(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】工作機械システム及び情報表示方法
(51)【国際特許分類】
B21D 5/02 20060101AFI20230606BHJP
B21D 37/04 20060101ALI20230606BHJP
B30B 15/00 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
B21D5/02 G
B21D37/04 R
B30B15/00 D
(21)【出願番号】P 2019132096
(22)【出願日】2019-07-17
【審査請求日】2022-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【氏名又は名称】西 和哉
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【氏名又は名称】磯野 富彦
(72)【発明者】
【氏名】小室 英夫
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-156677(JP,A)
【文献】特開昭56-095429(JP,A)
【文献】特表2006-527094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/02
B21D 37/04
B30B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを加工す
る工作機械と、
前記工作機械に装着され
る工具を交換する工具交換装置と、
前記工作機械及び前記工具交換装
置を制御する制御装置と、
前記工作機械の
外面に
情報を表示する情報表示装置と、を
備え、
前記情報表示装置は、
前記工作機械によりワークの加工が行われるとき、ワークの加工に関する第1情報を表示し、
前記工具交換装置により工具の交換が行われるとき、工具の交換に関する第2情報を表示し、
前記第2情報として、工具の交換動作が完了するまでの残り時間を示す情報、工具の交換動作を示す情報、及び工具の交換動作が完了したことを示す情報のうちの少なくとも1つの情報を切り替え可能に表示する、工作機械システム。
【請求項2】
前記制御装置に対する操作入力を受け付ける操作部と、前記操作入力に応じた情報を表示する表示部と、を有する操作盤
を備え、
前記情報表示装置は、前記表示部よりも大きな表示領域を有する、請求項
1に記載の工作機械システム。
【請求項3】
前記表示領域は、前記操作盤における前記表示部の下端より上方に設定される、請求項
2に記載の工作機械システム。
【請求項4】
前記情報表示装置は、前記工作機械に設けられている、請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の工作機械システム。
【請求項5】
前記情報表示装置は
、工具の交換動作に関する情報を投影する投影部を備える、請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の工作機械システム。
【請求項6】
ワークを加工す
る工作機
械、及び前記工作機械に装着され
る工具を交換する工具交換装
置を備える工作機械システムにおける
情報表示方法であって、
前記工作機械によりワークの加工が行われるとき、ワークの加工に関する第1情報を前記工作機械の外面に表示することと、
前記工具交換装置によ
り工具
の交換
が行われるとき、工具の交
換に関する
第2情報を前記工作機械の
外面に表示することと、を含
み、
前記第2情報として、工具の交換動作が完了するまでの残り時間を示す情報、工具の交換動作を示す情報、及び工具の交換動作が完了したことを示す情報のうちの少なくとも1つの情報を切り替え可能に表示する、情報表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械システム及び情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械は、ワークに対して加工を行うための工具(金型、刃物等)を備えている。工作機械の一つとして、板状のワークに曲げ加工を施すプレスブレーキが知られている。プレスブレーキは、ワークに対して所望の曲げ加工を行うため、金型である上型及び下型の一方又は双方を変更する場合がある。このような金型の変更を行う場合、プレスブレーキに対して自動で金型を交換する金型交換装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の金型交換装置は、複数の金型を保管するストッカを有し、複数の金型から選択された金型をストッカからプレスブレーキに搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した金型交換装置により金型を自動的に交換している間、プレスブレーキ(工作機械)の作業者は、プレスブレーキから離れて他の作業を行う場合がある。このように作業者がプレスブレーキから離れてしまうと、金型の交換が終了したか否かを把握することが難しくなる。このため、金型の交換が終了するまで、金型の交換動作の進捗状況を確認するために何度もプレスブレーキに戻らなければならず、作業者の作業効率が低下する要因となる。また、金型の交換が終了したのに気づかず、又は、金型交換装置の不調により金型の交換動作が途中で停止しているのに気づかず、プレスブレーキの再稼働が遅れてしまう場合もあり、この場合、プレスブレーキの稼働率が低下する要因となる。
【0005】
本発明は、作業者の作業効率、及び工作機械の稼働率を高めることが可能な工作機械システム及び情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様においては、工作機械システムを提供する。工作機械システムは、ワークを加工する工作機械を備える。工作機械システムは、工作機械に装着される工具を交換する工具交換装置を備える。工作機械システムは、工作機械及び工具交換装置を制御する制御装置を備える。工作機械システムは、工作機械の外面に情報を表示する情報表示装置を備える。情報表示装置は、工作機械によりワークの加工が行われるとき、ワークの加工に関する第1情報を表示する。情報表示装置は、工具交換装置により工具の交換が行われるとき、工具の交換に関する第2情報を表示する。情報表示装置は、第2情報として、工具の交換動作が完了するまでの残り時間を示す情報、工具の交換動作を示す情報、及び工具の交換動作が完了したことを示す情報のうちの少なくとも1つの情報を切り替え可能に表示する。
【0007】
工作機械システムは、制御装置に対する操作入力を受け付ける操作部と、操作入力に応じた情報を表示する表示部と、を有する操作盤を備えてよい。情報表示装置は、表示部よりも大きな表示領域を有してよい。表示領域は、操作盤における表示部の下端より上方に設定されてよい。情報表示装置は、工作機械に設けられてもよい。情報表示装置は、工具の交換動作に関する情報を投影する投影部を備えてよい。
【0008】
本発明の第2態様においては、ワークを加工する工作機械、及び工作機械に装着される工具を交換する工具交換装置を備える工作機械システムにおける情報表示方法である。情報表示方法は、工作機械によりワークの加工が行われるとき、ワークの加工に関する第1情報を工作機械の外面に表示することを含む。情報表示方法は、工具交換装置により工具の交換が行われるとき、工具の交換に関する第2情報を工作機械の外面に表示することと、を含む。情報表示方法は、第2情報として、工具の交換動作が完了するまでの残り時間を示す情報、工具の交換動作を示す情報、及び工具の交換動作が完了したことを示す情報のうちの少なくとも1つの情報を切り替え可能に表示する。
【発明の効果】
【0009】
上記した態様に係る工作機械システム及び工具交換方法によれば、工具の交換動作に関する情報が工作機械の一部に表示されるため、工具交換装置により工具を交換する場合、工作機械システムの作業者は、工作機械から離れた場所であっても、工作機械の一部に表示された情報を見ることにより工具の交換動作の進捗状況を容易に把握することができる。このため、工作機械から離れた作業者が進捗状況の確認のために工作機械に戻る必要がなくなる。また、工具の交換動作が完了した場合、又は工具の交換動作が途中で停止している場合には、作業者が容易に状況を把握できるので、工作機械の再稼働、又は交換作業の開始を速やかに実行させることができる。従って、作業者の作業効率、及び工作機械の稼働率を高めることができる。
【0010】
また、情報表示装置が、工具の交換動作に関する情報として、工具の交換動作が完了するまでの残り時間を示す情報、工具の交換動作を示す情報、及び工具の交換動作が完了したことを示す情報、のうち少なくとも一つを表示する形態では、工具の交換動作の進捗状況を、作業者が視覚的に容易に把握することができる。また、制御装置に対する操作入力を受け付ける操作部と、操作入力に応じた情報を表示する表示部と、を有する操作盤をさらに備え、情報表示装置が、表示部よりも大きな表示領域を有する形態では、情報が表示領域において大きく表示されるので、工作機械から離れた場所であっても、作業者が工具の交換動作の進捗状況を容易かつ確実に視認することができる。
【0011】
また、表示領域が、操作盤における表示部の下端より上方に設定される形態では、工具の交換動作に関する情報が操作盤の表示部より大きくかつ上方に表示されるので、工作機械から離れた場所であっても、作業者が工具の交換動作の進捗状況を容易に把握することができる。また、情報表示装置が、工作機械に設けられている形態では、情報表示装置を工作機械とは別に配置することが不要であり、工作機械システムを簡易化することができる。また、情報表示装置が、工具の交換動作に関する情報を投影する投影部を備える形態では、投影部を用いることにより、工具の交換動作に関する情報を容易に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る工作機械システムの一例を示す正面図である。
【
図2】工作機械システムを構成する工作機械を側方から見て模式的に示す図である。
【
図3】情報表示装置の投影部を斜め下方から見た場合の一例を示す斜視図である。
【
図4】工具の交換動作に関する情報を表示した一例を示す図である。
【
図5】工具の交換動作に関する情報を表示した他の例を示す図である。
【
図6】
図5に示す情報の表示を拡大して示す図である。
【
図7】工具の交換動作に関する情報を表示した他の例を示す図である。
【
図8】工作機械システムの機能ブロックの一例を示す図である。
【
図9】金型交換方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下説明する実施形態に限定されない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現しており、実際の製品とは形状、大きさが異なる場合がある。また、図面においては、XYZ直交座標系を参照して説明する場合がある。このXYZ直交座標系において、X方向及びY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向(上下方向)である。X方向は左右方向であり、Y方向は前後方向である。また、X方向、Y方向、及びZ方向の各方向において、矢印が指す方向を+方向(例えば+X方向)と称し、矢印と反対向きの方向を-方向(例えば-Z方向)と称す。
【0014】
図1は、実施形態に係る工作機械システム100の一例を示す正面図である。
図1に示すように、工作機械システム100は、工作機械2と、制御装置3と、金型交換装置(工具交換装置)4と、操作盤20と、情報表示装置50と、を備える。
【0015】
工作機械2は、ワークWに曲げ加工(成形加工)を施すことが可能なプレスブレーキである。以下、本実施形態では、工作機械2としてプレスブレーキを例に挙げて説明しているが、工作機械2がプレスブレーキであることに限定されない。例えば、工作機械2は、ワークWに対して打ち抜き加工(パンチ加工)あるいは成形加工が可能な工具(金型)が装着されるプレス機械(タレットパンチプレスなど)であってもよいし、ワークWに対して切削加工が可能な工具(切削工具)が装着される旋盤等であってもよい。
【0016】
工作機械2は、正面側(-Y側)が作業者の作業スペースである。作業者は、工作機械2の正面側からワークWを所定位置に配置し、金型10としての上型(工具)13と下型(工具)6とを用いてワークWを挟み込ませることにより、ワークWの加工対象部分に対して曲げ加工を実行させることができる。工作機械2は、本体フレーム5と、テーブル7と、側部カバー8、9と、ラム11と、駆動装置14とを備える。
【0017】
図2は、工作機械2を側方(+X側)から見て模式的に示す図である。
図1及び
図2に示すように、テーブル7は、本体フレーム5の正面側(前面側)に取り付けられており、下型6を固定している。テーブル7は、ワークWを+Y方向に突き当てて位置決めするための位置決め部7aが設けられる。なお、位置決め部7aは、テーブル7に設けられることに代えて、本体フレーム5に設けられてもよい。
【0018】
下型6は、テーブル7の上面に支持される固定側(下側)の金型であり、左右方向(X方向)に沿って長く形成されている。下型6は、上面側に、例えばワークWを曲げ加工するためのV字状の凹部6d(
図2参照)を有する。凹部6dは、左右方向に沿って長く形成されている。なお、
図1では、下型6として左右方向に一体となった形態を示しているが、この形態に限定されない。例えば、下型6は、分割された金型が左右方向に並べられて配置される形態であってもよい。また、下型6(又は分割された下型6)は、後述する金型交換装置4によって交換可能であってもよい。
【0019】
側部カバー8、9は、本体フレーム5の左右方向における両側の上方にそれぞれ設けられる。側部カバー8、9は、それぞれラム11の左右方向の側部上方を覆うように配置されている。本体フレーム5は、ラム11を上下方向(Z方向)にガイドするためのガイド部(図示せず)を備えている。駆動装置14は、図示しない支持フレーム等によって本体フレーム5に支持されている。駆動装置14は、ラム11を上下方向に移動(昇降)させる。駆動装置14は、例えば、ボールねじ又はナットを電動モータ等により回転させてラム11を昇降させる機構、あるいは油圧シリンダ装置又は空圧シリンダ装置を用いてラム11を昇降させる機構などが適用される。駆動装置14は、制御装置3により制御される。
【0020】
ラム11は、本体フレーム5のガイド部(図示せず)により、本体フレーム5に昇降可能に支持されている。例えば、ラム11の左右両端に一対のローラが設けられ、この一対のローラは、本体フレーム5に設けられたブラケット(図示しないガイド部)を挟んで配置される。ラム11は、一対のローラがブラケットに沿って転動することにより、上下方向(Z方向)にガイドされる。ラム11は、例えば金属等により形成された板状の部材であり、例えば、数十kgから数百kgの重量を有する。ラム11は、駆動装置14の一部に連結されており、駆動装置14によって吊り下げられた状態で配置されている。ラム11は、駆動装置14を駆動することにより昇降し、テーブル7上の下型6に対して近接又は離間する。
【0021】
ラム11の下方には、複数の上型ホルダ12が取り付けられている。複数の上型ホルダ12は、左右方向(X方向)に沿って配列され、後述する上型13の搬送方向に複数並んで配置される。複数の上型ホルダ12のそれぞれは、例えば、ラム11に対して左右方向に移動可能に設けられて、上型ホルダ12同士の間隔を変更できる構成であってもよい。上型ホルダ12は、ラム11に対して着脱可能に設けられる。複数の上型ホルダ12は、それぞれ、上型13を保持可能である。例えば、ワークWの曲げ加工を行う際に、複数の上型ホルダ12には、曲げ加工の各工程に応じた上型13が保持される。
【0022】
上型13は、上型ホルダ12を介してラム11に保持される。上型13は、上型ホルダ12で保持された際、下端である刃先13dが下型6の凹部6dにZ方向で対向しており、かつ刃先13dが左右方向(X方向)に沿うように配置される。上型13は、ラム11及び上型ホルダ12と一体となって昇降する。上型ホルダ12に保持される複数の上型13は、それぞれ左右方向(X方向)の寸法が同一であってもよいし、左右方向の寸法が異なっていてもよい。
【0023】
また、
図1に示すように、上型13には、後述する金型交換装置4の搬送装置42で搬送するための貫通孔13aが設けられる。貫通孔13aは、上型13をY方向に貫通して設けられる。図示では、1つの貫通孔13aを示しているが、1つの上型13に2つの貫通孔13aが設けられてもよい。工作機械2は、ラム11の下降に伴って上型13を下型6に向かって下降させ、上型13と下型6とによりワークWを挟み込み、上型13が例えば最下点に達するまでの間にワークWに対して曲げ加工を施す。なお、上型13の下降量によってワークWに対する曲げ角度を変えることができる。
【0024】
金型交換装置4は、工作機械2のラム11(上型ホルダ12)に装着された上型13を交換する。金型交換装置4は、ストッカ41と、搬送装置42とを備える。ストッカ41は、保管部43と、接続レール44と、移載装置45とを有する。保管部43は、複数の上型13を保管する。保管部43は、上型13を保持するための保持部43aを備えている。なお、金型交換装置4が下型6を交換する場合は、下型6を保管するための保持部(図示無し)を備える。保持部43aは、上型13を吊り下げた状態で保持するが、この構成に限定されず、テーブルに載置する構成であってもよい。
【0025】
接続レール44は、ストッカ41の保管部43と工作機械2の上型ホルダ12との間を接続する。接続レール44は、例えば、図示しない支持部材等によりストッカ41に支持されている。接続レール44は、上型ホルダ12と同様に、上型13を吊り下げた状態で、上型13を左右方向に案内可能である。接続レール44の高さは、例えば、ラム11が最も上昇した際の上型ホルダ12の高さに設定されている。ラム11が最も上昇した場合において、接続レール44は、上型ホルダ12が複数並んだ左右方向(上型13の搬送方向)に並んだ状態となる。
【0026】
移載装置45は、上型13を保管部43と接続レール44との間で移載する。移載装置45は、保管部43(保持部43a)の上型13を接続レール44に移載し、あるいは、接続レール44の上型13を保管部43(保持部43a)に移載する。移載装置45は、例えば、上型13を保持可能なハンド部を備えており、このハンド部により上型13を把持して移載する。移載装置45は、制御装置3により制御される。なお、移載装置45は、上型13を移載可能な任意の構成を適用可能である。
【0027】
搬送装置42は、工作機械2とストッカ41との間で上型13を搬送する。搬送装置42は、移載装置45により接続レール44に配置された上型13を工作機械2の上型ホルダ12に搬送し、又は、上型ホルダ12の上型13を接続レール44に搬送する。搬送装置42は、搬送部46と、レール47とを有する。搬送部46は、図示しない駆動部を駆動することにより、レール47に沿って左右方向(X方向)に往復移動が可能である。搬送部46は、例えばシャトルと称される場合がある。レール47は、搬送部46を左右方向(X方向)に案内する。レール47は、左右方向に沿って直線状に配置されており、一部が接続レール44に並行している。搬送装置42は、制御装置3により制御される。
【0028】
搬送部46は、+Y方向に延びる棒状部材46aを有する。棒状部材46aは、図示しない駆動部によりY方向に進退可能である。棒状部材46aは、例えば断面が円形であり、上型13の貫通孔13aに挿入可能である。なお、棒状部材46aは、例えば、貫通孔13aの内周面を押圧可能な押圧部が設けられてもよい。この押圧部により、棒状部材46aは、上型13を保持することができる。
【0029】
搬送部46は、棒状部材46aの先端部を貫通孔13aに進入させた状態で、レール47に沿って左右方向(X方向)に移動することにより、上型13を左右方向に搬送することができる。また、搬送部46は、貫通孔13aから棒状部材46aを退避させることにより、上型13を搬送することなく搬送部46のみで左右方向に移動可能である。なお、上型13が2つの貫通孔13aを備える場合には、搬送部46は、2本の棒状部材46aが設けられ、それぞれが貫通孔13aに対して進退するように構成されてもよい。2つの貫通孔13aにそれぞれ棒状部材46aが進入することにより、搬送部46で上型13等を左右方向に搬送する際に、上型13等がY方向の軸回りに回転することを防止できる。
【0030】
操作盤20は、
図1に示すように、表示部21と、操作部22とを備えている。操作盤20は、工作機械2の+X側かつ正面側に設けられ、作業者による視認及び操作が可能な高さに配置される。表示部21は、操作入力に応じた情報、例えば、工作機械2の運転状況、運転条件、ワークWの加工条件などを表示する。表示部21は、例えば液晶表示装置、有機EL装置などのディスプレイ装置が用いられる。表示部21は、ワークWの形状等、又は金型交換装置4による上型13の交換動作に関する情報などが表示されてもよい。
【0031】
操作部22は、制御装置3に対する操作入力を受け付ける。操作部22は、作業者による操作によって工作機械2における各種動作の設定、ワークWの材質、加工条件などの情報を制御装置3に入力可能である。操作部22は、例えば、キーボード、マウスなどが用いられる。なお、操作部22として、表示部21上に設けられるタッチパネルが用いられてもよい。この場合、操作部22は、表示部21と一体で設けられる。また、表示部21上に設けられるタッチパネルには、キーボード等を備えていてもよい。
【0032】
情報表示装置50は、金型交換装置4により上型13を交換する場合、上型13の交換動作に関する情報Inを工作機械2の一部に表示する。情報表示装置50は、情報Inを表示させるための投影部51を有する。投影部51は、工作機械2に設けられ、ラム11の正面側(-Y側)に設定される表示領域PAに、上型13の交換動作に関する情報Inを投影して表示する。投影部51としては、例えば、プロジェクタ等が用いられる。投影部51は、ラム11(本体フレーム5)の上方かつ前方に設置される。ただし、投影部51の設置位置は任意であり、表示領域PAに情報を投影可能であれば、本体フレーム5の左右側部又は下部に設置されてもよい。
【0033】
図3は、情報表示装置50の投影部51を斜め下方から見た場合の一例を示す斜視図である。
図2及び
図3に示すように、投影部51は、本体フレーム5に設けられたカバー部材52内に収容される。このカバー部材52により工作機械2の外観が良くなり、作業中に誤ってワークW等が投影部51に接触することを防止できる。投影部51は、カバー部材52の下面に設けられている開口部51a(
図3参照)を介して、投影光を表示領域PAに向けて出射する。
【0034】
情報表示装置50により情報Inが表示される表示領域PAは、操作盤20の表示部21よりも大きな面積に設定されている。その結果、情報Inを表示領域PAにおいて大きく生じさせることが可能となり、工作機械2から離れた作業者からも容易に情報Inを視認することが可能となる。また、表示領域PAは、操作盤20の表示部21の下端より上方に設定されている。その結果、例えば、工作機械システム100がパーテーション(高さが約1m程度)で区画された床面に設置されている場合、作業者がパーテーションを超えて工作機械システム100から離れたときでも、表示領域PAが上方にかつ大きく設定されているので、作業者が情報Inを視認することが可能となる。
【0035】
なお
図1に示す表示領域PAは、ラム11の正面側の領域の一部を用いて設定されているが、ラム11以外の部分を含んで設定されてもよい。例えば、工作機械2の外郭を形成するパネル、カバー等の正面側又は側面側の一部の領域を用いて表示領域PAが設定されてもよい。
【0036】
情報表示装置50(投影部51)における情報表示動作は、制御装置3によって制御される。情報表示装置50により表示される情報Inは、上型13の交換動作に関する文字、数字、記号、及び画像の少なくとも一つによって、上型13の交換動作の進捗状況を作業者が把握することが可能となる内容を有する。なお、情報表示装置50で表示する情報Inは、上型13の交換動作に関する内容であれば、表示形式は任意である。なお、制御装置3における処理については後述する。
【0037】
図4は,情報表示装置50により、上型13の交換動作に関する情報Inを表示した一例を示す図である。情報表示装置50は、上型13の交換動作に関する情報Inとして、
図4に示すように、上型13の交換動作が完了するまでの残り時間を示す情報In1を表示領域PAに表示することができる。情報In1は、「残り時間」といった文字と、残り時間を示す「XX時間YY分ZZ秒」の表示とが横に並べられて表示される。ただし、「残り時間」と「XX時間YY分ZZ秒」とを横に並べて表示させることに限定されず、例えば、上側に「残り時間」を表示させ、下側に「XX時間YY分ZZ秒」を表示させる二段表示であってもよい。また、情報In1は、例えば日本語で表記されるが、英語などの他の言語により表示されてもよい。表示させる言語は、例えば、作業者が操作盤20により予め設定してもよい。
【0038】
図5は,情報表示装置50により、上型13の交換動作に関する情報In2、In3を表示した他の例を示す図である。
図6は、
図5の情報In2、In3を拡大して示す図である。
図5に示すように、情報表示装置50は、上型13の交換動作に関する情報Inとして、上型13の交換動作の残り時間「00:04:23」を示す情報In2とともに、上型13の交換動作を示す情報In3を表示領域PAに表示させることができる。情報In3は、例えば、上型13の交換動作を示す動画である。
【0039】
情報In2の下方には、交換完了までの進捗度合いを示す情報In2aが表示されている。この情報In2aにより、作業者は、残り時間を示す情報In2とともに、交換完了までの進捗度合いを目視可能となる。その結果、作業者は、上型13の交換完了のタイミングを容易に予測することができる。
【0040】
情報In3は、工作機械2のモデル情報である工作機械モデル2mと、金型交換装置4のモデル情報である金型交換装置モデル4mと、上型13のモデル情報である上型モデル13mと、金型交換装置4の搬送部46の位置を示す位置マークPとを含む。工作機械モデル2m、金型交換装置モデル4m、及び上型モデル13mは、予め作成されて制御装置3等に保管されている。制御装置3は、工作機械2及び金型交換装置4の動作状況を適宜取得しており、実際の工作機械2及び金型交換装置4の動作に基づいて、金型交換装置モデル4m(位置マークPを含む)による上型モデル13mの交換動作を動画として表示させる。
【0041】
その結果、作業者は、情報In3を見ることにより、金型交換装置4が正常に動作していること、すなわち上型13の交換が正常に行われていることを容易に確認することができる。例えば、故障等により金型交換装置4が停止している場合には、この情報In3においても動作が停止しているので、作業者は、上型13の交換作業が不調であることを容易に認識することができ、金型交換装置4に戻ることによって金型交換装置4を早期に復旧させることができる。
【0042】
なお、
図6では、情報In2と情報In3とを並べて表示させているが、この形態に限定されない。例えば、情報In2と情報In3とを上下二段に表示させてもよい。また、表示領域PAに情報In2を表示させずに、情報In3を表示させてもよい。また、情報In3は、工作機械モデル2m及び金型交換装置モデル4mを用いた動画であることに代えて、金型交換装置4
等の実際の稼働状況をビデオカメラ等により撮影した動画であってもよい。
【0043】
図7は,情報表示装置50により、上型13の交換動作に関する情報Inを表示した他の例を示す図である。
図7に示すように、情報表示装置50は、上型13の交換動作に関する情報Inとして、例えば、上型13の交換動作が完了したことを示す情報In4を表示領域PAに表示することができる。情報In4は、「金型交換完了」といった文字が表示される。また、情報In4は、例えば日本語で表記されるが、英語などの他の言語により表示されてもよい。表示させる言語は、例えば、作業者が操作盤20により予め設定してもよい。
【0044】
情報表示装置50は、上型13の交換動作に関する情報Inとして、上記に例示したような情報In1、In2、In3、In4の中から、予め設定された情報を表示してもよい。例えば、情報表示装置50は、上型13の交換動作に関する情報Inとして、上型13の交換動作中は、上型13の交換動作が完了するまでの残り時間を示す情報In2と、上型13の交換動作を示す情報In3とを併せて表示させ(又は交互に表示させ)、上型13の交換動作が完了した後には、上型13の交換動作が完了したことを示す情報In4を表示させてもよい。
【0045】
また、情報表示装置50は、工作機械2によりワークWに加工を施す場合、例えば、ワークWの形状あるいは作業手順等が示された画像による情報を表示領域PA(工作機械2の一部)に表示させてもよい。この構成により、情報表示装置50を、工作機械2によるワークWの加工中と、上型13の交換動作中とにおいて、作業者にとって有用な情報をそれぞれ表示領域PAに表示させることができる。
【0046】
図8は、工作機械システム100の機能ブロックの一例を示す図である。上記したように、制御装置3は、工作機械2及び金型交換装置4の動作を統括して制御する。また、制御装置3は、情報表示装置50における情報Inの表示動作を制御する。制御装置3は、
図8に示すように、記憶部30と、工作機械制御部31と、交換装置制御部32と、表示制御部33と、を有する。
【0047】
記憶部30は、例えば、ハードディスクなどの大容量記憶装置、USBメモリ、フラッシュメモリなどの不揮発メモリ、CDなどの記憶媒体などである。記憶部30には、加工プログラムが記憶されている。加工プログラムは、工程ごとに工作機械2の動作を定めたプログラム(加工データ)である。例えば、加工プログラムには、曲げ加工における工程の順番、各工程において用いる上型13の情報(例えば、種類、ID、位置など)、各工程におけるラム11の移動条件(例えば、開始位置、速度、終了位置など)などが定められている。
【0048】
記憶部30には、設計データ及び金型データなどが記憶されてもよい。設計データは、図示しない上位装置等から供給されたワークWの形状に関する画像データ又は形状データを含む。金型データは、保管部43に保管されている上型13の種類、形状、寸法等の諸元に関するデータを含む。金型データには、設計データに基づくワークWの形状を形成するための工作機械2における金型レイアウトに関する情報が含まれてもよい。また、記憶部30は、工作機械2又は金型交換装置4に設けられてもよいし、工作機械2又は金型交換装置4とは別に設けられて有線又は無線により制御装置3に接続されてもよい。
【0049】
工作機械制御部31は、作業者の指示、又は記憶部30に記憶されている加工プログラム等を読み出して駆動装置14の動作を制御することで、上型13と下型6とでワークWを挟み込み、ワークWに対して所定の曲げ加工を施す。また、工作機械制御部31は、例えば、作業者に操作された図示しない操作ペダル又は操作レバーからの信号を受けて、駆動装置14の動作を開始するように制御する。
【0050】
交換装置制御部32は、金型交換装置4の動作を制御する。交換装置制御部32は、所定形状のワークWの形状を形成するための金型レイアウトの情報に基づいて、記憶部30に記憶される金型データを参照して、保管部43に保管される上型13を選択する。
また、交換装置制御部32は、加工プログラムから金型レイアウトを生成してもよい。交換装置制御部32は、搬送装置42及び移載装置45の動作を制御する。交換装置制御部32は、選択した上型13を接続レール44に配置するように移載装置45を制御する。交換装置制御部32は、接続レール44に配置された上型13を工作機械2の上型ホルダ12に搬送するように搬送装置42を制御する。
【0051】
表示制御部33は、投影部51の動作を制御する。交換装置制御部32は、金型交換装置4が実行する上型13の交換動作の進捗状況に基づいて、情報表示装置50により表示させる上型13の交換動作に関する情報Inを生成する。交換装置制御部32は、生成した情報Inを表示制御部33に送る。表示制御部33は、交換装置制御部32から送られた情報Inを投影部51に出力し、投影部51によって情報Inを表示領域PAに投影させる。
【0052】
また、表示制御部33は、操作盤20の表示部21における情報の表示動作についても制御する。表示部21には、工作機械制御部31による制御の内容、操作部22を用いて作業者が入力した内容、交換装置制御部32による制御の内容などが表示される。また、操作盤20の表示部21に表示させる情報は、情報表示装置50により表示領域PAに表示させる情報Inと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0053】
次に、本実施形態に係る金型(工具)交換方法について説明する。
図9は、本実施形態に係る金型交換方法の一例を示すフローチャートである。ここで、金型交換装置4の保管部43には、予め複数の金型10(上型13)が保管されている。保管部43に保管された上型13は、それぞれの識別情報が保管場所と関連付けられて金型データとして記憶部30に記憶されている。上型13の識別情報は、作業者が操作部22を操作して制御装置3に入力してもよいし、図示しないセンサ等により自動的に取得されて制御装置3に入力してもよい。
【0054】
制御装置3は、ワークWの曲げ加工を実行するのに先立ち、工作機械2に装着されている上型13を交換する必要がある場合、上型13の交換動作を金型交換装置4に実行させる。
図9に示すように、本実施形態に係る金型交換方法は、金型交換装置4により、工作機械2に装着された上型13を交換すること(ステップS1)と、上型13の交換動作の進捗状況を検出すること(ステップS2)と、上型13の交換動作に関する情報Inを工作機械2の一部に表示すること(ステップS3)と、を含む。
【0055】
ステップS1では、交換装置制御部32は、工作機械2の上型ホルダ12に装着されている上型13を、金型交換装置4によって上型ホルダ12から取り外し、保管部43に移送して保管する。また、ステップS1では、交換装置制御部32は、金型レイアウト(加工プログラム)に応じて選択された金型10(上型13)を、保管部43から金型レイアウトに沿って接続レール44に配置するように移載装置45を制御する。続いて、交換装置制御部32は、接続レール44に配置された上型13を工作機械2に搬送するように搬送装置42を制御する。
【0056】
ステップS2では、金型交換装置4による上型13の交換動作中において、交換装置制御部32は、上型13の交換動作の進捗状況を検出する。ステップS2において、交換装置制御部32は、上型13の交換動作を実行するために金型交換装置4の各駆動部に出力される指令に基づいて、上型13の交換動作の進捗状況を検出する。また、例えば、金型交換装置4の各部に、上型13の交換動作の進捗状況を検出するためのセンサが設けられ、これらのセンサからの検出信号に基づいて、上型13の交換動作の進捗状況を検出してもよい。交換装置制御部32は、交換動作の進捗状況から、上型13の交換動作に関する情報Inを生成して表示制御部33に送る。
【0057】
交換装置制御部32は、情報Inとして交換完了までの残り時間を示す情報In(In1)を生成する場合、例えば、予め計測されている上型13の交換動作に要する時間と、上型13の交換動作を開始してからの経過時間とから、交換完了までの残り時間を算出して情報In(In1)を生成してもよい。上型13の交換動作に要する時間は、例えば、移載装置45により保管部43の上型13を接続レール44に配置するまでの動作に要する時間、搬送装置42により接続レール44に配置された上型13を上型ホルダ12に搬送するまでの動作に要する時間、上型ホルダ12に搬送された上型13を上型ホルダ12に固定するまでの動作に要する時間、等が予め計測されており、これらの時間が積算されて算出される。
【0058】
また、交換装置制御部32は、交換動作の進捗状況から、情報Inとして上型13の交換動作(移動中の上型13の位置等)を示す模式的な動画を示す情報In(In3)を生成して表示制御部33に送る。交換装置制御部32は、交換動作の動画を示す情報In(In3)を生成する場合、記憶部30に記憶されている工作機械モデル2m、金型交換装置モデル4m、上型モデル13m、及び位置マークP等を用いて、上型13の交換動作を進捗に併せて変化させる情報In(In3)を生成してもよい。
【0059】
また、交換装置制御部32は、交換動作の進捗状況から、情報Inとして上型13の交換動作が完了したことを示す情報In(In4)を生成して表示制御部33に送る。交換装置制御部32は、交換動作が完了したことを示す情報In(In4)を生成する場合、例えば、上型13の交換動作を開始してからの経過時間が、予め計測されている上型13の交換動作に要する時間に達したときには、交換動作が完了したことを示す情報In(In4)を生成してもよい。
【0060】
ステップS3では、表示制御部33は、交換装置制御部32から送られた情報Inを投影部51に出力し、投影部51から表示領域PAに対して情報Inを表示(投影)させる。この一連の動作により、上型13の交換動作に関する情報In(In1~In4)が表示領域PAに表示される。なお、表示領域PAは1つであることに限定されず、複数設定されてもよい。複数の表示領域PAが設定される場合、1つの投影部51により複数の表示領域PAに情報Inを表示させてもよいし、複数の表示領域PAごとに投影部51が設置されて、各投影部51により複数の表示領域PAのそれぞれに情報Inを表示させてもよい。
【0061】
このように、本実施形態によれば、上型13の交換動作に関する情報Inが工作機械2の一部に表示されるため、金型交換装置4により上型13を交換する場合、工作機械システム100の作業者は、上型13の交換動作の進捗状況を容易に把握することができる。このため、工作機械2から離れた作業者は、進捗状況の確認のために工作機械2に戻る必要がなくなる。また、上型13の交換動作が完了した後には、工作機械2を速やかに再稼働させることもできる。従って、作業者の作業効率、及び工作機械2の稼働率を高めることができる。
【0062】
また、表示領域PAは、操作盤20の表示部21より大きいため、情報Inを大きく表示させることができる。その結果、作業者は、工作機械2から離れた場所であっても、上型13の交換動作の進捗状況を、容易かつ確実に把握することができる。また、表示領域PAは、操作盤20の表示部21の下端より上方に設定されている。その結果、作業者は、工作機械2から離れた、より遠い場所から上型13の交換動作の進捗状況を把握することができる。
【0063】
以上、実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態に限定されない。上記した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることは当業者において明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記した実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記した実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、本実施形態において示した各動作の実行順序は、前の動作の結果を後の動作で用いるものでない限り、任意の順序で実現可能である。また、上記した実施形態における動作に関して、便宜上「まず」、「次に」、「続いて」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須ではない。
【0064】
また、上記した実施形態では、搬送装置42において搬送部46が棒状部材46aを上型13等の貫通孔13aに差し込んだ状態で上型13等を搬送しているが、この形態に限定されない。例えば、上型13等の一部を吸着又は把持して搬送するような構成であってもよい。
【0065】
また、上記した実施形態では、1つの制御装置3に工作機械2を制御する工作機械制御部31と、金型交換装置4を制御する交換装置制御部32とを備える構成を例に挙げて説明しているが、この構成に限定されない。例えば、工作機械制御部31と交換装置制御部32とが別に設けられて、両者が無線又は有線で接続されるような構成であってもよい。
【0066】
また、上記した実施形態では、交換する工具として、工作機械2(プレスブレーキ)で用いられる上型13を例に挙げて説明しているが、この構成に限定されない。例えば、交換する工具としては、工作機械2(プレスブレーキ)で用いられる下型6であってもよい。また、工作機械2が旋盤である場合、旋盤に用いられる刃物(工具)を工具交換装置により交換する構成においても、本実施形態で説明した構成を適用可能である。
【0067】
また、上記した実施形態では、情報表示装置50が投影部51を備えているが、この構成に限定されない。情報表示装置50としては、例えば、液晶表示装置、有機EL装置などのディスプレイ装置が工作機械2に設けられる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
In・・・情報
PA・・・表示領域
W・・・ワーク
100・・・工作機械システム
2・・・工作機械
3・・・制御装置
4・・・金型交換装置(工具交換装置)
6・・・下型(工具)
13・・・上型(工具)
20・・・操作盤
21・・・表示部
22・・・操作部
50・・・情報表示装置
51・・・投影部