(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】誘導センサ用ケーシング及び誘導センサ用ケーシングの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01D 11/30 20060101AFI20230605BHJP
【FI】
G01D11/30 S
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021203370
(22)【出願日】2021-12-15
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】10 2021 101 181.7
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591005615
【氏名又は名称】ジック アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】弁理士法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランク グートマン
(72)【発明者】
【氏名】トルステン ノイハウザー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング マルシュナー
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ポール
(72)【発明者】
【氏名】マティアス コプフ
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-197528(JP,A)
【文献】特開2000-48691(JP,A)
【文献】特開2000-48692(JP,A)
【文献】特開2020-80222(JP,A)
【文献】特開2020-80227(JP,A)
【文献】特開2011-241844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 1/00-21/02
H01H 36/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの莢状のケーシング部品(3)と、センサ素子(5)用の少なくとも1つのコップ状のエンドキャップ(4)とを有する誘導センサ(2)用のケーシング(1)であって、前記コップ状のエンドキャップ(4)が莢状部分(6)を備えており、該エンドキャップ(4)が合成物質製であり、該エンドキャップ(4)が前記莢状のケーシング部品(3)内に配置されているケーシング(1)において、
前記エンドキャップ(4)が前記莢状部分(6)の外径(7)に沿って全周に延在する円環状の押圧面(8)を備えており、これが前記ケーシング部品(3)の内径(9)に対して過大な径を有していることで、前記莢状のケーシング部品(3)と前記エンドキャップ(4)との間にプレス嵌めが形成されており、前記エンドキャップ(4)の莢状部分(6)の被覆状の外面に前記莢状のケーシング部品(3)の内径(9)より張り出すような段差がないこと
、及び
前記コップ状のエンドキャップが前記莢状部分の外面に少なくとも1つのマークを前記莢状のケーシング部品内へのエンドキャップの挿入深さの位置に備えていること
を特徴とする誘導センサ用ケーシング(1)。
【請求項2】
前記莢状のケーシング部品(3)が金属製であることを特徴とする請求項1に記載のケーシング(1)。
【請求項3】
前記エンドキャップ(4)が、外径に沿って全周に延在する円環状のシールリブ(10)を備え、これが前記ケーシング部品(3)の内径(9)に対して過大な径を有していることで、前記莢状のケーシング部品(3)と前記エンドキャップ(4)との間にシールが形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーシング(1)。
【請求項4】
前記コップ状のエンドキャップ(4)がその開放端側の外径上にテーパ(12)を備えており、これにより前記莢状のケーシング部品(3)内への挿入装置(13)が形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のケーシング(1)。
【請求項5】
前記コップ状のエンドキャップ(4)が、その前面(15)の中心に、内部空間の方を向いた中心合わせ用ピンを備えていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のケーシング(1)。
【請求項6】
前記コップ状のエンドキャップの前面の壁厚が該コップ状のエンドキャップの莢状部分の壁厚よりも大きいことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のケーシング(1)。
【請求項7】
前記コップ状のエンドキャップ(4)が前記莢状部分(6)の外面において前記莢状のケーシング部品(3)の内面と接合されていることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のケーシング(1)。
【請求項8】
前記コップ状のエンドキャップ(4)が前記莢状のケーシング部品(3)と共に鋳固められていることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のケーシング(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの莢状のケーシング部品(3)と、センサ素子(5)用の少なくとも1つのコップ状のエンドキャップ(4)とを有する誘導センサ(2)用のケーシング(1)であって、前記コップ状のエンドキャップが莢状部分(6)を備えており、前記エンドキャップ(4)が合成物質製であり、該エンドキャップ(4)が前記莢状のケーシング部品(3)内に配置されているケーシング(1)の製造方法において、
前記エンドキャップ(4)が前記莢状部分(6)の外径(7)に沿って全周に延在する円環状の押圧面(8)を備えており、これが前記ケーシング部品(3)の内径(9)に対して過大な径を有していることで、前記エンドキャップ(4)が前記ケーシング部品(3)内へ差し込まれると該莢状のケーシング部品(3)と該エンドキャップ(4)との間にプレス嵌めが形成され、前記エンドキャップ(4)の莢状部分(6)の被覆状の外面に前記莢状のケーシング部品(3)の内径(9)より張り出すような段差がないこと
、及び
前記コップ状のエンドキャップが前記莢状部分の外面に少なくとも1つのマークを前記莢状のケーシング部品内へのエンドキャップの挿入深さの位置に備えていること
を特徴とする誘導センサ用ケーシングの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルに記載の誘導センサ用ケーシング及び請求項10のプレアンブルに記載の誘導センサ用ケーシングの製造方法に関する。
関する。
【背景技術】
【0002】
誘導センサは工業的な使用において特定の作業経過の把握及び監視のために多様に用いられている。その使用分野に応じて、測定操作、構造及び大きさが異なる数多くの異なるセンサがある。例えば、誘導近接スイッチのように、特定の領域を監視する又は物体の位置を検出する非接触作動型センサが知られている。通例、この誘導近接スイッチ乃至は誘導近接センサでは一体成形されたプラスチック製のエンドキャップが用いられる。
【0003】
誘導近接センサは普通、円筒型の金属莢に収納されている。センサ素子、例えばコイルが、プラスチック製のエンドキャップ内において金属莢の一方の端部に取り付けられている。金属莢の他方の端部にはプラグ又は配線出口を有する接続領域がある。その間に回路基板が配置されている。
【0004】
誘導センサは、その磁場が大きな妨害を受けずにセンサ前方の検出領域に届くように、ほとんどがプラスチックキャップを用いて製造される。従来の誘導センサには様々なプラスチックキャップがあり、それが誘導センサの実装に応じて、例えば面一に、非面一に、又はわずかに突出して金属莢の端部に配置されている。
【0005】
ただしそうするとセンサの変種毎にプラスチックキャップの独自の変種が必要である。ところが、センサの新たな変種の数が多くなると多数の異なるプラスチックキャップ乃至エンドキャップが必要になり、そうなるともはや実用的ではなく、もはや安価ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、多数の異なるエンドキャップが必要とならないような、改良された誘導センサ用ケーシングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は請求項1に記載の誘導センサ用ケーシングにより解決される。該ケーシングは、少なくとも1つの莢状のケーシング部品と、センサ素子用の少なくとも1つのコップ状のエンドキャップとを有しており、該コップ状のエンドキャップは莢状部分を備えており、前記エンドキャップは合成物質製であり、該エンドキャップは前記莢状のケーシング部品内に配置されており、該エンドキャップは莢状部分の外径に沿って全周に延在する円環状の押圧面を備えており、これがケーシング部品の内径に対して過大な径を有していることで、莢状のケーシング部品とエンドキャップとの間にプレス嵌めが形成されており、エンドキャップの莢状部分の被覆状の外面に莢状のケーシング部品の内径より張り出すような段差がない。
【0008】
前記課題は更に請求項10に記載の誘導センサ用ケーシングの製造方法で解決される。前記ケーシングは、少なくとも1つの莢状のケーシング部品と、センサ素子用の少なくとも1つのコップ状のエンドキャップとを有しており、該コップ状のエンドキャップは莢状部分を備えており、前記エンドキャップは合成物質製であり、該エンドキャップは前記莢状のケーシング部品内に配置され、該エンドキャップは莢状部分の外径に沿って全周に延在する円環状の押圧面を備えており、これがケーシング部品の内径に対して過大な径を有していることで、エンドキャップがケーシング部品内へ差し込まれると莢状のケーシング部品とエンドキャップとの間にプレス嵌めが形成され、エンドキャップの莢状部分の被覆状の外面に莢状のケーシング部品の内径より張り出すような段差がない。
【0009】
エンドキャップは、その莢状部分の外面、乃至は莢状部分の被覆状の外面に、莢状のケーシング部品の内径より張り出して機械的なストッパとなり得るような段差を有していない。従って、コップ状のエンドキャップは、機械的なストッパなしで、莢状のケーシング部品内で随意にずらすことができる。特にエンドキャップは莢状のケーシング部品内へ面一に差し込むことができる。
【0010】
本発明によればエンドキャップが万能型エンドキャップとして実装され、これを用いれば、センサの組み立てサイズの範囲内に含まれる様々なエンドキャップが不要になり、それにも関わらず異なる突出を模することができる。本発明によれば同じエンドキャップを莢状のケーシング部品の端部に対して様々な突出長で又は面一にして固定して定着させることができる。これにより、製造の際により有利なエンドキャップが実現できる。なぜなら、複数の異なるセンサに使用できる1種類のエンドキャップに対して1つの工具があれば済むからである。
【0011】
エンドキャップは、全周に延在する円環状の押圧面が莢状のケーシング部品により完全に囲まれている範囲内で、莢状のケーシング部品内へちょうど必要なだけ差し込まれる。ただしこのとき、所望のセンサの変種にとって必要であるなら、コップ状のエンドキャップの一部がまだ莢状のケーシング部品から突出している。或いは、所望のセンサの変種にとって必要であるなら、コップ状のエンドキャップを莢状のケーシング部品と面一になるように莢状のケーシング部品の縁まで差し込むこともできる。
【0012】
莢状のケーシング部品内へのエンドキャップの差し込みは、最も簡単な場合、仕上げ組立工が素手で行うことができる。或いは、ケーシングを取り付けるための装置を設けることもできる。この装置に莢状のケーシング部品とエンドキャップが挿入される。そして、取り付け装置のストッパを用いて、エンドキャップが、ストッパにより予め決められた所望の長さまで莢状のケーシング部品内へ押し込まれる。当然ながら、取り付け装置は高度に自動化することが可能であり、選択可能な多数のストッパを装備したり、エンドキャップを予め決められた長さだけ莢状のケーシング部品内へ差し込むために測定システムを利用できるようにしたりできる。更に、コップ状のエンドキャップをケーシング部品内へ自動的に差し込むために駆動装置を設けることができる。
【0013】
センサ素子、例えばコイルが、合成物質製のエンドキャップ内においてケーシング部品の一方の端部に取り付けられている。ケーシング部品の他方の端部には例えばプラグ又は配線出口を有する接続領域がある。その間に例えば制御及び評価ユニットを有する回路基板が配置されている。
【0014】
本発明の発展形態では、莢状のケーシング部品が金属製である。好ましくは、該ケーシング部品は真鍮から成る。或いは、ケーシング莢を例えば鋼鉄又は特殊鋼で形成することもできる。これによりケーシング莢が機械的に頑丈に形成される。ケーシング莢は外面を滑らかに形成することができる。或いは、外面にネジ山を形成することで、ケーシングを螺入可能に、乃至はナットを用いて簡単に固定できるようにしてもよい。
【0015】
本発明の発展形態では、エンドキャップが、外径に沿って全周に延在する円環状のシールリブを備え、これがケーシング部品の内径に対して過大な径を有していることで、莢状のケーシング部品とエンドキャップとの間にシールが形成される。また、シールリブは好ましくはエンドキャップと一体的に結合されている。例えば複数のシールリブが互いに平行に配置されている。シールリブは例えばエンドキャップの前面と押圧面との間に配置されている。シールリブと前面の間にエンドキャップが表面を備えており、これが差し込み深さに応じて部分的にケーシング部品から突出する。
【0016】
本発明の発展形態では、コップ状のエンドキャップが、その開放端側の外径上に、特に全周に延在する円環状のテーパを備えており、これにより挿入装置が形成されている。これによりエンドキャップを容易に莢状のケーシング部品に装着し、中心を合わせて、該莢状のケーシング部品内へ容易に差し込むことができる。
【0017】
本発明の発展形態では、コップ状のエンドキャップが、その前面の中心に、内部空間の方を向いた中心合わせ用ピンを備えている。中心合わせ用ピンはセンサ素子を受ける役割を果たし、それによりセンサ素子を位置決めして、例えば固定することができる。中心合わせ用ピンによりセンサ素子が自動的に位置決めされる。中心合わせ用ピンは例えば前面に垂直に配置されている。
【0018】
本発明の発展形態では、コップ状のエンドキャップの前面の壁厚がコップ状のエンドキャップの莢状部分の壁厚よりも大きい。これにより、エンドキャップの前面が莢状部分よりも堅固に作製され、それにより継ぎ合わせ工程による前面の変形が回避され、それによりセンサ素子の正確な位置と向きが保証される。
【0019】
本発明の発展形態では、コップ状のエンドキャップが莢状部分の外面に少なくとも1つのマークを莢状のケーシング部品内へのエンドキャップの挿入深さの位置に備えている。これにより、製造の際にエンドキャップの位置決めを適切に実行し、検査することができる。特に手作業での取り付けの場合、マークの所定の部分がまだ見えるか、そして所定の部分が莢状のケーシング部品に隠れているかを非常に簡単に目で調べることができる。
【0020】
本発明の発展形態では、コップ状のエンドキャップが莢状部分の外面において莢状のケーシング部品の内面と接合されている。これによりエンドキャップの位置を最終的に固定することができ、その結果、エンドキャップはもはやずらすことができなくなり、機械的な負荷が大きい場合でもしっかり固定されて莢状のケーシング部品に結合される。
【0021】
本発明の発展形態では、コップ状のエンドキャップが莢状のケーシング部品と共に鋳固められている。特に、莢状のケーシング部品が同じく合成物質製である場合、コップ状のエンドキャップを固定した後、莢状のケーシング部品と共に鋳固めることで、材料による結合が得られる。
【0022】
以下、本発明について、更なる利点及び特徴をも考慮しつつ、添付の図面を参照しながら実施例に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】誘導センサ用のコップ状のエンドキャップを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の各図において同一の部分には同一の符号が付されている。
【0025】
図1は、少なくとも1つの莢状のケーシング部品3とセンサ素子5用の少なくとも1つのコップ状のエンドキャップ4とを有する、誘導センサ2用のケーシング1を示している。コップ状のエンドキャップ4は莢状部分6を備えており、エンドキャップ4は合成物質製であり、エンドキャップ4は莢状のケーシング部品3内に配置されており、エンドキャップ4は莢状部分6の外径7に沿って全周に延在する円環状の押圧面8を備えており、これがケーシング部品3の内径9に対して過大な径を有していることで、莢状のケーシング部品3とエンドキャップ4との間にプレス嵌めが形成されており、エンドキャップ4の莢状部分6の被覆状の外面に莢状のケーシング部品3の内径9より張り出すような段差がない。
【0026】
エンドキャップ4は特に
図3~6に示したように万能型エンドキャップとして実装されており、同じエンドキャップ4を莢状のケーシング部品3の端部に対して様々な突出長で又は面一にして固定して定着させることができる。
【0027】
エンドキャップ4は、全周に延在する円環状の押圧面8が莢状のケーシング部品3により完全に囲まれている範囲内で、
図1に示したように、莢状のケーシング部品3内へちょうど必要なだけ差し込まれる。ただしこのとき、所望のセンサの変種にとって必要であるなら、コップ状のエンドキャップ4の一部がまだ莢状のケーシング部品3から突出している。
【0028】
或いは、所望のセンサの変種にとって必要であるなら、
図6に示したように、コップ状のエンドキャップ4を莢状のケーシング部品3と面一になるように莢状のケーシング部品3の縁まで差し込むこともできる。
【0029】
莢状のケーシング部品3内へのエンドキャップ4の差し込みは、最も簡単な場合、仕上げ組立工が素手で行うことができる。或いは、ケーシング1を取り付けるための装置を設けることもできる。この装置に少なくとも莢状のケーシング部品3と少なくともエンドキャップ4が挿入される。そして、取り付け装置のストッパを用いて、エンドキャップ4が、ストッパにより予め決められた所望の長さまで莢状のケーシング部品3内へ押し込まれる。
【0030】
センサ素子5、例えばコイルは、
図1に示したように、合成物質製のエンドキャップ4内においてケーシング部品3の一方の端部に取り付けられている。ケーシング部品3の他方の端部には例えばプラグ又は配線出口を有する図示せぬ接続領域がある。その間に制御及び評価ユニット18を有する回路基板17が配置されている。
【0031】
莢状のケーシング部品3は例えば金属製である。好ましくは、該ケーシング部品3は真鍮製である。或いは、ケーシング部品3又はケーシング莢を例えば鋼鉄又は特殊鋼で形成することもできる。ケーシング部品3は外面を滑らかに形成することができる。或いは、外面にネジ山を形成することで、ケーシング1又はケーシング部品3を螺入可能に、乃至はナットを用いて簡単に固定できるようにしてもよい。
【0032】
図2に示したように、エンドキャップ4は、外径に沿って全周に延在する円環状のシールリブ10を備え、これがケーシング部品3の内径9に対して過大な径を有していることで、莢状のケーシング部品3とエンドキャップ4との間にシールが形成される。また、シールリブ10は好ましくはエンドキャップ4と一体的に結合されている。例えば複数のシールリブ10が互いに平行に配置されている。シールリブ10は例えばエンドキャップ4の前面15と押圧面8との間に配置されている。シールリブ10と前面15の間にエンドキャップ4が表面を備えており、これが差し込み深さに応じて部分的にケーシング部品から突出する。
【0033】
図2に示したように、コップ状のエンドキャップ4は、その開放端側の外径上に、特に全周に延在する円環状のテーパ12を備えており、これにより挿入装置13が形成されている。これによりエンドキャップ4を容易に莢状のケーシング部品3に装着し、中心を合わせて、該莢状のケーシング部品3内へ容易に差し込むことができる。
【0034】
図2に示したように、コップ状のエンドキャップ4は、その前面15の中心に、内部空間の方を向いた中心合わせ用ピン14を備えている。中心合わせ用ピン14はセンサ素子5を受ける役割を果たし、それによりセンサ素子5を位置決めして、例えば固定することができる。中心合わせ用ピン14によりセンサ素子5が自動的に位置決めされる。中心合わせ用ピン14は例えば前面15に垂直に配置されている。
【0035】
図2に示したように、コップ状のエンドキャップ4の前面15の壁厚はコップ状のエンドキャップ4の莢状部分6の壁厚よりも大きい。これにより、エンドキャップ4の前面15が莢状部分6よりも堅固に作製され、それにより継ぎ合わせ工程による前面15の変形が回避され、それによりセンサ素子5の正確な位置と向きが保証される。
【0036】
図3に示したように、コップ状のエンドキャップ4は莢状部分の外面に少なくとも1つのマーク16を莢状のケーシング部品3内へのエンドキャップ4の挿入深さの位置に備えている。これにより、製造の際にエンドキャップ4の位置決めを適切に実行し、検査することができる。特に手作業での取り付けの場合、マーク16の所定の部分がまだ見えるか、そして所定の部分が莢状のケーシング部品3に隠れているかを非常に簡単に目で調べることができる。
【0037】
例えば、コップ状のエンドキャップ4は莢状部分6の外面において莢状のケーシング部品3の内面と接合されている。これによりエンドキャップ4の位置を最終的に固定することができ、その結果、エンドキャップ4はもはやずらすことができなくなり、機械的な負荷が大きい場合でもしっかり固定されて莢状のケーシング部品3に結合される。
【0038】
例えば、コップ状のエンドキャップ4は莢状のケーシング部品3と共に鋳固められている。特に、莢状のケーシング部品3が同じく合成物質製である場合、コップ状のエンドキャップ4を固定した後、莢状のケーシング部品3と共に鋳固めることで、材料による結合が得られる。
【符号の説明】
【0039】
1…ケーシング
2…誘導センサ
3…莢状のケーシング部品
4…コップ状のエンドキャップ
5…センサ素子
6…莢状部分
7…莢状部分の外径
8…円環状の押圧面
9…ケーシング部品の内径
10…円環状のシールリブ
11…エンドキャップの開口端
12…テーパ
13…挿入装置
14…中心合わせ用ピン
15…コップ状のエンドキャップの前面
16…マーク
17…回路基板
18…制御及び評価ユニット