(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】緩衝材包装方法と緩衝材包装装置
(51)【国際特許分類】
B65B 11/10 20060101AFI20230605BHJP
B65B 53/02 20060101ALI20230605BHJP
B65B 53/00 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
B65B11/10
B65B53/02 D
B65B53/00 N
(21)【出願番号】P 2019037583
(22)【出願日】2019-03-01
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000135575
【氏名又は名称】株式会社ハナガタ
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】花方 敏之
(72)【発明者】
【氏名】花方 淳
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-231230(JP,A)
【文献】実開平04-113960(JP,U)
【文献】特開2014-213872(JP,A)
【文献】特開平07-329912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B11/00-11/58
B65B49/00-49/16
B65B53/00-55/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の緩衝材で被包装物を包む緩衝材包装方法であって、前記被包装物を搬入する第1搬入コンベアと、前記第1搬入コンベアの下流側に近接する第2搬入コンベアと、前記第2搬入コンベアの下流側に近接する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの下流側に近接する搬出コンベアが、同一平面上を同一方向に前記被包装物を搬送可能に設けられ、
前記第1搬入コンベアの下方には、シート状の前記緩衝材を、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベアとの間に向けて供給する緩衝材供給装置が設けられ、
前記第2搬入コンベアの下方には、熱収縮
性フィルムを、前記第2搬入コンベアと前記搬送コンベアとの間に向けて供給する熱収縮
性フィルム供給装置が設けられ、
前記搬送コンベアの周囲には、前記緩衝材を内側にして前記被包装物に、前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを巻き付けるフィルム巻回装置が設けられ、
前記搬出コンベアの下流側には、前記被包装物を包装した前記熱収縮
性フィルムを加熱して収縮させる加熱装置が設けられた緩衝材包装装置を用いて、
前記被包装物を、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベア、前記搬送コンベア、及び前記搬出コンベアで順次搬送し、シート状の前記緩衝材を内側にして、前記被包装物に前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを巻き付け、前記熱収縮性フィルムを前記加熱装置により加熱して収縮させ、前記緩衝材を介して前記被包装物を前記熱収縮性フィルムでシュリンク包装
する緩衝材包装方法において、
前記緩衝材供給装置により、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベアとの間から前記第2搬入コンベア上に前記緩衝材を供給し、前記緩衝材を前記第2搬入コンベアと前記被包装物の間に挟んだ状態で、前記被包装物と前記緩衝材を前記第2搬入コンベアにより搬送し、
前記熱収縮性フィルム供給装置により、前記第2搬入コンベアと前記搬送コンベアとの間から前記搬送コンベア上に前記熱収縮性フィルムを供給し、前記熱収縮性フィルムを前記緩衝材の下にして、前記熱収縮性フィルムと前記緩衝材を前記搬送コンベアと前記被包装物の間に挟んだ状態で、前記被包装物と前記熱収縮性フィルムと前記緩衝材を前記搬送コンベアにより搬送し、
前記搬送コンベアの周囲に設けられた前記フィルム巻回装置により、前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを前記被包装物と前記搬送コンベアの間に挟んだ状態で、前記緩衝材を内側にして前記被包装物に前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを巻き付け、
前記被包装物を前記搬送コンベアから前記搬出コンベアを経て
前記加熱装置に送り、前記緩衝材を内側にして前記熱収縮性フィルムで前記被包装物を包んで前記熱収縮性フィルムを加熱し収縮させることを特徴とする緩衝材包装方法。
【請求項2】
前記被包装物の一部が前記緩衝材で覆われた状態で、前記熱収縮性フィルムにより前記被包装物をシュリンク包装する請求項1記載の緩衝材包装方法。
【請求項3】
シート状の緩衝材で被包装物を包む緩衝材包装装置であって、
前記被包装物を搬入する第1搬入コンベアと、前記第1搬入コンベアの下流側に近接する第2搬入コンベアと、前記第2搬入コンベアの下流側に近接する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの下流側に近接する搬出コンベアが、同一平面上を同一方向に前記被包装物を搬送可能に設けられ、
前記第1搬入コンベアの下方には、シート状の前記緩衝材を、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベアとの間
から前記第2搬入コンベア上に向けて供給する緩衝材供給装置が設けられ、
前記第2搬入コンベアと前記緩衝材供給装置は、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベアとの間から前記第2搬入コンベア上に供給された前記緩衝材を、前記第1搬入コンベアから送られた前記被包装物と前記第2搬入コンベアとの間に挟んだ状態で、前記被包装物とともに前記第2搬入コンベアで搬送可能に設けられ、
前記第2搬入コンベアの下方には、熱収縮
性フィルムを、前記第2搬入コンベアと前記搬送コンベアとの間
から前記搬送コンベア上に向けて供給する熱収縮
性フィルム供給装置が設けられ、
前記搬送コンベアと熱収縮性フィルム供給装置は、前記第2搬入コンベアと前記搬送コンベアとの間から前記搬送コンベア上に供給された前記熱収縮性フィルムを、前記熱収縮性フィルムを前記緩衝材の下にして、前記第2搬入コンベアから送られた前記被包装物と前記搬送コンベアとの間に挟んだ状態で、前記被包装物と前記熱収縮性フィルムと前記緩衝材を搬送可能に設けられ、
前記搬送コンベアの周囲には、
前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを前記被包装物と前記搬送コンベアの間に挟んだ状態で、前記緩衝材を内側にして前記被包装物に前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを巻き付けるフィルム巻回装置が設けられ、
前記搬出コンベアの下流側には、前記被包装物を包装した前記熱収縮性フィルムを加熱して収縮させる加熱装置が設けられ、
前記被包装物を、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベア、前記搬送コンベア、及び前記搬出コンベアで順次搬送し、
前記緩衝材供給装置から供給されるシート状の前記緩衝材を介して
前記熱収縮性フィルム供給装置から供給される前記熱収縮性フィルムで
包み、前記加熱装置でシュリンク包装可能に設けられたことを特徴とする緩衝材包装装置。
【請求項4】
前記緩衝材供給装置は、前記緩衝材が巻き取られた緩衝材ロールから前記緩衝材を引き出して供給する送り装置と、前記緩衝材ロールから引き出された前記緩衝材を所定の長さでカットするカッターとを有し、
前記熱収縮性フィルム供給装置は、前記熱収縮性フィルムが巻き取られたフィルムロールから前記熱収縮性フィルムを引き出して供給する供給装置と、前記フィルムロールから引き出された前記熱収縮性フィルムを所定の長さでカットするカッターとを有し、
前記フィルム巻回装置は、前記被包装物の周囲を回動して、前記熱収縮性フィルムを前記被包装物に巻き付ける巻付け棒を備える請求項3記載の緩衝材包装装置。
【請求項5】
前記フィルム巻回装置は搬送コンベアを囲むように設けられた回動装置を備え、前記回動装置に前記巻き付け棒が設けられ、前記搬送コンベア上の前記被包装物の外側を前記巻き付け棒が回動して、前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを前記被包装物に巻き付ける請求項4記載の緩衝材包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート状の気泡緩衝材や発泡シート等を用いて自動的に商品を包装する緩衝材包装方法と緩衝材包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば瓶等の割れ物を包装する包装材料として、多数の気泡をフィルム内に密閉した気泡緩衝材が多く用いられている。この気泡緩衝材は、
図10に示すように、フィルムの表面に縦横に形成された気泡の厚み分とその弾力性により、高い緩衝機能を有する。このような気泡緩衝材を用いた包装を自動化した包装装置として、本願出願人による特許文献1に開示されている包装装置等がある。
【0003】
特許文献1に開示された包装装置は、熱可塑性フィルムを用いて、開口縁部を溶断溶着して包装するものである。さらに、気泡緩衝材を構成するフィルムを、熱収縮性フィルムにより構成して、気泡緩衝材で包んだ商品をヒートトンネルに送り、シュリンク包装を可能にした装置もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術の、熱収縮性フィルムの気泡緩衝材を用いてシュリンク包装した場合、包装したフィルムの熱収縮により、気泡が小さくなり、緩衝効果が低下するという問題があった。さらに、熱収縮時に気泡包装材がきれいに収縮せずに、外観が良くない状態に包装される場合もある。
【0006】
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、シート状の緩衝材により緩衝機能を持たせて、熱収縮性フィルムによる被包装物のシュリンク包装を可能にする緩衝材包装方法と緩衝材包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、シート状の緩衝材で被包装物を包む緩衝材包装方法であって、前記被包装物を搬入する第1搬入コンベアと、前記第1搬入コンベアの下流側に近接する第2搬入コンベアと、前記第2搬入コンベアの下流側に近接する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの下流側に近接する搬出コンベアが、同一平面上を同一方向に前記被包装物を搬送可能に設けられ、前記第1搬入コンベアの下方には、シート状の前記緩衝材を、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベアとの間に向けて供給する緩衝材供給装置が設けられ、前記第2搬入コンベアの下方には、熱収縮性フィルムを、前記第2搬入コンベアと前記搬送コンベアとの間に向けて供給する熱収縮性フィルム供給装置が設けられ、前記搬送コンベアの周囲には、前記緩衝材を内側にして前記被包装物に、前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを巻き付けるフィルム巻回装置が設けられ、前記搬出コンベアの下流側には、前記被包装物を包装した前記熱収縮性フィルムを加熱して収縮させる加熱装置が設けられた緩衝材包装装置を用いて、前記被包装物を、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベア、前記搬送コンベア、及び前記搬出コンベアで順次搬送し、シート状の前記緩衝材を内側にして、前記被包装物に前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを巻き付け、前記熱収縮性フィルムを前記加熱装置により加熱して収縮させ、前記緩衝材を介して前記被包装物を前記熱収縮性フィルムでシュリンク包装する緩衝材包装方法であり、前記緩衝材供給装置により、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベアとの間から前記第2搬入コンベア上に前記緩衝材を供給し、前記緩衝材を前記第2搬入コンベアと前記被包装物の間に挟んだ状態で、前記被包装物と前記緩衝材を前記第2搬入コンベアにより搬送し、前記熱収縮性フィルム供給装置により、前記第2搬入コンベアと前記搬送コンベアとの間から前記搬送コンベア上に前記熱収縮性フィルムを供給し、前記熱収縮性フィルムを前記緩衝材の下にして、前記熱収縮性フィルムと前記緩衝材を前記搬送コンベアと前記被包装物の間に挟んだ状態で、前記被包装物と前記熱収縮性フィルムと前記緩衝材を前記搬送コンベアにより搬送し、前記搬送コンベアの周囲に設けられた前記フィルム巻回装置により、前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを前記被包装物と前記搬送コンベアの間に挟んだ状態で、前記緩衝材を内側にして前記被包装物に前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを巻き付け、前記被包装物を前記搬送コンベアから前記搬出コンベアを経て前記加熱装置に送り、前記緩衝材を内側にして前記熱収縮性フィルムで前記被包装物を包んで前記熱収縮性フィルムを加熱し収縮させるものである。
【0008】
前記被包装物の一部が前記緩衝材で覆われた状態で、前記熱収縮性フィルムにより前記被包装物をシュリンク包装しても良い。
【0009】
またこの発明は、シート状の緩衝材で被包装物を包む緩衝材包装装置であって、前記被包装物を搬入する第1搬入コンベアと、前記第1搬入コンベアの下流側に近接する第2搬入コンベアと、前記第2搬入コンベアの下流側に近接する搬送コンベアと、前記搬送コンベアの下流側に近接する搬出コンベアが、同一平面上を同一方向に前記被包装物を搬送可能に設けられ、前記第1搬入コンベアの下方には、シート状の前記緩衝材を、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベアとの間から前記第2搬入コンベア上に向けて供給する熱収縮性フィルム供給装置が設けられ、前記第2搬入コンベアと前記緩衝材供給装置は、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベアとの間から前記第2搬入コンベア上に供給された前記緩衝材を、前記第1搬入コンベアから送られた前記被包装物と前記第2搬入コンベアとの間に挟んだ状態で、前記被包装物とともに前記第2搬入コンベアで搬送可能に設けられ、前記第2搬入コンベアの下方には、熱収縮性フィルムを、前記第2搬入コンベアと前記搬送コンベアとの間から前記搬送コンベア上に向けて供給する熱収縮性フィルム供給装置が設けられ、前記搬送コンベアと熱収縮性フィルム供給装置は、前記第2搬入コンベアと前記搬送コンベアとの間から前記搬送コンベア上に供給された前記熱収縮性フィルムを、前記熱収縮性フィルムを前記緩衝材の下にして、前記第2搬入コンベアから送られた前記被包装物と前記搬送コンベアとの間に挟んだ状態で、前記被包装物と前記熱収縮性フィルムと前記緩衝材を搬送可能に設けられ、前記搬送コンベアの周囲には、前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを前記被包装物と前記搬送コンベアの間に挟んだ状態で、前記緩衝材を内側にして前記被包装物に、前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを巻き付けるフィルム巻回装置が設けられ、前記搬出コンベアの下流側には、前記被包装物を包装した前記熱収縮性フィルムを加熱して収縮させる加熱装置が設けられ、前記被包装物を、前記第1搬入コンベアと前記第2搬入コンベア、前記搬送コンベア、及び前記搬出コンベアで順次搬送し、前記緩衝材供給装置から供給されるシート状の前記緩衝材を介して前記熱収縮性フィルム供給装置から供給される前記熱収縮性フィルムで包み、前記加熱装置でシュリンク包装可能に設けられた緩衝材包装装置である。
【0010】
前記緩衝材供給装置は、前記緩衝材が巻き取られた緩衝材ロールから前記緩衝材を引き出して供給する送り装置と、前記緩衝材ロールから引き出された前記緩衝材を所定の長さでカットするカッターとを有し、前記熱収縮性フィルム供給装置は、前記熱収縮性フィルムが巻き取られたフィルムロールから前記熱収縮性フィルムを引き出して供給する供給装置と、前記フィルムロールから引き出された前記熱収縮性フィルムを所定の長さでカットするカッターとを有する。前記フィルム巻回装置は、前記被包装物の周囲を回動して、前記熱収縮性フィルムを前記被包装物に巻き付ける巻付け棒を備えるものである。
【0011】
前記フィルム巻回装置は、搬送コンベアを囲むように設けられた回動装置を備え、前記回動装置に前記巻き付け棒が設けられ、前記搬送コンベア上の前記被包装物の外側を前記巻き付け棒が回動して、前記緩衝材と前記熱収縮性フィルムを前記被包装物に巻き付けるものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明の緩衝材供給方法と緩衝材包装装置は、簡単な方法と装置により、緩衝機能を有したシート状の緩衝材により、被包装物を自動的にきれいに衝機能を有して包装可能にしたものである。さらに、ヒータにより熱収縮性フィルムを収縮させても、緩衝材は縮んだり変形したりし難いものであり、高い緩衝機能を維持する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この発明の一実施形態の緩衝材包装装置の側面図である。
【
図2】この実施形態の緩衝材包装装置の概略を示す模式図である。
【
図3】この実施形態の緩衝材包装装置の包装動作を示す模式図である。
【
図4】この実施形態の緩衝材包装装置の包装動作を示す模式図である。
【
図5】この実施形態の緩衝材包装装置の包装動作を示す模式図である。
【
図6】この実施形態の緩衝材包装装置の包装動作を示す模式図である。
【
図7】この実施形態の緩衝材包装装置の包装動作を示す模式図である。
【
図8】この実施形態の緩衝材包装装置で被包装物を包装した状態を示す斜視図である。
【
図9】この実施形態の緩衝材包装装置により被包装物を包装した他の例を示す斜視図(a)、さらに他の例を示す斜視図(b)である。
【
図10】この実施形態の緩衝材包装装置で使用する緩衝材の例を示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の一実施形態の緩衝材包装装置10について、図面に基づいて説明する。この実施形態の緩衝材包装装置10は、緩衝機能を持たせた包装が必要な瓶等の被包装物を、例えば
図10に示すようなシート状の緩衝材である気泡緩衝材12で包装するものである。この実施形態で用いる気泡緩衝材12は、互いに溶着された表側フィルム14と裏側フィルム16で形成され、表側フィルム14と裏側フィルム16は、例えば熱可塑性樹脂のポリエチレン製等であり、熱収縮性は有していない。表側フィルム14には、複数個の同形状の円形の突出部14aが等間隔に縦横に設けられている。突出部14aの中には空気が入っており、裏側フィルム16で密閉され、その空気圧で緩衝機能を発揮する。気泡緩衝材12は帯状に製造され、紙管等に所定長さの単位で巻き取られて緩衝材ロール18となっている。
【0015】
緩衝材包装装置10は、
図1に示すように、床に設置される枠体である基台20を備え、基台20の下面には床に設置され移動する際に回転するキャスタ20aが設けられている。基台20には、被包装物2を搬入する第1搬入コンベア24が隣接して配置され、第1搬入コンベア24の下流側である先端部24aに近接して、同じ搬送方向の第2搬入コンベア26が、基台20に設けられている。第1搬入コンベア24と第2搬入コンベア26は、モータとチェーン等から成り、別々に設けられた駆動装置25により各々駆動される。
【0016】
さらに、基台20には、第2搬入コンベア26の下流側である先端部26aに近接して、後述する包装動作により、被包装物2を包装するフィルム巻回装置30が設けられている。フィルム巻回装置30の内側には、被包装物2を搬送する搬送コンベア28が設けられている。搬送コンベア28の下流側である先端部28aには、被包装物2を搬出する搬出コンベア32が配置さている。第1搬入コンベア24、第2搬入コンベア26、搬送コンベア28、及び搬出コンベア32は、同一平面上を同一方向に被包装物2を搬送可能に設置されている。
【0017】
搬出コンベア32の下流側の先端部32aには、後述する熱収縮性フィルム22を熱収縮させて被包装物2をシュリンク包装する加熱装置であるヒートトンネル34が設けられている。ヒートトンネル34内には、駆動チェーン35を介して駆動モータ37で駆動されるトンネル内コンベア36が設けられている。ヒートトンネル34には、トンネル内コンベア36の上方にヒーター38が設けられ、図示しないブロアーにより加熱空気が循環可能に設けられている。トンネル内コンベア36も、搬出コンベア32等と同一平面上を同一方向に被包装物2を搬送可能に設置されている。
【0018】
第2搬入コンベア26に隣接した第1搬入コンベア24の下方には、緩衝材供給装置40が設けられている。緩衝材供給装置40は、
図1、
図2に示すように、支持部材43により緩衝材ロール18が回転可能に支持され、気泡緩衝材12を、第1搬入コンベア24の先端部24aと第2搬入コンベア26の基端部26bとの間に向けて供給可能に設けられている。緩衝材供給装置40は、気泡緩衝材12を、第1搬入コンベア24の先端部24aと第2搬入コンベア26の基端部26bとの間に向けて斜め上方に供給するもので、その供給経路には、図示しない駆動装置により定速で駆動される2対の送りローラ41,42が気泡緩衝材12を挟持して配置され、2対の送りローラ41,42間に、気泡緩衝材12をカットするカッター44が配置されている。カッター44は、図示しないカッターモータにより回動させ、切断動作を行う。送りローラ42と、第1搬入コンベア24の先端部24aとの間には、吸着送りコンベア46が配置されている。吸着送りコンベア46は、気泡緩衝材12を搬送面上に吸着して搬送方向に送るもので、図示しないモータ等の駆動装置により駆動される。送りローラ41,42と吸着送りコンベア46は、緩衝材ロール18から緩衝材12を引き出して送り出す送り装置である。
【0019】
基台20の第2搬入コンベア26の下方には、熱収縮性フィルム供給装置50が設けられている。熱収縮性フィルム供給装置50は、
図1、
図2に示すように、支持部材53によりフィルムロール48が回転可能に支持され、熱収縮性フィルム48を、第2搬入コンベア26の先端部26aと搬送コンベア28の基端部28bとの間に向けて供給可能に設けられている。熱収縮性フィルム供給装置50は、熱収縮性フィルム22を、第2搬入コンベア26の先端部26aと搬送コンベア28の基端部28bとの間に向けて斜め上方に供給するもので、その供給経路には、図示しない駆動装置により定速で駆動される2対の送りローラ51,52が熱収縮性フィルム22を挟持して配置され、2対の送りローラ51,52間に、熱収縮性フィルム22をカットするカッター54が配置されている。カッター54は、図示しないカッターモータにより回動させ、切断動作を行う。送りローラ52と、第2搬入コンベア26の先端部26aとの間には、吸着送りコンベア56が配置されている。吸着送りコンベア56は、熱収縮性フィルム22を搬送面上に吸着して搬送方向に送るものである。送りローラ51,52と吸着送りコンベア56は、フィルムロール48から熱収縮性フィルム22を引き出して送り出す送り装置である。
【0020】
第2搬入コンベア26の先端部26aに近接して設けられ、搬送コンベア28を囲むように設けられたフィルム巻回装置30は、多角形状の経路を形成する複数のスプロケット60と、各スプロケット60に巻回された回動チェーン62を備えている。回動チェーン62は、搬送コンベア28を囲んで配置され、回動チェーン62の長さの1/2間隔で2箇所に、各々熱収縮性フィルム22及び気泡緩衝材12を、被包装物2に巻き付ける巻付け棒64が、水平方向に延出した状態で各々固定されている。回動チェーン62を駆動するスプロケット60の一つには、駆動チェーン67を介して回動モータ66が接続されている。スプロケット60と回動チェーン62、駆動チェーン67、及び回動モータ66は、巻き付け棒64を搬送コンベア28の周囲で回動させる回動装置を構成している。
【0021】
次に、この緩衝材包装装置10の使用方法について説明する。まず、
図1に示すように、緩衝材包装装置10に、緩衝材ロール18とフィルムロール48をセットする。そして、
図2に示すように、緩衝材12の先端部を吸着送りコンベア46上に吸着させて載せるとともに、先端縁を第2搬入コンベア26の基端部26bに位置させる。さらに、熱収縮性フィルム22のフィルムロール48の端部も、第2コンベア26の先端部26aにまで引き出し、熱収縮性フィルム22の先端部を吸着送りコンベア56上に吸着させて載せるとともに、先端縁を第2搬入コンベア26の先端部26aに位置させる。
【0022】
この後、第1搬入コンベア24上に被包装物2を載せて、第1搬入コンベア24を動かし、被包装物2を搬入する。被包装物2が第1搬入コンベア24の先端部24aに位置したときに、図示しないセンサ及び制御装置により、緩衝材供給装置40の2対の送りローラ41,42及び吸着送りコンベア46を駆動して、緩衝材12を被包装物2の下面前方に送り出す。このとき、第2搬入コンベア26は駆動装置25により駆動開始し又は駆動中であり、
図3に示すように、送り出された緩衝材12を下にして被包装物2が第2搬入コンベア26により搬送される。
【0023】
第2搬入コンベア26により搬送された被包装物2と緩衝材12は、第2搬入コンベア26の先端部26aを経て、フィルム巻回装置30内の搬送コンベア28上に載る際に、図示しないセンサ及び制御装置により、熱収縮性フィルム供給装置50の2対の送りローラ51,52及び吸着送りコンベア56を駆動して、熱収縮性フィルム22を被包装物2の下面前方に送り出す。これにより、
図4に示すように、搬送コンベア28上では、熱収縮性フィルム22を下にして、緩衝材12を挟んで被包装物2が載せられて搬送される。
【0024】
搬送コンベア28は予め駆動していても良く、搬送コンベア28上では、緩衝材供給装置40と熱収縮性フィルム供給装置50が同期して緩衝材12と熱収縮性フィルム22が供給される。搬送コンベア28上に被包装物2が完全に移行すると、図示しないセンサ及び制御装置により、フィルム巻回装置30の回動モータ66が作動し、回動チェーン62が図面上で反時計回りに回動して、巻付け棒64が回動チェーン62とともに移動する。巻き付け棒64は、被包装物2が搬送コンベア28に移行する前は、第2搬入コンベア26の先端部26aと搬送コンベア28の基端部28bの間の下方に位置し、被包装物2が通過すると回動モータ66により上昇し、
図4等において、反時計回りに回動する。
【0025】
なお、被包装物2に巻き付けられる緩衝材12と熱収縮性フィルム22は、被包装物2の周面に巻き付け可能な長さにカッター44,54によりカットされている。カッター44,54は、各々別々に図示しない駆動装置により駆動されるもので、緩衝材12と熱収縮性フィルム22の送り出し長さが所定の長さになるように制御される。
【0026】
巻き付け棒64の回動により、
図5に示すように、被包装物2の周囲に、緩衝材12と熱収縮性フィルム22が巻き付けられる。巻き付け棒64の回動は、搬送コンベア28と同期し、被搬送物2が搬送コンベア28上を通過する前に、
図6に示すように、巻き付け棒64は搬送コンベア28の先端部28aと搬出コンベア32の間を通過して下降する。
【0027】
そして、
図7に示すように、被包装物2の周囲には、緩衝材12が巻き付けられ、その外側に熱収縮性フィルム22が巻き付けられた状態で、搬送コンベア28から搬出コンベア32上に送られる。搬出コンベア32は、予め駆動していても良く、搬出コンベア32を経て、被包装物2がヒートトンネル34に送られる。このとき、回動チェーン62に固定された2本の巻き付け棒64のうちの他方が、第2搬入コンベア26の先端部26aと搬送コンベア28の基端部28bとの間の下方に位置し、次の被包装物2を緩衝材12と熱収縮性フィルム22により、巻き回け可能に待機する。そして、上記と同様に、次の被包装物2を緩衝材12と熱収縮性フィルム22で包む動作を行う。
【0028】
ヒートトンネル34では、トンネル内コンベア36により、緩衝材12と熱収縮性フィルム22が巻き付けられた被包装物2の表面に熱風が吹き付けられ、熱収縮性フィルム22が熱収縮する。これにより、
図8に示すように、緩衝材12は、熱収縮性フィルム22により被包装物2に押し付けられて包装され、緩衝機能を確実に発揮可能に放送される。以上の包装動作を繰り返して、被包装物2を連続的に緩衝材12と熱収縮性フィルム22によりシュリンク包装することができる。
【0029】
この実施形態の緩衝材包装装置10は、被包装物2をシート状の緩衝材を挟んで熱収縮性フィルム22により包装するので、緩衝材12が確実に被包装物2を包み、効果的に緩衝機能を発揮する。緩衝材12は、熱収縮機能を有するものである必要はなく、コストが安い一般的な材料のものを用いることができる。しかも、熱により緩衝材12が収縮しないので、気泡の収縮による緩衝機能の低下もない。緩衝材12の種類も適宜のものを選択することができ、熱収縮性フィルム22とともに包装可能な材料であれば良く、包装のバリエーションも多いものである。
【0030】
なお、この発明の緩衝材包装装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、緩衝材12による包装位置は、
図9(a)に示すように、被包装物2の両側の角部を各々覆うように配置しても良く、
図9(b)に示すように、被包装物2の一方の側の角部を覆うように配置しても良い。緩衝材12の包装位置は、緩衝材12を第2搬入コンベア26に送り込む位置により適宜設定可能である。緩衝材は、気泡緩衝材以外に、発泡シートの緩衝材や、その他適宜の種類のシート状の緩衝材を利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
10 緩衝材包装装置
12 気泡緩衝材
18 緩衝材ロール
20 基台
22 熱収縮性フィルム
24 第1搬入コンベア
26 第2搬入コンベア
28 搬送コンベア
30 フィルム巻回装置
32 搬出コンベア
34 ヒートトンネル
36 トンネル内コンベア
38 ヒーター(加熱装置)
40 緩衝材供給装置
41,42,51,52 送りローラ(送り装置)
44,54 カッター
46,56 吸着送りコンベア(送り装置)
48 フィルムロール
50 熱収縮性フィルム供給装置
60 スプロケット(回動装置)
62 回動チェーン(回動装置)
64 巻付け棒
66 回動モータ(回動装置)