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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】画像記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20230606BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
B41J2/175 121
B41J2/175 119
B41J2/175 301
B41J29/46 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019084941
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020179610
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 貞明
(72)【発明者】
【氏名】洞出 賢太
(72)【発明者】
【氏名】江▲崎▼ 信也
(72)【発明者】
【氏名】森川 淳
【審査官】小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-274549(JP,A)
【文献】特開2002-307719(JP,A)
【文献】特開平11-010900(JP,A)
【文献】特開2012-096379(JP,A)
【文献】特開2007-083548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
B41J 29/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費材を貯留する第1室、及び上記第1室内の消費材が流出する第1流出口を有する第1カートリッジと接続可能なタンクであって、消費材を貯留する第3室、及び接続された上記第1カートリッジの上記第1流出口から流出した消費材が流入する第1流入口を有する第1タンクと、
消費材を貯留する第2室、及び上記第2室内の消費材が流出する第2流出口を有する第2カートリッジと接続可能なタンクであって、消費材を貯留する第4室、及び接続された上記第2カートリッジの上記第2流出口から流出した消費材が流入する第2流入口を有する第2タンクと、
コントローラと、を備え、
上記コントローラは、
上記第1タンクに接続された上記第1カートリッジの上記第1室に貯留されている消費材が無くなったこと又は第1閾値より少なくなったことを検知し、
上記第1タンクに接続された上記第1カートリッジの上記第1室に貯留されている消費材が無くなったこと又は第1閾値より少なくなったことを検知した後の所定タイミングにおいて、上記第2カートリッジの上記第2室に貯留されている消費材が第2閾値より少ないか否かを判定し、
上記第2室に貯留されている消費材が第2閾値より少ないと判定した場合、上記第4室に貯留可能な消費材の貯留量である限界貯留量を増加する画像記録装置。
【請求項2】
上記コントローラは、
上記第1室に貯留された消費材の残量を取得し、
取得した上記第1室の残量が、ゼロまたは上記第1閾値より少ないと判定したことに応じて第1報知を報知し、
上記第2室に貯留された消費材の残量を取得し、
取得した上記第2室の残量が、ゼロまたは上記第2閾値より少ないと判定したことに応じて第2報知を報知する請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記画像記録装置は、通信インタフェースを更に備えており、
上記コントローラは、
取得した上記第1室の残量がゼロまたは上記第1閾値より少ないと判定したこと、及び上記限界貯留量を増加したことを条件として、上記第1カートリッジ及び上記第2カートリッジの発注を指示する発注情報を上記通信インタフェースを通じて送信する請求項1又は2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
上記画像記録装置は、上記第2室から上記第4室へ消費材を流通させるポンプを備え、
上記コントローラは、上記ポンプにより、上記限界貯留量を変更する請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
上記第2タンクは、上記第4室を区画し移動する移動部を備え、
上記コントローラは、上記移動部を移動させて上記第4室の容積を増加させることで上記限界貯留量を増加する請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項6】
上記第2タンクは、
上記第4室を大気に連通させる大気連通口と、
上記第2カートリッジが接続されているときに上記第2室と連通し、貫通孔を介して上記第4室と連通する第1流路を構成しており、少なくとも上記貫通孔が上昇可能な第1筒体と、
上記第2カートリッジが接続されているときに上記第2室と連通し、上記第2流入口を介して上記第4室と連通する第2流路を構成している第2筒体と、を備え、
上記貫通孔は、上記大気連通口より下方に位置しており、
上記限界貯留量は、上記第4室のうち上記貫通孔より下の部分の容積であり、
上記コントローラは、上記貫通孔を上昇させることで上記限界貯留量を増加する請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジが装着されてカートリッジから消費材が流通するタンクを備える画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カートリッジが装着されてカートリッジから消費材の一例としての液体が流通するタンクを備える画像記録装置が、知られている(例えば、特許文献1参照)。このような画像記録装置では、カートリッジに貯留された液体が無くなると、タンクに貯留された液体が消費されている間に、新たなカートリッジがタンクに装着される。これにより、新たなカートリッジからタンクへ液体が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-213754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のカートリッジが装着可能な画像記録装置において、複数のカートリッジがまとめて購入されることがある。複数の新たなカートリッジがユーザの元にあると、液体が無くなったカートリッジが交換されるときに、未だ液体が残っているカートリッジも一緒に交換されるおそれがある。特に、所定期間に印刷可能な限度枚数が設定されており、その限度枚数の範囲内であれば、新たなカートリッジの購入に課金がされない契約が、ユーザとサービス提供者との間で締結されている態様においては、サービス提供者は、タンク内の液体が無くなるより前に、新たなカートリッジをユーザに提供することがある。そして、新たなカートリッジについて課金がされないユーザは、未だ液体が残っているカートリッジを交換しても、経済的な損失が生じない。しかしながら、液体が残っているカートリッジが交換されて廃棄されることは、液体に無駄が生じるので、望ましくない。
【0005】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カートリッジ内に残したまま交換されることで無駄となる液体を低減する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では様々な開示を行う。開示例の画像記録装置は、消費材を貯留する第1室、及び上記第1室内の消費材が流出する第1流出口を有する第1カートリッジと接続可能なタンクであって、消費材を貯留する第3室、及び接続された上記第1カートリッジの上記第1流出口から流出した消費材が流入する第1流入口を有する第1タンクと、消費材を貯留する第2室、及び上記第2室内の消費材が流出する第2流出口を有する第2カートリッジと接続可能なタンクであって、消費材を貯留する第4室、及び接続された上記第2カートリッジの上記第2流出口から流出した消費材が流入する第2流入口を有する第2タンクと、コントローラと、を備える。上記コントローラは、上記第1タンクに接続された上記第1カートリッジの上記第1室に貯留されている消費材が無くなったこと又は第1閾値より少なくなったことを検知し、上記第1タンクに接続された上記第1カートリッジの上記第1室に貯留されている消費材が無くなったこと又は第1閾値より少なくなったことを検知した後の所定タイミングにおいて、上記第2カートリッジの上記第2室に貯留されている消費材が第2閾値より少ないか否かを判定し、上記第2室に貯留されている消費材が第2閾値より少ないと判定した場合、上記第4室に貯留可能な消費材の貯留量である限界貯留量を増加する。
【0007】
第1室に貯留された消費材の残量又は第3室に貯留された消費材の残量の少なくとも一方が、第1閾値より少ないと判定されたことにより、ユーザが第1カートリッジを交換することが想定される。第2室の残量が、第2閾値より少ないと判定されると、第4室に貯留可能な消費材の限界貯留量が増加するので、第2室の印刷材が第4室に移動する。これにより、ユーザが、第1カートリッジとともに第2カートリッジを交換しても、交換された第2カートリッジに残っている消費材の残量を少なくできる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カートリッジ内に残したまま交換されることで無駄となる液体を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係るプリンタ10の機能ブロック図である。
図2図2(A)は、カバー22が閉じられた状態のプリンタ10の斜視図であり、図2(B)は、カバー22が開かれた状態のプリンタ10の斜視図である。
図3図3は、プリンタ10の模式的な断面図である。
図4図4は、ポンプ87及びバルブ88の動作を示す説明図である。
図5図5は、メイン処理のフローチャートである。
図6図6(A)は、報知処理のフローチャートであり、図6(B)は、CTG交換処理のフローチャートである。
図7図7は、変形例1における通知処理のフローチャートである。
図8図8は、待機画面を示す図である。
図9図9は、変形例2における動作を示す説明図である。
図10図10は、変形例3における動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
【0011】
本実施形態では、図1及び図2に示されるプリンタ10を説明する。なお、図1に示される情報処理装置11及び駆動モータ86については、変形例1及び変形例2において説明する。
【0012】
[プリンタ10]
プリンタ10は、図2に示されるように、筐体20と、筐体20に保持されるパネルユニット21、カバー22、給紙トレイ23、及び排紙トレイ24と、を備える。
【0013】
パネルユニット21は、パネル本体41と、パネル本体41に保持されたタッチパネル42及び複数の操作スイッチ45と、を備える。パネル本体41は、矩形板状であり、筐体20の一面に取り付けられている。以下では、プリンタ10が水平面に載置された状態において、パネル本体41が位置する筐体20の一面を前面として前後方向8を定義し、鉛直方向に沿う方向を上下方向7として説明する。また、プリンタ10を前方から見た場合の左右を左右方向9として定義して説明する。前後方向8及び左右方向9は、水平面と平行であって、かつ上下方向7とそれぞれ直交しており、さらにかつ、互いに直交している。
【0014】
タッチパネル42は、図1に示されるように、画像を表示する表示パネル43と、表示パネル43に重畳された透明な膜状のタッチセンサ44と、を有する。タッチセンサ44は、ユーザがタッチした表示パネル43における位置を示す位置情報を出力する。タッチパネル42の表示パネル43及びタッチセンサ44は、ケーブルなどによって、後述のコントローラ51(図1)と接続されている。コントローラ51は、表示パネル43に画像データを出力して表示パネル43に画像を表示させる。また、コントローラ51は、タッチセンサ44が出力した位置情報を受け付ける。なお、タッチセンサ44と操作スイッチ45との一方のみがパネルユニット21に設けられていてもよい。
【0015】
給紙トレイ23は、図2に示されるように筐体20の下部に位置しており、着脱可能に筐体20に保持されている。排紙トレイ24は、筐体20の下部であって、給紙トレイ23の上に位置しており、給紙トレイ23或いは筐体20に保持されている。
【0016】
カバー22は、筐体20の前面の右部に位置しており、回動可能に筐体20に保持されている。カバー22は、筐体20の右部に設けられた開口を閉塞する閉塞位置と、開口を開放する開放位置との間で回動する。装着ユニット30が、開口の奥に配置されており、筐体20に保持されている。装着ユニット30は、カートリッジ13を着脱自在に保持する。詳しくは、後述する。
【0017】
カバー22の開閉を検出するカバーセンサ46(図1)が筐体20に取り付けられている。カバーセンサ46は、例えば、発光ダイオード及びフォトダイオードを有するフォトインタラプタである。カバー22は、閉塞位置において発光ダイオードの光路上に位置し、開放位置において当該光路上から外れる不図示の検出片を有する。カバーセンサ46は、カバー22が閉塞位置にある場合と、開放位置にある場合とで異なる検出信号を出力する。以下では、カバーセンサ46は、カバー22が閉塞位置にある場合に第1検出信号を出力し、カバー22が開放位置にある場合に第2検出信号を出力するものとして説明する。なお、カバーセンサ46は、押圧部を有するタクトスイッチなどの機械スイッチなどであってもよい。その場合、カバー22は、検出片に代えて、閉塞位置において上記押圧部を押圧する突出片を有する。
【0018】
カバーセンサ46は、ケーブルなどによって後述のコントローラ51(図1)と接続されている。すなわち、カバーセンサ46が出力する検出信号は、コントローラ51に入力される。コントローラ51は、カバーセンサ46から入力した検出信号が第1検出信号であるか第2検出信号であるかにより、カバー22が開かれているか、閉じられているかを判断する。
【0019】
筐体20は、図3に示される印刷エンジン40を内部に保持する。印刷エンジン40は、給紙ローラ25、搬送ローラ26、排紙ローラ27、プラテン28、及び記録ユニット29を備える。給紙ローラ25は、給紙トレイ23に載置されたシート6に当接可能に、筐体20内に設けられた不図示のフレームに保持されている。給紙ローラ25は、不図示のモータによって回転される。回転する給紙ローラ25は、シート6を搬送路37に送り出す。搬送路37は、不図示のガイド部材によって区画された空間である。図示例では、搬送路37は、給紙トレイ23の後端から給紙トレイ23の上方となる位置まで湾曲して延びており、次いで、前方に向かって延びている。
【0020】
搬送ローラ26は、シート6の搬送向きにおける給紙トレイ23の下流に位置している。搬送ローラ26は、従動ローラ35とともにローラ対を構成している。搬送ローラ26は、不図示のモータによって回転される。回転する搬送ローラ26及び従動ローラ35は、給紙ローラ25によって搬送路37に送り出されたシート6を挟持しつつ搬送する。排紙ローラ27は、シート6の搬送向きにおける搬送ローラ26の下流に位置している。排紙ローラ27は、従動ローラ36とともにローラ対を構成している。排紙ローラ27は、不図示のモータによって回転される。回転する排紙ローラ27及び従動ローラ36は、シート6を挟持しつつ搬送し、排紙トレイ24に排出する。プラテン28は、前後方向8における搬送ローラ26と排紙ローラ27との間であって、シート6の搬送向きにおける搬送ローラ26の下流、かつ排紙ローラ27の上流に位置している。
【0021】
記録ユニット29は、プラテン28の上方に位置している。記録ユニット29は、フレームの一部であるガイドレールによって左右方向9に移動可能に保持されていてもよいし、フレームに固定されていてもよい。すなわち、プリンタは、いわゆるシリアルプリンタであってもよいし、いわゆるラインプリンタであってもよい。
【0022】
記録ユニット29は、ヘッド31を有する。ヘッド31は、インクが流通する流路を内部に有する。当該流路は、チューブ32によって、後述のサブタンク72の内部空間と連通されている。すなわち、チューブ32を通じて、サブタンク72が貯留するインクが記録ユニット29のヘッド31に供給される。ヘッド31は、圧電素子やヒータなどである駆動素子を有している。駆動素子は、上述の流路に設けられている。圧電素子は、直流電圧を供給されることにより変形し、流路の開口であるノズルからインク滴を吐出させる。ヒータは、直流電圧を供給されることによりインクを突沸させ、ノズルからインク滴を吐出させる。
【0023】
装着ユニット30は、図2に示されるように、筐体20に保持された装着ケース71を備えている。装着ケース71は、複数のカートリッジ13を着脱可能に保持する。図示例では、装着ケース71は、4つのカートリッジ13を着脱可能に保持している。4つのカートリッジ13は、例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの色のインクのうちの1つの色のインクをそれぞれ貯留する。すなわち、プリンタ10は、いわゆるカラーのインクジェットプリンタである。ただし、装着ケース71は、インクではなく、トナーを収容する複数のカートリッジを着脱可能に保持してもよい。すなわち、プリンタ10は、いわゆるカラーのレーザプリンタであってもよい。インク及びトナーは、消費材の一例である。
【0024】
図3に示されるように、1つのカートリッジ13と対応付けて、1つのサブタンク72、1つのポンプ87、1つのバルブ88、1つの液面センサ33、1つのカートリッジI/F74、1つのニードル75、及び1つの流路部材70からなる1つのセットが設けられている。すなわち、4つの上記セットが装着ケース71に設けられている。各セットの構成は略同一であるので、以下では、1つのセットについて説明する。
【0025】
カートリッジI/F74は、端子である。「I/F」は、インタフェースの略である。カートリッジI/F74は、装着ケース71に装着されたカートリッジ13が有するICチップ14の不図示の電極と当接する位置に設けられている。カートリッジI/F74は、不図示のケーブルによって、後述のコントローラ51と接続されている。なお、カートリッジI/F74は、アンテナや、発光ダイオード及びフォトダイオードなどであってもよい。すなわち、カートリッジI/F74は、電波や光を用いて後述のICチップ14と情報やデータを送受信してもよい。
【0026】
ニードル75は、装着ケース71に保持されている。ニードル75の一端は、装着ケース71に装着されたカートリッジ13に設けられた流出口16に挿通されている。すなわち、ニードル75の一端は、カートリッジ13の内部空間に位置する。ニードル75の他端は、ポンプ87と接続されている。すなわち、ニードル75を通じて、カートリッジ13に貯留されたインクがポンプ87に流出する。また、ニードル75は、装着ケース71の下端近傍に設けられている。すなわち、ニードル75の一端は、装着ケース71に装着されたカートリッジ13の内底面の近傍に位置する。ニードル75の一端がカートリッジ13の内底面の近傍に位置することにより、カートリッジ13に残留して印刷に使用できないインクの量が低減する。
【0027】
ポンプ87は、例えばチューブポンプやインペラを有するポンプなどである。ポンプ87は、駆動されることにより、カートリッジ13に貯留されたインクを流路部材70を通じてサブタンク72に移動させる。詳しくは後述する。
【0028】
ポンプ87は、流路部材70によってサブタンク72と接続されている。流路部材70は、チューブやパイプなどである。流路部材70の一端は、ポンプ87と接続されている。流路部材70の他端は、サブタンク72と接続されている。
【0029】
バルブ88が、流路部材70に設けられている。バルブ88は、ソレノイドを有する電磁弁であってもよいし、モータなどによって開閉される機械式の開閉弁であってもよい。ソレノイド或いはモータは、後述のコントローラ51と接続されている。コントローラ51は、ソレノイドやモータの駆動回路に駆動信号を入力することにより、バルブ88を開閉させる。バルブ88が開かれることにより、サブタンク72の内部空間とカートリッジ13の内部空間とが連通される。
【0030】
サブタンク72は、筐体20に保持されている。サブタンク72は、内部空間である液室79にインクを貯留する。一のサブタンク72は、第1タンクの一例である。一のサブタンク72の液室79は、第3室の一例である。他の一のサブタンク72は、第2タンクの一例である。他の一のサブタンク72の液室79は、第4室の一例である。
【0031】
サブタンク72は、上下方向7に沿って延びる箱状の上部76と、前後方向8に沿って延びる箱状の下部77と、を有する。前後方向8における下部77の前端は、上部76の下端と連結している。
【0032】
上述の流路部材70の他端は、下部77の前壁に設けられた流入口34に挿通されている。一のサブタンク72の流入口34は、第1流入口の一例である。他の一のサブタンク72の流入口34は、第2流入口の一例である。
【0033】
上部76は、大気連通口78を上壁に有する。大気連通口78は、サブタンク72の内部空間と外部とを連通する。すなわち、サブタンク72の内部空間は、大気開放されている。また、詳しくは後述するが、カートリッジ13の内部空間も大気開放されている。ヘッド31からインクが吐出されると、チューブ32の内部空間が大気圧よりも低い負圧となる。そうすると、大気圧により、サブタンク72の内部空間からチューブ32へインクが流出する。サブタンク72からチューブ32へインクが流出すると、サブタンク72に貯留されたインクの液面が低下する。そうすると、大気圧により、サブタンク72に貯留されたインクの液面と、カートリッジ13に貯留されたインクの液面との高さ位置がほぼ等しくなるように、カートリッジ13に貯留されたインクが、ニードル75及び流路部材70を通じてサブタンク72の内部空間に流出する。
【0034】
なお、カートリッジ13から流入したインクが大気連通口78から溢れないように、上部76の上端は、装着ケース71に装着されたカートリッジ13の上端よりも高い位置、或いは、ほぼ同じ高さ位置とされている。
【0035】
下部77の上端は、上述のニードル75の配置位置よりも僅かに高い位置にある。また、下部77の下端は、装着ケース71に装着されたカートリッジ13の下端よりも下方に位置する。したがって、カートリッジ13が空になった直後において、サブタンク72はインクを貯留する。すなわち、プリンタ10は、カートリッジ13が空になった後も、サブタンク72が貯留するインクを用いて印刷を行うことができる。ユーザは、カートリッジ13が空になった後から、サブタンク72に貯留されたインクを使い切るまでの間に、空になったカートリッジ13を新しいカートリッジ13に交換する。すなわち、サブタンク72が設けられることにより、プリンタ10は、インクが無くなって印刷できなくなるおそれを低減することができる。なお、カートリッジ13が空になった状態とは、カートリッジ13に貯留されていたインクが完全に無くなった状態、又は、カートリッジ13からサブタンク72にインクが移動しない程度までインクが無くなった状態を意味する。
【0036】
液面センサ33は、例えば、発光ダイオード及びフォトダイオードを有するフォトインタラプタである。発光ダイオードとフォトダイオードとは、サブタンク72の左右両側に対向して配置されている。すなわち、発光ダイオードが出射する光の光路上にサブタンク72が位置する。サブタンク72は、例えば、光を透過する透明な樹脂で成型された樹脂成型品である。液面センサ33は、光路上にインクがある場合と、インクがない場合とで、異なる電圧値の信号を出力する。以下では、液面センサ33は、光路上にインクがある場合に第1検出信号を出力し、光路上にインクがない場合に第2検出信号を出力するものとして説明する。液面センサ33の構成は、上述の構成に限られない。液面センサ33は、インクの量や液面の位置に応じた検出信号を出力可能であれば、どのような構成であってもよい。
【0037】
上下方向7における液面センサ33の配置位置は、上下方向7における上述のニードル75の高さ位置と同じ高さ位置とされている。すなわち、液面センサ33が出力する検出信号は、サブタンク72が貯留するインクの液面がニードル75に到達したときに、第1検出信号から第2検出信号に変化する。
【0038】
液面センサ33は、ケーブルなどによってコントローラ51と接続されている。すなわち、液面センサ33が出力する検出信号は、コントローラ51に入力される。コントローラ51は、液面センサ33から入力した検出信号により、サブタンク72が貯留するインクの液面がニードル75に到達したか否かを判断することができる。すなわち、コントローラ51は、液面センサ33から入力した検出信号により、カートリッジ13が空になったか否かを判断することができる。
【0039】
カートリッジ13は、インクを貯留する内部空間を有する箱状である。カートリッジ13は、内部空間である液室18においてインクを貯留する。一のカートリッジ13は、第1カートリッジの一例である。一のカートリッジ13の液室18は、第1室の一例である。他の一のカートリッジ13は、第2カートリッジの一例である。他の一のカートリッジ13の液室18は、第2室の一例である。
【0040】
カートリッジ13は、ニードル75の一端が挿通される流出口16を側壁の下端部に有する。一のカートリッジ13の流出口16は、第1流出口の一例である。他の一のカートリッジ13の流出口16は、第2流出口の一例である。
【0041】
カートリッジ13は、大気連通口17を上壁に有する。すなわち、カートリッジ13の内部空間は、大気開放されている。また、カートリッジ13は、ICチップ14を備える。図示例では、ICチップ14は、カートリッジ13の上面に取り付けられている。ICチップ14は、端子であるカートリッジI/F74と当接する不図示の電極と、当該電極と電気的に接続されたICメモリ15(図1)と、を有する。なお、ICチップ14は、電極に代えて、アンテナや、発光ダイオード及びフォトダイオードなどを有していてもよい。
【0042】
図1に示されるように、ICメモリ15は、カートリッジ情報を記憶する。カートリッジ情報は、カートリッジ13の型番や、種別情報や、初期残量値や、CTGシリアル番号などである。種別情報は、例えば、ノーマルカートリッジであるか大容量カートリッジであるかを示す情報や、貯留するインクが顔料インクであるか染料インクであるかを示すインク種別情報や、貯留するインクの色を示す色情報などを含む。初期残量値は、未使用のときにカートリッジ13が貯留するインクの量を示す値である。CTGシリアル番号は、カートリッジ13を他のカートリッジ13と区別する識別情報である。CTGシリアル番号は、カートリッジ13が交換されたか否かの判断に用いられる。詳しくは、後述する。なお、「CTG」は、「cartridge」の略である。
【0043】
プリンタ10は、図1に示されるコントローラ51と、通信I/F47と、をさらに備える。通信I/F47は、通信回線12と接続される。通信回線12は、例えば、有線LAN(Local Area Networkの略)(登録商標)や無線LANなどのローカルネットワークと、当該ローカルネットワークと不図示のルータを介して接続されたインターネットとである。
【0044】
コントローラ51は、中央演算処理装置であるCPU52と、メモリ53と、通信バス54と、を有する。CPU52、メモリ53、カバーセンサ46、タッチパネル42、操作スイッチ45、ポンプ87、バルブ88、通信I/F47、液面センサ33、及びカートリッジI/F74は、通信バス54と接続されている。すなわち、CPU52は、通信バス54を通じて、メモリ53、カバーセンサ46、タッチパネル42、操作スイッチ45、駆動モータ86、通信I/F47、液面センサ33、及びカートリッジI/F74と情報やデータや信号を受け渡し可能に接続されている。
【0045】
メモリ53は、ROM55と、RAM56と、EEPROM57と、を有する。ROM55は、オペレーティングシステムであるOS58と、制御プログラム59と、を予め記憶する。OS58及び制御プログラム59に記述された命令は、CPU52によって実行される。すなわち、OS58及び制御プログラム59は、CPU52によって実行される。CPU52によって実行されるOS58及び制御プログラム59は、表示パネル43に画像を表示させ、タッチセンサ44や操作スイッチ45を通じてユーザの入力を受け付ける。また、CPU52によって実行されるOS58及び制御プログラム59は、通信I/F47やカートリッジI/F74を通じて情報やデータを送受信し、受信した情報やデータをメモリ53に記憶させる。
【0046】
制御プログラム59は、単一のプログラムであってもよいし、複数のモジュールからなるプログラムであってもよい。制御プログラム59は、例えば、UIモジュール、通信モジュール、及び印刷制御モジュールを有する。各モジュールは、いわゆるマルチタスク処理により、疑似的に並行して実行される。UIモジュールは、画像データを表示パネル43に入力して、アイコンなどのオブジェクトを含む画像を表示パネル43に表示させ、タッチセンサ44や操作スイッチ45が出力する信号を受け付けるプログラムである。通信モジュールは、通信I/F47が接続される通信回線の通信プロトコルにしたがって情報やデータを送受信するプログラムである。印刷制御モジュールは、印刷データに基づいて、上述のモータの駆動回路やヘッド31が有する駆動素子の駆動回路に入力する駆動信号を生成して出力するプログラムである。
【0047】
RAM56は、OS58及び制御プログラム59の実行に用いられ、また、OS58及び制御プログラム59の実行において、情報やデータを一時的に記憶する。EEPROM57は、固定貯留値や、MACアドレス(不図示)や、シリアル番号(不図示)や、エンプティ閾値(不図示)や、判断閾値などを予め記憶する。また、EEPROM57は、装着ケース71に装着されたカートリッジ13のICチップ14のICメモリ15から読み出したCTGシリアル番号や、算出した初期貯留値などを記憶する。詳しくは後述する。
【0048】
以下、制御プログラム59が実行する処理について説明する。具体的には、印刷においてインクが使用されたことに応じて制御プログラム59が実行するメイン処理等の処理について説明する。なお、以下では、制御プログラム59が実行する処理は、コントローラ51が実行する処理として説明する。
【0049】
コントローラ51は、図5に示されるメイン処理を実行する。コントローラ51は、まず、印刷指示を取得したか否かを判断する(S11)。印刷指示は、例えば、通信回線12を通じて、パーソナルコンピュータからプリンタ10に入力される。或いは、印刷指示は、タッチパネル42や操作スイッチ45によってプリンタ10に入力される。フローチャートには示されていないが、印刷指示ともに印刷データがプリンタ10に入力される。印刷データは、上述のパーソナルコンピュータからプリンタ10に入力され、或いは、プリンタ10に装着されたUSBメモリなどの可搬記憶媒体からプリンタ10に入力される。
【0050】
コントローラ51は、印刷指示を取得していないと判断すると(S11:No)、報知処理を実行する(S28)。報知処理については後述する。コントローラ51は、印刷指示を取得したと判断すると(S11:Yes)、インクエンプティフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S12)。インクエンプティフラグは、初期値を「OFF」として、後述のステップS26において「ON」とされ、カートリッジ13が交換されたことによって「OFF」とされるフラグである。インクエンプティフラグは、印刷を継続できない程度までインクの残量が低下したとコントローラ51が判断した場合に、ステップS26において「ON」にされる。インクエンプティフラグは、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色に対してそれぞれ設定される。
【0051】
コントローラ51は、インクエンプティフラグの値が「ON」であると判断すると(S12:ON)、報知処理を実行し(S28)、メイン処理を終了する。すなわち、インクエンプティフラグの値が「ON」であって、サブタンク72にもインクがない場合、印刷は実行されない。なお、コントローラ51は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックに対して設定されたインクエンプティフラグのうちの1つでも「ON」であると判断すると(S12:ON)、印刷を実行しない。
【0052】
コントローラ51は、インクエンプティフラグの値が「OFF」であると判断すると(S12:OFF)、液面センサ33が出力する検出信号を取得する(S13)。ステップS13でコントローラ51が取得する検出信号は、印刷を実行する前と後とで液面センサ33が出力する検出信号が変化したか否かの判断に用いられる。詳しくは後述する。
【0053】
次に、コントローラ51は、印刷処理を実行する(S14)。具体的には、取得した印刷データに基づいて駆動信号を生成し、生成した駆動信号を出力する。コントローラ51が出力した駆動信号は、ヘッド31の駆動素子を駆動する駆動回路や、給紙ローラ25や搬送ローラ26や排紙ローラ27を回転させる上述のモータの駆動回路に入力される。すなわち、シート6が搬送され、搬送されたシート6にインクが吐出され、インクの吐出によって画像が記録されたシート6が排紙トレイ24に排出される。
【0054】
フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、ヘッド31の駆動素子を駆動する駆動回路に対して出力した駆動信号に基づいて、駆動素子を駆動した回数、すなわち、インク滴が吐出された回数をカウントする。以下では、インク滴が吐出された回数をインクドットカウント値と記載して説明する。インクドットカウント値は、印刷に使用されたインクの量を示す。なお、コントローラ51は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色に対して、インクドットカウント値をそれぞれカウントする。
【0055】
コントローラ51は、カウントしたインクドットカウント値を、メモリ53のEEPROM57の所定の記憶領域に記憶された値に加えて積算する(S15)。以下では、EEPROM57の所定の記憶領域に記憶された値を、総カウント値と記載して説明する。総カウント値は、後述のCTG交換処理(図6(B))のステップS45においてリセットされる。すなわち、総カウント値は、カートリッジ13が交換された後において使用されたインクの総量を示す。なお、コントローラ51は、不図示のメンテナンス機構が有するポンプによってヘッド31からインクが吸引され場合にも、吸引されたインクの量をインクドットカウント値に換算して、総カウント値に加える。
【0056】
次に、コントローラ51は、液面センサ33が出力する検出信号が、印刷の前後において変化したか否かを判断する(S16)。すなわち、ステップS16では、印刷においてインクが使用されたことにより、インクの液面が、液面センサ33が設置された高さ位置まで低下したか否かを判断する。具体的には、コントローラ51は、印刷の実行後、液面センサ33が出力する検出信号を取得し、取得した検出信号と、ステップS13で取得した検出信号とを比較する。コントローラ51は、ステップS13で第1検出信号を取得し、印刷の実行後に第2検出信号を取得したと判断すると(S16:Yes)、総カウント値をリセットする(S17)。すなわち、カートリッジ13が交換された場合に加え、インクの液面が液面センサ33の設置位置に到達した場合にも、総カウント値がリセットされる。
【0057】
次に、コントローラ51は、CTGエンプティフラグを「ON」にする(S18)。具体的には、コントローラ51は、CTGエンプティフラグとして設定されたEEPROM57の所定の記憶領域に「ON」の値を記憶させる。次に、コントローラ51は、確認フラグの値を「ON」にする(S19)。確認フラグについては後述する。なお、CTGエンプティフラグ及び確認フラグは、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色についてそれぞれ設定されている。コントローラ51は、ステップS19の処理の実行後、次に印刷を実行するページである次ページがあるか否かを判断する(S27)。コントローラ51は、次ページがあると判断すると(S27:Yes)、ステップS12以降の処理を再度実行する。
【0058】
コントローラ51は、ステップS13で第1検出信号を取得し、印刷の実行後に第1検出信号を取得したと判断し、或いはステップS13で第2検出信号を取得し、印刷の実行後に第2検出信号を取得したと判断すると(S16:No)、印刷の実行後に液面センサ33が出力した検出信号が第1検出信号であるか第2検出信号であるかを判断する(S20)。コントローラ51は、印刷の実行後に液面センサ33が出力した検出信号が第1検出信号であると判断すると(S20:第1検出信号)、インクの残量を算出するステップS21、S22の処理を実行する。すなわち、カートリッジ13にインクが残っている場合、ステップS21、S22の処理が実行される。具体的に説明すると、まず、コントローラ51は、初期貯留値をEEPROM57から読み出す(S21)。初期貯留値は、後述のCTG交換処理(図6(B))のステップS44において算出されてEEPROM57に記憶される総残量値である。すなわち、初期貯留値は、カートリッジ13が交換された直後において、カートリッジ13及びサブタンク72が貯留するインクの総量を示す値である。
【0059】
コントローラ51は、読み出した初期貯留値と、EEPROM57に記憶された総カウント値とに基づいて、総残量値、CTG残量値、サブタンク残量値を算出する(S22)。総残量値は、カートリッジ13及びサブタンク72が貯留するインクの総量を示す値である。CTG残量値は、カートリッジ13が貯留するインクの量を示す値である。サブタンク残量値は、サブタンク72が貯留するインクの量を示す値である。なお、ステップS20以降の処理については、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色のインクに対してそれぞれ実行される。すなわち、各色について、総残量値、CTG残量値、サブタンク残量値がそれぞれ算出される。
【0060】
総残量値、CTG残量値、サブタンク残量値の算出について詳しく説明する。まず、コントローラ51は、初期貯留値から総カウント値を減じて、総残量値を算出する。そして、コントローラ51は、算出した総残量値から、CTG残量値及びサブタンク残量値を算出する。例えば、メモリ53は、総残量値から、CTG残量値及びサブタンク残量値を算出する計算式を予め記憶する。コントローラ51は、メモリ53に記憶された計算式及び総残量値に基づいて、CTG残量値及びサブタンク残量値を算出する。フローチャートには示されていないが、コントローラ51が算出した総残量値、CTG残量値、及びサブタンク残量値は、メモリ53のRAM56に記憶される。また、CTG残量値は、カートリッジ13のICメモリ15にも記憶される。
【0061】
コントローラ51は、印刷の実行後に液面センサ33が出力した検出信号が第2検出信号であると判断すると(S20:第2検出信号)、インクの残量を算出するステップS23、S24の処理を実行する。すなわち、カートリッジ13が空である場合、ステップS23、S24の処理が実行される。具体的に説明すると、まず、コントローラ51は、固定貯留値をEEPROM57から読み出す(S23)。固定貯留値は、インクの液面が液面センサ33の設置位置にある場合にサブタンク72が貯留するインクの量としてEEPROM57に予め記憶された値である。次に、コントローラ51は、読み出した固定貯留値から、EEPROM57に記憶された総カウント値を減算して総残量値を算出する(S24)。なお、インクの液面が液面センサ33の設置位置に到達した後は、カートリッジ13が貯留するインクの量はゼロである。したがって、算出した総残量値は、サブタンク72が貯留するサブタンク残量値でもある。
【0062】
フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、算出した総残量値及びサブタンク残量値をRAM56に記憶させる。また、コントローラ51は、CTG残量値をゼロとしてRAM56に記憶させる。ステップS24で算出されたサブタンク残量値及びCTG残量値は、待機画面(図8)における「インク」アイコン90が示すインクの残量の表示に用いられる。詳しくは後述する。ステップS20において、液面センサ33が出力する検出信号が第2検出信号であるとの判断(S20:第2検出信号)は、第1カートリッジの第1室に貯留されている消費材が無くなったことを検知することの一例である。
【0063】
次に、コントローラ51は、総カウント値がエンプティ閾値以上であるか否かを判断する(S25)。エンプティ閾値は、EEPROM57に予め記憶された閾値である。すなわち、ステップS25では、インクの液面が液面センサ33の設置位置まで低下した後に使用されたインクの量を示す総カウント値が、エンプティ閾値に到達したか否かが判断される。
【0064】
なお、ステップS25において、総カウント値がエンプティ閾値以上であるか否かの判断に代えて、ステップS24で算出したサブタンク残量値が閾値未満であるか否かが判断されてもよい。すなわち、使用されたインクの量が閾値以上か否かの判断に代えて、サブタンク72が貯留するインクの残量が閾値未満であるか否かが判断されてもよい。
【0065】
コントローラ51は、総カウント値がエンプティ閾値以上であると判断すると(S25:Yes)、インクエンプティフラグの値を「ON」にする(S26)。具体的には、インクエンプティフラグとして設定されたEEPROM57の所定の記憶領域に「ON」の値を記憶させる。コントローラ51は、ステップS19、S22、S25:No、S26の処理の実行後、次ページがあるか否かを判断する(S27)。コントローラ51は、次ページがあると判断すると(S27:Yes)、ステップS12以降の処理を再度実行する。コントローラ51は、次ページがないと判断すると(S27:No)、設定したフラグに応じた報知処理を実行する(S28)。図6(A)を参照して、報知処理について説明する。
【0066】
まず、コントローラ51は、インクエンプティフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S31)。コントローラ51は、インクエンプティフラグの値が「ON」であると判断すると(S31:ON)、インクエンプティを報知し(S32)、報知処理を終了する。具体的には、コントローラ51は、図8(C)に示される待機画面を表示パネル43に表示させる。
【0067】
図8(A)及び図8(C)を参照して待機画面について説明する。図8(A)に示される待機画面は、プリンタ10が正常に動作可能な状態において表示パネル43に表示される画面である。具体的には、図8(A)に示される待機画面は、インクエンプティフラグ及びCTGエンプティフラグの値がともに「OFF」である場合に表示パネル43に表示される。待機画面は、「ファックス」アイコンや、「コピー」アイコンや、「スキャン」アイコンや、「インク」アイコン90などの複数のアイコンを有する。「インク」アイコン90は、インクの残量を示すアイコンである。具体的には、「インク」アイコン90は、左右方向に並ぶ4組のバーを有している。4組のバーは、左から「マゼンタ」、「シアン」、「イエロー」、「ブラック」の色のインクの残量をそれぞれ示している。一の組のバーは、上下の2つのバーからなる。上のバーは、カートリッジ13が貯留するインクの残量を示す。下のバーは、サブタンク72が貯留するインクの残量を示す。カートリッジ13及びサブタンク72が貯留するインクの残量は、上述のステップS22、S24において算出されてRAM56に記憶された値である。
【0068】
図8(C)に示される待機画面は、上述のアイコンに加え、報知アイコン91及び「×」オブジェクト92を有する。「×」オブジェクト92は、「インク」アイコン90が有する4組のバーのうち、インクが無くなった組のバーに重ねて表示される。図示例では、「×」オブジェクト92は、イエローのインクの残量を示す右から2番目の組のバーに重ねて表示されている。報知アイコン91は、「!」の文字と、インクの色を示す文字と、「カートリッジ」の文字とを含む。図示例では、インクの色を示す文字として、「Y」が表示されている。「Y」は、イエローを示す。「×」オブジェクト92及び報知アイコン91は、イエローの色のインクが無くなったことをユーザに認識させる。
【0069】
なお、図6(A)の報知処理のステップS31において、コントローラ51は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4つの色に対してそれぞれ設定されたインクエンプティフラグのうち、1つのインクエンプティフラグでも「ON」である場合、図8(C)に示される待機画面を表示パネル43に表示させる(S32)。
【0070】
コントローラ51は、図6(A)に示される報知処理のステップS31において、インクエンプティフラグの値が「OFF」であると判断すると(S31:OFF)、CTGエンプティフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S33)。コントローラ51は、CTGエンプティフラグの値が「OFF」であると判断すると(S33:OFF)、図8(A)に示される待機画面を表示パネル43に表示させ(S40)、報知処理を終了する。
【0071】
コントローラ51は、ステップS33において、CTGエンプティフラグの値が「ON」であると判断すると(S33:ON)、確認フラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S34)。確認フラグは、ポンプ87が重複して駆動されないために設定されるフラグである。確認フラグは、初期値を「OFF」として、液面センサ33が出力する検出信号が第1検出信号から第2検出信号に変化したことに応じて「ON」にされ(S19)、ポンプ87が駆動されたこと(S36)に応じて「OFF」にされるフラグである。
【0072】
コントローラ51は、確認フラグの値が「OFF」であって、サブタンク貯留量増大処理(S36)が既に実行されていると判断すると(S34:OFF)、ステップS35からS37までの処理をスキップする。コントローラ51は、確認フラグの値が「ON」であって、サブタンク貯留量増大処理(S36)が未だ駆動されていないと判断すると(S34:ON)、CTGエンプティフラグが「ON」であると判断した色以外の色について、CTG残量値が判断閾値未満であるか否かを判断する(S35)。判断閾値は、サブタンク貯留量増大処理を実行してカートリッジ13からサブタンク72にインクを移動させても、サブタンク72の大気連通口78からインクが溢れない程度の値として設定され、メモリ53のEEPROM57に予め記憶された値である。ステップS35の処理を実行するタイミングは、所定のタイミングの一例である。
【0073】
コントローラ51は、CTGエンプティフラグが「ON」であると判断した色以外の色について、CTG残量値が判断閾値未満である色があると判断すると(S35:Yes)、サブタンク貯留量増大処理を実行する(S36)、具体的には、コントローラ51は、CTG残量値が判断閾値未満である色に対応するポンプ87を所定時間の間、駆動させた後、開かれていたバルブ88を閉じる。当該所定時間は、判断閾値に応じた量のインクの全てがカートリッジ13からサブタンク72に移動するのに十分な時間として、メモリ53のEEPROM57に予め記憶される。コントローラ51は、ポンプ87を駆動させるとともに上記所定時間を初期値としてタイマカウンタにカウントダウンを開始させる。そして、コントローラ51は、タイマカウンタがタイムアップしたことに応じて、ポンプ87の駆動を停止させる。ステップS36の処理により、最初に空になったカートリッジ13に加え、インクが少なくなっていた他のカートリッジ13も強制的に空にされる。例えば、印刷の実行によってイエローの色のインクを貯留するカートリッジ13が空になると、そのときインクが少なくなっていたシアンの色のインクを貯留するカートリッジ13も空にされる。
【0074】
コントローラ51は、CTGエンプティフラグが「ON」であると判断した色以外の色について、CTG残量値が判断閾値未満である色がないと判断すると(S35:No)、ステップS36からS37までの処理をスキップする。ステップS37の処理もスキップするので、サブタンク貯留量増大処理が実行されない限り、確認フラグの値は「ON」のままである。したがって、一のカートリッジ13が空になった後、サブタンク72に貯留されたインクが使用されて印刷が実行された場合に、空になったカートリッジ13以外のカートリッジ13について、CTG残量値が判断閾値未満になると、サブタンク貯留量増大処理が実行されて、カートリッジ13が強制的に空にされる。一方、コントローラ51は、CTGエンプティフラグが「ON」であると判断した色以外の色について、CTG残量値が判断閾値未満である色がないと判断すると(S35:No)、ステップS36のサブタンク貯留量増大処理をスキップし、ステップS37にて確認フラグの値を「OFF」とするようにしてもよい。後述の図7に記載の2つのカートリッジを同時発注するような場合に有効である。
【0075】
図4(A)は、サブタンク貯留量増大処理が実行されるされる前の装着ユニット30を示す図であり、図4(B)は、サブタンク貯留量増大処理が実行された後の装着ユニット30を示す図である。図4(A)、(B)に示されるように、ポンプ87が駆動されたことにより、カートリッジ13に貯留されていたインクがサブタンク72に移動され、カートリッジ13が空になる。ポンプ87によってカートリッジ13からサブタンク72に強制的にインクが移動されることは、限界貯留量の増加の一例である。
【0076】
コントローラ51は、図6(A)に示されるように、ステップS36の処理の実行後、ポンプ87を重複して駆動しないように、確認フラグを「OFF」にする(S37)。
【0077】
次に、コントローラ51は、CTGエンプティを報知する(S38)。具体的には、コントローラ51は、図8(B)に示される待機画面を表示パネル43に表示させる。図8(B)に示される待機画面は、図8(A)に示される待機画面が有する上述のアイコンに加え、報知アイコン93及び「!」オブジェクト94を有する。「!」オブジェクト94は、「インク」アイコン90が有する4組のバーのうち、空になったカートリッジ13を示すバーに重ねて表示される。図示例では、「!」オブジェクト94は、イエローのインクを示す2番目の組のバー、及びシアンのインクを示す左から2番目の組のバーに重ねて表示されている。報知アイコン93は、「!」の文字と、インクの色を示す文字と、「カートリッジ」の文字とを含む。図示例では、インクの色を示す文字として、「C」及び「Y」が表示されている。「C」はシアンを示し、「Y」は、イエローを示す。「!」オブジェクト94及び報知アイコン93は、イエロー及びシアンの色のインクを貯留するカートリッジ13が空になったことをユーザに認識させる。「!」の文字、「Y」の文字、及び「カートリッジ」の文字は、第1報知の一例である。「!」の文字、「C」の文字、及び「カートリッジ」の文字は、第2報知の一例である。
【0078】
報知アイコン93を視認したユーザは、イエローのインクを貯留していた空のカートリッジ13、及びシアンのインクを貯留していた空のカートリッジ13を、新しいカートリッジ13に交換する。すなわち、シアンの色のインクを貯留していたカートリッジ13が強制的に空にされることにより、ユーザは、複数のカートリッジ13を同時に交換することができる。或いは、シアンの色のインクを貯留していたカートリッジ13が強制的に空にされることにより、ユーザがイエローのカートリッジ13とともにシアンのカートリッジ13を交換したとしても、シアンのカートリッジ13は空であり、シアンのインクが無駄に捨てられることがない。
【0079】
なお、ステップS35において、CTG残量値が判断閾値未満であるか否かが判断される代わりに、総カウント値が閾値以上か否かが判断されてもよい。すなわち、カートリッジ13が貯留するインクの量が閾値未満であるか否かに代えて、使用されたインクが閾値以上か否かが判断されてもよい。
【0080】
次に、ユーザによってカートリッジ13が交換される場合にコントローラ51が実行するCTG交換処理について、図6(B)を参照して説明する。
【0081】
コントローラ51は、例えばCTG交換処理を定期的に実行する。まず、コントローラ51は、カートリッジ13の交換のためにカバー22が開かれたか否かを判断する(S41)。具体的には、コントローラ51は、カバーセンサ46から入力する信号が第2検出信号であるか否かを判断する。コントローラ51は、カバーセンサ46から入力した信号が第1検出信号であって、カバー22が開かれていないと判断すると(S41:No)、CTG交換処理を終了する。コントローラ51は、カバーセンサ46から入力した信号が第2検出信号であって、カバー22が開かれたと判断すると(S41:Yes)、カートリッジ13の交換が終了してカバー22が閉じられたか否かを判断する(S42)。具体的には、コントローラ51は、カバーセンサ46から入力する信号が第1検出信号であるか否かを判断する。コントローラ51は、カバーセンサ46から入力する信号が第1検出信号になるまで、カバーセンサ46が出力する信号を定期的に取得する(S42:No)。
【0082】
コントローラ51は、カバーセンサ46が出力する信号が第2検出信号になったと判断すると(S42:Yes)、装着ケース71に装着されたカートリッジ13のICメモリ15からCTGシリアル番号を読み出して取得する。そして、コントローラ51は、取得したCTGシリアル番号と、メモリ53のEEPROM57に記憶されたCTGシリアル番号とが一致するか否かを判断する(S43)。EEPROM57に記憶されているCTGシリアル番号は、交換前のカートリッジ13のシリアル番号である。すなわち、ステップS43では、カートリッジ13が交換されたか否かが判断される。なお、カートリッジ13が交換されることなく、カバー22が開閉された場合は、取得したCTGシリアル番号と、EEPROM57に記憶されたCTGシリアル番号とが一致する。
【0083】
コントローラ51は、取得したCTGシリアル番号と、EEPROM57に記憶されたCTGシリアル番号とが一致すると判断すると(S43:Yes)、CTG交換処理を終了する。コントローラ51は、取得したCTGシリアル番号と、EEPROM57に記憶されたCTGシリアル番号とが一致しないと判断すると(S43:No)、総残量値、CTG残量値、及びサブタンク残量値を算出する(S44)。詳しく説明すると、まず、コントローラ51は、ステップS22やS24で算出してRAM56に記憶したサブタンク残量値をRAM56から読み出して取得する。次に、コントローラ51は、装着ケース71に装着されたカートリッジ13のICメモリ15から初期残量値を読み出して取得する。そして、コントローラ51は、取得したサブタンク残量値と初期残量値とを加算して、総残量値を算出する。コントローラ51は、算出した総残量値に基づいて、上述のステップS22と同様にして、CTG残量値及びサブタンク残量値を算出する。コントローラ51は、算出した総残量値を、初期貯留値としてEEPROM57に記憶させる。また、コントローラ51は、算出したCTG残量値及びサブタンク残量値をRAM56に記憶させる。なお、RAM56に記憶されたCTG残量値及びサブタンク残量値は、待機画面に表示される「インク」アイコン90における残量の表示に用いられる。
【0084】
次に、コントローラ51は、総カウント値をリセットする(S45)。また、コントローラ51は、インクエンプティフラグ及びCTGエンプティフラグを「OFF」にする(S46、S47)。そして、コントローラ51は、サブタンク貯留量戻し処理を実行する(S48)。具体的には、コントローラ51は、上述の報知処理のステップS37において閉じられたバルブ88を開く。図4(C)は、サブタンク貯留量増大処理としてポンプ87の駆動によって強制的に空にされたカートリッジ13が新しいカートリッジ13に交換された直後における装着ユニット30を示す図である。図4(D)は、サブタンク貯留量増大処理としてバルブ88が開かれた後の装着ユニット30を示す図である。バルブ88が開かれると、大気圧により、カートリッジ13に貯留されているインクの液面の高さ位置と、サブタンク72に貯留されているインクの液面の高さ位置とがほぼ同じになるように、ニードル75、ポンプ87、及び流路部材70を通じてカートリッジ13からサブタンク72にインクが移動する。なお、CTG交換処理におけるステップS49の処理については、変形例1において説明する。
【0085】
[実施形態の作用効果]
本実施形態では、上述のように、一のカートリッジ13が空になったことを条件として、サブタンク貯留量増大処理を実行させて、他の一乃至複数のカートリッジ13を強制的に空にする。したがって、複数のカートリッジ13を同時に空にすることができる。その結果、プリンタ10は、ユーザに、複数のカートリッジ13を同時に交換させることができる。すなわち、プリンタ10は、別個に複数のカートリッジ13を交換する場合に比べ、カートリッジ13を交換するユーザの手間を低減することができる。
【0086】
また、本実施形態では、上述のように、一のカートリッジ13が空になったことをトリガとして、サブタンク貯留量増大処理を実行させて、他の一乃至複数のカートリッジ13を強制的に空にする。したがって、ユーザが、空になったカートリッジ13を交換するついでに、インクが少なくなった他のカートリッジ13も交換した場合であっても、当該他のカートリッジ13は空であるので、インクが無駄に捨てられることがない。
【0087】
また、本実施形態では、空になったカートリッジ13を示す「Y」の文字と、空にしたカートリッジ13を示す「C」の文字とが表示パネル43に表示される。したがって、プリンタ10は、複数のカートリッジ13を同時に交換することをユーザに促すことができる。
【0088】
[変形例1]
本変形例では、サービス提供者によってユーザに提供されるプリンタ10を説明する。サービス提供者は、プリンタ10のメンテナンスや、後述のカートリッジ13の発注の手配などのサービスをユーザに提供する。サービス提供者が使用権限を有する情報処理装置11(図1)が、インターネットと接続されている。そして、プリンタ10は、通信回線12と接続されて使用される。なお、通信回線12は、ローカルネットワーク及びインターネットである。プリンタ10は、発注情報などを、通信回線12を通じて情報処理装置11に送信する。以下、詳しく説明する。なお、以下に示される構成や処理以外の構成や処理は、実施形態で説明された構成や処理と同一である。
【0089】
プリンタ10のメモリ53のEEPROM57は、情報処理装置11が公開するURLを記憶する。例えば、プリンタ10のコントローラ51は、タッチパネル42や操作スイッチからユーザやサービス提供者によって入力されたURLを、EEPROM57に記憶させる。
【0090】
プリンタ10のコントローラ51は、図7に示される通知処理を実行する。通知処理は、空になったカートリッジ13の発注をサービス適用者に行わせる発注情報を情報処理装置11に通知する処理である。以下、詳しく説明する。
【0091】
まず、コントローラ51は、インクエンプティフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S51)。コントローラ51は、インクエンプティフラグの値が「OFF」であると判断すると(S51:OFF)、ステップS52の処理をスキップする。コントローラ51は、インクエンプティフラグの値が「ON」であると判断すると(S51:ON)、インクエンプティ情報を、情報処理装置11に送信する送信データに含める(S52)。インクエンプティ情報は、インクが無くなって、プリンタ10が印刷を行うことができない状態であることを示す情報である。
【0092】
次に、コントローラ51は、CTGエンプティフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S53)。コントローラ51は、CTGエンプティフラグの値が「OFF」であると判断すると(S53:OFF)、ステップS54からS57までの処理をスキップする。コントローラ51は、CTGエンプティフラグの値が「ON」であると判断すると(S54:ON)、通知済みフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する。通知済みフラグは、後述の発注情報が重複して情報処理装置11に送信されることを防止するためのフラグである。通知済みフラグの初期値は「OFF」である。通知済みフラグは、発注情報が情報処理装置11に送信されたことに応じて「ON」にされる。そして、通知済みフラグは、図6(B)に示されるCTG交換処理において、カートリッジ13が交換されたことに応じて、「OFF」にされる(S49)。
【0093】
コントローラ51は、図7に示すように、通知済みフラグの値が「ON」であると判断すると(S54:ON)、ステップS55からS57までの処理をスキップする。コントローラ51は、通知済みフラグの値が「OFF」であると判断すると(S54:OFF)、第1発注情報を送信データに含める(S55)。第1発注情報は、CTGエンプティフラグの値が「OFF」である色のカートリッジ13が空になったことを示す情報である。第1発注情報は、例えば、カートリッジ13の型番などである。
【0094】
次に、コントローラ51は、サブタンク貯留量増大処理を実行させて強制的に空にしたカートリッジ13があるか否かを判断する(S56)。なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、図6(A)に示される報知処理のサブタンク貯留量増大処理(S36)においてポンプ87を駆動させたことに応じて、強制的に空にしたカートリッジ13を示す情報をメモリ53のEEPROM57に記憶させる。コントローラ51は、EEPROM57に記憶された情報に基づいて、強制的に空にしたカートリッジ13があるか否かを判断する(S56)。コントローラ51は、強制的に空にしたカートリッジ13がないと判断すると(S56:No)、ステップS57の処理をスキップする。コントローラ51は、強制的に空にしたカートリッジ13があると判断すると(S56:Yes)、第2発注情報を送信データに含める(S57)。第2発注情報は、サブタンク貯留量増大処理を実行させて強制的に空にしたカートリッジ13を示す情報である。第2発注情報は、例えば、カートリッジ13の型番などである。
【0095】
コントローラ51は、生成した送信データを、通信I/F47を通じて、EEPROM57に記憶されたURLが示す情報処理装置11宛てに送信する(S58)。そして、コントローラ51は、情報処理装置11が送信したACK(肯定応答)を受信したか否かを判断する(S59)。コントローラ51は、ACKを受信しなかったと判断すると(S59:No)、送信データを再送信するリトライを実行する(S58)。コントローラ51は、ACKを受信したと判断すると(S59:Yes)、通知済みフラグの値を「ON」にして(S60)、通知処理を終了する。
【0096】
なお、フローチャートには示されていないが、情報処理装置11は、送信データを受信したことに応じて、送信データを受信したことを示すACKをプリンタ10に対して返信する。また、情報処理装置11は、受信した送信データに含まれるインクエンプティ情報や第1発注情報や第2発注情報を、不図示のメモリに記憶させる。サービス提供者は、メモリに記憶された第1発注情報や第2発注情報に基づいて、カートリッジ13の発送を手配する。具体的には、サービス提供者は、第1発注情報及び第2発注情報がメモリに記憶されていることに応じて、複数のカートリッジ13の発送の手配をまとめて行う。発送された複数の新しいカートリッジ13は、ユーザに届けられる。ユーザは、届けられた複数の新しいカートリッジ13を、プリンタ10に装着してカートリッジ13を交換する。
【0097】
なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、印刷が実行されるたびに、或いは毎日の定刻などに、CTG残量値やサブタンク残量値や印刷枚数などの管理情報を情報処理装置11に送信する。情報処理装置11は、受信した管理情報をメモリに記憶させる。
【0098】
[変形例1の作用効果]
本変形例では、コントローラ51は、一のカートリッジ13が空になったことをトリガとして、サブタンク貯留量増大処理を実行させて、他の一乃至複数のカートリッジ13を強制的に空にする。そして、空にしたカートリッジ13を示す第2発注情報を第1発注情報とともに情報処理装置11に送信する。したがって、プリンタ10は、複数のカートリッジ13の発送の手配をサービス提供者にまとめて行わせることができる。
【0099】
[変形例2]
上述の実施形態では、サブタンク貯留量増大処理の一例として、ポンプ87を用いて、サブタンク72が貯留するインクの貯留量(限界貯留量)を増加させる例を説明した。本変形例では、サブタンク貯留量増大処理の他の例として、サブタンク72の形状を変化させることによって、サブタンク72が貯留するインクの貯留量(限界貯留量)を増加させる例を説明する。なお、以下で説明する構成や処理以外の構成や処理は、実施形態で説明した構成や処理と同じである。
【0100】
本変形例のサブタンク72は、実施形態で説明した下部77に代えて、図9に示される下部80を備える。下部80は、前後方向8における前方に位置する前部81と、後方に位置する後部82と、前部81と後部82とを連結する蛇腹部83と、を有している。前部81は、上部76の下端と連結している。前後方向8における蛇腹部83の前端は、前部81の後端と連結している。前後方向8における蛇腹部83の後端は、後部82の前端と連結している。蛇腹部83は、前後方向8に沿って伸縮可能である。下部80は、蛇腹部83が縮小している縮小状態(図9(A))と、蛇腹部83が拡張している拡張状態(図9(B))とに状態変化可能である。
【0101】
装着ユニット30は、スライド装置73をさらに備える。スライド装置73は、サブタンク72の下部80を縮小状態から拡張状態に状態変化させ、かつ、拡張状態から縮小状態に状態変化させる装置である。詳しく説明すると、スライド装置73は、ラックギア84と、ピニオンギア85と、駆動モータ86(図1)と、を備える。ラックギア84は、下部80の後部82に固着されている。ラックギア84は、前後方向8に並ぶ複数の歯を有する。ピニオンギア85は、ラックギア84の歯と噛み合う複数の歯を有する。ピニオンギア85は、筐体20や上述のフレームなどに回転可能に保持されている。ピニオンギア85は、駆動モータ86によって回転される。駆動モータ86は、不図示の駆動回路を介してコントローラ51と接続されている。コントローラ51は、駆動モータ86の回転と停止、及び、回転の向きを制御する。駆動モータ86が一方の向き(以下、正回転と記載する)に回転されると、ピニオンギア85が正回転し、正回転するピニオンギア85と噛み合うラックギア84が、後部82とともに後方へ向かって移動する。その結果、蛇腹部83が伸長して、縮小状態(図9(A))にあったサブタンク72の下部80が拡張状態(図9(B))に状態変化する。駆動モータ86が他方の向き(以下、逆回転と記載する)に回転されると、ピニオンギア85が逆回転し、逆回転するピニオンギア85と噛み合うラックギア84が前方へ向かって移動する。その結果、拡張状態にあったサブタンク72の下部80が縮小状態に状態変化する。スライド装置73によって移動される後部82は、移動部の一例である。なお、上述のチューブ32の一端は、移動しない前部81の底と連結されている。
【0102】
コントローラ51は、図6(A)に示す報知処理のステップS36のサブタンク貯留量増大処理において、縮小状態にある下部80を拡張状態に状態変化させる。具体的には、コントローラ51は、CTG残量値が判断閾値未満であると判断すると(S35:Yes)、駆動モータ86を、所定時間の間、正回転させる。所定時間は、メモリ53のEEPROM57に予め記憶される時間である。拡張処理が実行されることにより、カートリッジ13に貯留されていたインク(図9(A))が、大気圧によってサブタンク72に移動し、カートリッジ13が空になる(図9(B))。すなわち、コントローラ51は、実施形態と同様に、駆動モータ86を正回転させることにより、カートリッジ13を強制的に空にする。
【0103】
サブタンク72が縮小状態から拡張状態に状態変化することによってカートリッジ13からサブタンク72にインクが移動することは、限界貯留量の増加の一例である。
【0104】
また、コントローラ51は、図6(B)に示すCTG交換処理のステップS48のサブタンク貯留量戻し処理にとして、駆動モータ86を所定時間の間、逆回転させる縮小処理を実行する。縮小処理が実行されることにより、サブタンク72に貯留されていたインク(図9(C))の一部が、大気圧によって、カートリッジ13に移動する(図9(D))。なお、インクがサブタンク72の大気連通口78から溢れないように、サブタンク72の上部76の内部空間の容積は、十分大きくされる。また、カートリッジ13の大気連通口17からインクが溢れないように、カートリッジ13の装着の高さ位置は、サブタンク72よりも十分高くされる。
【0105】
なお、縮小処理は、総カウント値が閾値以上になったことに応じて実行されてもよい。当該閾値は、サブタンク72が縮小状態から拡張状態に状態変化されたことに応じて増加するサブタンク72の内部空間の容積に応じた値である。すなわち、サブタンク72が拡張状態から縮小状態に状態変化された場合に減少するインクの量に応じた量だけ印刷によってインクが減少したことに応じて縮小処理が実行されてもよい。
【0106】
[変形例2の作用効果]
本変形例でも、一のカートリッジ13が空になったことをトリガとして、他の一乃至複数のカートリッジ13を強制的に空にすることができる。したがって、プリンタ10は、ユーザに、複数のカートリッジ13を同時に交換させることができる。また、ユーザが、空になったカートリッジ13を交換するついでに、インクが少なくなった他のカートリッジ13も交換した場合であっても、当該他のカートリッジ13は空であるので、インクが無駄に捨てられることがない。
【0107】
なお、本変形例では、スライド装置73によってサブタンク72を縮小状態と拡張状態との間で状態変化させる例を説明した。しかしながら、手動や、他の構成のスライド装置によって、サブタンク72が縮小状態と拡張状態との間で状態変化されてもよい。また、サブタンク72が蛇腹部83によって状態変化される例を説明した。しかしながら、蛇腹部83に代えて、フィルムなど可撓性を有する部材がサブタンク72に設けられていてもよい。
【0108】
[変形例3]
本変形例では、プリンタ10が、装着ユニット30に代えて、図10に示される装着ユニット100を備える例を説明する。装着ユニット100以外の構成は、実施形態で説明した構成と同じである。なお、以下で説明する構成及び処理以外の構成は、実施形態で説明した構成及び処理と同一である。
【0109】
装着ユニット100は、筐体20に保持された装着ケース101を備えている。装着ケース101は、上面に開口を有する箱状である。当該開口からカートリッジ110が挿抜される。装着ケース101は、4つのカートリッジ110を着脱可能に保持する。1つのカートリッジ110と対応付けて、1つのサブタンク102、1つの液面センサ33、1つのカートリッジI/F74、1つの駆動モータ107、及び2つのニードル103、104からなる1つのセットが設けられている。すなわち、4つの上記セットが装着ユニット100に設けられている。各セットの構成は同一であるので、以下では、1つのセットについて説明する。
【0110】
カートリッジ110は、インクを貯留する内部空間を有する箱状である。カートリッジ110は、内部空間である液室18においてインクを貯留する。一のカートリッジ110は、第1カートリッジの一例である。他の一のカートリッジ110は、第2カートリッジの一例である。また、カートリッジ110は、ニードル103、104が挿通される流出口112を底に有する。一のカートリッジ110の流出口112は、第1流出口の一例である。他の一のカートリッジ110の流出口112は、第2流出口の一例である。
【0111】
液面センサ33は、装着ケース101に装着されたカートリッジ13の内底面より僅かに上方となる高さ位置に設置されている。
【0112】
ニードル103、104は、装着ケース101に保持されている。ニードル103、104の上部は、装着ケース101の内底面から上方に向かって突出している。ニードル103、104の上部は、装着ケース101に装着されたカートリッジ110の流出口112に挿通されている。すなわち、ニードル103、104の上端は、装着ケース101に装着されたカートリッジ13の内部空間に位置する。ニードル103、104の下部は、装着ケース101の底から下方に向かって突出している。ニードル103、104の下端は、後述のサブタンク102の内部空間に位置する。すなわち、サブタンク102の内部空間と、装着ケース101に装着されたカートリッジ13の内部空間とは、ニードル103、104によって連通されている。ニードル104は、第2筒体の一例である。ニードル104の内部空間は、第2流路の一例である。
【0113】
ニードル103は、外筒105と、外筒105に内装された内筒106と、を有する。内筒106は、外筒105の中心軸線に沿ってスライド可能に外筒105に保持されている。内筒106は、外筒105に収容された収容位置(図10(B))と、下端が外筒105の下端から下方に向かって突出する突出位置(図10(A))との間でスライドする。内筒106は、駆動モータ107によって、収容位置と突出位置との間でスライドされる。ニードル103は、第1筒体の一例である。ニードル103の内部空間は、第1流路の一例である。ニードル103の下端の開口は、貫通孔の一例である。
【0114】
サブタンク102は、箱状である。サブタンク102は、内部空間である液室79にインクを貯留可能である。上述のチューブ32の一端は、サブタンク102の底と連結されている。すなわち、サブタンク102の内部空間は、チューブ32を通じて、ヘッド31の流路と連通している。また、サブタンク102は、大気連通口108を上壁に有する。すなわち、サブタンク102の内部空間は、大気開放されている。なお、上述のカートリッジ110の内部空間は、大気開放されていない。
【0115】
カートリッジ110に貯留されたインクが、ニードル104を通じてサブタンク102に移動する現象について説明する。サブタンク102が空の状態において、インクを貯留するカートリッジ110が装着ケース101に装着されると、カートリッジ110に貯留されたインクが、ニードル104を通じてサブタンク102に流出する。そして、サブタンク102内のエアが、ニードル103を通じてカートリッジ110に流入する。すなわち、カートリッジ110とサブタンク102とにおいて、インクとエアとが交換される。
【0116】
カートリッジ110からサブタンク102に流出したインクは、サブタンク102の内部空間に溜まる。サブタンク102に貯留されたインクの液面の高さ位置が、ニードル103の下端に到達すると、ニードル103を通じてエアがカートリッジ110の内部空間に移動できなくなる。そうすると、ニードル104を通じてのカートリッジ110からサブタンク102へのインクの流出が停止する。すなわち、カートリッジ110からサブタンク102へは、ニードル103の下端となる高さ位置に液面が到達するまでインクが流出する。そして、印刷によってサブタンク102に貯留されたインクが減少し、サブタンク102に貯留されたインクの液面の高さ位置が、ニードル103の下端よりも下方になると、ニードル103を通じてサブタンク102からカートリッジ110にエアが移動する。エアの移動により、ニードル104を通じて、カートリッジ110からサブタンク102にインクが流出する。そして、サブタンク102に貯留されたインクの液面がニードル103の下端に到達すると、上述と同様に、カートリッジ110からサブタンク102へのインクの流出が停止する。
【0117】
コントローラ51は、報知処理(図6(A))において、CTG残量値が判断閾値未満であると判断すると(S35:Yes)、ステップS36のサブタンク貯留量増大処理において駆動モータ107を駆動させる。駆動モータ107が駆動されることにより、ニードル103の内筒106が、突出位置から収容位置に向かってスライドする。すなわち、ニードル103の下端が上方に移動する。そして、ニードル103を通じてエアがサブタンク102からカートリッジ110に流入し、ニードル104を通じてインクがカートリッジ110からサブタンク102に流出する。サブタンク102に貯留されたインクの液面の高さ位置がニードル103の下端に到達すると、カートリッジ110からサブタンク102へのインクの流出が停止する。すなわち、ニードル103の下端が上方に移動することにより、サブタンク102が貯留するインクの量が増加する。ニードル103の下端が上方に移動することによってカートリッジ13からサブタンク72にインクが流出することは、限界貯留量の増加の一例である。
【0118】
図10(C)は、空になったカートリッジ110が新しいカートリッジ110に交換された状態を示している。インクを貯留する新しいカートリッジ110が装着ケース101に装着されても、カートリッジ110からサブタンク102にインクは流出しない。すなわち、サブタンク102の大気連通口108からインクが溢れることはない。そして、印刷によってインクが使用され、サブタンク102に貯留されたインクの液面の高さ位置がニードル103の下端より下方となると、ニードル104を通じて、カートリッジ110からサブタンク102にインクが流出する(図10(D))。
【0119】
[変形例3の作用効果]
本変形例でも、一のカートリッジ110が空になったことをトリガとして、他の一乃至複数のカートリッジ110を強制的に空にすることができる。したがって、プリンタ10は、ユーザに、複数のカートリッジ110を同時に交換させることができる。また、ユーザが、空になったカートリッジ110を交換するついでに、インクが少なくなった他のカートリッジ110も交換した場合であっても、当該他のカートリッジ110は空であるので、インクが無駄に捨てられることがない。なお、駆動モータ107に代えて、電磁石などが用いられてもよい。
【0120】
[その他の変形例]
上述の実施形態では、印刷によってインクが使用されると、重力と大気圧によって、カートリッジ13からサブタンク72にインクが移動される例を説明した。しかしながら、印刷によってインクが使用されると、ポンプ87によって、カートリッジ13からサブタンク72にインクが移動されてもよい。一例として、印刷が実行されると、インクの液面が低下し、液面センサ33が出力する検出信号は、第1検出信号から第2検出信号に変化する。コントローラ51は、液面センサ33が出力する検出信号が第2検出信号から第1検出信号に変化するまでポンプ87を駆動することでカートリッジ13からサブタンク72にインクを供給する。サブタンク貯留量増大処理では、液面センサ33が出力する検出信号が第2検出信号から第1検出信号に変化してもさらに所定時間ポンプ87を継続して駆動することでカートリッジ13からサブタンク72にインクをより多く供給する。これも限界貯留量の増加の一例である。
【0121】
また、上述の実施形態では、液面センサ33の信号変化により確認フラグを「ON」とし(S19)、確認フラグが「ON」時にサブタンク貯留量増大処理(S36)を行う例を説明した。しかしながら、液面センサ33の信号変化を用いなくてもよい。例えば、総カウント値がEEPROM57に予め記憶された閾値以上となったことに応じて、或いは、算出したCTG残量値がEEPROM57に予め記憶された閾値未満となったことに応じて、確認フラグを「ON」するようにしてもよい。上記閾値は、第1閾値の一例である。このように処理することで、一のカートリッジ13が空となる前に同時に発注することが可能となるなど利用の幅が広がる。
【0122】
また、上述の実施形態では、液面センサ33の設置位置が、ニードル75の設置位置と同じ高さ位置とされた例を説明した。すなわち、液面センサ33が出力する検出信号が、カートリッジ13が空になった場合に変化する例を説明した。しかしながら、液面センサ33の設置位置は、ニードル75の設置位置よりも上方となる高さ位置とされてもよい。この場合、例えば、液面センサ33の信号変化からのカウント値を用いてカートリッジ13のCTG残量値を計算するようにするとよい。
【0123】
また、上述の実施形態では、全ての色のサブタンク72の貯留量が増大される構成である例を説明した。しかしながら、一部の色のサブタンク72のみ貯留量が増大される構成であってもよい。例えばブラックのみのサブタンク72のみ貯留量が増大される構成として、イエロー、マゼンタ又はシアンのカートリッジ13が空になったときに必要に応じてブラックのサブタンク72の貯留量を増大してもよい。
【符号の説明】
【0124】
10・・・プリンタ
13・・・カートリッジ
18・・・液室
16・・・流出口
34・・・流入口
72、102・・・サブタンク
79・・・液室
87・・・ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10