(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-02
(45)【発行日】2023-06-12
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230605BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230605BHJP
H10K 50/842 20230101ALI20230605BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20230605BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20230605BHJP
【FI】
G09F9/30 308D
G09F9/30 349C
G09F9/00 302
G09F9/30 349Z
H10K50/842
H10K50/844
H10K59/10
(21)【出願番号】P 2021569094
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(86)【国際出願番号】 CN2020102795
(87)【国際公開番号】W WO2021077821
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2021-11-19
(31)【優先権主張番号】201911000579.0
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516189213
【氏名又は名称】クンシャン ゴー-ビシオノクス オプト-エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Go-Visionox Opto-Electronics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone, Kunshan, Jiangsu 215300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ミンシン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ ドン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユエタオ
(72)【発明者】
【氏名】ガン シャイヤン
(72)【発明者】
【氏名】リ ウェイリー
(72)【発明者】
【氏名】フェン シーツェン
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108681131(CN,A)
【文献】特開2019-139232(JP,A)
【文献】特開2019-133935(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0214600(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0053377(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0068287(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0073695(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
H01L 51/50
H05B 27/28
H05B 33/00 - 33/28
H10K 44/00
H10K 45/60
H10K 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向に貫通孔が設けられた表示パネルであって、前記貫通孔を囲む枠領域と、前記枠領域を囲む表示領域とを含む表示パネルと、
前記表示パネルを覆うカバープレートであって、前記表示領域を覆う第1領域と、前記枠領域を覆い、前記表示パネルに近い表面に遮光部が設けられた第2領域と、前記貫通孔を覆う第3領域と、を含むカバープレートと、を含み、
前記遮光部の前記表示パネルに近い表面の粗さは、前記第1領域及び前記第3領域の前記表示パネルに近い表面の粗さよりも大きい表示装置。
【請求項2】
前記遮光部は、前記第2領域の前記表示パネルに近い前記表面を含み、或いは、
前記遮光部は、前記第2領域の前記表示パネルに近い全面を覆う、前記遮光部は、金属層を含む請求項
1に記載の表示装置。
【請求項3】
厚さ方向に貫通孔が設けられた表示パネルであって、前記貫通孔を囲む枠領域と、前記枠領域を囲む表示領域とを含む表示パネルと、
前記表示パネルを覆うカバープレートであって、前記表示領域を覆う第1領域と、前記枠領域を覆い、前記表示パネルに近い表面に遮光部が設けられた第2領域と、前記貫通孔を覆う第3領域と、を含むカバープレートと、を含み、
前記枠領域の基板に複数の溝が形成され、隣接する溝の間に突起が形成され、
前記溝及び前記突起に発光層が配置され、前記発光層は前記溝と前記突起との間で不連続である表示装置。
【請求項4】
厚さ方向に貫通孔が設けられた表示パネルであって、前記貫通孔を囲む枠領域と、前記枠領域を囲む表示領域とを含む表示パネルと、
前記表示パネルを覆うカバープレートであって、前記表示領域を覆う第1領域と、前記枠領域を覆い、前記表示パネルに近い表面に遮光部が設けられた第2領域と、前記貫通孔を覆う第3領域と、を含むカバープレートと、
光干渉層と、を含み、
前記枠領域は、基板と、前記基板上に設けられた光学ゼリー状層とを含み、前記光干渉層は、前記光学ゼリー状層に接して前記枠領域内に設けられ、前記表示領域からの光が前記貫通孔から横漏れることを防止するために用いられ、
前記光干渉層は、前記カバープレートに形成され、前記カバープレートと共に前記表示パネルに貼り付けられる表示装置。
【請求項5】
前記光干渉層は、前記光学ゼリー状層の前記カバープレートに近い表面に設けられて、或いは、
前記光干渉層は、前記光学ゼリー状層の前記カバープレートに近い全面を覆う請求項
4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記光干渉層は、表面粗さの高い有機材料、黒色ゼリー状体、プリズムのいずれか一つを含み、
前記光干渉層は、前記光学ゼリー状層の内部の前記表示領域に近い側に設置され、前記カバープレートに接触している請求項
4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルに垂直な方向において、前記光干渉層の高さと、前記光学ゼリー状層の高さとは、次の関係を満たし、
0.5×h2≦h1≦0.8×h2
ただし、前記h1は前記光干渉層の高さであり、前記h2は前記光学ゼリー状層の高さである請求項
6に記載の表示装置。
【請求項8】
厚さ方向に貫通孔が設けられた表示パネルであって、前記貫通孔を囲む枠領域と、前記枠領域を囲む表示領域とを含む表示パネルと、
前記表示パネルを覆うカバープレートであって、前記表示領域を覆う第1領域と、前記枠領域を覆い、前記表示パネルに近い表面に遮光部が設けられた第2領域と、前記貫通孔を覆う第3領域と、を含むカバープレートと、
光干渉層と、を含み、
前記枠領域は、基板と、前記基板上に設けられた光学ゼリー状層とを含み、
前記光干渉層は、前記カバープレートの前記第3領域の境界領域に沿って周方向に延在するように配置される表示装置。
【請求項9】
前記光干渉層の前記表示パネルに垂直な方向の高さと、前記光学ゼリー状層の前記表示パネルに垂直な方向の高さとは、同じであり、前記光干渉層は中空筒体である請求項
8に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示の技術分野に関し、特に表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、2019年10月21日に中国特許局に出願されて出願番号が201911000579.0で名称が「表示装置」である中国特許出願を優先権として主張する。ここで、その全体を援用により本願に取り込まれている。
【0003】
表示の技術の発展に伴い、画面占有率が高いディスプレーはますます普及している。一般に、表示装置のカメラは、ディスプレーの非表示領域に配置される。現在、ディスプレーの画面占有率を高めるために、以下の方法が提案されている。表示領域に孔を開き、表示領域の開孔領域にカメラやスピーカーなどの素子を配置することにより、ディスプレーの非表示領域を取り消す。しかし、表示領域に孔を開くと、有機発光層の光の横漏れが発生しやすくなり、カメラの撮影効果やディスプレーの表示性に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の各実施例は、表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
表示パネルと、前記表示パネルを覆うカバープレートを含む表示パネルを提供する。表示パネルには、厚さ方向に貫通孔が設けられる。前記表示パネルは、枠領域と、表示領域を含む。前記枠領域は前記貫通孔を囲む。前記表示パネルは前記枠領域を囲む。前記カバープレートは、前記表示領域を覆う第1領域と、前記枠領域を覆い、前記表示パネルに近い表面に遮光部が設けられた第2領域と、前記貫通孔を覆う第3領域と、を含む。
【0006】
上記の表示装置において、カバープレートは、第1領域と、第2領域と、第3領域とに区画され、第1領域は表示領域を覆い、第2領域は枠領域を覆い、第3領域は貫通孔を覆う。カバープレートの第2領域の表示パネルに近い表面に遮光部が配置され、すなわち、遮光部が貫通孔を囲むように配置され、これにより、遮光部で表示領域からの光を反射または吸収し、それらの光の進行経路を変化させる。これにより、表示領域からの光が貫通孔から射出されることが防止されるので、カメラモジュールの感光性が向上し、カメラモジュールの感光性が向上する。また、表示装置の表示性を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本願の一実施例に係る表示装置の概略断面構造図である。
【
図2】本願の一実施例に係る表示装置の平面図である。
【
図3】
図2の点線A-A’に沿った表示装置の概略部分断面図である。
【
図4】本願の他の実施例に係る表示装置の概略断面構造図である。
【
図5】本願の
図4の点線枠Bの断面構造の概略部分拡大図である。
【
図6】本願の別の実施形態に係る表示装置の概略断面構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本出願の目的、特徴及び利点を明確に理解するために、本出願の特定の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。本出願の理解を深めるために、以下の明細書には多数の具体的な内容が記載されている。しかし、本出願は、本明細書に記載されている方法以外にも多くの方法で実施することができ、当業者は、本出願の範囲を逸脱することなく、種々の改良や変更を行うことができるので、本出願は、以下に開示された各実施例に限定されるものではない。
【0009】
背景技術で述べたように、画面占有率が高くなることは、表示パネルの開発傾向である。ディスプレーの画面占有率を大きくするために、ディスプレーの非表示領域を取り消すことで表示領域の面積を大きくすることができる。非表示領域が取り消された場合に、正面カメラモジュールを実装するために、正面カメラモジュールを入れる貫通孔を形成するように表示領域を開孔し、正面カメラモジュールを表示領域の該貫通孔内に配置することで、ディスプレーの画面占有率を大幅に向上させることができる。しかし、開孔した表示領域の光が貫通孔から漏れ出て、貫通孔内に配置されたカメラモジュールの感光性に影響を与える可能性がある。また、光漏れにより表示パネルの表示性も低下する。
【0010】
上記技術的課題に鑑み、本発明の各実施例は、光を反射または吸収するための遮光部が貫通孔の周囲に配置され、および/または、光の進行経路を変化させるための光干渉層が貫通孔の周囲に配置されることで、貫通孔からの光の漏れを防止し、正面カメラモジュールの感光性と表示装置の表示性との両方を向上させる表示装置を提供する。
【0011】
図1を参照し、本願の一実施例に係る表示装置は、表示パネル100と、表示パネル100を覆うカバープレート200とを備える。
【0012】
表示パネル100には、その厚み方向に貫通する貫通孔110が設けられている。表示パネル100は、表示領域120と枠領域130とをさらに備え、枠領域130は表示領域120に囲まれ、貫通孔110は枠領域130に囲まれている。貫通孔110は、正面カメラ等のカメラモジュールを装着可能に構成されている。貫通孔110は、断面が円形または他の形状を有していてもよい。枠領域130は、貫通孔110の周囲の非表示領域であり、すなわち、枠領域130は表示に用いられない。表示領域120は、基板121と、画素回路層122と、発光層123と、第1無機層124と、有機層125と、第2無機層126とを含む。第1無機層124、有機層125及び第2無機層126は、表示パネル100のパッケージ構造を構成する。枠領域130は、基板121と、基板121上に設けられた光学ゼリー状層131とを含む。枠領域130の基板121には、複数の溝134が設けられている。隣接する溝134の間に突起136が設けられている。溝134および突起136には、発光層123、第1無機層124および第2無機層126が順次に堆積される。枠領域130に形成された溝134は、表示領域120内の有機発光層123を遮断し、枠領域130内の有機発光層123の延びを不連続なものとすることで、枠領域130内の有機発光層123が発光しないようにするためのものである。また、溝134は、応力を分散させて、破断が発生して表示性に影響することを防止することもできる。枠領域130は、パッケージ構造の縁に近い隔壁132をさらに含む。隔壁132は、有機層125が貫通孔110内に流入することを防止するように、表示領域を貫通孔から隔離するように構成する。
【0013】
カバープレート200は、ガラス製のカバープレートであってもよく、他の透明材料からなるカバープレートであってもよい。カバープレート200は、第1領域210と、第2領域220と、第3領域230とを含む。第1領域210は、表示領域120を覆う。第2領域220は、枠領域130を覆う。第3領域230は、貫通孔110を覆う。第2領域220における表示パネル100に近い面に遮光部221が設けられている。ここで、カバープレート200の表示パネル100に近い面を下面と呼び、カバープレート200の表示パネル100から離れた面を上面と呼ぶ。これにより、遮光部221は、カバープレート200の第2領域220の下面に配置されることとなる。表示領域120からの光が枠領域130に入射したときに遮光部221で反射されるので、これらの光の進行経路が変化し、貫通孔110からの光の射出が防止される。また、遮光部221は、表示領域120からの光を吸収することで、枠領域130に入る光を低減させることもできる。このため、貫通孔110から射出される光を大幅に低減させることができ、貫通孔110内に配置されたカメラモジュールの感光性を向上させることができる。本実施例では、遮光部221は、第2領域220の下面全体を覆ってもよく、または、第2領域220の下面の一部を覆ってもよい。
【0014】
上記実施例に係る表示装置において、カバープレート200の枠領域130の下面に遮光部221を配置し、遮光部221で表示領域120からの光の進行経路を変更し、及び/又は、表示領域120からの光を吸収することで、光が貫通孔110を介して射出されることを減らす又は防止することができ、貫通孔110におけるカメラモジュールの感光性を向上させるとともに、表示パネル100の表示性を向上させることができる。
【0015】
一つの実施例では、カバープレート200の第2領域220の下面の粗さは、カバープレート200の第1領域210および第3領域230の下面の粗さよりも大きい。本実施例では、遮光部221は即ち第2領域220における粗い下面である。表示領域120からの光がカバープレート200の第2領域220の下面に到達すると乱反射が生じるので、貫通孔110から漏れ出る光を低減させることができ、カメラモジュールの感光性及び表示装置の表示性を向上させることができる。本実施例では、カバープレート200の第2領域220の下面の粗さが、第1領域210及び第3領域230の下面の粗さよりも大きくなるように、カバープレート200の第2領域220の下面をショットピーニング等の方法で前処理して該下面の粗さを増やしてもよい。
【0016】
一つの実施例では、遮光部221は金属層であってもよい。金属層は、まずカバープレート200の第2領域220の下面に堆積され、そしてカバープレート200と共に表示パネル100の表面に貼り付けることができる。金属層で光の正反射を形成して光の進行経路を乱すことで、表示領域120からの光が貫通孔110から漏出することを防止する。
【0017】
一つの実施例において、
図2を参照し、
図2は本願の一つの実施例に係る表示装置の概略平面図である。表示装置は、さらに、光干渉層300を含む。光干渉層300は、表示領域120と貫通孔110との間の枠領域130に配置され、貫通孔110を取り囲む。光干渉層300は、表示領域120からの光を吸収したり、表示領域120からの光の進行経路を変更したりして、貫通孔110からの光の漏れを防止する。
【0018】
具体的には、
図3を参照し、
図3には
図2の点線A-A’に沿った表示装置の概略部分断面図が示されている。光干渉層300は、光学ゼリー状層131のカバープレート200に近い上面に配置され、表示領域120からの光の進行経路を変更したり、表示領域120からの光を吸収したりする。一つの実施例では、光干渉層300は、光学ゼリー状層131の上面全体、または光学ゼリー状層131の上面の一部を覆うことができる。本実施例において、光干渉層300は、黒色ゼリー状体であってもよい。枠領域130に光学ゼリー状層131を形成した後、光学ゼリー状層131の上面に黒色ゼリー状体を塗布することができる。または、カバープレート200の第2領域220の下面に黒色ゼリー状体を塗布した後、黒色ゼリー状体とともにカバープレート200を表示パネル100の表面に貼り付けることもできる。黒色ゼリー状体の光吸収効果を利用して表示領域120からの光を吸収することにより、貫通孔110から漏れ出る光を低減し、貫通孔110内に配置されたカメラモジュールの感光効果に対する表示領域120の光の横漏れの影響を低減し、表示装置の表示性を向上させる。もちろん、光干渉層300は、表示領域120からの光の進行経路を変更したり、表示領域からの光を吸収したりすることができれば、代わりにプリズム及び/または表面粗さの高い有機材料を採用してもよい。例えば、プリズムでは光を屈折させて光の進行経路を変更することができ、表面粗さの高い有機材料では光を乱反射させて光の進行経路を変更することができる。粗さの高い有機材料としては、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸タングステン、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸チタン等が挙げられる。
【0019】
上記実施例に係る表示装置において、貫通孔110と表示領域120との間の枠領域130に光干渉層300が配置され、光干渉層300が光学ゼリー状層131上に配置されて貫通孔110を包囲していることで、光干渉層300により表示領域120からの光の進行経路を変更し、貫通孔110からの光の漏れを防止することができる。これにより、例えばカメラの撮影に対する光の横漏れの影響をなくし、表示装置の表示性を向上させることができる。
【0020】
一つの実施例では、
図4を参照し、本願の一つの実施例に係る表示パネルの概略断面構造図を示す。本実施例では、光干渉層300は、光学ゼリー状層131の内に設けられてもよい。具体的には、光干渉層300は、光学ゼリー状層131の内部における表示領域120に近い側に配置され、枠領域130における突起136に対応する位置よりも上方に位置している。本実施例では、光学ゼリー状層131を形成した後に、光学ゼリー状層131の表示領域120に近い部分をエッチングして、光学ゼリー状層131の溝を形成し、該溝の内に光干渉層300を形成することができる。光干渉層300は、黒色ゼリー状体であってもよい。黒色ゼリー状体は、表示領域120に近くて貫通孔110を囲むように配置されるので、より良好な遮光効果を得ることができ、貫通孔110から漏れ出た光を効果的に遮光し、カメラモジュールの感光性と表示装置の表示性とを共に向上させることができる。
【0021】
図5を参照し、
図5は
図4の点線枠Bにおける断面構造の概略部分拡大図である。
図5に示すように、光干渉層300の表示パネル100に垂直な方向の高さをh1、光干渉層300に対応する位置で光学ゼリー状層131の表示パネル100に垂直な方向の高さをh2としたとき、光干渉層300の高さh1と光学ゼリー状層131の高さh2とは、次の関係を満たす。
【0022】
0.5×h2≦h1≦0.8×h2
【0023】
光干渉層300の高さh1が小さすぎて、例えば0.5×h2未満であると、遮光効果が不十分となり、比較的多くの光が漏れ出す。光干渉層300の高さが大きすぎて、例えば0.8×h2よりも大きくなると、光干渉層300の端部と第2無機層126との間の距離が小さすぎるため、光学ゼリー状層131をエッチングして溝を形成する際に第2無機層126が損傷しやすくなる。また、光干渉層300と第2無機層126との間の距離が小さすぎると、この箇所の応力が相対的に大きくなり、表示パネル100が曲げられるまたは外部の応力が印加されるときに第2無機層126は破損しやすくなり、封止効果に影響を与える。したがって、光干渉層300の厚さを適正に設定することにより、封止効果に影響を与えずに光干渉層300の遮光効果を高め、カメラモジュールの感光性や表示装置の表示性を向上させることができる。
【0024】
図6を参照し、
図6は本願の一つの実施例に係る表示パネルの概略断面構造図である。本実施例では、光干渉層300は、光学ゼリー状層131の貫通孔110に近い側の表面に配置することができ、すなわち、光干渉層300は、貫通孔110の内面を囲むように配置される。光干渉層300の表示パネル100に垂直な方向の高さと、光学ゼリー状層131の表示パネル100に垂直な方向の高さとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。光干渉層300の表示パネル100に垂直な方向の高さと、光学ゼリー状層131の表示パネル100に垂直な方向の高さとが同じであると、光干渉層300によってより良好な遮光効果を得ることができ、カメラモジュールの感光性および表示パネル100の表示性を大幅に向上させることができる。
【0025】
本実施例において、光干渉層300は、黒色ゼリー状体、プリズム、表面の粗さが相対的に高い有機材料のいずれであってもよい。一つの実施例では、光干渉層300は、黒色ゼリー状体であってもよい。光干渉層300が黒色ゼリー状体である実施例において、光学ゼリー状層131を形成しながら、貫通孔110の内側壁に黒色ゼリー状体を形成することができる。あるいは、光学ゼリー状層131を形成した後、ディスペンサプロセスを用いて貫通孔110の側壁に黒色ゼリー状体の層を形成してもよい。
【0026】
あるいは、カバープレート200を形成した後に、カバープレート200の第3領域230に環状の光干渉層300を形成し、光干渉層300の形状と貫通孔110の形状とを合わせてもよい。例えば、第3領域230の境界領域に環状の光干渉層300を形成することができ、すなわち、光干渉層300は中空円筒である。カバープレート200に垂直な方向において光干渉層300の高さと光学ゼリー状層131の高さとを同一にすることができる。カバープレート200に光干渉層300を形成した後、カバープレート200と光干渉層300とをともに表示パネル100に貼り付ける。そのうち、光干渉層300を貫通孔110の内側壁に貼り付け、中空部は正面カメラやスピーカー等の素子を取り付けるためのものとする。
【0027】
なお、表示パネル100は、光干渉層300のみを有し、遮光部221を有さなくてもよい。この場合、光の進行経路を変更することもできる。
【0028】
上記実施形態の表示装置では、環状の光干渉層300が表示装置の貫通孔110の内側側壁に配置されているので、表示領域120からの光を遮断したり、光の進行経路を変更したりすることができ、光が貫通孔110に横漏れて外部に出力されることはなくなり、カメラモジュールの感光性や表示パネル100の表示性を向上させることができる。
【0029】
上記実施形態の技術的特徴は、任意に組み合わせることができる。説明を簡単にするために、上記実施例における技術的特徴のすべての可能な組合せは記載されていない。しかし、これらの技術的特徴の組合せに矛盾がない限り、組合せは本出願の範囲内にあるべきである。
【0030】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態のみであり、それらの説明は具体的かつ詳細であるが、本願の範囲を限定することを意図したものとして理解すべきではない。当業者にとって、本願の概念から逸脱しない場合種々の変更及び改良を行うことができ、これらがすべて本出願の保護範囲内であることは理解すべきである。したがって、本願の特許保護範囲は、添付の請求項によって定義される。