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特許7290232中空成形体成形型及び中空成形体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】中空成形体成形型及び中空成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/48 20060101AFI20230606BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
B29C33/48
B29C45/26
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021541910
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 JP2019034005
(87)【国際公開番号】W WO2021038810
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】514230531
【氏名又は名称】株式会社NEO
(73)【特許権者】
【識別番号】521500188
【氏名又は名称】精東鋼塑膠電子製品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 朗
(72)【発明者】
【氏名】朴 太東
(72)【発明者】
【氏名】欧陽 石剛
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-210747(JP,A)
【文献】特開2005-246888(JP,A)
【文献】特開2016-054966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空成形体の中空部の一部をそれぞれ成形する複数の中空部成形部材と、
複数の前記中空部成形部材が着脱自在に結合する結合部材と、
を備え、
前記中空部成形部材は、複数の前記中空部成形部材が組み合わされることにより、前記中空成形体に形成される前記結合部材と前記中空部成形部材とを取り出す取出し部よりも大きな前記中空部を成形可能な形状に形成され、
前記中空部成形部材は、前記結合部材を中心とする周方向の1周に亘って複数の前記中空部成形部材が前記結合部材に結合し、
前記中空部成形部材と前記結合部材とは、前記中空部成形部材が前記結合部材に結合して複数の前記中空部成形部材と前記結合部材とが組み合わされることにより、前記中空部を成形する中空部成形型として形成されることを特徴とする中空成形体成形型。
【請求項2】
前記結合部材は2つが備えられると共に、2つの前記結合部材は、前記中空部の中心を中心とする対称位置に配置される請求項1に記載の中空成形体成形型。
【請求項3】
2つの前記結合部材は、前記結合部材同士の間に亘って配置される連結部材により連結される請求項に記載の中空成形体成形型。
【請求項4】
前記中空部成形部材は、2つの前記結合部材の間に亘って配置され、2つの前記結合部材に両端が結合される請求項またはに記載の中空成形体成形型。
【請求項5】
中空成形体の中空部を成形する複数の中空部成形部材を結合部材に結合する工程と、
前記中空部成形部材と前記結合部材とが結合された中空部成形型を外側成形型の内側に入れ、前記結合部材の取出し部と前記取出し部よりも大きな前記中空部とを有する前記中空成形体を前記中空部成形型と前記外側成形型とで成形する工程と、
前記結合部材を前記中空部成形部材から取り外し、前記結合部材を前記中空成形体に形成される前記取出し部から取り出す工程と、
前記中空部成形部材を前記中空成形体に形成される前記取出し部から取り出す工程と、
を含むことを特徴とする中空成形体の製造方法。
【請求項6】
前記中空部成形部材と前記結合部材とは、前記中空部成形型の内側に内側空間が形成される形態で結合すると共に、前記中空部成形部材と前記結合部材とは、前記内側空間に内部部材を入り込ませて結合し、
前記中空成形体の成形は、前記内側空間に前記内部部材を入り込ませた前記中空部成形型と前記外側成形型とで行い、
前記中空成形体に形成される前記取出し部から前記結合部材と前記中空部成形部材とを取り出すことにより、前記中空部に前記内部部材が入り込んだ前記中空成形体を形成する請求項に記載の中空成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空成形体の成形に用いる中空成形体成形型と、中空成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂からなる成形体は、様々な製造方法で成形されるが、一例として、成形型を用いて行う射出成形が挙げられる。射出成形では、溶融した樹脂材料を成形型に流し込み、樹脂材料の温度が下がって固まったら成形型から取り出すことにより、所望の成形体を得ることができる。また、内部が中空となる中空成形体では、内側の中空部分の成形を行うために、成形体の外側形状を成形する成形型のみでなく、成形体の内側に入り込ませて内側形状を成形する成形型も用いて成形を行う。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された曲り樹脂管の射出成形型構造では、中空の曲り樹脂管の成形を行うために、外周を形成するための外周形成部の内側に分割中子を入れて成形しており、これにより、中空の曲り樹脂管の成形を行っている。また、特許文献2に記載された樹脂中空成形体の製造方法では、樹脂中空樹脂成形体の表面形状に対応する外殻金型と、外殻金型の内部に配置されて樹脂中空樹脂成形体の中空部形状に対応する、複数の金型部分から構成された分割可能な金型とを有し、分割可能な金型は、樹脂中空樹脂成形体の成形後に、樹脂中空樹脂成形体の中空部から抜き取ることができる大きさに分割して抜き取っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-301573号公報
【文献】特開2002-210747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、中空成形体における中空部の大きさが、中空部を成形する成形型を取り出す部分に対して複数の方向で大きい場合、中空部を成形する成形型を成形後の中空成形体から取り出すのが困難になる虞がある。例えば、中空成形体が中空の球状である場合において、中空部を成形した成形型を、中空成形体に形成される孔である取出し部から取り出す場合、球の中空部の大きさは、取出し部と比較していずれの方向において大きくなり易くなる。この場合、中空成形体の成形後に、中空部を成形した成形型を取出し部から取り出すのは、非常に困難になる虞がある。このため、中空成形体の中空部を成形型によって成形し、中空部を成形した成形型を、中空成形体の成形後に取り出すのは、中空部の形状や大きさによっては非常に困難なものとなることがあり、成形型の取出し部と比較して大きな中空部を有する中空成形体を成形するのは、大変困難なものとなっていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、中空部を成形する成形型の取出し部と比較して大きな中空部を有する中空成形体を成形することのできる中空成形体成形型及び中空成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る中空成形体成形型は、中空成形体の中空部の一部をそれぞれ成形する複数の中空部成形部材と、複数の前記中空部成形部材が着脱自在に結合する結合部材と、を備え、前記中空部成形部材は、複数の前記中空部成形部材が組み合わされることにより前記中空部を成形可能な形状に形成され、前記中空部成形部材と前記結合部材とは、前記中空部成形部材が前記結合部材に結合して複数の前記中空部成形部材と前記結合部材とが組み合わされることにより、前記中空部を成形する中空部成形型として形成されることを特徴とする。
【0008】
また、上記中空成形体成形型において、前記中空部成形部材は、前記結合部材を中心とする周方向の1周に亘って複数の前記中空部成形部材が前記結合部材に結合することが好ましい。
【0009】
また、上記中空成形体成形型において、前記結合部材は2つが備えられると共に、2つの前記結合部材は、前記中空部の中心を中心とする対称位置に配置されることが好ましい。
【0010】
また、上記中空成形体成形型において、2つの前記結合部材は、前記結合部材同士の間に亘って配置される連結部材により連結されることが好ましい。
【0011】
また、上記中空成形体成形型において、前記中空部成形部材は、2つの前記結合部材の間に亘って配置され、2つの前記結合部材に両端が結合されることが好ましい。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る中空成形体の製造方法は、中空成形体の中空部を成形する複数の中空部成形部材を結合部材に結合する工程と、前記中空部成形部材と前記結合部材とが結合された中空部成形型を外側成形型の内側に入れ、前記結合部材の取出し部を有する前記中空成形体を前記中空部成形型と前記外側成形型とで成形する工程と、前記結合部材を前記中空部成形部材から取り外し、前記結合部材を前記中空成形体に形成される前記取出し部から取り出す工程と、前記中空部成形部材を前記中空成形体に形成される前記取出し部から取り出す工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、上記中空成形体の製造方法において、前記中空部成形部材と前記結合部材とは、前記中空部成形型の内側に内側空間が形成される形態で結合すると共に、前記中空部成形部材と前記結合部材とは、前記内側空間に内部部材を入り込ませて結合し、前記中空成形体の成形は、前記内側空間に前記内部部材を入り込ませた前記中空部成形型と前記外側成形型とで行い、前記中空成形体に形成される前記取出し部から前記結合部材と前記中空部成形部材とを取り出すことにより、前記中空部に前記内部部材が入り込んだ前記中空成形体を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る中空成形体成形型及び中空成形体の製造方法は、中空部を成形する成形型の取出し部と比較して大きな中空部を有する中空成形体を成形することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態に係る中空成形体成形型及び中空成形体の製造方法で製造する中空成形体の斜視図である。
図2図2は、図1に示す中空成形体の成形に用いる成形装置の斜視図である。
図3図3は、図2に示す成形装置から上側ケース部を取り除いた状態を示す斜視図である。
図4図4は、図3に示す外側成形型の上部成形型と一部の側部成形型を取り除いた状態を示す斜視図である。
図5図5は、中空成形体の中空部を中空部成形型によって成形する状態を示す説明図である。
図6図6は、図5に示す中空部成形型の斜視図である。
図7図7は、中空部成形型が有する一部の中空部成形部材を取り除いた状態を示す説明図である。
図8図8は、結合部材に対する中空部成形部材の結合についての説明図である。
図9図9は、中空部成形部材の斜視図である。
図10図10は、ベース部の斜視図である。
図11図11は、着脱部の斜視図である。
図12図12は、実施形態に係る中空成形体の製造方法の手順を示すフロー図である。
図13図13は、中空部成形型の内側に内部部材を入り込ませた状態を示す説明図である。
図14図14は、着脱部をベース部から取り外した状態を示す説明図である。
図15図15は、中空部成形部材を取り出した状態を示す説明図である。
図16図16は、複数の中空部成形部材を取り出した状態を示す説明図である。
図17図17は、実施形態に係る中空部成形型の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本開示に係る中空成形体成形型及び中空成形体の製造方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0017】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る中空成形体成形型1及び中空成形体100の製造方法で製造する中空成形体100の斜視図である。図1に示す中空成形体100は、全体として略球体状の形状で形成されている。中空成形体100は、合成樹脂を成形することのより形成されており、常温にて軟質の合成樹脂材料によって形成されている。中空成形体100に用いる合成樹脂としては、例えば、スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の種類を有する熱可塑性エラストマーが用いられる。本実施形態では、中空成形体100には、EVA樹脂が用いられている。
【0018】
中空成形体100は、中空の球体状になっており、このため、中空成形体100は、内側に中空部105が形成されている。また、中空成形体100には、複数の孔部102が形成されている。孔部102は、中空成形体100の外側と中空部105側とを貫通する孔になっている。これにより、中空成形体100は、中空成形体100の外側と中空部105とが、孔部102によって連通している。このように形成される孔部102は、全て略円形の形状で形成されており、また、複数の孔部102は、複数の大きさで形成されている。即ち、複数の孔部102は、互いに直径が異なるものを含んで形成されている。
【0019】
また、中空成形体100は、中空部105に、球形の内部部材110が入り込んで形成されている。内部部材110は、中空成形体100とは異なる合成樹脂材料からなり、中空成形体100よりも硬質の合成樹脂材料によって形成されている。内部部材110は、例えばABS樹脂により形成されており、ABS樹脂を用いることにより、内部部材110の製造時に、半球状の部材同士を超音波溶着によって接合することにより、球形の内部部材110を製造することができる。また、ABS樹脂は塗装時におけるインクの乗りが良好であるため、内部部材110の外観を向上させることができる。
【0020】
また、内部部材110は、中空成形体100に形成される孔部102の直径よりも大きな直径で形成されており、これにより内部部材110は、孔部102から外に出ないようになっている。また、内部部材110内には、内部部材110を形成する材料と同様に硬質の合成樹脂材料からなり、球状等の小さな形状で形成される封入部材(図示省略)が、複数封入されている。封入部材の材料としては、例えばGPPS(汎用ポリスチレン)が用いられる。
【0021】
図2は、図1に示す中空成形体100の成形に用いる成形装置70の斜視図である。中空成形体100の製造は、図2に示す成形装置70を用いて行う。成形装置70は、ベース部73上に下側ケース部72が配置され、下側ケース部72上に上側ケース部71が配置されている。上側ケース部71には、中空成形体100の材料となる合成樹脂を注入する樹脂注入部75が配置されている。
【0022】
図3は、図2に示す成形装置70から上側ケース部71を取り除いた状態を示す斜視図である。図4は、図3に示す外側成形型80の上部成形型81と一部の側部成形型83を取り除いた状態を示す斜視図である。成形装置70の上側ケース部71と下側ケース部72との間には、中空成形体100の外面形状を成形する外側成形型80が配置されている。外側成形型80は、上側ケース部71側に配置される上部成形型81と、下側ケース部72側に配置される下部成形型82と、上部成形型81と下部成形型82との間で4つが4方向に配置される側部成形型83とを有している。
【0023】
上部成形型81と下部成形型82と側部成形型83とは、内面が、中空成形体100の外面形状を形成する外側成形面85になっており、上部成形型81と下部成形型82と側部成形型83との各外側成形面85が組み合わされることにより、中空成形体100の外面を成形することが可能になっている。このため、外側成形型80の外側成形面85は、上部成形型81と下部成形型82と側部成形型83との各外側成形面85が組み合わされて連続する形状になることにより、略球形の外側成形面85になるように形成されている。
【0024】
このように形成される外側成形型80の外側成形面85には、中空成形体100の孔部102を成形するための凸部86が形成されている。凸部86は、外側成形面85の形状である球形の内側方向に突出して形成されることにより、中空成形体100の孔部102を成形することが可能になっており、複数の孔部102を成形するために、外側成形面85には凸部86が複数形成されている。
【0025】
外側成形型80の外側成形面85の近傍には、樹脂注入部75から注入された合成樹脂を、外側成形面85の位置まで送り込む経路である樹脂射出経路76が配置されている。樹脂射出経路76は、樹脂注入部75と外側成形面85との間に亘って配置されており、樹脂注入部75から、外側成形面85の位置に向かって延びて形成されている。
【0026】
図5は、中空成形体100の中空部105を中空部成形型10によって成形する状態を示す説明図である。本実施形態に係る中空成形体成形型1は、中空成形体100の外側形状を成形する外側成形型80(図4参照)と、中空成形体100の中空部105を成形する中空部成形型10とを有している。中空部成形型10は、中空成形体100の内側から中空部105を成形するため、中空成形体成形型1によって中空成形体100を成形した場合、図5に示すように、中空部成形型10は、中空成形体100の内側に入り込んだ状態になる。また、中空成形体100に形成される複数の孔部102のうち、一部の孔部102は、中空成形体100の成形後に、中空部成形型10が有する、後述する結合部材20や中空部成形部材30を中空部105から取り出す取出し部101として形成されている。
【0027】
図6は、図5に示す中空部成形型10の斜視図である。中空成形体100は、略球体状の形状で形成されているため、中空成形体100の内側部分である中空部105(図1参照)も、全体として略球体状の形状で形成されている。このため、中空部105を成形する中空部成形型10も、表面の形状が略球形の形状で形成されており、中空部成形型10は、略球形に形成される表面が、中空部105を成形する内側成形面11になっている。中空部成形型10は、略球形に形成される内側成形面11によって、中空成形体100の球体状の中空部105を成形することが可能になっている。
【0028】
中空部成形型10は、成形装置70(図2参照)での中空成形体100の成形時に、外側成形型80の内側で中空部成形型10を保持するための部材である支持部材22を有している。支持部材22は、内側成形面11の形状である球形の中心を中心として対称となる2箇所に配置されており、支持部材22は、球形の軸心に沿った棒状の形状で形成されている。即ち、2箇所の支持部材22は、中空部成形型10における互いに反対側に配置され、互いに反対方向に向かって突出している。
【0029】
図7は、中空部成形型10が有する一部の中空部成形部材30を取り除いた状態を示す説明図である。中空部成形型10は、中空成形体100の中空部105の一部をそれぞれ成形する複数の中空部成形部材30と、複数の中空部成形部材30が着脱自在に結合する結合部材20と、を備えている。このうち、結合部材20は2つが備えられると共に、2つの結合部材20は、中空成形体100の中空部105の中心を中心とする対称位置に配置されており、2箇所の支持部材22は、2つの結合部材20に1つずつ配置されている。これにより、2箇所の支持部材22は、中空部105を成形する内側成形面11の形状である、球形の中心を中心とする対称位置に配置される。
【0030】
また、2つの結合部材20は、結合部材20同士の間に亘って配置される連結部材23により連結されている。連結部材23は、球体状に形成される中空部成形型10の内側を通り、結合部材20における、球体の内側部分同士を連結している。
【0031】
図8は、結合部材20に対する中空部成形部材30の結合についての説明図である。図9は、中空部成形部材30の斜視図である。図8は、結合部材20と中空部成形部材30との結合状態について理解し易くなるように、複数の中空部成形部材30のうち、2つの中空部成形部材30のみが結合部材20に結合している状態を示している。中空部成形部材30は、複数の中空部成形部材30が組み合わされることにより中空部105を成形可能な形状に形成されている。本実施形態では、中空部成形型10が有する複数の中空部成形部材30は、球体状に形成される中空部成形型10を、2箇所の結合部材20の位置を2つの極点とする場合における、いわゆる舟型多円錐図法で複数の舟型を形成した際における1つ1つの舟型を、展開せずに球体の形状を維持した形状で形成されている。このため、中空部成形部材30は、球体の極点に位置する2つの結合部材20の間に亘って配置され、球の外側に向かって凸となる方向に湾曲して形成されている。
【0032】
中空部成形部材30は、湾曲して凸となる側の表面が、中空成形体100の中空部105を成形する内側成形面11として形成されている。また、中空部成形部材30は、内側成形面11のみでなく、中空部成形型10の内面に相当する側の面も、球の外側に向かって凸となる方向に湾曲して形成されている。また、中空部成形部材30は、舟型多円錐図法における1つ1つの舟型状に形成されるため、換言すると、中空部成形部材30は、中空部成形型10における中空成形体100の中空部105を成形する部分を、2つの結合部材20を結ぶ直線を中心とする周方向において複数に分割し、この1つ1つの分割した部分により形成される形態になっている。
【0033】
2つの結合部材20の間に亘って配置される中空部成形部材30は、2つの結合部材20に両端が着脱自在に結合される。詳しくは、中空部成形部材30の両端には、結合部材20に対して着脱自在に結合することができる結合溝31が形成されている。結合溝31は、溝の深さ方向が、2つの結合部材20を結ぶ直線の方向と略平行な方向になり、溝の幅方向が、2つの結合部材20を結ぶ直線を中心とする円の径方向になる向きで形成されている。
【0034】
連結部材23により連結されている2つの結合部材20は、着脱自在に連結される着脱部24とベース部25とを構成している。即ち、2つの結合部材20のうち、一方の結合部材20は、ベース部25に設けられており、他方の結合部材20は、ベース部25に対して着脱可能な着脱部24に設けられている。連結部材23は、ベース部25に設けられており、着脱部24は、連結部材23に対して着脱することにより、ベース部25に対して着脱することが可能になっている。
【0035】
図10は、ベース部25の斜視図である。ベース部25は、結合部材20と、支持部材22と、連結部材23を有している。支持部材22と連結部材23とは、結合部材20に対して互いに反対側に配置されており、互いに反対方向に延びている。このうち、連結部材23における結合部材20に接続されている側の端部の反対側の端部、即ち、連結部材23の先端部分には、ベース部25に対する着脱部24の着脱に用いるネジ部27が形成されている。
【0036】
また、連結部材23は、丸棒状の形状で形成されており、結合部材20に接続されている側の端部と、ネジ部27が形成されている側の端部との間の部分が湾曲している。連結部材23における湾曲している部分は、連結部材23の長さ方向における大部分に及んでおり、このため、連結部材23は、結合部材20に接続されている側の端部と、ネジ部27が形成されている側の端部とを結ぶ直線に対して、大部分が離間する形状で形成されている。
【0037】
また、結合部材20には、中空部成形部材30の結合溝31と結合する結合凸部21が形成されている。結合凸部21は、結合凸部21における連結部材23が配置される側の面に形成されており、連結部材23が延びる側に突出し、ベース部25に着脱部24を取り付けた状態における2つの結合部材20を結ぶ直線を中心とする1周に亘って連続して凸となる形状で形成されている。
【0038】
図11は、着脱部24の斜視図である。着脱部24は、結合部材20と支持部材22とを有している。着脱部24が有する結合部材20には、ベース部25が有する結合部材20と同様の形態で結合凸部21が形成されている。即ち、着脱部24に形成される結合凸部21は、結合部材20における支持部材22が配置されている側の面の反対側の面に形成されており、支持部材22が配置されている側の反対方向に向かって突出して形成されている。
【0039】
また、着脱部24には、結合部材20における支持部材22が配置されている側の反対側の面に、ベース部25の連結部材23に形成されるネジ部27と螺合するネジ孔26が形成されている。着脱部24は、連結部材23のネジ部27と着脱部24のネジ孔26とを螺合させることにより、ベース部25に取り付けることが可能になっている。
【0040】
次に、本実施形態に係る中空成形体100の製造方法について説明する。図12は、実施形態に係る中空成形体100の製造方法の手順を示すフロー図である。中空成形体100を製造する際には、まず、中空成形体100の中空部105を成形する複数の中空部成形部材30を、結合部材20に結合する(ステップST11)。中空部成形部材30を結合部材20に結合する際には、中空部成形部材30の端部に形成される結合溝31を、結合部材20に形成される結合凸部21に嵌め込むことにより結合する。また、中空部成形部材30を結合部材20に結合する際には、ベース部25から着脱部24を取り外した状態、または、ベース部25のネジ部27に着脱部24のネジ孔26を少しだけ螺合させ、着脱部24をベース部25に対して緩めた取り付けた状態で行う。
【0041】
つまり、中空部成形部材30を結合部材20に結合する際には、両端の結合溝31を、2つの結合部材20の結合凸部21にそれぞれ結合させる。このため、例えば、ベース部25から着脱部24を取り外した状態で中空部成形部材30を結合する際には、全ての中空部成形部材30の一端側の結合溝31を、ベース部25側の結合部材20の結合凸部21に結合させた後、ベース部25のネジ部27に着脱部24のネジ孔26を螺合させ、着脱部24をベース部25に取り付ける。その際に、各中空部成形部材30の他端側の結合溝31を、着脱部24側の結合部材20の結合凸部21に結合させる。これにより、各中空部成形部材30の両端の結合溝31を、2つの結合部材20の結合凸部21にそれぞれ結合させる。
【0042】
また、ベース部25のネジ部27に着脱部24のネジ孔26を少しだけ螺合させた状態で中空部成形部材30を結合部材20に結合する際には、中空部成形部材30を、2つの結合部材20同士の間に斜めにして入り込ませたり、中空部成形部材30を僅か撓ませたりしながら、中空部成形部材30の両端の結合溝31を、2つの結合部材20の結合凸部21に浅く結合させる。このようにして、全ての中空部成形部材30の結合溝31を、2つの結合部材20の結合凸部21に浅く結合させたら、ベース部25のネジ部27に着脱部24のネジ孔26を規定量まで螺合させる。これにより、各中空部成形部材30の両端の結合溝31を、2つの結合部材20の結合凸部21に対して、規定の深さで結合させる。
【0043】
また、本実施形態において成形する中空成形体100は、中空部105に内部部材110が入り込んだものであるため、中空部成形部材30と結合部材20とを結合する際には、内側に内部部材110を入り込ませて結合する。図13は、中空部成形型10の内側に内部部材110を入り込ませた状態を示す説明図である。中空部成形型10は、略球体状の形状で形成されており、中空部成形部材30は、中空部成形型10の球の外側に向かって凸となる方向に湾曲しているため、複数の中空部成形部材30が組み合わされることにより形成される中空部成形型10は、内側に空間である内側空間15が形成される。つまり、中空成形体100の成形を行う際に結合する中空部成形部材30と結合部材20とは、中空部成形型10の内側に内側空間15が形成される形態で結合する。本実施形態では、中空部105に内部部材110が入り込んだ状態の中空成形体100を成形するため、中空成形体100の中空部105の成形に用いる中空部成形型10を形成する中空部成形部材30と結合部材20とは、内側空間15に内部部材110を入り込ませて結合する。
【0044】
内側空間15に入り込ませる内部部材110は、別の製造工程で製造したものを用いる。即ち、内部部材110は、別の製造工程で予め製造しておき、中空部成形部材30と結合部材20とを結合することにより中空部成形型10を形成する際に、予め製造した内部部材110を内側空間15に入り込ませる。その際に、内側空間15に配置されて2つの結合部材20を連結する連結部材23は、湾曲して形成されているため、内部部材110が球形である場合、内部部材110は、直径が内側空間15の半径よりも大きなものを内側空間15に入り込ませることができる。
【0045】
中空部成形部材30を結合部材20に結合する際に結合溝31を嵌め込む結合凸部21は、2つの結合部材20を結ぶ直線を中心とする1周に亘って連続して凸となる形状で形成されている。このため、中空部成形部材30を結合部材20に結合する際には、複数の中空部成形部材30は、2つの結合部材20を結ぶ直線を中心とする1周に亘って結合する。換言すると、中空部成形部材30は、結合部材20を中心とする周方向の1周に亘って複数の中空部成形部材30が結合部材20に結合する。
【0046】
複数の中空部成形部材30は、結合部材20を中心とする周方向の1周に亘って結合部材20に結合することにより、隣り合う中空部成形部材30同士の隙間がほぼ無い状態で結合部材20に結合し、結合した結合部材20と中空部成形部材30との全体的な形状が、略球体状の形状になる。中空部成形部材30と結合部材20とは、このように中空部成形部材30が結合部材20に結合して複数の中空部成形部材30と結合部材20とが組み合わされることにより、中空成形体100の中空部105を成形する中空部成形型10として形成される(図6参照)。これにより、内側空間15に内部部材110が入り込んだ中空部成形型10を形成する。
【0047】
次に、中空部成形部材30と結合部材20とが結合された中空部成形型10を外側成形型80の内側に入れ、中空部成形型10と外側成形型80とで中空成形体100を成形する(ステップST12)。つまり、内側空間15に内部部材110を入り込ませた中空部成形型10と外側成形型80とで、中空成形体100の成形を行う。中空部成形型10と外側成形型80とで中空成形体100の成形を行う際には、まず、中空部成形型10を、成形装置70に備えられる外側成形型80の上部成形型81、下部成形型82、側部成形型83が互いに離間した状態で、上部成形型81と下部成形型82と側部成形型83の間に配置する。これにより、中空部成形型10の内側成形面11と外側成形型80の外側成形面85とが対向した状態にする。また、成形装置70は、中空部成形型10の支持部材22を支持することにより、中空部成形型10の内側成形面11と外側成形型80の外側成形面85とが対向する状態を維持する。
【0048】
成形装置70は、中空部成形型10が、上部成形型81と下部成形型82と側部成形型83の間に位置する状態で外側成形型80を移動させ、外側成形型80を中空部成形型10に接近させる。これにより、外側成形型80の外側成形面85は、中空部成形型10の内側成形面11に接近し、外側成形型80の外側成形面85と中空部成形型10の内側成形面11とは、中空成形体100を成形することのできる距離になる。また、その際に、外側成形面85に形成される凸部86は、中空部成形型10の内側成形面11に接触する。
【0049】
また、外側成形型80の外側成形面85に形成される複数の凸部86のうち、一部の凸部86は、中空部成形型10の支持部材22を囲って形成されている。中空部成形型10の支持部材22を囲って形成される凸部86は、直径が中空部成形型10の結合部材20よりも大きくなっており、中空成形体100において、この凸部86により形成される孔部102が、結合部材20や中空部成形部材30を取り出す取出し部101になる。
【0050】
外側成形型80の外側成形面85と中空部成形型10の内側成形面11とが、中空成形体100を成形することのできる距離になったら、成形装置70は、外側成形面85と内側成形面11との間の空間に樹脂射出経路76から合成樹脂を射出する。樹脂射出経路76から射出された合成樹脂は、射出された後、外側成形面85と内側成形面11との間の空間で固化し、固化した合成樹脂は、中空成形体100として成形される。
【0051】
その際に、外側成形型80の外側成形面85に形成される凸部86の部分には、合成樹脂は行き渡らないため、凸部86が位置する部分は、成形後の中空成形体100においては孔部102として形成される。また、中空成形体100に形成される複数の孔部102のうち、一部の孔部102は、取出し部101として形成される。取出し部101は、結合部材20の大きさや、中空部成形部材30の延在方向に見た場合の中空部成形部材30の断面形状の大きさと比較して、開口形状の大きさが大きくなっている。これにより、結合部材20や中空部成形部材30を取り出す取出し部101を有する中空成形体100を、中空部成形型10と外側成形型80とで成形する。
【0052】
次に、結合部材20を中空部成形部材30から取り外し、結合部材20を中空成形体100に形成される取出し部101から取り出す(ステップST13)。即ち、中空部成形型10と外側成形型80とで中空成形体100の成形を行ったら、まず、成形装置70が有する外側成形型80を移動させて外側成形型80を中空部成形型10から離間させる。これにより、成形された中空成形体100と、中空成形体100の中空部105に入り込んでいる中空部成形型10とが露出するため、中空成形体100と中空部成形型10とを、成形装置70から一体で取り出す(図5参照)。
【0053】
図14は、着脱部24をベース部25から取り外した状態を示す説明図である。中空成形体100と中空部成形型10とを成形装置70から取り出したら、着脱部24をベース部25から取り外す。つまり、着脱部24は、着脱部24に形成されるネジ孔26と、ベース部25に形成されるネジ部27とが螺合することによりベース部25に取り付けられているため、ネジ孔26とネジ部27との螺合を取り外すことにより、着脱部24をベース部25から取り外す。
【0054】
着脱部24は、結合部材20有しているため、着脱部24をベース部25から取り外すことにより、着脱部24が有する結合部材20を、当該結合部材20に結合している中空部成形部材30から取り外すことができる。また、着脱部24をベース部25から取り外す際には、着脱部24が有する結合部材20は、中空成形体100に形成される取出し部101から取り出す。これにより、結合部材20を中空部成形部材30から取り外し、結合部材20を中空成形体100に形成される取出し部101から取り出す。
【0055】
次に、中空部成形部材30を、中空成形体100に形成される取出し部101から取り出す(ステップST14)。図15は、中空部成形部材30を取り出した状態を示す説明図である。図16は、複数の中空部成形部材30を取り出した状態を示す説明図である。着脱部24が有する結合部材20を取出し部101から取り出すと、中空成形体100の中空部105に位置する中空部成形部材30は、取出し部101に対してむき出しになった状態になる。これにより、中空部成形部材30は、中空成形体100に形成される取出し部101から取り出すことが可能になる。また、中空部成形部材30は、中空部成形部材30の延在方向に見た場合における断面形状が、取出し部101の開口形状よりも小さくなっているため、取出し部101から取り出すことができる。従って、中空部成形部材30は、結合部材20を取出し部101から取り出すことにより、取出し部101に対してむき出しになった中空部成形部材30を、結合部材20と同様に取出し部101から取り出す。
【0056】
中空部成形部材30は、中空成形体100の中空部105に複数が位置しているため、複数の中空部成形部材30を取出し部101から順に取り出す。ここで、中空部成形型10の内側空間15には、内部部材110を入り込んでいるが、内部部材110は、取出し部101を含む中空成形体100の孔部102の大きさよりも大きくなっている。このため、中空部成形部材30を取出し部101から取り出す際には、内部部材110を中空成形体100の中空部105に残したまま、複数の中空部成形部材30を順に取り出す(図16参照)。
【0057】
なお、2つの結合部材20のうち、ベース部25が有する結合部材20は、着脱部24が有する結合部材20を取出し部101から取り出した後、どの段階で取り出してもよい。即ち、ベース部25は、着脱部24を取り外した後、どの段階で取出し部101から取り出してもよい。例えば、ベース部25は、着脱部24を取り外した後、中空部成形部材30を取出し部101から取り出す前に、ベース部25側の取出し部101から取り出してもよく、全ての中空部成形部材30を取出し部101から取り出した後に、ベース部25をベース部25側の取出し部101から取り出してもよい。または、複数の中空部成形部材30を取出し部101から取り出している途中で、ベース部25をベース部25側の取出し部101から取り出してもよい。
【0058】
これらのように、中空成形体100の中空部105を成形する中空部成形型10は、結合部材20及び中空部成形部材30を中空成形体100に形成される取出し部101から取り出すことにより、中空部成形型10を中空部105から取り出すことができる(図1参照)。また、中空部成形型10の内側空間15に内部部材110を入り込ませた状態で中空成形体100の成形を行い、中空成形体100に形成される取出し部101から、結合部材20と中空部成形部材30とを取り出すことにより、中空部105に内部部材110が入り込んだ中空成形体100を形成することができる。
【0059】
以上の実施形態に係る中空成形体成形型1は、中空成形体100の中空部105を成形する中空部成形型10が、中空部105の一部をそれぞれ成形する複数の中空部成形部材30と、中空部成形部材30が着脱自在に結合する結合部材20とを備えている。これにより、取出し部101よりも大きな中空部105を中空部成形型10によって成形した後、中空部成形型10が有する結合部材20と中空部成形部材30とを取り外して、中空成形体100の取出し部101からそれぞれ個別に取り出すことができる。この結果、中空部105を成形する成形型の取出し部101と比較して大きな中空部105を有する中空成形体100を成形することができ、取出し部101よりも大きな中空部105を有する中空成形体100を、一体成形によって成形することができる。
【0060】
また、中空部成形部材30は、結合部材20を中心とする周方向の1周に亘って複数の中空部成形部材30が結合部材20に結合する。このため、結合部材20と中空部成形部材30が結合されることにより形成される中空部成形型10は、結合部材20の平面視方向における大きさを、結合部材20を中心とする1周に亘って、結合部材20の大きさよりも大きくすることができる。これにより、中空成形体100の取出し部101の大きさを、結合部材20が通る程度の大きさとした場合、中空部105を成形する中空部成形型10の大きさを、取出し部101よりも大幅に大きくすることができる。この結果、より確実に、取出し部101と比較して大きな中空部105を有する中空成形体100を成形することができる。
【0061】
また、結合部材20は2つが備えられるため、複数の中空部成形部材30を、2つの結合部材20によってより確実に保持することができる。これにより、結合部材20と中空部成形部材30を結合することより形成される中空部成形型10の形状を、より容易に維持することができる。また、2つの結合部材20は、中空部105の中心を中心とする対称位置に配置されるため、2つの結合部材20に複数の中空部成形部材30を結合して中空部成形型10の形状を維持する際に、複数の中空部成形部材30の形状を揃えることができる。この結果、結合部材20に複数の中空部成形部材30を結合して形成する中空部成形型10の製造性を高めることができる。また、複数の中空部成形部材30の形状を同じ形状することにより、結合部材20に複数の中空部成形部材30を結合して中空部成形型10を組み立てる際に、容易に組み立てることができる。この結果、中空部105を有する中空成形体100の成形を、より容易に行うことができる。
【0062】
また、2つの結合部材20は、結合部材20同士の間に亘って配置される連結部材23により連結されるため、2つの結合部材20と複数の中空部成形部材30とを結合することにより組み立てられる中空部成形型10の組み立て状態を、より容易に維持することができる。これにより、中空部成形型10と外側成形型80とを用いて中空成形体100の成形をする際に、中空部成形型10の形状を崩すことなく、外側成形型80の内側に配置して成形することができる。この結果、中空部105を有する中空成形体100の成形を、より容易に行うことができる。
【0063】
また、中空部成形部材30は、2つの結合部材20の間に亘って配置され、2つの結合部材20に両端が結合されるため、2つの結合部材20と複数の中空部成形部材30とを結合することにより組み立てられる中空部成形型10の組み立て状態を、より容易に維持することができる。これにより、中空部成形型10と外側成形型80とを用いて中空成形体100の成形をする際に、中空部成形型10の形状を崩すことなく、外側成形型80の内側に配置して成形することができる。この結果、中空部105を有する中空成形体100の成形を、より容易に行うことができる。
【0064】
また、実施形態に係る中空成形体100の製造方法では、複数の中空部成形部材30と結合部材20とが結合された中空部成形型10と外側成形型80とで中空成形体100を成形した後、結合部材20を中空部成形部材30から取り外して取出し部101から取り出し、さらに、中空部成形部材30を取出し部101から取り出している。これにより、取出し部101よりも大きな中空部105を中空部成形型10によって成形した後、中空部成形型10が有する結合部材20と中空部成形部材30とを取出し部101からそれぞれ取り出すことができる。この結果、中空部105を成形する成形型の取出し部101と比較して大きな中空部105を有する中空成形体100を成形することができ、取出し部101よりも大きな中空部105を有する中空成形体100を、一体成形によって成形することができる。
【0065】
また、実施形態に係る中空成形体100の製造方法では、中空部成形部材30と結合部材20とは、内側空間15に内部部材110を入り込ませて結合し、内側空間15に内部部材110を入り込ませた中空部成形型10と外側成形型80とで中空成形体100の成形を行った後、取出し部101から結合部材20と中空部成形部材30とを取り出している。これにより、中空部105に内部部材110が入り込んだ中空成形体100を、一体成形により成形することができる。この結果、中空成形体100の使用時の用途を広げることができる。
【0066】
[変形例]
なお、上述した実施形態では、中空部105に内部部材110が入り込んだ中空成形体100の成形を行っているが、中空部105には内部部材110を入り込ませなくてもよい。つまり、中空部105の成形を行う中空部成形型10の組み立てを行う際に、内側空間15に、内部部材110を入り込ませなくてもよい。中空部105を成形する中空部成形型10の取出し部101と比較して、大きな中空部105を有する中空成形体100を成形することができれば、中空部105に内部部材110を入り込ませるか否かは問わない。
【0067】
また、上述した実施形態に係る中空部成形型10では、連結部材23は湾曲して形成されているが、連結部材23は湾曲していなくてもよい。図17は、実施形態に係る中空部成形型10の変形例を示す説明図である。中空部105に内部部材110を入り込ませなかったり、内部部材110の大きさが比較的小さなものであったりする場合には、2つの結合部材20を連結する連結部材23は、図17に示すように直線状に形成されていてもよい。連結部材23を直線状に形成することにより、連結部材23の製造性を高めることができる。
【0068】
また、上述した実施形態に係る中空部成形型10では、支持部材22は2箇所に配置されているが、図17に示すように、支持部材22は1箇所のみであってもよい。支持部材22は、成形装置70を用いて中空部成形型10の成形を行う際に、中空部成形型10を成形装置70で支持することができるように配設されていれば、その数や形状は、実施形態に記載した数や形状以外であってもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、中空成形体100には、取出し部101以外の孔部102が複数形成されているが、取出し部101以外の孔部102は形成されていなくてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、中空成形体100は、球体状の形状で形成されているが、中空成形体100は、球体状以外の形状で形成されていてもよい。中空成形体100は、例えば、ラグビーボール状の形状で形成されていてもよく、また、直方体や八面体等の立体形状で形成されていてもよい。中空成形体100は、内側に中空部105が形成されるものであれば、全体的な形状は問わない。
【符号の説明】
【0071】
1 中空成形体成形型
10 中空部成形型
11 内側成形面
15 内側空間
20 結合部材
21 結合凸部
22 支持部材
23 連結部材
24 着脱部
25 ベース部
26 ネジ孔
27 ネジ部
30 中空部成形部材
31 結合溝
70 成形装置
71 上側ケース部
72 下側ケース部
73 ベース部
75 樹脂注入部
76 樹脂射出経路
80 外側成形型
81 上部成形型
82 下部成形型
83 側部成形型
85 外側成形面
86 凸部
100 中空成形体
101 取出し部
102 孔部
105 中空部
110 内部部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17