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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】粉末分配アプリケータ
(51)【国際特許分類】
   A61M 35/00 20060101AFI20230605BHJP
【FI】
A61M35/00 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020524747
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 IL2018000008
(87)【国際公開番号】W WO2019092689
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】255520
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(31)【優先権主張番号】62/583,017
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511203455
【氏名又は名称】オムリックス・バイオファーマシューティカルズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Omrix Biopharmaceuticals Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】エレツ・リオル
(72)【発明者】
【氏名】イラン・エレツ
(72)【発明者】
【氏名】ファインゴールド・オムリ
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-524950(JP,A)
【文献】特開2010-115543(JP,A)
【文献】国際公開第2016/209442(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 35/00
A61M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末分配アプリケータ(10、110、210、310、410)であって、
容器(20)であって、出口開口部(24)が閉状態にあるときに、少なくとも前記出口開口部(24)の近傍に粉末を収容し、前記出口開口部(24)が開状態にあるときに、前記粉末の少なくとも一部が排出されることを可能にするように構成された空洞(30)によって、前記粉末分配アプリケータの長手方向軸(L)に沿って互いに離間された入口開口部(22)および前記出口開口部(24)を有する、容器と、
アクチュエータ(40)であって、内部にガスを収容し、前記出口開口部(24)が前記閉状態にあるときに前記粉末分配アプリケータ内の圧力を上昇させるために、最大動作容積を有するその初期状態から、前記最大動作容積よりも小さい中間動作容積を有する中間状態を介して、最小動作容積を有する最終状態にされるように構成され、また上昇した前記圧力が解放された後に、前記粉末分配アプリケータの外部から周囲ガスを引き込むことによって、前記最終状態から前記初期状態にされるように更に構成された変形可能な作動要素(42)を備え、前記作動要素(42)は、閉鎖近位端(43’)と、前記長手方向軸(L)に近い領域に前記入口開口部(22)を画定する開放遠位端(43”)と、それらの間の内部空間(39)と、を有する、ベローズまたは形状記憶弾性球(49)の形状であり、前記ベローズ又は前記形状記憶弾性球(49)は、前記入口開口部(22)から半径方向に離間された前記領域で前記容器(20)に密封状態で固定され、前記アクチュエータ(40)は少なくとも1つの力伝達要素(46)をさらに備え、前記力伝達要素(46)は前記入口開口部(22)および前記出口開口部(24)を通過し、前記力伝達要素(46)は、前記ベローズ又は前記形状記憶弾性球(49)の前記内部空間(39)内に近位端(48)を有する、アクチュエータと、
前記力伝達要素(46)の遠位端である栓(50)であって、前記栓(50)は前記出口開口部(24)に対して遠位に配置され、前記栓(50)は、前記作動要素(42)が前記中間状態から前記最終状態にされたときに、前記栓(50)が前記アクチュエータ(40)によって操作されて前記出口開口部(24)を前記開状態にするまで、前記出口開口部を前記閉状態に維持するために前記出口開口部(24)を塞ぎ、前記粉末の少なくとも一部を加圧噴出で前記出口開口部(24)から押し出すために、前記粉末分配アプリケータ内とその外部との間の圧力差により発生した前記ガスの流れを作るように構成された、栓と
を備え、
前記栓(50)は、前記出口開口部(24)が閉鎖される閉塞位置と、前記栓(50)が前記出口開口部(24)から離れて移動され、したがって開放される、非閉塞位置と、の間で移動するように構成されており、
前記アクチュエータ(40)が、
前記長手方向軸(L)に沿って方向付けられて前記栓(50)を前記閉塞位置から前記非閉塞位置へ移動させる開放力と、
前記開放力が終了されると、前記長手方向軸(L)に沿って方向付けられて前記栓(50)を前記非閉塞位置から前記閉塞位置へ移動させ、前記開放力が印加されるまで前記栓(50)をこの位置に維持する閉鎖力と、
を前記栓(50)に選択的に印加するように構成され、前記開放力および前記閉鎖力のうちの一方が前記空洞(30)に向かって方向付けられ、これらの力のうちの他方が前記空洞(30)から離れるように方向付けられており、
前記力伝達要素(46)は、前記作動要素(42)によって、少なくとも間接的に操作可能であり、その結果、前記作動要素(42)が前記中間状態から前記最終状態にされたときに、前記開放力を前記栓(50)に印加し、
前記アクチュエータ(40)は、前記力伝達要素(46)を少なくとも間接的に操作し、その結果、前記作動要素(42)が前記最終状態から前記初期状態に戻されたときに、前記閉鎖力を前記栓(50)に印加させるように構成された、少なくとも1つの力印加要素(44)を備え、
前記力印加要素が、ばね(44)の形態であり、前記力伝達要素が前記開放力を前記栓(50)に印加して前記栓(50)を前記非閉塞位置にさせたときに圧縮状態にされ、前記力伝達要素が前記閉鎖力を前記栓(50)に印加して、前記栓(50)を前記閉塞位置にさせる伸長状態にされる、粉末分配アプリケータ(110、410)
【請求項2】
前記力伝達要素(46)は、前記長手方向軸(L)に沿って延在する、請求項1に記載の粉末分配アプリケータ。
【請求項3】
前記力伝達要素(46)と前記栓(50)とが、一体化されている、請求項2に記載の粉末分配アプリケータ。
【請求項4】
前記力伝達要素(46)と前記栓(50)とが、モノリシックユニットである、請求項3に記載の粉末分配アプリケータ。
【請求項5】
前記ベローズ又は前記形状記憶弾性球(49)は、前記閉鎖近位端(43’)において、前記ベローズ又は前記形状記憶弾性球(49)の外側における第1の面と前記ベローズ又は前記形状記憶弾性球(49)の内側における第2の面とを有する、前記長手方向軸(L)に垂直な平面部分を有し、前記力伝達要素(46)は、前記近位端(48)において、前記長手方向軸(L)に垂直な近位端面を有し、前記第2の面は、前記初期状態から前記中間状態に達したときに、前記近位端面に当接するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の粉末分配アプリケータ。
【請求項6】
前記出口開口部(24)は、通路内壁(56)を有する軸方向に延在する通路(55)の形態であり、前記通路内壁において、前記栓(50)が、前記閉塞位置にあるときに前記通路内壁(56)の間に配置され、前記栓(50)は、前記閉塞位置から、前記通路内壁(56)から離れる方向に、前記非閉塞位置に移動される、請求項1~5のいずれか一項に記載の粉末分配アプリケータ(10、110、210、310、410)。
【請求項7】
前記ばね(44)は、前記作動要素(42)が前記初期状態から前記中間状態にされるまで、前記伸長状態に維持され、前記作動要素(42)が前記中間状態から前記最終状態にされたときに、前記作動要素(42)によって、少なくとも間接的に圧縮されるように構成されている、請求項に記載の粉末分配アプリケータ(110、410)。
【請求項8】
前記空洞(30)が、前記粉末の少なくとも一部を押し出すときに、前記ガスの前記流れ内に乱流を導入するように構成された少なくとも1つの内部要素(60)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の粉末分配アプリケータ(210、410)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの内部要素が、少なくとも1つのリブ(60)である、請求項に記載の粉末分配アプリケータ(210、410)。
【請求項10】
前記容器(20)が、前記空洞(30)を画定する内壁(28)を有し、前記少なくとも1つのリブ(60)が前記内壁(28)から内側に突出する、請求項に記載の粉末分配アプリケータ(210、410)。
【請求項11】
ガス透過性フィルタ(70)を更に備え、前記ガス透過性フィルタ(70)が、前記入口開口部(22)に面する第1の面(72)と、前記出口開口部(24)に面する第2の面(74)と、を有し、前記空洞(30)内に配置されて前記ガス透過性フィルタ(70)の前記第2の面(74)と前記出口開口部(24)との間に、前記粉末用のチャンバ(32)を形成し、前記ガス透過性フィルタ(70)は、前記粉末が前記ガス透過性フィルタ(70)を通って前記入口開口部(22)に向かって移動することを防止するために、前記粉末に対するバリアを形成するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の粉末分配アプリケータ(310、410)。
【請求項12】
前記圧力が、前記出口開口部(24)の開口直前に126.66~146.92kPaである、請求項~6のいずれか一項に記載の粉末分配アプリケータ(10、110、210、310、410)。
【請求項13】
記作動要素(42)は、前記最大動作容積を有するときに、前記初期状態において、最大量のガスを内部に有し、前記最小動作容積を有するときに、前記最終状態において、最小量のガスを内部に有し、前記出口開口部(24)が前記閉状態にあるときに、前記空洞(30)内の前記圧力を上昇させるために、前記初期状態から前記中間状態にされたときに、前記長手方向軸(L)に沿って前記入口開口部(22)を介して、前記空洞(30)内に前記ガスを導入するために、前記容器(20)に前記密封状態で接続されている、請求項1~6及び12のいずれか一項に記載の粉末分配アプリケータ(10、110、210、310、410)。
【請求項14】
記作動要素(42)は、前記出口開口部(24)および前記空洞(30)を少なくとも部分的に介して、周囲空気を内部に引き込んで、前記最終状態から前記初期状態に戻されたときに、前記最小動作容積から前記最大動作容積にその容積を増加させるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の粉末分配アプリケータ(110、410)。
【請求項15】
前記力印加要素(44)は、前記力印加要素(44)が前記栓(50)を前記非閉塞位置から前記閉塞位置にさせるのに必要な時間が、前記栓(50)が前記出口開口部(24)を塞ぐ前に、前記作動要素(42)が前記最小動作容積から少なくとも中間容積まで前記容積を増加させることを可能にするように選択されるように構成されている、請求項14に記載の粉末分配アプリケータ(110、410)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、薬剤粉末などの粉末を目標位置に分配するためのアプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の主題が言及する種類のアプリケータの例は、米国特許第9,205,240号、国際公開第92/06727号、国際公開第2013/122040号、米国特許出願公開第2016/0074602(A1)号および米国特許出願公開第2016/0375202(A1)号に開示されている。
【0003】
米国特許第9,205,240号は、粉末を局所的に分配するための装置を開示しており、この装置はガス流発生器を使用してガスを装置に流し、粉末容器から粉末を取り込み、一方、攪拌器を使用して粉末容器を機械的に攪拌して、粉末容器から粉末を放出するのを容易にする。
【0004】
国際公開第92/06727号は、粉末用の使い捨てディスペンサーを開示しており、粉末放出の機構は、管状粉末マガジンの2つの端部を閉鎖する膜の透過を必要とする。
【0005】
国際公開第2013/122040(A1)号は、粉末注入装置を開示しており、この装置は、排気管から、ホッパー内に収容された粉末と共に、加圧ガスを注入する。
【0006】
米国特許出願公開第2016/0074602(A1)号は、液体薬剤および粉末薬剤を組織又は創傷上に共送達する送達装置を開示している。
【0007】
米国特許出願公開第2016/0375202(A1)号は、近位端および遠位端にある圧搾ポートにおいて、ベローズなどの手動空気ポンプを有する細長いリザーバを有する止血粉末の圧搾のための装置を開示している。
【0008】
本明細書において上記参照文献を承認することは、これらが本開示の主題の特許性と何らかの形で関連すると解釈することを示唆するものではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の主題の一態様によれば、粉末分配アプリケータが提供され、粉末分配アプリケータは、
容器であって、出口開口部が閉状態にあるときに、少なくとも出口開口部の近傍に粉末を収容し、出口開口部が開状態にあるときに、粉末の少なくとも一部が排出されることを可能にするように構成された空洞によって、アプリケータの長手方向軸Lに沿って互いに離間された入口開口部および出口開口部を有する、容器と、
アクチュエータであって、内部にガスを収容し、出口開口部がその閉状態にあるときにアプリケータ内の圧力を上昇させるために、最大動作容積を有するその初期状態から、最大容積よりも小さい中間動作容積を有する中間状態を介して、最小動作容積を有する最終状態にされるように構成され、また上昇した圧力が解放された後に、アプリケータの外部から周囲ガスを引き込むことによって、その最終状態からその初期状態にされるように更に構成された変形可能な作動要素を備える、アクチュエータと、
栓であって、作動要素が中間状態から最終状態にされたときに、栓がアクチュエータによって操作されて出口開口部を開状態にするまで、出口開口部を閉状態に維持するために出口開口部を塞ぎ、粉末の少なくとも一部を加圧噴出で出口開口部から押し出すために、アプリケータ内とその外部との間の圧力差により発生したガスの流れを作るように構成された、栓と、を備える。
【0010】
アプリケータの上記構造、特に、出口開口部がその開状態にされる直前に、アプリケータ内に圧力差が増大するという事実は、外部加圧ガス源を使用せずに、加圧噴出で粉末を分配することを可能にする。更に、アプリケータの上記の構造により、生成された各加圧噴出で、粉末の一部(1回の投与量)のみがアプリケータの容器から押し出され、それによって繰り返される用量の粉末塗布を可能にするように構成することができる。しかしながら、所望であれば、アプリケータは、全ての粉末を一度に分配するように設計することができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、栓は、出口開口部が閉鎖される閉塞位置と、栓が出口開口部から離れて移動され、したがって開放される、非閉塞位置と、の間で移動するように構成され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、出口開口部は、通路内壁を有する軸方向に延在する通路の形態であり得、通路内壁において、栓は、その閉塞位置にあるときに通路内壁の間に配置され、栓は、閉塞位置から、通路内壁から離れる方向に、その非閉塞位置に移動される。
【0013】
いくつかの実施形態では、アクチュエータは、軸Lに沿って方向付けられて栓を閉塞位置から非閉塞位置へ移動させる開放力と、開放力が終了されると、軸に沿って方向付けられて栓を非閉塞位置から閉塞位置へ移動させ、開放力が印加されるまで栓をこの位置に維持する閉鎖力と、を栓に選択的に印加するように構成され、開放力および閉鎖力のうちの一方が空洞に向かって方向付けられ、これらの力のうちの他方が空洞から離れるように方向付けられ得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、アクチュエータが、変形可能なガス収容作動要素によって、少なくとも間接的に操作可能な、少なくとも1つの力伝達要素を備え、その結果、変形可能なガス収容作動要素が中間状態から最終状態にされたときに、開放力を栓に印加できる。
【0015】
いくつかの実施形態では、アクチュエータは、力伝達要素を少なくとも間接的に操作し、その結果、変形可能なガス収容作動要素がその最終状態からその初期状態に戻されたときに、閉鎖力を栓に印加させるように構成された、少なくとも1つの力印加要素を備えることができる。力印加要素は、任意の適切な構造を有することができる。例えば、力印加要素は、ばねの形態であってよく、力伝達要素が開放力を栓に印加して栓を非閉塞位置にさせたときに圧縮状態にされ、力伝達要素が閉鎖力を栓に印加して、栓を閉塞位置にさせる伸長状態にされる。任意に、ばねは、変形可能なガス収容作動要素がその初期状態から中間状態にされるまで、その伸長状態に維持され、変形可能なガス収容作動要素が中間状態から最終状態にされたときに、変形可能なガス収容作動要素によって、少なくとも間接的に圧縮されるように構成され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、変形可能なガス収容作動要素は、最大動作容積を有するときに、初期状態において、最大量のガスを内部に有することができ、最小動作容積を有するときに、最終状態において、最小量のガスを内部に有することができ、出口開口部がその閉状態にあるときに、空洞内の圧力を上昇させるために、初期状態から中間状態にされたときに、軸Lに沿って入口開口部を介して、空洞内にガスを導入するために、容器に密封状態で接続され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、ガス収容作動要素は、出口開口部および空洞を少なくとも部分的に介して、周囲空気を内部に引き込んで、その最終状態からその初期状態に戻されたときに、最小動作容積から最大動作容積にその容積を増加させるように構成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、力印加要素は、力印加要素が栓をその非閉塞位置からその閉塞位置にさせるのに必要な時間が、栓が出口開口部を塞ぐ前に、ガス収容作動要素が最小動作容積から少なくとも中間容積までその容積を増加させることを可能にするように選択されるように構成され得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、アプリケータは、容器の空洞内に配置され、粉末の少なくとも一部を押し出すときに、ガスの流れ内に乱流を導入するように構成された、少なくとも1つの内部要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、内部要素は少なくとも1つのリブを含み得る。任意に、リブは、空洞を画定する容器の内壁から内側に突出することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、アプリケータは、ガス透過性フィルタを備えることができ、ガス透過性フィルタは、入口開口部に面する第1の側面と、出口開口部に面する第2の側面と、を有し、空洞内に配置されてフィルタの第2の側面と出口開口部との間に、粉末用のチャンバを形成し、フィルタは、粉末がフィルタを通って入口開口部に向かって移動することを防止するために、粉末に対するバリアを形成するように構成されている。
【0021】
本開示の主題の別の態様によれば、粉末分配アプリケータが提供され、粉末分配アプリケータは、少なくとも出口開口部の近傍に粉末を収容するように構成された空洞によって互いに離間された入口開口部および出口開口部を有する容器と、出口開口部がその閉状態にあるときに、アプリケータ内の圧力を上昇させるように構成された変形可能なガス収容作動要素を備えるアクチュエータと、出口開口部が開状態にあるときに、アプリケータ内とその外部との間の圧力差により発生したガスの流れによって、粉末の少なくとも一部を加圧噴出で出口開口部から押し出すときに、ガス内に乱流を導入するように構成された空洞内の少なくとも1つの内部要素と、を備える。
【0022】
本開示の主題のこの態様によるアプリケータは、本開示の主題の第1の態様によるアプリケータの特徴のうちの任意の1つ以上を有することができる。
【0023】
本開示の主題のなお更なる態様によれば、粉末分配アプリケータを使用して表面上に粉末を塗布する方法が提供され、粉末分配アプリケータは、内部に粉末を収容するように構成された空洞によって互いに離間された入口開口部および出口開口部を有する容器を備え、本方法は、
出口開口部を閉鎖したままに維持しながら、アプリケータ内に収容されたガスを加圧することと、
続いて出口開口部を開放して、粉末の少なくとも一部を加圧噴出で出口開口部から押し出すために、アプリケータ内とその外部との間の圧力差により発生したガスの流れを作ることと、
上昇した圧力が解放された後に、周囲ガスをアプリケータ内に、その外部から引き込むことを可能にすることと、を含む。
【0024】
上記の方法は、内部に使用されるアプリケータが、外部加圧ガス源を使用せずに、加圧噴出で粉末を分配することを可能にすることができる。更に、この方法は、内部で生成された各加圧噴出で、粉末の一部(1回の投与量)のみがアプリケータの容器から押し出され、それによって繰り返される用量の粉末塗布を可能にするように構成することができる。しかしながら、所望であれば、本方法を使用して、全ての粉末を一度に分配することができる。
【0025】
本開示の主題のこの態様による方法で使用されるアプリケータは、本開示の主題の第1および/又は第2の態様によるアプリケータによって構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本明細書に開示される主題をよりよく理解し、実際にその主題をどのように実施することができるのかを例示するために、ここで添付の図面を参照しながら単なる非限定的な例によって実施形態について説明する。
図1A】本開示の主題の一実施例による、粉末分配アプリケータの概略斜視図であり、その変形可能なガス収容作動要素は、初期状態にある。
図1B】本開示の主題の一実施例による、粉末分配アプリケータの概略斜視図であり、その変形可能なガス収容作動要素は、中間状態にある。
図1C】本開示の主題の一実施例による、粉末分配アプリケータの概略斜視図であり、その変形可能なガス収容作動要素は、最終状態にある。
図2A】本開示の主題の更なる実施例による、粉末分配アプリケータの概略斜視図であり、その出口開口部は閉状態にある。
図2B】本開示の主題の更なる実施例による、粉末分配アプリケータの概略斜視図であり、その出口開口部は開状態にある。
図3A】内部リブを有する、本開示の主題のなお更なる実施例による、粉末分配アプリケータの概略斜視図である。
図3B図3Aに示すアプリケータの容器の上面図である。
図4】フィルタを有する、本開示の主題のなお更なる実施例による、粉末分配アプリケータの概略斜視図である。
図5】本開示の主題のなお更なる実施例による、粉末分配アプリケータの概略斜視図であり、使い捨てアプリケータ先端部と共に、必要に応じて適切に変更された図1A~1C、2A~B、3Aおよび4に示す例示的なアプリケータの全ての要素を有する。
【0027】
構造的支持および/又は締結要素が図面に示されているか否かに関わらず、当技術分野において既知の任意の好適な手段の形態で存在すると想定されるべきであることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1A、1B、および1Cは、本開示の主題の一実施形態による粉末分配アプリケータ10を示す。粉末材料は、顆粒、マイクロカプセル、凝集体、繊維、又はこれらの混合物などの粒子状材料の形態であってもよく、又は粒子状材料を含んでもよい。粉末は、単一の種類の粉末若しくは粒子材料、又は粉末および/又は粒子材料、例えばORC粉末、凝集ORC粉末、ゼラチン粒子、デンプン粒子、ガム、糖、キトサン粒子、フィブリノゲン粒子、およびトロンビン粒子などの粉末および/又は粒子材料の混合物から構成され得る。
【0029】
粉末分配アプリケータ10は、少なくとも出口端部23の近傍に粉末を収容するように構成された空洞30によって、アプリケータ10の長手方向軸Lに沿って互いに離間された入口開口部22を有する入口端部21および出口開口部24を有する出口端部23を有する容器20と、出口開口部24を実質的に閉状態に維持するために塞ぐように構成された栓50と、出口開口部24をその実質的に開状態にするように栓50を操作するように構成されたアクチュエータ40と、を備える。
【0030】
図1A、1B、および1Cに示されるアプリケータ10の実施形態では、アクチュエータ40は、変形可能なガス収容作動要素42を備えており、これは、その入口端部21において容器20に密封状態で接続されており、その結果、そのガス収容内部は、少なくとも出口開口部24がその閉状態からその開状態にされるときに、空洞30と流体連通しており、出口開口部24がその閉状態にあるときに空洞30内に所望の圧力を作るために、手動又は自動的に動作されたときに、作動要素42が要素42に収容されたガスを入口開口部22を介して空洞30内に導入することを可能にする。したがって、作動要素42は、内部に最大量のガスを有する初期状態を有し、作動要素42からのガスの一部が入口開口部22を介して空洞30内に導入されたときに、空洞30内で圧力が上昇する中間状態にされるように動作可能である。
【0031】
上述したように作動要素42がその初期状態からその中間状態にされる機能に加えて、作動要素42は、所望の圧力が空洞30内で上昇した後に栓50を操作するように構成されている。より具体的には、作動要素42は、手動又は自動的に、中間状態から最終状態にされるように構成され得、その結果、この状態の変化を受けている間、栓50上に開放力を印加して、栓50が図1Cに示されるような方向R1に空洞30および出口開口部24から離れる方向に移動されるように構成されている。
【0032】
いくつかの実施形態では、栓50は、出口開口部24が閉鎖される閉塞位置と、栓50が閉鎖位置よりも空洞30から(又は出口開口部24から)離れて配置され、したがって出口開口部24が開放される、非閉塞位置と、の間で移動するように構成されている。
【0033】
栓50に開放力を印加するために、アクチュエータ40は、例えば、図1A、1B、および1Cに示され、例えば作動要素(42)によって少なくとも間接的に操作可能な、要素46などの力伝達要素を更に備え、その結果、作動要素42が中間状態から最終状態にされ、それにより出口開口部24をその開状態にするときに、栓50に開放力を印加する。
【0034】
図1Aに示されるアプリケータ10では、作動要素42は、閉鎖近位端43’と、軸Lに近いその領域に入口開口部22を画定する開放遠位端43”と、それらの間のベローズ内部空間39と、を有するベローズ49の形態である。ベローズ49は、入口開口部22から半径方向に離間されたその領域で容器20に密封状態で固定される。図1Aに示されるアプリケータ10の力伝達要素は、入口開口部22および出口開口部24を通過し、ベローズ49の内部空間39内にその近位端48を有し、栓50を伴うその遠位端は出口開口部24に対して遠位に配置されている、ロッド46の形態である。図1Aは、ベローズ49およびロッド46をそれらの初期状態で示しており、ベローズ49は、その内部空間39内に、空気などのガスの最大容積および/又は量、並びにその近位端43’と入口開口部22との間の最大距離Bmaxを有し、ロッド46は、入口開口部22から距離Rにある近位端48と、出口開口部24に当接しそれを塞ぐ位置に配置されたロッドの遠位端に位置する栓50と、を有し、出口開口部24の閉状態を画定する。
【0035】
図1A、1B、および1Cに示されるロッド46および栓50は、別個のユニットから一緒に組み立てられてもよく、又はモノリシックユニットとして構築されてもよいことが理解されるであろう。
【0036】
図1Bは、ベローズ49がその中間状態にあり、栓50が、出口開口部24の閉状態を画定する閉塞位置に留まるアプリケータ10を示す。ベローズ49をこの状態にするために、その近位端43’において、例えばユーザの親指(図示せず)によって手で軸方向に押され、その近位端43’が入口開口部22から距離Bintまで移動するように圧縮されて、ガスの一部を、入口開口部22を介してベローズの内部空間39から空洞30内へ流入させなければならない。栓50は、その閉塞位置を維持して、空洞30の出口開口部24を閉鎖し、空洞30の入口端部21は、ベローズ49との密封された接続によって閉鎖されてそれ自体も閉鎖しているため、空洞30内へのベローズ49の内部空間39からのガスの導入は、空洞内の圧力を上昇させる。距離Bintは、距離R以上になるように選択されて、ベローズ49の近位端43’がロッド46の近位端48にいかなる力も印加せず、空洞30内で上昇した圧力が所定の値に達するまで、ロッド46が栓50を出口開口部24から離れる方向に移動させないことを確実にする。
【0037】
上述したように空洞30内で上昇する圧力の量は、例えば、BmaxとRとの間の比、空洞30の容積と作動要素42の内部空間39との間の比などの、アプリケータ10の物理的および構成的パラメータのうちの1つ以上の関数であり得ることが理解されるであろう。例えば、アプリケータ10において、Bmaxは、Rの長さの2.3~2.7倍であり得、空洞30の容積は、作動要素42の内部空間39の容積の1~1.3倍であり得る。
【0038】
別の例では、空洞30内で上昇した圧力を解放前に制御するために、要素46が作動要素42の内部空間39内に延びる範囲である寸法Rを変化させるように、要素46の長さを減少又は増大させることができる。
【0039】
作動要素42と容器20との間の接続が気体に対して完全に密封されていない間であっても、上述したように空洞30内で圧力を上昇させることができることが更に理解されるであろう。
【0040】
図1A~1Cおよび上記の説明において、作動要素42の初期状態、中間状態、および最終状態は、アプリケータ10がどのように機能するかを明確に詳細に説明するために、独特な状態として提示されていることが理解されるであろう。しかしながら、アプリケータ10の作動要素42の通常の動作において、上記の状態は、所望に応じて迅速であり得る1つの動きでアクチュエータを押すことによって、継続的かつ連続的に、すなわちそれらの間の間隔なしになり得ることを理解されたい。
【0041】
本開示の主題のアプリケータでは、図1に示されるようなベローズの代わりに、形状記憶弾性球又はシリンダ内のピストンなどのガス圧縮の代替手段を使用することができることが更に理解されるであろう。
【0042】
図1Cに示すように、ベローズ49の近位端43’上を連続して軸方向に押圧することにより、ベローズはロッド46の近位端48を遠位に押し、それと共に入口開口部22に向かって移動させ、それによりベローズ49は、入口開口部22からのベローズ42の近位端43’の最小間隔Bminによって、およびベローズ49の内部空間39内の最小量のガスによって特徴付けられる最終状態に達する。図1Cでは、ベローズ49の近位端43’とロッド46の近位端48との間に小さい空間が、図における部品の明確さのみのために出現しているが、上述したように、ベローズ49およびロッド46のそれぞれ近位端43’および48は、ベローズがその最終状態にあるときに互いに接触していると見なされるべきであることに留意されたい。
【0043】
ロッド46がベローズ49の近位端43’によって遠位に押されると、ロッドは、長手方向軸Lに沿って空洞30から離れる方向に開放力を栓50に印加し、それによって栓50を出口開口部24から離れる方向にその非閉塞位置に移動させて、出口開口部24を開状態にする。
【0044】
出口開口部24を開放する前に、圧力が空洞30内で圧力P1まで上昇しているという事実は、空洞30内と外部大気(atm)との間の圧力差(すなわち、P1>Patm)の生成をもたらされ、そのため、出口開口部24が開放されると、加圧ガス流が出口開口部24から生成される。空洞30が少なくとも出口開口部24の近傍に粉末を収容する場合、この加圧ガス流は、粉末、すなわち粉末用量の少なくとも一部を加圧噴出で出口開口部から押し出す。
【0045】
したがって、栓50がその閉塞位置からその非閉塞位置へと移動する間、アプリケータ内に収容された粉末が分配される。
【0046】
本開示の主題に従い、初期状態では10mLの初期ベローズ容積を、最終状態では5mLの最終ベローズ容積を有する、アプリケータ10の一例において、空洞30内の圧力は、出口開口部24の開放直前に1.25、1.45atmなどの1.1~3atmの圧力に到達し得る。
【0047】
この圧力は、外部加圧ガス源を伴わずに、本開示の主題に従って提供されるアプリケータの内部で上昇することが理解されるであろう。
【0048】
本開示の主題によるアプリケータ10から放出された粉末の加圧噴出の1つの利点は、粉末は、噴霧の加圧噴出で出口開口部24から放出され、これにより目標位置に集中したエアロゾルおよび粉末スポットが生成されるため、目標位置への粉末用量の正確かつ一定の分配による精密な塗布であることが理解されるであろう。
【0049】
更に、本開示の主題によるアプリケータ10から放出された粉末の加圧噴出の更なる利点は、少なくとも出口開口部の近傍の空洞内に配置された粉末が、出口開口部24からの噴霧として、運動エネルギーで押し出され、それ自体の運動量を有して、重力によって打ち消される前にいくらかの距離を移動することを可能にするため、水平方向並びに垂直上向き方向、すなわち、重力に対抗する方向を含む任意の可能な方向に、粉末噴出が方向付づけられることを可能にすることであることが更に理解されるであろう。アプリケータ自体の向きが、垂直から水平、上向き、下向き、およびそれらの間のあらゆる角度に変化しても、粉末が塗布され得ることが更に理解されるであろう。
【0050】
噴霧粉末の自由度は制限なく、ユーザがアプリケータをより直感的に使用することが可能となる。更に、本来なら到達しにくい場所へのアクセスが可能になる。
【0051】
本開示の主題に従って提供されるアプリケータは、栓50が出口開口部24から離れて移動する距離が、栓50によって閉塞されていない出口開口部24の近傍の面積を効果的に増加させるように増大されることができ、それにより、アプリケータを出るガスおよび粉末の流れの速度を低下させることができるように、構成され得ることが、更に理解されるであろう。
【0052】
別の実施形態では、アクチュエータ40は、栓50に閉鎖力を印加するように、力伝達要素46を少なくとも間接的に操作するように構成された力印加要素を更に備えることができる。閉鎖力は、長手方向軸Lに沿って空洞30に向かって方向付けられ、開放力が終了されると、栓50を非閉鎖位置から閉塞位置にし、開放力が印加されるまで栓50を閉塞位置に維持する。
【0053】
そのような力印加要素を有するアプリケータの一例を図2Aおよび2Bに示し、110として指定する。アプリケータ110は、同じ構成要素を有し、図1A、1Bおよび1Cに示されるアプリケータ10と同じ方法で操作され、上述の力印加要素を有するという点でアプリケータ10とは異なり、これは、アプリケータ110内では、図2Aおよび2Bで44と指定されるばねの形態である。ばね44は、力伝達要素46が開放力を栓50に印加して栓50を非閉塞位置(図2B)にさせたときに圧縮状態にされ、力伝達要素46が閉鎖力を栓50に印加して、栓50を閉塞位置(図2A)にさせる伸長状態にされるように構成されている。
【0054】
ばねは、変形可能なガス収容作動要素42がその初期状態から中間状態にされるまで、その部分的伸長状態又は伸長状態に維持され、変形可能なガス収容作動要素が中間状態から最終状態にされたときに、変形可能なガス収容作動要素42によって、少なくとも間接的に圧縮されるように更に構成されている。
【0055】
アプリケータ110において、ベローズ42が栓50に直接的又は間接的に開放力を印加するときに圧縮可能であるように、ばね44が容器20内に保持されるために、ロッド46によって保持されかつ作動要素42によってそれと共に移動可能な近位ばね座47と、容器20の内面に固定された遠位ばね座62と、が空洞30内に設けられる。近位ばね座47は、ロッド46と共に一体型本体を構成することができるか、又は近位端48に遠位に配置された位置であるが、アプリケータ110の長手方向軸Lに沿って、遠位ばね座62よりもこの先端に近くなる位置でロッドと共に組み立てることができる。遠位ばね座62は、容器20と共に一体型本体として形成されてもよく、又はそれと組み立てられてもよく、また遠位ばね座62は、出口開口部24の開状態および閉状態に対応する位置の間で栓50を移動させるときに、ロッド46を取り囲むように構成された中央通路63を有して、それに沿ってロッド46の自由な移動を可能にすることができる。
【0056】
ばね44は、力F1として図2Aに示される、遠位に押す開放力を、作動要素42が栓50を有するロッド46に適用するときに、作動要素42によってその圧縮状態にされ、それによって近位ばね座47を遠位に移動させる。次いで、この座47は、固定された遠位ばね座62に当接するばね44に、力F=-kΔxを印加し、ここで、kはばね定数であり、Δxはばねが圧縮される距離である。開放する遠位に押す力が終了されると、ばね44は伸張する習性があり、それによって近位ばね座47を介して栓50を有するロッド46に、図2Aに力F2として示される、閉鎖する近位に引っ張る力を印加して、栓50が出口開口部24を塞ぐように戻り、開放する遠位に押す力が栓50に印加されない限り、出口開口部をその閉状態に維持する。この閉状態はアプリケータ110のデフォルト状態を特徴付け、開放する遠位に押す力が栓50に印加されるまでユーザが押すことによって作動要素42がその中間状態からその最終状態にされるときを除いて、常に維持され、それにより、重力又は偶発的な移動に起因して、意図しない粉末がアプリケータから放出されることが防止される。
【0057】
アプリケータ110がデフォルトで閉鎖位置にあることの更なる利点は、アプリケータが常に使用準備完了位置にあることである。したがって、アプリケータ110は、ユーザが最初にそれを作動させる必要なく、例えば、そのモードを「オフ」から「オン」に変更することを必要とせずに、即座に操作されて、粉末を圧搾させることができる。これにより、アプリケータのユーザ利便性が増して、使用がより直感的になり、それによってアプリケータの円滑な動作を妨げ得る使用中の混乱を防止する助けとなる。
【0058】
アプリケータは、各使用後に使用準備完了位置に戻るため、繰り返し投与が可能になることが更に理解されるであろう。空洞30内の粉末の一部分のみが各用量で使用されるアプリケータ110の構成では、空洞30内の粉末が全て使用されるまでアプリケータを繰り返し使用することができ、したがって、最終的に使用されるアプリケータ内に提供される粉末の割合を最大化し、粉末の無駄を最小限に抑えることができる。
【0059】
更に、アプリケータの各使用のために空洞30内の圧力が上昇することにより、一連の用量での各連続投与量が、有効性を全く低下させずに初期用量にもたらされる全ての利点を提供し、すなわち、粉末塗布は、毎回の塗布において上述した方法で加圧噴出を介して達成されることが理解されるであろう。アプリケータ110の例では、ユーザがベローズ42の近位端43’を押圧することをやめ、ばね44が、栓50を非閉塞位置から閉塞位置へと移動させるために上述したように閉鎖力を印加した後、変形可能なガス収容作動要素42は、周囲空気をその内部空間39内に引き込むことにより、それを最終状態からその初期状態に戻すが、この状態では、次の加圧された粉末用量を送達する動作のために再び準備が整っている。
【0060】
変形可能なガス収容作動要素42が解放されると、それはその元の容積に戻って内部空間39内の圧力の低下、内部空間39内への周囲空気の流れおよび圧力平衡をもたらす。内部空間39内への周囲空気の流れは、閉鎖されるまで出口開口部24を介して、および/又はアクチュエータ42と容器20との間の接続に関して前述したように、ガスに対して完全に密封されていなくてもよいアプリケータの構成要素間に介在する空間を介して、生じ得る。
【0061】
一実施形態において、変形可能なガス収容作動要素42は、例えば、ベローズ49の閉鎖した近位端43’に開口部を備えて構成され得る。動作中、この開口部は、その初期状態から最終状態へと圧縮されるときに、ベローズ49を押す間に、ユーザの親指によって密封され得る。次いで、ベローズからの親指の解放は、栓50が出口開口部24でその閉塞位置に戻るように移動しベローズ49がその最終状態からその初期状態に戻る際に形成された圧力差により、周囲空気が内部空間39内に流入することを可能にする。
【0062】
一般的に、ばね44の伸長状態は、本開示の主題に従って、上述したようにその部分的に圧縮された状態の潜在的エネルギーによって提供される閉鎖力をこの状態で印加するように構成されているので、その物理的パラメータに関して、実際にはばねの部分的に圧縮された状態であり得るが、この部分的に圧縮された状態は、図2Bに示されるばね44の相対的により圧縮された状態に対して伸長状態であることも、また明らかにされている。
【0063】
一般的に、ばね44の圧縮状態は、本開示の主題に従って、ユーザによって印加された開放力(ばね44を通過するロッド46を介して栓50をその非閉塞位置に移動させる)によってある程度圧縮されるように構成されているので、その物理的パラメータに関して、実際にはばねの部分的に伸長された状態であり得るが、この部分的に伸長された状態は、図2Aに示されるばね44の相対的により伸長された状態に対して圧縮状態であることも、また明らかにされている。
【0064】
上述のアプリケータ10および110のいずれか、並びに空洞30と同様の空洞を有する本開示の主題による任意のその他のアプリケータは、空洞30内に配置されかつ粉末の少なくとも一部を出口開口部から押し出すときに、ガスの流れ内に乱流を導入するように構成された、少なくとも1つの内部要素を含むことができる。そのような乱流は、アプリケータの使用後に空洞30内に残され得る残留粉末の量を少なくとも減らすのに有利であり得る。乱流は、ガス中における粉末のより均一な懸濁を達成するために更に有利であり得る。
【0065】
内部要素は、少なくとも1つのリブであってよく、例えばブレード様の形状などの任意の適切な形状を有することができる。上記の内部要素を有し、更にアプリケータ10と同じ特徴を有するアプリケータの一例は、図3Aおよび3Bに示されており、アプリケータは210と指定され、容器20の内壁は28と指定され、内壁28から空洞30内に突出するブレード様リブは60と指定される。
【0066】
作動要素42から空洞30に入るガスの層流がリブ60に衝突すると、ガスの流れの方向は、遠位に移動しながら内壁28に向かって移動する。これは、内壁28に近接して配置されるか、又は内壁28に密着する粉末の粒子に対して掃引効果を有することができ、その結果、これらの粒子は、アプリケータ10内に残留して使用されないのではなく、出口開口部24から押し出される。したがって、アプリケータ内の粉末の総体積の最大限可能な割合は、空洞30内に残留して無駄になるのではなく、アプリケータ210の動作中に使用され、すなわち出口開口部24を通って押し出される可能性が高い。アプリケータ10内の粉末の総体積が1回用量である場合、これは、不十分な又は不正確な用量の塗布を防止することができる。
【0067】
リブ60は、空洞30内に乱流を形成する任意の形状および任意のサイズであってよいことが理解されるであろう。例えば、リブ60は、0.25R以上0.75R以下の半径方向延在部を有することができ、ここで、Rは、内壁28と長手方向軸Lとの間の平均距離である。リブ60の例示的な軸方向延長部は0.5H以上であり得、Hは空洞30の軸方向延在部である。
【0068】
更に、アプリケータからの粉末の最大送達を達成するように、空洞30内のガスと粉末との混合を更に最適化するために、空洞内に粉末を含まない空間を残すように空洞30の全自由容積の85-90%まで粉末が占めるように、空洞30に粉末を充填することができることが更に理解されるであろう。
【0069】
上記のアプリケータ10、110および210のいずれか、又は本開示の主題による任意のその他の同様のアプリケータは、入口開口部22に隣接する空洞30内に取り付けられたガス透過性フィルタを備えることができ、これにより、粉末が空洞30から入口開口部22を通って作動要素42へと移動することを防止することができるが、ガスが、入口開口部22を通って作動要素42から空洞30に入り、容器の出口端部23に向かってフィルタを通過する(フィルタのみを通過する)ことを可能にする。フィルタは、入口開口部22に面する第1の側面と、容器20の出口端部23に面する第2の側面と、を有することができ、フィルタの第2の側面と容器の出口端部23との間に粉末のためのチャンバを形成するように配置され得る。上記フィルタを有し、更にアプリケータ10と同じ特徴を有するアプリケータの例が図4に示されているが、アプリケータは310と指定され、フィルタは70と指定され、その第1の側面は72と指定され、その第2の側面は74と指定され、チャンバは32と指定されている。
【0070】
本開示の主題に提供されるフィルタは、任意の好適な手段によって容器20の内部、例えば、空洞30の内壁28に固定されることができ、したがって、アプリケータ内に収容された粉末上に直接静置されず、したがって粉末にいかなる力も印加されないことが理解されるであろう。このように、粉末の凝集、アグロメレーション、およびケーキングが防止される。
【0071】
上述のアプリケータの全てにおいて、容器20の出口端部23は、出口開口部24をその近位端に有する軸方向に延在する出口ポート41と、出口開口部24から遠位に延在する栓通路55と、を有するように示されており、そのため、栓50は、出口開口部24に当接しそれを塞ぐその近位位置から、通路55に沿ってそこから遠位方向に離間されている出口開口部24を塞がない遠位位置まで、それに沿って移動することができる。出口開口部24がその閉状態にあるときに、近位方向への栓50の軸方向の移動を防止するために、栓50は、少なくとも1つの断面寸法において出口開口部24よりも大きい、そのような断面形状を有するように示されている。通路55は、出口開口部24から離間して通路の長さに沿ってそのような断面形状を有することができ、そのため、出口開口部24を開状態および閉状態にするとき、それぞれ出口開口部24から離れておよび出口開口部24に向かって、栓が通路に沿って自由に移動することを可能にする。
【0072】
例えば、栓通路55は、図1Aに示されるような通路内壁56を有することができる。栓50は、その閉塞位置にあるときに通路内壁56の間に配置されてよく、その非閉塞位置に移動されるときに、通路内壁56から離れるように移動させることができる。
【0073】
図1Aに更に示すように、栓50は最大断面寸法Dplugを有し、出口開口部24は、Dplugよりも小さい対応する断面寸法dを有し、通路55は、対応する断面寸法Dpassを有し、これはDplugよりも大きく、軸Lに沿って変化する。上記の全てのアプリケータにおいて、栓50、出口開口部24および通路55の断面形状は円形であり、上記の寸法は、それらの対応する直径である。しかしながら、上記のアプリケータ、並びに本開示の主題による任意のその他のアプリケータにおいて、栓、通路55および出口開口部のうちのいずれか1つは、例えば楕円形又は多角形などの任意の他の不規則又は規則的な断面形状を有することができ、この場合、上記の寸法は、その形状に内接する円の直径である。
【0074】
上述のアプリケータのいずれか又は本開示の主題による任意のその他の同様のアプリケータにおいて、いくつかの実施形態では、栓50は、閉状態にされたときに出口開口部24を部分的にのみ塞ぐように構成することができ、これにより、粉末が出口開口部24から出るのを防止する一方で、いくらかの量のガスが出口開口部24を通過するのを可能にするように構成することができる。この場合、栓50による出口開口部24の部分的な閉塞の程度は、上記のように圧力差を依然として生成することを可能にして、出口開口部24からの粉末の加圧噴出を押し出すようにすべきである。上述のアプリケータのいずれか又は本開示の主題による任意の他の同様のアプリケータでは、いくつかの実施形態において、出口開口部24は、粉末に対しては「閉じられている」が、ガスに対しては完全に閉じられていない。そのような実施形態では、栓は完全に気密ではないが、圧力差を生成することができる。
【0075】
本開示の主題によるアプリケータは、上述のアプリケータ10、110、210および310の特徴の全て又は一部のみを含むことができる。これらの特徴の全てを含むアプリケータ410を図5に示す。図5に示すアプリケータ410では、遠位ばね座62は、フィルタ保持付属物(図示せず)を含むように修正されている。
【0076】
本開示の主題によるアプリケータは、本明細書に開示されていない追加の特徴を含むことができる。
【0077】
本開示の主題による任意のアプリケータにおいて、図5に示されるアプリケータ先端部80などのアプリケータ先端部を使用することができる。アプリケータ先端部は、出口開口部24の近くの遠位端でアプリケータ10の容器20上にスナップ嵌めされるように構成されているハブに接続することができ、アプリケータ先端部80を必要に応じて交換することを可能にする、例えば、塗布要件に従って短いアプリケータ先端部を長いものに交換することを可能にする。例えば、低侵襲的処置のために長さが長い先端部を使用することが望ましい場合がある。
【0078】
長い長さを有するアプリケータ先端部は、粉末を目標位置上に排出される前に、長いアプリケータ先端部の全長で移動させても、本開示の主題に従って提供されるアプリケータからの加圧噴出で粉末噴霧に与えられる運動エネルギーにより、安定した粉末塗布が依然として提供され得るという点で、アプリケータ10で有利に使用され得ることが理解されよう。
【0079】
アプリケータ先端部80は、ポリマー、金属、又は2つの組み合わせなどの材料で作製することができ、剛性、可撓性、半可撓性でもよいし、又は形状記憶を有してもよい。ベローズ49は、プラスチック樹脂などの形状記憶材料から作製することができる。
【0080】
容器20は、2本の指でアプリケータを良好に把持するのを容易にする突出部を有することができ、第3の指は作動要素42を押すのに使用される。
【0081】
一実施形態では、本発明のアプリケータは、外科的状況で使用される粉末を収容することができる。
【0082】
一実施形態では、アプリケータは、エンドユーザによって分解され、粉末を充填され得る。
【0083】
アプリケータは、ガンマ線照射又は電子ビーム照射に対して安定な材料で構成することができる。
【0084】
本開示の主題のアプリケータは、図に示される実施例とは異なる設計又は構造を有し得ることが理解されるであろう。
【0085】
例えば、アプリケータは、ばね44の代わりに弾性材料で構成することができる。
【0086】
別の例では、アプリケータは、出口開口部24を開状態にするために、空洞30から押し出されるのではなく、空洞30内に栓50が引き込まれるように構成され得る。
【0087】
別の例では、アプリケータは、ばね44が部分的に圧縮された又は圧縮状態に維持され、アプリケータの動作中に伸長するように構成され、その結果、粉末の塗布後、ばね44が収縮する習性が栓50上に閉鎖力を印加して出口開口部24を閉状態にするように、構成され得る。
【0088】
別の例では、アプリケータは、栓を少なくとも間接的に移動させるように印加される開放力および閉鎖力が、帯、ひも、歯車、又は歯車と組み合わせたロッドによって印加され得るように構成され得る。
【0089】
別の例では、ガス圧上昇は、空洞30内ではなく、作動要素42の内部で起こり得る。
【0090】
アプリケータは、その非動作状態において、変形可能なガス収容作動要素42と空洞30との間に流体連通がないように構成され得る。例えば、作動要素42が作動されるとき、圧力が空洞30内ではなく作動要素42内で構築され得るように、密封部は、入口開口部22に配置され得る。次いで、密封部は、作動要素42内の圧力が所定の値に達すると、又は機械的手段によって、破裂することができる。同時に、圧力の上昇の結果として、又は機械的手段のいずれかによって、出口開口部24を開放することができ、加圧噴出で粉末をアプリケータから押し出すことができる。
【0091】
アプリケータが初めて使用されるときに破裂することができる、上記のような密封部を有するアプリケータの一実施形態では、アプリケータは使い捨てアプリケータとして使用することができる。
【0092】
一実施形態では、出口開口部24が開放される機構は、加圧ガスとは無関係であることが理解されるであろう。別の実施形態では、加圧ガスの放出は、例えば、機械的手段(ロッド46の近位端48を押すことによって)によって加圧ガスからは独立した機構によって実行される。
【0093】
〔実施の態様〕
(1) 粉末分配アプリケータ(210、410)であって、前記アプリケータが、
少なくとも出口開口部(24)の近傍に粉末を収容するように構成された空洞(30)によって互いに離間された入口開口部(22)および前記出口開口部(24)を有する容器(20)と、
前記出口開口部(24)がその閉状態にあるときに、前記アプリケータ(210、410)内の圧力を上昇させるように構成された変形可能なガス収容作動要素(42)を備えるアクチュエータ(40)と、
前記出口開口部(24)が前記開状態にあるときに、前記アプリケータ内とその外部との間の圧力差により発生した前記ガスの流れによって、前記粉末の少なくとも一部を加圧噴出で前記出口開口部(24)から押し出すときに、前記ガス内に乱流を導入するように構成された前記空洞(30)内の少なくとも1つの内部要素(60)と、
を備える、粉末分配アプリケータ。
(2) 粉末分配アプリケータ(10、110、210、310、410)であって、
容器(20)であって、出口開口部(24)が閉状態にあるときに、少なくとも前記出口開口部(24)の近傍に粉末を収容し、前記出口開口部(24)が開状態にあるときに、前記粉末の少なくとも一部が排出されることを可能にするように構成された空洞(30)によって、前記アプリケータの長手方向軸(L)に沿って互いに離間された入口開口部(22)および前記出口開口部(24)を有する、容器と、
アクチュエータ(40)であって、内部にガスを収容し、前記出口開口部(24)がその閉状態にあるときに前記アプリケータ内の圧力を上昇させるために、最大動作容積を有するその初期状態から、前記最大容積よりも小さい中間動作容積を有する中間状態を介して、最小動作容積を有する最終状態にされるように構成され、また上昇した前記圧力が解放された後に、前記アプリケータの外部から周囲ガスを引き込むことによって、その最終状態からその初期状態にされるように更に構成された変形可能な作動要素(42)を備える、アクチュエータと、
栓(50)であって、前記作動要素(42)が前記中間状態から前記最終状態にされたときに、前記栓(50)が前記アクチュエータ(40)によって操作されて前記出口開口部(24)を前記開状態にするまで、前記出口開口部を前記閉状態に維持するために前記出口開口部(24)を塞ぎ、前記粉末の少なくとも一部を加圧噴出で前記出口開口部(24)から押し出すために、前記アプリケータ内とその外部との間の圧力差により発生した前記ガスの流れを作るように構成された、栓と
を備える、粉末分配アプリケータ。
(3) 前記栓(50)は、前記出口開口部(24)が閉鎖される閉塞位置と、前記栓(50)が前記出口開口部(24)から離れて移動され、したがって開放される、非閉塞位置と、の間で移動するように構成されている、実施態様2に記載のアプリケータ(10、110、210、310、410)。
(4) 前記出口開口部(24)は、通路内壁(56)を有する軸方向に延在する通路(55)の形態であり、前記通路内壁において、前記栓(50)が、その閉塞位置にあるときに前記通路内壁(56)の間に配置され、前記栓(50)は、前記閉塞位置から、前記通路内壁(56)から離れる方向に、その非閉塞位置に移動される、実施態様3に記載のアプリケータ(10、110、210、310、410)。
(5) 前記アクチュエータ(40)が、
前記軸(L)に沿って方向付けられて前記栓(50)を前記閉塞位置から前記非閉塞位置へ移動させる開放力と、
前記開放力が終了されると、前記軸に沿って方向付けられて前記栓(50)を前記非閉塞位置から前記閉塞位置へ移動させ、前記開放力が印加されるまで前記栓(50)をこの位置に維持する閉鎖力と、
を前記栓(50)に選択的に印加するように構成され、前記開放力および閉鎖力のうちの一方が前記空洞(30)に向かって方向付けられ、これらの力のうちの他方が前記空洞(30)から離れるように方向付けられる、実施態様3又は4に記載のアプリケータ(10、110、210、310、410)。
【0094】
(6) 前記アクチュエータ(40)が、前記変形可能なガス収容作動要素(42)によって、少なくとも間接的に操作可能な、少なくとも1つの力伝達要素(46)を備え、その結果、前記変形可能なガス収容作動要素(42)が前記中間状態から前記最終状態にされたときに、前記開放力を前記栓(50)に印加する、実施態様5に記載のアプリケータ(10、110、210、310、410)。
(7) 前記アクチュエータ(40)は、前記力伝達要素(46)を少なくとも間接的に操作し、その結果、前記変形可能なガス収容作動要素(42)がその最終状態からその初期状態に戻されたときに、前記閉鎖力を前記栓(50)に印加させるように構成された、少なくとも1つの力印加要素(44)を備える、実施態様6に記載のアプリケータ(110、410)。
(8) 前記力印加要素が、ばね(44)の形態であり、前記力伝達要素が前記開放力を前記栓(50)に印加して前記栓(50)を前記非閉塞位置にさせたときに圧縮状態にされ、前記力伝達要素が前記閉鎖力を前記栓(50)に印加して、前記栓(50)を前記閉塞位置にさせる伸長状態にされる、実施態様7に記載のアプリケータ(110、410)。
(9) 前記ばね(44)は、前記変形可能なガス収容作動要素(42)がその初期状態から前記中間状態にされるまで、その伸長状態に維持され、前記変形可能なガス収容作動要素(42)が前記中間状態から前記最終状態にされたときに、前記変形可能なガス収容作動要素(42)によって、少なくとも間接的に圧縮されるように構成されている、実施態様8に記載のアプリケータ(110、410)。
(10) 前記空洞(30)が、前記粉末の少なくとも一部を押し出すときに、前記ガスの流れ内に乱流を導入するように構成された少なくとも1つの内部要素(60)を有する、実施態様2に記載のアプリケータ(210、410)。
【0095】
(11) 前記少なくとも1つの内部要素が、少なくとも1つのリブ(60)である、実施態様10に記載のアプリケータ(210、410)。
(12) 前記容器(20)が、前記空洞(30)を画定する内壁(28)を有し、前記少なくとも1つのリブ(60)が前記内壁(28)から内側に突出する、実施態様11に記載のアプリケータ(210、410)。
(13) ガス透過性フィルタ(70)を更に備え、前記ガス透過性フィルタ(70)が、前記入口開口部(22)に面する第1の側面(72)と、前記出口開口部(24)に面する第2の側面(74)と、を有し、前記空洞(30)内に配置されて前記フィルタ(70)の前記第2の側面(74)と前記出口開口部(24)との間に、前記粉末用のチャンバ(32)を形成し、前記フィルタ(70)は、前記粉末が前記フィルタ(70)を通って前記入口開口部(22)に向かって移動することを防止するために、前記粉末に対するバリアを形成するように構成されている、実施態様2に記載のアプリケータ(310、410)。
(14) 前記圧力が、前記出口開口部(24)の開口直前に126.66~146.92kPa(1.25~1.45atm)である、実施態様2~6のいずれかに記載のアプリケータ(10、110、210、310、410)。
(15) 前記変形可能なガス収容作動要素(42)は、前記最大動作容積を有するときに、前記初期状態において、最大量のガスを内部に有し、前記最小動作容積を有するときに、前記最終状態において、最小量のガスを内部に有し、前記出口開口部(24)がその閉状態にあるときに、前記空洞(30)内の圧力を上昇させるために、前記初期状態から前記中間状態にされたときに、前記軸(L)に沿って前記入口開口部(22)を介して、前記空洞(30)内に前記ガスを導入するために、前記容器(20)に密封状態で接続されている、実施態様2~6又は14のいずれかに記載のアプリケータ(10、110、210、310、410)。
【0096】
(16) 前記ガス収容作動要素(42)は、前記出口開口部(24)および前記空洞(30)を少なくとも部分的に介して、周囲空気を内部に引き込んで、その最終状態からその初期状態に戻されたときに、前記最小動作容積から前記最大動作容積にその容積を増加させるように構成されている、実施態様7に記載のアプリケータ(110、410)。
(17) 前記力印加要素(44)は、前記力印加要素(44)が前記栓(50)をその非閉塞位置からその閉塞位置にさせるのに必要な時間が、前記栓(50)が前記出口開口部(24)を塞ぐ前に、前記ガス収容作動要素(42)が前記最小動作容積から少なくとも前記中間容積までその容積を増加させることを可能にするように選択されるように構成されている、実施態様15に記載のアプリケータ(110、410)。
(18) 粉末分配アプリケータ(10、110、210、310、410)を使用して表面上に粉末を塗布する方法であって、前記アプリケータ(10、110、210、310、410)は、内部に粉末を収容するように構成された空洞(30)によって互いに離間された入口開口部(22)および出口開口部(24)を有する容器(20)を備え、前記方法は、
前記出口開口部(24)を閉鎖したままに維持しながら、前記アプリケータ内に収容されたガスを加圧することと、
続いて前記出口開口部(24)を開放して、前記粉末の少なくとも一部を加圧噴出で前記出口開口部(24)から押し出すために、前記アプリケータ(10、110、210、310、410)内とその外部との間の圧力差により発生した前記ガスの流れを作ることと、
前記上昇した圧力が解放された後に、周囲ガスを前記アプリケータ内に、その外部から引き込むことを可能にすることと、
を含む、方法。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5