(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】表示装置およびその駆動方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20230605BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20230605BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20230605BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
G09G3/36
G02F1/133 550
G02F1/1368
G09G3/20 611A
G09G3/20 612T
G09G3/20 621B
G09G3/20 622D
G09G3/20 624B
G09G3/20 624D
(21)【出願番号】P 2019063247
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 宏宜
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0249509(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0055817(US,A1)
【文献】国際公開第2008/026350(WO,A1)
【文献】特許第7118794(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G02F 1/133 , 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1走査線と、
第2走査線と、
信号線と、
容量配線と、
画素電極、前記容量配線に接続される第1透明電極、前記画素電極と静電容量結合している第2透明電極、第1
薄膜トランジスタ、および第2
薄膜トランジスタを有する画素と、
前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタのそれぞれのオンオフを切り替えるために前記第1走査線に第1制御信号を与え、前記第2薄膜トランジスタのオンオフを切り替えるために前記第2走査線に第2制御信号を与え、前記信号線に画像信号を与え、前記容量配線に補助電圧を与える駆動部と、
前記画素の一部を構成する共通電極と、
前記画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかる表示機能層と、
を具備し、
前記第1透明電極は前記第2透明電極と静電容量結合し、
前記第1
薄膜トランジスタは前記信号線と前記画素電極と前記第1走査線に電気的に接続され、
前記第2
薄膜トランジスタは前記信号線と前記第2透明電極と前記第2走査線に電気的に接続され
、
前記駆動部は、
第1駆動期間に、前記第1薄膜トランジスタをオンし、前記第2薄膜トランジスタをオフし、前記画像信号を前記信号線および前記第1薄膜トランジスタを介して前記画素電極に与え、
前記第1駆動期間に続く第2駆動期間に、前記第1薄膜トランジスタをオフし、前記第2薄膜トランジスタをオンし、前記画像信号を前記信号線および前記第2薄膜トランジスタを介して前記第2透明電極に与え、
前記第1駆動期間および前記第2駆動期間とは別の所定期間に、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタをオンし、前記共通電極に与えるコモン電圧を、前記信号線、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタを介して前記画素電極および前記第2透明電極に与える、
表示装置。
【請求項2】
第1走査線と、
第2走査線と、
信号線と、
容量配線と、
画素電極、前記容量配線に接続される第1透明電極、前記画素電極と静電容量結合している第2透明電極、第1薄膜トランジスタ、および第2薄膜トランジスタを有する画素と、
前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタのそれぞれのオンオフを切り替えるために前記第1走査線に第1制御信号を与え、前記第2薄膜トランジスタのオンオフを切り替えるために前記第2走査線に第2制御信号を与え、前記信号線に画像信号を与え、前記容量配線に補助電圧を与える駆動部と、
前記画素の一部を構成する共通電極と、
前記画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかる表示機能層と、
を具備し、
前記第1透明電極は前記第2透明電極と静電容量結合し、
前記第1薄膜トランジスタは前記信号線と前記画素電極と前記第1走査線に電気的に接続され、
前記第2薄膜トランジスタは前記信号線と前記第2透明電極と前記第2走査線に電気的に接続され、
前記駆動部は、
第1駆動期間に、前記第1薄膜トランジスタをオンし、前記第2薄膜トランジスタをオフし、前記画像信号を前記信号線および前記第1薄膜トランジスタを介して前記画素電極に与え、
前記第1駆動期間に続く第2駆動期間に、前記第1薄膜トランジスタをオフし、前記第2薄膜トランジスタをオンし、前記画像信号を前記信号線および前記第2薄膜トランジスタを介して前記第2透明電極に与え、
前記第1駆動期間に含まれる所定期間に、前記第1
薄膜トランジスタおよび前記第2
薄膜トランジスタをオンし、前記共通電極に与えるコモン電圧を、前記信号線、前記第1
薄膜トランジスタおよび前記第2
薄膜トランジスタを介して前記画素電極および前記第2透明電極に与え、
前記所定期間に続く残りの第1駆動期間においては、前記第2
薄膜トランジスタをオフする、
表示装置。
【請求項3】
前記第1走査線、前記第2走査線、前記信号線、前記容量配線、前記画素電極、前記第1透明電極、前記第2透明電極、前記第1
薄膜トランジスタ、および前記第2
薄膜トランジスタを有する第1基板と、
前記共通電極を有する第2基板と
をさらに具備し、
前記表示機能層は、リバース型高分子分散液晶を利用した液晶層である、
請求項
1または請求項
2に記載の表示装置。
【請求項4】
1フレーム期間は連続する複数のサブフレーム期間を有し、
前記駆動部は、1サブフレーム期間毎に、前記画素電極に正極性の前記画像信号と負極性の前記画像信号とを交互に与え、前記コモン電圧の極性を前記画像信号の極性と異なる極性に設定する、
請求項
3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記補助電圧の値は、前記コモン電圧の値と同一である、
請求項
1乃至請求項
4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
第1走査線と、第2走査線と、信号線と、容量配線と、画素電極、前記容量配線に接続される第1透明電極、前記画素電極と静電容量結合している第2透明電極、第1
薄膜トランジスタ、および第2
薄膜トランジスタを有する画素と、
前記画素の一部を構成する共通電極と、前記画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかる表示機能層と、を有し、前記第1透明電極は前記第2透明電極と静電容量結合し、前記第1
薄膜トランジスタは前記信号線と前記画素電極と前記第1走査線に電気的に接続され、前記第2
薄膜トランジスタは前記信号線と前記第2透明電極と前記第2走査線に電気的に接続される、表示装置の駆動方法であって、
前記第1
薄膜トランジスタおよび前記第2
薄膜トランジスタのそれぞれのオンオフを切り替えるために前記第1走査線に第1制御信号を与えることと、
前記第2
薄膜トランジスタのオンオフを切り替えるために前記第2走査線に第2制御信号を与えることと、
前記信号線に画像信号を与えることと、
前記容量配線に補助電圧を与えることと、
第1駆動期間に、前記第1
薄膜トランジスタをオンし、前記第2
薄膜トランジスタをオフし、前記画像信号を前記信号線および前記第1
薄膜トランジスタを介して前記画素電極に与えることと、
前記第1駆動期間に続く第2駆動期間に、前記第1
薄膜トランジスタをオフし、前記第2
薄膜トランジスタをオンし、前記画像信号を前記信号線および前記第2
薄膜トランジスタを介して前記第2透明電極に与えることと、
前記第1駆動期間および前記第2駆動期間とは別の所定期間に、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタをオンし、前記共通電極に与えるコモン電圧を、前記信号線、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタを介して前記画素電極および前記第2透明電極に与えることと、
を具備する、表示装置の駆動方法。
【請求項7】
第1走査線と、第2走査線と、信号線と、容量配線と、画素電極、前記容量配線に接続される第1透明電極、前記画素電極と静電容量結合している第2透明電極、第1薄膜トランジスタ、および第2薄膜トランジスタを有する画素と、前記画素の一部を構成する共通電極と、前記画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかる表示機能層と、を有し、前記第1透明電極は前記第2透明電極と静電容量結合し、前記第1薄膜トランジスタは前記信号線と前記画素電極と前記第1走査線に電気的に接続され、前記第2薄膜トランジスタは前記信号線と前記第2透明電極と前記第2走査線に電気的に接続される、表示装置の駆動方法であって、
前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタのそれぞれのオンオフを切り替えるために前記第1走査線に第1制御信号を与えることと、
前記第2薄膜トランジスタのオンオフを切り替えるために前記第2走査線に第2制御信号を与えることと、
前記信号線に画像信号を与えることと、
前記容量配線に補助電圧を与えることと、
第1駆動期間に、前記第1薄膜トランジスタをオンし、前記第2薄膜トランジスタをオフし、前記画像信号を前記信号線および前記第1薄膜トランジスタを介して前記画素電極に与えることと、
前記第1駆動期間に続く第2駆動期間に、前記第1薄膜トランジスタをオフし、前記第2薄膜トランジスタをオンし、前記画像信号を前記信号線および前記第2薄膜トランジスタを介して前記第2透明電極に与えることと、
前記第1駆動期間に含まれる所定期間に、前記第1
薄膜トランジスタおよび前記第2
薄膜トランジスタをオンし、前記共通電極に与えるコモン電圧を、前記信号線、前記第1
薄膜トランジスタおよび前記第2
薄膜トランジスタを介して前記画素電極および前記第2透明電極に与えることと、
前記所定期間に続く残りの第1駆動期間においては、前記第2
薄膜トランジスタをオフすることと、
を具備する
、表示装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置およびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話端末やパーソナルコンピュータ等の電子機器に搭載される表示装置として、液晶表示装置が広く利用されている。例えば、液晶表示装置は、互いに対向して配置されたアレイ基板および対向基板と、これら両基板間に挟持された液晶層と、マトリクス状に配置された複数の画素と、複数の画素を駆動する駆動回路と、を備えている。
【0003】
アレイ基板には、各画素に対応するように画素電極がマトリクス状に配置されている。対向基板には、複数の画素電極と対向するように対向電極が配置されている。液晶層に含まれる液晶分子は、画素電極に印加される電圧と対向電極に印加される電圧とによって、液晶分子の配向状態が制御される。
【0004】
液晶層は、長時間同じ電圧(直流電圧)が印加されていると、液晶層の傾きが固定され、その結果として残像現象を引き起こし、液晶層の寿命を縮めることになる。これを防止するために、液晶表示装置においては、液晶層に印加する電圧をある一定時間毎に交流化、すなわち、対向電極に印加する電圧を基準にして、画素電極に印加する電圧を一定時間毎に正電圧側および負電圧側に変化させるようにしている。すなわち、極性反転駆動を行っている。
【0005】
このように液晶層に交流電圧を印加する駆動方法として、画素スイッチが非導通状態の期間に、補助容量線の電圧を制御し、信号線に供給する信号電位の変化量より、画素電極電位の変化量を大きくする容量結合(CC: Capacity Coupling)駆動方式が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、低消費電力化を図ることが可能な表示装置および表示装置の駆動方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る表示装置は、第1走査線と、第2走査線と、信号線と、容量配線と、画素電極、前記容量配線に接続される第1透明電極、前記画素電極と静電容量結合している第2透明電極、第1薄膜トランジスタ、および第2薄膜トランジスタを有する画素と、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタのそれぞれのオンオフを切り替えるために前記第1走査線に第1制御信号を与え、前記第2薄膜トランジスタのオンオフを切り替えるために前記第2走査線に第2制御信号を与え、前記信号線に画像信号を与え、前記容量配線に補助電圧を与える駆動部と、前記画素の一部を構成する共通電極と、前記画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかる表示機能層と、を具備し、前記第1透明電極は前記第2透明電極と静電容量結合し、前記第1薄膜トランジスタは前記信号線と前記画素電極と前記第1走査線に電気的に接続され、前記第2薄膜トランジスタは前記信号線と前記第2透明電極と前記第2走査線に電気的に接続され、前記駆動部は、第1駆動期間に、前記第1薄膜トランジスタをオンし、前記第2薄膜トランジスタをオフし、前記画像信号を前記信号線および前記第1薄膜トランジスタを介して前記画素電極に与え、前記第1駆動期間に続く第2駆動期間に、前記第1薄膜トランジスタをオフし、前記第2薄膜トランジスタをオンし、前記画像信号を前記信号線および前記第2薄膜トランジスタを介して前記第2透明電極に与え、前記第1駆動期間および前記第2駆動期間とは別の所定期間に、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタをオンし、前記共通電極に与えるコモン電圧を、前記信号線、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタを介して前記画素電極および前記第2透明電極に与える。
【0009】
また、一実施形態に係る表示装置の駆動方法は、第1走査線と、第2走査線と、信号線と、容量配線と、画素電極、前記容量配線に接続される第1透明電極、前記画素電極と静電容量結合している第2透明電極、第1薄膜トランジスタ、および第2薄膜トランジスタを有する画素と、前記画素の一部を構成する共通電極と、前記画素電極と前記共通電極との間に印加される電圧がかかる表示機能層と、を有し、前記第1透明電極は前記第2透明電極と静電容量結合し、前記第1薄膜トランジスタは前記信号線と前記画素電極と前記第1走査線に電気的に接続され、前記第2薄膜トランジスタは前記信号線と前記第2透明電極と前記第2走査線に電気的に接続される、表示装置の駆動方法であって、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタのそれぞれのオンオフを切り替えるために前記第1走査線に第1制御信号を与えることと、前記第2薄膜トランジスタのオンオフを切り替えるために前記第2走査線に第2制御信号を与えることと、前記信号線に画像信号を与えることと、前記容量配線に補助電圧を与えることと、第1駆動期間に、前記第1薄膜トランジスタをオンし、前記第2薄膜トランジスタをオフし、前記画像信号を前記信号線および前記第1薄膜トランジスタを介して前記画素電極に与えることと、前記第1駆動期間に続く第2駆動期間に、前記第1薄膜トランジスタをオフし、前記第2薄膜トランジスタをオンし、前記画像信号を前記信号線および前記第2薄膜トランジスタを介して前記第2透明電極に与えることと、前記第1駆動期間および前記第2駆動期間とは別の所定期間に、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタをオンし、前記共通電極に与えるコモン電圧を、前記信号線、前記第1薄膜トランジスタおよび前記第2薄膜トランジスタを介して前記画素電極および前記第2透明電極に与えることと、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る表示装置の構成例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した表示装置の主要な構成要素を示す図である。
【
図4】
図4は、
図3に示したレベル変換回路およびVcom引き込み回路を説明するための図である。
【
図7】
図7は、
図6に示した線VII-VIIに沿った断面を示す図である。
【
図8】
図8は、
図6に示した線VIII-VIIIに沿った断面を示す図である。
【
図9C】
図9Cは、サブフレーム反転駆動の概要を示す図である。
【
図10】
図10は、表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【
図11】
図11は、n行m列に位置する画素電極に正極性の画像信号を書き込む例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図12】
図12は、比較例に係る画素を示す等価回路図である。
【
図13】
図13は、n行m列に位置する画素電極に負極性の画像信号を書き込む例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図14】
図14は、n行m列に位置する画素電極に正極性の画像信号を書き込む別の例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図15】
図15は、n行m列に位置する画素電極に負極性の画像信号を書き込む別の例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図16】
図16は、変形例に係る表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【
図17】
図17は、変形例に係る表示装置の駆動方法により、n行m列に位置する画素電極に正極性の画像信号を書き込む例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図18】
図18は、変形例に係る表示装置の駆動方法により、n行m列に位置する画素電極に負極性の画像信号を書き込む例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図19】
図19は、変形例に係る表示装置の駆動方法により、n行m列に位置する画素電極に正極性の画像信号を書き込む別の例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図20】
図20は、変形例に係る表示装置の駆動方法により、n行m列に位置する画素電極に負極性の画像信号を書き込む別の例を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実施の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0012】
本実施形態においては、表示装置の一例として、高分子分散型液晶を適用した液晶表示装置について説明する。表示装置は、例えば、デジタルサイネージ、スマートフォン、タブレット端末、携帯電子端末等の種々の装置に用いることができる。
【0013】
図1は、一実施形態における表示装置DSPの構成例を示す平面図である。
図1に示すように、第1方向Xおよび第2方向Yは互いに交差する方向であり、第3方向Zは第1方向Xおよび第2方向Yと交差する方向である。第1方向Xは、列方向に相当し、第2方向Yは、行方向に相当している。一例では、第1方向X、第2方向Y、および第3方向Zは、互いに直交しているが、互いに90度以外の角度で交差していても良い。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を上方(あるいは、単に上)と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を下方(あるいは、単に下)と称する。
【0014】
表示装置DSPは、表示パネルPNL、配線基板F1,F2等を備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DA、および表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAを備えている。表示パネルPNLは、n本の第1走査線Ga(Ga1~Gan)、n本の第2走査線Gb(Gb1~Gbn)、m本の信号線S(S1~Sm)等を備えている。なお、nおよびmはいずれも正の整数であり、nがmと等しくても良いし、nがmとは異なっていても良い。複数の第1走査線Gaおよび複数の第2走査線Gbは、表示領域DAにて、それぞれ第1方向Xに延在し、第2方向Y(行方向)に1行目、2行目、3行目・・・と間隔をおいて並んでいる。複数の信号線Sは、表示領域DAにて、それぞれ第2方向Yに延在し、第1方向X(列方向)に1列目、2列目、3列目・・・と間隔をおいて並んでいる。
【0015】
表示パネルPNLは、複数の第1接続配線CW1および複数の第2接続配線CW2を備えている。複数の第1接続配線CW1は、非表示領域NDAに設けられ、第1走査線Ga、第2走査線Gb、および信号線Sのいずれか一つに電気的に接続されている。本実施形態において、第1接続配線CW1は、信号線Sと同一の材料で形成されている。複数の第2接続配線CW2は、非表示領域NDAに設けられ、複数の第1接続配線CW1に1対1で接続されている。本実施形態において、第2接続配線CW2は、第1走査線Gaおよび第2走査線Gbと同一の材料で形成されている。
【0016】
また、これに限らず複数の第1接続配線CW1は第1走査線Gaおよび第2走査線Gbと同一の材料で形成されても良く、さらには後述する容量配線Csと同一の材料で形成されても良い。
【0017】
表示パネルPNLは、第1方向Xに延在する端辺En1,En2と、第2方向Yに延在する端辺En3,En4と、を有している。本実施形態において、端辺En1,En2はそれぞれ長辺であり、端辺En3,En4はそれぞれ短辺である。
【0018】
走査線駆動回路GD1,GD2、および信号線駆動回路SD1,SD2,SD3は、表示パネルPNLの非表示領域NDAに実装されている。本実施形態において、走査線駆動回路GD1、信号線駆動回路SD1、信号線駆動回路SD2、信号線駆動回路SD3、および走査線駆動回路GD2は、表示領域DAと端辺En2との間に位置し、第1方向Xに順に並んでいる。走査線駆動回路GD1,GD2、および信号線駆動回路SD1,SD2,SD3は、それぞれ複数の第2接続配線CW2と電気的に接続されている。
【0019】
配線基板F1は、表示パネルPNLおよび配線基板F2に接続されている。配線基板F1は、走査線駆動回路GD1,GD2、および信号線駆動回路SD1,SD2,SD3と電気的に接続されている。配線基板F2は、タイミングコントローラTCや電源回路PC等を備えている。配線基板F1は、配線基板F2のコネクタCTに接続されている。なお、配線基板F1,F2は、単一の配線基板に置換されても良い。上記した走査線駆動回路GD1,GD2、信号線駆動回路SD1,SD2,SD3、およびタイミングコントローラTCは、本実施形態の駆動部DRを構成している。駆動部DRは、第1走査線Ga、第2走査線Gb、信号線S、後述する容量配線、および後述する共通電極のそれぞれの駆動を制御するように構成されている。
【0020】
また、走査線駆動回路GD1,GD2、および信号線駆動回路SD1,SD2,SD3は、例えばドライバICであり、ドライバICの走査線駆動回路GD1,GD2および信号線駆動回路SD1,SD2,SD3は表示パネルPNLに実装される例に限らず、配線基板F1もしくは配線基板F2に実装される構造であっても良い。
【0021】
図示した例では、端辺En1の側から奇数番目の第1走査線Ga1,…,Ga(n-1)および第2走査線Gb1,…,Gb(n-1)が走査線駆動回路GD1に接続され、偶数番目の第1走査線Ga2,…,Ganおよび第2走査線Gb2,…,Gbnが走査線駆動回路GD2に接続されている。但し、第1走査線Gaおよび第2走査線Gbと、走査線駆動回路GD1,GD2との接続関係は図示した例に限定されるものではない。例えば、走査線駆動回路GD1,GD2を単一の走査線駆動回路に置換し、全ての第1走査線Gaおよび全ての第2走査線Gbを単一の走査線駆動回路に接続しても良い。信号線Sと、信号線駆動回路SD1,SD2,SD3との接続関係も図示した例に限定されるものではない。信号線駆動回路SD1,SD2,SD3を単一の信号線駆動回路に置換し、全ての信号線Sを単一の信号線駆動回路に接続しても良い。
【0022】
図2は、
図1に示した表示装置DSPの断面図である。ここでは、第2方向Yおよび第3方向Zによって規定されるY-Z平面における表示装置DSPの断面において、主要部のみを説明する。
【0023】
図2に示すように、表示パネルPNLは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、表示機能層としての液晶層30等を備えている。第1基板SUB1は、透明基板10、画素電極PE、配向膜AF1等を備えている。第2基板SUB2は、透明基板20、共通電極CE、配向膜AF2等を備えている。画素電極PEおよび共通電極CEは、例えばインジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)等の透明な導電材料によって形成されている。
【0024】
液晶層30は、少なくとも表示領域DAに位置している。液晶層30は、高分子分散液晶を含み、配向膜AF1と配向膜AF2との間に位置している。本実施形態の液晶層30は、リバース型高分子分散液晶(R-PDLC: reverse mode polymer dispersed liquid crystal)を利用している。上記の液晶層30は、印加される電圧が低い場合に入射される光の平行度を維持し、印加される電圧が高い場合に入射される光を散乱させる。第1基板SUB1および第2基板SUB2は、シール材40によって接合されている。第1基板SUB1は、透明基板20の端部20Eよりも第2方向Yに延出した延出部EXを有している。
【0025】
配線基板F1は、第1基板SUB1の延出部EXに実装され、延出部EXに物理的に固定されている。延出部EXは第1基板SUB1が第2基板SUB2から露出された(もしくは重畳しない)部分である。また、配線基板F1は、延出部EXの図示しないパッドに電気的に接続されている。なお、上記パッドは、上記した走査線駆動回路GD1,GD2、および信号線駆動回路SD1,SD2,SD3と電気的に接続されている。
【0026】
光源ユニットLUは、表示領域DAの外側の非表示領域NDAに位置している。光源ユニットLUは、発光素子LS、配線基板F3等を備えている。発光素子LSは、配線基板F3に接続され、延出部EXの上に位置している。発光素子LSは、端部20Eと対向する発光部(発光面)EMを有している。発光部EMから出射された照明光は、端部20Eに入射し、表示パネルPNLを伝播する。
【0027】
図3は、
図1に示した表示装置DSPの主要な構成要素を示す図である。
図3に示すように、表示装置DSPは、図中に破線で示すコントローラCNTを備えている。コントローラCNTは、タイミングコントローラTC、走査線駆動回路GD1,GD2、信号線駆動回路SD1,SD2,SD3、Vcom回路VC、補助回路AC、レベル変換回路(L/S回路)LSC、Vcom引き込み回路LIC、および光源ドライバLSD等を含んでいる。なお、レベル変換回路LSCおよびVcom引き込み回路LICについては、
図4と共に後述するため、ここではその詳しい説明は省略する。
【0028】
タイミングコントローラTCは、外部から入力された画像データや同期信号等に基づいて各種信号を生成する。一例では、タイミングコントローラTCは、画像データに基づき、所定の信号処理を行って生成した画像信号(例えば、映像信号)を信号線駆動回路SD1,SD2,SD3に出力する。また、タイミングコントローラTCは、同期信号に基づいて生成した制御信号を、走査線駆動回路GD1,GD2、信号線駆動回路SD1,SD2,SD3、Vcom回路VC、補助回路AC、レベル変換回路LSC、および光源ドライバLSDにそれぞれ出力する。タイミングコントローラTCの詳細については後述する。
【0029】
図中に二点鎖線で示す表示領域DAは、複数の画素PXを備えている。複数の画素PXは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に設けられている。各画素PXは、第1走査線Ga、第2走査線Gb、信号線S、および容量配線Csと電気的に接続されている。なお、n本の容量配線Cs(Cs1~Csn)は、表示領域DAにて、それぞれ第1方向Xに延在し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。
【0030】
共通電極CEは表示領域DAに位置している。共通電極CEは、複数の画素PXで共用されている。共通電極CEは、画素PXの一部を構成している。第1走査線Gaの各々には、走査線駆動回路GD1またはGD2から第1制御信号が与えられる。第2走査線Gbの各々には、走査線駆動回路GD1またはGD2から第2制御信号が与えられる。信号線Sの各々には、信号線駆動回路SD1、SD2またはSD3から画像信号(映像信号)が与えられる。共通電極CEには、Vcom回路VCからコモン電圧Vcomが与えられる。容量配線Csには、補助回路ACから補助電圧Va(例えば、コモン電圧Vcomと同一の電圧)が与えられる。
【0031】
本実施形態において、複数の信号線Sは、セレクタ回路を介すること無しに信号線駆動回路SDと接続されている。そのため、信号線駆動回路SDは、全ての信号線Sに画像信号を同時に与えることができる。但し、本実施形態と異なり、複数の信号線Sは、セレクタ回路を介して信号線駆動回路SDと接続されていても良い。この場合、複数の信号線Sは時分割的に駆動され、複数の信号線Sには、時分割的に画像信号が与えられる。
【0032】
また、走査線駆動回路GD1,GD2はドライバICの例に限らず、第1基板SUB1上に形成されたゲート内蔵回路であっても良く、信号線駆動回路SDに接続されるセレクタ回路も第1基板SUB1上に形成された内蔵回路であっても良い。
【0033】
光源ユニットLUは、液晶層30に無彩色以外の色の光を照射するように構成されている。光源ユニットLUは、複数色の発光素子LSを備えている。例えば、光源ユニットLUは、液晶層30に第1色の光を照射する発光素子(第1発光素子)LSRと、液晶層30に第2色の光を照射する発光素子(第2発光素子)LSGと、液晶層30に第3色の光を照射する発光素子(第3発光素子)LSBと、を備えている。上記の第1色、第2色、および第3色が、互いに異なる色であることは言うまでもない。本実施形態において、第1色は赤色、第2色は緑色、第3色は青色である。光源ドライバLSDは、これらの発光素子LSR、LSG、LSBの点灯期間を制御する。後に詳述するが、1フレーム期間が複数のサブフレーム期間を有する駆動方式においては、各サブフレームにおいて3つの発光素子LSR、LSG、LSBのうちの少なくとも一つが点灯し、サブフレーム毎に照明光の色が切り替えられる。
【0034】
また、光源ユニットLUは、上述のように第1色、第2色、第3色の発光素子LSを備えたカラー表示用に限らず、白色の発光素子のみを備え、モノクロ表示に用いるものであっても良い。
【0035】
ここで、
図4を参照して、
図3に示したレベル変換回路LSCおよびVcom引き込み回路LICについて説明する。
Vcom回路VCから供給されるコモン電圧Vcomは、共通電極CEに供給されると共に、Vcom引き込み回路LICにも供給される。Vcom引き込み回路LICは、信号線駆動回路SDと各信号線Sとの間に介在している。Vcom引き込み回路LICは、信号線駆動回路SDから出力される画像信号を各信号線Sに供給する。また、Vcom引き込み回路LICは、Vcom回路VCからのコモン電圧Vcomを各信号線Sに供給する。
【0036】
Vcom引き込み回路LICは、
図4に示すように、スイッチング素子SWI1~SWImを備えている。スイッチング素子SWI1~SWImは、例えば表示パネルPNLの第1基板SUB1に配置されている。スイッチング素子SWI1~SWImの入力端(ソース)には配線LN1が接続され、出力端(ドレイン)には各信号線S1~Smがそれぞれ接続され、制御端(ゲート)には配線LN2が接続されている。
【0037】
Vcom回路VCは、配線LN1にコモン電圧Vcomを供給する。この動作は、後述する垂直ブランク期間において行われる。Vcom引き込み回路LICがコモン電圧Vcomを信号線S1~Smに供給する際、信号線駆動回路SDの出力は、ハイ・インピーダンスに制御される。タイミングコントローラTCは、上記動作を実行する際に、制御信号をレベル変換回路LSCに出力する。レベル変換回路LSCは、この制御信号を所定レベルの電圧に変換して配線LN2に供給する。配線LN2に制御信号が供給されると、配線LN1と各信号線S1~Smとが導通し、配線LN1のコモン電圧Vcomが各信号線S1~Smに供給される。
【0038】
なお、
図3および
図4では、コントローラCNTがレベル変換回路LSCおよびVcom引き込み回路LICを備えている場合を例示したが、これに限定されず、レベル変換回路LSCおよびVcom引き込み回路LICの代わりに、信号線Sに対してコモン電圧Vcomを供給可能な回路が信号線駆動回路SDに別途設けられても良い。
【0039】
次に、上記した複数の画素PXを代表し、j行i列に位置する1画素PX(j,i)について説明する。なお、複数の画素PXは、同様に構成されている。
図5は、
図3に示した画素PXを示す等価回路図である。
【0040】
図5に示すように、画素PXは、画素電極PE、第1透明電極TE1、第2透明電極TE2、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、および共通電極CEを有している。
【0041】
共通電極CEには、駆動部DRからコモン電圧Vcomが与えられる。液晶層30には、画素電極PEと共通電極CEとの間に印加される電圧がかかる。第2透明電極TE2は、画素電極PEと静電容量結合している。換言すると、第2透明電極TE2および画素電極PEは、コンデンサCstを形成している。第1透明電極TE1は、容量配線Csjと電気的に接続され、また、第2透明電極TE2と静電容量結合している。換言すると、第1透明電極TE1および第2透明電極TE2は、コンデンサCmdを形成している。
【0042】
なお、2以上の画素電極PE同士は電気的に接続されない。同様に、2以上の第1透明電極TE1同士は電気的に接続されないし、2以上の第2透明電極TE2同士も電気的に接続されない。なぜなら、画素PXが異なると、画素電極PEの電位が異なったり、第1透明電極TE1の電位が異なったり、第2透明電極TE2の電位が異なったりすることがあり得るためである。
【0043】
第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチング素子で構成されている。本実施形態において、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、それぞれNチャネル型かつダブルゲート型のTFTである。
【0044】
第1スイッチSW1は、第1ゲート電極GE1、第1電極E1、および第2電極E2を有している。第1ゲート電極GE1は、第1走査線Gajに電気的に接続されている。第1電極E1は、信号線Siに接続されている。第2電極E2は、画素電極PEに電気的に接続されている。第1スイッチSW1のオンオフは、第1走査線Gajを介して与えられる第1制御信号Cajに基づいて切り替えられる。第1スイッチSW1がオンした状態、すなわち、第1スイッチSW1を構成するTFTが導通状態に切り替わった状態にて、駆動部DRが信号線Siに画像信号Vsigを出力すると、画像信号Vsigは、信号線Siおよび第1スイッチSW1を介して画素電極PEに与えられる。
【0045】
第2スイッチSW2は、第2ゲート電極GE2、第3電極E3、および第4電極E4を有している。第2ゲート電極GE2は、第2走査線Gbjに電気的に接続されている。第3電極E3は、信号線Siに接続されている。第4電極E4は、第2透明電極TE2に電気的に接続されている。第2スイッチSW2のオンオフは、第2走査線Gbjを介して与えられる第2制御信号Cbjに基づいて切り替えられる。第2スイッチSW2がオンした状態、すなわち、第2スイッチSW2を構成するTFTが導通状態に切り替わった状態にて、駆動部DRが信号線Siに画像信号Vsigを出力すると、画像信号Vsigは、信号線Siおよび第2スイッチSW2を介して第2透明電極TE2に与えられる。
【0046】
第2方向Yに並んだ各行の複数の画素PXは、複数の第1走査線Ga、複数の第2走査線Gb、および複数の容量配線Csのうち、対応する一つの第1走査線Ga、対応する一つの第2走査線Gb、および対応する一つの容量配線Csに共通して接続されている。例えば、j行目の複数の画素PXは、第1走査線Gaj、第2走査線Gbj、および容量配線Csjに共通して接続されている。
【0047】
第1方向Xに並んだ各列の複数の画素PXは、複数の信号線Sのうち、対応する一つの信号線Sに共通して接続されている。例えば、i列目の複数の画素PXは、信号線Siに共通して接続されている。
【0048】
図6は、表示装置DSPの表示パネルPNLの一部を示す平面図であり、画素PXを示す図である。なお、
図6において、後述する遮光層SH1,SH2の図示は省略している。
図6に示すように、容量配線Csjは、平面視にて、第2走査線Gbjより第1走査線Gajの近傍に位置し、第2透明電極TE2に距離を置いて位置している。第2方向Yにおいて、第1走査線Gajは、容量配線Csjと第2走査線Gbjとの間に位置している。本実施形態において、第2走査線Gbj-1、容量配線Csj、および第1走査線Gajは、第2方向Yに間隔を置いて設けられている。また、第2走査線Gbj、容量配線Csj+1、および第1走査線Gaj+1は、第2方向Yに間隔を置いて設けられている。
【0049】
平面視にて、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、実質的に第1走査線Gajと第2走査線Gbjとの間に位置し、実質的に信号線Siと信号線Si+1との間に位置している。上記のことから、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2は、実質的に、第1走査線Gaj、第2走査線Gbj、信号線Si、および信号線Si+1で囲まれた領域に位置している。第1走査線Gaj、第2走査線Gbj、信号線Si、および信号線Si+1で囲まれた領域とは、本実施例においては第1走査線Gaj、第2走査線Gbj、信号線Si、および信号線Si+1のそれぞれの配線幅の中心を通る仮想的な中心線で4辺を囲われる領域とする。
【0050】
画素電極PE、第1透明電極TE1および第2透明電極TE2は、平面視にて、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2のそれぞれと対向している。
【0051】
画素電極PEは四角形の形状を有し、容量配線Csj、容量配線Csj+1、信号線Siおよび信号線Si+1で囲まれた領域に位置している。容量配線Csj、容量配線Csj+1、信号線Siおよび信号線Si+1で囲まれた領域とは、本実施例においては容量配線Csj、容量配線Csj+1、信号線Siおよび信号線Si+1のそれぞれの配線幅の中心を通る仮想的な中心線で4辺を囲われる領域とする。本実施形態において、画素電極PEは、第1走査線Gajおよび第2走査線Gbjに重なり、容量配線Csj、容量配線Csj+1、信号線Siおよび信号線Si+1に重なっていない。
【0052】
第2透明電極TE2は、画素電極PEよりも小さく、その全面が画素電極PEと重なっている。換言すると、第2透明電極TE2は、容量配線Csj、容量配線Csj+1、信号線Siおよび信号線Si+1で囲まれた領域に位置する画素電極PEのそのさらに内側の領域に位置している。本実施形態において、第2透明電極TE2は、第2電極E2と対向する位置にノッチ部NT(切り欠き部)を有している。
【0053】
第1透明電極TE1は、表示パネルPNLの全面に亘って設けられている。第1透明電極TE1は、第1開口部OP1および第2開口部OP2を有している。第1開口部OP1は、画素電極PEを第1スイッチSW1にコンタクトさせるために用いられる。画素電極PEは、第1透明電極TE1の第1開口部OP1を通り、第1スイッチSW1の第2電極E2にコンタクトしている。第2開口部OP2は、第2透明電極TE2を第2スイッチSW2にコンタクトさせるために用いられる。第2透明電極TE2は、第1透明電極TE1の第2開口部OP2を通り、第2スイッチSW2の第4電極E4にコンタクトしている。
【0054】
第1スイッチSW1において、第1電極E1は、例えば、第1方向Xに延在し、第2方向Yに延在した信号線Siと一体に形成されている。第2電極E2は、例えば、第1方向Xに延在し、ノッチ部NTと対向し、画素電極PEに接続されている。第1ゲート電極GE1は、それぞれ、第1方向Xに延在し、第1電極E1と第2電極E2との間に位置し、第1方向Xに延在した第1走査線Gajと一体に形成されている。
【0055】
第1スイッチSW1の第1半導体層SMC1は、第1電極E1、第1ゲート電極GE1および第2電極E2のそれぞれと対向し、第2方向Yに連続的に延在している。
【0056】
第2スイッチSW2において、第3電極E3は、例えば、第2方向Yに延在し、第2方向Yに延在した信号線Siと一体に形成されている。第4電極E4は、例えば、第1方向Xに延在し、第2透明電極TE2に接続されている。第2ゲート電極GE2は、それぞれ、第2方向Yに延在し、第3電極E3と第4電極E4との間に位置し、第1方向Xに延在した第2走査線Gbjと一体に形成されている。
【0057】
第2スイッチSW2の第2半導体層SMC2は、第3電極E3、第2ゲート電極GE2および第4電極E4のそれぞれと対向し、第1方向Xに連続的に延在している。
【0058】
上記した第1電極E1~第4電極E4、および信号線Sは、同一の遮光性の金属材料で形成されている。例えば、第1電極E1~第4電極E4、および信号線Sは、それぞれ3層積層構造(Ti系/Al系/Ti系)が採用され、Ti(チタン)、Tiを含む合金等、Tiを主成分とする金属材料からなる下層と、Al(アルミニウム)、Alを含む合金等、Alを主成分とする金属材料からなる中間層と、Ti、Tiを含む合金等、Tiを主成分とする金属材料からなる上層と、を有している。
【0059】
第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2と、第1走査線Gaおよび第2走査線Gbとは、同一の遮光性の金属材料で形成されている。例えば、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2と、第1走査線Gaおよび第2走査線Gbとは、Al、Ti、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)等の金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金等によって形成され、単層構造であっても良いし、多層構造であっても良い。本実施形態において、第1ゲート電極GE1および第2ゲート電極GE2と、第1走査線Gaおよび第2走査線Gbとは、Moで形成されている。
【0060】
容量配線Csは、遮光性の金属材料で形成されている。例えば、容量配線Csは、3層積層構造(Mo系/Al系/Mo系)が採用され、Mo、Moを含む合金等、Moを主成分とする金属材料からなる下層と、Al、Alを含む合金等、Alを主成分とする金属材料からなる中間層と、Mo、Moを含む合金等、Moを主成分とする金属材料からなる上層と、を有している。
【0061】
第2透明電極TE2は、第2スイッチSW2、コンデンサCstおよびコンデンサCmdの共通のノードとして機能している。そのため、第2透明電極TE2が上記ノードとして機能していない場合と比較して、画素PXにおける、第2スイッチSW2の面積効率を高くすることができる。例えば、第4電極E4および第2透明電極TE2をつなぐ配線を減らすことができ、画素PXの開口面積を大きくとることができる。
【0062】
次に、表示パネルPNLの断面構造について説明する。
図7は、
図6の表示パネルPNLを線VII-VIIに沿って示す断面図である。なお、
図7においては、説明の便宜上、第1基板SUB1側の断面のみを図示し、液晶層30および第2基板SUB2側の断面の図示を省略している。
【0063】
図7に示すように、第1基板SUB1は、透明基板10、絶縁層11~17、遮光層SH1、第1半導体層SMC1、信号線Si(第1電極E1)、第1ゲート電極GE1、第2電極E2、第1透明電極TE1、容量配線Csj、第2透明電極TE2、画素電極PEおよび配向膜AF1、等を備えている。
【0064】
透明基板10は、絶縁性を有する透明基板としてガラス基板を利用することができる。但し、透明基板10にガラス基板以外の基板を利用しても良い。例えば、透明基板10は樹脂基板であっても良い。
【0065】
透明基板10の上に、絶縁層11~17が順に配置されている。絶縁層11~14,16,17は、シリコン酸化物やシリコン窒化物等の無機絶縁層、またはそれらの積層体で形成されている。絶縁層15は、有機絶縁層で形成されている。
【0066】
遮光層SH1は、絶縁層11の上に位置し、絶縁層12で覆われている。遮光層SH1は、金属材料で形成されているが、黒色樹脂等の遮光材料で形成されていても良い。
【0067】
第1半導体層SMC1は、絶縁層12の上に位置し、絶縁層13で覆われている。第1ゲート電極GE1は、絶縁層13の上に位置し、絶縁層14で覆われている。第1半導体層SMC1は、二つの第1チャネル領域RC1、第1低抵抗領域R1、および第2低抵抗領域R2を有している。第1チャネル領域RC1は、第1低抵抗領域R1と第2低抵抗領域R2との間に位置している。各々の第1チャネル領域RC1は、第1ゲート電極GE1と対向している。
【0068】
第1低抵抗領域R1は、信号線Si(第1電極E1)に電気的に接続され、第1チャネル領域RC1より低抵抗である。なお、信号線Si(第1電極E1)は、絶縁層13および絶縁層14を貫通し、第1低抵抗領域R1と対向する領域に位置した1以上のコンタクトホールCH1を通り、第1低抵抗領域R1に電気的に接続されている。
【0069】
第2低抵抗領域R2は、第2電極E2に電気的に接続され、第1チャネル領域RC1より低抵抗である。なお、第2電極E2は、絶縁層13および絶縁層14を貫通し、第2低抵抗領域R2と対向する領域に位置した1以上のコンタクトホールCH2を通り、第2低抵抗領域R2に電気的に接続されている。
【0070】
遮光層SH1は、第1スイッチSW1と対向している。遮光層SH1は、第1半導体層SMC1のうち、少なくとも第1チャネル領域RC1の全体と対向している。
【0071】
信号線Si(第1電極E1)および第2電極E2は、絶縁層14の上に位置し、絶縁層15で覆われている。第1透明電極TE1は、絶縁層15の上に位置し、絶縁層16で覆われている。第1透明電極TE1は、第2電極E2と対向する領域には形成されず、当該領域には第1開口部OP1(コンタクトホール)が形成されている。第1透明電極TE1の上には、容量配線CSjが形成され、当該容量配線CSjは絶縁層16で覆われている。容量配線Csjは、信号線Si(第1電極E1)と対向する領域に形成されている。
【0072】
第2透明電極TE2は、絶縁層16の上に位置し、絶縁層17で覆われている。画素電極PEは、絶縁層17の上に位置し、第1開口部OP1を介して第2電極E2に電気的に接続されている。つまり、画素電極PEは、第2電極E2を介して、上記した第2低抵抗領域R2とも電気的に接続されている。画素電極PEは、配向膜AF1で覆われている。第2透明電極TE2、絶縁層17、および画素電極PEは、コンデンサCstを形成している。コンデンサCstの容量の大きさは、絶縁層17の膜厚に応じて設定される。
【0073】
第1透明電極TE1、第2透明電極TE2、および画素電極PEは、ITO等の光透過性の導電材料によって形成されている。そのため、IPS(In Plane Switching)モードの一種であるFFS(Fringe Field Switching)モードの液晶表示パネルと同様の製造方法にて、第1基板SUB1を形成することが可能である。
【0074】
図8は、
図5の表示パネルPNLを線VIII-VIIIに沿って示す断面図である。
図8に示すように、第1基板SUB1は、透明基板10、絶縁層11~17、遮光層SH2、第2半導体層SMC2、信号線Si(第3電極E3)、第2ゲート電極GE2、第4電極E4、第1透明電極TE1、第2透明電極TE2、画素電極PEおよび配向膜AF1、等を備えている。
【0075】
遮光層SH2は、絶縁層11の上に位置し、絶縁層12で覆われている。遮光層SH2は、金属材料で形成されているが、黒色樹脂等の遮光材料で形成されていても良い。
【0076】
第2半導体層SMC2は、絶縁層12の上に位置し、絶縁層13で覆われている。第2ゲート電極GE2は、絶縁層13の上に位置し、絶縁層14で覆われている。第2半導体層SMC2は、二つの第2チャネル領域RC2、第3低抵抗領域R3、および第4低抵抗領域R4を有している。第2チャネル領域RC2は、第3低抵抗領域R3と第4低抵抗領域R4との間に位置している。各々の第2チャネル領域RC2は、第2ゲート電極GE2と対向している。
【0077】
第3低抵抗領域R3は、信号線Si(第3電極E3)に電気的に接続され、第2チャネル領域RC2より低抵抗である。なお、信号線Si(第3電極E3)は、絶縁層13および絶縁層14を貫通し、第3低抵抗領域R3と対向する領域に位置した1以上のコンタクトホールCH3を通り、第3低抵抗領域R3に電気的に接続されている。
【0078】
第4低抵抗領域R4は、第4電極E4に電気的に接続され、第2チャネル領域RC2より低抵抗である。なお、第4電極E4は、絶縁層13および絶縁層14を貫通し、第4低抵抗領域R4と対向する領域に位置した1以上のコンタクトホールCH4を通り、第4低抵抗領域R4に電気的に接続されている。
【0079】
遮光層SH2は、第2スイッチSW2と対向している。遮光層SH2は、第2半導体層SMC2のうち、少なくとも第2チャネル領域RC2の全体と対向している。
【0080】
信号線Si(第3電極E3)および第4電極E4は、絶縁層14の上に位置し、絶縁層15で覆われている。第1透明電極TE1は、絶縁層15の上に位置し、絶縁層16で覆われている。第1透明電極TE1は、第4電極E4と対向する領域には形成されず、当該領域には第2開口部OP2(コンタクトホール)が形成されている。
【0081】
第2透明電極TE2は、絶縁層16の上に位置し、第2開口部OP2を介して第4電極E4に電気的に接続されている。つまり、第2透明電極TE2は、第4電極E4を介して、上記した第4低抵抗領域R4とも電気的に接続されている。画素電極PEは、絶縁層17の上に位置し、配向膜AF1で覆われている。第1透明電極TE1、絶縁層16、および第2透明電極TE2は、コンデンサCmdを形成している。コンデンサCmdの容量の大きさは、絶縁層16の膜厚に応じて設定される。
【0082】
表示装置DSPには、液晶層30に印加する電圧の極性を反転する極性反転駆動を適用することができる。
図9A、
図9B、および
図9Cは、極性反転駆動の概要を示す図である。ここでは、1フレーム期間が複数のサブフレーム期間(複数のフィールド期間)を有する駆動方式を表示装置DSPに適用する。このような駆動方式は、例えばフィールドシーケンシャル方式と呼ばれる。
【0083】
図9Aは、1サブフレーム期間毎に、1行の画素PX(1ライン)の単位で、液晶層30に印加する電圧(画素PXに書き込む電圧)を正極性(+)と負極性(-)とで反転する1ライン反転駆動を表している。
【0084】
このような駆動方法においては、例えば、走査線駆動回路GD1,GD2が、第1走査線Gaに第1制御信号Caを与え、第2走査線Gbに第2制御信号Cbを与える1水平期間毎に、共通電極CEに供給されるコモン電圧Vcomの極性と、信号線駆動回路SD1,SD2,SD3から信号線Sに供給される画像信号Vsigの極性とが反転される。同じ水平期間において、コモン電圧の極性と映像信号の極性は、例えば逆である。または、駆動部DRは、1フレーム期間毎に液晶層30に印加する電圧を正極性と負極性とで反転する1ライン反転駆動を行っても良い。
【0085】
または、駆動部DRは、1サブフレーム期間毎にインターレース方式による駆動を行っても良い。その場合、奇数フィールド期間と偶数フィールド期間とが切り替わる際に、駆動部DRは極性反転を行う。1サブフレーム期間毎の極性反転の回数を大幅に少なくすることができ、低消費電力化に寄与することができる。1行の画素PXに注目した場合、駆動部DRは、1サブフレーム期間毎または1フレーム期間毎に、液晶層30に印加する電圧を正極性と負極性とで反転する1ライン反転駆動を行うことが可能である。
【0086】
図9Bは、2ライン毎に液晶層30に印加する電圧を正極性(+)と負極性(-)とで反転する2ライン反転駆動を表している。
図9Aおよび
図9Bの例に限られず、3つ以上のライン毎に極性を反転しても良い。
【0087】
図9Cは、サブフレーム期間毎に液晶層30に印加する電圧を正極性(+)と負極性(-)とで反転するサブフレーム反転駆動を表している。このような駆動方法においては、例えば、1サブフレーム期間毎に、コモン電圧Vcomの極性と、画像信号Vsiの極性とが反転される。同じサブフレーム期間において、コモン電圧Vcomの極性と画像信号Vsigの極性は、例えば逆である。または、駆動部DRは、1フレーム期間毎に、液晶層30に印加する電圧を正極性と負極性とで反転するフレーム反転駆動を行っても良い。
【0088】
次に、表示装置DSPの駆動方法について説明する。
図10は、1フレーム期間Pfにおける、画像信号Vsig、第1制御信号Ca、第2制御信号Cb、補助電圧Va、およびコモン電圧Vcomの変化を示すタイミングチャートである。
【0089】
図10に示すように、1フレーム期間Pfは、第1サブフレーム期間Psf1、第2サブフレーム期間Psf2、および第3サブフレーム期間Psf3を有している。例えば、第1サブフレーム期間Psf1においては赤色の画像が表示され、第2サブフレーム期間Psf2においては緑色の画像が表示され、第3サブフレーム期間Psf3においては青色の画像が表示される。このように時分割で表示された画像が合わさって、多色表示の画像としてユーザに視認される。また、各サブフレーム期間Psfは、垂直ブランク期間(ハイ・インピーダンス期間)Hi-Zと、複数の水平走査期間H(H1~Hn)と、を有している。さらに、水平走査期間Hは、第1駆動期間Pd1および第2駆動期間Pd2を有している。
【0090】
図10に示すように、第1サブフレーム期間Psf1において、駆動部DRはコモン電圧Vcom、および補助電圧Vaを0Vから+10Vに切り替え、駆動部DRは画像信号Vsigを出力している。
【0091】
垂直ブランク期間Hi-Zにおいて、駆動部DRは第1制御信号Ca1~Canおよび第2制御信号Cb1~Cbnの電圧を全てハイ(H)レベルにシフトする。すると、1行目~n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1および第2スイッチSW2はオンになる。その後、駆動部DRは第1制御信号Ca1~Canおよび第2制御信号Cb1~Cbnの電圧を全てロー(L)レベルにシフトし、各行の画素PXの第1スイッチSW1および第2スイッチSW2はオフに切り替わる。
【0092】
なお、ここでは、垂直ブランク期間Hi-Zは、水平走査期間H1~Hnが開始される前に設けられている場合を例示したが、これに限定されず、垂直ブランク期間Hi-Zは、水平走査期間H1~Hnが終了した後、つまり、サブフレーム期間Psfの最後に設けられても良い。
【0093】
次いで、1番目の水平走査期間H1の第1駆動期間Pd1において、駆動部DRは第1制御信号Ca1の電圧をHレベルにシフトし、その他の第1制御信号Ca2~Canおよび全ての第2制御信号Cb1~Cbnの電圧をLレベルにする。すると、1行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1はオンになり、その他のスイッチはオフになる。その後、駆動部DRは第1制御信号Ca1の電圧をLレベルにし、1行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1はオフに切り替わる。
【0094】
水平走査期間H1の第2駆動期間Pd2に移行すると、駆動部DRは第2制御信号Cb1の電圧をHレベルにシフトし、その他の制御信号の電圧をLレベルのままにする。すると、1行目の全ての画素PXの第2スイッチSW2はオンになり、その他のスイッチはオフになる。その後、駆動部DRは第2制御信号Cb1の電圧をLレベルにシフトし、1行目の全ての画素PXの第2スイッチSW2はオフに切り替わる。
【0095】
次いで、2番目の水平走査期間H2の第1駆動期間Pd1において、駆動部DRは第1制御信号Ca2の電圧をHレベルにシフトし、その他の制御信号の電圧をLレベルにする。すると、2行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1はオンになり、その他のスイッチはオフになる。その後、駆動部DRは第1制御信号Ca2の電圧をLレベルにシフトし、2行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1はオフに切り替わる。
【0096】
水平走査期間H2の第2駆動期間Pd2に移行すると、駆動部DRは第2制御信号Cb2の電圧をHレベルにシフトし、その他の制御信号の電圧をLレベルのままにする。これにより、2行目の全ての画素PXの第2スイッチSW2がオンになり、その他のスイッチはオフになる。その後、駆動部DRは第2制御信号Cb2の電圧をLレベルにシフトし、2行目の全ての画素PXの第2スイッチSW2はオフに切り替わる。
【0097】
上記した水平走査期間Hが、n行に亘って配置されている全ての第1走査線Ga1~Ganおよび第2走査線Gb1~Gbnについて設けられている。
【0098】
上記したように、第1サブフレーム期間Psf1において、駆動部DRは各行の第1スイッチSW1および第2スイッチSW2のオンオフを切り替える。同様に、第2サブフレーム期間Psf2および第3サブフレーム期間Psf3においても、駆動部DRは各行の第1スイッチSW1および第2スイッチSW2のオンオフを切り替える。なお、ここでは、サブフレーム反転駆動を採用している。そのため、第2サブフレーム期間Psf2において、駆動部DRは、コモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaを+10Vから0Vに切り替えている。次いで、第3サブフレーム期間Psf3において、駆動部DRは、コモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaを0Vから+10Vに切り替えている。
【0099】
次に、
図11を参照して、n行m列に位置する画素電極PE(n,m)に画像信号Vsigを書き込む例について説明する。
【0100】
図11は、所定のサブフレーム期間Psfに設けられる水平走査期間Hnと、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfに設けられる垂直ブランク期間Hi-Zにおける、画像信号Vsig、第1制御信号Can、第2制御信号Cbn、補助電圧Va、コモン電圧Vcom、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)、および第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)の変化を示すタイミングチャートであり、上記した画素電極PE(n,m)に正極性の画像信号Vsigを書き込む例を説明するための図である。
【0101】
水平走査期間Hnを含む所定のサブフレーム期間Psfにおいて、駆動部DRはコモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、0Vの電圧を与える。水平走査期間Hnにおいて、駆動部DRは+10Vの画像信号Vsig等を出力する。
【0102】
図11に示すように、水平走査期間Hnの第1駆動期間Pd1において、駆動部DRは第1制御信号Canの電圧をHレベルにシフトし、駆動部DRは第2制御信号Cbnの電圧をLレベルのままにする。すると、n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1はオンに切り替わり、n行目の全ての画素PXの第2スイッチSW2はオフのままになる。駆動部DRは、画像信号Vsigを複数の信号線Sおよび複数の第1スイッチSW1を介してn行目の全ての画素PXの画素電極PEに与える。
【0103】
画素PX(n,m)に注目すると、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは、信号線Smおよび画素PX(n,m)の第1スイッチSW1を介して画素電極PE(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は0Vから+10Vに変化(遷移)する。また、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)が+10Vになると、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)はコンデンサCstとコンデンサCmdとの容量に基づく容量分圧により0Vから+0.9Vに変化する。
【0104】
その後、駆動部DRは第1制御信号Canの電圧をLレベルにシフトする。これにより、n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1および第2スイッチSW2はオフとなる。
【0105】
水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2に移行すると、駆動部DRは第2制御信号Cbnの電圧をHレベルにシフトする。すると、n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1はオフのままになり、n行目の全ての画素PXの第2スイッチSW2はオンに切り替わる。駆動部DRは、画像信号Vsigを複数の信号線Sおよび複数の第2スイッチSW2を介して全ての画素PXの第2透明電極TE2に与える。
【0106】
画素PX(n,m)に注目すると、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは信号線Smおよび画素PX(n,m)の第2スイッチSW2を介して第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+0.9Vから+10Vに変化する。すると、画素電極PE(n,m)と第2透明電極TE2(n,m)との間のカップリング作用により、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+10Vから+19.1Vに変化する。
【0107】
その後、駆動部DRは第2制御信号Cbnの電圧をLレベルにシフトする。すると、n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1および第2スイッチSW2はオフになる。なお、図示した例のように、水平走査期間Hnの先頭、第1駆動期間Pd1と第2駆動期間Pd2との間、および水平走査期間Hnの後尾にマージン期間があっても良い。
【0108】
次いで、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfの垂直ブランク期間Hi-Zにおいて、駆動部DRは、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2をオフにしたまま、液晶層30に印加する電圧の極性を反転させる反転駆動を行う。つまり、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfにおいては、駆動部DRは、コモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、+10Vの電圧を与える。
【0109】
画素PX(n,m)に注目すると、駆動部DRによって反転駆動が行われることで、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+19.1Vから+29.1Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+10Vから+20Vに変化する。
【0110】
その後、駆動部DRは第1制御信号Canおよび第2制御信号Cbnの電圧をHレベルにシフトする。すると、n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1および第2スイッチSW2はオンに切り替わる。駆動部DRは、コモン電圧Vcomを、複数の信号線Sと、複数の第1スイッチSW1および第2スイッチSW2とを介して、n行目の全ての画素PXの画素電極PEおよび第2透明電極TE2に与える。
【0111】
画素PX(n,m)に注目すると、駆動部DRによって出力されたコモン電圧Vcomは、信号線Smと、画素PX(n,m)の第1スイッチSW1および第2スイッチSW2とを介して、画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+29.1Vから+10Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+20Vから+10Vに変化する。つまり、コンデンサCstおよびコンデンサCmdに蓄えられていた電荷が全て放電されて、コンデンサCstおよびコンデンサCmdの容量がリセットされる。これによれば、画素電極PEと共通電極CEとの電位差が0Vとなり、液晶層30に印加される電圧が0Vとなるため、液晶層30は透明状態になる(換言すると、液晶層30による表示は黒(透明)になる)。以下の説明中では、画素電極PEおよび第2透明電極TE2にコモン電圧Vcomを与えて、液晶層30を透明状態にする動作を「リセット動作」と称する。
【0112】
その後、駆動部DRは第1制御信号Canおよび第2制御信号Cbnの電圧をHレベルからLレベルにシフトする。すると、n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1および第2スイッチSW2はオフになる。
【0113】
上記したように、水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+19.1Vであり、共通電極CEには0Vのコモン電圧Vcomが与えられるため、画素電極PEと共通電極CEとの間には+19.1Vの電圧が印加される。つまり、液晶層30には、+19.1Vの電圧が印加される。このように、本実施形態の駆動方法によれば、駆動部DRが信号線Sに与える電圧よりも高い電圧を画素電極PEに印加することができ、駆動部DRは信号線Sに与える電圧を抑制することができ、駆動部DRの低消費電力化を図ることができる。
【0114】
ここで、比較例を用いて、本実施形態に係る表示装置DSPの効果について説明する。なお、比較例は、本実施形態に係る表示装置DSPが奏し得る効果の一部を説明するためのものであって、比較例と本実施形態とで共通する構成や効果を本願発明の範囲から除外するものではない。
【0115】
図12は、比較例に係る表示装置100に設けられる複数の画素PXのうちの一つを示す等価回路図である。
図12に示すように、比較例に係る表示装置100に設けられる画素PXには、第1透明電極TE1の代わりに、第3スイッチSW3が設けられている点で、本実施形態に係る表示装置DSPと相違している。
【0116】
第3スイッチSW3は、第3ゲート電極GE3、第5電極E5、第6電極E6を有している。第3ゲート電極GE3は、第1走査線Gajに電気的に接続されている。第5電極E5は、容量配線Csjに電気的に接続されている。第6電極E6は、第2透明電極TE2に電気的に接続されている。第3スイッチSW3のオンオフは、第1走査線Gajを介して与えられる第1制御信号Cajに基づいて切り替えられる。第3スイッチSW3がオンした状態、すなわち第3スイッチSW3を構成するTFTが導通状態に切り替わった状態にて、第2透明電極TE2に補助電圧Vaが与えられる。
【0117】
このような表示装置100においても、本実施形態に係る表示装置DSPと同様に、駆動部DRは信号線Sに与える電圧よりも高い電圧を画素電極PEに印加することができ、駆動部DRは信号線Sに与える電圧を抑制することができ、駆動部DRの低消費電力化を図ることは可能である。
【0118】
一方で、比較例に係る表示装置100においては、画素PXと同数の第3スイッチSW3が第1走査線Ga1~Ganに電気的に接続されているため、第1走査線Ga1~Ganに電気的に接続される素子数が多く、第1走査線Ga1~Ganに対する負荷が大きいという不都合がある。
【0119】
これに対し、本実施形態に係る表示装置DSPは、第3スイッチSW3の代わりに、第1透明電極TE1を設ける構成としているので、第1走査線Ga1~Ganに電気的に接続される素子数を減らすことができ、比較例に係る表示装置100に比べて、第1走査線Ga1~Ganにかかる負荷を低減させることが可能である。これによれば、表示装置DSPに設けられる表示パネルPNL(表示領域DA)の大型化(大画面化)や、隣接する二つの画素PX間の距離(画素ピッチ)を狭めての高精細化、等を実現させることが可能である。
【0120】
また、第1透明電極TE1はITO等の光透過性の導電材料によって形成されるので、第3スイッチSW3に起因した非透過領域を減らすことが可能である。つまり、本実施形態に係る表示装置DSPは、比較例に係る表示装置100に比べて、透過領域を拡大させることが可能であり、表示品位の向上を図ることが可能である。
【0121】
続いて、
図13を参照して、本実施形態に係る画素電極PE(n,m)に負極性の画像信号Vsigを書き込む例について説明する。
【0122】
図13は、所定のサブフレーム期間Psfに設けられる水平走査期間Hnと、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfに設けられる垂直ブランク期間Hi-Zにおける、画像信号Vsig、第1制御信号Can、第2制御信号Cbn、補助電圧Va、コモン電圧Vcom、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)、および第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)の変化を示すタイミングチャートであり、上記した画素電極PE(n,m)に負極性の画像信号Vsigを書き込む例を説明するための図である。なお、
図11において説明したことは適宜省略する。
【0123】
水平走査期間Hnを含む所定のサブフレーム期間Psfにおいて、駆動部DRはコモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、+10Vの電圧を与える。水平走査期間Hnにおいて、駆動部DRは0Vの画像信号Vsig等を出力する。
【0124】
図13に示すように、水平走査期間Hnの第1駆動期間Pd1において、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは画素電極PE(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+10Vから0Vに変化する。また、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)が0Vになると、第2透明電極TE2の電位Pn(n,m)はコンデンサCstとコンデンサCmdとの容量に基づく容量分圧により+10Vから+9.1Vに変化する。
【0125】
次に、水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+9.1Vから0Vに変化する。すると、画素電極PE(n,m)と第2透明電極TE2(n,m)との間のカップリング作用により、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は0Vから-9.1Vに変化する。
【0126】
次いで、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfの垂直ブランク期間Hi-Zにおいて、駆動部DRは、液晶層30に印加する電圧の極性を反転させる反転駆動を行う。つまり、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfにおいては、駆動部DRは、コモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、0Vの電圧を与える。これによれば、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-9.1Vから-19.1Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は0Vから-10Vに変化する。
【0127】
その後、垂直ブランク期間Hi-Zにおいて、リセット動作が実行される。具体的には、駆動部DRによって出力されたコモン電圧Vcomは画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-19.1Vから0Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は-10Vから0Vに変化する。
【0128】
上記したように、水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-9.1Vであり、共通電極CEには10Vのコモン電圧Vcomが与えられるため、画素電極PEと共通電極CEとの間には-19.1Vの電圧が印加されることになる。つまり、液晶層30には、-19.1Vの電圧が印加される。これによれば、
図13に示した駆動方法においても、
図11に示した駆動方法と同様の効果を得ることができる。
【0129】
次に、
図14を参照して、本実施形態に係る画素電極PE(n,m)に正極性の画像信号Vsigを書き込む例であって、サブフレーム期間Psf間で反転駆動を行わない例について説明する。
【0130】
図14は、所定のサブフレーム期間Psfに設けられる水平走査期間Hnと、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfに設けられる垂直ブランク期間Hi-Zにおける、画像信号Vsig、第1制御信号Can、第2制御信号Cbn、補助電圧Va、コモン電圧Vcom、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)、および第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)の変化を示すタイミングチャートであり、上記した画素電極PE(n,m)に正極性の画像信号Vsigを書き込む例であって、サブフレーム期間Psf間で反転駆動を行わない例を説明するための図である。なお、
図11および
図13において説明したことは適宜省略する。
【0131】
水平走査期間Hnを含む所定のサブフレーム期間Psfにおいて、駆動部DRはコモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、0Vの電圧を与える。水平走査期間Hnにおいて、駆動部DRは+10Vの画像信号Vsig等を出力する。
【0132】
図14に示すように、水平走査期間Hnの第1駆動期間Pd1において、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは画素電極PE(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は0Vから+10Vに変化する。また、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)が+10Vになると、第2透明電極TE2の電位Pn(n,m)はコンデンサCstとコンデンサCmdとの容量に基づく容量分圧により0Vから+0.9Vに変化する。
【0133】
次に、水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+0.9Vから+10Vに変化する。すると、画素電極PE(n,m)と第2透明電極TE2(n,m)との間のカップリング作用により、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+10Vから+19.1Vに変化する。
【0134】
次いで、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfの垂直ブランク期間Hi-Zにおいて、リセット動作が実行される。具体的には、駆動部DRによって出力されたコモン電圧Vcomは画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+19.1Vから0Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+10Vから0Vに変化する。
【0135】
上記したように、水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+19.1Vであり、共通電極CEには0Vのコモン電圧Vcomが与えられるため、画素電極PEと共通電極CEとの間には+19.1Vの電圧が印加されることになる。つまり、液晶層30には、+19.1Vの電圧が印加される。これによれば、
図14に示した駆動方法においても、
図11および
図13に示した駆動方法と同様の効果を得ることができる。
【0136】
さらに、
図15を参照して、本実施形態に係る画素電極PE(n,m)に負極性の画像信号Vsigを書き込む例であって、サブフレーム期間Psf間で反転駆動を行わない例について説明する。
【0137】
図15は、所定のサブフレーム期間Psfに設けられる水平走査期間Hnと、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfに設けられる垂直ブランク期間Hi-Zにおける、画像信号Vsig、第1制御信号Can、第2制御信号Cbn、補助電圧Va、コモン電圧Vcom、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)、および第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)の変化を示すタイミングチャートであり、上記した画素電極PE(n,m)に負極性の画像信号Vsigを書き込む例であって、サブフレーム期間Psf間で反転駆動を行わない例を説明するための図である。なお、
図11、
図13および
図14において説明したことは適宜省略する。
【0138】
水平走査期間Hnを含む所定のサブフレーム期間Psfにおいて、駆動部DRはコモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、+10Vの電圧を与える。水平走査期間Hnにおいて、駆動部DRは0Vの画像信号Vsig等を出力する。
【0139】
図15に示すように、水平走査期間Hnの第1駆動期間Pd1において、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは画素電極PE(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+10Vから0Vに変化する。また、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)が0Vになると、第2透明電極TE2の電位Pn(n,m)はコンデンサCstとコンデンサCmdとの容量に基づく容量分圧により+10Vから+9.1Vに変化する。
【0140】
次に、水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+9.1Vから0Vに変化する。すると、画素電極PE(n,m)と第2透明電極TE2(n,m)との間のカップリング作用により、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は0Vから-9.1Vに変化する。
【0141】
次いで、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfの垂直ブランク期間Hi-Zにおいて、リセット動作が実行される。具体的には、駆動部DRによって出力されたコモン電圧Vcomは画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-9.1Vから+10Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は0Vから+10Vに変化する。
【0142】
上記したように、水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-9.1Vであり、共通電極CEには10Vのコモン電圧Vcomが与えられるため、画素電極PEと共通電極CEとの間には-19.1Vの電圧が印加されることになる。つまり、液晶層30には、-19.1Vの電圧が印加される。これによれば、
図15に示した駆動方法においても、
図11、
図13および
図14に示した駆動方法と同様の効果を得ることができる。
[変形例]
次に、上記した実施形態の変形例について説明する。
本変形例は、上記したリセット動作を全ての行に対して一斉に実行するのではなく、行単位で実行している点において、上記した実施形態と相違している。
【0143】
図16は、本変形例における表示装置DSPの駆動方法を説明するための図であり、1フレーム期間Pfにおける、画像信号Vsig、第1制御信号Ca、第2制御信号Cb、補助電圧Va、およびコモン電圧Vcomの変化を示すタイミングチャートである。なお、
図10において説明したことは適宜省略する。
【0144】
図16に示すように、各サブフレーム期間Psfは、複数の水平走査期間H(H1~Hn)を有し、各水平走査期間H1~Hnは垂直ブランク期間Hi-Z(Hi-Z1~Hi-Zn)をそれぞれ含んでいる。さらに、水平走査期間Hは、第1駆動期間Pd1および第2駆動期間Pd2を有している。
【0145】
図16に示すように、第1サブフレーム期間Psf1において、駆動部DRはコモン電圧Vcom、および補助電圧Vaを0Vから+10Vに切り替え、駆動部DRは画像信号Vsigを出力している。
【0146】
まず、1番目の水平走査期間H1の第1駆動期間Pd1において、駆動部DRは第1制御信号Ca1の電圧をHレベルにシフトし、その他の第1制御信号Ca2~Canの電圧をLレベルにする。また、駆動部DRは第2制御信号Cb1の電圧をHレベルにシフトし、その他の第2制御信号Cb2~Cbnの電圧をLレベルにする。すると、1行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1および第2スイッチSW2はオンになり、その他のスイッチはオフになる。
【0147】
その後、駆動部DRは第1制御信号Ca1の電圧はHレベルのまま、第2制御信号Cb1の電圧をLレベルにシフトする。すると、1行目の全ての画素PXの第2スイッチSW2はオフに切り替わり、1行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1のみがオンになる。第1駆動期間Pd1において、第1制御信号Ca1および第2制御信号Cb1の電圧が共にHレベルの期間が、1番目の水平走査期間H1に含まれる垂直ブランク期間Hi-Z1に相当する。
【0148】
その後、駆動部DRは第1制御信号Ca1の電圧をLレベルにし、1行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1はオフに切り替わる。
【0149】
水平走査期間H1の第2駆動期間Pd2に移行すると、駆動部DRは第2制御信号Cb1の電圧をHレベルにシフトし、その他の制御信号の電圧をLレベルのままにする。すると、1行目の全ての画素PXの第2スイッチSW2はオンになり、その他のスイッチはオフになる。その後、駆動部DRは第2制御信号Cb1の電圧をLレベルにシフトし、1行目の全ての画素PXの第2スイッチSW2はオフに切り替わる。
【0150】
このような水平走査期間Hが、n行に亘って配置されている全ての第1走査線Ga1~Ganおよび第2走査線Gb1~Gbnについて設けられている。また、上記では第1サブフレーム期間Psf1を例にとって説明したが、第2サブフレーム期間Psf2および第3サブフレーム期間Psf3においても、駆動部DRが同様に動作する水平走査期間H1~Hnが設けられている。但し、ここでは、サブフレーム反転駆動を採用しているため、第2サブフレーム期間Psf2においては、駆動部DRは、コモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaを+10Vから0Vに切り替え、第3サブフレーム期間Psf3においては、駆動部DRは、コモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaを0Vから+10Vに切り替えている。
【0151】
次に、
図17を参照して、本変形例に係る駆動方法により、n行m列に位置する画素電極PE(n,m)に画像信号Vsigを書き込む例について説明する。
【0152】
図17は、所定のサブフレーム期間Psfに設けられる水平走査期間Hnと、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfに設けられる水平走査期間H1における、画像信号Vsig、第1制御信号Can、第2制御信号Cbn、補助電圧Va、コモン電圧Vcom、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)、および第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)の変化を示すタイミングチャートであり、上記した画素電極PE(n,m)に正極性の画像信号Vsigを書き込む例を説明するための図である。
【0153】
水平走査期間Hnを含む所定のサブフレーム期間Psfにおいて、駆動部DRはコモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、0Vの電圧を与える。水平走査期間Hnにおいて、駆動部DRは+10Vの画像信号Vsig等を出力する。
【0154】
図17に示すように、水平走査期間Hnの第1駆動期間Pd1に含まれる垂直ブランク期間Hi-Znにおいて、駆動部DRは第1制御信号Canの電圧と第2制御信号Cbnの電圧とを共にHレベルにシフトする。すると、n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1および第2スイッチSW2はオンに切り替わる。駆動部DRは、コモン電圧Vcomを、複数の信号線Sと、複数の第1スイッチSW1および第2スイッチSW2とを介して、n行目の全ての画素PXの画素電極PEおよび第2透明電極TE2に与える。
【0155】
画素PX(n,m)に注目すると、駆動部DRによって出力されたコモン電圧Vcomは、信号線Smと、画素PX(n,m)の第1スイッチSW1および第2スイッチSW2とを介して、画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-19.1Vから0Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は-10Vから0Vに変化する。なお、変化前の画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)が-19.1Vであり、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)が-10Vであることについては、
図18の説明と共に後述する。
【0156】
その後、駆動部DRは第1制御信号Canの電圧はHレベルのまま、第2制御信号Cbnの電圧のみをHレベルからLレベルにシフトする。すると、n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1はオンのままになり、第2スイッチSW2はオフになる。駆動部DRは、画像信号Vsigを複数の信号線Sおよび複数の第1スイッチSW1を介してn行目の全ての画素PXの画素電極PEに与える。
【0157】
画素PX(n,m)に注目すると、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは、信号線Smおよび画素PX(n,m)の第1スイッチSW1を介して画素電極PE(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は0Vから+10Vに変化する。また、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)が+10Vになると、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)はコンデンサCstとコンデンサCmdとの容量に基づく容量分圧により0Vから+0.9Vに変化する。
【0158】
その後、駆動部DRは第1制御信号Canの電圧をLレベルにシフトする。これにより、n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1および第2スイッチSW2はオフとなる。
【0159】
水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2に移行すると、駆動部DRは第2制御信号Cbnの電圧をHレベルにシフトする。すると、n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1はオフのままになり、n行目の全ての画素PXの第2スイッチSW2はオンに切り替わる。駆動部DRは、画像信号Vsigを複数の信号線Sおよび複数の第2スイッチSW2を介して全ての画素PXの第2透明電極TE2に与える。
【0160】
画素PX(n,m)に注目すると、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは信号線Smおよび画素PX(n,m)の第2スイッチSW2を介して第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+0.9Vから+10Vに変化する。すると、画素電極PE(n,m)と第2透明電極TE2(n,m)との間のカップリング作用により、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+10Vから+19.1Vに変化する。
【0161】
その後、駆動部DRは第2制御信号Cbnの電圧をLレベルにシフトする。すると、n行目の全ての画素PXの第1スイッチSW1および第2スイッチSW2はオフになる。
【0162】
次いで、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfの水平走査期間H1の第1駆動期間Pd1に含まれる垂直ブランク期間Hi-Z1において、駆動部DRは、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2をオフにしたまま、液晶層30に印加する電圧の極性を反転させる反転駆動を行う。つまり、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfにおいては、駆動部DRは、コモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、+10Vの電圧を与える。
【0163】
画素PX(n,m)に注目すると、駆動部DRによって反転駆動が行われることで、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+19.1Vから+29.1Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+10Vから+20Vに変化する。
【0164】
以降、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfの水平走査期間Hnまで、画素PX(n,m)の画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)はフローティング状態となるため、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+29.1Vのままとなり、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+20Vのままとなる。
【0165】
上記したように、所定のサブフレーム期間Psfにおける水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+19.1Vであり、共通電極CEには0Vのコモン電圧が与えられるため、画素電極PEと共通電極CEとの間には+19.1Vの電圧が印加されることになる。つまり、液晶層30には、+19.1Vの電圧が印加される。これによれば、
図17に示した駆動方法においても、
図11および
図13~
図15に示した駆動方法と同様な効果を得ることができる。
【0166】
続いて、
図18を参照して、本変形例に係る駆動方法により、画素電極PE(n,m)に負極性の画像信号Vsigを書き込む例について説明する。
【0167】
図18は、所定のサブフレーム期間Psfに設けられる水平走査期間Hnと、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfに設けられる水平走査期間H1における、画像信号Vsig、第1制御信号Can、第2制御信号Cbn、補助電圧Va、コモン電圧Vcom、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)、および第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)の変化を示すタイミングチャートであり、上記した画素電極PE(n,m)に負極性の画像信号Vsigを書き込む例を説明するための図である。
【0168】
水平走査期間Hnを含む所定のサブフレーム期間Psfにおいて、駆動部DRはコモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、+10Vの電圧を与える。水平走査期間Hnにおいて、駆動部DRは0Vの画像信号Vsig等を出力する。
【0169】
図18に示すように、水平走査期間Hnの第1駆動期間Pd1に含まれる垂直ブランク期間Hi-Znにおいて、駆動部DRによって出力されたコモン電圧Vcomは画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+29.1Vから+10Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+20Vから+10Vに変化する。
【0170】
その後、水平走査期間Hnの第1駆動期間Pd1に含まれる垂直ブランク期間Hi-Znが終了すると、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigが画素電極PE(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+10Vから0Vに変化する。また、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)が0Vになると、第2透明電極TE2の電位Pn(n,m)はコンデンサCstとコンデンサCmdとの容量に基づく容量分圧により+10Vから+9.1Vに変化する。
【0171】
水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+9.1Vから0Vに変化する。すると、画素電極PE(n,m)と第2透明電極TE2(n,m)との間のカップリング作用により、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は0Vから-9.1Vに変化する。
【0172】
次いで、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfの水平走査期間H1の第1駆動期間Pd1に含まれる垂直ブランク期間Hi-Z1において、駆動部DRは、液晶層30に印加する電圧の極性を反転させる反転駆動を行う。つまり、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfにおいては、駆動部DRは、コモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、0Vの電圧を与える。これによれば、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-9.1Vから-19.1Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は0Vから-10Vに変化する。
【0173】
以降、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfの水平走査期間Hnまで、画素PX(n,m)の画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)はフローティング状態となるため、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-19.1Vのままとなり、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は-10Vのままとなる。
【0174】
上記したように、所定のサブフレーム期間Psfにおける水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-9.1Vであり、共通電極CEには10Vのコモン電圧が与えられるため、画素電極PEと共通電極CEとの間には-19.1Vの電圧が印加されることになる。つまり、液晶層30には、-19.1Vの電圧が印加される。これによれば、
図18に示した駆動方法においても、
図11、
図13~
図15、
図17に示した駆動方法と同様な効果を得ることができる。
【0175】
次に、
図19を参照して、本変形例に係る駆動方法により、画素電極PE(n,m)に正極性の画像信号Vsigを書き込む例であって、サブフレーム期間Psf間で反転駆動を行わない例について説明する。
【0176】
図19は、所定のサブフレーム期間Psfに設けられる水平走査期間Hnにおける、画像信号Vsig、第1制御信号Can、第2制御信号Cbn、補助電圧Va、コモン電圧Vcom、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)、および第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)の変化を示すタイミングチャートであり、上記した画素電極PE(n,m)に正極性の画像信号Vsigを書き込む例であって、サブフレーム期間Psf間で反転駆動を行わない例を説明するための図である。
【0177】
水平走査期間Hnを含む所定のサブフレーム期間Psfにおいて、駆動部DRはコモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、0Vの電圧を与える。水平走査期間Hnにおいて、駆動部DRは+10Vの画像信号Vsig等を出力する。
【0178】
図19に示すように、水平走査期間Hnの第1駆動期間Pd1に含まれる垂直ブランク期間Hi-Znにおいて、駆動部DRによって出力されたコモン電圧Vcomは画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+19.1Vから0Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+10Vから0Vに変化する。
【0179】
その後、水平走査期間Hnの第1駆動期間Pd1に含まれる垂直ブランク期間Hi-Znが終了すると、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigが画素電極PE(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は0Vから+10Vに変化する。また、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)が+10Vになると、第2透明電極TE2の電位Pn(n,m)はコンデンサCstとコンデンサCmdとの容量に基づく容量分圧により0Vから+0.9Vに変化する。
【0180】
次いで、水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+0.9Vから+10Vに変化する。すると、画素電極PE(n,m)と第2透明電極TE2(n,m)との間のカップリング作用により、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+10Vから+19.1Vに変化する。
【0181】
以降、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfの水平走査期間Hnまで、画素PX(n,m)の画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)はフローティング状態となるため、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+19.1Vのままとなり、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+10Vのままとなる。
【0182】
上記したように、所定のサブフレーム期間Psfにおける水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+19.1Vであり、共通電極CEには0Vのコモン電圧が与えられるため、画素電極PEと共通電極CEとの間には+19.1Vの電圧が印加されることになる。つまり、液晶層30には、+19.1Vの電圧が印加される。これによれば、
図19に示した駆動方法においても、
図11、
図13~
図15、
図17および
図18に示した駆動方法と同様な効果を得ることができる。
【0183】
さらに、
図20を参照して、本変形例に係る駆動方法により、画素電極PE(n,m)に負極性の画像信号Vsigを書き込む例であって、サブフレーム期間Psf間で反転駆動を行わない例について説明する。
【0184】
図20は、所定のサブフレーム期間Psfに設けられる水平走査期間Hnにおける、画像信号Vsig、第1制御信号Can、第2制御信号Cbn、補助電圧Va、コモン電圧Vcom、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)、および第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)の変化を示すタイミングチャートであり、上記した画素電極PE(n,m)に負極性の画像信号Vsigを書き込む例であって、サブフレーム期間Psf間で反転駆動を行わない例を説明するための図である。
【0185】
水平走査期間Hnを含む所定のサブフレーム期間Psfにおいて、駆動部DRはコモン電圧Vcomおよび補助電圧Vaとして、+10Vの電圧を与える。水平走査期間Hnにおいて、駆動部DRは0Vの画像信号Vsig等を出力する。
【0186】
図20に示すように、水平走査期間Hnの第1駆動期間Pd1に含まれる垂直ブランク期間Hi-Znにおいて、駆動部DRによって出力されたコモン電圧Vcomは画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-9.1Vから+10Vに変化し、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は0Vから+10Vに変化する。
【0187】
その後、水平走査期間Hnの第1駆動期間Pd1に含まれる垂直ブランク期間Hi-Znが終了すると、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigが画素電極PE(n,m)に与えられ、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は+10Vから0Vに変化する。また、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)が0Vになると、第2透明電極TE2の電位Pn(n,m)はコンデンサCstとコンデンサCmdとの容量に基づく容量分圧により+10Vから+9.1Vに変化する。
【0188】
次いで、水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、駆動部DRによって出力された画像信号Vsigは第2透明電極TE2(n,m)に与えられ、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は+9.1Vから0Vに変化する。すると、画素電極PE(n,m)と第2透明電極TE2(n,m)との間のカップリング作用により、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は0Vから-9.1Vに変化する。
【0189】
以降、所定のサブフレーム期間Psfに続くサブフレーム期間Psfの水平走査期間Hnまで、画素PX(n,m)の画素電極PE(n,m)および第2透明電極TE2(n,m)はフローティング状態となるため、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-9.1Vのままとなり、第2透明電極TE2(n,m)の電位Pn(n,m)は0Vのままとなる。
【0190】
上記したように、所定のサブフレーム期間Psfにおける水平走査期間Hnの第2駆動期間Pd2において、画素電極PE(n,m)の電位Pp(n,m)は-9.1Vであり、共通電極CEには10Vのコモン電圧が与えられるため、画素電極PEと共通電極CEとの間には-19.1Vの電圧が印加されることになる。つまり、液晶層30には、-19.1Vの電圧が印加される。これによれば、
図20に示した駆動方法においても、
図11、
図13~
図15、
図17~
図19に示した駆動方法と同様な効果を得ることができる。
【0191】
以上説明した一実施形態によれば、低消費電力化を図ることが可能な表示装置および表示装置の駆動方法を提供することができる。
【0192】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0193】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0194】
また、上述の各実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0195】
DSP…表示装置、PNL…表示パネル、PX…画素、PE…画素電極、CE…共通電極、Ga…第1走査線、Gb…第2走査線、S…信号線、Cs…容量配線、SW1…第1スイッチ、E1…第1電極、E2…第2電極、GE1…第1ゲート電極、SW2…第2スイッチ、E3…第3電極、E4…第4電極、TE1…第1透明電極、TE2…第2透明電極、Cst,Cmd…コンデンサ、Vcom…コモン電圧、Va…補助電圧、30…液晶層。