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特許7289574イベントについての情報を提供する方法、プログラム及びサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】イベントについての情報を提供する方法、プログラム及びサーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230605BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022170042
(22)【出願日】2022-10-24
【審査請求日】2022-10-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517116038
【氏名又は名称】株式会社テクサー
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】朱 強
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-178876(JP,A)
【文献】特開2004-126810(JP,A)
【文献】特開2003-308379(JP,A)
【文献】特開2003-271725(JP,A)
【文献】特開2003-108871(JP,A)
【文献】特開2002-150137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルデータの配布物が来場者へ提供されるイベントについての情報を提供するサーバが実行する方法であって、
複数の前記配布物の少なくとも一部が、前記イベントの1以上の参加者に関連する配布物であり、
前記サーバは、記憶装置にアクセス可能であり、
前記記憶装置は、
それぞれ一の前記配布物に関する情報を含んだ複数の配布物情報と、
それぞれ一の前記配布物の提供状況に関する情報を含んだ複数の配布物提供情報と
を記憶し、
一の前記配布物情報は、
一の前記配布物を紙の印刷物の代わりに前記来場者へ提供することによる温室効果ガスの排出削減量を示す情報、及び、当該排出削減量に関連する情報の少なくとも一方と、
当該配布物に関連する前記参加者を示す情報とを含み、
一の前記配布物提供情報は、一の前記配布物が一の前記来場者へ提供されたことを示す情報を含んでおり、
前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物についての前記排出削減量の総和をイベント総排出削減量と呼び、
前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物のうち、一の前記来場者に提供された1以上の前記配布物についての前記排出削減量の総和を来場者総排出削減量と呼び、
前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物のうち、一の前記参加者に関連する1以上の前記配布物についての前記排出削減量の総和を参加者総排出削減量と呼び、
前記サーバが、一の前記来場者へ一の前記配布物が提供された場合に、当該来場者へ当該配布物が提供されたことを示す情報を含んだ一の前記配布物提供情報を生成し、前記記憶装置に書き込む配布物提供情報生成工程と、
前記サーバが、前記記憶装置に記憶される複数の前記配布物情報と複数の前記配布物提供情報とに基づいて、各前記来場者の前記来場者総排出削減量、各前記参加者の前記参加者総排出削減量、及び、前記イベント総排出削減量の少なくとも一部を算出する総排出削減量算出工程と
を有する方法。
【請求項2】
一の前記配布物情報は、前記排出削減量に関連する情報として、一の前記配布物に対応した前記印刷物のページ数に関する情報を含んでおり、
前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物に対応する全ての前記印刷物の総ページ数をイベント総ページ数と呼び、
前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物のうち、一の前記来場者に提供された1以上の前記配布物に対応する1以上の前記印刷物の総ページ数を来場者総ページ数と呼び、
前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物のうち、一の前記参加者に関連した1以上の前記配布物に対応する1以上の前記印刷物の総ページ数を参加者総ページ数と呼び、
前記総排出削減量算出工程は、
前記サーバが、前記記憶装置に記憶される複数の前記配布物情報と複数の前記配布物提供情報とに基づいて、各前記来場者の前記来場者総ページ数、各前記参加者の前記参加者総ページ数、及び、前記イベント総ページ数の少なくとも一部を算出する第1算出工程と、
前記サーバが、前記第1算出工程の算出結果に基づいて、前記来場者総ページ数に応じた各前記来場者の前記来場者総排出削減量、前記参加者総ページ数に応じた各前記参加者の前記参加者総排出削減量、及び、前記イベント総ページ数に応じた前記イベント総排出削減量の少なくとも一部を算出する第2算出工程とを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サーバが、一の前記配布物を前記印刷物の代わりに前記来場者へ提供することによる前記排出削減量に関連する情報を含んだ当該配布物に関する情報を取得した場合に、取得した情報に含まれる前記排出削減量に関連する情報に基づいて前記排出削減量を算出し、算出した前記排出削減量を含んだ一の前記配布物情報を生成して前記記憶装置に書き込む配布物情報生成工程を有し、
前記総排出削減量算出工程は、それぞれ前記排出削減量を含んだ複数の前記配布物情報と複数の前記配布物提供情報とに基づいて、各前記来場者の前記来場者総排出削減量、各前記参加者の前記参加者総排出削減量、及び、前記イベント総排出削減量の少なくとも一部を算出することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記総排出削減量算出工程は、一の前記来場者へ一の前記配布物が少なくとも1回提供されたことを示す前記配布物提供情報が前記記憶装置に記憶される場合、当該配布物を一の前記印刷物の代わりに当該来場者へ提供することによる前記排出削減量を含むように、前記来場者総排出削減量、前記参加者総排出削減量、及び、前記イベント総排出削減量の少なくとも一部を算出することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記配布物提供情報生成工程は、一の前記来場者へ一の前記配布物を提供することに関する所定の配布物提供処理が実行された場合に、当該来場者へ当該配布物が提供されたことを示す情報を含んだ一の前記配布物提供情報を生成して前記記憶装置に書き込むことを含み、
前記配布物提供処理は、一の前記来場者が操作する来場者端末装置からの要求に応じて一の前記配布物を前記来場者端末装置に表示させる処理、当該配布物を前記来場者端末装置にダウンロードさせる処理、及び、当該配布物を電子メールにより転送する処理の少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記サーバが、前記総排出削減量算出工程の算出結果の少なくとも一部を含む前記排出削減量に関する情報を、前記来場者が操作する来場者端末装置、前記参加者が操作する参加者端末装置、及び、前記イベントの開催及び運営の少なくとも一方に関わる関係者が操作する関係者端末装置の少なくとも一部において表示させる情報表示工程を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
デジタルデータの配布物が来場者へ提供されるイベントについての情報を提供するサーバが実行可能な命令を含むプログラムであって、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載された方法の各工程を前記サーバに実行させる前記命令を含んだプログラム。
【請求項8】
デジタルデータの配布物が来場者へ提供されるイベントについての情報を提供するサーバであって、
処理部と、
前記処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する記憶部とを有し、
前記プログラムが、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載された方法の各工程を行う前記命令を含み、
前記処理部が、前記プログラムを実行する、
サーバ。
【請求項9】
デジタルデータの配布物が来場者へ提供されるイベントについての情報を提供するサーバであって、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載された方法の各工程を行う手段を備えたサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベントについての情報を提供する方法、プログラム及びサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
展示会の来場予定者に対して展示会に関する情報を電子文書の形で事前に提供するようにしたシステムが知られている(下記の特許文献を参照)。 このシステムでは、展示会の来場予定者から詳細資料の資料請求を受付けると、受付けた資料請求から展示会案内パンフレットの作成を指示する要求データが作成され、要求データに基づいてパンフレットデータベースから必要な情報が抽出される。そして、抽出された情報が1本の展示会案内パンフレットとして編集され、この展示会案内パンフレットがネットワークを通じて資料請求した来場予定者に提示される。これにより、来場者予定者が手許のコンピュータからサーバーコンピュータにアクセスするだけで、来場予定者に関心のある出展テーマの情報だけを集めたパンフレットを作成し、来場予定者へ電子的に提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-183359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般に展示会などのイベントでは、様々な紙の印刷物が来場者に配布される。これらの印刷物を、PDFファイルなどのデジタルデータの配布物(以下、「デジタル配布物」と記す場合がある。)に置き換えるようにすれば、印刷物の製作や運搬に起因する温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出量を減らすことができる。展示会などのイベントで紙の印刷物の代わりにデジタル配布物を提供する利点として、温室効果ガスの排出量を削減できることは従来着目されてこなかった。しかしながら、近年、温室効果による気候変動の深刻な環境問題が顕在化していることから、温室効果ガスの排出量の削減について国際的に関心が高まっている。イベントの来場者や、参加者(出展企業など)、主催者に対して、デジタル配布物の上述した利点を適切に伝えることができれば、紙の印刷物の代わりにデジタル配布物を利用することについての動機付けを与えることになると期待される。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、イベントにおいて紙の印刷物の代わりにデジタルデータの配布物を利用することについての動機付けを与えることができる方法、プログラム及びサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る方法は、デジタルデータの配布物が来場者へ提供されるイベントについての情報を提供するサーバが実行する方法であって、複数の前記配布物の少なくとも一部が、前記イベントの1以上の参加者に関連する配布物であり、前記サーバは、記憶装置にアクセス可能であり、前記記憶装置は、それぞれ一の前記配布物に関する情報を含んだ複数の配布物情報と、それぞれ一の前記配布物の提供状況に関する情報を含んだ複数の配布物提供情報とを記憶し、一の前記配布物情報は、一の前記配布物を紙の印刷物の代わりに前記来場者へ提供することによる温室効果ガスの排出削減量を示す情報、及び、当該排出削減量に関連する情報の少なくとも一方と、当該配布物に関連する前記参加者を示す情報とを含み、一の前記配布物提供情報は、一の前記配布物が一の前記来場者へ提供されたことを示す情報を含んでおり、前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物についての前記排出削減量の総和をイベント総排出削減量と呼び、前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物のうち、一の前記来場者に提供された1以上の前記配布物についての前記排出削減量の総和を来場者総排出削減量と呼び、前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物のうち、一の前記参加者に関連する1以上の前記配布物についての前記排出削減量の総和を参加者総排出削減量と呼び、前記サーバが、一の前記来場者へ一の前記配布物が提供された場合に、当該来場者へ当該配布物が提供されたことを示す情報を含んだ一の前記配布物提供情報を生成し、前記記憶装置に書き込む配布物提供情報生成工程と、前記サーバが、前記記憶装置に記憶される複数の前記配布物情報と複数の前記配布物提供情報とに基づいて、各前記来場者の前記来場者総排出削減量、各前記参加者の前記参加者総排出削減量、及び、前記イベント総排出削減量の少なくとも一部を算出する総排出削減量算出工程とを有する方法である。
【0007】
好適に、一の前記配布物情報は、前記排出削減量に関連する情報として、一の前記配布物に対応した前記印刷物のページ数に関する情報を含んでおり、前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物に対応する全ての前記印刷物の総ページ数をイベント総ページ数と呼び、前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物のうち、一の前記来場者に提供された1以上の前記配布物に対応する1以上の前記印刷物の総ページ数を来場者総ページ数と呼び、前記イベントにおいて提供された全ての前記配布物のうち、一の前記参加者に関連した1以上の前記配布物に対応する1以上の前記印刷物の総ページ数を参加者総ページ数と呼び、前記総排出削減量算出工程は、前記サーバが、前記記憶装置に記憶される複数の前記配布物情報と複数の前記配布物提供情報とに基づいて、各前記来場者の前記来場者総ページ数、各前記参加者の前記参加者総ページ数、及び、前記イベント総ページ数の少なくとも一部を算出する第1算出工程と、前記サーバが、前記第1算出工程の算出結果に基づいて、前記来場者総ページ数に応じた各前記来場者の前記来場者総排出削減量、前記参加者総ページ数に応じた各前記参加者の前記参加者総排出削減量、及び、前記イベント総ページ数に応じた前記イベント総排出削減量の少なくとも一部を算出する第2算出工程とを含む。
【0008】
好適に、前記サーバが、一の前記配布物を前記印刷物の代わりに前記来場者へ提供することによる前記排出削減量に関連する情報を含んだ当該配布物に関する情報を取得した場合に、取得した情報に含まれる前記排出削減量に関連する情報に基づいて前記排出削減量を算出し、算出した前記排出削減量を含んだ一の前記配布物情報を生成して前記記憶装置に書き込む配布物情報生成工程を有し、前記総排出削減量算出工程は、それぞれ前記排出削減量を含んだ複数の前記配布物情報と複数の前記配布物提供情報とに基づいて、各前記来場者の前記来場者総排出削減量、各前記参加者の前記参加者総排出削減量、及び、前記イベント総排出削減量の少なくとも一部を算出することを含む。
【0009】
好適に、前記総排出削減量算出工程は、一の前記来場者へ一の前記配布物が少なくとも1回提供されたことを示す前記配布物提供情報が前記記憶装置に記憶される場合、当該配布物を一の前記印刷物の代わりに当該来場者へ提供することによる前記排出削減量を含むように、前記来場者総排出削減量、前記参加者総排出削減量、及び、前記イベント総排出削減量の少なくとも一部を算出することを含む。
【0010】
好適に、前記配布物提供情報生成工程は、一の前記来場者へ一の前記配布物を提供することに関する所定の配布物提供処理が実行された場合に、当該来場者へ当該配布物が提供されたことを示す情報を含んだ一の前記配布物提供情報を生成して前記記憶装置に書き込むことを含み、前記配布物提供処理は、一の前記来場者が操作する来場者端末装置からの要求に応じて一の前記配布物を前記来場者端末装置に表示させる処理、当該配布物を前記来場者端末装置にダウンロードさせる処理、及び、当該配布物を電子メールにより転送する処理の少なくとも1つを含む。
【0011】
好適に、前記サーバが、前記総排出削減量算出工程の算出結果の少なくとも一部を含む前記排出削減量に関する情報を、前記来場者が操作する来場者端末装置、前記参加者が操作する参加者端末装置、及び、前記イベントの開催及び運営の少なくとも一方に関わる関係者が操作する関係者端末装置の少なくとも一部において表示させる情報表示工程を有する。
【0012】
本発明の第2の態様に係るプログラムは、デジタルデータの配布物が来場者へ提供されるイベントについての情報を提供するサーバが実行可能な命令を含むプログラムであって、上記第1の態様に係る方法の各工程を前記サーバに実行させる前記命令を含む。
【0013】
本発明の第3の態様に係るサーバは、デジタルデータの配布物が来場者へ提供されるイベントについての情報を提供するサーバであって、処理部と、前記処理部が実行可能な命令を含んだプログラムを記憶する記憶部とを有し、前記プログラムが、上記第1の態様に係る方法の各工程を行う前記命令を含み、前記処理部が、前記プログラムを実行する
【0014】
本発明の第4の態様に係るサーバは、デジタルデータの配布物が来場者へ提供されるイベントについての情報を提供するサーバであって、上記第1の態様に係る方法の各工程を行う手段を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、イベントにおいて紙の印刷物の代わりにデジタルデータの配布物を利用することについての動機付けを与えることができる方法、プログラム及びサーバを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、情報提供サーバの構成の一例を示す図である。
図3図3A図3B図3C及び図3Dは、それぞれ検知履歴情報、対象情報、配布物情報及び配布物提供情報に含まれる情報の一例を説明するための図である。
図4図4A図4B及び図4Cは、それぞれ来場者情報、参加者情報及びイベント情報に含まれる情報の一例を説明するための図である。
図5図5は、本実施形態に係るシステムの動作の概要を説明するための図である。
図6図6は、本実施形態に係るシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、本実施形態に係るシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、温室効果ガスの総排出削減量の算出に関わる処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図9図9A図9Dは、温室効果ガスの排出削減量に関する情報を表示する画面の例を示す図である。
図10図10Aは、配布物情報に含まれる情報の一変形例を説明するための図である。図10Bは、温室効果ガスの総排出削減量の算出に関わる処理の一変形例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。図1の例に示すシステムは、インターネットなどの通信ネットワーク9を介して互いに通信可能な情報提供サーバ1、主催者サーバ3、来場者端末装置5、参加者端末装置6、関係者端末装置7、来場者検知装置8A及びID読み取り装置8Bを有する。
情報提供サーバ1は、本発明のサーバの一例である。
来場者端末装置5は、本発明の来場者端末装置の一例である。
参加者端末装置6は、本発明の参加者端末装置の一例である。
関係者端末装置7は、本発明の関係者端末装置の一例である。
【0018】
図1に示すシステムは、展示会やセミナーなどのイベントを訪れた来場者に対してデジタル配布物(PDFファイルの電子文書など)を提供する処理を行うとともに、紙の印刷物の代わりにデジタル配布物を提供することによる温室効果ガスの排出量の削減に関する情報を取得して、イベントの来場者、イベントの参加者(出展者など)、イベントの主催者へ提供する処理を行う。またこのシステムは、来場者の行動の履歴に関する情報を収集し、収集した情報をイベントの参加者や主催者へ提供する処理を行う。
【0019】
[情報提供サーバ1]
情報提供サーバ1は、展示会やセミナーなどのイベントに関する情報を提供する処理を行う。例えば情報提供サーバ1は、来場者が操作する来場者端末装置5からの要求に応じてデジタル配布物を来場者端末装置5に提供する処理、紙の印刷物の代わりにデジタル配布物を提供することによる温室効果ガスの排出量の減少分を算出する処理、この排出量の減少分に関する情報を来場者端末装置5などに提供する処理を行う。また、情報提供サーバ1は、後述する来場者検知装置8Aにおいて収集される来場者の行動に関する情報に基づいて、イベントにおける来場者の行動履歴に関する情報を記録する処理、来場者の行動履歴に関する情報を後述する参加者端末装置6や関係者端末装置7に提供する処理などを行う。例えば情報提供サーバ1は、通信ネットワーク9に接続された1台若しくは複数台のコンピュータを含んで構成される。図1の例に示す情報提供サーバ1は、通信部11と、記憶部12と、処理部13を有する。
【0020】
通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(主催者サーバ3、来場者端末装置5、参加者端末装置6、関係者端末装置7、来場者検知装置8A、ID読み取り装置8Bなど)と通信を行う。通信部11は、例えばイーサネット(登録商標)や無線LANなどの所定の通信規格に準拠して通信を行う装置(ネットワークインターフェースカードなど)を含む。
【0021】
記憶部12は、処理部13において実行可能な命令を含む1以上のプログラム121や、処理部13による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部13の処理に利用されるデータ、処理部13の処理の結果として得られたデータなどを記憶する。記憶部12は、例えば、主記憶装置(RAM、ROMなど)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスク)を含んでよい。記憶部12は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部12が複数の記憶装置から構成される場合、各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意のデータ伝送手段を介して処理部13に接続される。
【0022】
処理部13は、情報提供サーバ1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。処理部13は、例えば、記憶部12に格納された1以上のプログラム121の命令に応じて処理を実行する1以上のプロセッサ(CPU(central processing unit)、MPU(micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)など)を含む。処理部13は、記憶部12に記憶される1以上のプログラム121の命令を1以上のプロセッサが実行することにより、1以上のコンピュータとして動作する。
【0023】
処理部13は、特定の機能を実現するように構成された1以上の専用のハードウェア(ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)など)を含んでもよい。この場合、処理部13は、本実施形態において説明する全ての処理をコンピュータにおいて実行してもよいし、少なくとも一部の処理を専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
【0024】
プログラム121は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体(光ディスク、メモリカード、USBメモリ、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されていてもよい。処理部13は、そのような記録媒体に記録された1以上のプログラム121の少なくとも一部を不図示の記録媒体読み取り装置(光ディスク装置など)やインターフェース装置(USBインターフェースなど)により読み込んで、記憶部12に書き込んでもよい。あるいは処理部13は、通信ネットワーク9に接続される他の装置から通信部11により1以上のプログラム121の少なくとも一部をダウンロードして、記憶部12に書き込んでもよい。1以上のプログラム121は、後述する本実施形態に係る処理の少なくとも一部を処理部13において実行させる命令を含んでよい。
【0025】
記憶装置2は、情報提供サーバ1の処理において使用される種々の情報を記憶する。情報提供サーバ1と記憶装置2は、任意の通信路(LAN、専用回線網、インターネットなど)介して通信可能である。例えば記憶装置2は、複数の装置からのアクセスを受け付けるファイルサーバやデータベースサーバなどに含まれていてもよいし、情報提供サーバ1のみアクセス可能な専用の記憶装置でもよい。図1の例において、記憶装置2は、検知履歴データベース21と、対象データベース22と、配布物データベース23と、配布物提供データベース24と、来場者データベース25と、参加者データベース26とを記憶する。また記憶装置2は、イベントにおける温室効果ガスの排出量の削減に関する情報を含んだイベント情報27と、イベントの参加者などによって来場者向けに準備された複数の配布物28を記憶する。以下の説明では、データベースを「DB」と省略して記載する場合がある。
【0026】
検知履歴DB21は、後述する来場者検知装置8Aにおいて来場者が検知された履歴に関する複数の検知履歴情報を含む。一の検知履歴情報は、例えば図3Aに示すように、一の来場者検知装置8Aにおいて一の来場者が検知されたことを示す情報として、「来場者ID」と、「検知日時」と、「対象ID」と、「参加者ID」とを含む。
「来場者ID」は、個々の来場者を識別するための情報であり、来場者検知装置8Aが検知した一の来場者を示す。
「検知日時」は、一の来場者が一の来場者検知装置8Aにおいて検知された日時を示す
「対象ID」は、イベントにおける来場者の行動の対象(参加者が提供する商品、サービスなど)を識別する情報であり、一の来場者検知装置8Aに関連付けられた一の対象を示す。
「参加者ID」は、個々の参加者(出展者など)を識別するための情報であり、一の来場者検知装置8Aに関連付けられた一の参加者を示す。
【0027】
展示会やセミナーなどイベントが開催される場所には、複数の来場者検知装置8Aが配置される。個々の来場者検知装置8Aは、イベントにおける来場者の行動の対象(参加者が提供する商品、サービスなど)に関連付けられているか、又は、イベントの参加者に関連付けられている。
例えば来場者検知装置8Aは、参加者が出展するブースにおける商品の展示場所の近くに配置されており、展示された商品に興味を持った来場者を検知する。この来場者検知装置8Aが来場者を検知したことにより生成される検知履歴情報は、展示された商品の「対象ID」と、この商品に関連する参加者(例えばこの商品を出展した参加者)の「参加者ID」を含む。
【0028】
対象DB22は、イベントにおける来場者の行動の対象(参加者が提供する商品、サービスなど)に関する複数の対象情報を含む。一の対象情報は、例えば図3Bに示すように、一の対象に関する情報として、「対象ID」と、「対象内容情報」と、「参加者ID」とを含む。
「対象ID」は、一の対象を示す。
「対象内容情報」は、対象(商品、サービスなど)の内容に関する情報であり、例えば対象の名前、型名、種別などを含む。
「参加者ID」は、一の対象に関連する一の参加者を示す。
【0029】
配布物DB23は、来場者へ紙の印刷物の代わりに提供されるデジタル配布物に関する複数の配布物情報を含む。一の配布物情報は、例えば図3Cに示すように、一のデジタル配布物に関する情報として、「配布物ID」と、「配布物内容情報」と、「対象ID」と、「参加者ID」と、「配布物格納場所」と、「排出削減量関連情報」とを含む。
「配布物ID」は、個々のデジタル配布物を識別するための情報であり、一のデジタル配布物を示す。
「配布物内容情報」は、デジタル配布物の内容に関する情報であり、例えばデジタル配布物の名前、種別、データのサイズなどを含む。
「対象ID」は、一のデジタル配布物に関連する一の対象(商品、サービスなど)を示す。
「参加者ID」は、一のデジタル配布物に関連する一の参加者(出展者など)を示す。
「配布物格納場所」は、記憶装置2においてデジタル配布物(図2の配布物28)が格納される場所に関する情報であり、例えば配布物28が格納されるディレクトリとファイル名を含む。配布物28の格納場所は、記憶装置2に限らず、通信ネットワーク9に接続された他の装置(データサーバなど)でもよい。
「排出削減量関連情報」は、紙の印刷物の代わりに一のデジタル配布物を来場者へ配布することによる温室効果ガスの排出量の減少分(排出削減量)に関連する情報であり、例えば一のデジタル配布物に対応する一の印刷物のページ数などを含む。
【0030】
以下の説明では、一のデジタル配布物を紙の印刷物の代わりに来場者へ提供することによる温室効果ガスの排出量の減少分を「排出削減量」と記す場合がある。
【0031】
配布物提供DB24は、来場者へのデジタル配布物の提供状況に関する複数の配布物提供情報を含む。一の配布物提供情報は、例えば図3Dに示すように、一のデジタル配布物の提供状況に関する情報として、「配布物ID」と、「来場者ID」と、「提供状況情報」とを含む。
「配布物ID」は、一のデジタル配布物を示す。
「来場者ID」は、一のデジタル配布物が提供された一の来場者を示す。
「提供状況情報」は、一のデジタル配布物の提供状況に関する情報であり、例えば提供の日時の情報や、提供の種別(端末装置での閲覧による提供、ダウンロードによる提供、メール転送による提供など)を示す情報を含む。
【0032】
来場者DB25は、来場者に関する複数の来場者情報を含む。一の来場者情報は、例えば図4Aに示すように、一の来場者に関する情報として、「来場者ID」と、「来場者総ページ数」と、「来場者総排出削減量」とを含む。
「来場者ID」は、一の来場者を示す。
「来場者総ページ数」は、イベントにおいて提供された全てのデジタル配布物のうち、一の来場者に提供された1以上のデジタル配布物に対応する1以上の印刷物の総ページ数を示す。
「来場者総排出削減量」は、イベントにおいて提供された全てのデジタル配布物のうち、1以上のデジタル配布物が紙の印刷物の代わりに一の来場者へ提供されたことによる温室効果ガスの排出削減量の総和を示す。
【0033】
参加者DB26は、参加者に関する複数の参加者情報を含む。一の参加者情報は、例えば図4Bに示すように、一の参加者に関する情報として、「参加者ID」と、「参加者総ページ数」と、「参加者総排出削減量」とを含む。
「参加者ID」は、一の参加者を示す。
「参加者総ページ数」は、イベントにおいて提供された全てのデジタル配布物のうち、一の参加者に関連した(例えば一の参加者が出展する商品やサービスに関連した)1以上のデジタル配布物に対応する1以上の印刷物の総ページ数を示す。
「参加者総排出削減量」は、イベントにおいて提供された全てのデジタル配布物のうち、一の参加者に関連する1以上のデジタル配布物を紙の印刷物の代わりに来場者へ提供したことによる温室効果ガスの排出削減量の総和を示す。
【0034】
イベント情報27は、例えば図4Cに示すように、イベント全体での温室効果ガスの排出削減量に関する情報として、「イベント総ページ数」と「イベント総排出削減量」を含む。
「イベント総ページ数」は、イベントにおいて提供された全てのデジタル配布物に対応する全ての印刷物の総ページ数を示す。
「イベント総排出削減量」は、イベントにおいて提供された全てのデジタル配布物についての排出削減量の総和を示す。
【0035】
[主催者サーバ3]
主催者サーバ3は、展示会などのイベントの主催者によって運営される装置である。主催者は、各来場者の個人情報を保有する。主催者サーバ3は、例えば、来場者に関する情報(個人情報など)を来場者端末装置5などから取得して記録する処理、参加者に関する情報を参加者端末装置6などから取得して記録する処理などを行う。例えば主催者サーバ3は、情報提供サーバ1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備える。
【0036】
[来場者端末装置5]
来場者端末装置5は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置であり、来場者によって操作される。図1に示すシステムは、複数の来場者に対応した複数の来場者端末装置5を有する。来場者端末装置5は、情報提供サーバ1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備えるとともに、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボードなどの入力装置)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイなどの表示装置)などを備える。また来場者端末装置5は、QRコード(登録商標)やバーコードなどの光学コードを読み取ることが可能なカメラを備える。
【0037】
[参加者端末装置6]
参加者端末装置6は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置であり、イベントの参加者(出展者など)によって操作される。図1に示すシステムは、複数の参加者に対応した複数の参加者端末装置6を有する。参加者端末装置6は、情報提供サーバ1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備えるとともに、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボードなどの入力装置)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイなどの表示装置)などを備える。
【0038】
[関係者端末装置7]
関係者端末装置7は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの情報通信機能を備えた装置であり、イベントの開催や運営に係わる関係者(イベントの主催者、運営者など)によって操作される。図1に示すシステムは、複数の関係者に対応した複数の関係者端末装置7を有する。関係者端末装置7は、情報提供サーバ1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な処理部、記憶部、通信部を備えるとともに、ユーザの指示を処理部に入力する入力部(タッチパネル、マウス、キーボードなどの入力装置)、情報を表示する表示部(液晶ディスプレイなどの表示装置)などを備える。
【0039】
[来場者検知装置8A]
来場者検知装置8Aは、イベントが開催される場所に配置された装置であり、来場者を検知してその来場者の情報を情報提供サーバ1に送信する。図1に示すシステムは、複数の来場者検知装置8Aを有する。例えば、来場者検知装置8Aは、イベントにおいて各来場者に配布される携行用の物品(カードなど)に付されたRFIDタグなどデバイスの情報を読み取るリーダー機能(近距離無線通信機能)、読み取った情報(デバイスの識別情報)を情報提供サーバ1へ送信する通信機能(無線LAN、LPWA、LTEなど)を備える。
【0040】
[ID読み取り装置8B]
ID読み取り装置8Bは、イベントの主催者によって各来場者に配布される入場証に印刷された光学コードと、来場者検知装置8Aにおいて来場者の検知に用いられる上述の物品(カードなど)に印刷された光学コードをそれぞれ読み取り、読み取った2つの光学コードの情報を情報提供サーバ1に送信する。この2つの光学コードには、それぞれ識別情報(ID)が含まれている。2つの光学コードに含まれた2つの識別情報(ID)は、情報提供サーバ1において共通の来場者IDに紐づけられる。
【0041】
ここで、上述した構成を有する図1に示すシステムの動作について説明する。図5は、図1に示すシステムの動作の概要を説明するための図である。
【0042】
イベントの主催者は、各来場者に配布される入場証C1を準備する。入場証C1には、予め個々の来場者に割り当てられた識別情報(ID)を含む光学コード(QRコード(登録商標)、バーコードなど)が印刷される。入場証C1には、来場者の名前やイベントの名称、会場名、開催日などが印刷されてもよい。
【0043】
また主催者は、この入場証C1とは別に、イベントの会場で各来場者に配布されるタグ付きカードC2を準備する。このタグ付きカードC2には、固有の識別情報(ID)を含む光学コードが印刷されるとともに、来場者検知装置8Aにおいて読み取り可能なデバイス(RFIDタグなど)が付されている。タグ付きカードC2のデバイスにも、固有の識別情報が記憶される。タグ付きカードC2の光学コードに含まれる識別情報と、デバイスに記憶される識別情報とは一対一に対応しており、両者は同一であってもよい。タグ付きカードC2は、異なるイベントにおいて再利用可能である。
【0044】
主催者は、例えばイベントの会場の入場口で来場者を受け付ける際に、ID読み取り装置8Bを用いて、来場者に渡す入場証C1とタグ付きカードC2のそれぞれに印刷された光学コードを読み取り、読み取った2つの光学コードに含まれる2つの識別情報を情報提供サーバ1に送信する。情報提供サーバ1は、ID読み取り装置8Bから受信した2つの識別情報を共通の来場者IDに紐づける。
【0045】
他方、イベントの参加者(出展者など)は、イベントにおいて印刷物の代わりに来場者へ提供するデジタル配布物(PDFファイルの電子文書など)を参加者端末装置6によって情報提供サーバ1に登録する。この際、参加者は、来場者検知装置8Aと対象(参加者が提供する商品、サービスなど)との関連付けを情報提供サーバ1に設定するとともに、デジタル配布物と対象(参加者が提供する商品、サービスなど)との関連付けを情報提供サーバ1に設定する。
【0046】
参加者は、イベントの会場において、自らが提供する商品やサービスなどの対象に興味を持った来場者を検知するための来場者検知装置8Aを設置する。例えば、参加者は、イベントの会場における自らの展示ブースにおいて、商品やサービスなどの対象を展示する場所の近くに来場者検知装置8Aを設置する。
【0047】
イベントが開催されている間、参加者は、展示ブースなどへの来場者の来訪状況に関する情報(来訪した来場者の数、各来場者検知装置8Aで検知された来場者の数など)を参加者端末装置6により情報提供サーバ1から随時取得して閲覧する。これにより、参加者は、自らの展示ブースや商品の展示場所などにおける来場者の来訪状況をリアルタイムに把握することができる。また参加者は、イベントの終了後、自らの展示ブースなどに来訪して来場者検知装置8Aに検知された来場者の個人情報や、自らの商品などに関連するデジタル配布物の提供を受けた来場者の個人情報を、参加者端末装置6により主催者サーバ3から取得することができる。
【0048】
来場者は、入場証C1とともに渡されたタグ付きカードC2をイベントの会場で携行する。来場者は、イベントの会場で興味のある対象(イベントの参加者が提供する商品やサービスなど)の展示場所を見つけた場合、その展示場所の近くに設置された来場者検知装置8Aにおいてタグ付きカードC2のデバイス(RFIDタグなど)に記憶される情報を読み取らせる。これにより、タグ付きカードC2のデバイスに記憶される識別情報が情報提供サーバ1に送信される。情報提供サーバ1は、来場者検知装置8Aから受信したタグ付きカードC2の識別情報に基づいて、来場者検知装置8Aが検知した来場者の来場者IDを特定し、その検知履歴情報(図3A)を検知履歴DB21に登録する。情報提供サーバ1は、来場者検知装置8Aにより検知された来場者に対して、その来場者検知装置8Aとの関連付けが設定されたデジタル配布物の提供(閲覧、ダウンロード、メール転送など)を許可する。
【0049】
来場者は、情報提供サーバ1から提供されるイベントでの行動履歴の情報(商品などの展示場所で来場者検知装置8Aに検知された検知履歴情報)を来場者端末装置5において閲覧し、この行動履歴の中から所望の対象(商品、サービスなど)に関するデジタル配布物を選択する。来場者端末装置5は、来場者により選択された対象に関するデジタル配布物を情報提供サーバ1に要求する。この要求に応じた情報提供サーバ1は、来場者により要求されたデジタル配布物を記憶装置2から読み出して、要求元の来場者端末装置5に提供する処理を行う。すなわち情報提供サーバ1は、要求元の来場者端末装置5においてデジタル配布物を表示させる処理や、デジタル配布物を要求元の来場者端末装置5にダウンロードさせる処理を行う。また、情報提供サーバ1は、来場者端末装置5により転送先の電子メールアドレスが指定された場合、記憶装置2から読み出したデジタル配布物(若しくはそのダウンロード用のURLなどの情報)を指定された電子メールアドレスに転送する処理を行う。
【0050】
図6は、図1に示すシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートであり、各種の情報を主催者サーバ3や情報提供サーバ1に登録する処理の例を示す。
【0051】
参加者端末装置6は、主催者サーバ3にアクセスして、展示会などのイベントに参加者として申し込む処理を行う(ST100)。主催者サーバ3は、この申し込み処理において参加者端末装置6から入力した参加者の情報(参加者名など)をデータベースなどに登録する(ST105)。情報提供サーバ1は、この参加者の情報を主催者サーバ3から取得し、取得した情報に基づいて参加者情報(図4B)を生成して、参加者DB26に登録する(ST115)。このとき、参加者情報における参加者総排出削減量と参加者総ページ数は、それぞれ初期値(ゼロ)に設定される。
【0052】
参加者端末装置6は、情報提供サーバ1にアクセスして、イベントに訪れた来場者の行動の対象となる商品やサービスなどの登録を要求する(ST120)。この要求を受けた情報提供サーバ1は、記憶装置2の対象DB22に登録されていない新たな対象IDを生成するとともに、対象内容情報(商品やサービスの名前、型名、種別、説明文など)を参加者端末装置6から入力する。そして情報提供サーバ1は、これらの情報と参加者IDとを含んだ新規の対象情報(図3B)を生成し、対象DB22に登録する(ST125)。これにより、生成した対象IDは登録済みの対象IDとして記憶装置2に記憶される。
【0053】
参加者端末装置6は、情報提供サーバ1にアクセスして、イベントの来場者に提供するデジタル配布物の登録を要求する(ST130)。この要求を受けた情報提供サーバ1は、配布物DB23に登録されていない新たな配布物IDを生成するとともに、配布物内容情報(デジタル配布物の名前、種別、データのサイズ、説明文など)と排出削減量関連情報(デジタル配布物に対応する印刷物のページ数、紙面のサイズなど)を参加者端末装置6から入力する。また情報提供サーバ1は、記憶装置2におけるデジタル配布物の格納場所(ディレクトリ、ファイル名など)を決定する。そして情報提供サーバ1は、これらの情報と参加者IDとを含んだ配布物情報(図3C)を生成し、配布物DB23に登録する(ST135)。情報提供サーバ1は、参加者端末装置6からデジタル配布物がアップロードされると、配布物情報において指定された配布物格納場所にこのデジタル配布物を格納する(ST140)。
【0054】
参加者端末装置6は、情報提供サーバ1にアクセスして、商品の展示場所などに設置される来場者検知装置8Aと対象(商品、サービスなど)又は参加者との関連付けの設定を要求する(ST145)。この要求を受けた情報提供サーバ1は、参加者の手元に準備された特定の来場者検知装置8Aを指定する情報と、登録済みの対象(商品、サービスなど)又は参加者を指定する情報とを参加者端末装置6から入力する。情報提供サーバ1は、参加者端末装置6によって指定された来場者検知装置8Aの識別情報と、参加者端末装置6によって指定された対象の対象ID又は参加者の参加者IDとを関連付ける設定情報を生成し、記憶装置2に格納する(ST150)。
【0055】
他方、来場者端末装置5は、主催者サーバ3にアクセスして、展示会などのイベントに来場するための申し込み処理を行う(ST160)。主催者サーバ3は、この申し込み処理において来場者端末装置5から入力した個人情報(来場者の氏名、職業、電子メールアドレスなど)と来場者の識別情報とを含んだ来場者の登録情報を生成し、データベースなどに登録する(ST165)。上述した入場証C1の光学コードは、この来場者の識別情報を含むように形成される。なお、主催者サーバ3において個人情報を登録される来場者の少なくとも一部は、任意の個人情報のリストに基づいてイベントに招待される来場者であってもよい。
【0056】
イベントの会場へ入場する来場者には、ステップST155で登録された来場者の識別情報(ID)を含む光学コードが印刷された入場証C1と、固有の識別情報(ID)を含む光学コードが印刷されたタグ付きカードC2とがそれぞれ渡される。このとき、イベントにおいて受付業務を担当するスタッフは、ID読み取り装置8Bを用いて、入場証C1の光学コードとタグ付きカードC2の光学コードとをそれぞれ読み取り、2つの光学コードに含まれた2つの識別情報(ID)を情報提供サーバ1へ送信する(ST170)。情報提供サーバ1は、ID読み取り装置8Bから受信した2つの識別情報を共通の来場者IDに紐づける。情報提供サーバ1は、この来場者IDを含んだ来場者情報(図4A)を生成し、来場者DB25に登録する(ST175)。このとき、来場者情報における来場者総ページ数と来場者総排出削減量は、それぞれ初期値(ゼロ)に設定される。
【0057】
図7は、図1に示すシステムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートであり、イベントにおける来場者の行動を記録する処理、来場者にデジタル配布物を提供する処理、温室効果ガスの排出削減量に関する情報を来場者などに提供する処理の例を示す。
ステップST220は、本発明の配布物提供情報生成工程の一例である。
ステップST225は、本発明の総排出削減量算出工程の一例である。
ステップST235,ST250,ST265は、それぞれ本発明の情報表示工程の一例である。
【0058】
商品の展示場所などに設置された来場者検知装置8Aが来場者を検知すると(ST200)、情報提供サーバ1は、来場者検知装置8Aから受信した情報に基づいて検知履歴情報(図3A)を生成し、検知履歴DB21に登録する(ST205)。
【0059】
例えば来場者検知装置8Aは、来場者が携行するタグ付きカードC2のデバイス(RFIDタグなど)から読み取った固有の識別情報と、来場者検知装置8Aに割り当てられた識別情報と、読み取り日時の情報とを含んだ検知情報を生成し、任意のタイミングで情報提供サーバ1に送信する。情報提供サーバ1は、来場者検知装置8Aから受信した検知情報に含まれるタグ付きカードC2のデバイスの識別情報に基づいて、この識別情報と一対一に対応するタグ付きカードC2の光学コードの識別情報に紐づけられた来場者IDを特定する。また情報提供サーバ1は、受信した検知情報に含まれる来場者検知装置8Aの識別情報と、記憶装置2に格納した設定情報(ST150)とに基づいて、来場者検知装置8Aに関連付けられた対象(商品、サービスなど)の対象ID又は参加者の参加者IDを特定する。
【0060】
来場者は、イベントの会場における商品の展示場所などに配置された来場者検知装置8Aにおいてタグ付きカードC2の読み取らせることにより、その商品などに関連付けられたデジタル配布物の提供を受けることが可能になる。例えば来場者端末装置5は、この提供を受けることが可能なデジタル配布物のリストを表示する。来場者は、このリストにおいて特定のデジタル配布物を選択し、指定した方法(閲覧、ダウンロード、メール転送など)で提供するように要求する指示を入力する。来場者端末装置5は、この来場者の指示が入力されると、特定のデジタル配布物を指定した方法で提供するように情報提供サーバ1へ要求する(ST210)。情報提供サーバ1は、来場者端末装置5からの要求に応じて、特定のデジタル配布物を指定された方法で来場者に提供する配布物提供処理を実行する(ST215)。例えば情報提供サーバ1は、来場者が操作する来場者端末装置5からの要求に応じて、デジタル配布物を来場者端末装置5に表示させる処理、デジタル配布物を来場者端末装置5にダウンロードさせる処理、デジタル配布物を電子メールにより任意のアドレスへ転送する処理などを行う。
【0061】
情報提供サーバ1は、一の来場者へ一のデジタル配布物を提供する配布物提供処理が実行された場合、当該来場者へ当該デジタル配布物が提供されたことを示す情報を含んだ一の配布物提供情報(図3D)を生成し、配布物提供DB24に登録する(ST220)。
【0062】
また情報提供サーバ1は、配布物DB23に登録される複数の配布物情報(図3C)と、配布物提供DB24に登録される複数の配布物提供情報(図3D)とに基づいて、各来場者の来場者総排出削減量、各参加者の参加者総排出削減量、及び、イベント総排出削減量を算出する(ST225)。
【0063】
例えば、情報提供サーバ1は、一の来場者へ一のデジタル配布物が少なくとも1回提供されたことを示す配布物提供情報(図3D)が配布物提供DB24に登録されている場合、当該デジタル配布物を一の印刷物の代わりに当該来場者へ提供することによる排出削減量を含むように、来場者総排出削減量、参加者総排出削減量、及び、イベント総排出削減量をそれぞれ算出する。すなわち、情報提供サーバ1は、一の来場者へ一のデジタル配布物が2回以上提供されたことよる排出削減量と、当該来場者へ当該デジタル配布物が1回提供されたことによる排出削減量とが同一であるものとして、総排出削減量(来場者総排出削減量、参加者総排出削減量、イベント総排出削減量)を算出する。この例では、同一の来場者に同じ印刷物が複数提供されないものと仮定されている。
【0064】
図8は、温室効果ガスの総排出削減量の算出に関わる処理の一例を説明するためのフローチャートであり、ステップST220及びST225(図7)において実行される処理の1つの具体例を示す。
ステップST320は、本発明の第1算出工程の一例である。
ステップST325は、本発明の第2算出工程の一例である。
【0065】
情報提供サーバ1は、来場者端末装置5からの要求に応じて、デジタル配布物を来場者に提供する処理を実行する(ST300)。情報提供サーバ1は、このステップST300において一の来場者に一のデジタル配布物が提供された場合、当該来場者へ当該デジタル配布物が提供されたことを示す情報を含んだ配布物提供情報(図3D)を配布物提供DB24において検索する(ST305)。すなわち、情報提供サーバ1は、当該来場者の来場者IDと当該デジタル配布物の配布物IDとが含まれた配布物提供情報を配布物提供DB24において検索する。この検索により該当する配布物提供情報が見つからなかった場合(ST310のNo)、情報提供サーバ1は、当該来場者の来場者IDと当該デジタル配布物の配布物IDとが含まれた配布物提供情報を生成し、配布物提供DB24に登録する(ST315)。
【0066】
配布物提供情報を生成した場合、情報提供サーバ1は、ステップST300で配布したデジタル配布物の排出削減量関連情報(図3C)に含まれるページ数を取得し、取得したページ数に基づいて来場者総ページ数、参加者総ページ数、イベント総ページ数をそれぞれ算出する。
具体的には、情報提供サーバ1は、ステップST300でデジタル配布物を提供した来場者の来場者情報(図4A)を来場者DB25において検索し、取得したページ数をこの来場者情報の来場者総ページ数に加算することで、当該来場者の最新の来場者総ページ数を算出する。
また情報提供サーバ1は、ステップST300で提供したデジタル配布物に関連する参加者の参加者情報(図4B)を参加者DB26において検索し、取得したページ数をこの参加者情報の参加者総ページ数に加算することで、当該参加者の最新の参加者総ページ数を算出する。
更に情報提供サーバ1は、取得したページ数をイベント情報27(図4C)のイベント総ページ数に加算することにより、最新のイベント総ページ数を算出する。
【0067】
情報提供サーバ1は、ステップST320の算出結果に基づいて、来場者総ページ数に応じた来場者総排出削減量、参加者総ページ数に応じた参加者総排出削減量、イベント総ページ数に応じたイベント総排出削減量を算出する(ST325)。例えば、印刷物の1ページに対応する温室効果ガスの排出量の削減分(単位排出削減量)の推定値が予め与えられており、情報提供サーバ1はこの単位排出削減量に印刷物のページ数を乗ずることで総排出削減量(来場者総排出削減量、参加者総排出削減量、イベント総排出削減量)を算出する。
【0068】
情報提供サーバ1は、算出した来場者総排出削減量を含むように来場者DB25の該当する来場者情報(図4A)を更新し、算出した参加者総排出削減量を含むように参加者DB26の該当する参加者情報(図4B)を更新し、算出したイベント総排出削減量を含むように、イベント情報27(図4C)を更新する。
【0069】
図7に戻る。
来場者端末装置5は、来場者の指示に応じて、温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出量の削減に関連する情報の表示を情報提供サーバ1に要求する(ST230)。この要求を受けた情報提供サーバ1は、例えば図9Aに示すような画面を表示させるための表示情報を生成し、来場者端末装置5に送信する(ST235)。来場者端末装置5は、表示情報に応じた画面を表示する(ST240)。
【0070】
図9Aの例に示す画面は、来場者が閲覧した資料(デジタル配布物)の数、来場者総ページ数、来場者総排出削減量を含む。また、この画面は、全来場者における来場者総排出削減量の順位、イベント全体のイベント総ページ数、イベント総排出削減量、イベント総排出削減量に対する来場者総排出削減量の割合(貢献度)を含む。
【0071】
他方、参加者端末装置6は、参加者の指示に応じて、温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出量の削減に関連する情報の表示を情報提供サーバ1に要求する(ST245)。この要求を受けた情報提供サーバ1は、例えば図9Bに示すような画面を表示させるための表示情報を生成し、参加者端末装置6に送信する(ST250)。参加者端末装置6は、表示情報に応じた画面を表示する(ST255)。
【0072】
図9Bに示す画面は、来場者によって資料(デジタル配布物)が閲覧された回数、参加者総ページ数、参加者総排出削減量を含む。また、この画面は、全参加者における参加者総排出削減量の順位、イベント全体のイベント総ページ数、イベント総排出削減量、イベント総排出削減量に対する参加者総排出削減量の割合(貢献度)を含む。
【0073】
また、関係者端末装置7は、イベントの開催や運営に関わる関係者の指示に応じて、温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出量の削減に関連する情報の表示を情報提供サーバ1に要求する(ST260)。この要求を受けた情報提供サーバ1は、例えば図9C図9Dに示すような画面を表示させるための表示情報を生成し、関係者端末装置7に送信する(ST265)。関係者端末装置7は、表示情報に応じた画面を表示する(ST270)。
【0074】
図9Cに示す画面は、イベントの主催者用の画面であり、今回開催したイベントにおけるイベント総ページ数及びイベント総排出削減量を含む。また、この画面は、過去に主催したイベントにおけるイベント総排出削減量の順位、過去に主催したイベントの回数、過去に主催したイベントにおけるイベント総ページ数の累計値、過去に主催したイベントにおけるイベント総排出削減量の累計値を含む。
他方、図9Dに示す画面は、イベントの運営者用の画面であり、最近運営したイベントにおけるイベント総ページ数及びイベント総排出削減量を含む。また、この画面は、過去に運営したイベントの回数、過去に運営したイベントにおけるイベント総ページ数の累計値、過去に運営したイベントにおけるイベント総排出削減量の累計値を含む。
【0075】
(変形例)
次に、本実施形態に係る情報提供サーバ1において総排出削減量(来場者総排出削減量、参加者総排出削減量、イベント総排出削減量)を算出する処理の一変形例を説明する。
【0076】
図10Aは、配布物情報に含まれる情報の一変形例を説明するための図である。図10Bは、温室効果ガスの総排出削減量の算出に関わる処理の一変形例を説明するためのフローチャートであり、図8に示すフローチャートにおけるステップST320を削除し、ステップST325をステップST325Aに置き換えたものである。
【0077】
この変形例における配布物情報は、図10Aに示すように、排出削減量を含んでいる。排出削減量は、配布物IDに対応する一のデジタル配布物を一の印刷物の代わりに来場者へ提供することによる温室効果ガスの排出量の減少分を示す。情報提供サーバ1は、ステップST315において配布物提供情報を配布物提供DB24に登録した場合、この配布物提供情報に含まれる排出削減量に基づいて、総排出削減量(来場者総排出削減量、参加者総排出削減量、イベント総排出削減量)を算出する。
【0078】
具体的には、情報提供サーバ1は、ステップST300でデジタル配布物を提供した来場者の来場者情報(図4A)を来場者DB25において検索し、ステップST315で生成した配布物提供情報に含まれる排出削減量を、この検索した来場者情報の来場者総排出削減量に加算することで、当該来場者の最新の来場者総排出削減量を算出する。
また情報提供サーバ1は、ステップST300で提供したデジタル配布物に関連する参加者の参加者情報(図4B)を参加者DB26において検索し、ステップST315で生成した配布物提供情報に含まれる排出削減量を、この検索した参加者情報の参加者総排出削減量に加算することで、当該参加者の最新の参加者総排出削減量を算出する。
更に情報提供サーバ1は、ステップST315で生成した配布物提供情報に含まれる排出削減量をイベント情報27(図4C)のイベント総排出削減量に加算することにより、最新のイベント総排出削減量を算出する。
【0079】
なお、情報提供サーバ1は、配布物提供情報(図10A)に含まれる排出削減量を、ステップST135(図6)において配布物提供情報を生成する際に算出してもよい。
例えば情報提供サーバ1は、ステップST130において参加者端末装置6から一のデジタル配布物の登録を要求される場合に、当該デジタル配布物を印刷物の代わりに来場者へ提供することによる排出削減量に関連する情報(デジタル配布物に相当する印刷物のページ数、紙面の大きさなど)を、排出削減量関連情報として参加者端末装置6から取得する。情報提供サーバ1は、この取得した排出削減量関連情報に基づいて、当該デジタル配布物を印刷物の代わりに来場者へ提供することによる排出削減量を算出し、算出した排出削減量を含む配布物情報を生成して配布物DB23に登録する(ST135)。
この変形例におけるステップST135は、本発明の配布物情報生成工程の一例である。
【0080】
以上説明したように、配布物DB23に登録される複数の配布物情報には、一の配布物を紙の印刷物の代わりに来場者へ提供することによる温室効果ガスの排出削減量を示す情報、又は、この排出削減量に関連する情報がそれぞれ含まれる。一の来場者へ一のデジタル配布物が提供された場合、当該来場者へ当該デジタル配布物が提供されたことを示す情報を含んだ一の配布物提供情報が生成され、配布物提供DB24に登録される。そして、本実施形態では、配布物DB23に登録される複数の配布物情報と、配布物提供DB24に登録される複数の配布物提供情報とに基づいて、来場者、参加者、イベント全体のそれぞれについての総排出削減量(来場者総排出削減量、参加者総排出削減量、イベント総排出削減量)が算出される。これにより、デジタル配布物の利用によって実現される温室効果ガスの排出量の減少分を具体的な数値で表すことが可能となる。従って、イベントの来場者や参加者、関係者に対して、紙の印刷物の代わりにデジタル配布物を利用することについての動機付けを与えることができる。
【0081】
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0082】
例えば、上述した実施形態では情報提供サーバ1においてデジタル配布物を来場者に提供する処理が行われているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態では、デジタル配布物を来場者に提供する処理が情報提供サーバ1とは別のサーバで実行されてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1…情報提供サーバ、11…通信部、12…記憶部、121…プログラム、13…処理部、2…記憶装置、21…検知履歴DB、22…対象DB、23…配布物DB、24…配布物提供DB、25…来場者DB、26…参加者DB、27…イベント情報、28…配布物、3…主催者サーバ、5…来場者端末装置、6…参加者端末装置、7…関係者端末装置、8A…来場者検知装置、8B…ID読み取り装置、9…通信ネットワーク
【要約】
【課題】イベントにおいて紙の印刷物の代わりにデジタルデータの配布物を利用することについての動機付けを与えることができる方法、プログラム及びサーバを提供する。
【解決手段】配布物DB23に登録される複数の配布物情報には、一の配布物を紙の印刷物の代わりに来場者へ提供することによる温室効果ガスの排出削減量を示す情報、又は、この排出削減量に関連する情報がそれぞれ含まれる。情報提供サーバ1では、一の来場者へ一のデジタル配布物が提供された場合、当該来場者へ当該デジタル配布物が提供されたことを示す情報を含んだ一の配布物提供情報が生成され、配布物提供DB24に登録される。また情報提供サーバ1では、配布物DB23に登録される複数の配布物情報と、配布物提供DB24に登録される複数の配布物提供情報とに基づいて、来場者、参加者、イベント全体のそれぞれについて総排出削減量が算出される。
【選択図】図1
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