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特許7290231心臓病の自動化された心臓測定および診断、予測、および予後のために2Dおよびドップラーモダリティ心エコー図画像を認識および分析する自動臨床ワークフロー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】心臓病の自動化された心臓測定および診断、予測、および予後のために2Dおよびドップラーモダリティ心エコー図画像を認識および分析する自動臨床ワークフロー
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/06 20060101AFI20230606BHJP
   G16H 30/20 20180101ALI20230606BHJP
   G16H 30/40 20180101ALI20230606BHJP
   G16H 50/20 20180101ALI20230606BHJP
   G16H 50/70 20180101ALI20230606BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230606BHJP
【FI】
A61B8/06
G16H30/20
G16H30/40
G16H50/20
G16H50/70
G06T7/00 350C
G06T7/00 612
【請求項の数】 43
(21)【出願番号】P 2021533248
(86)(22)【出願日】2018-12-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 IB2018001591
(87)【国際公開番号】W WO2020121014
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-11-16
(31)【優先権主張番号】16/216,929
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521251349
【氏名又は名称】エコ.エーアイ プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヘア, ジェイムズ オーティス ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】シーキングズ, ポール ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ラム, スー ピン カロリン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュンメル, ヨラン
(72)【発明者】
【氏名】トロンプ, ジャスパー
(72)【発明者】
【氏名】オウウェケルク, ウーター
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/205836(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/094118(WO,A1)
【文献】特開2016-221264(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0350620(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
G16H 30/20
G16H 30/40
G16H 50/20
G16H 50/70
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化されたワークフローを実装するための方法であって、前記方法は、システムによって実行され、前記システムは、ワークフローエンジンを含み、前記ワークフローエンジンは、少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記ワークフローエンジンは、第1のフィルタを有し、
前記方法は、
前記ワークフローエンジンが、メモリから、患者の心臓の超音波デバイスによって撮影された複数の心エコー図画像を受信することと、
前記第1のフィルタが、画像メタデータを分析することに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、前記複数の心エコー図(エコー)画像を分離することと、
前記ワークフローエンジンが、第1のニューラルネットワークを使用して、視像タイプ別に、前記2D画像を分類することと、
前記ワークフローエンジンが、第2のニューラルネットワークを使用して、視像タイプ別に、前記ドップラーモダリティ画像を分類することと、
前記ワークフローエンジンが、第3のニューラルネットワークを使用して、前記2D画像内の着目領域をセグメント化することにより、セグメント化された2D画像を生成することと、
前記ワークフローエンジンが、第4のニューラルネットワークを使用して、前記ドップラーモダリティ画像をセグメント化することにより、波形トレースを生成し、これにより、セグメント化されたドップラーモダリティ画像を生成することと、
前記ワークフローエンジンが、前記セグメント化された2D画像および前記セグメント化されたドップラーモダリティ画像の両方を使用して、前記心臓の左側および右側の両方に関する心臓特徴の測定値を計算することと、
前記ワークフローエンジンが、前記計算された測定値と所定の範囲の値とを比較することによって、結論を生成することと、
前記ワークフローエンジンが、前記計算された測定値のうち、前記所定の範囲の値外にあるものをハイライトした報告を出力することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ワークフローエンジンが、メモリから、前記複数の心エコー図画像を受信することは、
前記ワークフローエンジンが、前記超音波デバイスを含むローカル源または遠隔源から直接的に、前記複数のエコー画像を受信することと、
前記ワークフローエンジンが、前記複数のエコー画像を画像アーカイブ内に記憶することと、
前記ワークフローエンジンが、処理のために、前記メモリ内に記憶された前記複数のエコー画像を開くことと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、
前記ワークフローエンジンが、前記複数のエコー画像を待ち行列に入れることと、
前記ワークフローエンジンが、任意の未処理エコー画像をチェックすることと、
前記ワークフローエンジンが、有効画像フォーマットを有するために前記エコー画像をフィルタ処理することと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ワークフローエンジンが、前記第1のニューラルネットワークを使用して、視像タイプ別に、前記2D画像を分類することは、前記ワークフローエンジンが、前記第1のニューラルネットワークを訓練することにより、前記2D画像のフレームを、A2C、A3C、A4C、A5C、PLAX修正、PLAX、PSAX AoVレベル、PSAX中央レベル、肋骨下Ao、肋骨下Hep静脈、肋骨下IVC、肋骨下LAX、肋骨下SAX、胸骨上窩、その他のうちの1つとして分類することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ワークフローエンジンが、前記第2のニューラルネットワークを使用して、視像タイプ別に、前記ドップラーモダリティ画像を分類することは、エコー画像ファイルが波形モダリティ(CW、PW、PWTDI、Mモード)を含有する場合、前記ワークフローエンジンが、前記ドップラーモダリティ画像から抽出されたエコー画像を、CW、PW、PWTDI、Mモード視像分類のために訓練されたCNNに入力することにより、前記エコー画像を、CW(AoV)、CW(TrV)、CWその他、PW(LVOT)、PW(MV)、PWその他、PWTDI(側壁)、PWTDI(中隔)、PWTDI(三尖弁)、Mモード(TrV)、Mモードその他のうちの1つとしてさらに分類することによって、持続波(CW)、パルス状波(PW)、Mモードドップラーモダリティ画像を分類することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のフィルタが、画像メタデータを分析することに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、前記複数のエコー画像を分離することは、
前記ワークフローエンジンが、前記画像を以下の4つのクラス、すなわち、2Dのみクラス、パルス状(PW)クラス、持続波(CW)クラス、mモードクラスのうちの1つに群化するために、メタデータを使用することと、
前記ワークフローエンジンが、前記メタデータ内の前記超音波デバイスのトランスデューサ周波数を使用して、前記パルス状(PW)クラスのいくつかの画像を第5のクラス、すなわち、パルス状波組織ドップラー撮像(PWTDI)クラスに分離することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のフィルタが、前記複数のエコー画像を分離することは、前記ワークフローエンジンが、ズーム視像を有する前記エコー画像をフィルタ除去することをさらにさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ワークフローエンジンが、第3のニューラルネットワークを使用して、前記2D画像内の着目領域をセグメント化することにより、セグメント化された2D画像を生成することは、前記ワークフローエンジンが、各心室が開始および終了する場所を決定し、心臓構造の輪郭を生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ワークフローエンジンが、第3のニューラルネットワークを使用して、前記2D画像内の着目領域をセグメント化することにより、セグメント化された2D画像を生成することは、前記ワークフローエンジンが、心臓構造の輪郭をスプライン適合させる注釈後処理を実行し、前記着目領域のより近くに境界線の場所を調節することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記ワークフローエンジンが、前記複数のエコー画像のそれぞれに対して、撮像ウィンドウを画定することと、
前記ワークフローエンジンが、前記撮像ウィンドウ外にある注釈をフィルタ除去することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、前記ワークフローエンジンが、左心室(LV)および左心房(LA)容積測定値を使用して、E、e’、A(例えば、早期および後期拡張期送達血流量および早期/平均拡張期組織速度)測定値を導出することによって、前記2D画像を使用して、ドップラーモダリティ測定値をシミュレートすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ワークフローエンジンが、前記セグメント化された2D画像および前記セグメント化されたドップラーモダリティ画像の両方を使用して、前記心臓の左側および右側の両方に関する心臓特徴の測定値を計算することは、
前記ワークフローエンジンが、2Dパイプラインを使用して、前記2D画像に関して、左心室/右心室、左心房/右心房、左心室流出量(LVOT)、心膜を測定することと、
前記ワークフローエンジンが、ドップラーモダリティ画像パイプラインを使用して、前記ドップラーモダリティ画像に関して、血流速度を測定することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のニューラルネットワークおよび前記第2のニューラルネットワークおよび前記第3のニューラルネットワークおよび前記第4のニューラルネットワークは、1つ以上の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)として実装されている、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ワークフローエンジンは、機械学習層と提示層とデータベース層とを含み、前記機械学習層は、少なくとも、前記第1のニューラルネットワークと前記第2のニューラルネットワークと前記第3のニューラルネットワークと前記第4のニューラルネットワークとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記機械学習層は、視像分類のための1つ以上の分類畳み込みニューラルネットワーク(CNN)のセットと、室セグメント化および波形マスク/トレースのための1つ以上のセグメント化CNNのセットと、疾患予測のための1つ以上の予測CNNのセットとを利用する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記ワークフローエンジンが、処理の間、分類信頼度スコアと注釈信頼度スコアと測定値信頼度スコアとを維持し、前記信頼度スコアのうち、閾値を満たすことができないものをフィルタ除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、
前記ワークフローエンジンが、全てのフィルタ除去されていないデータに関して、最良測定データとして、最大容積を伴う心室に関連付けられている前記測定値を選択することと、
前記ワークフローエンジンが、前記最良測定データとともに、画像場所と、分類と、注釈と、前記最良測定データに関連付けられている他の測定データとを保存することと
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記ワークフローエンジンが、国際測定値ガイドラインに基づいて、前記最良測定データをルールのセットに入力することにより、医療決定支援のための結論を生成することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ワークフローエンジンが、前記報告を出力することは、
前記ワークフローエンジンが、電子デバイスのディスプレイ上において前記報告をユーザに電子的に表示することと、
前記ワークフローエンジンが、紙の報告を印刷することと
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記ワークフローエンジンが、前記報告を電子的に表示することは、前記ワークフローエンジンが、前記計算された測定値を可視化するブラウザベースのUI内に、前記ユーザによって編集可能な様式で、前記報告を表示することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ワークフローエンジンは、
i)独立型設定において動作するコンピュータと、
ii)ネットワークを通して、他のDICOMベースのデバイスに接続されているコンピュータであって、前記他のDICOMベースのデバイスは、コンピュータDICOMサーバと、ネットワークファイル共有デバイスと、エコーワークステーションと、DICOMファイルをホストするクラウド記憶サービスとのうちの1つ以上を含む、コンピュータと、
iii)ポータブル超音波スキャナプローブに接続されているハンドヘルドデバイスであって、前記ポータブル超音波スキャナプローブは、複数のエコー画像を前記ハンドヘルドデバイスに伝送する、ハンドヘルドデバイスと、
iv)ネットワークを経由して複数のクライアントデバイスと通信するサーバであって、前記サーバおよび前記ワークフローエンジンは、自動化された心臓病診断を前記複数のクライアントデバイスにインターネットを経由して提供する第三者サービスの一部である、サーバと
の上で実行されるように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
システムであって、前記システムは、
患者の心臓の超音波デバイスによって撮影された複数の心エコー図画像を記憶するメモリと、
前記メモリに結合されているプロセッサと、
前記プロセッサによって実行されるワークフローエンジンであって、第1のフィルタを有するワークフローエンジンと
を備え、
前記第1のフィルタは、画像メタデータを分析することに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、前記複数の心エコー図画像を分離するように構成されており、
前記ワークフローエンジンは、
第1のニューラルネットワークを使用して、視像タイプ別に、前記2D画像を分類することと、
第2のニューラルネットワークを使用して、視像タイプ別に、前記ドップラーモダリティ画像を分類することと、
第3のニューラルネットワークを使用して、前記2D画像内の着目領域をセグメント化することにより、セグメント化された2D画像を生成することと、
第4のニューラルネットワークを使用して、前記ドップラーモダリティ画像をセグメント化することにより、波形トレースを生成し、これにより、セグメント化されたドップラーモダリティ画像を生成することと、
前記セグメント化された2D画像および前記セグメント化されたドップラーモダリティ画像の両方を使用して、前記心臓の左側および右側の両方に関する心臓特徴の測定値を計算することと、
前記計算された測定値と所定の範囲の値とを比較することによって、結論を生成することと、
前記計算された測定値のうち、前記所定の範囲の値外にあるものをハイライトした報告を出力することと
を行うように構成されている、システム。
【請求項23】
前記ワークフローエンジンは、前記超音波デバイスを含むローカル源または遠隔源から直接的に、前記複数の心エコー図画像を受信し、前記複数の画像を画像アーカイブ内に記憶し、処理のために、前記メモリ内に記憶された前記複数の画像を開く、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ワークフローエンジンは、前記複数の画像を待ち行列に入れ、任意の未処理画像をチェックし、有効画像フォーマットを有するために、前記画像をフィルタ処理する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記第1のニューラルネットワークは、前記2D画像のフレームを、A2C、A3C、A4C、A5C、PLAX修正、PLAX、PSAX AoVレベル、PSAX中央レベル、肋骨下Ao、肋骨下Hep静脈、肋骨下IVC、肋骨下LAX、肋骨下SAX、胸骨上窩、その他のうちの1つとして分類するように訓練されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記第2のニューラルネットワークは、エコー画像ファイルが、波形モダリティ(CW、PW、PWTDI、Mモード)を含有する場合、前記ドップラーモダリティ画像から抽出される画像を、CW、PW、PWTDI、Mモードの視像分類のために訓練されたCNNに入力することにより、前記画像を、CW(AoV)、CW(TrV)、CWその他、PW(LVOT)、PW(MV)、PWその他、PWTDI(側壁)、PWTDI(中隔)、PWTDI(三尖弁)、Mモード(TrV)、Mモードその他のうちの1つとしてさらに分類することによって、持続波(CW)、パルス状波(PW)、Mモードドップラーモダリティ画像を分類する、請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
画像メタデータを分析することに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、前記複数の画像を分離することは、前記複数の画像を以下の4つのクラス、すなわち、2Dのみクラス、パルス状(PW)クラス、持続波(CW)クラス、mモードクラスのうちの1つに群化するために、メタデータを使用し、前記メタデータ内の前記超音波デバイスのトランスデューサ周波数を使用して、前記パルス状(PW)クラスのいくつかの画像を第5のクラス、すなわち、パルス状波組織ドップラー撮像(PWTDI)クラスに分離する、請求項22に記載のシステム。
【請求項28】
前記複数の画像を分離するとき、前記ワークフローエンジンは、ズーム視像を有する前記画像をフィルタ除去する、請求項22に記載のシステム。
【請求項29】
前記第3のニューラルネットワークを使用したセグメント化の間、各心室が開始および終了する場所が、決定され、心臓構造の輪郭を生成する、請求項22に記載のシステム。
【請求項30】
前記第3のニューラルネットワークを使用したセグメント化の間、注釈後処理が、心臓構造の輪郭をスプライン適合させ、前記着目領域のより近くに境界線の場所を調節する、請求項22に記載のシステム。
【請求項31】
前記ワークフローエンジンは、前記複数の画像のそれぞれに対して撮像ウィンドウを画定することと、前記撮像ウィンドウ外にある注釈をフィルタ除去することとを行うように構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項32】
前記ワークフローエンジンは、左心室(LV)および左心房(LA)容積測定値を使用して、E、e’、A(例えば、早期および後期拡張期送達血流量および早期/平均拡張期組織速度)測定値を導出することによって、前記2D画像を使用して、ドップラーモダリティ測定値をシミュレートするように構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項33】
前記ワークフローエンジンは、2Dパイプラインを使用して、前記2D画像に関して、左心室/右心室、左心房/右心房、左心室流出量(LVOT)、心膜を測定し、ドップラーモダリティ画像パイプラインを使用して、前記ドップラーモダリティ画像に関して、血流速度を測定する、請求項22に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1のニューラルネットワークおよび前記第2のニューラルネットワークおよび前記第3のニューラルネットワークおよび前記第4のニューラルネットワークは、1つ以上の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)として実装されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項35】
前記ワークフローエンジンは、機械学習層と提示層とデータベース層とを含み、前記機械学習層は、少なくとも、前記第1のニューラルネットワークと前記第2のニューラルネットワークと前記第3のニューラルネットワークと前記第4のニューラルネットワークとを備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項36】
前記機械学習層は、視像分類のための1つ以上の分類畳み込みニューラルネットワーク(CNN)のセットと、室セグメント化および波形マスク/トレースのための1つ以上のセグメント化CNNのセットと、疾患のための1つ以上の予測CNNのセットとを備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
分類信頼度スコアおよび注釈信頼度スコアおよび測定値信頼度スコアは、処理の間、維持され、前記信頼度スコアのうち、閾値を満たすことができないものは、フィルタ除去される、請求項22に記載のシステム。
【請求項38】
全てのフィルタ除去されていないデータに関して、前記ワークフローエンジンは、最良測定データとして、最大容積を伴う心室に関連付けられている前記測定値を選択し、前記最良測定データとともに、画像場所と、分類と、注釈と、前記最良測定データに関連付けられている他の測定データとを保存する、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記ワークフローエンジンは、国際測定値ガイドラインに基づいて、前記最良測定データをルールのセットに入力することにより、医療決定支援のための結論を生成する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記ワークフローエンジンは、電子デバイスのディスプレイ上において前記報告をユーザに電子的に表示することと、紙の報告を印刷することとのうちの少なくとも1つによって、前記報告を出力する、請求項22に記載のシステム。
【請求項41】
前記報告は、前記ユーザによって編集可能な様式で、前記計算された測定値を可視化するブラウザベースのUI内に表示される、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記ワークフローエンジンは、
i)独立型設定において動作するコンピュータと、
ii)ネットワークを通して、他のDICOMベースのデバイスに接続されているコンピュータであって、前記他のDICOMベースのデバイスは、DICOMサーバと、ネットワークファイル共有デバイスと、ワークステーションと、DICOMファイルをホストするクラウド記憶サービスとのうちの1つ以上を含む、コンピュータと、
iii)ポータブル超音波スキャナプローブに接続されているハンドヘルドデバイスであって、前記ポータブル超音波スキャナプローブは、複数の画像を前記ハンドヘルドデバイスに伝送する、ハンドヘルドデバイスと、
iv)ネットワークを経由して複数のクライアントデバイスと通信するサーバであって、前記サーバおよび前記ワークフローエンジンは、自動化された心臓病診断を前記複数のクライアントデバイスにインターネットを経由して提供する第三者サービスの一部である、サーバと
の上で実行されるように構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項43】
プログラム命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラム命令は、実行されると、自動化されたワークフローを実装するための方法を実行することをシステムに行わせ、前記システムは、ワークフローエンジンを含み、前記ワークフローエンジンは、少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記ワークフローエンジンは、第1のフィルタを有し、
前記方法は、
前記ワークフローエンジンが、メモリから、患者の心臓の超音波デバイスによって撮影された複数の心エコー図画像を受信することと、
前記第1のフィルタが、画像メタデータを分析することに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、前記複数の心エコー図画像を分離することと、
前記ワークフローエンジンが、第1のニューラルネットワークを使用して、視像タイプ別に、前記2D画像を分類することと、
前記ワークフローエンジンが、第2のニューラルネットワークを使用して、視像タイプ別に、前記ドップラーモダリティ画像を分類することと、
前記ワークフローエンジンが、第3のニューラルネットワークを使用して、前記2D画像内の着目領域をセグメント化することにより、セグメント化された2D画像を生成することと、
前記ワークフローエンジンが、第4のニューラルネットワークを使用して、前記ドップラーモダリティ画像をセグメント化することにより、波形トレースを生成し、これにより、セグメント化されたドップラーモダリティ画像を生成することと、
前記ワークフローエンジンが、前記セグメント化された2D画像および前記セグメント化されたドップラーモダリティ画像の両方を使用して、前記心臓の左側および右側の両方に関する心臓特徴の測定値を計算することと、
前記ワークフローエンジンが、前記計算された測定値と所定の範囲の値とを比較することによって、結論を生成することと、
前記ワークフローエンジンが、前記計算された測定値のうち、前記所定の範囲の値外にあるものをハイライトした報告を出力することと
を含む、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疾患予測のための画像分類に関し、より具体的には、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後のために、2Dおよびドップラーモダリティ心エコー図画像を認識および分析する、自動臨床ワークフローに関する。
【背景技術】
【0002】
心不全を含む、心血管疾患は、世界中のヒトの死亡の約30%を占める、主な健康問題である。心不全はまた、65歳を上回る成人における、入院の主要な原因である。心エコー検査は、心臓の形態学的および機能的査定のための心臓病学における重要な診断補助である。典型的患者心エコー図(エコー)検査では、超音波検査士と呼ばれる、臨床医が、超音波デバイスを患者の胸部に対して設置し、患者の心臓のいくつかの2D画像/ビデオを捕捉する。反射された音波は、心臓壁の内側構造および血流の速度を明らかにする。超音波デバイス位置は、エコー検査の間、変動され、異なる視点または視像からの心臓の2Dスライスとして、異なる解剖学的断面を捕捉する。臨床医は、これらの2D画像に、持続波ドップラー、mモード、パルス状波ドップラー、およびパルス状波組織ドップラーを含む、種々の可能性として考えられるモダリティから捕捉された波形を追加するオプションを有する。2D画像/ビデオおよびドップラーモダリティ画像は、典型的には、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)フォーマットファイルにおいて保存される。モダリティのタイプは、部分的に、DICOMファイルのメタデータに示されるが、どの心臓構造が撮像されたかの最終決定要因である、モダリティおよび2D視像の両方における超音波デバイス位置は、示されない。
【0003】
患者検査後、臨床医/技術者は、DICOMファイルを読影し、左心室(LV)のような心室および構造に手動で注釈を付け、それらの構造の測定値を求める。プロセスは、各画像内の視像を認識し、適切な測定を行うために、臨床医の訓練に依拠する。経過観察検査では、心臓専門医は、DICOM画像および測定値を精査し、それらとメモリ化されたガイドライン値を比較し、心エコー図から行われる解釈に基づいて、診断を行う。
【0004】
DICOM画像を分析し、画像内の心臓構造を測定し、心臓病を決定、予測、および予知するための現在のワークフロープロセスは、高度に手動的であって、時間がかかり、かつ誤差を受けやすい。
【0005】
最近、非専門家による心臓機能の低コスト査定を可能にするための自動化された心臓画像解釈が、提案されている。提案される自動化されたシステムは、手動プロセスと比較して、改良された性能の有望性を保持するが、システムは、いくつかの短所を有する。1つの短所は、システムが、2D画像のみを認識することである。加えて、提案されるシステムは、正常心臓と罹患心臓を区別し得るが、提案されるシステムは、類似外観疾患を有する、心臓を区別することが不可能である。その結果、提案されるシステムによって識別される心臓病の数は、非常に限定され、他のタイプの心臓病を識別するために、手動介入を要求する。
【0006】
例えば、心不全は、従来的には、収縮性機能不全と見なされており、左心室駆出率(LV EF)が、収縮期機能を画定し、予後を査定し、療法介入のための患者を選択するために、広く使用されている。しかしながら、心不全は、正常またはほぼ正常EFの存在下でも生じ得ることが認識されており、いわゆる「駆出率が保たれた心不全(HFPEF)」であって、これは、心不全の臨床症例の実質的割合を占める。深刻な拡張および/または著しく低減されたEFを伴う心不全、いわゆる「駆出率が低減された心不全(HFREF)」は、病態生理学および治療の観点から最も明らかに理解されるタイプの心不全である。心不全の症状は、突然、「急性心不全」を発症し、病院収容につながり得るが、それらはまた、徐々に発症する可能性もある。タイムリーな診断、心不全の下位型、すなわち、HFREFまたはHFPEFのカテゴリ化、および改良されたリスク層別化は、心不全の管理および治療のために重要であるが、提案されるシステムは、これに対処しない。
【0007】
提案されるシステムはまた、識別された心臓病に基づいて、予後を生成することが不可能であって、代わりに、心臓専門医が、予後を手動で形成することを要求するであろう。
【0008】
故に、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後のために、2Dおよびドップラーモダリティ心エコー画像の両方を認識および分析する、改良された完全自動の臨床ワークフローの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
例示的実施形態は、少なくとも1つのプロセッサを実行させるソフトウェアコンポーネントによって実施される、自動化されたワークフローのための方法およびシステムを提供する。例示的実施形態の側面は、超音波デバイスによって撮影された患者の心臓の複数の心エコー画像を備える、患者研究を受信するステップを含む。第1のフィルタは、画像メタデータを分析するステップに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、複数の心エコー画像を分離する。第1のニューラルネットワークは、視像タイプ別に、2D画像を分類し、第2のニューラルネットワークは、視像タイプ別に、ドップラーモダリティ画像を分類する。第3のニューラルネットワークは、2D画像内の心室をセグメント化し、第4のニューラルネットワークは、ドップラーモダリティ画像をセグメント化し、波形トレースを生成し、それによって、セグメント化された2D画像およびセグメント化されたドップラーモダリティ画像を生産する。セグメント化された2D画像およびセグメント化されたドップラーモダリティ画像の両方を使用して、ソフトウェアコンポーネントは、患者研究に関して、心臓の左側および右側の両方に関する心臓特徴の測定値を計算する。結論が、次いで、計算された測定値と国際心臓ガイドラインを比較することによって生成され、報告が、生成され、国際ガイドライン外にある、計算された測定値のうちの値をハイライトして出力される。
【0010】
本明細書に開示される方法およびシステムによると、開示される実施形態は、機械学習を使用して、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後のために、2Dおよびドップラーモダリティ心エコー画像の両方を認識および分析し、本システムは、ワークステーションまたはモバイルベースの超音波診療現場システム内で展開されることができる。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
少なくとも1つのプロセッサを実行させるソフトウェアコンポーネントによって実施される自動化されたワークフローのためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
メモリから、患者の心臓の超音波デバイスによって撮影された複数の心エコー図画像を備える患者研究を受信することと、
第1のフィルタによって、画像メタデータを分析することに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、前記複数の心エコー図(エコー)画像を分離することと、
第1のニューラルネットワークによって、視像タイプ別に、前記2D画像を分類することと、
第2のニューラルネットワークによって、視像タイプ別に、前記ドップラーモダリティ画像を分類することと、
第3のニューラルネットワークによって、前記2D画像内の着目領域をセグメント化し、セグメント化された2D画像を生産することと、
第4のニューラルネットワークによって、前記ドップラーモダリティ画像をセグメント化し、波形トレースを生成し、セグメント化されたドップラーモダリティ画像を生産することと、
前記セグメント化された2D画像および前記セグメント化されたドップラーモダリティ画像の両方を使用して、前記患者研究に関して、前記心臓の左側および右側の両方に関する心臓特徴の測定値を計算することと、
前記計算された測定値と国際心臓ガイドラインを比較することによって、結論を生成することと、
前記国際心臓ガイドライン外にある前記計算された測定値のものをハイライトする報告を出力することと
を含む、方法。
(項目2)
メモリから、患者研究を受信することはさらに、
前記プロセッサによって、直接、前記超音波デバイスを含むローカルまたは遠隔源から、前記エコー画像を受信することと、
前記エコー画像を画像アーカイブ内に記憶することと、
処理のために、前記メモリ内に記憶されたエコー画像を開くことと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記エコー画像を待ち行列に入れ、任意の未処理エコー画像をチェックし、有効画像フォーマットを有するために、前記エコー画像をフィルタ処理することをさらに含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記第1のニューラルネットワークによって、視像タイプ別に、前記2D画像を分類することはさらに、前記第1のニューラルネットワークを訓練し、前記2D画像のフレームを、A2C、A3C、A4C、A5C、PLAX修正、PLAX、PSAX AoVレベル、PSAX中央レベル、肋骨下Ao、肋骨下Hep静脈、肋骨下IVC、肋骨下LAX、肋骨下SAX、胸骨上窩、およびその他のうちの1つとして分類することを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
第2のニューラルネットワークによって、視像タイプ別に、前記ドップラーモダリティ画像を分類することはさらに、エコー画像ファイルが、波形モダリティ(CW、PW、PWTDI、Mモード)を含有する場合、前記ドップラーモダリティ画像から抽出されたエコー画像を、CW、PW、PWTDI、およびMモード視像分類のために訓練されたCNNに入力し、さらに前記エコー画像を、CW(AoV)、CW(TrV)、CWその他、PW(LVOT)、PW(MV)、PWその他、PWTDI(側壁)、PWTDI(中隔)、PWTDI(三尖弁)、Mモード(TrV)、およびMモードその他のうちの1つとして分類することによって、持続波(CW)、パルス状波(PW)、およびMモードドップラーモダリティ画像を分類することを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
画像メタデータを分析することに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、前記エコー画像を分離することはさらに、
前記画像を以下の4つのクラス、すなわち、2Dのみ、パルス状(PW)、持続波(CW)、およびmモードのうちの1つに群化するために、メタデータを使用することと、
前記メタデータ内の前記超音波デバイスのトランスデューサ周波数を使用して、前記PW画像のうちのいくつかを第5のクラス、すなわち、パルス状波組織ドップラー撮像(PWTDI)に分離することと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記エコー画像を分離することはさらに、ズーム視像を有する前記エコー画像をフィルタ除去することを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
第3のニューラルネットワークによって、前記2D画像内の着目領域をセグメント化し、セグメント化された2D画像を生産することはさらに、前記心室のそれぞれが起始および終了する場所を決定し、心臓構造の輪郭を生成することを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
第3のニューラルネットワークによって、前記2D画像内の着目領域をセグメント化し、セグメント化された2D画像を生産することはさらに、心臓構造の輪郭をスプライン適合させる注釈後処理を実施し、前記着目領域のより近くに境界線の場所を調節することを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
セグメント化することはさらに、前記エコー画像毎に、撮像ウィンドウを画定し、前記撮像ウィンドウ外にある注釈をフィルタ除去することを含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
セグメント化することはさらに、左心室(LV)および左心房(LA)容積測定値を使用して、E、e’、およびA(例えば、早期および後期拡張期送達血流量および早期/平均拡張期組織速度)測定値を導出することによって、前記2D画像を使用して、ドップラーモダリティ測定値をシミュレートすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記セグメント化された2D画像および前記セグメント化されたドップラーモダリティ画像の両方を使用して、前記患者研究に関して、前記心臓の左側および右側の両方に関する心臓特徴の測定値を計算することはさらに、2Dパイプラインを使用して、前記2D画像に関して、左心室/右心室、左心房/右心房、左心室流出量(LVOT)および心膜を測定し、ドップラーモダリティ画像パイプラインを使用して、前記ドップラーモダリティ画像に関して、血流速度を測定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記第1のニューラルネットワーク、前記第2のニューラルネットワーク、前記第3のニューラルネットワーク、および前記第4のニューラルネットワークを、1つ以上の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)として実装することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記自動化されたワークフローを実装し、機械学習層、提示層、およびデータベース層を含むことをさらに含み、前記機械学習層は、少なくとも前記第1のニューラルネットワーク、前記第2のニューラルネットワーク、前記第3のニューラルネットワーク、および前記第4のニューラルネットワークを備える、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記機械学習層を実装し、視像分類のための1つ以上の分類畳み込みニューラルネットワーク(CNN)のセット、室セグメント化および波形マスク/トレースのための1つ以上のセグメント化CNNのセット、疾患予測のための1つ以上の予測CNNのセットを備えることをさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
処理の間、分類信頼度スコア、注釈信頼度スコア、および測定値信頼度スコアを維持し、閾値を満たすことができない前記信頼度スコアのものをフィルタ除去することをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
全てのフィルタ除去されていないデータに関して、最良測定データとして、最大容積を伴う心室と関連付けられる前記測定値を選択し、前記最良測定データとともに、画像場所、分類、注釈、および前記最良測定値と関連付けられる他の測定データを保存することをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
国際測定値ガイドラインに基づいて、前記最良測定データをルールのセットに入力し、医療決定支援のための結論を生成することをさらに含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記報告を出力することはさらに、電子デバイスのディスプレイ上において前記報告をユーザに電子的に表示することと、紙の報告を印刷することとのうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記報告を電子的に表示することはさらに、前記計算された測定値を可視化するブラウザベースのUI内に、ヒト照合のために前記ユーザによって編集可能な様式において、前記報告を表示することを含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記自動化されたワークフローを、
i)独立型設定において動作するコンピュータ、
ii)コンピュータであって、前記コンピュータは、ネットワークを通して、DICOMサーバ、ネットワークファイル共有デバイス、エコーワークステーション、およびDICOMファイルをホストするクラウド記憶サービスのうちの1つ以上のものを含む他のDICOMベースのデバイスに接続される、コンピュータ、
iii)エコー画像をハンドヘルドデバイスに伝送するポータブル超音波スキャナプローブに接続されるハンドヘルドデバイス、および
iv)ネットワークを経由して複数のクライアントデバイスと通信するサーバであって、前記サーバおよびソフトウェアアプリケーションは、自動化された心臓病診断を前記クライアントデバイスにインターネットを経由して提供する第三者サービスの一部である、サーバ
の上で実行されるように構成されるソフトウェアアプリケーションとして実装すること
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目22)
システムであって、
患者の心臓の超音波デバイスによって撮影された複数の心エコー図画像を備える患者研究を記憶するメモリと、
前記メモリに結合されるプロセッサと、
前記プロセッサによって実行されるワークフローエンジンであって、前記ワークフローエンジンは、
第1のフィルタによって、画像メタデータを分析することに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、前記複数の心エコー図画像を分離することと、
第1のニューラルネットワークによって、視像タイプ別に、前記2D画像を分類することと、
第2のニューラルネットワークによって、視像タイプ別に、前記ドップラーモダリティ画像を分類することと、
第3のニューラルネットワークによって、前記2D画像内の着目領域をセグメント化し、セグメント化された2D画像を生産することと、
第4のニューラルネットワークによって、前記ドップラーモダリティ画像をセグメント化し、波形トレースを生成し、セグメント化されたドップラーモダリティ画像を生産することと、
前記セグメント化された2D画像および前記セグメント化されたドップラーモダリティ画像の両方を使用して、前記患者研究に関して、前記心臓の左側および右側の両方に関する心臓特徴の測定値を計算することと、
前記計算された測定値と国際心臓ガイドラインを比較することによって、結論を生成することと、
前記国際ガイドライン外にある前記計算された測定値のものをハイライトする報告を出力することと
を行うように構成される、ワークフローエンジンと、
を備える、システム。
(項目23)
前記ワークフローエンジンは、直接、前記超音波デバイスを含むローカルまたは遠隔源から、前記患者研究を受信し、前記画像を画像アーカイブ内に記憶し、処理のために、前記メモリ内の前記記憶された画像を開く、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記ワークフローエンジンは、前記画像を待ち行列に入れ、任意の未処理画像をチェックし、有効画像フォーマットを有するために、前記画像をフィルタ処理する、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記第1のニューラルネットワークは、前記2D画像のフレームを、A2C、A3C、A4C、A5C、PLAX修正、PLAX、PSAX AoVレベル、PSAX中央レベル、肋骨下Ao、肋骨下Hep静脈、肋骨下IVC、肋骨下LAX、肋骨下SAX、胸骨上窩、およびその他のうちの1つとして分類するように訓練される、項目22に記載のシステム。
(項目26)
前記第2のニューラルネットワークは、エコー画像ファイルが、波形モダリティ(CW、PW、PWTDI、Mモード)を含有する場合、前記ドップラーモダリティ画像から抽出される画像を、CW、PW、PWTDI、およびMモード視像分類のために訓練されたCNNに入力し、さらに前記画像を、CW(AoV)、CW(TrV)、CWその他、PW(LVOT)、PW(MV)、PWその他、PWTDI(側壁)、PWTDI(中隔)、PWTDI(三尖弁)、Mモード(TrV)、およびMモードその他のうちの1つとして分類することによって、持続波(CW)、パルス状波(PW)、およびMモードドップラーモダリティ画像を分類する、項目22に記載のシステム。
(項目27)
画像メタデータを分析することに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、前記画像を分離することは、前記画像を以下の4つのクラス、すなわち、2Dのみ、パルス状(PW)、持続波(CW)、およびmモードのうちの1つに群化するために、メタデータを使用し、前記メタデータ内の前記超音波デバイスのトランスデューサ周波数を使用して、前記PW画像のうちのいくつかを第5のクラス、すなわち、パルス状波組織ドップラー撮像(PWTDI)に分離する、項目22に記載のシステム。
(項目28)
前記画像を分離するとき、前記ワークフローエンジンは、ズーム視像を有する前記画像をフィルタ除去する、項目22に記載のシステム。
(項目29)
前記第3のニューラルネットワークによるセグメント化の間、前記心室のそれぞれが起始および終了する場所が、決定され、心臓構造の輪郭を生成する、項目22に記載のシステム。
(項目30)
前記第3のニューラルネットワークによるセグメント化の間、注釈後処理が、心臓構造の輪郭をスプライン適合させ、前記着目領域のより近くに境界線の場所を調節する、項目22に記載のシステム。
(項目31)
セグメント化の間、撮像ウィンドウが、前記画像毎に画定され、前記撮像ウィンドウ外にある注釈をフィルタ除去する、項目22に記載のシステム。
(項目32)
セグメント化の間、前記2D画像は、左心室(LV)および左心房(LA)容積測定値を使用して、E、e’、およびA(例えば、早期および後期拡張期送達血流量および早期/平均拡張期組織速度)測定値を導出することによって、ドップラーモダリティ測定値をシミュレートするために使用される、項目22に記載のシステム。
(項目33)
前記ワークフローエンジンは、2Dパイプラインを使用して、前記2D画像に関して、左心室/右心室、左心房/右心房、左心室流出量(LVOT)および心膜を測定し、ドップラーモダリティ画像パイプラインを使用して、前記ドップラーモダリティ画像に関して、血流速度を測定する、項目22に記載のシステム。
(項目34)
前記第1のニューラルネットワーク、前記第2のニューラルネットワーク、前記第3のニューラルネットワークおよび前記第4のニューラルネットワークは、1つ以上の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)として実装される、項目22に記載のシステム。
(項目35)
前記ワークフローエンジンは、機械学習層、提示層、およびデータベース層を含み、前記機械学習層は、少なくとも前記第1のニューラルネットワーク、前記第2のニューラルネットワーク、前記第3のニューラルネットワーク、および前記第4のニューラルネットワークを備える、項目22に記載のシステム。
(項目36)
前記機械学習層は、視像分類のための1つ以上の分類畳み込みニューラルネットワーク(CNN)のセット、室セグメント化および波形マスク/トレースのための1つ以上のセグメント化CNNのセット、疾患のための1つ以上の予測CNNのセットを備える、項目35に記載のシステム。
(項目37)
分類信頼度スコア、注釈信頼度スコア、および測定値信頼度スコアは、処理の間、維持され、閾値を満たすことができない前記信頼度スコアのものは、フィルタ除去される、項目22に記載のシステム。
(項目38)
全てのフィルタ除去されていないデータに関して、前記ワークフローエンジンは、最良測定データとして、最大容積を伴う心室と関連付けられる前記測定値を選択し、前記最良測定データとともに、画像場所、分類、注釈、および前記最良測定値と関連付けられる他の測定データを保存する、項目37に記載のシステム。
(項目39)
前記ワークフローエンジンは、国際測定値ガイドラインに基づいて、前記最良測定データをルールのセットに入力し、医療決定支援のための結論を生成する、項目38に記載のシステム。
(項目40)
前記ワークフローエンジンは、電子デバイスのディスプレイ上において前記報告をユーザに電子的に表示することと、紙の報告を印刷することとのうちの少なくとも1つによって、前記報告を出力する、項目22に記載のシステム。
(項目41)
前記報告は、ヒト照合のために前記ユーザによって編集可能な様式において、前記計算された測定値を可視化するブラウザベースのUI内に表示される、項目40に記載のシステム。
(項目42)
前記ワークフローエンジンは、
i)独立型設定において動作するコンピュータ、
ii)コンピュータであって、前記コンピュータは、ネットワークを通して、DICOMサーバ、ネットワークファイル共有デバイス、ワークステーション、およびDICOMファイルをホストするクラウド記憶サービスのうちの1つ以上のものを含む他のDICOMベースのデバイスに接続される、コンピュータ、
iii)画像をハンドヘルドデバイスに伝送するポータブル超音波スキャナプローブに接続されるハンドヘルドデバイス、および
iv)ネットワークを経由して複数のクライアントデバイスと通信するサーバであって、前記サーバおよびワークフローエンジンは、自動化された心臓病診断を前記クライアントデバイスにインターネットを経由して提供する第三者サービスの一部である、サーバ
の上で実行されるように構成される、項目22に記載のシステム。
(項目43)
自動化されたワークフローを実装するためのプログラム命令を含有するコンピュータ可読媒体上に記憶された実行可能ソフトウェア製品であって、前記プログラム命令は、
メモリから、患者の心臓の超音波デバイスによって撮影された複数の心エコー図画像を備える患者研究を受信することと、
第1のフィルタによって、画像メタデータを分析することに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、前記複数の心エコー図画像を分離することと、
第1のニューラルネットワークによって、視像タイプ別に、前記2D画像を分類することと、
第2のニューラルネットワークによって、視像タイプ別に、前記ドップラーモダリティ画像を分類することと、
第3のニューラルネットワークによって、前記2D画像内の心室をセグメント化し、第4のニューラルネットワークによって、前記ドップラーモダリティ画像をセグメント化し、波形トレースを生成し、それによって、セグメント化された2D画像およびセグメント化されたドップラーモダリティ画像を生産することと、
前記セグメント化された2D画像および前記セグメント化されたドップラーモダリティ画像の両方を使用して、前記患者研究に関して、前記心臓の左側および右側の両方に関する心臓特徴の測定値を計算することと、
前記計算された測定値と国際心臓ガイドラインを比較することによって、結論を生成することと、
前記国際ガイドライン外にある前記計算された測定値のものをハイライトする報告を出力することと
のためのものである、実行可能ソフトウェア製品。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A図1A-1Cは、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後のために、2Dおよびドップラーモダリティ心エコー画像の両方を認識および分析する、自動化された臨床ワークフローを実装するためのシステムの実施形態を図示する、略図である。
図1B図1A-1Cは、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後のために、2Dおよびドップラーモダリティ心エコー画像の両方を認識および分析する、自動化された臨床ワークフローを実装するためのシステムの実施形態を図示する、略図である。
図1C図1A-1Cは、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後のために、2Dおよびドップラーモダリティ心エコー画像の両方を認識および分析する、自動化された臨床ワークフローを実装するためのシステムの実施形態を図示する、略図である。
【0012】
図2図2は、エコーワークフローエンジンのアーキテクチャ層を図示する。
【0013】
図3図3は、2Dおよびドップラーモダリティエコー画像の両方を自動的に認識および分析し、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後を実施するために、エコーワークフローエンジンによって実施されるためのプロセスの一実施形態を図示する、フロー図である。
【0014】
図4A-1】図4Aは、一実施形態による、2Dおよびドップラーモダリティエコー画像の両方を自動的に認識および分析し、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後を実施するためのプロセスの詳細を図示する、フロー図である。
図4A-2】図4Aは、一実施形態による、2Dおよびドップラーモダリティエコー画像の両方を自動的に認識および分析し、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後を実施するためのプロセスの詳細を図示する、フロー図である。
図4A-3】図4Aは、一実施形態による、2Dおよびドップラーモダリティエコー画像の両方を自動的に認識および分析し、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後を実施するためのプロセスの詳細を図示する、フロー図である。
図4A-4】図4Aは、一実施形態による、2Dおよびドップラーモダリティエコー画像の両方を自動的に認識および分析し、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後を実施するためのプロセスの詳細を図示する、フロー図である。
【0015】
図4B図4Bは、エコーワークフローエンジンの高度な機能を図示する、フロー図である。
【0016】
図5図5は、例示的2Dエコー画像および例示的ドップラーモダリティ画像を図示する、略図である。
【0017】
図6-1】図6は、エコーワークフローエンジンによって自動的に分類される、いくつかの例示的視像タイプを図示する、略図である。
図6-2】図6は、エコーワークフローエンジンによって自動的に分類される、いくつかの例示的視像タイプを図示する、略図である。
図6-3】図6は、エコーワークフローエンジンによって自動的に分類される、いくつかの例示的視像タイプを図示する、略図である。
【0018】
図7図7は、心室を示す注釈を生産するようにセグメント化された例示的2D画像と、マスクおよびトレース波形を生産するようにセグメント化された例示的ドップラーモダリティ画像とを図示する、略図である。
【0019】
図8図8は、収縮期/拡張期終点を見出す実施例を図示する、略図である。
【0020】
図9A図9は、2Dエコー画像内の撮像ウィンドウの処理および区域外注釈の自動化された検出を図示する、略図である。
図9B図9は、2Dエコー画像内の撮像ウィンドウの処理および区域外注釈の自動化された検出を図示する、略図である。
【0021】
図10図10は、2D画像内の心室の注釈から自動的に生成された構造測定値と、ドップラーモダリティ内の波形の注釈から自動的に生成された速度測定値とを図式的に図示する、略図である。
【0022】
図11図11は、2D画像内の心室の注釈から自動的に生成された、大域的縦方向歪みの測定値を図式的に図示する、略図である。
【0023】
図12A図12Aは、最大容積心室に基づく最良測定データの例示的セットおよびリポジトリへの最良測定データの保存を図式的に図示する、略図である。
【0024】
図12B図12Bは、患者が、正常拡張期機能、拡張期機能不全、または未確定を有するという結論を決定するためのルールのセットへの正常LV EF測定値を伴う患者から自動的に導出される測定値の入力を図式的に図示する、略図である。
【0025】
図13図13は、例示的JSONファイルへの分類、注釈、および測定データの出力を図式的に図示する、略図である。
【0026】
図14図14は、国際ガイドラインの範囲外にあるハイライト値を示す、例示的報告の一部を図示する、略図である。
【0027】
図15図15は、ユーザによって印刷および/または表示され得る、主要所見の例示的報告の一部を図示する、略図である。
【0028】
図16図16は、PCWPおよびHFpEFスコアをプロット化する、グラフAと、HFに関するCV死亡率または入院をプロット化する、グラフBとを示す、略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
例示的実施形態は、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後のために、2Dおよびドップラーモダリティ心エコー画像を認識および分析する、自動臨床ワークフローに関する。以下の説明は、当業者が、本発明を作製および使用することを可能にするために提示され、特許出願およびその要件の文脈において提供される。本明細書に説明される例示的実施形態および汎用原理および特徴への種々の修正は、容易に明白となるであろう。例示的実施形態は、主に、特定の実装において提供される、特定の方法およびシステムの観点から説明される。しかしながら、本方法およびシステムは、他の実装でも、事実上、動作するであろう。「例示的実施形態」、「一実施形態」、および「別の実施形態」等の語句は、同一または異なる実施形態を指し得る。実施形態は、あるコンポーネントを有する、システムおよび/またはデバイスに対して説明されるであろう。しかしながら、本システムおよび/またはデバイスは、示されるものより多いまたはより少ないコンポーネントを含んでもよく、コンポーネントの配列およびタイプにおける変動が、本発明の範囲から逸脱することなく、行われてもよい。例示的実施形態はまた、あるステップを有する、特定の方法の文脈においても説明されるであろう。しかしながら、本方法およびシステムは、例示的実施形態と矛盾しない、異なるおよび/または付加的ステップおよび異なる順序におけるステップを有する、他の方法に関しても、事実上、動作する。したがって、本発明は、示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に説明される原理および特徴と一貫する、最広範囲を与えられるべきである。
【0030】
開示される実施形態は、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後のために、2Dおよびドップラーモダリティ心エコー画像の両方を認識および分析し、ワークステーションまたはモバイルベースの超音波診療現場システム内で展開され得る、機械学習を使用して、ソフトウェアベースの自動臨床ワークフローを実装するための方法およびシステムを提供する。
【0031】
図1A-1Cは、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後のために、2Dおよびドップラーモダリティ心エコー画像の両方を認識および分析する、自動化された臨床ワークフローを実装するためのシステムの実施形態を図示する、略図である。図1Aは、自動化された臨床ワークフローシステム10Aのための基本独立型構成を示す。自動化された臨床ワークフロー10Aは、主に、ネットワーク26上の他のデバイスから接続解除される、独立型設定において動作する、コンピュータ14上で実行される、エコーワークフローエンジン12と称される、ソフトウェアアプリケーションとして実装される。コンピュータ14は、Microsoft Windows(登録商標)(例えば、Windows7(登録商標)、Windows10(登録商標))、Apple macOS(登録商標)、Linux(登録商標)、Apple iOS(登録商標)、Android(登録商標)、および同等物等のオペレーティングシステムを起動させることが可能なワークステーション、デスクトップ、ノートブック、ラップトップサーバ、またはタブレットを含む、任意の形状因子内に実装されてもよい。
【0032】
コンピュータ14は、プロセッサ、入力デバイス(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、音声コマンドのためのマイクロホン、ボタン、タッチスクリーン等)、出力デバイス(例えば、ディスプレイデバイス、スピーカ、および同等物)、および通信のための有線または無線ネットワーク通信インターフェース(図示せず)を含む、典型的ハードウェアコンポーネント(図示せず)を含んでもよい。コンピュータ14は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、本明細書に開示される機能性を実装する、エコーワークフローエンジン12を備える、コンピュータ命令を含有する、メモリ(図示せず)等の内部コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0033】
コンピュータ14はさらに、1つ以上のデータベース16と、画像ファイルアーカイブ18とを記憶するためのローカル内部記憶装置を含んでもよい。一実施形態では、画像ファイルアーカイブ18のコンテンツは、いくつかの実施形態では、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)フォーマットで記憶され得る、心エコー図画像ファイル(本明細書には、エコー画像とも称される)を含む。
【0034】
一実施形態では、コンピュータ14は、次いで、データベース16および画像ファイルアーカイブ18を使用して、患者研究として記憶され得る、患者の器官(例えば、心臓)の心エコー図画像を捕捉する、超音波撮像デバイス24等の周辺デバイスと通信する。例えば、コンピュータ14は、心エコー検査が、心臓の形態学的および機能的査定のための心臓病学における診断補助として実施される、病院または臨床実験室環境内に位置してもよい。典型的患者心エコー図検査(研究と称される)の間、超音波検査士または技術者は、超音波撮像デバイス24を患者の胸部に対して設置し、心臓の2Dエコー画像/ビデオを捕捉し、特定の心臓病を診断することに役立てる。構造および血流の測定は、典型的には、心臓の2Dスライスを使用して行われ、超音波撮像デバイス24の位置は、エコー検査の間、変動され、異なる視点から心臓の異なる解剖学的断面を捕捉する。技術者は、これらの2Dエコー画像に、持続波ドップラー、mモード、パルス状波ドップラー、およびパルス状波組織ドップラーを含む、種々の可能性として考えられるモダリティから捕捉された波形を追加するオプションを有する。2D画像およびドップラー波形画像は、DICOMファイルとして保存されてもよい。モダリティのタイプは、時として、DICOMファイルのメタデータに示されるが、2D視像は、示されない。
【0035】
コンピュータ14はさらに、光ディスク20および/またはフラッシュメモリ22およびエコー画像の記憶のための同等物等のリムーバブル記憶デバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、リムーバブル記憶デバイスは、超音波撮像デバイス24ではなく、またはそれに加え、内部画像ファイルアーカイブ18の中へのエコー画像および関連データ構造のインポート源として使用されてもよい。リムーバブル記憶デバイスはまた、データベース16および/または画像ファイルアーカイブ18内に記憶された心電図データのためのアーカイブとして使用されてもよい。
【0036】
接続構成10Bと称される、高度な実施形態では、コンピュータ14は、ネットワーク26およびルータ28を通して、DICOMサーバ30、ネットワークファイル共有デバイス32、エコーワークステーション34、および/またはDICOMファイルをホストするクラウド記憶サービス36等の他のDICOMベースのデバイスに接続されてもよい。接続構成10Bでは、データベース16および画像ファイルアーカイブ18とのいくつかの可能性として考えられる相互作用が、下記に説明されるように、可能性として考えられる。
【0037】
1つの可能性として考えられる相互作用は、クラウド記憶サービス36を内部アーカイブとして使用することである。大量のDICOMファイルから成る、非常に大規模なアーカイブの場合、コンピュータ14は、全てのファイルをホストするために十分な記憶容量を有していない場合があり、エコーワークフローエンジン12は、ファイル記憶のために、クラウド記憶サービス36の外部ネットワーク記憶装置を使用するように構成されてもよい。
【0038】
別の可能性として考えられる相互作用は、i)DICOMおよびドップラー波形画像および患者データおよび検査情報を含む、DICOMファイルセットまたは患者研究を選択することによって、クラウド記憶サービス36をインポート源として使用することである。患者研究はまた、そこから患者、検査、および画像ファイルが、読み取られる、留保されたDICOMDIRファイルインスタンスによって選択されてもよい。
【0039】
なおもさらなる可能性として考えられる相互作用は、CFind動作を実施し、その後、CMove動作が続き、遠隔デバイスに、CFind動作から生じる画像を送信するように要求することによって、患者、検査、および画像を読み出すために、DICOMサーバ(モダリティCFind、CMove、およびCStoreを伴う、ワークステーション)として作用する、DICOMサーバ30、ネットワークファイル共有デバイス32、エコーワークステーション34、および/またはDICOMクライアント(図1C)を使用することである。
【0040】
ここで図1Bを参照すると、自動化された臨床ワークフローシステムのためのハンドヘルド構成10Cが、示される。本実施形態では、図1Aのコンピュータ14は、エコー画像をハンドヘルドデバイス14’に伝送する、有線または無線ポータブル超音波スキャナプローブ24’に接続される、タブレットまたは携帯電話等のハンドヘルドデバイス14’として実装される。そのような実施形態では、エコーワークフローエンジン12は、ハンドヘルドデバイス14’によって実行される、アプリケーションとして実装されてもよい。
【0041】
図1Cは、自動化された臨床ワークフローのためのサービス(SaaS)構成10Dとしてのソフトウェアを図示する。本実施形態では、エコーワークフローエンジン12は、ネットワーク26を経由して、複数のクライアントデバイス42と通信する、サーバ40上で起動される。本実施形態では、サーバ42およびエコーワークフローエンジン12は、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後を、インターネットを経由して、クライアントデバイス(例えば、病院、医院、または医師コンピュータ)に提供する、第三者サービスの一部であってもよい。サーバ40は、単一コンピュータとして示されるが、サーバ40の機能は、1つを上回るサーバにわたって分散されてもよいことを理解されたい。代替実施形態では、図1Cのサーバ40およびエコーワークフローエンジン12は、その機能が複数のクライアントデバイス42にわたって分散される、仮想エンティティとして実装されてもよい。同様に、エコーワークフローエンジン12は、各実施形態では、単一コンポーネントとして示されるが、エコーワークフローエンジン12の機能性は、より多数のモジュール/コンポーネントに分離されてもよいことを理解されたい。
【0042】
従来、エコー画像が捕捉および記憶される、患者検査後、臨床医/技術者は、DICOMファイルを読影し、心室および構造に手動で注釈を付け、測定値を求め、これは、報告に提示される。経過観察検査では、医師は、DICOM画像および測定値を精査し、それらとメモリ化されたガイドライン値を比較し、診断を行うであろう。そのようなプロセスは、適切な診断が行われ得るように、視像を認識し、適切な測定を行うために、臨床医の訓練に依拠する。そのようなプロセスは、誤差を受けやすく、時間がかかる。
【0043】
開示される実施形態によると、エコーワークフローエンジン12は、下記に説明されるように、標準的臨床実践を模倣し、機械学習、画像処理、およびDICOMワークフロー技法の組み合わせを使用して、臨床測定値を導出することによって、患者のDICOMファイルを処理し、具体的疾患を診断し、患者転帰を予知する。機械学習を使用したエコー画像解釈に対する自動化されたソリューションは、以前に提案されているが、そのソリューションは、2Dエコー画像のみを分析し、ドップラーモダリティ波形画像を分析しない。そのソリューションはまた、疾患予測を述べるが、2つの疾患(肥大型心筋症および心アミロイドーシス)のみを取り扱うことを試み、その対照は、正常患者と罹患患者のみを比較する。
【0044】
しかしながら、開示される実施形態のエコーワークフローエンジン12は、機械学習を利用して、2Dエコー画像だけではなく、また、ドップラーモダリティ波形画像も自動的に認識および分析することによって、自動化されたソリューションを改良する。エコーワークフローエンジン12はまた、類似外観の心臓病を有する、患者を比較し(正常患者と罹患患者を比較するのではなく)、駆出率が低減された心不全(HFrEF)および駆出率が保たれた心不全(HFpEF)の両方を含む、付加的疾患を自動的に識別することが可能である。HFrEFは、左心室収縮期機能不全または収縮期心不全に起因し、駆出率が40%未満であるときに生じる、心不全として知られる。HFpEFは、各拍動に伴って心臓の左心室から圧送される血液の量(駆出率)が50%を上回る、鬱血性心不全の形態である。最後に、提案される自動化されたソリューションと異なり、エコーワークフローエンジン12は、医療決定支援のために、分析の結果とともに、報告を自動的に生成する。
【0045】
図2は、エコーワークフローエンジン12のアーキテクチャ層を図示する。一実施形態では、エコーワークフローエンジン12は、1つのソフトウェアアプリケーション内にともにパッケージ化される、いくつかのサーバを含んでもよい。例えば、エコーワークフローエンジン12は、機械学習層200と、提示層202と、データベース層204とを含んでもよい。
【0046】
機械学習層200は、いくつかのニューラルネットワークを備え、着信エコー画像および対応するメタデータを処理する。一実施形態では、機械学習層200は、視像分類のための1つ以上の分類畳み込みニューラルネットワーク(CNN)200Aのセット、室セグメント化および波形マスク/トレースのための1つ以上のセグメント化CNN200Bのセット、疾患予測のための1つ以上の予測CNN200Cのセット、および随意に、疾患予後のための1つ以上の予後CNN200Dのセットを利用する。
【0047】
機械学習では、CNNは、典型的には、視覚的画像を分析するために使用される、深層フィードフォワード人工ニューラルネットワークのクラスである。各CNNは、入力および出力層および複数の隠れ層を備える。ニューラルネットワークでは、各ノードまたはニューロンは、入力を前の層内のある数の場所から受信する。各ニューロンは、ある関数を前の層から生じる入力値に適用することによって、出力値を算出する。入力値に適用される、関数は、加重のベクトルおよびバイアス(典型的には、実数)によって規定される。ニューラルネットワーク内の学習は、インクリメント調節をバイアスおよび加重に行うことによって進捗する。加重のベクトルおよびバイアスは、フィルタと呼ばれ、入力のある特徴(例えば、特定の形状)を表す。
【0048】
機械学習層200は、エコーワークフローエンジン12が、分析モードに置かれ、患者研究内のエコー画像を自動的に認識および分析することに先立って、訓練モードで動作し、CNN200A-200Dのそれぞれを訓練する。一実施形態では、CNN200A-200Dは、オンラインパブリックまたはプライベート心エコー図DICOMデータベースからの数千のエコー画像を使用して、種々のエコー画像視像を認識およびセグメント化するように訓練されてもよい。
【0049】
提示層202は、情報をフォーマットし、ユーザに提示するために使用される。一実施形態では、提示層は、HTML5、Angular4、および/またはJavaScript(登録商標)で記述される。提示層202は、報告を表示し、ユーザ(例えば、医師/技術者)が、報告を編集することを可能にする、軽量のブラウザベースのユーザインターフェースを実装するために、Windows Presentation Foundation(WPF)グラフィカルサブシステム202Aを含んでもよい。提示層202はまた、エコー画像を閲覧するための画像ビューワ202B(例えば、DICOMビューワ)と、CNNアルゴリズムを起動させ、例えば、JavaScript(登録商標) Object Notation(JSON)フォーマットにおける結果のファイルを生成するためのpythonサーバ202Cとを含んでもよい。
【0050】
データベース層204は、一実施形態では、SQLデータベース204Aと、システムが使用し得る、他の外部サービスとを備える。SQLデータベース204Aは、システムに入力される個々の患者研究に関する患者研究情報を記憶する。いくつかの実施形態では、データベース層204はまた、図1の画像ファイルアーカイブ18を含んでもよい。
【0051】
図3は、2Dおよびドップラーモダリティエコー画像の両方を自動的に認識および分析し、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後を実施するために、エコーワークフローエンジン12によって実施されるためのプロセスの一実施形態を図示する、フロー図である。プロセスは、いったんエコーワークフローエンジン12が、訓練され、分析モードに置かれると、生じる。
【0052】
プロセスは、エコーワークフローエンジン12が、メモリから、超音波デバイスによって撮影された心臓等の患者の器官の複数の心エコー図画像を備える、1つ以上の患者研究を受信するステップから開始し得る(ブロック300)。一実施形態では、患者研究は、70~90の画像およびビデオを含んでもよい。
【0053】
エコーワークフローエンジン12の第1のフィルタは、画像メタデータを分析するステップに基づいて、2D画像およびドップラーモダリティ画像に従って、複数の心エコー図画像を分離するために使用される(ブロック302)。フィルタは、画像内に組み込まれるDICOMタグまたはメタデータを分析し、タグ情報に基づいて、アルゴリズムを起動し、2Dとモダリティ画像を区別し、次いで、モダリティ画像をパルス波、持続波、PWTDI、またはmモード群のいずれかに分離する。
【0054】
超音波検査士は、エコー画像内の視像タイプを標識しないため、CNN200のうちの1つ以上のものが、視像タイプ別に、エコー画像を分類するために使用される。一実施形態では、第1のニューラルネットワークは、エコーワークフローエンジン12によって使用され、視像タイプ別に、2D画像を分類し(ブロック304)、第2のニューラルネットワークは、エコーワークフローエンジン12によって使用され、視像タイプ別に、ドップラーモダリティ画像を分類する(ブロック306)。示されるように、2D画像の処理は、ドップラーモダリティ画像の処理と別個である。一実施形態では、第1および第2のニューラルネットワークは、分類畳み込みニューラルネットワーク(CNN)200Aのセットを使用して実装されてもよい。1つの具体的実施形態では、5クラスCNNが、視像タイプ別に、2D画像を分類するために使用されてもよく、11クラスCNNが、視像タイプ別に、ドップラーモダリティ画像を分類するために使用されてもよい。代替実施形態では、第1および第2のニューラルネットワークは、1つのニューラルネットワークに組み合わせられてもよい。
【0055】
一実施形態では、エコーワークフローエンジン12は、多くの異なる視像タイプを分類するように訓練される。例えば、エコーワークフローエンジン12は、傍胸骨長軸(PLAX)、心尖部二腔、三腔、および四腔(A2C、A3C、およびA4C)、A4C+僧帽弁のパルス波、A4C+中隔側上のパルス波組織ドップラー、A4C+側壁側上のパルス波組織ドップラー、A4C+三尖弁側上のパルス波組織ドップラー、A5C+大動脈弁の持続波、A4C+Mモード(TrV)、A5C+PW(LVOT)を含む、少なくとも11の異なる視像タイプを分類してもよい。
【0056】
分類された画像に基づいて、第3のニューラルネットワークは、エコーワークフローエンジン12によって使用され、2D画像内の着目領域(例えば、心室)をセグメント化し、注釈が付けられたまたはセグメント化された2D画像を生産する(ブロック308)。第4のニューラルネットワークは、エコーワークフローエンジン12によって使用され、ドップラーモダリティ画像に関する波形トレースを生成し、注釈が付けられたまたはセグメント化されたドップラーモダリティ画像を生成する(ブロック309)。セグメント化のプロセスは、心室のそれぞれが起始および終了する場所を決定し、各画像および/またはビデオに描写される、心臓の構造(例えば、心室)の輪郭を生成するステップを含む。セグメント化はまたは、ドップラーモダリティ内の血流の速度を描写する、波形の輪郭をトレースするために使用されることができる。一実施形態では、第3および第4のニューラルネットワークは、1つ以上のセグメント化CNN200Bのセットを使用して実装されてもよい。使用されるセグメント化CNNの選択肢は、画像の視像タイプによって決定され、これは、視像タイプの以前の正しい分類を重大なステップにする。
【0057】
セグメント化された2D画像およびセグメント化されたドップラーモダリティ画像の両方を使用して、エコーワークフローエンジン12は、患者研究に関して、心臓の左側および右側の両方に関する心臓特徴の測定値を計算する(ブロック310)。
【0058】
エコーワークフローエンジン12は、次いで、計算された測定値と国際心臓ガイドラインを比較することによって、結論を生成する(ブロック312)。エコーワークフローエンジン12はさらに、国際ガイドライン外にある、計算された測定値のものをハイライトする、報告をユーザに出力する(ブロック314)。一実施形態では、報告は、医師および/または患者に、電子デバイスのディスプレイ上において電子的に、および/または紙の報告として、表示されてもよい。いくつかの実施形態では、電子報告は、ルールまたは役割ベースの許可に従って、ユーザによって編集可能であってもよく、例えば、心臓専門医は、報告を修正することを可能にされ得るが、患者は、閲覧特権のみを有してもよい。
【0059】
図4Aは、一実施形態による、2Dおよびドップラーモダリティエコー画像の両方を自動的に認識および分析し、心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後を実施するためのプロセスのさらなる詳細を図示する、フロー図である。
【0060】
プロセスは、ブロック400-4010を備える、1つ以上の患者研究(図3のブロック300)を受信するステップから開始し得る。一実施形態では、患者研究のそれぞれからのエコー画像は、自動的に、画像ファイルアーカイブ18の中にダウンロードされる(ブロック400)。エコー画像は、コンピュータ14のローカルまたは遠隔記憶源から受信されてもよい。ローカル記憶源は、リムーバブル記憶デバイスを含む、コンピュータ14の内部/外部記憶装置を含んでもよい。遠隔記憶源は、超音波撮像デバイス24、DICOMサーバ30、ネットワークファイル共有デバイス32、エコーワークステーション34、および/またはクラウド記憶サービス36(図1参照)を含んでもよい。一実施形態では、エコーワークフローエンジン12は、写真アーカイブおよび通信サーバ(PACS)として動作するための機能を含み、これは、多重モダリティ(源機械タイプであって、そのうちの1つは、超音波撮像デバイス24である)からの画像を取り扱うことが可能である。エコーワークフローエンジン12は、PACSを使用して、エコー画像を画像ファイルアーカイブ18の中にダウンロードおよび記憶し、エコーワークフローエンジン12に、自動化されたワークフローの間、エコー画像へのアクセスを提供する。PACS画像記憶および転送のためのフォーマットは、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)である。
【0061】
患者研究のそれぞれからの患者情報は、抽出され、データベース16内に記憶される(ブロック402)。非画像患者データは、DICOM画像および/または走査文書内に埋設されるメタデータを含んでもよく、これは、いったんDICOM内にカプセル化されると、PDF(Portable Document Format)等の消費者産業標準フォーマットを使用して組み込まれてもよい。一実施形態では、受信される患者研究は、将来的処理のために、処理待ち行列内に入れられ、各患者研究の処理の間、エコーワークフローエンジン12は、待ち行列を処理し、未処理エコー画像をチェックする(ブロック404)。エコーワークフローエンジン12は、患者研究のステータスを監視し、待ち行列内のそれらを追跡し、どれが処理されたかと、どれが依然として保留中であるかとを決定する。一実施形態では、待ち行列内の患者研究の優先順位化が、ユーザによって構成されてもよい。例えば、患者研究は、処理のために、エコー検査の日付、患者研究の受信時間に従って、または患者の心臓病の推定される重症度別に、待ち行列内で優先順位化されてもよい。
【0062】
任意の未処理エコー画像は、次いで、有効DICOM画像フォーマットを有するために、フィルタ処理され、エコー研究内の非DICOMファイルは、破棄される(ブロック406)。一実施形態では、エコー画像は、特定のタイプのフォーマット、例えば、有効DICOMファイルフォーマットを有するために、フィルタ処理され、任意の他のファイルフォーマットは、無視されてもよい。有効画像ファイルフォーマットを有するためのエコー画像フィルタ処理は、処理のために、無効DICOM画像を否認することによって、エコーワークフローエンジン12の信頼性を向上させる。
【0063】
任意の未処理有効エコー画像は、次いで、コンピュータ14のメモリ内で開かれ、処理される(ブロック408)。コンピュータ14のメモリ内の患者研究に関するエコー画像を開くことは、エコーワークフローエンジン12による処理速度を向上させるために行われる。これは、処理速度を有意に減速させ得る、エコーファイルをサブプロセスとして開き、エコーファイルをディスクに保存し、次いで、処理の間、各エコー画像を再び開くアプローチとは対照的である。
【0064】
エコーワークフローエンジン12は、次いで、メタデータをエコー画像から抽出し、記憶し、次いで、画像上に記述される個人情報を被覆することによって、患者データプライバシを保護するために、画像をブラックアウトし、メタデータを上書きすることによって、画像を匿名化する(ブロック410)。実施例として、DICOMフォーマット画像ファイルは、患者情報、医師情報、超音波製造情報、研究情報等の様々な情報を記憶するために使用され得る、DICOMタグと称される、メタデータを含む。一実施形態では、抽出されたメタデータは、データベース16内に記憶されてもよく、画像ファイル内のメタデータは、プライバシのために上書きされる。
【0065】
患者研究の受信および処理後、エコーワークフローエンジン12は、2D画像をドップラーモダリティ画像から分離し、したがって、2つの異なる画像タイプが、下記に説明される、異なるパイプラインフローによって処理されることができる。一実施形態では、画像の分離(図3のブロック302)は、ブロック412-414を備えてもよい。最初に、2D画像が、メタデータを分析することによって、ドップラーモダリティ画像から分離される(ブロック412)。
【0066】
図5は、例示的2Dエコー画像500と、波形を含む、例示的ドップラーモダリティ画像502とを図示する、略図である。エコーワークフローエンジン12は、メタデータ/DICOMタグを調べることによって、画像タイプを決定してもよい。一実施形態では、DICOMタグ内の情報が、画像を、以下の4つのクラス、すなわち、2Dのみ、パルス状波(PW)、持続波(CW)、およびmモードのうちの1つに群化するために抽出されてもよい。同様に、メタデータ内の超音波撮像デバイス24のトランスデューサ周波数は、PW画像のうちのいくつかを第5のクラス、すなわち、パルス状波組織ドップラー撮像(PWTDI)にさらに分離するために使用されてもよい。
【0067】
再び図4Aを参照すると、エコーワークフローエンジン12はまた、同様にメタデータを分析することによって決定され得る、ズーム視像を伴う、画像をフィルタ除去してもよい(ブロック414)。拡大画像捕捉の間に拡大されている、エコー画像のいずれも、ズームするとき、有用な情報が、必然的に、画像から脱落され、元々の画像が、欠測データに関して参照される必要があり、これが、処理速度を減速させる、労力の重複であることを意味するため、パイプラインを通して処理されない。故に、潜在的に、そのような様式において、プロセスを減速させるのではなく、エコーワークフローエンジン12は、拡大画像をフィルタ除去または破棄し、処理時間を節約する。代替実施形態では、ブロック414における拡大画像をフィルタ除去するステップは、ブロック412において画像を分離するステップに先立って、実施されてもよい。
【0068】
2D画像をドップラーモダリティ画像から分離後、エコーワークフローエンジン12は、画像データを各エコー画像から抽出し、数値アレイ416に変換する(ブロック416)。2Dのみのエコー画像に関して、ピクセルデータは、シーケンスで再生され、ビデオを作成する、一連の画像フレームを備える。画像フレームは、標識されていないため、視像角度が、決定される必要がある。波形モダリティを含む、ドップラーモダリティ画像に関して、後続視像識別のために使用され得る、DICOMファイル内には、2つの画像、すなわち、心臓の波形画像と、エコー画像とが存在する。ピクセルデータは、DICOMファイルから抽出され、DICOMファイル内のタグは、画像をクロッピングするための座標を決定する。クロッピングされたピクセルデータは、さらなる処理のために、数値アレイ内に記憶される。一実施形態では、ブロック412、414、および416は、図3の画像を分離するブロック302に対応し得る。
【0069】
画像を分離後、エコーワークフローエンジン12は、視像タイプ別に、エコー画像のそれぞれを分類することを試みる。一実施形態では、視像分類(図3ブロック304および306)は、ブロック418-422に対応する。
【0070】
開示される実施形態によると、エコーワークフローエンジン12は、パラレルパイプラインフローを利用することによって、視像タイプ別に、エコー画像のそれぞれを分類することを試みる。パラレルパイプラインは、2D画像パイプラインと、ドップラーモダリティ画像パイプラインとを含む。2Dパイプラインフローは、第1のCNNによって、図3からのブロック304に対応する、視像タイプ別に、2D画像を分類するステップによって開始する(ブロック418)。ドップラーモダリティ画像パイプラインフローは、第2のCNNによって、図3からのブロック306に対応する、視像タイプ別に、ドップラーモダリティ画像を分類するステップによって開始する(ブロック420)。
【0071】
図6は、エコーワークフローエンジン12によって自動的に分類される、いくつかの例示的視像タイプを図示する、略図である。上記に記載されるように、例示的視像タイプは、傍胸骨長軸(PLAX)、心尖部二腔、三腔、および四腔(A2C、A3C、およびA4C)、A4C+僧帽弁のパルス波、A4C+中隔側上のパルス波組織ドップラー、A4C+側壁側上のパルス波組織ドップラー、A4C+三尖弁側上のパルス波組織ドップラー、A5C+大動脈弁の持続波、A4C+Mモード(TrV)、A5C+PW(LVOT)を含んでもよい。
【0072】
再び図4Aを参照すると、一実施形態では、2D画像分類は、以下のように実施される。DICOMファイルが、2D視像からのビデオフレームを含有する場合、より効率的処理のために、ビデオフレームの小サブセットのみが、分析され、2D視像分類を決定する。一実施形態では、ビデオフレームのサブセットは、約8~12ビデオフレームの範囲であってもよいが、好ましくは、10フレームが、実際の視像を決定するために、2Dのために訓練されたCNN200Aのうちの1つの中に入力される。代替実施形態では、ビデオフレームのサブセットは、ビデオファイルからランダムに選択されてもよい。一実施形態では、CNN200Aは、分析されるビデオフレームのそれぞれを、A2C、A3C、A4C、A5C、PLAX修正、PLAX、PSAX AoVレベル、PSAX中央レベル、肋骨下Ao、肋骨下Hep静脈、肋骨下IVC、肋骨下LAX、肋骨下SAX、胸骨上窩、およびその他のうちの1つとして分類する。
【0073】
ドップラーモダリティ画像は、2つの画像、すなわち、心臓の心エコー図画像と、対応する波形とを備え、その両方とも、画像処理のために、エコーファイルから抽出される。一実施形態では、持続波(CW)、パルス状波(PW)、およびMモード画像のドップラーモダリティ画像分類は、以下のように実施される。DICOMファイルが、波形モダリティ(CW、PW、PWTDI、Mモード)を含有する場合、2つの抽出された画像が、CW、PW、PWTDI、およびMモード視像分類のために訓練されたCNN200Aのうちの1つに入力され、さらにエコー画像をCW(AoV)、CW(TrV)、CWその他、PW(LVOT)、PW(MV)、PWその他、PWTDI(側壁)、PWTDI(中隔)、PWTDI(三尖弁)、Mモード(TrV)、およびMモードその他、のうちの1つとして分類する。
【0074】
モダリティのために利用可能なより多くの潜在的分類が存在するが、本実施形態は、処理効率性を最大限にするために、方略的に、上記のクラスを選択しながら、残りの潜在的クラスを「その他」に群化する一方、さらなる処理および定量化のために、最も臨床上重要な画像を識別する。CNN200Aのカスタマイズは、使用される所望の数の層および各層内のフィルタの数量において生じる。訓練相の間、CNNの正しいサイズが、最適性能レベルに到達するまで、繰り返される訓練および調節を通して、決定されてもよい。
【0075】
視像分類の間、エコーワークフローエンジン12は、視像分類が正しいことの信頼度レベルを示す、分類信頼度スコアを維持する。エコーワークフローエンジン12は、閾値を満たすことができない、分類信頼度スコア、すなわち、低分類信頼度スコアを有する、エコー画像をフィルタ除去する(ブロック422)。複数のアルゴリズムが、当該視像に応じて、分類信頼度スコアを導出するために採用されてもよい。心臓構造注釈、画質、心周期検出内で検出された異常、および画像アーチファクトの存在は全て、分類信頼度スコアを減少させ、エコー画像を自動化されたエコーワークフローから外に破棄する役割を果たし得る。
【0076】
信頼度スコアに対して、エコーワークフローエンジン12は、分類、注釈、および測定を含む、処理の異なる段階において、いくつかの異なるタイプの信頼度スコアを生成し、分析する(例えば、ブロック422、434、および442)。例えば、標準下画質に起因し得る、不良な品質注釈または分類は、分類信頼度スコアをフィルタ処理することによって、フィルタ除去される。別の実施例では、患者研究では、同一視像が、1回を上回って入手されてもよく、その場合、最良測定値が、下記にさらに説明されるように、ブロック442において、低測定値信頼度スコアをフィルタ除去することによって選定される。所定の閾値を満たす、信頼度スコアを有する、任意のデータは、ワークフローを通して継続する。両方とも高信頼度を伴う、測定値の重複の場合、最も臨床上関連する測定値が、選定され得る。
【0077】
次に、エコーワークフローエンジン12は、画像セグメント化を実施し、着目領域(ROI)を画定する。コンピュータビジョンでは、画像セグメント化は、デジタル画像を複数のセグメント(ピクセルのセット)にパーティション化し、物体の境界(線、曲線、および同等物)を位置特定するプロセスである。典型的には、注釈は、セグメント境界/縁をハイライトするために画像上にオーバーレイされたオーバーレイの一連の境界線である。一実施形態では、ROIを画定するためのセグメント化(図3のブロック308)は、ブロック426-436に対応する。
【0078】
一実施形態では、2D画像パイプラインは、第3のCNNによって、2D画像内の心室等の着目領域に注釈を付け、注釈が付けられた2D画像を生産する(ブロック426)。注釈後処理が、次いで、注釈を減退させ、その寸法を低減させ、心臓構造の輪郭をスプライン適合させ、着目領域(ROI)のより近くに境界線の場所を調節する(ブロック427)。2D画像パイプラインは、注釈が付けられた2D画像内のROI(例えば、心室)を分析し、容積を推定し、収縮期/拡張期終点を見出すことによって、心周期内の特徴点を決定するステップに継続する(ブロック430)。2Dのみ視像に関して、測定値が、心周期の収縮期または拡張期相において、すなわち、左心室が最小容積(収縮期)または最大容積(拡張期)に到達するときに求められる。2Dビデオ画像から、左心室の推定された容積のサイズに基づいて、どの終点が、収縮期および拡張期であるかが、決定されなければならない。例えば、有意に大きい左心室は、拡張期終点を示し得る一方、有意に小さい容積は、収縮期終点を示し得る。全てのビデオフレームは、注釈が付けられ、左心室の容積が、全体的心周期全体を通して計算される。最小および最大容積を伴う、フレームが、ピーク検出アルゴリズムを用いて検出される。
【0079】
ドップラーモダリティパイプラインは、ドップラーモダリティ画像を分析し、第4のCNNによって、マスクおよび波形トレースをドップラーモダリティ画像内に生成し、注釈が付けられたドップラーモダリティ画像を生産する(ブロック431)。
【0080】
図7は、心室を示す注釈700を生産するために、ブロック426においてセグメント化された例示的2D画像と、マスクおよび波形トレース702を生産するために、ブロック431においてセグメント化された例示的ドップラーモダリティ画像とを図示する、略図である。
【0081】
一実施形態では、第3および第4のCNNは、セグメント化CNN200Bに対応し得る。一実施形態では、2D画像およびドップラーモダリティ画像をセグメント化するために使用される、CNN200Bはそれぞれ、U-Net CNNとして実装されてもよく、これは、生体医療画像セグメント化のために開発された畳み込みニューラルネットワークである。複数のU-NETが、使用されてもよい。例えば、2D画像に関して、第1のU-Net CNNは、A2C、A3C、A4C視像から心臓の心室および心房に注釈を付けるように訓練されることができる。第2のU-net CNNは、PLAX視像内の室に注釈を付けるように訓練されることができる。Mモード視像に関して、第3のU-Net CNNは、波形をセグメント化し、セグメントの小片を除去し、着目領域に関する可能性が高い候補を見出し、次いで、セグメントを再接続し、僧帽弁の移動の完全トレースを提供するように訓練されることができる。CW視像に関して、第4のU-net CNNは、血流に注釈を付け、トレースするように訓練されることができる。PW視像に関して、第5のU-net CNNは、血流に注釈を付け、トレースするように訓練される。PWTDI視像に関して、第6のU-net CNNは、組織構造(側壁/中隔/三尖弁)の移動に注釈を付けるおよびトレースするように訓練されることができる。
【0082】
再び図4Aを参照すると、ドップラーモダリティパイプラインは、スライディングウィンドウを用いて、注釈が付けられたドップラーモダリティ画像を処理し、周期、周期内で測定されたピーク、および収縮期/拡張期終点を見出すことによって決定される、心周期内の特徴点を識別することによって継続する(ブロック432)。典型的には、ドップラーモダリティビデオは、3つの心周期を捕捉してもよく、スライディングウィンドウが、サイズ調節され、1つのみの選択された周期が分析されるように、周期のうちの2つをブロック除去する。選択された周期内では、スライディングウィンドウが、周期、周期内で測定されたピーク、および収縮期/拡張期終点を見出すことによって決定される、心周期内の特徴点を識別するために使用される。
【0083】
図8は、2Dおよびドップラーモダリティの両方に関して、正確な心臓測定値を求めるための特徴点である、心周期内の収縮期/拡張期終点を見出す実施例を図示する、略図である。
【0084】
再び図4Aを参照すると、一実施形態では、エコーワークフローエンジン12は、推定された容積、収縮期/拡張期終点、識別された周期、および測定されたピークに対応する、注釈信頼度スコアを維持する。エコーワークフローエンジン12は、閾値を満たすことができない、注釈信頼度スコア、すなわち、注釈が付けられた低信頼度スコアを有する、注釈が付けられた画像をフィルタ除去する(ブロック434)。低信頼度注釈の実施例は、過剰に小さい面積/容積、突然の幅変化、比例区域外、部分的心周期、および不十分な心周期のうちの1つ以上のものを有する、注釈が付けられた画像を含んでもよい。
【0085】
低注釈信頼度スコアを有する、画像が、フィルタ除去された後、エコーワークフローエンジン12は、画像毎に、撮像ウィンドウを画定し、撮像ウィンドウ外にある、注釈をフィルタ除去する(ブロック435)。
【0086】
図9は、2Dエコー画像900内の撮像ウィンドウの処理を図示する、略図である。左画像では、陰影付きROI902が、非陰影付き領域または孔904をその中に有するように示される。Open CVモルフォロジー変換が、右画像に示されるように、ROIの内側の孔904を充填するために使用される。その後、ハフライン変換が、撮像ウィンドウ境界906を見出すために使用されてもよい。周知のように、ハフ変換は、あるクラスの形状内の物体の不完全なインスタンスを見出すために、デジタル画像処理において使用される、特徴抽出技法である。撮像ウィンドウ境界が、見出された後、撮像ウィンドウ境界を越えた注釈のピクセル計数が、行われる。撮像ウィンドウの境界外に有意な数のピクセルを伴う、注釈908は、次いで、破棄される。
【0087】
再び図4Aを参照すると、自動化された臨床ワークフローシステム10Cのためのハンドヘルド構成(図1B参照)では、患者研究は、ドップラーモダリティ画像を含まなくてもよい。さらなる側面によると、開示される実施形態は、左心室(LV)および左心房(LA)容積測定値を使用して、E、e’、およびA(例えば、早期および後期拡張期送達血流量および早期/平均拡張期組織速度)測定値を導出することにより、2D画像を使用して、ドップラーモダリティ測定値をシミュレートすることによって、そのようなハンドヘルド構成に適応する(ブロック436)。一実施形態では、ドップラーモダリティ測定値をシミュレートするステップは、随意であってもよく、ハンドヘルド構成の存在および/または現在の患者研究に関するドップラーモダリティ画像の不在を示す、ソフトウェア設定に基づいて、呼び出されてもよい。
【0088】
再び図4Aを参照すると、一実施形態では、いったん心臓特徴が、セグメント化の間、注釈が付けられると、心臓特徴は、次いで、一実施形態では、ブロック438-448を備え得る、測定プロセスの間に測定された(図3のブロック310)。心臓特徴を測定するプロセスは、注釈を使用して、複数の測定値を定量化することによって開始し得る。最初に、2Dパイプラインは、2D画像に関して、左心室/右心室、左心房/右心房、左心室流出量(LVOT)、および心膜を測定する(ブロック438)。ドップラーモダリティ画像に関して、ドップラーモダリティ画像パイプラインは、血流速度を測定する(ブロック440)。
【0089】
より具体的には、A2C、A3C、およびA4C画像視像に関して、室サイズの容積測定が、ビデオの収縮期および拡張期フレーム上で行われ、画像処理技法は、Method of Disc法(MOD)を使用して、容積を測定する際の訓練された臨床医を模倣する。2D Plax画像視像に関して、室サイズおよび室間距離の線形測定が、訓練された臨床医を模倣するための画像処理技法を使用して、ビデオの収縮期および拡張期フレーム上で行われる。Mモード画像視像に関して、僧帽弁の移動の注釈が付けられたセグメントから、中心線が、抽出および平滑化され、次いで、ピークおよび底が、心周期にわたる最小および最大逸脱を決定するために測定される。PW画像視像に関して、血流の注釈から、マスクが、波形の一部を単離するために作成される。スライディングウィンドウが、次いで、テンプレートとして使用するためのDICOMタグからの心拍数データと組み合わせて、1つの完全心周期を識別するために、トレースを横断して起動される。本テンプレートは、次いで、画像内の全ての他の心周期を識別するために使用される。ピーク検出が、次いで、各周期上で実施され、次いで、アルゴリズムを通して起動され、各ピークを表す、心周期の部分を識別する。CW画像視像に関して、血流のトレースの注釈から、曲線適合が、注釈上で実施され、次いで、所望の測定値を定量化する。PWTDI画像視像に関して、組織の移動の注釈から、マスクが、波形の一部を単離するために作成される。スライディングウィンドウが、次いで、テンプレートとして使用するためのDICOMタグからの心拍数データと組み合わせて、1つの完全心周期を識別するために、トレースを横断して起動される。本テンプレートは、次いで、画像内の全ての他の心周期を識別するために使用される。ピーク検出が、次いで、各周期上で実施され、次いで、アルゴリズムを通して起動され、各ピークが表す、心周期の部分を識別する。
【0090】
図10は、2D画像内の心室の注釈から自動的に生成された構造測定値(左)と、ドップラーモダリティ内の波形の注釈から自動的に生成された速度測定値(右)とを図式的に図示する、略図である。
【0091】
下記の測定表は、一実施形態による、エコーワークフローエンジン12によってコンパイルされ得る、測定値を一覧化する。
【0092】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【0093】
再び図4Aを参照すると、一実施形態では、エコーワークフローエンジン12は、測定された左心室/右心室、左心房/右心房、LVOT、心膜、および測定された速度に対応する、測定値信頼度スコアを維持する。エコーワークフローエンジン12は、閾値を満たすことができない、測定値信頼度スコア、すなわち、低測定値信頼度スコアを有する、エコー画像をフィルタ除去する(ブロック442)。
【0094】
心臓特徴の測定は、CNNによって生成された注釈を使用して、縦方向歪みグラフを計算するステップに継続する(ブロック444)。その後、第5のCNNは、心膜液446を検出する。
【0095】
図11は、2D画像内の心室の注釈から自動的に生成された、大域的縦方向歪みの測定値を図式的に図示する、略図である。
【0096】
再び図4Aを参照すると、全ての残りのフィルタ除去されていないデータに関して、エコーワークフローエンジン12は、最良測定データとして、最大容積を伴う心室と関連付けられる測定値を選択し、最良測定データとともに、画像場所、分類、注釈、および最良測定値と関連付けられる他の測定データを保存する(ブロック447)。
【0097】
図12Aは、最大容積心室に基づく最良測定データ1200の例示的セットと、図1のデータベース16等のリポジトリへの最良測定データ1200の保存とを図式的に図示する、略図である。
【0098】
再び図4Aを参照すると、エコーワークフローエンジン12は、次いで、国際測定値ガイドラインに基づいて、最良測定データ1200をルールのセットに入力し、医療決定支援のための結論を生成することによって、結論を生成する(ブロック448)。
【0099】
図12Bは、患者が、正常拡張期機能、拡張期機能不全、または未確定を有することの結論を決定するための、ルールのセットへの正常LV EF測定値の入力を図式的に図示する、略図である。
【0100】
再び図4Aを参照すると、結論が生成された後、報告が、生成および出力され(図3のブロック314)、これは、ブロック450-456を備え得る。報告生成は、エコーワークフローエンジン12が、他のアプリケーションへのエクスポートの柔軟性のために、最良測定データ1200をJSONファイルに出力することによって開始し得る(ブロック450)。
【0101】
図13は、例示的JSONファイルへの分類、注釈、および測定データの出力を図式的に図示する、略図である。
【0102】
再び図4Aを参照すると、軽量のブラウザベースのユーザインターフェース(UI)が、JSONファイルからの最良測定データ1200を可視化し、ヒト照合のために、ユーザ(例えば、医師/技術者)によって編集可能である、報告を示すように表示される(ブロック452)。周知のように、軽量のウェブブラウザは、特に、メモリ占有面積を最小限にするために、かつメインストリームウェブブラウザの特徴のうちのいくつかを犠牲にすることによって、システムリソースの消費を低減させるように最適化する、ウェブブラウザである。一実施形態では、データに行われた任意の編集は、データベース16内に記憶され、UIに表示される。
【0103】
臨床上関連する提案をユーザに行うために、最良測定データ1200と関連付けられる、測定値は、自動的に、現在の国際ガイドライン値と比較され、任意の範囲外値は、ユーザのためにハイライトされる(ブロック454)。
【0104】
図14は、国際ガイドラインの範囲外にある、ハイライト値を示す、例示的報告の一部を図示する、略図である。
【0105】
再び図4Aを参照すると、ユーザは、主要所見(すなわち、検査に到達した結論)および患者の健康の基礎測定値の自動化された概要を示す、印刷可能報告を生成するオプションを提供される(ブロック456)。
【0106】
図15は、ユーザによって印刷および/または表示され得る、主要所見の例示的報告の一部を図示する、略図である。
【0107】
一実施形態では、エコーワークフローエンジン12の自動化されたワークフローは、ブロック456において終了し得る。しかしながら、開示される実施形態のさらなる側面では、プロセスは、下記に説明されるように、高度な機能を伴って継続し得る。
【0108】
図4Bは、エコーワークフローエンジンの高度な機能を図示する、フロー図である。本実施形態によると、エコーワークフローエンジン12は、入力として、機械学習を使用して自動的に導出された具体的測定値の値をとり(ブロック310参照)、具体的測定値を分析し、罹患および合致された対照および正常患者対照の両方に対して疾患診断/予測/予後を決定する(ブロック460)。一実施形態では、エコーワークフローエンジン12は、疾患予測を使用して、心アミロイドーシス、肥大型心筋症、拘束型心膜炎、心毒性、早期拡張期機能不全、およびドップラーフリー拡張期機能不全査定の任意の組み合わせの診断を実施してもよい(ブロック462)。自動化されたスコアの形態における予後が、次いで、将来における死亡率および入院率を予測するために生成されてもよい(ブロック464)。
【0109】
心エコー検査は、駆出率が保たれた心不全(HFpEF)の診断のために重要である。しかしながら、既存のガイドラインは、心エコー図基準に関するその推奨においてまちまちであって、利用可能なガイドラインのいずれも、HFpEFにおける至適基準の侵襲性血行動態測定値に対して検証されていない。
【0110】
一実施形態によると、エコーワークフローエンジン12は、予測を理解するために、診断スコアをさらに生成する(ブロック466)。機械学習を使用して、エコーワークフローエンジン12は、侵襲的に測定された肺毛細血管楔入圧(PCWP)に対して診断スコアを検証し、大HFpEFコホートにおけるスコアの予後有用性を決定する。
【0111】
一実施形態では、エコーワークフローエンジン12は、入力として、機械学習ワークフローを使用して自動的に導出された、具体的測定値の値をとり、HFpEFアルゴリズムを使用して、入力値を分析し、HFpEF診断スコアを算出する。
【0112】
高血圧性心臓病が、HFpEFの最も一般的前兆であって、HFpEFと重複心エコー図特性を有することを認識して、HFpEF(LVEF≧50%)を伴う233名の患者の心エコー図特徴が、正常駆出率を伴うが、心不全ではない、273名の高血圧性対照と比較された。非依存モデルが、ペナルティ付与ロジスティック回帰モデルおよび分類および回帰ツリー(CART)分析を使用して開発された。導出された心エコー図スコアと侵襲的に測定されたPCWPの関連付けが、96名の患者の別個のコホートにおいて調査された。スコアとHF入院の心血管死亡率の組み合わせられた臨床転帰の関連付けが、TOPCAT試験の米国人の心エコー図下位研究からのHFpEFを伴う653名の患者において調査された。
【0113】
一実施形態によると、左心室駆出率(LVEF<60%)、ピークTR速度(>2.3m/秒)、相対的壁厚(RWT>0.39mm)、心室中隔間厚さ(>12.2mm)、およびE波(>1m/秒)が、HFpEFを高血圧性対照から識別するための変数の最低限の組み合わせとして選択された。これらの5つの心エコー図変数に基づいて加重されたスコア(範囲0~9)が、HFpEFを高血圧性対照から識別するために、0.9の組み合わせられた曲線下面積を有していた。
【0114】
図16は、PCWPおよびHFpEFスコアをプロット化する、グラフAと、HFに関するCV死亡率または入院率をプロット化する、グラフBとを示す、略図である。グラフAは、独立コホートにおいて、HFpEFスコアが、HFpEFを伴う患者におけるPCWPと有意に関連付けられることを示す(R2=0.22、P=0.034)。グラフBは、1ポイントの増加が、多可変補正後の組み合わせられた転帰に関して、12%のリスク増加と関連付けられたことを示す(危険率[HR]1.12;95%CI1.02-1.23、P=0.015)。
【0115】
開示される実施形態によると、心エコースコアは、HFpEFを高血圧性対照から区別することができ、HFpEFにおける重症度および転帰の客観的測定値と関連付けられる。
【0116】
心臓病の自動化された測定および診断、予測、および予後のために、2Dおよびドップラーモダリティ心エコー画像の両方を認識および分析し、ワークステーションまたはモバイルベースの超音波診療現場システム内で展開され得る、機械学習を使用して、ソフトウェアベースの自動臨床ワークフローを実装するための方法およびシステムが、開示されている。本発明は、示される実施形態に従って説明されているが、実施形態に対する変形例が、存在し得、任意の変形例は、本発明の精神および範囲内となるであろう。例えば、例示的実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、プログラム命令を含有するコンピュータ可読媒体、またはそれらの組み合わせを使用して、実装されることができる。本発明に従って記述されるソフトウェアは、メモリ、ハードディスク、または光学ROM等のコンピュータ可読媒体のいずれかのある形態内に記憶されることになり、プロセッサによって実行されることになる。故に、多くの修正が、添付の請求項の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって行われてもよい。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A-1】
図4A-2】
図4A-3】
図4A-4】
図4B
図5
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16