(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
B03C 3/40 20060101AFI20230605BHJP
B03C 3/10 20060101ALI20230605BHJP
B03C 3/41 20060101ALI20230605BHJP
B03C 3/66 20060101ALI20230605BHJP
F24F 7/003 20210101ALI20230605BHJP
【FI】
B03C3/40 A
B03C3/10 A
B03C3/41 B
B03C3/66
F24F7/003 100
(21)【出願番号】P 2019064924
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2022-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】596151825
【氏名又は名称】テクシアマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 豊美
(72)【発明者】
【氏名】塚田 栄治
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 忠正
(72)【発明者】
【氏名】塚田 政栄
【審査官】谷本 怜美
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-136284(JP,A)
【文献】特開2003-126729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C 3/00-11/00
A61L 9/00- 9/22
B01J 10/00-12/02
B01J 14/00-19/32
F24F 7/003
F24F 8/192
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向にわたって、複数の突起が形成された棒状の第1電極と、
前記第1電極の径方向において前記第1電極と対向して設けられ
、前記第1電極側に突出するように放電突起が形成された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極間に電圧を印加し、前記第1電極
の前記突起と前記第2電極
の前記放電突起との間にコロナ放電を発生させる電源部と、
前記第1電極を保持するとともに、前記第1電極を保持する際に、前記第1電極の周方向における取付位置を制限しないように構成されたケースと、を備え、
前記第1電極は、接地電位とされ、前記第2電極は、前記電源部により電圧が印加される、
空気清浄機。
【請求項2】
接地電位とされた粉塵吸着ユニットを備え、
前記粉塵吸着ユニットは、前記第1電極と、前記ケースとを有し、
前記
放電突起と前記突起間で生じるコロナ放電により帯電した粉塵が前記粉塵吸着ユニットで吸着されるよう構成されている、
請求項
1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記第1電極を回転させる回転機構を備えた、
請求項1
又は2に記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記第2電極は、前記第1電極と平行に設けられた本体部と、前記本体部から前記第1電極側に突出するように設けられ、かつ軸方向に離間して設けられた複数の
前記放電突起と、を有し、
前記第1電極には、前記放電突起毎に、前記第1電極の周方向にわたって、
前記複数
の突起が形成されている、
請求項
1から3のいずれか1項に記載の空気清浄機。
【請求項5】
1つの前記放電突起に対応する前記複数の突起は、軸方向位置が異なるように形成されており、
前記第1電極の回転により前記放電突起と前記突起間で生じるコロナ放電の放電領域が変化するように構成されている、
請求項
4に記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記第2電極は、前記第1電極と平行に設けられた本体部と、前記本体部から前記第1電極側に突出するように設けられ、かつ軸方向に離間して設けられた複数の前記放電突起と、を有し、
前記第1電極には、軸方向に離間して前記複数の突起が複数箇所に形成され、かつ隣り合う前記放電突起の中間の位置に、前記複数の突起が形成されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の空気清浄機。
【請求項7】
前記第1電極は、円柱棒状に形成されている、
請求項1
から6のいずれか1項に記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、ブラシ状の電極とパイプ状の電極間に高電圧を印加することでコロナ放電を発生させ、電極間を通る空気中に含まれる粉塵をパイプ状の電極に吸着集塵する空気清浄機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の空気清浄機では、ブラシ状の電極における突起と、パイプ状の電極の曲面との間でコロナ放電が行われる。この様な曲面と間に発生するコロナ放電は、突起との間に発生するコロナ放電に比べ電極寿命が長いという長所がある。しかしこの様な曲面間に発生するコロナ放電では、放電領域が広くなるもののプラズマ密度が低くなってしまうため、粉塵の帯電量が低下し十分な集塵量が得られないおそれがあった。また、空気清浄機では、放電による電極の劣化を抑制し、寿命を向上することが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、集塵性能を向上し、長寿命化を図った空気清浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、周方向にわたって、複数の突起が形成された棒状の第1電極と、前記第1電極の径方向において前記第1電極と対向して設けられ、前記第1電極側に突出するように放電突起が形成された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極間に電圧を印加し、前記第1電極の前記突起と前記第2電極の前記放電突起との間にコロナ放電を発生させる電源部と、前記第1電極を保持するとともに、前記第1電極を保持する際に、前記第1電極の周方向における取付位置を制限しないように構成されたケースと、を備え、前記第1電極は、接地電位とされ、前記第2電極は、前記電源部により電圧が印加される、空気清浄機を提供する。
【0007】
このような空気清浄機によれば、第1電極に、第1電極の周方向にわたって、複数の突起を形成するとともに、第2電極に、第1電極側に突出するように放電突起を形成しているため、突起により放電領域を狭くプラズマ密度を高くして、粉塵の帯電量を増加させ集塵量を向上できる。また、第1電極を回転させ放電を行う突起位置を変更することで、寿命を向上できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、集塵性能を向上し、長寿命化を図った空気清浄機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る空気清浄機を示す図であり、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
【
図2】(a)は第1電極と第2電極間の放電の様子を説明する模式図であり、(b)は従来装置における第1電極と第2電極間の放電の様子を説明する模式図である。
【
図3】(a)~(c)は、空気清浄機の一変形例を示す模式図である。
【
図4】(a)は突起を設けた第1電極の斜視図、(b)は(a)の断面図、(c)は突起の形状を示す斜視図、(d)は(c)のA-A線断面図である。
【
図5】(a)~(c)は、本発明の他の実施の形態に係る空気清浄機の動作を示す模式図である。
【
図6】(a)~(c)は、本発明の他の実施の形態に係る空気清浄機の動作を示す模式図である。
【
図7】(a)~(c)は、本発明の他の実施の形態に係る空気清浄機の動作を示す模式図である。
【
図8】(a),(b)は、本発明の他の実施の形態に係る空気清浄機の動作を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る空気清浄機を示す図であり、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
図1(a),(b)に示すように、空気清浄機1は、一対の円柱棒状の第1電極2と、第1電極2の径方向において第1電極2と対向して設けられた第2電極3と、第1電極2と第2電極3間に電圧を印加し、第1電極2と第2電極3間にコロナ放電を発生させる電源部4と、を備えている。
【0012】
本実施の形態では、第1電極2は接地電位とされる。また、第2電極3には、電源部4により、高電圧が印加されている。
【0013】
また、空気清浄機1は、粉塵を吸着するための粉塵吸着ユニット5を備えている。粉塵吸着ユニット5は、第1電極2と、ケース51と、ケース51に保持された円柱棒状の複数の吸着用電極52と、を有している。第1電極2は、粉塵吸着ユニット5のケース51に保持されている。ケース51は、一対の矩形状の側板511と、側板511間に架け渡された一対の横板512とを有し、全体として矩形の枠状に形成されている。ケース51の一方の開口から、図示しないファンによって空気が送り込まれ、ケース51の他方の開口から空気が排出される。以下、空気の取り込み側を前方、空気の排出側を後方という。
図1(a)では、破線矢印にて空気の流れを表している。
【0014】
吸着用電極52は、その両端部を両側板511に保持されることで、ケース51に保持されている。ここでは、3行4列の合計12個の吸着用電極52を有する場合を示しているが、吸着用電極52の数はこれに限定されず、適宜変更可能である。ケース51及び吸着用電極52は、ステンレス等の導電性の部材からなり、接地電位とされている。
【0015】
第1電極2は、その両端部をケース51の両側壁に設けた溝に挿入されることで、ケース51に保持されている。第1電極2は、ケース51や吸着用電極52と同様にステンレス等の導電性の部材からなり、ケース51や吸着用電極52と共に接地電位とされている。本実施の形態では、2本の第1電極2を備える場合を示しているが、第1電極2の数については、これに限定されない。第1電極2は、吸着用電極52の前方に設けられる。両第1電極2と各吸着用電極52とは、互いに平行となるように配置されており、空気の流れに対して直行するように配置されている。第1電極2の詳細については、後述する。
【0016】
第2電極3は、粉塵吸着ユニット5の前方に、所定の間隔を隔てて配置されており、2本の第1電極2と対向するように設けられている。第2電極3は、両第1電極2からの距離が互いに等しくなる位置に設けられている。
【0017】
第2電極3は、第1電極2と平行に設けられた本体部31と、本体部31から第1電極2側(粉塵吸着ユニット5側)に突出するように設けられ、かつ軸方向に離間して設けられた複数の放電突起32と、を有している。
【0018】
この空気清浄機1では、電源部4により第2電極3と第1電極2間に高電圧を印加し、第2電極3と第1電極2間で生じるコロナ放電により帯電した粉塵が、粉塵吸着ユニット5の内面や吸着用電極52に吸着され除去されるように構成されている。
【0019】
(第1電極2の構成)
本実施の形態に係る空気清浄機1では、第1電極2には、第1電極2の周方向にわたって、複数の突起21が形成されている。ここでは、複数の放電突起32に対応するように、第1電極2には、放電突起32毎に、第1電極2の周方向にわたって、複数の突起21が形成されている。
【0020】
図2(a)に示すように、第1電極2が突起21を有することで、放電突起32と突起21間でコロナ放電6が生じることになり、放電領域を狭くできる。これに対して、第1電極2が突起21を有しない場合には、
図2(b)に示すように、放電突起32と第1電極2の外周面との間でコロナ放電6が生じるため、放電領域が広くなってしまう。本実施の形態のように第1電極2が突起21を有することで、放電領域を狭くプラズマ密度を高くすることが可能になり、その結果、粉塵の帯電量を増加させ集塵量を向上させることが可能になる。
【0021】
ところで、突起と突起(この場合と突起21と放電突起32)との間に発生するコロナ放電の場合、放電のプラズマ密度を高くすることができ、粉塵の帯電量がアップすることで集塵量をアップすることができるという長所があるものの、突起21が放電により損耗し電極寿命が短くなってしまうという課題があった。本実施の形態では、複数の突起21を第1電極2の周方向にわたって形成しているため、粉塵吸着ユニット5の洗浄の際等に、第1電極2を周方向に回転させて第2電極3と対向する突起21(放電に用いる突起21)の位置を変更することで、突起21の損耗を抑制し第1電極の寿命を向上できる。
【0022】
第2電極3と対向する突起21を変更するために、第1電極2は、ケース51に対して回転可能に設けられる必要がある。そのため、ケース51は、第1電極2を保持する際に、第1電極2の周方向における取付位置を制限しないように構成されていることが望ましい。例えば、粉塵吸着ユニット5の洗浄時等に第1電極2を周方向に回転させることで、放電に用いる突起21を変更させることができる。本実施の形態では、第1電極2を円柱棒状に形成しているため、第1電極2を回転させやすい。
【0023】
本実施の形態では、複数の突起21を周方向に整列して設けた突起列22を、放電突起32と同数形成し、各突起列22を放電突起32と対向する位置に形成している。ただし、これに限らず、例えば
図3(a)に示すように、軸方向において隣り合う放電突起32の中間の位置に、突起列22を設けてもよい。この場合、1つの放電突起32と2つの放電突起32との間でコロナ放電が生じるため、放電領域を広くすることができる。よって、放電突起32の数が少なく放電突起32間の距離(軸方向に沿った距離)が長い場合であっても、プラズマ密度の高い放電領域を広げて集塵性能をアップすることが可能である。
【0024】
また、
図3(b),(c)に示すように、1つの放電突起32に対して複数の突起列22を設けるようにしてもよい。
図3(b)では、1つの放電突起32に対して2列の突起列22を設けた場合、
図3(c)では、1つの放電突起32に対して3列の突起列22を設けた場合を示している。ただし、1つの放電突起32に対して多数の突起列22を設けた場合には、放電領域が広くなりすぎ、集塵性能が悪化してしまう場合があるため、突起列22の列数は集塵性能が悪化しない程度に調整する必要がある。
【0025】
(突起21の形状)
図4(a)は突起21を設けた第1電極2の斜視図、
図4(b)は
図4(a)の断面図、
図4(c)は突起21の形状を示す斜視図、
図4(d)は
図4(c)のA-A線断面図である。なお、
図4(a),(b)では、代表として1つまたは2つの突起21を示している。
【0026】
本実施の形態では、突起21は、目打ち加工工具である目打ち切刃によって形成されたスパイク状の突起からなる。突起21は、第1電極2の周方向に鈍角に立ち上がるように形成されており、第1電極2の径方向に沿う端面211を有している。目打ち切刃の加工方向から見た場合(端面211を正面から見た場合)における突起21の頂角αは、30°以上90°以下であるとよい。本実施の形態では、頂角αを60°とした。また、目打ち切刃の加工方向から見た場合(端面211を正面から見た場合)における突起21の頂部における平坦部分の幅Wは、0.0mm以上0.1mm以下であるとよい。本実施の形態では、幅Wを0.02mmとした。
【0027】
突起21の高さHは、0.05mm以上0.3mm以下であるとよい。本実施の形態では、高さHを0.2mmとした。また、第1電極2の軸方向に垂直な断面での突起21頂部での接線と、突起21の端面211と反対側の周方向端部における第1電極2の径方向とのなす角度である突起断面角度βは、15°以上45°以下であるとよい。本実施の形態では、突起断面角度βを30°とした。
【0028】
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る空気清浄機1では、第1電極2に、第1電極2の周方向にわたって、複数の突起21が形成されている。空気清浄機1によれば、突起21により放電領域を狭くプラズマ密度を高くして、粉塵の帯電量を増加させ集塵量を向上できる。また、複数の突起21を第1電極2の周方向にわたって形成することで、第1電極2を回転させ放電を行う突起21を変更することが可能になり、寿命を向上できる。
【0029】
(他の実施の形態)
上記実施の形態では言及しなかったが、第1電極2を回転させる回転機構を備えてもよい。回転機構としては、例えば、モータ等により第1電極2を回転させる機構や、ケース51内を流れる空気の流れにより第1電極2を回転させる羽根等が挙げられる。羽根を設ける場合、当該羽根は、放電に影響を与えないよう樹脂等で形成されることが望ましく、また放電に影響を与えない位置、例えば第1電極2の両端部等に設けられることが望ましい。回転機構を備えることにより、第1電極2の回転に伴って、放電に用いられる突起21が順次変更されるので、放電による突起21の損耗をより抑制することができる。
【0030】
回転機構を有する場合、各突起列22を構成する突起21の軸方向位置を異ならせることで、第1電極2の回転により放電突起32と突起21間で生じるコロナ放電6の放電領域を変化させることも可能である。例えば、
図5(a)~(c)及び
図6(a)~(c)に示すように、1つの放電突起32に対応する複数の突起21を、軸方向位置が異なるように形成してもよい。
図5,6の例では、突起列22を構成する突起21の頂点を結んだ仮想線が、第1電極2の周囲を蛇行するように突起21を設けた場合を示している。この場合、第1電極2の回転に伴って、放電に用いられる突起21が順次変更され、コロナ放電6の放電領域が、
図5(a)、
図5(b)、
図5(c)、
図6(a)、
図6(b)、
図6(c)の順に順次変化し、繰り返される。ただし、図示のものに限らず、突起21を形成する位置は適宜変更可能である。
【0031】
例えば、低コスト化のために、放電突起32の数を少なくすることが考えられるが、この場合、放電突起32間の距離(軸方向に沿った距離)が長くなるため、コロナ放電6が生じない領域(放電領域でない領域)が大きくなり、集塵性能が悪化してしまうことが考えられる。このような場合であっても、
図3の第1電極2の突起列22の軸方向の距離を広く取ることでコロナ放電6の放電領域を広くすることができる。また、
図5,6のように放電突起32と突起21間で生じるコロナ放電6の放電領域を変化させることで、プラズマ密度の高い放電領域を軸方向に周期的に変化させ広い領域をカバーすることが可能となり、集塵性能の悪化を抑制可能である。
【0032】
さらに、
図7(a)~(c)に示すように、周方向の位置毎に、突起21の数や突起21の間隔を変化させることで、コロナ放電6の放電領域を変化させてもよい。
図7(a)~(c)の例では、周方向に、1つの突起21、狭い間隔の2つの突起21、広い間隔の2つの突起21、狭い間隔の2つの突起21、を順次設けた場合を示している。この場合も、プラズマ密度の高い放電領域を周期的に変化させ広い領域をカバーすることが可能となり、集塵性能の悪化を抑制可能である。なお、突起21の数や間隔については、適宜設定可能である。
【0033】
さらにまた、
図8(a),(b)に示すように、第1電極2または第2電極2を軸方向に往復移動させる移動機構(不図示)を備え、第1電極2または第2電極3の軸方向への移動により、放電突起32と突起21間で生じるコロナ放電の放電領域が変化するように構成されていてもよい。
図8(a),(b)の例では、第1電極2を固定とし、第2電極3を軸方向に往復移動させているが、第2電極3を固定とし、第1電極2(あるいは粉塵吸着ユニット5全体)を軸方向に往復移動させるようにしてもよい。また、第1電極2と第2電極3の両方を軸方向に移動させてもよい。
【0034】
さらにまた、第1電極2と同様に、第2電極3を円柱棒状とし、第2電極3の周方向にわたって複数の突起32を設けるようにしてもよい。そして、第2電極の突起32の位置を適宜変更することができる構造としておくことで、突起32の損耗を抑制し第2電極3の寿命を向上できる。
【0035】
さらにまた、本実施例では第1電極2を円柱棒状としたが、多角柱状としてもよい。円柱棒状の場合は放電側の突起21(放電に用いる突起21)を明確に選択することができないが、多角柱状にすることで放電側の突起21(放電に用いる突起21)を明確に選択することができるというメリットがある。
【0036】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0037】
[1]棒状の第1電極(2)と、前記第1電極(2)の径方向において前記第1電極(2)と対向して設けられた第2電極(3)と、前記第1電極(2)と前記第2電極(3)間に電圧を印加し、前記第1電極(2)と前記第2電極(3)間にコロナ放電を発生させる電源部(4)と、を備え、前記第1電極(2)には、前記第1電極(2)の周方向にわたって、複数の突起(21)が形成されている、空気清浄機(1)。
【0038】
[2]前記第1電極(2)は接地電位とされ、前記第2電極(3)に、前記電源部(4)により、電圧が印加されている、[1]に記載の空気清浄機(1)。
【0039】
[3]前記第1電極(2)を保持するケース(51)を備え、前記ケース(51)は、前記第1電極(2)を保持する際に、前記第1電極(2)の周方向における取付位置を制限しないように構成されている、[1]または[2]に記載の空気清浄機(1)。
【0040】
[4]接地電位とされた粉塵吸着ユニット(5)を備え、前記粉塵吸着ユニット(5)は、前記第1電極(2)と、前記ケース(51)とを有し、前記第2電極(3)と前記突起(21)間で生じるコロナ放電により帯電した粉塵が前記粉塵吸着ユニット(5)で吸着されるよう構成されている、[3]に記載の空気清浄機(1)。
【0041】
[5]前記第1電極(2)を回転させる回転機構を備えた、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の空気清浄機(1)。
【0042】
[6]前記第2電極(3)は、前記第1電極(2)と平行に設けられた本体部(31)と、前記本体部(31)から前記第1電極(2)側に突出するように設けられ、かつ軸方向に離間して設けられた複数の放電突起(32)と、を有し、前記第1電極(2)には、前記放電突起(32)毎に、前記第1電極(2)の周方向にわたって、複数の前記突起(21)が形成されている、[5]に記載の空気清浄機(1)。
【0043】
[7]1つの前記放電突起(32)に対応する前記複数の突起(21)は、軸方向位置が異なるように形成されており、前記第1電極(2)の回転により前記放電突起(32)と前記突起(21)間で生じるコロナ放電の放電領域が変化するように構成されている、[6]に記載の空気清浄機(1)。
【0044】
[8]前記第1電極(2)は、円柱棒状に形成されている、[1]乃至[7]の何れか1項に記載の空気清浄機(1)。
に記載の空気清浄機(1)。
【0045】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…空気清浄機
2…第1電極
21…突起
22…突起列
3…第2電極
31…本体部
32…放電突起
4…電源部
5…粉塵吸着ユニット
51…ケース
511…側板
512…横板
52…吸着用電極