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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】磁気結合を備えたリストバンド
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/20 20060101AFI20230605BHJP
   A44C 5/02 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
A44C5/20 Z
A44C5/20 C
A44C5/02 E
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021564885
(86)(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 US2020034092
(87)【国際公開番号】W WO2020237098
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】62/851,532
(32)【優先日】2019-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/880,673
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マウスタッファ, ザキ
(72)【発明者】
【氏名】ジ, キゲン
(72)【発明者】
【氏名】マクレイン, ケイトリン, エム.
(72)【発明者】
【氏名】マッコイ, クレイトン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】チュー, ハオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, フシャン ハン
(72)【発明者】
【氏名】デイ, ステファン イー.
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0350491(US,A1)
【文献】特開昭61-276204(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0037896(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0037841(US,A1)
【文献】実開昭58-013119(JP,U)
【文献】特開2003-318018(JP,A)
【文献】米国特許第04941236(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/00 - 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォッチをユーザに固定するためのリストバンドであって、
永久磁石を含む可撓性磁石であって、前記可撓性磁石のそれぞれが、ポリマーと強磁性材料との混合物を含む、可撓性磁石と、
前記可撓性磁石のそれぞれを取り囲む外側カバーと、
前記可撓性磁石を前記外側カバーに接合している接着剤層と、
ウォッチハウジングの1つの側に取り付けるためのコネクタと、
前記永久磁石と前記コネクタとの間の軟磁性部分と、
を備える、リストバンド。
【請求項2】
前記永久磁石は、第1の永久磁石であり、
前記コネクタは、第1のコネクタであり、
前記ウォッチハウジングの前記側は、前記ウォッチハウジングの第1の側であり、
前記軟磁性部分は、第1の軟磁性部分であり、
前記可撓性磁石が、第2の永久磁石を更に含み、前記リストバンドが、
前記ウォッチハウジングの前記第1の側に取り付けられるように構成されている第1のバンド部分であって、前記第1の永久磁石を含む、第1のバンド部分と、
前記ウォッチハウジングの第2の側に取り付けられるように構成されている第2のバンド部分であって、前記第2の永久磁石を含む、第2のバンド部分と、
を更に備える、請求項1に記載のリストバンド。
【請求項3】
前記第1のバンド部分が、
前記第1のコネクタと、
前記第1の軟磁性部分と、
を含み、
前記第2のバンド部分が、
前記ウォッチハウジングの前記第2の側に取り付けるための第2のコネクタと、
前記第2の永久磁石と前記第2のコネクタとの間の第2の軟磁性部分と、
を含む、請求項2に記載のリストバンド。
【請求項4】
前記外側カバーが皮革を含む、請求項1に記載のリストバンド。
【請求項5】
対の前記可撓性磁石の間に延びている支持構造体を更に備える、請求項1に記載のリストバンド。
【請求項6】
前記支持構造体が穴を備え、前記穴のそれぞれは、対応する対の前記可撓性磁石の間に位置決めされている、請求項5に記載のリストバンド。
【請求項7】
前記可撓性磁石の幅が、前記支持構造体の幅よりも大きく、そのため対向する対の前記可撓性磁石が、前記支持構造体の前記幅の外側で互いに接続されている、請求項5に記載のリストバンド。
【請求項8】
ウォッチハウジングに接続するように構成されているコネクタを更に備え、前記コネクタは前記支持構造体に取り付けられている、請求項5に記載のリストバンド。
【請求項9】
ウォッチハウジングに接続するように構成されているコネクタと、
前記コネクタの反対側の自由端と、を更に備え、前記支持構造体が、前記コネクタから前記自由端まで連続的に延びている請求項5に記載のリストバンド。
【請求項10】
ウォッチハウジングに接続するように構成されている第1のコネクタと、
前記第1のコネクタと反対側の自由端と、
前記第1のコネクタと前記自由端との間に摺動可能に配置されている保持リングと、
を更に備え、前記保持リングが、
前記ウォッチハウジングに接続するように構成されている第2のコネクタと、
開口部と、を備え、前記リストバンドのストラップ部分が、前記開口部を通って延び、前記ストラップ部分自体の上に折り畳まれるように構成されており、
前記可撓性磁石が、
前記リストバンドの第1のセクションに沿った第1の永久磁石と、
前記リストバンドの第2のセクションに沿った第2の永久磁石と、を含み、前記第2の永久磁石は、前記第1の永久磁石の磁気の向きとは異なる磁気の向きを有し、前記第1の永久磁石は、前記ストラップ部分が、前記ストラップ部分自体の上に折り畳まれているときに、前記第2の永久磁石に磁気的に結合するように構成されている、請求項1に記載のリストバンド。
【請求項11】
ウォッチハウジングに接続するように構成されているコネクタと、
ポリマーと永久磁性粒子との混合物によって形成されている複数の第1のセグメントと、
磁性粒子のないポリマーによって形成されている複数の第2のセグメントであって、前記複数の第2のセグメントは、前記第1のセグメントと前記コネクタとの間にある、複数の第2のセグメントと、
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間の複数の第3のセグメントであって、前記複数の第3のセグメントは、前記ポリマーと軟磁性粒子との混合物によって形成されている、複数の第3のセグメントと、
を備えるリストバンド。
【請求項12】
前記ウォッチハウジングの第1の側に取り付けられるように構成されている第1のバンド部分であって、
前記コネクタと、
前記複数の第1のセグメントと、
前記複数の第2のセグメントと、
を含む、第1のバンド部分と、
前記ウォッチハウジングの第2の側に取り付けられるように構成されている第2のバンド部分であって、前記第1のバンド部分に磁気的に結合するように構成されている、第2のバンド部分と、
を備える、請求項11に記載のリストバンド。
【請求項13】
前記コネクタは第1のコネクタであって、前記リストバンドは、
前記第1のコネクタと反対側の自由端と、
前記第1のコネクタと前記自由端との間に摺動可能に配置されている保持リングと、
を更に備え、前記保持リングが、
前記ウォッチハウジングに接続するように構成されている第2のコネクタと、
開口部と、
を含み、前記リストバンドのストラップ部分が、前記開口部を通って延び、前記ストラップ部分自体の上に折り畳まれるように構成されおり、
前記複数の第1のセグメントが、
前記リストバンドの第1のセクションに沿った第1の永久磁石と、
前記リストバンドの第2のセクションに沿った第2の永久磁石と、
を含み、前記第2の永久磁石は、前記第1の永久磁石の磁気の向きとは異なる磁気の向きを有し、前記第1の永久磁石は、前記ストラップ部分が、前記ストラップ部分自体の上に折り畳まれているときに、前記第2の永久磁石に磁気的に結合するように構成されている、請求項11に記載のリストバンド。
【請求項14】
前記コネクタの反対側の前記リストバンドの自由端に焼結永久磁石を更に備える、請求項11に記載のリストバンド。
【請求項15】
リストバンドを磁化するための方法であって、
第1の磁場を、
前記リストバンドの第1の側の第1の交互極性パターンを有する第1の磁化構成要素と、
前記リストバンドの第2の側の第2の交互極性パターンを有する第2の磁化構成要素であって、前記第2の交互極性パターンが、前記第1の交互極性パターンと反対である、第2の磁化構成要素と、
の間に印加することと、
前記リストバンドの前記第2の側の前記第の交互極性パターンを有する前記第2の磁化構成要素を用いて、第2の磁場を印加することと、
前記リストバンドの前記第1の側の前記第1の交互極性パターンを有する前記第1の磁化構成要素を用いて、第3の磁場を印加することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記リストバンドが、前記第1の側と前記第2の側との間に可撓性磁石を備え、前記可撓性磁石は、ポリマーと硬磁性材料の粒子との混合物を含み、前記粒子は、前記第1の磁化構成要素及び前記第2の磁化構成要素によって磁気的に整列されて、前記第2の側を通してよりも、前記第1の側を通して、より多くの磁束を生成する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の磁場が、前記第1の磁場の大きさよりも小さい大きさを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の磁化構成要素の数が、前記第2の磁化構成要素の数と等しく、前記第1の磁化構成要素のそれぞれは、前記第2の磁化構成要素のうちの対応する1つの反対側にある、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2019年5月22日に出願された、「WRISTBANDS WITH MAGNETIC COUPLING」と題する米国特許仮出願第62/851,532号の利益を主張するものであり、同出願の全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本明細書は、概して、ウェアラブルデバイスの固定に関し、より具体的には、磁気結合を備えたリストバンドに関する。
【背景技術】
【0003】
一部の電子デバイスは、ユーザに着脱可能に取り付けることができる。例えば、リストウォッチ又はフィットネス/健康追跡デバイスは、リストバンドの自由端を接合することによって、ユーザの手首に取り付けることができる。多くの場合、リストバンドの利用可能なフィット調整増加分は限定されたものであり得る。例えば、いくつかのバンドは、小刻みにユーザ調節可能なサイズ(例えば、座屈留め金、ピン、及びアイレットなど)を有するのに対し、他のバンドは、実質的に固定されたサイズを有し、特殊な工具及び/又は専門技術によってのみ調節可能である(例えば、折り畳み式留め金、展開留め金、スナップ嵌め留め金など)。他のバンドは、ユーザの手首の周りにフィットするように伸縮する弾性拡張型バンド、バックルを含む可撓性バンド、又は金属留め金を含む金属バンドであってもよい。電子デバイスの快適性及び固定の程度は、リストバンドの機能及び構成に依存し得る。しかしながら、従来のバンドは、マイナスの面を有することがあり、ウェアラブル電子デバイスが故障する前に、望ましくない形で故障する可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本願の技術の特定の特徴を、添付の特許請求の範囲に示している。しかしながら、説明を目的として、本願の技術のいくつかの実施形態を、以下の図に示している。
【0005】
図1】ユーザの手首上のウォッチの斜視図を示す。
【0006】
図2】ユーザの手首上の図1のウォッチの別の斜視図を示す。
【0007】
図3】リストバンドを有するウォッチの側面図を示す。
【0008】
図4】リストバンドの上面図を示す。
【0009】
図5図4のリストバンドの断面図を示す。
【0010】
図6図4のリストバンドの一部の斜視分解図を示す。
【0011】
図7】線B-Bに沿った図5のリストバンドの外側部分の断面図を示す。
【0012】
図8】線C-Cに沿った図5のリストバンドの外側部分の断面図を示す。
【0013】
図9】リストバンドの概略図を示す。
【0014】
図10】第1の構成における図9のリストバンドの重なり合う部分の断面図を示す。
【0015】
図11】第2の構成における図9のリストバンドの重なり合う部分の断面図を示す。
【0016】
図12】リストバンドの概略図を示す。
【0017】
図13】第1の構成における図12のリストバンドの重なり合う部分の断面図を示す。
【0018】
図14】第2の構成における図12のリストバンドの重なり合う部分の断面図を示す。
【0019】
図15】リストバンドの概略図を示す。
【0020】
図16】リストバンドのコネクタの斜視分解図を示す。
【0021】
図17図16のコネクタの斜視図を示す。
【0022】
図18】コネクタを含むバンドの端部の断面図を示す。
【0023】
図19】コネクタを含むバンドの端部の断面図を示す。
【0024】
図20】リストバンドを磁化するためのシステムの概略図を示す。
【0025】
図21】線A-Aに沿った図3のリストバンドの重なり合う部分の一実施例の断面図を示す。
【0026】
図22】リストバンドを磁化するためのシステムの概略図である。
【0027】
図23】線A-Aに沿った図3のリストバンドの重なり合う部分の別の実施例の断面図を示す。
【0028】
図24】第1の段階の間にリストバンドを磁化するためのシステムの概略図を示す。
【0029】
図25】第2の段階の間にリストバンドを磁化するためのシステムの概略図を示す。
【0030】
図26】第3の段階の間にリストバンドを磁化するためのシステムの概略図を示す。
【0031】
図27】リストバンドを有するウォッチの側面図を示す。
【0032】
図28】線D-Dに沿った図27のリストバンドの重なり合う部分の一実施例の断面図を示す。
【0033】
図29】リストバンドの概略図を示す。
【0034】
図30】リストバンドの概略図を示す。
【0035】
図31】リストバンドを有するウォッチの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に述べる詳細な説明は、様々な実装形態の説明として意図されており、主題技術を実行できる唯一の実装を表すことを意図するものではない。当業者には理解され得るように、説明された実装形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な異なる方法で修正されてもよい。したがって、図面及び説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではない。
【0037】
リストウォッチ又はフィットネス/健康追跡デバイスなどの電子デバイスは、リストバンドによってユーザの手首に取り付けることができる。従来の弾性バンドは、経時的に弾性特性を失う可能性があり、ユーザの手首には大きくなりすぎる場合がある。可撓性バンドを形成する他の材料は、バックルのタングによって可撓性バンドの穴に加えられる力により、経時的に裂ける、又は劣化し得る。金属留め金を含む金属バンドは、全て一緒に結合された複数の構成要素を含む可能性があり、これらの構成要素は、経時的に壊れる、結合されなくなる、又は別の形で機能しなくなることがあり得る。従来のウェアラブルバンドが壊れた場合、及び/又は電子デバイスをユーザの手首にしっかりと取り付けることができない場合、バンドは交換する必要がある、及び/又はウェアラブル電子デバイスが損傷を受けやすい可能性がある。
【0038】
電子デバイスが過度にずれないように、又はユーザから滑り落ちないように、手首への確実な取り付けを維持することが所望されることがある。ユーザに対する電子デバイスの固定は、バイオメトリックセンサなどの電子磁石の機能にとっても重要であり得る。更に、電子デバイスを装着している間のユーザの快適性を最大化することが所望されることがある。多くの場合、確実な取り付けは、ユーザの手首に望ましくない量の力を加え得る。多くの場合、従来のリストバンドは、バンドが過度にきついと、使用中にユーザの毛髪若しくは皮膚が引っ掛かる、挟まる、又はユーザの毛髪若しくは皮膚を引っ張ることがある。他の場合では、リストバンドは、バンドが過度に緩いと、ユーザの手首に沿って滑る、ユーザの手首の周りを回転する、又はその他のユーザにとって不快である若しくは煩わしいことがある。これらの問題は、ランニングの間又はスポーツをしている間などの、強度の高い活動期間中に悪化することがある。
【0039】
更に、従来のリストバンドのサイズ又はフィットの調整は、複数のステップ、特殊な工具、及び/又は技術的な専門知識を必要とすることが多い。ユーザが利用できるサイズ調整オプションは、適切なフィットを得るには十分でないことがある。フィットは、特定の環境(例えば、温度、湿度)又は生物学的条件(例えば、汗、炎症)のもとでは、異なることがあり、及び/又は異なると知覚されることがある。結果として、従来のリストウォッチ及び/又はフィットネス/健康追跡デバイスのユーザは、フィットネス/健康追跡デバイス用のきついバンド及び従来のリストウォッチ用の緩いバンドを確保しつつ、(最適な快適さではないにしても)許容可能なフィットを選択することができる。しかしながら、一部のウェアラブル電子デバイスは、フィットネス/健康追跡機能及び計時機能の両方を提供する、多目的デバイスであり得る。したがって、ユーザは、バンドのフィットを用途に合わせて変更することを好むことがある。例えば、ユーザは、計時モードではより緩いフィット、フィットネス/健康追跡モードではよりきついフィットを好むことがある。したがって、ウェアラブル電子デバイスのフィットを動的に調整するためのシステム及び方法の必要性が現在存在する。
【0040】
加えて、リストバンドを容易に固定及び調整するための磁気結合を提供するリストバンドを提供することが望ましい場合がある。快適性の向上のためには、ユーザが装着したときのより大きな快適性のために、高い柔軟性を有する磁気部品を提供することが望ましい場合がある。
【0041】
本開示の実施形態は、ユーザへの確実な取り付けを提供し、かつ向上した快適性も提供する磁気アタッチメント機構を提供する。例えば、磁気結合は、剛性磁石よりも快適である可撓性磁石で達成することができ、その一方で、ユーザへの確実な取り付け及び便利な調整を依然として提供する。本開示の実施形態は、ユーザによる容易な調整、並びに外部の力の作用下で偶発的に外れることを回避するための確実な取り付けを提供する。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、リストバンドは、可撓性磁石を含むことができ、可撓性磁石のそれぞれは、ポリマーと強磁性材料との混合物と、可撓性磁石を取り囲む可撓性カバーと、を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、リストバンドは、複数の対向する対の磁石、対向する対の磁石のそれぞれの間に延びている支持構造体、及び磁石を取り囲むカバーを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、リストバンドは、支持構造体と、支持構造体の第1の側の第1の磁石と、支持構造体の第2の側の第2の磁石と、を含むことができ、対向する対の第1の磁石及び第2の磁石は、支持構造体にわたって互いに対して対称である。
【0043】
以下では、図1図26を参照して、これらの実施形態及び他の実施形態を説明する。しかしながら、当業者であれば、これらの図に関して本明細書に与えられた発明を実施するための形態は説明を目的とするものに過ぎず、限定するものとして解釈されるべきではないことを容易に理解するであろう。
【0044】
図1及び図2を参照すると、ウォッチ10などのウェアラブル電子デバイスの実施例が示されている。図1では、ウォッチ10としてデバイスを示しているが、ウォッチ10に関して本明細書に記載された特徴は、他のウェアラブルデバイス、他の電子デバイス、ポータブルコンピューティングデバイス、フィットネス/健康追跡デバイス、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、カメラ、時間管理デバイス、コンピュータ眼鏡、及び他のウェアラブルナビゲーションデバイス、ディスプレイ、スポーツデバイス、アクセサリーデバイス、健康監視デバイス、医療デバイス、リストバンド、ブレスレット、宝飾品、及び/又は同種類のものなどの、様々な他のデバイスに適用できることが認識されよう。
【0045】
図1に示すように、ウォッチ10は、リストバンド108によって手首2に装着された電子デバイス100(例えば、ウォッチのウォッチ本体)を含む。電子デバイス100は、ポータブルであってよく、また、ユーザの他の身体部分、又は他のデバイス、構造体、若しくは物体に取り付けることもできる。リストバンド108は、可撓性であってよく、ユーザの手首2の少なくとも一部分を取り囲むことができる。電子デバイス100を、ユーザである人に固定することによって、リストバンド108は、確実性及び利便性を提供する。一部の実施形態では、電子デバイス100は、ディスプレイ104と、磁石を収容するためのハウジング102とを含む。図2に示すように、リストバンド108は、電子デバイス100から手首2の反対側まで延びる。リストバンド108は、互いに重なり合い、かつ磁気的に結合する第1のセクション400及び第2のセクション402を含む。
【0046】
図3に示すように、リストバンド108は、第1のセクション400と第2のセクション402の重なりの程度を選択することによって、手首2に確実かつ快適にフィットするように調節可能である。例えば、リストバンド108の直径は、手首2への確実かつ快適なフィットに適するように調整可能である。リストバンド108は、第1のコネクタ204を用いて、電子デバイス100のハウジング102の一部分(例えば、チャネル106)に、着脱可能に取り付けられる。リストバンド108は、保持リング208を用いて、電子デバイス100のハウジング102の別の部分に、着脱可能に取り付けられる。したがって、リストバンドは電子デバイス100から着脱可能であり、それによって、ユーザは必要に応じて又は所望に応じてリストバンドを取り替えることができる。リストバンド108の一部分は、保持リング208の穴を通り、それによって第1のセクション400の長さ及び第2のセクション402の長さは、保持リング208のいずれの側においても画定される。
【0047】
リストバンド108の接触面202は、ユーザの手首に接触するように位置決め可能である。第1のセクション400に沿って、接触面202は、手首に向いて内側に面する。第2のセクション402に沿って、接触面202は、外側に向いた面として続く。リストバンド108の係合面200は、リストバンド108が、リストバンド108自体の上に折り畳まれるとき、又は一部分が他の方法で互いに重なり合うときに、リストバンド108自体と接触するように位置決め可能である。第1のセクション400に沿って、係合面200は、手首から外向きに面する。第2のセクション402に沿って、係合面200は、第1のセクション400に向いて内側に面し、かつ第1のセクション400に沿って延びる係合面200の部分と対向する。磁石は、本明細書で更に説明するように、少なくとも係合面200の近くに設けられて、第1のセクション400を第2のセクション402に磁気的に結合する。
【0048】
図4に示すように、第1のコネクタ204及び自由端212は、リストバンド108の端部又は端部近くに位置する。保持リング208は、リストバンド108のストラップ部分110に摺動可能に接続されており、電子デバイスのハウジングとの接続を提供する。保持リング208は、ストラップ部分110の第1のコネクタ204と類似の第2のコネクタ205と、ストラップ部分110が通って延びることができる開口部214とを有することができる。自由端212の少なくとも一部分は、開口部214の少なくとも1つの断面寸法よりも大きい少なくとも1つの断面寸法を有する。例えば、自由端212の一部分は、開口部214の横方向断面寸法よりも大きい、リストバンド108の長手方向軸線を横断する横方向断面寸法を有することができる。このような自由端212は、必要ではないが、任意選択的に開口部214を通過して、ストラップ部分110を保持リング208から取り外しできることが認識されよう。保持リング208は、図4に示されるものよりも長い、第2のコネクタ205と開口部214との間の長さを有し得ることが更に認識されよう。
【0049】
図5は、リストバンド108のストラップ部分110の断面図を示す。リストバンド108は、リストバンド108の長手方向の長さに沿って分配された複数の第1の磁石406及び第2の磁石408を含んでもよい。より具体的には、図5に示すように、リストバンド108は、第1のコネクタ204に隣接して配置された第1のセクション400に沿った第1の磁石406の第1のグループと、自由端212に隣接し、第1の磁石406の第1のグループの反対側に配置された、第2のセクション402に沿った第2の磁石408の第2のグループとを含んでもよい。第1の磁石406及び第2の磁石408は、リストバンド108の長手方向の長さに沿って均等に分配され得る。追加の磁石又は他のインサートは、例えば、第1の磁石406の第1のグループと第2の磁石408の第2のグループとの間に提供され得る。
【0050】
第1の磁石406の第1のグループ及び第2の磁石408の第2のグループは、磁気特性(例えば、磁場、磁気吸引力など)を含み得る材料から形成することができる。非限定的な例では、第1のセクション400内の第1の磁石406のそれぞれは、第1の磁場を生成することができ、第2のセクション402内の第2の磁石408のそれぞれは、第2の磁場を生成することができる。1つ以上の第2の磁石408の第2の磁場は、1つ以上の第1の磁石406の第1の磁場とは別個であってもよい(例えば、より大きく、又は異なって配向されてもよい)。本明細書で更に説明するように、リストバンド108と電子デバイスとをユーザに結合するために、リストバンド108が、リストバンド108自体の上に折り畳まれたとき、又は他の方法で一部分同士が互いに重なり合ったときに、第2の磁石408のうちの1つ以上は、第1の磁石406のうちの1つ以上に磁気吸引及び/又は結合することができる。
【0051】
本明細書で使用するとき、「磁石」は、硬磁性材料の磁石及び/又は軟磁性材料の磁石を含むことができる。硬磁性材料としては、印加された磁場の除去後であっても、それらの磁性を保持する材料が挙げられる。硬磁性材料を含む磁石は、永久磁石を形成することができる。硬磁性材料としては、ネオジム(NdFeB)、フェライト、AlNiCo、鉄-ネオジム、鉄-ホウ素、コバルト-サマリウム、鉄-クロム-コバルト、及びこれらの組み合わせ又は合金が挙げられる。軟磁性材料としては、磁場に応答するが、印加磁場の除去後に磁性を保持しない材料が挙げられる。軟磁性材料を含む磁石は、一時磁石を形成することができる。軟磁性材料としては、鉄、鉄-コバルト、鉄-シリコン(FeSi)、鋼、ステンレス鋼、鉄-アルミニウム-シリコン、ニッケル-鉄、フェライト、及びこれらの組み合わせ又は合金が挙げられる。「硬磁性」及び「軟磁性」は、必ずしも材料の剛性に関係しないことが認識されよう。
【0052】
リストバンド108の磁石のうちの1つ以上は、可撓性であり得る。所望の可撓性を与えるために、可撓性磁石のそれぞれは、ポリマーと磁性(例えば、硬磁性又は軟磁性)材料の混合物を含むことができる。ポリマーとしては、例えば、エラストマー、ゴム、シリコーン、フルオロエラストマー、FKM(フッ化ビニリデンを含有する)、ネオプレン、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。ポリマーは、磁性材料の粉末又は他の成分と混合されて、可撓性磁石を形成することができる。
【0053】
第1の磁石406及び/又は第2の磁石408は、単一の磁石又は多極磁気構造体とすることができる。例えば、第1の磁石406及び/又は第2の磁石408はそれぞれ、単一のモノリシック磁石から構成することができる。更なる実施例では、第1の磁石406及び/又は第2の磁石408はそれぞれ、複数の個々の磁石から構成することができる。第1の磁石406及び/又は第2の磁石408が複数の個々の磁石から構成される場合、それぞれの磁石は、磁気吸引力、接着剤、はんだ付け、セメンティング、溶接、焼結などを介して、隣接する磁石に結合することができる。いくつかの場合では、第1の磁石406及び/又は第2の磁石408を構成する個々の磁石は、互いに結合されていないが、組み立てられたリストバンド108内で単に互いに近接している。多極磁石構造体及び多極磁石構造体を用いるリストバンド108の実施形態の例は、本明細書で更に説明される。
【0054】
図5に示すように、第1のセクション400内の第1の磁石406の数は、第2のセクション402内の第2の磁石408の数と同じであっても、又は異なっていてもよい。例えば、第1のセクション400内の1つ以上の第1の磁石406は、リストバンド108の長さの大部分に沿って配置することができる。更なる実施例では、図5に示されるように、第1のセクション400内の1つ以上の第1の磁石406は、リストバンド108の長さのおよそ半分に沿って配置することができる。第2のセクション402内の1つ以上の第2の磁石408は、リストバンド108の長さの残りの部分にわたって、又は残りの部分上に配置することができる。図5に示す、第1の磁石406及び第2の磁石408の数は、単なる例示であり、他の数及び分配が想到されることが認識されよう。
【0055】
図5に示すように、第2のセクション402内の1つ以上の第2の磁石408は、リストバンド108の自由端212に直接隣接して配置された、拡大された第2の磁石408Aを含むことができる。拡大された第2の磁石408Aは、第2のセクション402内の残りの第2の磁石408よりも実質的に大きいものとすることができる。加えて、拡大された第2の磁石408Aは、第1のセクション400内の残りの1つ以上の第1の磁石406よりも実質的に大きいものとすることができる。拡大された第2の磁石408Aは、第2のセクション402内の残りの第2の磁石408よりも大きくてもよく、より強い磁場又は磁束を生成し、本明細書で更に説明されるように、最終的には、拡大された第2の磁石408Aを含むリストバンド108の一部分が、別個の第1の磁石406に磁気的に結合されることを確実にすることができる。拡大された第2の磁石408Aはまた、ストラップ部分が保持リング208から取り外されることを防止するようなサイズとすることができる。
【0056】
図6に示すように、リストバンドのためのアセンブリは、複数の磁石を支持する複数の層を含むことができる。図6に示すように、支持構造体412は、対向する対の磁石(例えば、磁石408及び磁石409)の間に提供することができる。支持構造体412は、磁石を接合し、リストバンドの長さに沿って所望の配置に磁石を維持することができる。例えば、支持構造体412は、支持構造体412の長手方向の長さに沿って概ね非伸張性であり得、それによって、長軸に沿って高い引張強度を提供する。支持構造体412はまた、リストバンドが、リストバンド自体の上に折り畳まることを可能にするために、高い曲げ性を提供することができる。支持構造体412は、支持構造体412の長さを横切る1つの寸法では幅広であるが、支持構造体412の長さを横切る別の寸法では薄い、リボンを形成することができる。支持構造体412は、複数の対の磁石の間に延びるのに十分な長さを有することができる。支持構造体412は、複数の織繊維で形成することができる。例えば、支持構造体412は、ファブリック、ポリマー、合成繊維、ポリエステル、液晶ポリマー、繊維ガラス、炭素繊維、及び/又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0057】
追加的に又は代替的に、支持構造体412又は支持構造体412の一部分は、長手方向に伸張可能であり、リストバンドの長手方向の長さに沿った伸縮を容易にし、リストバンドのより大きな快適性、確実性、及び保持力を提供することができる。このような伸縮性能により、リストバンドは、例えば、ユーザが動く、運動する、ストレッチする際にその円周を変更することによって適合することができる。そのような調整は、互いに重なり合う部分を摺動させることなく行うことができ、それにより、リストバンドを永続的に緩める、又は完全に外すような調整を回避することができる。このような伸縮は、手首への一貫した強力な取り付けを確保するために望ましいものであり得る。伸縮性能は、材料選択、織布材料中の繊維の修正された向き、及び/又は穴、切り込み、スロットなどの構造的特徴によって提供することができる。
【0058】
図6に示すように、支持構造体412は、1つ以上の穴416を含み得る。穴416のうちの1つ以上は、工具による係合のための位置を提供することができる。例えば、穴416は、組立中に支持構造体412を定位置に保持するために、工具によって係合され得る。穴416のうちの1つ以上は、(例えば、支持構造体412の第1の側及び第2の側から)支持構造体の厚さを通る通路を提供することができる。例えば、穴416は、内側の第2の磁石408を外側の第2の磁石409に接続するための導管を提供することができる。それにより、内側の第2の磁石408と外側の第2の磁石409とは、支持構造体412を介して接合することができる。支持構造体412にはまた、ほつれを防止する、及び/又は他の構成要素への接着を容易にするためのコーティングを設けることもできる。コーティングは、例えば、ポリウレタン、シリコーン、別のエラストマー、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0059】
図6に更に示すように、内側の第2の磁石408及び外側の第2の磁石409は、支持構造体412の両側に対として配置することができる。磁石は、例えば、支持構造体412上に成形することによって形成することができる。磁石は、磁石に使用される混合物を支持構造体412に提供することによって、予備成形又は形成することができる。混合物は、支持構造体412に対して成形、硬化、及び/又は架橋することができる。対向する対の磁石はまた、支持構造体412の穴416を通って、及び/又は支持構造体412の幅の外側に、互いに成形、硬化、及び/又は架橋することもできる。磁石のそれぞれは、支持構造体412及び対向する磁石の両方に面する、少なくとも1つの平坦な表面を含むことができる。対向する磁石は、支持構造体412がリストバンドの中心線又は平面に沿って延びるように配置することができる。例えば、対向する対の磁石は、支持構造体412にわたって互いに対して対称であり得る。
【0060】
図6に更に示すように、支持構造体412、内側の第2の磁石408及び外側の第2の磁石409は、カバー414によって取り囲まれてもよい。カバー414は、カバー414内の構成要素に対してオーバーモールドすることによって形成することができる。カバー414は、リストバンドの係合面200及び接触面202の両方を画定することができる。カバー414の別個の側は、1つのステップ又は別個のステップで形成することができる。例えば、複数の側のうちの第1の側は、金型との整列を確保するために形成することができる。続いて、残りの側を別個の成形ステップで形成することができる。カバー414は、支持構造体412及び磁石の少なくとも一部分に直接接合することができる。カバー414は、エラストマー、ゴム、シリコーン、フルオロエラストマー、及び/又はこれらの組み合わせなどの、可撓性材料を含むことができる。カバー414は、任意選択的に磁石408及び磁石409内に存在する磁性材料(例えば、粒子又は粉末)を含まないが、磁石408及び409内に存在する同じポリマーを含むことができる。したがって、カバー414は、同じポリマーの使用に基づく強力な接合(例えば、架橋)によって、磁石408及び409上に形成することができる。
【0061】
カバー414は、リストバンドの可撓性及び曲げ性を制御するように設計及び/又は選択することができる。可撓性は、磁気結合の確実性及び/又は保持力に著しい影響を及ぼし得る。具体的に剛性についてカバー414を制御することによって、リストバンドの、保持力、快適性、及び使いやすさを最大化し、特定の柔軟性のために設計することができる。例えば、カバー414が硬すぎる場合、リストバンドは、ユーザの手首に適切に適合しない可能性があり、より容易に跳ね返り、保持及び固定が不十分となる。更なる実施例では、高度な曲げ性により、引っ掛かった場合に、リストバンドが緩くなったり完全に外れたりすることなく、リストバンドが衝撃を吸収し、曲がってそれることを可能にする。そのような特徴は、材料選択、異なる材料を一緒に積層すること、重要なヒンジ領域がより薄く又はより厚くなるような厚さの局所的な変形、重要なヒンジ領域がより薄く又はより厚くなるような、材料スタックアップ(すなわち、接着剤、磁石など)の局所的な変形、及び/又は穴、切り込み、スロットなどの構造的特徴などによって提供することができる。
【0062】
層414は、例えば、リストバンドの保持力及び/又は確実性を改善するために、化粧面間の摩擦を修正するように設計及び/又は選択され得る。表面摩擦は、バンドの取り付けが確実であることを確保するために選択され得る。このような特徴は、材料選択、(例えば、接触面を粗面化するための)テクスチャ加工された表面を含む、連動摩擦力をターゲットとする様々な幾何学的形状、表面粗さ及び摩擦を制御する(例えば、増加させる)ための化粧面への小さい突出部の接着、コンディショナー及び/若しくはオイルによる後処理、異なる材料を一緒に積層すること、並びに/又は穴、切り込み、スロットなどの構造的特徴、によって提供することができる。
【0063】
層414は、互いから離れる反対向きの側(例えば、ユーザ接触する内向きの面及び/又は外向きの化粧面)と比較して、互いに対向する(例えば、重なり合う領域で接する)側上に異なる表面特徴を有するように設計及び/又は選択することができる。内側層及び外側層は、本明細書に記載されるように、個別に、例えば、長さに沿った特定の位置に修正することができる。重なり合う領域におけるバンド間の内側面は、バンドの保持及び/又は固定を容易にする特徴を有することができる。しかしながら、内側面は、任意選択的に、皮膚接触及び/又は外部露出について本明細書に記載される特徴を省略することができる。
【0064】
更なる実施例では、カバー414は、磁石の少なくとも1つの成分とは異なる材料を含むことができる。カバー414は、リストバンドの所望の外観を形成するように選択することができる。例えば、カバー414は、所望の耐久性、快適性、及び/又は審美的外観を提供するように選択することができる。カバー414は、天然材料及び/又は合成材料を含むことができる。カバー414は、例えば、皮革、織布材料、不織布材料、フェルト、金属、メッシュ、リンク及び/又は同様のものを含むことができる。複数の材料が使用される場合、各材料は、異なる構造特性、触感、及び/又は外観を有し得る。いくつかの場合では、材料は、ユーザの皮膚と接触する内側層のための(第1の材料に関連する)第1のセットの特性、及び可視であり様々な環境要素に露出される外側層のための(第2の材料に関連する)第2のセットの特性、という複合特性を有するバンドを提供するように選択される。
【0065】
カバー414は、接着剤418の層によって他の構造体に接合することができる。接着剤418は、カバー414の一部分と磁石408及び409などの他の構成要素との間に効果的な接合を提供するように選択することができる。例えば、接着剤418は、各部分の材料に効果的に接合する接着剤であり得る。更なる実施例では、接着剤418は、それぞれ対応する構造体及び互いに対して接合する異なる接着剤の組み合わせであり得る。接着剤418は、熱活性化フィルム又は熱接合フィルムなどの熱活性化接着剤を含むことができる。このような接着剤418のフィルムをカバー414の表面上及び/又はカバー414と他の構成要素との間に塗布し、続いて接着剤418を活性化させる加熱工程を施すことができる。
【0066】
接着剤418は、接着及び磁気内部への化学物質の曝露からの保護の両方を提供することができる。磁気内部構造は、保護されていない場合、化学物質の曝露及び劣化、特に錆の形態でのリスクにさらされ得る。堅牢な化学的保護は、バンドのより望ましい、より長い寿命を可能にし、経時的な確実性又は保持力の低下を防止する。これは、任意に、接着及び保護の両方を達成するために組み合わされた様々な接着剤の複数の層を介して達成され得る。接着剤418は、任意選択により、感圧接着剤(PSA)、熱活性化接着剤、又はこれらの組み合わせであってもよい。いくつかの(例えば、カバー414の)化粧材料は、皮革などで、熱によって損傷する場合があり、感圧接着剤は、熱に敏感な望ましい化粧材料の使用を可能にし得る。
【0067】
図7及び図8に示すように、リストバンドの別個の部分の断面側面図が示されている。具体的には、図7は、図5の線7-7に沿った第2のセクション402の断面側面図を示し、内側の第2の磁石408及び外側の第2の磁石409を示す。加えて、図8は、図5の線8-8に沿った第1のセクション400の断面側面図を示し、内側の第1の磁石406及び外側の第1の磁石407を示す。同様に名付けられた構成要素又は同様に数字が付けられた構成要素は、実質的に同様に機能することができ、同様な材料を含むことができ、及び/又は他の構成要素との同様な相互作用を含むことができることが理解される。明確にするために、これらの構成要素の冗長な説明は省略されている。
【0068】
図7及び図8に示すように、磁石の少なくとも一部はシャントを形成することができる。例えば、外側の第1の磁石407及び外側の第2の磁石409はそれぞれ、軟磁性材料を含むことができ、内側の第1の磁石406及び内側の第2の磁石408のうちの1つなどの永久磁石の反対側に配置することができる。シャントを形成する磁石は、リストバンドが、リストバンド自体の上に折り畳まれるとき、又は一部分が別の方法で互いに重なり合うとき、シャントが外向きに面し、永久磁石が磁気結合のために互いに対向するように、配置され得る。シャントは、シャントによって覆われた領域内の磁束を、実質的に遮断、リダイレクト、又は最小化することができる。外側の第1の磁石407及び外側の第2の磁石409はまた、例えば、対向する磁石と同じ又は平行な磁場の向きを有する永久磁石であってもよいことが認識されよう。
【0069】
外側の第1の磁石407及び/又は外側の第2の磁石409は、内側の第1の磁石406及び/又は内側の第2の磁石408の永久磁石材料とは異なる軟磁性材料を含むことができる。例えば、外側の第1の磁石407及び/又は外側の第2の磁石409は、第1の磁性材料(例えば、ネオジム)を含むことができ、内側の第1の磁石406及び/又は内側の第2の磁石408は、第2の磁性材料(例えば、鉄-コバルト)を含むことができる。追加的に又は代替的に、外側の第1の磁石407、外側の第2の磁石409、内側の第1の磁石406及び/又は内側の第2の磁石408は、同じ磁性材料及び/又は同じポリマーを含むことができる。
【0070】
磁性材料は、永久磁石及び/又はシャントの機能を促進するために、互いに異なる構成部分を含むことができる。例えば、等方性粒子及び/又は異方性粒子を使用して、磁石及び/又はシャントの機能を促進することができる。特性「異方性」又は「等方性」は、磁石又は磁性粒子が優先磁化方向を有するかどうかを示す。等方性粒子は、優先磁化方向を有さず、したがって任意の方向に磁化することができる。異方性粒子は、優先磁化方向を有し、したがって、特定の方向にのみ磁化され得る。
【0071】
内側の第1の磁石406及び/又は内側の第2の磁石408は、形成段階中のポリマー内の粒子の配向を容易いにするために、硬磁性材料の異方性粒子を含むことができる。異方性粒子は、印加磁場の除去後であっても、それらの配向及び印加磁場に基づいて、それらの磁気を保持、維持することができる。更なる実施例では、外側の第1の磁石407及び/又は外側の第2の磁石409は、軟磁性材料の多様な印加磁場に対する一時的な磁気応答を容易にするために、軟磁性材料の等方性粒子を含むことができる。
【0072】
図9図11に示すように、磁石は、リストバンドの異なるセクションにおいて同じ磁場の向きを有することができる。例えば、図9に示すように、リストバンド108の第1のセクション400に沿った第1の磁石406は、リストバンド108の第2のセクション402に沿った第2の磁石408の磁場の向きと同じ又は平行な磁場の向きを有することができる。
【0073】
図10に示すように、リストバンドが、リストバンド自体の上に折り畳まれるとき、又は一部分が別の方法で互いに重なり合うとき、第1の磁石406及び第2の磁石408の一部は、接触面202が接触面202自体に面している間に互いに入れ子にすることができる。この構成では、第1の磁石406及び第2の磁石408は、互いに磁気的に結合することができる。リストバンド108が、リストバンド108自体の上に折り畳まれた状態で湾曲している場合、異なる磁気整列が提供されてもよい。例えば、同じリストバンド108の他の領域は、図11に示すように配置されてもよい。磁気結合は、これらの領域においてより弱くなり得るが、様々に配置された磁石が適切な磁気結合を提供する。
【0074】
図12図14に示すように、磁石は、リストバンドの異なるセクションにおいて異なる磁場の向きを有することができる。例えば、図12に示すように、リストバンド108の第1のセクション400に沿った第1の磁石406は、リストバンド108の第2のセクション402に沿った第2の磁石408の磁場の向きに対して異なる(例えば、反対の)磁場の向きを有することができる。
【0075】
図13に示すように、リストバンドが、リストバンド自体の上に折り畳まれるとき、又は一部分が別の方法で互いに重なり合うとき、第1の磁石406及び第2の磁石408の一部は、接触面202が接触面202自体に面している間、互いに入れ子にすることができる。この構成では、第1の磁石406及び第2の磁石408は、互いに磁気的に結合することができる。同じリストバンド108の他の領域は、図14に示すように配置されてもよい。この領域では、第1の磁石406及び第2の磁石408もまた、互いに磁気的に結合することができる。
【0076】
本明細書に示されるいくつかの磁場は、互いに平行であり、かつ/又はリストバンド108の長手方向軸に直交するものとして示されているが、磁場のうちの1つ、いくつか、又は全ては、他の方向に配向され得る。このような角度付けされた磁場の向きは、磁石が特定の連動する向きで配置されるときに、磁気吸引力を最大化することができる。他の変形例は、本明細書で更に説明される多極磁石構造体などの磁気吸引力を最大化することができる。このような特徴のうちの1つ以上は、選択された領域における磁気吸引力を最大化又は最小化するためにバンドの長さに沿って変化し得る。
【0077】
図15を参照すると、磁石は、2つ以上の個々の磁石を含む多極磁石構造体を含むことができる。例えば、図15に示すように、第1の磁石406及び/又は第2の磁石408は、個々の磁気構成要素410及び磁気構成要素411の極性パターンを変化させるように配置することができる。図15に示すように、極性パターンは、北N(正)極及び南S(負)極が、各多極磁石構造にわたって交互になる、交互極性パターンであり得る。多極磁石構造体によって生成された磁場は、物体を引き付けることができる。例えば、磁気吸引力は、第1の磁石406の個々の磁気構成要素410が、第2の磁石408の別個の磁気構成要素411に磁気的に結合されることを確保することができる。各多極磁石は、例えば、異なる(例えば、交互の)極性パターンを有する2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、又は9個を超える磁気構成要素を含むことができる。1つ以上の連続した、連続していない、又は別個のシャントは、多極磁石構造体の磁場を再度方向付けするために、多極磁石構造体のうちの1つ以上の反対側に配置することができる。
【0078】
図16及び図17を参照すると、リストバンドのコネクタを支持構造体に固定することができる。例えば、図16に示すように、第1のコネクタ204の別個の部品216は、それらの間に延びている支持構造体412の一部分と一緒に接合され得る。図17に示すように、部品216は、支持構造体412が挟まれ、第1のコネクタ204に対して固定されるように、一緒に固定することができる。追加的に又は代替的に、第1のコネクタ204の一部分は、支持構造体412の上に成形することができる。
【0079】
図18を参照すると、支持構造体は、コネクタに結合され、カバーによって取り囲まれ得る。図18に示すように、支持構造体412の少なくとも一部分(例えば、端部)は、係止要素206の周囲に巻き付くことができる。任意選択的に、支持構造体412は、係止要素206に接合することができる。係止要素206は、支持構造体412を固定する方法でコネクタ204に結合することができる。したがって、支持構造体412に加えられる力は、支持構造体412が係止要素206の領域から滑り出ることがないように抵抗を受け得る。カバー414は、係止要素206、コネクタ204及び支持構造体412の少なくとも一部分を覆うように延び得る。いくつかの実施例では、カバー414は、コネクタ204の終端部の周りに延びることができる。追加的に又は代替的に、コネクタ204の一部分は、ウォッチのハウジングとの係合を提供するために露出したままにすることができる。
【0080】
図19を参照すると、支持構造体には、コネクタから離れる方向への移動に抵抗するアンカー要素が設けられてもよい。図19に示すように、支持構造体412の少なくとも一部分(例えば、端部)は、支持構造体412に対して拡大された寸法を有するアンカー要素420に結合することができる。例えば、アンカー要素420は、支持構造体412上に成形されるポリマーを含むことができる。係止要素206は、コネクタ204に結合されて、アンカー要素420が受容される凹部を形成することができる。支持構造体412に加えられる力は、アンカー要素420が、係止要素206及び/又はコネクタ204によって画定された凹部から、滑り出ることがないように抵抗を受け得る。カバー414は、係止要素206、コネクタ204及び支持構造体412の少なくとも一部分を覆うように延び得る。いくつかの実施例では、カバー414は、コネクタ204の終端部の周りに延びることができる。追加的に又は代替的に、コネクタ204の一部分は、ウォッチのハウジングとの係合を提供するために露出したままにすることができる。
【0081】
図20を参照すると、磁場の印加により、個々の磁気構成要素の極性パターンを確立することができる。磁化システム500を使用して、リストバンド108の別個の部分にわたって磁場を印加することができる。例えば、1つ以上の第1の磁化構成要素510を磁石406の第1の側に配置することができ、1つ以上の第2の磁化構成要素512を磁石406の第2の側に配置することができる。各第1の磁化構成要素510は、反対の磁極性を有する第2の磁化構成要素512の反対側に配置されて、磁石406を通して配向された磁場を生成することができる。異なる対の第1の磁化構成要素510及び第2の磁化構成要素512は、磁石406の個々の磁気構成要素410が異なる磁極整列を有するように、異なる磁極配置を有することができる。例えば、図20に示すように、磁極性は、第1の磁化構成要素510及び第2の磁化構成要素512の隣接する対、並びに磁石406の個々の磁気構成要素410の隣接する対に対して交互になっている。したがって、各個々の磁気構成要素410の磁場の向きは、磁石406内で概ね均一である。異なる磁気構成要素410は、反対方向を含む、平行である磁場の向きを有することができる。
【0082】
図21に示すように、磁石406は、重なり合う部分を有するように構成されたリストバンド108の一部であり得る。重なり合う部分の係合面200において、内側の第1の磁石406及び内側の第2の磁石408は、磁気結合のために互いに対向することができる。磁気構成要素410及び磁気構成要素411の磁場は、内側の第1の磁石406及び内側の第2の磁石408が互いに磁気吸引されるように配置することができる。重なり合う部分の接触面202において、外側の第1の磁石407及び外側の第2の磁石409はシャントとして作用することができ、それにより、リストバンドが、リストバンド自体の上に折り畳まれるとき、又は一部分が他の方法で互いに重なり合うときに、シャントが外向きに面し、内側の第1の磁石406及び内側の第2の磁石408が磁気結合のために互いに対向する。シャントは、シャントによって覆われた領域内の磁束を、実質的に遮断、リダイレクト、又は最小化することができる。これにより、リストバンド108の外側の磁束が減少する。任意選択的に、支持構造体412は、対向する対の磁石の間に設けられてもよい。
【0083】
図22を参照すると、リストバンドの単一の側からの磁場の印加により、個々の磁気構成要素の極性パターンを確立することができる。磁化システム600を使用して、リストバンド108の別個の部分にわたって磁場を印加することができる。例えば、1つ以上の磁化構成要素610を、磁石406の第1の側に配置することができる。図22に示すように、磁極性は、隣接する磁化構成要素対610に対して交互になっている。磁化構成要素610の反対側に追加の磁化構成要素が存在しない場合、磁場は、反対の磁極性を有する隣接する対の磁化構成要素対610の間に延びる。したがって、結果として生じる磁場は、円弧状又は湾曲した経路に沿って磁石406を通って延びる。例えば、向きは、磁石406内の各磁気構成要素410の異なる部分にわたって異なる。この磁場の向きは、磁性材料(例えば、粉末)の個々の粒子の寄与によって磁石406内に維持される。粒子のそれぞれは、システム600から印加された磁場に従ってポリマー内で配向される。粒子が異方性である(すなわち、優先磁化方向を有する)場合、そのような粒子は、粒子の優先磁化方向に従って、(例えば、物理的に回転することによって)印加磁場と物理的に整列する。粒子が等方性である(すなわち、優先磁化方向を有さない)場合、そのような粒子は、(例えば、磁区を調整することによって)印加磁場と磁気的に整列することができる。整列後、粒子は永久磁場を維持する。
【0084】
図23を参照すると、磁石内の円弧状又は湾曲した磁場は、リストバンドの係合面上に高磁束を提供し、リストバンドの接触面上に低磁束を提供することができる。図23に示すように、磁石406は、重なり合う部分を有するように構成されたリストバンド108の一部であり得る。重なり合う部分の係合面200において、第1の磁石406及び第2の磁石408は、磁気結合のために互いに対向することができる。係合面200を通る磁束は、係合面200の異なる部分において(例えば、磁気構成要素410及び磁気構成要素411を形成する異なる領域において)高いものであり異なる極性を有することができる。磁場の向きは、第1の磁石406及び内側の第2の磁石408が互いに磁気吸引されるように配置される。接触面202を通る磁束は低く、そのため、リストバンドが、リストバンド自体の上に折り畳まれるか、又は一部分が別の方法で互いに重なり合うときに、接触面202が外向きに面し、別個の磁気シャントが無くても残留磁束が低減される。任意選択的に、支持構造体412は、磁石内に提供され得る。
【0085】
図24図26を参照すると、個々の磁気構成要素の極性パターンは、異なる時間で異なる磁場を印加することで確立することができる。磁化システム500を使用して、リストバンド108の別個の部分にわたって磁場を印加することができる。例えば、1つ以上の第1の磁化構成要素510を磁石406の第1の側に配置することができ、1つ以上の第2の磁化構成要素512を磁石406の第2の側に配置することができる。
【0086】
図24に示すように、リストバンドの対向する側からの磁場の印加により、個々の磁気構成要素の初期極性パターンを確立することができる。例えば、各第1の磁化構成要素510は、反対の磁極性を有することができる第2の磁化構成要素512の反対側に配置されて、磁石406を通して配向された磁場を生成することができる。異なる対の第1の磁化構成要素510及び第2の磁化構成要素512は、磁石406の個々の磁気構成要素410が異なる磁極整列を有するように、異なる磁極配置を有することができる。例えば、図24に示すように、磁極性は、第1の磁化構成要素510及び第2の磁化構成要素512の隣接する対、並びに磁石406の個々の磁気構成要素410の隣接する対に対して交互になっている。したがって、各個々の磁気構成要素410の磁場の向きは、磁石406内で概ね均一である。異なる磁気構成要素410は、反対方向を含む、平行である磁場の向きを有することができる。
【0087】
図25を参照すると、リストバンドの単一の側から別の磁場の印加により、個々の磁気構成要素の更なる極性パターンを確立することができる。例えば、図25に示すように、リストバンド108の第2の側の第2の磁化構成要素512は、前の段階で印加した極性パターン(図24)とは反対の交互極性パターンを有することができる。例えば、第2の磁化構成要素512は、第2の段階では、初期段階において第1の磁化構成要素510に印加された同じ交互極性パターンを有することができる。リストバンド108の第1の側の第1の磁化構成要素からの磁場が無い場合、磁場は、反対の磁極性を有する隣接する対の第2の磁化構成要素512の間に延びる。したがって、結果として生じる磁場は、円弧状又は湾曲した経路に沿って磁石406の第2の側を通って延びる。以下で実証されるように、リストバンド108の第2の側の第2の磁化構成要素512によって印加される磁場は、リストバンド108の第2の側を通る磁束がリストバンド108の第1の側を通る磁束よりも小さくなるように、個々の磁気構成要素410内の粒子を整列させることができる。第2の磁化構成要素512が第1の磁化構成要素510よりも第2の側に近いため、第2の磁化構成要素512によって印加される磁場は、第1の磁化構成要素510よりも影響力が大きく、第2の側に近い粒子を特定の向きに整列させることができる。第2の段階で印加される磁場の姿勢は、第2の磁化構成要素512から遠い領域が不必要に変更されないように、他の段階で印加される磁場よりも低くてもよいことが理解されよう。
【0088】
図26を参照すると、リストバンドの単一の側から別の磁場の印加により、個々の磁気構成要素の更なる極性パターンを確立することができる。例えば、図26に示すように、リストバンド108の第1の側の第1の磁化構成要素510は、初期段階において第1の磁化構成要素510に印加された交互極性パターン(図24)と同じ交互極性パターンを有することができる。リストバンド108の第2の側の第2の磁化構成要素からの磁場が無い場合、磁場は、反対の磁極性を有する隣接する対の第1の磁化構成要素510の間に延びる。したがって、結果として生じる磁場は、円弧状又は湾曲した経路に沿って磁石406を通って延びる。
【0089】
結果として得られた向きは、磁石406内の各磁気構成要素410の異なる部分にわたって異なる。この磁場の向きは、磁性材料(例えば、粉末)の個々の粒子の寄与によって磁石406内に維持される。粒子のそれぞれは、システム600から印加された磁場に従ってポリマー内で配向される。粒子が異方性である(すなわち、優先磁化方向を有する)場合、そのような粒子は、粒子の優先磁化方向に従って、(例えば、物理的に回転することによって)印加磁場と物理的に整列する。粒子が等方性である(すなわち、優先磁化方向を有さない)場合、そのような粒子は、(例えば、磁区を調整することによって)印加磁場と磁気的に整列することができる。整列後、粒子は永久磁場を維持する。
【0090】
磁石406内の円弧状又は湾曲した磁場は、リストバンド108の第1の側に(例えば、係合面を提供して)高磁束を提供することができ、リストバンド108の第2の側に(例えば、接触面を提供して)低磁束を提供することができる。この経路は、以前の段階から得られた磁気の向きの精密化と見なすことができる(図24及び図25)。したがって、最終段階で印加される磁場の大きさは、先行する段階無しで同じ整列を達成するほど強いものである必要はない。
【0091】
図27に示すように、リストバンドは、磁気結合による調整性を容易にするために、別個のバンド部分を含むことができる。リストバンド700は、第1のバンド部分710と第2のバンド部分750との間の重なりの程度を選択することによって、手首に確実かつ快適にフィットするように調整可能である。例えば、リストバンド700の直径は、手首への確実かつ快適なフィットに適するように調整可能である。第1のバンド部分710及び第2のバンド部分750のそれぞれは、電子デバイス100のハウジング102の一部分(例えば、チャネル106)に、第1のコネクタ704又は第2のコネクタ705によってそれぞれ取り外し可能に取り付けられる。したがって、リストバンド700は電子デバイス100から着脱可能であり、それによって、ユーザは必要に応じて又は所望に応じてリストバンドを取り替えることができる。
【0092】
第1バンド部分710の接触面714は、外向き表面として位置決め可能である。第1のバンド部分710の係合面712は、バンド部分が重なり合うときに第2のバンド部分750と係合するように、内向き表面として位置決め可能である。第2のバンド部分750の係合面752は、バンド部分が重なり合うときに第1のバンド部分710と係合するように、外向き表面として位置決め可能である。本明細書で更に説明するように、磁石は、少なくとも係合面712及び係合面752の近くに設けられて、第1のバンド部分710を第2のバンド部分750に磁気的に結合する。第2のバンド部分750の接触面754は、ユーザの手首に接触するように内向き表面として位置決め可能である。
【0093】
図27のリストバンド700は、図3のリストバンド108におけるように一方の側から延びてリストバンド108自体に重なるのではなく、電子デバイス100のハウジング102の対向する側から延びているが、本明細書に記載されるように、リストバンド700の様々な特徴がリストバンド108と同様であり得ることが認識されよう。具体的には、第1のバンド部分710及び第2のバンド部分750の重なり合う部分は、リストバンド108の重なり合う部分と1つ以上の態様で類似し得る。したがって、リストバンド700の第1のバンド部分710及び第2のバンド部分750は、図10図11図13図14図21、及び図23に示されるように、リストバンド108の重なり合う部分と類似し得る。リストバンド700の第1のバンド部分710は、内側の第1の磁石406及び/又は外側の第1の磁石407と類似の磁石を含むことができ、リストバンド700の第2のバンド部分750は、内側の第2の磁石408及び/又は外側の第2の磁石409と類似の磁石を含むことができることが理解されよう。したがって、リストバンド108の重なり合う部分に関する本明細書に記載される特徴は、リストバンド700の第1のバンド部分710及び第2のバンド部分750に任意選択的に適用されることが理解されよう。
【0094】
追加的に又は代替的に、リストバンドは、ウォッチハウジングの対向する側から延びている別個のバンド部分の結合及び固定を容易にする特徴を含むことができる。例えば、リストバンド700の第1のバンド部分710及び第2のバンド部分750は、結合を容易にし、ユーザの快適性を提供する幾何学的形状を有することができる。図28に示すように、第1のバンド部分710及び第2のバンド部分750のそれぞれは、一方のバンド部分が別のバンド部分と互いに少なくとも部分的に入れ子になることを可能にする相補的な形状を有することができる。
【0095】
第1のバンド部分710は、凹状係合面712及び/又は凸状接触面714を含むことができる。第2のバンド部分750は、凸状係合面752及び/又は凹状接触面754を含むことができる。係合面712及び752は、磁気結合中に広い面積の係合を提供することができる。凹状接触面754は、ユーザの手首に容易に適合することができ、凸状接触面714は、リストバンド700の滑らかな外向きの側を提供することができる。
【0096】
図28に示すように、第1のバンド部分710の第1の磁石706及び第2のバンド部分750の第2の磁石708は、磁気結合を容易にする磁極配置を有することができる。例えば、第1の磁石706は、第2の磁石708の個々の磁気構成要素711に結合するために異なる磁気整列を有する個々の磁気構成要素709を含むことができる。図28に示すように、磁場の向きは磁石706及び磁石708内で湾曲することができる。追加的に又は代替的に、磁場の向きは、リストバンド108に関して本明細書に記載されるものと類似し得る。
【0097】
図29に示すように、所与のバンド部分の磁石は、それぞれ、所与のバンド部分の長手方向の長さに沿って一貫した磁場の向きを有する、磁気構成要素を有することができる。例えば、磁石708の個々の磁気構成要素709は、第1のバンド部分710の長手方向長さの少なくとも一部分に沿って延びることができる。その長さに沿って、各個々の磁気構成要素709は、同じ磁極性を維持することができる。第1のバンド部分710及び第2のバンド部分750のどちらも、ウォッチをユーザに固定するためにバンド部分自体の上に折り畳む必要がないため、それぞれの磁石は、その長さに沿って極性を交互にする、又は変化させる必要はない。それぞれの長さに沿って一貫した極性を提供することにより、第1のバンド部分710及び第2のバンド部分750は、様々な重なりの程度のうちの任意の1つで互いに磁気的に結合することができる。したがって、ユーザがリストバンド700の締め具合を微調整することを可能にするために、細かい調整が可能である。対照的に、上記の折り畳みリストバンド108は、その長さに沿って交互極性パターン又は別の方法で異なる極性パターンを有することができ、互いに反発するのではなく、重なり合う部分が互いに磁気吸引されることを可能にする。図29に示すように、磁気構成要素709にわたる磁極性は、バンド部分710の幅に沿って交互にすることができる。幅に沿った交互極性は、バンド部分を、バンド部分の幅と磁気的に結合させ、その結果、両方のバンド部分の縁部が(図28に更に示されるように)整列される。
【0098】
図30に示すように、所与のバンド部分の磁石は、所与のバンド部分の長手方向の長さに沿って交互極性を有する磁気構成要素を有することができる。図示のように、磁気構成要素709にわたり、及び磁石706にわたる磁極性は、バンド部分710の長さ及び/又は幅に沿って交互にすることができる。長さに沿った交互極性は、異なる重なりの程度に沿って連続的ではなく、バンド部分を別個の位置で磁気的に結合させる。
【0099】
図31に示すように、リストバンドは、リストバンドの外側の磁束をうまく操作するために、軟磁性材料を有する部分を含むことができる。第1のバンド部分710が第2のバンド部分750と重なり合う間、第1の磁石706のうちの少なくとも1つは、第2の磁石708のうちの少なくとも1つに重なり合う。本明細書で説明するように、重なりの度合は、ユーザの手首上のリストバンド700の締め具合を変更するように調整することができる。したがって、重なりの度合は、異なるユーザ及び異なる時間に対して異なるものであり得る。したがって、重なり合っていない部分は、異なる程度で露出され、リストバンドの外側に磁束を放出することがあり得る。これは、リストバンド付近にある磁気感受性のアイテムに対する有害な影響となり得る。硬磁性材料は残留磁束を放出するため、重なり合わない部分又は重なり合わない可能性がある部分内の、硬磁性材料の量を低減することが有益であり得る。
【0100】
図31に示すように、第1のバンド部分710は、第1の磁石706と第1のコネクタ704との間に第1の軟磁性部分740を含むことができる。第2のバンド部分750は、第2の磁石708と第2のコネクタ705との間に第2の軟磁性部分780を含むことができる。第1の軟磁性部分740が第2の磁石708と重なり合うとき、第1の軟磁性部分740と第2の磁石708とは互いに磁気的に結合することができる。同様に、第2の軟磁性部分780が第1の磁石706と重なり合うとき、第2の軟磁性部分780と第1の磁石706とは互いに磁気的に結合することができる。しかしながら、第1の軟磁性部分740及び/又は第2の軟磁性部分780は、重なり合わない(例えば、露出している)とき、第1の軟磁性部分740及び/又は第2の軟磁性部分780自体の磁場を生成しない軟磁性材料を含むため、残留磁束を放出しない。したがって、第1の軟磁性部分740及び第2の軟磁性部分780は、磁気結合を容易にしながら、リストバンドの外側の残留磁束を低減する。
【0101】
第1の軟磁性部分740及び/又は第2の軟磁性部分780は、エラストマー、ゴム、シリコーン、フルオロエラストマー、及び/又はこれらの組み合わせなどの可撓性材料を含むことができる。第1の軟磁性部分740及び/又は第2の軟磁性部分780は、磁石内に存在する磁性材料(例えば、粒子又は粉末)が存在しないが、磁石内に存在する同じポリマーを含むことができる。したがって、第1の軟磁性部分740及び/又は第2の軟磁性部分780は、同じポリマーの使用に基づく強力な接合(例えば、架橋)によって、第1の磁石706及び/又は第2の磁石708上に形成することができる。
【0102】
図31に更に示すように、第1のバンド部分710は、第1の磁石706と第1のコネクタ704との間、及び/又は第1の軟磁性部分740と第1のコネクタ704との間に、第1の非磁性部分760を含むことができる。第2のバンド部分750は、第2の磁石708と第2のコネクタ705との間、及び/又は第2の軟磁性部分780と第2のコネクタ705との間に、第2の非磁性部分770を含むことができる。第1の非磁性部分760及び/又は第2の非磁性部分770は、任意の磁性材料(例えば、粒子、粉末)を除外することができる。したがって、第1の非磁性部分760及び/又は第2の非磁性部分770は、磁束を放出せず、又は磁場を発生させない。したがって、第1の非磁性部分760及び第2の非磁性部分770は、ハウジング102の近くの領域におけるリストバンドの外側の磁束を低減する。
【0103】
第1の非磁性部分760及び/又は第2の非磁性部分770は、エラストマー、ゴム、シリコーン、フルオロエラストマー、及び/又はこれらの組み合わせなどの可撓性材料を含み得る。第1の非磁性部分760及び/又は第2の非磁性部分770は、磁石内に存在する磁性材料(例えば、粒子又は粉末)が存在しないが、磁石内に存在する同じポリマーを含むことができる。したがって、第1の非磁性部分760及び/又は第2の非磁性部分770は、同じポリマーの使用に基づく強力な接合(例えば、架橋)によって、第1の軟磁性部分740、第1の磁石706、第2の軟磁性部分780及び/又は第2の磁石708上に形成することができる。
【0104】
第1の非磁性部分760、第2の非磁性部分770、第1の軟磁性部分740、第1の磁石706、第2の軟磁性部分780及び/又は第2の磁石708のそれぞれは、異なる最大断面寸法を提供し、間隙及び/又は最小断面寸法によって互いに分離されている1つ以上のセグメントを含むことができる。任意の1つの領域内及び/又は複数の領域にわたるセグメントは、同じもの又は類似したものであり得る。このようなセグメントの間隔及び/又は分布は、均等及び/又は異なってもよい。このようなセグメントの例を図5図6図15、及び図30に示す。このようなセグメントは、結果的に得られるリストバンドに不均一な外寸を提供できることが理解されよう。このようなセグメントは、永久磁性材料及び/若しくは軟磁性材料を有する領域、並びに/又は磁性材料を有さない領域に提供することができる。したがって、異なる磁気特性を有する異なる部分を提供しても、リストバンドの形状、サイズ、及び/又は外観は均一であり得る。
【0105】
磁性材料の性質及び/又は量は、リストバンドの長さに沿って徐々に変化し得る。例えば、リストバンドの少なくとも長さに沿って、磁性材料は、長さに沿って一方向に徐々により強い磁場を生成し、及び長さに沿って別の方向により弱い磁場を生成する形で提供され得る。例えば、磁性材料の密度、サイズ、濃度、アスペクト比、形状、又は他の特性は、リストバンドの長さに沿って変化し得る。ハウジングにより近い位置では、特性は、より弱い磁場を提供することができ、ハウジングからより遠い位置では、特性は、より強い磁場を提供することができる。このような違いは、連続的な構造に沿って、又は別個のセグメント(例えば、磁石)にわたって提供することができる。例えば、一連の磁石のそれぞれは、磁石の磁場が、磁石の配列されたアセンブリの長さに沿って変化するように、異なる磁気特性を有することができる。更なる実施例では、磁気特性が連続的な構造の長さに沿って変化するように、磁性材料を連続的な構造内に提供することができる。
【0106】
したがって、本開示の実施形態は、ユーザへの確実な取り付けを提供するための磁気アタッチメント機構を提供し、また、向上した快適性を提供する。剛性磁石よりも快適な可撓性磁石を用いて磁気結合を実現することができると共に、依然としてユーザへの確実な取り付け及び便利な調整を提供することができる。本開示の実施形態は、外部の力の作用下で偶発的に外れることを回避するために、ユーザによる調整の容易さ、並びに確実な取り付けを提供する。
【0107】
本開示の態様の様々な実施例は、便宜のための項目として以下に記載される。これらは実施例として提供されるものであり、対象技術を限定するものではない。
【0108】
項目A:ウォッチをユーザに固定するためのリストバンドであって、可撓性磁石であって、可撓性磁石のそれぞれが、ポリマーと強磁性材料との混合物を含む可撓性磁石と、可撓性磁石のそれぞれを取り囲む外側カバーと、可撓性磁石を外側カバーに接合している接着剤層と、を備える、リストバンド。
【0109】
項目B:ウォッチハウジングに接続するように構成されているコネクタと、ポリマーと磁性粒子との混合物によって形成されている複数の第1のセグメントと、磁性粒子のないポリマーによって形成されている複数の第2のセグメントと、を備え、複数の第2のセグメントは、第1のセグメントとコネクタとの間にある、リストバンド。
【0110】
項目C:リストバンドを磁化するための方法であって、第1の磁場を、リストバンドの第1の側の第1の交互極性パターンを有する第1の磁化構成要素と、リストバンドの第2の側の第2の交互極性パターンを有する第2の磁化構成要素であって、第2の交互極性パターンが、第1の交互極性パターンと反対である、第2の磁化構成要素と、の間に印加することと、リストバンドの第2の側の第1の交互極性パターンを有する第2の磁化構成要素を用いて、第2の磁場を印加することと、リストバンドの第1の側の第1の交互極性パターンを有する第1の磁化構成要素を用いて、第3の磁場を印加することと、を含む、方法。
【0111】
上記の項目のうちの1つ以上は、以下に記載される特徴のうちの1つ以上を含むことができる。以下のいずれかの項目は、互いに任意の組み合わせで組み合わされて、それぞれの独立した項目、例えば、A、B、又はCに含められてもよいことに留意されたい。
【0112】
項目1:可撓性磁石が、第1の永久磁石と第2の永久磁石とを含み、リストバンドが、ウォッチハウジングの第1の側に取り付けられるように構成されている第1のバンド部分であって、第1の永久磁石を含む、第1のバンド部分と、ウォッチハウジングの第2の側に取り付けられるように構成されている第2のバンド部分であって、第2の永久磁石を含む、第2のバンド部分と、を更に備える。
【0113】
項目2:第1のバンド部分が、ウォッチハウジングの第1の側に取り付けるための第1のコネクタと、第1の永久磁石と第1のコネクタとの間の第1の軟磁性部分と、を含み、第2のバンド部分が、ウォッチハウジングの第2の側に取り付けるための第2のコネクタと、第2の永久磁石と第2のコネクタとの間の第2の軟磁性部分と、を含む。
【0114】
項目3:外側カバーが皮革を含む。
【0115】
項目4:対の可撓性磁石の間に延びている支持構造体。
【0116】
項目5:支持構造体が穴を備え、穴のそれぞれは、対応する対の可撓性磁石の間に位置決めされている。
【0117】
項目6:可撓性磁石の幅が、支持構造体の幅よりも大きく、そのため対向する対の可撓性磁石が、支持構造体の幅の外側で互いに接続されている。
【0118】
項目7:ウォッチハウジングに接続するように構成されているコネクタであって、コネクタは支持構造体に取り付けられている。
【0119】
項目8:ウォッチハウジングに接続するように構成されているコネクタと、コネクタの反対側の自由端であって、支持構造体が、コネクタから自由端まで連続的に延びている。
【0120】
項目9:ウォッチハウジングに接続するように構成されている第1のコネクタと、第1のコネクタと反対側の自由端と、第1のコネクタと自由端との間に摺動可能に配置されている保持リングであって、保持リングが、ウォッチハウジングに接続するように構成されている第2のコネクタと、開口部と、を備え、リストバンドのストラップ部分が、開口部を通って延び、ストラップ部分自体の上に折り畳まれるように構成されており、可撓性磁石が、リストバンドの第1のセクションに沿った第1の永久磁石と、リストバンドの第2のセクションに沿った第2の永久磁石と、を含み、第2の永久磁石は、第1の永久磁石の磁気の向きとは異なる磁気の向きを有し、第1の永久磁石は、ストラップ部分が、ストラップ部分自体の上に折り畳まれているときに、第2の永久磁石に磁気的に結合するように構成されている。
【0121】
項目10:第1のセグメントの磁性粒子が、永久磁性粒子を含む。
【0122】
項目11:第1のセグメントと第2のセグメントとの間の複数の第3のセグメントであって、複数の第3のセグメントは、ポリマーと軟磁性粒子との混合物によって形成されている。
【0123】
項目12:リストバンドは、ウォッチハウジングの第1の側に取り付けられるように構成されている第1のバンド部分であって、コネクタと、複数の第1のセグメントと、複数の第2のセグメントと、を含む、第1のバンド部分と、ウォッチハウジングの第2の側に取り付けられるように構成されている第2のバンド部分であって、第1のバンド部分に磁気的に結合するように構成されている、第2のバンド部分と、を備える。
【0124】
項目13:コネクタは第1のコネクタであって、リストバンドは、第1のコネクタと反対側の自由端と、第1のコネクタと自由端との間に摺動可能に配置されている保持リングと、を更に備え、保持リングが、ウォッチハウジングに接続するように構成されている第2のコネクタと、開口部と、を備え、リストバンドのストラップ部分が、開口部を通って延び、ストラップ部分自体の上に折り畳まれるように構成されており、複数の第1のセグメントが、リストバンドの第1のセクションに沿った第1の永久磁石と、リストバンドの第2のセクションに沿った第2の永久磁石と、を備え、第2の永久磁石は、第1の永久磁石の磁気の向きとは異なる磁気の向きを有し、第1の永久磁石は、ストラップ部分が、ストラップ部分自体の上に折り畳まれているときに、第2の永久磁石に磁気的に結合するように構成されている。
【0125】
項目14:コネクタの反対側のリストバンドの自由端の焼結永久磁石。
【0126】
項目15:リストバンドが、第1の側と第2の側との間に可撓性磁石を備え、可撓性磁石は、ポリマーと硬磁性材料の粒子との混合物を含み、粒子は、第1の磁化構成要素及び第2の磁化構成要素によって磁気的に整列されて、第2の側を通してよりも第1の側を通して、より多くの磁束を生成する。
【0127】
項目16:第2の磁場が、第1の磁場の大きさよりも小さい大きさを有する。
【0128】
項目17:第1の磁化構成要素の数が、第2の磁化構成要素の数と等しく、第1の磁化構成要素のそれぞれは、第2の磁化構成要素のうちの対応する1つの反対側にある。
【0129】
単数形のエレメントへの言及は、具体的に述べられていない限り、1つ及び唯一のものを意味するものではなく、むしろ1つ以上を意味することを意図している。例えば、「a」モジュールは、1つ以上のモジュールを指すことができる。「a」、「an」、「the」、又は「said」によって続けられたエレメントは、更なる制約無しに、追加の同じエレメントの存在を排除しない。
【0130】
もしあれば、見出し及び小見出しは、便宜上のみに使用され、発明を限定しない。例示的という単語は、例又は例示として示すことを意味するために使用される。含む、有するなどの用語が使用される限りにおいて、そのような用語は、備えるが特許請求の範囲において移行語として使用されるときに解釈されるように、備えるという用語と同様の方法で包括的であることを意図する。第1及び第2などの関係的な用語は、そのようなエンティティ又はアクション間の実際のそのような関係又は順序を必ずしも要求又は示唆することなく、あるエンティティ又はアクションを別のエンティティ又はアクションから区別するために使用され得る。
【0131】
1つの態様、その態様、別の態様、いくつかの態様、1つ以上の態様、1つの実装形態、その実装形態、別の実装形態、いくつかの実装形態、1つ以上の実装形態、1つの実施形態、その実施形態、別の実施形態、いくつかの実施形態、1つ以上の実施形態、1つの構成、その構成、別の構成、いくつかの構成、1つ以上の構成、主題の技術、開示、本開示、それらの他の変形、及び同様のフレーズは、便宜上のものであり、そのようなフレーズ(単数又は複数)に関する開示が主題の技術に不可欠であること、又はそのような開示が主題の技術の全ての構成に適用されること、の意味を含むものではない。そのようなフレーズ(単数又は複数)に関する開示は、全ての構成、又は1つ以上の構成に適用することができる。そのようなフレーズ(単数又は複数)に関する開示は、1つ以上の例を提供することができる。態様又はいくつかの態様などのフレーズは、1つ以上の態様を指すことができ、その逆も同様であり、これは他の前述のフレーズと同様に適用される。
【0132】
本明細書で使用する、一連の項目に先行する「少なくとも1つ」というフレーズは、項目のいずれかを分離する「及び」又は「又は」という用語とともに、リストの各要素ではなく、全体としてリストを修飾する。「少なくとも1つ」というフレーズは、各項目の少なくとも1つの選択を必要とはせず、むしろ、そのフレーズは、項目のうちのいずれか1つの少なくとも1つ、及び/又は項目の任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目のそれぞれのうちの少なくとも1つ、を含む意味を可能にする。例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」というフレーズは、それぞれが、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、A、B、及びCの任意の組み合わせ、並びに/又は、A、B、及びCのそれぞれのうちの少なくとも1つを指す。
【0133】
開示されたステップ、操作、又は工程の特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの一例であることが理解されよう。特に明記しない限り、ステップ、操作、又は工程の特定の順序又は階層は、異なる順序で実行されてもよいことが理解されよう。一部のステップ、操作、又は工程のいくつかは、同時に実行されてもよい。もしあれば、付随する方法の請求項は、サンプル順序での様々なステップ、操作、又は工程のエレメントを提示し、提示された特定の順序又は階層に限定されることを意味しない。これらは、連続的に、直線的に、並行して、又は異なる順序で実行されてもよい。説明された命令、操作、及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア/ハードウェア製品に一緒に統合され得るか、又は複数のソフトウェア/ハードウェア製品にパッケージ化され得ることが理解されるべきである。
【0134】
一つの態様では、結合された、などの用語は、直接的に結合されていることを指すことがある。別の態様では、結合された、などの用語は、間接的に結合されていることを指すことがある。
【0135】
頂部、底部、前部、後部、側部、水平、垂直などの用語は、通常の重力基準フレームではなく、任意の基準フレームを指す。したがって、このような用語は、重力基準フレームにおいて、上方、下方、斜め、又は水平に延びることができる。
【0136】
本開示は、当業者が本明細書で説明した様々な態様を実施することを可能にするために提供される。いくつかの例では、主題の技術の概念を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造体及び磁石がブロック図の形式で示されている。本開示は、主題技術の様々な例を提供するものであり、主題技術はこれらの例に限定されない。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で説明される原理は、他の態様にも適用することができる。
【0137】
当業者に知られている、又は後に知られるようになる、本開示を通じて説明される様々な態様のエレメントに対する全ての構造的及び機能的な均等物は、参照により明示的に本明細書に組み込まれ、かつ、特許請求の範囲に包含されるものと意図する。更に、本明細書で開示されたいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲に明白に列挙されているかどうかにかかわらず、公に供するものではない。いかなる特許請求の範囲のエレメントも、エレメントがフレーズ「手段(means for)」を使用して明示的に列挙するか、又は方法の請求項の場合には、エレメントがフレーズ「ステップ(step for)」を使用して列挙しない限り、米国特許法第112条第6項の規定に基づいて解釈されるべきではない。
【0138】
発明の名称、背景、図面の簡単な説明、要約、及び図面は、これによって本開示に組み込まれ、限定的な説明ではなく、本開示の用例として提供される。それらは、請求項の範囲又は意味を制限するために使用されないことを理解して提出されている。加えて、詳細な説明では、説明が用例を提供し、様々な特徴が開示を合理化する目的で様々な実装形態において一緒にグループ化されていることが分かり得るであろう。開示された方法は、特許請求された主題が、それぞれの請求項において明示的に列挙されているよりも多くの特長を必要とするという意図を表すものと、解釈してはならない。むしろ、特許請求の範囲が表すように、本発明の主題は、単一の開示された構成又は動作の全ての特徴よりも少ない。特許請求の範囲は、これによって詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別々に請求される主題として独立して存在している。
【0139】
特許請求の範囲は、本明細書に記載される態様に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲の文言と一致する全ての範囲が与えられ、全ての法的等価物を包含するものとする。それにもかかわらず、請求項のいずれも、適用され得る特許法の要件を満たし損なう主題を包含することを意図するものではなく、そのように解釈されるべきでもない。
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