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特許7289753コンデンサおよび抵抗部材の実装構造、入力ユニット並びに測定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】コンデンサおよび抵抗部材の実装構造、入力ユニット並びに測定装置
(51)【国際特許分類】
   H01C 13/00 20060101AFI20230605BHJP
   H01G 4/40 20060101ALI20230605BHJP
   G01R 19/00 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
H01C13/00 C
H01G4/40 301A
G01R19/00 A
G01R19/00 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019144991
(22)【出願日】2019-08-07
(65)【公開番号】P2020101518
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2018238602
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】山田 修平
(72)【発明者】
【氏名】林 和延
(72)【発明者】
【氏名】関 憲一
(72)【発明者】
【氏名】依田 元
(72)【発明者】
【氏名】瓶子 利夫
【審査官】木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-12209(JP,A)
【文献】特開2014-55848(JP,A)
【文献】特開2014-49459(JP,A)
【文献】特開2016-114562(JP,A)
【文献】特開2016-114561(JP,A)
【文献】特開昭57-49202(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19537155(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 13/00
H01G 4/40
G01R 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗部材と、当該抵抗部材の一方の端子に接続された第1電極および当該抵抗部材の他方の端子に接続された第2電極で形成されるコンデンサとで構成される並列回路におけるコンデンサおよび抵抗部材の実装構造であって、
前記第1電極は、前記抵抗部材の長さ方向と平行な状態で配置される第1電極形成部を有して構成され、
前記第2電極は、前記抵抗部材の長さ方向と平行な状態で配置される第2電極形成部を有して構成され、
前記抵抗部材は、前記第1電極形成部および前記第2電極形成部に一対一で対応する第1抵抗体および第2抵抗体が前記長さ方向に沿って分離して配設され、かつ配線を介して直列接続されて構成されると共に、当該第1抵抗体が対応する前記第1電極形成部と直接対向して位置し、かつ当該第2抵抗体が対応する前記第2電極形成部と直接対向して位置するように実装されたコンデンサおよび抵抗部材の実装構造。
【請求項2】
抵抗部材と、当該抵抗部材の一方の端子に接続された第1電極および当該抵抗部材の他方の端子に接続された第2電極で形成されるコンデンサとで構成される並列回路におけるコンデンサおよび抵抗部材の実装構造であって、
前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方は、前記抵抗部材の長さ方向と平行な状態で、かつ当該長さ方向に沿って並設されたn個(nは2以上の整数)の電極形成部を有して構成され、
前記抵抗部材は、前記n個の電極形成部に一対一で対応するn個の抵抗体が前記長さ方向に沿って分離して配設され、かつ配線を介して直列接続されて構成されると共に、当該n個の抵抗体が対応する前記電極形成部と直接対向して位置するように実装されたコンデンサおよび抵抗部材の実装構造。
【請求項3】
前記抵抗部材は、絶縁材料で形成された1つの基体を有して構成され、
各前記抵抗体は、前記長さ方向としての前記基体の長さ方向に沿って当該基体の表面に形成されている請求項1または2記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造。
【請求項4】
前記第1電極は、それぞれが前記第1電極形成部として機能する一対の第1側板部と、当該第1側板部相互間に掛け渡される第1連結板部とで回路基板上に平面視略コ字状に配置され、
前記第2電極は、それぞれが前記第2電極形成部として機能する一対の第2側板部と、当該第2側板部相互間に掛け渡される第2連結板部とで前記回路基板上に前記第1電極とは逆向きの平面視略コ字状に配置され、
前記抵抗部材は、前記第1抵抗体の配設部位が前記一対の第1側板部の内方に位置し、かつ前記第2抵抗体の配設部位が前記一対の第2側板部の内方に位置する状態で前記回路基板上に配置される請求項1記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造。
【請求項5】
前記第1電極は、それぞれが前記第1電極形成部として機能する一対の第1側板部と、当該第1側板部相互間に掛け渡された第1連結板部とでコ字状に形成されると共に、前記一対の第1側板部を脚部として回路基板上に起立した状態で配置され、
前記第2電極は、それぞれが前記第2電極形成部として機能する一対の第2側板部と、当該第2側板部相互間に掛け渡された第2連結板部とでコ字状に形成されると共に、前記一対の第2側板部を脚部として前記回路基板上に起立した状態で配置され、
前記抵抗部材は、前記第1抵抗体の配設部位が前記一対の第1側板部の内方に位置し、かつ前記第2抵抗体の配設部位が前記一対の第2側板部の内方に位置する状態で前記回路基板上に配置される請求項1記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造。
【請求項6】
入力電圧を入力するための電圧入力部を備え、当該電圧入力部が請求項1から5のいずれかに記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造で実装された前記抵抗部材と前記コンデンサとで構成される前記並列回路で構成されている入力ユニット。
【請求項7】
請求項6記載の入力ユニットを備え、被測定量を測定する測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに並列接続されるコンデンサおよび抵抗部材の実装構造、この実装構造を備えた入力ユニット、並びにこの入力ユニットを備えた測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造の一例として、下記の特許文献1に開示されたコンデンサおよび抵抗部材の実装構造を本願出願人は既に提案している。この提案された実装構造は、電圧測定機器における電圧入力抵抗部を構成するコンデンサおよび抵抗部材(入力抵抗)の回路基板(プリント基板)への実装構造である。図12に示すように、このコンデンサ51および抵抗部材としての抵抗61は、回路基板71に実装される(取り付けられる)ことで、回路基板71を介して(具体的には、回路基板71に形成された不図示のスルーホールや配線パターンなどの導体部を介して)互いに並列接続される。
【0003】
このコンデンサ51は、間隔を空けて回路基板71に実装された一側電極52と他側電極53(いずれも導電性金属材で形成された電極)とを備えて、両電極52,53間に形成される静電容量で構成されるコンデンサであり、空気を誘電体とするコンデンサであることから、任意の耐圧(数kVのような高耐圧を含む)で、かつ安定した高精度の静電容量値に構成することが可能となっている。
【0004】
具体的には、一側電極52は、一対の側板部52a,52bと、これらの側板部52a,52b相互間に架け渡される連結板部52cとで構成されて、回路基板71上に平面視略コ字状に実装(配置)される。他側電極53は、一側電極52の一対の側板部52a,52bの外方に平行に配置される一対の側板部53a,53bと、これらの側板部53a,53b相互間に架け渡される連結板部53cとで構成されて、回路基板71上に一側電極52とはその向きを逆に組み合わせて平面視略コ字状に実装(配置)される。
【0005】
また、コンデンサ51は、一側電極52における各側板部52a,52bが、他側電極53における各側板部53a,53bのうちの対向する側板部とは重なり合わない非対向面を一部に確保し得る位置関係のもとで回路基板71に実装(配置)されることで形成されている。具体的には、図12に示すように、側板部52a,52bには、他側電極53における側板部53a,53bと重なり合わない非対向面(同図中の領域AR1の部位)と、側板部53a,53bと重なり合う対向面(同図中の領域AR2の部位)とがそれぞれ確保されている。また、側板部53a,53bにも、一側電極52における各側板部52a,52bと重なり合わない非対向面(同図中の領域AR3の部位)と、側板部52a,52bと重なり合う対向面(側板部52a,52bにおける領域AR2の部位との対向面)とがそれぞれ確保されている。
【0006】
抵抗61は、その長さ方向(図12中の矢印A方向)が一側電極52における各側板部52a,52bおよび他側電極53における各側板部53a,53bとほぼ平行となり、連結板部52c側の部位が各側板部52a,52b間で挟まれる領域内に位置して各側板部52a,52bと対向し、かつ連結板部53c側の部位がこの各側板部52a,52b間で挟まれる領域外に位置して各側板部53a,53bと対向する状態で回路基板71上に実装されている。また、抵抗61は、長さ方向の一端部(連結板部52c側の端部)がこの連結板部52cに回路基板71を介して接続され、かつ長さ方向の他端部(連結板部53c側の端部)がこの連結板部53cに回路基板71を介して接続されることで、コンデンサ51と並列接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-55848号公報(第5-6頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、本願発明者らが、上記のコンデンサ51および抵抗61の実装構造について、さらに検討を行った結果、コンデンサ51および抵抗61が取り付けられた回路基板71毎に、コンデンサ51および抵抗61の並列回路を含む電子回路についての電気的特性に、若干ではあるがばらつきが生じるという課題があることを発見した。また、本願発明者らが、更なる検討を行い、このばらつきは、コンデンサ51を形成する一側電極52および他側電極53の抵抗61に対する実装位置が、各部材の寸法誤差や組立誤差に起因して、抵抗61の長さ方向に沿ってわずかにずれることが原因の1つとなって発生することを見い出した。
【0009】
本発明は、かかる解決すべき課題に鑑みてなされたものであり、コンデンサを形成する電極の抵抗部材に対する実装位置が抵抗部材の長さ方向に沿って多少ずれたことの影響が、コンデンサおよび抵抗部材の並列回路を含む電子回路の電気的特性に及ぶのを最小限に抑制し得るコンデンサおよび抵抗部材の実装構造を提供することを主目的とする。また、このコンデンサおよび抵抗部材の実装構造を備えた入力ユニット、並びにこの入力ユニットを備えた測定装置を提供することを他の主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すべく請求項1記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造は、抵抗部材と、当該抵抗部材の一方の端子に接続された第1電極および当該抵抗部材の他方の端子に接続された第2電極で形成されるコンデンサとで構成される並列回路におけるコンデンサおよび抵抗部材の実装構造であって、前記第1電極は、前記抵抗部材の長さ方向と平行な状態で配置される第1電極形成部を有して構成され、前記第2電極は、前記抵抗部材の長さ方向と平行な状態で配置される第2電極形成部を有して構成され、前記抵抗部材は、前記第1電極形成部および前記第2電極形成部に一対一で対応する第1抵抗体および第2抵抗体が前記長さ方向に沿って分離して配設され、かつ配線を介して直列接続されて構成されると共に、当該第1抵抗体が対応する前記第1電極形成部と直接対向して位置し、かつ当該第2抵抗体が対応する前記第2電極形成部と直接対向して位置するように実装されている。
【0011】
また、請求項2記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造は、抵抗部材と、当該抵抗部材の一方の端子に接続された第1電極および当該抵抗部材の他方の端子に接続された第2電極で形成されるコンデンサとで構成される並列回路におけるコンデンサおよび抵抗部材の実装構造であって、前記第1電極および前記第2電極の少なくとも一方は、前記抵抗部材の長さ方向と平行な状態で、かつ当該長さ方向に沿って並設されたn個(nは2以上の整数)の電極形成部を有して構成され、前記抵抗部材は、前記n個の電極形成部に一対一で対応するn個の抵抗体が前記長さ方向に沿って分離して配設され、かつ配線を介して直列接続されて構成されると共に、当該n個の抵抗体が対応する前記電極形成部と直接対向して位置するように実装されている。
【0012】
また、請求項3記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造は、請求項1または2記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造において、前記抵抗部材は、絶縁材料で形成された1つの基体を有して構成され、各前記抵抗体は、前記長さ方向としての前記基体の長さ方向に沿って当該基体の表面に形成されている。
【0013】
また、請求項4記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造は、請求項1記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造において、前記第1電極は、それぞれが前記第1電極形成部として機能する一対の第1側板部と、当該第1側板部相互間に掛け渡される第1連結板部とで回路基板上に平面視略コ字状に配置され、前記第2電極は、それぞれが前記第2電極形成部として機能する一対の第2側板部と、当該第2側板部相互間に掛け渡される第2連結板部とで前記回路基板上に前記第1電極とは逆向きの平面視略コ字状に配置され、前記抵抗部材は、前記第1抵抗体の配設部位が前記一対の第1側板部の内方に位置し、かつ前記第2抵抗体の配設部位が前記一対の第2側板部の内方に位置する状態で前記回路基板上に配置されている。
【0014】
また、請求項5記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造は、請求項1記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造において、前記第1電極は、それぞれが前記第1電極形成部として機能する一対の第1側板部と、当該第1側板部相互間に掛け渡された第1連結板部とでコ字状に形成されると共に、前記一対の第1側板部を脚部として回路基板上に起立した状態で配置され、前記第2電極は、それぞれが前記第2電極形成部として機能する一対の第2側板部と、当該第2側板部相互間に掛け渡された第2連結板部とでコ字状に形成されると共に、前記一対の第2側板部を脚部として前記回路基板上に起立した状態で配置され、前記抵抗部材は、前記第1抵抗体の配設部位が前記一対の第1側板部の内方に位置し、かつ前記第2抵抗体の配設部位が前記一対の第2側板部の内方に位置する状態で前記回路基板上に配置されている。
【0015】
また、請求項6記載の入力ユニットは、入力電圧を入力するための電圧入力部を備え、当該電圧入力部が上記のいずれかのコンデンサおよび抵抗部材の実装構造で実装された前記抵抗部材と前記コンデンサとで構成される前記並列回路で構成されている。
【0016】
また、請求項7記載の測定装置は、上記の入力ユニットを備え、被測定量を測定する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造によれば、コンデンサを形成する第1電極の第1電極形成部および第2電極の第2電極形成部の抵抗部材に対する実装位置が抵抗部材の長さ方向に沿って多少ずれたとしても、抵抗部材を構成する第1抵抗体がこれと対応する第1電極形成部と直接対向して位置する状態と、抵抗部材を構成する第2抵抗体がこれと対応する第2電極形成部と直接対向して位置する状態とが常に維持されるため、第1電極形成部および第2電極形成部の実装位置が長さ方向に沿ってずれたことの影響が、コンデンサおよび抵抗部材の並列回路を含む電子回路の電気的特性に及ぶのを最小限に抑制することができる。
【0018】
また、請求項2記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造によれば、n個の電極形成部を有して構成された第1電極および第2電極の少なくとも一方の電極が、抵抗部材の長さ方向に沿って多少ずれたとしても、抵抗部材を構成するn個の抵抗体のそれぞれが、それぞれに対応するn個の電極形成部のうちの1つと直接対向して位置する状態が常に維持されるため、この少なくとも一方の電極の実装位置が長さ方向に沿ってずれたことの影響が、コンデンサおよび抵抗部材の並列回路を含む電子回路の電気的特性に及ぶのを最小限に抑制することができる。
【0019】
また、請求項3記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造によれば、抵抗部材は、第1抵抗体および第2抵抗体が同じ基体の長さ方向に沿って基体の表面に形成されている構成のため、第1抵抗体および第2抵抗体の位置関係が常に一定の状態でコンデンサに対して実装することができる。つまり、第1抵抗体が対応する第1電極形成部と直接対向して位置し、かつ第2抵抗体が対応する第2電極形成部と直接対向して位置する状態で、コンデンサおよび抵抗部材を実装することができる。
【0020】
また、請求項4記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造では、第1電極が、それぞれが第1電極形成部として機能する一対の第1側板部と、第1側板部相互間に掛け渡される第1連結板部とを備えて、回路基板上に平面視略コ字状に配置され、また第2電極が、それぞれが第2電極形成部として機能する一対の第2側板部と、第2側板部相互間に掛け渡される第2連結板部とを備えて、回路基板上に第1電極とは逆向きの平面視略コ字状に配置され、かつ抵抗部材が、第1抵抗体の配設部位が一対の第1側板部の内方に位置し、かつ第2抵抗体の配設部位が一対の第2側板部の内方に位置する状態で回路基板上に配置される実装構造である。したがって、この実装構造によれば、第1電極の第1電極形成部(各第1側板部)および第2電極の第2電極形成部(各第2側板部)を抵抗部材の長さ方向と平行な状態となるように、回路基板に容易に実装することができる。
【0021】
また、請求項5記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造においても、請求項4記載のコンデンサおよび抵抗部材の実装構造と同様にして、第1電極の第1電極形成部(各第1側板部)および第2電極の第2電極形成部(各第2側板部)を抵抗部材の長さ方向と平行な状態となるように、回路基板に容易に実装することができる。
【0022】
また、請求項6記載の入力ユニットによれば、電圧入力部が、上記の各コンデンサおよび抵抗の実装構造のうちのいずれかの実装構造で実装されたコンデンサと抵抗部材の並列回路で構成されているため、上記の実装位置がずれたことの影響が、この並列回路を含む電子回路の電気的特性に及ぶのを最小限に抑制することができる。これにより、この入力ユニットによれば、入力電圧に対する処理をばらつき(電気的特性のばらつき)の少ない状態で実行して出力することができる。
【0023】
また、請求項7記載の測定装置は、上記の入力ユニットを備えたことにより、このようにしてばらつきの少ない状態で処理された入力電圧に基づいて、被測定量をばらつきの少ない状態で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】コンデンサ3Aおよび抵抗部材4の実装構造が適用される電子回路1の一例を示す等価回路図である。
図2】回路基板5上に実装されたコンデンサ3Aおよび抵抗部材4の実装構造を説明するための斜視図である。
図3】抵抗部材4の構成を説明するための斜視図である。
図4】抵抗部材4の比較例としての抵抗部材61の構成を説明するための斜視図である。
図5】コンデンサ3Aおよび抵抗部材4の平面視実装構造を模式的に表した説明図である。
図6】コンデンサ3Aおよび抵抗部材61の平面視実装構造を模式的に表した説明図である。
図7】回路基板5上に実装されたコンデンサ3Bおよび抵抗部材4の実装構造を説明するための斜視図である。
図8】コンデンサ3Bおよび抵抗部材4の平面視実装構造を模式的に表した説明図である。
図9】コンデンサ3Cおよび抵抗部材4の平面視実装構造を模式的に表した説明図である。
図10】コンデンサ3Dおよび抵抗部材4の平面視実装構造を模式的に表した説明図である。
図11】コンデンサ3Eおよび抵抗部材4の平面視実装構造を模式的に表した説明図である。
図12】回路基板71上に実装されたコンデンサ51および抵抗部材61の実装構造を説明するための斜視図である。
図13】入力ユニット101a,101bおよび測定装置100の各構成を説明するための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、コンデンサおよび抵抗部材の実装構造、入力ユニット並びに測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0026】
このコンデンサおよび抵抗部材の実装構造は、電圧測定機器における電圧入力部(例えば、図1に示すように、入力電圧Vinを電圧測定機器内に入力する(取り込む)ための電子回路1(この例では、演算増幅器2を有する電子回路)の入力部として配置されたコンデンサ3Aおよび抵抗部材4の並列回路で構成される電圧入力部)の実装構造に適用される。以下では、この実装構造について、回路基板上に実装される電子回路1におけるコンデンサ3Aおよび抵抗部材4の実装構造を例に挙げて説明するが、この実装構造は、回路基板上以外の場所に並列接続されて実装されるコンデンサ3Aおよび抵抗部材4にも適用できるのは勿論である。
【0027】
まず、コンデンサ3Aおよび抵抗部材4の構造について、図1図3を参照して説明する。
【0028】
最初に、コンデンサ3Aの構造について説明すると、コンデンサ3Aは、図2に示すように、間隔を空けて回路基板5に実装された第1電極としての一側電極11と第2電極としての他側電極12(いずれも導電性金属材で形成された電極)とを備えて、両電極11,12間に存在する空気を誘電体として構成されるコンデンサである。また、コンデンサ3Aは、このように空気を誘電体とする構成であることから、一側電極11および他側電極12の形状や、一側電極11および他側電極12の実装時の配置によって任意の耐圧(数kVのような高耐圧を含む)に規定することが可能で、かつ実装後は安定した高精度の静電容量値を維持することが可能となっている。
【0029】
具体的には、一側電極11は、一対の長方形平板状の第1側板部11a,11bと、これらの第1側板部11a,11b相互間に第1側板部11a,11bと略直角な状態で架け渡された長方形平板状の第1連結板部11cとで構成されて、回路基板5上に平面視略コ字状に実装(配置)されている。また、各第1側板部11a,11bは、第1連結板部11cからの長さが同一に規定されると共に、後述するようにこれらの第1側板部11a,11bの内方に実装(配置)された抵抗部材4の長さ方向(図中の矢印A方向。以下、長さ方向Aともいう)と平行な状態で、かつ抵抗部材4と対向し得る状態(後述する第1抵抗体22および第2抵抗体23が配設される抵抗部材4の表面と対向し得る状態)で配置されて、それぞれが第1電極形成部を構成する。ここで、一側電極11側のこの第1電極形成部、および他側電極12側の後述する第2電極形成部は、抵抗部材4の長さ方向Aと平行な状態で、かつ抵抗部材4と対向し得る状態で配置された部材をいい、一側電極11では上記したように第1側板部11a,11bが第1電極形成部を構成し、他側電極12では後述するように第2側板部12a,12bが第2電極形成部を構成する。
【0030】
他側電極12は、一対の長方形平板状の第2側板部12a,12b(本例では一例として、相互間の距離が一対の第1側板部11a,11b間の距離よりも長く規定されて、一対の第1側板部11a,11bの外方に配置される構成である)と、これらの第2側板部12a,12b相互間に第2側板部12a,12bと略直角な状態で架け渡された長方形平板状の第2連結板部12cとで構成されて、回路基板5上に一側電極11とは逆向きの平面視略コ字状に実装(配置)されている。また、各第2側板部12a,12bは、第2連結板部12cからの長さが同一に規定されると共に、抵抗部材4の長さ方向Aと平行な状態で、かつ抵抗部材4と対向し得る状態で配置されて、それぞれが第2電極形成部を構成する。
【0031】
また、コンデンサ3Aは、一側電極11における各第1側板部11a,11bが、他側電極12における各第2側板部12a,12bのうちの対向する側板部とは重なり合わない非対向面を一部(第1連結板部11c側の一部)に確保し得る位置関係のもとで回路基板5に実装(配置)され、かつ他側電極12における各第2側板部12a,12bも、一側電極11における各第1側板部11a,11bのうちの対向する側板部とは重なり合わない非対向面を一部(第2連結板部12c側の一部)に確保し得る位置関係のもとで回路基板5に実装(配置)されることで形成されている。具体的には、本例のコンデンサ3Aでは一例として、図2に示すように、第1側板部11a,11bには、他側電極12における第2側板部12a,12bと重なり合わない非対向面(同図中の領域AR1の部位)と、第2側板部12a,12bと重なり合う対向面(同図中の領域AR2の部位)とがそれぞれ確保されている。また、第2側板部12a,12bにも、一側電極11における第1側板部11a,11bと重なり合わない非対向面(同図中の領域AR3の部位)と、第1側板部11a,11bと重なり合う対向面(第1側板部11a,11bにおける領域AR2の部位との対向面)とがそれぞれ確保されている。
【0032】
次いで、抵抗部材4の構造について説明する。抵抗部材4は、一例として図3に示すように、絶縁材料で形成された1つの基体21、基体21の長さ方向(基体21の表面に形成される第1抵抗体22および第2抵抗体23の各形成領域の並び方向。この例では、後述するように、直方体形状に形成された基体21の長辺と平行な方向A)に沿って基体21の表面に分離して形成されてコンデンサ3Aにおける第1電極形成部および第2電極形成部に一対一で対応する第1抵抗体22および第2抵抗体23、並びに基体21の長さ方向Aに沿った両端部に配設された一対の端子TE1,TE2を備えている。また、抵抗部材4は、第1抵抗体22および第2抵抗体23を含めて基体21の表面全体が不図示の絶縁皮膜で覆われて構成されている。
【0033】
具体的には、基体21は、図3に示すように、一例として薄厚の直方体形状に形成されている。また、本例では一例として、第1抵抗体22の形成領域AR11(以下、単に領域AR11ともいう)は、基体21の表面における基体21の一対の短辺のうちの一方の短辺(同図中の左側の短辺)側の表面に配設され、第2抵抗体23の形成領域AR12(以下、単に領域AR12ともいう)は、基体21の表面における他方の短辺(同図中の右側の短辺)側の表面に配設されている。したがって、この構成の抵抗部材4では、各領域AR11,AR12の並び方向は、直方体形状に形成された基体21の長辺と平行であることから、図3に示すように、長辺と平行な方向が長さ方向Aとなっている。
【0034】
なお、図示はしないが、領域AR11が基体21の表面における基体21の一対の長辺のうちの一方の長辺側の表面に配設され、かつ領域AR12が基体21の表面における他方の長辺側の表面に配設された構成(つまり、図3において、基体21の上下方向が左右方向よりも長い構成)の抵抗部材4では、各領域AR11,AR12の並び方向は直方体形状に形成された基体21の短辺と平行であることから、短辺と平行な方向が長さ方向Aとなる。
【0035】
一対の端子TE1,TE2は、基体21における長さ方向Aと平行な1つの辺(図3の構成では、下側の長辺)側に、一対の端子TE1,TE2のうちの一方の端子TE1が領域AR11に位置し、他方の端子TE2が領域AR12に位置するように配設されている。この構成により、抵抗部材4は、図2に示すように、基体21の長さ方向Aと直交する一対の辺(本例では、一対の短辺)が回路基板5に対して略直角となる起立状態で、回路基板5に実装される。
【0036】
第1抵抗体22は、図3に示すように、基体21上(具体的には、図2に示す回路基板5への実装状態において回路基板5と直交する基体21の表面上)における領域AR11の部位であって、後述する領域AR0(領域AR11の一部となったり、領域AR12の一部となったりし得る領域)に含まれない部位に配設(形成)されて、一方の短辺側の端部(図3中の左端部)が一方の端子TE1に接続されている。第2抵抗体23は、図3に示すように、基体21上(具体的には、図2に示す回路基板5への実装状態において回路基板5と直交する基体21の表面上)における領域AR12の部位であって、領域AR0に含まれない部位に、第1抵抗体22と分離された状態で配設(形成)されて、他方の短辺側の端部(図3中の右端部)が他方の端子TE2に接続されている。また、第1抵抗体22および第2抵抗体23は、図2,3に示すように、領域AR0を跨いで形成された配線26を介して直列接続されている。なお、この配線26自体の抵抗値は、第1抵抗体22および第2抵抗体23の各抵抗値と比較して十分に小さいものであることから、配線26は実質的には抵抗体として機能しないものとなっている。
【0037】
この構成の抵抗部材4は、図2に示すように、領域AR11の部位が第1側板部11a,11bの内方(第1側板部11a,11b間で挟まれる領域内)に位置して第1側板部11a,11bと対向し(つまり、抵抗部材4における領域AR11の部位は、第1電極形成部を構成する第1側板部11a,11bと直接対向する部位であり)、かつ領域AR12の部位が第2側板部12a,12bの内方(第2側板部12a,12b間で挟まれる領域内)であって、各第1側板部11a,11b間で挟まれる領域の外の領域に位置して、第2側板部12a,12bと対向する状態(つまり、抵抗部材4における領域AR12の部位は、第2電極形成部を構成する第2側板部12a,12bと直接対向する部位となる状態)で回路基板5に実装されている。この構成により、抵抗部材4(基体21も同様)は、図2,3に示すように、長さ方向Aに沿って、第1電極形成部を構成する第1側板部11a,11bと直接対向する領域AR11と、第2電極形成部を構成する第2側板部12a,12bと直接対向する領域AR12とで二分される。
【0038】
また、抵抗部材4は、図1に示すように、一側電極11側に位置する一方の端子TE1が回路基板5を介してこの一側電極11に接続され、かつ他側電極12側に位置する他方の端子TE2が回路基板5を介してこの他側電極12に接続されることで、コンデンサ3Aと並列接続されている。
【0039】
このようにして、第1抵抗体22は、第1電極形成部としての第1側板部11a,11bと直接対向する部位である領域AR11の部位に形成されていることから、第1電極形成部に対応する抵抗体であり、さらには領域AR0に含まれない部位に形成されていることから、第1電極形成部とのみ直接対向して配設された抵抗体である。また、第2抵抗体23は、第2電極形成部としての第2側板部12a,12bと直接対向する部位である領域AR12内の部位に形成されていることから、第2電極形成部に対応する抵抗体であり、さらには領域AR0に含まれない部位に形成されていることから、第2電極形成部とのみ直接対向して配設された抵抗体である。
【0040】
また、本例では一例として、第1抵抗体22および第2抵抗体23は、図3に示すように、長さ方向Aに沿って連続するように折られたつづら折り状に形成された抵抗配線で構成される抵抗体であるが、この構成に限定されるものではなく、図示はしないが、回路基板5への実装状態において回路基板5と直交する方向(図3での基体21の短辺方向)に沿って連続するように折られたつづら折り状に形成された抵抗配線で構成される抵抗体であってもよいなど、種々の公知の構成の抵抗体を採用することもできる。
【0041】
また、第1抵抗体22および第2抵抗体23は、一例として基体21の同じ表面に形成されていることから、回路基板5に実装された抵抗部材4を平面視したときに、長さ方向Aに沿って同一直線上に配設された状態となっている。なお、第1抵抗体22および第2抵抗体23は、基体21の同じ表面に形成される構成に限定されるものではなく、第2抵抗体23は、第1抵抗体22が形成された表面の背面(長さ方向Aと平行で、かつ回路基板5と直交する基体21の他の表面)に形成される構成(異なる表面に形成される構成)であってもよい。この場合、基体21は上記したように薄厚の直方体形状であることから、回路基板5に実装された抵抗部材4を平面視した状態では、第1抵抗体22および第2抵抗体23は、このように基体21の異なる表面に形成される構成であっても、実質的に、抵抗部材4の長さ方向Aに沿って同一直線上に配設された状態となっている。
【0042】
また、抵抗体自体は、炭素皮膜抵抗や金属被膜抵抗で形成することができる。また、基体21の形状は、図3に示す薄厚の直方体形状に限定されるものではなく、図示はしないが、断面多角形の柱状形状や楕円柱状や円柱形状などの柱状形状とすることもできる。この形状の基体21に対しては、外表面に炭素皮膜抵抗や金属被膜抵抗を軸線方向(長さ方向)に沿って分離して形成することで、第1抵抗体22および第2抵抗体23を形成することもできるし、外表面に巻線抵抗を軸線方向(長さ方向)に沿って分離して巻回することで、第1抵抗体22および第2抵抗体23を形成することもできる。
【0043】
ところで、一側電極11および他側電極12は、上記の発明が解決しようとする課題で説明したように、それぞれの実装位置がそれぞれに付した矢印B1,B2(図2参照)で示すように、抵抗部材4の長さ方向Aに沿ってわずかにずれる場合がある。つまり、一側電極11および他側電極12の抵抗部材4に対する相対位置が長さ方向Aに沿ってずれる場合があり、これにより、抵抗部材4および基体21を長さ方向Aに沿って二分する領域AR11と領域AR12との境界線L1が長さ方向Aに沿ってずれる場合がある。なお、この境界線L1は、第1電極形成部(本例では第1側板部11a,11b)における抵抗部材4と直接対向する部位と、第2電極形成部(本例では第2側板部12a,12b)における抵抗部材4と直接対向する部位との境界線でもある(図5参照)。本例では、このずれた境界線L1が位置し得る領域を符号AR0で示すものとする(図2,3参照)。つまり、この領域AR0は、領域AR11の一部となったり、領域AR12の一部となったりし得る領域である。なお、境界線L1の実際のずれ量は僅かであるが、説明する領域AR0が認識可能な状態となるように、図2,3では領域AR0を誇張して表示している。
【0044】
本例の抵抗部材4では、上記したように、第1抵抗体22は、第1電極形成部としての第1側板部11a,11bとのみ直接対向するように基体21上の領域AR11(領域AR0となり得る領域以外の領域AR11)に配設された抵抗体であり、また第2抵抗体23は、第2電極形成部としての第2側板部12a,12bとのみ直接対向するように基体21上の領域AR12(領域AR0となり得る領域以外の領域AR12)に配設された抵抗体である。
【0045】
このため、抵抗部材4に対する一側電極11および他側電極12の各実装位置が矢印B1,B2で示すように、抵抗部材4の長さ方向Aに沿ってわずかにずれたとしても(本例では、第1側板部11a,11bおよび第2側板部12a,12bのそれぞれに、互いに重なり合う対向面(領域AR2の部位)が確保されている構成のため、他側電極12の実装位置のずれの影響はなく、主として一側電極11の実装位置のずれが影響することになる)、第1側板部11a,11bとのみ直接対向する抵抗部材4における抵抗体(本例では第1抵抗体22)の抵抗値は変化せず、また第2側板部12a,12bとのみ直接対向する抵抗部材4における抵抗体(本例では第2抵抗体23)の抵抗値も変化しない。また、コンデンサ3Aおよび抵抗部材4の平面視実装構造を模式的に表した図5で示されるように、第1抵抗体22と第1側板部11a,11bとの間に形成される静電容量の容量値(同図では、理解の容易のため、第1抵抗体22と第1側板部11bとの間に形成される静電容量のみを図示している)、および第2抵抗体23と第2側板部12a,12bとの間に形成される静電容量(同図では、理解の容易のため、第2抵抗体23と第2側板部12bとの間に形成される静電容量のみを図示している)の容量値も殆ど変化しない。以上のことから、一側電極11および他側電極12の各実装位置が長さ方向Aに沿って矢印B1,B2で示すようにずれたとしても、コンデンサ3Aおよび抵抗部材4の並列回路で構成される電圧入力部の電気的特性(例えば周波数特性)は殆ど変化しない。
【0046】
これに対して、図4に示すように、基体21上における一方の端子TE1から他方の端子TE2までの間の領域の全体に亘って抵抗体62が長さ方向Aに沿ってほぼ均一に形成されている抵抗部材61(背景技術で説明した抵抗61と同一構造の抵抗部材)を抵抗部材4に代えて使用する構成では、抵抗部材61に対する一側電極11および他側電極12の各実装位置が抵抗部材61の長さ方向Aに沿ってわずかにずれた場合、領域AR11と領域AR12との境界線L1が領域AR0内で長さ方向Aに沿ってずれることから、各領域AR11,AR12の面積が変化し、これに伴い、各領域AR11,AR12に含まれている抵抗体の各抵抗値も変化する(つまり、第1側板部11a,11bと直接対向する抵抗部材61における抵抗体の抵抗値と、第2側板部12a,12bと直接対向する抵抗部材61における抵抗体の抵抗値とが変化する)。また、コンデンサ3Aおよび抵抗部材61の平面視実装構造を模式的に表した図6で示されるように、抵抗体62と第1側板部11a,11bとの間に形成される静電容量の容量値(同図では、理解の容易のため、抵抗体62と第1側板部11bとの間に形成される静電容量のみを図示している)、および抵抗体62と第2側板部12a,12bとの間に形成される静電容量(同図では、理解の容易のため、抵抗体62と第2側板部12bとの間に形成される静電容量のみを図示している)の容量値も変化する。以上のことから、一側電極11および他側電極12の各実装位置が長さ方向Aに沿ってずれた場合、コンデンサ3Aおよび抵抗部材61の並列回路で構成される電圧入力部の電気的特性(例えば周波数特性)も変化する。
【0047】
このように、このコンデンサ3Aおよびこの抵抗部材4の実装構造では、第1電極としての一側電極11が長さ方向Aと平行な状態で配置された第1電極形成部としての第1側板部11a,11bを有して構成され、第2電極としての他側電極12が長さ方向Aと平行な状態で配置された第2電極形成部としての第2側板部12a,12bを有して構成されているときに、抵抗部材4は、第1電極形成部(第1側板部11a,11b)および第2電極形成部(第2側板部12a,12b)に一対一で対応する第1抵抗体22および第2抵抗体23が長さ方向Aに沿って分離して配設され、かつ配線26を介して直列接続されて構成されると共に、第1抵抗体22が対応する第1電極形成部(第1側板部11a,11b)とのみ直接対向して位置し、かつ第2抵抗体23が対応する第2電極形成部(第2側板部12a,12b)とのみ直接対向して位置するように、コンデンサ3Aと共に回路基板5に実装されている。
【0048】
したがって、このコンデンサ3Aおよびこの抵抗部材4の実装構造によれば、コンデンサ3Aを形成する第1側板部11a,11bおよび第2側板部12a,12bのうちの第1側板部11a,11bの抵抗部材4に対する実装位置が抵抗部材4の長さ方向Aに沿って多少ずれたとしても、抵抗部材4を構成する第1抵抗体22がこれと対応する第1電極形成部(第1側板部11a,11b)とのみ直接対向して位置する状態(第1抵抗体22と対向する電極形成部位が主としてこの第1電極形成部となっている状態)と、抵抗部材4を構成する第2抵抗体23がこれと対応する第2電極形成部(第2側板部12a,12b)とのみ直接対向して位置する状態(第2抵抗体23と対向する電極形成部位が主としてこの第2電極形成部となっている状態)とが常に維持されるため、第1側板部11a,11bの実装位置が長さ方向Aに沿ってずれたことの影響が、コンデンサ3Aおよび抵抗部材4の並列回路を含む電子回路1の電気的特性に及ぶのを最小限に抑制することができる。
【0049】
また、このコンデンサ3Aおよびこの抵抗部材4の実装構造によれば、抵抗部材4は、絶縁材料で形成された1つの基体21を有して構成され、第1抵抗体22および第2抵抗体23は、基体21の長さ方向Aに沿って基体21の表面に形成されている構成のため、第1抵抗体22および第2抵抗体23の位置関係が常に一定の状態でコンデンサ3Aに対して実装することができる。つまり、第1抵抗体22が対応する第1電極形成部(第1側板部11a,11b)とのみ直接対向して位置し、かつ第2抵抗体23が対応する第2電極形成部(第2側板部12a,12b)とのみ直接対向して位置する状態で、コンデンサ3Aおよび抵抗部材4を実装することができる。
【0050】
また、このコンデンサ3Aおよびこの抵抗部材4の実装構造では、第1電極としての一側電極11が、それぞれが第1電極形成部として機能する一対の第1側板部11a,11bと、第1側板部11a,11b相互間に掛け渡される第1連結板部11cとを備えて、回路基板5上に平面視略コ字状に配置され、また第2電極としての他側電極12が、一対の第1側板部11a,11bの外方に配置されてそれぞれが第2電極形成部として機能する一対の第2側板部12a,12bと、第2側板部12a,12b相互間に掛け渡される第2連結板部12cとを備えて、回路基板5上に一側電極11とはその向きを逆に組み合わせて平面視略コ字状に配置され、かつ抵抗部材4が、第1抵抗体22の配設部位が一対の第1側板部11a,11bの内方に位置し、かつ第2抵抗体23の配設部位が一対の第2側板部12a,12bの内方に位置する状態で回路基板5上に配置される実装構造である。したがって、この実装構造によれば、一側電極11の第1電極形成部(第1側板部11a,11b)および他側電極12の第2電極形成部(第2側板部12a,12b)を抵抗部材4の長さ方向Aと平行な状態となるように、回路基板5に容易に実装することができる。
【0051】
なお、上記のコンデンサ3Aおよび抵抗部材4の実装構造では、コンデンサ3Aを構成する一側電極11および他側電極12を、回路基板5上にそれぞれ平面視略コ字状に配置して実装する構造であるが、一側電極11および他側電極12の回路基板5上への実装構造はこれに限定されるものではなく、図7に示す実装構造であってもよい。以下、図7を参照して、コンデンサ3Aおよび抵抗部材4の他の実装構造について説明する。なお、図1図6を参照して説明した上記のコンデンサ3Aおよび抵抗部材4の実装構造と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、抵抗部材4については、上記した抵抗部材4と同一であることから、コンデンサ3Bについて主として説明する。
【0052】
コンデンサ3Bは、図7に示すように、第1電極形成部として機能する一対の第1側板部11a,11bと、第1側板部11a,11b相互間に掛け渡された第1連結板部11cとでコ字状に形成された第1電極としての一側電極11と、第2電極形成部として機能する一対の第2側板部12a,12bと、第2側板部12a,12b相互間に掛け渡された第2連結板部12cとでコ字状に形成された第2電極としての他側電極12を備えている。
【0053】
また、このコンデンサ3Bでは、一側電極11は、第1側板部11a,11bを脚部として回路基板5上に起立した状態で、かつ抵抗部材4を跨ぐ形態で実装(配置)されている。また、他側電極12は、第1側板部11a,11bの外方に配置された第2側板部12a,12bを脚部として回路基板5上に起立した状態で、かつ抵抗部材4および一側電極11を跨ぐ形態(抵抗部材4および一側電極11の一部を覆う形態)で実装(配置)されている。
【0054】
また、このコンデンサ3Bでは、第1連結板部11cおよび第2連結板部12cについても、長さ方向Aと平行な状態で配置された部材であるが、抵抗部材4と対向し得る状態(第1抵抗体22および第2抵抗体23が配設される抵抗部材4の表面と平行な状態)で配置された部材ではない。したがって、コンデンサ3Bでは、第1連結板部11cは第1電極形成部として機能せず、また第2連結板部12cは第2電極形成部として機能しない構成となっている。
【0055】
また、コンデンサ3Bでも、コンデンサ3Aと同様にして、一側電極11における各第1側板部11a,11bが、他側電極12における各第2側板部12a,12bのうちの対向する側板部とは重なり合わない非対向面を一部に確保し得る位置関係のもとで回路基板5に実装(配置)されることで形成されている。具体的には、図7に示すように、第1側板部11a,11bには、他側電極12における第2側板部12a,12bと重なり合わない非対向面(同図中の領域AR1の部位)と、第2側板部12a,12bと重なり合う対向面(同図中の領域AR2の部位)とがそれぞれ確保されている。さらに、コンデンサ3Bでは、第1連結板部11cには、他側電極12における第2連結板部12cと重なり合わない非対向面(同図中の領域AR1の部位)と、第2連結板部12cと重なり合う対向面(同図中の領域AR2の部位)とがそれぞれ確保されている。
【0056】
また、第2側板部12a,12bにも、一側電極11における各第1側板部11a,11bと重なり合わない非対向面(同図中の領域AR3の部位)と、第1側板部11a,11bと重なり合う対向面(第1側板部11a,11bにおける領域AR2の部位との対向面)とがそれぞれ確保されている。さらに、コンデンサ3Bでは、第2連結板部12cにも、一側電極11における第1連結板部11cと重なり合わない非対向面(同図中の領域AR3の部位)と、第1連結板部11cと重なり合う対向面(第1連結板部11cにおける領域AR2の部位との対向面)とがそれぞれ確保されている。
【0057】
また、図7に示す抵抗部材4は、図2,3を参照して説明した上記の抵抗部材4と同一に構成されると共に、コンデンサ3Bにおける第1電極形成部(第1側板部11a,11b)と第2電極形成部(第2側板部12a,12b)とに対する第1抵抗体22および第2抵抗体23の位置関係が、図2を参照して説明したコンデンサ3Aおよび抵抗部材4の実装構造での位置関係と同一となるように、コンデンサ3Bに対して実装されている。また、抵抗部材4は、一方の端子TE1が回路基板5を介して一側電極11(この例では、第1側板部11a,11bのいずれか)に接続され、かつ他方の端子TE2が回路基板5を介して他側電極12(この例では、第2側板部12a,12bのいずれか)に接続されることで、コンデンサ3Bと並列接続されている。
【0058】
したがって、コンデンサ3Bおよび抵抗部材4の平面視実装構造を模式的に表した図8で示されるように、抵抗部材4では、その第1抵抗体22が、領域AR11における領域AR0に含まれない部位に形成されて、コンデンサ3Bの第1電極形成部としての第1側板部11a,11bとのみ直接対向して配設された抵抗体となっており、またその第2抵抗体23が、領域AR12における領域AR0に含まれない部位に形成されて、コンデンサ3Bの第2電極形成部としての第2側板部12a,12bとのみ直接対向して配設された抵抗体となっている。
【0059】
これにより、図7,8に示すコンデンサ3Bおよび抵抗部材4の実装構造においても、抵抗部材4に対する一側電極11および他側電極12の各実装位置が矢印B1,B2で示すように、抵抗部材4の長さ方向Aに沿ってわずかにずれたとしても(この例では、第1側板部11a,11bおよび第1連結板部11cと、第2側板部12a,12bおよび第2連結板部12cとのそれぞれに、互いに重なり合う対向面(領域AR2の部位)が確保されている構成のため、他側電極12の実装位置のずれの影響はなく、主として一側電極11の実装位置のずれが影響することになる)、第1側板部11a,11bとのみ直接対向する抵抗部材4における第1抵抗体22の抵抗値は変化せず、また第2側板部12a,12bとのみ直接対向する抵抗部材4における第2抵抗体23の抵抗値も変化しない。また、図8で示されるように、第1抵抗体22と第1側板部11a,11bとの間に形成される静電容量の容量値(同図では、理解の容易のため、第1抵抗体22と第1側板部11bとの間に形成される静電容量のみを図示している)、および第2抵抗体23と第2側板部12a,12bとの間に形成される静電容量(同図では、理解の容易のため、第2抵抗体23と第2側板部12bとの間に形成される静電容量のみを図示している)の容量値も殆ど変化しない。以上のことから、一側電極11および他側電極12の各実装位置が長さ方向Aに沿って矢印B1,B2で示すようにずれたとしても、コンデンサ3Aおよび抵抗部材4の並列回路で構成される電圧入力部の電気的特性(例えば周波数特性)は殆ど変化しない。
【0060】
したがって、図7,8に示すコンデンサ3Bおよび抵抗部材4の実装構造においても、一側電極11の第1電極形成部(第1側板部11a,11b)および他側電極12の第2電極形成部(第2側板部12a,12b)を抵抗部材4の長さ方向Aと平行な状態となるように、容易に実装することができるとの効果を含む上記したコンデンサ3Aおよび抵抗部材4の実装構造での各効果と同等の効果を奏することができる。
【0061】
また、上記したコンデンサ3Aでは、各第1側板部11a,11bおよび各第2側板部12a,12bが、導電性金属材で構成された1枚の長方平板形状に形成されることで、それぞれが電極形成部を1つずつ有する(上記の第1側板部11a,11bでは、それ自体が第1電極形成部を構成し、第2側板部12a,12bでは、それ自体が第2電極形成部を構成している)構成であったが、第1側板部11a,11bの組および第2側板部12a,12bの組のうちの少なくとも一方の組が、2以上の電極形成部を有する構成であってもよい。一例として、第1側板部11a,11bの組および第2側板部12a,12bの組のそれぞれが、2つの電極形成部を有する構成のコンデンサ3Cと、このコンデンサ3Cに対応した構成の抵抗部材4とについての実装構造について、以下において説明する。なお、本例では、理解の容易のため、図2図7のような斜視図は省略して、コンデンサ3Cおよび抵抗部材4の平面視実装構造を模式的に表した図9を参照して説明する。
【0062】
コンデンサ3Cの構造について説明する。なお、コンデンサ3Cは、図2に示すコンデンサ3Aに変更を加えたものであることから、以下では、コンデンサ3Aと比較しつつ説明する。
【0063】
コンデンサ3Cは、コンデンサ3Cと同様にして、図9に示すように、間隔を空けて回路基板5に実装された第1電極としての一側電極11と第2電極としての他側電極12(いずれも導電性金属材で形成された電極)とを備えて、両電極11,12間に存在する空気を誘電体として構成されるコンデンサである。
【0064】
具体的には、一側電極11は、図9に示すように、一対の第1側板部11a,11bと、これらの第1側板部11a,11b相互間に第1側板部11a,11bと略直角な状態で架け渡された第1連結板部11cとを備えて、これらが回路基板5上に平面視略コ字状に実装(配置)される構成については図2に示す一側電極11と同一である。一方、図9に示す一側電極11は、第1側板部11aの先端に他の長方形平板状の第1連結板部11d(第1連結板部11cと平行)を介して他の長方形平板状の第1側板部11e(第1側板部11aと平行)が連結されている構成と、第1側板部11bの先端に他の長方形平板状の第1連結板部11f(第1連結板部11cと平行)を介して他の長方形平板状の第1側板部11g(第1側板部11bと平行)が連結されている構成とにおいて、図2に示す一側電極11と相違している。この場合、長さ方向Aに沿った第1側板部11eおよび第1側板部11gの長さは同一に規定されている。また、本例では一例として、第1側板部11eおよび第1側板部11gは、第1側板部11a,11bよりも抵抗部材4から離間した位置に実装(配置)される構成であるが、第1側板部11a,11bよりも抵抗部材4に近接した位置に実装(配置)される構成としてもよい。
【0065】
他側電極12は、図9に示すように、一対の第2側板部12a,12bと、これらの第2側板部12a,12b相互間に第2側板部12a,12bと略直角な状態で架け渡された第2連結板部12cとを備えて、これらが回路基板5上に一側電極11とはその向きを逆に組み合わせて平面視略コ字状に実装(配置)される構成については図2に示す他側電極12と同一である。一方、図9に示す他側電極12は、第2側板部12aの先端に他の長方形平板状の第2連結板部12d(第2連結板部12cと平行)を介して他の長方形平板状の第2側板部12e(第2側板部12aと平行)が連結されている構成と、第2側板部12bの先端に他の長方形平板状の第2連結板部12f(第2連結板部12cと平行)を介して他の長方形平板状の第2側板部12g(第2側板部12bと平行)が連結されている構成とにおいて、図2に示す他側電極12と相違している。この場合、長さ方向Aに沿った第2側板部12eおよび第2側板部12gの長さは同一に規定されている。また、本例では一例として、第2側板部12eおよび第2側板部12gは、第2側板部12a,12bよりも抵抗部材4から離間した位置に実装(配置)される構成であるが、第2側板部12a,12bよりも抵抗部材4に近接した位置に実装(配置)される構成としてもよい。
【0066】
以上の構成により、コンデンサ3Cの一側電極11では、第1側板部11a,11bが第1電極形成部を構成し、他の第1側板部11e,11gが他の電極形成部(以下では、区別のため、第3電極形成部ともいう)を構成する。また、コンデンサ3Cの他側電極12では、第2側板部12a,12bが第2電極形成部を構成し、他の第2側板部12e,12gが他の電極形成部(以下では、区別のため、第4電極形成部ともいう)を構成する。
【0067】
また、コンデンサ3Cは、一側電極11における各第1側板部11e,11gの先端部と、他側電極12における各第2側板部12e,12gの先端部とにのみ、互いに重なり合う対向面(同図中の領域AR2の部位)がそれぞれ確保され得る位置関係のもとで、一側電極11および他側電極12が回路基板5に実装(配置)されることで形成されている。このため、一側電極11では、第1側板部11a,11bの全体、および第1側板部11e,11gの基端部に、他側電極12側の各第2側板部12a,12b,12e,12gと重なり合わない非対向面(同図中の領域AR1の部位)が確保されている。また、他側電極12では、第2側板部12a,12bの全体、および第2側板部12e,12gの基端部に、一側電極11側の各側板部11a,11b,11e,11gと重なり合わない非対向面(同図中の領域AR3の部位)が確保されている。
【0068】
また、コンデンサ3Aでは、一側電極11および他側電極12に第1電極形成部(第1側板部11a,11b)と第2電極形成部(第2側板部12a,12b)の2つの電極形成部しか存在しない構成のため、異なる電極形成部間の境界線は境界線L1の1つしか存在していないのに対して、一側電極11および他側電極12に4つの電極形成部(第1電極形成部~第4電極形成部)が存在する構成のコンデンサ3Cでは、図9に示すように、第1電極形成部(第1側板部11a,11b)と第3電極形成部(第1側板部11e,11g)との間の境界線L1、第3電極形成部(第1側板部11e,11g)と第4電極形成部(第2側板部12e,12g)との間の境界線L2、および第4電極形成部(第2側板部12e,12g)と第2電極形成部(第2側板部12a,12b)との間の境界線L3の3つの境界線が存在している。したがって、一側電極11および他側電極12のそれぞれの実装位置が矢印B1,B2(図9参照)で示すように、抵抗部材4の長さ方向Aに沿ってわずかにずれた場合に、各境界線L1,L2,L3が位置し得る領域AR0も同図に示すように、3つ存在している。
【0069】
このため、抵抗部材4は、一例として図9に示すように、第1電極形成部(第1側板部11a,11b)と直接対向する部位(領域AR11)であって、領域AR0に含まれない部位に(つまり対応する第1電極形成部とのみ直接対向する部位に)配設された第1抵抗体22、第3電極形成部(第1側板部11e,11g)と直接対向する部位(領域AR13)であって、領域AR0に含まれない部位に(つまり対応する第3電極形成部とのみ直接対向する部位に)配設された第3抵抗体24、第4電極形成部(第2側板部12e,12g)と直接対向する部位(領域AR14)であって、領域AR0に含まれない部位に(つまり対応する第4電極形成部とのみ直接対向する部位に)配設された第4抵抗体25、および第2電極形成部(第2側板部12a,12b)と直接対向する部位(領域AR12)であって、領域AR0に含まれない部位に(つまり対応する第2電極形成部とのみ直接対向する部位に)配設された第2抵抗体23が、基体21の長さ方向Aに沿ってこの順で直線状に配設されると共に、直列接続されて構成されている。
【0070】
これにより、図9に示すコンデンサ3Cおよび抵抗部材4の実装構造においても、抵抗部材4に対する一側電極11および他側電極12の各実装位置が矢印B1,B2で示すように、抵抗部材4の長さ方向Aに沿ってわずかにずれたとしても、第1側板部11a,11bとのみ直接対向する抵抗部材4における第1抵抗体22の抵抗値は変化せず、第1側板部11e,11gとのみ直接対向する抵抗部材4における第3抵抗体24の抵抗値は変化せず、第2側板部12e,12gとのみ直接対向する抵抗部材4における第4抵抗体25の抵抗値は変化せず、また第2側板部12a,12bとのみ直接対向する抵抗部材4における第2抵抗体23の抵抗値も変化しない。また、図9で示されるように、第1抵抗体22と第1側板部11a,11bとの間に形成される静電容量の容量値(同図では、理解の容易のため、第1抵抗体22と第1側板部11bとの間に形成される静電容量のみを図示している)、第3抵抗体24と第1側板部11e,11gとの間に形成される静電容量の容量値(同図では、理解の容易のため、第3抵抗体24と第1側板部11gとの間に形成される静電容量のみを図示している)、第4抵抗体25と第2側板部12e,12gとの間に形成される静電容量の容量値(同図では、理解の容易のため、第4抵抗体25と第2側板部12gとの間に形成される静電容量のみを図示している)、および第2抵抗体23と第2側板部12a,12bとの間に形成される静電容量(同図では、理解の容易のため、第2抵抗体23と第2側板部12bとの間に形成される静電容量のみを図示している)の容量値も殆ど変化しない。以上のことから、一側電極11および他側電極12の各実装位置が長さ方向Aに沿って矢印B1,B2で示すようにずれたとしても、コンデンサ3Cおよび抵抗部材4の並列回路で構成される電圧入力部の電気的特性(例えば周波数特性)は殆ど変化しない。
【0071】
したがって、図9に示すコンデンサ3Cおよび抵抗部材4の実装構造においても、上記したコンデンサ3Aおよび抵抗部材4の実装構造と同等の効果を奏することができる。
【0072】
また、上記のコンデンサ3Aでは、第1電極としての一側電極11が抵抗部材4を挟むようにしてその両側に実装される一対の第1電極形成部(第1側板部11a,11b)を有すると共に、第2電極としての他側電極12が抵抗部材4を挟むようにしてその両側に実装される一対の第2電極形成部(第2側板部12a,12b)を有するように構成されているが、抵抗部材4に対して同じ側に位置する1つの第1側板部および1つの第2側板部のみ(第1側板部11aと第2側板部12aのみ、または第1側板部11bと第2側板部12bのみ)でコンデンサ3Aを構成することもできる。上記のコンデンサ3Cについても同様にして、抵抗部材4に対して同じ側に位置する2つの第1側板部および第1連結板部と、2つの第2側板部および第2連結板部とのみ(第1側板部11a,11eおよび第1連結板部11dと、第2側板部12a,12eおよび第2連結板部12dとのみ、または第1側板部11b,11gおよび第1連結板部11fと、第2側板部12b,12gおよび第2連結板部12fとのみ)でコンデンサ3Cを構成することもできる。
【0073】
また、第1電極としての一側電極11が2個の電極形成部(第1電極形成部および第3電極形成部)を有し、かつ第2電極としての他側電極12が2個の電極形成部(第2電極形成部および第4電極形成部)を有するコンデンサ3C、およびこのコンデンサ3Cに対応する4個の抵抗体(第1抵抗体22~第4抵抗体25)を備えた抵抗部材4についての実装構造について説明したが、図示はしないが、第1電極としての一側電極11は3個以上の電極形成部を有する構成であってもよいし、また第2電極としての他側電極12も3個以上の電極形成部を有する構成であってもよい。つまり、第1電極としての一側電極11はn個(nは2以上の整数)の電極形成部を有する構成とすることができ、また第2電極としての他側電極12もm個(mは2以上の整数)の電極形成部を有する構成とすることができる。この場合、第1電極としての一側電極11での電極形成部の数は、第2電極としての他側電極12とで電極形成部の数と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0074】
また、図示はしないが、第1電極としての一側電極11および第2電極としての他側電極12のうちのいずれか一方の電極における電極形成部の数を複数とし、他方の電極における電極形成部の数を1つとする構成とすることもできる。
【0075】
また、このようにして、第1電極としての一側電極11および第2電極としての他側電極12のうちの少なくとも一方の電極での電極形成部の数を複数(例えばn個)としたときの抵抗部材4におけるこの一方の電極と対向する部位では、このn個の電極形成部に一対一で対応するn個の抵抗体が抵抗部材4の長さ方向Aに沿って直線状に配設され、かつn個の抵抗体が直列接続されて構成される。また、この抵抗部材4は、このn個の抵抗体が、それぞれと対応する電極形成部とのみ直接対向して位置するように実装される。
【0076】
このコンデンサおよび抵抗部材の実装構造によれば、n個の電極形成部を有して構成されたこの少なくとも一方の電極が、抵抗部材4の長さ方向Aに沿って多少ずれたとしても、抵抗部材4を構成するn個の抵抗体のそれぞれが、それぞれに対応するn個の電極形成部のうちの1つとのみ直接対向して位置する状態が常に維持されるため、この少なくとも一方の電極の実装位置が長さ方向に沿ってずれたことの影響が、コンデンサおよび抵抗部材の並列回路を含む電子回路の電気的特性に及ぶのを最小限に抑制することができる。
【0077】
また、上記の例では、第1電極としての一側電極11が有する電極形成部、および第2電極としての他側電極12が有する電極形成部は、長方形平板状に形成されているが、この構成に限定されるものではなく、図10に示すように、直径が一定の円筒状の第1電極としての一側電極11、および直径が一定(一側電極11よりも大径)の円筒状の第2電極としての他側電極12でコンデンサ3Dを構成することもできる。この構成のコンデンサ3Dおよび抵抗部材4の実装構造では、抵抗部材4(本例では一例として直径が一定の円柱状の外形であるが、長さ方向Aに沿った断面形状が一定であれば、楕円柱状や多角柱状の外形であってもよい)に対して、抵抗部材4の一端部側を取り囲むようにして円筒状の一側電極11をその不図示の軸線が抵抗部材4の長さ方向Aと平行となるように実装し、かつ抵抗部材4の他端部側および一側電極11の一部(抵抗部材4の他端部側の一部)を取り囲むようにして円筒状の他側電極12をその不図示の軸線が抵抗部材4の長さ方向Aと平行となるように実装される。
【0078】
この構成のコンデンサ3Dでは、円筒状の一側電極11および他側電極12に関して、抵抗部材4の軸線(中心軸)Laから同一方向(図10では一例として矢印Wで示している方向)に位置し、かつ長さ方向Aに沿った幅狭部位(一側電極11での斜線を付した部位P1、および他側電極12での斜線を付した部位P2)は、それぞれ長さ方向Aに沿って平行な状態で配置された部位であることから、例えば、コンデンサ3Aを構成する長方形平板状の一側電極11および他側電極12と同じようにして、それぞれが第1電極形成部および第2電極形成部として機能する。そして、円筒状の一側電極11は、その軸線を中心とする同心円上にこの部位P1が並設されて連結されたものであることから、全体としても第1電極形成部として機能する。また、円筒状の他側電極12も、その軸線を中心とする同心円上にこの部位P2が並設されて連結されたものであることから、全体としても第2電極形成部として機能する。
【0079】
したがって、コンデンサ3Dを使用する場合においても、コンデンサ3Aを使用するときと同様にして、図10に示すように、第1電極形成部としての一側電極11に対応する第1抵抗体22、および第2電極形成部としての他側電極12に対応する第2抵抗体23を基体上に長さ方向Aに沿って分離して配設し、かつ配線26を介して直列接続して抵抗部材4を構成する。具体的には、図10に示す抵抗部材4では、不図示の基体は抵抗部材4の外形に対応した柱状(例えば、抵抗部材4の外形が円柱状であれば、円柱状、抵抗部材4の外形が多角柱状であれば、多角柱状など)に形成されて、第1抵抗体22および第2抵抗体23は、この基体の表面に、炭素皮膜抵抗や金属被膜抵抗や巻線抵抗などによって長さ方向Aに沿って分離して形成される。また、この抵抗部材4を、第1抵抗体22が対応する一側電極11とのみ直接対向して位置し、かつ第2抵抗体23が対応する他側電極12とのみ直接対向して位置するように、コンデンサ3Dと共に実装する。なお、このコンデンサ3Dおよびこの抵抗部材4を図10に示す態様で回路基板5上に実装する場合には、絶縁材料で形成された支持部材を介して回路基板5上に実装するなど、種々の実装構造を採用することができる。
【0080】
これにより、この図10に示すコンデンサ3Dおよび抵抗部材4の実装構造においても、上記したコンデンサ3Aおよび抵抗部材4の実装構造と同等の効果を奏することができる。
【0081】
また、上記の各コンデンサ3A,3B,3C,3Dでは、他側電極12が、その一部の部位が一側電極11の一部の部位の外方に配置される状態で実装されて、一側電極11には、他側電極12と重なり合わない非対向面(上記の領域AR1の部位)と、他側電極12と重なり合う対向面(上記の領域AR2の部位)とがそれぞれ確保されているが、この構成に限定されるものではない。例えば、コンデンサは、他側電極12と重なり合う対向面(領域AR2の部位)が一側電極11に確保されていない構成であっていもよい。以下では、このコンデンサと、このコンデンサに対応する抵抗部材とについて、模式的に表した図11を参照して説明する。なお、一例として、コンデンサ3A,3B,3C,3Dのうちのコンデンサ3Aの基本構成に、この構成(一側電極11に領域AR2の部位が確保されていない構成)を適用したコンデンサ3Eについて説明する。したがって、コンデンサ3Aと同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、コンデンサ3B,3C,3Dの基本構成にこの構成(一側電極11に領域AR2の部位が確保されていない構成)を適用してもよいのは勿論である。また、抵抗部材についても、コンデンサ3Aに対応する抵抗部材4と同一の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0082】
このコンデンサ3Eでは、一側電極11と他側電極12とが重ならない構成(一側電極11に他側電極12と重なり合う対向面(上記の領域AR2の部位)が確保されていない構成)であることから、コンデンサ3Aでの領域AR2は存在していない。つまり、第1電極形成部(第1側板部11a,11b)と第2電極形成部(第2側板部12a,12b)との間の境界線は存在していない。本例では、説明のため、第1電極形成部(第1側板部11a,11b)における第2電極形成部(第2側板部12a,12b)側の先端位置を符号L11で表し、第2電極形成部(第2側板部12a,12b)における第1電極形成部(第1側板部11a,11b)側の先端位置を符号L12で表すものとする。
【0083】
また、このコンデンサ3Eでは、一側電極11および他側電極12のそれぞれの実装位置が矢印B1,B2(図11参照)で示すように抵抗部材4の長さ方向Aに沿ってわずかにずれた場合に、各先端位置L11,L12が位置し得る領域をそれぞれ符号AR0で表すものとする。また、各領域AR0は重ならないことから、各領域AR0間には、隙間ARgが確保されている。また、図11に示すコンデンサ3Eでは、コンデンサ3Aの構成に倣って、第2側板部12a,12b間の距離が、第1側板部11a,11b間の距離よりも長く規定されているが、図示はしないが、第1側板部11a,11b間の距離と同じであってもよいし、第1側板部11a,11b間の距離よりも短く規定されていてもよい。
【0084】
このコンデンサ3Eに対応する抵抗部材4は、図3に示すように、第1電極形成部(第1側板部11a,11b)および第2電極形成部(第2側板部12a,12b)に一対一で対応する第1抵抗体22および第2抵抗体23が長さ方向Aに沿って分離して配設され、かつ配線26を介して直列接続されて構成されている。本例では、上記したように一側電極11および他側電極12は重ならないことから、基体21における第1電極形成部(第1側板部11a,11b)と直接対向する部位(領域AR11)全体が、対応する第1電極形成部とのみ直接対向する部位となり、また基体21における第2電極形成部(第2側板部12a,12b)と直接対向する部位(領域AR12)全体が、対応する第2電極形成部とのみ直接対向する部位となる。
【0085】
このため、抵抗部材4は、第1抵抗体22がこの領域AR11内のいずれかの部位に配設され、かつ第2抵抗体23がこの領域AR12内のいずれかの部位に配設されて、図11に示すように、第1抵抗体22が対応する第1電極形成部(第1側板部11a,11b)とのみ直接対向して位置し、かつ第2抵抗体23が対応する第2電極形成部(第2側板部12a,12b)とのみ直接対向して位置するように実装されている。
【0086】
これにより、この図11に示すコンデンサ3Eおよび抵抗部材4の実装構造においても、上記したコンデンサ3Aおよび抵抗部材4の実装構造と同等の効果を奏することができる。
【0087】
なお、このコンデンサ3Eでは、各先端位置L11,L12が位置し得る各領域AR0間に隙間ARgが確保される構成のため、基体21におけるこの隙間ARgに対応する部位に、不図示の抵抗体(第1抵抗体22および第2抵抗体23以外の抵抗体であって、各抵抗体22,23と共に直列接続される抵抗体)を配置する構成を採用することもできる。この抵抗体は、第1電極形成部(第1側板部11a,11b)および第2電極形成部(第2側板部12a,12b)のいずれとも直接対向しない部位に配設された抵抗体であることから、一側電極11および他側電極12の各実装位置が長さ方向Aに沿って矢印B1,B2で示すようにずれたとしても、コンデンサ3Eおよび抵抗部材4の並列回路で構成される電圧入力部の電気的特性(例えば周波数特性)は殆ど変化しない。したがって、抵抗部材4における隙間ARgに対応する部位に抵抗体をさらに配置する構成においても、上記したコンデンサ3Aおよび抵抗部材4の実装構造と同等の効果を奏することができる。
【0088】
また、上記の各コンデンサおよび抵抗の実装構造は、回路基板への実装に際してだけではなく、回路基板以外の部位への実装に対しても適用することができるのは勿論である。
【0089】
次に、上記の各コンデンサおよび抵抗の実装構造を備えた入力ユニット、およびこの入力ユニットを備えた測定装置について、図13を参照して説明する。
【0090】
測定装置としての測定装置100は、1または2以上の入力ユニット101、および測定装置本体102を備えて構成されている。以下では、一例として、抵抗体などの測定対象体(不図示)に流れる電流の電流値に応じて電圧値が変化する入力電圧Vin1(例えば、この電流を検出する電流検出プローブからの電圧信号)が入力される入力ユニット101aと、この電流が流れることによって測定対象体に発生する電圧の電圧値に応じて電圧値が変化する入力信号Vin2(例えば、この電圧を検出する電圧検出プローブからの電圧信号)が入力される入力ユニット101bの2つの入力ユニット101(入力ユニット101a,101bを区別しないときには、このように「入力ユニット101」ともいう)を備えて、測定対象体についての被測定量としての電力、電流および電圧を測定する測定装置100を例に挙げて説明する。
【0091】
入力ユニット101a,101bは、図13に示すように、図1に示す電子回路1、入力部110、出力部111および筐体112をそれぞれ備えて同一に構成されると共に、別体に構成されている。筐体112は、一例としてケース状に構成されて、その内部に電子回路1が収容されると共に、その壁面に入力部110と出力部111とが配置されている。なお、筐体112は、ケース状の構成に限定されるものではなく、電子回路1、入力部110および出力部111が露出する状態で取り付けられて、これらを一体的に支持するシャーシ(支持枠)として構成されていてもよい。
【0092】
この電子回路1は、一例として、演算増幅器2と、この演算増幅器2の入力部として上記の各コンデンサおよび抵抗の実装構造のうちのいずれかの実装構造で実装されたコンデンサ3A(3B,3C,3D)と抵抗部材4の並列回路で構成される電圧入力部6とを備えている。入力部110は、例えばコネクタで構成されて、入力ユニット101の外部から入力される入力電圧Vinを、電子回路1の電圧入力部6に出力する。出力部111は、例えばコネクタで構成されて、電子回路1の演算増幅器2から出力される出力電圧Voを入力ユニット101の外部へ出力する。
【0093】
この構成により、入力ユニット101(入力ユニット101a,101b)に入力された入力電圧Vin(入力電圧Vin1,Vin2)は、コンデンサ3A(3B,3C,3D)および抵抗部材4の並列回路で構成される電圧入力部6の電気的特性で規定される電気的特性の電子回路1で処理されて(例えば、この電気的特性が周波数特性であるときには、フィルタリング処理されて)、出力電圧Vo(出力電圧Vo1,Vo2)として出力される。
【0094】
なお、入力ユニット101は、演算増幅器2を備える構成に限定されるものではない。例えば、図示はしないが、演算増幅器2に代えてアッテネータを備える構成を採用することもできる。また、入力ユニット101は、アナログ信号としての出力電圧Voを出力する構成に限定されるものではない。例えば、図示はしないが、演算増幅器2やアッテネータに加えて、その後段にA/D変換器を配置して出力電圧Voをサンプリングすることにより、出力電圧Voをデジタル信号(その瞬時値を示す波形データ)に変換して出力する構成を採用することもできる。
【0095】
測定装置本体102は、一例として図13に示すように、入力部120、測定部121、操作部122、表示部123、制御部124、およびこれらの構成要素を収容する筐体125を備えて、各入力ユニット101と別体に形成されると共に、入力電圧Vinを、測定装置本体102に接続された入力ユニット101を介して出力電圧Voとして入力して、上記の被測定量を測定可能に構成されている。
【0096】
入力部120は、例えばコネクタで構成されて、各入力ユニット101の出力部111に接続される。なお、入力部120と各出力部111との接続に際しては、接続ケーブルを使用して接続する構成を採用することができる。また、この構成に代えて、測定装置本体102の筐体125内に各入力ユニット101を装着するためのラックを配置すると共に、装着された各入力ユニット101の出力部111に接続されるコネクタをラックにおける各入力ユニット101の装着位置に配置し、かつ配線材や、ラックに配置されたバックボード基板(その配線パターン)を介してこれらのコネクタを入力部120に接続する構成を採用することもできる。入力部120は、入力ユニット101a,101bから出力される出力電圧Vo1,Vo2を入力して、測定部121に出力する。
【0097】
測定部121は、制御部124の制御に従い、出力電圧Vo1,Vo2を入力すると共に、出力電圧Vo1,Vo2に基づいて上記の被測定量を測定し、測定した被測定量を制御部124に出力する処理を実行する。操作部122は、各種のスイッチやキーを備えて構成され、これらのスイッチやキーが操作されたときに操作信号を出力する。表示部123は、制御部124の制御に従い、測定部121によって測定された被測定量などの各種の情報を表示する。制御部124は、操作部122から出力される操作信号に従い、測定装置本体102の各構成要素を制御する。
【0098】
以上の構成を備えた測定装置100では、入力ユニット101a,101bが、入力された入力電圧Vin1,Vin2に対する処理を実行して、出力電圧Vo1,Vo2として測定装置本体102に出力する。また、測定装置本体102が、入力ユニット101a,101bを介して入力電圧Vin1,Vin2を出力電圧Vo1,Vo2として入力すると共に、出力電圧Vo1,Vo2に基づいて、被測定量を測定する。
【0099】
したがって、この入力ユニット101a,101bによれば、それぞれの電子回路1における電圧入力部6が、上記の各コンデンサおよび抵抗の実装構造のうちのいずれかの実装構造で実装されたコンデンサ3A(3B,3C,3D)と抵抗部材4の並列回路で構成されているため、上記の実装位置がずれたことの影響が、この並列回路を含む電子回路の電気的特性に及ぶのを最小限に抑制することができる。これにより、この入力ユニット101a,101bによれば、入力電圧Vin1,Vin2に対する処理をばらつき(電気的特性のばらつき)の少ない状態で実行して、出力電圧Vo1,Vo2として出力することができる。また、この入力ユニット101a,101bを備えた測定装置100によれば、このようにしてばらつきの少ない状態で処理された出力電圧Vo1,Vo2に基づいて、被測定量をばらつきの少ない状態で測定することができる。
【0100】
なお、上記の測定装置100では、操作部122および表示部123を備えた測定装置本体102を有する構成を採用しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、制御部124が、予め規定された一連の制御を測定装置本体102の各構成要素に対して実行する構成のときには、操作部122から制御部124への操作信号の出力は不要となるため、操作部122を省くこともできる。また、測定装置本体102に表示部123を設ける構成に代えて、測定装置本体102の外部に表示部に相当する表示装置を配置して、制御部124が測定した被測定量をこの表示装置に送信して表示させる構成を採用することもできる。
【0101】
また、測定装置100は、上記の例では、被測定量として電圧、電流および電力を測定しているが、これらのすべてを測定する構成に限定されるものではなく、これらのうちの任意の1つまたは2つを測定する構成であってもよい。また、測定装置100が測定する被測定量は、電圧、電流および電力に限定されるものではなく、出力電圧Vo1,Vo2に基づいて算出し得る電圧と電流との間の位相差や、測定対象体の抵抗とすることもできる。また、入力ユニット101に電流や電圧を示す電圧信号を入力電圧Vinとして入力する構成について説明したが、温度、湿度、歪み、輝度、照度等の各種の物理量を検出する検出器から出力される電圧信号を入力電圧Vinとして入力ユニット101に入力するように構成することもできる。この場合、測定装置100は、被測定量として、温度、湿度、歪み、輝度、照度等の各種の物理量を測定する。また、原子量、分子量、化学式量等の各種の化学量を被測定量として測定する測定装置、並びに被測定量の測定機能を有していない電子機器(表示装置や記録装置)に適用することができる。これらの場合においても、上記した各効果を実現することができる。
【符号の説明】
【0102】
3A,3B,3C,3D,3E コンデンサ
4 抵抗部材
5 回路基板
11 一側電極(第1電極)
11a,11b 第1側板部(第1電極形成部)
12 他側電極(第2電極)
12a,12b 第2側板部(第2電極形成部)
22 第1抵抗体
23 第2抵抗体
A 長さ方向
TE1 一方の端子
TE2 他方の端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13