(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】台車
(51)【国際特許分類】
B62B 5/00 20060101AFI20230605BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20230605BHJP
B62B 5/06 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
B62B5/00 F
B62B5/00 B
B62B3/02 H
B62B5/06 B
(21)【出願番号】P 2019182881
(22)【出願日】2019-10-03
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-81436(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2172384(EP,A1)
【文献】特開2003-118582(JP,A)
【文献】特表2018-507817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 5/00
B62B 3/02
B62B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行方向(F)の後端部に設けた後端壁部(2b)と荷受面(2a)の間に凹部(12A)を形成し、該凹部の左右両側から前方に左右溝部(12L,12R)を延設した荷台本体(2)と、
前記凹部(12A)の左右両端部から起立する起立姿勢(P1)と、左右溝部(12L,12R)に向けて前方に倒される横倒姿勢(P2)の間で、姿勢変更可能とされた左右支柱(4L,4R)を備えた手押手段(6)と、
左右支柱(4L,4R)を凹部の内部で上位横軸(22)の廻りに回動自在に枢結する枢結機構(16)と、
前記凹部(12A)の内部において枢結機構(16)(16)の間に跨設された長尺ケーシング(42)に内装された摺動部材(40)を介してロックしたとき左右支柱(4L,4R)を枢結機構(16)に回動不能に一体結合し、ロック解除したとき枢結機構(16)に対して回動自在とする枢結ロック手段(35)と、
前記荷台本体(2)の下側に突出する突出姿勢(Q1)と格納される格納姿勢(Q2)の間で姿勢変更可能な左右車輪ユニット(3L,3R)と、
前記枢結機構(16)と左右車輪ユニット(3L,3R)の間に設けられており、前記枢結ロック手段(35)をロックすることにより一体結合された左右支柱(4L,4R)と枢結機構(16)を下位横軸(20)の廻りに回動自在に枢結すると共に、該回動により左右車輪ユニット(3L,3R)を姿勢変更させる連動駆動機構(23)を設けて成る台車であり、
荷台本体の後端壁部(2b)の支持部(2c)から荷受面(2a)に至り、枢着部(50d)を回動することにより、凹部(12A)の領域のうち横倒姿勢(P2)とされた左右支柱(4L,4R)の間の領域を覆うカバー体(50)を設けており、
カバー体(50)は、回動自由端部(50e)を荷受面(2a)に形成した受段部(2d)に当接することにより、荷受面(2a)とほぼ面一となる延長荷受面(50f)を形成し、常時はスプリング(52)により回動自由端部を受段部に当接させる方向に付勢されており、
前記枢結ロック手段(35)のロックにより一体結合された左右支柱(4L,4R)と枢結機構(16)を下位横軸(20)の廻りに回動したとき、前記長尺ケーシング(42)によりカバー体(50)がスプリング(52)に抗して開閉方向に回動させられるように構成して成ることを特徴とする台車。
【請求項2】
カバー体(50)の両端部のうち少なくとも一方の端部の縁部には、切欠き部(50a)が設けられ、該切欠き部に隣接して操作部(50b)が形成されて成ることを特徴とする請求項1に記載の台車。
【請求項3】
荷台本体(2)の荷受面(2a)に形成した凹陥部(12B)に横倒ロック手段(60)が設けられており、
横倒ロック手段(60)は、左右溝部(12L,12R)の少なくとも一方の溝部に向けて摺動自在なロッド(61)と、該ロッドの先端ロック部(61a)を溝内に突出させるように弾発付勢するスプリング(62)と、該ロッドをスプリングに抗して摺動させるロック解除操作手段(63)により構成され、
手押手段(6)の左右支柱(4L,4R)は、横倒姿勢(P2)とされたとき、前記先端ロック部(61a)に係止ロックされるロック孔(66,67)を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手押し式の台車に関し、手押台車形態と平台車形態と不使用保管形態を可能とするように構成した台車に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の荷物を搬送するための手押し式の台車は、上面に荷受面を備えた荷台本体と、該荷台本体の下側に突出する左右の前後車輪と、前記荷台本体の進行方向の後側に位置して前記荷受面から起立する一対の左右支柱を備えた手押手段とから成り、前記手押手段は、通常、門形に形成され、左右支柱の上端部に架設されたハンドル部を設けている。
【0003】
従って、ユーザは、荷受面に荷物を積載し、ハンドル部を握持することにより手押手段を押しながら、台車を所定場所まで走行させることにより、荷物を搬送することができる。つまり、台車は、手押式の台車として使用される。
【0004】
ところで、一般的に、前記左右支柱を含む手押手段は、前記荷受面から起立する起立姿勢と前記荷受面に沿わせられる横倒姿勢の間で回動自在となるように枢結され、不使用時には、手押手段を横倒姿勢とすることにより、コンパクトな折畳み状態で保管可能とすることを目的としている。
【0005】
この際、横倒姿勢とした手押手段の左右支柱を荷受面の溝部に嵌入し、荷受面に没入させるように構成すれば、該荷受面に荷物を積載することが妨げられないので、平台車としても使用することが可能となる。
【0006】
しかしながら、このような台車は、平台車とした状態から、車輪を折畳み格納させることができないので、使用せずに保管する場合においても、車輪が下側に突出したままの状態で保持されており、嵩張るという問題がある。
【0007】
このため、本出願人は、不使用保管に際して嵩張らないように車輪を折畳み可能とした台車を提案したところである(特許文献1)。
【0008】
これによれば、手押手段の左右支柱を起立姿勢から横倒姿勢とするときに2つの作用を可能にするように構成されている。
【0009】
第1の作用は、支柱の枢結機構に設けた枢結ロック手段のロックを解除し、その状態で支柱だけを起立姿勢から横倒姿勢まで回動すれば、車輪が突出姿勢のままとされ、平台車形態が提供される。
【0010】
第2の作用は、支柱の枢結機構に設けた枢結ロック手段のロックを維持させ、その状態で支柱を起立姿勢から横倒姿勢まで回動すれば、支柱と共に枢結機構が回動され、該枢結機構に連動連結された連動駆動機構により車輪が折畳まれて格納姿勢とされ、不使用保管形態が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本出願人が提案した特許文献1の台車は、荷台本体の進行方向の後端部に設けた後端壁部と荷受面の間に凹部が形成されており、該凹部の左右両端部に配設した枢結機構から左右支柱を起立させ、該枢結機構を介して左右支柱を左右溝部に向けて前方に倒すことにより横倒姿勢とさせるように構成している。
【0013】
この際、凹部の内部には、左右の枢結機構の間に枢結ロック手段の長尺ケーシングが跨設されており、手押台車形態と平台車形態の間での形態変更を行う場合は、枢結ロック手段をロック解除することにより、左右支柱だけを起立姿勢と横倒姿勢の間で回動させる。
【0014】
しかしながら、手押台車形態と不使用保管形態の間での形態変更を行う場合は、枢結ロック手段をロックさせたまま、左右支柱と枢結機構を一体結合させた状態で回動させるように構成されているので、この際、枢結機構に跨設された枢結ロック手段の長尺ケーシングは、凹部の内部において、荷台本体の後端壁部と荷受面の間を移動されられる。
【0015】
車輪ユニットの姿勢を変更させるためには、それ相当の腕力が必要となるため、ユーザは、一方の手で荷台本体を支持し、他方の手でハンドル部を握持することにより、左右支柱を起立姿勢と横倒姿勢の一方から他方に向けて強く回動させることになる。
【0016】
このため、荷台本体を支持するユーザの手指が前記凹部に臨まされているとき、凹部の内部で後端壁部と荷受面の間を移動する枢結ロック手段の長尺ケーシングにより、指詰めを招来し、指先を負傷する危険がある。
【0017】
また、左右支柱のための種々の機構を設ける関係上、凹部を形成することが必要な構成とされているので、凹部により荷受面積が犠牲にされているという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、上記課題を解決した台車を提供するものであり、その手段として構成したところは、上面に荷受面を備え、進行方向の後端部に設けた後端壁部と荷受面の間に凹部を形成し、該凹部の左右両側から前方に左右溝部を延設した荷台本体と、前記凹部の左右両端部から起立する起立姿勢と、左右溝部に向けて前方に倒される横倒姿勢の間で、姿勢変更可能とされた左右支柱を備えた手押手段と、左右支柱を凹部の内部で上位横軸の廻りに回動自在に枢結する枢結機構と、前記凹部の内部で枢結機構の間に跨設された長尺ケーシングに内装された摺動部材を介してロックしたとき左右支柱を枢結機構に回動不能に一体結合し、ロック解除したとき枢結機構に対して回動自在とする枢結ロック手段と、前記荷台本体の下側に突出する突出姿勢と格納される格納姿勢の間で姿勢変更可能な左右車輪ユニットと、前記枢結機構と前記左右車輪ユニットの間に設けられており、前記枢結ロック手段をロックすることにより一体結合された左右支柱と枢結機構を下位横軸の廻りに回動自在に枢結すると共に、該回動により左右車輪ユニットを姿勢変更させる連動駆動機構を設けて成る台車であり、荷台本体の後端壁部に設けた枢着部から荷受面に至り、枢着部を支点として回動することにより、凹部の領域のうち横倒姿勢とされた左右支柱の間の領域を覆うカバー体を設けており、カバー体は、回動自由端部を荷受面に形成した受段部に当接することにより、荷受面とほぼ面一となる延長荷受面を形成し、常時はスプリングにより回動自由端部を受段部に当接させる方向に付勢されており、前記枢結ロック手段のロックにより一体結合された左右支柱と枢結機構を下位横軸の廻りに回動したとき、前記長尺ケーシングによりカバー体がスプリングに抗して開閉方向に回動させられるように構成して成る点にある。
【0019】
カバー体の両端部のうち少なくとも一方の端部の縁部には、切欠き部が設けられ、該切欠き部に隣接して操作部を形成することが好ましい。
【0020】
本発明の好ましい実施形態は、荷台本体の荷受面に形成した凹陥部に横倒ロック手段が設けられており、横倒ロック手段は、左右溝部の少なくとも一方の溝部に向けて摺動自在なロッドと、該ロッドの先端ロック部を溝内に突出させるように弾発付勢するスプリングと、該ロッドをスプリングに抗して摺動させるロック解除操作手段により構成され、手押手段の左右支柱は、横倒姿勢とされたとき、前記先端ロック部に係止ロックされるロック孔を設けている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、手押台車形態と平台車形態と不使用保管形態を可能とする台車に関し、荷台本体2の進行方向Fの後端部に設けた後端壁部2bと荷受面2aの間に凹部12Aを形成し、該凹部の左右両側から前方に左右溝部12L、12Rを延設し、凹部12Aの左右両端部に左右支柱4L、4Rを枢結するための枢結機構16、16を設けると共に、枢結機構16、16に跨設された長尺ケーシング42に内装した摺動部材40により枢結ロック手段35を設けた構成に関して、凹部12Aをカバー体50により覆い、該カバー体50により荷受面2aと面一の延長荷受面50dを形成しているので、荷物の積載可能な面積を広げた台車を提供することができる。
【0022】
ところで、このような3形態を可能とする台車において、支柱4L、4Rを起立姿勢P1と横倒姿勢P2の間で回動させる場合、手押台車形態M1と平台車形態M2の間ではユーザの軽い腕力で足りるが、手押台車形態M1と不使用保管形態M3の間では連動駆動機構23により車輪ユニット3L、3Rの姿勢を変更させるため、ユーザの強い腕力が必要であり、一方の手で荷台本体を支持し、他方の手でハンドル部を握持することになる。しかしながら、この際、ユーザの手指が凹部12Aに臨まされると、凹部の内部で移動する枢結ロック手段35の長尺ケーシング42により、指を詰めて負傷する危険がある。
【0023】
この点に関して、本発明によれば、ユーザの手指が凹部12Aに進入しないようにカバー体50を設けているので、指詰めによる負傷を好適に防止することができる。
【0024】
そして、凹部12Aのうち、枢結機構16、16から左右溝部12L、12Rに向かう領域は、横倒姿勢P2を可能とするため開放されている必要があるため、カバー体50により覆うことができず、この領域にユーザの手指が挿入されていると、指詰め負傷の危険があるが、本発明によれば、支柱4L、4Rの回動に連動してカバー体50の開閉動作を行わせることにより、ユーザに対して、指詰め注意の警告を与えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の1実施形態に係る台車に関して手押台車形態とした状態を示す斜視図である。
【
図2】手押台車形態とされた荷台本体の凹部からカバー体を取外した状態の平面図である。
【
図3】手押台車形態とされた荷台本体の凹部にカバー体を取付けた状態の平面図である。
【
図4】本発明の1実施形態に係る台車に関して平台車形態とした状態を示す斜視図である。
【
図6】平台車形態とされたときの横倒ロック手段を示す平面図である。
【
図7】本発明の1実施形態に係る台車に関して不使用保管形態とした状態を示し、(A)は台車の上側を示す斜視図、(B)は台車の下側を示す斜視図である。
【
図8】不使用保管形態とされた台車の平面図である。
【
図9】不使用保管形態とされたときの横倒ロック手段を示す平面図である。
【
図10】手押手段の左右支柱と、枢結機構と、枢結ロック手段を分解状態で示す斜視図である。
【
図12】手押手段の左右支柱と、枢結機構と、枢結ロック手段と、左右車輪ユニットの軸受と、連動駆動機構を組付状態で断面により示す斜視図である。
【
図13】手押手段の左右支柱に組付けた枢結機構と、連動駆動機構と、左右車輪ユニットと、連動ロック手段を分解状態で示す斜視図である。
【
図15】枢結機構の作用に関して連動ロック手段をロックすると共に枢結ロック手段をアンロックした状態を示し、(A)は断面により示す斜視図、(B)は側面図である。
【
図16】枢結ロック手段をアンロックするための操作方法を示す側面図である。
【
図17】
図15の状態から枢結部材に対して手押手段の支柱を上位横軸の廻りに回動し、手押手段を横倒姿勢にすると共に車輪ユニットを突出姿勢とすることにより台車を平台車形態とした状態を示す側面図である。
【
図18】枢結機構の作用に関して連動ロック手段をアンロックすると共に枢結ロック手段をロックした状態を示し、(A)は断面により示す斜視図、(B)は側面図である。
【
図19】手押手段の左右支柱と一体化された枢結機構を下位横軸の廻りに回動したときの作用を示す側面図である。
【
図20】
図18の状態から手押手段の支柱と共に枢結部材を下位横軸の廻りに回動し、手押手段を横倒姿勢にすると共に車輪ユニットを格納姿勢とすることにより台車を不使用保管形態とした状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
【0027】
(全体的構成)
図1に示すように、台車1は、上面に荷受面2aを備えたほぼ矩形盤状の荷台本体2と、前記荷台本体2の下側に突出する左右車輪ユニット3L、3Rと、前記荷台本体2の進行方向Fの後側に位置して起立する一対の左右支柱4L、4Rを備えた手押手段6とから成り、手押手段6は、門形に形成されており、前記左右支柱4L、4Rの上端部に架設されたハンドル部5を設けている。
【0028】
荷台本体2は、
図1(B)に示すように、進行方向Fの後端部に設けられた後端壁部2bと前記荷受面2aの間に凹部12Aを形成し、該凹部12Aの左右両側から前方に左右溝部12L、12Rを延設しており、荷受面2aの中央よりもやや前側寄りの部位を横断して左右溝部12L、12Rに連通される溝状の凹陥部12Bを形成している。
【0029】
図1(A)(B)に示すように、前記凹部12Aにはカバー体50が設けられ、前記凹陥部12Bには横倒ロック手段60が内装される。
【0030】
前記手押手段6は、前記凹部12Aの左右両端部に配設された枢結機構16、16により、左右支柱4L、4Rを起立させた起立姿勢P1と左右溝部12L、12Rに嵌入された横倒姿勢P2の間で回動自在に構成されている。
【0031】
このため、前記カバー体50は、
図3に示すように、前記凹部12Aの領域のうち、左右枢結機構16、16の内側と荷受面2aの間の領域を覆うように構成されている。この際、該カバー体50の両端部の縁部には切欠き部50a、50aが形成され、これにより、切欠き部50aの前方部が操作部50bを構成し、後方部位が枢結機構16に近接する舌片部50cを構成している。
【0032】
図16に示すように、カバー体50は、荷台本体2の後端壁部2bの内側の段状支持部2cにヒンジ手段51を介して枢結された枢着部50dから荷受面2aに至り延び、ヒンジ手段51を支点として回動することにより凹部12Aを開閉自在とする。
【0033】
カバー体50の回動自由端部50eは、荷受面2aに形成された受段部2dに当接することにより凹部12Aを覆い、その状態で、上面が荷受面2aとほぼ面一となる延長荷受面50fを形成しており、常時は、ヒンジ手段51に設けられたスプリング52により、自由端部50eを受段部2dに当接させる方向に付勢されている。
【0034】
図1、
図4及び
図7に示すように、前記左右車輪ユニット3L、3Rは、それぞれ、荷台本体2の左右の下側に位置して進行方向Fに向けて配置されたフレーム7の両端に前輪8と後輪9を垂設したユニットを構成しており、前記フレーム7に固設した軸受10、10を荷台本体2の底部に固設した前記フレーム7と平行な支軸11により軸支している。従って、左右車輪ユニット3L、3Rは、前記支軸11の軸廻りに回動自在とされ、前後輪8、9を荷台本体2の底部から突出させた突出姿勢Q1と荷台本体2の底部に沿って格納した格納姿勢Q2の間で回動自在に構成されている。
【0035】
(台車形態)
図1は、台車1を手押台車形態M1とした状態を示しており、手押手段6は、左右支柱4L、4Rを起立させた起立姿勢P1とされ、左右車輪ユニット3L、3Rは、突出姿勢Q1とされている。従って、ユーザは、荷受面2aに荷物を積載し、ハンドル部5を握持することにより手押手段6を押しながら、台車1を所定場所まで走行させることにより搬送することができる。つまり、この場合、台車1は、手押し式の台車として使用することができる。
【0036】
図4は、台車1を平台車形態M2とした状態を示しており、手押手段6は、左右支柱4L、4Rを荷受面2aに向けて回動した横倒姿勢P2とされ、左右車輪ユニット3L、3Rは、突出姿勢Q1とされている。このとき、左右支柱4L、4Rは、荷受面2aに凹設された左右溝部12L、12Rに嵌入され、ハンドル部5は、前記左右溝部12L、12Rを連通させるように荷受面2aに凹設された横断溝部13に嵌入されている。従って、ユーザは、手押手段6を横倒姿勢P2として収納した荷受面2aに荷物を積載し、荷台本体2を所定場所まで走行させることにより搬送することができる。つまり、この場合、台車1は、平台車として使用することができる。
【0037】
図7は、台車1を不使用保管形態M3とした状態を示しており、手押手段6は、左右支柱4L、4Rを荷受面2aに向けて回動した横倒姿勢P2とされ、左右車輪ユニット3L、3Rは、格納姿勢Q2とされている。このとき、左右支柱4L、4Rは、前記左右溝部12L、12Rに嵌入され、ハンドル部5は、荷受面2aの進行方向Fの前端に位置して左右溝部12L、12Rを連通させるように形成された受取空間部14に収納されている。図示実施形態の場合、
図12に示すように、前記受取空間部14は、荷台本体2の前端の下縁に形成した庇部15の上方空間により形成されているが、このような庇部15を設けず、荷台本体2の前端の壁面に開放された外部空間により受取空間部14を形成しても良い。
【0038】
(横倒ロック手段)
荷受本体2の凹陥部12Bに内装された横倒ロック手段60は、
図6及び
図9に示すように、左右溝部12L、12Rに向けて摺動自在な左右のロッド61L、61Rと、該ロッド61L、61Rの先端のロック部61aをそれぞれ左右溝部12L、12Rに突出させるように弾発付勢するスプリング62と、該ロッド61L、61Rをスプリング62に抗して摺動させる解除操作手段63により構成されている。
【0039】
図示実施形態の場合、横倒ロック手段60は、凹陥部12Bに嵌入されるケーシング64に圧縮スプリング62とロッド61L、61Rを内装し、ロック部61aをケーシング64の両端から突出させ、該ケーシング64の長孔を介して外側からロッド61L、61Rを摺動させる解除操作手段63を設けたユニットを構成している。
【0040】
これに対して、凹陥部12Bは、左右溝部12L、12Rに連通する孔65を設けると共に、左右孔65、65の間において該凹陥部12Bの拡張凹部12Sを形成している。
【0041】
そこで、ユニットを構成する横倒ロック手段60は、ロッドのロッド部61aを前記孔65に挿通させながらケーシング64を凹陥部12Bに嵌入させられ、解除操作手段63を拡張凹部12Sに配置される。
【0042】
手押手段6の支柱4L、4Rを横倒姿勢P2として溝部12L、12Rに進入させたとき、断面円形とされた支柱4L、4Rの周面がロック部61a、61aを押動することによりロッド61L、61Rをスプリング62に抗して摺動させる。
【0043】
後述するように、支柱4L、4Rは、平台車形態M2とするために横倒姿勢P2にされたときと、不使用保管形態M3とするために横倒姿勢P2にされたとき、それぞれ、横倒ロック手段60のロック部61a、61aが挿入されることにより係止ロックされる第1ロック孔66(
図6参照)と、第2ロック孔67(
図9参照)を設けている。
【0044】
従って、ロック部61a、61aは、支柱4L、4Rの周面により押動された状態で、第1ロック孔66又は第2ロック孔67が臨まされると、スプリング62により直ちに該ロック孔に挿入され、支柱4L、4Rを左右溝部12L、12Rから脱出しないようにロックする。
【0045】
この状態から、支柱4L、4Rを起立姿勢P1とするためには、拡張凹部12Sに挿入したユーザの手指で解除操作手段63を操作し、ロッド61L、61Rを摺動させロック部61a、61aを第1ロック孔66又は第2ロック孔67から後退させることによりロックを解除し、支柱4L、4Rを左右溝部12L、12Rから脱出させれば良い。
【0046】
尚、図示実施形態においては、左右のロッド61L、61Rによりそれぞれ支柱4L、4Rを係止ロックするように構成しているが、何れか一方のロッド61により何れか一方の支柱4を係止ロックするように構成しても良い。
【0047】
(枢結機構)
上記の手押台車形態M1と、平台車形態M2と、不使用保管形態M3を可能にするため、前記左右車輪ユニット3L、3Rと前記左右支柱4L、4Rのそれぞれの間に枢結機構16が設けられている。尚、以下、左右車輪ユニット3L、3Rに関して左右を問わない場合は単に「車輪ユニット3」と称し、左右支柱4L、4Rに関して左右を問わない場合は単に「支柱4」と称することを諒解されたい。
【0048】
枢結機構16は、
図10ないし
図14に示すように、支柱4を起立姿勢P1とした状態で、前記進行方向Fに向けて延びる第1アーム17と、該第1アーム17から上向きに延びる第2アーム18を有する枢結部材19により構成されており、前記第1アーム17の先端部は、荷台本体2の左右方向に向けて配設した下位横軸20により回動自在に枢結され、前記第2アーム18の上端部は、支柱4の下端部に固設した回動部材21を上位横軸22により回動自在に枢結している。
【0049】
(第1アームと車輪ユニット)
図13及び
図14に示すように、前記第1アーム17と車輪ユニット3の間には、連動駆動機構23が設けられており、該連動駆動機構23は、前記第1アーム17を下位横軸20の廻りに回動したとき、前記車輪ユニット3を突出姿勢Q1と格納姿勢Q2の間で回動させるように構成されている。図示実施形態の場合、連動駆動機構23は、前記下位横軸20と同心状に配置されるように前記第1アーム17の先端部に設けられた駆動ギヤ24と、該駆動ギヤ24に臨んで前記支軸11と同心状に配置されるように前記車輪ユニット3の軸受10に設けられた従動ギヤ25により構成されており、
図14に矢印で示すように、下位横軸20の廻りで第1アーム17を上向き方向R1(支柱4が起立姿勢P1から横倒姿勢P2に向かう方向)に回動したとき、前記車輪ユニット3が支軸11の廻りで突出姿勢Q1から格納姿勢Q2に向かう方向R2に回動させられるように、前記駆動ギヤ24と従動ギヤ25を相互に噛合させている。尚、駆動ギヤ24を前記方向R1の反対方向に回動すると、従動ギヤ25が前記方向R2の反対方向に回動する。
【0050】
この際、前記枢結部材19に臨む連動ロック手段26が設けられており、第1アーム17を下位横軸20の廻りに回動自在にするアンロックと回動不能にするロックを選択可能とするように構成している。そして、連動ロック手段26は、第1アーム17の尾端部に設けた係止凹部27と、該係止凹部27に嵌脱自在な係止突起28により構成されており、荷台本体2の後端部の内側に進退自在に支持された係止具29により前記係止突起28を形成し、前記係止具29は、ロッド30を介して図示省略したスプリングにより前進方向(係止突起28を係止凹部27に係止させる方向)に弾発付勢されている。
【0051】
図示実施形態の場合、左右支柱4L、4Rの下端部と左右車輪ユニット3L、3Rの間に設けられた左右一対の枢結部材19、19に臨んで左右一対の係止具29、29が配設されており、左右一対の係止具29、29は操作バー31により連結されている。
【0052】
従って、ユーザが前記操作バー31を引くと、左右一対の係止具29、29がスプリングに抗して後退方向に移動し、前記係止突起28を係止凹部27から離脱させ、連動ロック手段26をアンロック状態とし、第1アーム17を前記回動方向R1に向けて回動自在とする。そして、前記方向R1に回動した第1アーム17を元の水平姿勢に向けて逆転させたときは、係止具29は、スプリングにより前進方向に弾発付勢されているので、係止突起28を係止凹部27に自動的に係止し、連動ロック手段26をロック状態とし、第1アーム17を回動不能に係止する。
【0053】
(第2アームと支柱)
図11ないし
図13に示すように、前記枢結部材19の第2アーム18は、側面に突設したボス32により前記上位横軸22を形成し、該第2アーム18の側面に重ね合わせられた支柱4の前記回動部材21を前記ボス32により回動自在に軸支すると共に、ボルト・ナット等のファスナ33により抜止め固定している。従って、これにより、支柱4は、回動部材21の回動を介して起立姿勢P1と横倒姿勢P2の間で回動自在とされている。尚、図示実施形態の場合、支柱4を横倒姿勢P2から起立姿勢P1とするまで回動したとき、相互に当接することにより起立姿勢P1を保持するストッパ34a、34bが回動部材21と枢結部材19の間に設けられている。
【0054】
この際、支柱4を起立姿勢P1とした状態で、前記回動部材21を第2アーム18に係脱自在に係止する枢結ロック手段35が設けられており、前記回動部材21を上位横軸22の廻りに回動自在にするアンロックと回動不能にするロックを選択可能とするように構成している。
【0055】
図示実施形態の場合、枢結ロック手段35は、前記ボス32の周囲で相互に重ね合わせられた回動部材21と第2アーム18の間で支柱4を起立姿勢P1としたとき相互に連通する係止凹部36a、36bと、両係止凹部36a、36bに挿脱自在に挿入される係止突起37により構成されている。
【0056】
図示実施形態の場合、左右支柱4L、4Rの下端部に設けられた左右一対の回動部材21、21に臨んで左右一対の枢結部材19、19が配設されているので、これに対応して、左右の枢結部材19、19の第2アーム18、18の間に位置して操作手段38が配置されており、該操作手段38の両端に前記係止突起37を備えたスライダ39が設けられている。
【0057】
前記操作手段38は、左右一対のスライダ39、39をそれぞれ支持する一対の摺動部材40、40を設け、該摺動部材40、40をスプリング41により相互に離反方向に弾発付勢した状態で長尺のケーシング42に収納し、該ケーシング42の両端から前記スライダ39、39の係止突起37を突出させると共に前記係止凹部36a、36bに挿入させるように構成している。この際、前記摺動部材40、40は、ケーシング42の長孔(図示省略)を介して外部に突出する摘まみ片から成る操作片43、43を設けている。
【0058】
そこで、ユーザがスプリング41に抗して一対の操作片43、43を相互に近接する方向に移動させると、摺動部材40、40を介してスライダ39、39が同行し、係止突起37を回動部材21の係止凹部36aから離脱させ、枢結ロック手段35をアンロック状態とし、支柱4を起立姿勢P1から横倒姿勢P2に向けて回動可能とするように構成されている。そして、反対に、支柱4を横倒姿勢P2から起立姿勢P1とするように回動し、係止凹部36a、36bが相互に合致して連通したときは、スプリング41により弾発付勢されたスライダ39が係止突起37を係止凹部36a自動的に係止し、枢結ロック手段35をロック状態とし、支柱4の回動部材21を回動不能に係止する。
【0059】
(手押台車形態)
台車1を
図1に示すような手押台車形態M1とする場合、枢結機構16は、枢結部材19の第1アーム17を水平状態として連動ロック手段26をロックすることにより回動不能に係止し、第2アーム18を起立状態として枢結ロック手段35をロックすることにより回動不能に係止している。この状態において、左右車輪ユニット3L、3Rが荷台本体2の底部から下向きに突出する突出姿勢Q1を保持し、手押手段6の左右支柱4L、4Rが荷受面2aから起立する起立姿勢P1を保持している。
【0060】
(平台車形態)
台車1を
図4に示すような平台車形態M2とする場合は、
図15に示すように、連動ロック手段26をロックし、枢結部材19の第1アーム17を回動不能に係止させた状態において、枢結ロック手段35をアンロックし、枢結部材19の第2アーム18に対して支柱4の回動部材21を上位横軸22の廻りに回動自在な状態とする。そこで、この状態から手押手段6を起立姿勢P1から横倒姿勢P2に向けて倒すと、
図16に示すように、固定された状態の枢結部材19に対して支柱4の回動部材21が上位横軸22の廻りに回動させられるので、支柱4が溝部12に嵌入されると共にハンドル部5が横断溝部13に嵌入される。
【0061】
枢結ロック手段35のアンロックは、左右の枢結機構16、16の間に跨設された長尺ケーシング42に内装した摺動部材40、40を介して行われ、具体的にはケーシング42の外側に配置された操作片43を操作することにより摺動部材40を摺動させることが必要である。そこで、このような操作は、
図16に鎖線で示すように、カバー体50を開放方向に回動させ、ユーザの手指を凹部12Aに挿入させることにより行われる。尚、カバー体50を開放させるとき、操作部50b(
図3参照)にユーザの手指を掛けることができる。
【0062】
横倒姿勢P2とした状態において、
図6に示すように、横倒ロック手段60のロック部61aが第1ロック孔66に係止し、支柱4L、4Rを横倒姿勢P2としてロックする。
【0063】
図4に示すように、手押手段6の左右支柱4L、4R及びハンドル部5は、荷受面2aに没入されているので、荷物を自由に荷受面2aに積載することが可能である。この際、カバー体50により荷受面2aと面一の延長荷受面50dが形成されているので、広い範囲で荷物を積載することができる。
【0064】
そして、左右車輪ユニット3L、3Rは、荷台本体2の底部から下向きに突出する突出姿勢Q1を保持しているので、台車1を走行させることが可能である。
【0065】
尚、平台車形態M2の状態から、手押手段6のハンドル部5を持ち上げることにより左右支柱4L、4Rを起立姿勢P1とすれば、枢結ロック手段35が自動的にロックし、台車1を上述の手押台車形態M1とする。
【0066】
(不使用保管形態)
台車1を
図7に示すような不使用保管形態M3とする場合、
図18に示すように、枢結ロック手段35をロックし、支柱4の回動部材21を枢結部材19の第2アーム18に回動不能に係止させた状態において、連動ロック手段26をアンロックし、枢結部材19の第1アーム17を下位横軸20の廻りに回動自在な状態とする。そこで、この状態から手押手段6を起立姿勢P1から横倒姿勢P2に向けて倒すと、
図20に示すように、支柱4の回動部材21と枢結部材19の全体が一体状態で下位横軸20の廻りに回動させられ、支柱4が溝部12に嵌入されると共にハンドル部5が受取空間部14に収納される。同時に、第1アーム17の回動により連動駆動機構23を介して左右車輪ユニット3L、3Rを突出姿勢Q1から格納姿勢Q2とするように姿勢変更する。
【0067】
支柱4の回動部材21と枢結部材19の全体が一体状態で下位横軸20の廻りに回動させられるとき、
図19に示すように、摺動部材40、40を内装することにより左右の枢結機構16、16の間に跨設された長尺ケーシング42が一体的に回動され、下位横軸20を中心とするその回動軌跡は、凹部12Aの上方を通過するので、ヒンジ手段51のスプリング52に抗してカバー体50を押し上げる。
【0068】
凹部12Aは、常時カバー体50により覆われているので、ユーザの手指が該凹部12Aに進入することは防止されており、従って、回動する長尺ケーシング42によりユーザの手指が指詰め負傷することはない。
【0069】
しかしながら、凹部12Aのうち、枢結機構16、16から左右溝部12L、12Rに向かう領域は、横倒姿勢P2を可能とするため開放されている必要があり、カバー体50により覆うことができないので、この領域にユーザの手指が挿入されているとき、指詰め負傷の危険がある。
【0070】
このため、特に強い腕力を必要とする支柱4の回動時、つまり、手押台車形態M1とする起立姿勢P1と不使用保管形態M3とする横倒姿勢P2の間において支柱4を回動させるときは、それに連動してカバー体50の開閉動作を行わせることにより、作業中のユーザに対して、指詰め注意の警告を与えることが望ましく、そのための手段として、枢結機構16、16の間に跨設された長尺ケーシング42を有効に利用することができる。
【0071】
不使用保管形態M3とするために横倒姿勢P2とされた状態において、
図9に示すように、横倒ロック手段60のロック部61aが第2ロック孔67に係止し、支柱4L、4Rを横倒姿勢P2としてロックする。
【0072】
手押手段6の左右支柱4L、4R及びハンドル部5は、荷受面2aに没入されており、左右車輪ユニット3L、3Rは、格納姿勢Q2を保持しているので、台車1をコンパクトな状態で保管することができる。
【0073】
尚、不使用保管形態M3の状態から、手押手段6のハンドル部5を持ち上げることにより左右支柱4L、4Rを起立姿勢P1とすれば、枢結部材19の第1アーム17が回動することにより連動駆動機構23を介して左右車輪ユニット3L、3Rを格納姿勢Q2から突出姿勢Q1とするように姿勢変更すると共に、連動ロック手段26が自動的にロックし、台車1を上述の手押台車形態M1とする。このときも、長尺ケーシング42により、カバー体50がヒンジ手段51のスプリング52に抗して押し上げられる。
【0074】
(支柱の横倒姿勢)
図17及び
図20に示すように、前記枢結機構16は、手押手段6の支柱4を起立姿勢P1とした状態で、荷台本体2の進行方向Fに関する下位横軸20と上位横軸22の軸心の間隔距離L1と、上向き方向に関する下位横軸20と上位横軸22の軸心の間隔距離L2を、L1=L2とするように構成している。これにより、支柱4は、
図17に示す平台車形態M2を構成するために横倒姿勢P2とした場合と、
図20に示す不使用保管形態M3を構成するために横倒姿勢P2とした場合の何れの場合においても、該支柱4の軸線が同じ高さHに位置するように倒されるので、溝部12の底部に好適に沿って収納させることが可能になる。
【0075】
更に、手押手段6を横倒姿勢P2としたときにハンドル部5を収納する横断溝部13と受取空間部14は、受取空間部14を横断溝部13よりも進行方向Fの前側に配置すると共に、該受取空間部14と横断溝部13の中心の間隔距離をL1+L2とするように構成している。従って、
図17に示すように平台車形態M2を構成したとき、ハンドル部5は、横断溝部13に嵌入されており、進行方向Fに向けて突出することはない。このため、平台車としての使用時に、誤って走行中の台車1が建造物の壁や柱に衝突した場合でも、荷台本体2の前端部(庇部15を含む前記間隔距離L1+L2に相当する荷台本体2の前端部分)により衝撃が受け止められ、ハンドル部5を衝突させることはないから、該ハンドル部5や枢結機構16の軸部等を損傷することはない。
【符号の説明】
【0076】
1 台車
M1 手押台車形態
M2 平台車形態
M3 不使用保管形態
2 荷台本体
2a 荷受面
2b 後端壁部
2c 段状支持部
2d 受段部
3 車輪ユニット
3L 左車輪ユニット
3R 右車輪ユニット
Q1 車輪ユニットの突出姿勢
Q2 車輪ユニットの格納姿勢
4 支柱
4L 左支柱
4R 右支柱
5 ハンドル部
6 手押手段
P1 支柱の起立姿勢
P2 支柱の横倒姿勢
7 フレーム
8 前輪
9 後輪
10 軸受
11 支軸
12L 左溝部
12R 右溝部
12A 凹部
12B 凹陥部
12S 拡張凹部
13 横断溝部
14 受取空間部
15 庇部
16 枢結機構
17 第1アーム
18 第2アーム
19 枢結部材
20 下位横軸
21 回動部材
22 上位横軸
23 連動駆動機構
24 駆動ギヤ
25 従動ギヤ
26 連動ロック手段
27 係止凹部
28 係止突起
29 係止具
30 ロッド
31 操作バー
32 ボス
33 ファスナ
34a、34b ストッパ
35 枢結ロック手段
36a、36b 係止凹部
37 係止突起
38 操作手段
39 スライダ
40 摺動部材
41 スプリング
42 長尺ケーシング
43 操作片
50 カバー体
50a 切欠き部
50b 操作部
50c 舌片部
50d 枢着部
50e 自由端部
50f 延長荷受面
51 ヒンジ部
52 スプリング
60 横倒ロック手段
61L、61R ロッド
61a 先端ロック部
62 スプリング
63 解除操作手段
64 ケーシング
65 孔
66 第1ロック孔
67 第2ロック孔