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  • 特許-美爪料組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】美爪料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/84 20060101AFI20230605BHJP
   A61Q 3/02 20060101ALI20230605BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20230605BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20230605BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
A61K8/84
A61Q3/02
A61K8/87
A61K8/55
A61K8/35
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018231219
(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公開番号】P2020093983
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-09-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390039734
【氏名又は名称】株式会社サクラクレパス
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100214363
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】竹岡 拓昭
(72)【発明者】
【氏名】古賀 雅浩
(72)【発明者】
【氏名】尾松 武志
【審査官】▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-176326(JP,A)
【文献】特開2003-238638(JP,A)
【文献】特開2003-226706(JP,A)
【文献】国際公開第2017/082057(WO,A1)
【文献】特開2017-203023(JP,A)
【文献】特開2016-023144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A45D29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化後の美爪料組成物の引っ張り試験による破断時の応力が15.0MPa以上、かつ引っ張り試験による破断時の歪率が95.0%以上である美爪料組成物であって、
前記美爪料組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、単官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物と、α-ヒドロキシケトン系光重合開始剤と、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤を含み、
下記要件(1)~(3);
(1)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含み、美爪料組成物は、下記(a)~(d)を含まない
(a)ロジン及び/又はロジン誘導体
(b)メタクリル酸
(c)脂肪族環状構造を有し、アクリル官能性基を2つ以上含有する化合物
(d)以下の構造を有するアクリル官能性基含有化合物
(ここで、上記化学式中、x,y,zはそれぞれ独立に0~10の整数でかつx+y+z≦25を満たすものであり、Rは炭素数が1~5のアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロアリール、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシハロアルキルから選ばれる官能基であり、R’は水素原子または炭素数が1~3のアルキル、ハロアルキルから選ばれるそれぞれ同一でも異なっていても良い官能基であり、nは1~4の整数である。)
(2)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、ポリエーテル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む、
(3)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、エステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含み、美爪料組成物は、チオール化合物と、重合禁止剤を含む、
のいずれかの要件を満たし、
前記引っ張り試験による破断時の応力は、160μmのアプリケーターを用いて基材上に美爪料組成物を塗布し、36WLED硬化性ランプで30秒の照射を2回行って得られた硬化塗膜を基材から剥離し、引張8号型ダンベル状(JIS K 6251)となるように形状を整えてサンプルとした後、引張試験機及びデジタルフォースゲージを用いて、サンプルをチャック間距離33mmで把持し、引張速度100mm/minで引張試験を3回行い、引張破断試験時の破断した瞬間の応力の平均であり、
前記引っ張り試験による破断時の歪率は、下記式;
歪み率(%)=引張距離(mm)/試験前のダンベル長さ(mm)×100
に基づいて得られたものである、
美爪料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は美爪料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
手や足の自爪に装飾を施したり、人工爪を接着してこれに装飾を施すというネイルアートの人気が高まっている。また、外力による爪の割れ・剥がれを防止するための補強や、装飾の目的で、いわゆるマニキュア、ペディキュア、スカルプチュアと呼ばれる樹脂含有の材料を爪に塗布することもなされている。
【0003】
装飾又は補強のために使用される爪装飾材料としては、ニトロセルロース系のラッカーを有機溶剤に溶解し、これに各種色調の顔料を加えたものがある。これらは、爪や人工爪に塗布した後、有機溶剤を揮発させて、光沢に優れた被膜を形成するものである。そして、この被膜はアセトン等の有機溶剤を用いて容易に拭き取ることができる。
特に最近、ウレタンアクリレート系オリゴマーとアクリル系モノマーを含むジェル状の爪被覆材料を爪に塗布し、紫外線を照射して硬化させる、ジェルネイルと呼ばれる光硬化性人工爪組成物が注目を集めている。
これらは、ラジカル重合反応により、架橋した高分子被膜を形成するため、爪から剥がれにくい強靱な被膜を形成できるとされている。
【0004】
このような光硬化性人工爪組成物として、特許文献1に記載されているように、該組成物中に紫外線の照射により重合可能な重量平均分子量3,000~50,000のポリウレタンアクリレートやモノマー成分を含有する、爪への密着性や除去性に優れた美爪料組成物は公知である。
また、特許文献2に記載されているように、ウレタンアクリレートオリゴマー及びヒドロキシエチルアクリレートを含有し、人体に安全なUVAにより短時間で十分に硬化させることができる光硬化性人工爪組成物も公知である。
特許文献3には、ネイル用の除去可能なゲル硬化性の組成物であって、ジ-[ヒドロキシエチルメタクリリック]トリメチルヘキシルジカルバメート、メタクリル酸エステル、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート及び溶剤を含有する組成物であり、さらに配合し得る成分のうちの一種としてポリウレタンアクリレートオリゴマーも例示されている。
これらの文献に加えて、特許文献4には、1分子内にラジカル重合性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物、およびチオール化合物を含有する光硬化性人工爪組成物とすることによって、光を遮蔽した室温下にて保管の問題を発生させず、硬化後においても、人工爪内に未硬化の組成物が残存しないようにすることが記載されている。
また特許文献5に記載されるように、爪からジェルネイルを除去する際の除去性を考慮して、粘着付与剤を含有させることも公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-074023号公報
【文献】特開2011-140449号公報
【文献】特開2005-289969号公報
【文献】特開2009-190995号公報
【文献】特開2018-027944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記各特許文献1~4にはジェルネイルの美爪料組成物が記載されているものの、塗り感(レベリング性)、成膜性、塗膜耐久性、塗膜強度、付着性及び塗膜の光沢性を全て十分なものとするための組成物までは知られていない。
また、特許文献5には、長期使用時の密着性を向上させるために粘着付与剤を配合させることは記載されているものの、使用期間の長短ではなく、爪に力が加わった際の塗膜の密着性については検討していない。
ジェルネイルは爪表面から順にベースコート層、カラーコート層及びトップコート層を形成するが、爪に力が加わった際に、特にベースコート層と爪表面との密着強度が劣る場合があった。そのため、本発明は、特に爪表面とベースコート層との間の密着性に優れる美爪料組成物を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の組成物からなる美爪料組成物とすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には以下の通りである。
硬化後の美爪料組成物の引っ張り試験による破断時の応力が15.0MPa以上、かつ引っ張り試験による破断時の歪率が95.0%以上である美爪料組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の美爪料組成物によれば、光硬化性のジェルネイル組成物として、その塗布後に爪に対して力が加わって、一時的に変形したときでも、爪表面に密着して、剥がれる等がないという顕著な効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例及び比較例の結果を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の美爪料組成物は、いわゆる一般のマニキュアやペディキュアのように爪の表面に被覆を行うための組成物であり、使用者自身の爪の表面を必要に応じてサンディングする等して凹凸がある表面に被覆してもよく、また必要に応じて、着色剤等を添加して下塗りして得た下塗り層の上に被覆しても良く、さらに本発明の美爪料組成物から形成してなる層の上に上塗り層を形成してもよい。また本発明の美爪料組成物自体を下塗り用、中塗り用や上塗り用の美爪料組成物とすることもできる。
ただし、爪表面と接する下塗り層として使用することが、向上した密着性を発揮させる点において好ましい。
下塗り層用として使用するときには、一般的には透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止することがある。
なお、本発明の美爪料組成物に着色剤を含有させて、ソリッドカラーやラメ調、金属光沢調、暗色や明色等多彩に着色されるカラーコート用組成物とすることもできる。
本発明の美爪料組成物を上塗り層とするときには、ベースコート層と同様に、透明又は僅かに黄色、場合により微量の紫や青の色素を配合して、経時劣化による色調の変化を防止してもよい。最上層であるため、爪表面の美観のために艶を発揮させることが必要である。いずれの層用として使用する場合であっても、硬化後少なくとも3日間、欠けたり、剥がれたりすることなく、また下層や使用者の爪に対して浮きが発生しないことが必要である。
【0011】
本発明の美爪料組成物は、硬化後の組成物の引っ張り試験による破断時の応力(最大応力)が15.0MPa以上であり、好ましくは18.0MPa以上、さらに好ましくは20.0MPa以上である。
15.0MPa未満であると、擦りにより剥離し易くなる。24.0MPa以下でも良いが、24.0MPaを超える高い応力としても良い。
また、硬化後の組成物の破断時の歪率が95.0%以上であることが必要であり、好ましくは97.0%以上、さらに好ましくは100.0%以上である。95%未満であるとテープ剥離したり、折り曲げによって剥離が生じたりする。上限としては180%とすることができ、180%を超える歪み率とすることもできる。
【0012】
以下に本発明の美爪料組成物の具体的な組成について説明する。
本発明の美爪料組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを使用することを基本としている。このようなウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、1種類のものを使用しても良く、2種類以上のものを併用しても良い。
さらに単官能及び多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物を配合することができる。
これらの成分を調製することにより、本発明の特定の物性を有する美爪料組成物を得ることができる。
【0013】
(ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー)
一般に、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを使用すると、伸縮性に優れる塗膜が得られる性質があるものの、接着性や強度に関する性質の傾向までは知られていない。
本発明にて使用できる1種以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、非芳香族系のポリカーボネート骨格、芳香族系のポリカーボネート骨格、非芳香族系のポリエステル骨格、及び芳香族系のポリエステル骨格を有するものの中から選択して使用することができるが、中でも非芳香族系のポリカーボネート骨格を有するものが好ましい。なおこれらのオリゴマーから、本発明の効果をさらに向上させるために、特定のオリゴマーを選択することもできる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を加えて、前記ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基総数の10%以上のイソシアネート基に、前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物により付加反応させて得ることができる。
なお、ここで、該イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは、イソシアネート基と反応するジオール化合物やジアミン化合物が分岐を含み炭素数5以上の炭素鎖セグメントとしてのアルキレン基、好ましくは炭素数6以上のアルキレン基を有することが必要である。
またなかでも、重量平均分子量が400~30,000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであることが好ましい。
また、重量平均分子量が400~30,000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、このようにして得られた各種の重量平均分子量(場合により一部は重量平均分子量が400未満又は30,000を超える)を有する複数種のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを合計して、全体として重量平均分子量が400~15,000としてもよい。
このような本発明において使用できるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、非芳香族系のポリカーボネート骨格を有するウレタンアクリレートオリゴマー、重量平均分子量約1.5万〔根上工業(株)製アートレジンUN-9200A〕等が挙げられる。
また、本発明の美爪料組成物において、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量としては、50~90重量%、好ましくは60~80重量%、さらに好ましくは63~75重量%である。
【0014】
(単官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物)
本発明の美爪料組成物に配合できる単官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物は、ラジカル重合性不飽和基を1分子中に1個有する化合物であり、その具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等の一価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物が挙げられる。
さらに、アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド化合物等が挙げられる。
また、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和基含有化合物;スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、α-クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレートを使用することもできる。
このような一価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物等の中でもヒドロキシエチルメタクリレートやヒドロキシプロピルメタクリレートが好ましく、本発明の美爪料組成物中に1.0~85.0重量%含有させることができ、好ましくは3.0~60.0重量%、さらに好ましくは10.0~20.0重量%である。1.0重量%未満であると使用者の爪に対する美爪料組成物の密着性が低下し、85.0重量%を超えると硬化した組成物が脆くなって、塗布後の被膜を維持することが困難になる可能性がある。
【0015】
(二官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物)
本発明の美爪料組成物に配合できる二官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物は、ラジカル重合しうる不飽和基を2つ有する化合物である。ラジカル重合しうる不飽和基は、炭素-炭素間二重結合をもつ官能基であり(重合性二重結合ともいう)、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、アリル基等である。
そして、これらの化合物を使用することにより、美爪料組成物の硬化膜の硬度を調整することができる。
【0016】
二官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物の具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
これらの二官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物のなかでも、ビスフェノールAのジメタクリレートや、下記構造式で示されるイソピリデンジフェニルビス(メタクリル酸オキシヒドロキシプロピル)等のプロポキシ化ビスフェノールAジメタクリレートを使用することが好ましい。二官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物を使用する際には、その含有量としては美爪料組成物に対して1.0~85.0重量%であり、好ましくは3.0~60.0重量%である。1.0重量%未満であると、硬化した組成物の硬度が低くなる可能性があり、85.0重量%を超えると硬化膜が脆くなって、硬化膜を維持することが困難になる可能性がある。
【0018】
[多官能のラジカル重合性アクリレート基含有化合物]
本発明の美爪料組成物に配合される多官能のラジカル重合性アクリレート基含有化合物は、ラジカル重合しうるアクリレート基を3つ以上有する化合物のことである。ラジカル重合しうるアクリレート基としては、炭素-炭素間二重結合をもつ官能基であり(重合性二重結合ともいう)、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基を挙げることができる。
そしてこれらの化合物を使用することにより、美爪料組成物の臭いを少なくし、透明であって、低刺激性であり、かつ硬化膜が適切な硬度を備えると共に、使用者の爪に対して密着性を備えることができる。
【0019】
多官能のラジカル重合性アクリレート基含有化合物の具体例としては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート化合物;その他、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトール(メタ)アクリレート等のポリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の三価以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、さらに、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン化合物や、(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ樹脂、(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル樹脂、下記のようなジエポキシ化合物の(メタ)アクリル酸アルキルエステルのジエーテル化合物等が挙げられる。
【0020】
これらの多官能のラジカル重合性アクリレート基含有化合物のなかでも、ポリペンタエリスリトール(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。多官能のラジカル重合性不飽和基含有化合物の含有量としては、美爪料組成物に対して3.0~30.0重量% であり、好ましくは3.0~20.0重量%、さらに好ましくは3.0~15.0重量%である。
このような多官能のラジカル重合性アクリレート基含有化合物を含有させることによって、アクリロイル当量が大きくなり、その結果、紫外線を照射することによる硬化速度が速くなるので、顔料を含有する美爪料組成物であっても、十分に硬化させることができる。3.0重量%未満であると、硬化した組成物の硬度が低くなる可能性があり、30.0重量%を超えると硬化膜が脆くなって、硬化膜を維持することが困難になる。
【0021】
[光重合開始剤]
本発明にて使用される光重合開始剤は、α-ヒドロキシケトン系光重合開始剤5.0重量%以上と、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤2.5重量%以上となるように併用してなることが好ましい。これらの光重合開始剤を所定量含有することによって、強度が弱い紫外線であっても十分に硬い硬度にまで硬化させることができる。
そのような光重合開始剤として、ベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、アシッドエステル類、α-アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、チタノセン類も併用することができる。
具体的には、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド(LUCIRIN TPO)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、ビス(2,4,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-(1-メチルビニル)フェニル)プロパノン)、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルスルフィド、1,2-オクタンジオン、1-(4-(フェニルチオ)-2,2-(O-ベンゾイルオキシム))1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、及び1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IRGACURE184)、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン、ベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノンなどが好適に用いられる。なかでも、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドや1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンが好ましい。これらの光重合開始剤は、染料、顔料や重合性化合物の光吸収によってもラジカル生成反応が阻害されず、またラジカル発生効率が高く、美爪料組成物の硬化性を高めることができる点で好ましい。
これらの光重合開始剤は本発明の人工爪組成物中0.5~20.0重量%、好ましくは0.5~15.0重量%、さらに好ましくは5.0~15.0重量%となるように配合することができる。20.0重量%を超えると、過剰な量のラジカルが発生することになるので、ラジカル重合反応が多くの開始点からなされ、その結果、硬化後のポリマーの分子量が小さくなって硬化膜が脆くなり、膜を維持できない可能性がある。また、0.5重量%未満であると十分な量のラジカルが発生できないので、ラジカル重合反応が長時間に及ぶこととなり、硬化不良となる可能性が高い。
【0022】
[チオール化合物]
本発明の美爪料組成物には、架橋剤として、チオール化合物を含有させることができる。そのようなチオール化合物としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びジペンタエリスリトールが本来有する水酸基に、チオール基又は反応してチオール基になる基を有する化合物が反応して得たものが好ましい。
このようなチオール化合物としては、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
このような多官能チオール化合物を含有させることによって、美爪料組成物の粘度を調節することに加え、硬化した美爪料組成物を拭き取って除去する際の拭き取り性を向上させることができる。
本発明の美爪料組成物において、多官能チオール化合物を全美爪料組成物中に含有させる場合には、好ましくは1.0~50.0重量%、さらに好ましくは1.0~25.0重量%、より好ましくは1.0~10.0重量%となるように含有させることができる。50.0重量%よりも多く含有すると、貯蔵安定性が悪化する可能性があり、さらに硬化時の硬化速度が速すぎて、爪表面への塗布や硬化時の取り扱いが困難になる可能性がある。多官能チオール化合物の含有量が1.0重量%よりも少ないと、硬化速度が低下して、硬化後においても未硬化成分を含有する可能性がある。
【0023】
[重合禁止剤]
本発明の美爪料組成物に含有させることができる重合禁止剤としては、キノン化合物、サリチル酸ヒドラジド、トコフェロール化合物がある。
これらの重合禁止剤は本発明の美爪料組成物中500~5000ppm、好ましくは1000~4500ppmとなるように配合することができる。5000ppmを超えると、光重合時における反応性が悪化し、500ppm未満であると、硬化された美爪料組成物の退色・変色が発生しやすくなる。
【0024】
[その他成分]
本発明の美爪料組成物には、粘度や使用性、塗膜の耐久性などに悪影響を与えない範囲で各種の添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、香料、ポリオール類、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、充填剤、表面張力調整剤、重合禁止剤、難燃剤、酸化防止剤、イオン吸着体、顔料や染料等の着色剤、低応力化剤、防腐剤、抗菌剤、可撓性付与剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤、レベリング剤、濡れ改良剤等の、これまでにエポキシ樹脂組成物に慣用されている各種の添加剤を配合することができる。
【0025】
上記のポリオール類には、希釈剤としての機能に加えて本発明の美爪料組成物において接着性を向上させる働きもある。例えばアルキルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、フェノリックポリオール等が挙げられる。中でも、アルキルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールが好ましく、特にポリエーテルポリオールが好ましい。接着性を向上させるために用いるときは、ポリオール類を除いたその他のエポキシ樹脂成分100重量部に対してポリオール類を0.1~40重量部、好ましくは2~15重量部で配合する。
【0026】
アルキルポリオールとしては、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0027】
ポリエステルポリオールとしては、縮合型ポリエステルポリオール、付加重合ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。縮合型ポリエステルポリオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,4-ヘキサンジメタノール、ダイマー酸ジオール、ポリエチレングリコール等のジオール化合物と、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸等の有機多塩基酸との縮合反応によって得られ、分子量は100~100,000が好ましい。付加重合ポリエステルポリオールとしては、ポリカプロラクトンが挙げられ、分子量は100~100,000が好ましい。ポリカーボネートポリオールはポリオールの直接ホスゲン化、ジフェニルカーボネートによるエステル交換法などによって合成され、分子量は100~100,000が好ましい。
【0028】
着色剤としては公知の顔料、光輝材、染料を使用することができ、特に爪被覆用として使用されている無機顔料、光輝材有機顔料や染料を使用することができる。また、これらの着色剤を添加しない場合や透明となる程度の量、若しくは染料を添加することにより透明性がある美爪料組成物とすることもできる。また、硬化前の美爪料組成物には、顔料等のみではなく樹脂粒子や、公知の美爪料組成物に配合できる装飾用材料等を配合しておくことも可能である。
使用できる顔料及び染料の種類、及びそれらの含有量としては、紫外線の照射による硬化を阻害しない程度のものとすることが必要である。
【0029】
(美爪料組成物を用いた爪への被覆方法)
本発明の美爪料組成物は、使用者自身の爪の表面にサンディングを施すことなく、よって爪表面に凹凸を形成させる必要がないときには、公知の紫外線硬化型の美爪料組成物と同様の方法により爪表面に塗布することができる。またサンディングを施しても良い。
そして、本発明の美爪料組成物は筆等の塗布具によって十分に塗布することができる程度の粘度を有すればよい。もちろん、爪表面に本発明の美爪料組成物を塗布後、硬化前に小さな飾りや粉体等を被膜表面に付着させることも可能である。
また、シートの片面に本発明の未硬化の美爪料組成物からなり、かつ爪の形状を有する層を設けておき、この層を爪表面に重ねるようにして付着させ、この美爪料組成物からなる層からシートを剥離するか又は剥離せずに、紫外線を照射して硬化することもできる。このようなシート表面に予め美爪料組成物からなる層を設けておけば、使用時に筆等の塗布具を使用することなく、爪の表面に均一かつ正確な模様を被覆することが可能である。そして使用後においても該塗布具を洗浄等する必要がない。
被覆される爪は、人の手の爪と足の爪のいずれでもよく、犬や猫などの動物の爪でも良い。
塗布後の美爪料組成物の硬化に関しても公知の紫外線硬化用の装置を用いて行うことができる。含有される化合物や顔料等の成分によって、硬化に必要な照射エネルギーは異なるものの、その光照射による照射エネルギー(積算光量)は、5mJ/cm以上1000mJ/cm以下であるのが好ましく、10mJ/cm以上800mJ/cm以下であるのがより好ましい。照射エネルギーがこの範囲内であれば、十分な密着性及び耐擦性を有するネイルアートが得られる。
光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV-LED)、紫外線レーザーダイオード(UV-LD)等の公知の紫外線の光源を用いることができる。
その中でも、小型、高寿命、高効率、低コストの観点から、紫外線発光ダイオード(UV-LED)及び紫外線レーザーダイオード(UV-LD)が好ましい。
【実施例
【0030】
以下の表1に実施例及び比較例にて使用した組成を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
オリゴマー1:UN-6305
オリゴマー2:UN-9200A
オリゴマー3:UN-6304
オリゴマー4:UN-353
オリゴマー5:UN-6303
オリゴマー6:UN-333
オリゴマー7:UN-352
全て根上工業(株)製
【0034】
IBXA:イソボルニルアクリレート
OMNIRAD184:1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン
IRGACURE TPO:OMNIRAD TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
カレンズMT PE-1:チオール化合物(ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)
ステアラーTOC:重合禁止剤(α-トコフェロールを主成分とする)
【0035】
(テープ剥離試験(クロスカット後の評価))
ナイロン板(縦500mm、横1000mm、厚さ1mm)に美爪料組成物を塗布し、硬化した後に、カッターにより2mm四方となるように25個の正方形からなる碁盤目状に切れ目を入れる。この表面に対してテープを貼り、一定荷重(500g)で10回圧着した。貼ったテープを45度の角度で硬化した美爪料組成物の塗膜から剥離した。剥離後の基板上に残った碁盤目の個数を数えた。
1:残った碁盤目の数が0~5個
2:残った碁盤目の数が6~11個
3:残った碁盤目の数が12~17個
4:残った碁盤目の数が18~24個
5:残った碁盤目の数が25個
【0036】
(こすり剥離試験)
上記ナイロン板と同じサイズのナイロン板に美爪料組成物を塗布し、硬化した後に、カッターにより2mmおきに6本の平行の切れ目を入れる。ゴム手袋を着用した手で切れ目の端部を軽く擦り、剥離の状況を確認した。
1:剥離有り
5:剥離無し
【0037】
(折り曲げ試験)
上記ナイロン板と同じサイズのナイロン板に美爪料組成物を塗布し、硬化した後に、カッターにより2mm四方となるように碁盤目状に切れ目を入れる。その後、塗膜面側が外面になるように、基板を丸めた。
折り曲げにより形成された山折り部の碁盤目の剥離挙動を確認した。
1:割れが生じた。
3:浮きが生じた。
5:割れも浮きも生じなかった。
【0038】
(応力(破断応力))
引っ張り試験のためのサンプルを以下の方法により作成した。
実施例及び比較例の美爪料組成物を160μmのアプリケーターを用いて基材上に塗布した。これを露光機(AKZENTZ(アクセンツ)ハイブリッドプロLED硬化性ランプ(36W/タイマー付))で30秒の照射を2回行った。表面の未硬化部の拭き取りは行わなかった。
このようにして硬化させた美爪料組成物を基材から剥離し、引張8号形ダンベル状(JIS K 6251)となるように形状を整えてサンプルとした。
引っ張り試験機((株)イマダ製縦型電動計測スタンド(EMX)-1000N)とデジタルフォースゲージ((株)イマダ製ZTAシリーズ(100N))を用い、サンプルをチャック間距離33mmで把持し、引張速度100mm/minで引っ張り試験を3回行った。引っ張り試験時の破断した瞬間の応力を破断応力とした。
【0039】
(歪率及び最大歪率)
上記応力及び破断応力の試験結果を解析して、歪率及び最大歪率を求めた。
(歪率(%)=引っ張り距離(mm)/試験前のダンベル長さ(mm)×100)
通常は最大歪み率と破断時の歪み率は同じである。
【0040】
【表3】
【0041】
表3及び図1によれば、実施例1-3の結果、テープ剥離試験、こすり剥離試験及び折り曲げ試験の結果が良好であり、破断応力と最大歪率のバランス、さらに密着性が良好であった。
これに対して、最大歪率が低い比較例1、4~6によればテープ剥離試験の結果が不十分であり、十分な接着性を有しない。また破断応力が低い比較例2及び3によっても、こすり剥離試験でみた基材への接着力は低いものであった。そのため、硬化後の破断時の応力と歪率が高い美爪料組成物はより接着性に優れるといえる。
図1