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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-05
(45)【発行日】2023-06-13
(54)【発明の名称】表示装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20230606BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20230606BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20230606BHJP
   H10K 50/00 20230101ALI20230606BHJP
   H05B 33/06 20060101ALI20230606BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20230606BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
G09F9/00 348
G02F1/1345
H10K59/00
H05B33/14 A
H05B33/06
H05B33/10
H05K1/14 C
H05K1/14 J
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019057632
(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2020095232
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】10-2018-0160209
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】イム, デ ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】キム, ビョン ヨン
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-049514(JP,A)
【文献】特開平07-192790(JP,A)
【文献】特開平03-052244(JP,A)
【文献】特開平07-073740(JP,A)
【文献】特開昭63-183482(JP,A)
【文献】特表平10-502677(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0100481(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02F 1/1345
H10K 59/00
H10K 50/00
H05B 33/06
H05B 33/10
H05K 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルに電気的に連結された可撓性印刷回路基板と、
前記表示パネルの一端に位置する第1パッドと、
前記可撓性印刷回路基板の一端に位置し、前記第1パッドと重畳する第2パッドと、
前記第1パッドと前記第2パッドの間に位置する第1異方性導電膜とを含み、
記第1異方性導電膜は第1伝導領域と第1絶縁領域とを含み、
前記第1伝導領域は多結晶シリコンを含み、
前記第1絶縁領域は非晶質シリコンを含む、表示装置。
【請求項2】
前記第1伝導領域は、前記第1パッドと前記第2パッドが重畳する領域に位置し、
前記第1絶縁領域は、前記第1伝導領域を囲む領域に位置する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1パッドのピッチ(pitch)は27μm以下である、請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
印刷回路基板、
前記可撓性印刷回路基板の他端に位置する第3パッド、
前記印刷回路基板に位置する第4パッド、および
前記第3パッドと前記第4パッドの間に位置する第2異方性導電膜をさらに含み、
記第2異方性導電膜は第2伝導領域と第2絶縁領域とを含み、
前記第2伝導領域は、前記第3パッドと前記第4パッドが重畳する領域に位置する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2伝導領域は多結晶シリコンを含み、
前記第2絶縁領域は非晶質シリコンを含む、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記可撓性印刷回路基板はデータ駆動集積回路を含み、
前記データ駆動集積回路は、前記第2パッド、第1異方性導電膜および第1パッドを通して信号を前記表示パネルに伝達する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
記第1異方性導電膜は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂をさらに含む、請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
表示パネルと可撓性印刷回路基板を準備する段階と、
前記表示パネルまたは前記可撓性印刷回路基板に非晶質シリコンを含む異方性導電膜を取り付ける段階と、
前記異方性導電膜の上にマスクを準備する段階と、
前記異方性導電膜にレーザを照射する段階と、を含み、
前記マスクは、前記表示パネルのパッドに対応する領域に開口部を含み、
前記異方性導電膜にレーザを照射する段階は、前記マスクの前記開口部を通して前記異方性導電膜における前記表示パネルのパッドと重畳する領域に、レーザを照射して行われる、表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記レーザは、エキシマレーザである、請求項8に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では有機発光表示装置、液晶表示装置などの表示装置が使用されている。表示装置は、映像を表示する画素を含む表示パネルを含む。表示パネルには画素以外にも、駆動装置、画素と駆動装置を制御するのに使用される信号の入出力のためのパッド部(pad portion)があり、パッド部には集積回路チップ(IC chip)やフィルム形態の可撓性印刷回路基板(flexible printed circuit board、FPCB)などが接合される。
【0003】
このとき、パッド部の電気的接続と物理的結合のために、導電ボール(conductive ball)を含む異方性導電膜(anisotropic conductive film、ACF)が使用される。解像度が高くなり、回路が集積化されることによってパッド部のパッド間の距離が漸次狭くなっており、そのために信頼性が向上したパッド部の電気的接続が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導電ボールを含む異方性導電膜のボンディング過程でレジンフロー(resin flow)によって、導電ボールはパッド部のすべての領域で均一に捕捉されない。したがって、一部領域に導電ボールが過多に密集すれば面方向に隣接するパッドが短絡することがあり、一部領域に導電ボールが不足すれば対応するパッドが電気的に連結できないことがある。また、一定の大きさと体積を有し不規則に位置する導電ボールを用いて、対応するパッドは電気的に連結させ、これと同時に隣接するパッドは電気的に連結させないようにするためには、パッドのピッチ(pitch)とパッドの面積に制約が伴う。すなわち、パッド間の距離が一定水準以上に近くなると隣接するパッドが短絡することがあり、パッドの面積が十分でなければ対応するパッドが電気的に連結されないことがある。これは、特に多くの数のパッドが一定の面積に集積されなければならない高解像度表示装置で問題となることがある。
【0005】
実施形態では、導電ボールを含まずともパッド間の電気的接続が可能で、導電ボールの密集度と導電ボールの大きさなどによるパッドのピッチまたはパッドの面積に限界がなく、導電ボールによる短絡または開放の問題がなくてパッドの接続信頼性が向上した表示装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による表示装置は、表示パネル、前記表示パネルに電気的に連結された可撓性印刷回路基板、前記表示パネルの一端に位置する第1パッド、前記可撓性印刷回路基板の一端に位置し、前記第1パッドと重畳する第2パッド、および前記第1パッドと前記第2パッドの間に位置する第1異方性導電膜を含み、前記第1異方性導電膜は導電性高分子を含み、前記第1異方性導電膜は第1伝導領域と第1絶縁領域とを含む。
【0007】
前記第1伝導領域は、前記第1パッドと前記第2パッドが重畳する領域に位置し、前記第1絶縁領域は、前記第1伝導領域を囲む領域に位置することができる。
【0008】
前記導電性高分子は、ポリアセチレン(Polyacetylene)、ポリピロール(Polypyrrole)、ポリチオフェン(Polythiophene)、ポリフェニレンビニレン(Polyphenylenevinylene)、ポリフェニレン(polyphenylene)のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0009】
前記第1伝導領域はトランスポリアセチレン(trans-Polyacetylene)を含み、前記第1絶縁領域はシスポリアセチレン(cis-Polyacetylene)を含むことができる。
【0010】
前記第1パッドは微細なピッチを有することができ、前記第1パッドのピッチは27μm以下であり得る。
【0011】
本実施形態による表示装置は、印刷回路基板、前記可撓性印刷回路基板の他端に位置する第3パッド、および前記印刷回路基板に位置する第4パッドをさらに含むことができる。
【0012】
前記第3パッドと前記第4パッドの間に位置する第2異方性導電膜をさらに含むことができる。
【0013】
前記第2異方性導電膜は導電性高分子を含むことができる。
【0014】
前記第2異方性導電膜は、第2伝導領域と第2絶縁領域とを含み、前記第2伝導領域は前記第3パッドと前記第4パッドが重畳する領域に位置することができる。
【0015】
前記可撓性印刷回路基板は、データ駆動集積回路を含むことができる。
【0016】
前記データ駆動集積回路は、前記第2パッド、第1異方性導電膜、および第1パッドを通して信号を前記表示パネルに伝達できる。
【0017】
一実施形態による表示装置は、表示パネル、前記表示パネルに電気的に連結された可撓性印刷回路基板、前記表示パネルの一端に位置する第1パッド、前記可撓性印刷回路基板の一端に位置し、前記第1パッドと重畳する第2パッド、および前記第1パッドと前記第2パッドの間に位置する第1異方性導電膜を含み、前記第1異方性導電膜は第1伝導領域と第1絶縁領域を含み、前記第1伝導領域は多結晶シリコンを含み、前記第1絶縁領域は非晶質シリコンを含む。
【0018】
前記第1伝導領域は、前記第1パッドと前記第2パッドが重畳する領域に位置し、前記第1絶縁領域は、前記第1伝導領域を囲む領域に位置することができる。
【0019】
前記第1異方性導電膜は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂をさらに含むことができる。
【0020】
本実施形態による表示装置は、印刷回路基板、前記可撓性印刷回路基板の他端に位置する第3パッド、前記印刷回路基板に位置する第4パッド、および前記第3パッドと前記第4パッドの間に位置する第2異方性導電膜をさらに含むことができる。
【0021】
前記第2異方性導電膜は第2伝導領域と第2絶縁領域を含み、前記第2伝導領域は多結晶シリコン粒子を含み、前記第2絶縁領域は非晶質シリコンを含むことができる。
【0022】
前記第2異方性導電膜は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂をさらに含むことができる。
【0023】
一実施形態による表示装置の製造方法は、表示パネルと可撓性印刷回路基板を準備する段階と、前記表示パネルまたは前記可撓性印刷回路基板に異方性導電膜を取り付ける段階と、前記異方性導電膜の上にマスクを準備する段階と、前記異方性導電膜にレーザを照射する段階とを含み、前記マスクは、前記表示パネルのパッドに対応する領域に開口部を含み、前記異方性導電膜にレーザを照射する段階は、前記マスクの前記開口部を通して前記異方性導電膜における前記表示パネルのパッドと重畳する領域に、レーザを照射して行われる。
【0024】
前記異方性導電膜は、導電性高分子を含むことができる。
【0025】
前記異方性導電膜において、前記レーザが照射された領域には多結晶シリコンが形成され、前記異方性導電膜において、前記レーザが照射されない領域には非晶質シリコンを含むことができる。
【0026】
実施形態では、導電ボールを含まずともパッド間の電気的接続が可能な構造を含む。したがって、導電ボールの密集度と導電ボールの大きさなどによるパッドのピッチまたはパッドの面積に限界がなく、導電ボールによる短絡または開放の問題がなくてパッドの接続信頼性が向上することができる。
【0027】
また、微細なピッチおよび面積を有するパッドを形成できるので、表示装置で映像が表示される領域周辺に位置するデッドスペース(dead space)を減らすことができ、表示装置の高解像度が実現可能で、そのために、表示装置の設計自由度が増加できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態による表示装置を概略的に示すブロック図である。
図2】一実施形態による表示装置の断面図である。
図3図1のA部分を拡大した分解斜視図である。
図4】他の一実施形態による表示装置の分解斜視図である。
図5】一実施形態による表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
図6】一実施形態による表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付した図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は様々な異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0030】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付与する。
【0031】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示しており、本発明が必ずしも図示されたものに限定されるわけではない。図面では様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示している。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示している。
【0032】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上に”あるというとき、これは他の部分の“直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の“直上”にあるというときは、その中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の“上に”あるというのは基準となる部分の上また
は下に位置することであり、必ずしも重力と反対の方向に向かって“上に”位置することを意味するのではない。
【0033】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”というとき、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0034】
また、明細書全体で、“平面上”というとき、これは対象部分を上方から見たときを意味し、“断面上”というとき、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見たときを意味する。
【0035】
以下、図1乃至図3を参照して本発明の一実施形態による表示装置について説明する。図1は、本発明の一実施形態による表示装置10を概略的に示すブロック図である。
【0036】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による表示装置10は、表示パネル100、表示パネル100と連結されている可撓性印刷回路基板200、および可撓性印刷回路基板200と連結されている印刷回路基板(printed circuit board)300を含む。表示パネル100は、有機発光表示パネルまたは液晶表示パネルであってもよいが、これに制限されない。
【0037】
表示パネル100は、映像を表示する表示領域(display area、DA)、および表示領域DAに印加される各種信号を生成したり伝達したりするための素子および配線が配置されている非表示領域(non-display area、NA)を含む。非表示領域NAは、表示領域DAの外郭に位置することができる。図1において表示パネル100の一端の周縁領域、すなわち、下側領域だけが非表示領域NAに示されているが、表示パネル100の他側周縁領域、例えば左、右側周縁領域または上側周縁領域も非表示領域NAに該当することができ、表示領域DAを囲む領域に位置することができる。表示領域DAは四角形に示されているが、四角形以外にも円形、楕円形、多角形など多様な形状を有することができる。
【0038】
表示パネル100の表示領域DAには、画素(PX)が例えば行列状に配置されている。表示領域DAには、ゲート線(図示せず)およびデータ線(図示せず)のような信号線も配置されている。ゲート線はほぼ行方向(横方向)に伸びており、データ線はほぼ列方向(縦方向)に伸びている。それぞれの画素(PX)はゲート線およびデータ線と連結され、これら信号線からゲート信号とデータ信号が印加され得る。
【0039】
表示パネル100の非表示領域NAには、表示パネル100の外部から信号を伝達するためのパッドPEが形成されている第1パッド部PP1が位置する。表示領域DAに位置する複数の信号線11は、非表示領域NAまで伸びて第1パッド部PP1のパッドPEと連結されている。表示パネル100の非表示領域NAにはゲート駆動部(図示せず)が集積されており、集積回路チップの形態で提供されることもできる。
【0040】
可撓性印刷回路基板200は曲がることができ、可撓性印刷回路基板200の一端は表示パネル100の複数の信号線11と電気的に連結されている。可撓性印刷回路基板200の一端は表示パネル100の第1パッド部PP1と重畳し、第1パッド部PP1で可撓性印刷回路基板200と表示パネル100が電気的に連結され得る。後述するように、表示パネル100と可撓性印刷回路基板200は、異方性導電膜によって連結されて可撓性印刷回路基板200から信号が伝達され得る。
【0041】
可撓性印刷回路基板200は、入力映像信号に対応する階調電圧であるデータ電圧を生成するデータ駆動集積回路400を含む。データ駆動集積回路400は、可撓性印刷回路基板200に実装されてテープキャリアパッケージ(tape carrier package)の形態で第1パッド部PP1に連結され得る。図示とは違って、データ駆動部は、集積回路チップの形態で表示領域DAと第1パッド部PP1の間の非表示領域NAに実装されることも可能である。
【0042】
可撓性印刷回路基板200の他端には、信号が伝達されるためのパッドPEが形成されている第2パッド部PP2が位置する。可撓性印刷回路基板200の第2パッド部PP2には、印刷回路基板300の一端が連結されている。可撓性印刷回路基板200と印刷回路基板300は、異方性導電膜によって電気的に連結され得る。
【0043】
印刷回路基板300は、表示パネル100のゲート駆動部(図示せず)を制御する信号制御部(図示せず)を含むことができる。信号制御部は、印刷回路基板300の上に位置し、可撓性印刷回路基板200を通じて信号を表示パネル100に伝達できる。
【0044】
図2は、一実施形態による表示装置の断面図である。具体的には、図2は、可撓性印刷回路基板200がベンディングされた表示装置の断面図である。
【0045】
上述のように、表示装置は表示パネル100、可撓性印刷回路基板200、および印刷回路基板300を含む。
【0046】
表示パネル100は基板110を含む。基板110は、よく撓めたり曲げたり折り畳んだり丸めたりできるプラスチックなどのフレキシブル素材を含むことができる。
【0047】
基板110上には、薄膜トランジスター表示板120と第1パッドPE1aが位置する。薄膜トランジスター表示板120は、図1の表示領域DAに位置することができる。薄膜トランジスター表示板120は、少なくとも一つの薄膜トランジスターを含み、複数のゲート線と複数のデータ線および複数の駆動電圧線を含む複数の信号線を含むことができる。
【0048】
第1パッドPE1aは基板110の周縁に位置することができ、非表示領域NAに位置することもできる。図2では示していないが、薄膜トランジスター表示板120に位置する複数の信号線(図示せず)は、非表示領域NAに伸びて第1パッドPE1aと連結され得る。
【0049】
可撓性印刷回路基板200は、データ駆動集積回路400、第2パッドPE1b、および第3パッドPE2aを含む。可撓性印刷回路基板200は、基板110の下方にベンディングされ得る。すなわち、可撓性印刷回路基板200は、基板110で薄膜トランジスター表示板120が位置する面の反対側の面に向かう方向にベンディングされ得る。
【0050】
データ駆動集積回路400は、ベンディング前には可撓性印刷回路基板200の下面に位置することができ、可撓性印刷回路基板200がベンディングされた後には表示パネル100の基板110の下方に位置することができる。図示しないが、データ駆動集積回路400は、第1パッドPE1aおよび第2パッドPE1bと電気的に連結され得る。
【0051】
第2パッドPE1bは、可撓性印刷回路基板200の一端に位置し、第1異方性導電膜510によって表示パネル100の第1パッドPE1aと電気的に連結されている。第1異方性導電膜510の一面は第1パッドPE1aと接しており、他面は第2パッドPE1bと接している。第1異方性導電膜510は、表示パネル100の第1パッドPE1aと可撓性印刷回路基板200の第2パッドPE1bを接着し、同時に電気的に連結することができる。
【0052】
第3パッドPE2aは、可撓性印刷回路基板200の他端に位置し、第2異方性導電膜520によって印刷回路基板300の第4パッドPE2bと電気的に連結されている。第2異方性導電膜520の一面は第3パッドPE2aと接し、他面は第4パッドPE2bと接することができる。第2異方性導電膜520は、可撓性印刷回路基板200の第3パッドPE2aと印刷回路基板300の第4パッドPE2bを接着し、同時に電気的に連結することができる。
【0053】
図3を参照して、本発明の一実施形態による表示装置に含まれる異方性導電膜について詳しく説明する。図3は、図1のA部分を拡大した分解斜視図である。
【0054】
基板110の上面には第1パッドPE1aが位置し、可撓性印刷回路基板200の下面には第2パッドPE1bが位置する。第2パッドPE1bは、第1パッドPE1aと重畳する領域に位置する。しかし、第1パッドPE1aと第2パッドPE1bは、完全に一致したり完全に重畳しなかったりすることがあり、互いにある程度外れていることもあり、大きさや模様が互いに異なることもある。また、図示とは違って、第1パッドPE1aと第2パッドPE1bは多角形、円形、楕円形など多様な形状であり得る。
【0055】
第1異方性導電膜510は、第1パッドPE1aと第2パッドPE1bの間に位置する。第1異方性導電膜510の一面は第1パッドPE1aと接し、他面は第2パッドPE1bと接することができる。
【0056】
第1異方性導電膜510は導電性高分子を含む。例えば、第1異方性導電膜510は、ポリアセチレン(Polyacetylene)、ポリピロール(Polypyrrole)、ポリチオフェン(Polythiophene)、ポリフェニレンビニレン(Polyphenylene vinylene)、ポリフェニレン(polyphenylene)のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0057】
第1異方性導電膜510は伝導領域511と絶縁領域512とを含む。伝導領域511は電流が通じる領域であり、絶縁領域512は電流がほとんど通じない領域である。例えば、伝導領域511の抵抗は0Ωを超え、10Ω以下であり、絶縁領域512の抵抗は10Ω~10Ωであり得る。
【0058】
伝導領域511は、第1パッドPE1aと第2パッドPE1bが重畳する領域に位置することができる。伝導領域511は、重畳する第1パッドPE1aと第2パッドPE1bを電気的に連結することができる。また、第1異方性導電膜510に離隔的に位置するそれぞれの伝導領域511は、絶縁領域512によって互いに電気的に連結されずに絶縁され得る。
【0059】
図3には、伝導領域511が第1パッドPE1aおよび第2パッドPE1bと一致することを示しているが、これに制限されず、伝導領域511が第1パッドPE1aおよび第2パッドPE1bと完全に一致しないことも可能である。伝導領域511は、第1パッドPE1aおよび第2パッドPE1bと完全に重畳しないことがあり、互いにある程度外れていることもあり、大きさや形状が互いに異なることもある。また、図示とは違って、伝導領域511は多角形、円形、楕円形など多様な形状であり得る。それぞれの伝導領域511は、対応する一つの第1パッドPE1aおよび一つの第2パッドPE1bとだけ重畳することがあり、これと隣接する他の第1パッドPE1aおよび他の第2パッドPE1bとは重畳しないこともある。
【0060】
絶縁領域512は、第1パッドPE1aと第2パッドPE1bが重畳しない領域に位置することができ、伝導領域511を除いた残りの領域で伝導領域511を囲んで位置することができる。また、絶縁領域512は、第1パッドPE1aおよび第2パッドPE1bと重畳しないことがある。第1異方性導電膜510の絶縁領域512によって表示パネルの基板110に位置するそれぞれの第1パッドPE1aは互いに短絡せず、電気的信号を伝達しない。
【0061】
例えば、第1異方性導電膜510がポリアセチレンを含むと、伝導領域511はトランスポリアセチレン(trans-Polyacetylene)を含み、絶縁領域512はシスポリアセチレン(cis-Polyacetylene)を含むことができる。このとき、伝導領域511の伝導率は10-4S/cm以上10-2S/cm以下であり得、絶縁領域512の伝導率は10-8S/cm以上10-6S/cm以下であり得る。したがって、伝導領域511は、第1パッドPE1aと第2パッドPE1bの間に電気的信号を伝達でき、絶縁領域512では電気的信号が遮断される。
【0062】
導電ボールを含む異方性導電膜の場合、導電ボールによる物理的な点接触(physical point contact)を通じて表示パネルと可撓性印刷回路基板を連結する。また、導電ボールの大きさは無限に小さくなることができず、導電ボールは一定の大きさと体積を有し、異方性導電膜内で不規則に位置する。例えば、導電ボールの最小サイズは約3μmであり得る。
【0063】
上述した導電ボールの特性によってパッドの接続不良が発生することがある。例えば、一部領域に導電ボールが過多に密集すれば表示パネルの面方向のパッドが短絡することがあり、一部領域に導電ボールが不足すれば表示パネルと可撓性印刷回路基板が電気的に連結されないことがある。
【0064】
また、導電ボールを用いて対応するパッドは電気的に連結され、これと同時に隣接するパッドは、電気的に連結されないようにするために、パッドのピッチ(pitch)とパッドの面積が一定の大きさ以上であるものに限定される。そのため、表示装置の高解像度化の実現が難しく、高解像度表示装置でデッドスペースを減らすには限界がある。デッドスペースは、表示装置で映像を表示する表示領域DA以外の領域を意味し、非表示領域NAと同じ領域であるか、非表示領域NAを含む領域であり得る。
【0065】
しかし、一実施形態による異方性導電膜510の場合、導電ボールを含まず、相対的に伝導率が高い伝導領域511と伝導率が低い絶縁領域512を含んで表示パネルの第1パッドPE1aと可撓性印刷回路基板200の第2パッドPE1bを電気的に連結することができる。したがって、導電ボールの密集度および大きさなどによる不良が発生しない。また、導電ボールによるパッドのピッチおよび面積の限界を克服でき、微細なピッチおよび面積を有するパッド設計が可能である。例えば、第1パッドPE1aのピッチP1と第2パッドPE1bのピッチP2は、27μm以下であり得る。ピッチは、パッドの中心間の距離を意味する。そのために、第1異方性導電膜510の伝導領域511の中心間の距離P3も27μm以下であり得る。
【0066】
図3では、図2の第1異方性導電膜510だけを説明したが、図3の内容は、図2の第3パッドPE2aと第4パッドPE2bを連結する第2異方性導電膜520にも同様に適用され得る。
【0067】
図4を参照して、本発明の他の一実施形態による表示装置に含まれる異方性導電膜について説明する。図4は、他の一実施形態による表示装置の分解斜視図である。図4は、図1のA部分と同じ部分を示す。
【0068】
第1異方性導電膜510は、シリコンを含むことを除いて、図3と類似しているので、重畳する内容に対する詳細な説明は省略する。
【0069】
第1異方性導電膜510は、伝導領域511と絶縁領域512を含む。伝導領域511は電流が通じる領域であり、絶縁領域512は電流がほとんど通じない領域である。
【0070】
本実施形態による表示装置に含まれる第1異方性導電膜510の伝導領域511は多結晶シリコン(poly silicon)555を含み、絶縁領域512は非晶質シリコン(amorphous silicon)550を含むことができる。単結晶シリコン領域の集合体である多結晶シリコン555は、非晶質シリコン550に比べて電子移動度が約100倍高い。したがって、非晶質シリコン550を含む第1異方性導電膜510の伝導領域511にだけ選択的にエキシマレーザ(Excimer Laser)などを照射して、伝導領域511の非晶質シリコン550を多結晶シリコン555へと結晶化すると、絶縁領域512に比べて電子移動度が優れた伝導領域511を形成することができる。
【0071】
第1異方性導電膜510は、樹脂(resin)をさらに含むことができる。樹脂は、熱硬化樹脂または光硬化樹脂であり得る。例えば、樹脂は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、またはシアネート樹脂であり得る。第1異方性導電膜510が樹脂を含む場合、樹脂を含まない場合よりも電子移動度が低くなる。したがって、樹脂に含まれるシリコン粒子の密度を調節して第1異方性導電膜510の電子移動度を調節することができる。
【0072】
基板110の上面に位置する第1パッドPE1aと可撓性印刷回路基板200の下面に位置する第2パッドPE1bは、第1異方性導電膜510の伝導領域511と接合して電気的に連結される。第1パッドPE1aのピッチP1と第2パッドPE1bのピッチP2は27μm以下であり得る。そのために、第1異方性導電膜510の伝導領域511の中心間距離P3も27μm以下であり得る。
【0073】
図4では、図2の第1異方性導電膜510だけを説明したが、図4の内容は、図2の第2異方性導電膜520にも同様に適用され得る。
【0074】
図5を参照して、一実施形態による表示装置の製造方法について説明する。具体的には、異方性導電膜を用いて表示装置に含まれる表示パネルと可撓性印刷回路基板を取り付ける方法について説明する。図5は、一実施形態による表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【0075】
まず、パッドが備えられた表示パネルと可撓性印刷回路基板を準備する(S101)。表示パネルのパッドと可撓性印刷回路基板のパッドは、互いに重畳できるように対応する位置に形成する。
【0076】
次に、表示パネルのパッド部に異方性導電膜を取り付ける(S102)。異方性導電膜は、導電性高分子を含むフィルムであり得る。例えば、異方性導電膜はポリアセチレン(Polyacetylene)、ポリピロール(Polypyrrole)、ポリチオフェン(Polythiophene)、ポリフェニレンビニレン(Polyphenylene vinylene)、ポリフェニレン(polyphenylene)のうち少なくともいずれか一つを含むことができる。
【0077】
次に、異方性導電膜の上にマスクを準備する(S103)。レーザを異方性導電膜の所定の領域に選択的、局部的に照射するためにマスクを用いることができる。マスクは異方性導電膜の上に位置し、表示パネルのパッドに対応する領域に開口部を含むことができる。これにより、異方性導電膜における表示パネルのパッドと重畳する領域に、レーザを局部的に照射できる。特に、マスクを用いるとパッド領域のアラインメントを取りやすく、微細なピッチを有するパッドに対応する領域に、正確にレーザを照射できる。そのため、微細なピッチおよび面積を有するパッドを形成することが可能で、高解像度化され高集積化された表示装置の製造が可能である。
【0078】
次に、異方性導電膜にレーザを照射する(S104)。レーザを照射する段階は、異方性導電膜における表示パネルのパッドと重畳する領域に、選択的にレーザを照射して行うことができる。
【0079】
レーザが照射された領域は、導電性高分子の結合が変形して伝導率が増加する。例えば、表示パネルのパッド部に異方性導電膜を取り付ける段階(S102)で、表示パネルに取り付けられた異方性導電膜はシスポリアセチレンを含むフィルムであり得る。シスポリアセチレンに約180℃の熱が加わると結合が変形して幾何異性体の関係にあるトランスポリアセチレンが形成される。したがって、シスポリアセチレンを含むフィルムにレーザを照射すると、レーザを照射した領域にトランスポリアセチレンが形成される。つまり、レーザを照射した領域はトランスポリアセチレンを含み、レーザを照射しない領域はシスポリアセチレンを含む。
【0080】
トランスポリアセチレンの伝導率は、シスポリアセチレンの伝導率に比べて大きい。例えば、トランスポリアセチレンの伝導率は10-4S/cm~10-2S/cmであり、シスポリアセチレンの伝導率は10-8S/cm~10-6S/cmであり得る。したがって、レーザを照射した領域は電気的信号を伝達する伝導領域となり、その他の領域は電気的信号を伝達しない絶縁領域となり得る。
【0081】
異方性導電膜が導電性高分子を含むものを説明したが、異方性導電膜はシリコン粒子を含むことも可能である。この場合には、非晶質シリコンを含む異方性導電膜にエキシマレーザなどを照射して非晶質シリコンを多結晶シリコンに結晶化することができる。多結晶シリコンは非晶質シリコンに比べて、電子移動度が約100倍高い。したがって、レーザが照射された多結晶シリコンを含む領域は伝導領域となり、レーザが照射されない非晶質シリコンを含む領域は絶縁領域となり得る。
【0082】
次に、異方性導電膜に可撓性印刷回路基板を取り付ける(S105)。このとき、可撓性印刷回路基板のパッドと異方性導電膜にレーザが照射された領域とが重畳するように取り付ける。すなわち、表示パネルのパッド、可撓性印刷回路基板のパッドおよび異方性導電膜にレーザが照射された伝導領域は全て重畳して、電気的に連結され得る。また、面方向に隣接するパッド間には異方性導電膜の絶縁領域によって絶縁され得る。
【0083】
図6を参照して、他の一実施形態による表示装置の製造方法について説明する。図6は、一実施形態による表示装置の製造方法を示すフローチャートである。図6では取り付け順序を除けば、図5の製造方法と類似しているので、重複する構成の詳細な説明は省略する。
【0084】
まず、パッドが備えられた表示パネルと可撓性印刷回路基板を準備し(S201)、可撓性印刷回路基板のパッド部に異方性導電膜を取り付ける(S202)。異方性導電膜は導電性高分子を含むフィルムであるか、またはシリコン粒子を含むことができる。
【0085】
次に、異方性導電膜の上にマスクを準備し(S203)、異方性導電膜にレーザを照射する(S204)。レーザを照射する段階は、マスクを用いて、異方性導電膜における表示パネルのパッドと重畳する領域に、選択的にレーザを照射して行うことができる。
【0086】
次に、異方性導電膜に表示パネルを取り付ける(S205)。このとき、表示パネルのパッドと異方性導電膜にレーザが照射された領域とが重畳するように取り付ける。
【0087】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0088】
10:表示装置
100:表示パネル
110:基板
120:薄膜トランジスターの表示板
200:可撓性印刷回路基板
300:印刷回路基板
400:駆動集積回路
510:第1異方性導電膜
520:第2異方性導電膜
511:伝導領域
512:絶縁領域
PE:パッド
PE1a:第1パッド
PE1b:第2パッド
PE2a:第3パッド
PE2b:第4パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6