体に痛みが生じる、ユーザーのプライバシーの配慮が乏しい、被爆をするために2年に一度の頻度以上は推奨できない、豊胸手術をしていると受診ができない、日本人に多い高濃度乳腺の場合はがんの発見が難しいなど、さまざまな課題がある。
【0015】
そこで、本サービスでは、従来の検査機器であるマンモグラフィは使わず、新しい検査機器もしくは検査方法を使う(0次ステップ)。新しい検査機器としては、例えばCOCOLY(登録商標)を採用することができる。COCOLYは、非特許文献1に記載されるように、乳房用リング型超音波画像診断装置であり、「乳房圧迫などによる、痛みがない」「超音波なので、被曝の心配がない」「乳房を近くで見られたり、触れたりしない」などの特長がある。また、新しい検査方法としては、他の検体での検査方法(例えば、呼気、汗、涙、血液などの体液解析など)を採用することができる。
【0016】
このような次世代がん検査(New generation Cancer Test)をスクリーニング検査としてPRすることで、検査受診に対する受診ハードルを軽減する。スクリーニング検査の結果は、スマートフォンなどのユーザー端末に表示され、がんのリスクが高いユーザーに対しては医療機関の受診勧奨を行い、がん検査の受診者を増やす取り組みを行う。詳細については後述するが、例えば半年以内にがんと診断された場合はスクリーニング検査にかかる費用に応じた見舞金を支払うようになっている。また、アバターなどを活用し、オンラインで医師相談や各種専門職のメンタリングなどを行うことも可能である。
【0017】
このように、本サービスは、見舞金付きのがん検査サービスである。受診ハードルの低い次世代がん検査からスタートし、医療機関での確定診断に繋がりやすい新たな患者フローを作り出す。これにより、検査受診をためらっていた未受診者に対して、検査を受けることによる安心感を届けることができる。また、がんと診断されても早期に発見される率が上がり、乳がんでの死者の総数減少に寄与することが可能となる。
【0018】
《がん検査システム》
図2は、本発明の実施の形態におけるがん検査システムのネットワーク構成図である。ここでは、
図2に示すように、次世代がん検査センター10と、サービス提供サーバ20と、医療機関30と、ユーザー端末40とがインターネットなどのネットワークNを介して通信可能に接続されている場合を例示している。
【0019】
次世代がん検査センター10は、次世代がん検査を実施するがん検査センターであり、新しい検査機器11と、センター端末12とを備えている。新しい検査機器11は、COCOLYのような受診ハードルの低い次世代検査機器であり、「痛くないがん検査」を提供する。COCOLY以外にも、非特許文献2~5に開示されるような新しい検査機器もしくは検査方法を採用することができる。センター端末12は、次世代がん検査センター10の検査者が操作するコンピュータであり、新しい検査機器11で得られたデータやその診断結果など各種の検査情報を管理している。例えば、センター端末12は、COCOLYで撮像されたデータをAI(Artificial Intelligence)により読影する機能を備えていてもよい。AIは、クラウド上で提供されるクラウドAIであってもよい。センター端末12は、新しい検査機器11が採用する検査手法に応じて必要な解析機能を備えているものとする。
【0020】
サービス提供サーバ20は、本サービスを提供するコンピュータである。本サービスがWebサービスとして実現される場合はWebサーバ等で構成される。データベースサーバやクラウドAIと通信可能に接続され、それらの機能を利用してもよい。本サービスを利用可能とするアプリケーションプログラムがユーザー端末40にインストールされている場合、サービス提供サーバ20の機能も本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形される。
【0021】
医療機関30は、がんの確定診断を出す医療機関30であり、従来の検査機器31と、医療機関端末32とを備えている。従来の検査機器31は、マンモグラフィなどの一般的な検査機器である。医療機関端末32は、医療機関30の医療従事者が操作するコンピュータであり、マンモグラフィで撮像されたデータやその診断情報など各種の医療情報を管理している。医療機関端末32が本サービスと連携する機能を備えていてもよいことは勿論である。
【0022】
ユーザー端末40は、本サービスを利用するユーザーUが操作するスマートフォンなどのコンピュータであり、本サービスを利用可能な機能(例えばWebブラウザ)を備えている。本サービスを利用可能とするアプリケーションプログラムがインストールされていてもよい。
【0023】
図2のネットワーク構成図は、あくまでも例示である。例えば、
図2では、次世代がん検査センター10の外部にサービス提供サーバ20を描いているが、次世代がん検査センター10がサービス提供サーバ20を運営していてもよい。センター端末12とサービス提供サーバ20の機能が物理的に同じ1台のコンピュータに搭載されていてもよいし、サービス提供サーバ20の機能が物理的に異なる複数のコンピュータに分散されていてもよい。
【0024】
《次世代がん検査》
COCOLYは、非特許文献1に記載されるように乳房用リング型超音波画像診断装置である。円環状のプローブ (リングエコー)により超音波を照射し、人体内からの反射波を受信し、受信信号を処理して画像表示器に画像を表示させるため、従来の検査機器31のように放射線や高磁場によるリスクがない。受診する場所に放射線や高磁場のシールドが不要であり、受診する場所の制約がなく、ユーザーUの受診したいところで受診することができる。
【0025】
例えば、従来の検査機器31を使用した場合は、クリニックや病院、がん検査センターなどのように場所の制約が大きいが、COCOLYを使用した場合は、スポーツジムやヨガスタジオ、エステ、温泉、ショッピングモールのテナントなど、4畳ほどのスペースがあれば様々な場所で受診することができる。また、COCOLYを使用した場合は、設置型に留まらず、車両による移動型のがん検査センターを構築することもできる。さらに、COCOLYは小型であるため、従来の中型トラック以上の車両ではなく、ハイエースサイズといった通常車両のサイズでも受診が可能になる(HIACEは、トヨタ自動車株式会社の登録商標)。
【0026】
《リスク評価》
次に、がんのリスク評価の仕方について説明する。がんのリスクは所定の基準値に基づいて評価すればよく、その評価手法は様々あり特に限定されるものではない。
【0027】
例えば、新しい検査機器11としてCOCOLYを採用する場合は、あらかじめ、COCOLYなどの検査機器で撮像された乳房の画像データと、その患者が実際に医療機関で診断された結果(医療情報)との組を教師データとしてAIに学習させておいてもよい。これにより、COCOLYで撮像されたデータを学習済のAIで解析することで、そのユーザーUのがんのリスクを評価することが可能である。
【0028】
例えば、がんのリスクは、リスクA,B,C,Dの4段階に分類してもよい。本実施の形態では、がんのリスクがほとんどない場合はリスクA、がんのリスクがある場合はリスクB、がんのリスクが高い場合はリスクC、がんのリスクが非常に高い場合(腫瘤らしいものがある場合など)はリスクDとする。外部のデータベースサーバ等の臨床研究データと照らし合わせ、どのデータセットがどのリスクであるか評価するようにしてもよい。
【0029】
もちろん、AIを用いてがんのリスクを評価するのではなく、次世代がん検査センター10などの医療従事者がCOCOLYで撮像されたデータを読影し、リスクを評価することも可能である。また、COCOLY以外の検査機器や検査方法を使ってリスクを評価してもよいし、それら複数の検査機器や検査方法を組み合わせてリスクを評価してもよい。
【0030】
《次世代がん検査センターと医療機関の関係》
本実施の形態では、次世代がん検査センター10でスクリーニング検査を行い、医療機関30でがんの確定診断を出すこととしているが、次世代がん検査センター10でがんの確定診断まで出すことができる場合もある。その場合の次世代がん検査センター10は医療機関30と言うこともできる。逆に、医療機関30が新しい検査機器11を導入する場合もあり、その場合の医療機関30は次世代がん検査センター10と言うこともできる。
【0031】
いずれの場合でも、本サービスにおいて実行されるステップは、0次ステップと1次ステップの2つに大別される。0次ステップで出される結果は、将来がんになるリスクの可能性(予測情報)であるのに対して、1次ステップで出される結果は、現時点におけるがんの確定診断である。がんの確定診断とは、がんであることの確定診断であり、がんであるかないかの2択の情報と言うこともできる。もちろん、がんであることが分かった場合はそのステージも分かるのが通常である。次世代がん検査センター10と医療機関30とが単一事業者で構成されても複数事業者で構成されても、このような0次ステップで出される結果と1次ステップで出される結果の違いは変わらない。また、1次ステップの結果を受けてその前段の0次ステップにかかる費用に応じた見舞金が支払われる点も変わらない。
【0032】
《サービス提供サーバ》
図3は、本発明の実施の形態におけるサービス提供サーバ20の機能ブロック図である。
図3に示すように、サービス提供サーバ20は、本サービスを提供するコンピュータであって、機能的には、送信部21と、受信部22と、リスク評価部23と、制御部24と、見舞金処理部25と、ノベルティ管理部26と、記憶部27とを備えている。
【0033】
送信部21は、センター端末12、医療機関端末32、ユーザー端末40などの外部装置に情報を送信する機能部である。受信部22は、これらの外部装置から情報を受信する機能部である。もちろん、図示しないデータベースサーバなどと通信することも可能である。
【0034】
リスク評価部23は、スクリーニング検査の結果に基づいてがんのリスクを評価する機能部である。上記したように、がんのリスクは所定の基準値に基づいて評価するが、その評価手法は様々あり特に限定されるものではない。
【0035】
制御部24は、本サービスに関する各種の制御を行う機能部である。例えば、ユーザー端末40からHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストなどの要求を受信すると、HTMLデータなどを用いてWebページデータを生成し、ユーザー端末40に提供する。また、ユーザー端末40のアプリケーションと連携して必要な処理を行う。
【0036】
見舞金処理部25は、見舞金の支払いに関する処理を行う機能部である。例えば、所定の制約期間内に医療機関30でがんの確定診断が出された場合、そのユーザーUに対応付けて記憶されている利用プランを特定し、特定した利用プランに対応付けて設定されている算出根拠を示す情報に基づいて、スクリーニング検査にかかる費用に応じた見舞金の額(見舞金情報)を算出し、算出した額の見舞金をユーザーUに支払う。
【0037】
ここでいう「見舞金の支払い」という用語は広く解釈するものとする。すなわち、見舞金という金銭の支払いに限定されるものではなく、いわゆるキャッシュバックやポイント還元など、何らかの経済的価値を付与するものは全て「見舞金の支払い」に含まれるものとする。
【0038】
見舞金の支払い方法も特に限定されるものではない。例えば、予め登録されたネット銀行の銀行口座に見舞金処理部25がインターネットを通じて振り込んでもよいし、予め登録された実店舗の銀行口座に人が振り込んでもよい。人が振り込む場合は、見舞金処理部25が算出した見舞金情報や振込み先となる銀行口座情報を紙などに出力し、その出力情報をもとに人が振り込み操作を行ってもよい。
【0039】
ノベルティ管理部26は、本サービスの利用プランに基づいてユーザーUに配送するノベルティ商品とその配送時期を管理する機能部である。例えば、本サービスを定期受診する利用プランのユーザーUに対して、次の定期受診の時期が近づいてきたタイミングでノベルティ商品(例えばアロマグッズ)を配送する。
【0040】
記憶部27は、情報を記憶する機能部である。例えば、ユーザー管理テーブルT1と、利用プラン管理テーブルT2と、検査管理テーブルT3と、医療管理テーブルT4とを備えている。ユーザー管理テーブルT1は、ユーザーUごとに氏名、生年月日、性別、連絡先、利用プラン、銀行口座などのユーザー情報を管理するテーブルである。利用プランは、ユーザーUが利用する利用プランを示す情報である。銀行口座は、見舞金の振込先となる銀行口座の情報である。利用プラン管理テーブルT2は、本サービスの利用プランに関する情報を管理するテーブルである。検査管理テーブルT3は、スクリーニング検査の結果など、次世代がん検査センター10側で得られる各種の検査情報をユーザーUと紐づけて管理するテーブルである。医療管理テーブルT4は、確定診断の結果など、医療機関30側で得られる各種の医療情報をユーザーUと紐づけて管理するテーブルである。図示していないが、見舞金の履歴情報をユーザーUと紐づけて管理する見舞金管理テーブルを設けてもよい。例えば、ユーザーUに見舞金が支払われた場合は、その履歴情報として支払い日時、支払い金額、支払い理由(がんの種類)、見舞金種別(見舞金、キャッシュバック、ポイント還元)などが見舞金管理テーブルに記録されるようにしてもよい。その他、画像データやプログラムのデータのように、本サービスを提供するために必要な各種データが記憶されている。記憶部27に記憶された情報は、サービス提供サーバ20の各機能部によって参照できることは言うまでもない。
【0041】
設定部28は、記憶部27に各種の情報を設定(登録)する機能部である。例えば、利用プラン管理テーブルT2にがん検査費(スクリーニング検査費)、本サービスの利用料金などの料金情報を設定する。ここでいう「設定」には、既に設定された情報を変更することも含まれる。設定方法は、サービス提供サーバ20が備えるキーボードやマウスなどを用いて管理者が手動で設定する方法でもよいし、あるいは、サービス提供サーバ20にネットワークNを通じて接続された外部の装置から設定する方法でもよい。
【0042】
図3の機能ブロック図は、あくまでも例示である。例えば、サービス提供サーバ20でリスク評価を行うこととしているが、リスク評価はセンター端末12で行ってもよい。また、記憶部27に記憶されている情報は、外部のデータベースサーバに記憶されていてもよい。
【0043】
《利用プラン》
図4は、本発明の実施の形態における利用プラン管理テーブルT2の概念図である。
図4に示すように、利用プランとして、初回だけ6千円で利用できる初回限定プランのほか、所定期間単位(この例では1年単位)での契約が可能なライトプラン、ベーシックプラン、プレミアムプランなどが設定されている。また、これらの利用プランごとに「利用料金」「がん検査費」「見舞金」「オンラインドクター相談」「オンラインがんサバイバー」などを示す情報が対応付けて設定されている。
【0044】
「利用料金」は、本サービスの利用プランの料金を示す情報である。ここでは、初回限定プランの料金は6千円、ライトプランの料金は1.2万円、ベーシックプランの料金は2万円、プレミアムプランの料金は4万円、年間パスは1.5万円としている。もちろん、利用料金の額はこれに限定されるものではない。例えば、1回のがん検査費や、そのがん検査が推奨される間隔などの情報に基づいて適切な額を設定すればよい。
【0045】
「がん検査費」は、がん検査(スクリーニング検査)にかかる費用を示す情報である。「がん検査費」には、がん検査にかかる費用そのものを示す情報が設定されてもよいし、利用料金との関係性を示す情報が設定されてもよい。例えば、図中に示される丸印は、その利用料金に1回分のがん検査費が含まれていること(その利用料金でがん検査を1回受けることができること)を意味している。また、図中に示される「最大2回」の文字は、その利用料金に最大2回分のがん検査費が含まれていること(その利用料金でがん検査を最大2回受けることができること)を意味している。
【0046】
「見舞金」は、見舞金の算出根拠を示す情報である。図中に示される「ー」は、見舞金を支払わないことを意味している。「見舞金」には、見舞金の額そのものを示す情報が設定されていてもよいし、見舞金種別などの情報が設定されていてもよい。例えば、図中に示される「全額キャッシュバック」の文字は、その利用料金の全額を見舞金としてキャッシュバックすることを意味している。この場合、「利用料金」「がん検査費」及び「見舞金」の情報を算出根拠として見舞金の額を算出することができる。
【0047】
例えば、ライトプランの利用料金は通常1.2万円であるところ、記念日月(年2回登録可)にがん検査を受けた場合は半額の6千円としている。そのため、初回の利用料金を支払う際に翌年分のライトプランの利用料金を一緒に支払うなら、6千円+6千円=1.2万円となる。そして、がん検査の検査日から半年以内にがんと診断された場合、翌年分のライトプランの利用料金の全額(6千円)がキャッシュバックされる。複数年分のライトプランの利用料金をまとめて支払っている場合は、その複数年分のライトプランの利用料金の全額がキャッシュバックされてもよい(この場合、見舞金に上限を設けてもよい)。
【0048】
同様に、がん検査の検査日から半年以内にがんと診断された場合、ベーシックプランであれば3万円の見舞金が支払われ、プレミアムプランであれば10万円の見舞金が支払われる。ベーシックプランかプレミアムプランであれば、医師やがんサバイバーにオンライン相談できるサービスを付加してもよい。また、年に最大2回利用できる年間パスを設けてもよい。年間パスの回数縛り(2回)は例示であり、回数縛り無しに変更することも可能である。
【0049】
本実施の形態では、ライトプラン、ベーシックプラン、プレミアムプランであれば、いずれのプランでも、その利用料金以上の額(スクリーニング検査にかかる費用以上の額)が見舞金として支払われるようにしている。すなわち、ライトプランであれば、スクリーニング検査にかかる費用と同額の見舞金が支払われ、ベーシックプランかプレミアムプランであれば、スクリーニング検査にかかる費用を超える額の見舞金が支払われる。このようにすれば、がん検査に対する受診ハードルを大きく軽減することが可能である。
【0050】
このような利用プラン管理テーブルT2の内容は、設定部28により適宜変更することが可能である。例えば、初回限定プラン以外にも、スクリーニング検査を定期受診しない利用プランがあってもよい。この場合、定期受診しない利用プランと比較して、定期受診することを前提とした利用プランの方が、多くの額の見舞金が支払われるのが望ましい。また、定期受診することを前提とした利用プラン同士を比較した場合でも、受診期間が長い利用プランほど、受診回数が多い利用プランほど、又は受診頻度が高い利用プランほど、多くの額の見舞金が支払われるのが望ましい。このようにすれば、がん検査を定期受診する動機付けを与えることができ、その結果、経時的な体の変化をユーザー自身で把握することが可能となる。
【0051】
発明の理解のため一例を挙げる。例えば、1年以内にスクリーニング検査を2回受けることができる利用プランと、2年以内にスクリーニング検査を4回受けることができる利用プランとを比較すると、後者は「受診期間が長い利用プラン」と言える。1年以内にスクリーニング検査を2回受けることができる利用プランを1年分だけ申し込んだ場合と、1年以内にスクリーニング検査を2回受けることができる利用プランを2年分申し込んだ場合とを比較すると、後者は「受診回数が多い利用プラン」と言える。1年以内にスクリーニング検査を2回受けることができる利用プランと、1年以内にスクリーニング検査を3回受けることができる利用プランとを比較すると、後者は「受診頻度が高い利用プラン」と言える。これらはあくまでも例示であり、実際は、がん検査として適切な値が設定されることは言うまでもない。
【0052】
また、再発フォローアッププランを設けてもよい。すなわち、過去にがん治療を受けたことのあるユーザーUについては、がんの再発の兆候がないか検査することが重要である。そのため、そのようなユーザーUについては、医師やがんサバイバーにオンライン相談できるサービスを付加し、より手厚いフォローをするのが望ましい。これにより、過去にがん治療を受けたことのあるユーザーUについても、本サービスを利用することについて動機付けを与えることができ、その結果、がんの再発の兆候を早期に発見することが可能となる。
【0053】
ただし、本サービスにおいて既に見舞金を支払っているユーザーUについては、以降、がんと診断されても見舞金は支払わないこととしてもよい。あるいは、がんの手術後、所定期間を経過してもがんの再発の兆候がない場合など、がんの再発リスクが低いと評価される場合は見舞金の支払いを再開するようにしてもよい。サービス内容の変更に合わせ、利用プラン管理テーブルT2の設定も容易に変更することが可能である。
【0054】
《基本動作例》
図5は、本発明の実施の形態におけるがん検査システムの基本動作を示すシーケンス図である。ここでは、未受診者であるユーザーUがユーザー端末40を操作しながら本サービスを提供するWebサイトにアクセスした場合を想定して説明する。
【0055】
まず、ユーザー端末40から本サービスの利用開始が指示されると、サービス提供サーバ20からユーザー端末40にログイン画面が返される(ステップS1→S2)。初めて本サービスを利用する場合はユーザー登録を行う(ステップS3)。そのユーザー情報がサービス提供サーバ20に受信されると、本サービスを利用できる状態になる(ステップS4)。
【0056】
次いで、ユーザー端末40からスクリーニング検査が予約されると(ステップS5)、その予約情報がセンター端末12に通知される。センター端末12側で予約が確定すると(ステップS6)、その予約情報がサービス提供サーバ20に通知される(ステップS7)。予約が確定したことは、ユーザー端末40にも通知されるようになっている。
【0057】
その後、次世代がん検査センター10でスクリーニング検査が行われると、そのスクリーニング検査の結果がセンター端末12からサービス提供サーバ20に送信され(ステップS8→S9)、がんのリスク評価が行われると、その結果がユーザー端末40に送信される(ステップS10→S11→S12)。このとき、がんのリスクが高いユーザーUに対しては、医療機関30における従来のがん検査の受診勧奨を行い、医療機関30を予約する動機付けを与える。
【0058】
次いで、ユーザー端末40から医療機関30が予約されると(ステップS13)、その予約情報が医療機関端末32に通知される。医療機関端末32側で予約が確定すると(ステップS14)、その予約情報がサービス提供サーバ20に通知される(ステップS15)。予約が確定したことは、ユーザー端末40にも通知されるようになっている。
【0059】
ここで、スクリーニング検査の結果がサービス提供サーバ20から医療機関端末32に送信されてもよい(ステップS16→S17)。これにより、ユーザーUが医療機関30を受診したとき、スクリーニング検査の結果を診察補助資料として活用することができ、医療従事者の負担を軽減することができる。
【0060】
その後、医療機関30で確定診断が出されると、その確定診断の結果が医療機関端末32からサービス提供サーバ20に送信される(ステップS18→S19)。これにより、例えば半年以内など所定の制約期間内にがんと診断された場合は、予め設定された算出根拠に基づいて、ユーザーUに支払う見舞金の額を算出する(ステップS20→S21)。キャッシュバックやポイント還元であれば、そのキャッシュバック費用やポイント数を算出する。
【0061】
最後に、このように算出した見舞金をユーザーUに支払う(ステップS22)。例えば、ユーザーUに紐づけてネット銀行の銀行口座情報が設定されている場合は、その銀行口座にオンラインで見舞金を振り込む。
【0062】
図5のシーケンス図は、あくまでも例示である。例えば、サービス提供サーバ20でリスク評価を行うこととしているが、リスク評価はセンター端末12で行ってもよい。一部の処理(リスク評価や見舞金の支払い等)はコンピュータでなく人が実行してもよい。また、確定診断の結果が医療機関端末32からサービス提供サーバ20に送信されることとしているが、ユーザー端末40からサービス提供サーバ20に送信されてもよい。
【0063】
さらに、ここでは、本サービスがWebサービスとして実現される場合を想定して説明したが、アプリケーションとして実現されてもよい。すなわち、本サービスを利用可能とするアプリケーションプログラムがユーザー端末40にインストールされていても、同様の効果を得ることができる。その場合、ユーザー端末40がネットワークNに繋がっていない環境でも本サービスの一部の機能を利用できる可能性があることは言うまでもない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
【0064】
《がん検査予約動作例》
図6および
図7は、本発明の実施の形態におけるがん検査システムの動作を示すフローチャートである。以下、
図6および
図7を参照しながら、ユーザー端末40でがん検査を予約する際の動作について更に詳しく説明する。
【0065】
まず、ユーザー端末40にログイン画面が表示される(ステップS31)。ここで、既にユーザー登録済の場合はパスワードを入力する(ステップS32→S33)。一方、初めて本サービスを利用する場合はユーザー登録を行う(ステップS32→S34)。
【0066】
次いで、利用規約が表示され、その内容に同意したら、記念日月の設定、予約検査項目の選択、予約検査の注意事項のチェックを行う(ステップS35→S36→S37→S38→S39)。記念日月は、結婚記念日などの記念日を含む月である。予約検査項目は、乳がん、胃がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がんなど、予約する検査の項目である。
【0067】
次いで、本サービスの適用を除外することを定めた除外規定に該当する場合は、予約検査の不受理となる(ステップS40→S41)。一方、除外規定に該当しない場合は、予約場所の選択、予約日時の選択、予約プランの選択、記念日月の確認を行う(ステップS40→S42→S43→S44→S45)。予約場所は、予約する検査の場所である。スポーツジムやヨガスタジオ、エステ、温泉、ショッピングモールのテナントなどが選択肢として表示されるようにしてもよい。また、ユーザーUの住所や現在位置から近い場所が優先的に表示されるようにしてもよい。予約プランは、ライトプラン、ベーシックプラン、プレミアムプランなど、予約する利用プランである。
【0068】
なお、予約プランが選択された際(ステップS44)、検査を受けようとしているがん検査(Sステップ38)のがんと既に診断されているかどうかを判定してもよい。既にがんと診断されているかどうかは、記憶部27に記憶されている見舞金管理テーブルに基づいて判定してもよいし、医療機関30から取得可能な情報に基づいて判定してもよいし、ユーザーUに自己申告させてもよい。その結果、既にがんと診断されていることがわかった場合は、そのがんと診断されても見舞金を支払わないこととしてもよい。その場合は、見舞金が支払われないことを予めユーザーUに通知しておくのが望ましい。
【0069】
次いで、既に本サービスを利用したことがある場合は、予約内容を確認するための画面が表示される(ステップS46→S47)。ここで、予約可能でない場合は、予約検査の不受理となる(ステップS48→S49)。一方、予約可能である場合は、クレジット決済または現地支払いで検査費用を支払うと、その予約が完了したことを示す予約確認画面が表示される(ステップS48→S50→S51→S56、またはS48→S50→S52→S56)。
【0070】
同様に、初めて本サービスを利用する場合も、予約内容を確認するための画面が表示される(ステップS46→S53)。ここで、予約可能でない場合は予約検査の不受理となる(ステップS54→S55)。一方、予約可能である場合は、その予約が完了したことを示す予約確認画面が表示される(ステップS54→S56)。
【0071】
《医療機関予約動作例》
図8は、本発明の実施の形態におけるがん検査システムの動作を示すフローチャートである。以下、
図8を参照しながら、ユーザー端末40でスクリーニング検査の結果を受け取ってから医療機関30を予約する際の動作について更に詳しく説明する。
【0072】
まず、ユーザー端末40にスクリーニング検査の結果を確認するための画面が表示される(ステップS61)。スクリーニング検査の結果に基づいてがんのリスクが評価されている点は既に説明した通りである。例えば、がんのリスクレベルがAまたはBである場合、リスクレベルが低いと判定され、がんのリスクレベルがCまたはDである場合、リスクレベルが高いと判定される(ステップS62)。
【0073】
次いで、リスクレベルが高い場合、医療機関30での再検査を促す画面が表示される(ステップS64→S65)。これにより、医療機関30を予約するため、エリア、日時、医療機関30を選択すると、その予約内容を確認するための画面が表示される(ステップS66→S67)。ここで、予約可能でない場合は、予約検査の不受理となる(ステップS68→S69)。一方、予約可能である場合は、予約が完了したことを示す予約確認画面が表示される(ステップS68→S70)。
【0074】
なお、リスクレベルが低い場合でも、ユーザーUが医療機関30での再検査を希望する場合は、医療機関30を予約することができる(ステップS63→S66)。これにより、スクリーニング検査でのがんの見落としのリスクを低減することができる。
【0075】
また、リスクレベルが高い場合、医療機関30の予約を行ったかどうかを監視し、予約を行っていない場合は例えば1カ月単位で医療機関30への受診アラートを出してもよい(ステップS65→S71→S64)。このような監視はサービス提供サーバ20が行っても、ユーザー端末40のアプリケーションが行ってもよい。これにより、リスクレベルが高いユーザーUに対して定期的に訴求する等、フォローを厚くすることができる。
【0076】
《見舞金支払い動作例》
図9は、本発明の実施の形態におけるがん検査システムの動作を示すフローチャートである。以下、
図9を参照しながら、見舞金を支払う際の動作について更に詳しく説明する。ここでは、説明の都合上、見舞金・キャッシュバック・ポイント還元を区別するが、キャッシュバックやポイント還元が見舞金の一種であることは既に説明した通りである。
【0077】
まず、がんの確定診断が出た場合、サービス提供サーバ20は、制約期間以内であるかどうかを判定する(ステップS81→S82)。ここでいう「がんの確定診断」とは、検査対象のがんについての確定診断である。制約期間は特に限定されるものではなく、検査対象のがんの種類などに応じて設定する。例えば、乳がんであれば、スクリーニング検査の検査日から医療機関30の受診日(又はがんの確定診断が出た日)までが半年以内である場合、制約期間以内であると判定してもよい。スクリーニング検査の検査日はセンター端末12から取得することができ、医療機関30の受診日は医療機関端末32から取得することができる。あるいは、医療機関30の受診日は、がんの確定診断が出た場合にユーザーUが自己申告してもよい。この場合、不正な日付が申告されるおそれがあるため、後述する方法で不正チェックを行う。
【0078】
次いで、制約期間以内である場合、除外規定のプラン(初回限定プラン)であるかどうかを判定する(ステップS83)。ここで、除外規定のプランである場合、キャッシュバックなしと判定する(ステップS84)。一方、除外規定のプランでない場合、キャッシュバック又は見舞金の額を算出する。例えば、ライトプランであれば、そのプランと同額のポイント還元またはキャッシュバックするようにしてもよい(ステップS85→S86)。また、ベーシックプランまたはプレミアムプランであれば、そのプランに応じた見舞金またはポイントを支払うようにしてもよい(ステップS85→S87)。
【0079】
次いで、がんの確定診断が出たことをユーザーUが自己申告する場合、ユーザー端末40から医療機関30の受診日および医療機関名を記入させる(ステップS88)。また、ユーザー端末40のカメラ等で確定診断の結果を撮影させ、その撮影画像をサービス提供サーバ20にアップロードさせる(ステップS89)。
【0080】
これにより、撮影画像のテキスト部分を文字認識し、記入された情報と照合することで不備がないかチェックし、不備がある場合はその箇所をユーザー端末40から再記入させる(ステップS90)。再記入された情報に不備がなくなるまで同様の処理を繰り返す。このような不正チェックはサービス提供サーバ20が行っても、ユーザー端末40のアプリケーションが行ってもよい。
【0081】
なお、がんの確定診断書の画像が偽造された場合などは上記の不正チェックをすり抜ける可能性があるが、不正が発覚した場合は見舞金を支払わないことは勿論である。また、既にがんと診断されている場合に見舞金を支払わないことがある点は既に説明した通りである。
【0082】
《画面例》
図10は、本発明の実施の形態におけるユーザー端末40の画面例を示す模式図である。既に説明したように、スクリーニング検査が行われ、がんのリスク評価が行われ、その結果がユーザー端末40に送信される。その結果、ユーザー端末40の画面には、
図10(A)に示すように、検査項目、検査日時、検査場所などのがん検査情報が表示される。また、
図10(B)に示すように、がんのリスク評価の結果とその詳しい説明が表示される。グラフやチャートを用いてレポートされ、経時的変化も確認することが可能となっている。
【0083】
このとき、
図10(B)に示すように、見舞金に関する情報を表示させてもよい。サービス提供サーバ20側でスクリーニング検査の検査日や、医療機関30の受診日を管理しているため、いつまでに医療機関30を受診すれば制約期間以内となるか表示することができる。また、サービス提供サーバ20側で利用プランを管理しているため、見舞金の額を表示することもできる。図示していないが、がんと診断された場合の心理的負担を軽減するため、がんの治療およびフォロー体制に関する情報を表示させてもよい。これにより、医療機関30の予約ボタンBが押されると、
図10(C)に示すように、医療機関30を検索する画面が表示され、希望の医療機関30を予約することができる。
【0084】
以上のように、本発明の実施の形態におけるがん検査システムによれば、がんのリスクが高いと評価されたタイミングで、そのユーザーUのユーザー端末40に医療機関30の予約ボタンBを押させるための動機付けとなり得る具体的な情報を表示することが可能である。また、電話などを用いたアナログなシステムではなく、スマートフォン上でスクリーニング検査の予約から検査結果の画像やコメント、リスク判定を確認することができるため、経時的な変化もPHR(Personal Health Record)として管理することも可能である。
【0085】
《ビジネスモデル》
図11は、本サービスで収益を得る仕組みを示す模式図である。本サービスは、見舞金付きのがん検査サービスであるため、見舞金の原資を十分に確保することは重要である。
【0086】
ここでは、
図11に示すように、本サービスを運営する事業者(以下、本事業者)が主体となり、次世代がん検査センター10が乳がんを対象とするがん検査サービスを主婦などのユーザーUに提供している場合を例示している。ユーザーUからがん検査費用を得るだけでなく、自治体や医療機関30から委託・出資を受け、保険会社など多くの協賛企業から広告料を得ることができる。また、AI画像診断サービスを提供する企業、呼気、汗、血液、涙といった体液解析サービスを提供する企業、遠隔読影サービスを提供する企業など多くのパートナー企業と連携することができ、臨床心理士やがんサバイバーを通じてユーザーUにサービスを提供することもできる。COCOLYのような小型の検査機器はカフェなどにも設置することができるため、本サービスを乳がん検査カフェサロンとして運営することも可能である。
【0087】
従来、保険給付金の申請を簡単にするシステム(特許文献1)や、健康管理に関するサービスに関連付けられた見舞金制度(特許文献2)は存在するが、がん検査自体に保険的サービスを付与したものはない。がん検査の受診率を向上させることが可能な本サービスは、保険的サービス業界においてゲームチェンジャーになり得るビジネスモデルと言える。
【0088】
《ハードウェア構成例》
図12は、本発明の実施の形態におけるサービス提供サーバ20のハードウェア構成図である。サービス提供サーバ20は、がん検査サービスを提供するコンピュータであって、例えば、
図12に示すように、プロセッサ20A、メモリ20B、記憶部20C、IF(Interface)部20D、入出力部20E、読取部20Fがバス20Iを介して相互に通信可能に接続されている。プロセッサ20Aは、種々の制御や演算を行なう演算処理装置である。メモリ20Bは、種々のデータやプログラムを記憶する揮発性メモリである。記憶部20Cは、種々のデータやプログラムを記憶する不揮発性メモリである。IF部20Dは、他の端末との間の通信の制御等を行う機能部である。入出力部20Eは、データを入力する入力装置、及びデータを出力する出力装置である。読取部20Fは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録されたデータやプログラムを読み出す装置である。もちろん、サービスの内容に合わせ、その他のハードウェアを備えてもよい。実際には、クラウドのPaaS(Platform as a Service)などを活用してもよい。
【0089】
《本発明の特徴的な構成とその効果》
以上説明したように、本発明の実施の形態におけるサービス提供サーバ20は、次世代がん検査センター10で使用されるセンター端末12、医療機関30で使用される医療機関端末32、およびユーザーUに使用されるユーザー端末40とネットワークNを介して通信可能に接続され、ユーザーUに対してがん検査サービスを提供するサービス提供サーバ20であって、ユーザーUごとにがん検査サービスの利用プランを対応付けて記憶する記憶部27と、利用プランごとに見舞金の算出根拠を示す情報を対応付けて設定する設定部28と、次世代がん検査センター10でのスクリーニング検査の結果に基づいて検査対象のがんのリスクが所定の基準値よりも高いと評価された場合、そのユーザーUに使用されるユーザー端末40に医療機関30の予約を行う画面を表示させる制御部24と、所定の制約期間内に医療機関30でがんの確定診断が出された場合、そのユーザーUに対応付けて記憶されている利用プランを特定し、特定した利用プランに対応付けて設定されている算出根拠を示す情報に基づいて、スクリーニング検査にかかる費用に応じた見舞金の額を算出し、算出した額の見舞金をユーザーUに支払う見舞金処理部25とを備える。これにより、受診ハードルの低い次世代がん検査からスタートし、医療機関30での確定診断に繋がりやすい新たな患者フローを作り出すことができ、がん検査の受診率を向上させることが可能となる。利用プランごとに設定される見舞金の算出根拠に基づいて見舞金の額を算出することができるため、がん検査を定期的に受診することになる利用プランをユーザーUに選ばせやすくする効果もある。
【0090】
また、見舞金処理部25は、スクリーニング検査の受診期間が長い利用プランほど、受診回数が多い利用プランほど、又は受診頻度が高い利用プランほど、見舞金の額を大きくしてもよい。これにより、定期受診する動機付けを与えることができるため、更に、がん検査の受診率を向上させることが可能となる。
【0091】
また、制御部24は、がんのリスクが高いと評価された場合、そのユーザーUに使用されるユーザー端末40に制約期間と見舞金の額を表示させたうえで、医療機関30の予約を行う画面を表示させてもよい。これにより、がんのリスクが高いと評価されたタイミングで、医療機関30の予約ボタンBを押させる動機付けを与えることができるため、更に、がん検査の受診率を向上させることが可能となる。
【0092】
また、制御部24は、がんのリスクが高いと評価された場合、そのユーザーUに使用されるユーザー端末40にがんの治療およびフォロー体制に関する情報を表示させたうえで、医療機関30の予約を行う画面を表示させてもよい。これにより、がんのリスクが高いと評価されたタイミングで、医療機関30の予約ボタンBを押させる動機付けを与えることができるため、更に、がん検査の受診率を向上させることが可能となる。
【0093】
また、制御部24は、制約期間内にがんと診断された場合、そのユーザーUに使用されるユーザー端末40から医療機関30の受診日および医療機関名を記入させるとともに、確定診断の結果をアップロードさせてもよい。これにより、医療機関30の受診日などをユーザー端末40から自己申告させた場合でも不正チェックを行うことが可能となる。また、医療機関端末32から確定診断の結果を受信しなくて済むため、本サービスと連携していない医療機関30で確定診断の結果が出された場合でも見舞金の申請が容易である。
【0094】
また、制御部24は、がんのリスクが高いと評価されたユーザーUが医療機関30の予約を行っていない場合、そのユーザーUに使用されるユーザー端末40に医療機関30への受診アラートを出してもよい。これにより、リスクレベルが高いユーザーUに対して定期的に訴求する等、フォローを厚くすることができる。
【0095】
さらに、医療機関30の予約が行われた場合、そのユーザーUのスクリーニング検査の結果を医療機関30に送信する送信部21を備えてもよい。これにより、ユーザーUが医療機関30を受診したとき、スクリーニング検査の結果を診察補助資料として活用することができ、医療従事者の負担を軽減することができる。
【0096】
さらに、がん検査サービスの利用プランに基づいてユーザーUに配送するノベルティ商品とその配送時期を管理するノベルティ管理部26を備えてもよい。これにより、本サービスを定期受診する利用プランのユーザーUに対して、次の定期受診の時期が近づいてきたタイミングでノベルティ商品を配送すれば、定期受診を促す効果がある。
【0097】
また、本発明の実施の形態におけるサービス提供方法は、次世代がん検査センター10で使用されるセンター端末12、医療機関30で使用される医療機関端末32、およびユーザーUに使用されるユーザー端末40とネットワークNを介して通信可能に接続されたサービス提供サーバ20が、ユーザーUに対してがん検査サービスを提供するサービス提供方法であって、コンピュータが、ユーザーUごとにがん検査サービスの利用プランを対応付けて記憶するステップと、利用プランごとに見舞金の算出根拠を示す情報を対応付けて設定するステップと、次世代がん検査センター10でのスクリーニング検査の結果に基づいて検査対象のがんのリスクが所定の基準値よりも高いと評価された場合、そのユーザーUに使用されるユーザー端末40に医療機関30の予約を行う画面を表示させるステップと、所定の制約期間内に医療機関30でがんの確定診断が出された場合、そのユーザーUに対応付けて記憶されている利用プランを特定し、特定した利用プランに対応付けて設定されている算出根拠を示す情報に基づいて、スクリーニング検査にかかる費用に応じた見舞金の額を算出し、算出した額の見舞金をユーザーUに支払うステップとを実行する。これにより、がん検査の受診率を向上させることが可能なサービス提供方法を実現できる。
【0098】
また、本発明の実施の形態におけるプログラムは、がん検査サービスを受けるためのプログラムであって、コンピュータに、がん検査サービスの利用プランを選択するステップと、次世代がん検査センター10でのスクリーニング検査を予約するステップと、スクリーニング検査の結果に基づいて評価された検査対象のがんのリスクが所定の基準値よりも高いと評価された場合、医療機関30を予約するステップと、所定の制約期間内に医療機関30でがんの確定診断が出された場合、スクリーニング検査にかかる費用に応じた見舞金の額を表示するステップとを実行させる。このようなアプリケーションプログラムをコンピュータにインストールすれば、上記実施の形態におけるユーザー端末40として機能させることが可能である。
【0099】
なお、ここでは、乳がん等のがんを検査する場合を例示したが、本サービスは、がん以外の疾患を検査対象としてもよい。すなわち、がん以外にも、検査の受診率を向上させることが必要なあらゆる疾患を検査対象とすることが可能である。
【0100】
[その他の実施の形態]
以上のように、本発明の実施の形態について記載したが、開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0101】
10 次世代がん検査センター
11 新しい検査機器
12 センター端末
20 サービス提供サーバ
21 送信部
22 受信部
23 リスク評価部
24 制御部
25 見舞金処理部
26 ノベルティ管理部
27 記憶部
28 設定部
30 医療機関
31 従来の検査機器
32 医療機関端末
40 ユーザー端末
B 予約ボタン
N ネットワーク
U ユーザー
【要約】
【課題】がん検査の受診率を向上させる。
【解決手段】サービス提供サーバ20は、ユーザーUごとにがん検査サービスの利用プランを対応付けて記憶する記憶部27と、利用プランごとに見舞金の算出根拠を示す情報を対応付けて設定する設定部28と、次世代がん検査センター10でのスクリーニング検査の結果に基づいて検査対象のがんのリスクが所定の基準値よりも高いと評価された場合、そのユーザーUに使用されるユーザー端末40に医療機関30の予約を行う画面を表示させる制御部24と、所定の制約期間内に医療機関30でがんの確定診断が出された場合、そのユーザーUに対応付けて記憶されている利用プランを特定し、特定した利用プランに対応付けて設定されている算出根拠を示す情報に基づいて、スクリーニング検査にかかる費用に応じた見舞金の額を算出し、算出した額の見舞金をユーザーUに支払う見舞金処理部25とを備える。
【選択図】
図3