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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】ワイヤレスデュアルモード識別タグ
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/59 20060101AFI20230605BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20230605BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20230605BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
H04B1/59
G06Q30/06
H04B5/02
G06K19/07 240
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021560576
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 IB2020000254
(87)【国際公開番号】W WO2020208412
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】62/832,397
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521443438
【氏名又は名称】ネクサイト リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シェイクド, リオール
(72)【発明者】
【氏名】シェイクド, アナット
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第3279836(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0059595(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0097254(US,A1)
【文献】特表2018-513584(JP,A)
【文献】特開2009-71413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/59
G06Q 30/06
H04B 5/02
G06K 19/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の自己識別を可能にするための製品との関連付け用のワイヤレス識別タグであって、
周波数帯域約900MHz内の第1の周波数および周波数帯域約2.4GHz内の第2の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された少なくとも1つのアンテナと、
少なくとも1つの識別信号を送信するように構成された少なくとも1つの送信機と、
エネルギーが前記第1の周波数で受信されたか前記第2の周波数で受信されたかを検出し、
前記第1の周波数が検出されたとき、前記少なくとも1つの送信機を、第1の形式の識別信号を送信するための第1のモードで動作させ、前記第2の周波数が検出されたとき、前記少なくとも1つの送信機に第2の形式の識別信号を送信させるための第2のモードで動作させる
ように構成された少なくとも1つの回路と
を備える、ワイヤレス識別タグ。
【請求項2】
前記少なくとも1つのアンテナに電気的に接続された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素をさらに備え、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素が、前記少なくとも1つのアンテナによって受信された前記エネルギーを貯蔵するように構成される、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素が、前記第1の周波数および前記第2の周波数で受信されたエネルギーを貯蔵するように構成される、請求項2に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素が、前記少なくとも1つのアンテナによって受信された前記エネルギーを利用して前記ワイヤレス識別タグに電力を供給するように構成される、請求項2に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素が、少なくとも1つのコンデンサを含む、請求項2に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの回路が、前記少なくとも1つの識別信号を送信するために、前記少なくとも1つのコンデンサからのエネルギーを使用して前記送信機に電力を供給するように構成される、請求項5に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの回路が、前記第1の周波数または前記第2の周波数のうちの少なくとも1つで受信されたエネルギーを使用して、前記少なくとも1つの送信機を前記第2のモードで送信させるように構成される、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項8】
前記少なくとも1つのアンテナが、
900MHz WW ISMの第1の周波数範囲内の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された第1のアンテナと、
2.4GHz WW ISMの第2の周波数範囲内の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された第2のアンテナと
を含む、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアンテナが、第3の周波数範囲で送信されるエネルギーを受信するようにさらに調整され、
前記少なくとも1つの回路が、
エネルギーが前記第3の周波数範囲で受信されたかどうかを検出し、
前記第3の周波数範囲が検出されたとき、前記少なくとも1つの送信機を、第3の形式の識別信号を送信するための第3のモードで動作させる
ようにさらに構成される、請求項8に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項10】
前記第3の周波数範囲が、前記第1の周波数範囲および前記第2の周波数範囲よりも低い、請求項9に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの送信機が、前記第1の形式の識別信号および前記第2の形式の識別信号を同じ送信周波数で送信するように構成される、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項12】
前記第1の形式の識別信号および前記第2の形式の識別信号の前記送信周波数が、前記第2の周波数である、請求項11に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの送信機が、前記第1の形式の識別信号および前記第2の形式の識別信号を異なる電力レベルで送信するように構成される、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの送信機が、前記第2の周波数が検出されてから10秒未満で前記第2の形式の識別信号を送信するように構成される、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項15】
前記第1のモードにおいて、前記少なくとも1つの送信機が、前記第1の形式の識別信号を第1の繰返し周期で送信するように構成される、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項16】
前記第2のモードにおいて、前記少なくとも1つの送信機が、前記第2の形式の識別信号を前記第1の繰返し周期よりも短い第2の繰返し周期で送信するように構成される、請求項15に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項17】
前記第1の形式の識別信号が、送信される前記識別信号に関連する繰返し周期、周波数チャネル、送信電力、または送信データのうちの少なくとも1つにおいて前記第2の形式の識別信号とは異なる、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項18】
前記第1の形式の識別信号または前記第2の形式の識別信号のうちの少なくとも1つが、前記ワイヤレス識別タグの一意の識別子を含む、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項19】
前記少なくとも1つのアンテナ、前記少なくとも1つの送信機、および前記少なくとも1つの回路が、可撓性基板上に設けられる、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項20】
前記製品への貼り付け用の接着層をさらに備える、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項21】
前記ワイヤレス識別タグを少なくとも部分的に封入する材料層をさらに備え、前記材料層が、縫製による貼り付け用に構成される、請求項1に記載のワイヤレス識別タグ。
【請求項22】
前記材料層が布地を含む、請求項21に記載のワイヤレス識別タグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、参照により全体が本明細書に組み込まれる、2019年4月11日に出願された米国仮特許出願第62/832,397号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
開示された実施形態は、概して、製品との関連付けのためのワイヤレス識別タグのためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワークを介してデータを転送する能力は、様々な電子デバイスが、他のデバイスおよびネットワークと接続すること、ますます自律的な動作を実施すること、およびユーザにとってのインタラクティブな体験を提供することを可能にする多くの機会を提供する。しかしながら、デジタル通信を提供するための従来のシステムおよび方法は、特定の製品、システム、および業界に関してそれらが実装されることを妨げ得る、特定の量のハードウェア、エネルギー消費、費用、および他の技術的制約を使用し得る。さらには、特定の分野に関してそのようなテクノロジーの実装を非実用的にし得る、データの転送に関連した多数のセキュリティおよびプライバシの懸念事項が存在する。
【0004】
したがって、幅広い範囲の製品のデジタル自己表現も、および/またはそのような製品の管理を、効率的、効果的、および安全に可能にする、費用効率が高く、非従来型の手法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
本開示に則した実施形態は、概して製品と関連付けるためのワイヤレス識別タグに関連するシステムおよび方法を提供する。本開示のシステムおよび方法は、従来のハードウェアおよびソフトウェア、ならびに本開示の方法ステップに関連する機能を実行するために特別に構築および/またはプログラムされたマシンなどの特殊なハードウェアおよびソフトウェアの組合せを使用して実装され得る。本開示の他の実施形態に則して、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つの処理デバイスによって実行可能な、本明細書に記載のステップおよび/または方法のいずれかを実行するプログラム命令を記憶し得る。
【0006】
本開示の実施形態に則して、製品の自己識別を可能にするための製品との関連付け用のワイヤレス識別タグに関連するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、周波数帯域約900MHz内の第1の周波数および周波数帯域約2.4GHz内の第2の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された少なくとも1つのアンテナを含むタグを含み得る。いくつかの実施形態は、少なくとも1つの識別信号を送信するように構成された少なくとも1つの送信機と、エネルギーが第1の周波数で受信されたか第2の周波数で受信されたかを検出し、第1の周波数が検出されたとき、少なくとも1つの送信機を、第1の形式の識別信号を送信するための第1のモードで動作させ、第2の周波数が検出されたとき、少なくとも1つの送信機に第2の形式の識別信号を送信させるための第2のモードで動作させるように構成された少なくとも1つの回路とをさらに含み得る。
【0007】
本開示の実施形態に則して、着信信号周波数の関数として変化する応答時間を有するワイヤレス識別タグのためのシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。いくつかの実施形態は、周波数帯域約900MHz内の第1の周波数および周波数帯域約2.4GHz内の第2の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された少なくとも1つのアンテナと、少なくとも1つの送信機と、少なくとも1つの回路と含むワイヤレス識別タグを含み得る。少なくとも1つの回路は、エネルギーが第1の周波数で受信されたか第2の周波数で受信されたかを検出し、少なくとも1つの送信機に、第2の周波数が検出されたとき、即時応答を送信させ、第1の周波数が検出されたとき、即時応答と比較してより長い遅延を有する遅延応答を送信させるように構成され得る。
【0008】
本開示の実施形態に則して、EASゲートからは不可視のままEASゲートによってトリガ可能なワイヤレス識別タグに関連するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、第1のEASゲート周波数範囲約7~13MHzまたは第2のEASゲート周波数範囲約58~60kHzのうちの少なくとも1つで送信されるエネルギーを受信するように調整され、EASゲートによって検出不能であるように構成された少なくとも1つのアンテナを有するタグを含み得る。いくつかの実施形態は、少なくとも1つの識別信号を送信するように構成された少なくとも1つの送信機と、少なくとも1つの送信機に電力を供給するための、少なくとも1つの送信機に電気的に接続された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素とをさらに含み得る。実施形態は、少なくとも1つのアンテナに接続され、第1のEASゲート周波数範囲内または第2のEASゲート周波数範囲内のうちの少なくとも1つでEASゲートから送信されたエネルギーを検出し、EASゲートから送信されたエネルギーの検出に応答して、少なくとも1つの送信機に、第1のEASゲート周波数範囲外および第2のEASゲート周波数範囲外の周波数で送信された少なくとも1つの識別信号を、EASゲート以外の受信機に送信させるように構成された少なくとも1つの回路をさらに含み得る。
【0009】
本開示の実施形態に則して、周囲エネルギーを取り入れ、識別信号を断続的に送信するように構成されたワイヤレス識別タグのためのシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、周囲エネルギーを受信するように構成された少なくとも1つのアンテナと、少なくとも1つのアンテナに電気的に接続され、受信した周囲エネルギーを集約して貯蔵するように構成された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素と、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素に電気的に接続され、識別信号を送信するように構成された少なくとも1つの送信機と、少なくとも1つの送信機に接続され、識別信号にとって十分なエネルギーが集約されエネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているときでも、送信機に識別信号の送信を遅延させるための識別送信規則を実施するように構成された少なくとも1つの回路とを含み得る。
【0010】
本開示の実施形態に則して、周囲エネルギーを取り入れ、識別信号を断続的に送信するように構成されたワイヤレス識別タグのためのシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、第1の信号を第1の周波数で第1の受信機に送信し、第2の信号を第1の周波数で第2の受信機に送信するように構成された少なくとも1つの送信機を含み得る。実施形態は、周囲エネルギーを収集および貯蔵し、少なくとも1つの送信機の送信に電力を供給するための、少なくとも1つの送信機に電気的に接続された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素をさらに含み得る。少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機および少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素に接続されて、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視し、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーが第2の信号を第1の周波数で第2の受信機に送信するのに不十分であるとき、少なくとも1つの送信機が第1の信号を第1の周波数で第1の受信機に送信するのを防止し得る。
【0011】
本開示の実施形態に則して、ワイヤレス識別不正回避システムに関連するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、第1の信号を第1の周波数帯域で複数の識別タグに送信し、それによって複数の識別タグに第2の信号を第2の周波数帯域で送信させるように構成された少なくとも1つの送信機を有するシステムを含み得、第2の信号は、第1の信号が第1の周波数帯域で受信されたかどうかを示す。いくつかの実施形態は、複数の識別タグからの第2の信号の送信を受信するために、少なくとも1つの送信機に近接する場所用に構成された第1の受信機と、少なくとも1つの送信機の送信範囲外のタグから第3の信号を受信するように構成され、少なくとも1つの送信機から第1の受信機よりも離れて配置される第2の受信機と、第2の受信機が第3の信号を受信したとき、不正の可能性があるとの警告を生成するように構成された少なくとも1つのプロセッサとをさらに含み得る。
【0012】
本開示の実施形態に則して、ワイヤレスでタグ付けされた在庫目録と共に使用するための不正回避システムに関連するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、EASゲート周波数での送信に関連する信号を検出し、信号がEASゲートの場所に対応しない場所から発信されていると特定し、信号の特定された発信場所に基づいて、不正の疑いのあるイベントが進行中であると判定し、不正の疑いのあるイベントに関する警告を生成するように構成された少なくとも1つのプロセッサを有するシステムを含み得る。
【0013】
本開示の実施形態に則して、ID送信タイミングが変化するワイヤレス識別タグのためのシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。タグは、少なくとも1つの送信機と、少なくとも1つの送信機に電気的に接続され、周囲エネルギーを収集および貯蔵して送信に電力を供給するように構成された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素とを含み得る。タグは、追加として、送信機に、3つの連続する送信の識別信号送信間の時間が変化するように不均一な間隔で識別信号のシーケンスを送信させるように構成された少なくとも1つの回路を含み得る。
【0014】
本開示の実施形態に則して、識別情報が変化するワイヤレス識別タグに関連するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。識別情報が変化するワイヤレス識別タグは、タグIDを送信するように構成された少なくとも1つの送信機を含み得る。タグは、第1の時間に第1のトリガを受信し、第1のトリガに応答して、タグを一意に識別する第1の解読可能IDを擬似ランダム方式で生成し、少なくとも1つの送信機に第1の解読可能IDを送信させるように構成された少なくとも1つの回路をさらに含み得る。追加として、回路は、第1の時間の後の第2の時間に第2のトリガを受信し、第2のトリガに応答して、第1の解読可能IDとは異なる、タグを一意に識別する第2の解読可能IDを擬似ランダム方式で生成し、少なくとも1つの送信機に第2の解読可能IDを送信させるように構成され得る。
【0015】
本開示の実施形態に則して、電子タグ付き商品の下流の所有者にプライバシを提供することに関連するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、特定のタグの少なくとも第1の所有者IDおよび第2の所有者IDを含む、複数のタグのIDを記憶するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み得る。実施形態は、特定のタグの第1の所有者がタグの所有者として記録される時点で、特定のタグの第1の情報を第1の所有者IDに関連付け得る。次いで、特定のタグの所有権を第1の所有者から第2の所有者に移転する取引が記録され得る。所有権の移転後、特定のタグの第2の情報は、第2の所有者IDに関連付けられ得、第1の所有者は、第2の情報にアクセスすることを防止され得る。
【0016】
本開示の実施形態に則して、複数のタグの同時トリガおよび逐次的な読取りに関連するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、2.4GHzデバイスに複数のタグを同時にトリガさせ逐次的に読み取らせるための命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。命令は、起動可能な要素をグラフィカルユーザインターフェース上に表示することを含み得、要素は、2.4GHz送信機を起動するように構成される。要素が起動すると、2.4GHz送信機は、送信機の近傍にある複数のタグのそれぞれに送信機に関連付けられた受信機に一意のタグIDを送信させるための、1つまたは複数の信号を発信させることができる。命令は、第1の時間間隔中に複数の一意のタグIDの第1のグループを読み取ることをさらに含み得、第1のグループは、複数の一意のタグIDの第2のグループを除く。第1のグループに関連付けられた第1の情報が読み取られ得、読み取り後、2.4GHz送信機の起動が第2の時間間隔中に維持されるか、あるいは継続して、第1のグループの一意のタグIDの少なくともいくつかを第2のグループの一意のタグIDと共に送信することを引き起こし得る。受信機が第1のグループの一意のタグIDの少なくともいくつかを第2のグループの一意のタグIDと共に読み取った後、第2のグループに関連付けられた第2の情報が記録され得る。
【0017】
本開示の実施形態に則して、電子タグ付き製品を収納し、タグ付き製品と器具との間の関連付けを記録するための器具に関連するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。器具は、電子タグ付き製品を保持するためのキャビティを画定するハウジングと、ハウジングと一体化され、電子タグ付き製品のタグをトリガして各製品のタグに一意のタグIDを送信させるように構成されたエキサイタとを含み得る。器具はまた、各一意のタグIDの送信を受信するための受信機と、キャビティ内に保持された電子タグ付き製品の識別情報に関する指示を出力するための通信機とを含み得る。
【0018】
本開示の実施形態に則して、遅延送信で使用するために周囲エネルギーを収集および貯蔵するように構成されたワイヤレス識別タグのためのシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。タグは、周囲エネルギーを受信するための受信機と、周囲エネルギーを貯蔵するための第1のコンデンサと、周囲エネルギーを収集および貯蔵するための第2のコンデンサであって、第1のコンデンサよりも低い静電容量を有する、第2のコンデンサと、第1のコンデンサと第2のコンデンサとを相互接続するインダクタとを含み得る。タグは、追加として、受信機によって受信された周囲エネルギーが最初に第2のコンデンサに貯蔵され、その後第1のコンデンサに転送されて貯蔵されるような方式で、受信機と、第1のコンデンサと、第2のコンデンサとを相互接続する回路を含み得る。タグは、追加として、第1のコンデンサに電気的に接続されて、第1のコンデンサに貯蔵されたエネルギーが少なくとも1つの送信機に電力を供給することを可能にする、少なくとも1つの送信機を含み得る。
【0019】
本開示の実施形態に則して、電子タグ付き商品に関連する情報へのアクセスを提供するためのシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、複数のタグのタグIDを記憶し、少なくとも1つの特定のタグIDと製品IDとの間のペアリングを受信するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み得る。実施形態は、少なくとも1つの特定のタグIDと少なくとも1つの特定のタグIDに関連付けられた少なくとも1つの権限付与されたエンティティとの間のペアリングをさらに受信し得る。権限付与されたエンティティは、製品の現在の所有者、製品の製造者、または製品のユーザのうちの少なくとも1つに関連付けられ得る。少なくとも1つのプロセッサは、製品ID、少なくとも1つの特定のタグIDに関連付けられた情報、製品IDに関連付けられた情報、または少なくとも1つの権限付与されたエンティティのうちの少なくとも1つを識別するクエリを要求元から受信することであって、クエリが特定のタグの暗号化されたタグIDを含む、クエリを受信することと、暗号化されたタグIDを復号し、それによって特定のタグの復号されたタグIDを検索することとを行うようにさらに構成され得る。要求元が復号されたタグIDに関連付けられた少なくとも1つの権限付与されたエンティティである場合、実施形態はクエリを実現し得る。そうでない場合、クエリは拒否され得る。
【0020】
本開示の実施形態に則して、偽造品の流通を防ぐことに関連するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、複数の電子タグのタグIDを記憶するように構成された少なくとも1つのプロセッサを有するシステムを含み得、少なくとも1つの特定の電子タグは、特定の製品に関連付けられる。システムは、第1のエンティティの少なくとも1つの識別情報を記憶し得、第1のエンティティは、特定の製品の販売者、特定の製品の製造者、特定の製品の現在の所有者、または特定の製品の以前の所有者のうちの少なくとも1つに関連付けられる。プロセッサは、特定の製品の見込まれる次の保管者に代わって、特定の製品に関連付けられた暗号化されたタグID、および少なくとも1つの識別情報に関連付けられたクエリを受信し得る。次いで、プロセッサは、暗号化されたタグIDを復号して、特定の電子タグに関連付けられた特定の製品を識別し、特定の電子タグに関連付けられた情報を使用して、特定の製品の所有履歴にアクセスし得る。プロセッサはさらに、クエリで識別された少なくとも1つの識別情報が所有履歴内のエンティティに対応しているかどうかを確認し、クエリで識別された少なくとも1つの識別情報が所有履歴内のエンティティに対応する場合、真正性があるとの指示を見込まれる次の保管者に送信すること、またはクエリで識別された少なくとも1つの識別情報が所有履歴内のエンティティに対応していない場合、真正性がないとの指示を見込まれる次の保管者に送信することのうちの少なくとも1つを引き起こし得る。
【0021】
本開示の実施形態に則して、施設内の間違った場所にある物品を検出することに関連するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。実施形態は、施設内の少なくとも1つのリーダから、少なくとも1つのリーダによって読み取られた識別タグの識別信号を受信し、受信した識別信号に基づいて、識別タグの現在の場所を特定し、識別タグの現在の場所を少なくとも1つのデータ構造体に記録し、少なくとも1つのデータ構造体において、識別タグのそれぞれについての施設内の指定された場所にアクセスし、識別タグの現在の場所を識別タグの指定された場所と比較することによって、特定の識別タグの指定された場所とは異なる現在の場所を有する特定の識別タグを決定し、特定の識別タグの現在の場所が特定の識別タグの指定された場所と一致しないとき、通知信号を生成するように構成された、少なくとも1つのプロセッサを含み得る。
【0022】
本開示の実施形態に則して、施設内の物品の場所を報告することに関連するシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体が開示される。本開示の実施形態は、施設内の少なくとも1つのリーダから、少なくとも1つのリーダによって読み取られた識別タグの識別信号を受信し、受信した識別信号に基づいて識別タグの現在の場所を特定し、識別タグの現在の場所を少なくとも1つのデータ構造体に記録し、施設内の特定の物品の場所に関するクエリを受信し、特定の物品と特定の識別タグとの間の関連付け、および特定の識別タグの現在の場所に基づいて特定の物品の場所を識別し、ユーザに対して特定の物品の場所をグラフィカルユーザインターフェース上に表示するように構成された、少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0023】
前述の要約は、本開示の特色を提供するために本開示の実施形態の特定の例を提供するものであり、本開示の実施形態のすべての態様を要約することを意図するものではない。以下の説明では、本開示の実施形態の追加の特徴および利点が、一部として記載されて、説明から一部として明らかになるか、または本開示の実施形態の実施によって学習され得る。本開示の実施形態の特徴および利点は、特に添付の特許請求の範囲で指摘された要素および組合せによって実現および達成されるであろう。
【0024】
前述の概略的な説明と以下の詳細な説明はどちらも、例および説明上のものに過ぎず、特許請求される本開示の実施形態を限定するものではないことを理解されたい。
【0025】
添付の図面は、本明細書の一部を構成する。図面は、本開示のいくつかの実施形態を示しており、説明と共に、添付の特許請求の範囲に記載されている本開示の実施形態の原理を説明するために用いられている。
【0026】
本開示に組み込まれその一部を構成する添付の図面は、様々な開示される実施形態を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】開示される実施形態と一貫する、ゲート、ユーザによって着用される物品に組み込まれたワイヤレス識別タグおよびユーザによって保持される物品に組み込まれたワイヤレス識別タグを含む、例示的なワイヤレス識別システムの斜視図である。
図2】開示される実施形態と一貫する、図1のシステムの例示的なワイヤレス識別タグのブロック図である。
図3】開示される実施形態と一貫する、布地ポケットに封入された図2の例示的なワイヤレス識別タグの図である。
図4】開示される実施形態と一貫する、衣類タグに取り付けられた図2の例示的なワイヤレス識別タグの図である。
図5】開示される実施形態と一貫する、物品に縫製された図2の例示的なワイヤレス識別タグの図である。
図6】開示される実施形態と一貫する、つるしタグに装着された図2の例示的なワイヤレス識別タグの図である。
図7】開示される実施形態と一貫する、衣料品に埋め込まれた図2の例示的なワイヤレス識別タグの図である。
図8】開示される実施形態と一貫する、容器に接着された図2の例示的なワイヤレス識別タグの図である。
図9】開示される実施形態と一貫する、ワイヤレス識別タグ用の例示的なシステムアーキテクチャのブロック図である。
図10】開示される実施形態と一貫する、例示的なコントローラアーキテクチャの詳細を示している、図9の例示的なシステムアーキテクチャの別のブロック図である。
図11】開示される実施形態と一貫する、例示的なワイヤレス識別システムを組み込む小売店の斜視図である。
図12】開示される実施形態と一貫する、例示的なインフラストラクチャ励起可能モードで動作するワイヤレス識別タグの例の図である。
図13】開示される実施形態と一貫する、例示的なユーザ励起可能モードで動作するワイヤレス識別タグの例の図である。
図14】開示される実施形態と一貫する、例示的なゲートモードで動作するワイヤレス識別タグの例の図である。
図15】開示される実施形態と一貫する、アンテナ、送信機、回路、およびエネルギー貯蔵構成要素を含むワイヤレス識別タグのブロック図である。
図16】いくつかの開示される実施形態と一貫する、ワイヤレス識別タグの動作の態様の例示の実施形態を図示するフローチャートである。
図17】開示される実施形態と一貫する、ワイヤレス識別タグ用の例示的な回路の回路図である。
図18】いくつかの開示される実施形態と一貫する、ワイヤレス識別タグ用の例示的なシステムアーキテクチャのブロック図である。
図19】開示の実施形態と一致するような、例示的動作方法の流れ図である。
図20】開示の実施形態と一致するような、施設内の物品の場所を監視するための例示的なシステムのネットワーク図である。
図21】開示の実施形態と一致するような、施設内の物品の場所を報告するための例示的なコンピュータ化処理の流れ図である。
図22】開示の実施形態と一致するような、識別タグの特定の場所を識別するためのインフラストラクチャ環境内の識別タグの図である。
図23】開示の実施形態と一致するような、電子タグ付き商品の下流の所有者にプライバシを提供するためのシステムを示す図である。
図24】本開示による、電子タグ付き製品を保持しタグ付き製品と器具との間の関連付けを記録する例示的な器具のブロック図である。
図25A】本開示による、電子タグ付き製品を保持しタグ付き製品と器具との間の関連付けを記録する例示的な冷蔵庫を示す図である。
図25B】本開示による、電子タグ付き製品を保持しタグ付き製品と器具との間の関連付けを記録する例示的な衣類洗濯機または乾燥機を示す図である。
図25C】本開示による、電子タグ付き製品を保持しタグ付き製品と器具との間の関連付けを記録する例示的な食品庫を示す図である。
図25D】本開示による、電子タグ付き製品を保持しタグ付き製品と器具との間の関連付けを記録する例示的なワードローブを示す図である。
図25E】本開示による、電子タグ付き製品を保持しタグ付き製品と器具との間の関連付けを記録する例示的な配送トラックを示す図である。
図26】開示される実施形態による、ワイヤレスタグの動作の態様を示す概略図である。
図27】開示される実施形態による、顧客が商品で満たされたカートと共に商店を出るときに信号衝突のリスクが高まる、使用時の例示的なワイヤレス識別システムを示す図である。
図28A-28B】開示される実施形態による、信号送信タイムラインの例を示す図である。
図29】開示された実施形態と一致するタグ回路のブロック図である。
図30】開示された実施形態と一致する送信チャネルタイムラインを示す図である。
図31】開示された実施形態と一致する、例示的なワイヤレス識別システム内の送信機、第1の受信機、および第2の受信機の例示的な配置の概略図である。
図32】開示された実施形態と一致する、ワイヤレス識別システム内の信号の例示的な流れのブロック図である。
図33A】開示された実施形態と一致する、在庫目録検索グラフィックユーザインターフェースを表示するハンドヘルドデバイスを例証する図である。
図33B】開示された実施形態と一致する、製品グラフィックユーザインターフェースを表示するハンドヘルドデバイスを例証する図である。
図33C】開示された実施形態と一致する、製品サイズ検索グラフィックユーザインターフェースを表示するハンドヘルドデバイスを例証する図である。
図34】開示された実施形態と一致する、周囲エネルギーを採取および貯蔵するための例示的なシステムのブロック図である。
図35】開示された実施形態と一致する、周囲エネルギーを採取および貯蔵するための別の例示的なシステムのブロック図である。
図36】開示された実施形態と一致する、周囲エネルギーを採取および貯蔵するためのさらなる例示的なシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
例示的な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。図面は必ずしも縮尺通りに描かれてはおらず、図面では、符号の一番左の桁が、符号が最初に登場する図面を示している。便利のため、図面を通じて、同じ符号を用いて同一または類似の部分を参照する。開示される原理の例および特徴を本明細書において説明するが、開示される実施形態の思想および範囲から逸脱することなく、修正形態、適合例、および他の実装形態が可能である。また、語句「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、および「含む(including)」および他の類似の形態は、これらの語句のうちのいずれか1つを伴う1つまたは複数の項目が、そのような1つまたは複数の項目の網羅的な列挙であることを意味しないこと、あるいは列挙される1つまたは複数の項目だけに限定されることを意味しないという点において、意味が等価であり、オープンエンドであることを意図されている。本開示および添付の特許請求の範囲で使用される際、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」には、コンテキストが明確にそうではないと述べない限り、複数形の参照が含まれることにも留意されたい。
【0029】
具体的にそうではないと述べられない限り、以下の説明から明らかなように、明細書の議論を通じて、「処理する(processing)」、「計算する(calculating)」、「計算する(computing)」、「決定する(determining)」、「生成する(generating)」、「設定する(setting)」、「構成する(configuring)」、「選択する(selecting)」、「定義する(defining)」、「適用する(applying)」、「取得する(obtaining)」、「監視する(monitoring)」、「提供する(providing)」、「識別する(identifying)」、「区分する(segmenting)」、「分類する(classifying)」、「分析する(analyzing)」、「関連付ける(associating)」、「抽出する(extracting)」、「記憶する、貯蔵する(storing)」、「受信する(receiving)」、「送信する(transmitting)」、などの用語を利用することには、データを他のデータ、物理量、例えば電子的な量で表現されるデータ、および/または物理的な物体を表現するデータへと、操作および/または変換する、コンピュータのアクションおよび/またはプロセスが含まれる。用語「コンピュータ」、「プロセッサ」、「コントローラ」、「処理装置」、「コンピューティングユニット」および「処理モジュール」は、データ処理機能を備えたあらゆる種類の電子デバイス、構成要素またはユニットをカバーするよう拡大して解釈されるべきであり、非限定的な例として、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、スマートグラス、タブレット、スマートフォン、サーバ、コンピューティングシステム、クラウドコンピューティングプラットフォーム、通信デバイス、可能性としては埋め込みメモリを備えたプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、画像信号プロセッサ(ISR)、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理装置(CPA)、画像処理ユニット(GPU)、ビジュアル処理ユニット(VPU)など)、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、プロセッサ内コア、あらゆる他の電子的コンピューティングデバイス、またはこれらのあらゆる組合せが挙げられる。
【0030】
本明細書の教示に従う動作は、説明される機能を実施するように特別に構築またはプログラミングされたコンピュータによって実施されてもよい。
【0031】
本明細書において使用される場合、言い回し「例えば」、「など」、「例として」およびその変形例は、ここで開示される主題の非限定的な実施形態を説明する。本明細書において、「実施形態」、「ある事例」、「いくつかの事例」、「他の事例」の特徴という参照またはその変形例は、説明される特定の特徴、構造、または特性が、ここで開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれる可能性があることを意味している。したがって、このような用語の登場は、必ずしも同一の実施形態を参照しない。本明細書において使用される場合、用語「および/または」には、関連する列挙項目のうちの1つまたは複数の、あらゆるかつすべての組合せが含まれる。
【0032】
ここで開示される主題の特徴は、簡潔のため、特定の実施形態のコンテキストで説明される。しかしながら、一実施形態に関連して説明される特徴は、他の実施形態にも適用可能であることを理解されたい。同様に、具体的な組合せのコンテキストで説明される特徴は、別個の実施形態で、単独または具体的な組合せ以外のいずれかのコンテキストで、考えられてもよい。
【0033】
ここで開示される主題の実施形態では、図面に図示される1つまたは複数の工程は、異なる順序で実行されてもよく、および/または1つまたは複数の工程のグループが同時的に実行されてもよく、その逆であってもよい。図面は、ここで開示される主題の実施形態によるシステムアーキテクチャの全体概略を図示する。図面中の各モジュールは、本明細書で定義され説明されるような機能を実施するソフトウェア、ハードウェアおよび/またはファームウェアのあらゆる組合せから作られる可能性がある。図面中のモジュールは、1つの場所に集中させてもよく、または2つ以上の場所に分散させてもよい。
【0034】
ここで開示される主題の例は、適用において、以下の説明で説明されるか、または図面で図示される構成要素の構築および配置構成の詳細に限定されない。主題は、様々なやり方で実用化または遂行されてもよい。また、本明細書で採用される言い回しおよび用語は、説明を目的としたものであって、限定的であると考えられてはならないことを理解されたい。
【0035】
本文書では、図面の範囲内で説明されておらず、先行図面で説明された数字でラベル付けされた図面の要素は、先行図面と同じ使い方および説明を有することができる。
【0036】
本文書の図面は、いかなる縮尺通りにもなっていない可能性がある。異なる図面が異なる縮尺を使用する可能性があり、例えば、同一物体の異なる見え方に対して異なる縮尺、または2つの隣接する物体に対して異なる縮尺など、同一の図面内ですら異なる縮尺が用いられる可能性がある。
【0037】
開示される実施形態に一貫して、「少なくとも1つのプロセッサ」は、1つまたは複数の入力に対して論理演算を行う電気回路を有するあらゆる物理的なデバイスまたはデバイスのグループを構成する可能性がある。例えば、少なくとも1つのプロセッサとしては、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)のすべてまたは一部、画像処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、サーバ、仮想サーバ、または命令を実行するもしくは論理演算を行うために好適な他の回路を含む、1つまたは複数の集積回路(IC)を挙げることができる。少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令は、例えば、コントローラに統合もしくは埋め込まれたメモリに予めロードされてもよく、または別個のメモリに記憶されてもよい。メモリとしては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、光学ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、他の恒久的、固定もしくは揮発性のメモリ、または命令を記憶することができるあらゆるメカニズムを挙げることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、2つ以上のプロセッサを含んでもよい。各プロセッサは、類似の構造を有してもよく、またはプロセッサは互いに電気的に接続もしくは接続解除された異なる構造の物であってもよい。例えば、プロセッサは別個の回路であってもよく、単一の回路に統合されてもよい。2つ以上のプロセッサが使用される場合、プロセッサは独立的にまたは協働的に動作するように構成することができる。プロセッサは、電気的に、磁気的に、光学的に、音響的に、機械的に、または相互作用を可能にする他の手段により、結合されてもよい。
【0038】
開示される実施形態は、データ構造を含むことができる、および/またはデータ構造にアクセスすることができる。本開示と一貫するデータ構造は、データ値およびそれらの関連性のあらゆるコレクションを含むことができる。データは、線形に、水平的に、階層構造的に、リレーショナルに、非リレーショナルに、単次元的に、多次元的に、動作可能に、順序付けられた方法で、順序付けられない方法で、オブジェクト指向の方法で、中央集権的な方法で、非中央集権的な方法で、分散された方法で、カスタム方法で、またはデータアクセスを可能にするあらゆる方法で記憶することができる。非限定的な例として、データ構造としては、配列、連想配列、連結リスト、二分木、平衡木、ヒープ、スタック、キュー、集合、ハッシュテーブル、レコード、タグ付き共用体、ERモデル、およびグラフを挙げることができる。例えば、データ構造としては、XMLデータベース、RDBMSデータベース、SQLデータベース、または例えば、MongoDB、Redis、Couchbase、Datastax Enterprise Graph、Elastic Search、Splunk、Solr、Cassandra、Amazon DynamoDB、Scylla、HBase、およびNeo4Jなど、データ記憶/探索用の代替物であるNoSQLを挙げることができる。データ構造は、開示されるシステムの構成要素、またはリモートコンピューティングの構成要素(例えば、クラウドベースのデータ構造)であってもよい。データ構造中のデータは、隣接するメモリ、または隣接しないメモリに記憶することができる。さらに、本明細書で使用される場合、データ構造は、コロケートされる情報を必要としない。例えば、同一または異なるエンティティによって所有または運用され得る複数のサーバに分散されてもよい。したがって、本明細書において単数形で使用される場合、用語「データ構造」には複数のデータ構造が含まれる。
【0039】
例示の実施形態は、一般的に、例示的なデジタルプラットフォームで各物品をデジタルに表現するために、物理的な物品に埋め込まれる、取り付けられる、そうでなければ関連付けられるように構成されたワイヤレス通信タグに関する。いくつかの実施形態では、例示的なタグは、周囲エネルギーを取り入れ、取り入れたエネルギーを使用して識別信号を受信機に送信するように構成することができる。識別信号は、製品、場所、履歴、ステータス、所有権、および/または特性データを含む、様々なタイプのデータを含んでもよい。そのようなデータは、意図される使用に応じて様々なタイプのプラットフォームに関連付けられる受信機に運ばれてもよい。プラットフォームは、例えば1つまたは複数のタイプの製品追跡および/または真正性認証を実現するために1つまたは複数のサーバ上で実行されるソフトウェアプログラムであってもよい。開示される実施形態が採用され得るプラットフォームの例としては、以下を挙げることができるが、それに限定されない:店舗および倉庫などの事業所における在庫目録管理システム;サプライおよび/またはツールを追跡するための厨房管理システム;アプライアンス内で使用されるまたはアプライアンスに接続されて使用されるタグ付けされた物を追跡するためのアプライアンス管理システム;製品の製造中に使用される構成要素を追跡するための製造システム;移送および配達を通じて小包および他の配達可能物を追跡するための輸送および配送システム;他のサプライチェーンマネジメント;ワードローブおよびクローゼットに保管される衣料品を追跡するためのワードローブ管理システム;衣料品のクリーニング、ならびに/あるいは洗濯される衣類の受領、および顧客またはクローゼットもしくはワードローブなどの指定場所のいずれかへの衣類の返却を追跡するための衣類洗濯システム;食品配達システム;異なる所有者へ移転されるグッズの所有権を管理するためのシステム;偽造を防止するためにグッズを真正性認証するためのシステム;車両追跡システム;車両中ならびに/またはパブリックおよびプライベートドメイン内の、物およびまたは人物を追跡するためのシステム;廃棄物管理システム;ならびに、人、動物、または物体を、追跡および/または真正性認証することが有益であり得るすべての他のシステム。
【0040】
いくつかの実施形態では、例示的なタグは、アクティブ送信状態およびアイドル状態の両方において、指定のバッテリなくエネルギーを取り入れて動作しながらも、最小量の電力を消費するように構成することができる。有利には、例示的なタグの構成は、パッシブRFIDデバイスに匹敵する電力エンベロープで、商用バッテリ駆動デバイスに匹敵する無線性能を可能にすることができる。
【0041】
図1は、電子商品監視(EAS)ゲート1110、1112などのセキュリティゲートの環境内にある、例示的なワイヤレスタグ1100aおよび1100bの非限定的な実施形態を図示している。いくつかの実施形態では、タグ1100aおよび1100bのうちの1つまたは両方が、ワイヤレス識別タグであってもよい。タグ1100aは、埋め込まれてもよく、縫製されてもよく、クリップ留めされてもよく、取り付けてもよく、またはそうでなければ衣料品1106などの物体に組み込んでもよい。タグ1100bは、ユーザ1104によって購入またはそうでなければ入手されてバッグ1122内で保持される物品に、取り付けてもよい、またはそうでなければ組み込んでもよい。タグ1100aおよび1100bは、信号1118などのワイヤレス信号を受信するように構成することができる。信号1118は、EASゲート1110、1112の一部を形成することができる、EAS送信機1116などの外部システムまたはデバイスによって生成されてもよい。いくつかの実施形態では、タグ1100aおよび1100bのうちの1つまたは両方は、ゲート信号1118を受信し、それに応答して、ゲート信号1118の周波数とは異なる周波数を有する信号を生成して出力するように構成することができる。例えば、タグ1100aは、ゲート信号1118を受信すると信号1102aを出力することができ、タグ1100bは、ゲート信号1118を受信すると信号1102bを出力することができる。いくつかの実施形態では、信号1102aおよび1102bのうちの1つまたは両方は、信号1102aおよび1102bはEASセンサ1120によって検出されないように、約2.4GHzの周波数帯域内の周波数を有することができ、それによりEASゲート1110、1112の警報1114をトリガしない。
【0042】
いくつかの実施形態では、図1の例示的なシステムは、複数のワイヤレスタグからの信号のブロードキャスト(信号1102aおよび1102bなど)を受信するように構成され、また以下で詳細に議論するように、ワイヤレスタグに電力を供給するべくワイヤレスタグによって収集されて貯蔵されるエネルギーを伝達するように構成された、少なくとも1つの受信機/エキサイタデバイス1124を含んでもよい。例えば、デバイス1124は、送受信機、ルータ、デュープレクサ、または信号の送信および受信の両方をするように構成されたあらゆる他のデバイスを含んでもよい。図11で描かれる例示的な衣料品小売店などのいくつかの代替的な実施形態では、システムは、ワイヤレスタグからの信号のブロードキャストを受信するように構成された複数の受信機11300a~h、およびワイヤレスタグによって収集されて貯蔵されるエネルギーを伝達するように構成されたエキサイタ11400を含んでもよい。しかしながら、当業者であれば、本明細書で説明される例示的なシステムは、受信機/エキサイタデバイス(デバイス1124など)だけ、受信機デバイスおよびエキサイタデバイス(受信機11300およびエキサイタ11400など)だけ、またはそれらのあらゆる所望の組合せを含んでもよいことを理解されよう。加えて、当業者であれば、本明細書で説明される例示的なエキサイタおよび受信機(受信機11300およびエキサイタ11400)は、別個のデバイスとして、および/または組合せて受信機/エキサイタデバイス(受信機/エキサイタデバイス1124)として実装されてもよく、その逆であってもよいことを理解されよう。
【0043】
いくつかの実施形態では、例示的なワイヤレスタグは、少なくとも1つのアンテナ、少なくとも1つの送信機、および少なくとも1つの回路を含んでもよい。少なくとも1つのアンテナ、少なくとも1つの送信機、および少なくとも1つの回路は、可撓性基板上に設けられてもよい。基板は、少なくとも1つのアンテナ、少なくとも1つの送信機、および少なくとも1つの回路などの構成要素を、その上に、またはその中に配置することができる構造であってもよい。基板は、力に出会うと基板が1つまたは複数の方向に変形可能に構成され得るように、可撓性であってもよい。例えば、可撓性基板は、そこに貼り付けられた構成要素が所望の形状になるような、または使用中に撓むような基板であってもよい。可撓性基板に好適な材料としては、ポリエステル(PET)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレン(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、および様々なフルオロポリマー(FEP)とコポリマー、あるいは/または使用中に少なくとも一部で所望の形状になるもしくは撓むことが可能なあらゆる他の基板を挙げることができるが、それに限定されない。
【0044】
図2は、例示的なワイヤレス通信タグ1100のブロック図であり、タグはEASコイル2110、900MHzアンテナ2112、2.4GHzアンテナ2114、マルチソースハーベスタ2102、送信機2104、ゲート検出回路2106、およびエネルギー貯蔵回路2108を含むことができ、それらの一部またはすべては、基板2120上に形成されてもよい。基板2120は、例えばタグが以下で議論される図4図8で図示される様々な製品などの衣料品に貼り付けられている、および/または埋め込まれている場合、生じ得る撓みまたは動きに関わらずタグが機能できるように、可撓性であってもよい。
【0045】
ワイヤレスタグの様々な実施形態は、製品への貼り付け用に接着層を含む場合がある。いくつかの実施形態では、ワイヤレスタグは、製品または製品のパッキングに、貼り付けまたはそうでなければ、配置することができる。この貼り付けは、1つまたは複数の接着層によって支援されてもよい。接着層の実施形態としては、様々なタイプの糊、テープ、セメント、ワックス、ゴム糊、ペースト、エポキシ、シーラント、エラストマー、および表面同士の密着を容易にすることができる他の好適な材料を挙げることができる。図2を参照する例として、タグ1100は、その電子的構成要素を支持する基板2120を含んでもよく、また電子的構成要素とは反対側である基板層の側面に位置付けられ得る接着層2122を含んでもよく、または電子的構成要素が2つ以上の基板層の間に封入される場合では、接着層は複数層基板のいずれかの側面に位置付けられてもよい。接着層2120は、タグが、図6のつるしタグ6100または図8の製品8000などの特定の物品に結合できるようにすることができる。
【0046】
開示される実施形態は、布地層などの、ワイヤレスタグを少なくとも部分的に封入する少なくとも1つの材料層であり、縫製による貼り付け用に構成される材料層をさらに含んでもよい。代替的に、タグはポケット内への結合によって、または組み込みによって、布地に連結可能であってもよい。布地としては、衣類、アクセサリ、または布地を採用するあらゆる他の物体で使用可能なあらゆる材料を挙げることができる。布地は、織布、不織布、繊維質、非繊維質であってもよい。シルク、ウール、リネン、コットン、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、または無機質材料およびゴム、プラスチック、人工物もしくは自然の物、スパンボンド/スパンレース、エアレイド、ドライレイド、ウェットレイド、ビニル、シート状材料、またはあらゆる他の層を含む、あらゆる好適な材料を挙げることができるが、それに限定されない。いくつかの実施形態では、布地は可撓性または変形可能であってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、ワイヤレスタグは、材料の層に組み込んでもよい。ワイヤレスタグは、部分的に組み込まれてもよく、その場合、ワイヤレスタグの一部が露出してもよいか、または覆われていなくてもよい。代替的に、ワイヤレスタグは完全に組み込まれてもよく、その場合、ワイヤレスタグは布地によって完全に包囲されてもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤレスタグは、縫製によって布地に部分的にまたは完全に組み込んでもよい。図3は、布地に封入されたワイヤレスタグの非限定的な実施形態を図示している。例えば、描かれるように、タグ1100は布地ポケット3000に封入されている。図5は、衣類などの製品5000にタグ1100を含む布地ポケット3000の配置をさらに図示している。
【0048】
本明細書で使用される場合、ワイヤレスタグを部分的に封入することは、材料層に対してワイヤレスタグが特定のポイントまたはエリアに固定されるように、ワイヤレスタグの周りに少なくとも1つの材料層を位置付けることを含んでもよい。材料層としては、布地、他のテキスタイル、または縫製により別の材料に好適に貼り付けることができる、皮、ゴム、紙性材料などのあらゆる他の材料を挙げることができる。例として、図3は布地ポケット3000に封入されたタグ1100を図示している。そして布地ポケット3000は、ワイヤレスタグがジャケット5000に貼り付けられるように、図5に描かれるジャケット5000に縫製することができる。
【0049】
図4図8は、タグ1100を組み込む製品の非限定的な実施形態を図示している。例えば、図4は、衣類タグ4100を伴うドレス4000などの衣類を描いており、衣類タグ4100は、取り扱いタグ(例えば、ドレス400をクリーニングするための指示を含む)および/またはドレス4000のサイズやブランドを示すタグであってもよい。図4の例では、タグ1100は、衣類タグ4100に縫製されてもよく、またはそうでなければ貼り付けてもよい。例えば、タグ1100は、衣類タグ4100に縫製することができる、布地ポケット3000に封入されてもよい。
【0050】
図5は、衣料品5000(例えば、ジャケット)に縫製された布地ポケット3000に封入された例示的なタグ1100の実施形態を描いている。図6は、パンツ6000などの製品に取り付けることができる、つるしラベル6100の例示的なタグ1100を描いている。図7に描かれるような別の非限定的な実施形態では、タグ1100は、タグ1100が視界から隠すことができるようにTシャツのレイヤ間に配置されることによって、Tシャツ7000などの製品に貼り付けることができる。別の例として、図8に描かれるように、タグ1100は、容器8000などの製品パッケージに接着されてもよい。衣類および容器は、単に例示目的で図示されている。前述したように、タグは、実質的にあらゆる方法で実質的にあらゆる物品に関連付けることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、例示的なタグ1100は、複数の周波数帯域でエネルギーを取り入れ、取り入れたエネルギーを使用してその動作に電力を供給するように構成することができる。例えば、タグ1100は、所望の数の周波数帯域において、エネルギーを取り入れるための1つのアンテナ、エネルギーを取り入れるための2つのアンテナ、エネルギーを取り入れるための3つのアンテナ、またはエネルギーを取り入れるためのあらゆる他の数のアンテナを含むことができる。いくつかの実施形態では、タグ1100は、約900MHz WW ISMの周波数帯域(例えば、860MHz~960MHz間の極超短波RFID帯域)でエネルギーを取り入れるように構成することができる。例えば、図9は、1GHzより低い周波数のエネルギー(例えば、約900MHzの周波数帯域のエネルギー)を受信して、受信したエネルギーを900MHzハーベスタ9012に渡すように調整されたアンテナ2112を有するタグ1100のタグアーキテクチャの実施形態を図示している。追加的に、または代替的に、例示的なタグは、約2.4GHz WW ISMの周波数帯域でエネルギー(例えば、BluetoothおよびWi-Fiなどの約2.45GHzの周囲エネルギーおよび意図的エネルギーソース)を取り入れるように構成することができる。例えば、図9に描かれる例示的なタグアーキテクチャは、約2.4GHzの周波数帯域のエネルギーを受信して、受信したエネルギーを2.4GHzハーベスタ9014に渡すように調整されたアンテナ2114を追加的に含んでもよい。いくつかの実施形態では、取り入れたエネルギーは、エネルギー貯蔵回路2108にエネルギーを貯蔵することができるか、または取り入れたエネルギーをタグから1つまたは複数の受信機への信号の電力送信に提供することができる電力マネージャ9010に渡されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、例示的なワイヤレス通信タグ1100は、信号をタグから1つまたは複数の受信機に送信するように構成された少なくとも1つの送信機を含むことができる。例えば、タグ1100は、約2.4GHz WW ISMの周波数帯域で一意のID信号(任意選択で、ステータスインジケータおよび/または他のデータと共に)を送信することができる。いくつかの実施形態では、エネルギーを取り入れるように構成されたアンテナは、タグの信号を送信するように追加的に構成されてもよい。例えば、図9に描かれる送信機2104は、アンテナ2114を使用して約2.4GHzの周波数を有する信号を送信するように構成することができるため、アンテナ2114は、エネルギーを取り入れること、およびタグ信号を送信することの両方を行うように構成することができる。例示的なタグ1100は、アンテナ2114の挙動を制御して、アンテナ2114を送信モードとエネルギー取り入れモードとの間で切り替えるように構成されたスイッチ9034を追加的に含んでもよい(例えば、送信機2104のビーコンコントローラ9030の制御下で)。いくつかの代替的な実施形態では、例示的なタグ1100は、エネルギー取り入れアンテナとは別個の、追加的なアンテナに接続される信号送信機を含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、例示的なワイヤレス通信タグ1100は、EASシステムによって生成される場を含む、電磁場を検出するように構成された少なくとも1つのアンテナを含むことができる。いくつかの実施形態では、電磁場を検出するためのアンテナは、少なくとも1つのコイルを含む可能性がある。例えば、図2および図9に描かれるように、タグ1100は、EASコイル2110を含んでもよい。追加的に、または代替的に、電磁場を検出するための他のタイプのアンテナが、タグ1100に組み込まれてもよい。タグ1100は、電磁場を検出するための1つのアンテナ、電磁場を検出するための2つのアンテナ、電磁場を検出するための3つのアンテナ、または所望の数の電磁場を検出するためのあらゆる他の数のアンテナを含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、EASコイル2110は、1つまたは複数の所定の周波数帯域で動作する電磁場を検出するように構成することができる。例えば、EASコイル2110は、7~13MHz間の周波数帯域の場、および58~60kHz間の周波数帯域の場を検出するように構成することができる。図10に図示されるように、EASコイル2110は、第1の周波数帯域(例えば、7~13MHz)の場を検出するためのモードと、第2の周波数帯域(例えば、58~60kHz)の場を検出するためのモードとの間で、コイル2110を調整するために、コントローラ9020によって制御される調整コンデンサ10200を含んでもよい。いくつかの実施形態では、EASコイル2110は、コイル2110が入射EAS場を検出したときでも、近くのEASゲートを起動しないように構成されてもよい。つまり、入射EAS場を受信すると検出可能な信号を発する(または検出可能な干渉を作り出す)従来的なEASタグとは異なり、コイル2110は、EASゲート警報をトリガする信号を発することなくEAS場を検出するように構成することができる。いくつかの実施形態では、EASコイル2110は、入射電磁場を検出することができ、ゲート検出回路2106は、場がEASゲートから受信されたかどうかを判定することができる(例えば、場が7~13MHzの間と、58~60kHzの間のどちらの周波数帯域にあるか)。EASフィールドが検出されると、回路2106は、EAS検出信号をコントローラ9020に出力することができ、以下で議論するように、EAS場の検出に応答して、コントローラは送信機2104の1つまたは複数の信号送信パラメータを変更することができる。
【0055】
上述のように、複数の周波数帯域において、複数のソースからエネルギーを取り入れることは、例示的なタグにいくつかの恩恵を与えることができる。まず、異なる周波数帯域は、異なる管轄域において多様な規制上の制限を有する場合があり、第1の帯域で取り入れる電力が不足する場合、第2の帯域において、タグがそのエネルギー取り入れを補うことができるようにする。
【0056】
加えて、複数のソースからエネルギーを取り入れることは、例示的なタグが、タグが動作するコンテキストに基づいて、送信機2104によって送信されているID信号を含め、その挙動を適合できるようにもすることができる。いくつかの実施形態では、タグのトップレベルコントローラ9020は、タグによって受信されるエネルギーのタイプを判定して、受信したエネルギーのタイプに基づいて送信機2104の動作を制御するように構成することができる。例えば、コントローラ9020は、アンテナ2112が、少なくとも1つの所定の周波数帯域(例えば、1GHzより低い周波数のエネルギーまたは約900MHzの周波数帯域のエネルギー)で、いつエネルギーを受信したかを判定して、その判定に基づいて、送信機2104が第1の送信モードで動作するよう制御するように構成することができる。追加的に、または代替的に、コントローラ9020は、アンテナ2114が、少なくとも1つの所定の周波数帯域(例えば、約2.4GHzの周波数帯域のエネルギー)で、いつエネルギーを受信したかを判定して、その判定に基づいて、送信機2104が第2の送信モードで動作するよう制御するように構成することができる。追加的に、または代替的に、コントローラ9020は、EASコイル2110が、少なくとも1つの所定の周波数帯域(例えば、7~13MHzの間の周波数帯域のエネルギーおよび/または58~60kHzの間の周波数帯域のエネルギー)で、いつエネルギーを受信したかを判定して、その判定に基づいて、送信機2104が第3の送信モードで動作するよう制御するように構成することができる。有利には、タグは、入射エネルギーの周波数に基づいてその環境を識別して、識別した環境に応じて、送信機2104の制御パラメータを含むその挙動を調節するように構成することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、例示的なタグは、エネルギーをローカルに(例えば、エネルギー貯蔵回路2108に)貯蔵して、いくつかの実施形態では、(例えば、大量のデータを伴う信号ではなく)その一意のID信号だけを送信するように構成することができる。これは、送信機を動作させるために必要な電力量、およびタグのデジタルコンテンツ全体を、従来のバッテリ駆動デバイスにおけるよりもずっと低いレベルまで低減することができる。例えば、例示的なタグは、アクティブ状態(例えば、送信機2104が1つまたは複数の信号を送信している間)では約500μA以下を消費する可能性があり、アイドル電流が必要とし得るのはナノアンペアのオーダーに過ぎない。追加的に、または代替的に、例示的なタグは、送信機2104に電力を供給して、取り入れたエネルギーだけを使用してバッテリまたは他の電源を必要とすることなく、非同期Bluetooth Low Energy(BLE)信号を約-10dBmでアクティブに送信するように構成することができる。先ほどの例は、非限定的な例示的な目的のために過ぎない。ずっと多い、またはずっと少ないエネルギーを用いるデバイスも、また本開示の範囲内である。
【0058】
有利には、必要な電力レベルが低いことによって、タグの送信機2104が、10メートル以上の送信範囲を達成することが可能になり、タグが非同期BLE信号を送信する実施形態では、タグ送信信号の、RFIDデバイスによって送信された信号よりも信頼できる受信が可能となる場合がある。これは、RFIDプロトコルの主に後方散乱受信技法の使用によって駆動され、このプロトコルはBLEなどの他の通信プロトコルと比較すると、環境からの干渉、反射、および遮蔽に対して著しく感度を高くさせる。例えば、いくつかの実施形態では、例示的なワイヤレス通信タグの送信を受信しているリーダは、感度レベルが-93~-96dBmの受信機を実現することができ、これは従来のRFIDリーダチップより約10dB良好である。
【0059】
図12図14は、図11に図示される小売店空間内のワイヤレス通信タグの例示的な動作モードを描いている。以下で議論する主題は例示に過ぎず、限定として見られるべきではないことを理解されたい。以下で議論される原理は、上で列挙した多数の他のプラットフォームに適用可能である。図12は、本明細書では「インフラストラクチャ励起可能モード」(その一例として、貯蔵モードを挙げることができる)と称される第1のモードで動作中のタグ1100を図示している。図13は、本明細書では「ユーザ励起可能モード」(その一例として、モノのインターネット(IoT)モードを挙げることができる)と称される第2のモードで動作中のタグ1100を図示している。図14は、本明細書では「ゲートモード」と称される第3のモードで動作中のタグ1100を図示している。
【0060】
タグ1100は、タグが施設内にくまなく配置されたエキサイタ11400などの環境エキサイタによって電力を供給される場合、図12のインフラストラクチャ励起可能モードで動作するように構成することができる。このモードでは、例えば、グッズが保管または販売用に展示される場所は、その在庫目録を追跡し続けることができる。各物品の各タグは、IDをブロードキャストして、自身がまだ施設内に存在することをシステムに知らせる。場所追跡は、物品の存在を追跡するだけでなく、その場所も追跡するように、そのようなシステムをさらに強化することがある。例えば、受信されるID信号の強度は、特定の受信機に対する物品おおよその場所を示すことができる、または例えば、三角法に基づいて複数の受信を使用してより正確な場所を特定することができる。システムのデータベースに記憶される追加的な情報は、ユーザに追加的な価値を与える場合がある。例えば、物品の移動または所有権の履歴は、物品の特性と共にデータベースに記憶される場合がある。したがって、タグからの単一のIDの送信は、物品についての事前記憶データと連結されると、ユーザに豊富な情報を与えることができる。いくつかの実施形態では、送信用の追加的な特徴付けデータがタグに記憶される場合がある。
【0061】
図12は単一のエキサイタしか図示していないが、タグ1100は同時的に複数のエキサイタによって電力を供給されてもよい。エキサイタ11400(例えば、エキサイタ11400dを含む)は、860~960MHzの間のRFID周波数帯域において、エネルギー12110をタグに渡すように構成することができる。追加的に、または代替的に、タグ1100は、他のソースからの約900MHzの周波数を有するエネルギーを受信することができる。エネルギー12100は、アンテナ2112によって受信することができ、タグの動作に電力を供給するためにエネルギー貯蔵回路2108に貯蔵することができる。
【0062】
インフラストラクチャ励起可能モードがトリガされると、タグ1100は、送信機2104を制御して、低い繰返し周期で約2.4GHzの周波数帯域でタグのID信号12200をブロードキャストする。例えば、タグは、ID信号12200を、最大5分のランダムな期間を加えた最小繰返し周期10分で、結果として平均12.5分ごとに1ブロードキャストで、送信してもよい。代替的に、タグ用の繰返し周期は、これより長くてもよく、短くてもよい(例えば、5分未満、数時間、または数日)。場合によっては、ID信号12200の送信は、約300μsの持続時間を有してもよいが、代替的な実施形態では、送信持続時間は、これよりに長くてもよく、短くてもよい。
【0063】
図11図14に図示される例では、複数の受信機11300a~hが施設にくまなく配置されてもよく、施設内のまたは施設に近接するワイヤレス通信タグのすべてからID信号12200のブロードキャストを受信するように構成することができる。送信機2104は、10メートル以上(例えば、場合によっては、15メートル以上)のブロードキャスト範囲を有する場合があるため、送信されるID信号12200は場合によっては複数の受信機11300eおよび11300fによって受信される可能性があり、したがって信号の誤検出の確率を低減する。他の場合では、1つの受信機は、ID信号12200のブロードキャストを受信してもよい。受信機がタグからID信号12200を受信すると、信号は、処理、分析、および/または記憶のために(施設内および/またはリモートのプラットフォームサーバ内のプロセッサなどの)1つまたは複数のプロセッサに中継されてもよい。上で議論したように、例示的なシステムは、追加的にまたは代替的に、デバイス1124などの1つまたは複数の受信機/エキサイタデバイスを含んでもよく、これらのデバイスはエネルギー12100をワイヤレス通信タグに渡し(エキサイタ11400と同様)、ワイヤレス通信タグからID信号12200のブロードキャストを受信する(受信機11300と同様)ように構成することができる。つまり、デバイス1124は、エキサイタおよび受信機の両方として機能することができる。図11に図示される実施形態などの、いくつかの代替的な実施形態では、エキサイタ11400および受信機11300は、別個のデバイスとして構成されてもよい。
【0064】
複数のワイヤレス識別タグが同一施設内で使用される実施形態では、BLE規格の3つ以上のチャネル(2.400~2.4835GHzの間のWW ISM)を、タグが個々のID信号を受信機に向けてブロードキャストするために使用してもよい。例えば、各タグは、1送信当たり、3つの広告チャネルのうちの1つをランダムに選択することができる。この複数のチャネルの使用は、各信号送信の短い持続時間および低い繰返し周期と併せて、異なるタグの送信同士の衝突の見込みを最小化することができる。加えて、各タグは、インフラストラクチャ励起可能モードの間、信号送信が低頻度であること、および送信ごとに必要とされる電力が少量であることに起因して、取り入れたエネルギーを保存することができる。
【0065】
タグ1100は、タグがBluetoothおよびWi-Fiデバイスなどの周囲および意図的な2.4GHzソースからエネルギーを受信すると、図13のユーザ励起可能モードで動作するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、スマートフォン、タブレットまたは2.4GHzトリガ信号13100をタグに向けて送信するように構成されたあらゆる他のデバイスを用いて2.4GHzデバイスでタグをスキャンすることによって、タグ1100でユーザ励起可能モードをトリガすることができる。これにより、ユーザはそのタグのスキャンに基づいて物品についての情報を受信することができる。例えば、スキャンが生じると、IDがサーバに送信される場合がある(例えば、ネットワークインフラストラクチャを介して、またはユーザによって制御されるデバイス内の受信機/送信機を介して)。次いでサーバは、情報の検索を行って、それをユーザのデバイスに送信することができる。ユーザは、ユーザのニーズに対して出力を仕立てるために、リクエストされる情報のタイプを定義できるようになる場合がある。代替的な実施形態では、関連データが既にユーザデバイスに記憶されている場合があり、分析のためにサーバに送信される代わりにユーザのデバイス上で検索が生じる場合がある。
【0066】
図13に示される例では、ユーザは小売店内でタグ1100のユーザ励起可能モードを起動することができるが、ユーザが自宅で自分のスマートフォンを用いて物品(またはクローゼット中の物品の棚)をスキャンしたとき、または手作業での在庫目録スキャン中(例えば、倉庫または他の保管施設において)など、ユーザ励起可能モードは他の場所および状況においてトリガされてもよい。
【0067】
ユーザ励起可能モードがトリガされると、タグ1100は、入射2.4GHzエネルギーを取り入れてエネルギー貯蔵回路2108を充電することができる。追加的に、タグ1100が2.4GHzエネルギーがアンテナ2114によって受信されたと判定すると、送信機2104はID信号12200を約2.4GHzの周波数帯域で送信することができる。しかしながら、ビーコンコントローラ9030は、ID信号の繰返し周期を、インフラストラクチャ励起可能モードにおけるID信号の繰返し周期よりもずっと速くなるように調節することができる。例えば、送信機2104は、ID信号12200を2.4GHz信号13100がアンテナ2114によって受信されてから10秒未満で約300μsの信号持続時間でブロードキャストすることができる。代替的に、ユーザ励起可能モードでは、これよりも長いまたは短い繰返し周期が実装されてもよい。ユーザ励起可能モードに短い応答期間を実装することによって、ユーザ励起可能モードがトリガされた際、タグは迅速な応答をユーザに提供することができる。それと比較して、そのような迅速な応答はインフラストラクチャ励起可能モードでは必要とされない場合がある。いくつかの実施形態では、タグがインフラストラクチャ励起可能モードからユーザ励起可能モードに入る際、同時に2.4GHzの周波数帯域で動作中の他のデバイスとの干渉の機会を最小化するために、ビーコンコントローラ9030は、送信電力を下げることもできる。
【0068】
いくつかの実施形態では、ユーザ励起可能モードにおいて、タグはID信号12200をデバイス11200にブロードキャストし戻すことができる。追加的に、または代替的に、タグはID信号12200を、施設付近の1つまたは複数の受信機(例えば、図13の受信機11300c)にブロードキャストすることができる。いくつかの実施形態では、ユーザ励起可能モードにおけるタグ送信は、上で議論した3つ以上のBLEチャネルのうちの1つでブロードキャストすることができ、各タグは、1送信当たり、3つのチャネルのうちの1つをランダムに選択する。
【0069】
タグ1100は、EASコイル2110がEASゲート1112、1114からEAS信号14100を受信すると、図14のゲートモードで動作するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、EAS信号14100は、7~13MHzの間の帯域または58~60kHzの間の帯域の周波数を有することができる。EASゲート1112、1114は、施設の出口付近に設置される場合があり、RFID、Wi-Fi、Bluetoothまたは他の無線周波数送信よりもさらに局所化された信号14100を発して、タグ付けされた物品がいつゲートを通過したか(単にゲートの近くを歩いた場合ではなく)の正確なインジケーションを提供することができる。例えば、顧客に勘定台またはレジを訪ねるよう要求する代わりに、ユーザはタグ付けされた物品と共に店から歩いて出ることを許可されてもよい。次いでゲートは、ユーザのモバイルデバイスなどを通じて、タグおよびユーザの識別情報を読み取って、購入される物品の在庫目録をサーバに送信することができ、サーバは物品の価格を検索して自動的にユーザのクレジット口座もしくはデビット口座に課金する、または自動的に資金をユーザの電子ウォレットから販売者に移転する。
【0070】
ゲートモードがトリガされると、ビーコンコントローラ9030は、送信機2104を制御して、短く、電力の大きなID信号12200のバーストを送信する。例えば、複数の送信が非常に短い時間フレームの間に生じるように、送信機2104は、その最大出力電力でおよそ200msの期間、10~80msの間の繰返し周期でID信号を送信することができる。ID信号12200は、EASゲート近くの専用の受信機11300hによって受信されてもよいが、EASコイル2110およびその関連回路の設定により、EASゲート自身は、タグ1100によってトリガされなくてもよい。いくつかの実施形態では、タグ1100は、所定の長さの時間、またはID信号12200の所定の送信回数、ゲートモードで動作するように構成することができ、その後、タグの以前の動作モードまたはデフォルトモード(例えば、インフラストラクチャ励起可能モードであり得る)に戻ることができる。
【0071】
開示される実施形態は、製品の自己識別を可能にするための製品との関連付け用のワイヤレス識別タグを含む。ワイヤレス識別タグは、例えば、無線周波数識別(RFID)デバイス、Bluetooth Low Energy(BLE)ビーコンデバイス、無線周波数エネルギーによって電力を供給されるマイクロコントローラを含むデバイス、または検出可能な信号を送信するように構成されたあらゆる他の構造など、あらゆるワイヤレスに検出可能なデバイスを含んでもよい。製品は、タグを関連付けることができる、あらゆる物品を含むことができる。非限定な例として、製品としては、ツール、衣料、電子機器、消費財、機器、車両、消耗品、パッケージ、アクセサリ、サプライ、材料、芸術性のある物、動物、人物、楽器、パレット、容器、医薬品、コモディティ、物品、デバイス、機械類、備品、メカニズム、家具またはあらゆる他の物体を挙げることができる。ワイヤレス識別タグは、タグを介して製品が自己識別を実現できるよう製品に関連付けることができる。ワイヤレス識別タグは、接着、埋め込み、縫製、装着、結合、摩擦嵌め、ポケット化、結び付け、ラッピング、ファスニング、またはあらゆる他のタイプの物理的関連付けによって製品に関連付けることができる。例えば、製品が布地から作られる場合、タグは布地に縫製する、布地のレイヤ間に埋め込む、布地に接着する、つるしタグにより布地に取り付ける、または物理的な関連付けを可能にするあらゆる他の方法で布地に連結することができる。自己識別には、例えば識別在庫目録番号、バーコード、あるいは製品識別を可能にする情報、1つまたは複数の製品特性の識別、または何らかの方法で製品、その動作、もしくはその使用に関連する情報を含むあらゆる他のデータ形式など、識別情報を含むデータを通信することまたは送信することが含まれてもよい。ワイヤレス識別タグの実施形態は、外部接続のケーブルまたは配線の使用を伴わずに物体を視覚的、触覚的、聴覚的、電子的に識別する目的で、あらゆる物体に取り付けるために好適なあらゆるデバイスを含んでもよい。他の実施形態は、製造プロセスの一部として、またはその後に、例えば、小売業者によって、物品に埋め込んでもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤレス識別タグはバッテリを必要としない場合があるが、取り入れたエネルギーで動作することができる(本明細書で開示されるとおり)。いくつかの実施形態では、ワイヤレス識別タグは、製造中に物品、例えば衣料に埋め込むために十分小型のデバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、埋め込まれたタグは、着用者によって容易に検出することができない。他の実施形態は、長期間、例えば数年間、物品に埋め込まれたまま、または取り付けられたままであってもよい。ワイヤレス識別タグのいくつかの実施形態は、最大でIP67規格など、埃および水に耐性があってもよい。他の実施形態は、洗浄、乾燥、ドライクリーニング、およびアイロンがけに耐性があってもよい。
【0072】
開示される実施形態では、タグはエネルギーを受信するよう調整された少なくとも1つのアンテナを含むことができる。アンテナは、電磁波を送信するまたは受信するように構成された、あらゆる構造を含むことができる。例えば、アンテナは、無線信号の送信および/または受信を可能にするやり方で配置された、1つまたは複数の導電素子、および/または非導電性の誘電体素子、あるいはアンテナが配置される空気中からもしくはあらゆる他の媒体から、エネルギーを受信および/または送信するように構成された、あらゆる他の構成要素および/またはデバイスを含むことができる。アンテナはまた、少なくとも1つの別個の受信機および/または送信機に、直接的またはワイヤレスに電気的に結合されてもよく、全方位で等しく(全方向性アンテナ)、または1つもしくは複数の特定の方向に優先的に(指向性または「ビーム」アンテナ)、エネルギーを送信および受信するように構成することができる。いくつかの実施形態では、アンテナはまた、その端子のうちの1つまたは複数において電流を作り出すべく、電波または他の電磁波に含まれるエネルギーの少なくとも一部を傍受するように構成されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、アンテナはまた、信号を(送信において)伝導入力から放射出力に変形するために、および/または(受信において)放射入力から伝導出力に変形するために使用される回路を含んでもよい。放射信号は、電磁的な放射、または電場もしくは磁場であってもよく、伝導信号は、(導電体としても知られる)金属線またはプリント回路などの物理的な接続上での時間変化する電圧または電流信号であってもよい。いくつかの実施形態では、放射信号は、音響的(ソナー用途など)または光学的(レーザ用途など)であってもよい。アンテナは、パッシブ(送信されるまたは受信される信号以外に必要とされる外部電力がないことを意味する)またはアクティブ(アクティブな回路に電力を供給するために外部電源が必要とされることを意味する)であってもよい。パッシブアンテナは、プリント回路基板(PCB)上に印刷された一連の導電体として実装することができ、直接接続を通じて、電気的もしくは磁気的連結、または電子的接続のあらゆる他の好適な形態を通じてのいずれかで、回路の残りに接続されてもよい。
【0074】
例として、図15に図示されるワイヤレス識別タグ1100は、アンテナ15002A、15002B、および15002Cを含んでもよい。アンテナ15002A、15002B、および15002Cは、異なるタイプの電磁的な信号を送信および/または受信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アンテナ15002A、15002B、および15002Cのあらゆる組合せが、単一のアンテナユニットに統合されてもよい。
【0075】
開示される実施形態は、周波数帯域約900MHz内の第1の周波数および周波数帯域約2.4GHz内の第2の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された少なくとも1つのアンテナを含んでもよい。本開示に一貫して、エネルギーとは、仕事を実行する能力、または特定の時間の長さの間に電力をかける能力を測る量を称する場合がある(例えば、電力と時間の長さの積は、消費したエネルギーに等しい)。エネルギーは、電気的、磁気的、電磁気的、力学的、音響的、熱的、フォトニックに、または他のソースなど、多くの形態で転送させることができる。エネルギーはまた、静電的、磁気的、化学的、力学的、熱的、または他の形態など、多くの形態で貯蔵されてもよい。電気回路または電子回路のコンテキストでは、電気エネルギーは、DC(直流)またはAC(交流)を含むことができるが、開示される実施形態と併せて他の形態の電気エネルギーが使用されてもよい。
【0076】
本開示に一貫して、周波数帯域とは、無線スペクトルおよび/または電磁スペクトルの一部を称する場合がある。例えば、周波数帯域とは、特定の産業、科学、および医療(ISM)目的に、国際的に予約されたスペクトルの一部を称する場合がある。このコンテキストでは、用語「予約される」とは、単一の目的または用途向けに、周波数帯域、または周波数の範囲を指定することを称する場合がある。多くの管轄域では、周波数帯域は、法律、規制または他の適用可能な規格もしくはプロトコルによって、予約されるおよび/または指定される場合がある。一般に、周波数帯域とは、ブロードキャスティング、無線通信、ワイヤレス電気通信(例えば、携帯電話)、近接場通信(NFC)、ワイヤレスコンピュータネットワーク(例えば、Wi-Fi)、またはワイヤレス通信のあらゆる他の手段などの分野、同様にレーダ、科学的測定、ビーコン、異なる使用に専用であり干渉を低減するために空に保たれる周波数帯域同士を分離するガード帯域などの他の分野および/または使用、ならびに電磁エネルギーの送信もしくは受信を必要とする他の分野および/または使用において使用することができる、あらゆるスペクトル部分を称する場合がある。
【0077】
一般に、約900MHzの周波数帯域とは、一般的にRFID目的に予約される極超短波(UHF)帯域のうちのあらゆる1つまたは複数の部分を称する場合がある。しかしながら、RFID目的に予約されるUHF帯域の具体的な部分は、地域および/または管轄域に応じて変わる可能性がある。例えば、多くの管轄域は、902~928MHz(例えば、アメリカ合衆国)および865~868MHz(例えば、欧州連合)などの2つの規格周波数帯域のうちの1つをUHF RFID技術向けに予約する可能性があるが、いくつかの管轄域は複数の帯域および/またはこの規格外部の他の一意な帯域を採用する可能性がある。1つのそのような国(例えば、日本)は、以前2つの一意な周波数帯域(952~956.4MHzおよび952~957.6MHz)をUHF RFID目的に使用しており、これらの両方は、規格範囲外であったが、本開示の目的およびこのコンテキストでは、約900MHzの周波数帯域内部となる。さらには、指定された周波数帯域は変更されやすい。例えば、日本は、UHF RFID技術向けに指定される周波数帯域を、後に916.7~920.9MHzに変更しており、これは本開示の目的、および本コンテキストでは約900MHzの周波数帯域内にある。したがって、本開示のコンテキスト内での特定の周波数帯域への参照は、必ずしも固定されておらず、むしろ規制、規格、プロトコルおよび業界ノルムの変更の対象となる。それに応じて、「約900MHzの周波数帯域」とは、本開示に一貫して、広範囲の潜在的な周波数帯域を指し得ることを理解されたい。
【0078】
本開示に一貫して、約2.4GHzの周波数帯域とは、広範な科学、医療、および産業用途における無線周波数エネルギーの使用向けに指定されたUHF帯域のあらゆる1つまたは複数の部分を称する場合がある。約2.4GHzの周波数帯域内で動作することができるデバイスのいくつかの非限定的な例としては、携帯電話、デスクトップ、ラップトップ、ビデオゲーム用コンソール、スマートフォン、タブレット、スマートTV、デジタルオーディオプレーヤ、車、現代的なプリンタおよびワイヤレス通信が可能な他のデバイスを挙げることができる。約2.4GHzの周波数帯域のサービスおよびユーザは、ワイヤレスローカルエリアネットワーキングおよびパーソナルエリアネットワーキング向けの、Wi-Fi、Bluetooth Low Energy(BLE)、およびClassic Bluetoothなどの、特定の無線通信技術を使用する可能性がある。多くの管轄域は、そのような技術向けの規格2.4GHz範囲にある複数の周波数帯域のうちの1つまたは複数を予約する可能性があるが、一部の管轄域は、複数の帯域および/またはこの規格外部の他の一意な帯域を採用してもよい。
【0079】
一般的にUHD RFID向けに指定された周波数帯域と同様に、類似の目的に指定される約2.4GHzの周波数帯域は、地域および管轄域によって変わってもよく、変更されやすい場合がある。例えば、米国電気電子学会(IEEE)802.11によると、一組のローカルエリアネットワーク(LAN)プロトコルは、約2.4GHzの周波数帯域を含む周波数においてWLAN Wi-Fi通信を実装するためのメディアアクセス制御(MAC)と物理層(PHY)プロトコルとの一組を指定しており、これはワイヤレスコンピュータネットワーキング用に世界で最も広く使用される規格である。時間と共に、IEEEは802.11を、5GHzさらには60GHzなど、2.4GHz範囲外の周波数帯域を、類似の目的向けに指定するよう修正してきた。したがって、ワイヤレスコンピュータネットワーキング向けの規格周波数範囲は、将来的に変更されやすい場合があると想定することができる。したがって、「約2.4GHzの帯域」とは、本開示に一貫して、広範囲の潜在的な周波数帯域を称し得ることを理解されたい。
【0080】
開示される実施形態は、900MHz WW ISMの第1の周波数範囲内の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された第1のアンテナ、および2.4GHz WW ISMの第2の周波数範囲内の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された第2のアンテナを含む、少なくとも1つのアンテナを含んでもよい。一般的に、900MHz WW ISMおよび2.4GHz WW ISMの周波数範囲とは、前に議論したように、それぞれ約900MHzおよび約2.4GHzの周波数範囲を称する場合がある。用語「WW ISM」とは、一般的に、例えばIEEEプロトコルまたはITUガイドラインなど、国際的またはワールドワイドな(WW)プロトコルおよび/または規格によって、様々な産業、科学および医療(ISM:industrial, scientific, and medical)目的に指定されている周波数範囲を称する場合がある。特定の周波数帯域は、国際的な当局、組織、および/または規制機関によって特定の目的用に指定されてもよいが、そのような目的に使用される特定の周波数帯域は、地域または管轄域によって変わってもよく、それにより一部の地域および管轄域が、国際的な規格および/またはプロトコルによって指定される周波数範囲外の周波数帯域を指定することができ、それでもなお類似の目的に使用される。追加的に、WW ISM周波数範囲とは、国際的な規格および/またはプロトコル内に入ってもよく、入らなくてもよい広範な周波数帯域を称する場合があることが理解されよう。
【0081】
しかしながら、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンテナは、1つまたは複数の周波数帯域または周波数範囲で送信されたエネルギーを受信するように調整された1つまたは複数のアンテナを含んでもよい。例えば、単一のアンテナは、約900MHzの複数の周波数帯域、約2.4GHzの複数の周波数帯域、またはその両方で送信されたエネルギーを受信するように調整されてもよい。それにより、約900MHz WW ISMの周波数範囲内の周波数で送信されたエネルギーを受信するように調整されたアンテナはまた、別の周波数範囲内の周波数で送信されたエネルギーを受信するように調整されてもよく、約2.4GHz WW ISMの周波数範囲内の周波数で送信されたエネルギーを受信するように調整されたアンテナは、別の周波数範囲内の周波数で送信されたエネルギーを受信するように調整されてもよい。
【0082】
例として、図9および図10は、ワイヤレス識別タグの例示的な構造を図示している。これらの図面では、アンテナ2112は、約900MHzの周波数範囲内の周波数で送信されたエネルギーを受信するように調整されてもよく、アンテナ2114は、約2.4GHzの周波数帯域で送信されたエネルギーを受信するように調整されてもよい。しかしながら、ワイヤレス識別タグはまた、あらゆる数のこれらのアンテナを含んでもよく、各アンテナはあらゆる周波数帯域のうちの1つまたは複数で送信されたエネルギーを受信するように調整されてもよく、またそれ自身が信号を送信するように構成されてもよい。
【0083】
開示される実施形態は、少なくとも1つの識別信号を送信するように構成された少なくとも1つの送信機を含んでもよい。送信機は、通信媒体上で信号を送信するように構成することができる。信号は、データを搬送すること(Wi-Fi、Bluetooth、セルラ通信、イーサネット通信、またはあらゆる他の規格ベースのもしくはプロプライエタリなプロトコルなどの通信システムの場合と同様)、および/またはエネルギーを搬送すること(一部のRFIDデバイス、X線イメージングまたはレーダ用のエキサイタの場合と同様)ができる。一部のコンテキストでは、用語「送信機」には、ワイヤレス通信を伴う場合があり、それにより、信号は電気信号、磁気信号、または電磁気的な信号であり、媒体は空中でのワイヤレス通信である。しかしながら、一般に、送信機には、本開示に一貫して、信号を送信することができる、あらゆる構成要素またはデバイスが含まれてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、識別信号は、合意された通信プロトコルを使用して合意された通信媒体で送信されるデータのコレクションを含んでもよく、これには送信されたデータ中の一意の識別子が含まれる。通信媒体としては、音響送信、視覚送信、有線通信、ワイヤレス通信、光ファイバ通信、または送信された信号を搬送するためのあらゆる他の好適な媒体を挙げることができる。通信プロトコルは、802.3イーサネット、ADSL/VDSL/SDSL有線プロトコル、Wi-Fi、Bluetooth、GSM、3G、LTE、5G、ZigBee、Z-waveワイヤレスプロトコル、送信機と受信機によって合意されたプロプライエタリなプロトコル、または様々な電子デバイス間の通信を参照するあらゆる他の規則のセットなどの、規格ベースのプロトコルであってもよい。しかしながら、基礎をなす通信プロトコルに関わらず、通信プロトコルの一部として時間的に早い時点で暗号化、スクランブル、または擬装が送信機と受信機の間で合意されている限り、受信機によって解読可能な方法で、データは送信機によって暗号化される、スクランブルされる、またはそうでなければ擬装されてもよい。データは、一意の識別子だけを含んでもよく、またはプリアンブル、ミッドアンブル、およびポストアンブルなどの他のフィールド、アドレスと他の識別子、ステータスフィールド、および/または送信機から受信機に送信され得るあらゆる他のデータを含んでもよい。しかしながら、一般に、識別信号は、送信機および/または送信デバイスに関連付けられる情報を含むあらゆる信号であってもよい。例として、図15に描かれる信号15104A、15104B、および15104Cは、識別信号を含んでもよい、またはそうでなければ識別信号を構成してもよい。
【0085】
開示される実施形態は、少なくとも1つの回路を含んでもよい。回路は、2つ以上の相互接続された構成要素を含んでもよい。いくつかの非限定的な例は、シリコンチップの一部として、プリント回路基板の一部として、コネクタ化されたシステムの一部として、または上述のいずれかの組合せとして実装された、構成要素および/またはデバイスの組合せを、所望の機能またはリアクションの性能を可能にする方法で接続されて、含むことができる。機能またはリアクションは、回路内で内部的に、またはその外部で生成された1つまたは複数の入力、刺激、および/またはトリガに対する応答としてであってもよい。機能またはリアクションは、他の回路の制御、視覚的、聴覚的、またはそうでなければ通信可能な警報もしくは信号を生成すること、所定のコード化された演算を行うこと、またはあらゆる他の電子ベースの機能を含む場合がある。例えば、構成要素および/またはデバイスとしては、レジスタ、コンデンサ、インダクタ、コンダクタ、トランジスタ、ダイオード、伝送線、インバータ、バッファ、論理ゲート、ラッチ、フリップフロップ、増幅器、比較器、電圧源、電流源、スイッチ、または電子機器を制御するように構成されたあらゆる他の構成要素および/もしくはデバイスを挙げることができる。入力、刺激、および/またはトリガとしては、受信した信号の、電圧レベル変化、電流レベル変化、周波数、振幅または位相変化、デジタル入力、デジタルパルス、制御ワード、または回路からの応答を生成するように構成されたあらゆる他の形態の入力を挙げることができる。しかしながら、一般に、回路は、本開示に一貫して、電子的な機能のうちの任意の1つまたは複数を実施するように構成されたあらゆる構成要素、デバイス、またはそれらの組合せを含んでもよい。
【0086】
図2における例として、タグ1100は、ゲート検出回路2106およびエネルギー貯蔵回路2108などの少なくとも1つの回路を含んでもよい。図15に図示されるように、ワイヤレス識別タグ1100は回路15006を含んでもよい。さらには、図9および図10は、本開示に一貫して、特定の機能を実施するように使用することができる回路の例示的な構成を図示している。
【0087】
開示される実施形態はまた、エネルギーが第1の周波数で受信されたか第2の周波数で受信されたかを検出するように構成された少なくとも1つの回路を含んでもよい。エネルギーが第1の周波数で受信されたか第2の周波数で受信されたかを検出することは、信号および/またはエネルギーの存在を、ワイヤレス識別タグの環境内の第1および/または第2の周波数において、発見すること、識別すること、または判別することを含んでもよい。例えば、回路は、少なくとも1つのアンテナが、第1および/または第2の周波数で受信したエネルギーに関連付けられる入力、刺激、またはトリガのうちの少なくとも1つの形態が、少なくとも1つの回路によって受信されるように、少なくとも1つのアンテナに電気的に接続されてもよい。回路は、入力、刺激、またはトリガの少なくとも1つの形態を受信すると、入力、刺激、またはトリガが第1および/または第2の周波数のエネルギーを含むどうかを判定するように構成することができる。図15を参照する例として、アンテナ15002A、15002Bおよび15002Cは異なる周波数に調整されてもよく、回路15006は、信号が受信されたアンテナを検出することによって、それぞれ第1、第2、および/または第3の周波数に関連付けられるエネルギー15102A、エネルギー15102Bおよび/またはエネルギー15102Cの存在を、検出するように構成することができる。加えて、または代替的に、タグは、着信信号の周波数などの特性を検出するための回路を含んでもよい。そのような事例では、図15に図示される複数のアンテナの代わりに単一のマルチ周波数アンテナが採用されてもよい。
【0088】
開示される実施形態はまた、第1の周波数が検出されたとき、少なくとも1つの送信機を、第1の形式の識別信号を送信するための第1のモードで動作させ、第2の周波数が検出されたとき、少なくとも1つの送信機に第2の形式の識別信号を送信させるための第2のモードで動作させるように構成された少なくとも1つの回路を含んでもよい。例えば、第1のモードとは、第1の信号が送信されるステップを称する場合があり、第2のモードとは、第2の信号が送信されるステップを称する場合がある。第1および第2のモードはまた、異なる動作特性を称する場合がある。これらの特性としては、通信媒体、通信プロトコル、周波数、周波数範囲、周波数帯域、暗号化のタイプ、スクランブリング、および/または擬装、データコンテンツ、送信タイミング、および/または送信される識別信号に関連付けることができるあらゆる他の区別可能な特性を挙げることができる。例えば、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つのアンテナから第1の周波数でエネルギーを受信したと検出すると、少なくとも1つの送信機を第1のモードで動作させることができ、第1のモードは、あらゆる1つまたは複数の特性または上述のような特性の組合せを有する識別信号に関連付けられる。しかしながら、いくつかの実施形態では、第1のモードはまた、識別信号の非送信、または送信の防止に関連付けられてもよい。同様に、少なくとも1つの回路は、第2の周波数のエネルギーが少なくとも1つのアンテナによって受信されていることを検出すると、少なくとも1つの送信機を第2のモードで動作させることができる。
【0089】
例として、図15の回路15006は、アンテナ15002A~Cのうちの1つまたは複数によって受信されたエネルギー15102Aを検出する場合がある。この検出に応答して、回路15006は、送信機15004A~Cのうちの任意の1つまたは複数を第1のモードで動作させることができる。第1のモードで動作することは、例えば、信号15104A~Cのうちの1つまたは複数を送信することを含むことができ、少なくとも1つの態様において各信号が互いに区別可能となるように、信号15104A~Cは、異なる特性を有してもよい。回路15006はまた、アンテナ15002A~Cのうちの1つまたは複数によって、エネルギー15102Bの受信を検出することができる。この検出に応答して、回路15006は、送信機15004A~Cのうちの任意の1つまたは複数を第2のモードで動作させることができる。第2のモードで動作することは、例えば、信号15104A~Cのうちの1つまたは複数を送信することを含むことができ、信号15104A~Cのうちの1つまたは複数は、単独または組合せのいずれかで、第1のモードで送信された信号15104A~Cとは異なってもよい。
【0090】
開示される実施形態に一貫して、第1の形式の識別信号または第2の形式の識別信号のうちの少なくとも1つは、ワイヤレス識別タグの一意の識別子を含んでもよい。一意の識別子としては、数字、文字列、または単独で識別されるエンティティに関連付けられる他の形態のデータを挙げることができ、それによって単一のエンティティが、あらゆる他のエンティティと同じ一意の識別子に関連付けられることがなく、あらゆる単一のエンティティはそれに関連付けられる単一の一意の識別子だけを有することができる。一意の識別子としては、シリアルナンバー、一意なEPCコード、データベースエントリ(各データベースエントリが単一のエンティティを表現し、すべての関連エンティティがデータベース中の厳密に1つのエントリによって表現される限り)または識別されるエンティティに単独で関連付けられるあらゆる他の形態のデータを挙げることができる。例として、図15に描かれるワイヤレス識別タグ1100は、15102A~Cなどのトリガ入力信号に応じて、信号15104A~Cなどの識別信号の少なくとも1つの形式を送信することができる
【0091】
開示される実施形態では、少なくとも1つの送信機は、第1の形式の識別信号および第2の形式の識別信号を同じ送信周波数で送信するように構成することができる。換言すると、少なくとも1つの送信機は、第1のモードで動作しつつ、送信機が第2のモードで動作しているときに送信される第2の形式の識別信号の周波数と同じまたは実質的に類似の周波数(例えば、2.4GHz)を有する第1の形式の識別信号を送信することができる。したがって、第1の形式の識別信号に関連付けられる周波数と、第2の形式の識別信号に関連付けられる周波数とは、必ずしも異なっていなくてもよい。しかしながら、それでも第1の形式の識別信号は、第2の形式の識別信号の特性とは区別可能なあらゆる数の特性に関連付けられてもよい(例えば、送信される情報のコンテンツ、通信媒体、通信プロトコル、暗号化のタイプ、スクランブリング、および/または擬装、データコンテンツ、送信のタイミング)。例として、送信機15004A~Cのうちの少なくとも1つは、第1のモードで動作している間は第1の形式の識別信号15104Aを送信してもよく、第2のモードで動作している間は第2の形式の識別信号15104Bを送信してもよい。信号15104Aおよび信号15104Bは区別可能な特性に関連付けられてもよいが、それでも送信機は、これらを同じ周波数で送信するように構成されてもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、第1の形式の識別信号および第2の形式の識別信号の送信周波数は、第2の周波数である。例えば、送信される情報に関わらず、第1の形式の識別信号および第2の形式の識別信号の送信は、第2の周波数などの共通の周波数で生じる場合がある。したがって、例えば、少なくとも1つの送信機は、第1のモードで動作しつつ、第2の形式の識別情報の送信と同じまたは実質的に類似の周波数を有する第1の形式の識別信号を送信することができる。共通の周波数は、例えば、約2.4GHzの周波数帯域内であってもよい。図15の例を参照すると、送信機15004A~Cのうちの少なくとも1つは、第1のモードで動作している間は第1の形式の識別信号15104Aを送信してもよく、第2のモードで動作している間は第2の形式の識別信号15104Bを送信してもよい。信号15104Aおよび信号15104Bは区別可能な特性に関連付けられてもよいが、それでも送信機は、アンテナ15002A~Cのうちの少なくとも1つによって受信された第2のエネルギー15102Bの同じ周波数でこれらを送信するように構成されてもよい。
【0093】
開示される実施形態は、第1の形式の識別信号および第2の形式の識別信号を異なる電力レベルで送信するように構成された少なくとも1つの送信機を含んでもよい。送信機は、通信媒体上で、特定の大きさでその信号を送信するように設計されてもよい。この大きさを使用して、通信媒体上での信号の伝播の特定の性質を計算してもよく、信号を検出し得る範囲、信号対ノイズ比、干渉特性などとして、そのようなパラメータを確立する。無線通信のコンテキストでは、この大きさは、電力の単位で測定されてもよく、たいていワットに関連する対数単位であるワットまたはdBW(デシベルワットまたはdBワット)のいずれかである(または時には、ワットに関するdBWと同じやり方でミリワットに関する関連するdBmの単位)。その意味では、「電力レベル」とは、例えば送信機がアクティブに送信している間の、送信機の正に出力における電力測定値を称する場合がある。送信機は、特定の入力に応答して、2つ以上の異なる電力レベルのうちの1つにおいて信号を送信することができるように、設定可能な電力レベルを有するように設計されてもよい。
【0094】
例として、送信機15004A~Cのうちの少なくとも1つは、第1のモードで動作している間は第1の形式の識別信号15104Aを送信してもよく、第2のモードで動作している間は第2の形式の識別信号15104Bを送信してもよい。信号15104Aおよび信号15104Bは同じ周波数で送信されてもよいが、信号15104Aの電力レベルは、信号15104Bの電力レベルとは異なっていてもよい。
【0095】
いくつかの開示される実施形態では、少なくとも1つの送信機は、第2の周波数が検出されてから10秒未満で第2の形式の識別信号を送信するように構成されてもよい。例えば、送信機は、第2の周波数を検出するとすぐに第2の形式の識別信号を送信するように構成されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、送信機は、第2の周波数の検出に続いて、10秒を下回ってもよい遅延期間の後、第2の形式の識別信号を送信するように構成されてもよい。例として、送信機15004Bは、第2の周波数のエネルギー15102Bが回路15006によって検出された5秒後に(またはあらゆる他の期間の後)、第2の形式の識別信号15104Bを送信するように構成されてもよい。この期間には、システムにおける固有の遅延が含まれてもよい(アンテナ15002Bによって受信されるエネルギー15102Bを検出するために使用される検出器の応答時間、または回路15006が、検出器からインジケーションを受信し、入力を処理し、送信機15004Bが第2の形式の識別信号15104Bを送信することを要求されるという結論に達して、そのようなコマンド、制御または信号を送信機15004Bに中継してこの演算を行うために必要とする処理時間、など)。追加的に、または代替的に、この期間には、一時停止、待機時間、スワローされたクロック周期、タイマおよびウォッチドッグメカニズムなどの意図的な遅延が含まれてもよく、これらは即時ではなく後の時間に、アクションを生じさせるように構成されてもよい。
【0096】
いくつかの開示される実施形態では、少なくとも1つの送信機は、第1のモードにおいて、第1の繰返し周期で第1の形式の識別信号を送信するように構成されてもよい。繰返し周期とは、送信機によって送信された識別信号のパルス同士の時間間隔を称する場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、識別信号を送信することは、中断なく継続的に信号を送信することを必ずしも含んでいなくてもよく、代わりに短い信号のバーストをバースト間に固定または可変時間間隔を伴って送信することを含んでもよい。この点では、繰返し周期とは、信号バーストの時間的な周期性を称することもできる。例として、送信機15004Aは、第1の形式の識別信号15104Aを第1の繰返し周期で送信するように構成されてもよく、繰返し周期とは、バーストの開始と次のバーストの開始との間の固定量の時間を称する。いくつかの開示される実施形態では、少なくとも1つの送信機は、第2のモードにおいて、第1の繰返し周期よりも短い第2の繰返し周期で第2の形式の識別信号を送信するように構成されてもよい。例として、送信機15004Bは、第2の形式の識別信号15104Bを第2の繰返し周期で送信するように構成されてもよく、第2の繰返し周期は第1の形式の識別信号15104Aの繰返し周期よりも短い。
【0097】
いくつかの実施形態では、第1の形式の識別信号は、繰返し周期、周波数チャネル、送信電力、または送信された識別信号に関連付けられる送信されたデータのうちの少なくとも1つにおいて、第2の形式の識別信号とは異なっていてもよい。前に議論したように、繰返し周期とは、所与の識別信号のバーストの周期性を称することができる。周波数チャネルとは、特定の目的に用いることができる単一の周波数、周波数範囲、または周波数帯域を称する場合がある。異なる形式の識別信号もまた、その送信電力が異なっていてもよく、送信電力とは、前に議論した電力レベルおよび/または送信の大きさを称する場合がある。送信データは、一意の識別子を含むことができるが、あらゆる他のタイプの情報を含むこともできる。例として、第1の形式の識別信号15104A、および第2の形式の識別信号15104Bは、上で列挙したあらゆる数の異なる特性を有することができる。例えば、特性は、異なる繰返し周期、周波数チャネル、送信電力、および/または送信された識別信号に関連付けられる送信データを有することができる。
【0098】
開示される実施形態はまた、少なくとも1つのアンテナに電気的に接続された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素を含むことができる。エネルギー貯蔵構成要素は、エネルギーを蓄積することができる、あらゆる素子または回路を含んでもよい。非限定的な例としては、コンデンサ、スーパーコンデンサ、およびバッテリが挙げられる。例として、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、エネルギーを1つの形式(例えば、波形)でソースから受信して、それを第2の形式(例えば、電圧)でローカルに貯蔵し、エネルギーを受信してから即時にまたは後の時間のいずれかに、構成要素に電気的に接続された他の回路、構成要素、および/またはデバイスによる使用を利用可能にするように設計された、電気素子または電気回路を含んでもよい。これは、例えば整流回路またはレクテナを用いて実現することができる。レクテナのアンテナ部分は、対象の周波数帯域に好適な、ほとんどすべての形態のアンテナであり得る。選択肢としては、単極、双極、またはプリント基板(PCB)逆F型構造に製作されたマイクロストリップパッチ、そのようなまたは他のアンテナ素子のアレイ、および多くの他のアンテナタイプ、ならびに非線形整流デバイス(ショットキーまたはインパットダイオード、またはダイオード接続トランジスタなど)に基づいた整流回路が挙げられる。アンテナは、ダイオードによって生成されるあらゆるハーモニクスをブロックするよう、インピーダンス整合回路およびローパスフィルタなどのフィルタを用いることによって、整流回路に接合されてもよい。電子回路のコンテキストでは、エネルギー貯蔵構成要素は、エネルギーを受信すること、エネルギーを貯蔵すること、エネルギーを利用可能にすることができる、コンデンサ、スーパーコンデンサ、バッテリ、またはあらゆる他の回路、構成要素、またはデバイスを含んでもよい。例として、エネルギー貯蔵構成要素は、エネルギー貯蔵回路2108、貯蔵コンデンサ10300、および/またはエネルギー貯蔵構成要素15008など、図2図9図10、および図15で描かれる構成要素のうちの1つまたは複数を含んでもよい。構成要素のうちの任意の1つまたは複数は、例えば、アンテナ2112、2114および/または15002A~Cからエネルギーを受信して、受信したエネルギーを貯蔵し、エネルギーをタグ1100の他の構成要素から利用可能にするように構成されてもよい。一例では、1つの形式で受信したエネルギーは、第2の形式で貯蔵されてもよく、第3の形式で構成要素に与えられてもよい。
【0099】
開示される実施形態は、少なくとも1つのアンテナによって受信されたエネルギーを貯蔵するように構成された、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素をさらに含むことができる。例えば、ワイヤレス識別タグのアンテナのうちの任意の1つまたは複数が任意の周波数のエネルギーを受信した後、受信したエネルギーが少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素に転送されて受信されるように、ワイヤレス識別タグを構成することができる。例として、アンテナ15002Aはエネルギー15102Aを受信することができる。ワイヤレス識別タグの構成要素は、このエネルギーがエネルギー貯蔵構成要素15008に転送されるように構成されてもよい。エネルギー貯蔵構成要素は、例えば、このエネルギーを受信して、それに応答してエネルギーを別の形式で貯蔵してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、第1の周波数および第2の周波数で受信されたエネルギーを貯蔵するように構成されてもよい。例えば、入力信号の着信周波数に関わらず、適当な回路または中間的な構成要素との関連付けを通じて、エネルギー貯蔵構成要素は関連するエネルギーを受信して貯蔵することができる。例として、アンテナ15002Aおよび15002Bは、エネルギー15102Aおよび15102Bを、それぞれ第1の周波数および第2の周波数で受信することができる。ワイヤレス識別タグの構成要素は、エネルギー15102Aおよび15102Bの両方を、エネルギー貯蔵構成要素15008に転送できるように構成されてもよい。エネルギー15102Aおよび15102Bは、RF形態でアンテナによって受信されてもよく、エネルギー貯蔵構成要素15008に、2つのバッテリ電極間に存在する媒体中に静電的な電荷として、または化学結合として、貯蔵されてもよい。これらのメカニズムの両方が、ワイヤレス識別タグ中の他の回路および構成要素によって使用することができるエネルギー貯蔵構成要素の電圧出力となり得る。エネルギー15102Aおよび15102Bは、代替的に、ワイヤレス識別タグの様々な構成要素に電力を供給するために、貯蔵エネルギーの後の使用に好適な他の形態でエネルギー貯蔵構成要素15008に貯蔵されてもよい。
【0101】
いくつかの開示される実施形態によると、エネルギー貯蔵構成要素は、少なくとも1つのアンテナによって受信されたエネルギーを利用してワイヤレス識別タグに電力を供給するように構成されてもよい。例えば、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、動作するために電力を必要とするあらゆる構成要素が貯蔵エネルギーにアクセスすることができるようなやり方で、構成されてもよい。少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、構成要素に貯蔵エネルギーを提供することによって構成要素に電力を供給するべく、例えば、ワイヤレス識別タグの構成要素のいくつかに電気的に接続されてもよい。例として、エネルギー貯蔵構成要素15008は、必要に応じて、その貯蔵エネルギーをワイヤレス識別タグ1100(例えば、送信機15004A~C、回路15006)の構成要素のうちの任意の1つまたは複数に与えることによって、ワイヤレス識別タグ1100に電力を供給するように構成されてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、少なくとも1つのコンデンサを含むことができる。コンデンサとは、セラミックコンデンサ、フィルムコンデンサ、パワーフィルムコンデンサ、電解コンデンサ、スーパーコンデンサ、クラスXおよびクラスYコンデンサ、他の種々のもしくは可変コンデンサ、または2つの端子を使用して電場内に電気エネルギーを貯蔵するために好適なあらゆる他のデバイスを称する場合がある。例として、エネルギー貯蔵回路2108は少なくとも1つの貯蔵コンデンサ10300を含んでもよい。
【0103】
開示される実施形態はまた、少なくとも1つの識別信号を送信するために、少なくとも1つのコンデンサからのエネルギーを使用して少なくとも1つの送信機に電力を供給するように構成された少なくとも1つの回路を含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの送信機に電力を供給することは、コンデンサに貯蔵されたエネルギーを受信すること、およびエネルギーを送信機に転送すること、またはエネルギーが送信機15004A~Cのうちの少なくとも1つに提供され得るように、ワイヤレス識別タグ1100内でエネルギーの流れを制御するためのあらゆる他の好適な方法を含んでもよい。例として、エネルギー貯蔵構成要素15008の一部であってもよい、コンデンサ15100は、アンテナ15002A~Cのうちの任意の1つから受信したエネルギーを貯蔵することができる。コンデンサ15100を使用して、回路15006および送信機15004A~Cに電力を供給することができる。回路15006は、例えば、送信に適当な信号を決定するためのロジックを含んでもよい。したがって、一例では、回路15006はコンデンサ15100によって両方電力を供給されてもよく、コンデンサからのエネルギーを適当な送信機向けに調節することができる。エネルギー貯蔵構成要素15008は、概略的にコンデンサ15100を指定している単一の四角で図示されているが、そのような指定は1つまたは複数のコンデンサを指すよう意図されていることを了解されたい。例えば、本開示の他の部分で説明されるように、同じまたは異なる静電容量を有する複数のコンデンサを採用することができる。
【0104】
開示される実施形態によると、少なくとも1つの回路は、第1の周波数または第2の周波数のうちの少なくとも1つで受信されたエネルギーを使用して、少なくとも1つの送信機を第2のモードで送信させるように構成されてもよい。例えば、少なくとも1つの回路は、第1の周波数で受信されたエネルギーおよび第2の周波数で受信されたエネルギーのいずれかまたは両方を使用して、少なくとも1つの送信機を第2のモードで送信させるように構成されてもよい。図15の例に図示されるように、回路15006は、送信信号15104Bを含む場合がある、送信機15004Bを第2のモードで送信させるように構成されてもよい。回路15006は、第2のモードでの送信に電力を与えるために、第1の周波数で受信されたエネルギー15102Aおよび/または第2の周波数で受信されたエネルギー15102Bを蓄積したエネルギー貯蔵構成要素15008に貯蔵されたエネルギーを使用するように構成されてもよい。しかしながら、回路15006はまた、第1の周波数で受信したエネルギー15102Aだけ、または第2の周波数で受信したエネルギー15102Bだけを使用して、例えば複数のエネルギー貯蔵構成要素(例えば、エネルギー貯蔵構成要素15008)を使用して、送信機15004Bを第2のモードで送信させることもできる。
【0105】
いくつかの開示される実施形態によると、少なくとも1つのアンテナは、第3の周波数範囲で送信されるエネルギーを受信するように調整されてもよい。例として、ワイヤレス識別タグ1100は、第3のエネルギー範囲からエネルギー(例えば、エネルギー15102C)を受信するように調整することができる少なくとも1つのアンテナ(例えば、アンテナ15002C)を含んでもよい。第3の周波数範囲は、第1の周波数範囲および第2の周波数範囲よりも低くてもよい。例として、エネルギー15102Aが約900MHzの第1の周波数帯域にある場合、かつエネルギー15102Bが約2.4GHzの第2の周波数帯域にある場合、エネルギー15102Cは15102Aおよび15102Bの周波数帯域よりも低い周波数帯域内にある可能性がある(つまり、エネルギー15102Cは、エネルギー15102Aの約900MHzの周波数帯域よりも低い周波数帯域内にある)。第3の周波数範囲が採用される事例では、少なくとも1つの回路は、エネルギーが第3の周波数範囲で受信されるかどうかを検出するように構成することができる。エネルギーが第3の周波数で受信されたかを検出することは、信号および/またはエネルギーの存在を、ワイヤレス識別タグの環境内の第3の周波数において、発見すること、識別すること、または判別することを含んでもよい。例えば、回路は、少なくとも1つのアンテナが、第3の周波数で受信したエネルギーに関連付けられる入力、刺激、またはトリガのうちの少なくとも1つの形態が、少なくとも1つの回路によって受信されるように、少なくとも1つのアンテナに電気的に接続されてもよい。回路は、入力、刺激、またはトリガの少なくとも1つの形態を受信すると、入力、刺激、またはトリガが第3の周波数に関連付けられるエネルギーに関連付けられるかどうかを判定するように構成することができる。例として、回路15006は、前記アンテナから受信した少なくとも入力、刺激、またはトリガに基づいて、アンテナ15002Cがそれぞれの周波数に関連付けられるそれぞれのエネルギーを受信しているかどうかをそれぞれ検出することによって、第3の周波数に関連付けられるエネルギー15102Cの存在を検出するように構成することができる。3つの周波数範囲が例として図示されるが、3つよりも多い周波数範囲が、本開示に一貫して採用されてもよい。
【0106】
いくつかの開示される実施形態では、少なくとも1つの回路は、第3の周波数範囲が検出されたとき、少なくとも1つの送信機を、第3の形式の識別信号を送信するための第3のモードで動作させるように構成されてもよい。第3のモードとは、第3の信号が送信されるステップを称することができるか、または異なる動作特性を称することができる。これらの特性としては、通信媒体、通信プロトコル、周波数、周波数範囲、周波数帯域、暗号化のタイプ、スクランブリング、および/または擬装、データコンテンツ、送信タイミング、および/または送信される識別信号に関連付けることができるあらゆる他の区別可能な特性を挙げることができる。例えば、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つのアンテナから第3の周波数でエネルギーを受信したと検出すると、少なくとも1つの送信機を第3のモードで動作させることができ、第3のモードは、あらゆる1つまたは複数の特性または上述のような特性の組合せを有する識別信号に関連付けられる。しかしながら、いくつかの実施形態では、第3のモードはまた、識別信号の非送信、または送信の防止に関連付けられてもよい。
【0107】
例として、回路15006は、アンテナ15002A~Cのうちの1つまたは複数によって受信されたエネルギー15102Cを検出する場合がある。この検出に応答して、回路15006は、送信機15004A~Cのうちの任意の1つまたは複数を第3のモードで動作させることができる。第3のモードで動作することは、例えば信号15104A~Cのうちの1つまたは複数を送信することを含むことができ、少なくとも1つの態様において各信号が互いに区別可能となるように、信号15104A~Cは、異なる特性を有してもよく、信号15104A~Cのうちの1つまたは複数は、単独または組合せのいずれかで、第1のモードおよび第2のモードで送信された信号15104A~Cとは異なってもよい。
【0108】
本開示の実施形態は、着信信号周波数の関数として変化する応答時間を有するワイヤレス識別タグのための、方法、システム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体に関してもよい。議論を容易にするため、以下では、方法の態様はシステム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体に等しく適用されるとの理解をもって、方法を説明する。例えば、そのような方法のいくつかの態様は、有線、ワイヤレスのいずれか、またはその両方のネットワーク上で、電子的に発生してもよい。そのような方法の他の態様は、非電子的な手段を用いて発生してもよい。広い意味では、方法は特定の物理的および/または電子的な手段に限定されず、むしろ多くの異なる手段を用いて実現することができる。
【0109】
開示される実施形態は、ワイヤレス識別タグを含んでもよい。そのようなワイヤレス識別タグは、識別情報をワイヤレスに送信することができる、あらゆるデバイス、物体、システム、構成要素、または回路を含んでもよい。本明細書において説明されるように、識別情報には、あらゆる形式の識別、または特徴付け情報が含まれてもよい。例えば、タグは、一意のシリアルナンバーまたは送信することができる他の識別コードを有する場合がある。そのような識別情報は、タグが関連付けられる物体についての情報を検索するために、後で使用することができる。代替的にまたは追加的に、識別情報は、物体の場所、ステータス、電力予約、履歴、または物体またはタグに一意なあらゆる他の情報など、物体の1つまたは複数の特性を含んでもよい。
【0110】
いくつかの実施形態によると、ワイヤレス識別タグは着信信号周波数の関数として変化する応答時間を有することができる。非限定的な例として、着信信号はWi-Fi、セルラ、モバイル、RF、および電磁的な通信プラットフォームの他の形式、または通信もしくは他の目的に使用されるどうかに関わらず、音響的、フォトニック、機械的、磁気的など他のタイプの信号を通じて伝播することができる。
【0111】
着信信号は、エネルギー、電力、位相、振幅、変調、波形、周波数、および/または検出もしくは測定することができる他の信号特性を含む様々なパラメータによって特徴付けることができる。着信信号の周波数とは、キャリア周波数、1つもしくは複数の信号構成要素周波数、および/またはそこに含まれるエンコードされた信号のビットレートを称することができる。
【0112】
応答時間は、秒、ミリ秒、マイクロ秒、または他の時間の単位で計測されるイベント間の経過持続時間であってもよい。例えば、応答時間は、イベントAとイベントBとの間の持続時間(または遅延)であってもよい。いくつかの事例では、応答時間は、遅延および伝播時間をもたらす可能性がある、回路アーキテクチャタグの処理時間に影響される場合がある。いくつかの開示される実施形態と一貫して、応答時間はタグ設計の一部であってもよい。そのような事例では、2つのイベント間の具体的な応答時間は、プログラムされる、設定される、またはそうでなければ実装されることができる。例えば、イベントBは、イベントAの発生に続いて、所定の時間(または遅延)の後、発生するように実装されてもよい。様々な実施形態では、応答時間は、着信信号周波数の関数であってもよく、つまり応答時間は、着信信号周波数に応じて長くてもよく、または短くてもよい。例えば、異なる着信周波数は、異なるレベルの応答緊急性をシグナリングすることができる。いくつかの実施形態では、ハンドヘルドデバイス(例えば、タブレットまたはスマートフォン)を使用して、ワイヤレス識別タグに関する情報をリクエストし、ワイヤレス通信システムに即時応答が要求されてもよい。他方では、在庫目録を最新に維持するために異なる周波数で動作している在庫目録管理システムは、あまり緊急性が高くない(つまり、トリガに対する応答が即時ではなく数分内に受信される場合、システムは設計パラメータで動作してもよい)。したがって、システムは、EASゲートウェイ周波数(または出口において採用される、あらゆる他の周波数)がタグからの即時応答をトリガするべく、動作するように構成されてもよいが、在庫目録管理信号は(例えば、900MHz送信機などから)遅延応答をトリガしてもよい。これは、タグのソフトウェアまたはハードウェアの結果として発生する可能性があり、着信信号を区別し、応答を優先度付けする。タグは、例えば、規定の期間において1つの着信在庫目録管理信号以外すべて(またはいくつかのそのような信号以外)を無視して、タグエネルギーを無駄にすることを防止して、不要な戻りトラフィックを防止するように設計することができる。
【0113】
図1は、EASゲート1110、1112の環境内のワイヤレス識別タグ1100aおよび1100bの例示的な実施形態を図示している。タグ1100aおよび1100bのうちの1つまたは両方が、ワイヤレス識別タグであってもよい。前に議論したように、タグ1100aおよび1100bは、信号1118などのワイヤレス信号を受信して、応答として、信号1102aおよび1102bなどの信号を生成または送信するように構成することができる。デバイス1124などの外部システムまたはデバイスは、タグによって送信された信号を受信するように構成されてもよい。
【0114】
様々な実施形態では、ワイヤレスタグは、少なくとも1つのアンテナを含む。アンテナは、配線などの少なくとも1つの導電体を含むことができる。アンテナはまた、信号を伝導入力から送信用の放射出力に変形するために、および/または信号を放射入力から受信用の伝導出力に変形するために使用される回路であってもよい。放射出力または入力は、電磁放射、電場、または磁場の形態を取ってもよく、伝導入力または出力は、金属線またはプリント回路または他の導電体などの物理的な接続上での時間変化する電圧または電流信号の形態を取ってもよい。いくつかの実施形態では、放射形態は、音エネルギーなど音響的であってもよい。いくつかの実施形態では、放射形態は、可視光など光学的であってもよい。
【0115】
少なくとも1つのアンテナは、送信されるまたは受信される信号のエネルギー以外に、動作に外部エネルギーを必要としない、パッシブであってもよい。代替的に、少なくとも1つのアンテナは、バッテリなどの電源を必要とする場合がある、アクティブであってもよい。送信モードで機能する場合、少なくとも1つのアンテナは、本明細書において説明されるように1つまたは複数のコンデンサなどの、タグ自身の内部の電子機器によって電力を供給されてもよい。いくつかの実施形態では、パッシブアンテナは、一連の導電体として実装することができ、これらは存在し得る回路の他の部分に結合された連結されてもよい。パッシブアンテナは、PCB(プリント回路基板)に印刷することができ、PCBには、アンテナを回路の他の部分に連結する配線または他の導電性の経路が印刷される。いくつかの実施形態では、パッシブアンテナは、回路の他の部分に、電気的または磁気的な連結を通じてなど、ワイヤレスに連結することができる。
【0116】
少なくとも1つのアンテナのいくつかの実施形態としては、等方向性タイプアンテナ、双極タイプアンテナ、単極タイプアンテナ、アンテナアレイ、ループタイプアンテナ、アパーチャタイプアンテナ、進行波タイプアンテナ、および信号またはエネルギーを受信または送信することができる他のデバイスを挙げることができる。
【0117】
前に議論したように、少なくとも1つのアンテナは、周波数帯域約900MHz内の第1の周波数および周波数帯域約2.4GHz内の第2の周波数で送信されるエネルギーに調整されてもよい。例えば、周波数帯域約900MHz(つまり、第1の周波数帯域)は、900MHz WW ISMであってもよい。同様に、周波数および約2.4GHz(つまり、第2の周波数帯域)は、2.4GHz WW ISMであってもよい。第1のアンテナおよび第2のアンテナは、別個の構造体であってもよく、または単一のアンテナ構造体に組み合わされてもよい。図9および図10に図示される非限定的な例では、第1のアンテナは、900MHzのアンテナ2112であってもよく、第2のアンテナは、2.4GHzアンテナ2114であってもよい。
【0118】
本開示の様々な実施形態は、少なくとも1つの送信機を含んでもよい。送信機は、あらゆる構成要素、構成要素のグループ、または通信媒体上で信号を送信することができる回路であってもよい。通信は、例えば、Wi-Fi、Bluetooth、セルラ通信、イーサネット通信、またはあらゆる他の規格ベースもしくはプロプライエタリなプロトコルの形態を取ってもよい。いくつかの実施形態では、送信機は、発振器、変調器、増幅器、および/または周波数チューナのうちの1つまたは複数を包含することができる。
【0119】
送信機は、特定の大きさで、通信媒体上で信号を送信するように設計することができ、その特定の大きさは、信号範囲、信号対ノイズ比(SNR)、干渉特性、および/または他の信号特性などのパラメータを定義することができる。ワイヤレス通信のコンテキストでは、その大きさは、ワットまたはdBW(デシベルワットまたはdBワット)など、電力の単位で測定することができる。送信器が送信を行う電力レベルは、アクティブな送信の間の、送信機の正に出力における電力の測定値であってもよい。いくつかの実施形態では、送信機は、特定の入力に応答して、送信機が1つまたは複数の異なる電力レベルにおいて信号を送信することができるように、調節可能な電力レベルを有するように設計されてもよい。
【0120】
図9に図示される非限定的な例では、送信機は、ビーコン2104を含んでもよく、ビーコンにはビーコンコントローラ9030およびビーコン送信機9032を含むことができる。ビーコン2104は、トップレベルコントローラ9020によって命令されてもよく、トップレベルコントローラは、送信制御インターフェースに向けて電力、タイミング、周波数および/または送信データなどのパラメータを出力することができ、これらはビーコンコントローラ9030によって受信することができる。送信制御パラメータに基づいて、ビーコンコントローラ9030は、命令されたとおりにビーコン送信機9032に命令することができる。いくつかの実施形態では、ビーコンコントローラ9030によって制御されるスイッチ9034がさらに設けられてもよい。ビーコンコントローラ9030によって生成されるスイッチ制御を通じて、スイッチ9034は、2.4GHzアンテナ2114がビーコン送信機9032に連結される送信モードと、2.4GHzアンテナ2114が2.4GHzハーベスタ9014に連結される受信モードと、を交互することができる。
【0121】
図10に図示される、さらに別の非限定的な例では、ビーコン送信機9032は、結晶10020を有する結晶発振器10022およびビーコンコントローラ9030に連結することができるPLL10110;PLL10110に連結されるVCO10112;ならびにVCO10112およびビーコンコントローラ9030からの入力を受信し、スイッチ9034を通じて2.4GHzアンテナ2114に出力を提供するために連結されるVGA10114を含むことができる。いくつかの実施形態では、VCO10112は、位相同期回路(PLL)10110の出力に基づいて、可変ゲイン増幅器(VGA)10114に信号の変調を提供することができる。いくつかの実施形態では、PLL10110は、基準クロックについて、発振器10022からビーコン送信機9032の残りへの位相同期を与える(図9に図示されるとおり)。いくつかの実施形態では、ビーコンコントローラ9030は、発振器10022から基準クロック入力、および実時間クロック10022からスロークロックを受信する。次いで、ビーコンコントローラ9030は基準クロック制御を発振器10022に提供することができる。いくつかの実施形態では、ビーコンコントローラ9030は、周波数制御および送信データをPLL10110に提供し、VGA10114に電力制御を提供する。
【0122】
本開示の様々な実施形態は、エネルギーが第1の周波数で受信されたか第2の周波数で受信されたかを検出するように構成された少なくとも1つの回路を含んでもよい。本開示で使用される際、回路とは、構成要素、または構成要素、素子、および/もしくはデバイスの組合せを称する場合があり、これらは有線接続またはワイヤレス接続によって電気的に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、回路は、シリコンチップの一部として、プリント回路基板の一部として、コネクタ化されたシステムの一部として、または上述のいずれかの組合せとして実装されてもよく、内部的または外部的のいずれかで生成された、何らかの入力、刺激、および/またはトリガに対する応答として、所望の機能またはリアクションの性能を可能にする方法で接続される。所望の機能またはリアクションとしては、他の回路の制御、視覚的、聴覚的もしくはそれ以外では通信可能な警報もしくは信号を生成すること、送信を行わせること、および/またはあらゆる他の動作を実行することが挙げられるが、それに限定されない。例えば、構成要素、素子、および/またはデバイスとしては、レジスタ、コンデンサ、インダクタ、コンダクタ、トランジスタ、ダイオード、伝送線、インバータ、バッファ、論理ゲート、ラッチ、フリップフロップ、増幅器、比較器、電圧源、電流源、スイッチ、および/または他の電気的なデバイスを挙げることができるが、それに限定されない。入力、刺激、および/またはトリガとしては、受信した信号、デジタル入力、デジタルパルス、制御ワード、および/または様々な形態のエネルギーの他の信号の電圧レベル、電圧レベルの変化、電流レベル、電流レベルの変化、周波数、振幅もしくは位相変化を挙げることができるが、それに限定されない。
【0123】
図9に図示される非限定的な例では、少なくとも1つの回路は、マルチソースハーベスタ2102、ゲート検出回路2106、およびメモリ9022(または前述のものの一部)を含むことができ、これらもまたトップレベルコントローラ9020に連結されてもよく、また少なくとも1つの回路を構成してもよい。いくつかの実施形態では、マルチソースハーベスタ2102は、スイッチ9034を通じて2.4GHzアンテナ2114に連結することができる2.4GHzハーベスタ9014;900MHzアンテナ2112に連結することができる900MHzハーベスタ9012;およびトップレベルコントローラ9020に連結することができる電力マネージャ9010を含むことができる。前述の構成要素のそれぞれは、複数の回路から作成することができるため、ある回路への参照は、単一の構成要素またはその一部に関連する可能性があることに留意されたい。
【0124】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、エネルギーが第1のアンテナまたは第2アンテナのどちらによって受信されるかに基づいて、エネルギーが第1の周波数または第2の周波数のどちらで受信されるかを検出することができる。第1の周波数および第2の周波数は、第1の周波数でエネルギーを受信するように構成されたアンテナが第2の周波数のエネルギーによって励起されにくいように、また第2の周波数でエネルギーを受信するように構成されたアンテナが第1の周波数のエネルギーによって励起されにくいように、周波数スペクトル上で十分な分離で間隔を空けることができる。例えば、第1のアンテナが、900MHz WW ISMの第1の周波数範囲内の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整されており、第2のアンテナが、2.4GHz WW ISMの第2の周波数範囲内の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整されている場合、これらの異なる周波数ではエネルギー同士の相互干渉は起こりにくい。少なくとも1つの回路は、第1のアンテナによって受信されたエネルギーが第1の周波数範囲内にあるか、第2のアンテナによって受信されたエネルギーが第2の周波数範囲にあるかを判定することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、受信したエネルギーに信号処理を実施することができる。信号処理は、増幅器、フィルタ、および信号検出器の組合せなどの、アナログ構成要素によって遂行されてもよい。いくつかの他の実施形態では、様々な設計のデジタル信号プロセッサは、受信したエネルギーに信号処理を実施することができる。受信したエネルギーは、様々な信号処理方法によってその異なる周波数成分に分解することができ、少なくとも1つの回路は、受信したエネルギーの異なる周波数成分を分析することに基づいて、受信したエネルギーが、第1の周波数または第2の周波数のいずれかにあるかを判定することができる。フーリエ変換および/または高速フーリエ変換(FFT)などの信号処理方法は、受信したエネルギーを周波数成分に分解するためのいくつかの実施形態と共に採用することができる。フィルタ、整合フィルタ、および周波数判別機などの他の方法を、追加的にまたは代替的に、個別にまたは組み合わせてのいずれかで、使用することができる。少なくとも1つの回路は、受信したエネルギーが第2の周波数の周りよりも第1の周波数の周りで大きい強度の周波数成分を有する場合、エネルギーは第1の周波数にある可能性があると判定することができる。同様に、少なくとも1つの回路は、受信したエネルギーが第1の周波数の周りよりも第2の周波数の周りで大きい強度の周波数成分を有する場合、エネルギーは第2の周波数にある可能性があると判定することができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、受信したエネルギーは、あるコード、例えばエネルギーが第1の周波数にあることを示すための1つのコード、およびエネルギーが第2の周波数にあることを示すための異なるコードなどの、情報を含むように変調されてもよい。少なくとも1つの回路は、コードに基づいて、エネルギーが第1の周波数または第2の周波数のどちらにあるかを判定することができる。
【0127】
図9に図示される非限定的な例では、電力マネージャ9010は、受信したエネルギーが900MHzまたは2.4GHzのどちらにあるかを判定することができる。電力マネージャ9010は、2.4GHzハーベスタ9014、900MHzハーベスタ9012、またはその両方から入力を受信して、900MHz検出および2.4GHz検出のうちの1つをトップレベルコントローラ9020に提供することができる。
【0128】
いくつかの実施形態と一貫して、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機に、第2の周波数が検出されたとき、即時応答を送信させるように構成されてもよい。即時応答は、少なくとも1つの回路によって実施されるか、または指示されるアクションであってもよく、入力またはトリガの生成を含む場合がある。回路の設計パラメータまたは固有の遅延に起因して、即時応答は瞬間的でなくてもよい。第2の周波数の検出と応答との間には時間間隔があってもよい。時間間隔は、システム内の2つのイベントの発生の間に測定することができる時間の期間であってもよい。2つのイベントは、例えば、回路への入力、刺激、もしくはトリガ、および回路による出力または回路によって実施されるアクション、または入力、刺激、もしくはトリガのうちの2つの発生、または同一回路もしくは異なる回路の出力もしくはアクションのうちの2つの発生であってもよい。いくつかの実施形態では、同一イベントの繰り返す発生同士の時間間隔を測定する際、そのようなイベントが入力か出力かに関わらず、平均時間間隔とはイベントの周期性と称される場合があり、平均時間間隔からの偏差は周期性の分散と呼ばれる場合がある。例えば、周期性が発生するそのような場合では、イベントの周波数は、イベント同士の平均時間間隔の逆数として計算することができ、イベントのデューティサイクルは各イベントの平均時間長さとイベント同士の平均時間間隔との比として計算することができる。
【0129】
入力またはトリガと、アクションとの間の時間間隔は、最小時間間隔であってもよく、少なくとも1つの回路の内部構造および固有の遅延から生じる可能性があり、追加された遅延、一時停止、および/または機能上の待機期間からは生じない。このような固有の遅延は、内部機能の有限の立ち上がり時間または立下り時間、クロック速度によって制限される処理時間、回路の異なる部分同士の通信の速度によって生じる遅延、および設計に依らずに存在する他のタイムラグの結果であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、即時応答は、論理「0」から論理「1」へ変化するインバータへの入力に応答して、論理「1」から論理「0」へ変化するインバータの出力、または比較器の入力の方向の変化に応答して、その出力を変化させる比較器の出力であってもよい。
【0130】
様々な実施形態において、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機に、受信したエネルギーが第2の周波数で受信されたと判定されている場合、即時応答を送信させるように構成されてもよい。例えば、第2の周波数が、2.4GHz範囲にある場合、その範囲内のエネルギーは、2.4GHzアンテナ2114によって受信されてもよく、次に、受信エネルギーを2.4GHzハーベスタ9014に提供することができる。2.4GHzハーベスタ9014は、次いでエネルギーを受信したというインジケーションを電力マネージャ10112に与えてもよく、それにより電力マネージャ9010が、2.4GHz周波数信号が受信されたと判定することができる。トップレベルコントローラ9020は、電力マネージャ9010から2.4GHz検出信号を受信したとき、第2の周波数が検出されたと判定することができる。このとき、トップレベルコントローラ9020は、送信制御インターフェースを通じてビーコンコントローラ9030を構成して、即時応答を送信することができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、図10に図示されるように、ビーコンコントローラ9030は周波数制御および送信データをPLL10110に提供して、即時応答の送信を行わせることができる。
【0132】
本開示のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、第1の周波数が検出されたとき、即時応答と比較してより長い遅延を有する遅延応答を送信させるように構成されてもよい。遅延応答は、トリガと結果としてのアクションとの間に、最小以上または固有の時間間隔がもたらされると発生する。最小の時間間隔は、先述のように、回路の内部構造およびその固有な遅延の関数であってもよい。トリガとアクションとの間の遅延した時間間隔は、所望の目的を達成するために設計の機能性に組み込まれた遅延、一時停止、および/または待機期間に起因する場合がある。例えば、タグに内蔵されるロジックは、特定の周波数が他よりも即時の応答を要求することを認識する可能性がある。例えば、小売向けのセッティングで採用される場合、金融取引を完了する、または顧客要求に応答するという緊急性があるため、勘定カウンタまたは顧客によるスキャンのいずれかにおける信号の周波数は、即時応答を必要とする場合がある。それとは対照的に、製品が棚にただ置かれており、システムがタグからの送信を在庫目録用の目的でリッスンしている場合、即時応答は特に緊急でなくてもよい。これらの異なるシナリオでは、異なる周波数が採用されるため、着信周波数の検出は、対応の必要性の即時性、ひいては応答時間を決定することができる。
【0133】
遅延応答をトリガする第1の周波数は、例えば、900MHz範囲内にあり、900MHzアンテナ2112によって受信され、次に受信したエネルギーを900MHzハーベスタ9012に提供することができる。900MHzハーベスタ9012は、次いでエネルギーを受信したというインジケーションを電力マネージャ10112に与えてもよく、それにより電力マネージャ9010が、900MHz周波数が受信されたと判定することができる。トップレベルコントローラ9020は、電力マネージャ9010から900MHz検出信号を受信したとき、第1の周波数が検出されたと判定することができる。このとき、トップレベルコントローラ9020は、送信制御インターフェース信号を通じてビーコンコントローラ9030に指示して、遅延応答を送信することができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、図10に図示されるように、ビーコンコントローラ9030は周波数制御およびデータ送信をPLL10110に提供して、遅延応答を送信することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、前述したように、即時応答および遅延応答は、ワイヤレスタグの動作の異なるモードに対応してもよい。例えば、ワイヤレスタグは異なる機能を遂行することができるか、または受信した信号の周波数に応じて異なるレベルの強度で同一の機能を搬送することができる。いくつかの実施形態では、異なる機能として、異なる処理プロトコルまたは異なるアルゴリズムを採用すること;異なる信号を送信すること;遅延の期間を導入して信号を送信すること;異なるタイプまたは量の送信されるデータから選択すること;異なる電力強度または処理速度から選択すること;または特定の実装形態に応じたあらゆる他の違いを挙げることができるが、それに限定されない。
【0136】
非限定的な例では、即時応答はユーザ励起可能モード(例えば、IoTモード)に対応してもよく、遅延応答はインフラストラクチャ励起可能モード(例えば、貯蔵モード)に対応してもよい。ユーザ励起可能モードは、携帯電話、タブレット、ウェアラブル、スキャナまたは他のデバイスなどを用いて、タグが個人によって意図的にスキャンされる瞬間を含む可能性があり、この場合、長い応答時間が望ましくない場合がある。倉庫などグッズの在庫目録を維持する施設または小売店のコンテキストでは、施設の従業員は、ユーザ励起可能モードにおいて、物品が受領される、開梱される、ラック、棚、もしくはディスプレイに配置される、または支払い場所もしくはレジで勘定されるなど、物品が処理されるときタグをスキャンする可能性がある。代替的に、または追加的に、ユーザ励起可能モードはまた、タグが施設において顧客によってスキャンされる瞬間も含む場合がある。例えば、顧客(または他の個人)は、タグ付けされた物品についての情報にアクセスするために、モバイルデバイスを用いてタグをスキャンしてもよい。情報としては、非限定的な例として、物品に関連付けられるウェブポータルへのリンク(例えば、ブランド、店舗、製造者または現在の所有者に関連付けられるウェブサイト)、具体的な物品に関する情報(例えば、衣類の洗濯指示、電子デバイスのマニュアル、医薬品の使用指示、食料品の推奨されるレシピなど)、または関連製品もしくはサービスの広告を挙げることができる。情報はまた、個人のソーシャルメディアアカウントを通じたアクションを可能にする可能性がある。いくつかの実施形態では、タグのスキャンによって、直接情報を提供するまたは関連ウェブサイトへのアクセスを通じて情報を提供するインストール済アプリケーションへアクセスさせるように、ユーザ励起可能モードは、モバイルデバイスにインストール可能なアプリケーションに関連付けられてもよい。
【0137】
インフラストラクチャ励起可能モードは、施設付近に配置されたRFID、Wi-Fi、またはBluetoothエキサイタなど、施設のインフラストラクチャの一部を形成することができるデバイスによって、タグがスキャンされる瞬間を含んでもよい。インフラストラクチャ励起可能モードでは、在庫目録情報は、タグからの応答に基づいて自動的に更新されてもよい。追加的に、店舗内の物品の場所は、タグからの応答に基づいて決定されてもよい。これらの応答を受信する際、時間的な緊急性はなくてもよいため、インフラストラクチャ励起可能モードではタグは遅延応答を送信してもよい。
【0138】
退出モード(例えば、ゲートモード)では、施設または他の定義された空間から離れる物体を即時に識別することが重要となり得る店舗出口などの退出近くのインフラストラクチャによって励起されると、タグは即時に応答することができる。
【0139】
前述の3モードの例を、店舗および倉庫などの施設のコンテキストで与えたが、異なる動作のモードが同様に異なる用途に適用されてもよい。他の非限定的な例として、自宅内、またはアプライアンスにおいて、食料品、サプライ、または衣料などの物品の在庫目録は、インフラストラクチャ励起可能モードで発生してもよく、そのような物品のユーザスキャンはユーザ励起可能モードで発生してもよく、アプライアンス、パントリ、クローゼット、または他の定義された空間からの物品の除去は退出モードで検出されてもよい。加えて、実装形態に応じて、追加的なモード、またはより少ないモードが採用されてもよい。
【0140】
図10に図示されるように、トップレベルコントローラ9020は、ユーザ励起可能モードおよびインフラストラクチャ励起可能モードの動作を、それぞれ実行するために、1つまたはモジュールをさらに含んでもよい。例えば、トップレベルコントローラ9020は、即時応答を命令または制御するためのユーザ励起可能モードFSM10004、遅延応答を命令または制御するためのおよびインフラストラクチャ励起可能モードFSM10002を含んでもよい。
【0141】
少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、少なくとも1つのアンテナに電気的に接続されて、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は少なくとも1つのアンテナによって受信されたエネルギーを貯蔵するように構成されてもよい。この接続は、有線またはワイヤレスを通じて、電気的、磁気的、または電磁気的な連結を通じて発生することができる。いくつかの実施形態では、アンテナによって受信されたエネルギーは、電圧および電流に変換されてもよく、電気エネルギーとして貯蔵することもできる。
【0142】
図10に図示される非限定的な実施形態では、エネルギー貯蔵回路2108は、電力マネージャ9010に連結することができ、電力マネージャ9010は次に900MHzアンテナ2112および2.4GHzアンテナ2114に連結することができる。電力マネージャ9010は、マルチソースハーベスタ2102によって取り入れたエネルギーを、貯蔵コンデンサ9126に貯蔵されるようにエネルギー貯蔵回路2108に提供してもよい。
【0143】
いくつかの開示される実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、ワイヤレス識別タグに電力を供給するために、少なくとも1つのアンテナによって受信されたエネルギーを利用するように構成されてもよい。例えば、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、少なくとも1つの回路の異なる構成要素に、直接的または間接的のいずれかで接続されてもよい。間接的な接続は、2つのポイントの間に他の構成要素が配置されている、2つのポイントの間の有線接続などの接続であってもよい。いくつかの実施形態では、バッテリまたは燃料電池などの化学エネルギー源が存在せず、外部接続がない場合、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵デバイスに貯蔵されたエネルギーによって電力を供給されてもよい。
【0144】
図10に図示されるように、電力マネージャ9010は、貯蔵コンデンサ9126からエネルギーを受信してもよい。次に、電力マネージャ9010は、電圧供給信号(VDD)に接続されてもよく、回路構成要素の残りにエネルギーを提供することができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、受信電力とは別個にワイヤレス識別タグに電力を供給するように構成された少なくとも1つのコンデンサを含むことができる。例えば、少なくとも1つのコンデンサは、様々な他の回路構成要素に直接的または間接的のいずれかで接続されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコンデンサは、受信電力なしにワイヤレス識別タグに供給可能なエネルギーを貯蔵することもできる。例えば、アンテナから受信したエネルギーが、具体的な機能に必要な即時的な電力を提供できない場合でも、1つまたは複数のコンデンサに貯蔵されたオンボードエネルギーを使用して、タグに電力を供給することができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、貯蔵コンデンサ10300は、電力マネージャ9010にエネルギーを提供することができ、電力マネージャ9010は次いでタグ1100のVDD供給電圧に連結されてもよい。例えば、貯蔵コンデンサ10300がエネルギーを貯蔵してある場合、タグ1100は、900MHzアンテナ2112または2.4GHzアンテナ2114からのいかなる受信エネルギーがなくても、貯蔵コンデンサ10300によって電力を供給されてもよい。
【0147】
いくつかの非限定的な例として、即時応答は、第2の周波数が検出されてから10秒未満で発生するように設定されてもよく、または固有の回路遅延よりも長いが所定の値以下の時間で発生するように設定されてもよい。所定の値は、例えば、10秒であってもよい。いくつかの実施形態では、遅延応答は、第1の周波数が検出されてから数秒、数分、数時間、またはさらには数日後に発生するように設定されてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、送信規則を実装するように構成することができる。送信規則は、送信器を制御して、少なくとも1つの回路によって受信されたトリガ、入力、および/または刺激に基づいて送信機の動作の特性を決定するために使用される、少なくとも1つの回路の一部として実装される、手順であってもよい。特性としては、送信された信号のデータコンテンツ、電力レベル、送信に使用される通信プロトコル、送信に使用される周波数帯域、送信のタイミング、送信するか送信しないかの判定、または送信に関するあらゆる他の特性もしくは決定を挙げることができる。そのような手順の例としては、少なくとも1つの回路によってWi-Fi通信が検出されたというインジケーションが受信された場合、Wi-Fiプロトコル上でデータパケットを送信するという決定、および少なくとも1つの回路によってBluetooth通信が検出されたというインジケーションが受信された場合、同一のデータパケットをBluetoothプロトコル上で送信するという決定が挙げられる。いくつかの実施形態では、他のそのような手順は、パケットの所望の範囲に基づいて送信に使用される電力レベル、あるいは意図される受信者に基づいて、または送信の基本として機能する入力、トリガ、もしくは刺激のセットに基づいてパケットのデータコンテンツを定めることができる。
【0149】
いくつかの実施形態では、送信規則は、ビーコンコントローラ9030によって実装されて、図10に図示されるようにPLL10110に提供されてもよい。代替的に、または追加的に、送信規則はトップレベルコントローラ9020によって実装されて、ビーコンコントローラ9030に提供されてもよい。
【0150】
送信規則は、即時応答または遅延応答のうちの少なくとも1つを送信するのに十分なエネルギーが集約されエネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているときでも、送信機に少なくとも1つの応答の送信を遅延させるように少なくとも1つの回路に命令してもよい。これは、例えば設計に内蔵されたプロアクティビティの結果として発生する場合があり、将来的に発生し得る他のアクティビティに向けて、タグがエネルギーを保存できるようにする。例えば、盗難を防止するため、またはそうでなければ小売店もしくは他の施設における在庫目録を管理するために、タグが十分なエネルギーを保持して、将来的に個人がタグを含む物品と共に施設を離れた場合、タグがその識別を施設の出口の受信機に送信するために十分なエネルギーを保持することが有益な場合がある。特定の設計パラメータに応じて、タグはさらなる不測の事態に備えてずっと多くのエネルギーを保持するように構成されてもよい。したがって、施設内の在庫目録管理インフラストラクチャが、その識別を送信するためにタグに信号を送信し、応答がタグに閾値を下回るエネルギーを保持させる場合、タグは、応答しないか、十分なエネルギーが集められて貯蔵されるまで応答を待機するかのいずれかで構成されてもよい。もちろん、この特徴は多くの使用事例で価値がある。アプライアンス、貯蔵設備、または他の監視される空間に関連付けられるシステムでは、タグは監視される空間、エリア、または領域を離れるときに自身の識別を送信するためにいつも十分なエネルギーを常にオンボードに有することが保証されるように設計されてもよい。送信における遅延または他のエネルギー使用についての所定の時間間隔は、設計、製造、設置、初期化のとき、または送信規則の実装に先立つ任意のときに決定されてもよい。
【0151】
少なくとも1つの回路によって消費される電力は、特定のアクションの性能の持続時間にわたって積分してもよく、ジュールで測定されるエネルギーの合計量となる。このエネルギーの合計は、回路がアクションを実行するために必要なエネルギーであってもよい。例えば、1ms(1ミリ秒)の持続時間に10mW(10ミリワット)の電力を消費する回路には、データパケットを送信するために10μJ(10マイクロジュール)のエネルギーが必要となる可能性がある。場合によっては、特定のアクションを実行するために十分なエネルギーは、アクションの特性に依存してもよく、そのような特性は、少なくとも1つの回路によって受信される入力、トリガ、および/または刺激によって制御することができる。例えば、固定電力消費で、より長いまたはより短い信号を送信している送信機は、電力と時間の乗算により、より大きいまたはより小さいエネルギーをそれぞれ必要とする場合がある。別の例では、特定の電力使用限度を超えることを回避するために、タグの内部ロジックは、送信機変調、データコンテンツ、信号送信持続時間、信号強度などの動作パラメータ、またはエネルギー消費に影響する他のパラメータを調節することができる。
【0152】
適当な電力管理を保証するために、少なくとも1つの回路に貯蔵されるエネルギーが監視されてもよい。例えば、エネルギーがコンデンサに静電荷の形態で貯蔵され、DC電圧の形態で他の構成要素または回路(上を参照)に提供される場合、電圧測定により、コンデンサに貯蔵されるエネルギーの正確な推定を与えることができる。エネルギーが化学結合の形態でバッテリに貯蔵される場合、いくつかの負荷条件における電圧測定により、利用可能な貯蔵エネルギーのレベルを決定することができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、送信規則は、2つの連続する即時応答間または2つの連続する遅延応答間のうちの少なくとも1つの時間間隔を定義してもよい。したがって、遅延は、任意の2つの連続する応答の間に介在し、遅延は特定の使用事例に基づいて、または特定の設計パラメータに基づいて設定されてもよい。
【0154】
いくつかの実施形態では、送信規則は、2つの連続する応答間の時間間隔をランダムに選択するように構成されてもよい。ランダムな遅延を選択することによって、同一のトリガ信号を受信するエリア内の多くのタグが、異なる時刻において応答を送信することになる。これは、タグ送信を受信するように構成された受信機が同時的な応答に圧倒されないことを保証する助けとなることができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、アンテナは、第3の周波数でエネルギーを受信するように調整されてもよく、第3の周波数は、アンテナがやはり受信するように調整される第1の周波数および第2の周波数とは異なっていてもよい。追加的な周波数により、タグがさらなるソースからエネルギーを取り入れることを可能にしてもよい。そして各追加的な周波数は、ロジックの追加的なレベルを可能にしてもよい。例えば、タグは、異なる応答を、受信される各異なる周波数に提供するように構成されてもよい。したがって、例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、エネルギーが第3の周波数で受信されるかどうかを検出するようにさらに構成することができる。エネルギーが第3の周波数で受信されるかどうかを判定する方法は、先述した、エネルギーが第1の周波数または第2の周波数で受信されるかどうかを判定するための方法に類似していてもよい。エネルギーの着信周波数を検出することによって、タグが着信エネルギーの周波数に一意な応答を提供することができる。
【0156】
図10に図示される非限定的な実施形態では、EASコイル2110は、第3の周波数でエネルギーを受信するように構成されてもよい。ゲート検出回路2106は、EASコイル2110に連結されてもよく、EASコイル2110が第3の周波数でエネルギーを受信すると判定することができる。ゲート検出回路2106は、EAS検出をトップレベルコントローラ9020に提供して、ビーコンコントローラ9030が第3の応答を生成できるようにすることができる(この事例では、トップレベルコントローラ9020とビーコンコントローラ9030との間の送信の矢印によって描かれるように、送信制御インターフェースを通じて)。
【0157】
いくつかの実施形態では、第3の応答は、先述の即時応答モードおよび遅延応答モードとは異なるワイヤレスタグの動作のモードに対応してもよい。非限定的な例では、第3の応答はゲートモードに対応してもよい。ゲートモードは、タグが、EASゲートなどの施設の特定のインフラストラクチャと対話する瞬間を含んでもよい。例えば、タグが、ゲートに関連付けられる着信信号周波数に基づいて、自身が監視エリアから除去されていることを検出する場合である。そのような信号は、タグの最高優先度の応答をトリガして、タグのあらゆる他の優先度をオーバライドする場合がある。これは、例えば図10に図示されるような構造を通じて達成されてもよく、この場合トップレベルコントローラ9020は、ゲートモードFSM10006などのゲートモード動作を実行して、ゲート応答を命令または制御するための1つまたはモジュールを含んでもよい。
【0158】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、第3の周波数が検出されたとき、少なくとも1つの送信機に、即時応答および遅延応答とは異なる第3の応答を送信させるようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第3の応答は、即時応答および遅延応答の時間間隔とは異なる時間間隔で遅延してもよい。代替的に、または追加で、第3の応答は、異なる送信電力、位相、振幅、周波数を有してもよく、または異なる信号でエンコードされてもよく、または第1の応答および第2の応答とは異なる回数繰り返されてもよい。前に議論したように、第3の周波数のように、追加的な周波数を検出するタグの能力は、追加的なロジックをタグに追加することができる、および/またはタグが追加的なソースからエネルギーを取り入れることを可能にすることができる。図10に図示される非限定的な実施形態では、ビーコンコントローラ9030は周波数制御信号および送信データをPLL10110に提供して、第3の応答を送信することができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、第3の応答に関連する信号は、即時応答および遅延応答に関連する信号とは異なる。例えば、第3の応答に関連する信号は、繰返し周期および2つの連続する応答間の時間間隔のうちの少なくとも1つにおいて、他の信号とは異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第3の周波数は、第1の周波数および第2の周波数よりも低くてもよい。例えば、第3の周波数は、他の周波数より下の周波数帯域の一部であってもよい。
【0160】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視するように構成されてもよい。エネルギーがエネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されるとき、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されるエネルギーの量を決定することが望ましい場合がある。
【0161】
エネルギー貯蔵構成要素の様々なパラメータは、貯蔵されるエネルギーの量に関するインジケーションを提供することができる。例えば、コンデンサなどの容量素子は、貯蔵されるエネルギーの量は貯蔵される電荷の数に比例する。容量素子の電圧レベルは、貯蔵される電荷の数のインジケーションを与え、ひいては貯蔵されるエネルギーの量のインジケーションを与えることができる。いくつかの実施形態では、電圧検出器は、エネルギー貯蔵デバイスの電圧レベルを監視するために設けられてもよい。いくつかの実施形態では、エネルギーが化学結合の形態でバッテリに貯蔵される場合、いくつかの負荷条件における電圧測定により、貯蔵されるエネルギーの量を決定することができる。さらにいくつかの他の実施形態では、エネルギーが他の形態のエネルギーとして貯蔵される可能性がある場合、監視することには、貯蔵される運動エネルギーの量を決定するためにフライホイールの速度を測定すること、貯蔵される熱エネルギーの量を決定するために熱貯蔵デバイスの温度を測定すること、または貯蔵される位置エネルギーの量を決定するために荷重ばねの長さを測定することが含まれてもよい。
【0162】
図10に図示される非限定的な実施形態では、電力マネージャ9010は貯蔵コンデンサ10300のエネルギーレベルを監視することができる。例えば、電力マネージャ9010は貯蔵コンデンサ10300の電圧レベルを測定することができる。
【0163】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーが、第2の周波数が検出されたときに即時応答を送信するには不十分であると判定された場合、少なくとも1つの送信機が遅延応答を送信するのを防止するように構成されてもよい。前に議論したように、即時応答をトリガする信号は、遅延応答をトリガする信号よりも優先することができるため、遅延応答が発生する前に、タグはまず、続いてトリガされ得る即時応答を完了するのに十分なエネルギーが貯蔵されているかどうかをチェックすることができる。不十分なエネルギーが貯蔵に維持されている場合、遅延応答の要求があっても、遅延応答は防止される可能性がある。エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されるエネルギーが不十分かどうかは、監視することから取得されるエネルギーの量の比較、または将来的な即時応答の要求を送信するために必要とされ得るエネルギーの量の貯蔵または計算されるインジケータによって判定されてもよい。図10に図示される非限定的な実施形態では、電力マネージャ9010は貯蔵コンデンサ10300のエネルギーレベルを監視することができる。監視の結果は、トップレベルコントローラ9020に提供されてもよく、ここでビーコンコントローラ9030が即時信号を送信するのに十分なエネルギーが存在するかどうかを判定することができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視し、第2の周波数の検出に応答して、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーが正常な即時応答を送信するには不十分であると判定されたとき、少なくとも1つの送信機に、送信るためにエネルギーが即時応答に必要なエネルギー量よりも少ない信号を送信させるように構成されてもよい。例えば、タグが即時応答を必要とする状態になり、さらに通常の即時応答を送信するために不十分な電力が要求される場合、応答が送信されない状況を回避するために、タグは通常の即時応答の短くされたバージョンまたは代替的なバージョンを送信することができる。短くされたバージョンは、キー情報だけを含むことができるか、または通常の即時応答よりも低い電力レベルもしくは持続時間において発生することができる。代替的な信号は、タグが電力不足であることを示し、例えば手動の介入を要求する遭難信号の形態であってもよい。そのような状況では、代替的な信号は、手動検査を実行するための付き添いを促す警報をトリガすることができる。そのような手動検査には、疑わしい荷物または物品の隣でハンドヘルドエキサイタを使用してタグに電力を供給し、正常なタグ読取りを取得することが伴う場合がある。したがって、タグは十分なオンボード電力が存在するときは、正常な即時応答を送信するように、そして電力が閾値を下回って枯渇しているときは低電力即時応答を送信するように、構成することができる。低電力即時応答は、正常な即時応答より少ないエネルギーを、送信に必要とする場合がある。関連する理由で、少なくとも1つの回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視し、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーが所定のエネルギーレベルを下回ると判定されたとき、少なくとも1つの送信機が即時応答を送信するのを防止してもよい。
【0165】
いくつかの実施形態では、遅延応答に関する信号は、繰返し周期、周波数チャネル、送信電力、または送信された応答に関する送信されたデータのうちの少なくとも1つにおいて、即時応答に関する信号とは異なっていてもよい。繰返し周期は、2つのアクション同士または応答同士の間の時間であってもよい。同一イベントの繰り返す発生では、そのようなイベントが入力か出力かに関わらず、イベントの平均時間間隔、またはイベントの周期性は、繰返し周期と考えることができる。周波数チャネルは、キャリア周波数または周波数帯域であってもよく、送信電力は、少なくとも1つの送信機によって消費される電力または即時応答の送信に含まれる電力であってもよい。即時応答の送信に含まれる電力は、そのエネルギー密度、大きさ、または送信の振幅によって特徴付けることができる。
【0166】
遅延応答または即時応答のうちの少なくとも1つは、ワイヤレス識別タグの一意の識別子データを含んでもよい。一意の識別子データは、数、文字列、コードまたはタグを一意に識別することができる他の形態の情報であってもよい。いくつかの実施形態では、あらゆる単一のタグが、いかなる他のタグにも関連付けられないただ1つの一意な識別子を有するように、単一のタグには、いかなる他のタグとも同じ一意な識別子を関連付けることはできない。このアーキテクチャによって、一般的な物理特性を通じてのみではなく、製造の具体的なデータ、受領日付、製造業者、運送人、またはそれ以外ではタグ付けされた製品を単純に見ただけでは判別不可能なあらゆる他の特徴付け情報などの非物理的な特性の識別も通じて、タグ付けされた物体をトレースすることが可能になる。一意な識別子としては、シリアルナンバー、一意なEPCコード、データベースエントリ(各データベースエントリが単一のエンティティを表現し、すべての関連エンティティがデータベース中の厳密に1つのエントリによって表現される場合)を挙げることができる。いくつかの実施形態では、具体的なワイヤレス識別タグは、それ自身の一意の識別子データを有してもよい。
【0167】
図10に図示されるように、一意の識別子データは、タグID ROM10010に記憶されてもよく、タグID ROMは、トップレベルコントローラ9020に連結されてもよく、トップレベルコントローラ9020によって検索可能であってもよい。トップレベルコントローラ9020は、一意の識別子データを、直接的または変形形態においてのいずれかでの送信用にビーコンコントローラ9030に提供することができる。
【0168】
図16は、ワイヤレス識別タグの送信規則を含む、少なくとも1つの回路によって遂行され得る、動作の例を図示するフローチャートである。ステップ16002では、ワイヤレスタグはエネルギーを受信することができる。いくつかの実施形態では、受信したエネルギーは、少なくとも1つのアンテナによって受信されたワイヤレスのエネルギーであってもよい。ステップ16004では、貯蔵エネルギーは監視されてもよい。いくつかの実施形態では、貯蔵エネルギーは、コンデンサを含む場合があるエネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されてもよい。貯蔵エネルギーはエネルギーが受信される際に再充電されてもよい。ステップ16006では、受信したエネルギーの周波数を決定することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、受信したエネルギーが第1の周波数、第2の周波数、または第3の周波数のうちのどれであるかを判定することができる。
【0169】
ステップ16008では、ステップ16006での受信したエネルギーが第2の周波数においてであるという判定に応答して、少なくとも1つの回路は、貯蔵エネルギーの監視に基づいて、エネルギー貯蔵構成要素に十分なエネルギーが存在するかどうかを判定する。判定が「いいえ」である場合、つまり貯蔵エネルギーが所定のエネルギーレベルを下回っていて不十分な場合、さらなるアクションは取られない。いくつかの実施形態では、遅延が発生する。判定が「はい」である場合、つまり貯蔵エネルギーが所定のエネルギーレベルを上回っていて十分な場合、プロセスはステップ16010に進んでもよい。いくつかの実施形態では、低電力即時応答を出力する十分量が存在すれば、エネルギーは十分であると考えてもよい。
【0170】
ステップ16008では、少なくとも1つの回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーが正常な即時応答を送信するために十分かどうかを判定することができる。ステップ16008において判定が「いいえ」である場合、あまりエネルギーを必要としない信号、つまり低電力即時応答が、ステップ16014において、少なくとも1つの送信機によって、送信される。判定が「はい」である場合、正常な即時応答が、ステップ16012において、少なくとも1つの送信機によって送信される。
【0171】
いくつかの実施形態では、ステップ16012と関連して、少なくとも1つの回路は、送信機に所定の時間間隔で即時応答を送信させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、所定の時間間隔は、ステップ16006で第2の周波数が検出されてから(一例として)10秒未満であってもよい。
【0172】
ステップ16016では、ステップ16006での受信したエネルギーが第1の周波数においてであるという判定に応答して、少なくとも1つの回路は、貯蔵エネルギーの監視に基づいて、エネルギー貯蔵構成要素に十分なエネルギーが存在するかどうかを判定することができる。判定が「いいえ」である場合、つまり貯蔵エネルギーが所定のエネルギーレベルを下回っていて不十分な場合、さらなるアクションは取られない。いくつかの実施形態では、遅延が発生する。判定が「はい」である場合、つまり貯蔵エネルギーが所定のエネルギーレベルを上回っていて十分な場合、プロセスはステップ16018に進む。いくつかの実施形態では、十分なエネルギーは、正常な即時応答を送信するために必要な量のエネルギーであってもよい。
【0173】
ステップ16018では、十分なエネルギーが送信に利用可能であれば、遅延応答が、少なくとも1つの送信機によって送信されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、送信機に所定の時間間隔で遅延応答を送信させるように構成されてもよい。そのような所定の時間間隔は、設計パラメータに応じて、数ミリ秒、数秒、数分、数時間、またはさらには数日の範囲内であってもよい。
【0174】
ステップ16020では、ステップ16006での受信したエネルギーが第3の周波数においてであるという判定に応答して、十分なエネルギーが送信に利用可能であれば、第3の応答が、少なくとも1つの送信機によって送信されてもよい。
【0175】
本開示の実施形態は、電子商品監視(EAS)ゲートからは不可視なままでEASゲートによってトリガ可能なワイヤレス識別タグに関連付けられる方法、システム、デバイスおよびコンピュータ可読媒体に関してもよい。議論を容易にするため、システムおよび方法の開示される態様は、互いに、ならびにデバイスおよびコンピュータ可読媒体に等しく適用されるとの理解をもって、いくつかの事例における関連実施形態を、システムまたは方法と併せて以下で説明する。関連方法のいくつかの態様は、有線、ワイヤレスのいずれか、またはその両方のネットワーク上で、電子的に発生してもよい。そのような方法の他の態様は、非電子的な手段を用いて発生してもよい。最も広い意味では、方法およびコンピュータ可読媒体は特定の物理的および/または電子的な手段に限定されず、むしろ多くの異なる手段を用いて実現することができる。
【0176】
開示される実施形態は、EASゲートを伴う場合がある。EASゲートは、例えば小売店、図書館、博物館、倉庫、娯楽施設、機密ファイルおよび私的ファイル保管設備、スポーツアリーナ、または物体の通過を監視することが望ましいあらゆる他の空間において、物品が検出システムを通過する際、しばしば物品の検出に使用される監視または盗難抑止システムに組み込まれる。検出を使用して、物品の無認可の除去が試みられていることをスタッフメンバーに警告することができる。いくつかの実施形態では、EASゲートは、限定はしないが、距離範囲、空間利用可能性、または顧客追跡を含むファクタに基づいて、1つの基台、2つの基台、3つの基台、またはあらゆる数の基台を含んでもよい。EASゲートが2つ以上の基台を含む場合、基台は、常客が最小限の妨げで設備に入って出られるように、ある距離を離されてもよいが、基台はタグ付けされた物体の通過によりトリガされるように互いの範囲が十分近い距離にある。
【0177】
いくつかの実施形態では、EASシステムは、他の検出構成要素の中でも、隠しEASゲート、電磁EAS構成要素、音響磁気(AM)構成要素、無線周波数(RF)構成要素、またはマイクロ波(MW)構成要素を含むことができる。隠しEASゲートは、可視ではなく常客には最小限の妨げとなるように設置された1つまたは複数の基台を含むことができる。例えば、基台はフロア下、天井の上または壁の裏に設置されてもよい。隠しEASシステムは、例えば監視の効果を高めるため、顧客の買い物体験を高めるため、または物体の監視が望まれるあらゆる他の設備を向上させるために使用されてもよい。
【0178】
例として、図1は、EASゲート1110、1112の環境内のワイヤレス識別タグの例示的な実施形態を図示している。いくつかの実施形態では、図示されるとおり、タグ1100はワイヤレス識別タグであってもよい。タグ1100は、埋め込まれてもよく、縫製されてもよく、クリップ留めしてもよく、結合されてもよく、取り付けてもよく、またはそうでなければ衣料品1106などの物体に組み込んでもよい。いくつかの実施形態では、タグ1100は、信号1118などの無線信号を受信するように構成することができる。信号1118は、EASゲート1110、1112の一部を形成することができる、EAS送信機1116などの外部システムまたはデバイスによって生成されてもよい。信号1118は、電磁エネルギー、または例えば58~60kHZ(AM-EAS波)もしくは7~13MHz(RF-EAS波)の範囲の周波数を有する電気的、磁気的もしくは電磁的な波によって生じる電場もしくは磁場もしくは電磁場を含んでもよい。一例として、EASゲートから送信されるワイヤレス信号の電磁エネルギーは、ワイヤレス識別タグのアンテナによって受信することができ、それによりワイヤレス識別タグを起動またはトリガすることができる。起動すると、従来のEAS検出システムでは、従来的にはEAS受信機1120などのEAS受信機によって受信される、EAS信号1118によってトリガされると、セキュリティタグはEAS検出信号を送信することになる。従来のセキュリティタグからの送信信号または反射信号の特性を識別すると、EAS受信機はアクティブなセキュリティタグの存在を示す警報をトリガし、EASゲートにタグが「可視である」と解釈させる。そのようなシナリオでは、セキュリティタグはEASゲートからトリガ可能であり、可視である。
【0179】
これらの従来のセキュリティタグとは対照的に、いくつかの実施形態では、例示的なワイヤレス識別タグはEASゲートによってEASゲートからは不可視のままトリガ可能であってもよい。識別タグは、EASゲートからの信号を受信するときにトリガ可能であってもよく、識別信号を送信するなどの、何らかの形態の応答的なアクションを取る。タグは、タグによって送信された信号がEASゲートによる応答をトリガしない場合、EASゲートからは不可視なままであってもよい。例えば、上で議論したように、小売環境では従来のEASセキュリティタグを伴う製品がEASゲートを通過するとき、警報は通常音を立てて責任者に盗難の可能性を警告する。これとは対照的に、開示される実施形態では、タグ自身がEASゲートによってトリガされてもよいが、タグの応答はゲートによるワーニングをトリガしなくてもよい。いくつかの開示される実施形態では、例えば、EASゲート付近の受信機がタグからの信号を受信するが、その信号が施設から除去されるよう認可されていない物体に関連付けられる場合、タグはEASゲート以外の構成要素からのワーニングをトリガしてもよい。
【0180】
しかしながら、本開示のいくつかの実施形態では、ワイヤレス識別タグはEASゲート信号1118によってトリガされるが、応答としては、EAS受信機1120に信号を送信しないように構成されてもよい。そのようなシナリオでは、タグがEASゲートのEAS受信機に肯定応答信号を送信しないため、ワイヤレス識別タグはEASゲートのEAS送信機によってトリガされるがEASゲートからは不可視なままである。代わりに、EASゲートからは不可視なタグは、EAS受信機以外の受信機を介して認識される信号を送信することができる。これは、例えばタグがEAS受信機によって認識される範囲外の周波数で送信する場合に発生する。
【0181】
いくつかの実施形態では、タグは、上述のアンテナなどの、エネルギーを受信するよう調整された少なくとも1つのアンテナを含むことができる。いくつかの開示される実施形態では、アンテナは、望ましい周波数範囲で送信されるエネルギーを受信するように調整されてもよい。調整されたアンテナは、アンテナのインピーダンスが周波数で変化するアンテナを含むことができ、それにより所与の周波数帯域に対してのみ、放射ポートでは通信媒体(例えば、ゲートとタグとの間の空気)のインピーダンスに整合され、伝導ポートでは受信機または送信機に整合される。電子回路では、アンテナのインピーダンスは、アンテナの誘電性素子、容量素子、または伝送線素子の特性に基づいて変化してもよい。いくつかの実施形態では、送信機または受信機は、アンテナ調整ユニット(図示せず)または整合ネットワークを含んでもよい。例として、図10に図示されるように、EASコイル2110は、第1の周波数帯域(例えば、7~13MHz)の場を検出するためのモードと、第2の周波数帯域(例えば、58~60kHz)の場を検出するためのモードとの間で、コイル2110を調整するために、コントローラ9020によって制御される調整コンデンサ10200を含んでもよい。
【0182】
図17は、ワイヤレス識別タグ用の例示的な回路アーキテクチャの回路図を図示している。図示されるように、EASコイル2110は、調整コンデンサ10200を含み、アンテナまたはEASコイル2110を調整して、インピーダンスを、信号を送信するように構成されたEAS送信機のインピーダンスに整合することができる。ゲート検出回路2106は、図10のゲート検出回路2106と同様に、EAS送信機からの入射EAS信号を検出して、信号をコントローラ9020にフィードするように構成することができる。いくつかの実施形態では、ゲート検出回路2106は、オペアンプ17100を含むことができ、オペアンプはEASコイル2110の調整された回路および調整コンデンサ10200からの差動入力を増幅するように構成される。本明細書において議論されるように、オペアンプは2つの入力、および2つの入力同士の電圧の差に比例する電圧出力を有する回路を含む。EASコイル2110で受信されるEAS信号は大きさが非常に低いものであるため、オペアンプ17100は、受信した信号がゲート検出回路2106によってより良好に検出され得るように、受信した信号を増幅してもよい。検出の感度をさらに改善するために、ゲート検出回路2106はまた、増幅された信号をオペアンプ17100の出力においてコントローラ9020によって検出可能で使用可能であり得るデジタル信号に変換するために、ダイオードおよびコンデンサを用いて実装することができる積分器を含んでもよい。コントローラ9020は、次いで、機能の中でもとりわけ、例えばEAS場の検出に応答して送信機2104の1つまたは複数の信号送信パラメータを変更して、タグによって受信されているエネルギーのタイプを判定して、受信したエネルギーのタイプに基づいて送信機2104の動作を制御することができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンテナは、900MHz WW ISMの周波数範囲内で送信されたエネルギーを受信するように調整された第1のアンテナ、および2.4GHz WW ISMの周波数範囲内で送信されたエネルギーを受信するように調整された第2のアンテナを含む。上で議論したように、少なくとも1つのアンテナは、追加的にまたは代替的に、1つまたは複数の周波数帯域または周波数範囲で送信されたエネルギーを受信するように調整された1つまたは複数のアンテナを含んでもよい。いくつかの実施形態では、タグは、第1のEASゲート周波数範囲約7~13MHzまたは第2のEASゲート周波数範囲約58~60kHzのうちの少なくとも1つで送信されるエネルギーを受信するように調整された少なくとも1つのアンテナを含んでもよい。非限定的な例としては、世界中の様々な盗難防止システムによって使用される、約58kHzから約60kHzにわたる、58kHz AM-EAS(音響磁気的電子商品監視)周波数帯域、が挙げられる。
【0184】
いくつかの実施形態では、AM-EASシステムは、周波数範囲58~60kHzで動作することができる。AM-EASシステムでは、図1のEAS送信機1116などの信号送信機は、磁気エネルギーまたは58kHzから60kHzの範囲の周波数もしくはおよそ5000mから5168mの範囲の波長を有する時間可変磁場を発するように構成されてもよい。発せられたエネルギーは、例えば店舗の出口エリアの周りに、磁場から影響を受ける物品に関連付けられたワイヤレス識別タグをトリガするように構成された磁場を作り出す場合がある。いくつかの実施形態では、EASゲートのEAS送信機から発せられたエネルギーは、パルス化されてもよい。本開示のコンテキストでは、パルスとはエネルギーの短いバーストを称することができる。パルスは、矩形波形、2重指数波形、正弦波波形、他の短持続パターンの波形、またはワイヤレス識別タグによる検出が可能なあらゆる波形を仮定することができる。ワイヤレス識別タグは、音響磁気範囲の周波数を有するEASゲートのEAS送信機によって送信された磁気エネルギーを受信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、AM-EASは、周波数範囲58kHz~132kHzで動作することができる。
【0185】
いくつかの実施形態では、RF-EASシステムは、周波数範囲7~13MHzで動作することができる。RF-EASシステムでは、EAS送信機1116などの信号送信機は、電磁エネルギーまたは7MHzから13MHzの範囲の周波数もしくはおよそ23mから43mの範囲の波長を有する電磁波を発するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、RF-EAS送信機の動作周波数は、8.2MHzであってもよい。
【0186】
RF-EASシステムで使用される場合、一部のワイヤレス識別タグ(例えば、RFタグ)は、共振周波数における発振に設定することができるコンデンサおよびコイル(例えば、アンテナ)を伴う電気発振回路を含んでもよい。EASゲートの電磁場は、RFタグの共振周波数周り約10~20%で調和的に変化することができ、発振回路は、電磁場の電磁エネルギーによって電力を供給されてもよい。識別タグがEASゲートの電磁場にさらされると、EASゲート検出器で電磁場の弱化が測定され、RFワイヤレス識別タグの検出は、警報をトリガする場合がある。
【0187】
いくつかの実施形態では、タグは、第1のEASゲート周波数範囲約7~13MHzまたは第2のEASゲート周波数範囲約58~60kHzのうちの少なくとも1つで送信されるエネルギーを受信するように調整され、EASゲートによって非検出可能であるように構成された少なくとも1つのアンテナを含んでもよい。開示される実施形態に一貫して、非検出可能性とは、所定の場所および/またはエリアにおいて、所定の時間または時間間隔で素子が検出されることを防止する素子(例えば、アンテナ)の性質を称することができる。EASゲートは、着信信号の周波数が所定のEASゲート範囲内にある場合、ワーニングをトリガすることができるコントローラに連結された受信機を含む。タグの送信が、EASゲートの受信機によって非検出可能である場合、または検出可能であれば応答(例えば、ワーニングまたは他の形態の通知)をトリガする信号として関連するEASゲートコントローラによって認識されない場合、のいずれかの場合、タグはEASゲートからは不可視であることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンテナの非検出可能性によって、タグはEASゲートをトリガすることを回避することができるため、ワイヤレス識別タグは非検出可能アンテナを備えることにより非検出可能であってもよい。
【0188】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンテナは、少なくとも1つのEASゲート周波数範囲で送信されたエネルギーを受信するように構成された少なくとも1つのEASアンテナを含んでもよい。例えば、タグ中のEASアンテナは、EASゲートの送信周波数に調整されてもよい。この方法では、タグはEASゲートの送信機からエネルギーを受信することができる。EASアンテナは、あらゆる好適な形態を取ることができる。図10を参照すると、例えば、EASアンテナは、EASゲートの1つまたは複数の所定の周波数範囲で送信された電気エネルギー、磁気エネルギー、電磁エネルギーを受信するように構成されたコイル2110であってもよい。例えば、EASコイル2110は、7~13MHz間の周波数範囲のエネルギー、および58~60kHz間の周波数範囲のエネルギーを受信するように構成することができる。いくつかの実施形態では、EASコイル2110は、入射する電場、磁場、または電磁場を検出することができ、ゲート検出回路2106は、エネルギーがEASゲートから受信されたかどうか(例えば、エネルギーが7~13MHzの間、または58~60kHzの間の周波数帯域にあるかどうか)を判断することができる。
【0189】
いくつかの実施形態では、タグは、少なくとも1つの識別信号を送信するように構成された少なくとも1つの送信機を含んでもよい。例えば、少なくとも1つの送信機は、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy、Wi-Fi、ZigBee、Z-wave、または無線周波数識別(RFID)プロトコルのうちの少なくとも1つを介して識別信号を送信するように構成されてもよい。上で議論したように、通信プロトコルは、例えば、802.3イーサネットなどの規格ベースのプロトコル、非対称デジタル加入者線(ADSL)、超高速デジタル加入者線(VDSL)、対称デジタル加入者線(SDSL)有線プロトコル、Wi-Fi、Bluetooth、GSM、3F、LTE、5G、ZigBee、もしくはZ-waveワイヤレスプロトコル、送信機と受信機だけによって合意されたプロプライエタリなプロトコル、または様々な電子デバイス間の通信を参照するあらゆる他の規則のセットであってもよい。
【0190】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの送信機は、可聴警告、視覚的警告、またはデジタルメッセージのうちの少なくとも1つを生じさせるために、少なくとも1つの警告信号を送信するようにさらに構成されてもよい。警告信号または通知信号とは、システムの別の構成要素もしくは異なるシステム、または人物、またはそれらのあらゆる組合せに警告するために使用される1つのシステムの構成要素によって生成される信号を称する場合がある。通知信号は、他の形態の通知の中でもとりわけ、可聴信号、視覚的信号、もしくは触感信号などの別の感覚的な信号、またはデジタル信号(モバイルデバイス上のアプリへの通知信号、電気回路基板内のCPUへの割込み信号、またはシステム警告ログにおけるエントリなど)であってもよい。
【0191】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの警告信号は、少なくとも1つの識別信号の構成要素であってもよい。この事例では、識別信号は、タグに関する識別情報を含む可能性だけではなく、警告構成要素も同じように含む可能性もある。上で議論したように、警告信号は、通知技法の中でもとりわけ、可聴警告、視覚的警告、音声視覚的警告、触感警告などの感覚的警告、またはデジタルメッセージを、受信に続いて生じさせる情報であってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの警告信号は、少なくとも1つの識別信号とは別個であってもよい。そのため、例えば、タグの送信機は、1送信において1つの識別信号を、および別個の送信において1つの警告信号を送信してもよい。
【0192】
いくつかの実施形態では、タグは、少なくとも1つの送信機に電力を供給するために、少なくとも1つの送信機に電気的に接続される少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素を含んでもよい。そのような電気的な接続は、エネルギー貯蔵構成要素と送信機との間に導電性の経路が存在する場合に発生することができる。電気的な構成要素は、導電性の経路中に介在してもよく、または介在しなくてもよい。したがって、他の構成要素を通じて間接的に接続される構成要素は、電気的に接続されていると考えられる。図9および図10に図示されるように、例えば、様々な構成要素は、送信機9032を貯蔵コンデンサ10300に間接的に接続するが、それにもかかわらずこれらは互いに電気的に接続されていると考えられる。電気的な接続の結果として、エネルギーはエネルギー貯蔵構成要素(例えば、貯蔵コンデンサ10300)から送信機(例えば、送信機9032)に転送されてもよい。
【0193】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵構成要素から送信機に転送されたエネルギーは、送信機に電力を供給するために使用することができる。送信機に電力を供給することには、送信機を起動すること、送信機を動作させること、送信機を充電すること、または送信機が関連機能を実施するために必要なあらゆる形態のエネルギーを提供することを挙げることができるが、それに限定されない。
【0194】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、第1のアンテナおよび第2のアンテナによって受信されたエネルギーを貯蔵して、少なくとも1つの送信機に貯蔵エネルギーで電力を供給するように構成されてもよい。開示されるいくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、少なくとも1つのコンデンサを含むことができる。コンデンサとは、セラミックコンデンサ、フィルムコンデンサ、パワーフィルムコンデンサ、電解コンデンサ、スーパーコンデンサ、クラスXおよびクラスYコンデンサ、半導体デバイス内部に実装されたMOMコンデンサ(金属-酸化物-金属コンデンサ)、半導体デバイス内部に実装されたMIMコンデンサ(金属-絶縁体-金属コンデンサ)、半導体デバイス内部に実装されたMOSコンデンサ(金属酸化物半導体コンデンサ)、他の種々のもしくは可変コンデンサ、または2つの端子を使用して電場内に電気エネルギーを貯蔵するために好適なあらゆる他のデバイスを称する場合がある。例として、図10のエネルギー貯蔵回路2108は、少なくとも1つの貯蔵コンデンサ10300を含んでもよい。さらには、いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵構成要素は、2112などの第1のアンテナ、および2114などの第2のアンテナによって受信されたエネルギーを貯蔵するように構成されてもよい。コンデンサ10300に貯蔵されたエネルギーは、例えば、送信機9032(または図18の送信機2104)に電力を供給するために使用することができる。
【0195】
一例として、図18は、第1のアンテナ2112、および第2のアンテナ2114を含む例示的なワイヤレス識別タグ1100のブロック図を図示しており、第1のアンテナおよび第2のアンテナのうちの少なくとも1つは、EASゲートから送信されたか、またはタグ環境中の他の意図的もしくは周囲ソースからの、電気エネルギー、磁気エネルギー、または電磁的な無線周波数エネルギーを受信するように構成されてもよい。受信したエネルギーは、エネルギー貯蔵回路2108の少なくとも1つのコンデンサ10300に貯蔵されてもよい。エネルギー貯蔵回路には、適宜2つ以上のコンデンサが含まれてもよい。コンデンサは、例えば送信機2104に電力を供給するために、貯蔵エネルギーの一部、または貯蔵エネルギーの実質的にすべてを放電するように構成されてもよい。
【0196】
上で議論したように、タグは、少なくとも1つのアンテナに接続される少なくとも1つの回路を含むことができる。接続は、前に議論したように、直接または間接であってもよい。例として、例えば図9および図10に図示されるように、例示的なマルチソースハーベスタ回路2102は、アンテナ2112に直接的に接続されてもよく、例示的なエネルギー貯蔵回路2108はマルチソースハーベスタ回路2102を通じてアンテナ2112に間接的に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、1つの回路が1つまたは複数のアンテナに接続されてもよく、あるいは2つ以上の回路が1つのアンテナに接続されてもよい。本開示のコンテキストでは、回路とアンテナとの間の接続を電気的接続と称する場合があり、それにより回路とアンテナとが回路の構成要素を形成する。
【0197】
いくつかの実施形態では、タグは、第1のEASゲート周波数範囲または第2のEASゲート周波数範囲のうちの少なくとも1つでEASゲートから送信されたエネルギーを検出するように構成されてよい。異なるEASゲートは、異なる周波数範囲で動作してよい。タグは、異なる周波数範囲に調整された複数のアンテナを組み込むことによって、または異なる周波数範囲に調整された単一のアンテナを組み込むことによって、異なる範囲のエネルギーを検出するように構成されてよい。タグは、2つのEAS周波数のうちのただ1つを検出するように構成されてよく、または、両方のEAS周波数を検出するが2つの周波数のうちの1つだけを任意の所与の時間に検出すること、もしくは、両方の周波数を同時に検出することを行うように構成されてよい。
【0198】
例えば、いくつかの実施形態では、図1のEASゲート1110のEAS送信機1116は、信号1118の形式の電磁気エネルギーを送信するように構成されてよい。送信される電磁気信号1118の周波数範囲は、58~60kHzの範囲(例えばAM範囲)、または7~13MHzの範囲(例えばRF範囲)でよい。いくつかの開示の実施形態では、回路は、AM範囲とRF範囲両方の周波数を有する電気エネルギー、磁気エネルギー、または電磁気エネルギーを検出するように構成されてよい。送信されたエネルギーを検出することは、1つまたは複数のアンテナを使用して電気エネルギー、磁気エネルギー、または電磁気エネルギーを受信すること、および、第1のEASゲート周波数範囲または第2のEASゲート周波数範囲の電気信号、磁気信号、もしくは電磁気信号、および/または電気エネルギー、磁気エネルギー、もしくは電磁気エネルギーの存在を識別することを含んでよい。例えば図15では、アンテナ15002Aは第1の周波数範囲に調整されてよく、アンテナ15002Bは第2の周波数範囲に調整されてよい。両方のアンテナが回路15006に電気的に接続されてもよく、回路15006は、着信信号が第1と第2の周波数範囲のどちらに入るかを判定し得る。代替としてアンテナ15002Aは、第1と第2両方の周波数範囲に調整されてもよく、回路15006は、信号を区別するように構成されてよい。
【0199】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は少なくとも1つのアンテナに接続され、EASゲートから送信されたエネルギーの検出に応答して、第1のEASゲート周波数範囲と第2のEASゲート周波数範囲の外にある周波数で送信された少なくとも1つの識別信号を、少なくとも1つの送信機がEASゲート以外の受信機に送信するように構成されてよい。
【0200】
回路はEASゲートから送信されたエネルギーを受信し得るが、回路は、EASゲートの典型的な検出範囲外の信号を送信することによって応答してよい。例えば図15の回路15006は、EASゲート周波数に調整されたアンテナ15002を介してEASゲート信号を受信し得る。応答時、回路15006は、送信機15004CにEASゲート周波数以外の周波数で識別信号を送信させてよい。このようにして、EASゲートの信号以外の識別信号がワイヤレス受信を介して受信され解釈されてよい。このようにして、タグは、EASゲートをトリガすることなく識別される。
【0201】
別の例として、ワイヤレス識別タグの回路(図2のゲート検出回路2106など)は、送信機(ワイヤレス識別タグ1100の送信機2104など)が、EASゲートの受信機と異なる受信機(例えば1124)に識別信号を送信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、識別信号の周波数範囲は、第1のEASゲート周波数範囲と第2のEASゲート周波数範囲の外にあってよく、ワイヤレス識別タグをEASゲートにとって検出不能かつ不可視なものにする。いくつかの実施形態では、第1と第2のEASゲート周波数範囲の外にある周波数は、2.4GHz WW ISMの周波数範囲内でよい。
【0202】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機に、EASゲートから送信されたエネルギーが検出されてから10秒未満で少なくとも1つの識別信号を送信させるように構成されてよい。回路は、EAS信号の受信後の10秒を超える遅延を防止する回路設計を通じてそのように構成されてよい。特に、施設を離れるタグを検出するために施設の出口に近接して配置される傾向があるEASゲートを用いた、より短い遅延が設計仕様に調和し得る。当然EASゲートは、入ってくるタグ付きオブジェクトを検出するために使用することができ、10秒までの遅延が設計仕様の範囲内になり得る他の目的のために使用することができる。
【0203】
したがってワイヤレス識別タグの送信機は識別信号をすぐ、または短い遅延期間の後に送信するように構成されてよく、短い遅延期間は、EASゲートから送信されたエネルギーの検出後10秒未満でよい。いくつかの実施形態では、遅延期間は、EASゲートから送信されたエネルギーがゲート検出回路2106などの回路によって検出されてから最大10秒後にセットされてよい。遅延期間は、9秒以下、8秒以下、7秒以下、6秒以下、5秒以下、4秒以下、3秒以下、2秒以下、1秒以下、500ミリ秒未満、または、10秒未満の他の任意の適切な遅延時間でよい。
【0204】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、少なくとも1つのアンテナによって受信された無線周波数エネルギーを貯蔵するように構成されてよい。例えばワイヤレス識別タグのアンテナのいずれか1つまたは複数が任意の周波数でエネルギーを受信すると、ワイヤレス識別タグは、受信されたエネルギーが少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素に転送されそれによって受信されるように構成されてよい。エネルギー貯蔵構成要素は、例えばこのエネルギーを受信し、これに応じて別の形でエネルギーを貯蔵してよい。例えば入力無線周波数信号の着信周波数に関わらず、エネルギー貯蔵構成要素は、適切な回路機器または中間構成要素との関連付けを通じて、関連付けられた無線周波数エネルギーを受信および貯蔵してよい。
【0205】
図15に例として示されているように、アンテナ15002A~15002Cの1つまたは複数によって受信されたエネルギー15102A~15102Cは、エネルギー貯蔵構成要素15008のコンデンサ1500に貯蔵されてよい。いくつかの実施形態では、受信された無線周波数エネルギーは、第1のEASゲート周波数範囲外および第2のEASゲート周波数範囲外の周波数であることを特徴とし得る。本明細書における開示のように、第1のEASゲート周波数範囲外および第2のEASゲート周波数範囲外の周波数は、例えば900MHz WW ISMまたは2.4GHz WW ISMの周波数範囲を指してよい。一般に、900MHz WW ISMおよび2.4GHz WW ISMの周波数範囲は、約900MHzおよび約2.4GHzの周波数範囲をそれぞれ指してよい。いくつかの実施形態では、単一のアンテナは、多重周波数帯域約900MHz、多重周波数帯域約2.4GHz、または両方で送信されたエネルギーを受信するように調整されてよい。したがって、約900MHz WW ISMの周波数範囲内の周波数で送信されたエネルギーを受信するように調整されたアンテナは、別の周波数範囲内の周波数で送信されたエネルギーを受信するようにさらに調整されてよく、約2.4GHz WW ISMの周波数範囲内の周波数で送信されたエネルギーを受信するように調整されたアンテナは、別の周波数範囲内の周波数で送信されたエネルギーを受信するように調整されてよい。
【0206】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの送信機は、EASゲートから送信されたエネルギーの検出に応答して、識別信号の複数回の繰返しを逐次的に送信するように構成されてよい。識別信号は、EASゲートから送信されたエネルギーの検出に応答して何度も送信されてよい。例えば識別信号は、単一の継続信号として送信されなくてもよく、または、割込みなく継続的に送信されなくてもよく、代わりに、2つの連続するバースト間の固定または可変時間間隔を伴う識別信号の短いバーストまたは繰返しを含んでよい。短い周期的なバーストはパルスと呼ばれ、送信される識別信号はパルス状の識別信号でよい。ワイヤレス識別タグの送信機(図15の送信機15004Aなど)は、識別信号15104Aの複数のバーストを繰返しのパターンで送信するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、複数のバーストは固有のパターンに従わなくてよい。冗長性は、ワイヤレス受信機が送信に失敗しないことを保証し得る。
【0207】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの送信機は、識別信号の複数回の繰返しのそれぞれを動的に遅延させ、それによって信号衝突を回避するように構成されてよい。動的な遅延は、識別信号の連続する繰返しの間の時間間隔を指してよく、これは必ずしも固定されておらず、むしろ所定の規則によって制御され、所定の規則に応じて変化し得る。このようにして、第1と第2の識別信号間の遅延は、第2とその後の第3の識別信号間の遅延と異なってよい。信号衝突は数ある問題の中でも、タグの読み間違いを生じる識別信号の時間の重複、またはタグの完全な紛失を指してよい。識別信号の複数回の繰返しのそれぞれの間の動的遅延を使用すると、信号衝突に関連付けられた問題を実質的に最小限にし得る。これは、短い期間に読み取る多くのタグの受信を予想するシステムにおける設計パラメータと適合し得る。例えば購入用の複数の物品が搬送されて図11のEASゲート11108を通過すると、1つのバッグ11212内のタグすべてが同時にトリガされ得る。ワイヤレスインフラストラクチャ受信機11106の1つまたは複数によって各タグが検出されるように、様々なタグが異なる時間に送信するのを短時間の動的遅延が保証し得る。
【0208】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの送信機は、識別信号の繰返しのうちの少なくとも1つをランダムに遅延させ、それによって信号衝突を回避するように構成されてよい。ランダム遅延は、ランダムに変化する識別信号の連続する繰返しの間の時間間隔を指す。例えば第1と第2の識別信号間の時間間隔は、第2とその後の第3の識別信号間の遅延と異なってよく、所定の規則、関係、またはパターンに基づかなくてよい。
【0209】
ワイヤレス識別タグは、特定の製品との関連付け用に構成され、それによって、同じ製品の他のインスタンスに関連付けられたタグからの識別信号とは異なる一意の識別信号を送信してよい。タグは、他のタグの他の識別コードとは異なる一意の識別コードをタグのメモリ内に含めることによって、このような使用のために構成されてよい。したがって例えば、同じ製品の複数のインスタンス(例えば同じ食品品目、衣類品目、または他の任意の商品もしくはオブジェクトの複数のインスタンス)を施設が備蓄するとき、各インスタンスは独自の一意のコードを有することになる。これは、いつ製品の各インスタンスが受信されたか、棚に配置されたか、購入されたか、返品されたか、正確にいつどこで各インスタンスが製造されたか、ならびに偽造および詐欺行為のインスタンスについての正確な追跡を可能にし得る。
【0210】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機に識別信号の送信を遅延させる方式で少なくとも1つの回路を調節するための識別送信規則を実施するように構成されてよい。本出願の他の場所で論じられるように、本開示の文脈での送信規則は、送信機を制御するために使用される回路の一部として実施される手順を指してよい。いくつかの実施形態では、送信規則は、送信機に識別信号の送信を遅延させ得る。識別信号の送信の遅延はランダムまたは動的でよい。
【0211】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、識別信号を送信するのに十分な送信電力が集約されエネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているときでも、少なくとも1つの送信機に識別信号の送信を遅延させる方式で少なくとも1つの回路を調節するための識別送信規則を実施するように構成されてよい。
【0212】
いくつかの実施形態では、ワイヤレス識別タグの送信機による識別信号の送信時の遅延は、エネルギー貯蔵構成要素が十分な送信電力を貯蔵しているかどうかに関わらず生じてよい。識別信号の送信の遅延期間は固定または可変でよい。遅延は、信号衝突を実質的に最小限にするために導入されてよい。
【0213】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、送信機に識別信号を所定の時間間隔で送信させるための識別送信規則を実施するように構成されてよい。時間間隔は、信号送信の間の期間を含んでよい。また時間間隔は、(例えば、回路への入力、刺激、もしくはトリガ、または、回路によって実行される出力もしくはアクション、または、入力、刺激、もしくはトリガの多重発生、または、同じ回路もしくは異なる回路の出力もしくはアクションの2重発生などの)他のシステムイベントをキーオフしてよい。同じイベントの繰返し発生の間の時間間隔を測定するとき、周期はイベント間の平均時間間隔と定義されてもよく、周期の分散としての平均時間間隔からの偏差を含んでよい。時間間隔が周期で定義されるとき、時間間隔は、イベント間の平均時間間隔の逆数としてのイベントの回数、(イベントのスタートからイベントの終了時間までの)各イベントの平均時間長の間の比率としてのイベントのデューティサイクル、(1つのイベントのスタートから後続イベントのスタートまでに測定されるような)イベント間の平均時間間隔を含んでよい。時間間隔は、識別送信規則に従って予め決定されてよい。例えば回路は、具体的には秒、分、または時間の間隔で送信機に識別信号を送信させるように構成されてよい。間隔の選択は使用要件に依存してよい。
【0214】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、2つの連続する識別信号の送信間の時間間隔を定義するための識別送信規則を実行するように構成されてよい。例えば回路は、第1の識別信号が送信された後の所定の時間間隔の間、第2の識別信号を送信するのを送信機に待たせる送信規則を実施するように構成されてよい。非限定的例として、いくつかの実施形態のための時間間隔は少なくとも10分でよく、一方で他の実施形態では、2つの連続する識別信号の送信間の時間間隔は数マイクロ秒でよい。
【0215】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、2つの連続する識別信号間の時間間隔をランダムに選択するための識別送信規則を実施するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、回路によって受信された入力、トリガ、または刺激のセットは、2つの連続する識別信号間の時間間隔が予め決定されない、予め定義されない、または予測できないように、識別信号の送信のタイミングをランダムにしてよい。このようなランダムな選択は典型的には、信号送信ごとに変化する間隔を生じる。ランダム送信は、いくつかの実施形態の文脈では、擬似乱数送信を含んでよい。いくつかの実施形態では、ランダムに選択された時間間隔は10分から15分まででよく、一方で他の実施形態では、ランダムに選択された時間間隔は数マイクロ秒でよい。他の実施形態では、第1の送信から第2の送信までの所定の時間経過、または送信の第1のグループから送信の第2のグループまでの所定の時間経過より前に、2つの逐次的な送信が発生し得ないような閾値がランダム送信に課されてよい。
【0216】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、第1の所定の期間起動して第2の所定の期間停止することを繰り返すことによってエネルギーを節約するように構成されてよい。例えば回路は、優先順位をつけた機能を実行するのに十分なエネルギーが基板に残っていることを保証するように設計されてよい。例として優先順位をつけた機能は、EASゲートのトリガに応答してタグ識別情報を送信することでよい。タグがこの優先順位をつけた機能を満たすのに十分なエネルギーを保持していない場合、タグのコントローラは、予備エネルギーが十分再補給されるまで他の任意の送信を許可しなくてよい。別の例として、タグがタグの識別情報を在庫管理システムに送信した後、タグは、送信を促す信号をタグが受信することがあっても、所定の期間内に再びタグの識別情報を送信しないことによってエネルギーを節約し得る。次に、期間が経過した後、タグは、タグの識別情報の送信を可能にされてよく、その後タグは、スリープモードに繰返し戻ってよい。
【0217】
エネルギーの節約は、プログラムされるか、そうでなければ予め決定された規則によって達成され得る。例えば規則は、回路が実行するように構成された機能の中でも、実行される機能数、識別信号の送信期間、電力レベル、送信されるデータ量に基づいてよい。ワークロードに基づいて、回路は、所定の時間(例えばミリ秒)起動されたままでよい。いくつかの実施形態では、回路は、利用可能な予備エネルギー量、必要な予備エネルギー量、残っている送信数、および他の関連要因に基づいて、第2の所定の期間停止されるように構成されてよい。貯蔵されたエネルギーが閾値を下回っているが、それでも識別信号の送信が必要な場合、回路は、元の遅延信号より少ないエネルギーを使用して追加の信号を送信することによって状況を解決してよい。送信のための電力の規模および/または電力の期間を回路が制限した結果として、より低いエネルギー使用が発生し得る。代替または追加として、回路は、電力を節約するために送信される情報量も制限してよい。情報量の制限は、例えば以前の送信の内容に基づいてよい。例えば製品の特性が以前に送信されたが、これらの特性が変化しなかった場合、これらの特性は追加の送信から省略されてよい。回路の起動および停止は、貯蔵されたエネルギーを節約してエネルギー効率を最大化するようなパターンで繰り返されてよい。いくつかの実施形態では、第1と第2の所定の期間は、実質的に同様でも実質的に異なっていてよい。例として、回路は数秒から数分間起動状態を保つように構成されてもよく、回路は非活性状態を保ってもよく、または数秒から数分間停止されてもよい。
【0218】
本開示の実施形態は、周囲エネルギーを取り入れて識別信号を断続的に送信するように構成されたワイヤレス識別タグのための方法、システム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体に関連し得る。議論を容易にするために、デバイスの態様がシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体に等しく適用されるという理解の下でデバイスが下記で説明される。例えば、このようなデバイスのいくつかの態様は、有線、ワイヤレス、または両方のネットワーク上の電気的接続を含んでよい。このような方法の他の態様は非電気的手段を使用して発生し得る。最も広い意味では、デバイスは特定の物理的および/または電子的道具に限定されず、むしろ多くの異なる道具を使用して達成され得る。
【0219】
本開示の様々な実施形態では、ワイヤレス識別タグは、物品に関連付けられた任意のデバイスを含んでもよく、ここでは、デバイスは、物品についての識別情報またはデバイス自体についての識別情報を提供する。1つの実施形態では、ワイヤレス識別タグは、物品またはデバイスに関連付けられたシリアル番号などの識別情報を提供してよい。別の実施形態では、ワイヤレス識別タグは、Bluetooth low energy(「BLE」)の広告ビーコンを提供してよい。ワイヤレス識別タグはさらに、電子式商品監視(「EAS」)の磁界に感度がよく、EASゲートと通信してよい。他の実施形態は、位置、製品情報、価格、マッチング製品、または、物品に関する他の情報を提供してよい。このような情報はデバイス自体に格納されてよく、または、データ構造体内の検索を実行するプロセッサにデバイスが識別情報を送信した後、データ構造体から取得されてよい。
【0220】
いくつかの実施形態では、例示的なワイヤレス識別タグは、周囲エネルギーを取り入れるように構成されてよい。周囲エネルギーは、作業を実行する能力、または一定期間電力を使う能力で定義されてよい。このようなエネルギーは、使われたエネルギーに等しい電力の積および時間の長さで表され得る。周囲エネルギーは、電気、磁気、電磁気、動力、音響、熱、フォトニック、または他のタイプのエネルギーなどの多くの形式で送信され取り入れられてよい。エネルギーはまた、静電気、磁気、化学、動力、電気、熱、または他のタイプのエネルギーなどであるがこれらに限定されない多くの形式で貯蔵されてよい。電気回路または電子回路の文脈では、エネルギーはほとんどの場合、直流(「DC」)源または交流(「AC」)源のような電気エネルギーとして使用される。それでも当業者は、電気的な周囲エネルギーの他の形も取り入れられ得ることを理解するであろう。周囲エネルギーは、少なくとも日光、風、振動、音、熱、無線周波数を含む周囲のソースからのエネルギーを含んでよい。追加または代替として、周囲エネルギーは、RFID周波数帯域、2.4GHz ISM帯域、または、タグによって認識可能な1つまたは複数の周波数でエネルギーを送信する他の任意のライセンスされた周波数帯域またはライセンスされていない周波数帯域で独自プロトコルを使用するように構成されたRFIDエキサイタまたは専用エキサイタなどの1つまたは複数のエキサイタから受信されたエネルギーを含んでよい。いくつかの実施形態では、エキサイタは、例えば店、倉庫、フロア、部屋、アプライアンスの内部、屋外エリア、道路、歩道、コンベア、車両、保管設備、または、タグ識別もしくは追跡が望ましくなり得る他の任意の場所もしくは施設などの任意のエリアをカバーするように環境内に位置付けられてよい。追加または代替として、周囲エネルギーは、セルフォン、Wi-Fiルータ、自動車、パーソナルコンピュータ(ラップトップもしくはデスクトップコンピュータなど)、スマートタブレット、ウェアラブル電子機器(スマートウオッチ、スマートグラス、テレビ、スピーカ、およびヘッドホンなど)、ホームセキュリティデバイスもしくはシステム、ベビーモニタ、電子レンジ、ガレージドアオープナ、または、BluetoothもしくはWi-Fi周波数帯域などでエネルギーをワイヤレス送信可能な他の任意のデバイスによって、BluetoothまたはWi-Fi周波数帯域で送信されたエネルギーを含んでよい。
【0221】
いくつかの実施形態では、周囲エネルギーを取り入れることは、1つもしくは複数のエキサイタから、またはタグと同じ環境内に位置している1つもしくは複数の代替エネルギー源からなど、周囲のソースからエネルギーを捕らえて貯蔵することを含んでよい。取入れは1つまたは複数のアンテナを介して行われてよく、無線周波数エネルギーなどのエネルギーを捕らえ、捕らえたエネルギーを貯蔵するように構成された回路を含んでよい。このような回路は構成要素とデバイスとの組合せを含んでよく、シリコンチップ、プリント回路基板、結合系の一部として、またはこれらの組合せとして実装されてよい。構成要素およびデバイスは、内部もしくは外部で生成され得る入力、刺激、もしくはトリガへの応答としての所望の機能または反応の実行を可能にするように接続されてよい。回路の機能または反応は、他の回路を制御すること、視覚、可聴、もしくはそうでなければ通信可能な警告もしくは信号を生成すること、および/または、所定のコード化された動作を実行することを含んでよい。例えば、構成要素およびデバイスは、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、導体、トランジスタ、ダイオード、送信回線、インバータ、バッファ、論理ゲート、ラッチ、フリップフロップ、増幅器、比較器、電圧源、電流源、スイッチ、および、前述の例示的機能を達成するために回路での使用に適した他の任意の構成要素またはデバイスを含んでよいがこれらに限定されない。入力、刺激、もしくはトリガは、電圧レベルの変化、電流レベルの変化、受信信号の周波数、振幅、もしくは位相の変化、デジタル入力、デジタルパルス、制御語、または、回路によって受信され得る他の任意の信号を含んでよいがこれらに限定されない。本明細書で使用されるように、用語「回路」は、単一の回路または複数の回路とみなされ得る2つ以上の電気的に接続された構成要素を含んでよい。
【0222】
いくつかの実施形態では、例示的なワイヤレス識別タグは、識別信号を断続的に送信するように構成されてよい。断続的送信は、任意の不連続タイミングの送信を含んでよい。例えば断続的送信は、周期的、ランダム、または規則的間隔で発生してよい。断続的送信は、タグのエネルギー貯蔵構成要素内のエネルギーを節約することによって、ワイヤレス識別タグによるエネルギー消費量の減少を可能にし得る。
【0223】
以前に示唆されたように、例示的なワイヤレス識別タグは、様々な間隔でまたはトリガに応答して送信するように構成されてよい。1つの実施形態では、ワイヤレス識別タグは、所定の間隔外で送信するためのトリガをタグが受信したときでも、エネルギーを節約するための間隔で送信するように構成されてよい。例えばワイヤレス識別タグは、10分ごとなどの最短繰返し周期内で送信するように構成されてよい。最短繰返し周期は、規定の時間フレーム内にトリガ信号がない場合に、タグがスリープモードに入り、送信しないような(またはかなり少ない頻度で送信するような)最初のトリガを必要とし得る。その後トリガを受信すると、タグは、送信規則に従ってその周期的な動作モードに戻ってよい。いずれのトリガもない規定の周期の後、タグは次に、スリープモードに戻ってよい。
【0224】
別の例では、ワイヤレス識別タグは、送信間のランダムな遅延を伴う最短繰返し周期を送信するように構成されてよい(例えば、数秒、数分、または数時間ごとに間隔を空けられた識別送信)。非限定的例として、最短繰返し周期は10分でよく、10分を超えるランダムな遅延は10分から15分までの各秒でよい。このようにして、送信間の間隔は10分から15分までランダムに変化してよい。別の実施形態では、ワイヤレス識別タグは、短い間隔の中で複数の送信を行うように構成されてよい。例えばワイヤレス識別タグは200msの間隔の中で6回の送信を行い、その後一定期間スリープするように構成されてよい。別の実施形態では、ワイヤレス識別タグは、下記で論じられるような、電力レベルがより低い短い間隔の中で複数の送信を行うように構成されてよい。
【0225】
開示の実施形態は、周囲エネルギーを受信するように構成された少なくとも1つのアンテナを含んでよい。いくつかの実施形態では、例示的なワイヤレス識別タグは、1つのアンテナ、2つのアンテナ、3つのアンテナ、または任意の数のアンテナを含んでよい。アンテナは、送信されたエネルギーまたは周囲エネルギーを受信するように構成された導体を含んでよい。導体は、例えば金属ワイヤまたはプリント回路を含んでよい。アンテナは、伝導される入力から放射される出力に信号を(送信時に)変換するように構成された回路に接続されてもよく、または回路を含んでよい。別の実施形態では、回路は、放射される入力から伝導される出力に信号を(受信時に)変換するように構成されてよい。放射される形式は、電磁放射、電界、または磁界でよい。伝導される形式は、物理的接続上で時間変化する電圧または電流信号でよい。他のケースでは、放射される形式は、音響(ソナー用途におけるものなど)または光(レーザ用途におけるものなど)でよい。アンテナは、受動または能動でよい。受動アンテナは、アンテナによって受信された信号以外の外部電力を必要としなくてよい。能動アンテナは、外部電力源に依存し得る。受動アンテナは、プリント回路基板(「PCB」)上にプリントされ、直接接続、電気もしくは磁気連結、または、回路構成要素を回路に接続するための他の手段を通じて回路の他の部分に接続された一連の導体として実装されてよい。例として、図9に示されている例示的なタグ1100は、1GHz未満の周波数のエネルギー(例えば周波数帯域約900MHzのエネルギー)を受信し、取り入れたエネルギーを900MHzのハーベスタ9012に伝えるように調整されたアンテナ2112を含んでよい。追加または代替として、例示的なタグは、周波数帯域約2.4GHzのエネルギーを受信し、取り入れたエネルギーを2.4GHzのハーベスタ9014に伝えるように調整されたアンテナ2114を含んでよい。
【0226】
開示の実施形態は、少なくとも1つのアンテナに電気的に接続され、受信した周囲エネルギーを集約して貯蔵するように構成された、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素を含んでよい。電気回路の文脈では、エネルギー貯蔵構成要素は、コンデンサ、スーパーキャパシタ、バッテリ(使い捨てと再充電可能の両方)、その任意の組合せ、および、エネルギーを貯蔵可能な他の任意の回路構成要素を含んでよい。様々な実施形態では、エネルギー貯蔵構成要素は、収集されたエネルギーを集約するように構成された構成要素を含んでよい。いくつかの実施形態では、回路は、周囲エネルギーの集約を容易にし得る。周囲エネルギーは、単一ソースからまたは複数のソースから集約されてよい。例えば、異なる周波数で動作する異なる送信機からのエネルギーがエネルギー貯蔵構成要素内に集約されてよい。様々なソースからのエネルギーは共通アンテナまたは複数のアンテナで受信されてよく、逐次的または同時に受信されてよい。エネルギー貯蔵構成要素は、1つもしくは複数の形式のエネルギー、または1つもしくは複数のソースからのエネルギーを受信し、受信したエネルギーを共通エネルギー貯蔵構成要素、またはエネルギー貯蔵構成要素のグループ内に貯蔵するように設計された回路を含んでよく、または回路に関連付けられてよい。すなわちワイヤレスタグは、1つのエネルギー貯蔵構成要素、2つのエネルギー貯蔵構成要素、または任意の数のエネルギー貯蔵構成要素を含んでよく、これらの構成要素は、異なるソースからのエネルギーを貯蔵してよい。
【0227】
様々な実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、1つの形式でソースからエネルギーを受信し、第2の形式で回路にエネルギーをローカルに貯蔵し、エネルギーの第2の形式または第3の形式でエネルギーの受信後すぐにまたはその後に、回路に接続された他の回路による使用のためにエネルギーを利用可能にするように設計された回路を含んでよい。
【0228】
図2に示されているように、ワイヤレスタグ1100は、マルチソースハーベスタ2102、エネルギー貯蔵回路2108、900MHzアンテナ2112、および2.4GHzアンテナ2114を含んでよい。アンテナ2122および2114は、周囲エネルギーを受信するように構成されてよい。マルチソースハーベスタ2102は、エネルギー貯蔵回路2108に接続され、独自の関連付けられたアンテナ(図示せず)から、または、900MHzアンテナ2122および2.4GHzアンテナ2114によって受信された周囲エネルギーを取り入れるように構成されてよい。ソースに関わらず、受信された周囲エネルギーは、エネルギー貯蔵回路2108に貯蔵されてよい。2つのアンテナおよびマルチソースハーベスタで示されているが、用途に応じて、すべてのこのような構成要素が必要になり得るわけではない。例えばタグは、単一ソースからまたはすべてに満たないソースからのエネルギーだけを取り入れるように設計されてよい。同様に、周囲エネルギーのさらなるソースが使用環境内に存在すると予想される場合、追加のアンテナが採用されてよい。
【0229】
開示の実施形態の態様は、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素に電気的に接続され、識別信号を送信するように構成された少なくとも1つの送信機をさらに含んでよい。様々な実施形態では、送信機は、金属ワイヤまたはプリント回路などの導体を含んでよい。このような回路は、Wi-Fi、Bluetooth、セルラ、イーサネット、または他の任意の規格に基づくプロトコルもしくは独自のプロトコルなどの通信媒体での信号送信のアクションを実行するように設計されてよい。代替または追加として、送信される信号は、例えばRFIDのためのエキサイタ、X線イメージング、またはレーダといったエネルギーを搬送してよい。代替または追加として、送信される信号はユースケースに応じて、一意の識別子、関連付けられた物品についての情報、タグ動作パラメータについての情報、または他の任意のタイプの関係情報などのデータを搬送してよい。信号は、無線を経由してワイヤレスで送信される電気信号、磁気信号、または電磁気信号の形をしていてよい。送信機は、一定の規模の信号を送信するように構成されてよい。この規模は、信号伝搬の一定の特性を計算して信号の検出範囲、信号対雑音比、および干渉特性などのパラメータを確立するために使用され得る。ワイヤレス通信の文脈では、この規模は、ワットに関する対数単位の通常ではワットもしくはdBW(デシベルワットもしくはdBワット)といった電力の単位で測定されてよい(または時には、dBWがワットに関連するのと同じようにミリワットに関するdBmの単位で測定されてよい)。このように、送信機が送信する電力レベルは、送信機が能動的に送信している間に送信機が出力してすぐの電力の測定値でよい。送信機は、一定の入力に応答して2つ以上の異なる電力レベルのうちの1つで信号を送信し得るような、構成可能な電力レベルを有するように設計されてよい。例えば図9に示されている例示的なタグ1100は、アンテナ2114を使用して周波数約2.4GHzを有する信号を送信するように構成された送信機2104を含んでよく、したがってアンテナ2114は、エネルギーを取り入れることと、タグ信号を送信することとの両方を行うように構成されてよい。例示的なタグ1100は追加として、(例えば送信機2104のビーコンコントローラ9030の制御下で)アンテナ2114の挙動を制御し、送信モードと環境発電モードとの間でアンテナ2114をスイッチするように構成されたスイッチ9034を含んでよい。いくつかの代替実施形態では、例示的なタグ1100は、環境発電アンテナと分離している信号送信機を含んでよい。図2に示されているようにビーコン2104は、識別信号のビーコンの送信に電力を供給するために、エネルギー貯蔵回路2108に電気的に接続されてよい。
【0230】
開示の実施形態の態様は、少なくとも1つの送信機に接続され、識別信号の送信に十分なエネルギーが集約されエネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているときでも、送信機に識別信号の送信を遅延させるための識別送信規則を実施するように構成された少なくとも1つの回路をさらに含んでよい。回路は、識別送信規則を実施するために相互接続された電気構成要素の任意の組合せを含んでよい。様々な実施形態では、識別送信規則は、送信を特徴とする任意の手順またはプロトコルを含んでよい。規則は、手順が送信機動作の特性を定義するように、送信機を制御するために使用される回路の一部として実施されてよい。これらの特性は、送信信号のデータコンテンツ、送信信号の電力レベル、送信のために使用される通信プロトコル、送信のために使用される周波数帯域、送信のタイミング、およびさらに、送信するべきか全く送信するべきでないかを含んでよい。このような手順の例は、Wi-Fi通信が回路によって検出されたという指示が受信された場合、Wi-Fiプロトコルでデータパケットを送信し、Bluetooth通信が回路によって検出されたという指示が受信された場合、Bluetoothプロトコルで同じデータパケットを送信するための命令を含んでよい。他のこのような例示的な手順は、パケットの所望の範囲に基づく送信時に使用される電力レベル、または、対象とする受け手に基づく、もしくは送信に関連付けられた入力、トリガ、および刺激のセットに基づくパケットのデータコンテンツを指示してよい。送信規則は自動的に実施されてもよく、または受信されたトリガ、入力、もしくは他の刺激に基づいて実施されてもよい。送信規則の実施は階層型でよい。例えば、入力の1つのセットによって必要とされる送信は、より高い優先度の別個の優先入力によってブロックまたは防止されてよい。
【0231】
開示の実施形態と一致するように、回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギー量が、当該の信号を送信するのに必要なエネルギーと予備エネルギー量との合計以上のとき、所与の信号を送信するのに十分なエネルギーがあると判定してよい。予備エネルギー量は、所定の期間送信機を含まないタグに電力を供給するのに必要なエネルギー量、下回るとエネルギー貯蔵構成要素が送信機に電力を供給できないエネルギー貯蔵構成要素への貯蔵が必要なエネルギー量、および識別信号の所定数の送信の送信のために送信機に電力を供給するのに必要なエネルギー量のうちの1つまたは複数の合計でよい。
【0232】
いくつかの実施形態では、例示的なワイヤレス識別タグは、ワイヤレス識別タグが第1の周波数帯域で周囲エネルギーを受信するのに応答して、送信信号を規則的な間隔で送信するように構成されてよい。別の実施形態では、例示的なワイヤレス識別タグは、ワイヤレス識別が第2の周波数帯域で周囲エネルギーを受信するのに応答して、時間遅延後に送信信号を送信するように構成されてよい。さらに別の実施形態では、例示的なワイヤレス識別タグは、ワイヤレス識別が第3の周波数帯域で周囲エネルギーを受信するのに応答して、短時間間隔内に複数の送信信号を送信するように構成されてよい。他の実施形態は、様々な周波数帯域内で周囲エネルギーが受信されるのに応答して、送信信号を規則的な時間間隔で送信するように構成されたワイヤレス識別タグを含んでよい。それでもタグは、エネルギー貯蔵構成要素に十分なエネルギーが貯蔵されている場合のみ、信号を送信するように構成されてよく、またはタグは、タグに貯蔵されたエネルギー量に応じて送信電力を制限するように構成されてよい。これらは、ほんの少しの例である。送信プロトコルは、これらの要因または他の任意の要因の組合せに基づいてよい。
【0233】
図10に示されているようにワイヤレスタグ1100は、トップレベルコントローラ9020およびマルチソースハーベスタ2102を含んでよい。マルチソースハーベスタ2102は、電力マネージャ9010、または、受信されたエネルギーの周波数もしくはソースを検出可能な他の構成要素を含んでよい。マルチソースハーベスタ2102は、受信されたエネルギーの周波数またはソースを指示する信号をトップレベルコントローラ9020に送信するようにさらに構成されてよい。トップレベルコントローラは、様々な識別送信規則を実施するための1つまたは複数の有限状態機械(「FSM」)を含んでよい。
【0234】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、送信機に識別信号を所定の時間間隔で送信させるための識別送信規則を実施するように構成される。時間間隔は、信号送信の間の期間を含んでよい。また時間間隔は、(例えば、回路への入力、刺激、もしくはトリガ、または、回路によって実行される出力もしくはアクション、または、入力、刺激、もしくはトリガの多重発生、または、同じ回路もしくは異なる回路の出力もしくはアクションの2重発生などの)他のシステムイベントをキーオフしてよい。同じイベントの繰返し発生の間の時間間隔を測定するとき、周期はイベント間の平均時間間隔と定義されてもよく、周期の分散としての平均時間間隔からの偏差を含んでよい。時間間隔が周期で定義されるとき、時間間隔は、イベント間の平均時間間隔の逆数としてのイベントの回数、(イベントのスタートからイベントの終了時間までの)各イベントの平均時間長の間の比率としてのイベントのデューティサイクル、(1つのイベントのスタートから後続イベントのスタートまでに測定されるような)イベント間の平均時間間隔を含んでよい。時間間隔は、識別送信規則に従って予め決定されてよい。例えば回路は、具体的には秒、分、または時間の間隔で送信機に識別信号を送信させるように構成されてよい。間隔の選択は使用要件に依存してよい。
【0235】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、2つの連続する識別信号の送信間の時間間隔を定義するための識別送信規則を実行するように構成されてよい。例えば回路は、第1の識別信号が送信された後の所定の時間間隔の間、第2の識別信号を送信するのを送信機に待たせる送信規則を実施するように構成されてよい。非限定的例として、いくつかの実施形態のための時間間隔は少なくとも10分でよく、一方で他の実施形態では、2つの連続する識別信号の送信間の時間間隔は数ミリ秒でよい。
【0236】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、2つの連続する識別信号送信間の時間間隔をランダムに選択するための識別送信規則を実施するように構成されてよい。このようなランダムな選択は典型的には、信号送信ごとに変化する間隔を生じる。ランダム送信は、いくつかの実施形態の文脈では、擬似乱数送信を含んでよい。いくつかの実施形態では、ランダムに選択された時間間隔は10分から15分まででよく、一方で他の実施形態では、ランダムに選択された時間間隔は数ミリ秒でよい。他の実施形態では、第1の送信から第2の送信までの所定の時間経過、または送信の第1のグループから送信の第2のグループまでの所定の時間経過より前に、2つの逐次的な送信が発生し得ないような閾値がランダム送信に課されてよい。
【0237】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンテナは、第1の周波数帯域約900MHzまたは第2の周波数約2.4GHzの少なくとも範囲内の周波数で送信されたエネルギーを受信するように構成されてよい。周波数帯域は、無線周波数または電磁スペクトルの任意の部分を指してよい。例えば周波数帯域は、特定の産業、科学、および医療(「ISM」)のために国際的に確保されたスペクトルの一部を指してよい。この文脈では、用語「確保された」は、単一の目的または用途のために周波数帯域または周波数範囲を指定することを指してよい。多くの管轄区域において周波数帯域は、法律、規制、または他の任意の適用可能な規格もしくはプロトコルによって確保および/または指定され得る。一般に周波数帯域は、ブロードキャスティング、無線通信、ワイヤレステレコミュニケーション(例えばセルフォン)、近距離無線通信(「NFC」)、ワイヤレスコンピュータネットワーク(例えばWi-Fi)などの分野で、またはワイヤレス通信の他の任意の手段のために使用され得るスペクトルの任意の部分を指してよい。
【0238】
いくつかの実施形態では、例示的なタグの少なくとも1つの回路は、第1の周波数帯域または第2の周波数帯域の少なくとも1つで受信されたエネルギーを使用して送信機に第2の周波数帯域で識別信号を送信させるように構成されてよい。例えばワイヤレス識別タグは、周波数帯域約900MHzで周囲エネルギーを受信するように構成されたアンテナを使用して、周波数帯域約2.4GHzで周囲エネルギーを受信するように構成されたアンテナを使用して、または両方で周囲エネルギーを取り入れてよい。いずれかおよびすべてのアンテナから取り入れられたエネルギーはその後、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されてよい。エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーはその後、受信された周囲エネルギーの周波数に関わらず、関連付けられたアンテナによって周波数帯域約2.4GHzで識別信号を送信するために送信機によって使用されてよい。
【0239】
例えば図2を参照すると、ワイヤレス識別タグ1100のマルチソースハーベスタ2102は、900MHzアンテナ2112、2.4GHzアンテナ2114、または両方によって受信されたエネルギーを取り入れてよい。取り入れたエネルギーは、エネルギー貯蔵回路2108に格納されてよい。エネルギーはその後、上述のように識別信号を送信するためにアンテナ2114、2112のいずれかによって使用されてよい。
【0240】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、貯蔵された受信した周囲エネルギーをワイヤレス識別タグに供給するように構成されてよい。例えばエネルギー貯蔵構成要素に貯蔵された取り入れたエネルギーは、取入れ、送信、および他の機能をタグが実行できるようにワイヤレス識別タグに電力を供給するために使用されてよい。
【0241】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、バッテリなしでワイヤレス識別タグに電力を供給するように構成された少なくとも1つのコンデンサを含む。コンデンサは、絶縁体で分離された電荷プレートの使用を通じて電荷を貯蔵するために使用される任意の容量性構造体を含んでよい。コンデンサの例は、セラミックスコンデンサ、フィルムコンデンサ、パワーフィルムコンデンサ、電解コンデンサ、スーパーキャパシタ、クラスXおよびクラスYコンデンサ、半導体デバイス内部に実装されるMOMコンデンサ(金属酸化物金属コンデンサ)、半導体デバイス内部に実装されるMIMコンデンサ(金属絶縁体金属コンデンサ)、半導体デバイス内部に実装されるMOSコンデンサ(金属酸化物半導体コンデンサ)、他の様々なまたは可変コンデンサを含んでよい。例として図10では、エネルギー貯蔵回路2108は、少なくとも1つの貯蔵コンデンサ10300を収めてよい。開示の実施形態と一致するように、ワイヤレス識別タグは、バッテリを含まないエネルギーストレージを含んでよい(例としてバッテリは、電荷を貯蔵する1つまたは複数の電気化学セルを含んでよい)。
【0242】
上述のように例示的なタグは、指定のバッテリなしでエネルギーを取り入れ、最小量の電力を消費しつつ、アクティブ送信状態とアイドル状態との両方で動作するように構成されてよい。都合のよいことに例示的なタグの構成は、受動的なRFIDデバイスと比較可能な電力包絡線で、市販の電池式デバイスと比較可能な無線性能を可能にし得る。
【0243】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つのアンテナが第1の所定の周波数の周囲エネルギーを受信したとき、識別送信規則を実施するように構成されてよい。例えば第1の所定の周波数の周囲エネルギーを受信するように構成されたアンテナによって周囲エネルギーが受信されるか、第1の所定の周波数でエネルギーを送信するエキサイタから周囲エネルギーが受信されると、回路は上述のように識別送信規則を実施してよい。いくつかの実施形態では、第1の所定の周波数は、上述のように約900MHzの周波数でよい。
【0244】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つのアンテナが第2の所定の周波数の周囲エネルギーを受信してから10秒未満で送信機に識別信号を送信させるようにさらに構成されてよい。例えば、第2の所定の周波数の周囲エネルギーを受信するように構成されたアンテナによって周囲エネルギーが受信されるか、第2の所定の周波数でエネルギーを送信するエキサイタから周囲エネルギーが受信されると、回路は、送信機に識別をすぐ送信させてよい。いくつかの実施形態では、それでも回路は遅延期間の後、送信機に識別を送信させてもよく、遅延期間は例えば最大10秒でよい。開示の実施形態と一致するように、他のより長いか短い遅延期間も使用されてよい。いくつかの実施形態では、第2の所定の周波数は、上述のように約2.4GHzでよい。
【0245】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギー量が、識別信号の送信に必要な第1のエネルギー量と第2の所定量の予備エネルギーとの合計以上であるとき、十分なエネルギーが集約され貯蔵されていると判定するようにさらに構成されてよい。例えば送信前に回路は、後で機能させるのに十分な予備を手元に残しつつ、送信に電力を供給するのに利用可能な十分なエネルギーが両方あるか判定するためにチェックしてよい。したがってこの機能を達成するために、エネルギー貯蔵構成要素内の現在のエネルギー量を判定または推定する能力を回路が有することが望ましくなり得る。貯蔵されたエネルギーは、測定または計算を通じて判定されてよい。例えばコンデンサに静電荷の形で貯蔵されたエネルギーは、他の構成要素または回路に供給するためにDC電圧にコンバートされなければならないことがある。コンデンサの電圧測定は、コンデンサに貯蔵されたエネルギーの正確な推定を提供し得る。いくつかの実施形態はバッテリの使用を回避してよいが、バッテリを用いる実施形態により、利用可能な貯蔵されたエネルギーのより正確なレベルを判定するために、いくつかの負荷条件での電圧測定が行われてよい。
【0246】
必要なエネルギーは、完了させるべき関連付けられたアクションまたはアクションのセットに基づいて変化し得る。したがって必要なアクションを確かめ、これらのアクションを実行するのに必要なエネルギーを計算し、その後、(任意の必要な予備の他に)実際の貯蔵されたエネルギーの計算結果または測定値と必要なエネルギーを比較することが望ましくなり得る。電気回路または電子回路の文脈では、電力は直流電流または交流電流として供給されてよいが他の形式も可能である。ほとんどのケースでは、回路によって消費されることになる予想電力は、実行されるアクションの期間にわたって統合されてもよく、全エネルギー要件を生じ、全エネルギー要件はジュールで計算されてよい。例えば、データの単一のパケットを処理するために1ms(1ミリ秒)の期間10mW(10ミリワット)の電力を消費する回路は、パケットを処理するために10μJ(10マイクロジュール)のエネルギーを必要とし得る。いくつかのケースでは、一定のアクションを実行するのに必要なエネルギーは、回路によって受信された入力、トリガ、および刺激によって制御されるものなどのアクションの特性に依存し得る。例えば、固定の電力消費量でより長いまたは短い信号を送信する送信機は、電力と時間との乗算により、多かれ少なかれエネルギーをそれぞれ必要とし得る。したがってエネルギーは、動作パラメータ(変調、送信されるデータ量、電力レベル、送信期間等)を調整して特定のユースケースに合わせることによって節約することができる。
【0247】
例えば少なくとも1つの回路は、エネルギー貯蔵デバイスに貯蔵されたエネルギー量が、識別信号を送信するのに必要なエネルギー量と所定量の必要な予備エネルギーとの少なくとも合計であると判定してよい。いくつかの実施形態では、所定量の必要な予備エネルギーは、所定の期間、少なくとも1つの送信機だけでなく、ワイヤレス識別タグの少なくとも1つの部分に電力を供給するためのエネルギーを含む。必要な予備エネルギーはまた、将来1つまたは複数の識別信号を送信するのに必要な量とみなされてよい。システムは次の送信が求められるか必要とされる前に、エネルギー貯蔵構成要素が十分な補充を受信しない場合に、このような予備を必要とし得る。したがっていくつかの実施形態では、所定量の予備エネルギーは、現在の送信後の所望の期間、エネルギー貯蔵構成要素が少なくとも1つの送信機に電力を供給するための最小エネルギー量を含んでよい。これは、識別信号の所定数の将来の送信を送信するのに十分なエネルギーを含んでよい。他の実施形態では、所定量の予備エネルギーは、必要なエネルギーレベル未満に貯蔵されたエネルギー量を減らさずにワイヤレス識別タグが機能するための最小エネルギー量を含んでよい。
【0248】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視し、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵された周囲エネルギーが所定の閾値レベルを下回ると判定されたとき、少なくとも1つの送信機に追加の識別信号を送信させるように構成されてもよく、追加の識別信号は、遅延識別信号よりも送信に必要なエネルギーが少ない。例えば、貯蔵されたエネルギーが閾値を下回るが、それでも識別信号の送信が必要な場合、回路は、元の遅延信号より少ないエネルギーを使用して追加の信号を送信することによって状況を調停してよい。エネルギーの使用の減少は、送信のための電力の規模および/または電力の期間を回路が制限した結果として発生し得る。代替または追加として、回路はまた、電力を節約するために送信される情報量を制限してよい。情報量の制限は、例えば以前の送信の内容に基づいてよい。例えば、以前に送信された製品の特性、およびこれらの特性が変化しなかった場合、これらは追加の送信から省略されてよい。
【0249】
いくつかの実施形態では、識別信号は、ワイヤレス識別タグの一意の識別データを含む。例えば識別は、単一のワイヤレス識別タグが他の任意のワイヤレス識別タグと同じ一意の識別子に関連付けられず、任意の単一のワイヤレス識別タグがこのタグに関連付けられた単一の一意の識別子しか有することができないような、数字、文字列、または、ワイヤレス識別タグに個々に関連付けられたデータの他の形式を含んでよい。一意の識別子の例は、シリアル番号、英数文字列、および、1つのタグを別のタグと一意に区別し得る他の任意のデータを含んでよい。
【0250】
本開示の実施形態は、周囲エネルギーを取り入れ、識別信号を断続的に送信するように構成されたワイヤレス識別タグのための方法、システム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体に関連し得る。道具。開示の実施形態は、図2に示されている送信機2104などの少なくとも1つの送信機を含んでよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの送信機は、第1の信号を第1の周波数で第1の受信機に送信し、第2の信号を第1の周波数で第2の受信機に送信するように構成されてよい。追加または代替として、いくつかの例示的な送信機は、1つまたは複数の信号を1つまたは複数の周波数で1つまたは複数の受信機に送信するように構成されてよい。1つまたは複数の信号は、上述のように、受信された周囲エネルギーの種々の周波数でトリガされてよい。受信されたエネルギーの種々のタイプは、種々のタグ動作モードに対応し得る。1つのモードでは、タグは、1つの信号を1つまたは複数の指定の受信機に送信してよい。別のモードでは、タグは、別の信号を異なる指定の受信機に送信してよい。信号は、異なる周波数を介してまたは同じ周波数で送信されてよい。例えば、第1の信号は、施設内に配置された受信機に送信されたワイヤレスタグ識別信号でよく、周波数帯域約2.4GHz WW ISMで送信されてよい。第2の周波数は、施設のEASゲートに近接した受信機に送信されたワイヤレスタグ識別信号でよい。第2の信号はまた、周波数帯域約2.4GHz WW ISMで送信されてよい。受信機は、環境内の固定受信機、ワイヤレスユーザデバイス、ハンドヘルド受信機、または、信号を受信する他の任意の回路もしくは構成要素を含んでよい。
【0251】
例えば図13に描写されているように、タグ1100は、ハンドヘルドデバイス11200によって発信された2.4GHzトリガ信号13100に応答して、周波数帯域約2.4GHzでID信号12200を受信機11300cに送信してよい。別の例では、図14に描写されているように、タグ1100は、EASゲート1112、1114からのEAS信号14100に応答して、周波数帯域約2.4GHzでID信号12200を受信機11300hに送信してよい。
【0252】
開示の実施形態の態様は、本出願のほかの場所で説明されるような、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素を含んでよい。様々な実施形態は、上記で開示されたような、通信媒体で信号を送信するための送信回路による使用に利用可能なエネルギーを受信するように設計された回路も含んでよい。例示的なタグは、少なくとも1つの送信機および少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素に接続された少なくとも1つの回路を含んでよく、少なくとも1つの回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視するように構成される。例えば図2は、例示的なワイヤレス通信タグ1100のブロック図であり、ワイヤレス通信タグ1100は、エネルギー貯蔵回路2108に接続された少なくとも1つの送信機2104を含んでよい。図9は、電力マネージャ9010を伴うタグ1100のタグアーキテクチャの実施形態を描写している。エネルギー貯蔵回路2108および送信機2104は、電力マネージャ9010に接続されてよい。電力マネージャは、エネルギー貯蔵回路2108に貯蔵されたエネルギー量を監視するように構成されてよい。
【0253】
開示の実施形態の態様は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーが第2の信号を第1の周波数で第2の受信機に送信するのに不十分であるとき、少なくとも1つの送信機が第1の信号を第1の周波数で第1の受信機に送信するのを防止するように構成された少なくとも1つの回路をさらに含んでよい。開示の実施形態と一致するように、回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギー量が、第1の信号を第1の受信機に送信するのに必要なエネルギーと予備エネルギー量との合計以下のとき、少なくとも1つの送信機が第2の信号を第2の受信機に送信するのにエネルギーが不十分であると判定してよい。予備エネルギー量は、第2の信号を第2の受信機に送信するのに必要なエネルギー量、所定の期間送信機を含まないタグに電力を供給するのに必要なエネルギー量、下回るとエネルギー貯蔵構成要素が送信機に電力を供給できないエネルギー貯蔵構成要素への貯蔵が必要なエネルギー量、および識別信号の所定数の送信の送信のために送信機に電力を供給するのに必要なエネルギー量の1つまたは複数の合計でよい。第1の信号を送信するのにエネルギーが不十分であると回路が判定すると、回路は、少なくとも1つの送信機が第1の信号を送信するのを防止してよい。
【0254】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギー量が、第1の信号を第1の受信機に送信するために必要な第1のエネルギー量と、第1の信号の第1の受信機への送信後に第2の信号を第2の受信機に送信するために必要な第2のエネルギー量との合計未満であるとき、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているエネルギーが不十分であると判定するように構成されてよい。例えばタグは、タグが第1のタスクを完了した場合、予想される第2のタスクを完了させるのに十分な予備エネルギーをタグが保持することを保証するように構成されてよい。保持していない場合、タグは第1のタスクを進めなくてよい。したがって例えば、在庫管理のためにインフラストラクチャ受信機に識別信号を送信することを第1のタスクが含み、施設からのタグ付きオブジェクトの削除が記録されることを保証するためにEASゲートのトリガに応答して出口における受信機に識別信号を送信することを第2のタスクが含む場合、タグは、第2のタスクのために十分なエネルギーが予備に残っていることを保証するために第1のタスクをブロックしてよい。
【0255】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギー量が、第2の信号を第2の受信機に送信するために必要な第1のエネルギー量と、第2の所定量の予備エネルギーとの合計未満であるとき、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているエネルギーが不十分であると判定するように構成されてよい。例えば回路は、予備のエネルギー量を監視し、タグが継続して機能できるようにするのに予備のエネルギー量が十分であるかを計算するように構成された測定構成要素を使用して、エネルギーが不十分であると判定するように構成されてよい。送信に必要な第1のエネルギー量は、1つもしくは複数の所定の閾値の検索に基づいて判定されてよく、または、送信の既知の特性および/もしくは送信を完了させるのにどれだけのエネルギーが必要になり得るかについての既知の情報に基づいて計算されてよい。第2のエネルギー量は、特定のエネルギーの予備を維持することをタグが常に要求され得るという点で予め決定されてもよい。所定のエネルギー量は、例えば、タグが所定の期間内部機能を実行するのに必要なエネルギー量、または、タグがゲートモード送信などの所定数の将来の送信を行うのに必要なエネルギー量の1つまたは複数に対応し得る。計算されると、第1のエネルギー量は、タグと、第2の受信機などの受信機の1つとの間の距離などの変数に基づいて判定されてよい。または第1のエネルギー量は、同様の送信のために過去に必要とされたエネルギー量に基づいて計算または判定されてよい。代替として前述のように、第1のエネルギー量はまた、このような送信のために予め決定されたエネルギー量でよい。第1のエネルギー量と第2のエネルギー量との合計が閾値を超過する場合、タグは、予備のエネルギー量が不十分であると判定してよい。
【0256】
追加または代替として、回路は2つの別個のエネルギー量を評価せずに、単一の測定値、計算結果、または閾値に基づいて、貯蔵されたエネルギーが十分であるか不十分であるかを判定するように構成されてよい。例えば、上記で説明された第1と第2のエネルギー量の合計の計算は、タグの構成要素またはタグの外部のプロセッサによって(例えば、事前に操作された閾値、または第1と第2の量を組み込む測定値を実装することによって)予め判定されてよい。
【0257】
図9に関して、このような機能は、例として電力マネージャ9010で実行されてよく、電力マネージャ9010は、エネルギー貯蔵モジュール2108の状態を監視してよい。必要なエネルギーの閾値量についてのデータ(および関連する場合、履歴データ)は、メモリ9022内、または電力マネージャ9010内部の内部メモリ内に維持されてよい。代替として、エネルギーが不十分であるとの判定は、エネルギー貯蔵回路2108自体の中で、または、トップレベルコントローラ9020内で、もしくはその補助によって判定されてよい。
【0258】
いくつかの実施形態では、所定量の予備エネルギーは、所定の時間、少なくとも1つの送信機だけでなく、ワイヤレス識別タグの少なくとも1つの構成要素に電力を供給するための最小エネルギー量を含んでよい。タグは、本明細書で論じられるような複数の構成要素を有してよいが、送信のためだけでなくタグの他の内部機能のために予備エネルギーが必要になり得る。したがって必要な最小エネルギー量は、タグの任意の1つまたは複数の構成要素を考慮に入れてよい。例えば図9に関して、所定量の予備エネルギーは、検出回路2106、トップレベルコントローラ9020、マルチソースハーベスタ2102、またはメモリ9022に、所定の時間電力を供給するのに必要なエネルギー量を含んでよい。ワイヤレス識別タグの少なくとも1つの構成要素に電力を供給するのに必要な所定のエネルギー量も、所定の時間ワイヤレスタグに含まれる他の任意の回路または回路構成要素に電力を供給するのに必要なエネルギー量を含んでよい。所定の時間は、システム設計制約に応じて予めプログラムされてよい。例えば所定の時間は、数秒、数分、数時間、数日、数カ月、または数年を含んでよい。
【0259】
いくつかの実施形態では、所定量の予備エネルギーは、第1の信号の所定数の送信を送信するために、少なくとも1つの送信機に電力を供給するための最小エネルギー量を含んでよい。例えば所定量の予備エネルギーは、タグがゲートモード、インフラストラクチャ励振可能モード(例えば貯蔵モード)、またはユーザ励振可能モード(例えばIoTモード)で動作する間に所定数の送信を送信するのに必要なエネルギー量を含んでよい。所定数の送信は、システムの設計パラメータに基づいてよい。例えば、6つのゲートモード信号、3つのゲートモード信号、または他の任意の数のゲートモード信号を送信可能にするのに十分なエネルギーをタグが予備に常に保たなければならないことがシステム設計制約である場合、所定のエネルギー量の予備は、システム設計制約に応じて、6つのゲートモード送信、3つのゲートモード送信、または他の任意の数のゲートモード送信に必要なエネルギー量に少なくとも等しいエネルギー量を含むことになる。設計制約はまた、他の内部機能のためのエネルギーの予備を必要とすることがあり、これらの全てが、必要な最小エネルギー量の一部として含まれてよい。
【0260】
いくつかの実施形態では、所定量の予備エネルギーは、第1の信号の所定数の送信を送信機が送信した後、エネルギー貯蔵構成要素が少なくとも1つの送信機に電力を供給するための少なくとも最小エネルギー量を含んでよい。例えば、第1の信号の所定数の送信を送信するのに必要なエネルギーに加えて、タグは、他の信号を送信するための追加の予備エネルギーを貯蔵するように設計されてよい。これらの追加の信号は、例えば第1の信号と同じまたは異なる周波数での第2または第3の信号の送信を含んでよい。追加の信号は、タグが予備に収めているエネルギーが不十分であることをシステムに警告する識別信号または危険信号(distress signal)を含んでよい。これは、タグの予備を補充するためにエネルギーをワイヤレスで送信するようにインフラストラクチャを促し得る。したがって、例えば図9に関して、所定量の予備エネルギーは、送信機2104が所定数の送信を送信した後、エネルギー貯蔵回路2108が少なくとも1つの送信機2104に電力を供給するための少なくとも最小エネルギー量を含んでよい。
【0261】
図9に関して以前に論じられたように、電力マネージャ9010は、必要な予備エネルギー要件を判定してよい。別の例として、電力マネージャ9010は、エネルギー貯蔵回路2108に貯蔵されたエネルギー量をトップレベルコントローラ9020に通信してよい。トップレベルコントローラ9020は次に、信号を送信するために送信機2104に電力を供給するのに十分なエネルギーがあるか判定し、その後送信機2104が信号を送信するのを許可または防止してよい。トップレベルコントローラ9020は、1つまたは複数の送信を送信するのに必要なエネルギー量をさらに判定し、エネルギー貯蔵回路2108に貯蔵されたエネルギー量に基づいて、1つまたは複数の送信のために送信機に電力を供給するのに十分なエネルギーがあるか判定してよい。
【0262】
上述のように、第1の周波数帯域は2.4GHz WW ISMの周波数帯域内でよく、第2の周波数は900MHz WW ISMの周波数帯域内でよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、第1の周波数で受信されたエネルギー、および第1の周波数より低い第2の周波数で受信されたエネルギーを貯蔵し、貯蔵されたエネルギーを使用して少なくとも1つの送信機に電力を供給するように構成されてよい。受信されたエネルギーの周波数の差に関わらず、エネルギー貯蔵構成要素は、異なる周波数の受信機との相互接続を通じて、異なるアンテナへの相互接続を通じて、または1つもしくは複数の回路への相互接続を通じて、高い方の周波数と低い方の周波数の両方から導出されたエネルギーを受信するように構成されてよい。例えば、第1の高い方の周波数は2.4GHzの範囲内でよく、一方で第2の低い方の周波数は900MHzの範囲内でよい。
【0263】
様々な実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、1つの形式でソースからエネルギーを受信し、第2の形式で回路にエネルギーをローカルに貯蔵し、エネルギーの第2の形式または第3の形式で、エネルギーを受信後すぐまたは受信した後に、この回路に接続された他の回路による使用のために利用可能にするように設計された回路を含んでよい。例えば少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、少なくとも1つの送信機に電力を供給するために貯蔵されたエネルギーを利用可能にしてよい。
【0264】
図9に示すように、ワイヤレスタグ1100は送信機2104を含んでよい。送信機2104はエネルギー貯蔵回路2108に接続されてよく、エネルギー貯蔵回路2108に貯蔵されたエネルギーを使用して送信機2104に電力を供給するように構成されてよい。
【0265】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、バッテリなしでワイヤレス識別タグに電力を供給するように構成された少なくとも1つのコンデンサを含んでよい。これは、例えばエネルギー貯蔵回路2108の貯蔵コンデンサ10300を含んでよい。
【0266】
いくつかの実施形態では、回路は、ワイヤレス識別タグによって受信された信号の周波数に基づいて、少なくとも1つの送信機を、第1の信号を第1の受信機に送信するための第1のモードで動作させるか、第2の信号を第2の受信機に送信するための第2のモードで動作させるかを判定するように構成してよい。システム設計パラメータ内に含まれる任意の数の要因に基づいてタグ内の回路は、交互の動作モードでタグを動作させてよい。動作モードに影響を及ぼし得る1つの要因は、タグによって受信された信号の周波数である。1つの周波数信号は第1のモードでタグを動作させてよく、一方で第2の周波数信号は第2のモードでタグを動作させてよい。したがって上述のように、ワイヤレスタグは、受信信号の周波数を判定し、周波数に応じてタグの動作モードを変化させることができる回路を含んでよい。
【0267】
図19は、ワイヤレスタグの例示的動作方法の流れ図である。タグは、ブロック19102に示されているように周囲エネルギーを受信し、ブロック191104に示されているように周囲エネルギーが受信される周波数を判定してよい。ブロック19106に示されているように7~13MHz帯域または58~60kHz帯域でエネルギーが受信されたとタグが判定すると、タグ内の1つまたは複数の回路は、ブロック19112に示されているようにゲートモードでタグを動作させてよい。これは、ブロック19118に示されているように全出力電力での識別信号のバーストの送信を生じ得る。代替としてタグは、ブロック19108に示されているように900MHz WW ISM帯域でエネルギーが受信されたと判定してよく、ブロック19114に示されているようにインフラストラクチャ励振可能モードでタグを動作させてよく、インフラストラクチャ励振可能モードは、小売店の場合、貯蔵モードと呼ばれてよい。結果として識別信号の送信は、ブロック19120に示されているように遅延され得る。さらなる代替としてタグは、ブロック19110に示されているように2.4GHz WW ISM帯域でエネルギーが受信されたと判定し、ブロック19116に示されているようにユーザ励振可能モード、IoTモード、またはホームモードと呼ばれるモードでタグを動作させてよい。これは次に、ブロック19122に示されているように即時応答識別信号を送信させる。
【0268】
いくつかの実施形態では、回路は、ワイヤレス識別タグが900MHz WW ISMの第1の周波数帯域または2.4GHz WW ISMの第2の周波数帯域のうちの少なくとも1つで信号を受信したとき、少なくとも1つの送信機を第1のモードで動作させるようにさらに構成されてよい。例えば第1のモードは、900MHz WW ISM信号または2.4GHz WW ISM信号のうちの1つでトリガされてよい。代替として、900MHz WW ISM信号または2.4GHz WW ISM信号のどちらかが第1の動作モードをトリガしてよい。同様に回路は、ワイヤレス識別タグが約7~13MHzの第1の周波数帯域または約58~60kHzの第2の周波数帯域のうちの少なくとも1つで信号を受信したとき、少なくとも1つの送信機を第2のモードで動作させるようにさらに構成されてよい。7~13MHz信号または58~60kHz信号のうちの1つが第2のモードをトリガしてよい。代替として、信号の2つの範囲のどちらが受信されるかに関わらず、第2のモードがトリガされてよい。これらの例では、第1のモードはインフラストラクチャ励振可能モードでよく、第2のモードはゲートモードでよい。約7~13MHzの周波数帯域は、無線周波数(「RF」)EASシステムと互換性のある任意の周波数を含んでよい。RF-EASシステムのための動作周波数は、1.8MHzから13MHzまでの範囲内の任意の周波数を含んでよい。約58~60kHzの周波数帯域は、音響磁気(「AM」)EASシステムと互換性のある任意の周波数を含んでよい。AM-EASシステムのための動作周波数は、58~60kHzの範囲内の任意の周波数を含んでよい。
【0269】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの送信機は、第2の受信機の場所と異なる第1の場所にある第1の受信機に送信するように構成されてよく、少なくとも1つの送信機は、第1の信号を送信する前の遅延より短い遅延の後、第2の信号を送信するようにさらに構成されてよい。設計パラメータに応じて、一部の信号が他の信号より素早く送信されることがある。例えば、第1の受信機が施設の内部、またはEASゲートに関連付けられていない任意の場所に配置されることがあり、一方で第2の受信機がEASゲートの近く、またはEASゲートに近接して配置されることがある。この例示的シナリオでは、識別信号の受信が在庫管理システムからの再発信号の受信より大きな重要性(criticality)を有することがあるので、タグは、EASゲートの近傍にない受信機に対する遅延より少ないEASゲートの近傍にある受信機に対する遅延で識別信号を送信するように設計されてよい。
【0270】
図12に示されている例では、タグ1100は、遅延(設計パラメータに応じて、数秒から数分またはことによると数時間)の後、小売店の中に配置された受信機11300eまたは受信機11300fに送信するように構成されてよい。図13に示されている例では、タグ1100は、例えば10秒未満のより短い遅延の後、受信機11300c、または、デバイス11200内に配置された受信機に送信するように構成されてよい。図14に示されている例では、タグ1100は、例えば200ms未満の最低の遅延で受信機11300h、または、ゲートの近くに配置された受信機に送信するように構成されてよい。
【0271】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、第1の周波数以外の周波数でエネルギーが受信されたかどうかを検出し、少なくとも1つの送信機に、他の周波数で受信されたエネルギーが検出されてから10秒未満で、第2の信号を第2の受信機に送信させるようにさらに構成されてよい。例えばワイヤレスタグは、エネルギーが受信された周波数を判定可能な回路を含んでよい。受信されたエネルギーが、インフラストラクチャ励振可能モード(例えば貯蔵モード)に関連付けられた周波数帯域以外の周波数帯域であると回路が判定すると、回路は、遅延なくまたは数秒程度の遅延で、ワイヤレスタグ内の送信機に受信機への信号を送信させることになる。1つの例では、回路は、受信されたエネルギーが、貯蔵モードに関連付けられた周波数帯域以外の周波数であることを回路が検出してから10秒以下で、ワイヤレスタグ内の送信機に受信機への信号を送信させることになる。
【0272】
図10を参照すると、電力マネージャ9010はエネルギーが受信された周波数を検出し、エネルギーが受信された周波数を指示する信号をトップレベルコントローラ9020に送信してよい。トップレベルコントローラ9020は次に、IoTモードFSM10004またはゲートモードFSM10006などのユーザ励振可能モードによる送信を実施してよい。
【0273】
いくつかの実施形態では、第1の信号は、繰返し周期、2つの連続応答間の時間間隔、データ暗号化メカニズム、送信電力、または送信のデータコンテンツの少なくとも1つが第2の信号と異なる。第1と第2の信号は、以前に論じられたように周波数が異なってよいが、代替または追加として、他の点が異なってよい。例えば信号は、受信機による受信を保証するために周期的に繰り返してよい。第1または第2の信号は、他と異なる繰返し周期を有してよい。同様にタグは、前の送信から所定の期間が経過するまで、信号が送信されるのを許可しなくてよい。第1と第2の信号は、これらの時間間隔が異なってよい。同様に、異なる信号は、それぞれに暗号化されてよく、信号の出力が異なってよく、または異なる情報を収めてよい。これらは、ほんの少しの例である。識別信号は、他の任意の信号パラメータが変化してよい。
【0274】
いくつかの実施形態では、インフラストラクチャ励振可能モード(例えば貯蔵モード)でワイヤレスタグが動作している間に送信される送信は、10分の繰返し周期を有してよい。他の例では、インフラストラクチャ励振可能モード(例えば貯蔵モード)でワイヤレスタグが動作している間に送信される送信は、ゼロから5分までのさらなるランダムな遅延期間を伴う10分の繰返し周期を有してよい。
【0275】
データ暗号化メカニズムは、権限付与されたエンティティだけがメッセージまたは情報にアクセスでき、権限付与されていない人がアクセスできないようにメッセージまたは情報をエンコードする処理を含んでよい。メカニズム自体による暗号化は、データ送信による干渉を防止し得ないが、復号処理の知識のない人がメッセージまたは情報を解釈するのをブロックし得る。暗号化処理は暗号鍵の使用を含んでよく、暗号鍵は、暗号化メッセージの送信前の時点でメッセージの送信者と意図される受信者との間で共有される1つのデータでよい。暗号鍵を使用すると、鍵が一意かつ秘密が保持される限りメッセージの秘密性を依然として維持しつつ、複数の当事者が共通暗号化処理を使用できるようになる。メッセージは、送信と受信両方の当事者が同意したプロトコルに従って送信された場合、受信当事者によって解読可能または可読であるとみなされるはずである。暗号化メッセージの場合、メッセージは、暗号鍵を含む使用される暗号化のタイプの詳細全てを受信当事者も有しているのであれば解読可能または可読でよい。
【0276】
データコンテンツは、ワイヤレスタグに関連付けられた一意の識別子、ワイヤレスタグのステータス、ワイヤレスタグの場所、ワイヤレスタグの電力レベル、価格設定情報、所有権情報、スタイリング情報、送信を開始したトリガに関するデータ、または、信号によって伝えられる任意の情報を含んでよい。
【0277】
いくつかの実施形態では、第1の信号は第1の識別データを含んでよく、第2の信号は第2の識別データを含み、第1の識別データまたは第2の識別データのうちの少なくとも1つは、ワイヤレス識別タグの一意の識別子を含んでよい。例えば、インフラストラクチャ励振可能モード(例えば貯蔵モード)で動作するタグは信号を送信してよい。信号のデータコンテンツは識別データを含んでよい。識別データは、ワイヤレスタグに関連付けられた一意の識別子を含んでよい。追加または代替として、ユーザ励振可能モード(例えばIoTモード)またはゲートモードで動作するタグは信号を送信してよい。この信号のデータコンテンツも、ワイヤレスタグに関連付けられた一意の識別子を同様に含み得る識別データを収めてよい。
【0278】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーが所定の閾値レベルを下回ると判定されたとき、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機に、第1の信号を第1の受信機に送信するのに必要なエネルギーよりも少ないエネルギーで代替信号を第1の受信機に送信させるように構成されてよい。例えばワイヤレスタグは、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視するように構成された回路を含んでよい。エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵された(予備エネルギー量などの)エネルギーが所定の閾値レベル未満のとき、上述のようにワイヤレスタグは、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーが所定の閾値レベルを上回っていた場合に送信機が使用するはずのエネルギーよりも少ないエネルギーを使用して、送信機に受信機への代替信号を送信させてよい。代替信号は、より少ない情報を収める第1の信号の形でよく、危険信号でよく、または、電力レベル以外の全ての点で第1の信号と単純に同一でよい。
【0279】
図10を参照すると、ワイヤレスタグ1100は、エネルギー貯蔵回路2108に貯蔵されたエネルギー量を監視する電力マネージャ9010を含んでよい。電力マネージャ9010は、エネルギー貯蔵回路2108に貯蔵されたエネルギー量をトップレベルコントローラ9020に通信してよい。トップレベルコントローラ9020は、エネルギー貯蔵回路2108に貯蔵されたエネルギー量が所定の閾値レベルを下回っているか判定してよい。エネルギー貯蔵回路2108に貯蔵されたエネルギー量が所定の閾値レベルを下回っているとトップレベルコントローラが判定すると、トップレベルコントローラ9020は、送信機2104に、典型的に必要なエネルギーより少ないエネルギーで信号を送信させてよい。これは、上述のように任意の数の信号特性を変化させることによって発生し得る。
【0280】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、第2の信号を第2の受信機に送信するのに十分なエネルギーがエネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているときでも、少なくとも1つの送信機に、第1の信号の第1の受信機への送信を遅延させるように少なくとも1つの回路を調節するための識別送信規則を実施するように構成されてよい。例えば、その後の送信を可能にするのに十分な予備エネルギーが存在する場合でも、別の送信規則が送信の発生をブロックしてよい。規則は、特定のシステムの設計パラメータに基づいて変化させてよい。
【0281】
図10を参照すると、電力マネージャ9010またはトップレベルコントローラ9020が、信号送信を制御する規則を実施してよい。この規則に違反している場合、送信は送信されなくてよく、または遅延されてよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、送信機に、所定の時間間隔で第1の信号を第1の受信機に送信させるための識別送信規則を実施するようにさらに構成されてよい。例えばワイヤレスタグは、上記で開示されたように貯蔵モードを実施するように設計された回路を含んでよい。貯蔵モードで動作している間、タグは、上述のように所定の時間間隔で受信機に信号を送信してよい。
【0282】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、第1の信号の第1の受信機への2つの連続的な送信間の時間間隔をランダムに選択するための識別送信規則を実施するようにさらに構成されてよい。ランダム性は、信号が重複すること、衝突を作り出すこと、および受信機を困惑させることを防止し得る。例えば、インフラストラクチャ励振可能モード(例えば貯蔵モード)では、インフラストラクチャが多くのタグを同時に励振し得るとき、各タグからのランダム応答は、受信機が困惑するのを防止するために送信の間隔を空けてよい。
【0283】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、第1の所定の期間起動して第2の所定の期間停止することを繰り返すことによってエネルギーを節約するように構成されてよい。例えば信号が送信された後、タグは、同じ信号を繰返し送信し続けないように一定期間停止されてよい。これは結果として、エネルギーを節約する。例えばインフラストラクチャが多くのタグを繰り返し励振する施設では、既に応答したタグは、所定の期間が経過するまで同じ信号に応答しないように構成されてよい。例えばインフラストラクチャ励振可能モード(例えば貯蔵モード)で動作している間、タグは、第1の所定の時間起動し、その後第2の所定の時間停止することによってエネルギーを節約し得る。第1および第2の所定の時間は、上述のように同じ時間、異なる時間、またはランダムな時間でよい。
【0284】
本開示の実施形態は、施設内の間違った場所にある物品を検出するためのシステムを含んでよい。施設は、例えば小売店、ストア、倉庫、配送センタ、物流センタ、フルフィルメントセンタ、製造エリア、出荷エリア、保管エリア、家、医療施設、飲食施設、台所、または、物品の追跡が有益になり得る他の任意のエリアなど、物品の在庫があるか維持される任意のエリア、建物、または構造を含んでよい。物品は、施設内に保管され得る任意のオブジェクトを含んでよい。非限定的例として、物品は、食品、衣類、電子機器、消費材、機器、車両、消耗品、パッケージ、アクセサリ、サプライ、材料、芸術、動物、人、計器、パレット、コンテナ、医薬品、原料、品物、デバイス、機械設備、道具、メカニズム、ツール、家具、または、施設内に存在し得る他の任意のオブジェクトを含んでよい。
【0285】
開示の実施形態と一致するように、用語「間違った場所にある物品」は、施設内の1つまたは複数の物品に関連付けられた指定の場所内に配置されていない1つまたは複数の物品を指してよい。例えば施設は、施設内の一定の場所が1つもしくは複数の物品に関連付けられ得るように、または、1つもしくは複数の物品が1つもしくは複数の特定の場所に関連付けられるように組織されてよい。施設内の場所は、例えば保管ユニット、棚、キャビネット、ラック、部屋、または、1つもしくは複数の物品に関連付けられ得る他の任意の保管構造体またはエリアなどの1つまたは複数の保管エリアを含んでよい。場所はまた、任意の物品に一切関連付けられなくてもよい。開示の実施形態と一致するように、例えばフィッティングルーム、チェックアウトレーン、トイレ、空のフロア空間、または、物品の保管に関連付けられていない他の任意のエリアの場所も施設内の場所でよい。この文脈では、例えば間違った場所にある物品は、間違った棚もしくはラック、間違った売り場、または、オブジェクトに対して指定されない任意の場所に配置された物品でよい(例えばフィッティングルーム内の衣服)。
【0286】
例として、図11は小売店の透視図であり、小売店は複数の衣類品を収め得る。この例示的な施設内に、特定の物品の保管および/もしくは陳列、または、施設の運用に関する他の活動の促進など、一定の目的のために指定された1つまたは複数の場所があってよい。例えば施設は、衣類の特定の品目などの一定の物品の保管および/または陳列のために指定されたラック11250および棚11240を収めてよい。施設はまた、物品の保管および/または陳列に関連付けられていないが、種々の衣類品の試着など、施設内での一定の活動を顧客が実行可能な、フィッティングルーム11230などの他の場所を収めてよい。開示の実施形態は、図20の物品位置監視システム20000などのシステム、および例えば、ラック11250上のその指定の場所ではなく、フィッティングルーム11230に配置された物品など、間違った場所にある物品の検出を可能にする方法を提供し得る。
【0287】
開示の実施形態はまた、施設内の物品の場所を報告するためのシステムを含んでよい。開示の実施形態と一致するように、システムは、例えば、施設内の物品の場所を監視し、デバイス、人、または他の任意のエンティティに場所を報告し得る。報告は、物品の場所を指示する(適切な媒体を通じて送信するべき)信号を生成すること、グラフィカルユーザインターフェース上で物品の場所をユーザに表示すること、または、物品の場所を指示する他の任意の適切な通信を含んでよい。例として図20では、システム20000は場所タグ1110の位置を監視してよく、例えば、デバイス20008上のグラフィカルユーザインターフェース20100に、物品の場所を指示する情報を表示させる信号20204を生成することによって、場所を報告するように構成されてよい。
【0288】
開示の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。プロセッサは、1つまたは複数の入力に対して論理演算を実行する電気回路機器を有する任意の物理デバイスまたはデバイスのグループでよい。例えば少なくとも1つのプロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)の全てもしくは一部、画像処理装置(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、サーバ、仮想サーバ、または、命令の実行もしくは論理演算の実行に適した他の回路を含む1つもしくは複数の集積回路(IC)を含んでよい。少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令は、例えば、コントローラに統合されるか埋め込まれたメモリに予めロードされてよく、または別個のメモリに格納されてもよい。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードディスク、光ディスク、磁気媒体、フラッシュメモリ、他の永久的な固定メモリもしくは揮発性メモリ、または、命令を格納可能な他の任意のメカニズムを含んでよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは2つ以上のプロセッサを含んでよい。各プロセッサは同様の構造を有してよく、またはプロセッサは、互いに電気的に接続されるか切断された異なる構造のものでよい。例えばプロセッサは、別個の回路でも、単一の回路に統合されてもよい。2つ以上のプロセッサが使用されるとき、プロセッサは、独立または協働して動作するように構成されてよい。プロセッサは、電気的、磁気的、光学的、音響的、機械的に、または、プロセッサが相互作用することを可能にする他の手段で連結されてよい。例として図20に示すように、施設内の物品の場所を監視するためのシステム20000はプロセッサ20004を含んでよく、プロセッサ20004は、本開示に一致するような処理および方法の1つまたは複数を実施および/または実行するように構成されてよい。
【0289】
本開示に一致するように、開示の実施形態はまた、ネットワークを含んでよい。「ネットワーク」は、データを交換するために使用される任意のタイプの物理またはワイヤレスコンピュータネットワーキング構成とみなされてよい。例えばネットワークは、インターネット、プライベートデータネットワーク、パブリックネットワークを使用する仮想プライベートネットワーク、Wi-Fiネットワーク、LANもしくはWANネットワーク、および/または、システムの様々な構成要素間の情報交換を可能にし得る他の適切な接続でよい。いくつかの実施形態では、ネットワークは、イーサネット、同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、光ファイバ、または、データを交換するための他の任意の適切な物理媒体など、データを交換するために使用される1つまたは複数の物理リンクを含んでよい。ネットワークはまた、公衆交換電話網(「PSTN」)および/またはワイヤレスセルラーネットワークを含んでよい。ネットワークは、セキュアなネットワークでもセキュアでないネットワークでもよい。他の実施形態では、システムの1つまたは複数の構成要素は、専用通信ネットワークを通じて直接通信してよい。直接通信は、例えば、Bluetooth(商標)、Bluetooth Low Energy(商標)(BLE)、Wi-Fi、近距離無線通信(NFC)、または、別個のエンティティ間でデータおよび/もしくは情報を交換するための媒体を提供する他の適切な通信方法を含む任意の適切な技術を使用してよい。例として図20に示すように、施設内の物品の場所を監視するためのシステム20000はネットワーク20002を含んでよく、ネットワーク20002は、システム内のデバイス(例えばプロセッサ20004、データ構造体20006、デバイス20008、リーダ11300a~11300g等)のデータおよび/または情報の交換を可能にし得る。
【0290】
開示の実施形態は、施設内の少なくとも1つのリーダから、少なくとも1つのリーダによって読み取られた識別タグの識別信号を受信することを含んでよい。リーダは、電磁気信号の受信および処理が可能な1つもしくは複数のデバイス、回路、構成要素、またはその組合せを含んでよい。例えばリーダおよび/または回路は、2つ以上の相互接続された構成要素を含んでよい。上述のように非限定的な例は、所望の機能または反応の実行を可能にするように接続された、シリコンチップの一部として、プリント回路基板の一部として、コネクタ化されたシステムの一部として、または、上記のいずれかの組合せとして実装された構成要素および/またはデバイスの組合せを含んでよい。
【0291】
施設は、図11図13に示されているようなリーダ11300a~11300gを装備されてよい。小売店は、識別タグ11210を収める製品など、識別タグを収める複数の物品を収容してよい。製品に関連付けられた識別タグは、例えば図3図8図15、および図20に示すようなタグ1100でよい。リーダ11300a~11300gは、図12図13に示すような信号12200または図15に示すような信号15102a~15102cなどの1つまたは複数の識別信号をタグから受信可能でよい。例として、また図21に示すように、施設内の少なくとも1つのリーダから、少なくとも1つのリーダによって読み取られた識別タグの識別信号を受信することは、開示の実施形態と一致するように、施設内の物品の場所を報告するための例示的なコンピュータ化処理21000のステップ21002において発生し得る。
【0292】
いくつかの開示の実施形態によれば、少なくとも1つのリーダは、識別タグによって送信された信号を自動的に読み取るように構成されたハンドヘルドスキャナまたは固定スキャナのうちの少なくとも1つを含んでよい。ハンドヘルドスキャナは、開示の実施形態と一致するように、リーダの機能を実行可能なこのような個々のまたは他の任意のハンドヘルドデバイスのモバイル通信デバイスを、作業ルーチン中またはショッピング中に使用するために施設によって従業員または顧客に提供されるデバイスでよい。固定スキャナは、リーダの機能を実行可能な、任意の壁、天井、または他の任意の貼り付け可能な構造に固定されたデバイスでよい。例として図11では、リーダ11300a~11300hは、施設内の一定の構造体(例えば壁、天井、備品)に貼り付けられた固定スキャナでよい。顧客または従業員は、本開示に一致するように、例えばハンドヘルドデバイス11200をハンドヘルドスキャナとして使用してよく、ハンドヘルドスキャナはスキャン専用のデバイス、またはリーダの機能を実行可能な他の任意のモバイルデバイスでよい。
【0293】
いくつかの開示の実施形態では、識別タグは、周囲エネルギーを受信および貯蔵し、貯蔵された周囲エネルギーを使用して識別信号の送信に電力を供給するように構成されてよい。周囲エネルギーは、識別タグの環境内に存在するエネルギーを指してよい。上述のようにエネルギーは、環境因子、環境内で送信される電磁気信号、または他の任意のエネルギー源によって生み出されてよい。例えば固定スキャナ11300a~11300hは、Wi-Fiまたは他の電磁気インフラストラクチャのような周囲エネルギー源として機能し得る。例示的なタグ1100は、エネルギー貯蔵回路2108、貯蔵コンデンサ10300、および/またはエネルギー貯蔵構成要素15008などの構成要素を含んでよい。構成要素のいずれか1つまたは複数は、例えば、アンテナ2112、2114、および/または15002A~15002Cからエネルギーを受信し、受信されたエネルギーを貯蔵し、タグ内の他の構成要素にエネルギーを利用可能にするように構成されてよい。1つの例では、1つの形で受信されたエネルギーは第2の形で格納されてよく、第3の形で構成要素に提供されてよい。いくつかの開示の実施形態によれば、周囲エネルギーは識別信号の送信に電力を供給するために使用されてよい。
【0294】
いくつかの開示の実施形態では、識別タグは、識別信号を所定のタイミングシーケンスに従って送信するように構成されてよい。所定のタイミングシーケンスは、例えば識別信号が識別タグからいつ送信され得るかを制御するタイミングパターンを含んでよい。タイミングシーケンスは、識別信号が送信される不変、ランダム、または可変の周期性(例えば1時間に2回、午後1:20に、および午後1:45に、等)を含んでよい。代替または追加として、タイミングシーケンスは、着信トリガ信号に続いてよい(例えばトリガ信号を受信すると、タグが規則に従って1回もしくは複数回応答を送信する、および/または、貯蔵されたエネルギーが閾値レベルに達したとき、閾値に達したことが送信をトリガしてよい)。実際は、任意のプログラムされた条件または規則が識別信号の送信を推進してよい。例として図20では、識別タグ1110は、システム20000の構成要素からのいかなる入力にも関わらず、1日に何度も識別信号12200を送信してよい。または送信は、信号がエキサイタからタグ1110に送信された結果として発生してよい。実装形態に応じて、この信号は、リーダ11300a~11300gまたは他の任意のソースの1つまたは複数から生じてよい。
【0295】
本開示に一致するように、少なくとも1つの識別タグは、少なくとも1つの識別タグが第1の周波数でエネルギーを受信したときに第1の送信モードで動作し、少なくとも1つの識別タグが第1の周波数より高い第2の周波数でエネルギーを受信したときに第2の送信モードで動作するように構成されてよく、第1の送信モードは、送信信号の繰返し周期、送信電力レベル、または送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つが第2の送信モードと異なる。例えば第1のモードは第1の信号が送信されるステップを指してよく、第2のモードは第2の信号が送信されるステップを指してよい。第1および第2のモードはまた、異なる動作特性を指してよい。これらの特性は、通信媒体、通信プロトコル、周波数、周波数範囲、周波数帯域、暗号化のタイプ、スクランブリングおよび/もしくは偽装、データコンテンツ、送信のタイミング、ならびに/または、送信するべき識別信号に関連付けられ得る他の任意の区別可能な特性を含んでよい。
【0296】
例として図15の回路15006は、アンテナ15002A~15002Cの1つまたは複数によって受信されたエネルギー15102Aを検出してよい。この検出に応答して回路15006は、送信機15004A~15004Cのいずれか1つまたは複数を第1のモードで動作させてよい。第1のモードで動作することは、例えば信号15104A~15104Cの1つまたは複数を送信することを含んでよく、信号15104A~15104Cは、少なくとも1つの態様で各信号が互いに区別可能であるような異なる特性を有してよい。回路15006はまた、アンテナ15002A~15002Cの1つまたは複数によるエネルギー15102Bの受信を検出してもよく、エネルギー15102Bは、エネルギー15102Aの周波数より高い周波数である。この検出に応答して回路15006は、送信機15004A~15004Cのいずれか1つまたは複数を第2のモードで動作させてよい。第2のモードで動作することは、例えば信号15104A~15104Cの1つまたは複数を送信することを含んでよく、信号15104A~15104Cの1つまたは複数は、単独でまたは組み合わせて、第1のモードで送信される信号15104A~15104Cと異なってよい。
【0297】
開示の実施形態は、受信した識別信号に基づいて、識別タグの現在の場所を判定することを含んでよい。例えば施設内の識別タグは、施設内の1つまたは複数のリーダによって受信され得る信号を送信してよい。それでも、1つまたは複数のリーダへの近さに応じて、1つまたは複数のリーダのそれぞれによって受信される信号の電力レベルは規模が異なることがある。この規模は、通信媒体上での信号の伝搬の一定の特性を計算するために使用されてよく、信号が検出され得る範囲、信号が送信されてきた相対的または実際の距離を表す値、信号対雑音比、干渉特性等のようなパラメータを確立する。ワイヤレス通信の文脈では、この規模は、通常、ワット、またはワットに関する対数単位であるdBW(デシベルワットまたはdBワット)という電力の単位で測定されてよい(または時には、dBWがワットに関するのと同じようにミリワットに関するdBmの単位で測定されてもよい)。この意味では、「電力レベル」は、例えば、リーダが1つまたは複数の信号を能動的に受信している間の、リーダにおける信号の入力時すぐの電力測定値を指してもよい。
【0298】
いくつかの実施形態では、識別タグの現在の場所を判定することは、各リーダにおいて受信された信号の電力レベルを比較し、比較に基づいて識別タグの現在の場所を判定することによって発生し得る。例えば、識別タグから、およびリーダによって受信された識別信号の電力レベルは、識別タグが他のリーダよりリーダの近くにあることにより、施設内の他のリーダによって受信された識別信号の電力レベルより高いことがある。リーダは所与の場所に関連付けられてよく、したがって、最も強い信号を受信するリーダ、および所与の場所とのリーダの関連付けに基づいて、識別タグがその場所に配置されていると判定され得る。同様に、異なるリーダによって検出された多数の信号強度がタグの場所を推定するために使用されてよい。例えば3つのリーダによって検出された3つの信号強度を使用してシステムは三角測量し、タグの場所を推定または判定してもよい。
【0299】
例として、フィッティングルーム11230に配置された物品は、識別信号12200を送信する識別タグ1100を収めてよい。フィッティングルーム11230に関連付けられ得るリーダ11300fの近くにタグ1100があるので、リーダ11300fによって受信される信号の電力レベル12200は、タグ1100から遠くに離れて配置されたリーダ(例えばリーダ11210a~11210eおよび11210g~11210h)によって受信される信号の電力レベル12200より高くなり得る。したがってフィッティングルーム11230へのリーダ11300fの関連付けにより、物品がフィッティングルーム11230に配置されていると判定され得る。例えばこの判定は、図21では、処理21000のステップ21004において発生し得る。いくつかの実施形態では、処理21000のステップ21004は、受信された識別信号に基づいて識別タグの現在の場所を判定することを含んでよい。
【0300】
信号強度パターンは、場所の探索のために予め判定されてもよい。例えば、フィッティングルーム11230内のタグとは異なるリーダによって行われた測定が、将来のタグの場所を判定するために一致させることができる認識可能なパターンを生じることがある。システムの設置時に、実際の場所と信号強度を相関させるために、タグの読取り値が施設の周囲から収集されてよい。相関関係はデータ構造体に格納されてよい。その後、将来、格納されたデータに基づいてタグの場所を識別するために、実際の読取り値に対して検索が実行されてよい。同様にシステムは、人工知能を使用して経時的に学習してよい。
【0301】
いくつかの開示の実施形態では、少なくとも1つのリーダは、識別信号を受信するように構成された複数のリーダを含んでよく、少なくとも1つのプロセッサは、複数のリーダの位置データにアクセスするように構成されてよい。例えば上述のように、プロセッサは、共通の信号が生じるタグの場所の識別に使用するために、複数のリーダにおいて受信された共通の着信データ信号にアクセスしてもよい。識別された位置は施設内の正確な測定可能な場所でよく、または、システム設計と、特定のシステムがもたらす粒度とに応じて、部屋、用品、売り場、領域、エリア、ラック、棚、もしくは他の任意の場所などの一般化された位置でよい。
【0302】
代替として、特定のリーダは特定の場所に関連付けられてよい。例えば単一のリーダは、関連付けられた部屋の中にタグがあることをこのリーダからの信号が指示するように、単一の部屋に関連付けられてよい。または、この領域もしくはエリアにタグが配置されていることを、対応する読取り値が指示するように、単一のリーダ(もしくはリーダのグループ)が領域もしくはエリアに関連付けられてよい。図11では例えばリーダ11300cおよび11300dがラック11250に関連付けられてよく、リーダ11300eが棚11240に関連付けられてよく、リーダ11300fがフィッティングルーム11230に関連付けられてよい。図20では、例えばこの位置づけデータはデータ構造体20006に格納されてよく、ネットワーク20002を通じてプロセッサ20004によってアクセス可能でよい。
【0303】
いくつかの開示の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサはまた、複数のリーダの位置データおよび複数のリーダによって受信された識別信号の電力レベルに基づいて識別タグの場所を識別するように構成されてよい。空間内の一定の点の場所(例えば識別タグの場所)を判定することは、この点から、予め位置が分かっている少なくとも3つの他の点(例えばリーダ)(すなわち基準点)への距離測定を使用して達成され得る。方法は、中心が基準点にあり半径が基準点から測定点までの測定された距離に等しい球体を記述する方程式または公式を、基準点のそれぞれに対して判定することを含んでよい。距離測定が正確であると仮定すると、測定点は、前記球体のそれぞれに対して、球体表面のいくつかの点で見つかるはずである。少なくとも3つのこのような球体を考慮すると(および3つの基準点の間隔が適切に空いていると仮定すると)、通常、3つの球体が一点で全て交わる空間内には2つ以下の点しかないはずである。最も現実的なシステムでは、2つの解のどちらが測定点の正しい場所であるかを判定することは、予備知識を使用して行うことができる(例えば3つの基準点が地上にあるとき、解の1つは地下にあるはずであり、これは簡単に除外できない)。また、施設について学習したデータは、ありそうもない解を除外するために使用されてよい。例えば、いくつかの解の1つがジュエリ売り場に靴を位置づけ、別の解が靴売り場に靴を位置づける場合、第1の解は、可能性が低いものとしてシステムによって捨てられ、第2の解が受け入れられてよい。これは、格納された初期化データが様々な物品の予想される場所を記録した結果として発生することがあり、または、物品が典型的に配置される場所を検出し記録することにより機械学習を通じて発生することもある。
【0304】
距離測定は、基準点から測定点に(または、基準点もしくは測定点の場所もしくは移動に関わらず光速が不変かつ有限であるという事実に基づいて逆もまた同様)光信号または無線信号が進む飛行時間を測定する直接的な巻き尺または定規の測定などの複数の方式で実行されてよく、あるいは、送信が既知の電力レベルで測定点から送信されたとき、基準点(例えばリーダ)において信号が受信された電力レベルを測定することによって実行され得る(距離の2乗に比例した比率で電波が自由空間内で減衰するという事実に測定が基づく)。
【0305】
議論を容易にするために。図22は、複数のリーダの位置データと、複数のリーダによって受信された識別信号の電力レベルとに基づいて識別タグの場所が判定され得るネットワークを示す。例えば識別タグ1110は既知の単一の電力レベルで識別信号を送信し得るが、リーダ11300a~11300cの1つ1つによって受信された識別信号の電力レベルは、識別タグ1110と、リーダ11300a~11300cのそれぞれとの間の距離の分散により同じではない。既知の送信電力レベルと、受信された電力レベルとの間の相違に基づいて、プロセッサ(例えば図20のプロセッサ20004)は、(1)リーダ11300aから半径220Raに等しい距離、(2)リーダ11300bから半径220Rbに等しい距離、および(3)リーダ11300から半径220Rcに等しい距離に識別タグ1110があると判定し得る。複数のリーダの既知の位置データと各リーダの距離とを使用して、プロセッサは、(弧220Aa~220Acが唯一の点で交わる)識別タグ1110の正確な場所を三角測量するか、そうでなければ判定し得る。これは2次元媒体上での方法を示すが、上記で説明されたように、本開示に一致するように、3次元環境内の識別タグを正確に探索するためにこれらの方法または同様の方法が使用され得ることが理解されよう。
【0306】
開示の実施形態は、少なくとも1つのデータ構造体に識別タグの現在の場所を記録することを含んでよい。データ構造体は、データ値の任意のコレクションおよびその間の関係を含んでよい。データは、線形的に、水平に、階層的に、リレーショナルに、非リレーショナルに、単次元的に、多次元的に、動作的に、並べられた方式で、並べられない方式で、オブジェクト指向の方式で、集中化された方式で、非集中化された方式で、分散された方式で、カスタムの方式で、またはデータアクセスを可能にする任意の方式で格納されてよい。非限定的例として、データ構造体は、配列、連想配列、連結リスト、2分木、平衡木、ヒープ、スタック、待ち行列、セット、ハッシュテーブル、レコード、タグ付き共用体(tagged union)、ERモデル、およびグラフを含んでよい。例えばデータ構造体は、XMLデータベース、RDBMSデータベース、SQLデータベース、または、(例えばMongoDB、Redis、Couchbase、Datastax Enterprise Graph、Elastic Search、Splunk、Solr、Cassandra、Amazon DynamoDB、Scylla、HBase、およびNeo4Jなどのデータストレージ/サーチための代替の)NoSQLを含んでよい。データ構造体は、開示のシステムの構成要素、または、リモートコンピューティング構成要素(例えばクラウドベースデータ構造体)でよい。データ構造体内のデータは、連続または非連続メモリに格納されてよい。その上、データ構造体は、本明細書で使用されるように、同じ場所に配置するべき情報を必要としない。データ構造体は、例えば同じまたは異なるエンティティによって所有または運用され得る複数のサーバにわたって分散されてよい。したがって本明細書において単数形で使用されるような用語「データ構造体」は、複数形のデータ構造体を含んでいる。
【0307】
開示の実施形態によれば、識別タグの現在の場所を記録することは、識別タグの現在の場所および/または識別タグの指定の位置を少なくとも1つまたは複数のデータ値が表すように、データ構造体に収められたデータ値に挿入すること、データ値を更新すること、またはそうでなければデータ値を修正することを含んでよい。データ値は、識別信号が受信された時間、または場所が判定および/もしくは記録された時間に関連付けられたタイムスタンプ、場所の名称および/または座標、(識別信号を受信した、および受信された電力レベルを関連付けた)1つまたは複数のリーダの識別情報、あるいは識別タグの現在の場所を表す他の任意の適切な識別子またはデータ値を含んでも、および/または表してもよい。開示の実施形態によれば、データ構造体に収められたデータは、周期的に(例えば1時間に2回、1時間ごと、日々等)、リアルタイムに(すなわちデータを継続的に更新すること)、または、システムへのデータおよび/もしくは情報の何らかの種類のトリガもしくは入力時に更新されてよい。
【0308】
例として図20に示すように、プロセッサ20004は、データ構造体20006に識別タグ1110の現在の場所を記録するように構成されてよい。データ構造体20006は、本開示に一致するように、識別タグの現在の場所の記録を収めてよく、データ構造体にデータを挿入すること、データ構造体を更新すること、またはそうでなければデータ構造体を修正することを行うように構成されてよい。例えば図21では、このアクションは、処理21000のステップ21006において発生し得る。いくつかの実施形態では、処理21000のステップ21006は、少なくとも1つのデータ構造体に識別タグの判定された現在の場所を記録することを含んでよい。
【0309】
開示の実施形態はまた、識別タグのそれぞれに関する施設内の指定の場所に少なくとも1つのデータ構造体内でアクセスすることを含んでよい。前に論じられたように、データ構造体は、施設内の物品、物品に関連付けられた識別タグ、物品および/または識別タグの現在の場所、ならびに物品および/または識別タグに関する指定の場所を含む記録を維持してよい。指定の場所は、施設内の関連付けられた物品の保管および/または陳列および/または使用のために識別タグに関連付けられた施設内の割り当てられた場所でよい。施設内の指定の場所は、例えば保管ユニット、棚、キャビネット、ラック、部屋、ワークベンチ、筐体、または、陳列および/もしくは保管および/もしくは使用のために1つもしくは複数の物品に関連付けられ得る他の任意の保管構造体もしくはエリアなど、1つまたは複数のこのようなエリアを含んでよい。
【0310】
例として図11では、識別タグ11210を有する物品は、ラック11250または棚11240などの指定の場所に関連付けられてよい。タグ11210とその指定の場所との間の関連付けは、図20では、データ構造体20006に記録されてよく、これによりシステム20000内の他のデバイスがこの情報にアクセスし得る。この情報にアクセスすることは、図21に示すように、処理21000のステップ21012において発生し得る。いくつかの実施形態では、処理21000のステップ21012は、少なくとも1つのデータ構造体内の識別タグの現在の場所にアクセスすることを含んでよい。
【0311】
開示の実施形態はまた、識別タグの指定の場所と識別タグの現在の場所を比較することによって、特定の識別タグの指定の場所とは異なる現在の場所を伴う特定の識別タグを判定することを含んでよい。前に論じられたように、開示のシステムは、識別タグの指定の場所および現在の場所の記録を維持し監視してよい。識別タグの現在の場所を指定の場所と比較することは、システム内で実施される規則に一致するように、タグがそれ自体を識別した直後、またはその後のある時間に発生し得る。識別タグがその指定の場所でないどこかに配置されているとき、開示の実施形態は、現在のタグの場所を指定のタグの場所と比較することによってミスマッチを判定してよい。
【0312】
例として図11では、顧客は、フィッティングルーム11230に製品(例えば識別タグ11210を有する物品)を置き忘れることがある。リーダ11300fによってピックアップされた識別信号に基づいて、システムは、物品の現在の場所がフィッティングルーム11230であると判定することができるが、それでも、物品の指定の場所がラック11250であることがある。図20では、現在の場所(すなわちフィッティングルーム11230)および指定の場所(すなわちラック11250)は、データ構造体20006に記録され、アクセス可能でよい。プロセッサ20004は、例えばネットワーク20002を通じてこの情報にアクセスし、現在の場所が指定の場所とは異なるとの比較を通じて判定し得る。例えば図21では、これは処理21000のステップ21014において発生し得る。いくつかの実施形態では、処理21000のステップ21014は、識別タグの現在の場所を識別タグの指定の場所と比較することによって、特定の識別タグの指定の場所とは異なる現在の場所を有する特定の識別タグを判定することを含んでよい。
【0313】
いくつかの開示の実施形態では、少なくとも1つのリーダは、識別タグが少なくとも1つの所定の場所にあるとき、識別タグからゲート信号を受信するように構成されてよい。ゲート信号は、識別タグが所定の場所に配置されているときに識別タグが送信するように構成され得る一定のモードn(例えばゲートモード)中の信号または送信の特定のタイプを指してよい。所定の場所は、チェックアウトカウンタ、セキュリティゲートエリア、施設の出入口、または、タグがゲート信号を送信することが望ましくなり得る他の任意のエリアなどの販売場所に関連付けられてよい。例えば識別タグを収める物品を持っている顧客は、インフラストラクチャがゲートトリガを送信してゲート信号の送信でタグに応答させるエリアに物品を持って行ってよい。
【0314】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、特定の物品に関連付けられた識別タグからゲート信号を指定のリーダが受信したとき、特定の物品が販売されつつあると判定するように構成される。例えばゲート信号は、物品の販売に関連付けられた所定の場所に、タグを収める物品を顧客が持ってきたとき、識別タグによって送信されてよい。リーダがゲート信号を受信すると、システム内の少なくとも1つのプロセッサは、販売が発生したと判定するように構成されてよい。例として図14では、顧客は、ゲート1112と1114の間のなど、施設の出口にあるゲートエリアに識別タグ1100を収める製品を持ってきてよい。ゲート1112と1114の1つまたは複数によって送信された信号14100は、例えばタグ1100にゲート信号12200を送信させてよく、ゲート信号12200はリーダ11300hによって受信されてよい。ゲート信号の受信に基づいて、図20のプロセッサ20004などの少なくとも1つのプロセッサは、識別タグ1100に関連付けられた特定の物品の販売が発生しつつあると判定してよい。この事例では、顧客はレジ係を訪れる必要がなくてよく、単純に施設を離れることによって自動的にチェックアウトしてよい。他の実施形態では、顧客は、チェックアウト時に(例えばレジエリアにある、ユーザが起動したエキサイタまたはインフラストラクチャなどを用いてチェックアウトラインにおいて)、およびもう一度出口のゲートにおいてタグを読み取らせてもよく、これにより、レジ係において記録されなかったという物品についての通知を提供してもよい(または、レジ係において記録されなかった物品に対する顧客への自動的な追加の課金を行ってもよい)。
【0315】
いくつかの開示の実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、特定の識別タグが販売済みの特定の物品に関連付けられていると判定し、特定の物品を施設の在庫目録から削除するように少なくとも1つのデータ構造体を更新するようにさらに構成されてよい。論じられたように、少なくとも1つのプロセッサは、データ信号が識別タグによって送信され、リーダによって受信されたことにより、販売の発生を判定する能力があり得る。販売の存在を判定することに応答して、プロセッサは、施設に関連付けられた在庫目録から特定のタグを削除してよい。在庫目録は、例えば少なくとも1つのプロセッサがアクセス可能な少なくとも1つのデータ構造体内に、施設に保持された現在の物品および関連付けられた識別タグのリスト、または他の任意の在庫記録を含んでよい。在庫目録はまた、通常、店、倉庫、または配送センタに配置された販売のために利用可能な物品のコンテキストで、物品のコレクションを含んでよい。例えば小売店では、在庫目録は、現在棚にある、および奥の部屋にある全ての物品を含んでよく、顧客の手にあるがまだ購入されていない物品も含んでよい。いくつかの実施形態では、それでも在庫目録は、顧客によって戻されたか店員によって識別されたダメージのある物品、または既に購入されたが配達もしくは集荷を待っている物品を含まなくてよい。在庫目録は、(通常、SKUおよび場合によってはシリアル番号のリストのような)物品のリスト以外に、物品のサイズおよび色、関連付けられた売り場、カテゴリおよびスタイル、製造履歴、物品画像、洗濯指示など、各物品の他の属性を含んでよい。
【0316】
在庫目録から識別タグの記録を削除することは、識別タグの記録を削除すること、識別タグの記録に販売されたとフラグを付けること、施設に関連付けられた在庫目録から販売済みの物品の記録に識別タグの記録を移動させること、または、特定の識別タグに関連付けられた製品が販売されたことを指示する在庫目録の他の任意の修正を含んでよい。例として図20では、特定の識別タグ1110に関連付けられた製品が販売されたとプロセッサ20004が判定すると、プロセッサ20004は、販売済みの製品が在庫目録から削除されるようにデータ構造体20006内の在庫記録を修正または更新してもよい。
【0317】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、施設内の識別タグのそれぞれに関する一意のタグ識別子および少なくとも1つの物品属性、識別タグに関連付けられた物品のサイズ、色、またはスタイルのうちの少なくとも1つに対応する各識別タグに関する少なくとも1つの物品属性を格納するためにデータ構造体を修正するようにさらに構成されてよい。一意のタグ識別子は、単一のエンティティが他の任意のエンティティと同じ一意の識別子に関連付けられず、任意の単一のエンティティが単一のエンティティに関連付けられた単一の一意の識別子を有することしかできないような、識別されたエンティティに単独で関連付けられた数字、文字列、またはデータの他の形式でよい。一意の識別子のいくつかの非限定的例は、シリアル番号、一意のEPCコード、データベースエントリ(各データベースエントリが単一のエンティティを表し、全ての関係エンティティがデータベース内の正確に1つのエントリによって表される限り)、または、単数形のエンティティに関連付けられた他の任意の一意の識別子である。
【0318】
少なくとも1つのプロセッサは、例えば一意の識別子に関連付けられた物品がサプライヤから施設によって受け取られたとき、一意の識別子に関連付けられた物品が顧客によって施設に戻されたとき、または、在庫を変化させる他の任意の状況で、一意のタグ識別子を格納してよい。一意のタグ識別子を格納する他に、プロセッサは、サイズ、色、スタイル、機能、価格、または、物品の他の任意の特徴など、物品の属性に関する情報を格納するように構成されてよい。この情報は製造時に記録され格納されてよく、または、手動で、もしくは、自動スキャナ、スマートシェルフ、マシンビジョン、センサフュージョンなどの自動処理を通じて後で入力されてもよい。物品が製造業者からサプライヤ、小売業者、および顧客への流通網を通過すると、格納された情報の一部または全てが下流に電子的に渡されてよい。したがって販売のためのタグ付き製品のパレット、カートン、またはラックを小売店が受け取ると、製品のそれぞれに関連付けられたタグデータは取引の一部として小売業者に送信されてよい。受信されると、データは小売業者の在庫システムに素早くアップロードされてよく、その結果、小売業者は、受信された各製品の詳細な特徴付ける記録を有する。小売業者のシステムはその後、全ての購入済み製品が実際に受信され在庫に移動されたことを保証するために、受信された製品に関連付けられた全てのタグを独立してスキャンすることができる。
【0319】
データが流通網に渡されるとき、データは変化し得る。例えば製造は製品の製造に伴う個人の名前を流通業者に送信しなくてよいが、このデータは、製品の品質についての下流の不満がこれまでにある場合、検索のために製造業者によって保持されてもよい。同様に流通業者は製品に支払った価格を下流に渡さないことを選んでよいが、流通業者はそのシステム内にこのデータを保持する可能性がある。また、データが顧客に対してアクセス可能にされる限り、顧客は、購入価格の記録、購入日時、ならびに製品を特徴付ける情報にアクセス可能になり得るだけである。当然、顧客は上流データにアクセスできなくてよいが、製品についての質問がこれまでに生じた場合、上流のサプライチェーンエンティティに利用可能になるタグのスキャンは、これらのエンティティが下流の保管人によってアクセス不能なデータを素早く評価するのを可能にすることができ、またはこのようなエンティティは、そのように選ぶ場合、このデータの一部または全てを前記下流の保管人にアクセス可能にすることを決めてよい。
【0320】
例として、図11に示されている施設は、それぞれが一意のタグ識別子を有する識別タグに関連付けられた、様々なサイズの赤いボタンダウンのシャツの出荷を受け取ってよい。図20では、システム20000は、シャツに関連付けられた識別タグ1110から識別信号12200を受信してよく、各識別信号は、対応するシャツに関連付けられた一意の識別子を収める。信号に基づいて、プロセッサ20004は、各シャツに関連付けられた一意のタグ識別子および属性(例えば、赤色、ボタンダウン、Mサイズ、スリムフィット等)を格納するためにデータ構造体20006内のデータを修正してよい。代替として、プロセッサ20004は、商品の前の保管人から送信された在庫リストに別々にアクセスでき、在庫リスト上の全ての商品が在庫に受領されたことを確認してよい。
【0321】
開示の実施形態は、特定の識別タグの現在の場所が特定の識別タグの指定の場所に一致しないとき、通知信号を生成することを含んでよい。通知信号は、製品が間違った場所にあることを指示する信号でよい。通知信号は、例えばシステム構成要素によって生成され、同じまたは異なるシステムの別のシステム構成要素に警告するために使用されてよい。通知はまた、人、または通知を受信可能な他の任意のエンティティもしくは構成要素、あるいは上記の任意の組合せに警告するように構成されてもよい。通知信号は、可聴警告(例えばビープ)、視覚警告(例えばフラッシュ光)、または他の任意の感覚信号(例えば振動)、あるいは、デジタル信号(モバイルデバイス上のアプリケーションへの通知信号、電気回路基板内のCPUへの割込み信号、もしくはシステム警告ログ内のエントリなど)、または、1つもしくは複数の間違った場所にある物品の発生をエンティティに警告するのに適した他の任意の信号を含んでよい。
【0322】
1つの実施形態では、通知信号は、間違った場所にある特定の製品を識別するテキストの間違った場所にある物品の通告の生成を行うように構成されてよく、特定の製品の現在の不正確な場所の指示および特定の製品の指定の正しい場所の指示を含む。通告は、報告を生成可能にし得る端末に現れるように行われてよい。代替として、通知信号は、従業員(間違った場所にある物品のエリア内の従業員など)のハンドヘルドデバイス上で生成されてよく、正しい指定の場所に製品を配置して戻すための命令を伴う。
【0323】
開示の実施形態と一致するように、通知信号は、識別タグの現在の場所が指定の場所に一致しないと判定されると、生成されてよい。現在の場所と指定の場所は、これらの場所がある程度同一または同様でないとき、「一致」しなくてよい。例として図11では、識別タグの現在の場所はフィッティングルーム11230でよく、一方で指定の場所はラック11250でよい。図20に示すように、現在と指定の場所が「一致」しないので、通知信号(例えば信号20204)が生成されてよい。例えば図21では、通知信号の生成は、処理21000のステップ21016において発生し得る。いくつかの実施形態では、処理21000のステップ21016は、特定の識別タグの現在の場所が特定の識別タグの指定の場所に一致しないとき、通知信号を生成することを含んでよい。
【0324】
いくつかの実施形態によれば、通知信号を生成することは、特定の識別タグに関連付けられた現在の場所の可聴指標または可視指標のうちの少なくとも1つをユーザデバイスに出力させるための信号を送信することを含んでよい。例えば通知を生成することは、ping、呼出音、または他の任意の可聴警告などの音をユーザデバイスに出させてよい。上述のような可視指標は、間違った場所にある製品の識別情報の少なくとも指示、および製品の現在の場所の指標を含んでよい。
【0325】
通知信号を生成することは、ユーザデバイスに、特定の識別タグに関連付けられた現在の場所をグラフィカルユーザインターフェース上に表示させるための信号を送信することを含んでよく、現在の場所を表示することは、現在の場所の指示をマップ上に表示すること、現在の場所への方向を表示すること、または、現在の場所に関連付けられた名称を表示することのうちの少なくとも1つを含む。追加として、表示は、物品の場所を指示するか、ユーザを物品の場所に案内する情報の任意の形式を含んでよい。例として図20では、システム20000は、1つまたは複数のユーザデバイス20008に送信するべき通知信号(例えば信号20204)を生成するために使用されてよい。信号は、可聴ノイズを作り出してユーザの注意を引くこと、またはユーザを間違った場所にある物品に可聴的に案内することをデバイスに行わせてよい。ユーザデバイス20008はまた、例えば強調された特定の物品の場所、(例えば図11に示すような)施設の視覚表現、または、ユーザの場所から特定の物品への方向を施設のマップに表示し得るグラフィカルユーザインターフェース20100を有してよい。
【0326】
いくつかの開示の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、特定の識別タグの指定の場所を特定の識別タグに関連付けられた現在の場所に変更するようにデータ構造体を修正するようにさらに構成される。例えば物品は、物品に関連付けられた指定の場所とは異なる現在の場所にあることがある。このような事例では、物品があるべき場所について在庫記録を維持するのではなく、在庫記録は、物品が実際に配置されている場所を指示するために更新されてよい。物品がその正規の指定の場所に戻されると、在庫目録は、正しい現在の場所を記録するためにさらにもう一度更新されてよい。例として図11では、識別タグの現在の場所はラック11250でよく、一方でその指定の場所は棚11240である。好ましい場所を実際の場所として在庫システム内に不正確に維持するのではなく、図20に示されているように、リーダ11300a~11300gが不正確な場所を検出し、プロセッサ20004が新しい場所を認識したとき、プロセッサ20004は、不正確な場所を現在の場所として記述するためにデータ構造体20006を更新してよい。
【0327】
開示の実施形態はまた、施設内の特定の物品の場所に関するクエリを受信することを含んでよい。クエリは、施設内の特定の物品の場所に関するデータまたは情報についての任意のリクエストを含んでよい。例えば特定のサイズが配置されているはずの棚にないガーメントの特定のサイズを探したい顧客は、物品番号および所望のサイズを入力してよい。これに応答して図20のプロセッサ20004は、このようなガーメントが施設に配置されているかどうかを判定するためにデータ構造体20006をチェックしてよく、ガーメントへの方向をユーザに提供してよい。このような事例でのユーザは顧客でよく、または施設の従業員でもよい。デバイスは、セルフォン、ウェアラブル技術(例えば電子眼鏡、ウェアラブルカメラ、もしくは他の携帯型イメージセンサ)、タブレット、セルフサービス式のキオスク、施設によって提供される専用スキャナ、または、施設内の1つもしくは複数の物品の場所に関する情報をリクエスト可能な他の任意のデバイスでよい。例として図20では、システム20000は、クエリ(例えば信号20202)を送信するように構成されたデバイス20008を含んでよく、クエリは、システム20000内の1つまたは複数のデバイス(例えばプロセッサ20004、リーダ11300a~11300g、データ構造体20006等)によって受信されてよい。例えば図21では、クエリを受信することは、処理21000のステップ21022において発生し得る。いくつかの実施形態では、処理21000のステップ21022は、施設内の特定の物品の場所についてのクエリを受信することを含んでよい。
【0328】
開示の実施形態はまた、特定の物品および特定の識別タグと、特定の識別タグの現在の場所との間の関連付けに基づいて、特定の物品の場所を識別することを含んでよい。前に論じられたように、開示のシステムは、タグの記録、およびタグに関連付けられた製品を維持してよい。同様に開示のシステムはまた、タグ(およびしたがってタグに関連付けられた製品)が現在配置されている場所の記録を維持する。このデータを使用して特定の物品の場所が判定されてよい。特定の物品についてのクエリは、この物品に関連付けられた1つまたは複数のタグの検索を行い得る(例えば、各物品は一意のタグおよび一意の識別子にまだ関連付けられているはずだが、例えば店が同じ物品の複製を有している場合、物品の記述に一致する複数のタグがあり得る)。次に、これらの物品の1つまたは複数の現在の場所が識別されてよい。例えば従業員は、関心のある物品の場所に関するクエリを送信してよく、または顧客は、顧客が検査もしくは購入することを望み得る物品の場所に関するクエリを送信してよい。開示のシステムは、このようなクエリに応答して、物品の現在の場所または物品に関連付けられた識別タグを収める記録を調べることによって物品の場所を判定してよい。例として図20では、プロセッサ20004は、特定の物品の場所に関するクエリを受信し、クエリを受信すると、特定の物品の現在の場所を収めるデータ構造体20006内のアクセス可能な記録を調べるように構成されてよい。データ構造体20006に格納された特定の物品に関連付けられた識別タグの現在の場所はラック11250でよく、したがってプロセッサ20004は、特定の物品の場所をラック11250と識別してよい。例えば図21では、特定の物品の場所を識別することは、処理21000のステップ21024において発生してよい。いくつかの実施形態では、処理21000のステップ21024は、特定の物品および特定の識別タグと特定の識別タグの場所との間の関連付けに基づいて特定の物品の場所を識別することを含んでよい。
【0329】
開示の実施形態は、グラフィカルユーザインターフェース上で特定の物品の場所をユーザに表示することを含んでよい。グラフィカルユーザインターフェースは、物品の場所のマップまたは他の視覚識別子を含んでよい。このような他の視覚識別子は、場所を記述するテキスト、場所への行き方を指す矢印、ラックもしくは棚番号、または、個人が場所を見つけるのを支援し得る他の任意のデータを含んでよい。表示は、ウィンドウ、アイコン、メニュー、ジェスチャ、アニメーション、または、1つもしくは複数のデバイスとのユーザ対話を可能にするユーザインターフェースの他の任意の形式などの機能を通じた対話式でよい。この文脈での「ユーザ」は、施設の顧客または施設の従業員を指してよい。それでも「ユーザ」はまた、本開示に一致するような、グラフィカルユーザインターフェースを利用し得る任意の人および/またはエンティティを指してよい。場所を表示することについてのいくつかの非限定的な例は、特定の識別タグの現在の場所の指示をマップ上に表示すること、特定の識別タグの現在の場所への方向を表示すること、特定の識別タグの現在の場所に関連付けられた名前を表示すること、または、物品の場所を指示するか物品の場所にユーザを案内する情報の任意の形式を表示することのうちの少なくとも1つを含んでよい。例えば図21では、特定の物品の場所をユーザに表示することは、処理21000のステップ21026において発生してよい。いくつかの実施形態では、処理21000のステップ21026は、グラフィカルユーザインターフェース上で特定の物品の場所をユーザに表示することを含んでよく、場所を表示することは、特定の識別タグの現在の場所の指示をマップ上に表示すること、特定の識別タグの現在の場所への方向を表示すること、または特定の識別タグの現在の場所に関連付けられた名前を表示することのうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0330】
例として図20では、デバイス20008は、グラフィカルユーザインターフェース20100を有してよい。デバイス20008のユーザはデバイスを通じて、特定の物品の場所に関するクエリをシステム20000に送信してよい。これに応答して、システム20000は、図11に示すようにラック11250に特定の物品が配置されていると判定し、グラフィカルユーザインターフェース20100上に特定の物品の場所を表示してよい。例えばグラフィカルユーザインターフェース20100は、強調された特定の物品の場所、(例えば図11に示すような)施設の視覚表現、または、ユーザの場所から特定の物品への方向を施設のマップに表示してよい。
【0331】
開示の実施形態は、施設内の複数の物品の在庫についてのクエリを受信することを含み、複数の物品および識別タグとデータ構造体に格納された識別タグの現在の場所との間の関連付けに基づいて施設内の複数の物品を識別し、施設内で識別された物品の在庫指示をグラフィカルユーザインターフェース上に表示してよい。したがって例えば、物品の場所を報告するための開示の方法およびシステムは、本開示に一致するように、施設内の複数の物品の場所、施設内の物品の在庫の一部、または施設内の物品の全在庫を報告するために用いられてよい。在庫指示は、受信されたクエリへの1つまたは複数の応答、施設内の複数の物品のうちの各物品の場所、数、および/もしくは可用性、または、クエリ内の複数の物品の在庫に関する他の任意の情報を含んでよい。例として図20では、システム20000は、クエリ(例えば施設内の複数の物品の在庫に関する信号20202であり、複数の物品のうちの各物品は1つまたは複数の識別タグ1110に関連付けられる)を受信してよい。クエリに応答して、プロセッサ20004は、対応する識別タグ1110に各物品を関連付けることによって、各物品の場所、量、および/または可用性を識別し、グラフィカルユーザインターフェース20100上にこの情報を表示してよい。
【0332】
開示の実施形態は、電子タグ付き商品の下流の所有者にプライバシを提供するためのシステムを含んでよい。プライバシは、1つの個人的事柄および情報を秘密に保つことと、他のどの人または当事者が前記個人的事柄および情報へのアクセスを受け得るか、ならびに、このようなどの人または当事者がこのようなアクセスを受けるのを防止されるかを決めることとに関する概念を指してよい。例えば最も発達した国では、人のプライバシは、数ある手段の中でも、人の家に入る前、または(eメール、テキストメッセージ、メッセージングサービスなどの)1つの電子通信文にアクセスする前に合法的な捜査令状を取得するという法的措置の要件によって保護される。対抗例として、個人的な物品が人によって所有され、公共圏内にこの人と共に存在し、物品が別個かつ一意に識別可能な無線信号を送信可能であると仮定すると、無線信号を受信および解読可能な他の当事者が公共圏内の人の明示的な承諾なくこの人の追跡をこの送信が可能にするので、プライバシの侵害が発生し得る。
【0333】
タグ付き商品の文脈では、プライバシは、例えば集中型データ構造体が商品の所有者、商品の価格設定、その時々における商品の場所、誰がタグ付き商品を使用した可能性があるのか、および他のプライベート情報についての情報を維持し得るので問題になり得る。1つの例として、運動用自転車の製造は、一意のIDを有するタグをバイクに埋め込むことがある。IDは、いつバイクが作られたか、誰がバイクを作ったか、材料のコスト、およびいつバイクが販売されたかついての情報と共に、インターネットを介してアクセス可能な集中型データ構造体に格納され得る。製造業者はその後流通業者にバイクを販売してよく、この時、集中型の記録は、新しい所有者、購入価格、および流通業者についての他のプライベート情報のような、流通業者の識別情報で更新され得る。記録は、バイクが小売店に販売されたときさらに、バイクが顧客に販売されたときさらにもう一度、および、バイクがeBay上で顧客によってその後の購入者に販売されたときもう一度、更新され得る。所有権の連鎖の全てに沿って、プライベート情報は、運動用自転車内のタグに関連付けられた記録に追加され得る。このようなプライベート情報は、価格設定、所有者識別情報、いつどのように製品が使用されたかについての情報、および/または、所有者が記録したことがある、もしくは所有者に気づかれずに記録されたことがある他の何かを含み得る。上流の所有者データのプライバシを維持するために、様々なシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体のイノベーションが本明細書で説明される。いくつかの開示の実施形態は所有者を含み得る。所有者は、本明細書でこの用語が使用されるとき、いくつかの「もの」を保有、制御、または追跡する権利または許可を有する任意の個人またはエンティティを含んでよい。運動用自転車の例では、所有者は上述のエンティティのいずれかでよく、または、任意のエンティティの従業員、任意のエンティティの友人、またはそのときの所有者によって許可された任意のエンティティを含んでよい。タグ付き物品の場合、保有、制御、または追跡される「もの」は、物品、(生物もしくは無生物の)オブジェクト、品物、機器、所持品、ギア、車両、農産物、消耗品、衣服、人、動物、用具、デバイス、備品、ツール、アクセサリ、機械、または、無限の数のもののうちの他のいずれかなどの有形の何かを含んでよい。本明細書で使用されるように、このようないずれかのものは、「もの(thing)」、「何か(something)」、「製品」、「商品」、「物品」、または「オブジェクト」として区別なく呼ばれてよい。場合によっては、ものは、共通アクセス可能レジスタに車両の移転が記録されたときなどに、所有権の移転が典型的に記録されるタイプのものでよく、所有権の履歴および移転の追跡を可能にする。他の例では、ものは、食品もしくは衣料品、または小売店を通じて入手可能な他の任意の商品など、ものの所有権が典型的に追跡されないタイプのものでよい。
【0334】
いくつかの開示の実施形態は、下流の所有者を含んでよい。用語「下流」は、別の所有者から何かを受け取るその後の所有者を指してよい。下流の所有者は、何かの所有権を獲得する個人またはエンティティを含んでよく、または将来何かの所有権を獲得する可能性がある。したがって、開示の実施形態は、第1の所有者、第2の所有者、および、第1の所有者と第2の所有者との間の取引にプライバシを提供することに関して論じられてよいが、開示の実施形態は、第3の所有者、または電子タグ付き商品のその後の任意の所有者にプライバシを提供するために同様に用いられてよいことが理解されよう。この意味では、第1の所有者も、所有権が第1の所有者から第2の所有者に譲られ、その後第1の所有者に返される状況での第3の所有者とみなされてよい。したがって電子タグ付き商品のその後の任意の所有者は、この所有者が以前に上流であったとしても、下流の所有者とみなされてよい。
【0335】
例として、図23は、電子タグ付き商品の下流の所有者にプライバシを提供するためのシステム23000を示す。開示の実施形態は、第1の所有者としての所有者23100、および、電子タグ付き商品23300の第2の所有者としての所有者23200に関して論じられてよいが、所有者23100および23300の1つまたはそれぞれは、本開示に一致するように、第1の所有者、第2の所有者、第3の所有者、または、電子タグ付き商品23300の所有権を獲得し得るその後の任意の所有者でよい。
【0336】
電子タグ付き商品は、上記で詳細に論じられたように、ワイヤレス識別タグに関連付けられた商品を含んでよい。例として、図11は、開示の実施形態と一致するように、例示的なワイヤレス識別システムを組み込んでいる小売店の透視図である。このような施設では、電子タグ付き商品11210の所有権の移転は、所有権が小売店から顧客に移転するように発生し得る。開示の実施形態は、例えば購入後に電子タグ付き商品11210によって送信された情報へのアクセスを防止することによって顧客のプライバシを保証するために用いられてよい。
【0337】
開示の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。例として図23に示すように、システム23000はプロセッサ23004を含んでよく、プロセッサ23004は、本開示に一致するように、処理および方法の1つまたは複数を実施および/または実行するように構成されてよい。追加または代替として、システム23000はネットワーク23002も含んでよく、ネットワーク23002は、システム内のデバイス(例えばプロセッサ23004、データ構造体23006、デバイス23104および23204等)のデータおよび/または情報の交換を可能にし得る。
【0338】
開示の実施形態は、特定のタグの少なくとも第1の所有者IDおよび第2の所有者IDを含む複数のタグのIDを格納することを含んでよい。所有者IDは、所有者の識別を可能にし得る名前、番号、文字列、コード、または、情報もしくはデータの他の任意の形式を含んでよい。このような識別は、電子タグ付き商品に関する格納された所有権情報へのアクセスを通じて拡大されてよい。IDの格納は、データベース、またはデータ構造体の他の任意の形式などのレジスタにIDを記録することを含んでよい。
【0339】
いくつかの本開示の実施形態に一致するようなデータ構造体は、読書き可能な媒体にコンピュータアクセス可能な形式で保存された情報の並べられた格納場所を含んでよい。いくつかの非限定的な例は、データベース、スプレッドシート、ディレクトリ、テーブル、および他のデータタイプを含む。データ構造体は、様々な尺度に従って、および集約の種々のレベルで、データの一部を対象にした取得を可能にするように設計されてよい。このような取得またはクエリは、情報の単一の格納部分のサーチ、情報の既知の部分とデータ構造体内で関連付けられた特定の情報のサーチ、いくつかの特性を共有する情報の複数部分のサーチ等を含んでよい。情報のクエリおよび取得を可能にするように設計されたデータ構造体は標準インターフェースを定義してよく、クエリを受信して応答を返すための媒体、トンネル、またはプロトコルと、クエリの構造および内容ならびに応答の構造および内容のための言語、フォーマット、アプリケーション、または他の定義との両方を含む。このようなインターフェース(例えばAPI)は、インターフェースへのアクセス権、ならびにクエリおよび応答のフォーマットの知識を有する人、エンティティ、またはデバイスがデータ構造体から情報を取得することを可能にする。リクエスタと呼ばれるこのような人、エンティティ、またはデバイスは、データ構造体に格納された情報にリクエスタがアクセスするための権限を付与されているかどうかを判定するために、資格証明書、ログイン、証明書、または識別のいくつかの形式を提供することが必要とされ得る。このような権限付与データはデータ構造体全体に一般的なものでよく、または格納情報のそれぞれおよびあらゆる部分に固有でもよい。
【0340】
例として、システム23000は、所有者23100に関連付けられた所有者ID23102、または所有者23200に関連付けられた所有者ID23202など、識別タグ1100のIDを格納するように構成されたプロセッサ23004を含んでよい。識別タグ1100は、所有者23100または所有者23200によって所有され得る電子タグ付き商品23300に物理的に関連付けられてよい。電子タグ付き商品23300の所有権および/または所有権履歴に応じて、プロセッサ23004は、データ構造体23006などのアクセス可能なレジスタに所有者ID23102および/または所有者ID23202を格納するように構成されてよい。
【0341】
開示の実施形態は、特定のタグの第1の所有者がタグを所有するものとして記録されるときに第1の所有者IDに特定のタグの第1の情報を関連付けることを含んでよい。特定のタグの情報は、在庫番号、シリアル番号、識別情報コード、ID、または、特定のタグもしくは特定のタグに関連付けられたオブジェクトを識別する他の任意のデータ形式を識別することを含んでよい。さらにまたは代替として、情報は、1つもしくは複数のオブジェクト特性を識別するデータ、または、オブジェクト、その動作、その用途、もしくはその所有権に何らかの方式で関連した情報を含んでよい。いくつかの実施形態では、第1の情報は、場所、取引履歴、所有者名、製造業者名、タグの一意の識別子、または、タグに関連付けられた暗号鍵のうちの少なくとも1つを同様に含んでよい。
【0342】
特定のタグの情報を所有者IDに関連付けることは、特定のタグの情報を所有者IDとペアリングすることを含んでよい。ペアリングは、1つまたは複数のオブジェクト、物品、番号、または情報の1つのセットと、1つまたは複数のオブジェクト、物品、番号、または情報の第2のセットとの間に1対1の関係を割り当てるための任意の処理を含んでよい。ペアリングは、識別のために使用されることが多い。例えばIDチップがペットの表皮に埋め込まれるとき、チップは、動物とペアリングされ(チップの一意のIDが特定のペットの記録に割り当てられることを意味する)、ペアリングは、チップの一意のIDを読み取るこれらの記録にアクセスできる誰もが、チップが埋め込まれた動物についての全ての関連する入手可能情報をすぐに受け取ることができるいくつかのアクセス可能データベース(地方政府の動物レジストリ、または動物病院の患者ファイルなど)に格納される。同様に、小売業者が販売用の製品と電子タグ(例えば本明細書で説明されるタグ)をペアリングするとき、クレジットカード会社がデビットカード番号を顧客に提供し、人の銀行口座(およびクレジット履歴)とデビットカード番号をペアリングするとき、または、モバイル支払いプロセッサがQRコードを各顧客に割り当て、このQRコードを顧客の電子財布とペアリングして、電子財布がこのようなコードを使用して支払いを送受信するのを可能にするとき、同じ処理が発生し、同様の能力が得られてよい。所有者IDを有する所有者と特定のタグの情報を関連付けることは、タグに関連付けられた商品の実際の所有物を所有者が取得した時、所有者が商品を購入した時、または、物品の所有権の所有者の獲得もしくは予想される獲得に関連付けられた他の任意の時に発生してよい。
【0343】
例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、各タグの一意のタグIDを格納し、特定のタグのタグIDを特定のタグの記録された所有者の所有者IDと関連付けるように構成されてよい。一意のIDは、他の任意のエンティティと同じ一意の識別子にエンティティが1つも関連付けられることがなく、どの単一のエンティティも単一の一意の識別子しか関連付けられないように、識別されたエンティティに個々に関連付けられた数字、文字列、コード、またはデータの他の形式を含んでよい。一意の識別子のいくつかの非限定的な例は、シリアル番号、一意のEPCコード、データベースエントリ(各データベースエントリが単一のエンティティを表し、全ての関連エンティティがデータベース内の正確に1つのエントリによって表される限り)等である。このように、タグの一意のタグIDを格納し、一意のタグIDを所有者IDと関連付けることによって、特定のタグの情報が所有者IDに関連付けられる。
【0344】
いくつかの開示の実施形態は、暗号化を含んでよい。本開示で実施される暗号化技法の特定の実施形態は、本出願のほかの場所に記述されている。
【0345】
例として図23に関して、所有者23100は、サプライヤまたは他の任意の以前の所有者から電子タグ付き商品23300を購入することによって電子タグ付き商品23300の所有権を獲得する小売店でよい。所有者23100が電子タグ付き商品23300の所有権を獲得した時、(例えば購入または配達した時)、プロセッサ23004は、電子タグ付き商品23300の所有権に関する情報をデータ構造体23006に格納することによって、IDタグ1100の情報を所有者ID23102と関連付けるように構成されてよい。プロセッサは、商品と所有者のペアリングを可能にする任意の方式で関連付けを行うように促されてよい。例えば商品のパレットが所有者23001の施設に到着すると、設備のインフラストラクチャ、またはハンドヘルドデバイスは、到着した製品のタグをトリガしてこれらのタグIDを受信機に提供してよい。受信すると、このような受信機に関連付けられたプロセッサ23004は処理を開始して、タグ付き物品の所有権記録を所有者ID23100で更新してよい。代替として、販売または移転時に製造業者(または他の現在の所有者)は、タグIDを所有者23100に送信してよい。プロセッサ23004によって受信されると、プロセッサ23004は所有権記録を更新して、所有者ID23102を商品に関連付けてよい。
【0346】
いくつかの開示の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、特定のタグのタグIDと、特定のタグの記録された所有者に関連付けられた少なくとも1つの権限付与されたエンティティとの間の関連付けを受信するように構成されてよい。権限付与されたエンティティは、特定のタグ付き商品またはタグに関連付けられた物品への関係を有するものと記述され得る任意の人またはデバイスでよい。関連付けは単純に記録を保つためのものでよく、または、タグに関連付けられた格納済の記録内の情報、もしくはタグに関連付けられたオブジェクトに、関連付けられたエンティティがアクセスできることを可能にし得る。関連付けを受信することは、小売店、顧客、所有者、または任意のエンティティに関連付けられたデバイスからデータまたは情報を受信することを含んでよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの権限付与されたエンティティは、電子タグ付き商品に関連付けられた情報にアクセスするか、これを修正するための、コンピューティングデバイス、コンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーション、記録された所有者によって許可を提供された人またはグループのうちの少なくとも1つを含んでよい。例として、所有者23100は、IDタグ1100を収める電子タグ付き商品23300の記録された所有者でよい。プロセッサ23004は、タグ付き商品23300に関連付けられた情報にアクセスおよび/または修正するために所有者23100が権限付与した所有者デバイス23104とIDタグ1100の一意のタグIDとを関連付けるように構成されてよい。このようにして、デバイス23104を使用する人は、商品23300についての格納情報を取得可能または修正可能でよい。
【0347】
本開示に一致するように、少なくとも1つのプロセッサは、特定のタグに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストを修正するよう求める要求を受信し、修正要求が特定のタグの権限付与されたエンティティから受信されたことを確認し、要求が特定のタグの権限付与されたエンティティから受信されたことを確認した後にリストを修正するように構成されてよい。リストを修正するよう求める要求は、特定のタグに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストが修正されるべきであることを指示するメッセージまたは情報の、ネットワークまたは他の任意の適切な媒体を通じた送信を含んでよい。要求内の情報は、要求するデバイスの識別子、パスコード、もしくは、要求するエンティティの検証を可能にし得る他の任意の情報を含んでよく、または情報は、権限付与されたエンティティおよび/もしくは記録された所有者に関連付けられ得るプロトコル、暗号化のモード、もしくは送信の他の任意の手段を使用して送信されてよい。このような要求を受信すると、少なくとも1つのプロセッサは、要求内の受信された情報を、権限付与されたエンティティのリストに収められた情報と比較することによって、要求の送信のモードを分析することによって、または要求の発信源を検証する任意の適切な手段によって、権限付与されたエンティティから要求が受信されたことを確認してよい。リストは、データ構造体または他の任意の情報格納媒体に記録されてよく、権限付与されたエンティティから要求が受信されたことを確認すると、1つもしくは複数の権限付与されたエンティティをリストから削除すること、1つもしくは複数の権限付与されたエンティティをリストから追加すること、リストに収められた情報を変更すること、またはそうでなければ、リストに収められた任意の情報を更新することによって修正されてよい。
【0348】
例としてデバイス23104は、第1の所有者23100に関連付けられた権限付与されたエンティティでよく、データ構造体23006に収められた権限付与されたエンティティのリストを修正するために、ネットワーク23002を通じてプロセッサ23004に要求を送信してよい。要求は、第1の所有者23100に関連付けられた第2のデバイス(図示せず)を、権限付与されたエンティティのリストに追加または削除することでよい。要求はパスコードを含んでよく、または、第1の所有者23100に関連付けられた権限付与されたエンティティから要求が送信されたことをプロセッサ23004が確認できるように暗号化されてよい。確認すると、プロセッサ23004は、データ構造体23006に収められた権限付与されたエンティティのリストに、第1の所有者23100に関連付けられた第2のデバイスを追加または削除してよい。別の例では、デバイス23104は、本開示に一致するように、電子タグ付き商品を第2の所有者23202に販売すると、権限付与されたエンティティのリストからデバイス23104自体を削除し、第2の所有者23200に関連付けられたデバイス23204をリストに追加するよう求める要求をプロセッサ23004に送信してよい。削除の代替として、プロセッサ23004は、タグ付き商品の履歴についての情報への新しい所有者または任意のその後の下流の所有者によるアクセスをマスクするか限定しつつ、新しい所有者を指示するために記録を単純に修正してよい。同様に、所有権の変更は、新しい所有者への移転が行われた後、現在の所有者が商品に関連付けられた記録にアクセスできるのを防止してよい。
【0349】
開示の実施形態は、第1の所有者から第2の所有者に特定のタグの所有権を移転する取引を記録することを含んでよい。取引は、商品の購入もしくは販売、商品の輸送、または、1人の所有者から別の所有者への商品の所有権の移転を生じる2つ以上のエンティティ間の他の任意の相互作用を含んでよい。記録することは、データを保存すること、書き込むこと、表すこと、またはそうでなければ格納することを行う行為を指してよい。これは、読書き可能な媒体を使用して発生し得る。記録されたデータは、利用可能なデータ自体と、タイムスタンプ、信号強度、記録を実行するエンティティ、または後で有用になり得るデータの記録の状況に関する他の任意の情報などのデータに関連付けられた他の関連情報との両方を含んでよい。例えば、他の情報源から収集した他の情報だけでなく、データが記録された場所および正確な日時が有用になり得る。例えば、携帯電話を介してタグのIDを送信するためにタグがトリガされると、電話内の情報も記録または取引に関連付けられてよい。これは電話の識別情報、または電話の所有者の識別情報を含むことができる。電話によってキャプチャされたイメージも、記録または取引に関連付けられてよい。記録され得る取引に関連付けられた他のデータは、価格、購入時刻、販売者/輸送する者、購入者/輸送された者、購入/輸送された商品、または取引に関する他の任意の情報を含んでよい。
【0350】
例として、図23の第2の所有者23200は、第1の所有者23100(IDタグ1100を有する電子タグ付き商品23300の所有権を有する小売店)の顧客でよい。取引は、第1の所有者23100と第2の所有者23200との間に発生してよく、第2の所有者23200は、商品23300の所有権と引き替えに第1の所有者23100に支払うことに同意する。この取引が発生すると、プロセッサ23004はデータ構造体23006に取引を記録してよい。記録は、例えば第2の所有者のID、販売日時、および購入価格の1つまたは複数を含んでよい。
【0351】
いくつかの開示の実施形態では、特定のタグは特定の物品に取り付けられてよく、特定のタグの所有権を移転する取引を記録することが、特定の物品の所有権の変更の追跡を可能にする。取引を記録することは、取引が、特定の物品の所有権の状態を判定するためにアクセスされ得る記録の一部になるので、特定の物品の所有権の変更の追跡を可能にし得る。
【0352】
第1の所有者23100が第2の所有者23200にこれらの商品のうちの任意の1つを販売すると、プロセッサ23004は、商品の所有権の変更の追跡を可能にするように、データ構造体23006に取引を記録してよい。
【0353】
いくつかの開示の実施形態では、特定のタグの所有権の移転が記録されるとき、少なくとも1つのプロセッサは、特定のタグによって送信される信号の少なくとも1つのパラメータを変更するように特定のタグを制御するように構成されてよい。少なくとも1つのパラメータを変更するようにタグを制御することは、特定のタグによって受信されたとき、タグが送信する信号の少なくとも1つのパラメータをタグに変更させる電磁波を送信すること、またはそうでなければ電磁波の送信を行うことを含んでよい。パラメータの変更は、所有権変更の指示として機能し得る。例えば所有権の変更の一部として、プロセッサは、追加の情報をIDに追加するため、またはそのその後の通信の他のいくつかのパラメータを変更することにより新しい所有者がタグを保有することをその後の送信において指示するために、タグにタグのIDを変更させる信号をタグに送信してよい。代替として、タグ送信は、所有者の全体にわたって同じままでよく、バックエンド上のデータ構造体が所有権変更を記録する。
【0354】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのパラメータはまた、特定のタグによって送信される信号の繰返し周期、特定のタグによって送信される2つの連続する信号間の時間間隔、データ暗号化メカニズム、暗号鍵、信号送信電力、パケット形式、または特定のタグからの送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つを含んでよい。少なくとも1つのパラメータはまた、通信媒体、通信プロトコル、周波数、周波数範囲、周波数帯域、暗号化のタイプ、スクランブリングおよび/もしくは偽装、データコンテンツ、送信のタイミング、ならびに/または、特定のタグによって送信される信号に関連付けられ得る他の任意の区別可能な特性を含んでよい。例えば、所有権の変更後、タグIDは同じままでよいが、以前の所有者がもはやタグを読み取ることができないように、またはその後の所有者に関連付けられたプライベート情報を将来読み取ることを許可されないように、タグIDの暗号化は変更してよい。したがって販売場所でのタグ付き物品の購入は、その送信特性の全てというわけではないが一部をタグに変更させてもよく、前の所有者がその後のプライベート情報をタグから読み取るのをブロックし、一方でEASゲートのエリア内の受信機は販売場所で購入された物品が施設から削除されたことを依然として記録することができる。
【0355】
例として図20では、IDタグ1100は、信号12200を送信するように構成されてよい。図23では、IDタグ1100は、電子タグ付き商品23300に関連付けられてよい。取引が商品23300の所有権を第1の所有者23100から第2の所有者23200に移転させると、プロセッサ23004は、取引が所有権を移転させたことを記録し、その後、IDタグ1100によって受信されたとき、信号12200の上述のパラメータの1つまたは複数をIDタグ1100に変更させるという信号のIDタグ1100への送信を(例えば電磁波の形で)行うように構成されてよい。
【0356】
いくつかの開示の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、所有権の移転が記録される前に、第1の所有者IDに関連付けられた第1の暗号鍵を使用して第1の信号を送信するように特定のタグを制御し、所有権の移転が記録された後に、第2の所有者IDに関連付けられた第2の暗号鍵を使用して第2の信号を送信するように特定のタグを制御するように構成されてよい。暗号鍵は、例えば特定のタグによって送信される信号に収められた情報へのアクセスを可能にすること、制約すること、またはそうでなければ制御することによって所有者のプライバシを保護するために、所有者IDに関連付けられてよい。
【0357】
例として、IDタグ1100を有する電子タグ付き商品23300を第1の所有者23100が有している間、プロセッサ23004は、第1の所有者IDに関連付けられた第1の暗号鍵23102を使用して第1の信号を送信するようにIDタグ1100を制御するように構成されてよく、第1の暗号鍵23102は、第1の所有者23100、または第1の所有者23100に関連付けられた権限付与されたデバイス(例えばデバイス23102)が、第1の信号に収められた情報にアクセスできるようにする。それでも、電子タグ付き商品23300を第2の所有者23200に販売すると、プロセッサ23004は、第2の所有者IDに関連付けられた第2の暗号鍵23200を使用して第2の信号を送信するようにIDタグ1100を制御してよく、第2の暗号鍵23200は、第2の所有者23200、または第2の所有者23200に関連付けられた権限付与されたデバイス(例えばデバイス23202)が、第2の信号に収められた情報にアクセスできるようにするか、他のエンティティが第2の信号に収められた情報にアクセスするのを制限する。
【0358】
いくつかの開示の実施形態によれば、特定のタグの所有権を移転する取引を記録することは、第1の所有者IDに関連付けられたデバイスから、少なくとも第2の所有者IDおよび特定のタグのタグIDを識別する所有権移転通知を受信することを含んでよい。第1の所有者IDに関連付けられたデバイスは、例えば、キャッシュレジスタ、ハンドヘルドスキャナ、スマートフォン、または、所有権移転通知を送信可能な第1の所有者に関連付けられた他の任意のデバイスなど、特定のタグの所有権を移転する取引を容易にするために使用されるデバイスを指してよい。通知は、システムの別の構成要素、異なるシステム、もしくは人(または上記の任意の組合せ)に一定のイベントの発生を警告するために使用される1つのシステムの構成要素によって生成された信号を含んでよい。この文脈では、所有権移転通知は、取引がIDタグの所有権を移転させたことを指示する任意の通知でよい。例として、取引がIDタグの所有権1100を移転させることは、第1の所有者23100から第2の所有者23200に電子タグ付き商品23300を販売することによって発生し得る。このような取引が発生すると、プロセッサ23004は、IDタグ1100との関連付けのための第2の所有者ID23202を識別する所有権移転通知をデバイス23204から受信し得る。
【0359】
本開示に一致するように、特定のタグの所有権を移転する取引を記録することはまた、特定のタグによって送信された識別信号を少なくとも1つのリーダから受信すること、受信された識別信号に基づいて、特定のタグに関連付けられたタグIDにアクセスすること、および第2の所有者IDと特定のタグに関連付けられたタグIDとの間の関連付けを受信することを含んでよい。
【0360】
開示の実施形態と一致するように、第2の所有者IDと特定のタグに関連付けられたタグIDとの間の情報を受信することは、第2の所有者に関連付けられたデバイス、第1の所有者に関連付けられたデバイス、または、第2の所有者を明確に識別可能な他の任意のデバイスから情報を受信することを含んでよく、情報は、第2の所有者が特定のタグに関連付けられた物品を購入したという判定を指示する、またはそうでなければ判定を可能にする。例えばいくつかの開示のセルフチェックアウトシステムの文脈では、少なくとも1つのプロセッサは、タグIDに関連付けられた特定のタグが施設を出ると同時に、第2の所有者に関連付けられたデバイスが施設を出たと判定されたとき、第2の所有者IDとタグIDとの間の関連付けを受信するように構成されてよく、これにより、特定のタグの所有権を第2の所有者に移転する取引が発生したことを反映する。
【0361】
第2の所有者は、いくつかの異なる方式で明確に識別され得る。例えば、個人が物品を取り上げるとき、個人はハンドヘルドデバイスで物品をスキャンしてよく、ハンドヘルドデバイスは、その特定のタグIDをショッピングカートと関連付けている。ショッピングカートは個人の識別情報を含んでよい。購入すると、販売場所でまたは施設を出ることによって、ショッピングカート内の全ての商品が、ショッピングカートの所有者に所有権を移転してよい。個人がショッピングカートにスキャンされていない物品と共に施設を去ろうとすると、ショッピングカートの内容が格納されたデータ構造体に関連付けられた受信機は、物品がアクティブなショッピングカート内にないものと認識してよく、警報をトリガしてよい。図14は、顧客が、ゲート1112を通って電子タグ付き物品を持ってくることによって、IDタグ1100を有する電子タグ付き物品を購入することについての透視図を提供する。顧客がゲート1112を通過したとき、所有権記録は顧客を第2の所有者23200にするように更新されてよい。リーダ11300hは、IDタグ1100によって送信された識別信号12200を受信してよく、プロセッサ23004は、信号12200に関連付けられたタグIDにその後アクセスするためにリーダ11300hから識別信号12200をデータ構造体23006から受信してよい。プロセッサ23006は同時に、第2の所有者ID23202とIDタグ1100に関連付けられたタグIDとの間の関連付けを受信してよい。
【0362】
いくつかの開示の実施形態では、特定のタグの所有権を移転する取引を記録することは、タグIDと第1の所有者IDとの間の更新済みの関連付け、タグIDと第2の所有者IDとの間の更新済みの関連付け、第1の所有者IDに関連付けられた在庫目録情報、または第2の所有者IDに関連付けられた在庫目録情報のうちの少なくとも1つを少なくとも1つのデータ構造体に記録することを含んでよい。更新は、システムが前の所有者の代わりに新しい所有者の識別情報を記録したとき、第2の所有者の識別情報がデータ構造体に含められたとき、取引の結果として第1の所有者の在庫が減ったとき、および/または、取引の結果として第2の所有者の在庫が更新されたとき、発生してよい。これらの更新の1つまたは複数は、第1と第2の所有者によって様々な範囲までアクセス可能な共通のデータ構造体において、および/または、各所有者に一意の異なるデータ構造体において発生してよい。いくつかの実施形態では、所有者に関連付けられた在庫目録情報を更新することは、取引に関与する1つまたは複数の当事者が在庫に維持された商品の所有権を移転させるときに発生してよい。例えば、第1の所有者は、電子タグ付き商品に関する在庫目録情報を少なくとも1つのデータ構造体内に維持する施設または他のエンティティでよい。このような商品を第2の所有者に販売すると、商品はもはや第1の所有者の在庫の一部ではない。第2の所有者はまた、在庫を維持する施設または他のエンティティでよく、商品を第2の所有者に販売すると、商品は第2の所有者の在庫の一部になる。商品の所有権の移転を伴うこのような状況または他の任意の状況では、少なくとも1つのデータ構造体に格納された第1の所有者の在庫目録情報と第2の所有者の在庫目録情報を更新するために開示の実施形態が用いられてよい。
【0363】
例として、第1の所有者23100および第2の所有者23200は、電子タグ付き商品の在庫をそれぞれ維持してよい。第1の所有者23100から第2の所有者23200に商品23300の所有権を移転させると、プロセッサ23004は、第1の所有者23100に関連付けられた在庫記録から電子タグ付き商品23300が削除されるように、少なくとも1つのデータ構造体23006に格納され第1の所有者23100に関連付けられた在庫目録情報を更新することによって、商品23300の所有権を移転させる取引を記録してよい。プロセッサ23004はまた、第2の所有者23200に関連付けられた在庫記録に電子タグ付き商品23300が挿入されるように、第2の所有者23200に関連付けられ、少なくとも1つのデータ構造体23006に格納された在庫目録情報を更新することによって取引を記録してよい。
【0364】
開示の実施形態は、特定のタグの第2の情報を第2の所有者IDと関連付け、所有権の移転後に第1の所有者が第2の情報にアクセスするのを防止することを含んでよい。第2の情報は、第2の所有者に、または所有権の移転が発生した後のタグに関連付けられた任意のデータでよい。例えば第1の所有者が所有権を剥奪された後、第1の所有者はもはやタグに関連付けられた記録に追加された情報にアクセスできなくてよい。いくつかの実施形態では、第2の情報はまた、場所、取引履歴、所有者名、製造業者名、タグの一意の識別子、またはタグに関連付けられた暗号鍵のうちの少なくとも1つを含んでもよい。第1の所有者が第2の情報にアクセスするのを防止することは、データ構造体内の一部もしくは全てのデータへの第1の所有者のアクセスを拒否すること、第1の所有者がアクセスできるデータ構造体のエリアから情報を削除すること、第1の所有者に知られていない暗号鍵を使用してデータの一部もしくは全てを暗号化すること、第1の所有者もしくは関連付けられたエンティティからの情報にアクセスするよう求める要求を拒否すること、またはそうでなければ、第1の所有者による情報へのアクセスを制限することのうちの1つまたは複数を含んでよい。
【0365】
いくつかの実施形態では、それでも少なくとも1つのプロセッサは、所有権の移転後に第1の所有者が第1の情報にアクセスすることを許可するように構成されてよい。言い換えれば、第1の所有者は、第2の所有者IDに関連付けられた特定のタグの第2の情報にアクセスするのを防止されてよいが、第1の所有者は、いくつかの実施形態では、第1の所有者IDに関連付けられた特定のタグの第1の情報にアクセスするのを依然として許可されてよい。第1の情報へのアクセスを許可することは、第1の所有者が第1の情報にアクセスするために暗号鍵を使用するのを許可すること、第1の所有者もしくは関連付けられたエンティティからの情報にアクセスするよう求める要求を受け入れること、またはそうでなければ、第1の所有者による第1の情報へのアクセスを許可することを含んでよい。
【0366】
例として、プロセッサ23004は、第1の所有者23100から第2の所有者23200に電子タグ付き商品23300の所有権を取引が移転させると、例えば第1の所有者23100に知られていない暗号鍵を使用して第2の情報を暗号化することによって、第2の所有者ID23202に関連付けられた第2の情報に第1の所有者23100がアクセスするのを防止するように構成されてよい。それでも、第1の所有者23100または関連付けられた権限付与されたエンティティによる第1の所有者ID23102に関連付けられた第1の情報へのアクセスをプロセッサ23004が許可することを可能にし得る別の暗号鍵が第1の所有者23100によって知られていてもよい。
【0367】
いくつかの開示の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、第1の所有者が特定のタグを所有していると記録される時点の前に、第1の所有者が第1の情報にアクセスすることを防止するように構成されてよい。言い換えれば、所有権の移転後に第2の所有者IDに関連付けられた第2の情報に第1の所有者がアクセスするのを防止され得るのと同様に、第1の所有者は、例えば前の所有者が第1の所有者に所有権を移転させる前など、第1の所有者が電子タグ付き商品の所有権を獲得する前に、第1の所有者IDに関連付けられた第1の情報にアクセスするのを同様に防止されてよい。例として、プロセッサ23004は、第1の所有者23100が電子タグ付き商品23300の所有権を獲得する前に、第1の所有者ID23102に関連付けられた第1の情報に第1の所有者23100がアクセスするのを防止するように構成されてよい。同様に別の例では、所有者23200は第1の所有者でよく、所有者23100は前の所有者でよく、プロセッサ23004は、所有者23100から所有者23200に電子タグ付き商品の所有権を移転させる前に、所有者ID23202に関連付けられた第1の情報に所有者23200がアクセスするのを防止してよい。
【0368】
本開示に一致するように、少なくとも1つのプロセッサは、特定の所有者IDと、特定の所有者IDに関連付けられた少なくとも1つの権限付与されたエンティティとの間の関連付けを受信し、権限付与されたエンティティが、特定の所有者ID、特定の所有者IDに関連付けられたタグ、または、特定の所有者IDに関連付けられた物品のうちの少なくとも1つに関する情報にアクセスすることを許可するようにさらに構成されてよい。以前に論じられたように、商品の所有者は、所有者がアクセスを受けた後、商品に関する情報にアクセスするための権限を付与されるようになり得る様々なエンティティに関連付けられてよい。これは、認証するエンティティの所有者による手動処理を通じて発生してよく、または自動的に発生してもよい。例えばデータ構造体は、新しい所有者が商品を獲得したとき、獲得された商品のそれぞれに関連付けられた記録へのアクセス権を権限付与されたエンティティが与えられるように、新しい所有者に関連付けられたエンティティのリストで更新されてよい。少なくとも1つのプロセッサは、電子タグ付き商品の所有権を移転する取引の前、取引の後、もしくは取引時に、このような関連付けをいつでも受信してよく、または関連付けは、取引の発生に関わらず独立して発生してよい。例として、第1の所有者23100から第2の所有者23200に電子タグ付き商品の所有権を移転する取引時、プロセッサ23004は、第2の所有者ID23202と、第2の所有者ID23202に関連付けられたデバイス23204または他の任意の権限付与されたエンティティとの間の関連付けを受信してよい。プロセッサ23004はその後、第2の所有者ID23202、IDタグ1100、または電子タグ付き商品23300に関する情報にデバイス23204がアクセスするのを許可してよい。
【0369】
前に論じられたように、開示の実施形態は、電子タグ付き商品の第3の所有者またはその後の任意の所有者などの下流の所有者にプライバシを提供するためにさらに用いられてよい。例えば、開示の実施形態は、第2の所有者から第3の所有者またはその後の所有者に特定のタグの所有権を移転する取引を記録することを含んでよく、第3の所有者またはその後の所有者への所有権の移転後、第3の所有者の所有者IDに特定のタグの第3の情報を関連付け、第2の所有者が第3の情報にアクセスするのを防止する。さらに、第3の所有者またはその後の任意の所有者は第1の所有者でよく、少なくとも1つのプロセッサは、第1の所有者IDに特定のタグの第3の情報を関連付けるように構成されてよい。いくつかの実施形態では、それでも第3の所有者またはその後の所有者は第1の所有者とは異なってよく、少なくとも1つのプロセッサは、第1の所有者が第3の情報にアクセスするのを防止するようにさらに構成される。追加として、開示の実施形態と一致するように、少なくとも1つのプロセッサは、第3の所有者またはその後の任意の所有者への所有権の移転後、第1の所有者が第1の情報にアクセスするのを許可すること、および、第2の所有者が第2の情報にアクセスするのを許可することを行うように構成されてよい。
【0370】
開示の実施形態は、電子タグ付き製品を収納し、タグ付き製品と器具との間の関連付けを記録するための器具を含んでよい。器具のいくつかの非限定的な例は、家庭用デバイス(洗浄機、乾燥機、冷蔵庫、加湿器、食器洗浄機、調理デバイス、キャビネット、食品庫、クローゼット、ワードローブ、引き出し、保管ボックス、道具小屋、ガレージなど)、市販用デバイス(ロッカー、冷却貯蔵ボックス、出荷コンテナ、配送トラック、消毒デバイスなど)、および、産業用デバイス(気化器、ツールボックス、倉庫、製造デバイス、危険廃棄物処理デバイスなど)を含む。一般に、それでも用語「器具」は、任意の時間電子タグ付き製品を保持可能な何かを指してよい。例として、図25Aの冷蔵庫25000A、図25000Bの洗濯機または乾燥機25000B、図25Cの食品庫25000C、25Dのワードローブ25000D、および図25000Eの配送トラック25000Eはそれぞれ、本開示の意味での器具の例である。
【0371】
記録されたデータは、器具の文脈では、器具内に置かれた物品のタグID、物品が器具内に置かれたときのタイムスタンプ、物品に関連付けられた有効期限、物品が器具から取り除かれたときのタイムスタンプ、同時またはほぼ同時に器具から取り除かれた物品をリンクさせる情報、取り除かれたが器具に戻されていない物品、および、器具内に収められた物品に関係し得る他の任意の直接の、間接の、または派生的なデータを含んでよい。
【0372】
開示の実施形態は、電子タグ付き製品を保持するためのキャビティを画定するハウジングを含んでよい。ハウジングは、任意の時間電子タグ付き製品を保持可能なキャビティまたは任意の空間もしくは構造を画定する任意の構造を含んでよい。キャビティは永久に開かれていてもよく、または1つもしくは複数のドアなどの外郭を含んでもよい。ハウジングは、関連付けられた器具の性質に一致するように、任意の適切な材料から作られてよい。例として、器具24000は、キャビティ24004を画定するハウジング24002を含んでよい。タグ1100を有する電子タグ付き製品24006は、キャビティ24004内に保持されてよい。ハウジング24002はまた、エキサイタ24008、受信機24100、通信機24102、およびプロセッサ24104を収めてもよく、またはそうでなければ、これらと統合されてもよい。それでも、前述の構成要素およびデバイスは、キャビティ24004内に配置されることを必ずしも必要としなくてよく、本開示に一致するように、任意の適切な方式で構成されてよいことが理解されよう。
【0373】
例として、図25Aの冷蔵庫25000Aは、ハウジング24002およびキャビティ24004を含む。図25Bの洗濯機または乾燥機25000Bは、ハウジング24002およびキャビティ24004を含む。図25Cの食品庫25000Cは、ハウジング24002およびキャビティ24004を含む。25Dのワードローブ25000Dは、ハウジング24002およびキャビティ24004を含む。また、図25Eの配送トラック25000Eは、ハウジング24002およびキャビティ24004を含む。
【0374】
開示の実施形態は、ハウジングと統合されたエキサイタを含んでよい。エキサイタは、電子タグ付き製品のタグをトリガして各製品のタグに一意のタグIDを送信させるように構成されてよい。「エキサイタ」は、不変の、断続的な、または周期的な信号を出す送信機などのデバイスを指してよい。信号は、信号を受信すると所定のアクションを実行するためにトリガされる第2のデバイスによって予想される特性に一致する特性を有してよい。信号は、無線信号、磁界または電界、可聴信号または超音波信号、光信号、機械的振動等でよく、信号の特性は、振幅または電力レベル、周波数、変調、繰返し周期、通信プロトコル、送信されるデータのセット等を含んでよい。非限定的例として、AM-EAS(音響磁気電子式商品監視)ゲートは、タグ内部の磁気弾性金属片の機械的振動を生じる58kHzの周波数で磁界のパルスを周期的に出すことによってAM-EASタグへのエキサイタとして機能する。この振動はその後、ゲートによって検出されてよく、タグが通過したことを指示する。別の例として、RFIDリーダは、(RFIDタグがRFID信号を送受信するのに必要なエネルギーをそのフィールド内でRFIDタグにチャージする)エキサイタと(タグとの間でデータを送受信する)送受信機との両方として機能する。開示の実施形態と一致するように、エキサイタは、不変モードまたは断続的モードで900MHz帯域または2.4GHz帯域のRFエネルギーを放出してよい。このエネルギーはタグにチャージしてよく、受信された周波数に応じたモードでタグに送信させる。
【0375】
エキサイタは、タグに送信させ、器具によってタグを検出するためにハウジングと統合されてよく、器具内部のタグにエキサイタの信号を検知させる別の方法で器具のキャビティの内部のどちらかに置かれてよい。代替として、エキサイタは、器具の開口部またはドアに置かれるか、器具の外面に貼られるか、他の任意の方式で器具に接続されてよい。例えば器具には、器具に隣接してマウント可能なつながれたエキサイタが付属してよい。本明細書で使用されるように、前述の例の全てが、器具と統合されたエキサイタとみなされる。
【0376】
一意のタグIDは、他の任意のエンティティと同じ一意の識別子にエンティティが1つも関連付けられることがなく、どの単一のエンティティも単一の一意の識別子しか関連付けられないように、識別されたエンティティに個々に関連付けられた数字、文字列、または、データの他の形式を含んでよい。一意の識別子の例は、シリアル番号、一意のEPCコード、データベースエントリ(各データベースエントリが単一のエンティティを表し、データベース内の正確に1つのエントリによって全ての関連エンティティが表される限り)等である。一意のタグIDは、例えばタグによって送信される識別信号で送信されてよく、本明細書で使用されるような識別信号の意味は、本出願のほかの場所で詳細に論じられる。
【0377】
例として、器具24000は、送信24204を送信するためにタグ1100をトリガする信号を出すように構成されたエキサイタ24008を含んでよく、信号は一意のタグIDを収めてよい。エキサイタ24008はキャビティ24004の内部にあってよく、製品24006のタグ1100に送信24204を送信させるように構成されてよく、エキサイタ24008はキャビティ24004の開口部(例えばドア)に、または開口部の近くに取り付けられてよく、製品24006がキャビティに入るか出ると同時にタグ1100に送信24204を送信させるように構成されてよい。
【0378】
議論を容易にするために、開示の実施形態は「識別回路機器」を含んでよい。開示の器具の文脈では、「識別回路機器」は、タグを励振するため、タグから応答を受信するため、またはタグからの応答を解釈するために使用される任意の1つまたは複数の構成要素またはデバイスを指してよい。したがって識別回路機器は、受信機、通信機、エキサイタ、少なくとも1つのプロセッサ、または、器具内のタグを識別する任意の1つもしくは複数の機能を実行可能な他の任意の構成要素もしくはデバイスのうちの1つまたは複数を含んでよい。
【0379】
例として、図24において、回路24500は、少なくとも受信機24100、通信機24102、プロセッサ24104、および/またはエキサイタ24008を含んでもよい。図25Aの冷蔵庫25000A、図25Bの衣類洗濯機または乾燥機25000B、図25Cの食品庫25000C、図25Dのワードローブ25000D、および図25Eの配送トラック25000Eにおいて、識別回路25500は少なくともエキサイタを含んでもよく、図24の識別回路に図示された他の構成要素も含んでもよいが、設計仕様に応じて必ずしも含まなくてもよい。図示を簡単にするため、識別回路25500は単一のアイコンで図示されているが、そのアイコンは、器具全体にわたって共同配置または分配された複数の構成要素を表してもよいということに留意されたい。
【0380】
ハウジングと一体化されたエキサイタの他の例としては、図25Aにおける冷蔵庫25000のハウジング25002Aに関連付けられた識別回路25500、図25Bの衣類洗濯機または乾燥機25000Bのハウジング25002Bに関連付けられた識別回路25500、図25Cの食品庫25000Cのハウジング25002Cに関連付けられた識別回路25500、図25Dのワードローブ25000Dのハウジング25002Dに関連付けられた識別回路25500、および図25Eの配送トラック25000Eのハウジング25002Eに関連付けられた識別回路25500がある。
【0381】
いくつかの開示される実施形態によれば、エキサイタは、900MHz付近の第1の周波数帯域または2.4GHz付近の第2の周波数帯域のうちの少なくとも1つの帯域内の周波数でエネルギーを送信するように構成されてもよい。一般に、900MHz WW ISMおよび2.4GHz WW ISM の周波数範囲は、前述したように、それぞれ900MHzおよび2.4GHz付近の周波数範囲と称してもよい。例として、エキサイタ24008は、本開示と一致して、900MHz付近の第1の周波数帯域、2.4GHzの第2の周波数帯域、またはその両方においてエネルギー24202を送信するように構成されてもよい。
【0382】
本開示と一致して、エキサイタは、電子タグ付き製品のタグにエネルギーを送信し、それによって、タグ付き製品の各タグがエキサイタからエネルギーを取り入れ、取り入れたエネルギーを各タグへの電力供給に使用することを可能にするように構成されてもよい。エネルギーは、例えば、取り入れ回路によって取り入れられ、タグのエネルギー貯蔵構成要素またはエネルギーを蓄積することが可能とされた任意の要素もしくは回路によって貯蔵されてもよい。例として、図24において、エキサイタ24008は、タグ1100に電力供給するためのエネルギーをタグ1100が取り入れることができるような様式でエネルギー24202を送信するように構成されてもよい。開示される取り入れの方法およびデバイスについての説明は、例えば、図9図10、および図15に図示したいくつかの非限定的な実施形態に関して論じられる。図24の回路は、図25A図25Eに図示した器具に組み込まれてもよい。
【0383】
いくつかの開示される実施形態によれば、エキサイタは、トリガコマンドを受信し、トリガコマンドを受信したことに応答して、電子タグ付き製品のタグをトリガするように構成されてもよい。トリガコマンドを受信することは、ワイヤレス送信、直接デジタル信号、またはエキサイタに電子タグ付き製品のタグをトリガさせることが可能な任意の他の通信を受信することを含んでもよい。トリガコマンドは、器具の内部にあるか外部にあるかを問わず、トリガコマンドがエキサイタによって受信されることを可能にするデバイス、デバイスの構成要素、個人、または任意の他のエンティティから受信されてもよい。これに関連して、「トリガ」は、信号を送信することまたは送信信号の特性を変化させることなどの、本開示と一致する1つまたは複数のアクションをタグに実行させる、タグによって受信され得る刺激または入力を指してもよい。例えば、いくつかの開示される実施形態において、電子タグ付き製品のタグはそれぞれ、エキサイタから送信されるエネルギーを受信した後に、第2の周波数帯域で受信機によって受信されるために、自己の一意のタグIDを送信するように構成されてもよい。例として、エキサイタ24008は、プロセッサからコマンド24302を受信してもよい。代替的に、エキサイタ24008は、任意の他のソース(例えば、通信機24102、24400、または図24に示されていない任意の他のソース)からコマンド24302を受信してもよい。コマンド24302を受信すると、エキサイタ24008は、タグ1100に送信24204を送信させる周波数帯域内のエネルギー24202を送信することによってタグ1100をトリガしてもよい。
【0384】
開示される実施形態は、各一意のタグIDの送信を受信するための受信機を含んでもよい。受信機は、通信媒体を通じて送信された信号を受信するアクションを実行するように設計された回路を含んでもよい。信号は、データを伝達するか(Wi-Fi、Bluetooth、セルラ通信、イーサーネット通信または任意の他の標準に基づくプロトコルもしくは独自のプロトコルなどの通信システムの場合のように)または単にエネルギーを伝達してもよい(RFID、X線撮像またはレーダーのためのエキサイタの場合のように)。「受信機」という用語は、非常に多くの場合、ワイヤレス通信の文脈で使用され、その場合には信号は電気信号、磁気信号または電磁信号であり、媒体は無線ワイヤレス通信であり、信号は合意された通信プロトコルに従う何らかの形式のデータを伝達する。
【0385】
「受信」または「読み取り」のアクションは、ワイヤレス通信媒体を通じて送信された信号を解釈し、認識できる情報に変換することを指してもよい。この意味で、受信機は、任意の所与の時点で新たな信号が到来する可能性があり、その信号が受信されるときに処理される必要がある予測不可能な環境で動作してもよい。これは、長期間にわたって通信媒体を通じて到着する入力を保存することができる複雑な記録機器がなければ、受信機は、到来信号の検出後に直ちに動作し、その信号を処理し、解釈し、容認できない遅延なしにシステムの残部によって使用可能な有意味な形式に変換することが必要とされ得るという事実による。受信機は、まばらな様式で通信媒体を通じて信号が到着するときにはこのアクションを間欠的に実行し、連続する信号間にほとんどまたは全く遅延なしに通信媒体を通じて信号が到着する場合には次々と逐次的に実行することが必要とされ得る。
【0386】
いくつかの開示される実施形態では、エキサイタは、所定のタイミングシーケンスに従って電子タグ付き製品のタグをトリガするように構成されてもよい。例として、図24において、エキサイタ24008は、器具24000の構成要素からの任意の入力とは無関係に、1日に複数回、エネルギー24202を送信してもよい。追加的に、トリガ期間中に、信号衝突または受信機の過負荷によりタグIDが失われないことを保証するために複数回トリガされてもよい。トリガ区間または期間中のこの周期的トリガもまた、本開示の意味の範囲内におけるタイミングシーケンスとみなされ得る。
【0387】
開示される実施形態は、キャビティ内に保持された電子タグ付き製品の識別情報の指示を出力するための通信機を含んでもよい。通信機は、受信されたタグ識別情報を任意の他の回路またはデバイスに提供することが可能な任意の回路またはデバイスを含んでもよい。通信機は、有線もしくはワイヤレス送信機、有線接続、直接デジタル信号チャネル、または器具と別のデバイス、プラットフォーム、もしくは任意の他のエンティティとの間の通信を容易にすることが可能な任意の他のデバイス、回路、メカニズムもしくはチャネルを介してタグ識別情報を通信するように構成されてもよい。通信機は、開示される通信方法を通じて、キャビティ内に保持された電子タグ付き製品の識別を出力してもよい。「保持された」製品は、キャビティの内部にある製品、キャビティに出入りしている製品、またはキャビティおよび/もしくは器具との決定可能な関連付けを有する任意の他の製品などの、キャビティに関連付けられた製品を指してもよい。
【0388】
いくつかの開示される実施形態では、通信機によって出力される識別は、受信された一意のタグIDから導出される電子タグ付き製品の識別情報を反映してもよい。電子タグ付き製品の識別情報は、製品のタイプまたは製品のある特定の特性に関連する情報を含んでもよい。識別情報は、製品名、ブランド、モデル、SKU、物理属性、価格、所有者、または製品を識別する任意の他の情報のうちの1つまたは複数を含んでもよい。例えば、電子タグ付きTシャツの場合、通信機は、ブランド、色、サイズ、価格またはそのTシャツに関連する任意の他の特性もしくは特徴のうちの1つまたは複数を出力してもよい。この情報は、受信された一意のタグID、受信された一意のタグIDに含まれる情報、または一意のタグIDに基づいてデータ構造体内で検索された情報から決定されてもよく、またはそれらに基づいてもよい。
【0389】
例として、図24において、器具24000は、図25Aにおける冷蔵庫25000Aなどの冷蔵庫であってもよく、製品24006は1ガロンの牛乳であってもよい。通信機24102は、受信機によって受信されたタグ1100の一意のタグIDから製品24006の識別情報を導出するように構成されてもよい。製品24006の識別情報の指示24206は、牛乳のブランド、タイプ、および量、ならびに賞味期限日、1ガロンの牛乳24006が冷蔵庫24000に保持されている時間の長さ、または1ガロンの牛乳24006が冷蔵庫24000から30分よりも長い期間取り出された回数などの、牛乳に関連付けられ得る他の情報を含んでもよい。
【0390】
いくつかの開示される実施形態によれば、通信機によって出力される指示は、在庫目録レポート、在庫目録変更、在庫目録履歴、または特定のタグ付き製品のログのうちの少なくとも1つを含んでもよい。本明細書で使用される在庫目録の意味は、本明細書内の他の場所で詳細に説明される。
【0391】
図25Aにおける冷蔵庫25000Aとの関係における在庫目録リストは、冷蔵庫のキャビティ24004に収容されたすべての製品24006(すなわち、包装され電子タグ付けされた食料品)のリストを含んでもよい。図25Bにおける衣類洗濯機または乾燥機25000Bとの関係では、在庫目録リストは、関連するキャビティ24004内のすべての衣服(製品24006)または他の物品を含んでもよい。図25Cにおける食品庫25000Cの場合、在庫目録リストは、食品庫のキャビティ24004内のすべての包装され電子タグ付けされた食料品を含んでもよい。図25Dにおけるワードローブ25000Dの場合、在庫目録リストは、ワードローブキャビティ24004内のすべてのタグ付けされた衣料品を含んでもよい。そして図25Eにおける配送トラック25000Eの場合、在庫目録リストは、任意の所与の時刻におけるキャビティ24004内のすべての小荷物(製品24004)を含んでもよい。
【0392】
開示される実施形態と一致して、在庫目録レポートは、在庫目録に属するすべての物品を含む、テーブル、データベース、スプレッドシートなどの形態のリストを、前記在庫目録の管理に関する決定を通知するために必要な関連属性または任意の他の情報と共に含んでもよい。情報は、各物品の最近の販売履歴(例えば、物品が販売されている値段を評価するため、いつ在庫目録が尽きて補充が必要になるかを予測するため、および/または開始在庫目録から売上げおよび現在の在庫目録を引いた差として減少量を査定するため)、在庫目録内の利用可能な物品と前記物品に関連する標準的なサイズ曲線との比較(例えば、将来の注文のためにサイズ分布を決定するため)、または各物品についての現在の価格に対するリスト価格(例えば、将来の価格付けを計画するために在庫目録の現在の値下げ値に対して在庫目録のリスト値を比較するため)を含んでもよい。このレポートは、主要な集計数値(例えば、物品数、合計値、合計減少量など)のセットとして、および/または在庫目録に関する事業および管理の決定を推進するために必要とされるさまざまなフィルタおよびソートの選択が可能な対話的レポートとして、提示されてもよい。特定の製品のログは、販売履歴、所有履歴、所在地履歴、または特定のタグ付き製品に関連する任意の他の履歴情報を含んでもよい。
【0393】
例として、通信機24102は、指示24206を出力するように構成されてもよい。指示24206は、器具24000内に過去または現在保持されている製品24006のすべてに関する在庫目録レポートを含んでもよい。在庫目録レポートに含まれる情報は、販売履歴、リスト価格、現在の価格、または製品24006のそれぞれの他の特性を含んでもよい。
【0394】
開示と一致して、通信機は、電子タグ付き製品に関連付けられた情報を出力するように構成されてもよい。情報は、製品がキャビティ内に保持された期間、製品が前回キャビティ内に保持されて以降の期間、または製品に関連する推奨事項のうちの少なくとも1つを含んでもよい。推奨事項は、キャビティ内に保持された製品に関連付けられた一意のタグIDから導出される情報に少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、プロセッサは、ユーザ(例えば、要求元)が購入することを望む可能性がある追加の製品を予測し、通信機を介してこの情報を中継することによってユーザが追加の製品を購入するように推奨することができてもよい。別の例では、プロセッサは、器具内に保持されている特定の製品の量が閾値量を下回ったことにより、器具内に特定の製品を在庫補充することをユーザに推奨してもよい。さらに別の例では、推奨事項は、製品が期限切れのために製品を廃棄することであってもよい。これらの例は非限定的であり、通信機は、器具内に保持された製品の受信された一意のタグIDに基づいて、製品に関連する多様な推奨事項を出力するように構成されてもよいことが理解されるべきである。
【0395】
例として、指示24206は、製品24006がキャビティ24004内に保持されている時間量などの、製品24006に関連する情報を含んでもよい。しかし、通信機24102が指示24206を出力するときに製品24006がキャビティ24004内に保持されていない場合、指示24206は、製品24006がキャビティ24004内に保持されていた最終時刻に関連する情報を含んでもよい。例えば、図25Bの洗濯機または乾燥機25000Bとの関係では、識別回路25500は、いつ物品が洗濯機/乾燥機を通じて最後に入れられたかを追跡し記録することができてもよい。
【0396】
通信機24102はまた、より多くの製品24006または製品24006に関連する製品を購入するための推奨事項を、ユーザへの指示24206に含めるように構成されてもよい。例えば、図25Aの冷蔵庫25000Aおよび図25Cの食品庫25000Cとの関係では、識別回路25500を使用して、履歴上は存在したが現在は冷蔵庫からなくなっている製品を識別したとき、そのような製品を補充するために推奨事項が提供されてもよい。そのような推奨事項は、買い物リスト、またはユーザへのディスプレイもしくはレポートへの自動入力を含んでもよい。図25Dにおけるワードローブ25000Dとの関係では、識別回路25500は、一緒に着用された衣類の組合せを(取り出しの時刻に基づいて)追跡し、衣類組合せについての推奨事項をインタフェース上に出力し、または物品が最後に着用されたのはいつかをアドバイスしてもよい。
【0397】
いくつかの開示される実施形態では、受信機は、2.4GHz付近の周波数帯域内の周波数で各一意のタグIDの送信を受信するように構成されたアンテナを含んでもよい。例として、器具24000は、アンテナ24102を有する受信機24100を含んでもよい。アンテナ24102は、2.4GHz付近の周波数帯域などの特定の周波数帯域内の送信を受信するように構成されてもよい。したがって、アンテナ24102は、送信24204が2.4GHz付近の周波数帯域内で送信される限り、タグ1100の一意のIDを含む送信24204を受信してもよい。
【0398】
いくつかの開示される実施形態では、エキサイタは、電子タグ付き製品の複数のタグを同時にトリガするように構成されてもよい。さらに、いくつかの開示される実施形態によれば、受信機は、同時にトリガされたタグの一意のタグIDの送信を逐次的に読み取るように構成されてもよい。開示される実施形態との関係では、逐次的受信は、一度に1つの信号または一度に1グループの信号を検出、受信および解釈する能力を指してもよい。その意味で、信号の受信中に別の信号が出現する場合、両方の信号の受信はいわゆる「衝突」において不可逆的に障害を受け、いずれの信号も正確に受信および解釈されない(例外は、第2の信号が第1の信号に比べて十分に弱く、第1の信号を正しく受信するために要求される信号対雑音比の範囲内にある場合であり、その場合には第2の信号は無視され、第1の信号が正確に受信および解釈される可能性がある)。このような受信機は、任意の所与の時刻において1つの信号またはグループの信号がしか受信および解釈されず、受信機の出力には順序付けられた重複しない逐次的なリストに受信信号がリスト化され得るという意味で、逐次受信機であるということができる。いくつかの受信機は、MIMO、SDMA、デジタルビームフォーミングなどのような方法を使用して同時に複数の信号を受信する能力を有してもよい。このような受信機は、逐次受信機に対して「並列」または「同時」受信機と称してもよい。いくつかの場合、信号は、ランダムまたは疑似ランダムな様式で受信機へ送信されてもよい。これは、いずれの特定の信号も、別の信号がその特定の信号と並列に送信され、衝突を引き起こし両方の信号の受信を妨げるという統計的可能性があるという事実により、正確に受信および解釈されることが保証できないことを意味する。このようなことが起こる可能性は、チャネル上の信号の速度および各信号の時間の長さに依存し得る。しかし、すべての衝突信号(これは、信号が十分に短く十分にまばらであると仮定すると、すべての信号のうちの非常に小さい部分を構成し得る)を除去した後に、すべての残りの信号は逐次受信機によって正確に受信および解釈され、結果として受信信号の逐次リストを得ることができる。電子タグの同時トリガに関連する実施形態については、本明細書でさらに詳細に開示される。
【0399】
いくつかの開示される実施形態によれば、通信機は、指定時刻にキャビティ内に保持されている電子タグ付き製品を識別するよう求める要求を要求元から受信し、その指定時刻にキャビティ内に保持されている電子タグ付き製品の識別情報の指示を要求元に出力するようにさらに構成されてもよい。例えば、通信機は、通信機へのアクセス権ならびにクエリおよび応答のフォーマットの知識を有する人が通信機から情報を取得することを可能にする通信チャネルまたはインタフェース(APIと通常呼ばれる)を含んでもよい。本開示と一致して、このような人は要求元と称してもよい。いくつかの実施形態では、要求元が通信機を通じて情報にアクセスすることまたは情報を受信する権限があるかどうかを検証するために、要求元は何らかの形態の認証情報、ログイン、証明書または識別を提供することを要求されてもよい。このような権限データは、器具全体に対して一般的であってもよく、または記憶されたあらゆる情報ごとに固有であってもよい。要求元は、任意の所与の時刻にどの物品が器具内に収容されているかを知りたい場合があり、このような情報に対する要求に応答して通信機からの指示の中のこのような情報を受信してもよい。
【0400】
いくつかの実施形態では、通信機は、特定の電子タグ付き製品の場所を特定するよう求める要求を要求元から受信し、その特定の電子タグ付き製品がキャビティ内に保持されているかどうかの指示を要求元に出力するようにさらに構成されてもよい。換言すれば、器具内に収容されている物品を識別するよう求める要求ではなく、要求元は、1つまたは複数の特定の物品の場所を特定したい場合があり、1つまたは複数の特定の物品が器具内に収容されているかまたはされていないかを示す指示を通信機から受信してもよい。
【0401】
例えば、図24において、要求元24400は、器具24000内にどの電子タグ付き製品が現在格納または収容されているかを知りたい場合がある。要求元24400は、このような情報を要求する要求24208を通信機24102へ送信してもよく、これに応じて通信機24102は、製品24006がキャビティ24004内に保持されていることを示す指示24206を要求元に出力してもよい。別の例では、要求元は、製品24006の場所を判定しようと試みている場合があり、製品24006がキャビティ24004内に保持されているかどうかについての指示を求める要求24208を通信機24102に送信してもよい。製品24006が要求時にキャビティ24004内にない場合、通信機24102は、製品24006がキャビティ24004内にないことを示す指示24206を要求元24400に出力してもよい。
【0402】
いくつかの開示される実施形態によれば、電子タグ付き製品の特定のタグについて、その特定のタグの一意のタグIDまたはその特定のタグに関連付けられた製品の識別情報の指示のうちの少なくとも1つが暗号化されてもよい。いくつかの実施形態では、通信機は、少なくとも1つのプロセッサによる復号用に、暗号化されたタグIDを少なくとも1つのプロセッサに送信するように構成されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、器具の外部にあってもよく、器具の通信機と通信可能に結合してもよい。例えば、少なくとも1つのプロセッサは、(例えば、ネットワークを介して)通信機と有線および/またはワイヤレスの通信をするクラウドベースのプラットフォームに関連付けられてもよい。開示される実施形態と一致して、通信機と任意の外部エンティティとの間の任意の好適な通信チャネルが確立されてもよい。しかし、代替的または追加的に、通信機は、任意の処理構成要素とは独立に少なくとも1つの一意のタグIDを局所的に復号するように構成されてもよい。暗号化および復号のデバイスおよび技術の例については、本明細書の他の場所に記載される。
【0403】
例として、図24において、送信24204は、タグ1100の暗号化された一意のタグIDを含んでもよい。通信機24102は、暗号化された一意のタグIDを外部プロセッサ24105に送信するように構成されてもよく、外部プロセッサ24105は、一意のタグIDを復号するために暗号鍵を適用してもよい。通信機24102は、ネットワークまたは任意の他の好適な通信チャネルを通じて暗号化された一意のタグIDを外部プロセッサ24105に送信するように構成されてもよい。しかし、本開示と一致して、通信機24102は、プロセッサ24105なしでも一意のタグIDを独立に復号することが可能であってもよい。いくつかの実施形態では、通信機24102は、同じく暗号化された指示24206を出力するように構成されてもよい。
【0404】
いくつかの開示される実施形態によれば、器具は、各一意のタグIDに関連する情報をメモリに記憶させるように構成された少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、本明細書にさらに詳細に開示されるように、論理演算を実行するように構成された構成要素または回路を含んでもよい。情報は、例えば、同じく本明細書にさらに詳細に記載されるように、器具の内部か外部かを問わず、少なくとも1つのデータ構造体に記憶されてもよい。開示される実施形態によれば、情報を記憶することは、少なくとも1つまたは複数のデータ値が各一意のタグIDに関連する情報を表現するように、データ構造体にデータ値を挿入すること、データ構造体に含まれるデータ値を更新すること、または他の方法で修正することを含んでもよい。開示される実施形態によれば、データ構造体に含まれるデータは、定期的に(例えば、2時間ごと、1時間ごと、1日ごとなど)、リアルタイムに(すなわち、データを連続的に更新する)、またはシステムへのデータおよび/または情報の任意の種類のトリガまたは入力後に更新されてもよい。
【0405】
いくつかの開示される実施形態では、記憶される情報は、各一意のタグに関連付けられた製品ごとに、各製品がキャビティ内にいつ配置されたか、各製品がキャビティからいつ取り出されたか、各製品がキャビティから何回取り出されたか、各製品がキャビティに何回戻されたか、各製品がキャビティ外にあった合計経過時間、各製品がキャビティ内に入ってからの経過時間、各タグIDに関連付けられた各製品が最後にキャビティにあったのはいつかに関する指示、または特定の製品と同時にキャビティ内にあった特定の製品以外の製品のリストのうちの少なくとも1つに関する指示を含んでもよい。
【0406】
例として、図24において、器具24000はプロセッサ24104を含んでもよい。プロセッサ24104は、器具24000の1つまたは複数の構成要素(例えば、通信機24102)と通信可能に結合してもよく、開示されるプロセスのうちの1つまたは複数を実行するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ24104は、製品24006のタグ1100に関連付けられた各一意のタグIDに関連する情報を記憶するように構成されてもよい。
【0407】
開示される実施形態と一致して、少なくとも1つのプロセッサは、関連する一意のタグIDに基づいて同じ製品の複数のインスタンスを区別するように構成されてもよい。非限定的な例として、洗濯機内に2つ以上の同一の白いTシャツが存在してもよい。しかし、白いTシャツに関連付けられた電子タグのそれぞれがそれ自身の一意のタグIDを送信してもよく、少なくとも1つのプロセッサは、それぞれの白いTシャツが互いに同一であるにもかかわらず、それらを区別するように構成されてもよい。図24において、製品24006は複数の同一の製品を含んでもよく、プロセッサ24104は、送信24204に含まれるタグ1100の一意のタグIDに基づいて同一の製品24006同士を区別するように構成されてもよい。
【0408】
いくつかの開示される実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、キャビティ内にあると予想される製品を認識し、予想される製品がキャビティから紛失している場合、通信機に通知を出力させるように構成されてもよい。同様に、少なくとも1つのプロセッサは、キャビティ内にないと予想されるキャビティ内の製品を認識し、キャビティ内にないと予想される製品がキャビティ内にある場合、通信機に通知を出力させるように構成されてもよい。通知は、例えば、システム構成要素によって生成され、同じまたは異なるシステムの別のシステム構成要素に警告するために使用されてもよい。通知はまた、人、または通知を受信することが可能な任意の他のエンティティもしくは構成要素、または上記の任意の組合せに警告するように構成されてもよい。通知信号は、可聴アラート(例えば、ビープ音)、視覚的アラート(例えば、フラッシュ光)、もしくは任意の他の感覚信号(例えば、バイブレーション)、またはデジタル信号(モバイルデバイス上のアプリケーションへの通知信号、電気回路基板におけるCPUへの割込み信号、またはシステムアラートログ内のエントリなど)または1つもしくは複数の誤配置された物品の発生についてエンティティに警告するために好適な任意の他の信号を含んでもよい。通知は、ディスプレイ上またはレポートにテキストとして表示されてもよい。
【0409】
製品は、履歴収集データ、所定のスケジュール、製品と器具との関係、一意のタグIDによって満たされる条件、または製品と器具との間の任意の他の識別可能な関連付けまたは非関連付けに基づいて、キャビティ内にあると予想されること、または予想されないことが可能である。例えば、洗濯機は少なくとも1つのプロセッサを含んでもよく、ウールのセーターの一意のタグIDに基づいてウールのセーターが洗濯機内に配置されているときに、ウールのセーターが機械洗い可能でないため洗濯機内にあると予想されない場合、通信機に通知を出力させてもよい。通知は、選択された洗濯サイクルが衣服上の洗濯注意書きと矛盾するときに通信機を介して同様に出力されてもよい。同様に、衣類乾燥機は、衣服(例えば、靴下)が洗濯機内に最近存在していたが乾燥機内に移されていないときに通知を出力してもよい。プロセッサはまた、ユーザの選好または任意の他のルールのセットに基づいて特定の製品の存在を予想するように、または予想しないようにプログラムされ、設計され、および/または構成されてもよい。例として、製品24006は、特定の期間中にキャビティ24004内に保持されていると予想されてもよい。その期間中に製品24006がキャビティ24004内に保持されていない場合、プロセッサ24104は製品24006の非存在を認識し、製品24006がキャビティ24004内にないとの通知を通信機24102に出力させてもよい。
【0410】
図25Aの冷蔵庫25000Aとの関係では、識別回路25500は、冷蔵庫の内部にあると予想される物品を追跡してもよく、物品が冷蔵庫からなくなって場合に通知を生成してもよい。さらに別の例では、冷蔵庫から取り出された食料品製品24006が追跡されてもよく、取り出し時間が閾値を超過する場合に、潜在的な腐敗アラートがトリガされてもよい。同様のシステムが、例えば、図25Cの食品庫25000Cで使用されてもよい。例えば、期限切れになる前に生鮮食料品の使用を促すために、賞味期限日に近づいている食料品製品24006について通知が提供されてもよい。図25Eの配送トラック25000Eとの関係では、識別回路25500は、小荷物がその目的の配送場所に到着するまでトラック内にとどまることを予想してもよい。小荷物がより早く取り出された場合、識別回路は時期尚早の取り出しを検出してもよく、回路24500はアラーム信号を生成してもよい。
【0411】
本開示の実施形態は、電子タグ付き商品に関連する情報へのアクセスを提供するための方法、システム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体に関してもよい。説明を簡単にするため、デバイスの態様はシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体に等しく適用されるという理解の上で、以下ではデバイスについて説明する。例えば、このようなデバイスのいくつかの態様は、有線、ワイヤレス、またはその両方のいずれかであるネットワークを通じた電気的接続を含んでもよい。このような方法の他の態様は、非電気的手段を使用して起こり得る。最広義で、デバイスは特定の物理的および/または電子的手段に限定されず、むしろ多くの異なる手段を使用して実現されてもよい。
【0412】
開示される実施形態は、電子タグ付き商品に関連する情報へのアクセスを提供するためのシステムを含んでもよい。商品は、生産、購入、販売、使用および/または消費される有体物を含んでもよい。より一般的に、本明細書に記載されるように、「商品」という用語は「物」と同義であってもよく、物品、人および動物を含む生物および無生物を含んでもよい。商品は、特定の場所に見出され、および/または、特定の所有者によって所有される物品の集団の形態をとることが可能であり、例えばある人のワードローブの物品は、その人が所有する衣類を含み、それらがクローゼットにあるか、クリーニング店にあるか、その人によって現在着用されているか、または一時的に友人が使用するために貸し出されているかとは無関係である。集団はまた、台所、食品庫、冷蔵庫または冷凍庫に格納される食料品を含んでもよく、現在使用中、または未開封の物品を含む。電子デバイスまたはタグは、例示的なデジタルプラットフォーム上で各物品をデジタル的に表現するために、物理的物品に埋め込まれ、取り付けられ、または他の方法で関連付けられてもよい。電子デバイスは、情報を記憶することが可能な電気回路または構成要素の任意の組合せを含んでもよい。
【0413】
開示される実施形態は、本明細書で前述したように、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよく、プロセッサは複数のタグIDを記憶してもよい。前述したように、タグIDは、タグを識別するデータを含んでもよい。プロセッサは、開示される実施形態と一致して、相異なる方法でタグIDを記憶してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、記憶することは、データ構造体にデータ値を挿入し、データ構造体内のデータ値を更新し、または他の方法で修正するために(本明細書で定義される)データ構造体にアクセスすることを含んでもよい。記憶することはまた、プロセッサのメモリにデータを書き込むことをも含んでもよい。プロセッサがデータをどのように記録するかとは無関係に、データは永続的に記憶され、または定期的に(例えば、2時間ごと、1時間ごと、1日ごとなど)、リアルタイムに(すなわち、データを連続的に更新する)、またはシステムへのデータおよび/または情報の任意の種類のトリガまたは入力後に更新されてもよい。
【0414】
開示される実施形態は、各タグIDと少なくとも1つの所有者IDとの間のペアリングを記憶することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ペアリングは、2つの情報を関連付けるプロセスに起因する関係を含んでもよい。例えば、ペアリングは、第1のオブジェクト、項目、番号、または情報と、第2のオブジェクト、項目、番号、または情報との間の1対1関係であってもよい。ペアリングは、例えば、2つのデータが何らかの方法で互いに関連付けられたときに記憶されてもよい。したがって、ペアリングを記憶することは、複数のデータ間に論理的結合が形成されるときに行われてもよい。1つまたは複数のデータは、データ構造体内に既に存在してもよく、ペアリングを記憶することは、それらを共通のマーカに関連付けることなどによって2つのデータが連係されるときに行われてもよい。別の例として、記憶することは、2つのデータがテーブル内で互いに関連付けられるときに行われてもよい。したがって、メモリまたはデータ構造体のいずれにおいても、何らかの形態の論理的結合がタグのIDと所有者のIDとの間に作成されるとき、その2つのペアリングが記憶されたという。
【0415】
いくつかの実施形態では、各タグIDの少なくとも1つの所有者IDが、そのタグIDに関連付けられた製品の現在の所有者、製品の販売者、製品の製造者、または製品のユーザのうちの少なくとも1つに関連付けられる。製品の現在の所有者は、製品を所有、制御、または追跡する権利または許可を現在有する任意のエンティティを含んでもよい。同様に、製品の販売者は、販売のために製品を提供する任意のエンティティと、従業員もしくは権限付与された代理人、またはこのような個人もしくはエンティティの機器などの関連するエンティティを含んでもよい。製品の製造者は、製品を作成、構築、製作、組立て、設計、または他の方法で生産する任意の人またはエンティティを含んでもよい。製品のユーザは、製品の潜在的な顧客もしくは実際の購入者、または使用のために製品を賃借、リースまたは他の方法で借用(無料または有料で)するエンティティを含んでもよい。いくつかの実例では、ユーザは所有者と同じであってもよく、他の実例では、ユーザは所有者によって権限付与された人、エンティティまたは機器であってもよい。
【0416】
いくつかの実施形態では、単一のタグIDが複数の所有者IDとペアリングされてもよく、これは電子タグ付き商品の共同所有権を示す。いくつかの実施形態では、単一の所有者IDが複数のタグIDとペアリングされてもよく、これは複数の電子タグ付き商品の単一エンティティによる所有権を示す。
【0417】
開示される実施形態は、少なくとも1つの特定のタグIDと製品IDとの間のペアリングを受信することを含んでもよい。各タグは、それ自身の一意のタグIDを有してもよく、これはタグが製造または設定されるときにタグに提供されてもよい。タグIDは、タグを他のタグから区別する様式でタグを一意的に識別してもよい。本明細書で使用される場合、一意的に識別するの意味は、本明細書内の他の場所で詳細に説明される。例えば、タグを一意的に識別することは、例えば、一意のシリアル番号、コード、または他のデータ列をタグに割り当てることによって行われてもよい。いくつかの使用事例では、タグ供給元は、消費者製品会社の製品に関連付けられる大量のタグを消費者製品会社に提供してもよい。タグは、タグIDが出荷前設定されて供給元から到着してもよく、またはIDは消費者製品会社によって設定されてもよい。いずれにしても、本明細書に開示される少なくともいくつかの実施形態で、特定のタグと特定の製品との間に相互関係が作成される。例えば、カスタム家具製造者が、そのレガシーテーブルの8個の複製品を2つの異なる仕上げで作成してもよい。カスタム家具製造者は、出荷前に各製品にタグを付加し、データ構造体内でタグ番号を製品に関する情報と次のように関連付けてもよい。
【0418】
タグをスキャンするためにタグスキャナを使用してもよく、従業員が上記の表内の例示的なデータのような識別データを入力してもよい。代替的に、24オンス箱入りクリスタルクリーン食器洗い洗剤の製造者がタグ供給元に、出荷前設定された50000個のタグを注文してもよい。出荷前設定は、各タグに対する一意のタグIDを含んでもよい。いくつかの実施形態では、出荷前設定は、製品名およびサイズをも含んでもよく、各タグが一意のタグIDを有する。そして、タグ供給元は、食器洗い洗剤の製造者またはその代理人にデータファイルを送信してもよい。データファイルは、50000個のタグIDが24オンス箱入りクリスタルクリーン食器洗い洗剤に関連付けられているとの指示を含んでもよい。代替的に、データファイルは単にタグIDを含んでもよい。ファイルが既に製品識別データを含む場合、ファイルが受信されデータ構造体内にアップロードされるときに、タグIDと製品IDとの間のペアリングが受信されたと称される。データファイルが製品識別情報を欠いている場合、消費者製品会社が製品ID情報をタグに関連付けるときに、タグIDと製品IDとの間のペアリングが(システムにおいて)受信されたと称される。別の使用法では、消費者製品会社は、単にタグに付属するテキストにおいてタグIDを受信してもよく、消費者製品会社はタグIDを入力しそれらの製品IDに関連付けることが必要な場合がある。その関連付けが生起するときに、タグIDと製品IDとの間のペアリングが受信されたと称される。さらに別の実施形態では、消費者製品会社は単に出荷前設定されたIDを有するタグを受け取ってもよい。そして、消費者製品会社はバッチ取り込み手続きを実行してもよく、その場合に消費者製品会社はタグIDをシステムにインポートするためにタグIDをスキャンし、バッチを製品ラインに関連付けて、そのライン上の同じ製品の複数のインスタンスがバッチからタグを受け取るようにする。関連付け中に、バッチ製品ID情報が入力されてもよく、そのバッチ製品IDがシステムに入力され、製品ラインの製品IDに関連付けられるときに、タグIDと製品IDのペアリングが発生したと称される。いくつかの実例では、消費者製品会社はまた、会社の選択のタグIDの範囲でタグを設定する能力を有してもよい。いくつかの実例では、タグは、何らかの印刷された情報と共に(各タグ上に個別に、または複数のタグのバッチ内に)出荷されてもよく、それにより光学スキャナでタグを光学的にスキャンしてそれぞれのIDを受信することが可能となり、ペアリングを会社のシステム内の代替的手段によって行うことができる。これらは、タグIDが製品IDにどのように関連付けられ得るかのほんの少数の例である。結果としてタグIDと製品IDが何らかの方法で互いに関連付けられる限り、ペアリングの任意の他の方法が本開示の範囲内に入ることが理解されるべきである。さらに、消費者製品の例は説明を合理化するために提供されている。同様の手法が任意のオブジェクトまたは物と共に使用され得る。
【0419】
使用事例またはペアリングがどのように生起するかとは無関係に、プロセッサは、タグIDと製品タグIDとの間のペアリングを受信してもよく、その場合にタグIDは一意のタグ識別子を含み、製品IDは製品を特徴付ける1つまたは複数の追加的情報を含んでもよい。したがって、上記の表において、列2~5内の情報は何らかの方法で製品を識別しているため、列2~5は個別に、まとめて、または何らかの組合せで製品IDを含むとみなされてもよい。ペアリングを受信することは、タグIDと製品IDとの間の関連付けがプロセッサに到着またはプロセッサによって生起するときに行われてもよい。いくつかの実施形態では、関連付けは単に、以前に記憶された2つの情報を結合するインジケータであってもよい。例えば、データ構造体はタグIDおよび製品IDと共にプリロードされてもよく、ペアリングを受信することは、特定のタグIDが特定の製品IDに関連付けられるとの指示を受信することを含んでもよい。
【0420】
特定のタグIDと製品IDとの間のペアリングは、特定のタグIDと製品IDとの間の1対1関係を割り当てるプロセスに起因する関係を含んでもよい。いくつかの実施形態では、単一のタグが単一の物品に関連付けられてもよい。例えば、タグIDは製品IDとペアリングされてもよい。このペアリングは、システムによって受信され、システムに関連付けられたメモリに記憶されてもよい。
【0421】
開示される実施形態は、少なくとも1つの特定のタグIDおよび製品IDに関連付けられた情報を記憶することを含んでもよい。情報を記憶することは、データがデータ構造体もしくはメモリに書き込まれ、または任意の方法で電子的に保持されるときに行われてもよい。少なくとも1つの特定のタグIDおよび製品IDに関連する記憶された情報は、いくつかの実例では、タグIDと製品IDとの間の関連付けを含んでもよい。他の実例では、記憶された情報は、タグID、製品IDまたはそれらのペアリングに関する任意の追加的情報を含んでもよい。このような追加的情報は、タグIDがいつ購入されたか、タグIDがいつ製品IDと関連付けられたかに関する情報、関連付けられた製品に関する特徴付け情報、タグの送信履歴に関する履歴情報、製品取得情報、経時的なタグの場所の変更に関する情報、および/またはタグ/製品の所有権の変更に関する情報を含んでもよい。上記に開示したように、タグIDまたは製品IDに関連付けられる情報は、最初にタグ自体の中に記憶されてもよく、またはタグが通信チャネルを通じてそのIDを送信し、そのタグIDがプロセッサによって受信されることによりデータが記憶された後に、情報がデータ構造体内に記憶されてもよい。代替的または追加的に、情報はプロセッサによってアクセス可能なデータ構造体内にのみ記憶されてもよく、タグIDの送信が、その送信の状況に関する関連付けられた情報、その送信を受信するデバイスの特性、識別情報、および意図と共に通信チャネルを通じて受信されるときにはいつでもどこでも、プロセッサに、その情報を更新、維持、および他の方法で処理させる。例えば、図20は識別タグ1100を含む。タグ1100が関連付けられた製品がEASゲートによって監視されているエリアから取り出されると、ゲートは、タグがそのIDを信号12200としてリーダ11300hに送出するようにタグをトリガしてもよい。そしてリーダ11300hは、ネットワーク20002を介してプロセッサ20004にその事象を転送してもよく、プロセッサ20004は、出口と関連付けられているものとしてリーダ11300hを認識する。そしてプロセッサは、タグ1100に関連付けられた製品が特定の時刻に出口を通過したとの指示をメモリまたはデータ構造体20006に記憶させてもよい。これにより次にプロセッサ20004は、在庫目録からタグ1100に関連付けられた製品を取り出してもよい。
【0422】
いくつかの実施形態では、複数のタグのそれぞれに関連付けられた情報は、各タグIDに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストを含んでもよい。リストは、情報を表現する一連の単語または数字を含んでもよい。例えば、リストは、タグIDに関連付けられた権限付与されたエンティティを表現する情報を含んでもよい。権限付与されたエンティティは、製品の所有者またはコンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションに関連付けられた人、またはスマートフォンもしくはラップトップなどのデバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの権限付与されたエンティティは、コンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションのうちの少なくとも1つである。コンピューティングデバイスは、携帯電話、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、ビデオゲームコンソール、スマートフォン、タブレット、スマートテレビ、デジタルオーディオプレーヤ、自動車通信システム、プリンタ、および計算を実行することが可能な他のデバイスを含んでもよい。コンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションは、個人用、教育用、または事業用などの機能を実行するユーザによる対話のために設計されたプログラムまたはプログラムのグループを含んでもよい。コンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションは、タグIDに関連付けられた権限付与されたエンティティであってもよい。権限付与されると、そのエンティティにはタグに関連付けられたアクセスまたは権利が提供されてもよい。例えば、権限付与されたエンティティは、データの検索を実行することができてもよく、またはタグに関連付けられたデータを変更することができてもよい。いくつかの実例では、単一のコンピューティングデバイス上の複数のアプリケーションが、権限付与されたエンティティであってもなくてもよい。例えば、小売店舗は、店舗内の店員がスマートフォンまたはタブレットなどの店員の私的デバイス上に、スタッフ用に予約された独自アプリケーションをインストールすることを許可してもよい。このような場合、スタッフアプリケーションは、小売店舗内でタグに関する情報にアクセスすることが許可された権限付与されたエンティティのリストに含まれてもよいが、同じデバイス上にインストールされた他の個人用アプリケーション(例えばカレンダーアプリケーション、メールアプリケーション、または同じ小売店の消費者向けアプリケーションでさえ)は、権限付与されたエンティティのリストに含まれなくてもよい。
【0423】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの権限付与されたエンティティは、製品IDに対応する製品の現在の所有者、製品の販売者、製品の製造者、または製品のユーザのうちの少なくとも1つに関連付けられる。製品の販売者は、販売のために製品を提供する人もしくはエンティティ、または人もしくはエンティティの従業員または権限付与された代理人を含んでもよい。製品の製造者は、製品を作成、構築、製作、組立て、設計、または他の方法で生産する任意の人またはエンティティを含んでもよい。製品のユーザは、実際のもしくは潜在的な顧客もしくは製品の購入者、または使用のために製品を賃借、リースまたは他の方法で借用(無料または有料で)するエンティティを含んでもよい。ユーザはまた、製品を使用することを所有者によって許可された権限付与されたエンティティであってもよい。
【0424】
開示される実施形態は、少なくとも1つの特定のタグIDと、少なくとも1つの特定のタグIDに関連付けられた少なくとも1つの権限付与されたエンティティとの間のペアリングを受信することを含んでもよい。例えば、各タグIDは、少なくとも1つの権限付与されたエンティティとペアリングされてもよい。このペアリングは、システムによって受信され、システムに関連付けられたメモリに記憶されてもよい。ペアリングという用語が上記でどのように定義されたかと同様に、特定のタグIDと少なくとも1つの権限付与されたエンティティとのペアリングは、関連付けを示す指示が提供されるときに、受信されたとみなされてもよい。例えば、タグの新たな所有者を識別するデータがプロセッサで受信されるときに、関連付けが受信されたと称されてもよい。または、例えば、新たなタグが所有者に関連付けられ、所有者の既存の許可リストが新たなタグに関連付けられるときに、関連付けが受信されたと称されてもよい。
【0425】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、各タグに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストを記憶しアクセスするように構成されてもよい。リストを記憶することは、許可または権限が提供された1つまたは複数のエンティティについての識別情報をメモリまたはデータ構造体に書き込むことを含んでもよい。または、リストを記憶することは、既存のリストを新たなタグと連係させることを含んでもよい。記憶されると、アクセスすることは、タグに関連付けられた情報を検索し、読み出し、情報に追加し、情報を改変し、削除し、または共有する能力を指す。例えば、図20において、プロセッサ20004は、特定のタグまたはタグのカテゴリ(例えば、所有者xによって所有されるすべてのタグ、または所有者xによって所有される製品のサブグループ)についての権限リストを、データ構造体20006に記憶させてもよい。デバイス20008がリスト上にある場合、デバイス20008は、ネットワーク20002を介してデータ構造体20006内のタグに関するデータにアクセスすることができてもよい。例えば、インタフェース20010を使用して、権限付与されたユーザは、ネットワーク20002を介して、権限が提供されたタグに関する情報を読み出し、改変、追加、削除、または共有してもよい。
【0426】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、特定のタグの権限付与されたエンティティのリストを修正するためのクエリを受信し、クエリが特定のタグの権限付与されたエンティティから受信された場合、リストの要求された修正を実行するように構成されてもよい。クエリは、タグIDまたは製品IDに関連付けられたデータまたは情報に対する任意の要求を含んでもよい。クエリは、リスト上の項目または情報を読み出し、改変、追加、修正、削除、または共有する任意の要求をさらに含んでもよい。例えば、クエリは、権限付与されたエンティティのリストを改変すること、リストに追加すること、またはリストからエンティティを削除することによって、特定のタグに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストを修正する要求を含んでもよい。有利には、権限付与されたエンティティのみがリスト上の項目または情報を読み出し、改変、追加、修正、削除、または共有してもよい。したがって、プロセッサは、特定のタグに関連付けられた権限付与されたエンティティからクエリが受信された場合、修正のみを実行する。
【0427】
例えば、図20はデバイス20008を図示している。デバイス20008は、データ構造体20006に記憶された識別タグ1100の権限付与されたエンティティのリストを修正するためのクエリを提出してもよい。プロセッサ20004は、特定のタグIDとペアリングされた権限付与されたエンティティのリストにアクセスすることによって、デバイス20008が権限付与されたエンティティであるかどうかを判定してもよい。デバイス20008が権限付与されたエンティティである場合、プロセッサ20004は、データ構造体20006に記憶された識別タグ1100の権限付与されたエンティティのリストを修正してもよい。
【0428】
いくつかの実施形態では、特定のタグIDの権限付与されたエンティティのリストが修正されると、少なくとも1つのプロセッサは、その特定のタグIDに関連付けられたタグを制御して、そのタグによって送信される信号の少なくとも1つのパラメータを変更するように構成される。いくつかの実施形態では、特定のタグの少なくとも1つの信号送信パラメータは、タグによって送信される信号の繰返し周期、タグによって送信される2つの連続する信号間の時間間隔、データ暗号化メカニズム、暗号鍵、信号送信電力、パケット形式、またはタグからの送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つを含んでもよい。ワイヤレス識別タグは、10分ごとなどの最小繰返し周期内で送信するように構成されてもよい。本明細書で使用される繰返し周期の意味は、本明細書内の他の場所で詳細に説明される。
【0429】
本開示によれば、暗号化アルゴリズムは、暗号鍵の使用法に関して対称アルゴリズムおよび非対称アルゴリズムの2つのクラスに分類することができる。対称アルゴリズムは、暗号化および復号の両方について同じ暗号鍵を使用する。非対称アルゴリズムは、暗号化のために使用される1つの鍵と、同じメッセージの復号のために使用される異なる鍵とを有する。対称暗号化アルゴリズムの一般的な種類にはAES、3DES、Blowfish、X-TEAなどがある。非対称暗号化アルゴリズムの一般的な種類はRSAおよびECCなどである。対称アルゴリズムに比べて非対称アルゴリズムの利点は、復号のために使用される鍵(「秘密鍵」と呼ばれる)へのアクセス権を有する当事者のみが暗号化されたデータを解読することができるため、データを暗号化するために使用される鍵(「公開鍵」と呼ばれる)を秘密に維持する必要がないことである。これにより、秘密に保つことを必要とすることなく当事者間で自由に公開鍵を共有することが可能となるため、セキュアな鍵配布のロジスティクスが大幅に簡略化される。
【0430】
送信機が送信する電力レベルは、送信機がアクティブに送信している間における送信機の出力直後の電力の測定値であってもよい。送信機は、ある特定の入力に応答して送信機が2つ以上の異なる電力レベルのうちの1つで信号を送信することができるような、構成可能な電力レベルを有するように設計されてもよい。
【0431】
データコンテンツは、ワイヤレスタグに関連付けられた一意の識別子、ワイヤレスタグの状態、ワイヤレスタグの場所、ワイヤレスタグの電力レベル、価格情報、所有権情報、スタイル設定情報、送信を開始したトリガに関するデータ、または信号によって伝達される任意の情報を含んでもよい。
【0432】
例えば、プロセッサが権限付与されたエンティティのリストに変更を行うときに、プロセッサはまた、タグが送信する信号を変更するようにタグに命令してもよい。図20を参照すると、プロセッサ20004がデータ構造体20006内の権限付与されたエンティティのリストを修正するときに、プロセッサ20004はまた、識別タグ1100によって送信される信号12200を変更する信号(図示せず)を識別タグ1100に送信してもよい。識別タグは少なくとも、タグによって送信される信号の繰返し周期、タグによって送信される2つの連続する信号間の時間間隔、データ暗号化メカニズム、暗号鍵、信号送信電力、パケット形式、またはタグからの送信のデータコンテンツを変更してもよい。変更は暗号化を含んでもよい。例えば、タグに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストからエンティティが削除された場合、タグが情報を暗号化する方法が変更されて、権限付与されていないエンティティがタグから情報を読み取ることができないようにしてもよい。
【0433】
開示される実施形態は、複数のタグのタグIDおよび各タグIDと少なくとも1つの所有者IDとの間のペアリングを記憶することを含んでもよい。前に説明したように、タグIDと所有者IDとの間のペアリングは、それら2つの間の関係を含んでもよい。前述したように、記憶することは、2つのデータの間のリンクまたは任意の他の結合をデータ構造体またはメモリに書き込むことを含んでもよい。関係は、特定のタグIDと所有者IDとの間の1対1関係であってもよい。いくつかの実施形態では、単一の所有者IDが1つのタグIDとペアリングされてもよい。他の実施形態では、単一の所有者IDが複数のタグIDとペアリングされてもよい。例えば、小売店に関連付けられた所有者IDは、衣料品などの商品に関連付けられた複数のタグIDとペアリングされてもよい。例えば、図20に示すように、プロセッサ20004は、識別タグ1100に関連付けられたタグIDと所有者IDとの間のペアリングを記憶してもよい。プロセッサ20004は、データ構造体20006内にペアリング情報を記憶してもよい。
【0434】
開示される実施形態は、各所有者IDに対して、所有者IDと、所有者IDに関連付けられた1つまたは複数のタグのデータを受信することが可能な少なくとも1つの権限付与されたエンティティとの間のペアリングを受信することを含んでもよい。前に説明したように、所有者IDと少なくとも1つの権限付与されたエンティティとの間に連係を形成することにより、所有者は、タグ関連データにアクセスすることを複数のデバイスまたは人に許可することが可能とされてもよい。
【0435】
開示される実施形態は、複数のタグのうちの特定のタグに関連する情報に対するクエリを要求元から受信することをさらに含んでもよい。要求元は、データ構造体から情報を取得しようとする任意の人、デバイス、プログラム、またはアプリケーションを含んでもよい。要求は、インタフェースを介して、または出荷前設定されたプロセスを通じて到来してもよい。要求元は、要求元がデータ構造体内に記憶された情報にアクセスする許可を有する権限付与されたエンティティであるかどうかを判定するために、ログイン、証明書、または識別などの何らかの形態の認証情報を提供することが要求されてもよい。このような許可は、データ構造体全体へのアクセスを許可するための一般許可、オブジェクトの特定のクラスもしくはグループに関連付けられたデータにアクセスするための分類許可、または特定のタグに関連付けられたデータにアクセスするための特定許可であってもよい。特定のタグに関連付けられたデータの一部がより高いレベルの許可を有するエンティティにのみ制限されてもよく、一方でより低いレベルの許可を有するエンティティが他のデータにアクセスすることが可能であってもよい。システムは、あらゆる記憶された情報に対して特定許可を承認/要求してもよい。要求がインタフェースと対話する人間を伴う場合、要求元はコンピューティングデバイスを用いて特定のタグをスキャンすることによって、特定のタグに関連する情報に対するクエリを生成してもよい。例えば、スキャンが生起したときに、要求元に関連付けられたIDがサーバに(例えば、ネットワークインフラストラクチャを介して、またはユーザによって制御されたデバイス内の受信機/送信機を介して)送信されてもよい。その場合、サーバが情報の検索を実行し、その情報を要求元に送信することができる。
【0436】
例えば、図20において、ユーザは、タグ1100をスキャンすることによってデバイス20008を介してクエリを作成してもよい。そしてクエリは、ネットワーク20002を介してプロセッサ20004に送信されてもよい。そしてプロセッサ20004は検索を実行し、データ構造体20006内の特定のタグ1100に関連する情報を探し出してもよい。特定のタグ1100に関連する情報は、コンピューティングデバイス20008上のグラフィカルユーザインタフェース20100を使用して、ネットワーク20002を介してユーザに対して表示されてもよい。
【0437】
開示される実施形態は、特定のタグに関連付けられた少なくとも1つの所有者IDを検索することを含んでもよい。特定のタグに関連付けられた少なくとも1つの所有者IDを検索することは、タグIDと所有者IDとの間の記憶されたペアリング情報にアクセスすることを含んでもよい。システムは、特定のタグに関連付けられたタグIDを、記憶されたタグIDと照合してもよい。特定のタグ情報の場所が特定されるとき、ペアリング情報は、特定のタグに関連付けられた所有者IDを含んでもよい。例えば、図20において、プロセッサ20004は、リーダ11300aおよびネットワーク20002を介して識別タグ1100から(または前に言及したようにコンピューティングデバイス20008から)タグIDを受信してもよい。そしてプロセッサ20004は、ネットワーク20002を介してデータ構造体20006にアクセスし、特定のタグIDおよびタグIDとペアリングされた所有者IDを示すペアリング情報を探索してもよい。
【0438】
開示される実施形態は、製品ID、少なくとも1つの特定のタグIDに関連付けられた情報、製品IDに関連付けられた情報、または少なくとも1つの権限付与されたエンティティのうちの少なくとも1つを識別するためのクエリを要求元から受信することを含んでもよく、クエリは特定のタグの暗号化されたタグIDを含む。例えば、要求元によって生成されるクエリは、製品ID、特定のタグIDに関連付けられた情報、製品IDに関連付けられた情報、またはタグIDとペアリングされた権限付与されたエンティティ(複数可)の識別情報を受信する要求を含んでもよい。要求またはクエリは、特定のタグの暗号化されたタグIDを含んでもよい。
【0439】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、各タグIDの少なくとも1つの暗号鍵にアクセスするように構成されてもよい。例えば、各タグIDの暗号鍵は、タグ自体に記憶されてもよく、またはデバイスがデータ構造体内で検索を実行するプロセッサに識別情報を送信した後にデータ構造体から取得されてもよい。図20を参照すると、各識別タグ1100に関連付けられた暗号鍵は、個別の識別タグ1120に、およびデータ構造体20006内に記憶されてもよい。プロセッサ20004は、ネットワーク20002を介してデータ構造体20006内に記憶された暗号鍵にアクセスしてもよい。
【0440】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、特定のタグに関連付けられた少なくとも1つの暗号鍵にアクセスするようにさらに構成されてもよい。例えば、特定のタグの暗号鍵は、特定のタグ自体に記憶されてもよく、および/または、デバイスがデータ構造体内で検索を実行するプロセッサに識別情報を送信した後にデータ構造体から取得されてもよい。図20を参照すると、特定の識別タグ1100に関連付けられた暗号鍵は、特定の識別タグ1120に、またはデータ構造体20006内に記憶されてもよい。プロセッサ20004は、ネットワーク20002を介してデータ構造体20006内に記憶された暗号鍵にアクセスしてもよい。
【0441】
いくつかの実施形態では、タグIDが少なくとも1つの暗号鍵に従って暗号化されるときに、特定のタグはそのタグIDを送信するように構成されてもよく、その場合に少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの暗号鍵を受信し、特定のタグによって送信されたタグIDを少なくとも1つの暗号鍵で復号するように構成される。例えば、タグIDが暗号鍵に従って暗号化されるとき、タグは暗号化されたタグIDをプロセッサに送信してもよい。プロセッサは、暗号化されたタグIDを暗号鍵で復号することができてもよい。図20を参照すると、特定の識別タグ1100に関連付けられた暗号鍵が、特定の識別タグ1120に、および/またはデータ構造体20006内に記憶されてもよい。プロセッサ20004は、ネットワーク20002を介してデータ構造体20006内に記憶された暗号鍵にアクセスし、暗号鍵を使用して暗号化されたタグIDを復号してもよい。
【0442】
開示される実施形態はまた、暗号化されたタグIDを復号し、それにより特定のタグの復号されたタグIDを検索することを含んでもよい。復号は、暗号化されたメッセージまたは情報を復号するプロセスを含んでもよい。復号プロセスは、暗号鍵の使用を含んでもよく、暗号鍵は、暗号化されたメッセージの送信前の時点でメッセージの送信機と目的の受け手との間で共有される1つのデータであってもよい。暗号鍵の使用は、鍵が一意であり秘密に保たれる限り、メッセージの秘匿性を依然として維持しながら、複数の当事者が共通の暗号プロセスを使用することを可能にしてもよい。メッセージは、送信側および受信側の両者によって合意されたプロトコルに従って送信される場合に、受信側によって解読可能または読み取り可能とみなされる。暗号化されたメッセージの場合、受信側もまた、暗号鍵を含めて、使用される暗号化のタイプの詳細を所持する場合に、メッセージは解読可能または読み取り可能であってもよい。例えば、プロセッサは、暗号化されたタグIDを含むクエリを受信してもよい。プロセッサは、記憶されたタグIDにアクセスし、メモリまたはシステムに関連付けられたデータ構造体内の特定のタグIDを探し出すために、暗号化されたタグIDを復号してもよい。
【0443】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、暗号化アルゴリズムおよび少なくとも1つの暗号鍵を使用して、要求元からのクエリで受信された暗号化されたタグIDを復号するようにさらに構成されてもよい。アルゴリズムは、復号目的で適用され得る任意のプロセスまたはルールのセットであってもよい。アルゴリズムはプロセッサによってアクセスされてもよい。例えば、図20において、特定の識別タグ1100に関連付けられた暗号鍵は、特定の識別タグ1120に、またはデータ構造体20006内に記憶されてもよい。プロセッサ20004は、ネットワーク20002を介してデータ構造体20006内に記憶された暗号鍵にアクセスし、暗号鍵を使用して、暗号化されたタグIDを復号してもよい。そしてプロセッサ20004は、ネットワーク20002を介して、データ構造体20006内に記憶されている可能性のある復号されたタグIDおよび関連する情報を検索してもよい。
【0444】
いくつかの実施形態では、要求元から受信された暗号化されたタグIDは、特定のタグに関連付けられた少なくとも1つの暗号鍵で暗号化されてもよく、その場合に少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの暗号化アルゴリズムおよび少なくとも1つの暗号鍵を取得し、少なくとも1つの暗号化アルゴリズムおよび少なくとも1つの暗号鍵を使用して、暗号化されたタグIDを復号するように構成される。例えば、プロセッサは要求元からクエリを受信してもよい。クエリは、特定のタグに関連付けられた暗号鍵で暗号化されたタグIDを含んでもよい。プロセッサは、タグ上に、プロセッサに関連付けられた内部メモリ内に、またはシステムに関連付けられたメモリもしくはデータ構造体内に記憶された暗号化アルゴリズムをさらに取得してもよい。プロセッサは、システムから取得された暗号鍵および取得された暗号化アルゴリズムを使用して、暗号化されたタグIDを復号してもよい。
【0445】
図20を参照すると、プロセッサ20004は、ネットワーク20002を介してデバイス20008からクエリを受信してもよい。クエリは、識別タグ1100に特有の暗号鍵で暗号化された、識別タグ1100に関連付けられたタグIDを含んでもよい。プロセッサ20004は、データ構造体20006から暗号化アルゴリズムおよび暗号鍵を取得し、暗号化アルゴリズムおよび暗号鍵を使用して、識別タグ1100に関連付けられたタグIDを復号してもよい。
【0446】
開示される実施形態は、特定のタグの所有者IDにおける第1の所有者IDから第2のIDへの少なくとも1つの変更を受信すること、および/または特定のタグに関連付けられた更新済みの所有者IDを受信することをさらに含んでもよい。所有者IDにおける変更または更新済みの所有者IDは、新たな所有者がタグに関連付けられること、またはタグに以前に関連付けられた既存の所有者に関する新たな情報があることを示す任意の情報を含んでもよい。このような変更は、ネットワークインタフェースを介して受信されてもよい。例えば、店頭で、または電子ショッピングカートを通じて購入が行われるときに、新たな所有者の識別情報がタグに関連付けられてもよく、新たな所有者のIDがデータ構造体内に記憶されてもよい。例えば、システムに関連付けられたプロセッサは、タグの所有権における変更を受信してもよい。要求は、新たな所有者IDを指示されたタグに関連付ける命令と共に、現在の所有者IDおよび新たな所有者IDを含んでもよい。
【0447】
開示される実施形態は、所有者IDにおける少なくとも1つの変更に応答して、特定のタグの暗号鍵を第2の所有者IDに関連付けられた更新済みの暗号化鍵に相応に変更することをさらに含んでもよい。新たな所有者がタグに割り当てられると、前の所有者がタグにアクセスする権利は制限または削除されてもよい。前の所有者がタグに関する情報にアクセスすることを防止する1つの方法は、タグによって使用された暗号化方法または鍵を変更し、新たな暗号化を前の所有者と共有しないことである。例えば、システムに関連付けられたプロセッサがタグの所有者IDにおける変更を受信した場合、プロセッサは、識別されたタグに関連付けられた暗号鍵を新たな所有者IDに関連付けられた暗号鍵に変更してもよい。プロセッサは、新たな所有者IDに関連付けられた暗号鍵を使用してタグIDをさらに暗号化し、任意の後続の送信のために新たな暗号鍵を使用するようにタグにさらに命令してもよい。
【0448】
開示される実施形態は、少なくとも1つの特定のタグIDに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストから第1の所有者ID(または前の所有者ID)を削除することをさらに含んでもよい。所有権が変更されるとき、タグデータにアクセスする許可も変更されてもよい。これは、所有権変更に関連する情報を受信し、識別されたタグIDに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストから前の所有者ID(および前の所有者IDに関連付けられた任意のエンティティ)を削除するプロセッサを介して行われてもよい。削除は、削除のために特定の要求が行われるときに行われてもよく、または削除はシステム内に実装されたプロセスを介して自動的に行われてもよい。
【0449】
図20を参照すると、タグの所有権が変更されたとの指示を提供する情報をプロセッサ20004が受信したときに、プロセッサ20004は識別タグ1100の所有権情報を更新してもよい。指示は、ネットワーク20002を介してデバイス20008を通じて提供されてもよい。そしてプロセッサ20002は、識別タグ1100に関連付けられた暗号鍵を、デバイス20008によって指示された新たな所有者IDに関連付けられた暗号鍵に更新してもよい。追加的に、プロセッサ20002は、特定の識別タグ1100に関連付けられたデータ構造体20006内に記憶された権限付与されたエンティティのリストから第1の所有者ID(および前の所有者IDに関連付けられた任意のエンティティ)を削除してもよい。
【0450】
開示される実施形態は、要求元が特定のタグの復号されたタグIDまたは特定のタグに関連付けられた少なくとも1つの所有者IDに関連付けられた少なくとも1つの権限付与されたエンティティであるかどうかを判定することを含んでもよい。タグ情報へのアクセスに対する要求が行われるとき、情報が提供される前に、プロセッサは、権限付与されたエンティティのIDを含むリストに対して要求元のIDを照合してもよい。照合により要求元が権限付与されていると判定された場合にのみ、プロセッサは要求が進行することを可能にしてもよい。例えば、システムに関連付けられたプロセッサがタグIDに関連付けられた情報へのアクセスまたは修正のためのクエリを要求元から受信したとき、プロセッサは、要求元が特定のタグに関連付けられた権限付与されたエンティティであり、したがって要求された情報へのアクセスまたは修正が許容されるかどうかを判定してもよい。プロセッサは、識別されたタグに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストを見つけるために、復号されたタグIDを検索してもよい。
【0451】
図20を参照すると、プロセッサ20004がデバイス20008からクエリを受信すると、プロセッサ20004は、要求元が特定の識別タグ1100に関連付けられた権限付与されたエンティティであるかどうかを判定するために、ネットワーク20002を介してデータ構造体20006にアクセスし、特定のタグIDと1つまたは複数の権限付与されたエンティティとの間のペアリングを探し出してもよい。
【0452】
開示される実施形態は、要求元が少なくとも1つの権限付与されたエンティティである場合にクエリを履行すること、および/または特定のタグに関連する要求された情報にアクセスすることを要求元に許可することを含んでもよい。例えば、システムに関連付けられたプロセッサが要求元はタグに関連付けられた権限付与されたエンティティであると判定した場合、プロセッサは、例えば、要求されたデータを提供することまたはデータが変更されることを許可することによって、クエリが進行することを可能にしてもよい。例えば、クエリを履行することは、記憶された情報から要求された情報を取得し、取得された情報で要求元に応答することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、クエリを履行することは、少なくとも1つのデータ構造体から、要求された情報を取得することを含んでもよく、要求された情報は、少なくとも1つの特定のタグIDに関連付けられた記憶された情報または製品IDに関連付けられた記憶された情報のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、クエリを履行することは、要求された情報を要求元に出力することを含んでもよい。
【0453】
開示される実施形態は、要求元が少なくとも1つの権限付与されたエンティティでない場合にクエリを拒否することを含んでもよい。例えば、システムに関連付けられたプロセッサが要求元はタグに関連付けられた権限付与されたエンティティでないと判定した場合、プロセッサはクエリを拒否してもよい。クエリを拒否することは、要求された情報を提供しないこと、または修正もしくは更新されるべき記憶されたデータを提供しないことなど、アクションをとらないことを含んでもよい。いくつかの実施形態では、クエリを拒否することは、要求元がクエリによって指定された情報にアクセスする権限を付与されていないとの通知を出力することを含んでもよい。
【0454】
図20を参照すると、プロセッサ20004がデバイス20008からクエリを受信すると、プロセッサ20004は、デバイス20008が特定の識別タグ1100に関連付けられた権限付与されたエンティティであるかどうかを判定する。デバイス20008が権限付与されたエンティティでない場合、プロセッサ20004はクエリを拒否し、デバイス20008上のグラフィカルユーザインタフェース20100にメッセージを表示することによって、要求元が要求された情報を受信し、または特定の識別タグ1100に関連付けられた情報の要求された修正を実行する権限を付与されていないことを要求元に通知してもよい。
【0455】
前に説明したように、複数のタグは周囲エネルギーをワイヤレス受信して貯蔵するように、および貯蔵された周囲エネルギーを使用して信号の送信に電力供給するように構成されてもよい。
【0456】
本開示の実施形態は、さまざまな識別情報を有するワイヤレス識別タグのための方法、システム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体に関してもよい。いくつかの実施形態によれば、ワイヤレスタグの識別情報はさまざまであってもよい。例えば、ワイヤレスタグは、2つ以上の識別子を送信してもよく、または2つ以上の異なる形態で同じ識別情報を送信してもよい。タグIDは、ワイヤレスタグを識別する情報を含んでもよい。タグIDは、タグIDを受信する他のデバイスまたはデバイス構成要素に対してワイヤレスタグを識別し得る数字、文字、キャラクタ、コード、文字列、または他の形態のデータを含んでもよい。タグIDは、特定のタグに一意であってもよく、その特定のタグはただ1つのタグIDを有してもよい。代替的に、同じタグが複数のIDを有してもよい。いくつかの実施形態では、複数のタグが同じタグIDまたはIDのグループを共有してもよい。タグIDの例は、シリアル番号、部品番号、UUID、EPC、および/または他のデータを含んでもよい。
【0457】
上述したように、ワイヤレスタグは少なくとも1つの回路を含んでもよい。例として、図9に示すように、トップレベルコントローラ9020が、単独で、または他の構成要素との組合せで、少なくとも1つの回路の例であってもよい。代替的に、特定の設計機能に応じて、他の構成要素が、単独で、または組合せで、少なくとも1つの回路を構成してもよい。
【0458】
さまざまな実施形態では、少なくとも1つの回路は、第1の時刻に第1のトリガを受信するように構成されてもよい。トリガは、反応を誘導するための入力、刺激、および他の信号であってもよい。電気および電子回路との関係では、トリガの例は、受信される外部信号または内部信号を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、受信される外部信号はトリガが少なくとも1つの回路に送信されることを引き起こしてもよい。内部的に誘導されるか、または外部的に誘導されるかを問わず、トリガは、例えば、電圧レベル、電圧レベル変化、電流レベル、電流レベル変化、周波数、受信信号の振幅もしくは位相変化、デジタル入力、デジタルパルス、制御ワード、および/またはさまざまな形態のエネルギーにおける任意の他の信号を含んでもよい。
【0459】
さまざまな実施形態では、少なくとも1つの回路は、第1のトリガに応答して、タグを一意に識別する第1の解読可能IDを疑似ランダム方式で生成してもよい。解読可能IDは、デコード、スクランブル解除または復号されることが可能な符号化、スクランブル化、または暗号化されたデータであってもよい。解読可能IDは、どの2つのエンティティも同じ解読可能IDに関連付けられないように、エンティティ(例えば、タグまたはそのタグID)に単独で関連付けられてもよい。そして解読可能IDは、タグIDが符号化、スクランブル化、または暗号化された後にタグIDを表現してもよい。
【0460】
解読可能IDは疑似ランダム方式で生成されてもよい。例えば、少なくとも1つの回路は、固定入力およびランダム入力の組合せを使用した決定論的プロセスで解読可能IDを生成してもよい。解読可能IDは、ランダム性の少なくとも一部の統計的尺度に適合する場合に疑似ランダム(この用語が本明細書で使用される場合に)とみなされてもよい。これは、例えば、固定された数字または既知の結果のランダム性、疑似ランダム性、非完全可約ランダム性、マルチンゲールランダム性、または実ランダム性を含んでもよい。ランダム性は、例えば、自己相関条件、正規分布、周波数コンテンツ、および他の類似のノイズ特性などのランダムノイズにおいて示されてもよい。解読可能IDの疑似ランダム特性は、疑似ランダム生成プロセスの知識を有する当事者が、基礎となる入力にアクセスする(すなわち、IDを解読する)ことを可能にする一方、他の当事者がランダムな数字またはキャラクタの文字列から解読可能IDを識別することを防止してもよい。
【0461】
さまざまな実施形態では、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機に第1の解読可能IDを送信させてもよい。例として、図9に示すように、トップレベルコントローラ9020は、疑似ランダム方式で第1の解読可能IDを生成するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施形態では、トップレベルコントローラ9020は、メモリ9022に記憶されたコンピュータ可読命令によってプログラムされてもよい。トップレベルコントローラ9020からビーコンコントローラ9030に提供される送信データは、第1の解読可能IDを含んでもよい。送信機2104は、ビーコンコントローラ9030によって命令されるように第1の解読可能IDを送信してもよい。
【0462】
さまざまな実施形態では、少なくとも1つの回路は、第1の時刻の後の第2の時刻に第2のトリガを受信してもよく、第2のトリガに応答して、第1の解読可能IDとは異なる、タグを一意に識別する第2の解読可能IDを疑似ランダム方式で生成してもよく、少なくとも1つの送信機に第2の解読可能IDを送信させてもよい。少なくとも1つの回路は、複数のトリガを受信してもよい。例えば、少なくとも1つの回路は、第1のトリガを受信し、その後に第2のトリガを受信してもよい。いくつかの実施形態では、第2のトリガは第1のトリガと同一であってもよい。代替的に、第2のトリガは、大きさ、位相、持続時間、周波数、および/または内部に含まれる情報などの1つまたは複数の態様で第1のトリガと異なってもよい。いくつかの実施形態では、タグIDは、第1の解読可能ID、第2の解読可能ID、またはその両方の一部として送信されてもよい。
【0463】
前述したように、疑似ランダムな数字または文字列は、固定入力およびランダム入力を用いた決定論的プロセスによって生成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の解読可能IDは、第1の解読可能IDを生成するために使用されるものとは異なるプロセスまたは異なる入力のセットを使用することによって生成されてもよい。図9に示す例によれば、メモリ9022は疑似ランダム文字列を生成するための複数のアルゴリズムを含んでもよく、トップレベルコントローラ9020は、異なるアルゴリズムを使用することによって、第1の解読可能IDとは別様に第2の解読可能IDを生成するようにプログラムされてもよい。代替的に、または追加的に、トップレベルコントローラ9020は、第1の解読可能IDおよび第2の解読可能IDの両方を生成するために同じ固定入力のセットを使用するように構成されてもよいが、第1の解読可能IDを生成するときにはランダム入力の第1のセットを使用し、第2の解読可能IDを生成するときには第1のセットとは異なるランダム入力の第2のセットを使用してもよい。いくつかの実施形態では、トップレベルコントローラ9020は、前に生成した解読可能IDとは異なる解読可能IDを生成するように構成されてもよい。
【0464】
タグIDが送信するたびに新たな解読可能IDを生成することはプライバシーを向上させる。たとえ第三者が解読可能IDを解読することができなくても、解読可能IDが不変のままであれば、第三者は未解読のIDを特定のワイヤレスタグに依然として「マッピング」する可能性がある。例えば、ワイヤレスタグが同じ読み取り不能なコードを矛盾なく送信すれば、読み取り不能なコードを使用してワイヤレスタグを依然として追跡することができる可能性がある。
【0465】
いくつかの実施形態によれば、第1の解読可能IDまたは第2の解読可能IDのうちの少なくとも1つが暗号化されてもよい。暗号化は、権限付与された当事者が符号化されたメッセージまたは情報にアクセスすることを可能にしながら、権限付与されていない当事者にアクセスを拒否するような方法で、メッセージまたは情報を符号化するプロセスであってもよい。例えば、たとえ符号化されたメッセージまたは情報が何らかの権限付与されていない当事者によって取得されたとしても、暗号化は、権限付与されていない当事者が復号プロセスの知識なしには符号化されたメッセージまたは情報を読み取ることを阻止し得る。いくつかの実施形態では、暗号化のプロセスまたはアルゴリズムは、暗号鍵の使用を含んでもよく、暗号鍵は、通常は送信前の時刻に、メッセージまたは情報の送信者と目的の受け手との間で共有される1つのデータであってもよい。暗号鍵が秘密かつ一意のままである限り、暗号化されたメッセージまたは情報の秘匿性を依然として維持しながら、複数の当事者が共通の暗号化プロセスを使用し得る。
【0466】
メッセージまたは情報は、送信者および受信者の両方によって合意されたプロトコルで送信される場合に「解読可能」または「読み取り可能」とみなしてもよい。暗号化されたメッセージまたは情報について、受信者が暗号鍵を含む暗号化のプロセスまたはアルゴリズムに関する詳細を有する場合に、暗号化されたメッセージまたは情報は解読可能とみなしてもよい。第1の解読可能IDまたは第2の解読可能IDは、対称または非対称アルゴリズムによって暗号化されてもよい。対称アルゴリズムは、暗号化および復号の両方について同じ鍵を使用するのに対して、非対称アルゴリズムは、暗号化のために使用される1つの鍵と、復号のために使用される異なる鍵とを有する。対称暗号化アルゴリズムの例はAES、3DES、Blowfish、およびX-TEAを含んでもよい。非対称暗号化アルゴリズムの例はRSAおよびECCを含んでもよい。
【0467】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの回路は、タグの一意のIDを受信するように構成されてもよい。タグの一意のIDは、シリアル番号、部品番号、UUID、EPC、データベースエントリ、および/またはタグに単独で関連付けられた任意の他の形態のデータを含んでもよい。タグIDは、タグに一意であってもよく、またはいくつかの実施形態では、複数のタグによって共有されてもよい。
【0468】
少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの暗号化アルゴリズムと共に使用するために構成された鍵を受信するように構成されてもよく、鍵および暗号化アルゴリズムを使用してタグの一意のIDを暗号化して、タグの一意のIDおよび鍵を用いる第1の解読可能IDまたは第2の解読可能IDのうちの少なくとも1つを生成してもよい。いくつかの実施形態では、暗号化アルゴリズムは、第1の解読可能IDまたは第2の解読可能IDが生成される疑似ランダムなプロセスであってもよい。例えば、第1の解読可能IDまたは第2の解読可能IDは、タグの一意のIDを含む暗号化されたメッセージであってもよい。
【0469】
いくつかの実施形態では、タグは、タグの一意のIDまたは鍵のうちの少なくとも1つを記憶するためのメモリを含んでもよい。例として、図10に示すように、タグID ROM10010および鍵ROM10012は、それぞれタグの一意のIDおよび鍵を記憶するためのメモリの例であってもよい。トップレベルコントローラ9020(例えば、少なくとも1つの回路)は、タグID ROM10010および鍵ROM10012からタグの一意のIDおよび鍵を取得してもよい。
【0470】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、乱数または疑似乱数のうちの少なくとも1つを生成するように構成されてもよい。乱数は、見かけ上パターンもしくは予測可能性がないか、秩序がないか、または理解可能なパターンもしくは組合せに従わないプロセスによって生成される数であってもよい。疑似乱数は、基礎となるプロセスの知識なしに獲得することが困難な予測可能な結果を有するプロセスによって生成される数であってもよい。疑似乱数列は統計的なランダム性を示すが、真にランダムではない。いくつかの実施形態では、トップレベルコントローラ9020は、乱数または疑似乱数を生成するようにプログラムされてもよい。いくつかの他の実施形態では、トップレベルコントローラ9020は、ワイヤレス識別タグの別の回路から乱数および/または疑似乱数を受信するようにプログラムされてもよい。
【0471】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、生成された数字、タグの一意のID、および鍵を使用して、第1の解読可能IDまたは第2の解読可能IDのうちの少なくとも1つを生成するように構成されてもよい。例えば、鍵は、第1または第2の解読可能IDにおいて、タグの一意のIDが生成された数を用いて疑似ランダムな数字/文字列の系列としてマスクされるように、生成された数を使用してタグの一意のIDを暗号化するスクランブル化プロセスを規定してもよい。
【0472】
いくつかの実施形態では、第1のトリガまたは第2のトリガのうちの少なくとも1つは、要求元から受信される、タグを識別する要求であってもよい。要求元は、タグからの応答にタグIDを送信することを望む個人、デバイス、またはシステムであってもよい。いくつかの実施形態では、要求元は、コンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションのうちの少なくとも1つであってもよい。コンピューティングデバイスは、個人用PC、タブレットデバイス、スマートフォン、PDA、デジタルカメラ、家庭用電化製品、コンピュータサーバ、クラウドプラットフォーム、プロセッサ、および入力を処理し出力を生成することが可能な他の機械および電子機器を含んでもよい。
【0473】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、第1のトリガまたは第2のトリガのうちの少なくとも1つに対応する、疑似ランダム方式で生成された解読可能IDを要求元に送信するように構成されてもよい。図11は、衣類小売店舗などの環境で動作するワイヤレス識別タグの1つの例示的実施形態を示している。例えば、エキサイタ11400などの環境エキサイタ、ハンドヘルドデバイス11200などのモバイルデバイス、およびEASゲート1112がすべて、疑似ランダム方式で生成された解読可能IDを送信するための第1のトリガまたは第2のトリガのうちの1つとしてタグ1100によって受信され得るワイヤレス信号を送出してもよい。
【0474】
図12に示すように、エキサイタ11400dは、要求元の一例であってもよい。エキサイタ11400dから発信される信号12100は、第1または第2のトリガのうちの1つを含む要求の例であってもよい。信号12100に応答して、タグ1100は、信号12200をタグ受信機11300eおよび11300fに送信してもよく、信号12200は第1または第2の解読可能IDのうちの1つを含んでもよい。エキサイタ11400dならびにタグ受信機11300eおよび11300fは、小売店舗におけるより大きなインフラストラクチャの一部であってもよい。
【0475】
別の例として、図13に示すように、ハンドヘルドユーザデバイス11200もまた要求元であってもよい。ハンドヘルドユーザデバイス11200から発信される信号13100は、第1または第2のトリガのうちの1つを含む要求の別の例であってもよい。信号13100に応答して、タグ1100は、第1または第2の解読可能IDのうちの1つを含む信号12200を送信してもよい。ハンドヘルドユーザデバイス11200は、携帯電話、PDA、ウェアラブルデバイス、またはデバイスの動作を制御するためのコンピュータプログラム(アプリケーションの例)を有する他のモバイルコンピューティングデバイスであってもよい。
【0476】
さらに別の例として、図14に示すように、EASゲート1112、1114もまた要求元であってもよい。EASゲート1112、1114から発信される信号14100は、第1または第2のトリガのうちの1つを含む要求の異なる例であってもよい。信号14100に応答して、タグ1100は、第1または第2の解読可能IDのうちの1つを含む信号12200を送信してもよい。EASゲート1112、1114は、小売店舗におけるより大きなインフラストラクチャの一部であってもよい。
【0477】
いくつかの実施形態では、タグを識別する要求は、小売店舗環境の外部で行われてもよい。ワイヤレスタグは、購入後の長期間の間、製品に埋め込まれてもよく、その時間中に購入者によるユーザ対話を可能にするように構成されてもよい。商店環境では、ワイヤレスタグは、多数のコンピューティングデバイスがタグIDにアクセスすることを可能にしてもよいが、そのようなアクセスは、購入後に1つまたは少数の権限付与されたデバイスのみのために可能にされてもよい。いくつかの実施形態では、購入後に、ワイヤレスタグの送信は、付近の受信デバイスによって読み取り不能に見えるように暗号化されてもよい。送信を復号しタグIDにアクセスするために、受信デバイスはまず権限を要求してもよい。
【0478】
いくつかの実施形態では、受信デバイスは、インターネットなどのネットワークを通じてクラウドプラットフォームに要求を送信することによって、タグIDにアクセスするために権限付与されてもよい。クラウドプラットフォームは、ワイヤレスタグのID、各タグの登録所有者、および暗号化アルゴリズムに対応する鍵などの各タグに対する暗号化情報を記憶する1つまたは複数のデータベースを含んでもよい。いくつかの実施形態では、タグIDへのアクセスは、タグの送信のそれぞれの復号がクラウドプラットフォームを通過するように制限されてもよい。
【0479】
例として、図26に示すように、製品4000の購入者1104は、ハンドヘルドデバイス11200を使用して、タグ1100のタグIDを要求する信号13100(要求の例)を送信してもよい。タグ1100はそれに応じて信号12200を送信し、信号12200は疑似ランダム方式で生成された解読可能IDを含んでもよい。ハンドヘルドデバイス11200は、信号12200を復号することができないため、復号のためにクラウドプラットフォーム26004にクエリ26012を送信してもよい。クエリ26012は、疑似ランダム方式で生成された解読可能IDのコピーを含んでもよい。クラウドプラットフォーム26004へのアクセスは、パスワード、生体認証、多要素サインイン、または他の認証プロセスなどの識別情報検証を必要としてもよい。クラウドプラットフォーム26004は、識別情報検証が成功したかどうかに基づいてアクセスを承認または拒否してもよい。アクセスが承認された場合、クラウドプラットフォーム26004は、クラウドプラットフォーム26004内に記憶された鍵を使用して、疑似ランダム方式で生成された解読可能IDを復号し、復号結果26014をハンドヘルドデバイス11200に提供してもよい。鍵へのアクセスを制限することにより、タグ1100のタグIDが秘密に保たれてもよく、購入者1104のプライバシーが保護されてもよい。
【0480】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機に、第1の解読可能IDを第1の受信機に送信させ、第2の解読可能IDを第1の受信機とは異なる第2の受信機に送信させるように構成されてもよい。例として、図13に示すように、タグ受信機11300eまたは11300fが第1の受信機として作用してもよい。別の例として、図14に示すように、ハンドヘルドデバイス11200が第2の受信機として作用してもよい。
【0481】
いくつかの実施形態では、ワイヤレスタグは、所定の第1の周波数帯域または所定の第2の周波数帯域のうちの少なくとも1つの中の周波数で送信されるトリガを受信するように構成された少なくとも1つの受信機を含んでもよい。上述したように、第1の周波数帯域は900MHz付近の帯域であってもよく、第2の周波数帯域は2.4GHz付近の帯域であってもよい。
【0482】
例として、図9に示すように、マルチソースハーベスタ2102およびゲート検出回路2106が少なくとも1つの受信機として作用してもよい。マルチソースハーベスタ2102は、スイッチ9034を通じて2.4GHzアンテナ2114に結合され得る2.4GHzハーベスタ9014と、900MHzアンテナ2112に結合され得る900MHzハーベスタ9012と、電力マネージャ9010とを含んでもよい。上記の構成要素のそれぞれは複数の回路から構成されてもよく、したがって回路への言及は単一の構成要素またはその部分に関してもよいということに留意されたい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの受信機が、第1の周波数帯域内の周波数でトリガを受信するか第2の周波数帯域内の周波数でトリガを受信するかを判定するように構成されてもよい。
【0483】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の異なる構成要素が異なる周波数帯域の信号を受信するように構成されてもよく、少なくとも1つの回路は、どの構成要素が信号を受信したかに基づいて、トリガを搬送する信号が第1または第2のいずれの周波数帯域内の周波数にあるかを検出してもよい。図9に示す非限定的な例では、電力マネージャ9010が、2.4GHzハーベスタ9014、900MHzハーベスタ9012、またはその両方から入力を受信し、900MHz検出および2.4GHz検出のうちの1つをトップレベルコントローラ9020に提供してもよい。トップレベルコントローラ9022は、900MHz検出および2.4GHz検出のうちの1つに基づいて、トリガが第1の周波数帯域または第2の周波数帯域のいずれの中の周波数にあるかを判定してもよい。
【0484】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機に、トリガが第1の周波数帯域内の周波数で受信されたときに第1のタグID信号を送信させ、トリガが第2の周波数帯域内の周波数で受信されたときに第2のタグID信号を送信させるように構成されてもよい。第1のタグID信号および第2のタグID信号は、ワイヤレスタグによって送信される信号であってもよい。第1のタグID信号の生成のためのトリガは第1の周波数の第1の到来断定信号を含んでもよく、一方、第2のタグIDの生成のためのトリガは第2の周波数の第2の断定到来信号を含んでもよい。第1および第2の断定信号は、同じ送信機から、または異なる送信機から発信してもよい。それにもかかわらず、異なる周波数入力に基づいて、少なくとも1つの回路は、第1のタグID信号および第2のタグID信号の送信を引き起こしてもよい。第1のタグID信号および第2のタグIDの両方が、第1の解読可能IDおよび第2の解読可能IDのうちの1つを含んでもよい。
【0485】
いくつかの実施形態では、第1のタグID信号は、繰返し周期、2つの連続する応答間の時間間隔、データ暗号化メカニズム、送信電力、または送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つにおいて第2のタグID信号とは異なる。繰返し周期は、2つのアクションまたは応答の間の時間であってもよい。同じイベントの繰り返される発生については、そのようなイベントが入力または出力のいずれかを問わず、平均時間間隔、またはイベントの周期が繰返し周期とみなされてもよい。連続する応答間の時間間隔は、2つの連続する第1のタグID信号間の時間、または2つの連続する第2のタグID信号間の時間であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のタグID信号は、第2のタグID信号とは異なる繰返し周期の長さまたは連続する応答間の時間間隔を有してもよい。例えば、トリガが900MHz周波数帯域内の周波数にある場合、ワイヤレスタグは「インフラストラクチャ励起可能モード」で動作してもよい。インフラストラクチャ励起可能モードでは、ワイヤレスタグは、小売店舗のコンピュータシステムが店舗内でのワイヤレスタグの場所を追跡し、店舗の在庫目録を更新することを可能にするためにタグID信号を送信してもよい。これらの種類の動作は時間に敏感でなくてもよく、タグによるエネルギー使用を最小にするために、タグID信号の送信間のより長い周期を許容する。他方、トリガが2.4GHz周波数帯域内にある場合、ワイヤレスタグは「ユーザ励起可能モード」で動作してもよい。ユーザ励起可能モードでは、ユーザがユーザデバイスを介してトリガを送信し、短時間内の応答を予想してもよい。したがって、ユーザ励起可能モードでは、タグID信号の送信間のより短い時間周期が望ましい場合がある。
【0486】
送信電力は、少なくとも1つの送信機によって送出される電力、またはタグID信号の送信に含まれる電力であってもよい。送信に含まれる電力は、送信のエネルギー密度、大きさ、または振幅によって特徴付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第1のタグID信号は、第2のタグID信号とは異なる送信電力を有してもよい。一般に、ワイヤレス送信の範囲はその電力に関係し、したがってより高い電力での送信はより長い範囲に達することができる。タグID信号は、最小の送信範囲を保証するために、ある特定の送信電力を有するように設定されてもよい。しかし、ある場合には、より短い範囲を有するタグID信号が依然として受容可能であり、いくつかの場合には有利であり得る。例えば、ワイヤレスタグがEASゲートを通過するときに、EASゲートは応答を要求するトリガをワイヤレスタグに送信する。これは「ゲートモード」と称してもよい。いくつかの実例では、ワイヤレスタグが十分な電力を有するときに、ワイヤレスタグは第1の送信電力でゲートモードにおいて第1のタグID信号を送信してもよい。しかし、ワイヤレスタグが電力不足の場合、ワイヤレスタグは代わりに第2のタグID信号を送信してもよく、第2のタグID信号はより低い送信電力を有してもよい。これは、ワイヤレスタグが、低電力状態においてであっても、店舗の構内を出るときに常に追跡されることを保証し得る。
【0487】
データ暗号化メカニズムは、暗号鍵または暗号化アルゴリズムのうちの1つを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のタグID信号は、第2のタグID信号とは異なるデータ暗号化メカニズムを使用して暗号化されてもよい。例えば、ワイヤレスタグがタグID信号を送信するときに複数の受信デバイスがワイヤレスタグの範囲内にあってもよく、すべてのこれらのデバイスがこの送信を読み取ることができることは望ましくない場合がある。ワイヤレスタグがインフラストラクチャ励起可能モードまたはゲートモードにあるとき、例えば、付近のユーザデバイスはワイヤレスタグからの送信を読み取る必要がない可能性がある。したがって、インフラストラクチャ励起可能モードまたはゲートモードにある間、ワイヤレスタグは、付近のユーザデバイスに認識不可能な第1のデータ暗号化メカニズムを使用して暗号化された第1のタグID信号を送信してもよい。ユーザ励起可能モードの間には、ワイヤレスタグは、付近のユーザデバイスに認識可能な異なるデータ暗号化メカニズムを使用して暗号化された第2のタグID信号を送信してもよい。
【0488】
いくつかの代替実施形態では、1つのID信号が暗号化される一方、第2のID信号は暗号化されないことが有利な場合がある。例えば、復号がリモートサーバまたはクラウドプラットフォームで実行されるときに、暗号化されたID信号の送信から復号されたデータの受信までの往復時間はいくつかの設計制約よりも長い可能性があり、これはいくつかの信号が暗号化されないことを要求する場合がある。例として、タグがインフラストラクチャ励起可能モードで送信するときには、送信の受信からデータの使用までの間の時間遅れが長い可能性があるため、ID信号は暗号化されてもよい。他方、タグがゲートモードで動作しているときの例のように、1秒未満の遅延でさえシステムパフォーマンスに影響を及ぼし得るため、データができるだけ早く利用可能となることが望ましい場合がある。いくつかの実例では、ゲートモード中に送信されるID信号は暗号化されていなくてもよい。
【0489】
送信のデータコンテンツは、第1および第2のタグID信号に含まれるデータを指してもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤレスタグがトリガに応答するとき、ワイヤレスタグは、トリガを送信する個人またはデバイスの目的に応じて、タグIDに加えて他のデータを送信に含めてもよい。第1のタグID信号および第2のタグID信号は、異なるデバイスから受信されるトリガに応答して、または異なるモードで動作する際に、もしくはタグ状態に関する異なる種類の情報を送信する際に、異なるデータコンテンツを有してもよい。
【0490】
例として、図12に示すように、エキサイタ11400dから発信される信号12100は、第1の周波数帯域内のトリガの例であってもよい。信号12100に応答して、タグ1100は信号12200を送信してもよく、信号12200は第1のタグID信号または第2のタグID信号の例であってもよい。
【0491】
別の例として、図13に示すように、ハンドヘルドユーザデバイス11200から発信される信号13100は、第2の周波数帯域内のトリガの例であってもよい。信号13100に応答して、タグ1100は信号12200を送信してもよく、信号12200は第1のタグID信号または第2のタグID信号の例であってもよい。
【0492】
いくつかの実施形態では、ワイヤレスタグは、少なくとも1つの送信機に電気的に接続され、少なくとも1つの受信機によって受信された周囲エネルギーを収集および貯蔵し、少なくとも1つの送信機の送信に電力を供給するための、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素を含んでもよい。周囲エネルギーを収集することは、タグの外部ソースまたは環境からエネルギーをワイヤレスで採集し、取り入れ、および/または獲得することを含んでもよい。周囲エネルギーを貯蔵することは、将来の時間における使用のために、収集された周囲エネルギーを蓄積、保存、または集積することを含んでもよい。
【0493】
図11は、衣類小売店舗などの環境で動作するワイヤレス識別タグの非限定的な実施形態を示している。例えば、エキサイタ11400などの環境エキサイタ、ハンドヘルドデバイス11200などのユーザデバイス、およびEASゲート1112がすべて、電場および磁場でエネルギーを伝達するワイヤレス信号を送出してもよく、ワイヤレス信号は環境における周囲エネルギーに寄与してもよい。タグ1100は、店舗内に存在するこれらのワイヤレス信号の一部または全部からの周囲エネルギーを収集および貯蔵するように構成されてもよい。
【0494】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵構成要素は、少なくとも1つのコンデンサを含んでもよい。例として、図10に示すように、エネルギー貯蔵回路2108は貯蔵コンデンサ10300(エネルギー貯蔵構成要素の例)を含んでもよい。貯蔵コンデンサ10300は、900MHzハーベスタ9012および2.4GHzハーベスタ9014によって受信された周囲エネルギーを貯蔵するために、図10に示す回路を通じて900MHzハーベスタ9012および2.4GHzハーベスタ9014(少なくとも1つの受信機の例)に電気的に接続されてもよい。単一のコンデンサとして図示されているが、周囲エネルギーを貯蔵するための複数の貯蔵コンデンサがあってもよい。
【0495】
いくつかの実施形態では、ワイヤレスタグは、所定のタイミングシーケンスに従って、第1のトリガまたは第2のトリガのうちの少なくとも1つを生成するように構成されたタイミング回路を含んでもよい。所定のシーケンスに応じて、タグによって送信されるIDは変化してもよい。所定のシーケンスは、任意のプログラムされたプロトコルに基づいて異なるIDを生成するようにタグにコード化されてもよい。プロトコルは無限であり得る。例えば、ほんの少数の例を挙げれば、所定の経過期間の後、イベントの所定のシーケンスの後、ある特定の信号が内部的に処理された後、ある特定の情報が受信された後、外部信号特性に基づいて、またはIDが所定回数だけ使用された後に、IDは変化してもよい。タイミング回路は、第1のトリガまたは第2のトリガを提供するために少なくとも1つの回路に結合されてもよい。
【0496】
タイミングシーケンスは、計時の目的で使用されるシーケンスまたは信号であってもよい。例えば、各イベントが固定間隔で繰り返すほぼ同一のイベントのシーケンスがタイミングシーケンスであってもよい。電気または電子回路との関係では、タイミングシーケンスは、振動の周期が固定された周期的な振動を有する任意の電気信号を含んでもよい。デジタル電子回路では、クロック信号が、タイミングシーケンスを提供する際に使用されてもよい。代替的に、または追加的に、タイミングシーケンスは、シーケンス内の各イベントに対するクロックサイクルの数をカウントすることによってクロック信号から生成されるイベントのシーケンスであってもよい。シーケンス内の各イベントに対してカウントされるクロックサイクルの数は、シーケンス全体について固定であってもよく、もしくはある所定のルールに従ってイベント間において可変であってもよく、または乱数もしくは疑似乱数であってもよい。第1のトリガまたは第2のトリガのうちの少なくとも1つは、固定された時刻に生成されてもよく、または固定された時間の間隔で生成されてもよく、それらはタイミングシーケンスに基づいてもよい。例えば、ワイヤレスタグは、1日の間の固定された時刻に(開店または閉店の時刻などに)そのタグIDを送信するようにプログラムされてもよい。別の例では、ワイヤレスタグは、小売店舗内に配置されている間に固定時間間隔で(例えば5分ごと)そのタグIDを変更するようにプログラムされてもよい。
【0497】
例として、図10に示すように、水晶発振器10022(タイミング回路の例)がトップレベルコントローラ9020(少なくとも1つの回路の例)に基準クロック(第1のトリガまたは第2のトリガの例)を提供してもよい。追加的に、または代替的に、リアルタイムクロック10024(タイミング回路の別の例)がトップレベルコントローラ9020に低速クロック(第1のトリガまたは第2のトリガの別の例)を提供してもよい。トップレベルコントローラ9020は、基準クロックまたは低速クロックのうちの1つに基づいて第1および第2の解読可能IDを生成してもよい。いくつかの実施形態では、低速クロックのみが第1のトリガまたは第2のトリガのうちの1つであってもよい。
【0498】
いくつかの実施形態では、タイミング回路は、第1のタイミングシーケンスに従って第1のトリガを生成し、繰返し周期または2つの連続して生成されるトリガ間の時間間隔のうちの少なくとも1つにおいて第1のタイミングシーケンスとは異なる第2のタイミングシーケンスに従って第2のトリガを生成するように構成されてもよい。いくつかの場合、ワイヤレスタグによって送信のタイミングをランダム化することが望ましい可能性がある。回路は、クロック信号などの周期的なタイミングシーケンスからランダム化されたタイミングシーケンスのセットを作成するためにもう1つの乱数発生器を含んでもよい。ランダム化の後、第1のタイミングシーケンスは、ランダム化により、繰返し周期または2つの連続して生成されるトリガ間の時間間隔のうちの少なくとも1つにおいて第2のタイミングシーケンスとは異なる。
【0499】
例として、ワイヤレスタグが図11に示すように小売店舗内で動作しているとき、タグ1100は、外部ソースからトリガを受信することなく、その内部タイミングシーケンスに基づいて、そのタグIDを送信してもよい。店舗環境では、あまりに多くのタグが一度に送信する場合、インフラストラクチャ(タグID信号を処理する受信機およびコンピュータシステム)が過負荷となる可能性がある。送信のタイミングにおける十分なランダム性により、複数のタグが単一の場所に存在するときであっても、インフラストラクチャの負荷が軽減される。図10に示すように、リアルタイムクロック10024が、ランダム化されたタイミングシーケンスに基づいて低速クロック(第1または第2のトリガの例)を生成してもよい。代替的に、または追加的に、トップレベルコントローラ9020が、リアルタイムクロック10024および内部的に生成された乱数または疑似乱数に由来する低速クロックの固定タイミングシーケンスを使用して、ランダム化されたタイミングシーケンスを生成してもよい。
【0500】
本開示の実施形態は、偽造品の流通を防ぐための方法、システム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体に関してもよい。説明を簡単にするため、いくつかの実例では、システムおよび方法の開示される態様は相互に、ならびにデバイスおよびコンピュータ可読媒体に等しく適用されるという理解の上で、関連する実施形態がシステムまたは方法に関して以下で説明される。関連する方法のいくつかの態様は、有線、ワイヤレス、またはその両方のいずれかであるネットワークを通じて電子的に行われてもよい。このような方法の他の態様は、非電子的手段を使用して行われてもよい。最広義で、本明細書に開示されるシステム、方法およびコンピュータ可読媒体は特定の物理的および/または電子的手段に限定されず、むしろ多くの異なる手段を使用して実現されてもよい。
【0501】
いくつかの開示される実施形態は、偽造品の流通を防ぐためのシステムを含んでもよい。偽造品の流通は、製造者、卸売業者-販売代理店、小売業者、インターネット再販業者、返品、委託販売店、賃借またはリース事業、および中古品店のレベルを含む、サプライチェーン全体における複数のレベルで広まっている可能性がある。偽造者および詐欺師は一般に、最小限の抑止しかない無数のチャネルを通じて盗品、偽造、偽物をつかませ、この問題はインターネット、委託販売店、中古高級品店、消費者間オンラインショッピングサイトなどの環境において、ならびに他の店舗およびチャネルを通じて、より顕著である。
【0502】
開示される実施形態は、偽造品の流通を防ぐためのシステムを含んでもよい。このようなシステムは、ワイヤレス識別システムを含んでもよく、例えば委託販売店などの店舗に設置されてもよく、または店舗の一部であってもよい。偽造品の流通を抑止および最小化するための例示的なシステムは、1つまたは複数のプロセッサ、データ構造体、デバイス、信号受信機、ワイヤレス識別タグ、およびシステムの1つまたは複数の構成要素がそれを通じて接続され得るネットワークの使用を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークの諸部分を含むワイヤレス識別システムの諸部分が店舗の外部に配置されてもよい。ワイヤレス識別システムは、偽造品の流通を防ぐことに関連する1つまたは複数の機能を実行するために有益であり得る他の要素、回路、回路構成要素、およびシステムをさらに含んでもよい。
【0503】
高レベルの概観を提供するための例として、製造者は、一意のコードまたはタグIDを電子的に保持するタグを自己の製品に埋め込み、または他の方法で取り付けてもよい。各製品の一意のコードをその本来の出所元と連係させるレコードがクラウドサーバに記憶されてもよい。タグの電子スキャンが、製品がオリジナルであり偽造でないことを明らかにしてもよい。例えば、タグのスキャンがレコードで検索を引き起こし、ハンドヘルドデバイス上の電子ディスプレイを介して、製品の出所元の確認、およびおそらくはその権原連鎖を返させてもよい。例えば、製造者が製品を販売代理店に販売するとき、所有権移転を記録するためにレコードが更新されてもよい。したがって、その販売代理店から製品を購入する下流の小売店は、商品の真正性だけでなく、その商品が販売代理店によって適法に取得されたことも確認するための権原連鎖をチェックすることができてもよい(例えば、製品のレコードが権原連鎖内にその販売代理店を含まない場合、詐欺の可能性があり得る)。同様に、小売店が製品を入手するとき、所有権レコードも更新され、下流の顧客が製品の真正性および取引の合法性の両方を確認することを可能にしてもよい。
【0504】
このようなシステムは、多量および少量の製品について良好に機能する可能性がある。例えば、タグ付き高級腕時計を購入する顧客は、その腕時計が真正であり盗品でないことを保証するために、単一のスキャンで権原連鎖全体を確認することができる可能性がある。タグ付き物品の盗難後に、記録された所有者は、製品のレコードを盗難指示でマークするためのメカニズムが提供されてもよい。その場合、その製品をスキャンする将来の人は誰でも、その製品が盗品と報告されたとの指示を受け取り得る。この目的のため、製品が紛失した場合に、その製品を紛失または盗品報告するためのセキュアなメカニズムが存在するように、所有者は自己のタグ付き製品のすべてのIDを含む電子保管庫を保持してもよい。
【0505】
製造者または小売店の視点から見ると、盗品はもはや匿名のままでないことが可能なため、タグ付き商品は目減りを大幅に縮小する能力を有する。というのはいつでも、商品はその出所元およびその所有履歴を確認するためにスキャンされることができるからである。
【0506】
いくつかの実施形態では、システムは少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、他の機能のうちでもとりわけ、ワイヤレス識別タグに関する情報を受信、記憶、および処理し、クエリおよび探索を受信および実行し、データベースおよび/またはネットワークと通信し、情報をユーザに中継し、通知を提供し、および/または警告を提供するなどのために構成されてもよい。例として、図20に示すように、店舗内のワイヤレス識別システム20000はネットワーク20002を含んでもよく、ネットワーク20002は、プロセッサ20004、データ構造体20006、デバイス20008、受信機11300a~gなどのシステムの要素間でデータおよび/または情報の交換を可能にしてもよい。システムは、ワイヤレス識別タグ1110をさらに含んでもよく、各タグは、識別タグが物品に関連付けられた情報を含むように、店内の別個の物品に関連付けられる。いくつかの開示される実施形態では、プロセッサは、複数の電子タグのタグIDを記憶するように構成されてもよく、その場合に少なくとも1つの特定の電子タグが特定の製品に関連付けられる。ワイヤレス識別タグは、ワイヤレス識別システムの1つまたは複数の要素および顧客によって使用されるハンドヘルドデバイスなどの外部デバイスとのワイヤレス通信のために構成された電子タグであってもよい。
【0507】
開示される実施形態と一致して、複数の電子タグのそれぞれは、割り当てられた一意のタグIDを有してもよい。各電子タグのタグIDは一意のタグIDであってもよいため、各タグは個別にアドレス指定可能であってもよく、より良好な追跡および監視能力により偽造品の流通を最小化することが可能となる。電子タグの個別アドレス指定可能性は、物品が例えば高価品、貴重品、骨董品、または機密物であるために偽造をより受けやすい状況において有益であり得る。例えば、高級腕時計は、そのケースに組み込まれた一意のタグIDを有するタグを有してもよい。デザイナーハンドバッグは、その裏地に縫い付けられ、または他の方法で取り付けられた一意のタグIDを有するタグを有してもよい。スポーツシューズまたは任意の衣料物品は、その裏地に組み込まれた一意のタグIDを有するタグを有してもよい。そして薬品、機能性食品、化粧品、および食料製品は、その包装に一意のタグIDを有するタグを組み込んでもよい。これらはほんの少数の非限定的な例である。偽造の懸念がある任意の製品は、一意のタグIDを有するタグを組み込んでもよい。
【0508】
いくつかの実施形態では、タグIDは、例えば、物品の出所場所で物品の元の製造者によって割り当てられても、または物品が販売されている店によって割り当てられてもよい。一意のタグ識別子は、タグに単独で関連付けられた数字、文字列、または他の形態のデータであってもよく、したがって、どの識別タグも任意の他のタグと同じ一意の識別子が関連付けられず、複数のタグのうちの任意のタグは、それに関連付けられた単一の一意の識別子のみを有することができる。一意の識別子のいくつかの非限定的な例は、シリアル番号、一意のEPCコード、データベースエントリ、または電子タグに関連付けられた任意の他の一意の識別子である。プロセッサは、各識別タグの一意のタグIDおよびタグIDに関連付けられた情報を、データベースに、またはプロセッサと通信するデータ構造体内に、直接的に、またはネットワークを通じて間接的に、記憶してもよい。記憶されたタグIDおよび関連付けられた情報は、例えば、プロセッサまたはシステムユーザによって開始されるユーザクエリを通じてアクセス可能であってもよい。
【0509】
追加的なセキュリティおよび追跡の目的のため、複数の電子タグの各タグIDは、暗号化プロセスを使用して暗号化されてもよく、それにより、特定の製品に関連付けられた暗号化されたタグIDが得られる。暗号化メカニズムは、権限付与された当事者が符号化されたメッセージまたは情報にアクセスすることを可能にしながら、権限付与されていない当事者にアクセスを拒否するような方法で、メッセージまたは情報を符号化するように構成されてもよい。例えば、たとえ符号化されたメッセージまたは情報が何らかの権限付与されていない当事者によって取得されたとしても、暗号化は、権限付与されていない当事者が復号プロセスの知識なしには符号化されたメッセージまたは情報を読み取ることを阻止し得る。いくつかの実施形態では、暗号化のプロセスまたはアルゴリズムは、暗号鍵の使用を含んでもよく、暗号鍵は、通常は送信前の時刻に、メッセージまたは情報の送信者と目的の受け手との間で共有される1つのデータであってもよい。暗号鍵が秘密かつ一意のままである限り、暗号化されたメッセージまたは情報の秘匿性を依然として維持しながら、複数の当事者が共通の暗号化プロセスを使用し得る。
【0510】
いくつかの開示される実施形態と一致して、プロセッサは、第1のエンティティの少なくとも1つの識別情報を記憶するようにさらに構成されてもよい。例えば、プロセッサは、製品の所有権に関する情報に対する要求をエンティティから受信すると、エンティティの識別情報を要求する命令を生成してもよい。プロセッサは、エンティティから、製品から、またはエンティティの信頼できる識別情報を供給することができる別のソースから識別情報を受信し、受信した情報をデータベースまたはデータ構造体に記憶するように構成されてもよい。識別情報は、エンティティ種別またはシステム使用に応じてログインID、ユーザ名、パスワード、パスコード、名前、性別、年齢、住所、納税者ID、組織名、連絡先情報、セキュリティ質問への回答、生体認証データ、および他の個人または職業識別細目を含んでもよいが、これらに限定されない。エンティティは、特定の製品の販売者、特定の製品の製造者、特定の製品の現在の所有者、または特定の製品の以前の所有者のうちの少なくとも1つに関連付けられてもよい。本明細書に開示されるように、エンティティは、製品を販売する権利を有する個人または当事者であってもよい。一例として、エンティティは、製品の現在の所有者、製品の現在の所有者によって契約された販売者、特定の製品の製造者、製品の前の所有者、または権利および/または販売者を代表する代表権を取得した任意の他の当事者を含んでもよい。エンティティが所有者、販売者、および/または権限付与された当事者のいずれであるかを問わず、エンティティの識別情報を収集および記憶することは、製品を販売しようとする試みに限定されなくてもよい。例えば、エンティティは、任意の他のメカニズムを通じて製品を寄付、リース、貸与、賃貸、出荷、移転、展示、または提供することに関心があってもよい。
【0511】
本開示のいくつかの態様では、プロセッサは、特定の製品の見込まれる次の保管者に代わって、特定の製品に関連付けられた暗号化されたタグIDを受信するように構成されてもよい。本開示との関係では、見込まれる次の保管者は、製品を購入、賃借、借用、リース、使用、または他の方法で取得および/もしくは使用することを希望するエンティティを指す。いくつかの開示される実施形態では、見込まれる次の保管者は、特定の製品の見込まれる購入者に関連付けられてもよい。例示的な実施形態では、プロセッサは、見込まれる購入者が関心のある特定の製品に関連付けられた暗号化されたタグIDを受信してもよい。プロセッサは、1つまたは複数のデータ構造体内に記憶されたデータベースから暗号化されたタグIDを取り出すように設計された探索クエリを開始および実行してもよい。いくつかの実施形態では、特定の製品の暗号化されたタグIDを受信することに加えて、プロセッサは、見込まれる次の保管者に代わって、少なくとも1つの識別情報に関連付けられたクエリを受信するようにさらに構成されてもよい。クエリは、情報に対する任意の形態の要求であってもよい。ある意味では、ハンドヘルドデバイス上で動作するアプリケーションが「真正性検索」と題するGUIを含んでもよい。そのGUIを使用した製品のスキャンがクエリとみなされてもよい。他の実例では、クエリは、より多くの情報を入力することをユーザに要求してもよい。例えば、GUIは、合法的所有者であることを隠している人の識別情報を入力するようにユーザに促してもよい。別の例では、クエリは、合法的所有者に関する個人情報を明らかにするために、見込まれる購入者への暴露に権限付与する情報を合法的所有者に入力させ、次の購入者が見込まれる取引の合法性を確認することができるようにしてもよい。これらはクエリのほんの少数の例である。ユーザがタグ付き製品に関する情報についてデータ構造体に問い合わせるときにはいつでも、そのような問合せはクエリとみなしてもよい。
【0512】
少なくとも1つの識別情報は、第1のエンティティに関連付けられた情報、例えば、製品の販売者の名前、または販売者を代表するように権限付与されたエンティティの納税者IDを識別することを含んでもよい。これに関連して、クエリは、単一の記憶された情報を探索すること、既知の情報に関連付けられた特定の情報をデータ構造体内で探索すること、少なくとも1つの共通の特性を有する複数の情報を探索することなどを含んでもよい。クエリおよび情報の取得を可能にするように設計されたデータ構造体は、それを通じてクエリを受信し応答を返す媒体、トンネルまたはプロトコルと、クエリの構造およびコンテンツならびに応答の構造およびコンテンツに対する言語、フォーマット、アプリケーションまたは他の定義との両方を含む、標準のインタフェースを規定してもよい。このようなインタフェース(通常、APIと呼ばれる)は、インタフェースへのアクセスならびにクエリおよび応答のフォーマットの知識を有するユーザがデータ構造体から情報を取得することを可能にする。
【0513】
いくつかの開示される実施形態では、プロセッサは、暗号化されたタグIDを復号して、特定の電子タグに関連付けられた特定の製品を識別するようにさらに構成されてもよい。本明細書に開示されるように、復号は、暗号化を通じて読み取り不能にされたデータを、その暗号化されていない形態に戻すように変換するプロセスである。復号において、システムは、判読不能なデータを抽出および転換し、リーダおよびシステムのうちの1つまたは複数によって容易に理解可能なテキスト、コード、および/または画像にそれを変換する。復号は、鍵またはパスワードの事前に定義されたセットを使用して実現されてもよい。暗号化アルゴリズムに基づいて、それが対称または非対称のいずれの暗号化アルゴリズムであるかを問わず、プロセッサは、暗号鍵を(「対称鍵」または「秘密鍵」のいずれかとして)使用して、暗号化されたタグIDを復号してもよい。暗号化されたタグIDに関連付けられた情報は、特定の製品に関する情報または特定の製品に関する情報を記憶する電子タグを含んでもよい。例えば、特定の製品の情報は、製造日、所有履歴、構成要素部品の識別情報、価格情報、各所有権取引の日付および場所、モデル、ブランド、シリアル番号などのような製品情報、評判、購入照会の数、承認された所有権のタイプ(例えば、販売、または賃貸、またはリース)、および見込まれる次の購入者にとって有用であり得る製品に関する他の関連情報を含んでもよいが、これらに限定されない。プロセッサは、権限のレベルに基づいて、特定の製品情報への限定アクセスまたは無制限アクセスを承認してもよい。いくつかの実施形態では、特定の電子タグに記憶されたすべての情報への完全かつ無制限のアクセスは、追加的な検証および認証を要求してもよい。
【0514】
復号およびアクセスを取得した後、プロセッサは、特定の電子タグに関連付けられた情報を使用して特定の製品に対する所有履歴にアクセスしてもよい。本明細書で使用される場合、所有権は、製品における権利の所持を指す。これは権原、および製品を所持する許可を含んでもよい。したがって、権原所持者が所有者とみなされてもよく、また、権原所持者から使用許可が提供された人が所有者とみなされてもよい。所有履歴は、例えば、特定の製品の以前の所有者のリスト、特定の製品の以前の所有者のそれぞれに関連付けられた識別情報、以前の所有者のそれぞれが特定の製品を所有した継続期間、以前の所有者のそれぞれによって提供された特定の製品の転売の理由、所有権移転約定などを含んでもよい。所有履歴内の過去の所有者の列挙は、時系列、アルファベット順、またはプロセッサが実行する検索に基づくクエリを使用して互換性がありアクセス可能な任意のフォーマットで配列されてもよい。
【0515】
いくつかの開示される実施形態では、アクセス可能な所有履歴に基づいて、プロセッサは、クエリで識別された少なくとも1つの識別情報が所有履歴内のエンティティに対応しているかどうかをチェックするように構成されてもよい。チェックすることは、クエリからの結果内の所有履歴におけるエンティティの検索を含んでもよい。プロセッサは、クエリによって識別された識別情報が所有履歴内のエンティティに一致することをさらに検証してもよい。識別情報の少なくともチェックおよび検証に基づいて、プロセッサは、特定の製品が偽造であるか真正な製品であるかを判定してもよい。例えば、タグ付きのGucciのハンドバッグがスキャンされたとき、関連付けられたタグIDがプロセッサで受信され、データ構造体内で検索を生起させてもよい。ハンドバッグの製造時またはその前後に、Gucciは同じタグをスキャンし、または他の方法でタグのIDをデータ構造体内に入力した可能性がある。これは、タグID、例えばモデル番号、モデル名、シリアル番号、製品写真を含むハンドバッグを識別する情報、および/または任意の他の識別情報をインターネット経由でアップロードするために、Gucciの工場内のスキャナを使用してリモートで生起した可能性がある。後に、同じバッグが商店内の顧客のためにスキャンされるときに、識別情報の一部または全部を取得しハンドバッグが真正であることを顧客のために確認するために、インターネットを通じてデータ構造体への検索が行われてもよい。同時またはその前後に、ハンドバッグの現在の所有者(すなわち、商店)が、その一意の認証情報を使用して、顧客を次の所有者として識別するためにレコードを更新してもよい。顧客がいつかハンドバッグを販売することを選択した場合、次の購入者は、タグのスキャンを通じてハンドバッグの真正性を確認することができてもよいだけでなく、販売者が実際にハンドバッグの合法的所有者であることを確認することができてもよい。
【0516】
これらと同様のプロセスの一部として、プロセッサは、クエリで識別された識別情報が所有履歴内のエンティティに対応する場合、見込まれる次の保管者へ真正性があるとの指示を送信してもよい。本明細書で使用される場合、真正性があるとの指示は、出所元のインジケータ、製品の純正性または原物性のインジケータ、および/または販売者によって販売され、または販売のために店頭に展示されている製品が偽造または盗品ではなく純正であるとの妥当性確認を指してもよい。本明細書で使用される場合、偽造品は、偽造の作成者以外の人をだまし、または欺き、それらの人に偽造と原物とを混同させるために、何らかの他の真正または本来の製品、物品または物体に似せて、または模倣して作られた製品、物品または物体であってもよい。さらに、プロセッサは、クエリによって識別された識別情報が所有履歴内の特定の製品の現在の所有者である場合、見込まれる購入者へ真正性があるとの指示を送信してもよい。これに関連する現在の所有者は、特定の製品を所持する権利を有するとしてデータ構造体内の所有権レコードに記憶された最後の人を指す。これは、製品を購入した最後の人であってもよいし、製品を購入した最後の人によって権限付与された誰かであってもよい。プロセッサは、特定の製品が真正であるというデバイス(例えば、スマートフォン、ハンドヘルドデバイス、コンピュータ、キオスク、またはGUI端末)上の指示を通じて、見込まれる購入者へ通知を送信するために構成された少なくとも1つの構成要素または回路を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、クエリで識別された少なくとも1つの識別情報が所有履歴内のエンティティに対応しない場合、見込まれる次の保管者へ真正性がないとの指示を送信してもよい。いくつかの実施形態では、クエリで識別された識別情報が所有履歴内のエンティティに対応しない場合、製品は偽造、または盗品、または非真正と判定されてもよい。例えば、ある商店に販売された真正商品が配送トラックから盗まれ、第2の商店に不法に流された場合、第2の商店でタグをスキャンしクエリを提示した顧客は、商品が第2の商店によって販売されるように権限付与されていないとの通知、または単に商品が別の商店に所属するとの通知を受信してもよい。正当に商品を所有する商店が、商品は盗まれたとの指示をデータ構造体内に偶然に入力した場合、第2の商店内の顧客は、製品が潜在的に盗品である可能性があるとの通知を受信してもよい。さらに、執行当局が、ハンドヘルドスキャナで盗品を迅速に識別することができてもよい。委託販売店は、任意のタグ付き商品を受け入れる前に、商品をスキャンして盗品を受け取っていないことを確認してもよい。
【0517】
いくつかの開示される実施形態と一致して、プロセッサは、見込まれる次の保管者が特定の製品に関するデータにアクセスすることを防止するように構成されてもよく、データは、製品の場所、取引履歴、所有者名、製造者名、特定の電子タグの復号されたタグID、または特定の電子タグに関連付けられた暗号鍵のうちの少なくとも1つを含む。例えば、プロセッサは、権限付与された人員にアクセスを制限することによってデータベースに記憶された情報へのアクセスを規制してもよく、特定の製品に関連する情報を含むデータベースにアクセスするためにパスワード、パスコード、またはデジタル鍵を要求してもよい。いくつかの開示される実施形態では、見込まれる購入者は、特定の製品に関する情報へのアクセスが承認されなくてもよい。特定の製品に関する情報は、製品の場所、取引履歴、所有履歴、復号されたタグID、特定の電子タグに関連付けられた暗号鍵、製造者の詳細、名前、住所、納税者ID、および/または連絡先情報などの所有者の認証情報とを含むデータを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0518】
いくつかの開示される実施形態では、プロセッサは、第1のエンティティ(例えば、販売者、または販売者代理人)のプライバシーを維持するように構成されてもよい。プライバシーを維持することは、権限付与されていないエンティティから全部または一部の情報の秘匿性を保存することを含む。例えば、プロセッサは、見込まれる次の保管者(例えば、見込まれる購入者)からのクエリが販売者に関する個人情報を探し求めているかどうか、または見込まれる購入者が特定の製品、特定の電子タグ、もしくは特定の製品の販売者に関する情報を含むデータベースにアクセスする何らかの特権を有するかどうかを判定してもよい。例えば、次の購入者は、連鎖内のさまざまな所有権リンクを識別することなく、タグ付き製品に対する権原連鎖が途切れていないとの指示を受信してもよい。または、次の購入者は、次の所有者の識別情報を見ることができないままで、特定のチェーン店(例えば、Macy’s)で製品が購入されたことを知ることができてもよい。別の例として、次の購入者は、製品の元の作成者および/または販売者(例えば、上記のハンドバッグの例ではGucci)を検証する情報と、製品を所持している人が(その人が、現在の所有者、現在の所有者によって権限付与された誰か、現在の所有者の代理人、販売代理店、または製品を販売する権利を有する別のエンティティのいずれであるかには無関係に)それを販売する権利を有するとの指示とを受信するだけでもよい。
【0519】
いくつかの開示される実施形態は、プロセッサが少なくとも1つのデータ構造体内に複数の製品のそれぞれに対する所有履歴を記憶するように構成されたシステムに関する。いくつかの開示される実施形態では、データ構造体は、電子タグに関する情報、暗号化されたタグID、対応する製品情報、製品の場所、所有履歴、取引履歴、所有者名、製造者名、特定の電子タグの復号されたタグID、特定の電子タグに関連付けられた暗号鍵、複数の電子タグの在庫目録、複数の電子タグのタグID、または各タグIDに関連付けられた製品IDを含むがこれらには限定されないデータを記憶するように構成されたデータベースを含んでもよい。データベースに記憶される情報は、データベースに直接的または間接的に接続された1つまたは複数のプロセッサにアクセス可能であってもよい。いくつかの実施形態では、システムは1つまたは複数のデータベースを含んでもよい。例えば、ローカルデータベースが、特定の施設もしくは商店、地域データベース、またはグローバルデータベースに関するローカル情報を記憶してもよい。
【0520】
本開示のいくつかの態様では、プロセッサは、特定の製品に関連付けられたタグIDの所有権を第1のエンティティから見込まれる次の保管者に移転する取引を記録するように構成されてもよい。特定の製品の真正性が検証され、見込まれる購入者が取引を続行すると決定したとき、プロセッサは、第1のエンティティ(例えば、販売者)から見込まれる購入者(新たな現在の所有者となる)への所有権の移転の取引を記録してもよい。取引を記録することに成功すると、プロセッサは、少なくとも1つのデータ構造体内で製品の所有履歴を更新してもよい。例えば、取引後、見込まれる購入者はデータベース内で現在または最新の所有者として登載されてもよく、プロセッサは、関連する個人情報をさらに要求し、それを受信するとデータベースを更新してもよい。
【0521】
いくつかの実施形態では、製品の所有履歴を更新することは、見込まれる次の保管者の少なくとも1つの識別情報と、製品に関連付けられたタグIDとの間の関連付けを記憶することを含む。現在の所有権詳細に関連付けられた情報を更新することに加えて、所有履歴を更新することはまた、見込まれる購入者の識別情報と、特定の製品に関連付けられた情報を含むタグIDとの間の関連付けに関する情報を記憶することをも含んでもよい。例えば、Lili Panがタグ付きのPradaの靴を購入した場合、彼女は自分の携帯電話を通じてアクセス可能な保管庫を使用して、彼女が靴を購入した商店内の端末で電子取引を通じて靴の所有権を電子的に取得してもよい。この実例の場合、Liliの携帯電話はリモートのデータ構造体内に記憶された所有権レコードを更新するためのコンジットとして作用してもよい。代替的に、商店内の端末は、Liliの携帯電話から、Liliの一意のIDを提供するセキュアな通信を受信してもよく、その場合に一意のIDは商店の店頭システムを介して所有権レコードにアップロードされてもよい。別の例では、Liliは商店内の端末にパスワードまたは他の認証情報を入力して、商店の店頭システムに、中央のデータ構造体をLiliの所有権情報で更新させてもよい。
【0522】
いくつかの開示される実施形態と一致して、プロセッサは、特定の製品のタグIDに関連付けられた少なくとも2つの暗号鍵を少なくとも1つのデータ構造体内に記憶するようにさらに構成されてもよい。前に言及したように、暗号化のプロセスは、権限付与されたエンティティのみがメッセージまたは情報にアクセスすることが可能であり、権限付与されていないエンティティはアクセスが制限されうるような方法でメッセージまたは情報を符号化することを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、特定の製品のタグIDに関連付けられた2つ以上の暗号鍵を記憶してもよい。暗号鍵は、暗号鍵の所持者が暗号化されたタグIDを復号し、および/または暗号化されたタグIDに関連付けられた暗号化された情報を復号することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの暗号鍵は、少なくとも1つの識別情報に関連付けられた第1の暗号鍵と、見込まれる次の保管者に関連付けられた第2の暗号鍵とを含む。販売、賃貸、リース、借用などの取引は必然的に少なくとも2つのエンティティを含むため、各暗号化されたタグIDは少なくとも2つの暗号鍵に関連付けられてもよい。
【0523】
いくつかの実施形態では、特定の製品の暗号化されたタグIDに関連付けられた暗号鍵の数は、取引に直接に関与するエンティティの数に等しくてもよい。例えば、委託販売店に所持されている製品について、商店支配人または商店所有者、販売者、および見込まれる購入者を含め、製品の暗号化されたタグIDに関連付けられた3つの暗号鍵があってもよい。いくつかの実施形態では、取引に関与するすべての商業的エンティティが1つの暗号鍵を共有してもよく、取引に関与するすべての私的エンティティが1つの暗号鍵を共有してもよく、したがって製造者、販売代理店、および委託販売店所有者はすべて第1の暗号鍵を使用して復号されたタグIDを有してもよい一方、物品の任意の次の私的所有者(購入者、贈り物として物品を受け取る人、または物品の将来の中古品購入者など)は、第1の暗号鍵とは異なる第2の暗号鍵を使用して復号されたタグIDを有してもよい。
【0524】
プロセッサがクエリを受信した後、プロセッサは、見込まれる次の保管者がクエリを実行するように権限付与されているかどうかを判定するようにさらに構成されてもよい。見込まれる次の保管者は、例えば、権限付与された端末を介して保管者がクエリを開始する場合に、クエリを実行するように権限付与されてもよい。例えば、委託販売店は、クエリが実行され得る端末を有してもよい。商店によって「所有される」として記録された商品についてその端末を使用する人は誰でも、クエリを実行するように権限付与されていてもよい。代替的に、現在の所有者がクエリを許可する認証情報を提供する場合、見込まれる次の保管者は自分の携帯電話を使用してクエリを実行してもよい。さらにより広義では、権限は、見込まれる次の保管者がアクセス権を有し得る任意のデバイスに対して電子的に提供されてもよく、それにより、見込まれる次の保管者が権限付与される。所有権真正性の検証の場合、製品の現在の所有者は、所有者自身によって許可されなければ、見込まれる購入者が製品の所有権について問い合わせることを望む場合がある。
【0525】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、第1のエンティティと、クエリを実行するように権限付与された少なくとも1つのエンティティとの間の関連付けを受信するように構成されてもよい。例えば、現在の所有者は、所有権情報を取得するために特定の個人に事前権限を提供してもよい。これは、現在の所有者が中央サーバに権限を送信するときに行われてもよい。このような事例における事前権限の提供は、第1のエンティティ(例えば、現在の所有者)と、クエリを実行するように権限付与されたエンティティ(例えば、見込まれる購入者)との間の関連付けを確立してもよい。代替的に、データベース内の権限レコードが、製品の所有権情報に関するクエリを実行するように権限付与され得る「事前権限付与された」エンティティのリストを含んでもよい。例えば、商店は所有権データにアクセスするためにいくつかの端末およびスキャナに事前権限付与してもよい。または、競売会社は、入札されるすべての製品の所有権情報をチェックするために、登録された入札者のリストに事前権限付与してもよい。または、ブランドは、所有権情報にアクセスするために、ブランド自身のアプリケーションを実行する任意のデバイスに事前権限付与してもよい。プロセッサはまた、現在の所有者と事前権限付与された見込まれる購入者との間の関連付けを受信してもよい。例えば、前の例では、入札者は「事前権限付与された見込まれる購入者」とみなされてもよい。または、商店の優先顧客リストが、「事前権限付与された」見込まれる購入者のリストに含まれてもよい。プロセッサは、見込まれる次の保管者が少なくとも1つの権限付与されたエンティティであるかどうかを判定するようにさらに構成されてもよい。いくつかの開示される実施形態では、プロセッサは、プロセッサによって受信される情報に基づいて、現在の所有者と権限付与された見込まれる購入者との間の関連付けを検証してもよい。
【0526】
別の例として、高額製品の製造者は、優先される選ばれた系列店を介して真正性チェックが実行されるように制限したい場合がある。例として、見込まれる購入者は、Nikeのスマートフォンアプリを通じてNikeの靴の真正性を検証し、または認定されたPradaの商店でPradaの財布の真正性を検証してもよい。所有権真正性および識別情報真正性の両方の場合に、権限がないとの指示は、真正性の欠如の標識でなくてもよく、むしろクエリが要求されたチャネル/系列店でクエリが許可されていないという標識であってもよい。
【0527】
いくつかの開示される実施形態では、プロセッサは、見込まれる次の保管者がクエリを実行するための権限を第1のエンティティに要求するように構成されてもよい。プロセッサは、製品の真正性または権原連鎖に関する見込まれる購入者のクエリに対する応答に現在の所有者/販売者が権限付与するための要求を開始してもよい。これは、現在の所有者の登録されたモバイルデバイスに権限付与要求を送信することによって、または現在の所有者への自動電話呼出を通じて、行われてもよい。いくつかの実施形態では、見込まれる次の保管者にクエリを実行する権限がある場合、プロセッサは、暗号化されたタグIDの復号を進めて所有履歴にアクセスするように構成されてもよく、見込まれる次の保管者にクエリを実行する権限がない場合、権限がないとの指示を見込まれる次の保管者に対して送信させるように構成されてもよい。見込まれる購入者によるクエリを実行するための権限に基づいて、プロセッサは、暗号化されたタグIDを復号して、見込まれる購入者が所有履歴にアクセスすることを可能にしてもよく、またはプロセッサは、見込まれる購入者が暗号化されたタグID内に記憶された情報にアクセスするように権限付与されていないことを通知する指示を送信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、アクセスを拒否する前に、必要な権限を提供するための複数回の試行を、見込まれる購入者に許可してもよい。
【0528】
本開示のいくつかの態様では、クエリで識別された少なくとも1つの識別情報が所有履歴内のエンティティに対応しない場合、少なくとも1つのプロセッサは、クエリで識別された少なくとも1つの識別情報が所有履歴内の第2のエンティティであるという検証を所有履歴内の少なくとも1つのエンティティから受信するように構成されてもよい。連鎖が常に正確とは限らない可能性があることを認識すると、クエリの結果が否定的応答(または最終的な否定的応答)となる前に、記録された現在の所有者は所有権レコードを訂正する機会が与えられてもよい。例えば、プロセッサは、第1のエンティティ(例えば、現在の所有者)が所有履歴内のエンティティであるという第3のエンティティ(例えば、製品の元の販売者、または最後に検証された所有者)からの検証と、第1のエンティティが製品の合法的な現在の所有者であるとの妥当性確認とを受信するように構成されてもよい。この状況は、例えば、元の販売者から現在の販売者への販売が、所有権の移転を設定することなく不適切に登録または不適切に記録されたときに生じ得る。第1のエンティティが製品の現在の所有者であるという検証は、所有履歴に登載された第3のエンティティ(例えば、製品の元の販売者、もしくは最後に確認された販売者、または任意の確認された販売者)によって妥当性確認されてもよい。第3のエンティティから検証を受信すると、プロセッサは、クエリで識別された少なくとも1つの識別情報を含めるために所有履歴を更新するように構成されてもよい。例えば、所有履歴に関連付けられた情報は、データベース内で更新され、将来のアクセスのために記憶されてもよい。
【0529】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、更新済みの所有履歴に基づいて、真正性があるとの指示を見込まれる次の保管者に対して送信させるようにさらに構成されてもよい。クエリに応答した第3エンティティからの検証に基づいて所有履歴が更新されると、プロセッサは、クエリで識別された識別情報が有効な現在の所有者として存在すると判定してもよく、見込まれる購入者へ真正性があるとの指示を送信してもよい。
【0530】
いくつかの開示される実施形態では、特定の電子タグは、一意のタグIDに関連付けられてもよく、少なくとも1つのプロセッサまたは見込まれる次の保管者の処理デバイスのうちの少なくとも1つへの送信のために一意のタグIDを暗号化するように構成されてもよい。前に言及したように、各電子タグまたは識別タグは、本明細書において一意のタグIDとも称される暗号化された一意の識別子に関連付けられてもよい。暗号化された一意のタグIDは、少なくともシステムのプロセッサ、または見込まれる購入者のデバイスへの送信のために構成されてもよい。システムのプロセッサおよび/または見込まれる購入者のデバイスは、データを受信し、グラフィカルユーザインタフェースまたはデバイスのスクリーンを通じてデータを表示することが可能な任意のデバイスであってもよい。
【0531】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、製品に関連付けられたタグIDに関するクエリが受信されると、所有履歴内の少なくとも1つのエンティティに通知を送信するようにさらに構成されてもよい。本明細書に開示されるように、見込まれる購入者が製品を表すタグIDに関連付けられた情報を要求するクエリを実行すると、製品の所有履歴内の1つまたは複数のエンティティに、受信されたクエリが通知されてもよい。例えば、現在の所有者は、特定の製品の所有権に関して照会が実行されているとの通知をモバイルデバイス上で受信してもよい。
【0532】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、製品に関連付けられたタグIDに関して真正性がないとの指示が送信されると、所有履歴内の少なくとも1つのエンティティに通知を送信するように構成されてもよい。前に言及したように、製品または製品に関連付けられたタグIDが非真正であるとの指示は、例えば、クエリで識別された識別情報が製品の所有履歴内のどのエンティティにも対応しない場合に、プロセッサによって生成されてもよい。いくつかの実例では、製品の所有履歴におけるエンティティの不存在は、詐欺行為の試行があること、またはあったことを必ずしも意味しない可能性がある。真正がないとの指示が見込まれる購入者に送信される場合、プロセッサはまた、真正がないとの指示が見込まれる次の保管者に送信されることを、製品に関連付けられた所有履歴内の1つまたは複数のエンティティにも通知してもよい。
【0533】
本開示の実施形態は、変化するID送信タイミングを有するワイヤレス識別タグに関連する方法、システム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体に関してもよい。説明を簡単にするため、方法、システム、デバイスおよびコンピュータ可読媒体の態様が本明細書では交換可能に説明されるため、1つの形態への言及は別の形態にも等しく適用可能であり、したがって必ずしも繰り返されない。さらに、いくつかの実施形態のいくつかの態様は、有線、ワイヤレス、またはその両方のいずれかであるネットワークを通じて電子的に行われてもよい。他の態様が、非電子的手段を使用して行われてもよい。最広義で、開示される実施形態は特定の物理的および/または電子的手段に限定されず、むしろ多くの異なる手段を使用して実現されてもよい。
【0534】
開示される実施形態は、上述したように、ワイヤレス識別タグを含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、ワイヤレスタグのID送信タイミングは変化してもよい。本明細書に記載されるように、ワイヤレスタグは、典型的にはトリガ信号に応答して、受信機による受信のためにそのIDを周期的に送信してもよい。タグIDは、タグIDを受信する他のデバイスまたはデバイス構成要素に対してワイヤレスタグを識別し得る数字、文字、キャラクタ、コード、文字列、または他の形態のデータを含んでもよい。タグIDは、特定のタグに一意であってもよく、その特定のタグはただ1つのタグIDを有してもよい。代替的に、同じタグが複数のIDまたは時間と共に変化するIDを有してもよい。いくつかの実施形態では、複数のタグが同じタグIDまたはIDのグループを共有してもよい。タグIDの例は、シリアル番号、部品番号、UUID、EPC、および/または他のデータを含んでもよい。タグは、トリガ信号を受信したとき、ある特定の期間内にそのIDを送信することによって応答してもよい。本開示のいくつかの実施形態によれば、送信期間またはタグが応答信号で反応する前に経過する期間は変化してもよい。本明細書に記載されるように、その変化には複数の代替的な理由があってもよい。
【0535】
変化する送信タイミングは、1つの送信が別の送信とは異なる少なくとも1つのタイミング属性を有するときの状況を指してもよい。タイミング属性は、送信が生起する特定の時刻、送信間の時間間隔、または送信の持続時間を含んでもよい。いくつかの実例では、複数の信号が相互および潜在的な受信機の付近で送信される場合、信号の送信タイミングを変化させることは、ある特定の望ましくない効果を回避する可能性がある。
【0536】
例えば、図27は、顧客1104が製品27200aおよび27200bを含む製品で満たされたショッピングカート27100などのさまざまな製品と共に商店を出る状況を示している。タグ1100aおよび1100bなどのワイヤレス識別タグが、製品に貼り付け、埋め込まれ、または他の方法で取り付けられてもよい。顧客1104が小売店舗を出るとき、EASゲート1110、1112は、識別信号を送信するようにワイヤレスタグをトリガする信号1118を送信してもよい。ワイヤレス識別タグのこの動作モードは「ゲートモード」と称してもよい。図27に示す例では、ワイヤレスタグのすべてがそれらの識別信号を同時に送信する場合、信号は衝突のリスク、または潜在的に受信機11300を過負荷にするリスクを有する。信号衝突は、2つ以上の信号の存在が信号のうちの1つまたは複数の伝搬、受信、または処理に負の影響を及ぼす状況を指してもよい。いくつかの実例では、受信デバイスは、特定の信号の目的の受信ができないこと、または目的の信号を受信される多くの他の信号から区別できないことがあり得る。連続する送信間の不均一な間隔で信号を送信することによって、衝突または受信機の過負荷のリスクが軽減される可能性がある。
【0537】
説明を簡単にするため、例示的な送信タイムラインを図28Aおよび図28Bに示す。例えば、図28Aおよび図28Bにおける各ブラケットは時間間隔を表してもよい。縦軸は、相互の範囲内にある異なるワイヤレス識別タグ(タグ1、タグ2、・・・、タグN-1、およびタグN)を表し、横軸は時間を表す。満たされているブラケット、例えば28002、28004、および28008は信号送信(例えば、ID送信)を表す一方、28014などの空のブラケットは、送信が行われていない時間間隔を表す。
【0538】
図28Aに示す例では、タグNは28002、28004、および28006の期間中に信号を送信してもよく、タグ2は時間間隔28008、28010、および28012の期間中に信号を送信してもよく、これらはそれぞれ時間間隔28002、28004、および28006と同時に行われてもよい。この例では、複数のタグが信号を同時に送信するため、信号衝突の高いリスクがあり得る。この信号の同時送信は、送信間の均一な持続時間の結果である可能性があり、この場合、28002、28004、および28006の間の時間が相互に、ならびに間隔28008、28010、および28012の間の時間に実質的に類似する。連続する送信間の時間間隔のこの均一性により、多くのタグが同時にトリガされる場合、同時に信号を送信する可能性がある。
【0539】
他方、図28Bは、例示されているタグが信号をすべて同時に送信するとは限らないため、信号衝突のリスクが低減された状況を示している。間隔28012と28104との間の時間は、28104と28106との間の時間とは異なる。同様に、28108と28110との間の時間は、28110と28112との間の時間、および連続する送信間の他の時間とは異なる。これらは、変化するID送信時間の例であってもよい。図28Bに示すように、たとえタグが同時にトリガされるとしても、送信間の不均一性が、応答する信号送信を拡散させるため、信号は衝突せず、受信機は過負荷にならない。
【0540】
さまざまな実施形態では、ワイヤレスタグは、送信機2104などの少なくとも1つの送信機を含んでもよい。ワイヤレスタグはまた、少なくとも1つの送信機に電気的に接続された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素をも含んでもよい。少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、上述したように、周囲エネルギーを収集および貯蔵し、少なくとも1つの送信機の送信に電力供給するように構成されてもよい。
【0541】
図11は、衣類小売店舗などの環境で動作するワイヤレス識別タグの非限定的な実施形態を示している。例えば、エキサイタ11400などの環境エキサイタ、ハンドヘルドデバイス11200などのユーザデバイス、およびEASゲート1112がすべて、電場および磁場でエネルギーを伝達するワイヤレス信号を送出してもよく、これは環境における周囲エネルギーに寄与してもよい。タグ1100は、店舗内に存在するこれらのワイヤレス信号の一部または全部からの周囲エネルギーを収集および貯蔵するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、バッテリなしでワイヤレス識別タグに電力供給するように構成された少なくとも1つのコンデンサを含む。例として、図10に示すように、エネルギー貯蔵回路2108は、貯蔵コンデンサ10300(エネルギー貯蔵構成要素の例)を含んでもよい。貯蔵コンデンサ10300は、900MHzハーベスタ9012および2.4GHzハーベスタ9014によって受信された周囲エネルギーを貯蔵するために、図10に示す回路を通じて900MHzハーベスタ9012および2.4GHzハーベスタ9014に電気的に接続されてもよい。単一のコンデンサとして図示されているが、周囲エネルギーを貯蔵するための複数の貯蔵コンデンサがあってもよい。
【0542】
さまざまな実施形態では、ワイヤレスタグは少なくとも1つの回路を含んでもよい。例として、図10に示すように、ビーコンコントローラ9030は、単独で、または他の(トップレベルコントローラ9020などの)構成要素との組合せで、少なくとも1つの回路の例であってもよい。代替的に、特定の設計機能に応じて、他の構成要素が、単独または組合せで、少なくとも1つの回路を構成してもよい。さまざまな実施形態では、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機に、3つの連続する送信の識別信号送信間の時間が変化するように不均一な間隔で識別信号のシーケンスを送信させるように構成されてもよい。
【0543】
不均一性は、イベントまたは生起の列またはシーケンスにおける類似性または一貫性の欠如を記述する特性を指してもよい。間隔は、シーケンス内の2つ以上のイベント間の時間または遅延を指してもよい。不均一な間隔は、2つ以上の連続する間隔が各間隔の有意な部分だけ異なり得るような連続するイベント間の間隔であってもよい。連続する間隔の間の差は、差の値がシーケンス内の間隔のうちのいずれかの閾値割合を超えるか、またはシーケンス内の間隔の平均値の閾値を超える場合に、有意であってもよい。例として、間隔は、識別信号の2つ以上の送信間の時間であってもよい。
【0544】
いくつかのレベルの間隔の不均一性は、信号送信の性質に固有であってもよく、ノイズ、干渉、または構成要素もしくはシステムのいくつかの固有の偏差などの因子によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、不均一性は、さまざまな設計目標のために意図的に導入されてもよい。
【0545】
送信間の間隔の不均一性は、回路設計の特性に起因してもよい。例えば、タグは、エネルギー貯蔵構成要素(例えば、貯蔵コンデンサ10300)に貯蔵された最小レベルのエネルギーを有していなければ信号を送信することができない。最小レベルのエネルギーは、予め設定されていてもよく、ある特定の強度の信号を送信するために送信機によって要求されるエネルギーの量に基づいてもよい。この理由により、タグは、次の信号送信までの持続時間の間待機するように設計によって強制されてもよく、持続時間は、最小貯蔵エネルギーレベルおよび周囲エネルギー収集速度に依存する。周囲エネルギー収集速度は、環境の周囲エネルギーレベルおよびエネルギーハーベスタの性能の両方に依存してもよく、エネルギーハーベスタの性能には製造偏差があってもよい。さらに、最小エネルギーレベルは、エネルギーレベル測定値の精度にも依存してもよく、これも製造偏差に影響されてもよい。したがって、複数のタグが相互の付近に存在するときであっても、それぞれのタグが送信のための最小エネルギーレベルをいつ検出した可能性があるかに基づいて、異なる時点で次の送信までの計時を開始し得る。
【0546】
間隔の不均一性は、いくつかの連続する送信間の閾値個数の間隔が不均一とされるときに満たされてもよい。例えば、3つの連続する送信の識別信号送信間の時間が変化することを保証すれば十分であってもよい。例として、図28Bに示すタグID送信のタイムラインにおいて、3つの連続するタグID送信28102、28104、および28106が、3つのID信号送信間の時間が変化するように、タグNに対して示されている。図示のように、2単位の遅延が送信28102と28104との間に挿入される一方、3単位の遅延が送信28104と28106との間に挿入されている。したがって、この例では、3つの連続する送信の識別信号送信間の時間が変化している。不均一性はタグNについて継続し、送信28106から28107までの遅延が1単位だけであるため、4つのタグID送信間に不均一性がある。これらは単なる例である。遅延のパターンは繰り返してもよく、または遅延はランダムであってもよい。代替的に、不均一性があるとすれば、その程度は設計選択の問題であってもよい。
【0547】
例として、図9および図10に示すように、ビーコンコントローラ9030が、少なくとも1つの回路の例であってもよい。いくつかの実施形態では、ビーコンコントローラ9030は、送信機に不均一な間隔を有する信号を送信させるように構築および設計されてもよい。追加的に、または代替的に、ビーコンコントローラ9030は、コンピュータ可読命令(例えば、メモリ9022に、またはタグの別のメモリユニットに記憶された命令)によってプログラムされてもよい。ビーコンコントローラ9030からビーコン送信機9032に提供される送信データは、識別信号のシーケンスの送信のタイミングに関する命令を含めて、識別信号のシーケンスを含んでもよい。図10に示す例などのいくつかの実施形態では、トップレベルコントローラ9020は、識別信号のシーケンスの送信のためのタイミングパラメータを指定する送信制御信号をビーコンコントローラ9030に送信するように構成されてもよい。
【0548】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、所定の規則に基づいて不均一な間隔のそれぞれの持続時間を選択するようにさらに構成されてもよい。所定の規則は、信号の送信に先立って決定される、識別信号のタイミングを生成または制御するためのアルゴリズム、プロセス、方法、ロジック、または命令であってもよい。規則は、測定された予備エネルギーの量、進行中の内部動作、内部クロックの状態、乱数発生器、前の送信からの持続時間などの履歴データなどの内部状態に基づいてもよい。所定の規則は、少なくとも1つの回路をプログラムするためのコンピュータ可読コードの形態で明白であってもよい。追加的に、または代替的に、所定の規則は、少なくとも1つの回路の回路内の構成要素の設計配置に固有であってもよい。
【0549】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、不均一な間隔のそれぞれの持続時間をランダムに選択するようにさらに構成されてもよい。ランダム性は、ランダム、疑似ランダム、または準ランダムな分布の特性を示す数、シーケンスまたはプロセスを指してもよい。ランダムなプロセスは、見かけ上パターンもしくは予測可能性がないか、秩序がないか、または理解可能なパターンもしくは組合せに従わないプロセスであってもよい。疑似ランダムまたは準ランダムなプロセスは、基礎となるプロセスの知識なしに獲得することが困難な予測可能な結果を有するプロセスであってもよく、これはランダム性の何らかの統計分布を示してもよいが、真にランダムではない。不均一な間隔の持続時間をランダムに選択することによって、異なるタグが信号を同時に送信する可能性がさらに低減されてもよい。少なくとも1つの回路、またはそれに接続された回路は、ランダムまたは疑似ランダムな数またはシーケンスのセットを生成するための1つまたは複数の乱数発生器を含み、少なくとも1つの回路にランダムまたは疑似ランダム方式で挙動させてもよい。ランダム化の後、第1の間隔の持続時間はランダム性により第2または第3の間隔の持続時間とは異なってもよい。
【0550】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの回路は、3つの連続する送信の送信周波数が変化するようなさまざまな周波数チャネルで識別信号のシーケンスを少なくとも1つの送信機に送信させるようにさらに構成されてもよい。送信チャネルは、信号が送信される媒体であってもよい。送信チャネルは、完全にワイヤレスと考えてもよいが、有線部分をも含んでもよい。送信チャネルは、送信が生起し得る選択された周波数または周波数帯域を含んでもよい。ワイヤレス識別タグは、単一のチャネルに対応する単一の周波数帯域内で、または複数の周波数チャネルに対応する複数の周波数帯域にわたって、識別信号のシーケンスを送信してもよい。いくつかの実例では、ワイヤレス識別タグは、単一のチャネルのみで送信するように設計されてもよい。他の実例では、タグは、各チャネルが他のチャネルとは異なる周波数を有し、どの連続する送信も同じチャネル内で送信されないか、または一連の送信において少なくとも1つの送信が少なくとも1つの他の送信とは周波数が異なるような、少なくとも3つのチャネル(またはより多く)で送信してもよい。送信チャネルを変化させることによって、複数の信号送信が、チャネルの周波数の差に基づいて1つまたは複数の受信デバイスによって区別されてもよい。これは、複数のタグがそれらの識別信号を同時に送信する状況で信号衝突の可能性を低減するために役立ち得る。そして、受信機を過負荷にするリスクをも低減するために役立ち得る。
【0551】
図30は、互いの範囲内のワイヤレス識別タグによるマルチチャネル送信のタイムラインを例証する。各タグ(タグ1、タグ2、…、タグN-1、タグN)は、3列のブラケットを含み得、各列が、チャネルを表している。例えば、タグ2では、30002および30004は、同じチャネル内にあり、30002は、30004よりも早い時間点で発生する。タグの各々は、図10に例証される回路の簡略表現に対応し得る図29に例証される回路を含み得る。例えば、タグN-1は、タグIDメモリ10010、ビーコン制御器9030、トップレベル制御器9020、および電力マネージャ9010を含み得る(これらの組み合わせが、1つの回路の例であり得る)。タグN-1はまた、ビーコン送信機9032およびアンテナ2114を含み得る(個別に、または組み合わせて、少なくとも1つの送信機の例であり得る)。送信時、タグN-1は、そのタグIDを、チャネル30010、30008、および30006内で、スタガ式の繰返しで送信し得、そのようなスタガは、チャネルごとに異なる。いくつかの実施形態において、各々の連続する繰返しの送信持続時間は、システム仕様に応じて、同じであり得るか、または変化し得る。故に、いくつかの実施形態において、各々の繰返しの送信持続時間および連続する繰返しの間の時間の両方が変化し得る。ビーコン制御器9030は、周波数チャネルにわたる信号送信を変調するようにビーコン送信機9032を制御し得る。ビーコン制御器9030は、各チャネルを独立して制御し得るか、または、送信持続時間または送信間隔のうちの1つまたは複数を、少なくとも1つの他のチャネル内の信号送信の持続時間および間隔に基づいて選択し得る。
【0552】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機による各識別信号の送信のための変動周波数チャネルのうちの1つのチャネルをランダムに選択するようにさらに構成され得る。例として、図30を参照すると、ビーコン制御器9030は、30010、30008、または30006のうちの1つを、ランダムまたは疑似ランダム方式で選択し得る。
【0553】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの送信機は、所定の周波数帯内の少なくとも3つの送信チャネル内で識別信号を送信するように構成され得る。所定の周波数帯は、約2.4GHzの周波数帯であってもよい。例えば、「Bluetooth Low Energy」、すなわちBLEは、合計40個のチャネル(0~39をラベル付けされる)を有し、これらのチャネルの中心周波数が、2MHz離間して2.402GHz~2.480GHzの範囲に及ぶものと規定される。これらのチャネルのうちの3つは、慣例により、2.402GHzの周波数を有するチャネル37、2.426GHzのチャネル38、および2.480GHzのチャネル39とラベル付けされる「特別な」広告チャネルと呼ばれる。他のすべてのBLEチャネル(0~36をラベル付けされる)は、対になったBLEネットワーク(2つのデバイス同士のペアリング)内での送信のために確保されるが、これら3つの広告チャネルは、任意のBLEデバイスによっていつでも使用され得る。いくつかの実施形態において、BLEは、識別信号の送信に使用される通信プロトコルであってもよく、2.4GHz WW ISM帯域が所定の周波数帯として使用され、BLEのチャネル37~39が少なくとも3つの送信チャネルとして使用される。
【0554】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの回路は、トリガを受信し、このトリガに応答して少なくとも1つの送信機に識別信号を送信させるように構成され得る。トリガは、反応を誘発するための入力、刺激、および他の信号であってもよい。電気および電子回路の文脈において、トリガの例は、受信される外部信号または内部信号を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、受信される外部信号は、トリガが少なくとも1つの回路に送信されることを引き起こし得る。内的に誘発されるにしろ、外的に誘発されるにしろ、トリガは、例えば、電圧レベル、電圧レベル変化、電流レベル、電流レベル変化、周波数、受信した信号の振幅もしくは位相変化、デジタル入力、デジタルパルス、制御語、および/または様々なエネルギーの形態にある任意の他の信号を含み得る。
【0555】
いくつかの実施形態において、トリガは、外部デバイスからワイヤレス識別タグによって受信される信号であってもよい。例として、図9および図10に例証されるように、電力マネージャ9010は、2.4GHzハーベスタ9014、900MHzハーベスタ9012、またはその両方から入力を受信し、900MHz検出および2.4GHz検出のうちの一方をトップレベル制御器9020に提供し得、このトップレベル制御器9020が、受信した入力に基づいて、送信制御信号をビーコン制御器9030に送信し得る。故に、ビーコン制御器9030(例えば、少なくとも1つの回路)は、トップレベル制御器9020(いくつかの実施形態において、これも少なくとも1つの回路を構成し得る)からの制御信号に基づいて、入ってくる900MHz信号または2.4GHz信号(トリガの例)の検出の結果として、ビーコン送信機9032(例えば、少なくとも1つの送信機)に1つまたは複数の信号を送信させ得る。
【0556】
いくつかの実施形態において、ワイヤレスタグは、約900MHzの第1の周波数帯内または約2.4GHzの第2の周波数帯内のうちの少なくとも一方の周波数を有するエネルギーとして送信されるトリガを受信するように構成される少なくとも1つのアンテナを含み得、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素が、少なくとも1つのアンテナによって受信されるエネルギーを貯蔵するように構成される。
【0557】
図9は、周囲エネルギーを受信するための受信機を含むワイヤレス識別タグの非限定的な実施形態を例証する。受信機は、トップレベル制御器9020にも結合され得るマルチソースハーベスタ2102およびスイッチ9034(または前述のものの一部分)を含み得る。マルチソースハーベスタ2102は、スイッチ9034を通じて2.4GHzアンテナ2114に結合され得る2.4GHzハーベスタ9014、900MHzアンテナ2112に結合され得る900MHzハーベスタ9012、およびトップレベル制御器9020に結合され得る電力マネージャ9010を含み得る。前述の構成要素の各々は、複数の回路で構成されてもよく、したがって回路への言及は、単一の構成要素またはその部分に関し得るということに留意されたい。
【0558】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの回路は、少なくとも1つの送信機を、少なくとも1つのアンテナが第1の周波数帯で送信されるエネルギーを受信するとき第1の送信モードで動作させ、少なくとも1つのアンテナが第2の周波数帯で送信される第2の周波数帯で送信されるエネルギーを受信するとき第2の送信モードで動作させるようにさらに構成され得、第1の送信モードは、送信信号の繰返し周期、送信電力レベル、または送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つにおいて第2の送信モードとは異なり得る。
【0559】
繰返し周期は、2つのアクションの間の時間であり得る。同じイベントの繰り返される発生について、そのようなイベントが入力であるにしろ、出力であるにしろ、平均時間間隔、またはイベントの周期性は、繰返し周期と見なされ得る。いくつかの実施形態において、900Mhz周波数帯内の周波数にあるエネルギーが受信される場合、ワイヤレスタグは、「インフラストラクチャ励起モード」で動作し得る。インフラストラクチャ励起モードにおいて、ワイヤレスタグは、小売店舗のコンピュータシステムが、店舗内でワイヤレスタグの場所を追跡すること、および店舗の在庫目録を更新することを可能にするように信号を送信し得る。これらのタイプの動作は、反復的であってもよい。例えば、タグは、送信間にいくらかの間隔を伴って信号を連続して送信し得る。小売店舗環境においては、多くのタグが一般に共通した場所から信号を繰返し送信するため、繰返し周期は、信号衝突および/または受信機を圧倒することを回避するために特別な考慮を必要とし得る。例えば、繰返し周期は、各タグについて繰返し周期が非均一であるように設計され得る。その一方で、例えば、2.4GHzハンドヘルドデバイスを使用して発生し得るような、ユーザが即時応答のためにタグをトリガする「ユーザ励起モード」においては、より短い反応時間が保証され得る。ユーザ励起モードにおけるトリガに対するタグの反応は、したがって、他のモードにおけるトリガに対するタグの反応とは異なる特性を有し得る。
【0560】
送信電力は、少なくとも1つの送信機によって放出される電力、または信号送信に含まれる電力の量であり得る。送信に含まれる電力は、送信のエネルギー密度、大きさ、または振幅によって特性付けられ得る。一般に、ワイヤレス送信の範囲は、その電力に関連するため、高い電力を有する送信ほど、より長い範囲に到達することができる。信号送信機は、最小送信範囲を確実にするために特定の送信電力を有するようにプログラムされ得る。例えば、ワイヤレスタグがインフラストラクチャ励起モードで動作するとき、タグによって送信される信号は、タグからいくらかの距離だけ離れて配置されたタグ受信機に到達することができなければならず、故に、より高い送信電力が望ましい場合がある。しかしながら、ユーザデバイスがタグに近いことが予想されるユーザ励起モードでは、より低い電力が許容可能であり得る。
【0561】
送信のデータコンテンツは、信号送信に含まれるデータを指し得る。いくつかの実施形態において、タグが送信の要求に応答するとき、それは、トリガを送信する個人またはデバイスの目的に応じて、送信内にタグIDに加えて他のデータを含み得る。
【0562】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の異なる構成要素は、異なる周波数帯で信号を受信するように構成され得、また少なくとも回路は、どの構成要素が信号を受信するかに基づいて、トリガを搬送する信号が第1周波数帯内の周波数であるか、または第2の周波数帯内の周波数であるかを検出し得る。図9および図10に例証される非限定的な例において、電力マネージャ9010は、2.4GHzハーベスタ9014、900MHzハーベスタ9012、またはその両方から入力を受信し、900MHz検出および2.4GHz検出の一方または両方をトップレベル制御器9020に提供し得る。トップレベル制御器9020は、900MHz検出および2.4GHz検出の一方に基づいて、受信したエネルギーが、第1の周波数帯内の周波数であるか、または第2の周波数帯内の周波数であるかを判定し得る。
【0563】
いくつかの実施形態において、ワイヤレス識別タグは、所定のタイミングシーケンスに従ってトリガを生成するように構成される少なくとも1つの第2の回路を含み得る。タイミングシーケンスは、時間管理の目的のために使用されるシーケンスまたは信号であってもよい。例えば、イベントのシーケンスにおいて、タイミングシーケンスは、連続するイベントの間の時間の長さを構成し得る。所定のタイミングシーケンスは、連続するイベントの間の時間の長さが予め決定されるイベントのシーケンスであり得る。いくつかの実施形態において、所定のタイミングシーケンスは、任意のプログラムされたプロトコルに基づいてトリガを生成するためにタグ内へ符号化され得る。プロトコルは、無限であってもよい。電気または電子回路の文脈において、タイミングシーケンスは、クロック信号など、周期発振を有する任意の電気信号を伴い得る。タイミングシーケンス内のイベントは、例トリガであり得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の回路は、第1のタイミングシーケンスに従って第1のトリガを生成するように、および、繰返し周期、または2つの連続する生成トリガの間の時間間隔のうちの少なくとも一方において第1のタイミングシーケンスとは異なる第2のタイミングシーケンスに従って第2のトリガを生成するように構成され得る。いくつかの予想される送信が不明の場合、各送信の正確なタイミングは、前もってプログラムされなくてもよい。代わりに、送信のタイミングは、クロック信号などのタイミングシーケンスに基づいて生成され得るトリガに基づいて決定され得る。連続する送信間の時間間隔の非均一性は、タイミングシーケンスをランダム化することによって達成され得、こうして第1および第2の時間シーケンスが、異なる繰返し周期または連続するトリガ間の時間間隔を有し得ることを確実にする。
【0564】
いくつかの実施形態において、トップレベル制御器9020は、第2の回路の例を構成し得る。図10に例証されるように、トップレベル制御器9020は、送信制御信号をビーコン制御器9030に送信し得、このビーコン制御器9030が、送信機によって送信されるべき識別信号のパラメータを識別し得る。これらのパラメータは、2つの連続して送信された信号間の持続時間、各送信の持続時間、各送信により送信されたデータ、および/または送信された信号の電力レベルを含み得る。いくつかの実施形態において、および上で論じられるように、トップレベル制御器9020は、ワイヤレス識別タグの動作モードに基づいて、異なるタイミングシーケンスを識別し得る。例えば、タグがインフラストラクチャ励起モード(すなわち、店モード)にあるとき、トップレベル制御器9020は、信号間に比較的より長い時間期間を伴う第1のタイミングシーケンスで識別信号の送信を引き起こすようにビーコン制御器9030に指示し得る。しかしながら、タグがユーザ励起モード(例えば、IoTモード)にあるとき、トップレベル制御器9020は、信号間により短い時間期間を伴う第2のタイミングシーケンスで識別信号の送信を引き起こすようにビーコン制御器9030に指示し得る。こうして、トップレベル制御器9020は、識別信号の送信がいつ必要とされるかを判定することができ、またその結果として1つまたは複数のトリガ(すなわち、送信制御信号)を生成することができる。これらのトリガは、タグによって送信されるべき識別信号のタイミングシーケンス(すなわち、識別信号の2つの連続する送信の間の所望の時間の長さ)を識別し得る。トップレベル制御器9020は、トリガをビーコン制御器9030に送信し得、このビーコン制御器9030が、トップレベル制御器9020によって提供されるパラメータに従って識別信号の送信を引き起こし得る。
【0565】
いくつかの実施形態において、ワイヤレス識別タグは、低速クロック信号をトップレベル制御器9020および/またはビーコン制御器9030に提供し得るリアルタイムクロック10024を含み得る。いくつかの実施形態において、低速クロック信号は、トップレベル制御器9020が、タグの識別信号の連続する送信間の時間の量を追跡すること、およびそれに応じて、所望の周波数で識別信号の送信を引き起こす(例えば、およそ10秒ごとに識別信号を送信する)ようにビーコン制御器9030に指示することを可能にし得る。すなわち、トップレベル制御器9020は、低速クロック信号を使用して、前の信号が送信されてからどれくらいの時間が経過したかを判定し得、最後の送信から所望の時間の長さが経過した後に識別信号の送信を引き起こすようにビーコン制御器9030に指示し得る。
【0566】
いくつかの実施形態において、タグの識別信号の連続する送信間の時間間隔は、低速クロック信号のランダム化された変動を使用して修正され得る。上で述べたように、トップレベル制御器9020は、低速クロック信号を使用して、識別信号の個々の送信がいつ発生すべきかを判定し得る。いくつかの実施形態において、リアルタイムクロック10024の構成は、2つのタグが同じ時間点でカウントし始めるとしても、それらのそれぞれの低速クロック信号における変動が、それらのそれぞれの送信を異なる時間点で発生させるのに十分であるように、個々のタグ間で異なり得る。追加的または代替的に、タグは、低速クロック信号を、他のタグの低速クロック信号に対して、同じ量だけ変化させるように構成される乱数または疑似乱数発生器を含み得る。
【0567】
いくつかの実施形態において、異なるタグにおける低速クロック信号間の変動は、約0.5秒(または0.1~0.9秒)の分解で送信時間のランダム化を引き起こし得る。低速クロック信号のこのようなランダムな変動は、ごく接近した複数のタグによる信号送信が同時に発生することを防止し、こうしてタグの信号が衝突する可能性を低減し得る。いくつかの実施形態において、各ワイヤレス識別タグは、異なる低速クロック信号を有するように設計され得る。例えば、1つのタグは、5秒ごとにトリガを生成する低速クロック信号を有し得、異なるタグは、9秒ごとにトリガを生成する低速クロック信号を有する、などである。これは、複数のタグが信号送信の重複を有し得る可能性をさらに低減し得る。
【0568】
いくつかの実施形態において、ワイヤレス識別タグは、水晶振動子10022も含み得る。水晶振動子10022は、ビーコン送信機9032に参照クロック信号を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、識別信号の連続する送信の間の時間間隔は、参照クロック信号を使用することによってさらに修正され得る。水晶振動子10022は、数十ミリ秒のオーダーの増分で時間を測定し得る。水晶振動子10022によって測定される時間間隔は、低速クロック信号に基づいて生成される時間間隔に加算されるか、またはこれから減算されて、信号送信間の時間間隔における追加の変動を作成し得る。参照クロック信号が、低速クロック信号または低速クロック信号のランダム化された変動のいずれかの増分よりも実質的に小さい増分を有し得ることから、結果として生じる時間間隔は、より小さい時間増分で変化され得る。例えば、トップレベル制御器9020が、識別信号が7秒ごとに送信されるべきであると判定するとき、低速クロック信号からの変動は、連続する送信間に、例えば、6.3~7.7秒の持続時間を結果としてもたらし得る。参照クロック信号からの変動の組み込みにより、この変動は、連続する送信間に、例えば、6.21~7.79秒の持続時間へ増加し得る。故に、低速クロック信号に加えて参照クロック信号を使用することによって、非均一性のさらなる層が、信号送信間の時間間隔に追加され得る。さらには、水晶振動子10022が小さい増分(数十ミリ秒)で時間を測定することから、さらに多くの分解が信号送信のための時間窓に利用可能であり、信号衝突のリスクをさらに低減する。
【0569】
いくつかの実施形態において、連続する送信間の時間間隔は、参照クロック信号のランダム化された変動を使用することによりさらに修正され得る。例えば、タグは、参照クロック信号を、数十マイクロ秒のオーダーなど、いくらかの量だけ変化させるように構成される乱数または疑似乱数発生器を含み得る。以前の例と同様に、追加の変動は、送信間の時間間隔に加算されるか、またはこれから減算され得る。例えば、信号送信が以前の信号送信から6.21~7.79秒後に発生する場合、参照クロック信号のランダム化された変動は、6.209~7.799秒の新規間隔を引き起こし得る。
【0570】
例として、図10に例証されるように、リアルタイムクロック10024は、数十秒のオーダーで時間を刻む低速クロック信号を生成し得る。リアルタイムクロック10024は、乱数発生器によって生成される乱数または疑似乱数を使用して、ランダム化された変動を生成し得る。低速クロック信号のランダム化された変動は、上で論じられるように、約0.5秒のオーダーにあり得る。水晶振動子10022は、数十ミリ秒のオーダーで時間の経過を追う参照クロック信号を提供し得る。水晶振動子10022は、乱数発生器によって生成される乱数または疑似乱数を使用して参照クロック信号のランダム化された変動を生成し得る。参照クロック信号のランダム化された変動は、数十マイクロ秒のオーダーにあり得る。いくつかの実施形態において、水晶振動子10022および/またはリアルタイムクロック10024は、それらのそれぞれの信号を、それらの設計および構造に基づいて生成するように構成される回路であり得る。追加的または代替的に、水晶振動子10022および/またはリアルタイムクロック10024は、所望の特性を有する信号を提供するように(例えば、トップレベル制御器9020によって、または別の制御器によって)制御され得る。
【0571】
いくつかの実施形態において、識別信号のシーケンスは、タグと関連付けられた製品の特性に基づいて変化し得る。例えば、家電などの重たい製品は、衣服と比較したとき、または市販の医薬製品よりも、移動する可能性が低い。しかしながら、これは、製品のいくつかの種類については、製品の場所に関する履歴情報が信頼するに値し得、その結果として、どんなときでも製品の関連付けられたタグの存在を検出することがそれほど重大でなくてもよいということを例証する1つの例である。対照的に、移動される可能性がより高い製品では、送信のよりロバストなシーケンスが、在庫目録管理目的のために望ましい場合がある。そのような判定は、タグID、シリアル番号、参照番号、カテゴリもしくはコードタイプ、または他の同様の情報など、タグにより識別可能な製品の特性に基づいてなされ得る。いくつかの実施形態において、システムは、特定の種類のタグのみを特定の間隔でトリガするように設計され得る。上の例を借りると、移動できない商品のタグは、移動可能な商品のタグよりも少ない頻度でシステムによってトリガされ得る。
【0572】
いくつかの実施形態において、インフラストラクチャ励起モードにある間、識別信号のシーケンスは、信号衝突のリスクを低減するために、製品の特性に基づいてさらに変化し得る。例えば、異なる種類またはカテゴリの製品は、異なるシーケンスの識別信号でプログラムされたタグと関連付けられ得る。店環境にある間、タグが信号を店内のタグ受信機へ送信するとき、異なるシーケンスの識別信号は、異なるタグに、異なる時間、周波数、または電力レベルで送信させ得る。場合によっては、1つの種類の製品は、1つの繰返し周期で送信するタグを有し得、別の種類の製品は、異なる繰返し周期で送信するタグを有し得、こうして同時送信の機会をさらに低減する。
【0573】
いくつかの実施形態において、製品の特性は、製品の一意のIDを含み得る。製品の一意のIDは、識別した製品と単独で関連付けられ、他の製品とは関連付けられない、数字、文字列、または他の形態のデータであり得る。一意のIDの例は、通し番号、一意のEPCコード、バーコード、または一意のデータベースエントリを含み得る。いくつかの実施形態において、製品の一意のIDは、製品と関連付けられた、材料、サイズ、色、またはスタイルのうちの少なくとも1つを示す在庫管理単位(SKU)と関連付けられ得る。在庫管理単位(SKU)は、販売のための別個の製品またはサービスのデータ表現であり得る。SKUは、製品の一意のIDなどの識別子と関連付けられ得る。SKUは、在庫目録管理システムに属するものなど、データベース内のエントリを表し得、また製品に関連する任意の情報を含み得る。この情報は、製品の在庫数、価格、カテゴリ、分類、場所、履歴、仕様、および/または事業目的で関連し得る他の情報を含み得る。いくつかの実施形態において、製品は、そのサイズ、色、スタイル材料、および他のそのような特性によって分類され得る。これらの特性の各々は、異なるSKUおよび一意のIDと関連付けられ得、同じ特性を共有する製品種目は、同じSKUおよび一意のIDを共有し得る。
【0574】
例として、図11に例証されるような衣料品小売店の文脈において、特定のサイズ、色、材料のTシャツは、第1のSKUを共有し得る。同じサイズ、材料であるが、異なる色のTシャツは、第2のSKUを共有し得る、などである。
【0575】
本開示の実施形態は、不正防止のため、ワイヤレスタグのスプーフィングを回避するためのメカニズムと関連付けられた方法、システム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体に関し得る。本明細書内で論じられるように、ワイヤレスタグは、システムが在庫目録目的のためにタグIDを検出することを可能にするため、および/またはシステムが制御領域からのタグ付き商品の取り出しを追跡することを可能にするためを含む、様々な理由で、一意のタグIDを送信し得る。単に例として、小売店舗において、店舗から取り出されたタグ付き商品を追跡することは特に価値があることであり得る。これは、例えば、タグが店舗の出口でEASゲート信号を受信するときに発生し得、これにより、タグの一意のIDを出口付近にある受信機に送信するようにタグをトリガする。タグが検出されずに出口を通過することを防止するために、タグは、それらの一意のIDを送信するのに十分なエネルギーを必要とし得る。このことを知っているため、不正行為者は、タグのIDを繰返し送信するようにタグをトリガし、これにより、タグ付き商品が店舗から取り出されるとき、タグ内の予備エネルギーが識別信号を送信するのに不十分であるところまでタグ内の予備エネルギーを枯渇させようとし得る。
【0576】
そのような悪事を働く人は、なりすまし信号を、EASゲート送信機の周波数帯で、EASゲート付近にある受信機の範囲外に配置されたタグに送信するハンドヘルド送信機を使用して、タグ内の貯蔵エネルギーを枯渇させることを試み得る。例えば、不正行為者は、タグ付き衣料品を試着室内へ持ち込み、ハンドヘルドEAS信号送信機を使用して、商品のタグ内の予備エネルギーを枯渇させることを試みる可能性がある。
【0577】
このスプーフィングに対抗するため、店舗内のインフラストラクチャは、スプーフィングの明確な兆候を検出するように構成され得る。例えば、EASゲート周波数送信は、EASゲートのすぐ近くでのみ発生することがシステムによって予想される。したがって、EAS周波数が、試着室など、店舗の別の部分で検出される場合、警告が、疑わしいスプーフィングの試みを管理または警備担当者に通知し得る。追加的または代替的に、EAS信号に応答して、タグは、タグがEAS信号に応答していることを示す応答信号を発するように設計され得る。例えば、EASゲートトリガに応答して送信される信号パターンは、任意の他のトリガ信号に応答して送信される信号パターンとは異なり得る。そのようなゲートモード応答信号が、EASゲート付近以外の場所からシステムによって受信される場合、同様の警告が送信され得る。なりすましの警告は、周知の固定の場所にある受信機によって受信され得るため、警告は、いくつかの実施形態において、スプーフィング場所を特定し得、警備担当者が不正行為者を位置特定することを可能にする。例えば、スプーフィングされたEAS信号が、試着室のエリアをカバーする受信機によって検出される場合、その場所は、警告の部分として送信され得る。2つ以上の受信機が不正に発生した信号を受信する場合、三角測量または他の位置特定技術が、スプーフィングされたタグまたはスプーフィング送信機と関連付けられた、場所座標または場所に関連したデータを識別するために採用され得る。この方法では、警備担当者は、警告の部分として、場所に関連した情報を受信し得る。さらには、スプーフィングされたタグの送信された応答は、スプーフィングされたタグが関連付けられる製品を識別する一意のIDを含む可能性が高いため、警告はまた、製品識別情報を担当者に通知し得る(例えば、警告は、茶色のレザーのアルマーニのジャケットを試着室#6内の人物が盗もうとする恐れを示し得る)。そのような警告はまた、システムと関連付けられたデータ構造体から取得される、問題の製品の画像を含み得る。店舗のCCTVカメラと直結している場合、システムは、スプーフィングされた信号が発生したエリア内に最近いた1人または複数人の人物のビデオの探索を自動的に実施し、そのような画像を警告の部分として送信し得る。同様に、スプーフィングされた信号が検出されるとすぐに、スプーフィングのエリアからの1つまたは複数のCCTVカメラストリーミングが、警告の部分としてライブ送信され得る。さらには、複数のカメラが、容疑者が店舗内を移動する際に容疑者を追跡するために使用され得る。これらの技術のうちの1つまたは複数を使用することで、不正およびシュリンケージが低減され得る。
【0578】
開示された実施形態は、ワイヤレス識別システムに関与し得る。例示的なワイヤレス識別システムは、EAS送信機など、電磁エネルギーを送信するように構成される1つまたは複数の送信機、1つまたは複数のEASゲート、複数の識別タグからの送信を受信するように構成される1つまたは複数の受信機、ならびに、例えば、識別タグ、警告メカニズム、在庫目録、または製品詳細と関連した情報を貯蔵および処理するように構成される1つまたは複数のプロセッサの使用に関与し得る。ワイヤレス識別システムは、物体、人間、および/または動物を追跡および/または認証するのに有益であり得る、他の素子、回路、回路構成要素、およびシステムにさらに関与し得る。ワイヤレス識別システムは、前述の素子のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0579】
いくつかの実施形態において、ワイヤレス識別システムは、第1の受信機を含み得る。第1の受信機は、ハンドヘルドデバイスまたは固定式デバイスであり得る。ハンドヘルドデバイスは、作業ルーチン中もしくは買い物の間の使用のために店舗によって従業員または顧客に提供されるハンドヘルドスキャナ、そのような個人のモバイル通信デバイス(例えば、携帯電話、タブレット、専用ハードウェアなど)、または受信機の機能を実施することができる任意の他のハンドヘルドデバイスを含み得る。固定式スキャナは、受信機の機能を実施することができる、任意の壁、天井、または、受信機を支持することができる任意の他の構造的もしくは非構造的要素に貼り付けられる、または別途装着されるデバイスであり得る。例として、図11において、受信機11300a~hは、店舗内の特定の構造体(例えば、壁、天井、ラック、ディスプレイ、または他の備品もしくは構成要素)に装着されるスキャナであり得る。顧客または従業員は、例えば、ハンドヘルドスキャナとしてハンドヘルドデバイス11200を使用し得、これは、スキャン専用のデバイス、または受信機の機能を実施することができる任意の他のモバイルデバイスであり得る。
【0580】
ワイヤレス識別システムは、少なくとも1つのプロセッサをさらに含み得る。プロセッサは、例えば、識別タグ、警告メカニズム、在庫目録状態、または製品詳細に関連した情報を貯蔵および処理するように構成され得る。少なくとも1つのプロセッサは、ワイヤレス識別システムの特定の設計パラメータに応じて、いくつかある機能の中でも特に、識別タグを識別する、在庫目録を更新する、通知を提供する、および/または警告を提供するように構成され得る。
【0581】
ワイヤレス識別システムは、第1の周波数帯にある第1の信号を複数の識別タグに送信するように構成される少なくとも1つの送信機に関連して使用され得る。例として、少なくとも1つの送信機は、EASゲートもしくはEASシステムに組み込まれ得るか、またはこれと別途関連付けられ得る。そのようなシステムは、典型的には、58~60kHzまたは7~13MHzの周波数範囲で送信する。そのような第1の信号を受信する1つまたは複数のワイヤレス識別タグは、第2の周波数帯にある第2の信号を送信するようにされ得る。タグ設計に応じて、第2の信号は、2.4GHz WW ISM周波数範囲にあり得る。第2の信号の特性は、それを、第1の信号によって、この例では、EASゲートまたはEASシステムからの送信によって、トリガされているものと特定し得る。そのような信号特性は、電力レベル、繰返し速度、データコンテンツ、またはトリガ源を識別するために使用され得る任意の他の情報のうちの1つまたは複数を含み得る。これは、タグが、第1の信号を受信したことに応答して特定の特性を有する第2の信号を生成するようにプログラムされ得ることから、発生し得る。複数のタグ付き商品が同時に第1の信号を受信する場合、それらは各々、同時に、または短い時間間隔内で、各タグに一意の第2の信号を送信し得る。少なくとも1つの送信機は、例として、EASゲートまたはシステムと関連付けられると説明されるが、少なくとも1つの送信機は、EAS関連である必要はなく、第1の信号は、EAS周波数範囲内にある必要はない。同様に、第2の信号は、2.4GHz範囲内にある必要はない。
【0582】
周波数範囲にかかわらず、第2の信号の送信は、第1の信号が第1の周波数帯で受信されたという指示としての役割を果たし得る。言い換えると、タグによって受信される第1の信号は、タグによる第2の信号の送信をトリガすることになんらかの方法で関与していると言うことができる。
【0583】
第2の信号は、少なくとも1つの送信機に近接した場所のために構成される第1の受信機によって受信され得る。第1の受信機は、少なくとも1つの送信機近くのその配置の結果として、または、受信機がタグによる第1の信号の受信の結果として第2の信号を受信することが予想されることを認識する全体的なシステム設計の結果として、「構成」され得る。
【0584】
前にも示唆したように、第1の周波数帯は、例えば、約7~13MHzの第1のEAS周波数帯または約58~60kHzの第2のEAS周波数帯のうちの少なくとも一方を含み得る。1つの例において、タグによって送信される第2の信号は、タグに対して一意であり得る識別信号を含み得る。例えば、識別信号は、データ構造体にアクセスするプロセッサによってタグが識別されることを可能にする一意の識別コードまたはシーケンスを含み得る。
【0585】
いくつかの実施形態において、第2の信号は、第1の信号が第1の周波数帯で受信されたかどうかを示し得る。開示された実施形態と一致して、第2の周波数帯にある第2の信号は、第1の信号を第1の周波数帯で受信することに応答して、生成および送信され得る。いくつかの実施形態において、識別信号を第2の周波数帯で送信することは、第1の信号を第1の周波数で受信すること、および受信した第1の信号の周波数を検証することに関与し得る。検証の際、識別タグは、第1の受信機、第2の受信機、または複数の受信機によって検出されるべき第2の信号または識別信号を生成および送信し得る。第2の信号が、第1の周波数帯にある第1の信号の受信の検証の際に生成され得ることから、第2の信号の存在は、第1の信号が第1の周波数帯で受信されたかどうかを示し得る。
【0586】
いくつかの開示された実施形態において、ワイヤレス識別システムの少なくとも1つの送信機は、後でより詳細に論じられるが、第1の受信機に近接して配置され得る。構成要素の近接性は、少なくとも1つの送信機が第1の信号を発し、以て第1の受信機への第2の信号の送信をトリガするとき、少なくとも1つの送信機が、第2の信号が第1の受信機によって検出または受信されることができるように、第1の受信機に十分に近いようなものであり得る。例えば、少なくとも1つの送信機は、EASシステムを備えた設備の出口(例えば、出入口)近くに配置され得る。送信機(例えば、EAS送信機)は、EAS台の内側に配置された外部システムまたはデバイスであってもよく、その結果として、送信機は、EAS台のフレームもしくは支持構造体内に隠され得るか、またはEAS台のフレームもしくは支持構造体上に取り付けられ得る。追加的または代替的に、送信機は、天井に、もしくは天井の上に、床に、もしくは床の下に、壁に、もしくは壁の裏に、または設備の出入口に隣接した任意の他の定置型もしくは移動式の構造体に配置され得る。どこに配置されるにしても、第1の受信機は、少なくとも1つの送信機が第1の信号によりタグをトリガするとき、タグがそれらの応答信号を第1の受信機に送信することができるように、少なくとも1つの送信機の十分に近くにあり得る。
【0587】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の送信機は、施設内の1つまたは複数の場所に配置され得る。例えば、1つの送信機は、銀行の主要出入口に配置され得、別の送信機は、金庫室の入口に配置され、別の送信機は、現金自動預払機(ATM)エリア、または安全が保証された施設の他のセクションに配置される。
【0588】
別の例として、第1の受信機は、第1の受信機の受信範囲が、少なくとも1つの送信機に近接した場所にあるとき、第1の受信機が少なくとも1つの送信機の送信範囲にあるタグから信号を受信することを可能にするという点で、少なくとも1つの送信機に近接した場所のために構成され得る。故に、少なくとも1つの送信機が信号をタグに送信して、識別信号を送信することをタグに促すとき、第1の受信機は、識別信号を受信することができるように受信範囲内にある。第1の受信機は、例えば、EASシステムの送信機によって送信される第1の信号を受信する識別タグの送信範囲内にあり得る。本明細書で使用される場合、送信範囲および受信範囲は、送信機と受信機との間の最大距離を指すことができ、これらの送信機および受信機の両方は、送信および受信が送信機および受信機の間でそれぞれ可能にされるように、同じ通信プロトコルを使用して、および同じ通信媒体を介して動作する。いくつかの実施形態において、送信機から受信機へ送信される信号が、送信されたデータ(または、エネルギー送信の場合、受信機が受信したエネルギーを受信機の側から使用可能に変換することができる最大距離)を正しく識別する受信機によって、正確に受信および解釈されることができる場合、送信機および受信機は、互いの「範囲内」にあり得る。この距離は、例えば、送信機出力の電力レベル、一定であり得る通信媒体の減衰、または距離の定式、または、数ある中でも、距離および通信媒体のいくつかのパラメータの両方の統計的定式、および受信機感度によって決定され得る。送信範囲よりも短い、所与の送信機からある距離に配置される受信機は、送信機の「範囲内」にある、または送信機「付近にある」、または送信機に「近接している」と言われる。例えば、Wi-Fiアクセスポイントの送信範囲は、アクセスポイントがその最大データレートでデータを送信しているときには数メートルに及ぶことができるが、その最低データレートで送信しているときには数十メートルにまで(時には、100メートル以上にまで)延長し得る。これらの2つの条件の違いは、受信機感度であり、この受信機感度は、高データレートと比較して低データレートでは、はるかに低い電力レベルにある。同じ方式で、壁、人間、家具、および他の障害物または反射体が、送信電力レベルまたは受信機感度のいかなる変化もなしに、通信媒体の減衰を変化させることによって送信範囲を低減または延長し得る。いくつかの開示された実施形態において、受信機感度は、受信機が、正確に、受信し、受信したデータを解釈し、それに対して動作する、受信機への入力における最小電力レベルを指し得る。
【0589】
第1の受信機がEAS送信機などの送信機の近くの複数の識別タグからの送信を受信するために、第1の受信機は、識別タグの送信範囲内に位置付けられなければならず、識別タグ自体がEAS送信機の送信範囲内にある。言い換えると、第1の受信機は、EAS送信機によって送信される第1の信号を受信する識別タグの送信範囲内に配置され得る。第1の受信機とEAS送信機との間の最大距離は、第1の受信機までの識別タグの送信範囲と識別タグまでの送信機の送信範囲との違いと等しいか、それより小さくてもよい。
【0590】
いくつかの開示された実施形態において、第2の受信機は、少なくとも1つの送信機の送信範囲の外側のタグから第3の信号を受信するように構成され得る。第2の受信機は、例えば、少なくとも1つの送信機に対するその配置に起因して、そのように構成され得る。例えば、第2の受信機が、第1の受信機から十分に離れて配置され得る場合、その結果として、少なくとも1つの送信機の第1の信号によってトリガされる第2の信号が、第2の受信機によって検出されない場合がある。しかしながら、第2の受信機の範囲内のタグから発信されている第3の信号が、第2の受信機によって受信され得る。
【0591】
いくつかの実施形態において、ワイヤレス識別システムは、2つ以上の第2の受信機を含み得、それらの各々は、少なくとも1つの送信機によってトリガされる任意の第2の信号によって影響を受けないように、少なくとも1つの送信機から十分に離れている。複数の識別タグのうちの1つまたは複数からの送信は、2.4GHz WW ISMの範囲にある周波数帯を有する第2の信号を含み得る。第2の受信機は、ワイヤレス識別タグの送信機から送信される2.4GHzの範囲にある周波数を有する電磁信号を受信するように構成され得る。
【0592】
本開示と一致するワイヤレス不正検出システムは、異なる受信機における異なる信号を予想するように構成され得る。例えば、店内の特定の売り場にある受信機は、在庫目録管理システムの部分であるインフラストラクチャによってタグに送信される信号によって促されたタグから識別信号を受信することを予期し得る。しかしながら、同じ特定の売り場にある受信機が、EASゲートによって促されたタグから信号を受信することを予想しない場合がある。これは、EASゲートが、出口に配置され、特定の売り場内には配置されないためである。故に、EASゲートから離れた受信機が、EASゲート信号に対するタグ応答を受信する場合、そのような信号は、予想されないものであり得、不正を示し得る。そのような信号は、信号の1つまたは複数の特性がEASゲート応答を特徴付け得るという点で、インフラストラクチャ受信機によって受信される典型的な信号とは異なり得る。そのような特性は、信号の電力、信号の繰返し率、信号に含まれる情報、またはEASゲート応答を特徴付けるためにシステムにおいて用いられる任意の他の信号特性に関与し得る。
【0593】
いくつかの実施形態において、送信機と第2の受信機との間の最小距離は、識別タグまでの送信機の送信範囲および第2の受信機までの識別タグの送信範囲の合計より大きくてもよい。例えば、識別タグと第2の受信機(例えば、受信機11300c)との間の距離d4は、送信機と第1の受信機(例えば、受信機11300a)との間の距離d1、または識別タグと第1の受信機との間の距離d2より大きくてもよい。
【0594】
例として、図31において、店舗内のワイヤレス識別システム31100は、7~13MHzまたは58~60kHzの周波数帯にある送信信号1118(例えば、EAS送信信号)を送信するように構成される送信機1116を含み得る。ワイヤレス識別タグ1100は、送信機1116から送信信号1118を受信し、送信信号1118の受信時に、2.4GHzの周波数帯にある識別信号1102を送信するように構成され得る。第1の受信機11300aは、送信された信号1102を受信するように構成され得る。第2の受信機11300cは、第2の受信機11300cが識別タグ1100の送信範囲の外側にある(すなわち、距離d4が、識別タグ1100の送信範囲または受信機11300Cの受信範囲のうちの1つまたは複数よりも大きい)ことから、信号1102を受信しない場合がある。例として、送信機1116は、店舗の出入口において構造体31120に配設され得るか、これに取り付けられ得るか、またはこれに装着され得る。EAS送信信号1118および識別信号1102は、単に例証および視覚支援の目的のために、それぞれ実線および破線の波で表記される。
【0595】
図31に例証されるように、送信機1116と受信機11300aとの間の距離は、d1と表記され得、識別タグ1100と受信機11300aとの間の距離は、d2と表記され得、送信機1116と識別タグ1100との間の距離は、d3と表記され得、識別タグ1100と受信機11300cとの間の距離は、d4と表記され得、受信機11300cと送信機1116との間の距離は、d5と表記され得る。いくつかの開示された実施形態において、距離d1は、第1の受信機までの識別タグの送信範囲と識別タグまでの送信機の送信範囲との違いと等しいか、それより小さくてもよい。いくつかの実施形態において、d2は、識別タグ1100の送信範囲に等しいか、それより小さくてもよく、d3は、EAS送信機1116の送信範囲に等しいか、それより小さくてもよく、d4は、識別タグ1100の送信範囲より大きいか、例えば、距離d5がEAS送信機1116の送信範囲および識別タグ1100の送信範囲の合計より大きい場合、識別タグ1100の送信範囲外であってもよい。
【0596】
いくつかの開示された実施形態において、少なくとも1つのプロセッサは、第2の受信機が第3の信号を受信すると、不正の恐れの警告を生成するように構成され得る。不正の恐れの警告または警告信号は、応答を必要とするイベントが発生したという、システムによって受信される指示を指し得る。ワイヤレス識別システムなど、盗難防止セキュリティシステムの文脈において、警告信号は、商品を盗もうとする(例えば、商品の支払いをせずにそれを店から取り出そうとする)試み、盗難防止アラームをトリガしないように特定の商品を改ざんしようとする試み(例えば、貯蔵エネルギーを枯渇させるようにタグをトリガし、タグがEASゲートを通過するときに通知をトリガするのに不十分なエネルギーをタグに残すことによって)、またはシステム全体が動作するのを妨げようとする試み(例えば、強い無線信号を送信して、システムの検出器が動作する能力を圧倒することによって)のいずれかを示し得る。そのような警告信号は、所望の情報を伝える、視覚的警告、可聴警告、文字警告、または任意の他の送信の形態にあり得る。警告は、固定式インフラストラクチャ(アラーム、光、ディスプレイ)を介して、または店の従業員のモバイルデバイスへの通知、盗難の試みのデータベースの更新、インスタントメッセージ、および/もしくはローカルセキュリティへの自動送信を含む、他のメカニズムを介して発生するようにされ得る。
【0597】
いくつかの開示された実施形態において、第3の信号は、タグのなりすましに応答してタグから発信され得る。なりすましは、無認可の信号がタグに送信されてタグの異常動作を引き起こすときに発生し得る。例えば、信号生成器を有する不正行為者がEASゲート信号のなりすましを生成し、それをタグに送信する場合、タグは、タグがEASゲートによってトリガされなかったとしても、EASゲートエリア以外のエリアにおいてEASゲート応答を送信するという点において、異常な方式で動作し得る。
【0598】
いくつかの開示された実施形態において、複数の識別タグの各々は、第1の周波数帯の外側の周波数で送信されたエネルギーを貯蔵するように構成されるエネルギー貯蔵構成要素を含み得る。開示された実施形態と一致して、エネルギー貯蔵構成要素は、エネルギーを貯蔵することを可能にされた任意の素子または回路を含み得る。例として、エネルギー貯蔵構成要素は、貯蔵コンデンサ10300を含み得る、エネルギー貯蔵回路2108など、図2図9、および図10に描写される構成要素のうちの1つまたは複数を含み得る。構成要素のうちの任意の1つまたは複数は、例えば、アンテナ2112または2114からエネルギーを受信し、受信したエネルギーを貯蔵し、エネルギーをタグ1100内の他の構成要素に利用可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態において、1つの形態で受信されたエネルギーは、第2の形態で貯蔵され得、また第3の形態で構成要素に提供され得る。さらには、いくつかの実施形態において、エネルギー貯蔵構成要素は、7~13MHzまたは58~60kHzの周波数範囲にある電磁エネルギーを貯蔵するように構成され得ない。例えば、2.4GHz WW ISMの周波数を有する電磁エネルギーが、エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵され得るが、EASゲート範囲内のエネルギーは貯蔵されない場合がある。上で論じられるように、エネルギー貯蔵構成要素は、貯蔵エネルギーを用いて少なくとも1つの識別タグの送信機に電力を供給するように構成され得る。
【0599】
いくつかの開示された実施形態において、複数の識別タグは、第1の周波数帯の外側の第4の信号を受信するようにさらに構成され得る。例えば、第4の信号は、ハンドヘルドデバイス(例えば、スキャナ、携帯電話)などの別のトリガ源からの、または店舗内の固定式送信インフラストラクチャからのものであってもよい。例えば、後者は、900MHz WW ISMまたは2.4GHz WW ISMの周波数範囲であってもよく、前者は、2.4GHz WW ISMの範囲内にあってもよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のアンテナは、本明細書内で論じられるように、約900MHzの複数の周波数帯、約2.4GHzの複数の周波数帯、またはその両方で送信されるエネルギーを受信するように調整され得る。受信した第4の信号に応答して、複数の識別タグは、第5の信号を送信するように構成され得る。第5の信号は、在庫目録インフラストラクチャ受信機またはハンドヘルドデバイス内の受信機など、近くの受信機による受信用であり得る。
【0600】
いくつかの開示された実施形態において、第4の信号は、第2の周波数帯、または900MHz WW ISMの第3の周波数帯にあり得る。複数のワイヤレス識別タグは、第2の周波数帯(例えば、2.4GHz)または第3の周波数帯(例えば、900MHz)で第3の信号を受信することに応答して、第1の周波数帯とは異なる、2.4GHzの第2の周波数帯で第5の信号を送信するように構成され得る。いくつかの実施形態において、識別タグは、第2の周波数帯(例えば、2.4GHz)または第3の周波数帯(例えば、900MHz)の両方における周波数を有する電磁エネルギーを検出するように構成される回路を含み得る。
【0601】
図32は、送信機1116、電磁エネルギーの外部ソース32200、識別タグ1100、および受信機11300cを含む、例示的なワイヤレス識別システム32000のブロック図を例証する。以前に論じられるように、送信機1116または別のEAS送信機は、58~60kHzまたは7~13Mhzの第1の周波数帯にある第1の信号1118を生成するように構成され得る。識別タグ1100は、第1の信号を受信し、第1の信号を受信することに応答して第2の信号1102を送信するように構成され得る。1つまたは複数の受信機11300aおよび/または11300cは、第2の信号1102を受信するように構成され得る。ワイヤレス識別システム32000は、例えば、2.4GHzまたは900MHzの周波数範囲にある第3の信号32003を送信するように構成される、ワイヤレスモバイル通信デバイスなどの(周囲および意図的)電磁エネルギーの外部ソース32200をさらに含み得る。識別タグ1100は、第3の信号32003を受信し、第3の信号32003を受信することに応答して第4の信号32004を送信するように構成され得る。第2の受信機11300cは、第4の信号32004を受信するように構成され得る。
【0602】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのプロセッサは、第5の信号が第2の受信機によって受信されるとき、少なくとも1つのプロセッサが、第5の信号を発信した特定の識別タグを識別するように、および少なくとも1つのデータ構造体に記憶された在庫目録内で識別したタグのIDを探索するように構成されるように、構成され得る。例えば、価格、サイズ、モデル番号などの製品に関する情報をチェックすることに関心があるとき、ハンドヘルドデバイスは、関連付けられたタグに、応答情報を要求する信号を送信させ得る。タグからの信号は、最初にハンドヘルドデバイスによって受信され得、次いでハンドヘルドデバイスが、メモリまたはサーバなどのデータ構造体へ検索要求を行い得る。
【0603】
いくつかの開示された実施形態において、データ構造体は、いくつかある製品関連情報の中でも、識別タグと関連した情報、識別タグのID、対応する製品情報、対応する製品の在庫目録状態、店舗内の製品の場所、店の在庫目録を含むが、これらに限定されないデータを記憶するように構成されるデータベースを含み得る。データベースに記憶された情報は、データベースと直接的または間接的に接続された1つまたは複数のプロセッサによりアクセス可能であり得る。いくつかの実施形態において、システムは、1つまたは複数のデータベースを含み得る。例えば、ローカルデータベースは、特定の施設もしくは店、地域的データベース、または世界的データベースと関連したローカル情報を記憶し得る。1つまたは複数のデータベースは、例えば、クラウドネットワークなどのネットワークを通じて、互いと接続され得る。いくつかの実施形態において、データベースは、リアルタイムで更新されるか、または所定の一定間隔で定期的に更新されるか、またはクエリに応答して更新されるように構成され得る。リアルタイム更新は、関連情報の変更の発生の後直ちにデータベースを更新することに関与し得る。本明細書で使用される場合、「直ちに」とは、さらなる意図した遅延なし、または特定の時間量以内、例えば、3秒以内、もしくは2秒以内、もしくは1秒以内、もしくは0.5秒以内とされ得る。
【0604】
いくつかの開示された実施形態において、プロセッサは、第2の受信機によって受信される第5の信号を送信した識別タグを識別するように構成され得る。プロセッサは、例えば、識別タグによって送信され、1つまたは複数の第2の受信機において受信された、入ってくる第5の信号にアクセスすることによって、識別タグを識別し得る。識別された位置は、店舗内の正確な測定可能な場所であり得、または、それは、システム設計および特定のシステムが提供する粒度に応じて、部屋、器具、売り場、領域、エリア、ラック、棚、または任意の他の位置など、一般化された位置であり得る。
【0605】
いくつかの開示された実施形態において、第2の受信機によって受信される第5の信号に基づいて、少なくとも1つのプロセッサは、識別されたタグのIDが在庫目録に含まれるとき、警告を生成するように構成され得る。識別タグが在庫目録内に存在するということを判定および確認すると、プロセッサは、商品が適切に清算されなかったこと、または支払いがされなかったことを示す警告を生成し得る。いくつかの開示された実施形態において、少なくとも1つのプロセッサは、第2の信号が第1の場所で第1の受信機によって受信されるとき、警告を生成することを控えるように構成され得る。識別タグは、EASシステムの送信機から第1の信号を受信すると起動され得る。起動時、識別タグは、第1の受信機が識別タグの送信範囲内に配置される場合第1の場所で第1の受信機によって受信され得る、約2.4GHzの第2の周波数帯にある第2の信号を生成または送信し得る。ワイヤレス識別システムのプロセッサは、識別タグによって送信された識別信号がEAS送信機に近接して配置された第1の受信機によって受信されたため、顧客が店舗の出入口の近くに存在し得ることを決定し得る。プロセッサは、受信される第2の信号が第1の受信機によって受信されたという確認に基づいて、それがなりすましの試みではないことを決定し得、したがって、システムなりすましの試みの警告信号を生成しなくてもよい。
【0606】
いくつかの開示された実施形態において、第2の信号は、送信された信号の繰返し周期、電力レベル、信号暗号化メカニズム、またはデータコンテンツのうちの少なくとも1つにおいて、第5の信号とは異なり得る。以前に論じられるように、第2の信号は、識別タグからゲートモードで送信された信号を指し得、第5の信号は、ユーザ励起モードまたはインフラストラクチャ励起モードで動作する識別タグから送信された信号を指し得る。第2および第5の信号は、通信媒体、通信プロトコル、暗号化、スクランブリング、および/もしくは偽装のタイプ、データコンテンツ、送信のタイミング、ならびに/または送信されるべき識別信号と関連付けられ得る任意の他の区別可能な特性を含むがこれらに限定されない、複数の特性において異なり得る。
【0607】
いくつかの開示された実施形態において、識別タグは、第2の信号を用いて第1の識別データを送信するように、および第5の信号を用いて第1の識別データとは異なる第2の識別データを送信するようにさらに構成され得る。本明細書に開示されるように、データコンテンツは、第1の識別データおよび第2の識別データを含み得る。第1の識別データは、第2の信号を用いてゲートモードで送信され得、また、公正な購入または製品の放出に関連したいくつかの情報の中でも、支払詳細、在庫目録詳細と関連するが、これらに限定されない、データを含み得る。第2の識別データは、第5の信号を用いてユーザ励起モードまたはインフラストラクチャ励起モードで送信され得、また、識別タグと関連付けられた一意の識別子、識別タグの状態、識別タグの場所、識別タグの電力レベル、価格情報、所有権情報、スタイリング情報、送信を開始したトリガに関連するデータ、または識別信号によって伝えられる任意の情報と関連するが、これらに限定されない、データを含み得る。
【0608】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの送信機、第1の受信機、および第2の受信機は、上で規定されるように、共通の店舗内に配置され得る。
【0609】
いくつかの開示された実施形態において、第2の信号が第1の受信機によって受信されるとき、少なくとも1つのプロセッサは、第2の信号を送信した識別タグを識別するように、および少なくとも1つのデータ構造体に記憶された在庫目録内で識別されたタグのIDを探索するように構成され得る。以前に論じられるように、データ構造体は、いくつかある製品関連情報の中でも、識別タグと関連した情報、識別タグのID、対応する製品情報、対応する製品の在庫目録状態、店舗内の製品の場所、店の在庫目録を含むが、これらに限定されない、データを記憶するように構成されるデータベースを含み得る。データベースに記憶された情報は、データベースと直接的または間接的に接続された1つまたは複数のプロセッサによりアクセス可能であり得る。プロセッサは、第2の信号が第1の場所で第1の受信機によって受信されるとき、例えば、第2の信号を送信した識別タグのIDを探索することによって識別タグを識別するようにさらに構成され得る。プロセッサは、商品と関連付けられた識別タグの探索を引き起こし得る、識別タグの識別情報に関するクエリを生成し得る。クエリに応答して、検索がデータ構造体内で開始されて、第2の信号を送信した識別タグが在庫目録に存在するかどうかを、例えば、識別タグのIDに基づいて、判定し得る。
【0610】
いくつかの開示された実施形態において、第1の受信機によって受信される第2の信号に基づいて、少なくとも1つのプロセッサは、識別されたタグのIDが在庫目録に含まれるとき、警告を生成するように構成され得る。識別タグが在庫目録内に存在するということを判定および確認すると、プロセッサは、商品が適切に清算されていないこと、または支払いがされていないことを示す警告を生成し得る。
【0611】
いくつかの開示された実施形態において、第2の信号が第1の場所で第1の受信機によって受信されるとき、少なくとも1つのプロセッサは、在庫目録データベースを更新するように構成され得る。例えば、ゲート信号(第1の信号を受信することに応答して生成される識別信号)は、顧客が識別タグを含む商品を商品の販売と関連付けられた所定の場所に持っていくとき、識別タグによって送信され得る。第1の受信機がゲート信号を受信するとき、システム内の少なくとも1つのプロセッサは、販売が発生したことを決定し、在庫目録データベースを相応に更新するように構成され得る。
【0612】
いくつかの開示された実施形態において、少なくとも1つの送信機は、第1の周波数帯内の信号を送信および受信するように構成されるEASアンテナを含み得る。例えば、先に論じられるように、EASゲートは、7~13MHzまたは58~60kHzの周波数帯で送信および/または受信するアンテナを含み得る。開示された実施形態において、タグはEASゲート信号によってトリガされ得るが、タグは、EASゲートによって認識されない場合がある2.4GHzなどの周波数で応答し得る。
【0613】
いくつかの開示された実施形態において、第1の受信機または第2の受信機のうちの少なくとも一方は、第2の周波数帯で送信される信号を受信するように調整されたアンテナを含み得る。故に、上で提供される例では、EASゲートトリガ信号に応答してタグによって送信される信号は、第1の受信機または第2の受信機によって受信および理解され得る(例えば、約2.4GHzの周波数範囲にある)。いくつかの開示された実施形態において、プロセッサは、第2の信号が第2の受信機によって受信されると、第2の場所に近接して配置された警告メカニズムに、視覚的通知または可聴通知のうちの少なくとも一方を生成させるように構成され得る。ワイヤレス識別システムのプロセッサのいくつかの機能のうちの1つは、盗難の試みまたはシステムなりすましの試みがなされるイベントにおいて、警告および通知信号を生成することを含み得る。いくつかの開示された実施形態において、盗難抑止システムにおける通常動作下で、識別タグによって送信される第2の信号は、ワイヤレス識別システムの送信機に近接して、かつ識別タグの送信範囲内に配置された第1の受信機によって受信され得る。そのような構成において、店の関係者によって停止されていない識別タグの付いた1つまたは複数の商品を所有している顧客が店を出ようとする場合、プロセッサは、盗難の試みを示すアラームをトリガするように構成され得る。出口ゲートにおけるアラームトリガを巧みに回避するいくつかの方法のうちの1つは、店を出るときにタグの検出を回避するために、システムを圧倒すること、および識別タグのエネルギーを「すり減らす」または「枯渇させる」ことに関与し得る。これは、おそらくは、不正行為者が、7~13MHzまたは58~60kHzの周波数帯で電磁信号を送信してタグを起動するように構成されるモバイルEAS送信機を使用する場合に起こり得る。モバイルEAS送信機(店によって認可されていない)によって生成される電磁信号は、不正なEAS信号とされ得る。
【0614】
例として、不正行為者は、タグを繰返し起動することによって識別タグに貯蔵されたエネルギーをすり減らすために試着室内でモバイルEAS送信機を使用し得る。しかしながら、不正なEAS信号を受信する際に識別タグによって生成される第2の信号は、試着室の近くなど、1つまたは複数の第2の場所に配置された1つまたは複数の第2の受信機によって受信され得る。プロセッサは、不正なEAS信号を受信する第2の受信機の第2の場所を決定し、決定された第2の場所において、またはその近くで、タグの予備エネルギーを排出させる試みを示す警告信号または通知信号を生成するように構成され得る。
【0615】
いくつかの開示された実施形態において、警告信号または通知信号は、システムの別の構成要素、または異なるシステム、または人間、またはそれらの任意の組み合わせに警告するために使用される、1つのシステムの構成要素によって生成される信号を指し得る。通知信号は、可聴信号、視覚信号、もしくは触覚信号などの別の感覚信号、またはデジタル信号であり得る。いくつかの開示された実施形態において、プロセッサは、警告をリモートデバイスに送信するように構成され得る。リモートデバイスのいくつかの非限定的な例としては、モバイルデバイス、モバイルデバイスのアプリ、リモートデータベース、ハンドヘルドデバイス、タブレット、コンピュータ、またはBLUETOOTH(商標)、BLUETOOTH LE(商標)(BLE)、Wi-Fi、近距離無線通信(NFC)、WLAN、もしくは他の好適な通信方法を通じて通知をワイヤレスに受信することができる他のデバイスが挙げられる。
【0616】
いくつかの開示された実施形態において、第2の信号が第1の場所で第1の受信機によって受信されるとき、プロセッサは、第2の信号を送信した識別タグを識別し、データベース内の識別されたタグと関連付けられたデータにアクセスし、アクセスしたデータに基づいて警告を生成するかどうかを決定するように構成され得る。以前に説明されるように、プロセッサは、第2の信号が第1の場所で第1の受信機によって受信されるとき、例えば、第2の信号を送信した識別タグのIDを探索することによって識別タグを識別するようにさらに構成され得る。プロセッサは、商品と関連付けられた識別タグの探索を引き起こし得る識別タグの識別情報に関するクエリを生成し得る。クエリに応答して、検索がデータ構造体内で開始されて、警告が必要とされるかどうかを決定し得る。タグ付き商品の取り出しが、在庫目録規則に違反する場合、警告がトリガされ得る。規則は、例えば、タグ付き商品を店舗から取り出す試みが許可なしに発生する場合に、違反され得る。許可は、システムが、その商品がすでに支払いされていた場合、または管理者が取り出しのために商品を片づけていた場合に発生し得る。
【0617】
代替的に、識別されたタグが在庫目録またはデータベース内に存在せず、商品が「販売済み」であるか、きちんと支払われているということ(または商品が特定の店舗に関連していない)を示す場合、プロセッサは、アラームまたは警告信号を生成しなくてもよく、顧客が中断されることなく店から出ることを可能にする。
【0618】
他の実施形態において、ワイヤレスにタグ付けされた在庫目録との使用のための不正軽減システムは、EASゲート周波数での送信と関連付けられた信号を検出するように構成される少なくとも1つのプロセッサを含み得る。EASゲート周波数での送信と関連付けられた検出信号は、EASゲートの周波数(例えば、約7~13MHzまたは約58~60kHzの周波数帯にある)にある信号であり得るか、EASゲート周波数によってトリガされたタグから発信される信号であり得るか、のいずれかである。タグによって送信される信号は、EASゲート周波数以外の周波数にあり得る(例えば、2.4GHz)。少なくとも1つのプロセッサは、信号がEASゲート場所に対応しない場所から発信されていると特定し得る。例えば、EASゲート場所は、特定の受信機と特に対応することが知られ得る。店舗内のいくつかの受信機は、EASゲートに近接して配置され得、EASゲートを通過するタグからの信号を受信することができる。他の受信機は、EASゲートから十分に離れて配置され得るため、EASゲートを通過するタグからの信号が、それらのより遠くの受信機によって受信されることは不可能である。少なくとも1つのプロセッサは、信号がEASゲートに近接した受信機のうちの1つに由来しないことを決定するように、プログラムされ得るか、またはデータへのアクセスを有し得る。
【0619】
代替的または追加的に、プロセッサは、EASゲート周波数での送信と関連付けられた信号と一緒に、信号を物理的に受信した受信機の識別情報を受信し得る。この識別情報が受信機の場所を含み得るか、またはプロセッサは、様々な受信機の場所の指示を保持するデータベースへのアクセスを有し得、プロセッサが、信号がEASゲートに近接して受信されたかどうか、または信号が、EASゲート自体の送信と関連付けられないようにEASゲートから十分に離れて受信されたかどうかを断定的に判定することを可能にする。
【0620】
信号の識別された発信場所に基づいて、少なくとも1つのプロセッサは、疑わしい不正イベントが進行中であることを決定し得る。識別された発信場所は、特定の場所(例えば、試着室#2)であり得るか、またはそれは、否定的な識別情報(例えば、EASゲート場所ではない)であり得る。少なくとも1つのプロセッサが、EASゲート信号がEASゲート信号を受信するはずではない場所で受信されることを決定すると、プロセッサは、関連したプログラム論理に基づいて、信号が不正行為に対応する可能性が高いという結論を下し得る。
【0621】
そのような疑わしい不正行為が検出されるとき、少なくとも1つのプロセッサは、警告を生成し得る。警告は、信号内で識別された特定の製品を盗もうとうする試みの恐れを示し得る。そのような警告はまた、データ構造体から少なくとも1つのプロセッサによって取得される、問題の製品の画像を含み得る。店舗のCCTVカメラと直結している場合、少なくとも1つのプロセッサは、信号が発生したエリア内に最近いた1人または複数人の人物のビデオの探索を自動的に実施し、そのような画像を警告の部分として送信し得る。同様に、スプーフィングされた信号が検出されるとすぐに、スプーフィングの試みのエリアからの1つまたは複数のCCTVカメラストリーミングが、警告の部分としてライブ送信され得る。さらには、複数のカメラが、容疑者が店舗内を移動する際に容疑者を追跡するために使用され得る。前述のうちの1つまたは複数は、警告と見なされ得る。生成された警告は、検出された信号付近で、もしくは任意の他の場所で、可聴もしくは視覚アラームをトリガすることによって、または、テキストもしくはコンピュータ可読メッセージを個人もしくはシステム構成要素に送信することによって、警備担当などの任意のエンティティに送信され得る(有線またはワイヤレスインフラストラクチャを介して)。
【0622】
本開示の実施形態は、複数のタグを、同時にトリガし、逐次的に読み取るための方法、システム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体に関し得る。いくつかの開示された実施形態と一致して、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つの処理デバイスによって実行可能であり、本明細書に説明されるステップおよび/または方法のいずれかを実施するプログラム命令を記憶し得る。本明細書で使用される場合、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つのプロセッサによって読み取り可能な情報またはデータが記憶され得る任意のタイプの物理メモリを指し得る。例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ハードドライブ、CD ROM、DVD、フラッシュドライブ、ディスク、および任意の他の知られている物理的な記憶媒体を挙げることができ、そのいくつかまたはすべての部分が、店舗内もしくはその近くに物理的に配置されるか、遠隔に配置されてネットワークを介してアクセス可能であるかは関係がない。「メモリ」および「コンピュータ可読記憶媒体などの単数形は、追加的に、複数のメモリまたはコンピュータ可読記憶媒体などの複数の構造体を指し得る。本明細書内で言及される場合、「メモリ」は、別途記載のない限り、任意のタイプのコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサに本明細書内の実施形態と一致するステップまたはステージを実施させるための命令を含む、少なくとも1つのプロセッサによる実行のための命令を記憶し得る。追加的に、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ実装方法を実施することに利用され得る。用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、有形品目を含み、搬送波および過渡信号を除外するということを理解されたい。
【0623】
いくつかの開示された実施形態は、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサに、ワイヤレス識別システム内の識別タグの同時トリガおよび逐次読み取りを実行させる命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。同時トリガリングは、プロセッサが、各々がトリガリング信号を受信することができる2つ以上のタグを含むエリアにトリガリング信号を配信するように送信機に指示するときに発生し得る。受信時に、タグは、直ちに、またはいくらかの遅延期間を伴って、応答信号を送信することによって、トリガに応答するためのプロセスを開始し得る。例えば、店舗内のインフラストラクチャからの900MHzトリガ信号の受信時、複数のタグが、2.4GHz周波数範囲にある独自の個々のIDを配信することによって応答することをトリガされ得る。送信機に2つ以上のタグを含むエリアにわたってトリガ信号を配信させるプロセッサは、信号を受信するタグが同時に応答するかどうかにかかわらず、同時トリガリングと称され得る。
【0624】
同時トリガリングの1つの潜在的課題は、それが、タグに、応答信号を全体的に非生産的な方式で同時に送信させ得ることである。例えば、大量のタグが同時に応答するとき、応答は衝突し得、および/または、リーダ(受信機)は応答で圧倒され得る。本開示の他の段落で論じられるように、これらの課題に対処する戦略は、遅延タグ応答を差し挟むタグ設計、および/または、タグに、様々な送信持続時間の、もしくは連続する送信の間に不均一の遅延もしくは中断の間隔を伴う、重複応答を繰返し送信させるタグ設計、のいずれかを含み得る。送信信号をスタガするこれらの手法は、タグIDが衝突なしに受信機に到達する機会、および受信機が所与の時点で応答を読み取る能力を有する機会を増大させ得る。
【0625】
同時トリガリングの影響の課題に対処するためのこの戦略の別の側面は、受信機が、逐次的に応答信号を読み取るように、およびそのような逐次的に読み取られた信号を同時トリガと正しく関連付けるように構成されることに関与する。例えば、すべての応答信号を一度に読み取ろうとするのではなく、システムは、最初、いくつかの帰ってくる信号を効果的に無視し、後から(例えば、システム仕様に応じて、数ミリ秒、数秒、数分、数時間後)、最初に無視したタグを逐次的に読み取り得る。
【0626】
信号衝突および受信機を圧倒する問題は、多くのタグがハンドヘルドデバイスによってトリガされるとき、より顕著になり得る。システム設計に応じて、店舗内の恒久的なインフラストラクチャは、同時送信を取り扱うために十分にロバストであり得る。しかしながら、携帯電話、タブレット、またはハンドヘルドスキャナなどのモバイル2.4GHzデバイスはそうでない場合がある。したがって、応答信号の逐次読み取りは、そのような状況において特に役に立ち得る。
【0627】
各タグが独自の一意のIDを有し得ることから、各タグは、システムによって個々にトレースされ得る。履歴データから、システムは、特定のエリアと関連付けられた予想タグIDを学習し得、また、特定のエリアに以前に配置された特定のタグがもはやシステムによってトリガされないときを決定し得る。例えば、図11に例証されるように、小売店内の衣類で満たされた売り場は、ラック11250上のシャツと関連付けられたタグなど、数千のタグを保有し得る。受信機1114bは、ラック11250にごく接近しており、ラック11250上のシャツから送信されるタグIDを定期的に受信し得る。故に、図20の1つまたは複数のプロセッサ20004は、ラック11250の周りの領域で以前にトリガされたタグに関するデータを含む、データ構造体20006に記憶された履歴データにアクセスすることによって、予想タグ応答を学習し得る。データ構造体20006に同様に記憶されるのは、特定のシャツが販売されたときをプロセッサ20004が知ることを可能にする販売データである。結果として、ラック11250のエリア内の配信トリガに応答して、プロセッサ20004は、受信機1114bが、その領域内に過去に存在していたタグから予想応答を受信できないときを決定し得、また、いくつかの実施形態において、紛失しているタグが販売済みと記録されているかどうかを判定するために、データ構造体20006内の販売データをクエリし得る。タグが販売済みと記録されていない場合、応答の欠如は、タグのエネルギー貯蔵量が枯渇していること、タグが誤動作したこと、またはタグと関連付けられた製品が盗まれたことを意味し得る。次いで、関連タグIDが、データ構造体20006内の紛失している商品リストに記録され得る。将来的に、紛失しているタグがトリガ信号に応答する場合、紛失している商品は、紛失している商品リストから取り除かれ得る。さもなければ、システムは、紛失している商品をシュリンケージリストに記述し得る。この方法では、店舗は、そのシュリンケージをリアルタイムで管理し得る。タグがある時間期間にわたって応答することができず、それらのタグが在庫目録システムに販売と記録されていないときはいつでも、システムは、その商品を、紛失している、無くなった、または盗まれた、のいずれかとして記述し得る。システムがどれくらいの頻度で棚卸しをするように構成されるかに応じて、損失の時間は、隔離され、他の商品が無くなった時間および/またはビデオ監視カメラ映像と相関され得る。この方法では、タグ応答の欠如は、シュリンケージ監視のため、およびセキュリティのために使用され得る。
【0628】
そのようなシステムはさらに、疑わしい盗難をそれが発生する前に検出することができる場合がある。例えば、プロトコルが、製品を買い物かごに入れる前に製品を自分でスキャンすることである店舗において、スキャンされていない製品が動いて(離れるのは履歴の場所である)検出されるが、かごの中へスキャンされていない場合、検出された動きは、無くなった恐れの早期警戒であり得る。高まる危険性は、複数の製品の動きが検出され、それらのすべてがかごの中へスキャンされていないときにシグナリングされ得る。
【0629】
いくつかの実施形態によると、コンピュータ可読媒体は、2.4GHzデバイスに、複数の識別タグを同時にトリガさせ、逐次的に読み取らせるための命令を含み得る。2.4GHzデバイスは、本明細書で使用される場合、2.4GHz WW ISMの範囲内の周波数を有する電磁信号を送信および/または受信することができる任意のデバイスを指す。2.4GHzの周波数範囲は、固定点間の無線通信、モバイルおよび/または陸上局間の無線通信、電波探知サービス、アマチュア無線サービス、および他の特定の無線通信サービスのために確保されたUHF(極超短波)帯の任意の1つまたは複数の部分を指し得る。約2.4GHzの周波数帯内で動作し得るデバイスの例の例としては、携帯電話、ハンドヘルドスキャナ、デスクトップ、ラップトップ、ビデオゲーム機、スマートフォン、タブレット、スマートTV、およびワイヤレス通信ができる他のデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。約2.4GHzの周波数帯のサービスおよびユーザは、ワイヤレスローカルエリアネットワーキングおよびパーソナルエリアネットワーキングのために、Wi-Fi、Bluetooth Low Energy(BLE)、およびClassic Bluetoothなどの特定の無線通信技術を使用し得る。
【0630】
2.4GHzデバイス、または2.4GHz送信機は、2.4GHz帯域でRFエネルギーを送信するように構成されるエキサイタデバイスであってもよい。エキサイタは、エネルギーを、設計または構成に基づいて、絶えず、定期的に、または断続的に送信し得る。エキサイタによって生成および送信される信号は、無線信号、磁気信号、電気信号、電磁信号、可聴もしくは超音波信号、光信号、または識別タグを励起することができる任意の他の形態のエネルギーの形態にあり得る。小売店などの店舗において、例えば、1つまたは複数のエキサイタは、店舗全体にわたって配置され得る。例示的な2.4GHzハンドヘルドエキサイタ11200が図11に例証される。2.4GHzハンドヘルドデバイスの例としては、ハンドヘルドタグスキャナ、Bluetooth対応の携帯電話、タブレット、送信機、および2.4GHz周波数帯で信号を生成することができる他のデバイスを挙げることができる。
【0631】
いくつかの実施形態において、2.4GHzデバイスは、複数の識別タグを同時にトリガするように構成され得る。識別タグは、エネルギーをワイヤレスに受信し、タグに適切な範囲でエネルギーを受信することに応答して、識別信号などの信号を送信するように構成されるワイヤレス識別タグを含み得る。識別タグは、それが、応答信号を呼び出すことができる電磁エネルギーまたは電磁信号を受信するとき、「トリガされる」、または「起動される」。小売店環境において、品物は、セキュリティ、追跡、在庫目録管理、または顧客の購買体験の向上のために識別タグをタグ付けされ得る。デバイスは、それが、単一の近接タグだけでなく、デバイス付近にあるタグのグループを読み取るための特性(例えば、十分な電力)を有するトリガリング信号を発するようにプログラムされるとき、複数のタグを同時にトリガするように構成され得る。プローブまたはトリガ信号は、在庫目録更新、在庫目録クエリ、製品情報クエリ、または製品関連情報の取得を要求する他の機能を実施するために配信され得る。
【0632】
いくつかの開示された実施形態において、デバイスに、複数の識別タグを、同時にトリガさせ、逐次的に読み取らせるための命令は、グラフィックユーザインターフェースに起動可能素子を表示することを含み得、この素子は、2.4GHz送信機を起動するように構成される。グラフィックユーザインターフェース(GUI)は、ユーザが、コンピュータ、ハンドヘルドデバイス、スマートフォン、タブレット、タッチスクリーンデバイス、および他の器具などの電子デバイスと対話するインターフェースである。グラフィックユーザインターフェースは、アイコン、メニュー、および/または他の視覚インジケータ(グラフィック)表現を使用して、情報および関連ユーザ制御を表示する。グラフィックユーザインターフェース表現は、マウス、トラックボール、スタイラス、またはタッチスクリーン上の指など、ポインティングデバイスによって操作され得る。いくつかの実施形態において、グラフィックユーザインターフェースは、開示された方法を実施するデバイスまたはプロセッサと関連付けられ得る。他の実施形態において、グラフィックユーザインターフェースは、携帯電話、タブレット、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、コンピュータ端末、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマートグラス、スマートジュエリ、ヘッドマウントディスプレイなどを含む)、またはユーザ入力を受信することおよび情報を表示することができる任意の他の電子デバイスなど、外部コンピューティングデバイスと関連付けられ得る。
【0633】
グラフィックユーザインターフェースの起動可能素子は、例えば、タッチスクリーンのタッチ、ポインティングデバイスのクリック、キーボードのキーストローク、またはカメラの前でのジェスチャなどのユーザ入力によって選択されるとき、ユーザ入力に応答するように構成される部分、アイコン、リンク、フィールド、ボタン、または任意の他の特徴部であってもよい。グラフィックユーザインターフェースの能動または起動可能素子は、この素子が、グラフィックユーザインターフェースの画面上で文字表現、絵による指示、または可聴音ファイルとして、明確に視認できるように表示され得る。代替的または追加的に、能動または起動可能素子は、この素子が、画面上で明確に視認できず、むしろ隠される(例えば、明示的に視認できずにタッチジェスチャに応答する「ホットエリア」など)、または時間の隠された部分および時間の可視部分(例えば、ポインティングデバイスによって「覆われ」ない限りは隠される素子など)であるように表示され得る。
【0634】
いくつかの実施形態において、命令は、店員によって動作される電子デバイスのグラフィックユーザインターフェースに起動可能素子を表示させて、店員にユーザ入力を提供することを促し得る。入力を受信すると、素子は、予め割り当てられた機能を実施するために起動され得る。起動可能素子は、2.4GHzの1つまたは複数の信号が送信され得るように、2.4GHz送信機を起動するように構成され得る。
【0635】
図33A図33B、および図33Cは、例えば、携帯電話であり得るハンドヘルドデバイス33000に表示されるグラフィックユーザインターフェースのいくつかの非限定的な例を例証する。一般的な例として、図33Aは、議論の目的のために提供され、ユーザがデータをGUI33100に入力することを可能にし、検索ボタン33006などの素子を起動することによって、在庫目録検索を行うためのグラフィックユーザインターフェース(GUI)33100を表示するハンドヘルドデバイス33000を例証する。検索クエリは、フィールド内に検索テキストをタイプすることによって、ハンドヘルドデバイス33000内のスキャナを用いて関連製品をスキャンすることによって、またはドロップダウンメニュー33200の使用を通じてなど、多くの方法で開始され得る。ドロップダウンメニューは、ユーザが検索を定義するための選択オプションをユーザに提供し得る。一旦検索が定義されると、検索ボタン33006は、後でさらに詳細に説明されるように、受信機へのワイヤレス送信を通じて検索を開始するために、ハンドヘルドデバイス33000のタッチスクリーン上でタッチされ得る。
【0636】
図33Bは、製品検索GUI33100を表示するハンドヘルドデバイス33000を例証する。特定の製品または製品の種類についてのユーザ検索は、ドロップダウンメニュー33200を用いて提供され得る。ドロップダウンメニュー33200は、ブランド、SKU、在庫目録番号、またはモデル番号のいずれかを入力することによって、製品を検索するための様々な方法をユーザに提供し得る。サブメニューが、初期選択に続いて出現し得る。例えば、ブランドドロップダウンが選択される場合、続くサブメニューは、カテゴリ、製品、サイズ、色、または任意の他の製品の目立った特徴を含み得る。製品画像が、GUI内に出現して、ユーザが目的の製品を選択することを可能にし得る。製品が特定された後、検索ボタン33006がタッチによって起動され得る。
【0637】
図33Cは、検索用の起動可能ボタンを伴うGUIのさらに別の例を提供する。この例は、顧客が衣料品などの目的の製品を物理的に位置特定するが、商品が顧客のサイズではないというよくあるシナリオに対処する。正しいサイズの製品を延々と検索するのではなく、GUI33100は、目的の製品に関する情報を入力するようにユーザに促し得る。この例では、顧客(または店舗の従業員)は、顧客によって特定された製品のバーコードまたはQRコードの写真を撮ることを促され得る。ユーザは、次に、ドロップダウンメニュー33200により、所望のサイズ、色、または製品の他のバリエーションを入力することを促され得る。検索が定義された後、検索ボタン33006がタッチされて、検索を開始し得る。
【0638】
探索に続いて、ハンドヘルドデバイス33000は、クエリ、システム設計、および/またはユーザ許可の性質に応じて、代替の情報源を返し得る。例えば、GUIは、要求された製品が在庫なしまたは在庫ありのいずれかであることを表示するようにされ得る。製品が在庫なしの場合、GUIは、製品が在庫ありである場所を識別し得るか、または、顧客への配送のために製品を注文する能力を提供し得る。製品が在庫ありの場合、GUIは、製品が配置される別の売り場の名前を示し得る。GUIは、店舗の地図を提供して、製品の一般的場所を示し得る。GUIは、ユーザを製品のエリアまで案内する行き方を提供し得る。場合によっては、ユーザが製品の場所に近づくと、製品のタグが、信号を、ハンドヘルドデバイス33000に直接送信するか、または店舗内のインフラストラクチャ送信機を介して送信して、ユーザが製品の場所を絞り込むことを可能にし得る。
【0639】
クエリおよびシステム設計の性質に応じて、情報を取得するためのプロトコルは、GUI素子の起動に応答して変化し得る。1つの配置において、ハンドヘルドデバイス33000は、付近にあるタグに信号を配信し得、タグは、それらの応答をハンドヘルドデバイス33000に送信し得る。他の実施形態において、ハンドヘルドデバイス33000は、最初に、初期探索のためにクエリを在庫目録管理システムに送信し得る。在庫目録管理システムは、クエリに一致する製品のIDを返し得る。または、商品が在庫なしの場合、在庫目録管理システムは、その情報をGUIによる表示のために提供し得る。製品が在庫ありであり、一致するタグIDのリストがハンドデバイス33000に送信される場合、デバイス33000内の2.4GHz送信機などの送信機は、付近にあるタグにそれらの一意のタグIDを送り返させるためにトリガ信号を送信し得る。一致を識別し、ユーザに知らせるために、比較が、ハンドヘルドデバイスまたはリモートシステムにおいて発生し得る。代替的に、在庫目録管理システムは、各製品が配置される場所の記録をすでに持っている場合があり、ハンドヘルドデバイス33000にタグからの応答をトリガさせるのではなく、代わりに、以前の既知の場所をハンドヘルドデバイス33000に知らせ得る。その第1のステップが物理的な製品の位置特定に成功しなかった場合にのみ、ハンドヘルドデバイス33000は、付近にあるタグを探査し得る。
【0640】
前述は、検索プロトコルの、および開示された実施形態と共に採用され得る起動可能ボタンを伴うグラフィックユーザインターフェースのいくつかの例にすぎない。GUI設計および機能性は、本開示の範囲内で無限である。
【0641】
素子が起動されるとき、送信機は、クエリが送信機を介してワイヤレスに送信されるようにし得る。送信機という用語の意味は、本明細書で使用される場合、本出願の他の場所で提供される。いくつかの実施形態において、素子の起動時、実行可能な命令は、2.4GHz送信機を起動して、送信機付近にある複数のタグの各々に、一意のタグIDを送信機と関連付けられた受信機に送信させることを含み得る。2.4GHz送信機は、約2.4GHzの周波数を有する信号を発するように構成されるスタンドアローン送信機であり得るか、デバイスもしくは回路の部分であり得るか、または複数のデバイスおよび回路を有するシステムの部分であり得る。いくつかの実施形態において、送信機は、900MHz、58~60kHz、および/または2.4GHzなどの周波数の範囲を発することができる場合がある。この文脈において、送信機を起動することは、1つまたは複数の識別タグに識別信号を生成させるために所望の周波数として周波数範囲を選択すること、および所望の周波数を送信するように送信機を構成することに関与し得る。
【0642】
識別タグは、いくつかの実施形態において、2.4GHz送信機によって送信される信号を受信するように構成されるアンテナを含み得る。アンテナは、特定の周波数範囲を受信するように、アンテナがその機能のために適切に調整されるときに、構成され得る。開示された実施形態と一致して、エキサイタなどの2.4GHz送信機は、エキサイタの送信範囲内に配置された識別タグのみを「励起」または起動し得る。代替的に、識別タグは、送信された信号がタグの受信範囲内であるかどうかに応じて、励起または起動され得る。送信範囲よりも短い、所与の送信機からある距離に配置される任意のタグは、送信機の「範囲内」にある、または送信機の「付近にある」、または送信機に「近接している」と言われる。例えば、Wi-Fiアクセスポイントの送信範囲は、アクセスポイントがその最大データレートでデータを送信しているときには数メートルに及ぶことができるが、その最低データレートで送信しているときには数十メートルにまで(時には、100メートル以上にまで)延長し得る。これらの2つの条件の違いのうちの1つは、受信機感度であり、この受信機感度は、高データレートと比較して低データレートでは、はるかに低い電力レベルにあってもよい。同じ方式で、壁、人間、家具、および他の障害物または反射体が、送信電力レベルまたは受信機感度のいかなる変化もなしに、通信媒体の減衰を変化させることによって送信範囲を低減または延長し得る。
【0643】
識別タグは、図13に例証されるハンドヘルドデバイス11200内の2.4GHz送信機など、別の送信機から信号を受信することに応答して、識別信号を送信するように構成される送信機をさらに含み得る。)タグによって送信される信号は、タグに対して一意であり得る識別信号を含み得る。例えば、識別信号は、タグがデータ構造体にアクセスするプロセッサによって識別されることを可能にする一意の識別コードまたはシーケンスを含み得る。
【0644】
いくつかの開示された実施形態と一致して、1つまたは複数のタグによって送信される信号は、識別タグに励起信号に応答して識別信号を送信させた送信機と関連付けられた受信機によって受信され得る。本明細書で使用される場合、2つの構成要素またはデバイスの関連付けは、絶えずもしくは断続的に、または両方の構成要素が協働することを必要とし得る行為に応答して、直接もしくは間接の有線もしくはワイヤレス電子通信または互いとの論理接続にあることを指し得る。例えば、プロセッサが、システム内の送信機に信号を送信させて、その結果として同じシステム内の受信機がその信号によって引き起こされる応答を受信する場合、送信機および受信機は、互いと「関連付けられた」と言われ得る。いくつかの実施形態において、受信機は、2つ以上の送信機と関連付けられ得るか、または2つ以上の受信機が、単一の送信機と関連付けられ得るか、または複数の受信機が、複数の送信機の各々と関連付けられ得る。図11のハンドヘルドデバイス11200などのハンドヘルド送信機の場合、送信機および受信機は、それらが同じハウジング内に含まれ得ることから、および/または同じプロセッサもしくは他の回路に接続され得ることから、関連付けられたと見なされ得る。それらは、デバイスの送信機が、同じデバイス内に含まれる受信機による受信のため、タグに信号を用いて応答させるために、トリガリング信号をタグに送信し得ることから、関連付けられたとさらに見なされ得る。
【0645】
1つまたは複数の受信機は、いくつかの開示された実施形態と一致して、2.4GHz送信機と関連付けられ得る。本開示のいくつかの実施形態において、2.4GHz送信機および関連付けられた受信機は共に、先に説明したように、固定式インフラストラクチャまたはハンドヘルドデバイスの部分であるデバイスなど、同じデバイスの一部であり得る。ハンドヘルドデバイスの他の例としては、作業ルーチン中もしくは買い物の間の使用のために店舗によって従業員または顧客に提供されるハンドヘルドスキャナ、そのような個人のモバイル通信デバイス(例えば、携帯電話、タブレット、専用ハードウェアなど)、または受信機の機能を実施することができる任意の他のハンドヘルドデバイスが挙げられる。顧客または従業員は、例えば、スキャン専用のデバイス、または送信機および関連付けられた受信機の機能を実施することができる任意の他のモバイルデバイスであり得るハンドヘルドスキャナとして、ハンドヘルドデバイス11200を使用し得る。そのような構成は、例えば、顧客が、価格、有効期限、在庫目録などの製品情報を受信するためにハンドヘルドスキャナを使用して識別タグをスキャンするときに働き得る。いくつかの実施形態において、ハンドヘルドスキャナは、1つまたは複数の送受信機を含み得、それらの各々が、エネルギー12100をワイヤレス通信タグに送達するように(エキサイタ11400a~eと同様に)、およびワイヤレス識別タグからID信号12200の配信を受信するように(受信機11300a~hと同様に)構成され、すなわち、各送受信機は、エキサイタおよび受信機の両方として機能し得る。図11に例証される実施形態など、いくつかの代替の実施形態において、エキサイタ11400および受信機11300は、別個のデバイスとして構成され得る。
【0646】
いくつかの開示された実施形態において、実行可能な命令は、第1の時間間隔の間に複数の一意のタグIDの第1のグループを読み取ることをさらに含み得、第1のグループは、複数の一意のタグIDの第2のグループを除外する。前にも示唆したように、ワイヤレス識別システムを使用した在庫目録管理において遭遇するいくつかの問題のうちの1つは、一度に2つ以上の信号を正確に検出、受信、および/または解釈する受信機の能力を制限し得る「信号衝突」を含む。信号衝突は、受信機が信号を能動的に読み取っている間に、2つ以上の信号が受信機に到達するときに発生し得る。いくつかの場合において、信号衝突は、受信機における1つまたは複数の信号と関連付けられた情報の不可逆的損失を引き起こし得る。
【0647】
本開示のいくつかの態様は、2.4GHz送信機などのエキサイタによって送信された励起信号(本開示では、プローブもしくはプロービング信号またはトリガもしくはトリガリング信号とも称される)に応答して、複数の識別タグによって生成された識別信号を逐次的に読み取ることに関する。本明細書で使用される場合、逐次的な受信は、任意の所与の時間に、限られた数の離散的信号(例えば、1つの信号)が受信および/または解釈され得る現象を指す。これは、受信機の出力において、受信した信号が、順序付けされた非重複の逐次リスト内にリストされることを可能にし得る。いくつかの代替の実施形態において、信号は、ランダムまたは疑似ランダム方式で受信機に到着し得、これは、任意の特定の信号が正確に受信および解釈されるという保証がないことを意味する。リスクは極小であり得るが、複数の信号が、受信機に同時に到着して、衝突、および両方の信号の受信を阻止することを引き起こす統計的可能性が存在し得る。そのような発生の機会は、トラフィック量、チャネルにわたる信号のレート、各信号の時間の長さに依存し得る。しかしながら、すべての衝突信号(信号が十分に短く、十分にスパースであると仮定して、すべての信号の非常に小さな部分を構成し得る)を除去した後、すべての残りの信号は、逐次的な受信機によって正確に受信および解釈され、以て、受信した信号の逐次的なリストを結果としてもたらす。
【0648】
故に、いくつかの実施形態において、受信機は、受信機に到着するすべての信号よりも少ない信号を読み取り得る。読み取られる信号は、第1のグループを構成し得る。同時に読み取られない信号は、第2のグループを構成し得る。
【0649】
命令は、第1のグループの一意のタグIDと関連付けられた情報を記録することをさらに含み得る。記録された第1の情報は、第2のグループのタグIDを除外して、第1のグループのタグIDを含み得る。データを記録することとは、本明細書で使用される場合、第1のグループの一意のタグIDおよび第2のグループの一意のタグIDのうちの少なくともいくつかの中から、第1のグループと共に読み取られた一意のタグIDを識別する媒体に、後の時間点においてアクセスされ得る情報を、保存すること、書き込むこと、集計すること、または別途適用することを指し得る。記録されたデータは、利用可能なデータ自体、ならびに、タイムスタンプ、信号強度、記録を実施するエンティティ、または後になって有用になり得るデータの記録の状況に関する任意の他の情報など、データと関連付けられた他の関連情報の両方を含み得る。情報は、データベース、データ構造体、サーバ、コンピュータ、メモリ、ネットワーク、または情報を記憶することができる他のシステムに記録され得る。情報は、それが、例えば、プロセッサまたは送信機デバイスを使用して実行されるクエリを使用することによって後の時間点においてアクセスされ得るような形式で記録され得る。第1のグループの一意のタグIDと関連付けられた情報は、例えば、1枚の衣類の価格、スタイル、サイズ、数、洗濯指示、または保管指示に関連するが、これらに限定されない、情報を含み得る。第1のグループの一意のタグIDは、特定の製品、もしくは製品のカテゴリと関連付けられた識別タグ、または店舗の特定の区域/セクションに配置された製品を表し得る。例えば、第1のグループは、店の家具セクション、または文房具セクション、または店の薬局セクションの商品を表し得る。代替的または追加的に、第1のグループは、送信されたトリガに応答した複数のタグの中からのタグのランダムな集まりを表し得る。
【0650】
本明細書で使用される場合、時間間隔は、システム内の2つのイベントの発生の間で測定され得る時間期間を指し得る。2つのイベントは、例えば、回路への入力、刺激、もしくはトリガ、および回路によって実施される出力もしくはアクション、または、入力、刺激、もしくはトリガの2つの発生、または同じ回路もしくは異なる回路の出力もしくはアクションの2つの発生であり得る。同じイベントの繰返し発生の間の時間間隔を測定するとき(そのようなイベントが入力であるにしろ、出力であるにしろ)、イベントの周期性としての平均時間間隔、および周期性の変化としての平均時間間隔からの偏差を指し得る。この種の周期性が起こるような場合、イベントの周波数をイベント間の平均時間間隔の逆数として、およびイベントのデューティサイクルを各イベントの平均時間長さ(イベントの開始からその終了時間まで)とイベント間の平均時間間隔(1つのイベントの開始から次のイベントの開始まで測定される)との比として計算し得る。
【0651】
第1のグループの一意のIDタグが受信されるときの時間間隔は、例えば、ミリ秒のオーダーであり得る。それは、受信機に到着するいくつかの信号が受信機によって解読可能である一方で、他の信号が、例えば、信号衝突または受信機過負荷に起因して解読不可能である時間期間と定義され得る。
【0652】
いくつかの実施形態において、時間間隔は、予め決定され得る。例えば、いくつかの開示された実施形態と一致して、逐次的な受信は、一意のタグIDのグループを所定の時間長さにわたって読み取ることに関与し得る。すなわち、第1の時間間隔は、所定の時間に終了し得、これは、固定の数字であり得るか、または様々な因子に応じてアルゴリズムによって設定され得る。例えば、間隔時間は、識別タグの送信範囲、送信信号の電力レベル、周波数、合計検出トラフィック量、および/または信号受信を減衰または増強し得る他の因子に基づき得る。例えば、間隔は、5ミリ秒(ms)以下、4ms以下、3ms以下、2ms以下、1ms以下、または0.5以下であってもよい。この間隔に続いて、受信機は、ある時間間隔にわたって停止され得るか、または第2の間隔において直ちに読み取りを開始し得る。例えば、いくつかの実施形態において、第1のグループを読み取った後、2.4GHzデバイスは、第2の時間間隔の間、送信機の起動を維持して、第2のグループの一意のタグIDと一緒に第1のグループの一意のタグIDのうちの少なくともいくつかの、受信機への送信を引き起こし得る。これは、受信機がいくつかの応答信号を逃したことを知らない場合があるため、予防策として発生し得る。故に、送信機は、付近にあるタグに、第1の時間間隔に続く第2の時間間隔の間に再度応答させるために起動したままであり得る。第2の時間間隔は、上で論じられるように、第1の時間間隔と同じまたは同様の特性を有し得る。第2の時間間隔の間、第1のグループのタグIDのうちの少なくともいくつかは、最初に除外された第2のグループの一意のタグIDと一緒に、再び受信されることになる。しかしながら、第1のグループのタグIDのすべてが、第2の間隔において読み取られなくてもよい。第2の時間間隔の間の励起信号は、第2のグループの識別タグを起動するだけでなく、第1のグループの識別タグのうちの少なくともいくつかも同様に起動する。結果として、第1および第2のグループ内のタグからの信号が、第2の時間間隔の間に受信されることになる。
【0653】
2.4GHzデバイスは、スキャンされることが意図される各々の一意のタグが読み取られるまで3つ以上の時間間隔にわたって、繰返し起動されるか、またはその起動状態を維持され得る。2.4GHzデバイスに関して説明されるが、広義には、例えば、900MHz周波数範囲、またはタグがエネルギーを受信し、トリガされることができる他の範囲で動作するデバイスを含む、任意の周波数デバイスが採用され得る。
【0654】
1つの使用事例において、店長が、店舗の1つまたは複数のエキサイタを起動するか、またはハンドヘルドデバイスを使用して、仕事終わりに在庫目録状態レポートを生成し得る。受信機に同時に到着する複数の送信信号から生じる信号衝突が理由で、情報の不可逆的損失、誤った読み取り(他のタグからのデータ混合)、見逃された読み取り(タグが全く読み取られていない)、信号クロストーク、またはデータ信頼性および正確性に影響を及ぼし得る他の不具合の潜在的リスクが存在し得る。一部のデータが受信されないかもしれないリスクを最小限にするため、送信機は、すべてのタグの説明がつくという信頼度に達するまで、一連の時間間隔でタグを繰返し探査し得る。故に、デバイスは、複数のタグの各タグの一意のタグIDが個々に読み取られ、記録されるまで、識別タグを繰返し起動するために、励起信号を送信し続けるように構成され得る。
【0655】
第2のグループと関連付けられた第2の情報は、第2のグループの一意のタグIDと一緒に第1のグループの一意のタグIDのうちの少なくともいくつかを読み取った後に記録され得る。第1のグループの信号は、第1の時間間隔の間に読み取られた情報に応答してすでに記録されている場合があるが、それらは、最初に記録されなかった第2のグループと一緒に、第2の時間間隔においても同様に受信され得る。両方が読み取られた後、第2のグループが、次いで記録され得る。
【0656】
例えば、2.4GHz送信機が、第2の間隔の間、励起信号を送信し続けると、送信機の送信範囲内の各タグは、タグが第1の時間間隔の間に励起されたかどうかに関係なく、励起され得る。したがって、第2の時間間隔の間に受信される一意のタグIDのグループは、第1の時間間隔の間に受信された第1のグループの一意のタグIDのうちの1つまたは複数に加えて、最初に受信されなかった第2のグループを含み得る。第1のグループはすでに記録されているため、記録される第2の情報は、第1のグループを除外し、第2のグループのみを含み得る。代替的に、第2の情報は、第1のグループのうちの少なくともいくつかに関する情報を含み得る。例えば、第1のグループと関連付けられたタイムスタンプは、第1のグループが読み取られた最後の時間を反映するために更新され得る。
【0657】
いくつかの開示された実施形態と一致して、第2の情報を記録することは、第1のグループと共に読み取られた一意のタグIDを識別すること、および第1のグループの識別された一意のタグIDと関連付けられた情報を除外することに関与し得る。上で論じられるように、第1のグループはすでに読み取られているため、再びその情報を記録する必要性はなくてもよく、したがって、それは、2回目には記録から除外され得る。
【0658】
除外は、第1および第2の時間間隔の間に読み取られたタグIDを比較すること、ならびに第1の時間間隔においてすでに記録された第2の時間間隔からのものを記録することを省くことに関与し得る。これを達成するために、タグIDおよびタイムスタンプの両方がアクセスされ得る。例えば、受信機によって受信される各々の一意のタグIDは、タイムスタンプされ得、それらのタイムスタンプは、同じタグの繰返しの記録を回避する方法として使用され得る。いくつかの実施形態において、非一時的なコンピュータ可読媒体は、実行されると、デバイスに第1の情報または第2の情報のうちの少なくとも一方をグラフィックユーザインターフェースに表示させる命令を含み得る。第1のグループおよび第2のグループの一意のタグIDとそれぞれ関連付けられた第1および第2の情報を受信した後、デバイスは、第1および第2の情報の一方もしくは両方をグラフィックユーザインターフェースの画面に表示するように、または第1の情報の部分、第2の情報の部分、もしくは各々の部分を表示するように構成され得る。いくつかの開示された実施形態において、第1および/または第2の情報は、データベースまたはデータ構造体において情報を受信および記録した後に、グラフィックユーザインターフェースに表示され得る。いくつかの他の実施形態において、グラフィックユーザインターフェースは、ユーザ入力を受信するように構成されるインタラクティブディスプレイを含み得る。代替的または追加的に、派生的データが提供され得る。例えば、上で論じられる一日の終わりの在庫目録チェックに関して、タグIDが、在庫目録管理システム内の未販売の製品と関連付けられたタグから受信されない場合、ディスプレイは、それらの製品を、無くなったか、または盗まれたとして示し得る。
【0659】
本開示のいくつかの態様において、複数のタグの各タグは、一意のタグIDと関連付けられ、それらの一意のタグIDを暗号化し、暗号化されたタグIDを受信機に送信するように構成される。タグは、その関連付けられた一意のタグIDを暗号化し、エキサイタまたは2.4GHzデバイスによって生成される励起信号に応答して、暗号化されたタグIDを受信機に送信するように構成され得る。いくつかの実施形態において、暗号化されたタグIDは、エキサイタと関連付けられた1つまたは複数の受信機に送信される識別信号の一部であり得る。いくつかの代替の実施形態において、暗号化されたタグIDは、別個の信号として受信機に送信され得る。
【0660】
本開示のいくつかの態様において、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶される命令は、送信機を連続して起動して、タグの各々に一意のタグIDを送信機に連続して送信させることを含み得る。前にも示唆したように、デバイスは、2つ以上の間隔でタグを探査し得る。探査は、すべての応答が受信され読み取られているという信頼度に達するまで、連続的であり得る。これは、送信機(2.4GHz送信機など)の連続起動を通じて発生し得、関連付けられた受信機は、同様に、新規タグIDが受信されなくなるまで、連続して受信し、重複を削除し得る。
【0661】
いくつかの開示された実施形態において、命令は、励起信号に応答してタグによって送信される識別信号の一部であり得る各々の一意のタグIDを逐次的に読み取ることをさらに含み得る。各々の一意のタグIDを逐次的に読み取ることは、一度に1つの一意のタグIDを受信すること、またはある時間間隔の間に1つの一意のタグIDを受信することに関与し得る。結果として、各々の入ってくる一意のタグIDは、関連付けられた情報を処理するために、受信され、正確に解釈され得る。処理した情報は、受信した信号の順序付けされた非重複の逐次的なリストを含む出力信号形式でリストされ得る。いくつかの開示された実施形態において、命令は、同時に起動され、逐次的に読み取られる製品の在庫目録を構築するために、各々の一意のタグIDと関連付けられたデータを集約することをさらに含み得る。各々の一意のタグIDを逐次的に受信すると、各々の一意のタグIDと関連付けられたデータは、製品、またはタグIDが逐次的に読み取られた製品を表すタグの在庫目録を形成するために、データベース内にコンパイルされ、順序付けされ、記憶され得る。
【0662】
本開示のいくつかの態様において、非一時的なコンピュータ可読媒体は、送信機付近にある複数のタグと関連付けられた情報の在庫目録をグラフィックユーザインターフェースに表示するための命令を含み得る。本明細書に説明されるプロセスの結果として派生される在庫目録情報は、先に論じられるように、在庫目録情報を求めるデバイスのGUIに情報を表示するために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態と一致して、情報の在庫目録は、タグID、所有権履歴リスト、暗号鍵、SKU、または複数のタグの各々と関連付けられた場所のうちの少なくとも1つと関連付けられた情報のリストまたは集まりを含み得る。情報の在庫目録は、タグ(複数可)またはタグが装着される商品(複数可)と直接的または間接的に関連付けられた幅広い範囲の情報を含み得る。例えば、直接的に関連付けられた情報は、店内の製品の場所に対応し得る、店内のタグの場所を含み得る。本明細書で使用される場合、暗号鍵は、パスワードもしくはパスコード、またはユーザが機密もしくは非公開情報への制御アクセスを得ることを可能にする任意のデータを指し得る。情報の在庫目録は、商品のSKU(在庫商品識別番号)と関連付けられた情報をさらに含み得る。SKUは、ストック管理システム、在庫目録保管システム、または他のそのようなデータ管理プラットフォームの部分として、製品のタイプ、商品、物体、材料などと一意に関連付けられる、数字、コード、または他の形態のデータであり得る。SKUの例は、EPCコード、バーコード、ISBNコード、製品番号、部品番号、カタログ番号などである。
【0663】
いくつかの開示された実施形態において、非一時的なコンピュータ可読媒体は、ユーザが紛失している製品を識別することを可能にするために命令を記憶し得、紛失している製品が送信機付近にあるという指示をグラフィックユーザインターフェースに表示する。命令は、情報の在庫目録内のデータを分析して、紛失している製品を識別することを含み得る。分析は、「利用可能な商品」の在庫目録データを、店に物理的に配置された商品の在庫目録と比較するためのクエリを実行することを含み得る。いくつかの実施形態において、データベース内の利用可能な商品の在庫目録が更新されない場合、命令は、「販売済み商品」のデータベースを比較することを追加的に含み得る。商品が販売済み商品データベースおよび物理的な場所データベースに存在しないが、利用可能な商品の在庫目録データに存在する場合、その商品は、「紛失している」と識別され得る。識別の際、命令は、その製品が紛失しているという指示をグラフィックユーザインターフェースに表示することを含み得る。紛失している商品の場所に関する追加情報は、図33A、33B、および図33Cに関して説明される。
【0664】
いくつかの開示された実施形態において、命令は、紛失している製品の場所をグラフィックユーザインターフェースに表示することをさらに含み得る。例えば、グラフィックユーザインターフェースは、製品が紛失しているという情報を表示するだけでなく、それが紛失しているその元の場所と関連付けられた情報も表示し得る。この情報は、ユーザがアクセスを有するグラフィックユーザインターフェースに表示され得る。紛失している商品の場所を識別するためのいくつかのメカニズムは、図33A図33B、および図33Cに関して本明細書に説明される。
【0665】
本開示のいくつかの態様は、複数のタグを同時にトリガして逐次的に読み取るためのデバイスに関する。デバイスは、2.4GHz送信機、受信機、および少なくとも1つのプロセッサを含み得る。少なくとも1つのプロセッサは、動作モードに応じて、数ある機能の中でも、例えば、2.4GHz送信機を起動し、複数のタグから送信信号を逐次的に受信するように受信機を起動し、受信機によって受信される情報を記録するように構成され得る。
【0666】
いくつかの開示された実施形態において、プロセッサは、2.4GHz送信機を定期的に起動して、送信機付近にある複数のタグの各々に一意のタグIDを受信機に送信させるように構成され得る。プロセッサは、例えば、送信機または送信機の回路の一部に供給される電流を変調することによって、送信機を起動して、送信機に2.4GHzの範囲内の周波数を有する電磁波を放出させ得る。電磁信号の放出は、送信範囲内に、または送信機付近に配置された1つまたは複数の識別タグを起動し得る。起動時、識別タグの各々は、送信機と関連付けられた受信機に一意のタグIDを送信し得る。いくつかの実施形態において、一意のタグIDは、タグから送信された識別信号の一部であり得る。
【0667】
いくつかの開示された実施形態と一致して、2.4GHz送信機は、定期的に起動され得る。2.4GHz送信機を定期的に起動することは、所定の時間間隔で2.4GHz送信機を起動することに関与し得る。これは、送信機が、ある時間間隔にわたって励起信号を能動的に生成する起動状態にあり得ることを意味する。この時間間隔の後には、起動の第2の時間間隔が直ちに続き得るか、または2つの起動状態間隔の間に休止の期間が存在し得る。後者の場合、起動状態および停止状態の周期性は、予め決定され得るか、または所望される情報に基づいて調節され得る。例えば、送信機は、30秒ごとに起動され、その後に30秒間の停止が続き得、50%のデューティサイクルを結果としてもたらすか、または送信機は、10秒ごとに起動され、その後に30秒間の停止が続き得、25%のデューティサイクルを結果としてもたらす。代替的に、プロセッサは、2.4GHz送信機の2つの連続する起動の間の時間間隔をランダムに選択し得る。いくつかの実施形態において、プロセッサは、2つの連続する停止の間の時間間隔も同様にランダムに選択し得る。
【0668】
プロセッサは、第1の時間間隔の間に複数の一意のタグIDの第1のグループを読み取るようにさらに構成され得、第1のグループは、複数の一意のタグIDの第2のグループを除外する。タグの各々から送信された信号は、本明細書では第1の時間間隔として規定される時間の長さにわたって、1つまたは複数の受信機(例えば、11200内などハンドヘルドデバイス内の受信機、または受信機11400a~h)によって受信され得る。信号は、2.4GHz送信機から受信される励起信号に応答する複数の識別タグと関連付けられた複数の一意のタグIDを含み得る。受信時、プロセッサは、第1の時間間隔の間に受信される一意のタグIDのグループと関連付けられた情報を記録し得る。
【0669】
第1のグループを読み取った後、プロセッサは、第2の時間間隔の間、2.4GHz送信機の起動を維持して、第2のグループの一意のタグIDと一緒に第1のグループの一意のタグIDのうちの少なくともいくつかの、受信機への送信を引き起こすように構成され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサは、送信機の送信範囲内の識別タグの各々が、送信機と関連付けられた受信機に一意のタグIDを送信することによって、励起信号に応答し得るように、複数の識別タグを励起するために、デューティサイクルに基づいて、第2の時間間隔にわたって2.4GHz送信機を再起動し得る。送信機の定期的起動サイクルにおいて、第2の時間間隔は、第1の時間間隔と実質的に同様であり得る。第2のグループの一意のタグIDは、一意のタグIDの新規グループに加えて、受信機にすでに送信された一意のタグIDのうちの一部も同様に含み得る。
【0670】
第2の時間間隔において第2のグループの一意のタグIDと一緒に第1のグループの一意のタグIDのうちの少なくともいくつかを読み取った後、プロセッサは、第2のグループと関連付けられた第2の情報を記録するように構成され得る。励起信号がその送信範囲内のすべての複数の識別タグを起動することから、受信したままの第2のグループの一意のタグIDは、受信機にすでに送信された第1のグループからの重複する一意のタグIDを含み得る。これは、同じタグが複数回読み取られることを引き起こし得る。
【0671】
受信した第1および第2のグループの一意のタグIDに基づいて、プロセッサは、第1のグループの一意のタグIDのうちの少なくともいくつかおよび第2のグループの一意のタグIDの中から、第1のグループと共に読み取られた一意のタグIDを識別するように構成され得る。プロセッサは、第2のグループから、第1のグループと共に読み取られた一意のタグIDを識別し得、第1のグループと共に読み取られた第2のグループ内の識別された一意のタグIDを、例えば、「重複」、とラベル付けし得る。プロセッサは、任意のラベル付けまたはタグ付け技術を使用して、第1のグループと共にすでに読み取られた一意のタグIDを第2の時間間隔において読み取られた一意のタグIDと区別し得る。プロセッサは、次いで、第1のグループと共に読み取られた識別されたタグIDと関連付けられた情報を除外しながら、第2の情報を記録し得る。情報は、その重複性が理由で、再度記録されることが拒まれ得る。いくつかの開示された実施形態において、プロセッサは、第1の情報または第2の情報のうちの少なくとも一方によりデータ構造体を更新するように構成され得る。例えば、最終在庫目録更新スキャン前には存在していない、店内で棚に置かれた新規商品または交換商品があるとき、プロセッサは、新規の追加商品を決定し、メモリ、サーバ、クラウドベースネットワーク、またはデータを記憶する任意の形態などのデータ構造体を更新し得る。
【0672】
本開示の実施形態は、遅延送信における使用のための周囲エネルギーを収集および貯蔵するように構成されるワイヤレス識別タグのための方法、システム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体に関し得る。説明を簡単にするため、方法、システム、デバイス、およびコンピュータ可読媒体の態様は、本明細書内では同義で説明され、その結果として、1つの形態への言及は別の形態に等しく適用可能であり、したがって必ずしも繰り返されない。加えて、いくつかの実施形態のいくつかの態様は、有線、ワイヤレスのいずれか、またはその両方であるネットワークを通じて電子的に発生し得る。他の態様は、非電子手段を使用して発生し得る。広義では、開示された実施形態は、特定の物理的および/または電子的手段に限定されず、むしろ、多くの異なる手段を使用して達成され得る。
【0673】
いくつかの実施形態によると、ワイヤレス識別タグは、周囲エネルギーを収集および貯蔵し得る。周囲エネルギーを収集することは、タグの外部ソースまたは環境からエネルギーをワイヤレスに集めること、採取すること、および/または獲得することを含み得る。周囲エネルギーを貯蔵することは、将来の使用のために、収集した周囲エネルギーを蓄積すること、保存すること、または集約することを含み得る。
【0674】
図11は、衣料小売店舗などの環境において動作する複数のワイヤレス識別タグ(例えば、タグ1100aおよび/またはタグ1100b)の非限定的な実施形態を例証する。例えば、エキサイタ11400などの環境エキサイタおよびデバイス11200などのモバイルデバイスは、電磁場内でエネルギーを伝えるワイヤレス信号を発し得、これが環境内の周囲エネルギーに貢献し得る。タグは、店舗内に存在するこれらのワイヤレス信号のうちのいくつかまたはすべてから周囲エネルギーを収集および貯蔵するように構成され得る。
【0675】
いくつかの実施形態において、例示的なワイヤレス識別タグは、遅延送信のために、貯蔵された周囲エネルギーを使用するように構成され得る。電気または電子回路の文脈において、送信の動作は、多くの場合はアンテナを通じて送信機によって、信号またはエネルギーを実行された入力から放射出力へ転換することに関与し得る。遅延送信は、事前イベント(トリガまたは調査イベントなど)の後に、事前イベントと送信との間に発生する時間遅延を伴って、信号またはエネルギーを送信する行為であり得る。ここでは、時間遅延は、2つのイベント間の時間間隔であり得、時間遅延は、所定の持続時間、ランダムもしくは疑似ランダムに選択された持続時間、または、ユーザ入力によって、および/もしくはワイヤレス識別タグの制御器によって別途選択された持続時間を有し得る。いくつかの実施形態において、時間遅延の前に発生する事前イベントは、エネルギー(例えば、周囲エネルギー)を受信および/もしくは貯蔵すること、信号もしくはエネルギーを送信するための要求もしくはコマンドを受信すること、タスクの開始もしくは完了、または基準を満たすことに成功もしくは失敗することを含み得るが、これらに限定されない。
【0676】
いくつかの実施形態によると、時間遅延の前に発生する事前イベントは、ワイヤレス識別タグによる周囲エネルギーの受信、およびワイヤレス識別タグによる後の使用のための周囲エネルギーの貯蔵であり得る。例えば、受信した周囲エネルギーを送信において直ちに消費する代わりに、ワイヤレス識別タグは、その後の送信のために、受信した周囲エネルギーを貯蔵し得る。その後の送信は、遅延送信の例であり得る。追加的または代替的に、事前イベントは、ワイヤレス識別タグに貯蔵される周囲エネルギーの量が、第1の閾値以上であるという決定であり得、ワイヤレス識別タグは、貯蔵された周囲エネルギーのレベルが、第1の閾値よりも高い第2の閾値以上になるまで、信号の送信を遅延させ得る。
【0677】
様々な実施形態において、ワイヤレス識別タグは、周囲エネルギーを受信するための受信機を含み得る。受信機は、任意の構成要素、構成要素のグループ、または通信媒体を介して信号を受信することができる回路であり得る。通信は、Wi-Fi、Bluetooth、セルラ通信、Ethernet通信、または任意の他の規格ベースもしくは専用プロトコルの形態をとり得る。いくつかの実施形態において、受信機は、アンテナ、ならびに振動子、復調器、フィルタ、増幅器、周波数調整器、および/または他の回路素子のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0678】
いくつかの実施形態において、受信機は、特定の周波数で送信される周囲エネルギーへ調整され得る。例えば、受信機は、そのアンテナおよび関連付けられた構成要素が、特定の周波数または特定の周波数セットの電場および/または磁場へ調整されるように、構成され得る。いくつかの実施形態において、ワイヤレス識別タグは、複数の受信機を含み得、各々が、異なる周波数で送信された周囲エネルギーを受信するように調整される。
【0679】
例えば、ワイヤレス識別タグは、約2.4GHzの周波数帯内の第1の周波数で送信された周囲エネルギーを受信するための第1の受信機を含み得る。追加的または代替的に、ワイヤレス識別タグは、約900MHzの周波数帯内の第2の周波数で送信された周囲エネルギーを受信するための第2の受信機を含み得る。または、単一の受信機が、ある周波数帯(例えば、約2.4GHz)内の第1の周波数、およびある周波数帯(例えば、約900MHz)内の第2の周波数の両方を受信することができてもよい。
【0680】
図9は、周囲エネルギーを受信するための受信機を含むワイヤレス識別タグの非限定的な実施形態を例証する。受信機は、トップレベル制御器9020にも結合され得る、マルチソースハーベスタ2102、ゲート検出回路2106、およびメモリ9022(または前述のものの一部分)を含み得る。マルチソースハーベスタ2102は、スイッチ9034を通じて2.4GHzアンテナ2114に結合され得る2.4GHzハーベスタ9014、900MHzアンテナ2112に結合され得る900MHzハーベスタ9012、およびトップレベル制御器9020に結合され得る電力マネージャ9010を含み得る。例として、2.4GHzハーベスタ9014および2.4GHzアンテナ2114が、第1の受信機を構成し得、900MHzハーベスタ9012および900MHzアンテナ2112が、第2の受信機を構成し得る。前述の構成要素の各々は、複数の回路で構成されてもよく、したがって回路への言及は、単一の構成要素またはその部分に関し得るということに留意されたい。
【0681】
様々な実施形態において、ワイヤレス識別タグは、周囲エネルギーを貯蔵するための第1のコンデンサを含み得る。コンデンサは、絶縁体によって分離される帯電板の使用を通じて電荷を貯蔵するために使用される任意の容量性の構造体を含み得る。コンデンサの例としては、セラミックコンデンサ、フィルムコンデンサ、パワーフィルムコンデンサ、電解コンデンサ、超コンデンサ、クラスXおよびクラスYコンデンサ、半導体デバイスの内側で実施されるMOMコンデンサ(金属-酸化物-金属コンデンサ)、半導体デバイスの内側で実施されるMIMコンデンサ(金属-絶縁物-金属コンデンサ)、半導体デバイスの内側で実施されるMOSコンデンサ(金属-酸化物-半導体コンデンサ)、または他の種々もしくは様々なコンデンサを挙げることができる。図10および図34に示されるように、エネルギー貯蔵回路2108は、単に例として貯蔵コンデンサ10300として例証される第1のコンデンサを含み得る。貯蔵コンデンサ10300は、図10および図34に例証される回路を通じて、900MHzハーベスタ9012および2.4GHzハーベスタ9014に、これらのハーベスタによって受信される周囲エネルギーを貯蔵するために、電気的に接続され得る。単一のコンデンサとして例証されるが、周囲エネルギーを貯蔵するための複数の貯蔵コンデンサが存在してもよい。
【0682】
様々な実施形態において、ワイヤレス識別タグは、周囲エネルギーを収集および貯蔵するための第2のコンデンサを含み得、第2のコンデンサは、第1のコンデンサよりも低い静電容量を有する。追加的または代替的に、ワイヤレス識別タグは、周囲エネルギーを収集および貯蔵するための複数の第2のコンデンサを含み得、複数の第2のコンデンサの各々は、第1のコンデンサよりも低い静電容量を各々有する。コンデンサの静電容量は、所与の電位(すなわち、電圧)で電荷を貯蔵するコンデンサの能力を説明する。静電容量は、ファラッド(F)、ミリファラッド(mF)、マイクロファラッド(μF)、ナノファラッド(nF)、またはピコファラッド(pF)の単位で測定され得る。例として、図35に例証されるように、第2のコンデンサは、エネルギーハーベスタ35100と貯蔵コンデンサ10300との間に配設されるトランスファコンデンサ35300を含み得る。いくつかの実施形態において、エネルギーハーベスタ35100は、2.4GHzハーベスタ9014および900MHzハーベスタ9012のうちの一方に対応し得る。図34に例証されるさらに別の実施形態において、第2のコンデンサは、貯蔵コンデンサ10300と900MHzハーベスタ9012との間に配設されるトランスファコンデンサ34100および34102のうちの一方を含み得る。第2のコンデンサはまた、例として、貯蔵コンデンサと2.4GHzハーベスタ9014との間に配設されるコンデンサ34104および34106のうちの一方を含み得る。
【0683】
いくつかの実施形態において、第2のコンデンサの静電容量は、1nF未満であってもよい。代替的に、第2のコンデンサの静電容量は、100pF未満であってもよい。他の実施形態において、第1のコンデンサの静電容量は、少なくとも10nF、または少なくとも100nFであってもよい。
【0684】
様々な実施形態において、ワイヤレス識別タグは、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを相互接続するインダクタを含み得る。インダクタは、磁場の形態でエネルギーを貯蔵する任意の電子構成要素を含み得る。例えば、インダクタは、芯の周りに巻回され得る、導電片の使用を通じて周囲磁場にエネルギーを貯蔵するために使用される反応構造体を含み得る。インダクタ構造体の例としては、空芯インダクタ、RFインダクタ、リッツ線、強磁性インダクタ、フィルムインダクタ、多層インダクタ、可変インダクタ、チョーク、および他の種々のインダクタを挙げることができる。例として、図35に例証されるように、インダクタ34140は、貯蔵コンデンサ10300とトランスファコンデンサ35300との間に配設され得る。図34に例証される別の例において、インダクタ34140は、貯蔵コンデンサ10300と、トランスファコンデンサ34100、34102、34104、および34106との間に配設され得る。
【0685】
様々な実施形態において、ワイヤレス識別タグは、受信機、第1のコンデンサ、および第2のコンデンサを相互接続する回路を含み得る。回路(circuitまたはcircuitry)は、本開示で使用される場合、構成要素、または、有線またはワイヤレス接続によって電子的に結合され得る構成要素、素子、および/もしくはデバイスの組み合わせを指し得る。いくつかの実施形態において、回路は、内的または外的のいずれかで生成されるいくつかの入力、刺激、および/またはトリガへの応答として所望の機能または反応の実施を可能にする方式で接続される、シリコンチップの部分、印刷回路基板の部分、接続化したシステムの部分、または上記のいずれかの組み合わせとして実装され得る。所望の機能または反応は、他の回路の制御、視覚、可聴、もしくは別途通信可能な警告もしくは信号を生成すること、送信を引き起こすこと、および/または任意の他の動作を実施することを含むが、これらに限定されない。例えば、構成要素、素子、および/またはデバイスは、レジスタ、コンデンサ、インダクタ、コンダクタ、トランジスタ、ダイオード、送信線、インバータ、バッファ、論理ゲート、ラッチ、フリップフロップ、増幅器、比較器、電圧源、電流源、スイッチ、および/または他の電気デバイスを含み得るが、これらに限定されない。入力、刺激、および/またはトリガは、電圧レベル、電圧レベル変化、電流レベル、電流レベル変化、周波数、受信した信号の振幅もしくは位相変化、デジタル入力、デジタルパルス、制御語、および/または様々なエネルギーの形態にある他の信号を含み得るが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、用語「回路(circuit)」または「回路(circuitry)」は、単一の回路または複数の回路と見なされ得る、2つ以上の電気的に接続された構成要素を含み得る。
【0686】
例として、図35に例証されるように、回路は、エネルギーハーベスタ35100(受信機の一例)とトランスファコンデンサ35300(第2のコンデンサの一例)とを接続/切断するように構成されるスイッチ35200および35202、トランスファコンデンサ35300とインダクタ34140とを接続/切断するように構成されるスイッチ35204および35206、ならびにインダクタ34140と貯蔵コンデンサ10300(第1のコンデンサの一例)とを接続/切断するように構成されるスイッチ34134、のいくつかまたはすべてを含み得る。
【0687】
様々な実施形態において、回路は、受信機によって受信された周囲エネルギーが、最初、第2のコンデンサに貯蔵され得、続いて、第1のコンデンサに伝達され、そこに貯蔵されるような方式で、受信機、第1のコンデンサ、および第2のコンデンサを相互接続し得る。以前に論じられるように、第2のコンデンサは、電気エネルギーの形態で収集された周囲エネルギーを一時的に貯蔵するためのトランスファコンデンサであり得、第1のコンデンサは、電気エネルギーの形態にある収集した周囲エネルギーの主要貯蔵器として機能する貯蔵コンデンサであり得る。
【0688】
所与の回路において、電荷は、1つの部分から別の部分へ流れ得、回路全体にわたって電位を等しくするために再分配される。これは、貯蔵されたエネルギーの量が電荷の量に比例せず、電荷がコンデンサ間で再分配されるとエネルギーが失われるため、貯蔵コンデンサに貯蔵されるエネルギーの量に不利益に影響を及ぼし得る。貯蔵コンデンサからの漏出のさらなる問題は、貯蔵コンデンサと残りの回路との間に1つまたは複数の追加の回路素子を採用し、その結果として、追加の回路素子が貯蔵コンデンサに貯蔵されたエネルギーの望ましくない放出を防ぐことによって軽減され得る。追加の回路素子は、スイッチ、レジスタ、コンデンサ、インダクタ、または他の回路構成要素など、能動および受動素子を含み得る。
【0689】
いくつかの実施形態において、受信機は、周囲エネルギーを受信し、そのエネルギーを使用可能または貯蔵可能な形態に変換し得る。電気および電子回路の文脈において、周囲エネルギーは、電場および/または磁場から受信され、その後、電気エネルギーへと変換され得る。変換されたエネルギーは、まず、第2のコンデンサに収集され、次いで第1のコンデンサへ伝達され得る。第1のコンデンサ、第2のコンデンサ、およびインダクタは、これらの構成要素を、互いと接続する/互いから切断するように構成される一連のスイッチによって相互接続され得る。受信機と第1のコンデンサとの間の媒介物としての、スイッチによって接続される第2のコンデンサの使用は、第1のコンデンサを隔離するのを助けることによって、望ましくないエネルギー放出の問題を軽減し得る。いくつかの実施形態において、エネルギーの伝達は、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に配設されるインダクタを通じて実施され得、これが、第1コンデンサと第2のコンデンサとの間のエネルギー伝達効率を向上させ得る。例えば、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間にインダクタが存在しない場合、一方のコンデンサからのエネルギーは、コンデンサの電圧が等しくなるまで他方のコンデンサへと流れる。この状況は、第1のコンデンサの電圧が第2のコンデンサの電圧によって制限され、このことが、ひいては第1のコンデンサが貯蔵し得るエネルギーの量を制限するため(第1のコンデンサの電圧が第2のコンデンサよりも高い場合、電圧を等しくするためにエネルギーが第1のコンデンサから出て第2のコンデンサへと流れるため)、非効率的なエネルギー貯蔵を結果としてもたらす。
【0690】
インダクタが提供されるときは、異なるエネルギー伝達メカニズムが発生し得る。コンデンサに接続されるインダクタは、調和振動子を形成し得、エネルギーは、振動としてインダクタとコンデンサとの間を流れ得る。振動を利用して、スイッチは、エネルギーが主に一方の素子に存在しており、他方に存在していない時、インダクタおよびコンデンサを切断して、エネルギーの大部分を一方の素子のみに閉じ込めるようにタイミングが計られ得る。この構成では、エネルギーは、第1のコンデンサが第2のコンデンサよりも高い電圧レベルを有し得るとしても、第2のコンデンサから第1のコンデンサへ連続して伝達され得る。
【0691】
図35に例証される非限定的な実施形態において、エネルギーハーベスタ35100は、900MHz周波数帯および2.4GHz周波数帯のうちの一方で送信された周囲エネルギーを受信し、貯蔵のために、受信した周囲エネルギーを電気エネルギーへと転換し得る。周囲エネルギーが収集されている時間期間の間、スイッチ35200および35202は、エネルギーハーベスタ35100をトランスファコンデンサ35300へ接続し得る。周囲エネルギー収集期間が終了すると、スイッチ35200および35202は、エネルギーハーベスタ35100をトランスファコンデンサ35300から切断し得る。場合によっては、周囲エネルギー収集期間は、トランスファコンデンサ35300が十分なレベルのエネルギーを収集した(すなわち、コンデンサが満量である)とき、終了し得る。代替的または追加的に、収集期間は、ワイヤレス識別タグが、エネルギーハーベスタ35100が現在エネルギーを収集していないことを決定するときに終了し得、そのような決定がなされるとき、ワイヤレス識別タグは、トランスファコンデンサ35300が満量でないとしても、トランスファコンデンサ35300に貯蔵されたエネルギーを貯蔵コンデンサ10300へ伝達し得る。
【0692】
スイッチ35204および35206は、トランスファコンデンサ35300に収集された周囲エネルギーが貯蔵のために伝達されている時間期間の間、トランスファコンデンサ35300およびインダクタ34140を接続し得る。場合によっては、伝達期間は、トランスファコンデンサ35300が十分なレベルのエネルギーを収集したときなど、収集期間の最後に発生し得る。伝達期間の最後に、スイッチ35204および35206は、トランスファコンデンサ35300をインダクタ34140から切断して、エネルギーがトランスファコンデンサ35300から戻って流れることを防止し得る。伝達期間の最後は、トランスファコンデンサ35300からのエネルギーの大半がインダクタ34140へ流れているようにタイミングが計られるトランスファコンデンサ35300およびインダクタ34140のLC特性に基づき得る。
【0693】
スイッチ34134は、インダクタ34140を貯蔵コンデンサ10300に接続して、インダクタ34140からのエネルギーが貯蔵コンデンサ10300へ伝達することを可能にし得る。スイッチ34134は、次いで、エネルギーの大半がインダクタ34140から貯蔵コンデンサ10300へ流れたときに切断され得る。
【0694】
いくつかの実施形態によると、ワイヤレス識別タグは、制御信号35402、35406、および35408を生成して、それぞれスイッチ35200/35202、35204/35206、および34134のスイッチング動作を命令するように構成される少なくとも1つの回路35150を含み得る。回路35150は、周囲エネルギーがエネルギーハーベスタ35100からトランスファコンデンサ35300へ、次いでインダクタ34140へ、および次いで貯蔵コンデンサ10300へ伝達され得るように、特定のタイミングを有する制御信号を生成するように設計され得る。
【0695】
いくつかの実施形態において、回路は、第1および第2の周波数で第1および第2の受信機によって受信された周囲エネルギーが、第1のコンデンサへ伝達され、そこに貯蔵されるような方式で、第1の受信機、第2の受信機、および第1のコンデンサを相互接続し得る。そのような回路は、受信機と受信したエネルギーが貯蔵されることを可能にする少なくとも1つのコンデンサとの間に任意の構成要素または構成要素のグループを含み得る。以前に説明された回路は、異なる周囲エネルギー源を収集するように構成される複数の受信機を組み込むように修正され得る。非限定的な例として、図34は、900MHz周波数帯および2.4GHz周波数帯で受信された周囲エネルギーを収集するために貯蔵コンデンサ10300に結合された900MHzハーベスタ9012および2.4GHzハーベスタ9014を例証する。
【0696】
いくつかの実施形態において、ワイヤレス識別タグは、周囲エネルギーを収集および貯蔵するための第3のコンデンサを含み得、第3のコンデンサは、第1のコンデンサよりも低い静電容量を有し、インダクタは、第1のコンデンサおよび第3のコンデンサを相互接続し得る。追加的または代替的に、回路は、最初に第3のコンデンサに貯蔵された周囲エネルギーが、続いて第1のコンデンサに伝達および貯蔵されるような方式で、第1のコンデンサ、第3のコンデンサ、およびインダクタを相互接続し得る。受信機と第1のコンデンサとの間に配設される2つ以上のトランスファコンデンサが存在し得る。複数のトランスファコンデンサは、周囲エネルギー収集の効率を増大させるために提供され得る。いくつかの実施形態において、第2のコンデンサおよび第3のコンデンサの各々の静電容量は、1nF未満である。
【0697】
いくつかの実施形態において、回路は、受信機によって受信された周囲エネルギーが、最初、第2のコンデンサまたは第3のコンデンサのうちの少なくとも一方に貯蔵され、続いて、第1のコンデンサに伝達され、そこに貯蔵されるような方式で、受信機、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ、および第3のコンデンサを相互接続し得る。
【0698】
いくつかの実施形態において、第1の受信機は、第2のコンデンサが第1の周波数で第1の受信機から周囲エネルギーを受信することを可能にするために第2のコンデンサと相互接続され得、第2の受信機は、第3のコンデンサが第2の周波数で第2の受信機から周囲エネルギーを受信することを可能にするために第3のコンデンサと相互接続され得る。例えば、トランスファコンデンサの1つのセットは、第1の形態の周囲エネルギーを収集するように構成され得、トランスファコンデンサの異なるセットは、別の形態の周囲エネルギーを収集するように構成され得る。トランスファコンデンサの異なるセットは、異なる形態の周囲エネルギーに対応する異なる受信機に結合され得る。いくつかの実施形態において、第1のコンデンサは、第2のコンデンサおよび第3のコンデンサからのエネルギーを受信および貯蔵するように構成され得る。
【0699】
例として、図34に例証されるように、回路は、2.4GHzハーベスタ9014(第1の受信機の一例)をトランスファコンデンサ34104および34106のうちの一方(例えば、第2のコンデンサ)に接続するように構成されるスイッチ34124および34126、900MHzハーベスタ9012(第2の受信機の一例)をトランスファコンデンサ34100および34102のうちの一方(第3のコンデンサの例)に接続するように構成されるスイッチ34120および34122、インダクタ34140をトランスファコンデンサ34100、34102、34104、および34106のうちの1つに接続するように構成されるスイッチ34130および34132、ならびに、インダクタ34140と貯蔵コンデンサ10300(第1のコンデンサの一例)とを接続/切断するように構成されるスイッチ34134、のうちのいくつかまたはすべてを含み得る。ハーベスタ9014は受信機の例であるが、それが接続されるアンテナ2114もまた、別個に、受信機と称され得る。
【0700】
いくつかの実施形態において、900MHzの周囲エネルギーは、最初、トランスファコンデンサ34100および34102の一方または両方に収集され得る。例えば、トランスファコンデンサ34100は、それが満量になるまで周囲エネルギーを収集し得、次いでトランスファコンデンサ34102が、周囲エネルギーを収集し始める。代替的に、トランスファコンデンサ34100および34102は交互に周囲エネルギーを収集し得る。トランスファコンデンサ34104および34106の動作は、トランスファコンデンサ34100および34102のものと実質的に同様であり得、同様に交互に周囲エネルギーを収集し得る。
【0701】
インダクタ34130は、スイッチ34134を介して貯蔵コンデンサ10300に接続され得る。スイッチ34130および34132が、インダクタ34140をトランスファコンデンサ34100~34106のうちの任意の1つに接続するとき、これらのコンデンサに貯蔵されたエネルギーは、スイッチの慎重なタイミングを通じて、以前に説明されたような振動によりインダクタ34140へ伝達され得る。同様に、インダクタ34140は、続いて、そのエネルギーを、振動により貯蔵コンデンサ10300へ伝達し得る。
【0702】
様々な実施形態において、ワイヤレス識別タグは、第1のコンデンサに貯蔵されたエネルギーが少なくとも1つの送信機に電力を供給することを可能にするために、第1のコンデンサに電気的に接続される少なくとも1つの送信機を含み得る。いくつかの実施形態において、送信機は、第1のコンデンサに電気的に接続されて、以て、第2および第3のコンデンサから第1のコンデンサへ伝達されるエネルギーから少なくとも1つの送信機に電力を供給し得る。
【0703】
いくつかの実施形態において、第1のコンデンサは、少なくとも1つの送信機に電力を供給するための第1の周波数および第2の周波数で受信される周囲エネルギーを貯蔵するように配置され得る。
【0704】
図9に例証される非限定的な例において、送信機は、ビーコン制御器9030およびビーコン送信機9032を含み得るビーコン2104を含み得る。ビーコン2104は、ビーコン制御器9030によって受信され得る、電力、タイミング、周波数、および/または送信データなどの送信制御インターフェースパラメータへ出力し得るトップレベル制御器9020によって命令され得る。送信制御パラメータに基づいて、ビーコン制御器9030は、命令されたように送信するようにビーコン送信機9032に指示し得る。いくつかの実施形態において、ビーコン制御器9030によって制御されるスイッチ9034がさらに提供され得る。ビーコン制御器9030によって生成されるスイッチ制御を通じて、スイッチ9034は、2.4GHzアンテナ2114がビーコン送信機9032に結合される送信モードと、2.4GHzアンテナ2114が2.4GHzハーベスタ9014に結合される受信モードとを交互に取り得る。
【0705】
図10に例証されるさらに別の非限定的な例において、ビーコン送信機9032は、水晶10020を有する水晶振動子10022およびビーコン制御器9030に結合され得るPLL10110;PLL10110に結合されるVCO10112;ならびに、VCO10112およびビーコン制御器9030から入力を受信するように、およびスイッチ9034を通じて2.4GHzアンテナ2114へ出力を提供するように結合されるVGA10114を含み得る。いくつかの実施形態において、VCO10112は、位相ロックループ(PLL)10110の出力に基づいて、可変利得増幅器(VGA)10114に信号の変調を提供し得る。いくつかの実施形態において、PLL10110は、参照クロックのための移送ロックを振動子10022から残りのビーコン送信機9032(図9に例証されるような)に提供し得る。いくつかの実施形態において、ビーコン制御器9030は、振動子10020から参照クロック入力を、およびリアルタイムクロック10024から低速クロックを受信する。代わりに、ビーコン制御器9030は、参照クロック制御を振動子1002に提供し得る。いくつかの実施形態において、ビーコン制御器9030は、周波数制御および送信データをPLL10110に提供し、電力制御をVGA10114に提供する。
【0706】
上に説明されるように、送信機は、第1のコンデンサに貯蔵されたエネルギーが所定のエネルギーレベルを上回るとき、第1の送信モードで動作するように、および、第1のコンデンサに貯蔵されたエネルギーが所定のエネルギーレベル以下であるとき、第2の送信モードで動作するように構成され得る。
【0707】
いくつかの実施形態において、ワイヤレス識別タグは、第2のコンデンサから第1のコンデンサへのエネルギーの伝達を制御するように構成される少なくとも1つの回路を含み得る。そのような回路は、第2のコンデンサから第1のコンデンサへのエネルギーの伝達を管理する任意の構成要素または構成要素のグループを含む。以前に論じられるように、例えば、第2のコンデンサから第1のコンデンサへエネルギーを伝達することは、能動制御および管理されたタイミングを必要とし得、これはエネルギーを消費し得る。制御回路が、第1のコンデンサまたは第2のコンデンサとは別に、独立したエネルギー供給を有することが有利であり得る。例えば、周囲エネルギー収集は、スイッチの能動制御を必要とし得るため、ワイヤレス識別タグのエネルギーが低いとき、ワイヤレス識別タグは、制御回路に電力を供給することができないことに起因して、周囲エネルギーを収集することができない場合がある。故に、いくつかの実施形態において、例えば、ワイヤレス識別タグは、第1のコンデンサよりも低い静電容量を有する少なくとも1つの追加のコンデンサを含み得、少なくとも1つの追加のコンデンサは、少なくとも1つの回路に電力を供給するように構成される。追加のコンデンサは、制御回路のためのエネルギー源としての役割を果たし得、その結果として、第1または第2のコンデンサ内のエネルギーが枯渇しているとしても、追加のコンデンサは、依然として、制御回路に電力を供給して、連続した周囲エネルギー収集を可能にし得る。追加のコンデンサは、受信機に電気的に接続され得、その結果として、追加のコンデンサは、周囲エネルギーを収集して制御回路に供給し得る。
【0708】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの回路は、第2のコンデンサまたは第3のコンデンサのうちの少なくとも一方から第1のコンデンサへのエネルギーの伝達を制御するように構成され得る。そのような回路は、第2または第3のコンデンサから第1のコンデンサへのエネルギーの伝達を管理する任意の構成要素または構成要素のグループを含み得る。非限定的な例として、図36に例証されるように、少なくとも1つの回路は、追加のコンデンサとしての役割を果たし得る制御回路コンデンサ36302に接続された回路36150を含み得る。回路36150は、トランスファコンデンサ36300(例えば、第2のコンデンサ)または第3のコンデンサ(図36に例証されない)のうちの1つまたは複数から貯蔵コンデンサ10300(例えば、第1のコンデンサ)へのエネルギー伝達を管理するための制御としての役割を果たし得る。制御回路コンデンサ36302は、スイッチ36200および36202を介してエネルギーハーベスタ36100に接続され得る。エネルギーハーベスタ36100は、900MHzハーベスタ9012、2.4GHzハーベスタ9014、または全く異なるエネルギーハーベスティング回路のうちの1つであり得る。周囲エネルギーは、制御回路コンデンサ36302に収集および貯蔵され、これが回路36150に供給され得る。場合によっては、制御コンデンサ36302が、回路36150に排他的に電力を供給する場合、エネルギーは、貯蔵コンデンサ10300から必要とされなくてもよい。代替的に、貯蔵コンデンサ10300は、制御回路コンデンサ36302が枯渇した場合に、回路36150に電力を供給するために使用され得る。いくつかの実施形態において、制御回路コンデンサ36302は、完全に省略されてもよく、回路36150は、貯蔵コンデンサ10300などの他のコンデンサによる電力供給のために構成される。
【0709】
回路36150は、貯蔵コンデンサ10300内への貯蔵のために周囲エネルギーを収集および貯蔵するために、スイッチ36200、36202、36204、36206、および34134のうちの任意の1つに命令し、これを制御するようにプログラムされ得る。これが発生する方式は、図34および図35を参照して以前に説明される。
【0710】
本開示の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサによってシステムおよび/または方法として実装される、かつ/または非一時的なコンピュータ記憶媒体に実行可能命令として記憶されるかにかかわらず、以下の箇条書きの特徴のいずれか1つを単独で、または1つもしくは複数の他の箇条書きの特徴と組み合わせて含み得る。
・周波数帯域約900MHz内の第1の周波数および周波数帯域約2.4GHz内の第2の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された少なくとも1つのアンテナ
・少なくとも1つの識別信号を送信するように構成された少なくとも1つの送信機
・少なくとも1つの回路
・エネルギーが前記第1の周波数で受信されたか前記第2の周波数で受信されたかを検出する
・前記第1の周波数が検出されたとき、前記少なくとも1つの送信機を、第1の形式の識別信号を送信するための第1のモードで動作させ、前記第2の周波数が検出されたとき、前記少なくとも1つの送信機に第2の形式の識別信号を送信させるための第2のモードで動作させる
・前記少なくとも1つのアンテナに電気的に接続された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素。前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、前記少なくとも1つのアンテナによって受信された前記エネルギーを貯蔵するように構成される
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、前記第1の周波数および前記第2の周波数で受信されたエネルギーを貯蔵するように構成される
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素が、前記少なくとも1つのアンテナによって受信された前記エネルギーを利用して前記ワイヤレス識別タグに電力を供給するように構成される
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、前記少なくとも1つのコンデンサを含む
・前記少なくとも1つの回路は、前記少なくとも1つの識別信号を送信するために、前記少なくとも1つのコンデンサからのエネルギーを使用して前記送信機に電力を供給するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記第1の周波数または前記第2の周波数のうちの少なくとも1つで受信されたエネルギーを使用して、前記少なくとも1つの送信機を前記第2のモードで送信させるように構成される
・900MHz WW ISMの第1の周波数範囲内の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された第1のアンテナ
・2.4GHz WW ISMの第2の周波数範囲内の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された第2のアンテナ
・前記少なくとも1つのアンテナは、第3の周波数範囲で送信されるエネルギーを受信するようにさらに調整される
・エネルギーが前記第3の周波数範囲で受信されたかどうかを検出する
・前記第3の周波数範囲が検出されたとき、前記少なくとも1つの送信機を、第3の形式の識別信号を送信するための第3のモードで動作させる
・前記第3の周波数範囲は、前記第1の周波数範囲および前記第2の周波数範囲よりも低い
・前記少なくとも1つの送信機は、前記第1の形式の識別信号および前記第2の形式の識別信号を同じ送信周波数で送信するように構成される
・前記第1の形式の識別信号および前記第2の形式の識別信号の前記送信周波数が、前記第2の周波数である
・前記少なくとも1つの送信機は、前記第1の形式の識別信号および前記第2の形式の識別信号を異なる電力レベルで送信するように構成される
・前記少なくとも1つの送信機は、前記第2の周波数が検出されてから10秒未満で前記第2の形式の識別信号を送信するように構成される
・前記第1のモードにおいて、前記少なくとも1つの送信機は、前記第1の形式の識別信号を第1の繰返し周期で送信するように構成される
・前記第2のモードにおいて、前記少なくとも1つの送信機は、前記第2の形式の識別信号を前記第1の繰返し周期よりも短い第2の繰返し周期で送信するように構成される
・前記第1の形式の識別信号は、送信される前記識別信号に関連する繰返し周期、周波数チャネル、送信電力、または送信データのうちの少なくとも1つにおいて前記第2の形式の識別信号とは異なる
・前記第1の形式の識別信号または前記第2の形式の識別信号のうちの少なくとも1つは、前記ワイヤレス識別タグの一意の識別子を含む
・前記少なくとも1つのアンテナ、前記少なくとも1つの送信機、および前記少なくとも1つの回路は、可撓性基板上に設けられる
・前記ワイヤレスタグを少なくとも部分的に封入する材料層。前記材料層は、縫製による貼り付け用に構成される
・前記材料層は、布地を含む
・着信信号周波数の関数として変化する応答時間を有するワイヤレス識別タグ
・エネルギーが前記第1の周波数で受信されたか前記第2の周波数で受信されたかを検出する
・前記少なくとも1つの送信機に、前記第2の周波数が検出されたとき、即時応答を送信させ、前記第1の周波数が検出されたとき、前記即時応答と比較してより長い遅延を有する遅延応答を送信させる
・前記即時応答は、前記第2の周波数が検出されてから10秒未満で発生するように設定される
・前記遅延応答は、前記第1の周波数が検出されてから約1分から約1週間の範囲内で発生するように設定される
・前記少なくとも1つのアンテナは、900MHz WW ISMの第1の周波数範囲内の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された第1のアンテナと、2.4GHz WW ISMの第2の周波数範囲内の周波数で送信されるエネルギーを受信するように調整された第2のアンテナとを含む
・前記少なくとも1つの回路は、前記即時応答または前記遅延応答のうちの少なくとも1つを送信するのに十分なエネルギーが集約されエネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているときでも、前記送信機に前記少なくとも1つの応答の送信を遅延させるように前記少なくとも1つの回路に命令する送信規則を実施するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記送信機に前記即時応答または前記遅延応答のうちの少なくとも1つを所定の時間間隔で送信させるための前記送信規則を実施するように構成される
・前記送信規則は、2つの連続する即時応答間または2つの連続する遅延応答間のうちの少なくとも1つの時間間隔を定義する
・前記送信規則は、2つの連続する応答間の時間間隔をランダムに選択するように構成される
・前記少なくとも1つのアンテナは、第3の周波数で送信されるエネルギーを受信するようにさらに調整される
・エネルギーが前記第3の周波数で受信されたかどうかを検出する
・前記第3の周波数が検出されたとき、前記少なくとも1つの送信機に、前記即時応答および前記遅延応答とは異なる第3の応答を送信させる
・前記第3の応答に関連する信号は、繰返し周期および2つの連続する応答間の時間間隔のうちの少なくとも1つにおいて、前記即時応答および前記遅延応答に関連する信号とは異なる
・前記第3の周波数は、前記第1の周波数および前記第2の周波数よりも低い
・前記少なくとも1つのアンテナに電気的に接続された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素。前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、前記少なくとも1つのアンテナによって受信された前記エネルギーを貯蔵するように構成される
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、前記少なくとも1つのアンテナによって受信された前記エネルギーを利用して前記ワイヤレス識別タグに電力を供給するように構成される
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、受信電力とは別個に前記ワイヤレス識別タグに電力を供給するように構成された少なくとも1つのコンデンサを含む
・前記少なくとも1つの回路は、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視し、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵された前記エネルギーが、前記第2の周波数が検出されたときに前記即時応答を送信するには不十分であると判定された場合、前記少なくとも1つの送信機が前記遅延応答を送信するのを防止するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視し、前記第2の周波数の検出に応答して、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵された前記エネルギーが正常な即時応答を送信するには不十分であると判定されたとき、前記少なくとも1つの送信機に、送信すべきエネルギーが前記即時応答に必要なエネルギー量よりも少ない信号を送信させるように構成される
・前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視し、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵された前記エネルギーが所定のエネルギーレベルを下回ると判定されたとき、前記少なくとも1つの送信機が前記即時応答を送信するのを防止する
・前記遅延応答に関連する信号は、送信される前記応答に関連する繰返し周期、周波数チャネル、送信電力、または送信データのうちの少なくとも1つにおいて、前記即時応答に関連する信号とは異なる
・前記遅延応答または前記即時応答のうちの少なくとも1つは、前記ワイヤレス識別タグの一意の識別子データを含む
・前記少なくとも1つのアンテナ、前記少なくとも1つの送信機、および前記少なくとも1つの回路は、可撓性基板上に設けられる
・製品への貼り付け用の接着層
・前記ワイヤレスタグを少なくとも部分的に封入する少なくとも1つの布地層。前記少なくとも1つの布地層は、縫製による貼り付け用に構成される
・第1のEASゲート周波数範囲約7~13MHzまたは第2のEASゲート周波数範囲約58~60kHzのうちの少なくとも1つで送信されるエネルギーを受信するように調整され、前記EASゲートによって検出不能であるように構成された、少なくとも1つのアンテナ
・少なくとも1つの識別信号を送信するように構成された少なくとも1つの送信機
・前記少なくとも1つの送信機に電力を供給するための、前記少なくとも1つの送信機に電気的に接続された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素
・前記少なくとも1つのアンテナに接続され、前記第1のEASゲート周波数範囲内または前記第2のEASゲート周波数範囲内のうちの少なくとも1つで前記EASゲートから送信されたエネルギーを検出し、前記EASゲートから送信された前記エネルギーの検出に応答して、前記少なくとも1つの送信機に、前記第1のEASゲート周波数範囲外および前記第2のEASゲート周波数範囲外の周波数で送信された前記少なくとも1つの識別信号を前記EASゲート以外の受信機に送信させるように構成された、少なくとも1つの回路
・前記第1のEASゲート周波数範囲外および前記第2のEASゲート周波数範囲外の前記周波数は、2.4GHz WW ISMの周波数範囲内にある
・前記少なくとも1つの回路は、前記少なくとも1つの送信機に、前記EASゲートから送信された前記エネルギーが検出されてから10秒未満で前記少なくとも1つの識別信号を送信させるように構成される
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、前記少なくとも1つのアンテナによって受信された無線周波数エネルギーを貯蔵するように構成され、前記受信された無線周波数エネルギーは、前記第1のEASゲート周波数範囲外および前記第2のEASゲート周波数範囲外の周波数であることを特徴とする
・900MHz WW ISMの周波数範囲内で送信されるエネルギーを受信するように調整された第1のアンテナ
・2.4GHz WW ISMの周波数範囲内で送信されるエネルギーを受信するように調整された第2のアンテナ
・前記少なくとも1つのEASゲート周波数範囲で送信される前記エネルギーを受信するように構成された少なくとも1つのEASアンテナ
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナによって受信された前記エネルギーを貯蔵し、前記貯蔵されたエネルギーを用いて前記少なくとも1つの送信機に電力を供給するように構成される
・前記少なくとも1つの送信機は、Bluetoothプロトコル、Bluetooth Low Energy、Wi-Fi、ZigBee、Z波、または無線周波数識別(RFID)プロトコルのうちの少なくとも1つを介して前記識別信号を送信するように構成される
・前記少なくとも1つの送信機は、前記EASゲートから送信された前記エネルギーの検出に応答して、前記識別信号の複数回の繰返しを逐次的に送信するように構成される
・前記少なくとも1つの送信機は、前記識別信号の前記複数回の繰返しのそれぞれを動的に遅延させ、それによって信号衝突を回避するように構成される
・前記少なくとも1つの送信機が、前記識別信号の前記繰返しのうちの少なくとも1つをランダムに遅延させ、それによって信号衝突を回避するように構成される
・前記少なくとも1つの送信機は、可聴警告、視覚警告、またはデジタルメッセージのうちの少なくとも1つを引き起こすための少なくとも1つの警告信号を送信するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つの警告信号は、前記少なくとも1つの識別信号の構成要素である
・前記少なくとも1つの警告信号は、前記少なくとも1つの識別信号と分離している
・特定の製品との関連付けによって、同じ製品の他のインスタンスに関連付けられたタグからの識別信号とは異なる一意の識別信号を送信する
・前記少なくとも1つの回路は、前記識別信号を送信するのに十分な送信電力が集約され前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているときでも、前記少なくとも1つの送信機に前記識別信号の送信を遅延させる方式で前記少なくとも1つの回路を調節するための識別送信規則を実施するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記送信機に前記識別信号を所定の時間間隔で送信させるための前記識別送信規則を実施するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、2つの連続する識別信号の送信間の時間間隔を定義するための前記識別送信規則を実施するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、2つの連続する識別信号間の時間間隔をランダムに選択するための前記識別送信規則を実施するように構成される
・前記少なくとも1つのアンテナの前記検出不能性によって、前記タグが前記EASゲートをトリガすることを回避することが可能になる
・前記少なくとも1つの回路は、第1の所定の期間起動して第2の所定の期間停止することを繰り返すことによってエネルギーを節約するように構成される
・周囲エネルギーを取り入れ、識別信号を断続的に送信するように構成されたワイヤレス識別タグ
・周囲エネルギーを受信するように構成された少なくとも1つのアンテナ
・前記少なくとも1つのアンテナに電気的に接続され、前記受信した周囲エネルギーを集約して貯蔵するように構成された、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素に電気的に接続され、前記識別信号を送信するように構成された、少なくとも1つの送信機
・前記少なくとも1つの送信機に接続され、前記識別信号の送信に十分なエネルギーが集約され前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているときでも、前記送信機に前記識別信号の送信を遅延させるための識別送信規則を実施するように構成された、少なくとも1つの回路
・前記少なくとも1つの回路は、前記送信機に前記識別信号を所定の時間間隔で送信させるための前記識別送信規則を実施するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、2つの連続する識別信号の送信間の時間間隔を定義するための前記識別送信規則を実施するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、2つの連続する識別信号送信間の時間間隔をランダムに選択するための前記識別送信規則を実施するように構成される
・前記少なくとも1つのアンテナは、第1の周波数帯域約900MHzまたは第2の周波数帯域約2.4GHzのうちの少なくとも1つの中の周波数で送信されるエネルギーを受信するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記送信機に、前記第1の周波数帯域または前記第2の周波数帯域のうちの少なくとも1つで受信されたエネルギーを使用して前記第2の周波数帯域で前記識別信号を送信させるように構成される
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、前記貯蔵されている受信された周囲エネルギーを用いて前記ワイヤレス識別タグに電力を供給するように構成される
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、バッテリなしで前記ワイヤレス識別タグに電力を供給するように構成された少なくとも1つのコンデンサを含む
・前記少なくとも1つの回路は、前記少なくとも1つのアンテナが第1の所定の周波数の周囲エネルギーを受信したとき、前記識別送信規則を実施するように構成される
・前記第1の所定の周波数は、約900MHzの周波数である
・前記少なくとも1つの回路は、前記送信機に、前記少なくとも1つのアンテナが第2の所定の周波数で周囲エネルギーを受信してから10秒未満で前記識別信号を送信させるようにさらに構成される
・前記第2の所定の周波数は、約2.4GHzである
・前記少なくとも1つの回路は、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギー量が識別信号の送信に必要な第1のエネルギー量と第2の所定量の予備エネルギーとの合計以上であるとき、十分なエネルギーが集約され貯蔵されていると判定するようにさらに構成される
・前記所定量の予備エネルギーは、前記少なくとも1つの送信機とは別の前記ワイヤレス識別タグの少なくとも一部分に所定の期間電力を供給するためのエネルギーを含む
・前記所定量の予備エネルギーは、前記エネルギー貯蔵構成要素が前記少なくとも1つの送信機に電力を供給するための最小エネルギー量を含む
・前記所定量の予備エネルギーは、前記識別信号の所定数の送信を送信するために前記少なくとも1つの送信機に電力を供給するためのエネルギーを含む
・前記少なくとも1つの回路は、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視し、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵された前記周囲エネルギーが所定の閾値レベルを下回ると判定されたとき、前記少なくとも1つの送信機に追加の識別信号を送信させるように構成され、前記追加の識別信号は、前記遅延識別信号よりも送信に必要なエネルギーが少ない
・前記遅延識別信号は、前記ワイヤレス識別タグの一意の識別子データを含む
・周囲エネルギーを取り入れ、識別信号を断続的に送信するように構成されたワイヤレス識別タグ
・第1の信号を第1の周波数で第1の受信機に送信し、第2の信号を前記第1の周波数で第2の受信機に送信するように構成された少なくとも1つの送信機
・周囲エネルギーを収集および貯蔵し、前記少なくとも1つの送信機の送信に電力を供給するための、前記少なくとも1つの送信機に電気的に接続された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素
・前記少なくとも1つの送信機および前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素に接続された少なくとも1つの回路であって、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギーを監視し、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵された前記エネルギーが前記第2の信号を前記第1の周波数で前記第2の受信機に送信するのに不十分であるとき、前記少なくとも1つの送信機が前記第1の信号を前記第1の周波数で前記第1の受信機に送信するのを防止するように構成される、少なくとも1つの回路
・前記第1の周波数は、2.4GHz WW ISMの周波数帯域内にある
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、前記第1の周波数で受信されたエネルギーおよび前記第1の周波数よりも低い第2の周波数で受信されたエネルギーを貯蔵し、前記貯蔵されたエネルギーを使用して前記少なくとも1つの送信機に電力を供給するように構成される
・前記第2の周波数は、900MHz WW ISMの周波数帯域内にある
・前記回路は、前記ワイヤレス識別タグによって受信された信号の周波数に基づいて、前記少なくとも1つの送信機を、前記第1の信号を前記第1の受信機に送信するための第1のモードで動作させるか、前記第2の信号を前記第2の受信機に送信するための第2のモードで動作させるかを判定するように構成される
・前記回路は、前記ワイヤレス識別タグが900MHz WW ISMの第1の周波数帯域または2.4GHz WW ISMの第2の周波数帯域のうちの少なくとも1つで信号を受信したとき、前記少なくとも1つの送信機を前記第1のモードで動作させるようにさらに構成される
・前記回路は、前記ワイヤレス識別タグが約7~13MHzの第1の周波数帯域または約58~60kHzの第2の周波数帯域のうちの少なくとも1つで信号を受信したとき、前記少なくとも1つの送信機を前記第2のモードで動作させるようにさらに構成される
・前記少なくとも1つの送信機は、前記第2の受信機の場所とは異なる第1の場所にある前記第1の受信機に送信するように構成され、前記少なくとも1つの送信機が、前記第1の信号を送信する前の遅延よりも短い遅延の後に前記第2の信号を送信するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギー量が、前記第1の信号を前記第1の受信機に送信するために必要な第1のエネルギー量と、前記第1の信号の前記第1の受信機への前記送信後に前記第2の信号を前記第2の受信機に送信するために必要な第2のエネルギー量との合計未満であるとき、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているエネルギーが不十分であると判定するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されたエネルギー量が、前記第2の信号を前記第2の受信機に送信するために必要な第1のエネルギー量と、第2の所定量の予備エネルギーとの合計未満であるとき、前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているエネルギーが不十分であると判定するように構成される
・前記少なくとも1つの送信機とは別の前記ワイヤレス識別タグの少なくとも1つの構成要素に所定の期間電力を供給するための第1の最小エネルギー量
・前記第1の信号の所定数の送信を送信するために前記少なくとも1つの送信機に電力を供給するための第2の最小エネルギー量
・前記送信機が前記第1の信号の前記所定数の送信を送信した後、前記エネルギー貯蔵構成要素が前記少なくとも1つの送信機に電力を供給するための第3の最小エネルギー量
・前記少なくとも1つの回路は、エネルギーが前記第1の周波数以外の周波数で受信されるかどうかを検出し、前記少なくとも1つの送信機に、他の周波数で受信された前記エネルギーが検出されてから10秒未満で前記第2の信号を前記第2の受信機に送信させるようにさらに構成される
・前記第1の信号は、繰返し周期、2つの連続する応答間の時間間隔、データ暗号化メカニズム、送信電力、または前記送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つにおいて前記第2の信号とは異なる
・前記第1の信号は第1の識別データを含み、前記第2の信号は第2の識別データを含み、前記第1の識別データまたは前記第2の識別データのうちの少なくとも1つは、前記ワイヤレス識別タグの一意の識別子を含む
・前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵された前記エネルギーが所定の閾値レベルを下回ると判定されたとき、前記少なくとも1つの回路は、前記少なくとも1つの送信機に、前記第1の信号を前記第1の受信機に送信するのに必要なエネルギーよりも少ないエネルギーで代替信号を前記第1の受信機に送信させるように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記第2の信号を前記第2の受信機に送信するのに十分なエネルギーが前記エネルギー貯蔵構成要素に貯蔵されているときでも、前記少なくとも1つの送信機に前記第1の信号の前記第1の受信機への送信を遅延させる方式で前記少なくとも1つの回路を調節するための識別送信規則を実施するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記送信機に前記第1の信号を前記第1の受信機に所定の時間間隔で送信させるための前記識別送信規則を実施するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記第1の信号の前記第1の受信機への2つの連続する送信間の時間間隔をランダムに選択するための前記識別送信規則を実施するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つの回路は、第1の所定の期間起動して第2の所定の期間停止することを繰り返すことによってエネルギーを節約するように構成される
・前記少なくとも1つの送信機、前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素、および前記少なくとも1つの回路は、可撓性基板上に配置される
・第1の信号を第1の周波数帯域で複数の識別タグに送信し、それによって前記複数の識別タグに第2の信号を第2の周波数帯域で送信させるように構成された少なくとも1つの送信機。前記第2の信号は、前記第1の信号が前記第1の周波数帯域で受信されたかどうかを示す
・前記複数の識別タグからの前記第2の信号の送信を受信するために、前記少なくとも1つの送信機に近接する場所用に構成された第1の受信機
・前記少なくとも1つの送信機の送信範囲外のタグから第3の信号を受信するように構成され、前記少なくとも1つの送信機から前記第1の受信機よりも離れて配置される、第2の受信機
・前記第2の受信機が前記第3の信号を受信したとき、不正の可能性があるとの警告を生成するように構成された少なくとも1つのプロセッサ
・前記第1の周波数帯域は、約7~13MHzの第1のEAS周波数帯域または約58~60kHzの第2のEAS周波数帯域のうちの少なくとも1つを含む
・前記第2の周波数帯域は、2.4GHz WW ISMの周波数帯域である
・前記複数の識別タグはそれぞれ、前記第1の周波数帯域外の周波数で送信されたエネルギーを貯蔵し、前記貯蔵されたエネルギーを用いて前記少なくとも1つの識別タグの送信機に電力を供給するように構成された、エネルギー貯蔵構成要素を含む
・前記複数の識別タグは、前記第1の周波数帯域外で第4の信号を受信し、前記第4の信号を受信したことに応答して前記第2の周波数帯域で第5の信号を送信するようにさらに構成される
・前記第4の信号は、前記第2の周波数帯域内または第3の周波数帯域900MHz WW ISM内にある
・少なくとも1つのプロセッサは、前記第5の信号が前記第2の受信機によって受信されると、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第5の信号を送信した特定の識別タグを識別し、少なくとも1つのデータ構造体に格納された在庫目録内で前記識別されたタグのIDを検索するように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記識別されたタグの前記IDが前記在庫目録内に含まれるとき、前記警告を生成するように構成される
・前記第2の信号は、繰返し周期、電力レベル、信号暗号化メカニズム、または前記送信信号のデータコンテンツのうちの少なくとも1つにおいて前記第4の信号とは異なる
・前記識別タグは、第1の識別データを前記第2の信号で送信し、前記第1の識別データとは異なる第2の識別データを前記第4の信号で送信するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つの送信機、前記第1の受信機、および前記第2の受信機は、共通の施設内の場所用に構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の場所で前記第2の信号が前記第1の受信機によって受信されたとき、前記警告を生成することを控えるように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2の信号が前記第1の受信機によって受信されると、前記第2の信号を送信した前記識別タグを識別し、少なくとも1つのデータ構造体に格納された在庫目録内で前記識別されたタグのIDを検索するように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記識別されたタグの前記IDが前記在庫目録内に含まれるとき、前記警告を生成するように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2の信号が前記第1の受信機によって受信されると、在庫目録データベースを更新するように構成される
・前記少なくとも1つの送信機は、前記第1の周波数帯域内で信号を送信および検出するように構成されたEASアンテナを含み、前記第1の受信機または前記第2の受信機のうちの少なくとも1つは、前記第2の周波数帯域で送信される信号を受信するように調整されたアンテナを含む
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2の信号が前記第2の受信機によって受信されると、前記第2の場所に近接して配置された警報メカニズムに、視覚的通知または可聴通知のうちの少なくとも1つを作成させるように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2の信号が前記第2の受信機によって受信されると、前記警告をリモートデバイスに送信するように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2の信号が前記第1の受信機によって受信されると、前記第2の信号を送信した前記識別タグを識別し、データベース内の前記識別されたタグに関連するデータにアクセスし、前記アクセスしたデータに基づいて警告を生成するかどうかを判定するように構成される
・ワイヤレスでタグ付けされた在庫目録と共に使用するための不正回避システム
・EASゲート周波数での送信に関連する信号を検出する
・前記信号がEASゲートの場所に対応しない場所から発信されていると特定する
・前記信号の前記特定された発信場所に基づいて、不正の疑いのあるイベントが進行中であると判定する
・前記不正の疑いのあるイベントに関する警告を生成する
・前記検出された信号は、EASゲート送信範囲内にある
・前記検出された信号は、EASゲート送信範囲内の信号によってトリガされたワイヤレスタグから発信される
・ID送信タイミングが変化するワイヤレス識別タグ
・前記少なくとも1つの送信機に電気的に接続された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素であって、周囲エネルギーを収集および貯蔵し、前記少なくとも1つの送信機の送信に電力を供給するように構成された、少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素
・前記少なくとも1つの送信機に、3つの連続する送信の識別信号送信間の時間が変化するように不均一な間隔で識別信号のシーケンスを送信させるように構成された少なくとも1つの回路
・前記少なくとも1つの回路は、前記不均一な間隔の前記それぞれの持続時間を所定の規則に基づいて選択するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記不均一な間隔の前記それぞれの持続時間をランダムに選択するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記少なくとも1つの送信機に、前記3つの連続する送信の送信周波数が変化するように様々な周波数チャネルで識別信号の前記シーケンスを送信させるようにさらに構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記少なくとも1つの送信機による各識別信号の送信用に、前記様々な周波数チャネルの中から1つのチャネルをランダムに選択するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つの送信機は、前記識別信号を所定の周波数帯域内の少なくとも3つの送信チャネルで送信するように構成される
・前記所定の周波数帯域は、約2.4GHzの周波数帯域である
・前記少なくとも1つの回路は、トリガを受信し、前記トリガに応答して、前記少なくとも1つの送信機に識別信号を送信させるようにさらに構成される
・第1の周波数帯域約900MHzまたは第2の周波数帯域約2.4GHzのうちの少なくとも1つの中の周波数を有するエネルギーとして送信される前記トリガを受信するように構成された少なくとも1つのアンテナ。前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、前記少なくとも1つのアンテナによって受信された前記エネルギーを貯蔵するように構成される
・前記少なくとも1つのアンテナが前記第1の周波数帯域で送信されるエネルギーを受信すると、第1の送信モードで動作する
・前記少なくとも1つのアンテナが前記第2の周波数帯域で送信されるエネルギーを受信すると、第2の送信モードで動作する
・前記第1の送信モードは、送信信号の繰返し周期、送信電力レベル、または前記送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つにおいて前記第2の送信モードとは異なる
・前記トリガを所定のタイミングシーケンスに従って生成するように構成された少なくとも1つの第2の回路
・前記少なくとも1つの第2の回路は、第1のタイミングシーケンスに従って第1のトリガを生成し、繰返し周期、または2つの連続して生成されたトリガ間の時間間隔のうちの1つにおいて前記第1のタイミングシーケンスとは異なる第2のタイミングシーケンスに従って第2のトリガを生成するように構成される
・識別信号の前記シーケンスは、前記タグに関連付けられた製品の特性に基づいて変化する
・前記製品の前記特性は、前記製品の一意のIDを含む
・前記製品の前記一意のIDは、前記製品に関連する材料、サイズ、色、または様式のうちの少なくとも1つを示す在庫管理単位(SKU)に関連付けられる
・前記少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素は、バッテリなしで前記ワイヤレス識別タグに電力を供給するように構成された少なくとも1つのコンデンサを含む。
・識別情報が変化するワイヤレス識別タグ
・タグIDを送信するように構成された少なくとも1つの送信機
・第1の時間に第1のトリガを受信し、前記第1のトリガに応答して、前記タグを一意に識別する第1の解読可能IDを擬似ランダム方式で生成し、前記少なくとも1つの送信機に前記第1の解読可能IDを送信させる
・前記第1の時間の後の第2の時間に第2のトリガを受信し、前記第2のトリガに応答して、前記第1の解読可能IDとは異なる、前記タグを一意に識別する第2の解読可能IDを擬似ランダム方式で生成し、前記少なくとも1つの送信機に前記第2の解読可能IDを送信させる
・前記第1の解読可能IDまたは前記第2の解読可能IDのうちの少なくとも1つは、暗号化される
・前記第1のトリガまたは前記第2のトリガのうちの少なくとも1つは、要求元から受信される、前記タグを識別するよう求める要求である
・前記要求元は、コンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイス上で実行される前記アプリケーションのうちの少なくとも1つである
・前記少なくとも1つの回路は、前記第1のトリガまたは前記第2のトリガのうちの前記少なくとも1つに対応する、前記擬似ランダム方式で生成された解読可能IDを前記要求元に送信するように構成される
・前記タグの一意のIDを受信する
・少なくとも1つの暗号化アルゴリズムと共に使用するように構成された鍵を受信する
・前記鍵および前記暗号化アルゴリズムを使用して前記タグの前記一意のIDを暗号化し、前記タグの前記一意のIDおよび前記鍵を用いる前記第1の解読可能IDまたは前記第2の解読可能IDのうちの少なくとも1つを生成する
・乱数または疑似乱数のうちの少なくとも1つを生成する
・前記生成された数字、前記タグの前記一意のID、および前記鍵を使用して、前記第1の解読可能IDまたは前記第2の解読可能IDのうちの少なくとも1つを生成する
・前記タグは、前記タグの前記一意のIDまたは前記鍵のうちの少なくとも1つを記憶するためのメモリを含む
・前記少なくとも1つの回路は、前記鍵を受信するように構成される
・前記少なくとも1つの回路は、前記少なくとも1つの送信機に、前記第1の解読可能IDを第1の受信機に送信させ、前記第2の解読可能IDを前記第1の受信機とは異なる第2の受信機に送信させるように構成される
・所定の第1の周波数帯域または所定の第2の周波数帯域のうちの少なくとも1つの中の周波数で送信されるトリガを受信するように構成された少なくとも1つの受信機
・前記第1の周波数帯域は、約900MHzの帯域であり、前記第2の周波数帯域は、約2.4GHzの帯域である
・前記少なくとも1つの受信機が前記第1の周波数帯域内の周波数でトリガを受信するか前記第2の周波数帯域内の周波数でトリガを受信するかを判定する
・前記少なくとも1つの送信機に、前記トリガが前記第1の周波数帯域内の周波数で受信されたときに第1のタグID信号を送信させ、前記トリガが前記第2の周波数帯域内の周波数で受信されたときに第2のタグID信号を送信させる
・前記第1のタグID信号は、繰返し周期、2つの連続する応答間の時間間隔、データ暗号化メカニズム、送信電力、または前記送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つにおいて前記第2のタグID信号とは異なる
・前記少なくとも1つの受信機によって受信された周囲エネルギーを収集および貯蔵し、前記少なくとも1つの送信機の送信に電力を供給するための、前記少なくとも1つの送信機に電気的に接続された少なくとも1つのエネルギー貯蔵構成要素
・所定のタイミングシーケンスに従って、前記第1のトリガまたは前記第2のトリガのうちの少なくとも1つを生成するように構成されたタイミング回路
・前記タイミング回路は、第1のタイミングシーケンスに従って前記第1のトリガを生成し、繰返し周期または2つの連続して生成されたトリガ間の時間間隔のうちの少なくとも1つにおいて前記第1のタイミングシーケンスとは異なる第2のタイミングシーケンスに従って前記第2のトリガを生成するように構成される
・電子タグ付き商品の下流の所有者にプライバシーを提供するためのシステム
・特定のタグの少なくとも第1の所有者IDおよび第2の所有者IDを含む、複数のタグのIDを記憶する
・前記特定のタグの前記第1の所有者が前記タグの所有者として記録される時点で、前記特定のタグの第1の情報を前記第1の所有者IDに関連付ける
・前記特定のタグの所有権を前記第1の所有者から第2の所有者に移転する取引を記録する
・所有権の前記移転後、前記特定のタグの第2の情報を前記第2の所有者IDに関連付け、前記第1の所有者が前記第2の情報にアクセスすることを防止する
・前記第1の情報または前記第2の情報のうちの少なくとも1つは、場所、取引履歴、所有者名、製造者名、前記タグの一意の識別子、または前記タグに関連付けられた暗号鍵のうちの少なくとも1つを含む
・前記特定のタグは、特定の物品に取り付けられ、前記特定のタグの前記所有権移転を記録することにより、前記特定の物品の所有権の変更の追跡が可能になる
・前記少なくとも1つのプロセッサは、各タグの一意のタグIDを記憶し、前記特定のタグの前記タグIDを前記特定のタグの前記記録された所有者の前記所有者IDに関連付けるように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記特定のタグの前記タグIDと、前記特定のタグの前記記録された所有者に関連付けられた少なくとも1つの権限付与されたエンティティとの間の関連付けを受信するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティは、コンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションのうちの少なくとも1つである
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記特定のタグに関連付けられた前記権限付与されたエンティティのリストを修正するよう求める要求を受信し、前記修正要求が前記特定のタグの権限付与されたエンティティから受信されたことを確認し、前記要求が前記特定のタグの前記権限付与されたエンティティから受信されたことを確認した後に前記リストを修正するように構成される
・前記特定のタグの所有権の移転が記録されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記特定のタグによって送信される信号の少なくとも1つのパラメータを変更するように前記特定のタグを制御するように構成される
・前記少なくとも1つのパラメータは、前記特定のタグによって送信される前記信号の繰返し周期、前記特定のタグによって送信される2つの連続する信号間の時間間隔、データ暗号化メカニズム、暗号鍵、信号送信電力、パケット形式、または前記特定のタグからの送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つを含む
・所有権の前記移転が記録される前に、前記第1の所有者IDに関連付けられた第1の暗号鍵を使用して第1の信号を送信するように前記特定のタグを制御する
・所有権の前記移転が記録された後に、前記第2の所有者IDに関連付けられた第2の暗号鍵を使用して第2の信号を送信するように前記特定のタグを制御する
・前記第1の所有者IDに関連付けられたデバイスから、少なくとも前記第2の所有者IDおよび前記特定のタグのタグIDを識別する所有権移転通知を受信する
・前記タグIDと前記第1の所有者IDとの間の更新済みの関連付け、前記タグIDと前記第2の所有者IDとの間の更新済みの関連付け、前記第1の所有者IDに関連付けられた在庫目録情報、または前記第2の所有者IDに関連付けられた在庫目録情報のうちの少なくとも1つを、少なくとも1つのデータ構造体に記録する
・前記特定のタグによって送信された識別信号を少なくとも1つのリーダから受信する
・前記受信された識別信号に基づいて、前記特定のタグに関連付けられたタグIDにアクセスする
・前記第2の所有者IDと前記特定のタグに関連付けられた前記タグIDとの間の関連付けを受信する
・前記タグIDと前記第1の所有者IDとの間の更新済みの関連付け、前記タグIDと前記第2の所有者IDとの間の更新済みの関連付け、前記第1の所有者IDに関連付けられた在庫目録情報、または前記第2の所有者IDに関連付けられた在庫目録情報のうちの少なくとも1つを、少なくとも1つのデータ構造体に記録する
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記所有権移転後に前記第1の所有者が前記第1の情報にアクセスすることを許可するように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の所有者が前記特定のタグを所有していると記録される前記時点の前に、前記第1の所有者が前記第1の情報にアクセスすることを防止するように構成される
・特定の所有者IDと、前記特定の所有者IDに関連付けられた少なくとも1つの権限付与されたエンティティとの間の関連付けを受信する
・前記権限付与されたエンティティが、前記特定の所有者ID、前記特定の所有者IDに関連付けられたタグ、または前記特定の所有者IDに関連付けられた物品の少なくとも1つに関する情報にアクセスすることを許可する
・前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティは、コンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションのうちの少なくとも1つである
・前記特定のタグの所有権を前記第2の所有者から第3の所有者に移転する取引を記録する
・所有権の前記第3の所有者への前記移転後、前記特定のタグの第3の情報を前記第3の所有者の所有者IDに関連付け、前記第2の所有者が前記第3の情報にアクセスすることを防止する
・前記第3の所有者は前記第1の所有者であり、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記特定のタグの前記第3の情報を前記第1の所有者IDに関連付けるようにさらに構成される
・前記第3の所有者は前記第1の所有者とは異なり、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の所有者が前記第3の情報にアクセスすること防止するようにさらに構成される
・所有権の前記第3の所有者への前記移転後、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の所有者が前記第1の情報にアクセスすることを許可し、前記第2の所有者が前記第2の情報にアクセスすることを許可するように構成される
・複数のタグの同時トリガおよび逐次的な読み取りを引き起こす
・起動可能な要素をグラフィカルユーザインターフェース上に表示する。前記要素は、2.4GHz送信機を起動するように構成される
・前記要素が起動されると、前記2.4GHz送信機を起動して、前記送信機の近傍にある複数のタグのそれぞれに、前記送信機に関連付けられた受信機に一意のタグIDを送信させる
・第1の時間間隔中に、前記複数の一意のタグIDの第2のグループを除いた前記複数の一意のタグIDの第1のグループを読み取る
・前記第1のグループに関連付けられた第1の情報を記録する
・前記第1のグループを読み取った後、第2の時間間隔中に前記2.4GHz送信機の起動を維持して、前記第1のグループの前記一意のタグIDの少なくともいくつかを前記第2のグループの前記一意のタグIDと共に前記受信機に送信することを引き起こす
・前記第1のグループの前記一意のタグIDの前記少なくともいくつかを前記第2のグループの前記一意のタグIDと共に読み取った後、前記第2のグループに関連付けられた第2の情報を記録する
・前記命令は、前記第1の情報または前記第2の情報のうちの少なくとも1つを前記グラフィカルユーザインターフェース上に表示することをさらに含む
・前記命令は、前記複数のタグの各タグの前記一意のタグIDが読み取られるまで、前記2.4GHz送信機の起動を維持することをさらに含む
・前記複数のタグの各タグは、一意のタグIDに関連付けられ、前記各タグの前記一意のタグIDを暗号化し、前記暗号化されたタグIDを前記受信機に送信するように構成される
・前記2.4GHz送信機を継続的に起動して、前記タグのそれぞれに、前記一意のタグIDを前記送信機に継続的に送信させる
・各一意のタグIDを逐次的に読み取る
・各一意のタグIDに関連付けられたデータを集約して、同時に起動され逐次的に読み取られる製品の在庫目録を構築する
・前記第1のグループの前記一意のタグIDの前記少なくともいくつかおよび前記第2のグループの前記一意のタグIDの中から、前記第1のグループで読み取られた一意のタグIDを識別する
・前記第1のグループで読み取られた前記識別されたタグIDに関連付けられた情報を除きながら、前記第2の情報を記録する
・前記命令は、前記送信機の前記近傍にある前記複数のタグに関連付けられた情報の在庫目録を前記グラフィカルユーザインターフェース上に表示することをさらに含む
・情報の前記在庫目録は、前記複数のタグのそれぞれに関連付けられたタグID、所有履歴リスト、暗号鍵、SKU、または場所のうちの少なくとも1つを含む
・前記命令は、ユーザが紛失している製品を識別できるようにし、前記紛失している製品が前記送信機の前記近傍にあるとの指示を前記グラフィカルユーザインターフェースに表示することをさらに含む
・前記指示を表示することは、前記紛失している製品の場所を前記グラフィックユーザインターフェース上に表示することをさらに含む
・複数のタグを同時にトリガし、逐次的に読み取るためのデバイス
・2.4GHz送信機
・受信機
・前記2.4GHz送信機を定期的に起動して、前記送信機の近傍にある複数のタグのそれぞれに一意のタグIDを前記受信機に送信させる
・第1の時間間隔中に、前記複数の一意のタグIDの第2のグループを除いた前記複数の一意のタグIDの第1のグループを読み取る
・前記第1のグループに関連付けられた第1の情報を記録する
・前記第1のグループを読み取った後、第2の時間間隔中に前記2.4GHz送信機の起動を維持して、前記第1のグループの前記一意のタグIDの少なくともいくつかを前記第2のグループの前記一意のタグIDと共に前記受信機に送信することを引き起こす
・前記第2の時間間隔で前記第1のグループの前記一意のタグIDの前記少なくともいくつかを前記第2のグループの前記一意のタグIDと共に読み取った後、前記第2のグループに関連付けられた第2の情報を記録する
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記2.4GHz送信機を所定の時間間隔で起動するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記2.4GHz送信機の2つの連続する起動間の時間間隔をランダムに選択するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の情報または前記第2の情報のうちの少なくとも1つをグラフィカルユーザインターフェース上に表示させるように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の情報または前記第2の情報のうちの少なくとも1つでデータ構造体を更新するように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記複数のタグの各タグの前記一意のタグIDが読み取られるまで、前記2.4GHz送信機の起動を維持するように構成される
・前記複数のタグの各タグは、一意のタグIDに関連付けられ、前記各タグの前記一意のタグIDを暗号化し、前記暗号化されたタグIDを前記受信機に送信するように構成される
・前記2.4GHz送信機を継続的に起動して、前記複数のタグのそれぞれに、前記一意のタグIDを前記送信機に継続的に送信させる
・各一意のタグIDを逐次的に読み取る
・各一意のタグIDに関連付けられたデータを集約して、同時に起動され逐次的に読み取られる製品の在庫目録を構築する
・前記第1のグループの前記一意のタグIDの前記少なくともいくつかおよび前記第2のグループの前記一意のタグIDの中から、前記第1のグループで読み取られた一意のタグIDを識別する
・前記第1のグループで読み取られた前記識別されたタグIDに関連付けられた情報を除きながら、前記第2の情報を記録する
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記送信機の前記近傍にある前記複数のタグのそれぞれに関連付けられた情報の在庫目録をグラフィカルユーザインターフェース上に表示させるように構成される
・情報の前記在庫目録は、前記複数のタグのそれぞれに関連付けられたタグID、所有履歴リスト、暗号鍵、SKU、または場所のうちの少なくとも1つを含む
・前記少なくとも1つのプロセッサは、ユーザが紛失している製品の識別情報を入力できるようにし、前記紛失している製品が近くにあるとの指示をグラフィカルユーザインターフェース上に表示させるように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記紛失している製品の場所を前記グラフィカルユーザインターフェース上に表示させるようにさらに構成される
・電子タグ付き製品を収納し、前記タグ付き製品と器具との間の関連付けを記録するための器具
・前記電子タグ付き製品を保持するためのキャビティを画定するハウジング
・前記ハウジングと一体化され、前記電子タグ付き製品のタグをトリガして、各製品の前記タグに一意のタグIDを送信させるように構成される、エキサイタ
・各一意のタグIDの送信を受信するための受信機
・前記キャビティ内に保持された電子タグ付き製品の識別情報に関する指示を出力するための通信機
・前記通信機によって出力される前記指示は、受信された一意のタグIDから導出された前記電子タグ付き製品の識別情報を反映する
・前記通信機によって出力される前記指示は、在庫目録レポート、在庫目録変更、在庫目録履歴、または特定のタグ付き製品のログのうちの少なくとも1つを含む
・前記エキサイタは、第1の周波数帯域約900MHzまたは第2の周波数帯域約2.4GHzのうちの少なくとも1つの中の周波数でエネルギーを送信するように構成される
・前記エキサイタから送信された前記エネルギーを受信した後、前記電子タグ付き製品の前記タグはそれぞれ、前記受信機による前記第2の周波数帯域での受信用に、前記タグの前記一意のタグIDを送信するように構成される
・前記エキサイタは、前記電子タグ付き製品の前記タグにエネルギーを送信し、それによって、前記タグ付き製品の各タグが前記エキサイタから前記エネルギーを取り入れ、前記取り入れたエネルギーを各タグへの電力供給に使用することを可能にするように構成される
・前記エキサイタは、トリガコマンドを受信し、前記トリガコマンドを受信したことに応答して、前記電子タグ付き製品の前記タグをトリガするように構成される
・前記エキサイタは、前記電子タグ付き製品の前記タグを所定のタイミングシーケンスに従ってトリガするように構成される
・前記受信機は、周波数帯域約2.4GHz内の周波数で各一意のタグIDの前記送信を受信するように構成されたアンテナを含む
・前記エキサイタは、前記電子タグ付き製品の複数のタグを同時にトリガするように構成される
・前記受信機は、前記同時にトリガされるタグの前記一意のタグIDの送信を逐次的に読み取るように構成される
・指定された時間に前記キャビティ内に保持されている前記電子タグ付き製品を識別するよう求める要求を要求元から受信する
・前記指定された時間に前記キャビティ内に保持されている前記電子タグ付き製品の前記識別情報に関する指示を、前記要求元に対して出力する
・特定の電子タグ付き製品の場所を特定するよう求める要求を要求元から受信する
・前記特定の電子タグ付き製品が前記キャビティ内に保持されているかどうかの指示を前記要求元に対して出力する
・電子タグ付き製品の特定のタグについて、前記特定のタグの前記一意のタグIDまたは前記特定のタグに関連付けられた前記製品の前記識別情報の前記指示のうちの少なくとも1つは、暗号化される
・前記通信機は、前記少なくとも1つのプロセッサによる復号用に、前記暗号化されたタグIDを少なくとも1つのプロセッサに送信するように構成される
・前記通信機は、前記少なくとも1つの一意のタグIDを局所的に復号するように構成され、前記通信機は、前記電子タグ付き製品に関連付けられた情報を出力するように構成され、前記情報は、前記製品が前記キャビティ内に保持された期間、前記製品が前回前記キャビティ内に保持されて以降の期間、または前記製品に関連する推奨事項のうちの少なくとも1つを含む
・各一意のタグIDに関連する情報をメモリに記憶させるように構成された少なくとも1つのプロセッサ。前記情報は、各一意のタグIDに関連付けられた製品ごとに、各製品が前記キャビティ内にいつ配置されたか、各製品が前記キャビティ内からいつ取り出されたか、各製品が前記キャビティ内から何回取り出されたか、各製品が前記キャビティ内に何回戻されたか、前記各製品が前記キャビティ外にあった合計経過時間、各製品が前記キャビティ内に入ってからの経過時間、各タグIDに関連付けられた前記各製品が最後に前記キャビティにあったのはいつかに関する指示、または前記特定の製品と同時に前記キャビティ内にあった特定の製品以外の製品のリストのうちの少なくとも1つに関する指示を含む
・関連する一意のタグIDに基づいて同じ製品の複数のインスタンスを区別するように構成された少なくとも1つのプロセッサ
・前記キャビティ内にあると予想される製品を認識し、予想される製品が前記キャビティから紛失している場合、前記通信機に通知を出力させるように構成された、少なくとも1つのプロセッサ
・前記キャビティ内にないと予想される前記キャビティ内の製品を認識し、前記キャビティ内にないと予想される製品が前記キャビティ内にある場合、前記通信機に通知を出力させるように構成された、少なくとも1つのプロセッサ
・遅延送信で使用するために周囲エネルギーを収集および貯蔵するように構成されたワイヤレス識別タグ
・周囲エネルギーを受信するための受信機
・前記周囲エネルギーを貯蔵するための第1のコンデンサ
・前記周囲エネルギーを収集および貯蔵するための第2のコンデンサ。前記第2のコンデンサは、前記第1のコンデンサよりも低い静電容量を有する
・前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとを相互接続するインダクタ
・前記受信機によって受信された周囲エネルギーが最初に前記第2のコンデンサに貯蔵され、その後前記第1のコンデンサに転送されて貯蔵されるような方式で、前記受信機と、前記第1のコンデンサと、前記第2のコンデンサとを相互接続する回路
・第1のコンデンサに電気的に接続されて、前記第1のコンデンサに貯蔵された前記エネルギーが前記少なくとも1つの送信機に電力を供給することを可能にする、少なくとも1つの送信機
・前記第2のコンデンサの静電容量は、1nF未満である
・前記第2のコンデンサの前記静電容量は、100pF未満である
・前記第1のコンデンサの静電容量は、少なくとも10nFである
・前記第1のコンデンサの前記静電容量は、少なくとも100nFである
・周囲エネルギーを収集および貯蔵するための第3のコンデンサ。前記第3のコンデンサは、前記第1のコンデンサよりも低い静電容量を有し、前記インダクタは、前記第1のコンデンサと前記第3のコンデンサとを相互接続する
・前記回路は、最初に前記第3のコンデンサに貯蔵された前記周囲エネルギーがその後前記第1のコンデンサに転送されて貯蔵されるような方式で、前記第1のコンデンサと、前記第3のコンデンサと、前記インダクタとを相互接続する
・周波数帯域約2.4GHz内の第1の周波数で送信される周囲エネルギーを受信するための第1の受信機
・周波数帯域約900MHz内の第2の周波数で送信される周囲エネルギーを受信するための第2の受信機
・前記回路は、前記第1の受信機によって前記第1の周波数で受信された前記周囲エネルギーおよび前記第2の受信機によって前記第2の周波数で受信された前記周囲エネルギーが前記第1のコンデンサに転送されて貯蔵されるような方式で、前記第1の受信機と、前記第2の受信機と、前記第1のコンデンサとを相互接続する
・前記第1のコンデンサは、前記少なくとも1つの送信機に電力を供給するための前記第1の周波数および前記第2の周波数で受信された周囲エネルギーを貯蔵するように配置される
・前記第2のコンデンサが前記第1の受信機から前記第1の周波数で前記周囲エネルギーを受信できるように、前記第1の受信機は、前記第2のコンデンサと相互接続される
・第3のコンデンサが前記第2の受信機から前記第2の周波数で前記周囲エネルギーを受信できるように、前記第2の受信機は、前記第3のコンデンサと相互接続される
・前記第1のコンデンサは、前記第2のコンデンサおよび前記第3のコンデンサからエネルギーを受信し、貯蔵するように構成される
・前記少なくとも1つの送信機は、前記第1のコンデンサに貯蔵された前記エネルギーが所定のエネルギーレベルを上回るときに第1の送信モードで動作し、前記第1のコンデンサに貯蔵された前記エネルギーが前記所定のエネルギーレベル以下であるときに第2の送信モードで動作するように構成される
・前記第2のコンデンサから前記第1のコンデンサへのエネルギーの転送を制御するように構成された少なくとも1つの回路
・前記第1のコンデンサよりも低い静電容量を有し、前記少なくとも1つの回路に電力を供給するように構成された、少なくとも1つの追加のコンデンサ
・遅延送信で使用するために周囲エネルギーを収集および貯蔵するように構成されたワイヤレス識別タグ
・周囲エネルギーを受信するための受信機
・前記周囲エネルギーを収集および貯蔵するための第1のコンデンサ
・前記周囲エネルギーを収集および貯蔵するための第2のコンデンサ。前記第2のコンデンサは、前記第1のコンデンサよりも低い静電容量を有する
・前記周囲エネルギーを収集および貯蔵するための第3のコンデンサ。前記第3のコンデンサは、前記第1のコンデンサよりも低い静電容量を有する
・前記受信機によって受信された周囲エネルギーが最初に前記第2のコンデンサまたは前記第3のコンデンサのうちの少なくとも1つに貯蔵され、その後前記第1のコンデンサに転送されて貯蔵されるような方式で、前記受信機と、前記第1のコンデンサと、前記第2のコンデンサと、前記第3のコンデンサとを相互接続する回路
・第1のコンデンサに電気的に接続され、それによって、前記第2のコンデンサおよび前記第3のコンデンサから前記第1のコンデンサに転送されたエネルギーから、前記少なくとも1つの送信機に電力を供給する、送信機
・前記第1のコンデンサを前記第2のコンデンサおよび前記第3のコンデンサと相互接続するインダクタ
・前記第2のコンデンサおよび前記第3のコンデンサのそれぞれの静電容量は、1nF未満である
・前記第1のコンデンサの静電容量は、少なくとも10nFである
・周波数帯域約2.4GHz内の第1の周波数で送信される周囲エネルギーを受信するための第1の受信機
・周波数帯域約900MHz内の第2の周波数で送信される周囲エネルギーを受信するための第2の受信機
・前記回路は、前記第1の受信機によって前記第1の周波数で受信された前記周囲エネルギーおよび前記第2の受信機によって前記第2の周波数で受信された前記周囲エネルギーが前記第1のコンデンサに転送されて貯蔵されることを可能にする方式で、前記第1の受信機と、前記第2の受信機と、前記第1のコンデンサとを相互接続する
・前記第2のコンデンサが前記第1の受信機から前記第1の周波数で前記周囲エネルギーを受信できるように、前記第1の受信機は、前記第2のコンデンサと相互接続される
・前記第3のコンデンサが前記第2の受信機から前記第2の周波数で前記周囲エネルギーを受信できるように、前記第2の受信機は、前記第3のコンデンサと相互接続される
・前記第2のコンデンサまたは前記第3のコンデンサのうちの少なくとも1つから前記第1のコンデンサへのエネルギーの転送を制御するように構成された少なくとも1つの回路
・前記第1のコンデンサよりも低い静電容量を有し、前記少なくとも1つの回路に電力を供給するように構成された、少なくとも1つの追加のコンデンサ
・電子タグ付き商品に関連する情報へのアクセスを提供するためのシステム
・複数のタグのタグIDを記憶する
・少なくとも1つの特定のタグIDと製品IDの間のペアリングを受信する
・前記少なくとも1つの特定のタグIDおよび前記製品IDに関連付けられた情報を記憶する
・前記少なくとも1つの特定のタグIDと前記少なくとも1つの特定のタグIDに関連付けられた少なくとも1つの権限付与されたエンティティとの間のペアリングを受信する。前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティは、前記製品IDに対応する製品の現在の所有者、前記製品の販売者、前記製品の製造者、または前記製品のユーザのうちの少なくとも1つに関連付けられている
・前記製品ID、前記少なくとも1つの特定のタグIDに関連付けられた前記情報、前記製品IDに関連付けられた前記情報、または前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティのうちの少なくとも1つを識別するクエリを要求元から受信する。前記クエリは、前記特定のタグの暗号化されたタグIDを含む
・前記暗号化されたタグIDを復号し、それによって前記特定のタグの前記復号されたタグIDを検索する
・前記要求元が前記特定のタグの前記復号されたタグIDに関連付けられた前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティであるかどうかを判定する
・前記要求元が前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティである場合、前記クエリを実現する
・前記要求元が前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティでない場合、前記クエリを拒否する
・要求された情報を少なくとも1つのデータ構造体から取得する。前記要求された情報は、前記少なくとも1つの特定のタグIDに関連付けられた前記記憶された情報、または前記製品IDに関連付けられた前記記憶された情報のうちの少なくとも1つを含む
・前記要求された情報を前記要求元に出力する
・前記クエリを拒否することは、前記クエリによって指定された情報にアクセスする権限が前記要求元にないとの通知を出力することを含む
・前記複数のタグは、周囲エネルギーをワイヤレスで受信および貯蔵し、前記貯蔵された周囲エネルギーを使用して信号の送信に電力を供給するように構成される
・前記要求元から受信された前記暗号化されたタグIDは、前記特定のタグに関連付けられた少なくとも1つの暗号鍵を用いて暗号化され、前記少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの暗号化アルゴリズムおよび前記少なくとも1つの暗号鍵を取得し、前記少なくとも1つの暗号化アルゴリズムおよび前記少なくとも1つの暗号鍵を使用して、前記暗号化されたタグIDを復号するように構成される
・前記特定のタグの第1の所有者IDから第2の所有者IDへの所有者IDの少なくとも1回の変更を受信する
・前記所有者IDの前記少なくとも1つの変更に応答して、前記特定のタグの前記暗号鍵を、前記第2の所有者IDに関連付けられている更新済みの暗号鍵に相応に変更する
・前記少なくとも1つの特定のタグIDに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストから前記第1の所有者IDを削除する
・前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティは、コンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションのうちの少なくとも1つである
・前記複数のタグのそれぞれに関連付けられた前記情報は、各タグIDに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストを含む
・前記少なくとも1つのプロセッサは、特定のタグIDの権限付与されたエンティティの前記リストを修正するクエリを受信し、前記クエリが前記特定のタグIDの権限付与されたエンティティから受信された場合、前記リストの前記要求された修正を実行するように構成される
・前記特定のタグIDの権限付与されたエンティティの前記リストが修正されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記タグによって送信される信号の少なくとも1つのパラメータを変更するように、前記特定のタグIDに関連付けられた前記タグを制御するように構成される
・前記少なくとも1つのパラメータは、前記タグによって送信される前記信号の繰返し周期、前記タグによって送信される2つの連続する信号間の時間間隔、データ暗号化メカニズム、暗号鍵、信号送信電力、パケット形式、または前記タグからの送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つを含む
・電子タグ付き商品の所有者にプライバシーを提供するためのシステム
・複数のタグのタグID、および各タグIDと少なくとも1つの所有者IDとの間のペアリングを記憶する
・前記所有者IDと、前記所有者IDに関連付けられた前記1つまたは複数のタグのデータを受信することが可能な少なくとも1つの権限付与されたエンティティとの間のペアリングを、所有者IDごとに受信する
・前記複数のタグのうちの特定のタグに関する情報のクエリを要求元から受信する
・前記特定のタグに関連付けられた前記少なくとも1つの所有者IDを検索する
・前記要求元が前記特定のタグに関連付けられた前記少なくとも1つの所有者IDの前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティであるかどうかを判定する
・前記要求元が前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティでない場合、前記クエリを拒否する
・前記要求元が前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティである場合、前記要求元が前記特定のタグに関する前記要求された情報にアクセスすることを許可する
・各タグIDの少なくとも1つの暗号鍵にアクセスする
・前記特定のタグに関連付けられた前記少なくとも1つの暗号鍵にアクセスする
・暗号化アルゴリズムおよび前記少なくとも1つの暗号鍵を使用して、前記要求元からの前記クエリで受信した暗号化されたタグIDを復号する
・前記復号されたタグIDに基づいて、前記要求元が前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティであるかどうかを判定する
・前記特定のタグに関連付けられた更新済みの所有者IDを受信する
・前記更新済みの所有者IDを受信したことに応答して、前記特定のタグに関連付けられた前記少なくとも1つの暗号鍵を、前記更新済みの所有者IDに関連付けられている更新済みの暗号鍵に相応に変更する
・前記特定のタグの前記データを受信することが可能な前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティかから前記前の所有者IDを削除する
・各タグIDの前記少なくとも1つの所有者IDは、前記タグIDに関連付けられた製品の現在の所有者、前記製品の販売者、前記製品の製造者、または前記製品のユーザのうちの少なくとも1つに関連付けられている
・前記複数のタグは、周囲エネルギーをワイヤレスで受信および貯蔵し、前記貯蔵された周囲エネルギーを使用して信号の送信に電力を供給するように構成される
・前記特定のタグは、前記タグIDが少なくとも1つの暗号鍵に従って暗号化されたときに前記特定のタグの前記タグIDを送信するように構成され、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つの暗号鍵を受信し、前記特定のタグによって送信された前記タグIDを前記少なくとも1つの暗号鍵を用いて復号するように構成される
・前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティは、コンピューティングデバイスまたはコンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションのうちの少なくとも1つである
・前記少なくとも1つのプロセッサは、各タグに関連付けられた権限付与されたエンティティのリストを記憶およびアクセスするように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記特定のタグの権限付与されたエンティティの前記リストを修正するクエリを受信し、前記クエリが前記特定のタグの権限付与されたエンティティから受信された場合、前記リストの前記要求された修正を実行するように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記特定のタグの権限付与されたエンティティの前記リストが変更されるとき、少なくとも1つの信号送信パラメータを変更するように前記特定のタグを制御するように構成される
・前記特定のタグの前記少なくとも1つの信号送信パラメータは、前記タグによって送信される信号の繰返し周期、前記タグによって送信される2つの連続する信号間の時間間隔、データ暗号化メカニズム、暗号鍵、信号送信電力、パケット形式、または前記タグからの送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つを含む
・偽造品の流通を防ぐためのシステム
・複数の電子タグのタグIDを記憶する。少なくとも1つの特定の電子タグは、特定の製品に関連付けられている
・第1のエンティティの少なくとも1つの識別情報を記憶する。前記第1のエンティティは、前記特定の製品の販売者、前記特定の製品の製造者、前記特定の製品の現在の所有者、または前記特定の製品の以前の所有者のうちの少なくとも1つに関連付けられている
・前記特定の製品の見込まれる次の保管者に代わって、前記特定の製品に関連付けられた暗号化されたタグIDを受信する
・前記見込まれる次の保管者に代わって、前記少なくとも1つの識別情報に関連付けられたクエリを受信する
・前記暗号化されたタグIDを復号して、前記特定の電子タグに関連付けられた前記特定の製品を識別する
・前記特定の電子タグに関連付けられた情報を使用して、前記特定の製品の所有履歴にアクセスする
・前記クエリで識別された前記少なくとも1つの識別情報が前記所有履歴内のエンティティに対応しているかどうかを確認する
・前記クエリで識別された前記少なくとも1つの識別情報が前記所有履歴内のエンティティに対応する場合、真正性があるとの指示を前記見込まれる次の保管者に送信することを引き起こす
・前記クエリで識別された前記少なくとも1つの識別情報が前記所有履歴内のエンティティに対応していない場合、真正性がないとの指示を前記見込まれる次の保管者に送信することを引き起こす
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記クエリで識別された前記少なくとも1つの識別情報が前記所有履歴内の前記特定の製品の現在の所有者に対応する場合、前記真正性があるとの指示の送信を引き起こすように構成される
・前記見込まれる次の保管者は、前記特定の製品の見込み購入者に関連付けられている
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記見込まれる次の保管者が前記特定の製品に関するデータにアクセスすることを防止するように構成され、前記データは、製品の場所、取引履歴、所有者名、製造者名、前記特定の電子タグの前記復号されたタグID、または前記特定の電子タグに関連付けられた暗号鍵のうちの少なくとも1つを含む
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記複数の製品のそれぞれについての所有履歴を少なくとも1つのデータ構造体に格納するように構成される
・前記特定の製品に関連付けられた前記タグIDの所有権を前記第1のエンティティから前記見込まれる次の保管者に移転する取引を記録する
・前記少なくとも1つのデータ構造体における前記製品の前記所有履歴を更新する
・前記製品の前記所有履歴を更新することは、前記見込まれる次の保管者の少なくとも1つの識別情報と前記製品に関連付けられた前記タグIDとの間の関連付けを記憶することを含む
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記複数の電子タグの在庫目録、前記複数の電子タグの前記タグID、または各タグIDに関連付けられた製品IDのうちの少なくとも1つを、前記少なくとも1つのデータ構造体に格納するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記特定の製品の前記タグIDに関連付けられた少なくとも2つの暗号鍵を前記少なくとも1つのデータ構造体に格納するようにさらに構成され、前記少なくとも2つの暗号鍵は、前記少なくとも1つの識別情報に関連付けられた第1の暗号鍵、および前記見込まれる次の保管者に関連付けられた第2の暗号鍵を含む
・前記見込まれる次の保管者に前記クエリを実行する権限があるかどうかを判定する
・前記見込まれる次の保管者に前記クエリを実行する権限がある場合、前記暗号化されたタグIDの復号を進めて前記所有履歴にアクセスする
・前記見込まれる次の保管者に前記クエリを実行する権限がない場合、権限がないとの指示を前記見込まれる次の保管者に対して送信させる
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記見込まれる次の保管者が前記クエリを実行するための権限を前記第1のエンティティに要求するようにさらに構成される
・前記第1のエンティティと、前記クエリを実行する権限がある少なくとも1つのエンティティとの間の関連付けを受信する
・前記見込まれる次の保管者が前記少なくとも1つの権限付与されたエンティティであるかどうかを判定する
・前記所有履歴内の少なくとも1つのエンティティから、前記クエリで識別された前記少なくとも1つの識別情報が前記所有履歴内の第2のエンティティであるとの確証を受信する
・前記クエリで識別された前記少なくとも1つの識別情報を含めるように前記所有履歴を更新する
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記更新済みの所有履歴に基づいて、権限があるとの指示を前記見込まれる次の保管者に対して送信させるようにさらに構成される
・前記特定の電子タグは、一意のタグIDに関連付けられ、前記一意のタグIDを暗号化して、前記見込まれる次の保管者の前記少なくとも1つのプロセッサまたは処理デバイスのうちの少なくとも1つに送信するように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記製品に関連付けられた前記タグIDに関するクエリが受信されると、前記所有履歴内の少なくとも1つのエンティティに通知を送信するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記製品に関連付けられた前記タグIDに関して権限がないとの指示が送信されると、前記所有履歴内の少なくとも1つのエンティティに通知を送信するようにさらに構成される
・施設内の間違った場所にある物品を検出するためのシステム
・前記施設内の少なくとも1つのリーダから、前記少なくとも1つのリーダによって読み取られた識別タグの識別信号を受信する
・前記受信した識別信号に基づいて、前記識別タグの現在の場所を特定する
・前記識別タグの前記現在の場所を少なくとも1つのデータ構造体に記録する
・前記少なくとも1つのデータ構造体において、前記識別タグのそれぞれについての前記施設内の指定された場所にアクセスする
・前記識別タグの前記現在の場所を前記識別タグの前記指定された場所と比較することによって、前記特定の識別タグの前記指定された場所とは異なる現在の場所を有する特定の識別タグを決定する
・前記特定の識別タグの前記現在の場所が前記特定の識別タグの前記指定された場所と一致しないとき、通知信号を生成する
・前記識別タグは、周囲エネルギーを受信および貯蔵し、前記貯蔵された周囲エネルギーを使用して前記識別信号の送信に電力を供給するように構成される
・前記識別タグは、前記識別信号を所定のタイミングシーケンスに従って送信するように構成される
・少なくとも1つの識別タグは、前記少なくとも1つの識別タグが第1の周波数でエネルギーを受信すると、第1の送信モードで動作し、前記少なくとも1つの識別タグが前記第1の周波数よりも高い第2の周波数でエネルギーを受信すると、第2の送信モードで動作するように構成され、前記第1の送信モードは、送信信号の繰返し周期、送信電力レベル、または前記送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つにおいて前記第2の送信モードとは異なる
・前記少なくとも1つのリーダは、前記識別信号を受信するように構成された複数のリーダを含み、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複数のリーダの位置データにアクセスするように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記複数のリーダの前記位置データおよび前記複数のリーダによって受信された前記識別信号の電力レベルに基づいて、前記識別タグの前記場所を識別するように構成される
・前記少なくとも1つのリーダは、前記識別タグによって送信信号を自動的に読み取るように構成されたハンドヘルドスキャナまたは固定スキャナのうちの少なくとも1つを含む
・前記少なくとも1つのプロセッサは、特定の識別タグが、販売済みの特定の物品に関連付けられていると判定し、前記特定の識別タグを前記施設に関連付けられた在庫目録から削除するように前記少なくとも1つのデータ構造体を更新するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つのリーダは、前記識別タグが少なくとも1つの所定の場所にあるとき、前記識別タグからゲート信号を受信するように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記特定のリーダが前記特定の物品に関連付けられた前記識別タグから前記ゲート信号を受信すると、前記特定の物品が販売済みであると判定するように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記施設内の前記識別タグのそれぞれの一意のタグ識別子および少なくとも1つの物品属性を格納するように、前記データ構造体を修正するようにさらに構成され、各識別タグの前記少なくとも1つの物品属性は、前記識別タグに関連付けられた前記物品のサイズ、色、または様式のうちの少なくとも1つに対応する
・前記通知信号を生成することは、ユーザデバイスに前記特定の識別タグに関連付けられた前記現在の場所の可聴インジケータまたは可視インジケータのうちの少なくとも1つを出力させるための信号を送信することを含む
・前記通知信号を生成することは、ユーザデバイスに前記特定の識別タグに関連付けられた前記現在の場所を前記ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェース上に表示させるための信号を送信することを含み、前記現在の場所を表示することは、前記現在の場所の指示を地図上に表示すること、前記現在の場所への道順を表示すること、または前記現在の場所に関連付けられた名前を表示することのうちの少なくとも1つを含む
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記特定の識別タグの前記指定された場所を前記特定の識別タグに関連付けられた前記現在の場所に変更するように前記データ構造体を修正するようにさらに構成される
・施設内の物品の場所を報告するためのシステム
・前記施設内の少なくとも1つのリーダから、前記少なくとも1つのリーダによって読み取られた識別タグの識別信号を受信する
・前記受信した識別信号に基づいて、前記識別タグの現在の場所を特定する
・前記識別タグの前記現在の場所を少なくとも1つのデータ構造体に記録する
・前記施設内の特定の物品の場所に関するクエリを受信する
・前記特定の物品と前記特定の識別タグの間の関連付け、および前記特定の識別タグの前記現在の場所に基づいて、前記特定の物品の前記場所を識別する
・ユーザに対して、前記特定の物品の前記場所をグラフィカルユーザインターフェース上に表示する。前記場所を表示することは、前記特定の識別タグの前記現在の場所の指示を地図上に表示すること、前記特定の識別タグの前記現在の場所への道順を表示すること、または前記特定の識別タグの前記現在の場所に関連付けられた名前を表示することのうちの少なくとも1つを含む
・前記識別タグは、周囲エネルギーを受信および貯蔵し、前記貯蔵された周囲エネルギーを使用して前記識別信号の送信に電力を供給するように構成される
・少なくとも1つの識別タグは、前記少なくとも1つの識別タグが第1の周波数でエネルギーを受信すると第1の送信モードで動作し、前記少なくとも1つの識別タグが前記第1の周波数よりも高い第2の周波数でエネルギーを受信すると第2の送信モードで動作するように構成され、前記第1の送信モードは、送信信号の繰返し周期、送信電力レベル、または前記送信のデータコンテンツのうちの少なくとも1つにおいて前記第2の送信モードとは異なる
・前記少なくとも1つのリーダは、前記識別信号を受信するように構成された複数のリーダを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記複数のリーダの位置データにアクセスするように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、前記複数のリーダの前記位置データおよび前記複数のリーダによって受信された前記識別信号の電力レベルに基づいて前記識別タグの前記場所を識別し、前記施設内の前記複数の物品の在庫目録に関するクエリを受信するように構成される
・前記複数の物品と前記識別タグとの間の関連付け、および前記データ構造体に格納された前記識別タグの前記現在の場所に基づいて、前記施設内の前記複数の物品を識別する
・前記施設内の前記識別された物品の在庫目録の指示をグラフィカルユーザインターフェース上に表示する
・前記少なくとも1つのリーダは、前記識別タグによって送信信号を自動的に読み取るように構成された、ハンドヘルドスキャナまたは固定スキャナのうちの少なくとも1つを含む
・前記少なくとも1つのプロセッサは、特定の識別タグが、販売済みの特定の物品に関連付けられていると判定し、前記施設に関連付けられた在庫目録から前記特定の識別タグを削除するように前記少なくとも1つのデータ構造体を更新するようにさらに構成される
・前記少なくとも1つのリーダは、前記識別タグが少なくとも1つの所定の場所にあるとき、前記識別タグからゲート信号を受信するように構成される
・前記少なくとも1つのプロセッサは、特定のリーダが前記特定の物品に関連付けられた前記識別タグから前記ゲート信号を受信したとき、前記特定の物品が販売済みであると判定するように構成される
【0711】
本明細書に開示するシステムおよび方法は、従来の手法よりも優れた、従来とは異なる改善を伴う。本開示の実施形態の説明は、網羅的ではなく、開示された厳密な形式または実施形態に限定されない。本開示の実施形態の仕様および実施の考察から、実施形態の修正形態および適合が明らかになろう。さらに、本開示の実施形態は、本明細書に述べる例に限定されない。
【0712】
前述の説明は、例示の目的で提示されたものである。前述の説明は、網羅的ではなく、開示された厳密な形式または実施形態に限定されない。本開示の実施形態の仕様および実施の考察から、実施形態の修正形態および適合が明らかになろう。例えば、説明した実装形態は、ハードウェアおよびソフトウェアを含むが、本開示に則したシステムおよび方法は、ハードウェアのみとして実装され得る。
【0713】
本開示の特徴および利点は、詳細な明細書から明らかであり、したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨および範囲に含まれるすべてのシステムおよび方法を網羅するよう意図されている。「a」および「an」という不定冠詞は、本明細書で使用される場合、「1つまたは複数」を意味する。同様に、複数形の用語の使用は、所与の文脈において複数であることが明白でない限り、必ずしも複数を意味するわけではない。「および」または「または」などの単語は、特に明記されていない限り、「および/または」を意味する。さらに、本開示を研究することから多数の修正形態および変形形態が容易に生じるので、本開示を図示および説明された正確な構造および動作に限定することは望ましくなく、したがって、すべての好適な修正形態および均等物を用いることができ、それらは本開示の範囲に含まれる。
【0714】
本明細書の記載されている説明および方法に基づくコンピュータプログラムは、ソフトウェア開発者の技能の範囲内である。様々なプログラミング手法を使用して、様々な関数、スクリプト、プログラム、またはモジュールを作成することができる。例えば、JAVASCRIPT、C、C++、JAVA、PHP、PYTHON、RUBY、PERL、BASH、または他のプログラミング言語もしくはスクリプト言語を含む言語で、またはそれらを使用して、プログラム、スクリプト、関数、プログラムセクション、またはプログラムモジュールを設計することができる。そのようなソフトウェアセクションまたはモジュールのうちの1つまたは複数は、コンピュータシステム、非一時的なコンピュータ可読媒体、または既存の通信ソフトウェアに統合されてもよい。プログラム、モジュール、またはコードを、ファームウェアまたは回路ロジックとして実装または複製することもできる。
【0715】
また、本明細書に例示的な実施形態が記載されているが、範囲は、本開示に基づく同等の要素、修正、省略、(例えば、様々な実施形態にわたる態様の)組合せ、適合、または変更を有する任意の実施形態およびすべての実施形態を含み得る。特許請求の範囲における要素は、特許請求の範囲で使用される言語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書または出願手続中に記載されている例に限定されず、これらの例は非排他的であると解釈されるべきである。また、本開示の方法のステップは、ステップを並べ替えること、ステップを挿入もしくは削除することを含む任意の方式で修正されてもよい。したがって、明細書および例は例示としてのみみなされるよう意図されており、真の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲および特許請求の範囲の均等物の全範囲によって示されている。
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